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【バーゲンブック】本の美術誌 : 聖書からマルチメディアまで | 中川 素子
¥1,300
SOLD OUT
工作舎 1995年 ハードカバー 216ページ 縦200mm 定価:2750円 バーゲンブック: 定価よりも値引して販売することのできる新古本です。 (定価のおよそ50%〜70%ほどの価格で販売しています) 新品とはいえ、経年による劣化などが見られる場合もございますので、ご理解の上ご購入くださいませ。 - 内容紹介 - A・デューラー、G・アルチンボルド、勝川春章、加納光於、河原温、D・マック、A・キーファー、河口龍夫ほか、30余作品の図版を収録。 - 目次 - 第1章 一冊の本 第2章 複数の本 第3章 人間の時代 第4章 本の虫への皮肉 第5章 ヴァニタス 第6章 読書する女 第7章 学問の道具 第8章 アートワークとしての本 第9章 記憶と創造力 第10章 大量消費生産物 第11章 滅亡のしるし 第12章 メディア 第13章 未来
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【バーゲンブック】Posters in Wadaland: 和田誠ポスタ-集 | 和田 誠
¥2,300
SOLD OUT
愛育社 2012年 ハードカバー 292ページ 定価4950円 バーゲンブック: 定価よりも値引して販売することのできる新古本です。 (定価のおよそ50%〜70%ほどの価格で販売しています) 新品とはいえ、経年による劣化などが見られる場合もございますので、ご理解の上ご購入くださいませ。 - 内容紹介 - 鮮やかな色彩と瑞々しいアイデアが満載。映画、演劇、書籍、音楽会から各種イベント、公募告知など、学生時代の作品から最新作まで全282点を掲載した和田誠自薦ポスター集成。
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【バーゲンブック】美術/中間子 小池一子の現場 | 小池 一子
¥1,700
平凡社 2020年 ソフトカバー 256ページ A5判 定価3300円 バーゲンブック: 定価よりも値引して販売することのできる新品の本です。 (およそ定価の50%〜70%ほどの価格です) 新品とはいえ、経年による劣化などが見られる場合もございますので、ご理解の上ご購入くださいませ。 - 商品紹介 - アート、デザイン、ファッション、広告… エネルギーあふれる優れた才能をつなぎ、 日本のクリエイティブと現代美術を支え続けてきた小池一子の全仕事。 コピーライターとして堀内誠一や田中一光と数々の仕事をこなし、 三宅一生とともに手掛けた「現代衣服の源流展」をきっかけに、 インディペンデント・キュレーターの先駆けとしての活動をスタートした1970年代。 1983年には日本初のオルタナティブ・スペース「佐賀町エキジビット・スペース」を開設、 杉本博司、森村泰昌、大竹伸朗、内藤礼らの才能を開花させ、進行形の現代美術を発信。 1979年の立ち上げから携わる「無印良品」では現在もその中核を担い、 2021年には東京ビエンナーレの総合ディレクターを務める―― 時代とともにあり続ける小池一子の仕事は、日本のクリエイティブの歴史でもある。 第一章 2016年 すべては現場にはじまる 第二章 1975年 現代衣服の潮流へ 第三章 1983年 佐賀町エキジビット・スペース 第四章 1936?59年 戦争と自由のはざまで 第五章 1959?80年代 ひとりで歩きだす 第六章 1979年? 自然は、印し無しで生まれた 第七章 2020年 美術/中間子 - 著者プロフィール - 小池 一子 (コイケ カズコ) (著) 1936年、東京都生まれ。クリエイティブ・ディレクター、佐賀町アーカイブ主宰。武蔵野美術大学名誉教授。1980年の「無印良品」の創設に携わり、以来アドバイザリー・ボードを務める。ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展日本館「少女都市」(2000年)、「田中一光とデザインの前後左右」(2012年、21_21 DESIGN SIGHT)他多数の展覧会の企画、ディレクションを手掛ける。1983年「佐賀町エキジビット・スペース」を創設・主宰し、多くの現代美術作家を国内外に紹介(~2000年)。現在、この活動は「佐賀町アーカイブ」(2011年~)に引き継がれている。2019年文化庁メディア芸術祭功労賞受賞。
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美しいをさがす旅にでよう[増補新版] | 田中 真知
¥2,640
白水社 2024年 ソフトカバー 248ぺージ 四六判 - 内容紹介 - 《ちがい》があるから世界はおもしろい! かつて、エジプトの扇風機の羽は金色が主流だったという。黄金色に輝く羽から送られる風はどんな心地だったのだろうか。慣れない目にはやや刺激的に映るその家電の色合いは現地で長く生活する人にとっては当たりまえで、扇風機の羽はそうじゃなきゃと思われていたのかもしれない。 この本は、こんな世界中の「ちがい」をさがしもとめ、私たちがなじんでいるものとは異なるカタチを楽しむための一冊。人はどんなときに美しいと感じ、なにを美しいと捉えてきたのか。また、時代や地域によってその基準は変わるものなのか。 雄大な大自然の風景は長らく美の対象とはならなかった。工場などの建造物やすでに使われなくなった廃墟は現代ではしばしばその美しさが話題になる。庭園に美を見いだす地域もあれば、死者が旅立つための棺桶に意匠をこらす町もある。 最近では、エジプトでも涼しげな羽の扇風機が増えているそうだ。変化する「美しい」に注目して私たちのまわりを改めて眺めてみると、この世界はいままで以上に彩り豊かになる。自分の境界を飛び越えて、さまざまな「美しい」を味わう旅にでてみませんか。 - 著者プロフィール - 田中 真知 (タナカ マチ) (著/文) 1960年生まれ。作家、立教大学観光研究所研究員。エジプトに暮らし、中東やアフリカを広く旅して回った経験を元に旅やコミュニケーションなどをテーマとした著作を発表。著書に『ある夜、ピラミッドで』(旅行人)、『孤独な鳥はやさしくうたう』(旅行人)、『旅立つには最高の日』(三省堂)、『風をとおすレッスン』(創元社)など多数。コンゴ河を丸木舟などで下る旅を綴った著書『たまたまザイール、またコンゴ』(偕成社)で第一回斎藤茂太賞特別賞を受賞。あひるとかっぱの人形とともに旅をするあひる商会CEOの顔もある。
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PLAY! PARKのたねあかし | 永岡 綾(編集), 揚石 圭子(編集)
¥1,430
ブルーシープ 2025年 ソフトカバー 56ぺージ B5変形判 縦270mm 横220mm 厚さ5mm 冊子、OPP袋入り、付録はランダム封入 - 内容紹介 - 2020年、東京・立川にできた子どもの遊び場「PLAY! PARK」を紹介する本。 「PLAY! PARK」は、大人が決めたルールから解き放たれて、子どもたちが自由に遊べる新しい場所です。 バルーン・モンスター、くしゃくしゃおばけ、Let’s! PLAY! NUNO! など、PARK 名物「大きなお皿」の中で思い切り遊べる大型遊具は、すべてオリジナルです。遊具は最初、大勢の大人が頭をひねって作り出します。でも、その遊具をさらに楽しくするのは子どもたち。自由な発想でめいっぱい遊ぶ様子を見て工夫が加えられ、遊具は一緒に成長していきます。 そんなユニークな場所「PLAY! PARK」のなりたちやスタッフの思い、遊びのエッセンスを詰めこんだ、自己紹介のような冊子を作りました。2020年6月から2024年7月までに行った200を越えるオリジナルのワークショップ一覧も別紙に収めています。子どもと関わるすべての方に読んで、何かのヒントにしてもらいたい。そんな意図で「たねあかし」をする1冊です。 遊びは本の装丁にも。 表紙の穴から見えるのは、遊びのカケラです。カケラを真っ白な表紙の好きなところに貼って、世界でひとつの『PLAY! PARKのたねあかし』を作ってみてください。遊びのカケラ(ラップ、プチプチ、ペーパー、布か毛糸)はランダムに封入しています。 『変なあそび図鑑』とあわせてどうぞ! 3月に発売する『変なあそび図鑑』は、PLAY! PARKで生まれたユニークな遊びのなかから30をピックアップし、その魅力を小さな本に詰め込みました。「たねあかし」とセットでお楽しみいただきたい1冊です。 - 目次 - はじめに 朗らかな革命的運動体 草刈大介(PLAY! プロデューサー) PLAY! PARK MAP Part1 大きなお皿と大型遊具 子供一皿 手塚貴晴(PLAY! PARK館長) 大型遊具ができるまで1 バルーン・モンスター&くしゃくしゃおばけ 大型遊具ができるまで2 Let’s! PLAY! PUTIPUTI! Part2 PLAY! PARKのワークショップ まじめに非常識なことを! ワークショップができるまで column1 Part3 みんなでつくるPLAY! PARK PLAY! PARK スタッフ日報 PLAY! PARKのここが好き! PLAY! PARKの出張とは、どんなもの? column2 column3
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変なあそび図鑑 | PLAY! PARK(監修), 永岡 綾(編集), 揚石 圭子(編集), makomo(イラスト), 谷端 実(イラスト)
¥2,200
ブルーシープ 2025年 段ボールカバー 154ぺージ A6変形判 縦148mm 横110mm 厚さ18mm - 内容紹介 - あそぶのサイコー、なんじゃこりゃ!? 子どもの自治区、立川・PLAY! PARKで生まれた30の変な遊び集! 2020年、東京・立川にできた「PLAY! PARK」は、大人が決めたルールから解き放たれて、子どもたちが自由に遊べる新しい場所です。「PLAY! PARK」が作り出した30の自由な遊びを、子どもだけでなく大人も楽しむ図鑑ができあがりました。 PARK 名物「大きなお皿」で展開する大型遊具や、別フロアの「PLAY! MUSEUM」と連動したワークショップなど、身近な素材から広がる遊びの発想は、ユーモラスを飛び越えて、ただ「変」。 大仏サウンド、鉛筆花火、ざーざーざら、階段ボール、洗濯山、名前からでは想像つかない変な遊びが、日々生み出されています。厳選した30の変な遊びを、イラストレーターのmakomoさんが不思議な生き物たちを自由に遊ばせ、ヘンテコ図鑑が出来上がりました。変な遊びは子どもだけのものじゃもったいない!大人と子どもが取り合いする新しい本です。 遊びは本のカバーにも。 カバーは柔らかな段ボールで作られているので、へこんでいることもあります。でも、考えてみてください。へこみは、本が印刷され運ばれ、手元に届くまでに関わった人たちのリレーでできたもの。届いたカバーはもうあなたのもの。折ったり塗ったりへこませたり、唯一の『変なあそび図鑑』を楽しんでください。 『PLAY! PARKのたねあかし』とあわせてどうぞ! 変な遊びを生み続ける「PLAY! PARK」って何!? もう1冊の本『PLAY! PARKのたねあかし』は、「PLAY! PARK」のなりたちやスタッフの思い、遊びのエッセンスを詰めこんだポートフォリオです。『変なあそび図鑑』とあわせて、子どもと関わるすべての方に読んで、何かのヒントにしてもらいたい1冊です。 - 目次 - 変なあそび図鑑1-30 スキップして歩こう 草刈大介(PLAY! プロデューサー)
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じぶんでつくる えがない えほん | B・J・ノヴァク, 大友 剛(翻訳)
¥1,430
早川書房 2024年 ソフトカバー 40ぺージ B5変型判 縦245mm 横180mm 厚さ6mm - 内容紹介 - おバカな言葉で多くの子どもを笑わせてきた『えがない えほん』に、オリジナルの言葉を書きこんで遊ぶ本書。言葉や文字への興味を引きだし、想像力を育みます。その年齢だから書ける内容や覚えたての字など、お子さんの"今"を残せる一冊です。4~8歳向け
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[増補]お砂糖とスパイスと爆発的な何か 不真面目な批評家によるフェミニスト批評入門 | 北村 紗衣
¥990
筑摩書房 2025年 ちくま文庫 ソフトカバー 268ページ 文庫判 - 内容紹介 - ミス・マープルの本当のすごさや、文学史に輝く “キモくて金のないおっさん”を描いた名作、そして新時代のディズニーアニメの悪戦苦闘。あの名作が100倍面白くなり、見たい映画とドラマと本と舞台がどんどん増える、フェミニスト批評集がついに文庫化! 書き下ろし「どうもありがとう、パメラ・アンダーソン」を含む、型にはめない、はまらないものの見方を教えてくれる批評6本を増補してお届けします。 装画 小林紗織 カバーデザイン 名久井直子 - 目次 - まえがき 不真面目な批評家によるフェミニスト批評入門 1 自分の欲望を知ろう さよなら、マギー ――内なるマーガレット・サッチャーと戦うために バーレスクってなんだろう? BL視点で読む『嵐が丘』 ――関係性のセクシーさを求めて 檻に入っているのは、犬じゃなくて私 ――ヴァージニア・ウルフ『フラッシュ』 女はなぜ悪い男にばかり引っかかるのか? ――『西の国のプレイボーイ』に見る良い男、悪い男 〈コラム〉初任給とヴァージニア・ウルフ 2 男らしさについて考えてみよう キモくて金のないおっさんの文学論 ――『二十日鼠と人間』と『ワーニャ伯父さん』 アメ車、男たちの絆、この惑星最後の美しき自由な魂 ――『バニシング・ポイント』 対等な女を怖がる男たち ――男の幻想に逆襲する喜劇『負けるが勝ち』 プリンセスは男のロマン! ――映画に出てくるお姫様と男たち ロマンティックな映画としての『ファイト・クラブ』 〈コラム〉発展を続けるバーレスク 3 ヒロインたちと出会おう シェイクスピア劇の魅惑のヒロイン、無限に変化する女王クレオパトラ 世紀末の悪女? 自己実現のため戦うヒロイン? ゲイのアイコン? ――オスカー・ワイルドの『サロメ』 べ、別にあんたのためにツンデレを分析してるわけじゃないんだからね! ――シェイクスピア『十二夜』を考える ディズニーに乗っ取られたシンデレラ ――民話の変貌をたどる 理想宮か、公共彫刻か? ――『アナと雪の女王』 〈コラム〉北米のシェイクスピア祭 4 わたしたちの歴史を知ろう 女の子がムラムラしてはいけないの? イギリス文学における女と性欲 「#女性映画が日本に来るとこうなる」の「女性映画」ってなに? ――変わりゆく女たちの映画 女性映画としてのトランスジェンダー女子映画 ――『タンジェリン』と『ナチュラルウーマン』 読書会に理屈っぽい男は邪魔? 女性の連帯を強める読書会の歴史を探る ミス・マープルは何でも知っている ――変わりゆくアガサ・クリスティの世界 〈コラム〉フェミニストの洋服えらび 5 ユートピアとディストピアについて考えよう 愛の理想世界における、ブス ――夢見るためのバズ・ラーマン論 隠れたるレズビアンと生殖 ――『わたしを離さないで』 父の世界からの解放 ――「フェミニスト的ユートピア」を描いた『バベットの晩餐会』 「女だけの街」を考える 女は自由な社会の邪魔者なの? ――ディストピアSFの性差別 〈コラム〉『ダウントン・アビー』と女性参政権運動 6 型にはめない、はまらない 『人魚姫』は何の話なのか? ――『リトル・マーメイド』の原作に戻る ビ ートルズが歌う「ボーイズ」はなぜ面白いか ――歌手のジェンダーと歌詞のジェンダーステレオタイプ ハリー・ポッターとイギリス文学における同性愛 ――『ハリー・ポッターと死の秘宝』精読 レズビアン死亡症候群、サイコレズビアン ――ステレオタイプなマイノリティ描写はなぜ問題? 発達障害と診断された私 ――ASDとADHDだとわかるまでに出会った本や映画について どうもありがとう、パメラ・アンダーソン 単行本版あとがき 批評家は探偵 文庫版あとがき お砂糖とスパイスの賞味期限 - 著者プロフィール - 北村 紗衣 (キタムラ サエ) (本文) 1983年生まれ。武蔵大学人文学部英語英米文化学科教授。専門はシェイクスピア、舞台芸術史、フェミニスト批評。ウィキペディアンとしても活動する。著書に『シェイクスピア劇を楽しんだ女性たち』(白水社)、『批評の教室』(ちくま新書)、『お嬢さんと嘘と男たちのデス・ロード』(文藝春秋)、『女の子が死にたくなる前に見ておくべきサバイバルのためのガールズ洋画100選』(書肆侃侃房)がある。
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そうさくのたね 子どもと大人の〈工作×アート〉アイデアブック | 金沢21世紀美術館
¥2,420
グラフィック社 2024年 ソフトカバー 192ページ B5変型判 縦210mm 横182mm 厚さ16mm - 内容紹介 - 子どもと大人が一緒に楽しめる造形表現のアイデアブック。 ⾦沢21世紀美術館のキッズスタジオが開館以来取り組んできたプログラムをもとに、子どもと大人が一緒に楽しめる40作品を収録。 より深い理解のための解説付き。 - 目次 - 第1章 体を使って/第2章 イキモノたんじょう/第3章 色と光で遊ぶ/第4章 へーんしんっ!/第5章 カタチをうつす/第6章 新しいすなば/第7章 さぁ、旅に出よう/ふりかえりコラム&トーク/まるびぃコレクション/大人のためのそうさくはみだしメモ - 著者プロフィール - 金沢21世紀美術館 (カナザワニジュウイッセイキビジュツカン) (著/文 | 編集) 石川県金沢市にある現代美術館。2004年開館。 「新しい文化の創造」と「新たなまちの賑わいの創出」を目的とし、様々な企画展を行う展覧会ゾーンのほか、キッズスタジオやシアター21、市民ギャラリーなどを含む交流ゾーンをもつ。
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ケアとアートの教室 | 東京藝術大学 Diversity on the Arts プロジェクト(編集)
¥1,980
SOLD OUT
左右社 2022年 ソフトカバー 248ページ 四六判 - 内容紹介 - 藝大でアート? 東京藝術大学学生と社会人がともに学んだ「アート×福祉」プロジェクトの記録 アートという光を当てると、見えないものが見えてくる 「死にたい人の相談にのる」という芸術活動 認知症を老人の方とつくる演劇で疑似体験 お葬式まで出すホームレス支援 セックスワーカーの法律相談 西成のおばちゃんと立ち上げるファッションブランド トリーチャーの当事者と考える「普通」とは何か 介護、障害、貧困、LGBTQ+、そしてアート。様々な分野で活躍する人々と、東京藝術大学 Diversity on the Arts プロジェクト(通称DOOR)の受講生がともに学び、考える。 そこから見えてきたのは、福祉と芸術が「人間とは何かを問う」という点でつながっているということ。 ケアとアートの境界を行く17項!
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中世イヌのくらし 装飾写本でたどる | キャスリーン・ウォーカー゠ミークル, 堀口容子(翻訳)
¥2,640
美術出版社 2024年 ハードカバー 96ページ 縦197mm 横158mm 厚さ14mm - 内容紹介 - イヌは人類最良の、心の友? 大英図書館の豊かなコレクションでお届けする装飾写本シリーズ、『中世ネコのくらし』に続く第2弾! 人類最良の友にして忠実な仲間、イヌ。気まぐれに自分のしっぽを追いかけて回ることもあれば、血に飢えた獣になることもある生き物。 そんなイヌたちは、美しい中世の装飾写本にも様々な姿で登場します。本書は大英図書館の装飾写本コレクションから、装飾写本に描かれた個性的なイヌの絵を集めました。拡大図を多く掲載し、ページの余白に小さく描かれたイヌであっても、じっくり眺めるとその表情の豊かさに驚かされます。 さらに中世の文献を紐解き、中世のイヌにまつわる逸話をご紹介します。飼い主を守り戦う勇敢な忠犬、貴族にかわいがられ贅沢にくらす愛玩犬、イヌに関する不思議な迷信など……中世の人々な豊かな文化と、イヌのくらしぶりに触れてみませんか? The British Libraryから刊行した、キャスリーン・ウォーカー=ミークル著『DOGS in Medieval Manuscripts』の日本語翻訳版。
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中国手仕事紀行 増補版 | 奥村 忍, 在本 彌生(写真)
¥2,970
青幻舎 2024年 ソフトカバー 328ページ 四六変型判 - 内容紹介 - 少数民族たちの“生きた”民具を求めて、中国の奥地を彷徨い歩いた10年間の記録。 新型コロナパンデミック後の雲南・貴州の旅を新たな章として加筆した増補版。 民藝とは民衆的工芸の意味で、1920年代半ばに柳宗悦が生み出した言葉ですが、無名の職人が作った実用的な工芸品に、美術品に負けないほどの美しさがある、と柳は主張しました。 日本や世界の各地から集めた手しごとを中心とした生活雑貨のお店「みんげい おくむら」は、店主の奥村忍が柳をはじめ、民藝の先達たちの思いを受け継ぎつつ提案する、今の時代、今の生活に合った「みんげい」の品々が人気のウェブショップです。 その奥村が魅せられ、2019年までほぼ毎年旅をしていたのが中国です。その中でも、本書で取り上げる雲南省と貴州省には、もっとも多く足を運んでいます。秘境、絶景と呼ばれるような場所が、そこかしこにある雲南省。かたや最貧の省と呼ばれながらも、独自の文化を今なお残す貴州省。このエリアに惹かれたきっかけは、一枚の布だったといい、「こんなものが作られている場所を訪ねてみたい」という気持ちで飛び込んでみたといいます。 奥村にとって手仕事とは、単に陶芸や織物、編組品のようなものだけではなく、たとえば、棚田も、中国茶も、あるいは郷土料理、建築、そういった文化、暮らしのこと、すべてを含んでいるといい、本書でも雲南・貴州の手工芸品を紹介しつつ、少数民族の暮らしぶりや土地々々の風俗に触れています。 奥村は食通としても知られていますが、中国の田舎の旅では食が何よりの楽しみといい、次から次へと登場する日本では見ることのできない料理の数々も本書の魅力のひとつといえるでしょう。 日本で雲南・貴州両省について調べようとしても情報は限られています。本書は奥村が現地で出合った手仕事の紹介のみならず、旅のルポにもなっており、基本的な英語すらほぼ通じない、グーグルも使えない土地でどう行動すべきか、ガイドブック以上に心強いアドバイスとなるはずです。 また、本書の写真は、世界各国を旅して作品を撮り続けている在本彌生が奥村に同行して撮影したものです。在本の感性によって現地の色彩が鮮やかに切り取られています。 本書の初版が発売されたのは2020年1月末、まさに「謎の疫病」の発生源は中国であるらしいとニュースで流れ始めた時のこと。疫病は瞬く間に国境を越え、世界は閉ざされ、奥村も中国への買い付けに行けなくなってしまいました。 本書は2024年になりようやく本格的に中国買い付けを再開して、4年数ヶ月ぶりに訪れた雲南・貴州の旅の記録を新たな章として加筆した増補版です。新型コロナ以前の中国の様子を伝える資料としても、新型コロナ以後に起こった大きな変化を知ることができる意味でも、貴重な内容になっています。 - 著者プロフィール - 奥村 忍 (オクムラシノブ) (著/文) 1980年千葉県生まれ。慶應義塾大学卒業後、各国を放浪。のち商社、メーカー勤務を経て国内外の手仕事の生活道具を扱うWEBショップ『みんげい おくむら』を2010年にオープン。月の2/3は産地を巡る旅をしながら、手仕事・旅・食に関する執筆も手がける。 在本 彌生 (アリモトヤヨイ) (写真) 東京生まれ。大学卒業後外資系航空会社で乗務員として勤務、乗客の勧めで写真を撮り始める。2003年に初個展「綯い交ぜ」開催、2006年よりフリーランスフォトグラファーとして本格的に活動を開始、雑誌、書籍、展覧会で作品を発表。 衣食住にまつわる文化背景の中にある美を写真に収めるべく世界を奔走して いる。著書に、写真集『MAGICAL TRANSIT DAYS』(アートビートパブリッシャーズ刊)、『わたしの獣たち』(青幻舎刊)、『熊を彫る人』(小学館刊)など。
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絵画をみる、絵画をなおす 保存修復の世界 | 田口かおり, 米村知倫 (イラスト)
¥1,760
偕成社 2024年 ソフトカバー 183ページ 1.9 x 15 x 21 cm - 内容紹介 - 「もう二度と来るもんか!」と思っていたイタリアに留学、絵画修復家に。修復家は、つぎのだれかにバトンをわたすリレー走者のようなもの。きれいになおせばそれでいい? とけて、燃えて、きえてしまうアートをどうする? 悩みはつきません! 絵や彫刻をなおすってどういうこと? 美術作品が生まれたときのすがたをさぐりながら、さまざまな秘密をときあかし、これからのかたちを考える、保存修復の世界。 目次 まえがき 修復家への道 コラム 絶品! リボッリータ 絵画は何でできている? コラム 修復や調査の道具 展覧会の点検編 コラム 作品の下には何がある? 修復する? しない? どちらも正しい コラム チーム制と公開修復 レンブラントの《夜警》 絵画の寿命はどれくらい? 作品はいつ生まれていつ死ぬの? コラム 「なおした場所がわかる修復」って? 保存修復の未来 コラム 作品への暴力、絵画の生態学(エコロジー) あとがき ブックガイド
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Savoir&Faire 土 | エルメス財団
¥2,970
岩波書店 2023年 ハードカバー 406ページ 函入 A5判 縦210mm 横148mm 厚さ31mm - 内容紹介 - 自然素材にまつわる知識や技術の共有を目指すエルメス財団の取り組み、スキル・アカデミー。「木」に続く本書は、フランスで編まれた書籍シリーズ〈Savoir &Faire〉から9本を厳選・翻訳、日本語版オリジナルコンテンツを加え、陶芸、アート、歴史、建築、工業、民俗学などさまざまな切り口から、身近な素材である「土」に迫る。カラー図版多数。 目次 日本語版に寄せて……オリヴィエ・フルニエ 土とやきもの……ユーグ・ジャケ 黒い土と赤い土……赤坂憲雄 Ⅰ 土と生きる 土壌の豊かさと持続可能な農業における粘土の役割……リディア&クロード・ブルギニョン 生の土の建築──その様々な起源から今日まで……ティエリ・ジョフロワ 土と左官から見た日本の建築史……多田君枝 工業用セラミック分野での主な進歩……アンヌ・ルリッシュ ポートフォリオ《日本典型》……柴田敏雄 Ⅱ 土とつくる 技術、欲望、分類、恐怖──土と向き合う現代日本のアート……バート・ウィンザー=タマキ コンテンポラリー・アートにおける土……ジル・A・ティベルギアン ミケル・バルセロ──地形図 アトリエ訪問……ユーグ・ジャケ 土と手を合わせる……カネ利陶料 ポートフォリオ《土と身体》 Ⅲ 土と動く、土は動かす 釉薬……ジャン・ジレル 西洋陶磁略史──そのいくつかの起源から18世紀末まで……クリスティーヌ・ジェルマン=ドナ アドリアン・デュブシェ国立磁器美術館コレクションでたどる磁器の歴史……セリーヌ・ポール 技術と継承──海を越えて産地になるまで……三川内焼 ポートフォリオ《記憶のかけら》……小川待子、高橋マナミ 日本語版あとがき……説田礼子 写真・図版クレジット 著者・訳者略歴
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ラルース百科事典の芸術 フランス老舗出版社の至宝 | ラルース(編集), 神奈川 夏子(翻訳)
¥3,190
グラフィック社 2024年 ハードカバー 176ページ A4変型判 - 商品紹介 - フランスの老舗出版社「ラルース」が19世紀から発行してきた百科事典から、多岐にわたるジャンルの色鮮やかなレトロイラストを集め、一冊にまとめました。 みっちりと敷き詰められた美しい博物画が、現代の解説を添えて紹介されています。 - 目次 - 羽ばたく者たち/陸上に住む仲間たち/深海の生き物たち/畑での仕事/果樹園とブドウ園で/庭のさまざまな顔/都会の喧騒/工房にて/舞台に集まれ!/場の騒乱のなかで/挿絵画家の紹介 - 著者プロフィール - ラルース (ラルース) (編集) ラルース社は19世紀半ばから、各種の事典類を多数出版してきたフランスの超老舗出版社。1852年創業。 特に辞書や百科事典で知られる出版社。現在はアシェット・グループ。 神奈川 夏子 (カナガワ ナツコ) (翻訳) 東京都出身。日仏英翻訳者。上智大学博士前期課程修了。サイモンフレーザー大学日英通訳科修了。 訳書『偉大なる指揮者たち』(ヤマハミュージックエンタテイメントホールディングス)、『モードデザイナーの家』(エクスナレッジ)、『BIG MAGIC「夢中になる」ことから始めよう』、『最新世界紛争地図』(共にディスカヴァー・トゥエンティワン)、『脚・ひれ・翼はなぜ進化したか』(草思社)、『CIMARRON シマロン ブラック・アイデンティティー ―南北アメリカの仮装祭』、『インドの信仰と仮装 分かち合う神々の姿 AAM AASTHA』(共に青幻舎)他。
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自分につながるアート 美しいってなぜ感じるのかな? | 池上 英洋
¥1,320
筑摩書房 2024年 ちくまQブックス ソフトカバー 96ページ 四六変形判 - 内容紹介 - 学校には「美術」の授業があるけれど、他の科目と違ってどう関わったらいいかがわからない。しかし例えば人間は太古から今もなお、絵を創作し、「美しさ」を追求してきた。「美術」とか「美しさ」って何だろう? アートを切り口に人間らしさとは何かを考えてみよう。 === ・・・・・・一冊のノートや一本のペン、一着のシャツを選ぶだけでも、私たちは頭の中にある「これが自分にとって美しい」と思える基準に照らして判断を下します。選択の自由さえあれば、すべての人がこのような行動を取ります。それだけ、人間は「美しいかどうか」を重視する生きものと言えます。そして面白いことに、地球上に住んでいる無数の種類の動物のなかで、そのようなことをする生きものは人間だけなのです。考えてみると、これはとても不思議なことです。 私たちはなぜ「美」にそれだけこだわるのでしょう。そのような美を追い求めるために、人類は長い歴史のあいだ、ずっと絵を描き続けてきました。なぜ人間だけが、そのようなアートを必要とするのでしょう。──ではこれから、皆さんと一緒に人類だけがもつこの不思議な価値観について考えていきましょう。それはひいては、人間ってなんだろう、私たちは他の動物とどこが違うのだろう、といった考察へと繋がっていくはずです。(はじめにより) 目次 第1章 人間とアートは切っても切り離せない?! 第2章 アートはどのように生まれたか? 第3章 アートが“働く”とは? 第4章 アートが面白いってどういうこと? - 著者プロフィール - 池上 英洋 (イケガミ ヒデヒロ) (本文) 1967年、広島県生まれ。東京藝術大学卒業、同大学院修士課程修了。現在、東京造形大学教授。専門はイタリア・ルネサンスを中心とする西洋美術史・文化史。『レオナルド・ダ・ヴィンチ――生涯と芸術のすべて』(筑摩書房)で第4回フォスコ・マライーニ賞を受賞。『西洋美術史入門』(プリマー新書)、『西洋美術史入門〈実践編〉』(プリマー新書)、『パリ 華の都の物語』(ちくま新書)など著書多数。
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北のボーダレスアート | 菊地 雅子
¥3,740
ミツイパブリッシング 2024年 ソフトカバー 240ページ A5判 - 内容紹介 - 推薦・日比野克彦(東京藝術大学学長)「ひとって、イイよねー!ひとって、スゴイよねー!」 アール・ブリュット、アウトサイダーアートとも呼ばれる、あるがままの人間から湧き出す圧巻のアートがいっぱい。障害者アートと歩んで30年の創作アドバイザーが、北海道で活動する45名の作品約130点をセレクト。北海道新聞の連載を元にした作品紹介のほか、対談や創作拠点をもつ施設も掲載。作品と同時に創る人びとの魅力も伝わり、生きる力をくれる作品集。 目次 人と作品 01 遠藤雛 スイーツ好きの夢を実現 02 木村幸 「ひたむきさ」宿す昆虫画 03 水野泰夫 望みを描く魔法の絵 04 鉄地河原勝彦 大胆な線と色 圧倒的な存在感 05 吉田幸敏 深い色合い ユーモラスな生き物 06 菊地政司 「干支」画面いっぱいに 07 成田信之 あふれる思い 家族への愛情 08 のりぴー 極彩色 記憶の強烈な再構成 09 Chieko Yokoyama 「きれいな色」丁寧に塗り重ね 10 K E I TA 大胆な解釈 モチーフにオーラ 11 蛯子陽太 愛着が生み出すインパクト 12 満武和 乗り物大好き。幸福を追求 13 角田川清 人生の豊かな宝箱 14 高丸誠 創作と収集のサンクチュアリ 15 横山篤志 「○○町○○丁目○○薬局」のサトちゃん 16 MR. やっちゃん 驚嘆の記憶力 都市と建物、忠実に 17 岸田修一良 時間上手な多種創作人 18 阿部英樹 こだわりを見つける面白さ 19 粟田隼也 色とりどりのMY人生 20 伊藤考洋 異素材をユニークに 21 明子 重ねる創造の喜び 22 冨原廣子 王と王妃、乙女心の幾千夜 23 田湯加那子 激しく強く刻みこむ 24 三浦明菜 昭和の薫り 大絵巻 25 只野誠 飲食店の献立 マス目に細かく 26 川越智志 街の風景 ほのぼのと 27 松嶋ひろみ 紙に重ねられた言葉 28 宮林聡太 偶然と意図 はざまの美 29 臼井愛 存在位置を確かめる 30 内海雅充 凹凸が生む、独特の世界観 31 石岡美樹 1 匹ずつ異なる熱帯魚 32 佐藤朱美 極彩色うごめく「死と再生」 33 musou 壮大な物語と夢の実現力 34 畠山史織 想像と乙女心 自分だけの宝物 35 朝霧千景 「女の業」妖しくおしゃれに 36 俉樓賢太 野球選手、描きため数千枚 37 越智明美 胎児を連想させる人物表現 38 佐々木和哉 ぬけ感、抜群 センス上等 39 杉田希望 かわいくてシニカル 独自の魅力 40 ネコきよし 精密の陰 わずかな狂気 41 TOMO4 感じていることを可視化する 42 千葉由佳里 組み合わせの美 細部に発見 43 ゆうくん 独自の色 力強い線 44 笹原竜太 行ってみたい場所 優しく緻密に 45 岡﨑莉望 「いくつもの自分」が筆をとる アートはボーダレス〈鼎談&対談〉「最初の水は繋がっている~障がい者アート(アール・ブリュット)がもたらすもの」板垣崇志×菊地雅子×浮ヶ谷幸代(進行)/「アートで対等な関係を探る~私たちの創作支援活動」菊地雅子×堀川真×三橋純予/「目に見えない価値を見つける~障がい者アートのグッズ化と可能性」皆川明×菊地雅子 施設案内「アートが生まれるところ」かたるべの森美術館/studio BREMEN/アート工房 Qila-9/tomoni art/ペングアート 北海道ボーダレスアート拠点マップ People and Artworks 前書きなど 私は北海道の旭川の北東に位置する当麻町に住んでおり、障がい者アートの指導と、注文制のお菓子屋さんをやっています。また、学芸員でありアートディレクターでもあります。 過去30年間、障がいのある方々のアート作品に携わってきました。この間、彼らの作品を取り巻く環境は、大きく変わりましたが「そのままの自分でいいんだよ」という彼らの作品から受け取るメッセージは変わらず、一貫しています。このメッセージは、私の生きる力と活動の原動力となってきました。 私が活動の中で常に心に留めているのは、創作活動をすることによって生まれる多面的な価値をどうやったら伝えられるかです。売れる絵、グッズを作るのにぴったりの絵、描くことで心が安定する絵、欲しいものを描いた絵、図らずもリハビリや療育的な効果をもたらす絵、描き終わらない絵、などなど……そこには、いろんなタイプの表現物とさまざまな価値があります。サポートする側が多面的な価値を持って接することで、売れる絵を描けること以外にも、無数の価値があるということを、創作する人たちと共有することができるのです。 そもそも、私がアートを志したのは、価値があるとかないとかの二項対立の世界から自由になるためでした。自分の持っている価値判断の基準を疑い続けることを、やめてはいけないといつも思っています。 本書を通じて、障がい者アートの多様性と、創作する作者自身の魅力をもっと多くの方に知っていただけたらうれしいです。 - 著者プロフィール - 菊地 雅子 (キクチ マサコ) (著/文 | 編集) 1965 年千葉県生まれ。一般社団法人BASH(ボーダ レスアートサポート北海道)代表。多摩美術大学美術 学部デザイン科染織デザイン専攻卒業。当麻かたる べの森で創作アドバイザー(2002~2020年)、北海道 アールブリュットネットワーク協議会事務局(2015 ~ 2018年)。他に、ともに福祉会、南宗谷ひだまりの会 の創作アドバイザー、森のようちえんぴっぱら(北海 道鷹栖町)のアートナビゲーターを務める。『学芸員が ミュージアムを変える! 公共文化施設の地域力』(水 曜社、2021年)に寄稿。注文制のお菓子屋さん KOO’S GARDEN 主宰。北海道上川郡当麻町在住。
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開講!木彫り熊概論 歴史と文化を旅する | 北海道大学大学院文学院 文化多様性論講座 博物館学研究室(編), 田村 実咲(編), 増子 博子, 是恒 さくら, 今村 信隆, 寺農 織苑, 尾崎 織女, 阿部 麟太郎, 武永 真, 山崎 幸治, 青沼 千鶴
¥2,420
文学通信 2023年 ソフトカバー 368ページ 四六判 - 内容紹介 - あなたの元にやってきた木彫り熊は、どこから来たのか? 木彫り熊概論、開講します! 1970年代には「現在道内で生産される木彫り熊は、年間約250万個、ザット15億円」とも伝えられ、北海道の一大土産品産業になった、木彫り熊。 本書は、北海道木彫り熊が歩んできた歴史を振り返り、土産店、職人・作家、有志の研究会、展覧会を企画した博物館や大学など、木彫り熊に携わる人々の多彩な活動と現場の声から、木彫り熊をあらたに捉え直し、その魅力と私たちとの関係とを明らかにします。 さらに研究としての木彫り熊の裾野を広げるため、絵画的な方法で表現されたクマ・ヒグマの事例より、美術・文化の方面からクマについて考えていきます。また、ミュージアム・コレクションとしての木彫り熊の可能性にも注目します。博物館はどのように私たちの生活にありふれた資料を収集・保存し、展示しているのか。資料としての位置づけや在り方、コレクション形成のプロセスの事例をもとに、木彫り熊のこれからを探ります。 カラーで「木彫り熊基礎知識」を掲載するほか、図版・資料も多数掲載。付録として「木彫り熊関連年表」も完備。 執筆・インタビューは、田村実咲、武永真、山崎幸治、青沼千鶴、増子博子、是恒さくら、今村信隆、寺農織苑、尾崎織女、阿部麟太郎、(有)トミヤ澤田商店、遊木民。 【当時の暮らしや出来事を知る当事者が少なくなるなか、聞き取りと情報共有、技術伝承は喫緊の課題といえます。木彫り熊の歴史が再評価され、新たな価値への注目が高まる今こそ、少しでも多くの現場や当事者の記憶と証言を集め、後世へつないでいくことが、本書の役割であると考えています。】…田村実咲「はじめに」より - 目次 - 口絵 木彫り熊基礎知識 はじめに(田村実咲) 凡例 1 木彫り熊を旅する 木彫り熊とは何だろうか? どこから来て、どんな旅路をたどり、 どこへ向かおうとしているのだろうか? 木彫り熊の足跡をたどって、歴史と文化を旅してみよう。 第1章 木彫り熊をたどる(田村実咲) [本章では、北海道木彫り熊の制作・販売の歴史的経緯を概観する。木彫り熊は北海道の著名な土産品として知られているが、北海道木彫り熊に関する全般的な研究は始まったばかりといえる。 北海道木彫り熊の軌跡を八雲と旭川をはじめとするたくさんの「ふるさと」に注目してたどっていく。] introduction●北海道観光と木彫り熊 1 八雲熊彫の足跡 尾張徳川家による八雲移住/徳川農場の設立と「熊狩の殿様」/スイスから八雲へと持ち込まれたペザントアート/徳川義親による農村美術運動/品評会に「木彫り熊」が出品される/擬人化熊も生まれた農村美術運動の展開/「我が町の特産品」八雲熊彫の確立と発展/第二次世界大戦による徳川農場の閉場/戦後から現在までの八雲熊彫の制作・販売 2 アイヌの木彫り熊の足跡 江戸時代までの木彫土産品制作/明治時代に迫られる生活文化の変容/博覧会のなかのアイヌの土産品/旭川・近文における新たな土産品の模索/熊猟師・松井梅太郎と「豚熊・鰐熊・鼠熊」/アイヌの木彫り熊のはじまりを巡って/昭和初期の北海道観光ブーム/急速な人気の高まりによって生まれた光と影/第二次世界大戦中にも続けられた木彫り熊制作/戦後復興と米兵の土産品として/二度目の北海道観光ブーム/北海道の一大土産品産業へ/移り変わる北海道観光の価値/再び注目される木彫り熊 3 全道へ広がった木彫り熊の制作 繁華街・札幌/道東の一大拠点・阿寒/地域産業として根付いた白老/新たな技術を導入した奈井江/道南の観光拠点・函館/伝統工芸の里・二風谷 epilogue●たくさんの「ふるさと」いくつもの「旅路」 第2章 木彫り熊を訪ねる [本章では、木彫り熊の制作・販売にたずさわってきた商店や職人の元を訪ね、現場の声を集める。 制作・販売が広がっていった各地域で、木彫り熊はどのような歴史をたどってきたのだろうか。そこにはどのような人やモノ、地域のつながりが見出せるだろうか。] 1 木彫り熊を訪ねる前に(田村実咲) 木彫り熊の「サイン」とは/誰が「サイン」を入れたのか?/❶職人の「サイン」/❷土産店の「サイン」/❸購入者の「サイン」/❹その他の「サイン」/「サイン」がないことにも理由はある!/❶「サイン」を入れることができなかった場合/❷「サイン」を意図的に入れなかった場合/「サイン」から人々のつながりをひも解く 2-1 〔木彫り熊を訪ねて〕有限会社トミヤ澤田商店 内地へ赴く兵隊さんのお土産として/本州や九州の土産品も集まる/有名キャラクターブームと熊ボッコ/北海道マークのシール/木札とタグと表情熊/職人の名前を入れる?入れない? 2-2 〔木彫り熊を訪ねて〕遊木民(有限会社拓商) 道東をまわると箔がつく/長野や小田原の木彫り熊たち/ニポポ、レリーフ、木彫り熊/「木彫専門店」として/職人にも生活がある!/「サイン」の上手な店員さん/買った人のサインでもあるペン書き/「職人」なのか「作家」なのか/「サイン」の価値の移り変わり column1●職人の話を聴く~木彫家・荒木繁氏を訪ねて~(田村実咲) 飛び込み営業で売った「熊」/彫刻刀と電子レンジ/親子代々に使われてきた「サイン」/木彫り熊が生まれる場所で 第3章 木彫り熊を伝える [本章では、木彫り熊展示を行った博物館や有志の研究会の取り組みを紹介する。会報「キムンカムイ」は、旭川で発足した「木彫り熊を愛する会(木彫り熊愛好倶楽部)」が刊行したフリーペーパーである。古美術商や土産店の元工場長らが集まり、木彫り熊の収集や商店などへの独自の聞き取りを行っていた(現在は解散)。近年、木彫り熊の魅力を伝える人々の活動が広がっている。例えば、有志の研究会やコレクターの存在は道内に留まらず、活動内容もイベントの企画、オリジナルグッズの制作・販売、書籍の刊行など多岐に渡る。] 1 木彫り熊と展示(田村実咲) 2-1 〔インタビュー〕木彫り熊展示とコミュニティ協働(話し手=武永真) 東北地方のこけしは伝統工芸品、では北海道の木彫り熊は……?/ゼロベースからの資料収集/「白老では土産屋さんの子どもが一番お小遣いが多かった」/「人間と熊の文化史」としての木彫り熊/木彫り熊という「ものづくり」を展示する/飛生芸術祭との協働/「再ブーム」=木彫り熊を北海道の「文化財」へ/博物館 ⇆ 木彫り熊 ⇆ 観光/産業として守り、継承すること/コミュニティとしての木彫り熊研究へ 2-2 〔インタビュー〕木彫り熊と文化人類学的発見(話し手=山崎幸治) 九州で収集された「山崎コレクション」/展示で旅をする木彫り熊たち/北海道の野性を担う土産品/自分も歴史や文化の当事者/「コンタクト・ゾーン」としての木彫り熊/移り変わっていく価値づけ/「芸術=文化システム」にみる木彫り熊/「再ブーム」=「なぜ木彫り熊なのか?」の謎を探る/「語られてこなかった歴史」の案内役/「完璧さ」よりも「自分らしさ」/「知の鉱脈」としての木彫り熊研究/付録 山崎コレクションが展示された展覧会一覧 column2●八雲のクマまつりレポート(話し手=青沼千鶴) 八雲のヘリテージ・木彫り熊/目標はシステムをつくること/現場の声を後世につなぐ 第4章 木彫り熊を探す [木彫り熊に関心をよせる人々の活動によって、木彫り熊の足跡は道外や海外からも見つかり始めている。本章では、北海道という地を飛び出し、木彫り熊の足跡を追いかける二人のエッセイを収録する。木彫り熊によって接続される土地、人に注目したい。] 1 道外・海外の木彫り熊の足跡を求めて 田村実咲 2-1 〔エッセイ〕月の輪を持つ木彫り熊/松本生まれの木彫り熊(増子博子) 月の輪を持つ木彫り熊/松本生まれの木彫り熊 2-2 〔エッセイ〕日本からブラジルへ、木彫り熊の足跡を辿る日々(是恒さくら) 2 木彫り熊を学問する 木彫り熊から何を知り、何を学ぶことができるだろうか。 これからの木彫り熊研究の可能性を探ってみよう。 今こそ、木彫り熊学を始めよう! 第5章 木彫り熊と研究領域 [本章では、木彫り熊に重要な関わりを持つ学問領域から、木彫り熊研究の裾野を広げることを試みる。芸術学の側面から、絵画のモチーフやイメージのなかのクマに着目して、「クマを表象する」ことの事例を見てみよう。芸術品としての木彫り熊の価値やクマというモチーフに注目することは、鑑賞を楽しんだり研究を進めるための足がかりになるはずだ。] 1 描かれた、もしくは描かれなかったクマ・ヒグマ―絵画の森に動物たちを追って(今村信隆) はじめに/1 北海道のイメージとヒグマ/2 なかなか描かれないクマ?/3 江戸時代のクマ表現/4 蝦夷地の動物/5 近代の油彩画・洋画と動物/6 近年の日本画と北海道の動物/おわりに 第6章 ミュージアムとコレクション 博物館資料としての可能性を考える [本章では、近現代の生活資料が博物館資料となる過程を見つめる論考を掲載する。博物館はどのように私たちの生活にありふれた資料を収集・保存し、展示しているのだろうか。展示制作や鑑賞を通して、私たちはどんな学びを得ることができるだろうか。博物館資料としての木彫り熊の可能性について考えてみよう。] 1 モノがミュージアムのコレクションになるまで(寺農織苑) 1 収集と所有との違い/2 モノがミュージアムのコレクションになるまで/①資料の収集・拡充/②資料の保管・保存・維持/③展示/④教育/⑤調査研究/3 木彫り熊はどのようなミュージアムのコレクションになり得るのか/4 コレクションのこれから/5 ミュージアムとビデオゲーム機 2 日本玩具博物館のコレクション形成への歩み――世界の玩具文化を求めて(尾崎織女) はじめに/ひとりの熱意から博物館が誕生した/日本玩具博物館が提示する玩具の世界/世界の玩具の収集活動/⒈まずは現地へ出かける/⒉各地の民芸品を輸入する専門業者の協力を得る/⒊海外の玩具博物館、収集家との交換収集/⒋生涯をかけたコレクションの寄贈を受ける/⒌来館者が収集者になる/来館者とともにコレクション展示を育てる/玩具文化へのまなざし column3●研究成果が展示になるまで(阿部麟太郎) 多様な解釈ができる「展示」/「見方」を伝えるために/物と場所の制限と工夫/黒板風のタイトル、実は……/専門の外を見つめて 「開講、木彫り熊概論!」 展示記録 おわりに(田村実咲) 付録●木彫り熊関連年表(田村実咲) - 著者プロフィール - 北海道大学大学院文学院 文化多様性論講座 博物館学研究室 (ホッカイドウダイガクダイガクインブンガクイン ブンカタヨウセイロンコウザ ハクブツカンガクケンキュウシツ) (編) この研究室は、2019年に北大大学院文学院に誕生しました。博物館には伝統的で固有な機能があります。一方で、それと同じぐらい大切な機能が、利用者とコミュニケーションを図って、コミュニティの参加とともにさまざまな博物館体験を提供することです。博物館のそんな側面に関心のある学生たちが多く学んでいます。 http://museology.starfree.jp/ 田村 実咲 (タムラ ミサキ) (編) 1995年、北海道札幌市生まれ。北海道大学大学院文学研究科修士課程修了。2022年、札幌市アイヌ文化交流センター(サッポロピㇼカコタン)活動促進員。2023年より国立アイヌ民族博物館にて、アソシエイトフェローとして勤務している。木彫り熊の「サイン」に注目し、木彫り熊の制作と販売の歴史についての研究を進めている。 増子 博子 (マスコ ヒロコ) (著) 絵描き。土地を移動する中で偶然出合い、惹かれるものをテーマに美術を通した制作を行う。近年参加した展覧会は「こっぱ人形ってなあに? 徳武忠造がつなぐ農民美術のいま」(朝日美術館、二〇二四年)、「COLLECTION +vol.1 まなざしのあいのり 土地の声を聞く、探る、写す」(石神の丘美術館、二〇二四年)、「IMAをうつす7人」(岩手県立美術館、二〇二三年)、「地つづきの輪郭」(セゾン現代美術館、二〇二二年)、「日常をととのえる展」(はじまりの美術館、二〇二二年)など。主な著書に『ツキノワ木彫り熊ノート』、『松本生まれの木彫り熊』がある。 是恒 さくら (コレツネ サクラ) (著) アーティスト。国内外各地で人と鯨の関わりを尋ね、リトルプレス (小冊子)や刺繍、造形作品として発表している。リトルプレス『ありふれたくじら』主宰。近年の主な展示に「開館20周年展 ナラティブの修復」(せんだいメディアテーク、二〇二一年)、「NITTAN ART FILE4:土地の記憶~結晶化する表象」(苫小牧市美術博物館、二〇二二年)、「VOCA展 2022」(上野の森美術館)、「currents / undercurrents|いま、めくるめく流れは出会って」(国際芸術センター青森、二〇二四年)など。二〇二二~二〇二三年、令和四年度文化庁新進芸術家海外研修制度・研修員としてノルウェーに滞在。 Web: www.sakurakoretsune.com 【twitter】@sakurakoretsune 【instagram】 @sakurakoretsune 今村 信隆 (イマムラ ノブタカ) (著) 北海道大学文学研究院准教授。博士(文学)。専門は美学・芸術学。札幌芸術の森美術館学芸員、京都造形芸術大学(現・京都芸術大学)准教授、甲南女子大学准教授等を経て、二〇二一年より現職。単著に、『一七世紀フランスの絵画理論と絵画談義』(北海道大学出版会、二〇二一年)、編著に今村信隆・佐々木亨編『学芸員がミュージアムを変える! 公共文化施設の地域力』(水曜社、二〇二一年)、佐々木亨・今村信隆編『改訂新版 博物館経営論』(放送大学、二〇二三年)などがある。小学生の頃、鹿児島に住んでいた祖母が北海道旅行に来た際に、支笏湖畔で木彫り熊を買ってもらった。今も研究室に飾っている。 寺農 織苑 (テラノ シオン) (著) 北海道大学大学院文学院 博物館学研究室 博士後期課程。修士(文学)。日本評価学会認定評価士。専門は博物館学・評価学。城陽市歴民俗資料館学芸員等を経て、二〇二一年より現在に至る。主要論文に「展示観覧前後における来館者の「ビデオゲーム・アーカイブ」に対する意識・態度変容への動機づけ―ビデオゲームにまつわる書籍を題材にした展示会の事例から―」(『人形玩具研究―かたち・あそび―』vol.34、二〇二四年)、“Do Japanese Museums Hold Video Game Consoles in Their Collections?―Based on the Results of a Survey of 1,751 Museums―”(『博物館学雑誌』第49巻第1号、二〇二三年)などがある。 尾崎 織女 (オサキ アヤメ) (著) 日本玩具博物館学芸員。一九九〇年より三〇余年にわたり、世界の玩具の調査や収集を担当。「世界のクリスマス展」や「雛人形展」をはじめ、館内外での展覧会と講座企画に従事する。専門分野は上巳や端午、七夕など節句にまつわる人形玩具文化。著書に『中国民衆玩具―日本玩具博物館コレクション』(大福書林、二〇二二年)、『世界の民芸玩具―日本玩具博物館コレクション』(大福書林、二〇二〇年)、『日本と世界おもしろ玩具図鑑』(共著、神戸新聞総合出版センター、二〇一七年)、『ままごと』(文溪堂、二〇一四)などがある。 阿部 麟太郎 (アベ リンタロウ) (著) 北海道大学文学院 博物館学研究室 博士後期課程。エコミュージアム研究(エコミュージアム思想史・エコミュージアム在野論)。主な論文に、阿部麟太郎・寺農織苑・石本万象(共同執筆・阿部が筆頭著者)「我が国の博物館学におけるケーススタディの傾向 ~主要3学会誌を対象とした分析を通じて~」(『日本ミュージアム・マネージメント学会研究紀要』No.28、二〇二四年)、 「アンケート調査による日本エコミュージアムの現状把握」(『エコミュージアム研究』No.28、二〇二三)がある。 武永 真 (タケナガ シン) (著) 一九六三年、北海道釧路市生まれ。仙台藩白老元陣屋資料館長。一九八七年に厚岸町教育委員会学芸員となり、一九九三年より現館に勤務。二〇二五年には『白老町史〔平成史〕』の刊行を予定している。 山崎 幸治 (ヤマサキ コウジ) (著) 一九七五年、福岡県北九州市生まれ。北海道大学アイヌ・先住民研究センター教授。専門は、文化人類学、博物館学。博物館資料の現代的意義とその活用に関心を持ち、アイヌ物質文化および博物館に関する研究をおこなう。先住民族の展示、アイヌ工芸の振興、海外アイヌ・コレクションについても研究をおこなう。著書に『もっと知りたいアイヌの美術』(二〇二二年、東京美術)などがある。 青沼 千鶴 (アオヌマ チヅル) (著) 八雲町で司法書士・行政書士として働き、「クマまつり」を企画・運営する。司法書士・行政書士事務所の隣に「木彫り熊と本の店 kodamado」を開く。https://kodamado.com/
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常設展へ行こう! | 奥野 武範
¥2,750
左右社 2023年 ソフトカバー 352ページ 四六判 - 内容紹介 - 学芸員さんに常設展への「愛」を聞いてみたら... 初心者でも100倍楽しめるようになる 所蔵作品&コレクションの哲学が詰まってた! ◎装画&スペシャルゲスト/和田ラヂヲ(ギャグ漫画家) ◎寄稿エッセイ/和田彩花(アイドル) 珠玉の20世紀美術を堪能できる富山県美術館。 シャガールの巨大な舞台背景画に圧倒される青森県立美術館。 世界で唯一、モネから直接購入した《睡蓮》が見られる国立西洋美術館。etc. 全国12の美術館・博物館に常設展についてインタビューした 「ほぼ日」人気連載が、パワーアップして一冊の本になりました。 - 目次 - はじめに 奥野武範 ◎学芸員さんへのインタビュー 1. 東京国立博物館 2. 東京都現代美術館 3. 横浜美術館 4. アーティゾン美術館 5. 東京国立近代美術館 6. 群馬県立館林美術館 7. 大原美術館 8. DIC川村記念美術館 9. 青森県立美術館 10. 富山県美術館 11. ポーラ美術館 12. 国立西洋美術館 ◎コラム 謎めく東博の等伯。─松嶋雅人先生に聞く、国宝《松林図屏風》のこと 鳥獣戯画の不思議。─土屋貴裕先生に聞く、国宝《鳥獣戯画》のこと ◎エッセイ 和田彩花のパリ常設展探訪記 前書きなど 美術館の特別展や企画展には多くの人が集まります。 一方、同じ美術館の常設展には……あんまり人がいません。 多くの場合、特別展チケットの半券で入れるのに。 有名な人気作家の作品がかけられているのに、です。 かくいう私も、わざわざ常設展を見に行くようなことは滅多にありませんでした。 それはじつに「もったいないことだった」と、いまでは思います。 各館の常設展で見る所蔵作品にこそ、創設者の思いや設立の経緯、収集の哲学が見てとれる。 何より、作品ひとつひとつに対する「誇り」や「愛」がにじみ出ています。 学芸員さんの口ぶりから、わかるんです。 みなさん、とっても「じまんげ」だから。 そして、学芸員さんの「じまん話」ほど、気持ちよく聞ける「じまん話」はないと感じます。 「はじめに」より - 著者プロフィール - 奥野武範 (オクノタケノリ) (著/文) 1976年、群馬県生まれ。編集者。早稲田大学政治経済学部卒業。株式会社宝島社にて雑誌編集者として勤務後、2005年に東京糸井重里事務所(当時。現在の株式会社ほぼ日)に入社。2023年で創刊25年、毎日更新を続けるウェブサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」の編集部に所属。主にインタビュー記事をつくっている。ときどきポップデュオ「レ・ロマネスク」のライブ・コンサートでギター係をつとめることがある。 企画・構成・文を担当した書籍に『インタビューというより、おしゃべり』(星海社)、『世界を見に行く』(石川直樹・著/リトルモア)、『レ・ロマネスクTOBIのひどい目。』(レ・ロマネスクTOBI・著/青幻舎)』がある。他に、はたらく人たちの悩みに33名の著名人が答えた『33の悩みと答えの深い森。』(青幻舎)、14人の編集者にインタビューした『編集とは何か。』(星海社新書)、甲本ヒロトや山口一郎など5つのバンドのフロントマンにインタビューした『バンド論』(青幻舎)、画家・笹尾光彦の「謎」に迫った『赤の謎』(リトルギフトブックス)など。
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紋の辞典 | 波戸場承龍, 波戸場耀次
¥1,650
雷鳥社 2020年 ハードカバー 360ページ 15.2 x 10.2 x 2.6 cm - 内容紹介 - 雷鳥社の辞典シリーズ9作目は、家紋の辞典! ページをめくるたびに密度を増す、「紋曼荼羅®」掲載! 江戸時代に多くの種類が生み出され、日本人が慣れ親しんできた家紋。その図柄はすべて、職人によって正円と直線のみで描かれる。モチーフの本質だけをとらえた、日本独自のシンプルで美しいデザインの仕組みに迫る。 目次 はじめに 本書の見方 基本の紋+見立て紋 現代の紋 コラム おわりに 索引 紋の仕組み ・基本紋の対抗ページに作図過程がわかる「紋曼荼羅®」掲載 ・「現代の紋」には、日本橋の商業施設COREDO室町に掛かる大暖簾の紋掲載 ・巻末には、仕組みを表す構成名別に、家紋を逆引きできる裏辞典あり - 著者プロフィール - 波戸場承龍 (ハトバショウリュウ) (著/文) 京源三代目 紋章上繪師 着物に家紋を手で描き入れる紋章上繪師としての技術を継承し活躍する一方、家紋の魅力を新しい形で表現したいという想いで、2007年より家紋のアート作品を制作。紋章上繪師ならではの「紋曼荼羅® MON-MANDALA」というオリジナル技法を生み出す。家紋やロゴデザインの域を超えて、森羅万象を描き出す職人兼デザイナーとして、あらゆる分野のデザインに挑戦し続けている。NHK Eテレ デザインあ「もん」出演/もん制作他 波戸場耀次 (ハトバヨウジ) (著/文) 紋章上繪師 工房「誂処 京源」の立ち上げを機に、Adobe Illustrator/Photoshop/Premiere Proを使って、家紋とデジタル技術を掛け合わせた多種多様なビジネスモデルを構築。デザインの宝庫である家紋が常に身近にある環境で育ち、8歳から始めた書道で培われたバランス感覚で、シンプルでミニマムなデザインを行う。父 承龍とともに、家紋を知らない世代や海外の方々へ、家紋の魅力を伝えるワークショップや講演などを積極的に行っている。
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シュルレアリスム ポップアップ | ジェラール ロ モナコ
¥3,960
求龍堂 2024年 21ページ A5変型判 - 内容紹介 - 著名なイラストレーターでありポップアップブック(飛び出す絵本)のスペシャリストであるジェラール・ロ・モナコは、詩人アンドレ・ブルトンのシュールレアリスム宣言から100年を記念し、シュールレアリスムを象徴する作品を仕掛けページに盛り込んだ、非常に詩的なポップアップブックを考案。フランス・パリのポンピドゥセンターから出版され、本書はその翻訳版として日本初登場。 この飛び出す絵本は、表紙に描かれたシュルレアリスムの主要な作品のギャラリーの扉を開け、私たちを招待する。頁を開く度に、サルバドール・ダリ、ヴィクトル・ブローネル、ジャン・アルプ、マン・レイ、ジョセフ・コーネル、ドラ・マール、ルネ・マグリット、アンドレ・ブルトンなど・・・シュルレアリスムのスター作品が動き出す。 選ばれた絵画、彫刻、オブジェは、シュールレアリストの創作の多様性を示し、読者を彼らの幻想的な世界へ誘う。オブジェとしても楽しめて、好きなところを開いてインテリアにも。フランス的センスに溢れた、大人の知的好奇心をくすぐるアート仕掛け絵本。美術館の出版物らしく、巻末には実際の作品画像とともに、作品情報としっかりとした解説を掲載。
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学芸員しか知らない 美術館が楽しくなる話 | ちいさな美術館の学芸員
¥1,760
SOLD OUT
産業編集センター 2024年 ソフトカバー 216ページ 四六判 - 内容紹介 - 知れば美術館が10倍面白い! 展覧会はどうやって作っているの? 学芸員って何をしているの? アートは役に立たない? おすすめの鑑賞方法は? 現役学芸員が語る、美術館の舞台裏と美術鑑賞の楽しみ方。 noteの人気連載、待望の書籍化!著者おすすめの美術館も掲載。 目次 第1章 一つの展覧会ができるまで 第2章 学芸員という仕事の舞台裏 第3章 美術館をもっと楽しむためのヒント 第4章 美術館をささえる仲間たち - 著者プロフィール - ちいさな美術館の学芸員 (チイサナビジュツカンノガクゲイイン) (著/文) 東京都生まれ。都内のとある美術館で働く学芸員。ときおり大学非常勤講師。2022年からnoteにて美術館や学芸員に関する仕事コラムをスタート。すでに投稿した記事は200本以上。現在もコツコツと更新継続中。 https://note.com/gakugeiin
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読書と暴動 プッシー・ライオットのアクティビズム入門 | ナージャ・トロコンニコワ, 野中モモ(翻訳), 清水知子(解説)
¥2,860
ソウ・スウィート・パブリッシング 2024年 ソフトカバー 304ページ 四六変形判 縦188mm 横118mm 厚さ18mm - 内容紹介 - 「どうしてプーチンのロシアは、私を刑務所送りにしたのだろう? 私は当時、無一文の22歳で、 3歳の女の子の若い母親だった。家父長制の世界に生きる女性アーティストで、ディオゲネスと行動の哲学とクィアのアイデンティティについての卒論を書いている学生だった――」(本書より) カラフルな目出し帽。挑発的なライブパフォーマンス。FIFAワールドカップ決勝戦への乱入。結成時から現在に至るまで、常に世間の耳目を集めるロシアのフェミニスト・パンク集団、プッシー・ライオットとはいかなるグループなのか? なぜ結成されたのか? その真の目的とは? 創設メンバーのナージャ・トロコンニコワがその全貌を明らかにする。 本書『読書と暴動』は、プッシー・ライオットの設立経緯から、かれらがロシア国内でおこなった数々のアクション、さらにはロシア当局に逮捕されたのちの苛烈極まる獄中生活までを綴ったトロコンニコワの手記である。また同時に、著者がそうした体験のなかから得た“実践的な知”を紹介する「生き方の指南書(サバイバル・ガイド)」でもある。 ロシアでフェミニストでクィアであることの意味とは? アクティビズムは社会でどんな役割を果たすのか? アートとアクティビズムはいかに交差するのか? ハーバード大学やケンブリッジ大学で講演をおこなうアクティビストで、アイ・ウェイウェイやジェニー・ホルツァー、ジュディ・シカゴらの系譜に連なるアーティストのトロコンニコワが、カントからニーナ・シモン、あるいはウィトゲンシュタインからパンク・ソングの歌詞まで縦横無尽に引用しながら、そうした疑問の数々にユーモアたっぷりに答えていく。 「プーチンが最も憎んだバンドPussy Riotの創設メンバーによる、回顧録と行動指針の騒々しい融合」 ――Kirkus Reviews 【あとがき】キム・ゴードン(ミュージシャン)、オリヴィア・ワイルド(『ブックスマート』監督、俳優) 【解説】清水知子(東京藝術大学教授) 【装幀】山中アツシ 【本書に登場する思想家・芸術家・アクティビスト】 ペーター・スローターダイク/パゾリーニ/フーコー/ヴィヨン/マヤコフスキー/ディオゲネス/マイケル・スタイプ/プルードン/カント/チョムスキー/D.A.プリゴフ/トリスタン・ツァラ/ヒューゴ・バル/アイ・ウェイウェイ/ナオミ・クライン/ティモシー・スナイダー/マーティン・ルーサー・キング・ジュニア/アレクサンドラ・コロンタイ/オレグ・クリーク/カジミール・マレーヴィチ/マクルーゼ/マルクス/ディアギレフ/ドゥボール/ゴダール/ブレヒト/バルト/ヴォルフガング・シュトレーク/スティグリッツ/ソウル・アリンスキー/エーリッヒ・フロム/ソルジェニーツィン/ジョージ・オーウェル/ハワード・ジン/ドストエフスキー/アンジェラ・デイヴィス/クロポトキン/エマ・ゴールドマン/ソルジェニーツィン/ユーリ・ガランスコフ/ジェイムズ・H・コーン/リチャード・ローティ/イヴァン・イリイチ/ティモシー・スナイダー/ベティ・フリーダン/フランツ・ファノン/ボーヴォワール/ジュディス・バトラー/ベル・フックス/ニーナ・シモン/ル・グウィン/ウィトゲンシュタイン、etc. - 目次 - 文化労働者としてのアーティスト――日本版のためのまえがき イントロダクション ルール1:海賊になれ ルール2:ドゥ・イット・ユアセルフ ルール3:喜びを取り戻せ ルール4:政府をびびらせろ ルール5:アート罪を犯せ ルール6:権力の濫用を見逃すな ルール7:簡単に諦めるな。抵抗せよ。団結せよ。 ルール8:刑務所からの脱出 ルール9:オルタナティヴを創造せよ ルール10:ビー・ア・(ウー)マン 最終声明:希望は絶望から生まれる この本に寄せて キム・ゴードン この本に寄せて オリヴィア・ワイルド 解説 清水知子(東京藝術大学教授) あるプッシー・ライオットの推薦図書リスト - 著者プロフィール - ナージャ・トロコンニコワ (ナージャ トロコンニコワ) (著/文) アーティスト、アクティビスト。国際的フェミニスト・プロテスト・アート集団プッシー・ライオットの創立メンバー。2012 年、モスクワの救世主ハリストス大聖堂でプーチン大統領とロシア正教会を批判するゲリラ・パフォーマンスを敢行。有罪判決を受け2年にわたって収監された。釈放後は囚人の権利のための非政府組織ゾーナ・プラヴァと独立系通信社メディアゾーナを設立。2022 年にはNFTアート収集集団ユニコーンDAO を立ち上げ、ウクライナのために700 万ドル以上を集めた。レノン・オノ平和賞およびハンナ・アーレント政治思想賞を受賞。現在では数百人の人々が自らをプッシー・ライオット・コミュニティの一員であると認識している。プッシー・ライオットは、ジェンダーの流動性、包摂性、母権制、愛、笑い、分散化、アナーキー、反権威主義を支持する。ロシア連邦シベリア連邦管区ノリリスク生まれ。 野中モモ (ノナカ モモ) (翻訳) 東京生まれ。翻訳者、ライター。訳書に『音楽のはたらき』(デヴィッド・バーン、イースト・プレス)、『GIRL IN A BAND キム・ゴードン自伝』(キム・ゴードン、DU BOOKS)、『女パンクの逆襲―フェミニスト音楽史』(ヴィヴィエン・ゴールドマン、Pヴァイン)、『世界を変えた50人の女性科学者たち』(レイチェル・イグノトフスキー、創元社)などがある。著書に『野中モモの「ZINE」 小さなわたしのメディアを作る』(晶文社)『デヴィッド・ボウイ 変幻するカルト・スター』(ちくま新書)など。
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正岡子規スケッチ帖 | 正岡 子規, 復本 一郎(著/文)
¥924
岩波書店 2024年 岩波文庫 ソフトカバー 204ページ 縦148mm 横105mm 厚さ11mm - 内容紹介 - 「写生は多くモルヒネを飲みて後やる者と思へ」。子規の絵は味わいある描きぶりの奥に気魄が宿る。子規にとって絵を描くことは病床の慰めや楽しみ以上の、生きるよすがであった。最晩年の三か月に描き、『果物帖』『草花帖』『玩具帖』と題してまとめられた画帖をオールカラーで収録。漱石、鼠骨ら、子規の絵をめぐる文章を併載する。 目次 第一部 子規のスケッチ帖 『菓物帖』 『草花帖』 『玩具帖』 第二部 子規の絵画観 「明治二十九年の俳句界」より 画 『病牀六尺』より 明治三十五年八月六日条 八月九日条 八月二十三日条 八月二十四日条 第三部 子規の絵をめぐって 寒川鼠骨「子規居士の絵――「菓物帖と草花帖」」 寒川鼠骨「解説と回顧」 下村為山「子規氏の絵」 夏目漱石「子規の画」 解題 『玩具帖』について(平岡瑛二) 編者解説(復本一郎)