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枯木ワンダーランド 枯死木がつなぐ虫・菌・動物と森林生態系 | 深澤 遊

¥2,640 税込

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築地書館 2023年
ソフトカバー 364ページ
四六判 縦188mm 横128mm 厚さ24mm


- 内容紹介 -
微生物による木材分解メカニズム、菌糸体の意思決定能力、
森の枯木不足が生態系に及ぼす影響、枯木が炭素貯留に役立つ仕組みまで。
日本全国のアカマツ林を巡り歩いたり、リスの食べ残しを舐めてみたり、
探究心旺盛な研究者が身近な枯木の自然誌を解き明かす!

枯れて命を終えた樹木は、それで「終わり」ではない。
樹皮の表面や幹の中で動物や昆虫を養い、菌類に分解されたのちは土に還るまでの間も炭素を貯留するなど、森林生態系や地球全体に関わる重要な働きを持っている。
本書は、これまで注目されてこなかった枯木を起点に広がるニッチな世界を、動物・植物・菌類・土壌・地球環境といったさまざまな視点から描いた、森の見方が変わる一冊だ。

著者は東北大学大学院農学研究科助教で、専門は森林生態学、微生物生態学、生物多様性生態学。
小学生の頃からコケと変形菌に興味を持ち、長じては大学構内の森で変形菌を探したり、標本を布団乾燥機で乾燥させたり、世界中の研究者に声をかけて6カ国での共同研究を行なったりとバイタリティに溢れた人物で、軽快な語り口で読者を知られざる枯木の世界に誘う。
目次
はじめに

1 枯木ホテルの住人たち

第1章 コケ─エメラルドシティ
コケ少年
コケは倒木の上に
共生バクテリアの窒素固定能力
クマの縄張りで調査
コケの微塵切り
コラム フィールドノートから

第2章 変形菌─森の宝石
変形菌との出会い
大学キャンパスの変形菌
変形菌に来る虫
都市公園の変形菌
変形菌の飼育実験
変形体は何を食べるのか─安定同位体分析
変形菌のお食事メニュ
コラム フィールドノートから

第3章 キノコ─記憶し決断するネットワーク
キノコはかりそめの姿
黒光りする糞
生きた葉に潜む内生菌
落葉の分解プロセス
カワウの糞の影響を調べる─リターバッグ法
菌糸の養分輸送力
菌糸体を飼う
菌糸体の記憶力・決断力
成長方向を決める菌糸の記憶
菌糸体の知能
コラム フィールドノートから

第4章 腐生ラン─菌を食う植物
菌根菌ネットワーク
森林の〝境界〟
地下の菌と地上の植生の関係
菌糸を介した植物間の炭素のやりとり?
炭素を菌に依存する植物
木材腐朽菌を食べるラン
炭素年齢で炭素供給源を探る
腐生ランの種特異的な関係
枯木に絡みつくタカツルラン
新たな疑問
コラム フィールドノートから

第5章 動物たち─庭の丸太実験
庭に置いた丸太
丸太に来たリス
リスはどうやってキノコを見つけるのか?
コケの分散を助けるリス
ビスコの昆虫群集─カメムシ・ケシキスイ・チビヒラタムシ
穿孔性の昆虫たち
昆虫と腐朽型の関係
菌が作るニセの卵、ターマイトボール
コラム フィールドノートから

第6章 まだ出会っていない生き物たち─環境DNAで〝見える化〟
見えない微生物を見えるようにする技術
ポリメラーゼ連鎖反応
環境中の有象無象のDNAを読む
バクテリアによる窒素固定
菌類を乗りこなすバクテリア
マイコウイルス研究が熱い
コラム フィールドノートから

2 枯木が世界を救う

第7章 木が「腐る」─お菓子の家で考える
「分解」の重要性
樹木の死
樹洞を作る菌
森の土に埋まる宝物〝肥え松〟
お菓子の家の話
セルロースを守るリグニン
腐朽菌の生き方─どうやってお菓子を食べるか
食べ残しが土を作る
腐朽菌の多様性が高いと分解が遅くなる?
適度に食われて分解促進
コラム フィールドノートから

第8章 森が消える─樹木の大量枯死
北米のマツの大量枯死
ヨーロッパのトウヒの大量枯死
伊勢湾台風がもたらした大台ヶ原の風倒被害
北八ヶ岳の風倒跡地
マツ枯れ
ナラ枯れ
森林火災─木炭化が与える影響
火入れで生態系はどう変わるのか
コラム フィールドノートから

第9章 枯木が消える─喪失を取り戻せるか
エルトンと枯木
枯木ロスによる生物の絶滅
絶滅の負債
絶滅速度の推定
絶滅危惧種
日本の絶滅が危惧される菌類
胞子の散布距離
サルベージ・ロギング─枯木撤去の長所と短所
枯木や老齢木を作り出す─保持林業
ベテラナイゼーション─古木に親しむ
コラム フィールドノートから

第10章 枯木の恩恵─生態系サービス
森林バイオマスの利用は〝環境にやさしい〟のか?
誰もが受けている生態系サービス
世界と日本の森林炭素貯留量
温暖化はシロアリの枯木分解を促進する?
巨木や老齢林の炭素貯留はすごい
枯木の貯蔵庫Wood Vault
生態系の安定性とバイオマス利用
コラム フィールドノートから

第11章 次世代の森へ─倒木更新
倒木更新との出会い
東京都立東大和公園
マツ枯れの倒木は実生のホットスポット
倒木更新の王道、トウヒ
コケと腐朽型と菌根菌と実生の関係
森林攪乱や気候の影響
トウヒを追ってヨーロッパへ!
スギも倒木更新する?
倒木更新と腐朽型の関係
コラム フィールドノートから

おわりに
参考文献
索引


- 著者プロフィール -
深澤遊 (フカサワユウ) (著/文)
1979年、山梨県生まれ。信州大学農学部卒業、京都大学大学院農学研究科修了。博士(農学)。
日本学術振興会特別研究員(京都大学)、森林組合職員(和歌山県)、
財団法人トトロのふるさと財団職員(埼玉県)を経て、東北大学大学院農学研究科助教。
東北の森に住みつつ、枯木を訪ねて世界中の森をめぐる。
International Mycological Association Keisuke Tubaki Medal、
日本生態学会宮地賞、日本菌学会奨励賞、日本森林学会奨励賞などを受賞。
2021年、独創的な研究に挑戦する若手研究者「東北大学プロミネントリサーチフェロー」に選出される。
著書に『キノコとカビの生態学』(共立出版)、訳書に『地上と地下のつながりの生態学』(共訳、東海大学出版部)、
『枯死木の中の生物多様性』(共訳、京都大学学術出版会)など。
登山、サイクリング、生き物のスケッチ、ジェンベ演奏などが好き。

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