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いかさまお菓子の本 淑女の悪趣味スイーツレシピ|クリスティン・マッコーネル, 野中モモ (翻訳)
¥3,960
国書刊行会 2017年 ハードカバー 284ページ AB判 - 内容紹介 - 25万人以上のフォロワーがいるインスタグラマー、クリスティン・マッコーネルのスイーツレシピ本がついに登場! ティム・バートン、ウェス・クレイヴン、アルフレッド・ヒッチコック、そして怪奇映画俳優ヴィンセント・プライスなど、ホラーやSFからインスパイアされた奇妙で可愛いスイーツは、SNSに写真がアップされるたびに話題をさらってきた。誰もが驚き作りたいと思った、キュートで震えあがるレシピが満載。 スイーツのみならず、写真撮影からインテリア、スタイリングまですべてがクリスティン流に作り上げられた本書は、自由な発想こそが人生を素敵なものにする魔法なのだと教えてくれる。真のクリエイティビティを発揮したい、なにかを始めたいと思っている人にとって、ぴったりの一冊。 目次 はじめに 焼き菓子の基本 ホワイトケーキ チョコレートケーキ バニラバタークリームフロスティング チョコレートバタークリームフロスティング ホームメイド・キャラメル ロイヤルアイシング モデリングチョコレート フォンダン デコレーションの基本 春 フルーツバスケット・デザート ブライドジラ・ケーキ キャットレディ・ゼリー レッドヴェルヴェット宇宙生物ケーキ テキサスの竜巻ファネルケーキ アーモンドバターミルク蜘蛛の巣ケーキ 子猫ちゃんカンノーリ 社交的な蝶々たち ハミングバードケーキ 空飛ぶ円盤クッキー ファベルジェ風イースターエッグケーキ 春のヴィンテージウェディングケーキ 地球ケーキ 夏 クラブケーキ アパラチア風ブレッドプディング ドーナツ・ディナー フェイスハガー イカチョコゼリー ライスクリスピーくまちゃん ペパーミントブラウニーの虫たち エンジェルフードココナッツキャットケーキ 絶叫ベリー マッキノー島ファッジ ドラゴン蜂のレモンバー 秋 塩キャラメルアップルパイ 秋の収穫ウェディングケーキ パンプキンアイスクリーム チョコミントメデューサケーキ 毒りんごパンチ シュガークッキー墓地 ナポリ風モンスターケーキ キャラメルポップコーン猫ちゃん 悪い狼バタースコッチケーキ テラー・ミス ヴァンパイア・ミルクシェイク デヴィルズフードケーキ タランチュラクッキー 冬 シナモンロールスネーク 黒と白のケーキ ヘンゼルとグレーテルのジンジャーブレッドの家 レディット・ケーキ ホワイトブードゥーケーキ サンタクロウズ・クッキー シュガークッキーコテージ 盆栽チョコミントキャンディ バレンタインクッキー~プレデターに捧ぐ~ 楽園の蛇スパイスケーキ 謝辞 訳者あとがき 材料と道具について 材料別・単位換算表 レシピ・材料名索引 - 著者プロフィール - クリスティン・マッコーネル (クリスティンマッコーネル ) (著/文) カリフォルニア州ツイン・ピークス在住。「恐怖クッキーの女王」と呼ばれるフォトグラファー、スタイリスト、熱狂的お菓子作り愛好家、インターネットスター。作品のあらゆる要素を自ら手掛けており、着用している衣装の多くもお手製。雑誌や広告キャンペーンにもひっぱりだこ。 野中モモ ( ノナカモモ ) (翻訳) ライター、翻訳家。 著書に、『デヴィッド・ボウイ 変幻するカルト・スター』(筑摩書房)。訳書に、ロクサーヌ・ゲイ『バッド・フェミニスト』(亜紀書房)、ダナ・ボイド『つながりっぱなしの日常を生きる ソーシャルメディアが若者にもたらしたもの』(草思社)、『GIRL IN A BAND キム・ゴードン自伝』(DU BOOKS)などがある。」
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O・ヘンリー ニューヨーク小説集 街の夢|O・ヘンリー, 青山 南(翻訳), 戸山翻訳農場(翻訳)
¥1,100
筑摩書房 2022年 ちくま文庫 ソフトカバー 356ページ 文庫判 - 内容紹介 - なんと鮮やかな短篇集! O・ヘンリーが20世紀初頭のニューヨークの街並と人生の一齣を見事に描き出した小説集第二弾。解説・カラー口絵も充実。 探偵、ショップガール、浮浪者、恋人たち… 街と人生の名短篇 「賢者の贈り物」「最後の一枚」を含む23篇。 新訳による文庫オリジナル。カラー口絵つき。 短編小説の名手O・ヘンリーの才能は、20世紀初頭のニューヨークで花開いた。浮浪者、探偵、ショップガールに恋人たち……その作品では、人びとの人生の一齣が見事に描き出され、120年前のニューヨークがいきいきと蘇る。「賢者の贈り物」「最後の一枚」を含む小説23編、さらにパヴェーゼ、ザミャーチンの評論も収録。時代背景がわかる解説や挿絵のほか、絵画もカラーで収録した充実の第二弾。 目次 警官と賛美歌 ゴム族の喜劇 キューピッドの王子と大時計 アイキー・ショウエンスタインの惚れ薬 探偵たち 天気のチャンピオン 円を四角に 愛の苦労 コスモポリタンはカフェで 巡回の合間 この街の声 真夏の騎士の夢 幻のブレンド酒 終わらない話 ネメシスと菓子売り 恐ろしい夜の都 成功の査定者 「罪人」は 感謝祭の二人の紳士 カクタス・シティからの買い付け人 屑レンガ街 賢者の贈り物 最後の一枚 O・ヘンリー論 エヴゲーニー・ザミャーチン O・ヘンリー、あるいは文学的なトリック チェーザレ・パヴェー ゼ 解説 青山南 - 著者プロフィール - O・ヘンリー (オー ヘンリー) (著/文) 1862年、ノースキャロライナ州に生まれる。20歳のときにテキサス州のオースティンに移り、銀行に勤めるが、まもなく横領の容疑がかかり退職。後に起訴されると、中米のホンジュラスに逃亡。妻が病気に倒れたと聞いて戻り、服役する。模範囚として過ごし、小説を書きはじめる。ニューヨークにやってきたのは1902年。翌年から短編作家として人気を博す。1910年没。 青山 南 (アオヤマ ミナミ) (翻訳) 青山 南(あおやま・みなみ):1949年生まれ。早稲田大学卒業。翻訳家、エッセイスト。著書に『短編小説のアメリカ52講』(平凡社ライブラリー)ほか。訳書に、『O・ヘンリー ニューヨーク小説集』(ちくま文庫)、ジャック・ケルアック『オン・ザ・ロード』(河出文庫)ほか。
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O・ヘンリー ニューヨーク小説集|オー・ヘンリー, 青山 南(翻訳), 戸山翻訳農場(翻訳)
¥1,045
筑摩書房 2015年 ちくま文庫 ソフトカバー 320ページ 文庫判 - 内容紹介 - 時代を超えて読み継がれる「ちょっといい話」の裏に20世紀初頭のアメリカ・ニューヨークの文化を色濃く反映させた21のストーリー。解説 青山南
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テーゲベックのきれいな香り|山﨑 修平
¥1,980
河出書房新社 2022年 ソフトカバー 260ページ 四六変型判 縦191mm 横132mm 厚さ21mm - 内容紹介 - 西暦 2028 年・東京。その地で「わたし」は「わたし」を語り出す――赤坂真理氏、黒瀬珂瀾氏、島田雅彦氏、高橋源一郎氏推薦。恐るべきデビュー小説の誕生。*装画=浅野忠信氏。 【推薦文】 ◉高橋源一郎氏(作家) 知らない店に入った。見たことのない品物があった。手にとった。なんかいいな。買って食べた。 初めての味。ワクワクする。もしかしたら食べるものじゃないのかも。 でもいい。それでいい。すっかり忘れていた「新しい」があったから。 *推薦文タイトル=「新しい」があるよ ◉島田雅彦氏(作家) 絶滅の危機にあった詩人が無敵のゾンビとなり、全身から過剰な詩的ホルモンを分泌しつつ、 自発的服従者たちを革命に導く。 これは紛れもなく『地獄の季節』3・0である。 ◉赤坂真理氏(作家) 困った。頭の中に、この小説の人物たちやフレーズたちが住み、勝手に話し、勝手に組み合わさる。 これは小説か? そんなことはどうでもいい! これこそが、小説の体験だ! ◉黒瀬珂瀾氏(歌人) あの日の街、人々の刻印、増幅するテクスト。空白に向けて記録されゆく意識が、清々しく溶解する。 そう、私たちは書き続け、読み続けることで「わたし」に結晶する。 様々な形式を自在に横断した〈超小説〉の、誕生。 *「あの日」に傍点 【内容紹介】 西暦2028年・東京。その地で「わたし」は語り出す――学生時代のこと、神戸の祖父母のこと、愛犬パッシュのこと、溺死したR、あるいはLのこと、虎子のこと、ハウザー三世のこと、愛すべき「ことば」たち……。 〈わたしは他者によって形成される。わたしの悲しみも、わたしの喜びも、他者によって形成された概念を追体験しているに過ぎない。であるなら、わたしがわたしを語るとき、わたしの知覚している範囲で書くことに何の意味があるのだ。(……)わたしはあくまでも反射装置、書いているのは他者であるのだから。〉(本文より) 繰り返される「わたし」――わたしの「記憶」、わたしの「ことば」、わたしの「触覚」――その先に浮かび上がるのは、「わたし」という徹底的なる虚構。そして「わたし」が「今」を取り戻すとき、「わたし」の「五感」は消失し、「わたし」は「記号」となる。 物語も、詩も、批評も、呪いも、祈りも、呻きですらも包括する「小説」という表現形態に、いま、気鋭の詩人が挑む、小説という「自由」。 圧倒的「未知」な小説、誕生! - 著者プロフィール - 山﨑 修平 (ヤマザキ シュウヘイ) (著/文) 1984年東京都生まれ。詩人・文芸評論家。2017年、第一詩集『ロックンロールは死んだらしいよ』で中原中也賞候補・小熊秀雄賞候補、20年、第二詩集『ダンスする食う寝る』で第31回歴程新鋭賞を受賞。
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ハッピークラシー 「幸せ」願望に支配される日常|エドガー・カバナス, エヴァ・イルーズ, 高里ひろ(翻訳), 山田陽子(解説)
¥3,740
みすず書房 2022年 ハードカバー 356ページ 四六判 - 内容紹介 - 「幸せの追求はじつのところ、アメリカ文化のもっとも特徴的な輸出品かつ重要な政治的地平であり、自己啓発本の著者、コーチ、[…]心理学者をはじめとするさまざまな非政治的な関係者らの力によって広められ、推進されてきた。だが幸せの追求がアメリカの政治的地平にとどまらず、経験科学とともに(それを共犯者として)機能するグローバル産業へと成長したのは最近のことだ」(「序」より)。 ここで言及される経験科学とは、90年代末に創設されたポジティブ心理学である。「幸せの科学」を謳うこの心理学については、過去にも批判的指摘が数多くなされてきた。本書はそれらをふまえつつ、心理学者と社会学者の共著によって問題を多元的にとらえた先駆的研究である。 「ハッピークラシー」は「幸せHappy」による「支配-cracy」を意味する造語。誰もが「幸せ」をめざすべき、「幸せ」なことが大事――社会に溢れるこうしたメッセージは、人びとを際限のない自己啓発、自分らしさ探し、自己管理に向かわせ、問題の解決をつねに自己の内面に求めさせる。それは社会構造的な問題から目を逸らさせる装置としても働き、怒りなどの感情はネガティブ=悪と退けられ、ポジティブであることが善とされる。新自由主義経済と自己責任社会に好都合なこの「幸せ」の興隆は、いかにして作られてきたのか。フランス発ベストセラー待望の翻訳。 目次 序 第1章 あなたのウェルビーイングの専門家 第2章 よみがえる個人主義 第3章 仕事でポジティブであること 第4章 商品棚に並ぶ幸せなわたし 第5章 幸せはニューノーマル 結論 解説 山田陽子(大阪大学准教授) 原注 索引 - 著者プロフィール - エドガー・カバナス (エドガーカバナス) (著/文) (Edgar Cabanas) マドリード自治大学で心理学の博士号を取得後、マックスプランク人間発達研究所感情史センター研究員を経て、現在カミロ・ホセ・セラ大学(マドリード)教授。José Carlos Sánchez, Marino Pérez Álvarezとの共著にLa vida real en tiempos de la felicidad: Crítica de la psicología (y de la idología) positiva(Alianza Editorial, 2018)がある。Routledge社のTherapeutic Culturesシリーズ共同編集を務める。 エヴァ・イルーズ (エヴァイルーズ) (著/文) (Eva Illouz) ヘブライ大学社会学教授。フランス国立社会科学高等研究院教授。2022年6月にはケルン大学アルベルトゥス・マグヌス教授にも就任。著書にConsuming the Romantic Utopia: Love and the Cultural Contradictions of Capitalism (University of California Press, 1997); Cold Intimacies: The Making of Emotional Capitalism (Polity Press, 2007); Why Love Hurts: A Sociological Explanation (Polity Press, 2012); Unloving: A Sociology of Negative Relations (Oxford University Press, 2018) などがある。執筆論文多数。 高里ひろ (タカサトヒロ) (翻訳) (たかさと・ひろ) 翻訳家。上智大学卒業。訳書にトム・リース『ナポレオンに背いた「黒い将軍」』(白水社、2015年)、ロイ・バレル『絵と物語でたどる古代史』(晶文社、2008年)、『世界を変えた100人の女の子の物語』(共訳、河出書房新社、2018年)、トム・ニコルズ『専門知は、もういらないのか』(みすず書房、2019年)など。 山田陽子 (ヤマダヨウコ) (解説) 大阪大学大学院人間科学研究科准教授。神戸大学大学院総合人間科学研究科博士後期課程修了。博士(学術)。専門は社会学(感情社会学、医療社会学、社会学理論)。著書に『「心」をめぐる知のグローバル化と自律的個人像』(学文社、2007年。日本社会史学会奨励賞受賞)、『働く人のための感情資本論――パワハラ・メンタルヘルス・ライフハックの社会学』(青土社、2019年)。共著に『現代文化の社会学 入門』(ミネルヴァ書房、2007年)、『いのちとライフコースの社会学』(弘文堂、2011年)など。
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逃亡の書 西へ東へ道つなぎ|前川 仁之(著/文)
¥1,980
小学館 2023年 ソフトカバー 336ページ 四六判 - 内容紹介 - 逃げるはふつうに役に立つ!? 韓国に流れ着いたイエメン難民に会うために済州島に渡り、スペイン・フランスではカタルーニャの音楽家パウ・カザルスとドイツのユダヤ系作家ヴァルター・ベンヤミンの亡命行を辿った。牛久入管収容所で難民申請者の絶望を目の当たりにし、祖国を追われたウクライナ人とはディズニーシーでビールを飲み交わす。時代も場所も異なる人びとの「逃げる技法」――それは、彼らの生きる知恵であると同時に国を守る術でもあった!? 銃で国を守るのではなく、逃亡者の傍らで平和を生きる。そんな呼びかけが戦争の時代に胸を衝いた――東浩紀(批評家) 逃げていいぞ逃げていいぞ逃げていいぞ逃げていいぞ逃げていいぞ逃げていいぞ逃げてくれ――本書より 【編集担当からのおすすめ情報】 韓国・イエメン・スペイン・フランス・ウクライナほか絶滅危惧作家が放つ世界難民紀行、とくと味わえ! 目次 序章 第一章 季節風のたより 済州島のイエメン人たち 第二章 先人たちの亡命行 パウ・カザルスとヴァルター・ベンヤミンの足跡 第三章 花ざかりの島 難民審査のあとさき 間奏曲・転位のための覚書き 第四章 帰郷 ウクライナから遠くはなれて あとがき
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災間に生かされて|赤坂 憲雄
¥2,090
亜紀書房 2022年 ソフトカバー 240ページ 四六判 - 内容紹介 - 〈陸と海、定住と遊動、生と死、虚構と現実、セクシュアリティ…〉 ──境界線が溶け合うとき硬直した世界に未来の風景が立ち上がる。 ---------------------- 人は避けがたく、ほんの気まぐれな偶然から、ある者は生き残り、ある者は死んでゆくのです。巨大な災害のあとに、たまたま生き残った人々はどんな思いを抱えて、どのように生きてゆくのか。思えば、それこそが人間たちの歴史を、もっとも深いところから突き動かしてきたものかもしれません。(本文より) ---------------------- いくつもの不条理なできごとの底知れぬさみしさを抱えて、それでもなお生きるための思考。 目次 第一章……しなやかにして、したたかに。汝の名は 第二章……東北から、大きなさみしさを抱いて 第三章……渚にて。潟化する世界のほとりで 第四章……民話という、語りと想像力のために 第五章……遊動と定住のはざまに、生きよ - 著者プロフィール - 赤坂 憲雄 (アカサカ ノリオ) (著/文) 1953年、東京生まれ。学習院大学教授。専攻は民俗学・日本文化論。 『岡本太郎の見た日本』でドゥマゴ文学賞、芸術選奨文部科学大臣賞(評論等部門)受賞。 『異人論序説』『排除の現象学』(ちくま学芸文庫)、『境界の発生』『東北学/忘れられた東北』(講談社学術文庫)、『岡本太郎の見た日本』『象徴天皇という物語』(岩波現代文庫)、『武蔵野をよむ』(岩波新書)、『性食考』『ナウシカ考』(岩波書店)、『民俗知は可能か』(春秋社)など著書多数。
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はたらかないで、たらふく食べたい 増補版 「生の負債」からの解放宣言|栗原 康
¥902
筑摩書房 2021年 ちくま文庫 ソフトカバー 288ページ 文庫判 - 内容紹介 - カネ、カネ、カネの世の中で、ムダで結構。無用で上等。爆笑しながら解放される痛快社会エッセイ。文庫化にあたり50頁分増補。解説 早助よう子
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子どもの文化人類学|原 ひろ子
¥1,100
筑摩書房 2023年 ちくま学芸文庫 ソフトカバー 272ページ 文庫判 - 内容紹介 - 極北のインディアンたちは子育てを「あそび」とし、性別や血縁に関係なく楽しんだ。親子、子どもの姿をいきいきと豊かに描いた名著。 解説 奥野克巳 === 極北の雪原に生きる狩猟民ヘヤー・インディアンたちにとって、子育ては「あそび」であり日々のこの上ない楽しみだった。ジャカルタの裏町に住むイスラム教徒は、子どもの喧嘩を「本人同士のビジネス」と言って止めずに眺めていた。本書は、環境や習慣が異なる社会における親子、子どものありかたをいきいきと描き出した文化人類学的エッセイである。どのような社会に生まれても子どもは幅広い可能性を内包しながら成長していくことが、みずからのフィールドワーク経験をもとにつづられる。鮮彩なエピソードの数々が胸を打つ名著。 === 成長の道はひとつではない 子どもの豊かな可能性をひらく名著 === 目次 1切ることと創ること 2親の仕事を知らない子どもたち 3からだとつきあう その一 4からだとつきあう その二 5一人で生きること 6けんかをどうとめるか 7親子のつながり 8あそび仲間のこと 9「あそび」としての子育て 10「親にならない」という決断 11自然の中で作るおもちゃ 12きびしい自然の中の子育て 13〝自然みしり〞をする 14「子どもぎらい」の文化 15母系制社会の子ども 16男女の分業について 17キブツの男女・親子関係 18バングラデシュの女の子たち 19〝がめつさ〞について 20男の子の「家出」について 21しつけの男女差 22離婚と子ども その一 23離婚と子ども その二 24ディズニーランドの文化 25文化のなかの教育 その一 26文化のなかの教育 その二 27文化のなかの教育 その三 あとがき 解説(奥野克巳) - 著者プロフィール - 原 ひろ子(はら・ひろこ):1934-2019年。東京大学教養学部卒業。ブリンマー大学大学院修了。文化人類学、ジェンダー研究が専門。拓殖大学助教授、法政大学助教授、お茶の水女子大学名誉教授などを歴任した。主な著書に『ヘヤー・インディアンとその世界』、『極北のインディアン』、『人間はわかりあえるか──ある文化人類学者の旅』、『しつけ』(共著)などがある。
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動物になって生きてみた|チャールズ・フォスター, 西田美緒子 (翻訳)
¥1,078
河出書房新社 2021年 河出文庫 ソフトカバー 352ページ 文庫判 縦149mm 横105mm 厚さ14mm - 内容紹介 - アナグマとなって森で眠り、アカシカとなって猟犬に追われ、カワウソとなって川にもぐり、 キツネとなって都会のゴミを漁り、アマツバメとなって旅をする。 動物の目から世界を生きた、感動的ドキュメント。
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わたしのペンは鳥の翼|アフガニスタンの女性作家たち, 古屋 美登里フルヤ ミドリ(翻訳)
¥2,310
小学館 2022年 ソフトカバー 256ページ 四六判 - 内容紹介 - アフガンの女性作家たちによる23の短篇集 書くことがこんなにも強靭な抵抗になるなんて。 この炎のような短篇集を読み、語り合うことで、彼女たちの命懸けの戦いにくわわろう。――柚木麻子 早急に、世界に届けられなければならない声がある。 そしてその声は、物語の力を借りて、何より強いものとなる。――西加奈子 どんなに過酷な現実が目の前にあっても私たちは描く。 ペンを持っている間だけ心は自由に空を飛べるから。――窪美澄 抑圧・蹂躙され口を塞がれた女性たちがペンを執り、鳥の翼のように自由に紡ぎ出した言葉の数々。女性嫌悪、家父長制、暴力、貧困、テロ、戦争、死。一日一日を生き抜くことに精一杯の彼女たちが、身の危険に晒されても表現したかった自分たちの居る残酷な世界と胸のなかで羽ばたく美しい世界。 アフガニスタンの女性作家18人が紡ぎ出す、心揺さぶる23の短篇集。 【編集担当からのおすすめ情報】 本書は、2022年2月に英国で刊行されたアフガニスタンの女性作家18名による23の短篇集の邦訳版です。紛争地域の作家育成プロジェクト〈UNTOLD〉による企画編集で、3年前からイギリスとアフガニスタンでやりとりをしながら、「小説を描きたい」という女性たちを広く募り、一冊へとまとめ上げました。アフガニスタンでは2021年夏にタリバンが政権を奪還し、女性への抑圧も急激に強くなりました。女生徒たちは教育の機会を奪われたまま、女性は全身を覆うブルカの着用を義務づけられ、単独での遠出を禁じられるという、21世紀とは思えない状況が続いています。そのような中で、本書の著者のうち数名は、身の安全のため国外への避難を余儀なくされています。 ここに集められた短篇は、死や暴力、激しい女性憎悪や差別と隣り合わせの重い日常を描いたものも少なくありません。また日本に暮らす私たちとは価値観も異なり、簡単には理解出来ないこともあります。 それでも、想像を絶する過酷な毎日を強いられる彼女たちが紡ぎ出す言葉には、誰もが激しく胸を揺さぶられるのではないでしょうか。時には本を閉じたくなることもあるかもしれません。それでも、自分たちの日常とかけ離れた世界が描かれているからこそ、一人でも多くに読んでほしい、知ってほしい一冊です。
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日常と不在を見つめて ドキュメンタリー映画作家 佐藤真の哲学|佐藤真
¥3,850
里山社 2016年 ソフトカバー 368ページ 四六判 - 内容紹介 - 00年代、震災前。〔見えない世界〕を映そうとした映画作家の格闘の記録。 「その闇は、どこか遠くではなく、私の・この・日常の・ただ中に あることだけは、たしかなことである」 ー佐藤真(本書より) 『阿賀に生きる』『まひるのほし』『SELF AND OHTHERS』『花子』『エドワード・サイード OUT OF PLACE』などの映画作品や著作の多くで、《日常》と《不在》 にこだわり、90~00年代に潜む闇をじっくりとあぶり出したドキュメンタリー映像作家、佐藤真。公害問題と日常、障害とは、アートとは何か、グローバリゼーションに抗うこと、そして映像のもつ根源的な力とはー。不穏な時代のうねりを前に、佐藤は「世の中を批判的に見る目を持て」と映像と文章で私たちの眠った感覚を刺激しました。佐藤が世を去って9年。映像作家であり、90年代後半の類稀な思想家とも言うべきその哲学を掘り下げ、今を「批判的に」見つめ、未来への足場を探ります。 【寄稿・インタビュー】(50音順) 赤坂憲雄、阿部マーク・ノーネス、飯沢耕太郎、石田優子、大倉宏、奥谷洋一郎、香取直孝、小林三四郎、小林茂、笹岡啓子、 佐藤丹路、佐藤澪、佐藤萌、椹木野衣、諏訪敦彦、想田和弘、 萩野亮、秦岳志、旗野秀人、林海象、原一男、平田オリザ、松江哲明、 港千尋、村川拓也、森達也、森まゆみ、八角聡仁、山上徹二郎、 山本草介、ジャン・ユンカーマン、四方田犬彦 【目次】 第1章 阿賀と日常 第2章 生活を撮る 第3章 芸術 第4章 写真と東京 第5章 不在とサイード 第6章 ドキュメンタリー考 第7章 佐藤真の不在 ⚫︎グラビア 佐藤真1990’sトウキョウ・スケッチ ※佐藤真の東京スナップがミニ写真集として蘇る! 構成・解説:飯沢耕太郎 ⚫︎佐藤真と盟友・小林茂の往復書簡 ※佐藤真の手紙を初収録 ⚫︎ドキュメンタリーをめぐる思考を制作の流れに沿ってまとめた手書きの映画美学校授業配布プリント(カバーに使用) 他 - 著者プロフィール - 佐藤 真 (サトウ マコト) (著/文) 1957年青森県生まれ。東京大学文学部哲学科卒業。大学在学中より水俣病被害者の支援活動に関わる。1981年『無辜なる海』(香取直孝監督)に助監督として参加。1989年から新潟県阿賀野川流域の民家に住みこみながら撮影を始め、1992年『阿賀に生きる』を完成。ニヨン国際ドキュメンタリー映画祭銀賞など、国内外で高い評価を受ける。以降『まひるのほし』(98)『SELF AND OTHERS』(01)『花子』(01)『エドワード・サイード OUT OF PLACE』(05)など映画監督として数々の作品を発表。他に映画やテレビ作品の編集・構成の他、映画論の執筆など多方面に活躍。著書に『日常という名の鏡ードキュメンタリー映画の界隈』『ドキュメンタリー映画の地平ー世界を批判的に受けとめるために』『映画のはじまるところ』『まどろみのロンドンー映画作家の妄想スケッチ』(以上凱風社)『ドキュメンタリーの修辞学』(みすず書房)。京都造形芸術大学教授、映画美学校主任講師として後進の指導にも尽力。2007年9月4日逝去。享年49。
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佐藤真の不在との対話|小森 はるか、小林 茂、旗野 秀人、赤坂 憲雄、永野 三智、山根 貞男、細馬 宏通、神谷 丹路、保坂 和志、諏訪 敦彦、北小路 隆志、八角 聡仁、石田 優子 里山社 (編集)
¥1,650
里山社 2021年 ソフトカバー 160ページ A5判 縦188mm 横127mm 厚さ10mm - 内容紹介 - 『阿賀に生きる』『SELF AND OTHERS』『まひるのほし』『花子』など、優れたドキュメンタリー映画を生み出し、07 年に急逝した映画作家、佐藤真。それまで事件や社会課題を糾弾するのが命題だったドキュメンタリーというジャンルにおいて、「見えない世界」を撮り、問題の本質を炙り出すという方法論は、普遍性をもち、多くの示唆に富んでいた。東日本大震災以後、混迷を極め、脊髄反射とも言うべき言説も飛び交う日本社会で、今もなお深い思考を促す佐藤の映画と言葉のもつ意味を探ろうとする人びとによる対話集。 「本当に特殊なのはそれを見ている自分なんだっていうことに気づかせる映画はなきゃいけないと思う。ドキュメンタリーというジャンルのなかで、日本でそういうことに触れようとしていたのは佐藤さんだけだった」(諏訪敦彦) 目次 小森はるか(映画監督)佐藤真監督の葛藤に救われた 小林茂(映画監督)わからないから撮る 山根貞男(映画評論家)映画哲学者、佐藤真 赤坂憲雄(民族学者)×旗野秀人(「阿賀に生きる」発起人、「冥土のみやげ企画」主催)×小森はるか「福島に生きる」は可能か 旗野秀人×永野三智(水俣病センター相思社) 水俣病発生から「遅れてきた若者」だからできること 神谷丹路(日韓史研究者、佐藤真・妻)プライベートな世界を撮ることに向かった時期 細馬宏通(人間行動学者)意味よりも過程を見ていたい 保坂和志(小説家)見つめられないものこそ日常 諏訪敦彦(映画監督)世界は見渡すことができない 石田優子(映画監督)彷徨いつづけることを認める 師としての佐藤真
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無垢の歌 大江健三郎と子供たちの物語|野崎 歓
¥2,200
生きのびるブックス 2022年 ハードカバー 232ページ 四六判 縦194mm 横137mm 厚さ20mm - 内容紹介 - 大江健三郎の描く子供たちはなぜ、ひときわ鮮烈な印象を残すのか。 〈無垢〉への比類なき想像力にせまる、まったく新しい大江論にして、最良の“入門書”。 これから大江文学と出会う世代へ。読まず嫌いのまま大人になった人へ。 大江文学の意外な面白さに触れる一冊。 「子供たちに重要な役割を演じさせる大江作品は、子供時代と強いきずなで結ばれ、子供とつながる想像力に支えられている。(略) 若くしてのデビューから、老齢に至るまで、一貫して『チャイルドライク』であり続け、子供の無垢への追憶と志向を保ち続けたところに、大江文学の素晴らしさを見出したいのである。(本文より)」 目次 ◆第一章 チャイルドライクな文学のために 「文学国語」と「論理国語」 大江健三郎を教科書に? 子供っぽさの魅力 チャイルドライクな文学 ◆第二章 学生作家の栄光と不安 憧れの仏文 翻訳から創作へ くそまじめな精神を打破せよ さらば、象牙色のジャガー ◆第三章 赤んぼうの敵 本当の主人公生殺与奪の権 三島由紀夫は批判する にび色の瞳をしたきみ ◆第四章 一九六九年のパーコーメン ホメーロスのごとくに 切除と不在 頭部への打撃 共感の源泉 ◆第五章 鳥は歌い、鯨は叫ぶ ギミー・シェルター 「善きもの」と「魂」 樹木は鯨となる 精霊としての幼児 ◆第六章 逆転また逆転 子供たちの行進 空飛ぶ円盤と立体スクリーン オノマトペの嵐 走れ、われわれの子供ら ◆第七章 反時代的ゲーム 村の消滅にあらがって 困惑させる細部について 記紀神話の世界へ 再生する神話 ◆第八章 神隠し願望 不屈の抵抗かくれんぼの誘惑 「神隠しに遭いやすき気質」 少年は境界を超える ◆第九章 男たちよ! 長篇から短篇へ 同級生交歓 壊れていく男たち パパの帰還 ◆第一〇章 「ただいま」と「お帰り」 敷居をまたぐとき 出たり入ったりする運動 「死んだ人間もまた帰ってくる」 帰還する子供 ◆第一一章 上品な人間 人物再登場 非=性的人間? 非=生産的人間? 人間の真っ当さ ◆第一二章 未来の子供 イーヨーとお祖母ちゃん 個人神話を造り直す 時間差と悲しみ オープンエンディング 文学は再来する エピローグ――年老いたヒカリとともに ◆あとがき 版元から一言 ・学術的な大江論が多いなか、かつてなく読みやすく中高生から大人まで楽しめます。 ・講談社エッセイ賞受賞者による、ドライブ感あふれる文体が魅力。 ・戦争や感染症、環境汚染…。大江の作品世界がリアルに感じられる今、私たちが足もとを見つめ直す機会を提供します。 - 著者プロフィール - 野崎 歓 (ノザキ カン) (著/文) 1959年新潟県生まれ。フランス文学者、翻訳家、エッセイスト。放送大学教養学部教授、東京大学名誉教授。2001年に『ジャン・ルノワール――越境する映画』(青土社)でサントリー学芸賞、2006年に『赤ちゃん教育』(講談社文庫)で講談社エッセイ賞、2011年に『異邦の香り――ネルヴァル「東方紀行」論』(講談社文芸文庫)で読売文学賞、2019年に『水の匂いがするようだ――井伏鱒二のほうへ』(集英社)で角川財団学芸賞受賞、2021年に小西国際交流財団日仏翻訳文学賞特別賞受賞。プレヴォ、スタンダール、バルザック、サン=テグジュペリ、ヴィアン、ネミロフスキー、トゥーサン、ウエルベックなどフランス小説の翻訳多数。著書に『こどもたちは知っている――永遠の少年少女のための文学案内』(春秋社)、『フランス文学と愛』(講談社現代新書)、『翻訳教育』(河出書房新社)、『アンドレ・バザン――映画を信じた男』(春風社)、『夢の共有――文学と翻訳と映画のはざまで』(岩波書店)ほか。
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イン・クィア・タイム アジアン・クィア作家短編集|イン イーシェン(編), リベイ リンサンガン カントー(編), 村上 さつき(訳)
¥2,420
ころから 2022年 ソフトカバー 364ページ 四六変型判 縦188mm 横120mm 厚さ22mm - 内容紹介 - 「クィアの時代(In Queer Time)」に香港から届いたアジアンLGBTQI+作家による「クィア小説」17編を「いきする本だな」シリーズ初のフィクション集成として刊行! フィリピン、マレーシア、バングラデシュ、台湾、パキスタン、インドネシアなどにルーツをもつ作家たちの競演に酔いしれる一冊です。 目次 はじめに イン・イーシェン ラベルの名前 アルハム・ベイジ(パキスタン) あのこ ラカン・ウマリ(フィリピン) バナナに関する劇的な話 ディノ・マホーニー(香港) ハートオブサマー ダントン・レモト(フィリピン) よぅアダム アンドリス・ウィサタ(インドネシア) 呪詛 オヴィディア・ユー(シンガポール) シャドーガール ジェマ・ダス(マレーシア) 生理現象 アッシュ・リム(シンガポール) 重ね着 アーサー・ルイス・トンプソン(香港) 砂時計 アビエル・Y・ホック(バングラデシュ) リサルストリートの青年たちへ イアン・ロサレス・カソコ(フィリピン) お茶休憩 スー・ユーチェン(台湾) 上陸さん ジョアナ・リン・B・クルーズ(フィリピン) 蚵仔煎(オアチェン) リディア・クワ(シンガポール/カナダ) サンクチュアリ ネロ・オリッタ・フルーガー(フィリピン) スノードームの製図技師 デスモンド・コン・ゼチェン–ミンジ(シンガポール) 命には命 アーリー・ソル・A・ガドン(フィリピン) 編者による解題 リベイ・リンサンガン・カントー クィアの時代にー「訳者あとがき」にかえて 村上さつき 前書きなど このアンソロジーには、異なる文化や背景を持つ作家たちの、七色の想いが詰まっています。だからきっと思い出してください。我々を隔てる障壁は無数にあるけれども、それでも私たちは一つなのです。 そして読者のうちで、カムアウトできる環境でなく、政府や社会から抑圧されたり、受け入れてもらえずに苦しいと感じている多くの人々へ。ぜひ、この本に慰めと安らぎを見出していただき、少なくともあなたは一 人ではないと思い出してほしいと思います。ここは 安全な空間――サンクチュアリです。 我が家だと思って。さあ靴を脱いで、くつろいで。(編者はじめに) 版元から一言 抱腹絶倒の小説『ババヤガの夜』の作者、王谷晶さん推薦!! 「ここに居るんだ」と言わなければ、居ないことにされてしまう人々がいる。 「こんなことがあったんだ」と伝えなければ、無かったことにされてしまう日常がある。 「これがわたしたちの普通なんだ」と叫ばなければ、ほかの普通に飲み込まれ消されてしまう人生がある。 この物語たちから溢れる声に、今はただ耳を傾けてほしい。 王谷晶(作家) - 著者プロフィール - イン・イーシェン(Ng Yi-Sheng) シンガポール出身の作家、劇作家、且つ LGBT 活動家。彼は現在、南洋理工大学でクリエイティブ・ライティングの博士課程に在籍中。著書に、詩集『last boy』(シンガポール文学賞受賞)、『Loud Poems for a Very Obliging Audience』、『A Book of Hims』、ベストセラーとなったノンフィクション『SQ21: Singapore Queers in the 21st Century』、推理小説集『Lion City』など。元Indig Nation(シンガポールのLGBTプライド団体)会長にして、GASPP( シンガポールゲイ文学、詩・散文詩アンソロジー)、Eastern HeathensやHeatなどの国内および地域アンソロジーの共同編集者。 ツイッター・インスタグラムは @yishkabob リベイ・リンサンガン・カントー(libay linsangan cantor) マニラを拠点とするバイリンガル作家。フィリピン語の短編小説でドン・カルロス・パランカ文学賞を2度受賞している。フィリピン大学で映画学の学士号とクリエイティブ・ライティングの修士号を取得。短編小説、エッセイ、詩が、アジア、オーストラリア、北米で作品集にとして出版、アンソロジー化もされている。また、長年にわたり文化ジャーナリストとして活躍し、アドボカシー映画作家、子ども向け教育番組の脚本家・監督、新聞のセクション編集者・コラムニストとしてメディア活動も行っている。ツイッター・インスタグラムは @leaflens 村上さつき(むらかみ・さつき) 北海道在住。英日翻訳家兼イラストレーター。文芸作品や映画の分析・考察を中心とした文学プロジェクト「みんなの Bento」に所属。本書は初の翻訳書。
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エルメスのえほん おさんぽステッチ|100%ORANGE
¥2,640
講談社 2022年 ハードカバー 32ページ A4変型判 - 内容紹介 - 首輪を作ってくださいと犬がやってきました。りすはかばんを、カンガルーはポケットを。ものづくりの精神が描かれるエルメスの絵本。 - 著者プロフィール - 100%ORANGE (ヒャクパーセントオレンジ) (著/文) 及川賢治と竹内繭子の2人組で、イラストレーション、絵本、漫画、アニメーションなどを制作している。東京都在住。
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送別の餃子 中国・都市と農村肖像画|井口淳子
¥1,980
灯光舎 2021年 ソフトカバー 224ページ A5変型判 縦148mm 横195mm 厚さ15mm - 内容紹介 - 中国の北方では、人々は別れの時に、手作りの水餃子を囲んでその別れを惜しむという。 自身の研究分野を「民族音楽学」に決めた著者が選んだ調査地は中国の農村。1988年、文化大革命後に「改革開放」へと舵をきった中国で、右も左もわからぬまま「研究」への情熱と未知なる大地へのあこがれだけで、彼女のフィールド調査がはじまった。 中国の都市や農村での調査をきっかけにさまざまな出会いがあった。「怖いものはない」という皮肉屋の作家、強烈な個性で周囲の人々を魅了し野望を果たす劇団座長、黄土高原につかの間の悦楽をもたらす盲目の芸人たち……「親切な人」とか「ずる賢い人」といった一言では表現できない、あまりにも人間臭い人々がここにはいる。それぞれの物語で描かれている風土と生命力あふれる登場人物に心うごかされ、人の心のありようについて考えてみたくなる。 1988年以降の中国という大きな舞台を駆け巡った数十年間には無数の出会いと別れがあった。その中から生まれた14の物語をつづったエッセイを、40以上のイラストとともにお届けします。 イラスト:佐々木 優(イラストレーター) 目次 はじめに 序 まだはじまっていないころのお話 Ⅰ 河北省編 第一章 老師的恋 第二章 北京の女人 第三章 ゆりかごの村 第四章 占いか、はたまた芸人か Ⅱ 黄土高原編 第五章 雨乞いの夏 第六章 村の女たち、男たち 第七章 黄河治水局のおじさん 第八章 尿盆(ニァオペン) 第九章 人生も戯のごとく Ⅲ 番外編 第一〇章 頑固じいさんと影絵芝居 第一一章 かくも長き一八年 第一二章 パリの台湾人 第一三章 想家(シァンジァー) 第一四章 人を信じよ! あとがき 参考文献 前書きなど 「はじめに」により 一部要約し掲載 日本では「やさしい」ということばが好まれる。「やさしい人に育ってほしい」、「心やさしい」などと頻繁に使うことばだが、中国語にはこの「やさしい」にあたる単語がない。近いことばとして「親切」、「温和」、「老実」などがあげられるが、いずれも親切、おだやか、誠実といった意味で、やさしい、にぴったり一致しない。 なぜだろうか。 中国ではやさしさという曖昧なものを必要としないからだと思われる。 きびしい気候風土と生存競争のなかで、生きるか死ぬかという局面にさらされてきた人びとにとって、他人にやさしさを求めたり、自分が他者にやさしくしたりする必要はないのだ。ところが、わたし自身、何度も中国で人の温情に触れ、助けられてきた。もし、中国のどこかで本当に困り果てていたなら、すぐに周囲の人が身振り手振りで助けてくれると断言できる。外国人だからといって無視したり、困っているのを放っておいたりすることは絶対ありえない。その理由は一言でいうなら相手が自分と同じ「人」だからだ。同じ国、同じ町の住人という以前に同じ「人」であるという大きな前提がある。その構えの大きさ、おおらかさゆえにわたしのような体力も語学力もない者がこれまで中国に通うことができたのだと思う。 さて、この本のテーマは「中国」ではなく、あくまで「人」である。それもよくありがちな「中国人とは〇〇な人びとである」と一くくりにする中国人論ではなく、わたし自身が中国で出会ったあまたの人びとのなかで、今なお記憶のなかでひときわ光を放ちつづける個々人についての本である。 思い返せば民族音楽学を学ぶ大学院生であった1987年以来、30年以上ものあいだ中国に通い農村や北京、上海などの大都市で短期、長期の滞在をくり返してきた。それらは一過性の旅ではなく、研究のためのフィールドワーク(現地調査)であった。旅とフィールドワーク、どちらにも現地の人との出会いがある。旅の出会いではお互いが相手を気に入らなければ付き合わなくてもよい。しかしフィールドワークでは長期間、かつくり返し訪問するなど交流が長くつづき、またお互いに気に入らない、ギクシャクすると感じても、関係は一定期間つづくことになる。この、相手にとってなかば強制的な関係からして、フィールドワークは対等な関係ではなく、調査する側とされる側の力関係は植民地主義的だと批判されつづけてきた。勝手にやってきて一方的に調査し、一方的に書いて発表する、その行為への批判をフィールドワークは背負っている。 もうひとつ、旅でもフィールドワークでもない出会いとして、ビジネスがある。10万人ともいわれる日本人中国駐在者も現地の人びとと長期にわたり密に接することになる。この場合、ビジネス・パートナーとして目の前にあらわれる相手はある特定の業種や資格をもつ人に限定され利害関係の枠組みをはずすことはできないであろう。 こう考えると、フィールドワークとはなんと牧歌的で無限の可能性を秘めた出会いの場なのかと思う。フィールドワークという通行証をもってすれば、その地について何も知らない赤ん坊のような状態から根気強くありとあらゆることを現地で教えてもらうことも不可能ではない。うまくいけば異文化研究の最強の方法だが、よき時、よき人、よき村やコミュニティにめぐり合うという幸運に恵まれれば、という条件がつく。 さて、フィールドワークで出会った人びとの記憶、それはわたしの場合、30年を経て、薄れるどころか、ますます鮮烈に思い起こされるようになってきた。この10年ほどを上海、それも租界時代というアヘン戦争以来100年間、英仏など西欧列強が支配した時期の資料調査に費やしたことも、かつての農村体験をあらためて見直すきっかけになった。それほどまでにくり返し思い起こされる体験なのにこれまで「人」をテーマに書き、公開したことはほとんどなかった。 なぜ書かなかったのだろうか。その最大の理由としてフィールドワークは手段であり、目的ではない、という答えがある。フィールドワークをおこなう前提となるのが、研究者と現地協力者との信頼関係(ラポール)である。このラポールの構築についてはいわば個々の研究者の「秘技」とされており、文化人類学の「民族誌(エスノグラフィ)」や論文といった成果のなかで記述されることは少ない。フィールドノート(調査地での記録ノート)においても記録対象からはずされるのが、現地の人びととの生々しい関係についてである。書き記すにはあまりに微妙で、感情が絡む事象であるがゆえに無意識、あるいは意識的に記録からはずしてしまうのだ。 われわれがこの種の秘技の片鱗に触れたいと思うなら、フィールドワーカーの「回顧録」や、民族誌の「あとがき」のなかなどで読むことができるかもしれない。一般的には個々の研究者がどのように人びとと関係し、手痛い失敗を重ねながら、徐々に親密な関係になっていくのかということは、知りたいと思ってもなかなか知りえない聖域のように思う。 また、調査実施から一定の時間を置かないと書くことができない、という問題もある。わたしも今になって、1980代、90年代のまだ十分に社会主義的であった中国農村での体験を客観的にとらえ直すことができるようになったと感じている。渦中においては「なぜそのようなことが?」とわけがわからなかったことが今となってはストンと理解できることも多い。 本書では、これまで学術論文や研究書で書くことのなかった、忘れがたい人びととの記憶の一コマ一コマを文章でよみがえらせようとした。だからといって甘い感傷にひたるようなものではなく、失敗だらけの苦い体験のなかにぽっかりと薄日がさすような、そんな記憶だ。 中国で出会った人びとについて書きたいという衝動はじつのところ今から17年前のドイツ滞在時、半年間の研究休暇中にわたしのなかで膨らみはじめていた。 […]滞在の時間を重ねるにつれ、あることにはた、と気がついた。それは、「ヨーロッパではこの先、どのように滞在年数を重ねたとしても、中国で経験した、人びととの濃密で心揺さぶられるような交流を体験することはないだろう」ということだった。ことばの問題とか、文化的距離とかそういったハードルはあるとしてもそれだけが要因ではない。中国の村々や街で目にした混沌と矛盾、人びとのむき出しの感情、みずからの心の振幅、そういったすべての経験が、ドイツのように人と人が価値観を共有し、法を守り、すべてがきちんと整理された国に身を置くことで、あらためてかけがえのない体験だったと思えてきた。 中国農村での、あるときは身を震わせて怒り、またあるときは涙を滂沱と流した日々。わずか2日にもみたない出会いと別れであったにもかかわらず、今なおその声や表情までもがよみがえるひとりの男……。 それにしても、あらためて1980年代から今までを振り返ったとき、この30年あまりは中国未曾有の変化のときであったと感じる。たとえば、上海。1987年に最初の調査地に選んだのが、上海、蘇州の近郊農村だった。農村は言うに及ばず、上海のメインストリートである南京路でさえ、夜は街灯が数えるほどしかないため暗く、上海のシンボル的建築、和平飯店の前で撮影した写真にはグレーや紺の簡素な洋服を着た老若男女が写っている。1990年代までは日本のほうが先進国と思っていたが、2000年代に入ると上海はみるみるうちに未来都市へと変貌をとげ、あっさりと日本の大都市を追い抜いていった。 そういえば、かつては日本から中国に出かける場合、旅費や滞在費は言うまでもなく自己負担、向こうから人を招聘する場合は全額を日本側が負担するのが暗黙の了解だった。それが今では完全に逆転し、中国から高額の講演料が支払われたり、こちらが旅費込みで招待されたりする状況になっている。昔ながらの経済的優越感をもって中国に出かけるなら、かなりの落ち込みを体験する羽目になる。 農村の変化も都市にひけをとらない。ある村や街の様子を探るべくインターネットで情報を探すと、「これがあの街?」と目を疑うようなビルが林立する写真が出てくる。また通信アプリでどのような奥地の知人とも簡単に連絡をとることができる。かつては村から十数キロ先の郵便局まで出かけ電報を打っていたのに、固定電話という段階を経ずにいきなり電報から携帯電話に移行したのだ。自嘲的に「われわれの村は落後(どうしようもなく遅れている)だ」、と農村幹部が首を振りつつ嘆いていた農村は表面的には過去のものになった。 それでも、そう簡単に変わらないのが「人」なのだ。[…] 版元から一言 この書籍は、中国の食べ物や黄土高原の窰洞(ヤオトン)などの風土、そして研究の対象となった語り物芸能などの描写も見どころですが、特に描かれているものは、「人」そのものです。素朴で、何気ない物語のなかの人物たちは「○○な人」という言葉で表現できない人間臭い、癖のある、生命力に満ちた中国や台湾の人々。著者・井口さんと飾り気のない登場人物との交流からうまれる互いの喜怒哀楽が真っ正直に描かれています。 皮肉屋でも、どこか憎めない魅力をもつ楽亭県の作家、優雅な立ち振る舞いで回りを魅了し、うまくその人達を利用する劇団座長や、黄土高原に住むおだやかな盲目の音楽家などの姿を見ていると、人の心のありようについて考えてみたくなる気がします。 そして、今回はイラストレーター・佐々木優さんの40もの筆力ある線画がこの物語に彩りを与えてくれました。さまざまな風景や人物の表情などが豊かに描かれています。 あとがきには「読者が、中国を自分の眼で見てみようというきっかけになれば…」と記されています。物語の光景を頭に描きながら原稿を読んでいて、ふと我にかえると、違う国を訪れること、人々とふれあうことが「いまはそう簡単にできることじゃないな」と感じます。 国を越えるのにも、人々が互いに顔を突き合わせて話すことも、なかなか難しい状況がずっと続いています。物語の中で描かれた何気ない人と人の会話に、改めて「いま」を思いました。井口さんの体験と想いのつまった出会いと別れの14章はみなさんの心に何を残すのでしょうか。 もともとは「民族音楽学」の研究調査がきっかけで生まれた本ですが、決して専門的な書籍ではなく、エッセイであり人を描いた「文学」でもあると思います。多くの方々に手に取っていただければ幸いです。 - 著者プロフィール - 井口淳子 (イグチジュンコ) (著/文) 専門は音楽学、民族音楽学。大阪音楽大学音楽学部教授。大阪大学大学院文学研究科博士課程単位取得、文学博士。主な研究テーマは中国の音楽・芸能、近代アジアの洋楽受容。 主な著書に『亡命者たちの上海楽壇 ― 租界の音楽とバレエ』2019年、音楽之友社。『中国北方農村の口承文化―語り物の書・テキスト・パフォーマンス』1999年、風響社など。
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ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい|大前 粟生
¥979
河出書房新社 2022年 河出文庫 ソフトカバー 200ページ 文庫判 縦153mm 横106mm 厚さ11mm - 内容紹介 - 映画化&英訳決定! 恋愛を楽しめないの、僕だけ? 大学生の七森は“男らしさ”“女らしさ”のノリが苦手。こわがらせず、侵害せず、誰かと繋がりたいのに。共感200%、やさしさの意味を問い直す物語 - 著者プロフィール - 大前 粟生 (オオマエ アオ) (著/文) 1992年兵庫県生まれ。著書に『回転草』『私と鰐と妹の部屋』『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』『おもろい以外いらんねん』『きみだからさびしい』『死んでいる私と、私みたいな人たちの声』等がある。
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まぬけなこよみ|津村記久子(著/文)
¥979
朝日新聞出版 2023年 朝日文庫 ソフトカバー 296ページ 文庫判 - 内容紹介 - 初詣の帰り道、正月の終わりを感じて絶望し、バンドTシャツを着て「これで自分になった」と思う。季節の言葉や風物詩にまつわる気持ちと思い出をほのぼのとつづる、まぬけな脱力系エッセイ集。クスリと笑いながらも季節の行事が待ち遠しくなる一冊!
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島とクジラと女をめぐる断片|アントニオ・タブッキ, 須賀 敦子(翻訳)
¥814
SOLD OUT
河出書房新社 2018年 河出文庫 ソフトカバー 168ページ 文庫判 縦150mm 横108mm 厚さ10mm - 内容紹介 - 居酒屋の歌手がある美女の記憶を語る「ピム港の女」のほか、クジラと捕鯨手の関係など様々な断片が響きあう散文集。解説=堀江敏幸 - 著者プロフィール - アントニオ・タブッキ (タブッキ,アントニオ) (著/文) 1943年イタリア生まれ。現代イタリアを代表する作家。主な作品に『インド夜想曲』『遠い水平線』『レクイエム』『逆さまゲーム』(以上、白水社)、『時は老いをいそぐ』(河出書房新社)など。2012年没。 須賀 敦子 (スガ アツコ) (翻訳) 1929年兵庫県生まれ。著書に『ミラノ 霧の風景』『コルシア書店の仲間たち』『ヴェネツィアの宿』『トリエステの坂道』『ユルスナールの靴』『須賀敦子全集(全8巻・別巻1)』など。1998年没。
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塩を食う女たち 聞書・北米の黒人女性|藤本 和子
¥1,078
SOLD OUT
岩波書店 2018年 ソフトカバー 270ページ 文庫判 - 内容紹介 - アフリカから連れてこられた黒人女性たちは、いかにして狂気に満ちたアメリカ社会を生き延びてきたのか。公民権運動が一段落した1980年代に、日本からアメリカに移り住んだ著者が、多くの普通の女性たちと語り合った中から紡ぎだした、女たちの歴史的体験、記憶、そして生きるための力。(解説=池澤夏樹) 目次 生きのびることの意味――はじめに 接続点 八百六十九のいのちのはじまり 死のかたわらに 塩食い共同体 ヴァージア 草の根から あとがき 解説……………池澤夏樹
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沖縄文化論 : 忘れられた日本|岡本 太郎
¥755
中央公論新社 1996年 中公文庫 ソフトカバー 261ページ 文庫判 - 内容紹介 - 苛酷な歴史の波に翻弄されながらも、現代のわれわれが見失った古代日本の息吹きを今日まで脈々と伝える沖縄の民俗。その根源に秘められた悲しく美しい島民の魂を、画家の眼と詩人の直感で見事に把えた、毎日出版文化賞受賞の名著。 目次 沖縄の肌ざわり 「何もないこと」の眩暈 八重山の悲歌 踊る島 神と木と石 ちゅらかさの伝統 結語 神々の島久高島 本土復帰にあたって
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哲学の先生と人生の話をしよう|國分功一郎
¥748
朝日新聞出版 2020年 朝日文庫 ソフトカバー 272ページ 文庫判 - 内容紹介 - ささやかな悩みから、深刻で重大な問題まで、 「哲学は人生論である」が持論の気鋭の哲学者・國分功一郎氏(東京大学教養学部准教授)が34の相談に全身全霊で答えます。 質問のいくつかは、たとえばこのようなものです。 ・自分に嘘をつくってどういうことなの ・母と母の夫になじめない ・先が見えず不安。自信を持つにはどうしたらいいの ・哲学の勉強をするにはどうしたらいいの ・抑え難い復讐心があるのだが…… 「書かれていることだけを読んでいてはダメである。人生相談においてはとりわけ、言われていないことこそが重要である。人は本当に大切なことを言わないのであり、それを探り当てなければならない」(本書あとがきより) 國分先生の本気度200%の回答をぜひご堪能ください! 【第一部】 愛、欲望、そして心の穴 ――失業の救済は知らないが個人の救済は勉強だ! 1. バブル世代の父親がドバイから仕送りを送ってこなくて困窮しています 2. 子持ちの彼女への愛は本物でしょうか 3. 勉強より、リア充のようなコミュ力を磨いた方がいいのでしょうか 4. 女性との接し方が分からず、ホモソーシャル的な空気に逃げてしまいます 5. 29歳ですが、まともに長続きした恋愛をしたことがありません 6. 婚外セックスに虚しさを感じ始めました 7. マスターベーションばかりしてしまうのですが、どうすれば良いですか 8. 義両親の態度が「ゴネ得」に感じられてしまいます 9. 断っても断っても誘ってくる相手に諦めてもらいたいです(手を汚さずに) 10. 仲良くしようとしてくる親が気持ち悪くて耐えられません 11. どうすれば前向きに語学を学ぶことができるようになるでしょうか 【第二部】 プライドと蔑みと結婚と ――ダダダダッ、ダッダダ 12. 哲学の勉強をするには、どこの大学に行くのがいいのでしょうか 13. 付き合っていた頃から、何かと夫に主導権を握られています 14. 彼女のために、高級ソープ通いをやめるべきでしょうか 15. 「自分に噓をつく」とは、どういうことなのでしょうか 16. 年下の人と仲良くなるにはどうすれば良いでしょうか 17. 会社の先輩から、行きたくない飲みに誘われます 18. タメ口の仕事相手がどうしても許せません 19. 知人が、高校を中退して美容師になると言っているのですが…… 20. 交際相手が自分の言葉で話してくれません 21. 一対一の恋愛関係がクソゲーに思えて仕方ありませ 22. ぼくと家族が生き抜くためには何が必要でしょうか 23. 彼氏の仕事を応援することができません 【第三部】 仕事も情熱も相談も ――反革命の思想こそがやさしさを…… 24. 理想や情熱を持って働きたいというのは贅沢なのでしょうか 25. 問題のある先輩に、どのように対処すれば良いでしょうか 26. 色々な情熱が薄れ、気力が萎えて困っています 27. 母親と、母親の夫との距離感がつかめません 28. 相談というのは、どうやってすれば良いのでしょうか 29. 悲観的な夫に腹が立ってしまいます 30. 勝手に悪人のレッテルを貼られて困っています 31. 先が見えず不安です。自信を持つにはどうしたら良いでしょうか 32. 男前が好きな自分を認めても良いでしょうか 33. 抑え難い復讐心があります 34. 好きな女性が進路に悩んでいます あとがき 哲学は人生論でなければならない 《解説・千葉雅也》
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日本発酵紀行|小倉ヒラク
¥748
KADOKAWA 2022年 角川文庫 ソフトカバー 240ページ 文庫判 - 内容紹介 - 元バックパッカーの小倉ヒラクが2018年夏から8カ月かけて全国の発酵の現場を訪ね歩いた旅行記。本書『日本発酵紀行』はD&DEPARTMENTが手がけるd47 MUSEUMの企画展「Fermentation Tourism Nipponー 発酵から再発見する日本の旅ー」の公式書籍として誕生しました。発酵を通して日本の文化の深層に出会い、今を見つめなおす旅の記録。醤油、味噌、酒といった日本のソウルフードだけでなく、お菓子、漬物、激レア激ウマ発酵食品までを隅々まで歩き出会い食べつくす! 目次 1章 味覚の記憶/東海の旅 2章 現代空間のエアポケット/近畿の旅 3章 魚と酢の通り道/瀬戸内の旅, 4章 微生物の誘う声 離島へ 5章 旅の身体感覚 北へ 6章 ご当地スタンダードの発酵おやつ/関東の旅 7章 発酵から見た経済史/日本の近代化を見直す旅 8章 辺境を生きる知恵/九州の旅 9章 記憶の箱舟 文庫版特別収録 文庫版あとがき - 著者プロフィール - 小倉 ヒラク (オグラ ヒラク) (著/文) 1983年、東京都生まれ、発酵デザイナー。全国の醸造家たちと商品開発やワークショップ、イベント、講演会などを開催。東京農業大学で研究生として発酵学を学び、山梨県に発酵ラボを作り、日々菌を育てている。絵本&アニメ『てまえみそのうた』でグッドデザイン賞2014受賞。大学で発酵学の講師を務めるほか、海外でも活動。2019年渋谷ヒカリエで発酵ツーリズム展を開催。20年4月には下北沢に『発酵デパートメント』ショップをオープン。主な著書に『発酵文化人類学』(角川文庫)、『発酵する日本』(青山ブックセンター)。