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アートの力 美的実在論|マルクス・ガブリエル, 大池惣太郎(翻訳), 柿並良佑(翻訳)
¥2,420
SOLD OUT
堀之内出版 2023年 ソフトカバー 248ページ 四六変型判 縦188mm 横120mm 厚さ14mm - 内容紹介 - 美術の見方が変わる! 天才哲学者、マルクス・ガブリエルによる初の芸術論。アートとは一体何なのか?その根源に迫ることで、すべての作品に通じる鑑賞態度を拓く。 「私たちがアート作品を生み出すのではない。アート作品こそが、自分を存在させはじめるために、私たちを参加者として創造するのだ。」 ◉知識、背景を教える本ではありません! 特定のジャンルや作品ではなく、アート全般に通用する鑑賞態度や思考を掘り下げる本です。知識や経験が豊富でなくても、アートの世界に分け入ることができます。 ◉あらゆる作品に通じる鑑賞態度を学べます! この本がテーマにしているのは、アートとはそもそも何なのか、そして、作品に向き合う私たちの態度です。ジャンルを越え、あらゆる作品に通じる鑑賞態度が開かれます。 ◉身近な例が多数登場します! モネの絵画や、便器を用いた《泉》などの有名な作品はもちろん、スター・ウォーズのシリーズや、日々目にする太陽の光など、身近な例から美術についてじっくりと解説しています。 ◉そのほか本書で取り扱うトピック ・デザインとアートの違いは? ・アートの価値は何で決まるのか? ・なぜ、アートは人類の起源だといえるのか? ・現代アートはなぜ人を困惑させるのか? 『なぜ世界は存在しないのか』(講談社選書メチエ)等のベストセラーで知られる哲学者が、さまざまな疑問に答えつつ、美術の持つ力の根源に迫る。 目次 序文 ベルナール・ジェニエス アートの力 アートの価値 美学と知覚 パフォーマンスとしての解釈 自律性、ラディカルな自律性、オリジナリティ アートと(権)力 補論 懐疑のアート、アートの懐疑 訳者解説 大池 惣太郎 - 著者プロフィール - マルクス・ガブリエル (マルクスガブリエル) (著/文) 1980年生まれ。哲学者。29歳で、史上最年少のボン大学哲学科教授に就任。 「意味の場」をキーワードに自身の新しい実在論を展開するほか、シェリングやヴィトゲンシュタイン、ハイデガー等、ドイツ哲学を中心に著作を執筆し、世界的な注目を浴びている。本書のほか、『神話・狂気・哄笑』(堀之内出版、2015年)や、『なぜ世界は存在しないのか』(講談社、2018年)等の訳書多数。
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遠く、近く 掛井五郎のこと|佐伯 誠
¥2,420
リトルギフトブックス 2023年 ハードカバー 80ページ 袋とじ B6判 縦180mm 横128mm 厚さ13mm - 内容紹介 - 静岡に生まれ、日本各地にパブリックアートをのこした彫刻家、掛井五郎。銀座の画廊主は「ピカソが嫉妬するだろう」と言い、染色家・柚木沙弥郎さんは「掛井さんはぼくの先生です」と慕います。 初期のブロンズは重厚で力動にあふれたものでしたが、それに満足することなく、フォルムは歪んだり膨らんだり縮んだりして奔放な変容をつづけました。2021年秋、91歳で他界するまで創造力はとどまるところを知らず、小淵沢の収蔵庫には彫刻、ドローイング、ガラス、版画、オブジェなど、ジャンルを超えて2万点を超える厖大な作品がのこされています。 「会っているとき、もうこんな人には会えないんだぞ、そんな胸苦しさを覚えたことがあるだろうか? いきなり現れたのが掛井五郎だった。内に火焔獣を抱えた人で、そばにいるとたえず熱気がたちこめているのを感じた。それが動きを止めたとはとうてい信じられない。すべてがかき消されないうちに、覚えていることの欠片をひろいあつめておこうと思った」(佐伯誠/文筆家)。 あまりに変貌がめまぐるしいために、これまで論じられることの少なかった彫刻家の、知られざるチャーミングな素顔、謹厳さににじむユーモア、逸話のかずかず。版画10点の挿画とともにお届けします。 - 目次 - 移動祝祭日 なんてロマンティック 垂直人間 彫刻の小舎 夏の花 ニンゲンの面影 彫刻家のパレット 雷鳥の森のこと 帰郷 ミツバチのように バンザイ・ヒルのこと 彼の孤独 ノアの方舟 陽気さが溢れて止まらなくなった 工作人 おいしいのか不味いのか 長い長い旅 紙の彫刻 感情教育 異星からの隕石のように 「五郎さんと出会って」掛井芙美 - 前書きなど - 会っているとき、もうこんな人には会えないんだぞ、そんな胸苦しさをおぼえたことがあるだろうか? ずっと彫刻家というものにあこがれがあった。物質と精神とのあいだに渡された綱を渡る人。その渾身の力業こそは、創造の王にふさわしいと思ったから。いきなり、あらわれたのが彫刻家の掛井五郎だった。内に火焔獣をかかえた人で、そばにいるとたえず熱が立ち込めているのを感じた。 最後の最後まで、手を動かしつづけて止めようとしない創造力の塊だった。それが動きを止めたとは、とうてい信じられない。すべてがかき消されないうちに、おぼえていることを欠片をひろいあつめておこうと思った。 人の苦難にみちた人生を、軽々しく語ったり要約してはいけないことは知っている。できたとしても、ひっかき傷くらいのことしか書けないにきまってる。それでもこうして書いたのは、生前には叶わなかった対話をぞんぶんにしたかったからだ。闇のむこうに、鉛筆を走らせたり、粘土をこねたり、あたらしいカタチをこしらえているあなたの丸まった背中が見える。 - 版元から一言 - 2021年秋に掛井五郎さんが他界してから、いくつもの雑誌で特集が組まれ、追悼展が開かれ、彼がいかに多くの人に慕われてきたかを実感しました。昨年、日本屈指のギャラリストであるタカ・イシイの目に留まり、専属契約を結んで、海外への展開も始まっています。パリ、香港に続き、2023年6月にはスイスへ。世界最大希望のアートフェア、アート・バーゼルへ出展予定で、作品カタログの準備も進められています。掛井がのこした2万点もの作品に、翼が生えて、まさに飛び立とうとしています。 本書は、掛井さんがもっとも信頼を寄せていた文筆家、佐伯誠さんによる散文集です。佐伯さんといえば、パリの孤高のアーティスト、ローベル・クートラスを世に知らしめた人物です。 掛井五郎の彫刻作品についてだけではなく、これまでほとんど論じられることのなかった頑固な一面やチャーミングな素顔、夫婦の絆などがしたためられ、心が温かくなる一冊に仕上がりました。 並製ながら袋とじ、カバーなし帯つき、など、紙や製本にもこだわりました。手ざわりがよく、紙の本としての存在感があるのも特徴です。 - 著者プロフィール - 佐伯 誠 (サエキ マコト) (文) 文筆家。心がけているのは、go solo! 自分の足で歩いて、自分の目で見ること。原石を探すこと。第一発見者になること。不世出の天才、KAKEI GOROに遭遇してずっと、こんなにすごい作家がいるぞ! と叫びたかった。どうして論じられないのか、いつも不満と怒りを抱いてきたが、ようやく、KAKEI GOROの世紀が始まろうとしている。ささやかなオマージュの花束を捧げることができて、こんなにしあわせなことはない。
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絵画の政治学|リンダ・ノックリン, 坂上 桂子(翻訳)
¥1,650
筑摩書房 2021年 ちくま学芸文庫 ソフトカバー 432ページ 文庫判 - 内容紹介 - ジェンダー、反ユダヤ主義、地方性……。19世紀絵画を、形式のみならず作品を取り巻く政治的関係から読み解く。美術史のあり方をも問うた名著。 === 美術における政治的なものをどのように考えるべきか。クールベやマネ、ドガ、スーラらの19世紀絵画を、ヨーロッパ/オリエント、純粋芸術/大衆芸術、男性/女性といった、作品を取り巻く社会的・政治的関係性から読み解いていく。フェミニズムをひとつの起点として、より広く「美術史を〝他者性〞の視点から考える」ことを目指した本書は、作品の新たな見方を提示するのみならず、従来の美術史規範の妥当性、イデオロギー性への問いをも投げかけた。表現形式の議論に偏重していた近代美術史に政治的視点をもたらし、美術史研究に新たな1ページを付け加えた名著。 === ヨーロッパ/オリエント、 男性/女性、純粋芸術/大衆芸術…… 〈他者〉から問う美術史 === 【目次】 1 アヴァンギャルドの創造―フランス、1830‐1880 2 クールベ、オリェールと場所の意味―19世紀美術における地域性、地方性とピクチャレスク 3 虚構のオリエント 4 カミーユ・ピサロ―気取らない眼 5 マネの《オペラ座の仮面舞踏会》 6 ファン・ゴッホ、ルヌアールとリヨンにおける織工の危機 7 レオン・フレデリックと〈労働者の人生の段階〉 8 ドガとドレフュス事件―反ユダヤ主義者としての画家の肖像 9 スーラの《グランド・ジャット島の日曜日の午後》―反ユートピアの寓意 文庫版訳者あとがき 原注/図版リスト - 著者プロフィール - リンダ・ノックリン (リンダ ノックリン) (著/文) 1931-2017年。ニューヨーク生まれ。美術史家。イェール大学、ニューヨーク大学インスティテュート・オブ・ファイン・アーツなどで教鞭をとった。論文“Why Have There Been No Great Women Artists?(なぜ偉大な女性の美術家はいなかったのか?)”で、フェミニズム美術史の論客として有名に。著書にWomen, Art and Power and Other Essaysなどがある。 坂上 桂子 (サカガミ ケイコ) (翻訳) 専門は美術史。早稲田大学文学学術院教授。
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拡張するイメージ 人類学とアートの境界なき探究|藤田 瑞穂, 川瀬 慈, 村津 蘭
¥2,970
亜紀書房 2023年 ソフトカバー 404ページ 四六判 - 内容紹介 - 《「イメージ」に何ができるのか? 》 ケニアと日本をつなぐ洗濯物、風を可聴化するハープ、コロナ禍を経た展示──。 アートと人類学が切り結ぶ場所で、まだ見ぬイメージの可能性を考える11人の、研究、制作、展示をめぐる実践と思考。 ---------------------- 人間が抱くイメージをさまざまに表現してきたアート。 文化や技術、宗教とそれらに結びついたイメージの多様性を探究してきた人類学。 ふたつの交わるところで研究、制作、展示を行う11人の実践から、「イメージ」という言葉が持つ豊かな広がりが見えてくる。 目次 ◆はじめに……藤田瑞穂、川瀬慈、村津蘭 第1部 拡張するフィールド ■村津蘭……妖術と人類学の喚起、その拡張 ■ふくだぺろ……具象のポリフォニー──音―イメージ知性の特徴とダイアローグ 第2部 隔たりなき表現活動──制作と研究 ■西尾美也……生を変容させるアートプロジェクト──《感覚の洗濯》の着想から記録方法まで ■柳沢英輔……エオリアン・ハープの実践を通して再構築される身体と環境の関係性 ■鼎談〈西尾美也×柳沢英輔×藤田瑞穂〉……芸術実践と学術研究をつなぐために 第3部 表現と社会──不可能を超えるイメージ ■奥脇嵩大……私は鹿で太陽で、そして私たち──近年の志賀理江子による協働を介したイメージ実践の可能性 ■佐藤知久+矢野原佑史……社会性の芸術──映像が媒介する接触と波動について 第4部 映画におけるイメージとその拡張 ■金子遊……ゾミアの遊動民──映画『森のムラブリ』をめぐる旅 ■小川翔太……証言者の沈黙をめぐる映像作家の表現(コトバ)──映像/イメージ 第5部 イメージの脈動 ■藤田瑞穂……パンデミック後のイメージの行方──「静のアーカイブ」から「動的イメージ」へ ■川瀬慈……イメージの吟遊詩人 ◆おわりに - 著者プロフィール - 藤田 瑞穂 (フジタ ミズ ホ) (著/文 | 編集) 〈京都市立芸術大学〉 1978年兵庫県生まれ。京都市立芸術大学ギャラリー@KCUAチーフキュレーター/プログラムディレクター。専門は現代美術、表象文化論。同時代を生きるアーティストやさまざまな分野の専門家と協働し、領域横断的な展覧会やアートプロジェクトの企画を手がける。 川瀬 慈 (カワセ イツシ) (著/文 | 編集) 〈国立民族学博物館〉 1977年岐阜県生まれ。エチオピアの吟遊詩人の人類学研究、民族誌映画制作に取り組む。人類学、シネマ、アート、文学の交差点から人文学における創造的な叙述と語りを探求する。 村津 蘭 (ムラツ ラン) (著/文 | 編集) 〈東京外国語大学〉 1983年大阪府生まれ。専門は映像人類学、宗教人類学、アフリカ地域研究。これまでの研究テーマとして、ベナンにおけるキリスト教系新宗教、妖術師、悪魔祓いなどがある。映像、フィクション、インスタレーションなど様々な方法による人類学を試行している。
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ギャラリーストーカー 美術業界を蝕む女性差別と性被害|猪谷千香
¥1,760
中央公論新社 2023年 ソフトカバー 232ページ 四六判 - 内容紹介 - 美大卒業後、作家として自らを売り出したいと願い、一人ギャラリーに立つ若い女性作家につきまとうギャラリーストーカー。美術業界の特殊なマーケットゆえに、被害から免れることが極めて難しいという異様な実態がある。孤軍奮闘する若い女性作家につきまとうのは、コレクターだけではない。作家の将来を左右する著名なキュレーター、批評家、美術家など、業界内部の権力者によるハラスメント、性被害も後を絶たない。煌びやかな美術業界。その舞台裏には、ハラスメントの温床となる異常な構造と体質、伝統があった! 弁護士ドットコムニュース編集部が総力を挙げて取材した実態と対策のすべて。 - 著者プロフィール - 猪谷千香 (イガヤチカ) (著/文) いがやちか 東京生まれ、東京育ち。明治大学大学院博士前期課程考古学専修修了。産経新聞文化部記者などを経た後、ドワンゴでニコニコ動画のニュースを担当。2013年からハフポスト日本版でレポーターとして、さまざまな社会問題を取材。2017年から弁護士ドットコムニュース編集部で記事を執筆。著書に『日々、着物に割烹着』、『つながる図書館』『町の未来をこの手でつくる 紫波町オガールプロジェクト』など。
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[新版] 我々は 人間 なのか? デザインと人間をめぐる考古学的覚書き|ビアトリス・コロミーナ, マーク・ウィグリー, 牧尾晴喜(翻訳)
¥3,300
ビー・エヌ・エヌ新社 2023年 ソフトカバー 320ページ A5判 - 内容紹介 - 人間はデザインし、デザインしたものによってデザインしかえされる── 大きな反響を呼んだ越境的デザイン考、待望の復刊! 先史時代(石器)から現代(ソーシャルメディア)に至るまでの、人間と人間が作り出した人工物(artifact)との関係性を照らし出すことで、現在の私たちが理解している「人間」と「デザイン」の意味に揺さぶりをかける本書は、近年注目を集める存在論的デザインへの最適な入り口となる一冊です。 新版となる本書では、デザイン実務家にして理論家、ソシオメディア株式会社の上野学氏による論考を加えています。 【目次】 1. デザインという鏡 2. 変化する人間 3. デザインの衝撃 4. 人間の発明 5. 装飾する種 6. ユートピアだより 7. よいデザインは麻酔である 8. 健康のデザイン 9. 人間中心デザイン 10. 摩擦のないシルエット 11. 身体のデザイン 12. 倒錯としてのデザイン 13. 亡霊のデザイン 14. 不安定な身体 15. ホモ・セルラー 16. 2秒間のデザイン 解説─「デザイン」をめぐる認識論的転回(伊村靖子) 論考─人間生成とデザイン(上野 学) ※本書は2017年10月に刊行した『我々は 人間 なのか?』に修正・新規原稿を加えた改訂新版です。構成内容に変更はありません。
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NHK出版 学びのきほん 感性でよむ西洋美術|伊藤 亜紗
¥792
NHK出版 2023年 ソフトカバー 144ページ A5判 - 内容紹介 - 著者初、美術の入門書。 2500年もの歴史をもつ「西洋美術」。その膨大な歴史や作品を理解するのは至難の業だ。しかし、5つの様式から「大づかみ」で概観すれば、「この時代の作品はこんな感じ」という全体像が見えてくる。キーワードは「感性」。古代から20世紀まで、約40点の名作を鑑賞して、感じたことを言葉にしてみれば、作品理解がぐっと深まる。「ルネサンスはなぜ重要なの?」「マネの何が革新的なの?」「ピカソはなぜ不思議な絵を描くの?」。美術館に行くと、まず解説を読んでしまう鑑賞法から卒業できる、新感覚の美術入門! カラー口絵32ページ。 - 著者プロフィール - 伊藤 亜紗 (イトウ アサ) (著/文) 東京工業大学リベラルアーツ研究教育院教授、東京工業大学科学技術創成研究院未来の人類研究センター長。東京大学大学院人文社会系研究科美学芸術学専門分野博士課程修了(文学博士)。専門は美学、現代アート。著書に『ヴァレリーの芸術哲学、あるいは身体の解剖』(水声社)、『目の見えない人は世界をどう見ているのか』(光文社新書)、『目の見えないアスリートの身体論』(潮新書)、『どもる体』(医学書院)、『記憶する体』(春秋社)、『手の倫理』(講談社メチエ)、『体はゆく できるを科学する〈テクノロジー×身体〉』(文藝春秋)など多数。
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椅子の神様 宮本茂紀の仕事 |佐藤 卓, 佐藤 岳利, 宮本 茂紀
¥1,980
LIXIL出版 2019年 LIXIL BOOKLET ソフトカバー 76ページ 20.5 x 21 x 0.8 cm - 内容紹介- 新しいことへの挑戦と実験。素材への探求心。過去、現在、未来をつなぐ椅子づくりとは―― カッシーナ、B&B、アルフレックス、梅田正徳、藤江和子、隈研吾、ザハ・ハディド……。彼らは、日本初の家具モデラー、宮本茂紀(1937-)がともに椅子づくりに携わってきたメーカーであり、デザイナーたちである。一流の面々がこぞって宮本を頼るのはなぜなのか。 2019年4月、数年越しに完成した佐藤卓デザインによる、自然素材と伝統技術に拘った最高級のソファ「SPRING」の開発に関わった宮本。本書はその「SPRING」を皮切りに、デザイナーと試作開発に取り組んだいくつかの事例から職人としての宮本茂紀の仕事に迫る。ものづくりの現場に約65年。後半では、歴史から椅子の構造の変遷や技術を学び、素材や座り心地を追求し続け、さらに次世代へと継承する宮本の仕事も紹介する。写真家、尾鷲陽介の撮下しによる豊富な図版とともに、新たな角度から椅子の奥深さ、魅力に触れることのできる一冊。
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図説 セザンヌ「サント=ヴィクトワール山」の世界 | 工藤 弘二
¥3,960
創元社 2022年 ハードカバー 169ページ B5変型判 縦242mm 横190mm 厚さ17mm - 内容紹介 - 孤高の画家が描き続けた故郷の象徴、 「サント=ヴィクトワール山」の 軌跡をたどる。 故郷のプロヴァンスと芸術の中心地パリ―― “近代絵画の父”セザンヌは、 なぜフランスの南北を往復し続け、 繰り返し「サント=ヴィクトワール山」を描いたのか? 「描かれた場所」からその全貌を解説する初の一冊。 知られざる水彩画を含む すべての「サント=ヴィクトワール山」と その関連作を集めた、永久保存版資料。 〈全83点、完全収録!〉 ********* セザンヌは私の、 唯一無二の師だったのです! 私が彼の絵画にまなざしを向けたのを よく考えてみてください。 セザンヌの絵画を研究するのに 私は何年もかけました。 セザンヌ! 彼は、 私たち皆の父のようでした。 私たちを守ったのは、彼なのです。 ――パブロ・ピカソ * 私の人生を通じて 彼の素晴らしい模範がもたらした 道徳的な力と励ましのすべてを、 あなたがご存知でしたら! 暗中模索の時期、 いまだに私が自分を探していたときに、 自らの発見にしばしばたじろぎを感じて、 こう考えたものです。 「もし、セザンヌが正しいなら、 私は正しい」と。 セザンヌが間違えなかったことが、 私にはわかっていたのです。 ――アンリ・マティス ********* 【本書の特長】 ◆「サント=ヴィクトワール山」の歩みと 制作の背景、見どころを徹底解説。 ◆活動拠点となったパリと プロヴァンスの風景画も数多くクローズアップ。 ◆水彩画を含む「サント=ヴィクトワール山」 全83点を収録した永久保存的資料。 ********* 【シリーズ好評既刊!】 『図説 モネ「睡蓮」の世界』安井裕雄 著 すべての「睡蓮」を集めた永久保存版資料。 〈全308作品、完全収録!〉 ********* 目次 Chapitre I パリ ――画家になることを夢見て、芸術の都へ Chapitre II プロヴァンス ――強烈な陽光の下に生まれた新たな創造性 Chapitre III サント=ヴィクトワール山 ――郷土を象徴する「聖なる勝利の山」 (コラム) 川を描く 湖を描く 海を描く 岩を描く ガスケの見たセザンヌ セザンヌとルノワール ドニとルーセルの見たセザンヌ 想像のサント=ヴィクトワール山 セザンヌをめぐる画家たちの言葉 ……ほか - 著者プロフィール - 工藤 弘二 (クドウ コウジ) (著/文) 東北大学文学研究科博士課程単位取得退学。国立新美術館アソシエイトフェローを経て、現在、ポーラ美術館学芸員。担当した展覧会に「セザンヌ-パリとプロヴァンス」(2012年、国立新美術館)、「セザンヌ-近代絵画の父になるまで」(2015年、ポーラ美術館)、「モネとマティス-もうひとつの楽園」(2020年、ポーラ美術館)、共著に『セザンヌ-近代絵画の父、とは何か? 』(2019年、三元社)など。
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椅子クラフトはなぜ生き残るのか | 坂井素思
¥2,200
左右社 2020年 ソフトカバー 256ページ 四六判 - 内容紹介 - 古代エジプト文明以来、人間とともにあり、 専門職人たちの手でつくられてきた椅子は、近代を迎えて大きな転機を迎える。 大量生産と機械化の時代を潜り抜け、手づくりの小規模生産が生き残るのはなぜか。 ものづくりの将来と日本の経済社会を見据え、クラフツ経済の現代的課題と強みをさぐる。 【図版多数掲載】 近年、他業種の傾向に反して木製家具製造業で、 従業員3人以下の事業所数シェアが増大しているのはなぜだろうか。 椅子という商品には、生産や流通をめぐる経済構造に特別な点があるのだろうか。 作り手そして購入者にとっての、椅子の魅力と特性とは何だろうか。 近代椅子の名作、現代日本の椅子作家の作品に触れながら、 職人たちの小規模生産が生き残る椅子づくりの世界に多角的にせまる。 目次 まえがき 第一章 なぜ椅子クラフツを取り上げるのか 第二章 椅子クラフツ生産はいかに行われているか 第三章 近代椅子はどのように変化してきたか 第四章 なぜ椅子をつくるのか 第五章 椅子に何を求めるか 第六章 生活文化の中の椅子 第七章 椅子の社会的ネットワークはどのようにして可能か 終 章 椅子からみる経済社会 あとがき
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大竹伸朗 ビル景 1978–2019 | 大竹伸朗
¥10,780
HeHe 2019年 ハードカバー 322ページ B4判 - 内容紹介 - 未発表作品から最新作まで、約40年間で制作された「ビルのある風景=ビル景」全作品830点 常にその制作活動が惹きつけて止まない画家・大竹伸朗が、1978年から2019年現在まで約40年間継続して制作を続けている「ビルディング・シリーズ」=「ビル景」全作品を収めた画集が出来上がりました。 「ビル景」はその大半が実在の風景の写実ではなく、香港やロンドン、東京といったさまざまな都市の記憶と、意識的・無意識的に断続的に現れる「ビルのある風景」やそこに伴うイメージによって描かれた作品です。 2000年代に行われたいくつかの展覧会での経験から、作家自身が3年余りかけ「ビル景」作品を調査し、集められた全作品830点を時系列で収録しました。 「続けようとすることよりも続いていってしまう事柄の中に探しものはいつも隠れている」*と自身が綴るように、ひとりの作家の画業約40年の作品群からは、その時折々の環境や心情による変化が垣間見えると同時に、一貫して変わらぬ制作意欲と、得もいわれぬ圧倒的な説得力を持ちます。 B4サイズという大判の判型により質感や作品の細部まで再現され、活版印刷を施した装丁や、封入された特製付録「活版画」は、印刷物にこだわりのある読者にも満足の一冊となりました。 保坂健二朗氏(東京国立近代美術館)による、新しい角度からの大竹伸朗「ビル景」論も必読です。 *(大竹伸朗「見えない音、聴こえない絵」『新潮』2019年4月号) ・執筆:大竹伸朗、保坂健二朗(東京国立近代美術館) ・活版印刷スリーブケース入り ・付録:特製活版画(240 x 350mm)封入 - 著者プロフィール - 大竹伸朗 (オオタケシンロウ) (著/文) 1955年、東京生まれ。1980年代初頭より国内外で作品発表を開始。2006年初回顧展「大竹伸朗 全景 1955–2006」(東京都現代美術館)以降、東京、香川、ソウル、ロンドン、シンガポール等で個展。光州ビエンナーレ(韓国)、ドクメンタ(ドイツ)、ヴェネチア・ビエンナーレ(イタリア)、横浜トリエンナーレ、瀬戸内国際芸術祭はじめ国内外の企画展に参加。1986年に初作品集『《倫敦/香港》一九八〇』(用美社)刊行後、作品集や著作物、CD等多数発表。主な著書にエッセイ集『見えない音、聞こえない絵』『ビ』『ナニカトナニカ』(共に新潮社)、『既にそこにあるもの』、『ネオンと絵具箱』(共にちくま文庫)、絵本『ジャリおじさん』(福音館書店)等。エッセイ「見えない音、聴こえない絵」は、月刊文芸誌『新潮』に現在も連載中。2014年芸術選奨文部科学大臣賞受賞。 ohtakeshinro.com
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現代写真アート原論 「コンテンポラリーアートとしての写真」の進化形へ | 後藤 繁雄(編集), 港 千尋(編集), 深川 雅文(著/文)
¥2,200
フィルムアート社 2019年 ソフトカバー 296ページ 四六判変形 - 内容紹介 - インスタグラムの時代の現代写真アートとは何か? デジタル化以降、「真」を写す=写真という従来の概念が大きな変化を見せるいま、現代アートとしての写真の新しい「原論」を提示する。 銀板を用いた撮影法により写真が誕生してから180年──いまや誰もがスマートフォンで日常的に簡単に「撮影」でき、それを加工し、インスタグラムをはじめとするSNSで世界中に発信でき、インターネット上には無数の写真データが存在する時代となった。デジタル化し遍在化した「写真」には大きなパラダイムシフトが起こっている。 グローバル資本主義のなかで流動化するコンテンポラリーアートの世界でも、「写真アート」は存在感を増し、一点数億円で落札されるプリントからインスタレーションやプロジェクション、ポストメディウムの作家まで、新しく多様な才能が活躍している。コンピュータ・サイエンスやネット・テクノロジーの大きな変化に晒される社会で、いかに一枚の写真がアートとしての価値を生成するのか──本書は「現代写真アート」の世界をめぐる羅針盤となるだろう。 写真そのもののメディアとしての起源を問い、写真の概念の再定義を試みるとともに、現代アートとしての写真の可能性を問う、待望の一冊。 《本書で言及される主なアーティスト》 トーマス・ルフ、シンディ・シャーマン、ジェフ・ウォール、ヴォルフガング・ティルマンス、ソフィ・カル、ロバート・フランク、ベッヒャー夫妻、ゲルハルト・リヒター、アウグスト・ザンダー、アンドレアス・グルスキー、トーマス・シュトゥルート、ジグマー・ポルケ、森村泰昌、カンディダ・へーファー、スティーブン・ショア、ロバート・メイプルソープ、アンセル・アダムズ、杉本博司、ホンマタカシ...etc 目次 Introduction 現代写真アートは、どこに向かっているのだろう? 後藤繁雄 Article タイムマシン2019 港千尋 Discussion 1 現代写真アートのストラテジー 深川雅文+後藤繁雄+港千尋 現代アートとしての写真 タイポロジー──ベッヒャー夫妻 ニュードキュメントとニュートポグラフィックス ジェフ・ウォール ドイツのマテリアリズム シンディ・シャーマンとアメリカ 1989年──転換点 Discussion 2 90年代の写真 後藤繁雄+深川雅文+港千尋 モダニズム批判と「風景」 凡庸さへの移行 ポストモダンとヴィジュアル・カルチャー 90年代の日本とヨーロッパ ポストモダンの確信犯・ティルマンス Discussion 3 ポストヒューマンとアントロポセンの写真アート 港千尋+後藤繁雄+深川雅文 テクノロジーで汚された新世界 ソフィ・カルという特異点 追跡、盗撮、そして群衆 ドキュメンタリー写真の現在形 新しいプラットフォーム ポストメディウムの未来 新しいプレイヤーたち アジアとリンクする時代 Article テクノ・イマジネーション宣言 深川雅文 Keywords シャーロット・コットンと『写真は魔術』 深井佐和子 実験から生成へ──センサー時代の実験写真 小山泰介 現代写真の加工術 川島崇志 ワークショップ/フォトセラピー 多和田有希 ヴィレム・フルッサーとは何者か? 深川雅文 フォトブックフェア/アートブックフェア 中島佑介 可視化せよ──ドキュメントからフォトグラフィック・リサーチへ 小山泰介 G/P galleryという「ニューモデル」 後藤繁雄 Add 現代フォトアートをさらに学ぶための必須ブックリスト 後藤繁雄 History 現代写真アート年表1964–2018 - 著者プロフィール - 後藤 繁雄 (ゴトウ シゲオ) (編集) 編集者・クリエイティブディレクター、アートプロデューサー、京都造形芸術大学教授。1954年大阪府生まれ。坂本龍一、細野晴臣、篠山紀信、荒木経惟、蜷川実花、名和晃平らのアーティストブック、写真集を編集。展覧会のキュレイション、若手アーティストの発掘・育成・サポート、アートスタッフの育成などにも力を入れ、幅広く活躍している。 港 千尋 (ミナト チヒロ) (編集) 写真家、映像人類学者。多摩美術大学教授。1960年神奈川県生まれ。南米滞在後、パリを拠点に写真家として活躍。1995年より多摩美術大学美術学部で教鞭をとり、現在は同大学情報デザイン学科教授。2006年〈市民の色〉で伊奈信男賞受賞。2007年第52回ヴェネチア・ビエンナーレ美術展における日本館の展示企画コミッショナーをつとめる。 深川 雅文 (フカガワ マサフミ) (著/文) キュレーター/クリティック。1958年佐賀県生まれ。川崎市市民ミュージアム学芸員として、写真、デザイン、現代美術に関する展覧会の企画に携わる。代表的展覧会「バウハウス 芸術教育の革命と実験」(1994)、「遠近 ベッヒャーの地平」(1997)「生きるアート 折元立身」展(2016)など。現在、フリーのキュレーター/クリティックとして活動。
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ジオ・ポンティとカルロ・モリーノ: ドムスへの道程 | キース・イヴァン グリーン, 岸本 雄二 (翻訳)
¥3,960
鹿島出版会 2011年 ハードカバー 270ページ - 内容紹介 - 戦後イタリアデザイン界の天使と悪魔、父と異端児の相克。 モダニズムの全盛期、対極的な二人は生き生きとした建築本来の姿、「ドムス」を追い求めた。その詩的で不可思議な世界を、気鋭の建築学者が読み解く。
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世界のインディゴ染め | カトリーヌ・ルグラン, 出口雅敏(監修), 松永優(監修), 本田万里(翻訳)
¥4,950
パイ・インターナショナル 2019年 ハードカバー 288ページ A4変型判 縦226mm 横252mm - 内容紹介 - ジーンズから久留米絣まで、世界各国のインディゴ染めを網羅 パステルやインディゴにまつわる歴史的な側面にも焦点を当てながら、世界各国でインディゴ染めを行う少数民族・職人・工房を、美しい写真と図版満載で紹介。ヨーロッパ・日本・中国・ラオス・ベトナム・インド・アフリカ・中央アメリカなど、世界中の含藍植物を使った染め織りの文化に触れられる、大変貴重な1冊です。 - 著者プロフィール - カトリーヌ・ルグラン (カトリーヌルグラン) (著/文) グラフィックデザイナーとしてニューヨークとパリで活躍後、素材に興味を持ち、世界の民族衣装からインスピレーションを得たデザイナーとしてパリでブティックをオープン。テキスタイルを求めて世界中を旅し、各国の生地や衣装・アクセサリーを蒐集しているコレクターでもある。 出口雅敏 (デグチマサトシ) (監修) 1969年生まれ。東京学芸大学教授。専門は、文化人類学・フランス地域研究。モンペリエ大学大学院修士課程およびDEA課程修了(フランス民族学専攻)。早稲田大学大学院人間科学研究科博士課程修了。博士(人間科学)。著書に、『博物館という装置』(共著、勉誠社、2016年)、『ヨーロッパ人類学の視座』(共著、世界思想社、2014年)、『人類学ワークブック』(共編著、新泉社、2010年)など。 松永優 (マツナガユウ) (監修) 1947年生まれ。染色作家。立教大学文学部中退。29歳から染色を始め、その後多様な藍の制作と発表。団体展をやめ個展による発表活動をして現在に至る。2007年から2014年まで東京芸大非常勤講師。 本田万里 (ホンダマリ) (翻訳) 日本でデザインとパターンを学び、卒業後渡仏。子ども服のデザイナーとして活動後、彫金を学び職業適正証(CAP Bijoutier)を取得。主な翻訳書に『世界の美しいボタン』『世界の美しいブローチ』(ともにパイ インターナショナル)などがある。
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民藝のインティマシー Intimité de MINGEI : 「いとおしさ」をデザインする | 鞍田 崇
¥2,750
明治大学出版会 : 丸善出版 2021年 ソフトカバー 216ページ 縦190mm - 内容紹介 - 第1章 Sympathy-民藝への共感(「ふつう」から考える 民藝をめぐる環境の変化1.社会 ほか) 第2章 Concept-民藝の思想(民家・民具・民藝 民俗学と民藝 ほか) 第3章 Mission-民藝の使命(藤井厚二・柳宗悦・和辻哲郎 民藝館という建物 ほか) 第4章 Commitment-民藝の実践(生活意識の高まりの変化 社会意識の高まりの変化 ほか)
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22世紀の荒川修作+マドリン・ギンズ 天命反転する経験と身体 | 三村 尚彦, 門林 岳史
¥3,520
フィルムアート社 2021年 ソフトカバー 315ページ A5判 - 内容紹介 - 「死なないために」とはどういうことなのか? 死すべき存在である人間の運命に戦いを仕掛けた 荒川+ギンズの思考に迫る、22世紀の身体論。 荒川修作没後10年、今なお刺激に満ちた現在進行形の 彼らの思想を再発見していく画期的論集。 「人間は死なない」──死と生命をめぐる独自の発想と思考から、数多くの 鮮烈な言葉を残した荒川修作+マドリン・ギンズ。「三鷹天命反転住宅」や 「養老天命反転地」をはじめとする彼らの作り上げた様々な空間は私たちの 五感や認識のあり方に大きく揺さぶりをかける。 不確かな時代であるがゆえの、身体への意識と関心の高まりにおいて、 荒川+ギンズの思想は多くの発見や刺激を私たちに与えている。 死すべき存在でありながら、生命を消滅させないという矛盾を荒川+ギンズは どのように乗り越えようとしたのか。 人間の運命に戦いを仕掛け、運命を根底から覆す「天命反転」を企てた、 今なお/今こそ現在進行形というべき荒川+ギンズの思想と実践を、 身体論を軸として、哲学、建築、美術、心理学、教育学などさまざまな専門分野 から再検討する。それとともに荒川+ギンズ関連の展覧会、パフォーマンスなどの 近年のプロジェクトを包括的に紹介する。
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葬いとカメラ|金 セッピョル, 編集)地主 麻衣子
¥1,980
左右社 2022年 ソフトカバー 200ページ 四六変型判 - 内容紹介 - アーティストと文化人類学者らが考えた「葬い」を記録することについて。両者の視点から「死」と「葬い」を見つめた先に見えてきたものは…… 身寄りがなくなり、壊される無縁仏 自然葬をすることにした家族の葛藤 葬儀を撮ることの暴力性 在日コリアンのお墓 研究映像とアート作品 簡素化される葬儀と、葬いの個人化 誰もが直面する「死」と、残された者の「葬い」という営みを、どのようにとらえることができるのだろうか。 本書では主に映像によって記録するという行為を通じて、死や葬いを普遍的にとらえなおすことを試みるものである。
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みんなの現代アート 大衆に媚を売る方法、あるいはアートがアートであるために | グレイソン・ペリー, ミヤギフトシ(翻訳)
¥1,980
フィルムアート社 2021年 ソフトカバー 四六判 - 内容紹介 - 英国を代表する美術家グレイソン・ペリーが、アートに関する素朴な疑問に皮肉と愛を込めて答える── 誰もがアートを理解し、楽しむために。 不思議なアートの国をめぐるインサイダーガイド! SNS上で写真付きで話題になる現代アートの展覧会や各地で観光客を集める地域アートなど、いまやすっかり身近な存在となっている“アート”ですが、実は「今さら聞けないかも…」という疑問をもっている人も多いはず。 作品ってどう鑑賞すればいいの? アートとそうでないものとの違いは? 「良い」アートって何? アートの価値はどう決まる? アーティストとして生きるには?…… 大衆の人気、権威たちの評価、マーケット論理などが渦巻く現代のアートワールドを、ターナー賞作家グレイソン・ペリーがユーモアたっぷりに御案内。 アーティストとしての個人的経験を交え、またキュレーターやコレクター、画商などが動かす業界の仕組みも踏まえながら、現代アートの分かりづらさを読み解いていきます。 アートの世界においてもポピュリズムの勢いが増す時代に、批評的視点からやさしく理解を深めることができる世界的ベストセラー、待望の邦訳! グレイソン・ペリー(Grayson Perry) 1960年イギリス生まれ、ロンドン在住のアーティスト。グレイソン・ペリーが初めて受け取った賞は、1980年に大学で行ったパフォーマンスアート作品の一部として自分自身に授与したハリボテの大きな頭。それ以降、2003年のターナー賞を含む、数多くの賞を受賞。イギリスで最も名の知れたアーティストのひとりであり、世界各地で個展を開催している。本書の元となったBBCラジオ「リース・レクチャー」での講義は同番組始まって以来一番の人気となった。6つのタペストリー作品の制作過程を記録したChannel 4のドキュメンタリー「The Vanity of Small Differences, Best Possible Taste(小さな差異の虚無、最高に近いセンス)」で英国アカデミー賞を受賞。同作でグリアソン・ドキュメンタリー賞のベストプレゼンターにも選出されている。邦訳書に『男らしさの終焉』(フィルムアート社、2019年)。 【訳者】 ミヤギフトシ 現代美術作家。1981年沖縄県生まれ、東京都在住。2006年ニューヨーク市立大学・シティカレッジ美術学部卒業。アーティストランスペースXYZ collectiveの共同ディレクター。国籍や人種、アイデンティティといった主題について、映像、オブジェ、写真、テキストなど多様な形態で作品を発表。2019年に小説『ディスタント』(河出書房新社)を刊行。 (出版社紹介文より)
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波の地図 | 原田佳夏, なかひらまい(イラスト)
¥1,650
雷鳥社 2021年 ハードカバー 320ページ 新書判 - 内容紹介 - 「波」は、海の波だけではない!? 数々の文様に描かれたり、「波乱万丈」「人波にもまれる」といった慣用表現に使われたり、「電波」「音波」など物理の世界は「波」だらけだったりする。 本書は「文化としての波」をテーマに、知っているようで知らなかった波の森羅万象を楽しむ本。数多くの文献資料をもとにした文章と楽しいイラストで構成。肩の凝らないアート本としても楽しめます。 目次 まえがき プロローグ 波の一生 第1章 みえる波 第2章 波のかたち 第3章 波のすがた 第4章 みえない波 第5章 波のある地名 あとがき 版元から一言 現代を生きる私たちは「役に立つ」ことや「意味がある」ことが好きだ。何故なら、瞬時に判断し選択することが大切で有能だと思い込んでいるからだ。だから「役に立たない」ことや「意味が分からない」ことを遠ざけてしまう。 そんなふうに無駄を排除して生産性の高い行動をとっている現代の私たちは、何故かとても疲れている。 どこかに行きたい――そう思った時も私たちは地図を眺める。 あとがきより - 著者プロフィール - 原田佳夏 (ハラダヨシカ) (著/文) 物語屋。「朗読歌劇そらのおと」座付作家。ユング心理学研究会理事。出身・大分の地元に材を取ったオリジナル作品など舞台脚本多数。講談台本も手掛ける。映画脚本『老親』(監督:槙坪夛鶴子/2000年)、著作『脚本を書こう!』(青弓社)、120字小説『すゆ噺』他。映像・舞台・音声脚本、短編小説等、「物語」を書き続けている。小劇団の座付作家を経た後、物語屋として独自の路線を歩む。 「朗読歌劇そらのおと」https://solanote.org/ なかひらまい (ナカヒラマイ) (イラスト) 画家・作家。ユング心理学研究会理事。多摩美術家協会会員。セツ・モードセミナー卒業。著作『スプーの日記』シリーズ三部作(トランスビュー)。古代伝承研究本『名草戸畔(なぐさとべ)古代紀国の女王伝説』(スタジオM.O.G)。毎日新聞・大阪本社版連載童話『貝がらの森』(スタジオM.O.G)。物語創作、伝承研究、絵画、イラスト制作などを通して日夜、独自の視点でモノノケの世界の本質を探求している。 http://studiomog.ne.jp/
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【古本】センダックの世界 | セルマ・G.レインズ, 渡辺 茂男 (翻訳)
¥5,500
岩波書店 1982年 初版 ハードカバー 278ページ - 内容紹介 - 『かいじゅうたちのいるところ』など、誰もが一度は触れたことのあるであろう絵本を数多く生み出してきたセンダック。若い時代から現在に至るまでの全仕事をビジュアル豊富に網羅した一冊です。 -------------- 状態:良い カバーにスレ、オレ有。 経年による傷みはみられるものの、概ね良好です。
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芸術家たち1 建築とデザインの巨匠 編 | 河内タカ
¥1,650
オークラ出版 2019年 ソフトカバー 160ページ - 内容紹介 - 教養として知っておきたい「アート」を楽しみながら、読んで学べる、 入門者のためのアートガイドブック『芸術家たち』。 シリーズ化を目指して刊行する一冊目のテーマは、「建築・デザイン編」。 著書『アートの入り口』や雑誌『&Premium』の連載、日本経済新聞のコラムなどで知られる 著者・河内タカが、20世紀の現代建築とモダンデザインの礎を築いた巨匠31組の 偉大な足跡を洒脱なエッセイで紹介していきます。 2020年の東京オリンピックを前にますます高まる建築とデザインへの社会的な関心。 学生から、教養として建築やデザインを学びたいと考えるビジネスパーソンまで、 多くの人の知的好奇心を刺激し、その世界へと誘う入門書の登場です。
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芸術家たち2 ミッドセンチュリーの偉人 編 | 河内タカ
¥1,650
オークラ出版 2020年 ソフトカバー 160ページ - 内容紹介 - 芸術家の人生を読んで知る。より多くの人がアートに親しみ、楽しむきっかけを作る1冊です。 約30年間をアメリカで過ごし、ニューヨークを拠点にアートや写真のキュレーション、そして写真集の編集を数多く手がけてきた河内タカ氏が、世界の建築家・デザイナー総勢31名をピックアップし、それぞれのアーティストについて作家同士のつながりやネットワークとストーリーを交えて語ります。そして、イラストレーターのサンダースタジオによる独自の視点で切り取った各アーティスト、いわゆる一般的なポートレートではなくそのアーティストにまつわる要素がしっかりと表現されたイラストでご紹介。河内氏の軽妙な語り口と、サンダースタジオによるユーモア溢れるポートレートのコラボレーションです。 敷居の高い“アート”ですが手に取りやすい内容、デザインになっているため、より多くの人がアートに親しみ、楽しむきっかけを作りたいと考えております。第2弾目は、ミッドセンチュリーで活躍していたアーティストたちのお話しです。
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【古本】芸術の言語 | ネルソン・グッドマン, 戸澤 義夫(翻訳)松永 伸司(翻訳)
¥4,300
慶應義塾大学出版会 2017年 初版 ハードカバー 352ページ 四六判 - 内容紹介 - 芸術を〈記号システム〉として解読する ▼絵画、音楽、ダンス、文学、建築……芸術へのアプローチを根本的に転換した20世紀美学の最重要著作。 ▼20世紀アメリカを代表する哲学者、ネルソン・グッドマンは、美学、論理学、認識論、科学哲学の分野において多大な影響を及ぼした。グッドマンの主著である本書は、1968年の刊行以来、現代美学の記念碑的著作として読みつがれている。 ここでグッドマンは、芸術の基本的諸問題を考察することから出発し、芸術における記号の一般理論の構築へと向かう。芸術がある対象を「再現」するとはどういうことなのか。再現と表現はどうちがうのか。絵画における遠近法とは、写実性とは何か。ホンモノと完全な贋作を見ることにちがいはあるのか。楽譜とか何か。ダンスは記譜できるのか。芸術と科学の真理は異なるのか。 本書は、芸術における記号と記号システムの研究であり、われわれの知覚と行動、さらにわれわれの世界創造とその理解において、それらがどのように機能しているかを明らかにしている。この考察は、心理学、言語学、認識論、科学哲学などの領域を横断しつつ、われわれを、絵画、音楽、ダンス、文学といったあらゆる芸術形式の深い理解へと導いてくれる。 目次 序文 序論 第一章 現実の再制作 1 指示 2 模倣 3 遠近法 4 彫刻 5 フィクション 6 トシテ再現 7 創意 8 写実性 9 記述と描写 第二章 絵の響き 1 対象領域の違い 2 方向のちがい 3 例示 4 サンプルとラベル 5 事実と比喩 6 図式 7 転移 8 隠喩の諸方式 9 表現 第三章 芸術と真正性 1 完璧な贋作 2 答え 3 贋作不可能なもの 4 理由 5 課題 第四章 記譜法の理論 1 記譜法の主機能 2 統語論的要件 3 符号の合成 4 準拠 5 意味論的要件 6 記譜法 7 時計と計数器 8 アナログとデジタル 9 帰納的な翻訳 10 図表、地図、モデル 第五章 譜、スケッチ、書 1 譜 2 音楽 3 スケッチ 4 絵画 5 書 6 投射可能性、同義性、分析性 7 文字 8 ダンス 9 建築 第六章 芸術と理解 1 絵と文 2 調べることと見せること 3 行為と態度 4 感情の機能 5 美的なものの徴候 6 価値の問題 7 芸術と理解 用語解説 概要 訳者あとがき 人名索引 事項索引 - 著者プロフィール - ネルソン・グッドマン (Nelson Goodman) (訳) 1906~1998年。アメリカの哲学者。美学、論理学、認識論、科学哲学において多大な影響を及ぼした。画廊を経営するかたわら、ハーヴァード大学で博士号を取得。ハーヴァード大学哲学名誉教授。タフツ大学、ペンシルヴェニア大学、ブランダイス大学、ハーヴァード大学など、各地で教鞭をとる。ハーヴァード大学では、哲学、認知科学、芸術、教育を融合させることを目的とした研究機関「プロジェクト・ゼロ」を設立。おもな著書に、『事実・虚構・予言(Fact, Fiction, and Forecast)』(雨宮民雄訳、勁草書房、1987年)、『記号主義――哲学の新たな構想(Reconceptions in Philosophy and Other Arts and Sciences)』(エルギンとの共著、菅野盾樹訳、みすず書房、2001年)、『世界制作の方法(Ways of Worldmaking)』(菅野盾樹訳、ちくま学芸文庫、2008年)など。 戸澤 義夫 (トザワ ヨシオ) (翻訳) 群馬県立女子大学名誉教授。東京大学文学部美学芸術学科卒業。東京大学大学院人文科学研究科美学芸術学科修士課程修了。博士課程中退。著書に『講座美学3 美学の方法』(共著、東京大学出版会、1984年)、 「自然とテクノロジー」 (共著 『芸術文化のエコロジー』 勁草書房、1995年)、『アート・スタンダード検定公式テキストブック』(監修、玉川大学出版部、2011年)。 松永 伸司 (マツナガ シンジ) (翻訳) 東京藝術大学美術学部教育研究助手。2015年東京藝術大学大学院美術研究科美術専攻芸術学(美学)専門領域博士後期課程修了。博士(美術)。博士論文「ビデオゲームにおける意味作用」。訳書にイェスパー・ユール『ハーフリアル――虚実のあいだのビデオゲーム』(ニューゲームズオーダー、2016年)。2015年より立命館大学衣笠総合研究機構客員研究員。 -------------- 状態:良い カバーに若干のオレ等ありますがほかは大変綺麗な状態です。
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紋の辞典 | 波戸場承龍, 波戸場耀次
¥1,650
雷鳥社 2020年 ハードカバー 360ページ 15.2 x 10.2 x 2.6 cm - 内容紹介 - 雷鳥社の辞典シリーズ9作目は、家紋の辞典! ページをめくるたびに密度を増す、「紋曼荼羅®」掲載! 江戸時代に多くの種類が生み出され、日本人が慣れ親しんできた家紋。その図柄はすべて、職人によって正円と直線のみで描かれる。モチーフの本質だけをとらえた、日本独自のシンプルで美しいデザインの仕組みに迫る。 目次 はじめに 本書の見方 基本の紋+見立て紋 現代の紋 コラム おわりに 索引 紋の仕組み ・基本紋の対抗ページに作図過程がわかる「紋曼荼羅®」掲載 ・「現代の紋」には、日本橋の商業施設COREDO室町に掛かる大暖簾の紋掲載 ・巻末には、仕組みを表す構成名別に、家紋を逆引きできる裏辞典あり - 著者プロフィール - 波戸場承龍 (ハトバショウリュウ) (著/文) 京源三代目 紋章上繪師 着物に家紋を手で描き入れる紋章上繪師としての技術を継承し活躍する一方、家紋の魅力を新しい形で表現したいという想いで、2007年より家紋のアート作品を制作。紋章上繪師ならではの「紋曼荼羅® MON-MANDALA」というオリジナル技法を生み出す。家紋やロゴデザインの域を超えて、森羅万象を描き出す職人兼デザイナーとして、あらゆる分野のデザインに挑戦し続けている。NHK Eテレ デザインあ「もん」出演/もん制作他 波戸場耀次 (ハトバヨウジ) (著/文) 紋章上繪師 工房「誂処 京源」の立ち上げを機に、Adobe Illustrator/Photoshop/Premiere Proを使って、家紋とデジタル技術を掛け合わせた多種多様なビジネスモデルを構築。デザインの宝庫である家紋が常に身近にある環境で育ち、8歳から始めた書道で培われたバランス感覚で、シンプルでミニマムなデザインを行う。父 承龍とともに、家紋を知らない世代や海外の方々へ、家紋の魅力を伝えるワークショップや講演などを積極的に行っている。