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シュルレアリスム ポップアップ | ジェラール ロ モナコ
¥3,960
求龍堂 2024年 21ページ A5変型判 - 内容紹介 - 著名なイラストレーターでありポップアップブック(飛び出す絵本)のスペシャリストであるジェラール・ロ・モナコは、詩人アンドレ・ブルトンのシュールレアリスム宣言から100年を記念し、シュールレアリスムを象徴する作品を仕掛けページに盛り込んだ、非常に詩的なポップアップブックを考案。フランス・パリのポンピドゥセンターから出版され、本書はその翻訳版として日本初登場。 この飛び出す絵本は、表紙に描かれたシュルレアリスムの主要な作品のギャラリーの扉を開け、私たちを招待する。頁を開く度に、サルバドール・ダリ、ヴィクトル・ブローネル、ジャン・アルプ、マン・レイ、ジョセフ・コーネル、ドラ・マール、ルネ・マグリット、アンドレ・ブルトンなど・・・シュルレアリスムのスター作品が動き出す。 選ばれた絵画、彫刻、オブジェは、シュールレアリストの創作の多様性を示し、読者を彼らの幻想的な世界へ誘う。オブジェとしても楽しめて、好きなところを開いてインテリアにも。フランス的センスに溢れた、大人の知的好奇心をくすぐるアート仕掛け絵本。美術館の出版物らしく、巻末には実際の作品画像とともに、作品情報としっかりとした解説を掲載。
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学芸員しか知らない 美術館が楽しくなる話 | ちいさな美術館の学芸員
¥1,760
産業編集センター 2024年 ソフトカバー 216ページ 四六判 - 内容紹介 - 知れば美術館が10倍面白い! 展覧会はどうやって作っているの? 学芸員って何をしているの? アートは役に立たない? おすすめの鑑賞方法は? 現役学芸員が語る、美術館の舞台裏と美術鑑賞の楽しみ方。 noteの人気連載、待望の書籍化!著者おすすめの美術館も掲載。 目次 第1章 一つの展覧会ができるまで 第2章 学芸員という仕事の舞台裏 第3章 美術館をもっと楽しむためのヒント 第4章 美術館をささえる仲間たち - 著者プロフィール - ちいさな美術館の学芸員 (チイサナビジュツカンノガクゲイイン) (著/文) 東京都生まれ。都内のとある美術館で働く学芸員。ときおり大学非常勤講師。2022年からnoteにて美術館や学芸員に関する仕事コラムをスタート。すでに投稿した記事は200本以上。現在もコツコツと更新継続中。 https://note.com/gakugeiin
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アートの潜勢力 | 岡田 温司
¥2,970
共和国 2024年 ハードカバー 280ページ 四六変形判 縦189mm 横126mm 厚さ17mm - 内容紹介 - 五感を挑発し、人間だけに可能なアートの謎と魅力。 ---- 岡﨑乾二郎にとってのアートとは? なぜモディリアーニの描く肖像画は目が塗りつぶされているのか? 退廃の美を描くエゴン・シーレと神との関係は? スマホは人間の感性をどう変容させるのか? そもそも美術作品は修復保存される必要があるのか? ---- パウル・クレー、パゾリーニから山中現をはじめとする国内外の作品まで、著者の美術批評を1冊に集成。「モダニズム」「アナクロニー」「アントロポセン(人新世)」を切り口に、近現代アートの入門書として、また精緻な批評としても読むことができる、出色のエッセイ集。 カラーを含む図版も多数収録。 - 目次 - まえがき、あるいは出発としての花田清輝と林達夫 ---- I 開かれとしてのモダニズム ---- 岡﨑乾二郎という「謎」 影・窓・痕跡──山中現の版画の世界 仮面の戯れ──柄澤齊の肖像画 「気配」と「たたずまい」──小林且典への手紙 パウル・クレー、あるいは「中間領域」の思索と創作 受肉するシーレ ---- II アナクロニーとしての批評 ---- ボローニャのヤヌスたち──ロンギ、モランディ、パゾリーニ ケネス・クラーク再訪──『名画とは何か』の文庫化に寄せて アルテ・ポーヴェラの先見性 「気分」の肖像画──モディリアーニの人物たち スマホ人間どこに行く!? ---- III アントロポセン下のアート ---- 女性アーティストとしての自然──エルンスト・ヘッケルにおける「芸術衝動」 山口啓介、あるいは根源のアート 作品のなか/としての時間──ゴンザレス゠トレス、井田照一、ロマン・オパルカ 芸術・免疫・例外状態 記憶と忘却のあいだ──現代美術の保存と修復をめぐって あとがき - 前書きなど - 《〔……〕アリストテレスを独自に読み替えるアガンベンによれば、この古代スタゲイロスの哲学者において、「~できるようになる」という通常の意味で「現勢力」に移行する「潜勢力」とは別に、「~しないことができる」という意味での「非の潜勢力(ア‐デュナミア)」が想定されている、という。「~しないことができる」、この「欠如」と真剣に付き合うことができるのは、実のところ人間だけである。つまるところ人間とは、「非の潜勢力」が可能な動物である。岡﨑の作品には、つねにどこかにこの「欠如」――現勢力の宙吊り――が潜んでいて、それこそがわたしたちをつかまえて離さないのではないだろうか。》 ――「岡﨑乾二郎という「謎」」より - 著者プロフィール - 岡田 温司 (オカダ アツシ) (著) 1954年、広島県に生まれる。2020年、京都大学大学院人間・環境学研究科教授を退職。現在は、京都大学名誉教授、京都精華大学特任教授。専攻は、西洋美術史。 著書に、『キリストと性』(岩波新書、2023)、『反戦と西洋美術』(ちくま新書、2023)、『ネオレアリズモ──イタリアの戦後と映画』(みすず書房、2022)、『フロイトのイタリア──旅・芸術・精神分析』(人文書院、2008、読売文学賞)、『モランディとその時代』(人文書院、2003、吉田秀和賞)など多数、 訳書に、ジョルジョ・アガンベン『創造とアナーキー──資本主義宗教の時代における作品』(共訳、月曜社、2022)、同『王国と楽園』(共訳、平凡社、2021)など多数がある。
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失われた創造力へ ブルーノ・ムナーリ、アキッレ・カスティリオーニ、エンツォ・マーリの言葉 | アラスター・グレイ, 高橋 和久(翻訳)
¥3,300
どく社 2024年 ハードカバー 112ページ 四六変形判 縦191mm 横121mm 厚さ11mm - 内容紹介 - 「好奇心がないようなら、おやめなさい」 ーアキッレ・カスティリオーニ 「知識とは、生の現実に基づいているものなんだ」 ーエンツォ・マーリ 「聞いたことは忘れる、みたものは覚えている、やったことは理解できる」 ーブルーノ・ムナーリ つくる・育む、すべての人へ。 アキッレ・カスティリオーニの思想を日本に紹介した ローマ在住の批評家・多木陽介が、デザイン界の巨匠の言葉に、 これからの創造力を導く思想を探る。 完全新訳。 - 目次 - PROGETTAZIONE―イタリアンデザインの思想と方法論の回帰 Bruno Munari ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・ものからものが生まれる ・ファンタジア/発明/創造力/想像力 ・子どもの心を自分のなかに/一生もちつづけるということは/知ろうとする好奇心/理解する愉しみ/人に伝えたくなる気持ちを/大事にすることを意味する。 ・一切無駄がないこと ・スタイリングはデザインではない。 ・規則と偶然 ・その重力そのものがこのランプのフォルムを決定する。 ・「種」の自覚をもつと、いつしか他者のために働き、隣人(それもわれわれ自身である)を助けてみんなで大小の問題を解決するようになる。 ・生而不有/為而不恃/功成而弗居 ・静かな革命 ・聞いたことは忘れる、見たものは覚えている、やったことは理解できる 。 ・明らかにそうだとわかっていないものについては、絶対に鵜呑みにしないこと ・美しさは正しさの結果である。 ・贅沢さとは、愚かさの自己顕示である。 ・デザイナーに何か夢があるとすると、それはあらゆる社会階層からできるだけ文化的な無知をなくすことです。 ・プロジェッティスタの多くは、問題を解決するようなアイデアをすぐに見つけようとする。 ・多くの物は作者の名前なしに売られている。 Achille Castiglioni・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・好奇心がないようなら、おやめなさい。 ・私のデザインした作品がどこかのミュージアムに私の名前とともに飾られているというのは嬉しいが―― ・偽りのニーズ、偽りの目標 ・正当なデザイン/不当なデザイン ・形態的表現と内容の選択のあいだにある論理的な厳密さ ・筋が通っている ・最も目立たない(humble)物にもストーリーがあるという ・良いプロジェクトとは、自分がやったぞ、という徴を残そうとする野心ではなく、あなたたちがデザインした物を使うことになる、見ず知らずの誰かと、ほんの些細なことでもいいから、何かを取り交わそうという、その気持ちから生まれるのです。 ・人の家のインテリアをつくるって ? そりゃあほとんど無理な 話ですよ。 ・とんだ勘違いをしていなければ ・あと何が取れるかな ? ・インテグラルプロジェクト ・進化 ・何を、どのように、どれだけ見たいか ・もしこのテーブルの上にある物すべてがテーブルなしでもこの高さにとどまり、ランプなしで光が出てきたら、こりゃあ、悪くないよ ……いや、なかなか悪くないぞ …… ・音楽が音と休止で成り立っているように、照明は光と影からできている。光だけでは音楽にならないよ。 ・デザインとは、一つの専門分野であるというよりは、むしろ人文科学、テクノロジー、政治経済などについての批評能力を個人的に身につけることから来るある態度のことなのです。 ・ファンタジアとはジャムのようなもので、固い一切れのパンに塗る必要があります。 Enzo Mari・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・デザインが本来もっていたユートピア志向を取り戻さねばならない。 ・かたちのクオリティ ・ブーメラン。経験だけが頼りだったとはいえ、何世代もかけたこのオブジェの弾道精度の探求は、現代の科学的探求に匹敵するものである。 ・プトレッラ( H鋼 ) ・百姓というのは、終わりのない、素晴らしいプロジェッタツィオーネの仕事です。 ・知識とは、生の現実に基づいているものなんだ。 ・自分で考えてつくること、それが 、他人に自分の生き様を設計されてしまわないための最良の方法なのだ。 ・すべてはもう存在している。 ・職人たちは、みな手の技術には優れているが、脳の技術が足りない。 ・消費者のためではなく、職人や工場の職工など、物づくりの担い手のためにデザインするべきである。 出典 忘れっぽい私たちへ―原田祐馬(UMA/design farm代表) 前書きなど PROGETTAZIONE―イタリアンデザインの思想と方法論の回帰 イタリアにおけるデザインは、まだ design という英語が人口に膾炙していなかった初期の頃、特に当事者たちのあいだでプロジェッタツィオーネ(progettazione=プロジェクトを考えて実践することという意味)と呼ばれ、その当事者たちは、自らをプロジェッティスタ( progettista=プロジェッタツィオーネの実践者 )と呼んでいた。彼らの仕事は、倫理性と社会性に富み、企業の利益よりも社会性のある創造と市民全般への教育を使命とし、その後の消費主義社会のためのデザインとは全く相容れない性格をもっていた。だが、資本主義と消費主義社会の急激な発展のなかで、彼らのうちの数人が「巨匠」に祀まつり上げられ、彼らの作品がアイコン化する一方で、 この素晴らしいデザイン思想とその方法論そのものは、ほぼ完全に消費社会の床下に葬り去られることになった。 ところが、進歩を信じた近代西洋文明の破綻が誰の目にも明らかになった前世紀の終盤、1980年代の末くらいから、それまであまり見かけることのなかった新しい職能とともに、(大抵の場合本人たちはそうとは知らずに )プロジェッティスタたちにそっくりな非資本主義的な態度と価値観を身につけて活動する人びとが、建築やデザインだけではなく、教育、経済、政治、環境、国際支援、芸術、演劇、金融、食、農業、福祉、医療、まちづくり、その他、実に多くの分野において(まだまだマイノリティではあるが )登場してきている。現代社会の病み、傷んだ創造力を治癒・修復しに来たかのように、歴史が一度忘れたある創造力が蘇りはじめていると言えるだろう。 しかし、これらの新しい職能を実践する人びとの多くは、現代という歴史感覚のなかで直感的にこうしたほうが良かろうと判断しているものの、自分たちの創造力についてまだ十分な認識をもち合わせていない。一方、プロジェッティスタのなかでも特に優秀な人たちは、自らの創造力のあり方に極めて自覚的で、創造活動の原則や方法を理論的にも掴んでいたから、まだ人類が忘れ切っていないうちに、彼らの思想と方法論を改めて学び直すことは、現代を生きるわれわれにとって貴重な道標になるのではないだろうか。筆者がプロジェッタツィオーネを研究しはじめたきっかけにはそのような動機があった。 その研究を基に構想された展覧会「PROGETTAZIONE―イタリアから日本へ 明日を耕す控えめな創造力」展(於東京ミッドタウン・デザインハブ、2024年3月22日~5月6日)の準備過程で、最も純粋な形でプロジェッタツィオーネを探求しつづけた三人、ブルーノ・ムナーリ(1907-1998)、アキッレ・カスティリオーニ(1918-2002)、エンツォ・マーリ(1932-2020)の言葉を展示用に集める作業のなかから、ごく自然な形で生まれてきたのが本書である。 最終的に三人合わせて四十五本集められたフレーズや単語が、一本ずつ、各見開きの右ページ右端に綴られている。彼らの言葉のなかには、著作や映像から引用したものもあるし、文章化されたことはないが、彼らが頻繁に使っていたことの知られている概念や言いまわしも含まれており、すでに邦訳がある著作からの引用も含め、すべて原語から改めて訳した。そして、見開きの左ページには、これらの言葉を現代の視点から解釈した筆者の見解が記されている。 版元から一言 本書は、イタリアンデザインの巨匠として知られるアキッレ・カスティリオーニの思想を日本に紹介したローマ在住の批評家・多木陽介さんが、アキッレ・カスティリオーニに加え、同じくイタリアからデザイン界を牽引してきたブルーノ・ムナーリ、エンツォ・マーリの言葉に、これからの創造力を導く思想を探る1冊です。 「好奇心がないようなら、おやめなさい」 ーアキッレ・カスティリオーニ 「知識とは、生の現実に基づいているものなんだ」 ーエンツォ・マーリ 「聞いたことは忘れる、みたものは覚えている、やったことは理解できる」 ーブルーノ・ムナーリ 巨匠たちの実践は「消費主義社会において企業の利益を追求するためのデザインとは異なり、社会性のある創造と市民全般への教育を使命とする倫理性に富んだもので、現代にこそ生きる」と多木さんは言います。本書では、そんな実践のなかから生まれた珠玉の言葉・思想を完全新訳でお届けします。プロダクト、グラフィックデザインに関わる方はもちろん、広く「つくること、育むこと」にかかわる方に示唆が富む1冊となっています。 表紙が寒冷紗巻きのユニークな装丁にもご注目ください。 - 著者プロフィール - 多木 陽介 (タキ ヨウスケ) (編訳著) 批評家、アーティスト。1988年に渡伊、現在、ローマ在住。 演劇活動や写真を中心とした展覧会を各地で催す経験を経て、現在は多様な次元の環境(自然環境、社会環境、精神環境)においてエコロジーを進める人びとを扱った研究(「優しき生の耕人たち」)を展開。芸術活動、文化的主題の展覧会のキュレーションおよびデザイン、また講演、執筆、そして教育活動「移動教室」など、多様な方法で、生命をすべての中心においた、人間の活動の哲学を探究。 著書に『アキッレ・カスティリオーニ―自由の探求としてのデザイン』(アクシス、2007年)、『(不)可視の監獄―サミュエル・ベケットの芸術と歴史』(水声社、2016年)。訳書に、マルコ・ベルポリーティ『カルヴィーノの眼』(青土社、1999年)、プリーモ・レーヴィ『プリーモ・レーヴィは語る』(青土社、2002年)、ウンベルト・ガリンベルティ『七つの大罪と新しい悪徳』(青土社、2004年)、アンドレア・ボッコ、ジャンフランコ・カヴァリア『石造りのように柔軟な―北イタリア山村地帯の建築技術と生活の戦略』(編訳、鹿島出版会、2015年)、アンドレア・ボッコ『バーナード・ルドフスキー―生活技術のデザイナー』(鹿島出版会、2021年)など。
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読書と暴動 プッシー・ライオットのアクティビズム入門 | ナージャ・トロコンニコワ, 野中モモ(翻訳), 清水知子(解説)
¥2,860
SOLD OUT
ソウ・スウィート・パブリッシング 2024年 ソフトカバー 304ページ 四六変形判 縦188mm 横118mm 厚さ18mm - 内容紹介 - 「どうしてプーチンのロシアは、私を刑務所送りにしたのだろう? 私は当時、無一文の22歳で、 3歳の女の子の若い母親だった。家父長制の世界に生きる女性アーティストで、ディオゲネスと行動の哲学とクィアのアイデンティティについての卒論を書いている学生だった――」(本書より) カラフルな目出し帽。挑発的なライブパフォーマンス。FIFAワールドカップ決勝戦への乱入。結成時から現在に至るまで、常に世間の耳目を集めるロシアのフェミニスト・パンク集団、プッシー・ライオットとはいかなるグループなのか? なぜ結成されたのか? その真の目的とは? 創設メンバーのナージャ・トロコンニコワがその全貌を明らかにする。 本書『読書と暴動』は、プッシー・ライオットの設立経緯から、かれらがロシア国内でおこなった数々のアクション、さらにはロシア当局に逮捕されたのちの苛烈極まる獄中生活までを綴ったトロコンニコワの手記である。また同時に、著者がそうした体験のなかから得た“実践的な知”を紹介する「生き方の指南書(サバイバル・ガイド)」でもある。 ロシアでフェミニストでクィアであることの意味とは? アクティビズムは社会でどんな役割を果たすのか? アートとアクティビズムはいかに交差するのか? ハーバード大学やケンブリッジ大学で講演をおこなうアクティビストで、アイ・ウェイウェイやジェニー・ホルツァー、ジュディ・シカゴらの系譜に連なるアーティストのトロコンニコワが、カントからニーナ・シモン、あるいはウィトゲンシュタインからパンク・ソングの歌詞まで縦横無尽に引用しながら、そうした疑問の数々にユーモアたっぷりに答えていく。 「プーチンが最も憎んだバンドPussy Riotの創設メンバーによる、回顧録と行動指針の騒々しい融合」 ――Kirkus Reviews 【あとがき】キム・ゴードン(ミュージシャン)、オリヴィア・ワイルド(『ブックスマート』監督、俳優) 【解説】清水知子(東京藝術大学教授) 【装幀】山中アツシ 【本書に登場する思想家・芸術家・アクティビスト】 ペーター・スローターダイク/パゾリーニ/フーコー/ヴィヨン/マヤコフスキー/ディオゲネス/マイケル・スタイプ/プルードン/カント/チョムスキー/D.A.プリゴフ/トリスタン・ツァラ/ヒューゴ・バル/アイ・ウェイウェイ/ナオミ・クライン/ティモシー・スナイダー/マーティン・ルーサー・キング・ジュニア/アレクサンドラ・コロンタイ/オレグ・クリーク/カジミール・マレーヴィチ/マクルーゼ/マルクス/ディアギレフ/ドゥボール/ゴダール/ブレヒト/バルト/ヴォルフガング・シュトレーク/スティグリッツ/ソウル・アリンスキー/エーリッヒ・フロム/ソルジェニーツィン/ジョージ・オーウェル/ハワード・ジン/ドストエフスキー/アンジェラ・デイヴィス/クロポトキン/エマ・ゴールドマン/ソルジェニーツィン/ユーリ・ガランスコフ/ジェイムズ・H・コーン/リチャード・ローティ/イヴァン・イリイチ/ティモシー・スナイダー/ベティ・フリーダン/フランツ・ファノン/ボーヴォワール/ジュディス・バトラー/ベル・フックス/ニーナ・シモン/ル・グウィン/ウィトゲンシュタイン、etc. - 目次 - 文化労働者としてのアーティスト――日本版のためのまえがき イントロダクション ルール1:海賊になれ ルール2:ドゥ・イット・ユアセルフ ルール3:喜びを取り戻せ ルール4:政府をびびらせろ ルール5:アート罪を犯せ ルール6:権力の濫用を見逃すな ルール7:簡単に諦めるな。抵抗せよ。団結せよ。 ルール8:刑務所からの脱出 ルール9:オルタナティヴを創造せよ ルール10:ビー・ア・(ウー)マン 最終声明:希望は絶望から生まれる この本に寄せて キム・ゴードン この本に寄せて オリヴィア・ワイルド 解説 清水知子(東京藝術大学教授) あるプッシー・ライオットの推薦図書リスト - 著者プロフィール - ナージャ・トロコンニコワ (ナージャ トロコンニコワ) (著/文) アーティスト、アクティビスト。国際的フェミニスト・プロテスト・アート集団プッシー・ライオットの創立メンバー。2012 年、モスクワの救世主ハリストス大聖堂でプーチン大統領とロシア正教会を批判するゲリラ・パフォーマンスを敢行。有罪判決を受け2年にわたって収監された。釈放後は囚人の権利のための非政府組織ゾーナ・プラヴァと独立系通信社メディアゾーナを設立。2022 年にはNFTアート収集集団ユニコーンDAO を立ち上げ、ウクライナのために700 万ドル以上を集めた。レノン・オノ平和賞およびハンナ・アーレント政治思想賞を受賞。現在では数百人の人々が自らをプッシー・ライオット・コミュニティの一員であると認識している。プッシー・ライオットは、ジェンダーの流動性、包摂性、母権制、愛、笑い、分散化、アナーキー、反権威主義を支持する。ロシア連邦シベリア連邦管区ノリリスク生まれ。 野中モモ (ノナカ モモ) (翻訳) 東京生まれ。翻訳者、ライター。訳書に『音楽のはたらき』(デヴィッド・バーン、イースト・プレス)、『GIRL IN A BAND キム・ゴードン自伝』(キム・ゴードン、DU BOOKS)、『女パンクの逆襲―フェミニスト音楽史』(ヴィヴィエン・ゴールドマン、Pヴァイン)、『世界を変えた50人の女性科学者たち』(レイチェル・イグノトフスキー、創元社)などがある。著書に『野中モモの「ZINE」 小さなわたしのメディアを作る』(晶文社)『デヴィッド・ボウイ 変幻するカルト・スター』(ちくま新書)など。
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正岡子規スケッチ帖 | 正岡 子規, 復本 一郎(著/文)
¥924
岩波書店 2024年 岩波文庫 ソフトカバー 204ページ 縦148mm 横105mm 厚さ11mm - 内容紹介 - 「写生は多くモルヒネを飲みて後やる者と思へ」。子規の絵は味わいある描きぶりの奥に気魄が宿る。子規にとって絵を描くことは病床の慰めや楽しみ以上の、生きるよすがであった。最晩年の三か月に描き、『果物帖』『草花帖』『玩具帖』と題してまとめられた画帖をオールカラーで収録。漱石、鼠骨ら、子規の絵をめぐる文章を併載する。 目次 第一部 子規のスケッチ帖 『菓物帖』 『草花帖』 『玩具帖』 第二部 子規の絵画観 「明治二十九年の俳句界」より 画 『病牀六尺』より 明治三十五年八月六日条 八月九日条 八月二十三日条 八月二十四日条 第三部 子規の絵をめぐって 寒川鼠骨「子規居士の絵――「菓物帖と草花帖」」 寒川鼠骨「解説と回顧」 下村為山「子規氏の絵」 夏目漱石「子規の画」 解題 『玩具帖』について(平岡瑛二) 編者解説(復本一郎)
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アートワーカーズ 制作と労働をめぐる芸術家たちの社会実践 | ジュリア・ブライアン゠ウィルソン, 高橋沙也葉(翻訳), 長谷川新(翻訳), 松本理沙(翻訳), 武澤里映(翻訳)
¥4,180
フォルムアート社 2024年 408ページ A5判 - 内容紹介 - 混乱の時代、芸術はいかに社会に応答しうるか? ベトナム反戦運動、フェミニズム、反人種差別運動、美術制度批判…… 1960年代アメリカで、自らを芸術労働者(アートワーカーズ)と定義することによって アクションを起こしたアーティスト・批評家たちの格闘の記録を鮮やかに描き出す ベトナム反戦運動を筆頭に、フェミニズム運動、ブラックパワー運動、ゲイ解放運動、大規模なストライキなど、政治的・社会的な運動が巻き起こった騒乱の1960–70年代アメリカ。美術界では、「アートワーカー」という集団的アイデンティティが生まれつつあった──。 芸術に関わるすべての行為を〈労働〉と捉えたアートワーカーたちは、芸術作品/仕事(アートワーク)の意味を拡張し、ベトナム戦争時代の社会不安に立ち向かう。1969年に設立された「アートワーカーズ連合」や、翌年に同連合から派生した「レイシズム、戦争、抑圧に抵抗するニューヨーク・アート・ストライキ」のアクティビズム的な熱を帯びた活動は、ミニマルアートやコンセプチュアルアートなど、制度としての芸術に異議を唱える動向と密接に関係しながら発展していく。しかし、内部に多くの矛盾や葛藤を抱えたその活動は短命に終わってもいる。 本書では、ミニマルな作品によって「水平化」を目論んだカール・アンドレ、ブルーカラー労働者との同一化を夢想したロバート・モリス、批評や小説の執筆、キュレーションという「労働」を通してフェミニズムに接近したルーシー・リパード、そして情報を提示する作品によって制度批判を行ったハンス・ハーケという4人の作品や活動を徹底的に掘り下げるケーススタディから、アートワーカーたちによる社会への関与の実相を明らかにする。 また日本語版では、読者に現代の問題として議論してもらえるきっかけとなるよう、各章に専門家による解題を付け加えた。 芸術はいかに世界と関わりうるのか? 作品という枠組みを超えて、アーティストはいかに自らの態度を表明できるのか? 今日の社会において真の連帯は可能なのか? アートワーカーたちのラディカルな実践は、半世紀以上の時を経てなお新鮮な問いを発し続けている。 - 目次 - 日本語版への序文 プロローグ ラディカルプラクティスに向けて│ベトナム戦争時代 1 アーティストからアートワーカーへ 連合のポリティクス│アート対ワーク│一九六〇年代後半から七〇年代初期におけるアメリカの労働│ポスト工業化社会における職業化 【解題】 「境界」をめぐるアーティストたちの闘争──AWC解説 笹島秀晃 2 カール・アンドレの労働倫理 レンガ積み│ミニマリズムの倫理的土壌│アンドレとアートワーカーズ連合│物質を問題にする/問題を物質にする│戦中のミニマリズム 【解題】 カール・アンドレの階級闘争 沢山遼 3 ロバート・モリスのアート・ストライキ 仕事/作品ワークとしての展覧会│スケールの価値│アーティストと労働者、労働者としてのアーティスト│プロセス│デトロイトと建設労働者/ヘルメット集団ハードハット│ストライキ│勤務時間中のモリス、勤務時間外のモリス 【解題】 ワーカーとしてのロバート・モリス──「脱物質化」のジレンマのなかで 鵜尾佳奈 4 ルーシー・リパードのフェミニスト労働 女性たちの仕事│アルゼンチン訪問│三つの反戦展│アートについて/として執筆する女性たち│抗議を工芸クラフトする 【解題】 個人的なこと、集団的なこと、政治的なこと──執筆家ライター/活動家アクティビストとしてのルーシー・リパード 井上絵美子 「挑発」としての批評とアクティビズム 浜崎史菜 5 ハンス・ハーケの事務仕事ペーパーワーク 《ニュース》│AWCとコンセプチュアルアート──美術館を脱中心化する│情報インフォメーション│ジャーナリズム│プロパガンダ 【解題】 制度批評のありか──ハンス・ハーケと情報マネジメントの芸術労働 勝俣涼 エピローグ 謝辞 訳者あとがき 註 索引 著者略歴/訳者略歴/解題執筆者略歴/註訳者略歴 - 著者プロフィール - ジュリア・ブライアン゠ウィルソン (著/文) 現在、コロンビア大学美術史・考古学部教授、ジェンダー・セクシュアリティ研究科教員。芸術的労働の問題、フェミニズム・クィア理論、工芸史などを研究している。近刊に『アート・イン・ザ・メイキング:アーティストとマテリアル、スタジオからクラウドソーシングまで(Art in the Making: Artists and Their Materials from the Studio to Crowdsourcing)』(グレン・アダムソンとの共著、シカゴ大学出版局、2017年、未邦訳)、『ほつれ:芸術とテキスタイルの政治学(Fray : Art and Textile Politics)』(シカゴ大学出版局、2017年、未邦訳)や『ルイーズ・ネヴェルソンの彫刻:ドラァグ、色彩、合流、顔(Louise Nevelson’s Sculpture : Drag, Color, Join, Face)』(イェール大学出版局、2023年、未邦訳)などがある。また、2013年には『オクトーバーファイルズ:ロバート・モリス(OCTOBER Files: Robert Morris)』(MIT Press, 2013年、未邦訳)を編集している。2019年よりサンパウロ美術館の総合キュレーターを務め、これまでに1900年以前の女性が制作したテキスタイルや絵画を集めた「女性たちの歴史、フェミニズムの歴史(Women’s Histories, Feminist Histories)」展など複数の展覧会を担当している。 高橋沙也葉 (翻訳) 京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程、および日本学術振興会特別研究員(DC1)。1960年代末の彫刻とその記録を中心に、アメリカと日本のアートシーンの交差の研究を行う。 長谷川新 (翻訳) インディペンデントキュレーター。「クロニクル、クロニクル!」「不純物と免疫」「約束の凝集」「SEASON2」など展示企画多数。ベトナム戦争を軸に「日本戦後美術」を再検討する「イザナギと呼ばれた時代の美術」をTokyo Art Beatで不定期連載中。 松本理沙 (翻訳) 京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程修了。博士(人間・環境学)。岡山大学等非常勤講師。アメリカにおける1970年代から90年代のパブリックアート研究を行う。おもな論文に「ホームレスとの協働からみるクシシュトフ・ヴォディチコ《ホームレス・ヴィークル》──機能性の考察を通して」『表象』第16号(2022年)。 武澤里映 (翻訳) 兵庫県立美術館学芸員、大阪大学大学院文学研究科博士前期課程在籍。日本におけるハプニングの受容をおもな対象に、エフェメラルな作品の記録や伝播に関心をもつ。
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細部から読みとく西洋美術 めくるめく名作鑑賞100 | スージー・ホッジ, 中山ゆかり(翻訳)
¥4,180
フォルムアート社 2023年 ソフトカバー 432ページ B5変形判 - 内容紹介 - 神は細部に宿る── ボッティチェリ、ミケランジェロ、カラヴァッジョ、 フェルメール、モネ、クリムト、ピカソ、ウォーホル… ルネサンスから現代まで、 あの有名絵画もクローズアップすれば 新たな発見に満ちている! 「もっとよく見たい」すべての美術ファンの 好奇心に応える充実のビジュアルブック オールカラー、675の拡大図版で名作100点に迫る! 作品と対話しているかのような、新たな鑑賞体験を。 作家の生きた時代や作品の背景、モチーフの象徴的意味、細かな技法に込められている意図まで……全体を概観しているだけではわからないポイントを詳細に解説。細部に着目することで、より深いレベルでの鑑賞を叶え、西洋美術の名作に新たな見方が広がります。 それぞれの作品に関連する参考作品も掲載されており、西洋美術史を通じた相互の影響関係についても理解が深まります。あの有名作品も、もう一度観てみたくなる──そんな知識が満載の一冊です。 【こんな方へおすすめ!】 ◎まずは代表作を押さえて西洋美術の流れを知りたい方 ◎個々の作品についてもっと深く知りたいという方 ◎もう一度西洋美術について学んでみたい方 ◎好きな作品の隅々までじっくり鑑賞したい方 ◎美術関連のお仕事をされている方、将来的にしたいと考えている方 ◎美術好きのご家族、ご友人へのプレゼントに - 目次 - イントロダクション 1500年以前 ジョット・ディ・ボンドーネ《東方三博士の礼拝》/マザッチオ《聖三位一体と聖母マリア、聖ヨハネと寄進者たち》/ヤン・ファン・エイク《アルノルフィーニ夫妻の肖像》/ロヒール・ファン・デル・ウェイデン《十字架降架》/パオロ・ウッチェロ《サン・ロマーノの戦い》/フラ・アンジェリコ《受胎告知》/アンドレア・マンテーニャ《ゲッセマネの祈り》/ベノッツォ・ゴッツォリ《東方三博士の行列》/ピエロ・デラ・フランチェスカ《聖母子と諸聖人》/フーゴー・ファン・デル・グース《ポルティナーリ祭壇画》/サンドロ・ボッティチェリ《春(プリマヴェーラ)》 16世紀 ヒエロニムス・ボス《快楽の園》/レオナルド・ダ・ヴィンチ《モナ・リザ》/アルブレヒト・デューラー《東方三博士の礼拝》/ジョヴァンニ・ベッリーニ《サン・ザッカリアの祭壇画》/ミケランジェロ《システィーナ礼拝堂の天井画》/ラファエロ《アテネの学堂》/マティアス・グリューネヴァルト《イーゼンハイム祭壇画》/ティツィアーノ《バッカスとアリアドネ》/ハンス・ホルバイン(子)《大使たち》/ピーテル・ブリューゲル1世《ネーデルラントの諺》/パオロ・ヴェロネーゼ《カナの婚礼》/ティントレット《磔刑》/エル・グレコ《オルガス伯の埋葬》 17世紀 カラヴァッジョ《エマオの晩餐》/ピーテル・パウル・ルーベンス《十字架昇架》/アルテミシア・ジェンティレスキ《ホロフェルネスの首を切るユディト》/フランス・ハルス《笑う騎士》/ニコラ・プッサン《黄金の仔牛の礼拝》/レンブラント・ファン・レイン《夜警》/ジョルジュ・ド・ラ・トゥール《大工の聖ヨセフ》/ジャン・ロレンツォ・ベルニーニ《聖テレジアの法悦》/クロード・ロラン《港、シバの女王の船出》/ディエゴ・ベラスケス《ラス・メニーナス》/ヤン・フェルメール《ギターを弾く女》 18世紀 ジャン゠アントワーヌ・ヴァトー《ヴェネツィアの祝宴》/カナレット《ヴェネツィアに到着したフランス大使の歓迎》/ジョヴァンニ・バッティスタ・ティエポロ《モーセの発見》/ジャン゠バティスト゠シメオン・シャルダン《しゃぼん玉》/ウィリアム・ホガース《当世風結婚I、婚約万端整って》/ジャン゠オノレ・フラゴナール《音楽コンテスト》/ジャック゠ルイ・ダヴィッド《ホラティウス兄弟の誓い》/アンゲリカ・カウフマン《グラックス兄弟の母コルネリア》 19世紀 ジャン゠オーギュスト゠ドミニク・アングル《玉座のナポレオン1世》/フランシスコ・デ・ゴヤ《1808年5月3日の処刑》/テオドール・ジェリコー《メデューズ号の筏》/カスパー・ダーヴィト・フリードリヒ《海上の月の出》/ジョン・コンスタブル《チェーン桟橋、ブライトン》/ウジェーヌ・ドラクロワ《十字軍のコンスタンティノープル占領》/J・M・W・ターナー《雨、蒸気、速度――グレート・ウェスタン鉄道》/ジョン・エヴァレット・ミレイ《オフィーリア》/ウィリアム・ホルマン・ハント《良心の目覚め》/ギュスターヴ・クールベ《画家のアトリエ》/ジャン゠フランソワ・ミレー《落ち穂拾い》/エドゥアール・マネ《草上の昼食》/クロード・モネ《秋の効果、アルジャントゥイユ》/ジェームズ・アボット・マクニール・ホイッスラー《金と黒のノクターン――落下する花火》/ピエール゠オギュスト・ルノワール《陽光の中の裸婦(エチュード──トルソ、光の効果)》/メアリー・スティーヴンソン・カサット《お茶》/ジョルジュ゠ピエール・スーラ《アニエールの水浴》/ポール・ゴーガン《説教のあとの幻影》/フィンセント・ファン・ゴッホ《パイプが置かれた椅子》/エドガー・ドガ《入浴後、身体を拭く女性》/アンリ・ルソー《熱帯嵐の中のトラ(びっくりした!)》/アンリ・ド・トゥールーズ゠ロートレック《ムーラン・ルージュにて》/エドヴァルド・ムンク《叫び》/ポール・セザンヌ《キューピッドの石膏像のある静物》/カミーユ・ピサロ《夜のモンマルトル大通り》 1900年以降 アンリ・マティス《アンドレ・ドランの肖像》/グスタフ・クリムト《接吻》/エルンスト・ルートヴィヒ・キルヒナー《モーリッツブルクの水浴者たち》/ワシリー・カンディンスキー《コサック》/マルク・シャガール《私と村》/ジョルジュ・ブラック《ギターをもつ男》/ウンベルト・ボッチョーニ《空間における連続性の唯一の形態》/ジョルジョ・デ・キリコ《愛の歌》/カジミール・マレーヴィチ《シュプレマティスムのコンポジション──飛翔する飛行機》/ジョージ・グロス《自死》/フェルナン・レジェ《ビアマグのある静物》/ジョアン・ミロ《狩人(カタルーニャの風景)》/エドワード・ホッパー《線路わきの家》/ジョージア・オキーフ《オリエンタル・ポピー(オニゲシ)》/タマラ・ド・レンピッカ《イラ・Pの肖像》/パウル・クレー《パルナッソス山へ》/ルネ・マグリット《人間の条件》/サルバドール・ダリ《ナルキッソスの変容》/パブロ・ピカソ《ゲルニカ》/ピート・モンドリアン《黄、青、赤のコンポジション》/フリーダ・カーロ《荊(いばら)の首飾りとハチドリの自画像》/マックス・エルンスト《ヴォックス・アンジェリカ(天使の歌声)》/ジャクソン・ポロック《秋のリズム》/ヘレン・フランケンサーラー《山と海》/フランシス・ベーコン《ベラスケス作「教皇インノケンティウス10世の肖像」に基づく習作》/アンディ・ウォーホル《マリリンの二連画》/ロイ・リキテンスタイン《WHAAM!》/リチャード・エステス《電話ボックス》/ルシアン・フロイド《眠る労災保険管理官》/ルイーズ・ブルジョワ《ママン》/アンゼルム・キーファー《黒い切片》/ポーラ・レゴ《国王の死》 用語集 作品索引 索引(人名/事項) - 著者プロフィール - スージー・ホッジ (スージー・ホッジ) (著/文) 美術史家、作家、アーティスト、ジャーナリスト、英国王立技芸協会フェロー。美術史、実用美術、歴史に関する100冊以上の著書がある。邦訳書に『世界をゆるがしたアート─クールべからバンクシーまで、タブーを打ち破った挑戦者たち』(青幻舎)、『5歳の子どもにできそうでできないアート─現代美術100の読み解き』(東京美術)、『美術ってなあに?─ “なぜ”から広がるアートの世界』(河出書房新社)。雑誌記事、美術館やギャラリーのウェブ用の資料も執筆しており、世界中の学校、大学、美術館、ギャラリー、企業、芸術祭、美術団体などのためにワークショップや講義を主宰・提供している。ラジオやテレビのニュース番組、ドキュメンタリー番組の常連コメンテーターであり、『インディペンデント』紙のNo.1アートライターに2度選出された。 中山ゆかり (ナカヤマユカリ) (翻訳) 翻訳家。慶應義塾大学法学部卒業。英国イースト・アングリア大学にて、美術・建築史学科大学院ディプロマを取得。訳書に、フック『印象派はこうして世界を征服した』、ソールズベリー/スジョ『偽りの来歴─ 20世紀最大の絵画詐欺事件』、ネアン『美術品はなぜ盗まれるのか─ターナーを取り戻した学芸員の静かな闘い』、バトラー『ロダン 天才のかたち』(共訳)(以上、白水社)、フック『サザビーズで朝食を─競売人が明かす美とお金の物語』『ならず者たちのギャラリー─誰が「名画」をつくりだしたのか?』、エヴァニア『ジャック・カービー アメコミの“キング”と呼ばれた男』、クリーグ『目の見えない私がヘレン・ケラーにつづる怒りと愛をこめた一方的な手紙』、シンプソン『色のコードを読む─なぜ「怒り」は赤で「憂鬱」はブルーなのか』(以上、フィルムアート社)など。
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ルール?本 創造的に生きるためのデザイン | 菅俊一, 田中みゆき, 水野祐
¥2,640
フォルムアート社 2024年 ソフトカバー 320ページ 四六変形判 縦128mm 横184mm - 内容紹介 - ルールはあなたを縛るものではなく、この社会で自由に生きるためのもの? 世界の見え方が変わっていく、「ルール×デザイン」入門。 法律や規則、マナー、習慣、自然法則……わたしたちはさまざまなルールに囲まれて生きています。 本書では、日常のさまざまな場面で遭遇するルールの存在や影響を取り上げながら、ルールを「つくる」「使う」「見直す」「更新する」ことでわたしたちの社会をアップデートしていくことを目指します。この4つのサイクルに着目し、ルールはデザインによってどのようにかたちづくることができるのか、多角的な視点から探ります。 身の回りにあるルールを意識し、自分のこととして関わり、柔軟にとらえ直すことで、ルールとポジティブに向き合うことの大切さと、ルールは私たちの思考や行動を制限するものではなく、この社会で自由に生きるためのものであることを説く、日常をデザインする創造的実践のガイドとなる一冊です。 遊び心と創造力に満ちた、新しい「ルール」本の誕生! 「ルールについての展覧会?!」と大反響を呼んだ、21_21 DESIGN SIGHTの企画展「ルール?展」(2021年)。展示期間中、オンライン予約の取れない展覧会として話題となり、TikTokやInstagramでZ世代の若者たちにも人気を博したあの「ルール?展」が、「本」となって帰ってきた! 展覧会ディレクターの菅俊一・田中みゆき・水野祐による、「ルール」についてさらに深掘りした全編書き下ろしのテキスト+座談会に、宇野重規(政治哲学者)、清水晶子(フェミニズム/クィア理論研究者)、小田原のどか(彫刻家/評論家)、細馬宏通(人間行動学者)、会田大也(ミュージアム・エデュケーター)、木ノ戸昌幸(元NPO法人スウィング理事長)の豪華執筆者による寄稿を加えて再編集・成書化。 - 目次 - まえがき 〈Rule? Fig.1〉 #これもルールかもしれない 〈Rule? Fig.2〉 ルール曼荼羅 〈Rule? Fig.3〉 ルールのつくられ方(法令の場合) 第Ⅰ部 入門編 1 なぜルールは必要なのか 身近にあふれるルール/この本で扱う「ルール」の範囲/拠り所としてのルール/ルールは問題から生まれる/暗黙のルール/ルールとアーキテクチャの協働関係/「守る」だけでなく「使う」ものとしてのルール 2 道具としてのルール ルールは問題を解決するための道具/ルールを見ていくと、社会の中にある課題がわかる/ルールによってどのように問題を解決できるか/ルールをつくるときに考えるべきこと/ルールの前提にあるもの/ルールを破ったらどうなる?/つくったルールを使って、見直す 3 ルールと創造性 「創造的に使う」とはどういうことか?/なぜルールに創造性が必要なのか?/ルールをつくる創造性/ルールを使う創造性/ルールを見直す創造性/ルールを更新する創造性 〈TEXT〉 宇野重規 民主主義社会におけるルールとは何か 清水晶子 冗談を気軽には言わない 小田原のどか 社会制度と彫刻 細馬宏通 「ルール?展」:日常のルールをあぶり出すさまざまな試み 会田大也 創りながらルールを学ぶこと 木ノ戸昌幸 そんな簡単なわけがない 田中みゆき 「ルール?展」のルール:自由と制約についての覚え書き 第Ⅱ部 実践編 1 ルールをつくる 企業が生むルール(規格)/真鶴町「美の基準」(まちづくり条例)/『独立国家のつくりかた』/「コロガル公園」シリーズ/任天堂ゲーム実況ガイドライン/クリエイティブ・コモンズ/Netflix “No Rules” Rules/田中みゆき 菅俊一 野村律子《ルール?》/東京駅の空中権売買/カーボンプライシング/大麻の合法化/Whatever Co.《D.E.A.D. (Digital Employment After Death)》 2 ルールを使う 規制によって生まれる製品・サービス/佐々木隼(オインクゲームズ)《鑑賞のルール》/群れを生むルール/石川将也+nomena+中路景暁《四角が行く》《ルールが見えない四角が行く》/行列のルール/高野ユリカ+山川陸《踏む厚み》/取扱説明書のいろいろな形/『サイバーパンク2077』エンドユーザーライセンス同意書/コンタクト・ゴンゾ《訓練されていない素人のための振付コンセプト003.1(コロナ改変ver.)》/オウテカ『Anti EP』 3 ルールを見直す 校則をつくる・変更する/早稲田大学吉村靖孝研究室《21_21 to “one to one”》/遠藤麻衣《アイ・アム・ノット・フェミニスト!2017/2021》/エル・ブジ/『100,000年後の安全』/早稲田大学吉村靖孝研究室《滝ヶ原チキンビレジ》/NPO法人スウィング《京都人力交通案内「アナタの行き先、教えます。」》/排除アートに対抗するベンチ/ダニエル・ヴェッツェル(リミニ・プロトコル) 田中みゆき 小林恵吾(NoRA)×植村遥 萩原俊矢×N sketch Inc.《あなたでなければ、誰が?》/田中功起《ひとりの髪を9人の美容師が切る(二度目の試み)》 4 ルールを更新する 鬼ごっこのルール/コロナ禍における道路占用許可基準の緩和/葛宇路(グゥ・ユルー)《葛宇路》/デジタル民主主義プラットフォーム/LEGAL SHUTTER TOKYO/丹羽良徳《自分の所有物を街で購入する》/スクワット/『DEATH STRANDING』/「弱いロボット」 〈座談会〉菅俊一×田中みゆき×水野祐 「ルール?展」のあとに ルールは網羅できない/自分の範疇を広げて考える/マジョリティは消去法によって構成される/場は何を規定するのか/わかりやすい満足に勝てるか/ルールはバイナリー型、マナーは堆積型/ルールをつくることはコストを下げる? あるいは上げる?/ルールリテラシーとルールコンピテンシー/失敗が更新のチャンスになる 〈資料1〉 コロナ関連記事抜き出し 〈資料2〉 法的視点からの考察&データで見る社会 謝辞 「ルール?展」展示作品クレジット 主要参考文献 前書きなど この本では、デザインによってルールに対する見方を変えたり、逆にルールをデザインすることによって、物事や社会に働きかけたりすることを読者の皆さんとともに考えたいと思っています。 そのために、身の回りにどのようなルールがあり、他者や社会とのコミュニケーションのなかで、どのような過程を経てルールが現在の姿となっているのか、それ以外のあり方にはどのような可能性があるのかをさまざまな事例や作品を通して考えていきます。 ままならない現実と折り合いをつけながら、一人ひとりが自由に生きていくことができるようにルールをつくり変えていくことを、ルールと創造的に付き合うことだと私たちは考えています。 私たち一人ひとりがそのようにルールと創造的に付き合うことができれば、それは社会をつくり変えていくことにもつながるでしょう。 ルールという視点から、あなたにとって生きやすい社会が他の人にとっても生きやすい社会になるような未来をどのように共につくることができるのか、本書を通して一緒に考え、できることから実践してみましょう。 (本書「まえがき」より) - 著者プロフィール - 菅俊一 (スゲシュンイチ) (著/文) コグニティブデザイナー、多摩美術大学統合デザイン学科准教授。認知的手がかりの設計による行動や意志の領域のデザインを専門としており、近年は顔図版による視線を用いた誘導体験や人間の創造性を引き出すための制約のデザインについての探求を行なっている。主な仕事に、NHK Eテレ「2355/0655」ID映像、21_21 DESIGN SIGHT企画展「単位展」コンセプトリサーチ、同「アスリート展」展覧会ディレクター。著書に『行動経済学まんが ヘンテコノミクス』(共著・マガジンハウス)、『観察の練習』(NUMABOOKS)。主な展覧会に「あいちトリエンナーレ2019」(愛知県美術館、2019)、「指向性の原理」(SOBO、東京、2017)、「正しくは、想像するしかない。」(デザインギャラリー1953、東京、2019)、「視線の設計」(多摩美術大学TUB、東京、2023)。 田中みゆき (タナカミユキ) (著/文) キュレーター、プロデューサー。「障害は世界を捉え直す視点」をテーマにカテゴリーにとらわれないプロジェクトを企画。表現の見方や捉え方を障害のある人たち含む鑑賞者とともに再考する。近年の仕事に『音で観るダンスのワークインプログレス』(KAAT神奈川芸術劇場ほか、2017–)、展覧会「語りの複数性」(東京都渋谷公園通りギャラリー、2021)、「オーディオゲームセンター」(2017–)など。アジアン・カルチュラル・カウンシルの助成を得て、2022年ニューヨーク大学障害学センター客員研究員。美術評論家連盟会員。 水野祐 (ミズノタスク) (著/文) 法律家。弁護士(シティライツ法律事務所、東京弁護士会)。Creative Commons Japan理事。Arts and Law理事。グッドデザイン賞審査委員。慶應義塾大学SFC非常勤講師。note株式会社などの社外役員。著書に『法のデザイン──創造性とイノベーションは法によって加速する』(フィルムアート社)、連載に「新しい社会契約(あるいはそれに代わる何か)」(『WIRED』日本版)など。
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庭のかたちが生まれるとき 庭園の詩学と庭師の知恵 | 山内 朋樹
¥2,860
フォルムアート社 2023年 ソフトカバー 四六判 - 内容紹介 - 徹底的に庭を見よ! 作庭現場のフィールドワークから、庭の造形を考え、庭師の生態を観察し、庭のなりたちを記述していく、新感覚の庭園論がここに誕生! 庭師であり美学者でもあるというユニークなバックグラウンドを持つ注目の研究者・山内朋樹の待望の初単著。 庭を見るとき、わたしたちはなにを見ているのか? 庭をつくるとき、庭師たちはなにをしているのか? そもそも、庭のかたちはなぜこうなっているのか? 本書は庭師であり美学研究者でもある山内朋樹が、 京都福知山の観音寺を訪ね、その大聖院庭園作庭工事のフィールドワークをもとに、庭のつくられ方を記録した「令和・作庭記」である。 庭について、石組について、植栽について、空間について、流れについて、部分と全体について…… 制作のプロセスを徹底的に観察するとともに、その造形(かたち・構造)の論理を分析し、「制作されるもの」と「制作するもの」の間に起きていることを思考する。ミクロの視点で時間軸を引き伸ばしながら、かたちが生まれるその瞬間を丹念に解読していく、他に類を見ない新しい「制作論」。 本書を読んだ後には、これまで見ていた庭や、木々や、石や、そして景色の見え方が変わって見える! ----------------- 千葉雅也氏(哲学者・作家)推薦! 庭の見方をガラリと変えてくれる画期的な庭園論であり、すごく応用の利く本だと思う。「ひとつ石を置き、もうひとつをどう置くか」というのは、絵画の話でもあるし、音楽でも料理でも、会話術でもビジネス術でもあるからだ。 ----------------- 目次 はじめに――ぼくが庭のフィールドワークに出る理由 第1章 石の求めるところにしたがって〈庭園の詩学①〉 1 ただの石から見られる石へ 2 つくる行為をうながすもの 3 他性の濁流をおさめる 第2章 集団制作の現場から〈庭師の知恵①〉 1 不確かさのなかでともに働く 2 設計図とはなにをしているのか? 第3章 徹底的にかたちを見よ〈庭園の詩学②〉 1 石と石とが結びつくとき 2 意図しないものの蓄積とパターン 3 あってないような庭とありてある庭 第4章 物と者の共同性を縫い上げる〈庭師の知恵②〉 1 バラバラの物をDIYで結びつけよ 2 庭師の知恵と物騒な共存 3 物と踊る技術 第5章 庭をかたちづくるもの〈庭園の詩学③〉 1 造形的達成はどこからやってくる? 2 石をかたづけるときに起こること 3 質的飛躍と作庭の終わり おわりに――フィールドワークは終わらない - 著者プロフィール - 山内朋樹 (ヤマウチトモキ) (著/文) 1978年兵庫県生まれ。京都教育大学教員、庭師。専門は美学。在学中に庭師のアルバイトをはじめ研究の傍ら独立。庭のかたちの論理を物体の配置や作庭プロセスの分析から明らかにするフィールドワークをおこなっている。共著に『ライティングの哲学』(星海社、2021年)、訳書にジル・クレマン『動いている庭』(みすず書房、2015年)。
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モニュメント原論 思想的課題としての彫刻 | 小田原 のどか
¥4,620
青土社 2023年 ハードカバー 624ページ 四六判 - 内容紹介 - 破壊される瞬間に、彫刻はもっとも光り輝く 彫刻を「思想的課題」と自らに任じ、日本近現代の政治・歴史・教育・芸術そしてジェンダーを再審に付す。問い質されるは、社会の「共同想起」としての彫像。公共空間に立つ為政者の銅像が、なぜ革命・政変時に民衆の手で引き倒される無残な運命に出遭うのか――。画期的かつ根源的な思索の書。
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近代を彫刻/超克する | 小田原 のどか
¥1,430
講談社 2021年 ソフトカバー 146ページ 四六判 - 内容紹介 - 〈思想的課題〉としての彫刻を語りたい。 街角の彫像から見えてくる、もう一つの日本近現代史、ジェンダーの問題、公共というもの……。 都市に建立され続け、時に破壊され引き倒される中で、彫刻は何を映すのか。 注目の彫刻家・批評家が放つ画期的な論考。 - 著者プロフィール - 小田原 のどか (オダワラ ノドカ) (著/文) 1985年、宮城県仙台市生まれ。多摩美術大学彫刻学科卒業後、東京藝術大学大学院美術研究科にて修士号、筑波大学大学院人間総合科学研究科にて博士号を取得。芸術学博士。彫刻家/アーティストとしての活動と並行して、彫刻研究、版元経営、書籍編集、展覧会企画、評論執筆を行う。
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キリスト教美術シンボル事典 | ジェニファー・スピーク, 中山 理(翻訳)
¥1,980
筑摩書房 2024年 ちくま学芸文庫 ソフトカバー 512ページ 文庫判 - 内容紹介 - 竜、柘榴、五芒星。キリスト教美術に描かれた図像の意味は? 西方東方両教会、あらゆる作品の読解きに役立つパーフェクト・ガイドブック。図版200点収録。 === 西洋美術の中核をなすキリスト教美術。その個々の作品の背後には、旧約・新約聖書や聖人伝説におけるエピソードなどが横たわっており、作品を読み解くためには様々な図像やシンボルがなにを意味しているか、細部にわたる知識が不可欠となる。本書は、竜・ザクロ・五芒星など膨大な項目を、アルファベット順に800以上網羅。絵画・彫刻の有名作品にくわえ、ステンドグラスや写本挿絵に至るまで200点以上の図版を掲載。カトリックと東方正教会における表現の違いも並べて解説する。あらゆる作品を読み解くのに役立つ、類書のないパーフェクト・ガイド! === 竜、ザクロ、五芒星ほか、全800項目 あらゆる美術作品がこれで読み解ける パーフェクト・ガイド! === 目次 著者まえがき 凡例 A / B / C / D /E / F / G / H /I /J / K / L /M / N / O / P /Q / R / S / T /U / V / W / Y / Z 聖人名表記対照表 建築部位名称 参考文献 訳者あとがき 文庫版訳者あとがき 項目索引 - 著者プロフィール - ジェニファー・スピーク (ジェニファー スピーク) (本文) 1944年、カナダ・トロント生まれ。オクスフォード大学出版局で、辞典編集者として従事し、Oxford Dictionary of Proverbsなどに携わる。主要な著作に、本書の他、Literature of Travel and Exploration: An Encyclopedia(Routledge)、The Oxford Dictionary of Foreign Words and Phrases(Oxford University Press)、『オックスフォード 英語ことわざ・名言辞典』(柊風舎)、『ルネサンス百科事典』(共著、原書房)などがある。 中山 理 (ナカヤマ オサム) (翻訳) 1952年生まれ。上智大学大学院英米文学専攻博士後期課程満期退学。エディンバラ大学留学。麗澤大学外国語学部教授、同学長を歴任。
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ポスト人新世の芸術 | 山本 浩貴
¥2,750
美術出版社 2022年 320ページ 四六判 - 内容紹介 - 人間活動が地球環境に重大な影響を与える「人新世」の時代が到来、さらにその次にどういった時代が来るのか、そうした時代に美術論がどういったものになるのか。 気鋭の美術評論家が語るポスト「人新世」の美術論。 本書の目的は、人間と自然の関係を軸とした美術史を構築することである。アーティストはいかにして自然と対峙しながら創作してきたのか、作家の自然をめぐる認識がどのような形で過去の芸術作品に表出しているのか。人文科学の領域のなかでは、しばしば「芸術」や「美」の観念はあたかも人間の専売特許のごとく扱われてきた。しかし「なにかを見たり聞いたりしたときに感じる経験」としての美意識には、動物や植物と共通の基底が存在することを近年のいくつかの研究は明らかにしている。本書は、美術史や文化研究で支配的な人間を中心に据えた視点を脱却し、人類という種を相対化した目線から芸術の歴史を捉え直す。それによってまったく新しい展望を開くことを目論んでいる。 - 著者プロフィール - 山本浩貴 (ヤマモトヒロキ) (著/文) 1986 年千葉県生まれ。 一橋大学社会学部卒業後、ロンドン芸術大学チェルシー・カレッジ・オブ・アーツにて修士号・博士号取得。 2013 ~ 18 年、ロンドン芸術大学トランスナショナル・アート研究センター博士研究員。韓国のアジア・カルチャーセンター研究員、香港理工大学ポストドクトラル・フェロー、東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科助教を経て、21 年より金沢美術工芸大学美術工芸学部美術科芸術学専攻・講師。著書に『現代美術史 欧米、日本、トランスナショナル』(中央公論新社 、2019)
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現代美術史 欧米、日本、トランスナショナル | 山本 浩貴
¥1,056
中央公論新社 2024年 中公新書 ソフトカバー 336ページ 新書判 - 内容紹介 - 二〇世紀以降、「芸術」の概念を揺さぶるような作品や潮流が続々と生まれ、しばしば「現代アートは難しい」と評される。本書は、一見すると難解な現代美術について、特に第二次世界大戦後の社会との関わりから解説し、歴史のなかに意義づけていく。美術は現代の何を映し、社会に何を投げかけてきたか。欧米、日本、そしてトランスナショナルな美術史を、それぞれ主要な理論、アーティスト、作品から紡ぎ出す。 - 著者プロフィール - 山本 浩貴 (ヤマモトヒロキ) (著/文) 1986年千葉県生まれ.2010年一橋大学社会学部卒業.2018年ロンドン芸術大学博士課程(芸術)修了.2013年から2018年までロンドン芸術大学TrAIN研究センターに博士研究員として在籍.韓国の光州にあるアジア・カルチャー・センター(ACC)でのリサーチ・フェローを経て,現在は香港理工大学デザイン学部ポストドクトラル・フェロー.
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小泉誠のものづくりの方程式素材×技術=デザイン30 | 小泉 誠, 長町 美和子, 村角 創一(写真)
¥2,750
エクスナレッジ 2024年 160ページ B5判 - 内容紹介 - 素材と技術を活かす、デザイナーの着眼点 日本には、魅力的な素材や技術がたくさんあります。 それらのどこに着目し、どんなプロセスを経て、新しいプロダクトを生み出していくのか。 箸置きから建築まで、生活にかかわるすべてのデザインを手がける小泉誠の着眼点を体験できる1冊です。 “この本を読むとこんなにも日本には物づくりの歴史があり そこに技術や知恵や伝承されているのかと驚くとともに誇りに思えてきます。 そして同時にこれらを生かし絶やさないように考え、 新たな必然性を生みだすタイミングであることを気づかされます。 写真は、素材や人の働く姿を美しく捉え、生み出される工程にある営みの尊さを私たちに伝えてくれます。 そこから生まれた物たちが何だかうれしそうでもあり誇らしげでもあるように見えるのは そこにも人の暮らしがあるのだと気づくからではないでしょうか。” ミナペルホネン デザイナー 皆川明 なんでもデジタル化される時代だからこそ、 現地に足を運び、素材に触れ、技術者の声に耳を傾けることで得られることに価値が生まれます。 シンプルでアナログな小泉誠のデザイン手法を、軽快な文章とともにお楽しみください。 【目次】 1章 技と向き合う 鉄 どっしり動かないテープカッター (岩手県) 杉 集めて重ねてこんなに便利。Jパネルの使い途 (静岡県) 琺瑯 ずっと残したい琺瑯ケトル(東京都) 錫 曲がるなら曲がってしまえ、錫の器 (富山県) 四万十檜 木口に技と気合いが見える極薄軽量まな板 (高知県) ガラス 長く売れる、ずっとつくり続ける定番グラス (千葉県) 機能鋼 誰でも上手に玉子焼き&ハイブリッド雪平鍋 (新潟県) コラム 突板の化粧貼り/スレンレスの変容 2章 伝統を見直す 曲木 たった2本のパーツで超難度!曲木椅子 (秋田県) 漆 下地が決め手の軽くて丈夫な漆器 (石川県) 畳 日本建築の「座」の文化を椅子に (福岡県) 真鍮 ありがたい音がする風鈴 (富山県) 竹 触れて削って手で考えた竹ベラ (京都府・鹿児島県) 北山丸太 絞り丸太を家具のアームや脚にしてみたら (京都府) コラム 木を染める/プレカットで家具 3章 再び生かす 古材 骨格に靴屋さんの記憶が残る道具店 (東京都) 紙くず 活字がちらほら見える塗り壁 (東京都) 端材 触って感じるための面定規 (徳島県) パーティクルボード 大判ボードで箱型住宅&ゆるゆる働くシェアオフィス (茨城県) 発泡スチロール ローコストともったいない精神で会場構成 (東京都) コラム 公園の伐採樹木/段ボールの使い道/残革を活かす 4章 風土を紐解く 桜 子どもの誕生を祝う「君の椅子」 (北海道) 月桃紙 素朴な草の風合いで室内を包む (沖縄県) どんぐり材 椎茸の産地で椅子をつくった (宮城県) 木曽五木 歴史ある林業への思いと誇りを箸置きに (岐阜県) 白磁 透けるお茶碗のランプシェード (佐賀県) 石 山と川の造形をフックに (富山県) コラム 楢枯れ材の椅子 5章 いろいろつなぐ 竹+紙 和の知恵がはぐくんだ扇子の味わいを空間に (京都府) 木+鉄 無骨さを魅力に変えた鉄棒シリーズ (宮崎県) 玉皮+漆 打ち上げ花火でまん丸漆椀 (新潟県) デニム+木 日・仏・米の素材と文化がスツールに結集!(広島県・福岡県) ステンレス+強化木 日本刀の技が隠し味になった包丁 (岐阜県) ワイヤー+木 バケツの取っ手と箱物の木枠で運べる家具を (新潟県・北海道) コラム 椅子から建築まで/真鍮+いろんな素材
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具体的な建築 観察から得る設計の手がかり | 伊藤 暁
¥2,970
学芸出版社 2023年 ソフトカバー 208ページ 四六判 - 内容紹介 - ーーーーーーーー 「建築はもちろん、本づくり、デザイン、料理、DIYなど、何かをつくるすべての人に役立つ工夫が詰め込まれています。」 内沼晋太郎(ブック・コーディネーター)推薦! 内沼晋太郎「本チャンネル」にて紹介! 「工夫せよ!と風景はいう――『具体的な建築 観察から得る設計の手がかり』(学芸出版社)著者・伊藤 暁さん、編集者・中井きいこさん インタビュー」 ・Youtube https://www.youtube.com/watch?v=TC-El7Cnq0Y ・Spotify https://open.spotify.com/episode/61pRKhLI7K99xUpaP2eoth ーーーーーーーー 建材としての植物、地形と既製品ブロックの折り合い、カウンター足元に設置されたビールケース、風に耐えるための小屋のかたち。そこら辺にある小屋・蔵・構築物などを観察すると、そこにはつくるためのヒントが溢れていた。素材、機能、地形、技術、気候風土という5つを切り口に、観察を通して具体的に建築を考える - 目次 - I 素材 【その場で手に入るものを使う】 タイヤ垣 材の長さ 重すぎると動かせない 植物も建材 部材から素材へ 鉄のつっかえ棒 石積みと単管 コラム|「絡まり」を見る 設計事例|WEEK神山 【材の特性に従う】 左官と面材 固いものと柔らかいもの 素材の強度と腐食 【材の特性を活かす】 石の集水口 粒度で使い分ける 竹のバリエーション コラム|繰り返して上達する Ⅱ 機能 【付け足して補う】 車と橋の幅 既成部材の組み合わせ 足元を守る 地形に寄り掛かる階段 ビールケースでも十分 車輪への対応 設計事例|ほんの庵 【形態に直結する】 可変の度合いを調整する コラム|設営・撤収・運搬 ボールを遮るかたち 屋根だけの雨水対策 熱で空気を動かす 人の面と雨の面 設計事例|軽井沢の住宅 生き物が過ごす小屋 干物を作る小屋 設計事例|筑西の住宅 Ⅲ 地形 【地形に沿わせる】 下屋で調整する 傾斜に応答するかたち 設計事例|菊名の住宅 造成の労力 コラム|人力・重機・形態 【平場を作る】 懸造り 余白の使われ方 キメラ 柱と擁壁 【衝突を形態化する】 斜面と平面 機能と地形の拮抗 設計事例|横浜の住宅 地形と既製品 既製品の調整代 地形の論理と建物の論理 設計事例|WEEK神山 Ⅳ 技術 【縛る】 素人でも使える接合技術 仕口加工不要 【積む】 石垣 石と芝生 おとめ石 組積と横架材 【張る】 吊るための選択 遮るもの 設計事例|横浜の住宅 【塗る】 塗装の抽象と具体 【敷く】 材と施工の精度 設計事例|久我山の住宅 【留める】 固定の原理 設計事例|ほんの庵 Ⅴ 気候風土 【外的要因への応答】 地面に近づく 雪を割る 雪を遠ざける 風に耐える 配置と屋根勾配 バッファーを設ける 設計事例|筑西の住宅 組立・撤去・保管 風をいなす 【内部環境を調整する】 外的要因を選ぶ 越冬する小屋 設計事例|鹿嶋の住宅 - 著者プロフィール - 伊藤 暁 (イトウ サトル) (著/文) 建築家。東洋大学理工学部建築学科准教授。1976年東京都生まれ。横浜国立大学大学院修了後、aat+ヨコミゾマコト建築設計事務所に勤務。2007年に伊藤暁建築設計事務所を設立し、2017年~東洋大学で教鞭をとる。2010年より継続していた徳島県神山町での取り組みを、2016年ベネチアビエンナーレ国際建築展日本館展示に出展し、特別表彰を受賞。主な作品に「えんがわオフィス」「WEEK神山」「横浜の住宅」「筑西の住宅」など。主な著書に『共感・時間・建築』(2019,TOTO出版)、『en: Art of nexus』(2016,TOTO出版)、『3.11以後の建築:社会と建築家の新しい関係』(2014,学芸出版社)など。
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アートの力 美的実在論 | マルクス・ガブリエル, 大池惣太郎(翻訳), 柿並良佑(翻訳)
¥2,420
堀之内出版 2023年 ハードカバー 248ページ 四六変判 縦188mm 横120mm 厚さ14mm - 内容紹介 - 美術の見方が変わる! 天才哲学者、マルクス・ガブリエルによる初の芸術論。アートとは一体何なのか?その根源に迫ることで、すべての作品に通じる鑑賞態度を拓く。 「私たちがアート作品を生み出すのではない。アート作品こそが、自分を存在させはじめるために、私たちを参加者として創造するのだ。」 ◉知識、背景を教える本ではありません! 特定のジャンルや作品ではなく、アート全般に通用する鑑賞態度や思考を掘り下げる本です。知識や経験が豊富でなくても、アートの世界に分け入ることができます。 ◉あらゆる作品に通じる鑑賞態度を学べます! この本がテーマにしているのは、アートとはそもそも何なのか、そして、作品に向き合う私たちの態度です。ジャンルを越え、あらゆる作品に通じる鑑賞態度が開かれます。 ◉身近な例が多数登場します! モネの絵画や、便器を用いた《泉》などの有名な作品はもちろん、スター・ウォーズのシリーズや、日々目にする太陽の光など、身近な例から美術についてじっくりと解説しています。 ◉そのほか本書で取り扱うトピック ・デザインとアートの違いは? ・アートの価値は何で決まるのか? ・なぜ、アートは人類の起源だといえるのか? ・現代アートはなぜ人を困惑させるのか? 『なぜ世界は存在しないのか』(講談社選書メチエ)等のベストセラーで知られる哲学者が、さまざまな疑問に答えつつ、美術の持つ力の根源に迫る。 - 目次 - 序文 ベルナール・ジェニエス アートの力 アートの価値 美学と知覚 パフォーマンスとしての解釈 自律性、ラディカルな自律性、オリジナリティ アートと(権)力 補論 懐疑のアート、アートの懐疑 訳者解説 大池 惣太郎 - 著者プロフィール - マルクス・ガブリエル (マルクスガブリエル) (著/文) 1980年生まれ。哲学者。29歳で、史上最年少のボン大学哲学科教授に就任。 「意味の場」をキーワードに自身の新しい実在論を展開するほか、シェリングやヴィトゲンシュタイン、ハイデガー等、ドイツ哲学を中心に著作を執筆し、世界的な注目を浴びている。本書のほか、『神話・狂気・哄笑』(堀之内出版、2015年)や、『なぜ世界は存在しないのか』(講談社、2018年)等の訳書多数。
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桂離宮のブルーノ・タウト ドイツ・ロマン主義と禅の精神世界|長谷川 章
¥3,960
工作舎 2022年 ハードカバー 304ページ A5判 - 内容紹介 - 亡命先の日本で桂離宮と運命的な出会いを果たし、その美しさを世界に伝えた建築家、ブルーノ・タウト。『画帖 桂離宮』 はタウトが毛筆で一気に描き上げた、二十六葉の桂離宮論=建築空間論である。ドイツ語で書かれた原文を丹念に読み解き、タウトが見出した 「関係性の芸術」 とその精神に迫る。 目次 まえがき 『画帖桂離宮』とは何か 第1章◉桂離宮―『画帖桂離宮』の誕生 第1節 桂離宮のブルーノ・タウト 第2章◉ 御庭―『画帖桂離宮』の前半の構成と主題 第2節 表紙 第3節 思惟するのは視覚である 第4節 御殿へのアプローチ 第5節 御庭の松琴亭へ 第6節 松琴亭から賞花亭へ 第7節 新御殿の御庭と伊勢 第8節 御庭から導き出された結論 第3章◉御殿―『画帖桂離宮』の後半の構成と主題 第9節 御殿の意匠 第10節 空間の軸と動線 第11節 建築家の三つの条件 第12節 芸術の精神への変換 第13節 惜別の辞 あとがき 関係性の美学から中動態の美学へ - 著者プロフィール - 長谷川 章 (ハセガワ アキラ) (著/文) 1954年東京生まれ。1979年早稲田大学大学院修士課程修了。1985年DAAD西ドイツ政府所給費留学(アーヘン工科大学)。『北ドイツ表現主義建築の研究』で工学博士(早稲田大学)。東京造形大学教授、早稲田大学非常勤講師。専門はドイツ近代建築史。2019年に『ブルーノ・タウト研究─ロマン主義から表現主義へ』(ブリュッケ、2017)で日本建築学会著作賞受賞。著書に『ドイツ表現主義の建築』(鹿島出版会、1989)『世紀末の都市と身体─芸術と空間あるいはユートピアの彼方へ』(ブリュッケ、2000)、『芸術と民族主義─ドイツ・モダニズムの源流』(ブリュッケ、2008)、『絵画と都市の境界─タブローとしての都市の記憶』(ブリュッケ、2014)、『分離派建築会─日本のモダニズム建築誕生』(共著、京都大学学術出版会、2020)、『田園都市と千年王国─宗教改革からブルーノ・タウトへ』(工作舎、2021)。建築設計に「横浜人形の家」(商業環境デザイン大賞、神奈川県建築コンクール優秀賞受賞、1986)、「渋谷東急百貨店東横店」(北米照明学会特別表彰受賞、1988)。
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椅子の神様 宮本茂紀の仕事 |佐藤 卓, 佐藤 岳利, 宮本 茂紀
¥1,980
LIXIL出版 2019年 LIXIL BOOKLET ソフトカバー 76ページ 20.5 x 21 x 0.8 cm - 内容紹介- 新しいことへの挑戦と実験。素材への探求心。過去、現在、未来をつなぐ椅子づくりとは―― カッシーナ、B&B、アルフレックス、梅田正徳、藤江和子、隈研吾、ザハ・ハディド……。彼らは、日本初の家具モデラー、宮本茂紀(1937-)がともに椅子づくりに携わってきたメーカーであり、デザイナーたちである。一流の面々がこぞって宮本を頼るのはなぜなのか。 2019年4月、数年越しに完成した佐藤卓デザインによる、自然素材と伝統技術に拘った最高級のソファ「SPRING」の開発に関わった宮本。本書はその「SPRING」を皮切りに、デザイナーと試作開発に取り組んだいくつかの事例から職人としての宮本茂紀の仕事に迫る。ものづくりの現場に約65年。後半では、歴史から椅子の構造の変遷や技術を学び、素材や座り心地を追求し続け、さらに次世代へと継承する宮本の仕事も紹介する。写真家、尾鷲陽介の撮下しによる豊富な図版とともに、新たな角度から椅子の奥深さ、魅力に触れることのできる一冊。
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椅子クラフトはなぜ生き残るのか | 坂井素思
¥2,200
左右社 2020年 ソフトカバー 256ページ 四六判 - 内容紹介 - 古代エジプト文明以来、人間とともにあり、 専門職人たちの手でつくられてきた椅子は、近代を迎えて大きな転機を迎える。 大量生産と機械化の時代を潜り抜け、手づくりの小規模生産が生き残るのはなぜか。 ものづくりの将来と日本の経済社会を見据え、クラフツ経済の現代的課題と強みをさぐる。 【図版多数掲載】 近年、他業種の傾向に反して木製家具製造業で、 従業員3人以下の事業所数シェアが増大しているのはなぜだろうか。 椅子という商品には、生産や流通をめぐる経済構造に特別な点があるのだろうか。 作り手そして購入者にとっての、椅子の魅力と特性とは何だろうか。 近代椅子の名作、現代日本の椅子作家の作品に触れながら、 職人たちの小規模生産が生き残る椅子づくりの世界に多角的にせまる。 目次 まえがき 第一章 なぜ椅子クラフツを取り上げるのか 第二章 椅子クラフツ生産はいかに行われているか 第三章 近代椅子はどのように変化してきたか 第四章 なぜ椅子をつくるのか 第五章 椅子に何を求めるか 第六章 生活文化の中の椅子 第七章 椅子の社会的ネットワークはどのようにして可能か 終 章 椅子からみる経済社会 あとがき
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奇妙なものとぞっとするもの──小説・映画・音楽、文化論集 | マーク・フィッシャー, 五井健太郎(翻訳)
¥2,750
Pヴァイン 2023年 ソフトカバー 240ページ 四六判 縦188mm 横128mm 厚さ16mm - 内容紹介 - それがなぜ「奇妙なもの」に見えるのか? ──マーク・フィッシャー生前最後の著作 H・P・ラヴクラフト、H・G・ウェルズ、フィリップ・K・ディック、デヴィッド・リンチ、スタンリー・キューブリック、クリストファー・ノーラン、ザ・フォール、ブライアン・イーノ……彼ら「奇妙」で「ぞっとする」表現者たちに、私たちがいままで世界を理解するために使ってきたカテゴリーが有効ではないとしたら、では、彼らから導き出せる思想とは…… 思想家マーク・フィッシャーの冴え渡る考察がスリリングに展開する、彼の文化論集にして、もう一冊の代表作。
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虫めづる美術家たち | 芸術新聞社
¥2,750
芸術新聞社 2023年 ハードカバー 164ページ A5変型判 - 内容紹介 - 虫好きの虫好きによる虫好きのための作品集、爆誕。 石彫や木彫、自在置物、木象嵌、竹細工、日本画などジャンルの垣根を越えて、 虫をモチーフに選んだ型破りな美術家20名が大集結! 昆虫学者・丸山宗利氏によるワンポイント解説も掲載! ▼掲載作家 宇田川誉仁、ウチダリナ、大竹亮峯、奥村巴菜、小島久典、 小島康加、小橋順明、小松孝英、齋藤徳幸、佐藤正和重孝、 新野洋、つのだゆき、外山諒、春田幸彦、樋口明宏、 福井敬貴、福田亨、堀貴春、満田晴穂、牟田陽日 ▼鼎談 虫を求めて美術史探訪 佐藤正和重孝×満田晴穂×福井敬貴 理想の蝶を追い求めて 外山諒×福田亨×工藤誠也 ▼コラム 昆虫×美術の最前線で何が起きたのか 下川拓郎 日本美術に描かれた虫たち 安村敏信
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芸術論 | 宮島達男
¥1,760
アートダイバー 2017年 ソフトカバー 136ページ 四六判 - 内容紹介 - すべての人がアートと共に生きる世界をめざす「Art in You」 宮島達男の最新の芸術論が詰まった箴言集 1988年、最も権威ある国際美術展「ヴェネツィア・ビエンナーレ」の若手作家部門「アペルト88」にて世界の注目を浴びて以来、国際的な活躍を続ける宮島達男。1999年のヴェネツィア・ビエンナーレでは日本代表として参加し、その評価を確実なものにしました。これまでの作品発表は、世界30カ国250カ所以上に及びます。 2000年代に入ってからは、2006年~2016年に東北芸術工科大学副学長、2012年~2016年に京都造形芸術大学副学長と教育の現場に立ち、後進の指導にあたってきました。 とりわけ教育に関わったこの10年は、作品発表とは違って、「言葉」を用いてメッセージを伝えることが多く、それをまとめたいという想いからできあがったのが、この書籍です。 構成は、大きく3つの章にわかれています。 第Ⅰ章「哲学の深淵を語る」は、宮島が信頼を置く編集者・東晋平によるインタビューをもとに、新たに書き下ろされました。宮島の作品に通底する「3つのコンセプト」=〈それは、変化し続ける/それは、あらゆるものと関係を結ぶ/それは、永遠に続く〉の解説にとどまらず、さらにその深層にありながら、これまで発表されてこなかったフランス思想や仏教思想のルーツにまで迫った、まさにアーティスト宮島達男の核となるテキストです。 第Ⅱ章「日々の言葉」では、2010年~16年までの宮島のツイートから、「アーティストとしての心得」や「考えるためのヒント」などが平易な言葉で語られ、第Ⅲ章「芸術と平和」では、2001年~15年に新聞などに寄稿したテキストの数々などをまとめました。 また、作品制作の過程で生まれるアイデアスケッチやドローイングなど、書籍初収録となる貴重な図版も多数掲載し、言葉のみならずビジュアルでも、宮島芸術の根幹に触れることができる書籍となっています。 近年、宮島は前述の3つのコンプトに加え、「Art in You」という概念を提唱しています。これは、アーティストだけがアートの主体者ではなく、あらゆる人にアート的な感性があり表現が可能であるという意味であり、すべての人がアートを通じてよりよい人生を送ることを提示しているのです。この本を通じて、読者のみなさまがそれぞれの「Art in You」を体得するきっかけになりますように。 目次 Ⅰ 哲学の深淵を語る 「それ」とは何か 三つのコンセプト 作品(ドローイング) Ⅱ 日々の言葉 アーティストとして生きる君へ 創造の海 思考する石 Ⅲ 芸術と平和 被爆「柿の木」二世根づく 旭日興年 芸術と評価 卒業 子どもにもっと芸術を アーティストとして生きること 教育に携わる理由 作品の名前 マチュピチュと東北R計画 エイズ孤児と芸術の出会い 冬は必ず春となる Art in You 枯山水における「見立て」 芸術と平和学 ドローイングとデッサン 作品の永遠性と保存 アーティストの未来 作品リスト あとがき - 著者プロフィール - 宮島達男 (ミヤジマ タツオ) (著/文) 現代美術家 1986年東京藝術大学大学院修了。1988年ヴェネツィア・ビエンナーレ、新人部門に招待され、デジタル数字を用いた作品で国際的に注目を集める。以来、国内外で数多くの展覧会を開催。世界30カ国250カ所以上で作品を発表。最近の主な個展としては、「生と死─ 命の光」展(霧島アートの森、2015年)、「コネクト・ウィズ・エブリシング」(シドニー現代美術館、2016年)がある。1993年ジュネーブ大学コンペティション優勝。1998年第5回日本現代芸術振興賞受賞。1998年ロンドン芸術大学名誉博士授与。2006 -2016年東北芸術工科大学副学長。2012 -2016年京都造形芸術大学副学長。代表作に「メガ・デス」など。また、長崎で被爆した柿の木2世を世界の子どもたちに育ててもらう活動、「時の蘇生・柿の木プロジェクト」も推進している。