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クィア・アートの世界 自由な性で描く美術史 | 海野弘(著/文)

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パイ インターナショナル 2022年
ソフトカバー 480ページ
B5変型判 縦249mm 横174mm


- 内容紹介 -
■制作意図
近年、「アート史におけるクィア」を考えるという傾向が世界的に広がり、「クィア・アート」と呼ばれるジャンルの研究が進んでいます。
本書『クィア・アートの世界』は、第一に、抑圧や偏見、差別によってアートとして語られず、それ故にこれまで私たちが目にすることができなかったアートを見直したい。第二に、アートにおける「クィア」を考える上で、社会的に抑圧され差別を受けていたものが、アートにおいては歓迎され、多く取り上げられている、それがなぜなのかという問題を扱いたい。そして第三に、「クィア」という言葉がとても多様で共通の認識がないため、それを考える一つの試みを行いたいとの思いから、制作に至りました。

■書籍の内容
本書では、「クィア」がいかに社会的、歴史的に変遷していったかを述べた上で、「アートにおけるクィア」をセクシュアルマイノリティに限らず、その域を超え、抑圧や差別等によりアートとして語られてこなかった広いジャンルの作品を包括して取り上げました。
LGBTQ+のアート、フェミニズムのアート、カウンターカルチャーやポップ・カルチャーにおける多彩な表現のアート、アンダーグラウンド・アート、ポルノグラフィティのアート……。独自の視点で、古代エジプトから現代までーー美術(絵画、挿絵、彫刻)を中心に、多岐にわたるジャンルの作品とともに、アート史における「クィア」の流れを追っていき、「クィア・アート」の系譜を探究しております。
美術史上の名作とされる作品の中に「クィア」性を見出したり、抑圧や偏見、差別によってこれまで見ることができなかった多様な作品を、驚きと感動、そして問題提起を含んだ解釈で紹介します。


目次
■「クィア」という言葉と「クィア・アート」
「クィア」という言葉はもともと「変わった」「風変わりな」といった意味を持ち、英語圏では同性愛者などに対する侮蔑表現でもありました。けれどもその否定的なイメージを変えるべく、あえて当事者の方々が自己肯定的に自らを「クィア」と名乗り、用いるようになりました。当事者の方々に対する呼称を抑圧する側が定義するのではなく自らが定義する力を取り戻すため、また社会における否定的なマイノリティ像を逆転させることを目指し、現在は性的少数者全体を包括する用語として肯定的な意味でも多く使われています。
「クィア」は1990年代から「クィア理論」として発展していき、セクシュアルマイノリティの多様なあり方、「性の多様性」を包括的に知るための学問としても研究されるようになりました。
そして21世紀に入った頃から「クィア・アート」というジャンルが世界中ではっきりと意識されるようになります。けれども、その新しいアート史の試みはまだ始まったばかりです。

本書で紹介した作品の中で、特にはじめて目にするものを見た際に、それを見た方が「不思議な作品だな」と特別な感覚を覚えることもあるかと思います。
本書ではそこに素晴らしさを見出し、アートにおける不思議なもの、特別なもの、他にないものこそ価値があり魅力的ではないか? といった問いかけも試みております。
「クィア」がアートの中で、すべての人たちの共通のものとして広がるために、そして「クィア・アート」の素晴らしさを多くの人が理解し共感できればという思いもこめて、本書を制作いたしました。

※多数のご指摘をいただいたことを受けまして、本書の書誌情報(内容紹介文)を変更させていただきました。(2022年9月22日)


- 著者プロフィール -
海野弘 (ウンノヒロシ) (著/文)
1939年東京生まれ。評論家、作家。早稲田大学ロシア文学科卒業。平凡社に勤務。『太陽』編集長を経て、独立。美術、映画、音楽、文学、都市論、ファッションなど幅広い分野で執筆を行う。著書多数。

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