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マティスとルオー 友情の手紙 | ジャクリーヌ・マンク, 後藤新治ほか(翻訳)
¥3,850
みすず書房 2017年 ハードカバー 364ページ A5判 - 内容紹介 - 「君がそれをやるべきだよ!」――マティス。 「もっといい絵を描きたい」――ルオー。 気質も画風も好対照。それゆえに惹かれ合い、ライバルとして高め合ってきたマティスとルオー。ふたりはパリ国立美術学校のギュスターヴ・モロー教室で出会って以来、マティスの死の直前まで50年にわたり手紙を交わし、家族ぐるみの交流をつづけた。恩師との思い出、フォーヴィスムの誕生、画商への愛憎、贋作騒動、「聖なる芸術」への熱情――ふたりの巨匠の創作の舞台裏。 2006年、かつてのルオーのアトリエで、マティスからルオー宛の手紙が発見された。以来、編者マンクをはじめ関係者による解読が進められる。真の教育者モロー、当代随一の画商ヴォラール、稀代の出版人テリアード、ヨーロッパ美術の渡し守りP・マティス……フランス絵画界の陰の立役者たちの人間ドラマが展開する、美術史の第一級史料。 図版75点、詳細年譜、関連地図を収録。 目次 編者によるまえがき マティス=ルオー往復書簡 1906-1953年 1906-07年 サロン・ドートンヌ事件 マティスとコリウール 1930年 ふたりのマティス ニューヨークのピエール・マティス画廊 1934年 画商との確執 ルオーとヴォラール 1937-38年 絵付けと舞台美術 テリアードの挿絵本 1941年 占領地区と自由地区 「熱意あふれる渡し守り」 1944年 解放前夜 1945年 ボノムという画家 1946年 「黒は色である」 ルオーの初期版画――『ミセレーレ』と『ユビュおやじの再生』 1947年 ヴォラール裁判 1949年 聖なる芸術 1951年 古いなかンま 1952年 ユネスコ世界会議 1952-53年 最後の邂逅に向けて マティスへの質問状 1954年 エピローグ 謝辞 訳者あとがき 後藤新治 補遺 増子美穂 年譜 往復書簡一覧 図版一覧 訳註 原註 索引 - 著者プロフィール - ジャクリーヌ・マンク (ジャクリーヌ マンク) (編集) 現在パリ市立近代美術館学芸部長。専門はフォーヴィスムを中心にした近現代美術史。「ジャン・ピュイ ブルターニュのフォーヴ」展(1995)をはじめとして「フォーヴィスムあるいは〈火の試練〉 ヨーロッパにおけるモデルニテの爆発」展(1999)「マティスとドラン フォーヴィスムの真実」展(2005)など重要な展覧会を国際的に企画監修。近年では同館で「戦下の芸術 フランス1938-1947」展(2012)を共同企画し注目を集めた。『マティスとルオー 友情の手紙』を編集(後藤新治他訳、パナソニック 汐留ミュージアム監修、みすず書房、2017)。 後藤新治ほか (ゴトウシンジ) (翻訳) 1950年福岡県に生まれる。九州大学工学部卒業後同大学文学部修了。北九州市立美術館学芸員を経て、現在西南学院大学国際文化学部教授。著書『ルオーの「ミセレーレ」』(北九州市立美術館・中央公論美術出版、1980)『出光美術館蔵品図録 ルオー』(共著、平凡社、1991)ほか。訳書 ゴンブリッチ『芸術と進歩 進歩理念とその美術への影響』(共訳、中央公論美術出版、1991)、『マティスとルオー 友情の手紙』(共訳、みすず書房、2017)。
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【サイン本】椰子の実 | 横地美穂
¥4,180
蒼穹舎 2021年 ハードカバー 80ページ クロス装 232 × 271 mm - 内容紹介 - 椰子の実の歌の舞台となった愛知県渥美半島の先、伊良湖岬の近くで生まれ、 まだ旅をする気持ちも知らなかった頃の私にとって 「椰子の実」という言葉は卒業文集を思い出すような懐かしいものでした。 それがいつしか、伊良湖のフェリーターミナルにある椰子の実を見て 「どこからきて、どんな旅をしてきたのだろう」などと思いを馳せるようになったのは 私にも旅の心が芽生えたからでしょうか。 海辺を歩くことが好きで写真を撮るうちに、 長い年月をかけて海を渡る椰子の実のように 私もずっと日本中の海沿いを歩いて写真を撮ろうと心に強く思いました。 地元の漁師の方に教えてもらう潮の流れ、旅先の宿やお店で出会う季節の美味しいもの、 伊良湖と似た砂浜や灯台、強く吹く風、笑い合う家族や恋人たちを眺めていると、 どの土地もまるで自分の生まれ育った故郷のように感じ、海に囲まれた日本に生まれたことを嬉しく思いました。 写真集「椰子の実」は文集のようにささやかですが、 旅や故郷を思う気持ちを誘ったならば幸せに思います。 ― 横地美穂 伊良湖岬に育った作者が日本各地の海辺の町を訪ね歩いた美しいモノクロスナップ。 一枚一枚の写真からは文字にはできない、いくつものことばが溢れ出している。
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ストリートスナップファイト | 新多 正典
¥2,200
ソフトカバー 45ページ 256 × 364 mm - 内容紹介 - モノクロ都市風景写真集。 光と影が作る奇譚画集。 世に跋扈する心象風景写真への異議申立。
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写真家のみなさん、一旦お花を撮るのはやめましょう | 新多 正典
¥2,200
ソフトカバー 52ページ 210 × 297mm - 内容紹介 - モノクロ都市風景写真集『ストリートスナップファイト』の副読本です。 『ストリートスナップファイト』の製作後記でありつつも、写真を取り巻く概論集として作りました。 「左ページにテキスト・右ページに写真」を配置する一定のリズムで構成し、このZINE単体で独立したエッセイ集として仕上げています。 また、本作は全編リソグラフ印刷で構成し、ハンドメイドの製本で仕上げています。 先行販売したPARK GALLERYによるレビュー https://note.com/park_diary/n/n29a631bc909d
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吉田謙吉と12坪の家 : 劇的空間の秘密 | 川口 ミリ(編), 羽佐田 瑶子(編)
¥1,980
LIXIL出版 2018年 LIXIL BOOKLET ソフトカバー 80ページ 縦21mm - 内容紹介 - 舞台美術を中心に、考現学採集、装幀、文筆業など多彩なジャンルで活躍した吉田謙吉(1897-1982)は、52歳(1949年)で東京・港区に12坪の家を建てた。小さなスペースながら小ステージがあり、恩師の今和二郎に「愉快な家」と言わしめた家の、独創的な空間づくりの詳細とはいかに? 本書では、この12坪の家に影響を与えたであろう謙吉の仕事を振り返りながら、"劇的空間"としての自邸の秘密を解き明かす。関東大震災、続く第二次世界大戦という多くの人々の暮しが解体された大災難に遭ってなお、謙吉のまなざしは常に自由で新しいものに向けられていた。バラック装飾社、考現学、築地小劇場での舞台美術の仕事、住まいの提案……。人を喜ばせることが好きで、自身も人生を楽しく謳歌することを望んだ愛すべき生き方を、12坪の家を基軸に、謙吉が残した空間づくりに関する数多くの記録と自身の言葉から探っていく一冊。
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ブルーノ・タウトの工芸 : ニッポンに遺したデザイン | ブルーノ・タウト, 庄子 晃子(監修)
¥1,980
SOLD OUT
LIXIL出版 2013年 LIXIL BOOKLET ソフトカバー 76ページ 縦21mm - 内容紹介 - ブルーノ・タウトの工芸作品-螺鈿/木工/竹工/硝子/漆/照明/椅子/玩具 建築家の休日 面影を求めて(意匠/手技/次代へ/再考 工芸デッサン) SIEDLUNG 建築作品 ブルーノ・タウトと建築作品 工芸作品に見る創造-偉大な日本の伝統との対話
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現代写真アート原論 「コンテンポラリーアートとしての写真」の進化形へ | 後藤 繁雄(編集), 港 千尋(編集), 深川 雅文(著/文)
¥2,200
フィルムアート社 2019年 ソフトカバー 296ページ 四六判変形 - 内容紹介 - インスタグラムの時代の現代写真アートとは何か? デジタル化以降、「真」を写す=写真という従来の概念が大きな変化を見せるいま、現代アートとしての写真の新しい「原論」を提示する。 銀板を用いた撮影法により写真が誕生してから180年──いまや誰もがスマートフォンで日常的に簡単に「撮影」でき、それを加工し、インスタグラムをはじめとするSNSで世界中に発信でき、インターネット上には無数の写真データが存在する時代となった。デジタル化し遍在化した「写真」には大きなパラダイムシフトが起こっている。 グローバル資本主義のなかで流動化するコンテンポラリーアートの世界でも、「写真アート」は存在感を増し、一点数億円で落札されるプリントからインスタレーションやプロジェクション、ポストメディウムの作家まで、新しく多様な才能が活躍している。コンピュータ・サイエンスやネット・テクノロジーの大きな変化に晒される社会で、いかに一枚の写真がアートとしての価値を生成するのか──本書は「現代写真アート」の世界をめぐる羅針盤となるだろう。 写真そのもののメディアとしての起源を問い、写真の概念の再定義を試みるとともに、現代アートとしての写真の可能性を問う、待望の一冊。 《本書で言及される主なアーティスト》 トーマス・ルフ、シンディ・シャーマン、ジェフ・ウォール、ヴォルフガング・ティルマンス、ソフィ・カル、ロバート・フランク、ベッヒャー夫妻、ゲルハルト・リヒター、アウグスト・ザンダー、アンドレアス・グルスキー、トーマス・シュトゥルート、ジグマー・ポルケ、森村泰昌、カンディダ・へーファー、スティーブン・ショア、ロバート・メイプルソープ、アンセル・アダムズ、杉本博司、ホンマタカシ...etc 目次 Introduction 現代写真アートは、どこに向かっているのだろう? 後藤繁雄 Article タイムマシン2019 港千尋 Discussion 1 現代写真アートのストラテジー 深川雅文+後藤繁雄+港千尋 現代アートとしての写真 タイポロジー──ベッヒャー夫妻 ニュードキュメントとニュートポグラフィックス ジェフ・ウォール ドイツのマテリアリズム シンディ・シャーマンとアメリカ 1989年──転換点 Discussion 2 90年代の写真 後藤繁雄+深川雅文+港千尋 モダニズム批判と「風景」 凡庸さへの移行 ポストモダンとヴィジュアル・カルチャー 90年代の日本とヨーロッパ ポストモダンの確信犯・ティルマンス Discussion 3 ポストヒューマンとアントロポセンの写真アート 港千尋+後藤繁雄+深川雅文 テクノロジーで汚された新世界 ソフィ・カルという特異点 追跡、盗撮、そして群衆 ドキュメンタリー写真の現在形 新しいプラットフォーム ポストメディウムの未来 新しいプレイヤーたち アジアとリンクする時代 Article テクノ・イマジネーション宣言 深川雅文 Keywords シャーロット・コットンと『写真は魔術』 深井佐和子 実験から生成へ──センサー時代の実験写真 小山泰介 現代写真の加工術 川島崇志 ワークショップ/フォトセラピー 多和田有希 ヴィレム・フルッサーとは何者か? 深川雅文 フォトブックフェア/アートブックフェア 中島佑介 可視化せよ──ドキュメントからフォトグラフィック・リサーチへ 小山泰介 G/P galleryという「ニューモデル」 後藤繁雄 Add 現代フォトアートをさらに学ぶための必須ブックリスト 後藤繁雄 History 現代写真アート年表1964–2018 - 著者プロフィール - 後藤 繁雄 (ゴトウ シゲオ) (編集) 編集者・クリエイティブディレクター、アートプロデューサー、京都造形芸術大学教授。1954年大阪府生まれ。坂本龍一、細野晴臣、篠山紀信、荒木経惟、蜷川実花、名和晃平らのアーティストブック、写真集を編集。展覧会のキュレイション、若手アーティストの発掘・育成・サポート、アートスタッフの育成などにも力を入れ、幅広く活躍している。 港 千尋 (ミナト チヒロ) (編集) 写真家、映像人類学者。多摩美術大学教授。1960年神奈川県生まれ。南米滞在後、パリを拠点に写真家として活躍。1995年より多摩美術大学美術学部で教鞭をとり、現在は同大学情報デザイン学科教授。2006年〈市民の色〉で伊奈信男賞受賞。2007年第52回ヴェネチア・ビエンナーレ美術展における日本館の展示企画コミッショナーをつとめる。 深川 雅文 (フカガワ マサフミ) (著/文) キュレーター/クリティック。1958年佐賀県生まれ。川崎市市民ミュージアム学芸員として、写真、デザイン、現代美術に関する展覧会の企画に携わる。代表的展覧会「バウハウス 芸術教育の革命と実験」(1994)、「遠近 ベッヒャーの地平」(1997)「生きるアート 折元立身」展(2016)など。現在、フリーのキュレーター/クリティックとして活動。
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ジオ・ポンティとカルロ・モリーノ: ドムスへの道程 | キース・イヴァン グリーン, 岸本 雄二 (翻訳)
¥3,960
鹿島出版会 2011年 ハードカバー 270ページ - 内容紹介 - 戦後イタリアデザイン界の天使と悪魔、父と異端児の相克。 モダニズムの全盛期、対極的な二人は生き生きとした建築本来の姿、「ドムス」を追い求めた。その詩的で不可思議な世界を、気鋭の建築学者が読み解く。
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世界のインディゴ染め | カトリーヌ・ルグラン, 出口雅敏(監修), 松永優(監修), 本田万里(翻訳)
¥4,950
パイ・インターナショナル 2019年 ハードカバー 288ページ A4変型判 縦226mm 横252mm - 内容紹介 - ジーンズから久留米絣まで、世界各国のインディゴ染めを網羅 パステルやインディゴにまつわる歴史的な側面にも焦点を当てながら、世界各国でインディゴ染めを行う少数民族・職人・工房を、美しい写真と図版満載で紹介。ヨーロッパ・日本・中国・ラオス・ベトナム・インド・アフリカ・中央アメリカなど、世界中の含藍植物を使った染め織りの文化に触れられる、大変貴重な1冊です。 - 著者プロフィール - カトリーヌ・ルグラン (カトリーヌルグラン) (著/文) グラフィックデザイナーとしてニューヨークとパリで活躍後、素材に興味を持ち、世界の民族衣装からインスピレーションを得たデザイナーとしてパリでブティックをオープン。テキスタイルを求めて世界中を旅し、各国の生地や衣装・アクセサリーを蒐集しているコレクターでもある。 出口雅敏 (デグチマサトシ) (監修) 1969年生まれ。東京学芸大学教授。専門は、文化人類学・フランス地域研究。モンペリエ大学大学院修士課程およびDEA課程修了(フランス民族学専攻)。早稲田大学大学院人間科学研究科博士課程修了。博士(人間科学)。著書に、『博物館という装置』(共著、勉誠社、2016年)、『ヨーロッパ人類学の視座』(共著、世界思想社、2014年)、『人類学ワークブック』(共編著、新泉社、2010年)など。 松永優 (マツナガユウ) (監修) 1947年生まれ。染色作家。立教大学文学部中退。29歳から染色を始め、その後多様な藍の制作と発表。団体展をやめ個展による発表活動をして現在に至る。2007年から2014年まで東京芸大非常勤講師。 本田万里 (ホンダマリ) (翻訳) 日本でデザインとパターンを学び、卒業後渡仏。子ども服のデザイナーとして活動後、彫金を学び職業適正証(CAP Bijoutier)を取得。主な翻訳書に『世界の美しいボタン』『世界の美しいブローチ』(ともにパイ インターナショナル)などがある。
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民藝のインティマシー Intimité de MINGEI : 「いとおしさ」をデザインする | 鞍田 崇
¥2,750
明治大学出版会 : 丸善出版 2021年 ソフトカバー 216ページ 縦190mm - 内容紹介 - 第1章 Sympathy-民藝への共感(「ふつう」から考える 民藝をめぐる環境の変化1.社会 ほか) 第2章 Concept-民藝の思想(民家・民具・民藝 民俗学と民藝 ほか) 第3章 Mission-民藝の使命(藤井厚二・柳宗悦・和辻哲郎 民藝館という建物 ほか) 第4章 Commitment-民藝の実践(生活意識の高まりの変化 社会意識の高まりの変化 ほか)
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22世紀の荒川修作+マドリン・ギンズ 天命反転する経験と身体 | 三村 尚彦, 門林 岳史
¥3,520
フィルムアート社 2021年 ソフトカバー 315ページ A5判 - 内容紹介 - 「死なないために」とはどういうことなのか? 死すべき存在である人間の運命に戦いを仕掛けた 荒川+ギンズの思考に迫る、22世紀の身体論。 荒川修作没後10年、今なお刺激に満ちた現在進行形の 彼らの思想を再発見していく画期的論集。 「人間は死なない」──死と生命をめぐる独自の発想と思考から、数多くの 鮮烈な言葉を残した荒川修作+マドリン・ギンズ。「三鷹天命反転住宅」や 「養老天命反転地」をはじめとする彼らの作り上げた様々な空間は私たちの 五感や認識のあり方に大きく揺さぶりをかける。 不確かな時代であるがゆえの、身体への意識と関心の高まりにおいて、 荒川+ギンズの思想は多くの発見や刺激を私たちに与えている。 死すべき存在でありながら、生命を消滅させないという矛盾を荒川+ギンズは どのように乗り越えようとしたのか。 人間の運命に戦いを仕掛け、運命を根底から覆す「天命反転」を企てた、 今なお/今こそ現在進行形というべき荒川+ギンズの思想と実践を、 身体論を軸として、哲学、建築、美術、心理学、教育学などさまざまな専門分野 から再検討する。それとともに荒川+ギンズ関連の展覧会、パフォーマンスなどの 近年のプロジェクトを包括的に紹介する。
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新版 名作椅子の由来図典 | 西川 栄明(著/文)
¥3,520
誠文堂新光社 2021年 ソフトカバー 336ページ - 内容紹介 - 古代から現代まで、椅子の歴史の流れをわかりやすく解説します。 各時代を代表する椅子約380点をイラストで紹介。 椅子系統図や年表を多数掲載しています。 この本を読めば、古代エジプトから現代まで椅子の歴史の流れがすぐにわかります。 過去のどんな椅子からヒントを得て作られたかなどの経緯、エピソード、後世にどんな影響を及ぼしたか。 デザイン、製作技術、素材、使われ方などの特徴は何か。 なぜ、その椅子やデザイナーは人気があるのか。有名なのか。エポックメーキングなのか。 薀蓄も満載です! 各時代を代表する椅子を、約380点イラストで紹介しています。 椅子はどのようにして影響し合って発展していくのかを、時代や形状別にイラストによる系統図を本文ページに掲載しています。 それらをまとめた古代から現代までの椅子の系統図を表紙カバー裏に一挙掲載。 ※本書は、2015年1月に刊行した『増補改訂 名作椅子の由来図典』を以下のように改訂したものです。 ・A5判からB5判に判型拡大。 文字の大きさやイラストが大きくなり読みやすくなりました。 ・さらに32ページ増。 イタリアの章などで「デザイナーと椅子年表」を追加、著者と各テーマ(北欧モダン、ウィンザーチェア、シェーカー、イームズなど)に詳しい専門家による対談を掲載しています。 ■目次抜粋 椅子のスタイル年表 1 古代エジプト 2 古代ギリシア 3 古代ローマ 4 中世ヨーロッパ 5 ルネサンス 6 17~18世紀初めのヨーロッパ 7 18世紀のヨーロッパ 8 ウィンザーチェア 9 シェーカー 10 トーネットの曲木椅子 11 19世紀ヨーロッパの様式家具 12 19世紀中期から活躍し出した、イギリスの新進デザイナー 13 アールヌーヴォーとそれを取り巻くスタイル(1890年頃~1910年頃) 14 20世紀前半のモダンスタイル(1910年頃~40年頃) 15 北欧モダン 16 1940年代以降のアメリカ 17 イタリア 18 ヨーロッパのモダンデザイン 19 現代(1980年代以降) 20 中国、アフリカ 21 日本の椅子 タイプ別椅子一覧 椅子の系統 元々の使用場所別・椅子一覧 年表 (コラム) 中世の農民の暮らしと家具 村上富朗さんのウィンザーチェア ライトに捧げる歌 北欧の名作椅子に使われた、北海道産のナラ材 理容椅子の名作 (対談) 作り手の立場から見たウィンザーチェア(小島優) 暮らしの中から生まれたシェーカーチェア(宇納正幸) 北欧4カ国の家具デザイン(多田羅景太) チャールズとレイという絶妙な組み合わせのイームズ夫妻(清水忠男) 幅広い分野への興味・関心から生まれた、剣持勇のジャパニーズ・モダン(清水忠男) (コメント) 「椅子の歴史において、エポックメーキングな椅子は?」 「日本の椅子にとって、エポックメーキングな椅子は?」 ほか - 著者プロフィール - 西川 栄明 (ニシカワ タカアキ) (著/文) 1955年生まれ。編集者、椅子研究者。 椅子や家具のほか、森林や木材から木工芸に至るまで、木に関することを主なテーマにして編集・執筆活動を行っている。 著書に『この椅子が一番!』『手づくりする木のスツール New Edition』『一生ものの木の家具と器』(いずれも誠文堂新光社)、『木のものづくり探訪』『樹木と木材の図鑑-日本の有用種101』(ともに創元社)など。 共著に『名作椅子の解体新書』『Yチェアの秘密』『ウィンザーチェア大全』『増補改訂 原色 木材加工面がわかる樹種事典』『漆塗りの技法書』(いずれも誠文堂新光社)など。 企画編集に『流れがわかる! デンマーク家具のデザイン史』(誠文堂新光社)など。
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葬いとカメラ|金 セッピョル, 編集)地主 麻衣子
¥1,980
左右社 2022年 ソフトカバー 200ページ 四六変型判 - 内容紹介 - アーティストと文化人類学者らが考えた「葬い」を記録することについて。両者の視点から「死」と「葬い」を見つめた先に見えてきたものは…… 身寄りがなくなり、壊される無縁仏 自然葬をすることにした家族の葛藤 葬儀を撮ることの暴力性 在日コリアンのお墓 研究映像とアート作品 簡素化される葬儀と、葬いの個人化 誰もが直面する「死」と、残された者の「葬い」という営みを、どのようにとらえることができるのだろうか。 本書では主に映像によって記録するという行為を通じて、死や葬いを普遍的にとらえなおすことを試みるものである。
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めくるめく現代アート イラストで楽しむ世界の作家とキーワード | 筧菜奈子
¥1,650
フィルムアート社 2016年 ソフトカバー 160ページ A5判 - 内容紹介 - いざ、きらめく現代アートの宇宙へ。 おさえておきたい基礎知識が、これ一冊でわかる。 読んで楽しい、現代アート入門! 現代アート。その世界には、少々とっつきづらいイメージがあるかもしれません。しかし、見る者の五感を揺さぶり、価値観をひっくり返す作品の数々には、私たちの想像力を豊かにする、無限の可能性が広がっています。 本書は現代アートを、誰にでもわかるカラフルなイラスト付きで解説した入門書です。〈アーティスト編〉〈キーワード編〉の2章立てで、おさえておきたいアーティストやその代表作、現代アートを知る上で役に立つ言葉について楽しく学ぶことができます。作家のことばやエピソードも豊富に収録しており、より理解が深まる内容となっています。 現代アートをこれから学びたい若い方や、美術館に行くのが趣味でもう少し勉強してみたいという方、同時代の生きる教養としてアートを知っておきたい人まで。 誰もが楽しめて役に立つ、まったく新しい現代アートの教科書の登場です。 ☆世界と日本の作家・キーワードを見開き78項目で紹介 ☆キャッチーでカラフルなイラスト多数 ☆コラム・年表も収録 【アーティスト編】 マルセル・デュシャン/岡本太郎/ジャクソン・ポロック/ロバート・ラウシェンバーグ/フランク・ステラ/ フランシス・ベーコン/イヴ・クライン/草間彌生/アンディ・ウォーホル/ソル・ルウィット/ ロバート・スミッソン/ヨーゼフ・ボイス/ナムジュン・パイク/オノ・ヨーコ/荒川修作/赤瀬川原平/ ジェフ・クーンズ/ジェームズ・タレル/ゲルハルト・リヒター/クリスチャン・ボルタンスキー/ マリーナ・アブラモヴィッチ/デミアン・ハースト/ヴォルフガング・ティルマンス/ウィリアム・ケントリッジ/ エルネスト・ネト/アイ・ウェイウェイ/蔡國強/村上隆/バンクシー/ティノ・セーガル/etc....... 【キーワード編】 抽象表現主義/コンセプチュアル・アート/リレーショナル・アート/アルテ・ポーヴェラ/もの派/ ネオ・エクスプレッショニズム/アプロプリエーション/レディメイド/アヴァンギャルド/フォーマリズム/ メディウム/インスタレーション/サイト・スペシフィック/多文化主義/日本画/メディア・アート/ マイクロポップ/拡張現実/etc....... 目次 はじめに 〈アーティスト編〉 マルセル・デュシャン 岡本太郎 ジャクソン・ポロック ロバート・ラウシェンバーグ ジャスパー・ジョーンズ フランク・ステラ フランシス・ベーコン イヴ・クライン 草間彌生 アラン・カプロウ アンディ・ウォーホル ソル・ルウィット ロバート・スミッソン クリスト&ジャンヌ=クロード ヨーゼフ・ボイス ナムジュン・パイク マルセル・ブロータース ジュゼッペ・ペノーネ オノ・ヨーコ 荒川修作 赤瀬川原平 シンディ・シャーマン ジェフ・クーンズ ジェームズ・タレル フェリックス・ゴンザレス=トレス ゲルハルト・リヒター クリスチャン・ボルタンスキー マリーナ・アブラモヴィッチ アニッシュ・カプーア デミアン・ハースト ヴォルフガング・ティルマンス ガブリエル・オロスコ ウィリアム・ケントリッジ エルネスト・ネト アイ・ウェイウェイ 蔡國強 ス・ドホ 村上隆 バンクシー ティノ・セーガル 〈キーワード編〉 抽象表現主義 ポップ・アート コンセプチュアル・アート パフォーマンス・アート リレーショナル・アート ミニマル・アート アルテ・ポーヴェラ もの派 ネオ・エクスプレッショニズム アプロプリエーション ソーシャリー・エンゲイジド・アート モダニズム/ポストモダニズム フェミニズム&ジェンダー アール・ブリュット/アウトサイダー・アート 美術館 国際展 レディメイド アヴァンギャルド フォーマリズム メディウム 装飾 ボディ・アート インスタレーション パブリック・アート サイト・スペシフィック アートプロジェクト 多文化主義 学芸員/キュレーター アートマネジメント アートマーケット ギャラリー 作者/観者 日本画 メディア・アート 写真 おたく文化 マイクロポップ 拡張現実 〈コラム〉 早分かり20世紀美術史① 早分かり20世紀美術史② アートをめぐる巨額のお金 現代アート 読むと広がる10冊 アーティスト生年早見表 おわりに - プロフィール - 筧菜奈子 (カケイナナコ) (著/文 | イラスト) 1986年生まれ。多摩美術大学美術学部彫刻学科退学。東京藝術大学美術学部芸術学科卒業。京都大学大学院人間・環境学研究科修士課程修了。現在、同大学院博士後期課程在籍。専門は現代美術史、装飾史。主要論文として「ジャクソン・ポロックにおける書芸術――ブラック・ペインティング成立に関する一考察」(『美学』美学会、2014年)、「密やかに生成する文様――現代ファッションにおける日本の文様の行方」(『vanitas』アダチプレス、2015年)。翻訳として、ベルトラン・プレヴォー著「コスミック・コスモロジー 装いのコスモロジーのために」(『現代思想』青土社、2015年、共訳)など。研究のほか、イラスト執筆やデザイン提供など幅広い領域で活動している。
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みんなの現代アート 大衆に媚を売る方法、あるいはアートがアートであるために | グレイソン・ペリー, ミヤギフトシ(翻訳)
¥1,980
フィルムアート社 2021年 ソフトカバー 四六判 - 内容紹介 - 英国を代表する美術家グレイソン・ペリーが、アートに関する素朴な疑問に皮肉と愛を込めて答える── 誰もがアートを理解し、楽しむために。 不思議なアートの国をめぐるインサイダーガイド! SNS上で写真付きで話題になる現代アートの展覧会や各地で観光客を集める地域アートなど、いまやすっかり身近な存在となっている“アート”ですが、実は「今さら聞けないかも…」という疑問をもっている人も多いはず。 作品ってどう鑑賞すればいいの? アートとそうでないものとの違いは? 「良い」アートって何? アートの価値はどう決まる? アーティストとして生きるには?…… 大衆の人気、権威たちの評価、マーケット論理などが渦巻く現代のアートワールドを、ターナー賞作家グレイソン・ペリーがユーモアたっぷりに御案内。 アーティストとしての個人的経験を交え、またキュレーターやコレクター、画商などが動かす業界の仕組みも踏まえながら、現代アートの分かりづらさを読み解いていきます。 アートの世界においてもポピュリズムの勢いが増す時代に、批評的視点からやさしく理解を深めることができる世界的ベストセラー、待望の邦訳! グレイソン・ペリー(Grayson Perry) 1960年イギリス生まれ、ロンドン在住のアーティスト。グレイソン・ペリーが初めて受け取った賞は、1980年に大学で行ったパフォーマンスアート作品の一部として自分自身に授与したハリボテの大きな頭。それ以降、2003年のターナー賞を含む、数多くの賞を受賞。イギリスで最も名の知れたアーティストのひとりであり、世界各地で個展を開催している。本書の元となったBBCラジオ「リース・レクチャー」での講義は同番組始まって以来一番の人気となった。6つのタペストリー作品の制作過程を記録したChannel 4のドキュメンタリー「The Vanity of Small Differences, Best Possible Taste(小さな差異の虚無、最高に近いセンス)」で英国アカデミー賞を受賞。同作でグリアソン・ドキュメンタリー賞のベストプレゼンターにも選出されている。邦訳書に『男らしさの終焉』(フィルムアート社、2019年)。 【訳者】 ミヤギフトシ 現代美術作家。1981年沖縄県生まれ、東京都在住。2006年ニューヨーク市立大学・シティカレッジ美術学部卒業。アーティストランスペースXYZ collectiveの共同ディレクター。国籍や人種、アイデンティティといった主題について、映像、オブジェ、写真、テキストなど多様な形態で作品を発表。2019年に小説『ディスタント』(河出書房新社)を刊行。 (出版社紹介文より)
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新装版 闇の夜に | ブルーノ・ムナーリ, 藤本 和子(翻訳)
¥3,850
河出書房新社 2017年 ハードカバー 50ページ A4変型判 - 著者プロフィール - ブルーノ・ムナーリ (ムナーリ,B) (著/文) 1907年 ミラノ生まれ。ムナーリの活動は幅広く、造形作家、彫刻科、インダストリアル・デザイナー、グラフィック・デザイナー、映像、作家、詩人、美術評論家、美術教育家と実に様々な分野に及んでいる。金のコンパス賞(1954年、1955年、1979年)、ウルム・スピール・ガット賞(1971 年、1973年、1987年)、1963年イタリア共和国大統領より金メダル授与、1974年 ニューヨーク科学アカデミー名誉賞、アンデルセン賞、1985年ジャパン・デザイン・ ファンデーション賞、1986年レゴ賞、1988年アカデミア・リンチェイ賞等多数。ハー バード大学名誉会員、ジェノバ大学建築名誉博士、ブレラ美術大学名誉会員。 藤本 和子 (フジモト カズコ) (翻訳) 1939年東京生まれ。翻訳家・作家。ブローティガン『アメリカの鱒釣り』の斬新な訳文は、のちの翻訳に大きな影響を与えた。訳書に『西瓜糖の日々』『ビッグ・サーの南軍将軍』(ブローティガン)他多数。
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波の地図 | 原田佳夏, なかひらまい(イラスト)
¥1,650
雷鳥社 2021年 ハードカバー 320ページ 新書判 - 内容紹介 - 「波」は、海の波だけではない!? 数々の文様に描かれたり、「波乱万丈」「人波にもまれる」といった慣用表現に使われたり、「電波」「音波」など物理の世界は「波」だらけだったりする。 本書は「文化としての波」をテーマに、知っているようで知らなかった波の森羅万象を楽しむ本。数多くの文献資料をもとにした文章と楽しいイラストで構成。肩の凝らないアート本としても楽しめます。 目次 まえがき プロローグ 波の一生 第1章 みえる波 第2章 波のかたち 第3章 波のすがた 第4章 みえない波 第5章 波のある地名 あとがき 版元から一言 現代を生きる私たちは「役に立つ」ことや「意味がある」ことが好きだ。何故なら、瞬時に判断し選択することが大切で有能だと思い込んでいるからだ。だから「役に立たない」ことや「意味が分からない」ことを遠ざけてしまう。 そんなふうに無駄を排除して生産性の高い行動をとっている現代の私たちは、何故かとても疲れている。 どこかに行きたい――そう思った時も私たちは地図を眺める。 あとがきより - 著者プロフィール - 原田佳夏 (ハラダヨシカ) (著/文) 物語屋。「朗読歌劇そらのおと」座付作家。ユング心理学研究会理事。出身・大分の地元に材を取ったオリジナル作品など舞台脚本多数。講談台本も手掛ける。映画脚本『老親』(監督:槙坪夛鶴子/2000年)、著作『脚本を書こう!』(青弓社)、120字小説『すゆ噺』他。映像・舞台・音声脚本、短編小説等、「物語」を書き続けている。小劇団の座付作家を経た後、物語屋として独自の路線を歩む。 「朗読歌劇そらのおと」https://solanote.org/ なかひらまい (ナカヒラマイ) (イラスト) 画家・作家。ユング心理学研究会理事。多摩美術家協会会員。セツ・モードセミナー卒業。著作『スプーの日記』シリーズ三部作(トランスビュー)。古代伝承研究本『名草戸畔(なぐさとべ)古代紀国の女王伝説』(スタジオM.O.G)。毎日新聞・大阪本社版連載童話『貝がらの森』(スタジオM.O.G)。物語創作、伝承研究、絵画、イラスト制作などを通して日夜、独自の視点でモノノケの世界の本質を探求している。 http://studiomog.ne.jp/
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【古本】センダックの世界 | セルマ・G.レインズ, 渡辺 茂男 (翻訳)
¥5,500
岩波書店 1982年 初版 ハードカバー 278ページ - 内容紹介 - 『かいじゅうたちのいるところ』など、誰もが一度は触れたことのあるであろう絵本を数多く生み出してきたセンダック。若い時代から現在に至るまでの全仕事をビジュアル豊富に網羅した一冊です。 -------------- 状態:良い カバーにスレ、オレ有。 経年による傷みはみられるものの、概ね良好です。
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はじめての絵画の歴史 : 「見る」「描く」「撮る」のひみつ | ディヴィッド・ホックニー, マーティン・ゲイフォード, ローズ・ブレイク (イラスト), 井上 舞(訳)
¥2,750
SOLD OUT
青幻舎 2018年 ハードカバー 128ページ 縦290mm - 内容紹介 - 話題書『絵画の歴史 洞窟壁画からiPadまで』のエッセンスを凝縮した、大人から子どもまで楽しめる書き下ろし版。 洞窟絵画からモナリザ、浮世絵、写真、コンピューターグラフィックスまで、 古今東西のアートに隠された表現の情熱、視点の変化、影響の受け方、道具の発明…… アートをもっと自由に楽しめるヒントの数々を、かわいいイラストとともに、 ホックニーとマーティンが語り言葉でナビゲートします。 ●ダ・ヴィンチ、歌川広重、ゴッホ、モネ、ピカソ……約50人のアーティストの図版約70点を掲載。 ●一目でわかる「年表」「用語集」「索引」つき。
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錯視芸術 : 遠近法と視覚の科学|マクノートン・フィービ, 駒田 曜(翻訳)
¥1,320
創元社 2010年 ハードカバー 57ページ 縦174mm 横143mm 厚さ10mm - 内容紹介- われわれは見るという行為を当たり前のようにしているが、 じつはそれは、無意識におこなわれている世界の主観的な再構成である。 「われわれはどのように見ているのか」この本は視覚というものが どのように形成されるのかを、さまざまな錯覚・錯視から考察を加える。 平面に奥行きがあるかのように錯覚させる技術である遠近法や、 この世にありえないものを見せる錯視、そして、ブロッケン現象や 虹などの自然現象からマジックまで。錯視芸術の図版も多数掲載。 ◎「はじめに」より あなたはいま1冊の本を手にしている。いやもしかしたら別の画像を見ているかもしれない。誰かにこれを読んでもらっているかもしれない。もう暗記しているかもしれない。あるいはたまたま庭にいるかもしれない。どの場合であれ、あなたは「いま」という言葉で示される世界を、自身の感覚器官から得られたさまざまなデータによって構成される複雑な体系として体験している。あなたが知覚できないものは、たいていは意識に入ってこない。感覚というものそれ自体を知覚しようとするのも、新しい感覚を発達させるのも、困難である。 まさにいまこの時も、世界の随所で僧侶やコウモリやら一部の人やらが、他の人々やカタツムリや観葉植物には想像すらできないような感覚を持って生きている。 この小さな本は、視覚、つまり目に見える世界とその再現手法を取り上げる。視覚はすべての感覚の寓意といえる。とはいえ、頁数が限られているため、いくつかの、広く使われている技術は割愛せざるをえなかった。 なぜ、この世界を見る見方を問い直すのか? 左頁のホガースの絵を見てほしい。一見すると問題なさそうな絵だが、よく見るとありえないことが次々に見つかる。そこでは慣習が破られており、われわれは奇妙な世界に迷い込み、欺あざむかれる。 この本は、特殊な力を持つシャーマンとも心を無にした瞑想とも違う、健全な学問分野のひとつを扱っている。あなたはここで、頭の中に隠れている先入観に気付き、いかにしてものの見方が世界を構築するかをより強く意識するようになるかもしれない。 ようこそ、遠近法と錯視の世界へ。 ◎目次 はじめに 奥行きの錯覚 正投影図 斜投影図 等角図 一点透視投影 二点から五点の透視投影 絵を描くための装置 遠近法の基本 遠近法の錯覚 影 反射 蜃気楼とブロッケン現象 光と形 空気遠近法 相対性の法則 図と地 ありえない物体 コンテクストの中の手がかり 単純化された戯画と脳 天地さかさま 光に意味を与える 知覚による錯視 動きの錯視 マジック 他の感覚 虹と月虹 ハロー(暈かさ)とグローリー 現実の捉え方
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現代アート入門|デイヴィッド・コッティントン, 松井 裕美(訳)
¥2,970
名古屋大学出版会 2020年 ソフトカバー 224ページ 四六判 - 内容紹介- 「なぜこれがアートなの?」と疑問を抱くすべての人に――。注目を集めると同時に、当惑や批判を巻き起こし続ける現代アート。私たちは何を経験しているのか。それはどこから生まれ、どのように展開してきたのか。「モダン」な社会や制度、メディアとの関係から現代美術の挑戦を読み解く最良の入門書。 目次 序 章 モダン・アート ――モニュメントなのか、あざけりなのか 第1章 アヴァンギャルドをたどる 前衛の起源と立場 モダン・アートを売る 今日の前衛──死んでいるのか、生きているのか 第2章 モダンなメディア、モダンなメッセージ 絵画と装飾──その快楽と諸原理 メディアを混ぜる――コラージュからインスタレーションへ 芸術とオブジェのあわい 第3章 ピカソからポップな偶像へ ――芸術家の名声 誰かがピカソにならなければならなかった 女性芸術家たち──差異化された立場 ポップ・アイドルたち 第4章 現代の錬金術 ――モダン・アートと消費主義 不純物から金へ スペクタクルの社会 モダニズムの危機 第5章 ポストモダンを超えて ――その先にあるもの 新しいものの見方 差異の世界──西洋と非西洋 創造性の代価──デジタル時代の芸術 訳者あとがき 用語解説 文献案内 図版一覧 索引 前書きなど 二〇〇一年六月四日、レイチェル・ホワイトリードの彫刻作品《モニュメント》が、ロンドンのトラファルガー広場にある第四の台座〔何も乗っていない北西の角の台座〕の上に設置された。イギリスの新聞がその翌日に報じた反応は、完全に予想通りのものだった。この場所には、以前にも二人の芸術家(マーク・ウォリンガーとビル・ウッドロー)が作品を設置したことがあったが、それらと同じように、ホワイトリードの《モニュメント》――台座自体の型をとって透明な樹脂に鋳造し、逆さにして台座の上に置いたもの――もまた、ただちにもの笑いの種になったのである。『デイリー・メール』紙は「平凡」で「受け狙い」の「意味のない」ものとして非難し、『タイムズ』紙は人々が水槽や浴室のシャワー・ユニットに喩えて貶していたと報じた。文化業界の人々が作品を擁護するコメント――ただし漠然としていて自己保身的な発言――に触れる新聞もいくつかあった。当時の文化省大臣クリス・スミスと、テート・モダンの館長ラース・ニットヴ、そしてテートのプログラム・ディレクターを務めるサンディー・ネアーンは、《モニュメント》の飾り気のなさやコンセプトのわかりやすさが「美しく」、「知的」で「目もくらむほど素晴らしい」などと口々に褒め称えた。だが、彼らが非難に対して果敢に反論しようとすることはいっさいなかった。またホワイトリードの作品は、台座そのもののかたちを写してそれを逆さにすることで、モニュメントというものがもつ意味や目的と…… [「序章」冒頭より/図は省略] - 著者プロフィール - デイヴィッド・コッティントン (デイヴィッド コッティントン) (著) David Cottington 1948年生まれ。コートールド美術研究所にて博士号(美術史学)取得。ファルマス大学教授、キングストン大学教授などを経て、現在、キングストン大学名誉教授。専門はキュビスムをはじめとする前衛芸術。主な著作にCubism in the Shadow of War(1998年)、Cubism and its Histories(2004年)、The Avant-Garde: A Very Short Introduction(2013年)などがある。 松井 裕美 (マツイ ヒロミ) (訳) 1985年生まれ。パリ西大学ナンテール・ラ・デファンス校博士課程修了。名古屋大学特任講師、名古屋大学高等研究院特任助教などを経て、現在、神戸大学大学院国際文化学研究科准教授。専門は近現代フランス美術史。主な著作に『キュビスム芸術史』(名古屋大学出版会、2019年、和辻哲郎文化賞)、ディディ=ユベルマン『受苦の時間の再モンタージュ』(共訳、ありな書房、2017年)などがある。
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芸術家たち1 建築とデザインの巨匠 編 | 河内タカ
¥1,650
オークラ出版 2019年 ソフトカバー 160ページ - 内容紹介 - 教養として知っておきたい「アート」を楽しみながら、読んで学べる、 入門者のためのアートガイドブック『芸術家たち』。 シリーズ化を目指して刊行する一冊目のテーマは、「建築・デザイン編」。 著書『アートの入り口』や雑誌『&Premium』の連載、日本経済新聞のコラムなどで知られる 著者・河内タカが、20世紀の現代建築とモダンデザインの礎を築いた巨匠31組の 偉大な足跡を洒脱なエッセイで紹介していきます。 2020年の東京オリンピックを前にますます高まる建築とデザインへの社会的な関心。 学生から、教養として建築やデザインを学びたいと考えるビジネスパーソンまで、 多くの人の知的好奇心を刺激し、その世界へと誘う入門書の登場です。
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芸術家たち2 ミッドセンチュリーの偉人 編 | 河内タカ
¥1,650
オークラ出版 2020年 ソフトカバー 160ページ - 内容紹介 - 芸術家の人生を読んで知る。より多くの人がアートに親しみ、楽しむきっかけを作る1冊です。 約30年間をアメリカで過ごし、ニューヨークを拠点にアートや写真のキュレーション、そして写真集の編集を数多く手がけてきた河内タカ氏が、世界の建築家・デザイナー総勢31名をピックアップし、それぞれのアーティストについて作家同士のつながりやネットワークとストーリーを交えて語ります。そして、イラストレーターのサンダースタジオによる独自の視点で切り取った各アーティスト、いわゆる一般的なポートレートではなくそのアーティストにまつわる要素がしっかりと表現されたイラストでご紹介。河内氏の軽妙な語り口と、サンダースタジオによるユーモア溢れるポートレートのコラボレーションです。 敷居の高い“アート”ですが手に取りやすい内容、デザインになっているため、より多くの人がアートに親しみ、楽しむきっかけを作りたいと考えております。第2弾目は、ミッドセンチュリーで活躍していたアーティストたちのお話しです。
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【古本】芸術の言語 | ネルソン・グッドマン, 戸澤 義夫(翻訳)松永 伸司(翻訳)
¥4,300
慶應義塾大学出版会 2017年 初版 ハードカバー 352ページ 四六判 - 内容紹介 - 芸術を〈記号システム〉として解読する ▼絵画、音楽、ダンス、文学、建築……芸術へのアプローチを根本的に転換した20世紀美学の最重要著作。 ▼20世紀アメリカを代表する哲学者、ネルソン・グッドマンは、美学、論理学、認識論、科学哲学の分野において多大な影響を及ぼした。グッドマンの主著である本書は、1968年の刊行以来、現代美学の記念碑的著作として読みつがれている。 ここでグッドマンは、芸術の基本的諸問題を考察することから出発し、芸術における記号の一般理論の構築へと向かう。芸術がある対象を「再現」するとはどういうことなのか。再現と表現はどうちがうのか。絵画における遠近法とは、写実性とは何か。ホンモノと完全な贋作を見ることにちがいはあるのか。楽譜とか何か。ダンスは記譜できるのか。芸術と科学の真理は異なるのか。 本書は、芸術における記号と記号システムの研究であり、われわれの知覚と行動、さらにわれわれの世界創造とその理解において、それらがどのように機能しているかを明らかにしている。この考察は、心理学、言語学、認識論、科学哲学などの領域を横断しつつ、われわれを、絵画、音楽、ダンス、文学といったあらゆる芸術形式の深い理解へと導いてくれる。 目次 序文 序論 第一章 現実の再制作 1 指示 2 模倣 3 遠近法 4 彫刻 5 フィクション 6 トシテ再現 7 創意 8 写実性 9 記述と描写 第二章 絵の響き 1 対象領域の違い 2 方向のちがい 3 例示 4 サンプルとラベル 5 事実と比喩 6 図式 7 転移 8 隠喩の諸方式 9 表現 第三章 芸術と真正性 1 完璧な贋作 2 答え 3 贋作不可能なもの 4 理由 5 課題 第四章 記譜法の理論 1 記譜法の主機能 2 統語論的要件 3 符号の合成 4 準拠 5 意味論的要件 6 記譜法 7 時計と計数器 8 アナログとデジタル 9 帰納的な翻訳 10 図表、地図、モデル 第五章 譜、スケッチ、書 1 譜 2 音楽 3 スケッチ 4 絵画 5 書 6 投射可能性、同義性、分析性 7 文字 8 ダンス 9 建築 第六章 芸術と理解 1 絵と文 2 調べることと見せること 3 行為と態度 4 感情の機能 5 美的なものの徴候 6 価値の問題 7 芸術と理解 用語解説 概要 訳者あとがき 人名索引 事項索引 - 著者プロフィール - ネルソン・グッドマン (Nelson Goodman) (訳) 1906~1998年。アメリカの哲学者。美学、論理学、認識論、科学哲学において多大な影響を及ぼした。画廊を経営するかたわら、ハーヴァード大学で博士号を取得。ハーヴァード大学哲学名誉教授。タフツ大学、ペンシルヴェニア大学、ブランダイス大学、ハーヴァード大学など、各地で教鞭をとる。ハーヴァード大学では、哲学、認知科学、芸術、教育を融合させることを目的とした研究機関「プロジェクト・ゼロ」を設立。おもな著書に、『事実・虚構・予言(Fact, Fiction, and Forecast)』(雨宮民雄訳、勁草書房、1987年)、『記号主義――哲学の新たな構想(Reconceptions in Philosophy and Other Arts and Sciences)』(エルギンとの共著、菅野盾樹訳、みすず書房、2001年)、『世界制作の方法(Ways of Worldmaking)』(菅野盾樹訳、ちくま学芸文庫、2008年)など。 戸澤 義夫 (トザワ ヨシオ) (翻訳) 群馬県立女子大学名誉教授。東京大学文学部美学芸術学科卒業。東京大学大学院人文科学研究科美学芸術学科修士課程修了。博士課程中退。著書に『講座美学3 美学の方法』(共著、東京大学出版会、1984年)、 「自然とテクノロジー」 (共著 『芸術文化のエコロジー』 勁草書房、1995年)、『アート・スタンダード検定公式テキストブック』(監修、玉川大学出版部、2011年)。 松永 伸司 (マツナガ シンジ) (翻訳) 東京藝術大学美術学部教育研究助手。2015年東京藝術大学大学院美術研究科美術専攻芸術学(美学)専門領域博士後期課程修了。博士(美術)。博士論文「ビデオゲームにおける意味作用」。訳書にイェスパー・ユール『ハーフリアル――虚実のあいだのビデオゲーム』(ニューゲームズオーダー、2016年)。2015年より立命館大学衣笠総合研究機構客員研究員。 -------------- 状態:良い カバーに若干のオレ等ありますがほかは大変綺麗な状態です。