日常生活に埋め込まれたマイクロアグレッション 人種、ジェンダー、性的指向:マイノリティに向けられる無意識の差別|デラルド・ウィン・スー, マイクロアグレッション研究会(訳) | 尾鷲市九鬼町 漁村の本屋 トンガ坂文庫

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日常生活に埋め込まれたマイクロアグレッション 人種、ジェンダー、性的指向:マイノリティに向けられる無意識の差別|デラルド・ウィン・スー, マイクロアグレッション研究会(訳)

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明石書店 2021年
ハードカバー 496ページ
四六判


- 内容紹介-
現代社会には今なお根深い差別が存在する。「あからさまな」差別と対比され、あいまいな、無意識で見えにくいが重大な結果をもたらす差別を「マイクロアグレッション」として明確に位置づけ、その内容・メカニズムや影響、対処法を明らかにした、いま必読の書。
目次
 日本語版への序文
 序文
 はじめに
 謝辞
 著者について

セクション1 マイクロアグレッションの心理的な表れ方とダイナミクス

第1章 マイクロアグレッションとは何か――人種・ジェンダー・性的指向に対するマイクロアグレッションの表れ方
 人種的マイクロアグレッション
 ジェンダーに関するマイクロアグレッション
 マイクロアグレッション、マージナリティ、そしてその有害な影響
  その次の一歩へ 「見えないもの」を見えるように

第2章 マイクロアグレッションの分類
 意識的かつ意図的な偏見と無意識的かつ意図的ではないバイアスとの比較
 環境に埋め込まれたマイクロアグレッション
 マイクロアグレッションの形式
 マイクロアグレッションのテーマ
  その次の一歩へ マイクロアグレッションの隠されたメッセージを定義、認識、分析する 82

第3章 マイクロアグレッションにより生じる心理的ジレンマとそのダイナミクス
 人種的リアリティの衝突
 意図的ではないバイアスの不可視性
 マイクロアグレッションに対する過小評価
 マイクロアグレッションへの反応におけるキャッチ22状態
  その次の一歩へ 心理的なジレンマを取り扱う

セクション2 マイクロアグレッションの標的と加害者に対する影響

第4章 マイクロアグレッションのプロセスモデル――発生から結果まで
 マイクロアグレッションのプロセスモデル
  その次の一歩へ 逆境を生き抜く強さ

第5章 マイクロアグレッションが引き起こすストレス――身体および精神の健康に与える影響
 生理学的なストレッサーとそれが引き起こすこと
 心理的・社会的ストレッサーとそれによる影響
 マイクロアグレッションと日常に起こる小さなイライラ(デイリーハッスル)
 マイクロアグレッシブなストレスによる影響
  その次の一歩へ マイクロアグレッションに対処する

第6章 マイクロアグレッションの加害者と抑圧――野獣の本性
 抑圧、抑圧者、そしてマイクロアグレッションの加害者
 存在が見えない白人性――野獣の本性
 マイクロアグレッションに対する潜在的偏見の関係
 加害者に対する抑圧(マイクロアグレッション)の心理的コスト
  その次の一歩へ 倫理的使命

セクション3 集団固有のマイクロアグレッション―人種、ジェンダー、性的指向

第7章 人種/民族に関するマイクロアグレッションとレイシズム
 古典的レイシズムから現代的レイシズムへ――変化した偏狭さ
 人種的マイクロアグレッションとアフリカ系アメリカ人
 人種的マイクロアグレッションとアジア系アメリカ人
 人種的マイクロアグレッションとラテン系/ヒスパニック系アメリカ人
 人種的マイクロアグレッションとアメリカ先住民
  その次の一歩へ さまざまな人種グループの類似性と差異

第8章 ジェンダーに関するマイクロアグレッションと性差別
 古典的性差別から現代的性差別へ――変化した偏狭さ
 ジェンダーにかかわるマイクロアグレッション
 ジェンダーのマイクロアグレッションの有害な影響
  その次の一歩へ ジェンダーのマイクロアグレッションを克服すること

第9章 性的指向に関するマイクロアグレッションと異性愛主義
 合衆国におけるLGBTの人口
 精神障害と正常への志向
 あからさまな反LGBT感情から不可視の異性愛主義へ
 性的指向に関連するマイクロアグレッション
 性的指向に関連するマイクロアグレッションの有害な影響 318
  その次の一歩へ 異性愛主義の克服

セクション4 雇用、教育および心理支援におけるマイクロアグレッション

第10章 職場と雇用におけるマイクロアグレッションの影響
 職場と雇用におけるマイクロアグレッション
 職場におけるマイクロアグレッションへの対処
 職場・雇用:全体的なバイアスとマイクロアグレッションの克服
  その次の一歩へ 個人のバイアスとマイクロアグレッションの克服

第11章 教育とマイクロアグレッション――教室での人種に関する困難な対話の促進
 教育におけるマイクロアグレッション
 教室における人種についてのマイクロアグレッションと困難な対話
 教室における人種をめぐる対話
  その次の一歩へ 人種に関する困難な対話に効果的なファシリテーターとなるために教育者は何を しなければならないか――マイクロアグレッションの克服

第12章 心理支援におけるマイクロアグレッションの影響
 援助職者の信頼性における社会政治学的な要素
 メンタルヘルスサービスの未活用と早期終結
 多文化カウンセリングにおける関係性に対する文化的不信感
 カウンセラーおよびセラピストの信頼性
  その次の一歩へ 今後のメンタルヘルスのために:マイクロアグレッションを乗り越える

 訳者あとがき
 参考文献
 索引
前書きなど
訳者あとがき

1.本書ならびに著者について
 本書は、Sue, D. W. (2010). Microaggressions in Everyday Life: Race, Gender & Sexual Orientation. Hoboken, NJ: Wiley の全訳である。
 マイクロアグレッションは訳しにくい概念である。「あいまいな暴力・攻撃」「微細な暴力・攻撃」「あからさまではない暴力・攻撃」「優しい暴力・攻撃」「善意の暴力・攻撃」「無知の暴力・攻撃」等として意訳してみることもできる。本翻訳ではそのままの表記にしている。日本における紹介の際にも、そのままマイクロアグレッションと表記されることが多い。訳しにくく多義的であるので文脈にあわせて解釈してもよいかと思う。
 米国の本書の評価は、「多様性について考えるためのここ十年で最も重要な研究成果」、「人々を苦しめる差別や偏見を変えるための華麗で理想的な方法と教育ツール」、「アメリカ心理学会で賞賛された最新の差別研究の集大成」、「アメリカ多文化心理学の第一人者が『ヘイトスピーチ』の陰に隠された日常的で『あいまいな暴力』の存在を可視化する」等とされているようだ。
 デラルド・ウィン・スー教授は、コロンビア大学ティーチャーズカレッジおよびソーシャルワークスクールのカウンセリングおよび臨床心理学部の心理学および教育学の教授である。スー教授はマイノリティの心理学、多文化心理学、マイクロ・アグレッション理論、人種対話、多文化カウンセリングと療法、および人種差別/反人種主義の心理学の分野の先駆者であり、二一冊の本と一六〇以上の学術出版物がある。
 意訳すればたくさん考えられるが、本書で提唱されているマイクロアグレッションはあからさまな差別と比較し、より微細であいまいな形をとって現れる差別の様相を把握するための概念である。差別の対象は人種、ジェンダー、性的指向等に関連し、人種的マイノリティ、女性、LGBTを対象にして理論化がなされている。意識しづらく、日常生活のあらゆる場面においても起こりうるタイプの差別は、日常的コミュニケーションをもとにしている。当たり前だと思われている場面や状況に蓄積していくことにより被害者に与える心理的負担が極めて大きい。
 本書は、多文化研究領域において最も引用された文献となるなど、この領域におけるパイオニア的な研究書として知られている。教授はクリントン大統領時代の人種問題に関する諮問委員会に招待され「単一文化主義は有色人種にとってのみならず白人にとって有害である」旨の講演をした経験もあるという。マイクロアグレッションの研究に着手して以降、ジェンダー、セクシュアル・マイノリティなどに研究の対象を広げ、心理学領域、多文化教育等の領域で注目を集めている。
 人種差別としてのヘイトスピーチが社会問題化しているが、マイクロアグレッションについても既に在日コリアンやセクシャル・マイノリティに関する調査研究や各種のハラスメント問題等において、類似した事例が指摘されつつある。本書は心理学、社会学、教育学などの各分野の教育、研究に幅広く活用されることが期待できるし、さらに企業や教育機関、行政機関、公共サービス、医療、精神保健福祉などにおいて、文化的多様性の尊重のための教育・研修と実践のためのテキストとして活用されることを期待している。

 (…後略…)


- 著者プロフィール -
デラルド・ウィン・スー (デラルド ウィン スー) (著)
コロンビア大学ティーチャーズカレッジおよびソーシャルワークスクールのカウンセリング/臨床心理学部教授(心理学および教育学)。マイノリティの心理学、多文化心理学、マイクロアグレッション理論、人種対話、多文化カウンセリングと療法、および人種差別/反人種主義の心理学の分野の先駆者。クリントン大統領時代、人種問題に関する諮問委員会での講義経験がある。


マイクロアグレッション研究会 (マイクロアグレッションケンキュウカイ) (訳)
「在日コリアンカウンセリング&コミュニティセンター(ZAC)」の活動メンバー、その友人たち(仕事をしながら参加している社会人)、社会的差別に関心をもつ大学教員の集まり。翻訳作業を通して対話を試み、議論する。活動拠点は京都。

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