英語で日本語を考える | 片岡 義男
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筑摩書房 2024年 ちくま文庫
ソフトカバー 192ページ
文庫判
- 内容紹介 -
Q 英語でなんて言う?
「ことの自然ななりゆき」
「でも私って、いつもそうだから」
「きみがいてくれるなら、この世のなかも捨てたものじゃないよ」
例えば、「地元産」は英訳すると“locally grown”。「産出された」あとの状態を示す「産」が“grow”という動詞を用いて表される、とても英語らしい言いかただ。この表現の違いとはなんだろう。英語を鏡にして写し出される日本語の構造や性能、また立ち現れてくる強さや弱さなどについて、小説家である著者が考える。
解説 倉林秀男
- 目次 -
以下百例のひと言を、英語で言ってみよう。
「いまどんなお気持ちですか」/「そのへんはどうですか」/「状況を説明してください」/「あなたはどちらの意見をお採りになりますか」/「こういう批判を、ご当人としてはどう受けとめますか」/「──ということは考えられますか」/「お知らせのあともニュースが続きます」/「どういうことなのでしょうか」/「──ということですか」/「それが憲法とどう関係してくるのですか」/「この問題に関して、首相が完全に的はずれであるというのが、情けない現実なのです」/「今日のこの出来事を踏まえた上で、ほかにどのような点に注意したらいいのでしょうか」/「あなたのおっしゃることの正当性がどのあたりにあるか、という問題になりますよねえ」/「いくらですか」/「価格破壊」/「環境に優しい」/「史上最悪の」/「ただちに目に見えるかたちでの結果」/「煙草を喫ってもいいですか」/「この話を私から聞いたなんて、誰にも言ってはいけないのよ」/「これにめげずに、今日も頑張って」/「ひとりで自分を見つめる時間です」/「私、生まれも育ちも、葛飾柴又です」/「チーム全員が力を合わせた結果です」/「なんらかの理由で」/「人が画面いっぱいになるように撮ればいいんですよ」/「ぶれたんですよ」/「物心ついてからこのかた」・・・・・・(以下つづく)
カバーデザイン/杉山健太郎
- 著者プロフィール -
片岡 義男 (カタオカ ヨシオ) (本文)
1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始める。74年「白い波の荒野へ」で小説家としてデビュー。翌年には「スローなブギにしてくれ」で第2回野性時代新人文学賞受賞。小説、評論、エッセイ、翻訳などの執筆活動のほかに写真家としても活躍している。『10セントの意識革命』『彼のオートバイ、彼女の島』『日本語の外へ』『東京22章』『万年筆インク紙』『珈琲が呼ぶ』『窓の外を見てください』『いつも来る女の人』『言葉の人生』ほか多数の著書がある。
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