【新刊】暗い世界 ウェールズ短編集 | 河野 真太郎(編集 / 翻訳), リース・デイヴィス, グウィン・トマス, マージアッド・エヴァンズほか

堀之内出版 2020年
ソフトカバー 244ページ
縦174mm 横110mm

- 内容紹介 -
日本初のウェールズ小説集。
炭鉱/戦争/女性/日常、ウェールズに根ざした、でも私たちにとても近い5編の物語たち。
「暗い世界」から「まわりの全てが新しい王国」へ。

装丁 平山みな美+山田和寛(nipponia)
装画 安藤巨樹
組版 トム・プライズ

本書は古紙パルプを70%以上配合したOKプリンス上質エコグリーンを本文紙に使用しております。

目次
はじめに

暗い世界 リース・デイヴィス(川端康雄 訳)
 Rhys Davies, ‘The Dark World’
解題 川端康雄

あんたの入用 グウィン・トマス(山田雄三 訳)
 Gwyn Thomas ‘Thy Need’
解題 山田雄三

失われた釣り人 マージアッド・エヴァンズ(中井亜佐子 訳)
 Margiad Evans ‘The Lost Fisherman’
解題 中井亜佐子

徒費された時間 ロン・ベリー(西 亮太 訳)
 Ron Berry, ‘Time Spent’
解題 西 亮太

ハード・アズ・ネイルズ レイチェル・トリザイス(河野真太郎 訳)
 Rachel Trezise, ‘Hard as Nails’
解題 河野真太郎

おわりに

前書きなど
 本書の編集方針は、ウェールズの歴史とウェールズ文学の歴史をバランスよく過不足なく伝えることは最初から放棄し、個々の作品がそれ自体で独自に、ある種普遍的な「面白さ」を持っているものを選ぶ、というものでした。
 その意味で、本書のために選んだ作品は、ウェールズという、多くの読者にとって縁遠い国の経験を描くものというよりは、「近代」と呼ぶしかない、私たちに共有された経験を描くものです。ですがやはり、その一方で、それぞれの作品には、ウェールズの、それぞれの時代における特殊な経験が見まごうことなく刻みこまれています。(編者「あとがき」より)

- 著者プロフィール -
河野 真太郎 (コウノ シンタロウ) (編集 | 翻訳)
専修大学教授。1974年山口県生まれ。関心領域はイギリスの文化と社会。著書に『戦う姫、働く少女』(堀之内出版、2017年)、『〈田舎と都会〉の系譜学』(ミネルヴァ書房、2013年)、共著に『文化と社会を読む 批評キーワード辞典』(研究社、2013年)訳書にピーター・バーク『文化のハイブリディティ』(法政大学出版局、2012年)、共訳書にレイモンド・ウィリアムズ『共通文化に向けて―文化研究1』(みすず書房、2013年)など。

リース・デイヴィス (著/文)
(Rhys Davies, 1901-78)南ウェールズ、ロンザ渓谷の炭鉱町ブラインクラダハ生まれ。ウェールズの英語散文作家のなかでもっとも多作で成功した作家のひとりとされる。主にロンドンで活動し、1920年代末にはD・H・ロレンス夫妻と親交をもつなど、イングランドのモダニズム作家との関わりがあるが、作品の多くは生まれ故郷のロンザ渓谷を舞台にしている。代表作に『枯れた根』(1827年)、『黒いヴィーナス』(1944年)、自伝『野ウサギの足跡』(1969年)、戯曲『逃げ道なし』(1954年)がある。1967年には「選ばれた者」によって、米国のエドガー賞(短篇部門賞)を受賞している。

グウィン・トマス (著/文)
(Gwyn Thomas, 1913-1981)
南ウェールズ、ロンザ渓谷の炭鉱町クンマー生まれ。炭鉱夫の家庭に12番目の末っ子として生まれる。鉱夫奨学生としてオクスフォード大とマドリード大に学んだのち、1940年代には郷里にて中学教師を務める傍ら、小説を発表しはじめる。一人称の私小説から歴史小説、戯曲まで作風は多彩だが、どの作品にも人間愛に貫かれたブラック・ユーモアが溢れている。代表作に『暗い哲学者たち』(1946年)、『すべてに裏切られ』(1949年)、戯曲『キープ』(1962年)、自伝『選ばれたいくつかの出口』(1968年)がある。晩年にはBBCテレビ番組で人気者となり、彼のユーモアたっぷりの雑談はウェールズの英語話者に愛された。

マージアッド・エヴァンズ (著/文)
(Margiad Evans, 1909-1958)
ロンドン郊外、アクスブリッジ生まれ。本名はペギー・アイリーン・ウィスラー (Peggy Eileen Whistler)。一〇代初めに家族とともに、ウェールズとイングランドの国境地帯、ヘレフォード州ブライドストウに移住する。フォークロア(民話)的要素とモダニズムの「意識の流れ」を取り入れた独特の文体によってウェールズの農村の人びとの日常を描く作風が、近年再評価されつつある。代表作に、長編小説『カントリー・ダンス』(Country Dance, 1932) 、短編集『老いた者と若き者』(The Old and the Young, 1948) 、『自伝』 (Autobiography, 1943) などがある。

ロン・ベリー (著/文)
(Ron Berry、1920‐1997)英国、南ウェールズ出身の小説家。本名はロナルド・アンソニー・ベリー(Ronal Anthony Berry)。一四歳から炭坑労働者であった父に倣って炭鉱で働いていたが、第二次世界大戦中には英国陸軍として従軍し、商船隊にも参加している。戦後は成人教育プログラムで学んだあと南ウェールズに戻り、仕事をしながら『狩る者と狩られるもの』をはじめとして計六つの中・長編小説を発表している。作家として生計を立てるには至らなかったが、死後は英語のウェールズ文学再版シリーズであるライブラリー・オブ・ウェールズの第一作目に選ばれるなど、とりわけ2000年代以降には再評価が進み、現在では古典的作家と呼ばれるまでになっている。

レイチェル・トレザイス (著/文)
(Rachel Trezise, 1978-)
南ウェールズ、ロンザ渓谷のクムパルク生まれ。2000年に自伝的な小説『金魚鉢から出たり入ったり』でデビュー。産業を失い、貧困、暴力、ドラッグに悩む南ウェールズの実相を背景としつつ、巧みなレトリックと物語構成が光る、現代ウェールズを代表する作家の一人である。短編集『新鮮な林檎』(2005年)で第一回ディラン・トマス国際文学賞を受賞、その後、本短編集にそこから一編を収録した『コズミック・ラテ』(2013年)などの短編集のほか、戯曲やノンフィクションなど、幅広い執筆活動を行っている。新作の長編小説『むかしむかしロンザで』が出版予定である。

川端 康雄 (カワバタ ヤスオ) (翻訳)
日本女子大学文学部教授。1955年横浜市生まれ。専門は近現代イギリスの文化、文学。著書に『ジョージ・オーウェル』(岩波書店、2020年)、『ウィリアム・モリスの遺したもの』(岩波書店、2016年)、『葉蘭をめぐる冒険』(みすず書房、2013年)、『ジョージ・ベストがいた』(平凡社、2010年)、『オーウェルのマザー・グース』(平凡社、1998年)など。

山田 雄三 (ヤマダ ユウゾウ) (翻訳)
大阪大学文学研究科教授。1968年、熊本県宇城市生まれ。専門は英国初期近代演劇、および近現代文化理論。主著に『ニューレフトと呼ばれたモダニストたち』(松柏社、2013年)、『感情のカルチュラル・スタディーズ』(開文社出版、2005年)、訳書にレイモンド・ウィリアムズ『想像力の時制―文化研究II』(共訳、みすず書房、2016年)、ロバート・アッカーマン『評伝 J・G・フレイザー―その生涯と業績』(共訳、法藏館、2009年)など。

中井 亜佐子 (ナカイ アサコ) (翻訳)
一橋大学教授。1966年島根県松江市生まれ、山口県宇部市にて生育。専門は近現代英文学、批評理論。著書に The English Book and Its Marginalia: Colonial/Postcolonial Literatures after Heart of Darkness (Rodopi, 2000)、『他者の自伝――ポストコロニアル文学を読む』(研究社、2007年)、翻訳にウェンディ・ブラウン『いかにして民主主義は失われていくのか――新自由主義の見えざる攻撃』(みすず書房、2017年)など。

西 亮太 (ニシ リョウタ) (翻訳)
中央大学准教授。1980年東京都小平市生まれ。関心領域はポストコロニアル批評、労働と文化、炭坑の精神。共著に『〈終わり〉への遡行――ポストコロニアリズムの歴史と使命』(英宝社、2012年)、訳書にトニー・ジャット『真実が揺らぐ時――ベルリンの壁崩壊から9.11まで』(共訳、慶応義塾大学出版会、2019年)、ピーター・バリー『文学理論抗議――あたらしいスタンダード』(共訳、ミネルヴァ書房、2014年)など。

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