近代日本陶芸史 ゲテモノからニセモノ、そして現代アートへ | 藤原 貞朗
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講談社 2026年
ソフトカバー 288ぺージ
四六判
- 内容紹介 -
欧米のギャラリストが熱狂する日本陶芸。
それは、アヤシイ歴史のるつぼの中で育まれた。
何て言ったって皆コッピーさ──北大路魯山人
いまや「日本人だけが知らない現代アート」と世界で賞される日本陶芸は、実は昭和元年から現代アートであり続けてきた。
柳宗悦は「下手もの」に内なる美を見出し、
民藝派を批判する魯山人は古陶を「コッピー」し、
加藤唐九郎は「永仁の壺」というシミュラクルで人々を幻惑した。
さらに「前衛陶芸」「オブジェ焼き」「モダニズム陶芸」を経て、桃山以来の磁場をもつ「茶碗」をもポストモダン化するほどの、表現が渦巻き爆発するカオスが現出している。
フォルムの美を追究し日本・近代を内破する陶芸家たちの百年史。
[本書より]
陶芸は常にモダンアートであり、現代アートだった。この視点から出発することによって、多様性の名の下にカオスと化した陶芸史を交通整理して、すっきりと見通せる「近代日本陶芸史」を編む必要がある。
[本書の内容]
はじめに──陶芸は常にモダンアートであり、現代アートだった
第一章 はじまりとしての「下手もの」革命──リーチ、富本憲吉、柳宗悦
第二章 シミュレーショニズムとしての古典復興──北大路魯山人の「コッピー」
第三章 アヤシイニセモノの仮想世界(パラレル・ワールド)──近代陶芸としての「永仁の壺」
第四章 戦争と陶芸──モダニズムとナショナリズム
第五章 「ニセモノの制度化」と伝統のブランディング──荒川豊蔵《隨縁》神話の誕生
第六章 戦後陶芸の「退行」と「転倒」──岡部嶺男と八木一夫のメランコリアと処方箋
第七章 「モダニズム陶芸」と近代の超克──加守田章二と栗木達介
第八章 茶碗の居場所──近代陶芸の「外部」からポストモダンへ
第九章 現代陶芸の「ラディカリズム」とジェンダー
第十章 「空虚な日本」とアナクロニズムの現代陶芸史
あとがき──林康夫「浪江に捧ぐ」(二〇二四年)から
主要参考文献
図版一覧
人名索引
- 著者プロフィール -
藤原 貞朗 (フジハラ サダオ) (著)
1967年、大阪府に生まれる。大阪大学大学院文学研究科博士後期課程退学。リヨン第二大学第三課程、大阪大学大学院助手を経て、現在、茨城大学人文社会科学部教授。博士(文学)。専門は美学・美術史。主な著書に、『ルーヴル美術館 ブランディングの百年』(講談社選書メチエ)、『オリエンタリストの憂鬱 植民地主義時代のフランス東洋学者とアンコール遺跡の考古学』(めこん、渋沢・クローデル賞本賞、サントリー学芸賞)、『共和国の美術 フランス美術史編纂と保守/学芸員の時代』(名古屋大学出版会、吉田秀和賞)、共著書に『山下清と昭和の美術 「裸の大将」の神話を超えて』(名古屋大学出版会)、訳書に『潜在的イメージ モダン・アートの曖昧性と不確定性』(ダリオ・ガンボーニ著、三元社)、『塹壕の戦争 1914─1918』(タルディ著、共和国)などがある。
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