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ヘルシンキ 生活の練習 | 朴 沙羅
¥990
筑摩書房 2024年 ちくま文庫 ソフトカバー 320ページ 文庫判 - 内容紹介 - フィンランドの子育てに、目からうろこ。 「母親は人間でいられるし、人間であるべきです」 二人の子どもと海を渡った社会学者による現地レポート。 「考え方が変わる」と大反響。待望の文庫化! 【内容紹介】 「これらのスキルはすべて、一歳から死ぬまで練習できることですよ」二人の子どもを連れ、新しい土地で生活を始めた社会学者の著者は、日本とのちがいに驚かされつつ、出会ったひとたちからたくさんのことを教わっていく。「フィンランドは理想郷でもないし、とんでもなくひどいところでもない」たんたんと、関西弁のユーモアを交えて描かれる、北欧のレポート。 「フィンランド(に限らず、北欧)は理想郷のように描かれるときがある。かと思うと、そんなことはないのだ、これがフィンランド(と北欧)の真実だ、と悪い情報を流す言説を見ることもある。 でもたぶん、それはどちらも正確ではない。フィンランドは理想郷でもないし、とんでもなくひどいところでもない。単に違うだけだ。その違いに驚くたびに、私は、自分たちが抱いている思い込みに気がつく。それに気がつくのが、今のところは楽しい。」 (「4 技術の問題――保育園での教育・その2」より) 解説 坂上香 装丁・装画 寄藤文平+垣内晴(文平銀座) - 目次 - はじめに 1 未知の旅へ――ヘルシンキ到着 2 VIP待遇――非常事態宣言下の生活と保育園 コラム1 ヘルシンキ市の公共交通機関と子ども車両 3 畑の真ん中――保育園での教育・その1 4 技術の問題――保育園での教育・その2 5 母親をする――子育て支援と母性 コラム2 社会とクラブと習い事 6 「いい学校」――小学校の入学手続き 7 チャイコフスキーと博物館――日本とフィンランドの戦争認識 コラム3 マイナンバーと国家への信頼 8 ロシア人――移民・移住とフィンランド コラム4 小学校入学 おわりに 注 文庫版あとがき 解説 坂上香 - 著者プロフィール - 朴 沙羅 (パク サラ) (本文) 1984年生まれ。専門は社会学、移民研究。ヘルシンキ大学文学部文化学科講師。単著に『家(チベ)の歴史を書く』(筑摩書房)、『外国人をつくりだす――戦後日本における「密航」と入国管理制度の運用』(ナカニシヤ出版)、『記憶を語る, 歴史を書く――オーラルヒストリーと社会調査』(有斐閣)、編著に『最強の社会調査入門』(ナカニシヤ出版)など。
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宇宙はくりまんじゅうで滅びるか? | 山本 弘
¥1,078
河出書房新社 2024年 河出文庫 ソフトカバー 312ページ 文庫判 - 内容紹介 - SFとオタクから人生は学べるか? 1つのくりまんじゅうが5分ごとに2倍に増えていったら、宇宙はどうなるか? 単行本あとがき等を集成した著者唯一のエッセイ集。山本弘さん追悼文庫化。
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味つけはせんでええんです | 土井 善晴
¥1,760
ミシマ社 2023年 ソフトカバー 208ページ B6変形判 縦168mm 横120mm 厚さ13mm - 内容紹介 - 「なにもしない」料理が、 地球と私とあなたを救う。 AIの発達、環境危機、経済至上主義… 基準なき時代をどう生きるか? 人間とは、自由とは、幸せとは。 「料理」を入り口に考察した壮大な著! 土井節炸裂、一生ものの雑文集。 『ちゃぶ台』の名物連載、ついに書籍化。 レシピとは人の物語から生まれたお料理のメモ。他人のレシピは他人の人生から生まれたもの。でも本来、料理は自分の人生から生まれてくるものです。それがあなたの料理です。つたなくっても、自信がなくっても、私はいいと思います。「味つけせんでええ」というのは、それを大切にすることだと思っているのです。 一生懸命お料理すればそこにあなたがいるのです。お料理するあなたが、あなたを守ってくれるのです。――「まえがき」より - 目次 - 1 料理という人間らしさ 2 料理がひとを守ってくれる 3 偶然を味方にする――「地球と料理」考 4 味つけはせんでええんです 5 料理する動物 6 パンドラの箱を開けるな!
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小さきものたちの | 松村 圭一郎
¥1,980
ミシマ社 2023年 ソフトカバー 208ページ 四六変形判 縦178mm 横130mm 厚さ16mm - 内容紹介 - 私は日本のことを、 自分たちのことを何も知らなかった。(「おわりに」より) 水俣、天草、須恵村… 故郷・熊本の暮らしの記録を初めて解く。 現代の歪みの根源を映し出す、 今を生きる人たち必読の生活誌。 世界を動かしてきたのは、 いつも、小さき者たちだった。 はたらく、まじわる、くに… 消えかけていた声を拾い、 紡いだ、渾身の二一編。 気鋭の人類学者の新たな代表作 本書では、私が生まれ育った九州・熊本でふつうの人びとが経験してきた歴史を掘り下げようとした。とくに私が地元でありながらも目を背けてきた水俣に関するテキストを中心に読みこみ、自分がどんな土地で生を受けたのか、学ぼうとした。そこには日本という近代国家が民の暮らしに何をもたらしてきたのか、はっきりと刻まれていた。(「はじめに」より) - 目次 - Ⅰ 水俣1 一、はたらく 二、おそれる 三、いのち 四、まじわる 五、うつろう 六、かかわる 七、うえとした Ⅱ 水俣2 八、やまい 九、こえる 一〇、うつしだす 一一、ひきうける 一二、たちすくむ Ⅲ 水俣3 一三、ねがい 一四、たりない 一五、かお 一六、あいまみえる Ⅳ 天草 一七、こえ 一八、くに Ⅴ 須恵村 一九、いのる 二〇、おとことおんな 二一、みえないもの - 著者プロフィール - 松村圭一郎 (マツムラケイイチロウ) (著/文) 1975年熊本生まれ。岡山大学文学部准教授。専門は文化人類学。所有と分配、海外出稼ぎ、市場と国家の関係などについて研究。著書に『うしろめたさの人類学』(第七二回毎日出版文化賞特別賞)、『くらしのアナキズム』(以上、ミシマ社)、『はみだしの人類学』(NHK出版)、『これからの大学』(春秋社)など、共編著に『文化人類学の思考法』(世界思想社)、『働くことの人類学』(黒鳥社)。
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これが生活なのかしらん | 小原 晩
¥1,650
大和書房 2023年 ソフトカバー 184ページ 四六判 縦188mm 横130mm 厚さ13mm - 内容紹介 - ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ まさかこれが自分の生活なのか、とうたがいたくなるときがあります。 それは自分にはもったいないようなしあわせを感じて、という場合もあれば、 たえられないほどかなしくて、という場合もあるのですが、 それはもちろん自分の生活であるわけです。 その自分の生活というものを、つまりは現実を、 べつだん、大げさにも卑屈にもとらえず、そのまま受けいれたとき、 みえてくるのは「ほのおかしさ」ではなかろうかと思います。 ままならない生活にころがる「ほのおかしさ」を私はずっと信じています。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 自費出版作品としては異例の売れ行きを記録した 『ここで唐揚げ弁当を食べないでください』の小原晩、書き下ろし最新作! まぶしいほどまっすぐで、愛おしい。ままならない生活をめぐる38編のエッセイ。
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文化の脱走兵 | 奈倉 有里
¥1,760
講談社 2024年 ソフトカバー 224ページ 四六判 - 内容紹介 - 本を片手に、戦う勇気ではなく逃げる勇気を。 言葉を愛する仲間たちに贈る、待望のエッセイ集。 「国でいちばんの脱走兵」になった100年前のロシアの詩人、ゲーム内チャットで心通わせる戦火のなかの人々、悪い人間たちを化かす狸のような祖父母たち──あたたかい記憶と非暴力への希求を、文学がつないでゆく。 「もし本が好きになったら──私たちがその人たちを見つけて、めいっぱい大切にしよう。世界中のたくさんの本を翻訳して、朗読して、笑ったり泣いたりしよう。」(「クルミ世界の住人」より) 紫式部文学賞を受賞したロングセラー『夕暮れに夜明けの歌を』の著者による、最新エッセイ集。 【もくじ】 クルミ世界の住人 秋をかぞえる 渡り鳥のうた 動員 ほんとうはあのとき…… 猫にゆだねる 悲しみのゆくえ 土のなか 道を訊かれる つながっていく 雨をながめて 君の顔だけ思いだせない こうして夏が過ぎた 巣穴の会話 かわいいおばあちゃん 年の暮れ、冬のあけぼの 猫背の翼 あの町への切符 柏崎の狸になる あとがき 文化は脱走する 【装幀】 名久井直子 【装画】 さかたきよこ - 著者プロフィール - 奈倉 有里 (ナグラ ユリ) (著/文) 1982年、東京都生まれ。ロシア文学研究者、翻訳者。2008年、ロシア国立ゴーリキー文学大学を日本人として初めて卒業する。東京大学大学院修士課程を経て博士課程満期退学。博士(文学)。2022年、『夕暮れに夜明けの歌を 文学を探しにロシアに行く』(イースト・プレス)で第32回紫式部文学賞、『アレクサンドル・ブローク 詩学と生涯』(未知谷)などで第44回サントリー学芸賞(芸術・文学部門)受賞。主な訳書に、ミハイル・シーシキン『手紙』(新潮クレスト・ブックス)、サーシャ・フィリペンコ『理不尽ゲーム』『赤い十字』(集英社)、スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ『亜鉛の少年たち アフガン帰還兵の証言 増補版』(岩波書店)ほか多数。近著に『ロシア文学の教室』(文春新書)。
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テヘランのすてきな女 | 金井 真紀
¥1,980
晶文社 2024年 ソフトカバー 320ページ B6変形判 - 内容紹介 - 謎めいた国・イランで、女たちの人生を拾い集めた 女は髪を出してはいけない、肌を見せてはいけない。詩を愛するが、酒はない。謎めいたイスラム教国家に生きる女性たちに、文筆家・イラストレーターの金井真紀が会いに行く。公衆浴場、美容院、はては女子相撲部まで、男子禁制スポットにどかどか潜入! スカーフのかぶり方を監視する風紀警察、国と闘う弁護士、男のフリをしてサッカーをしていた人、移民の子どもに勉強を教える人、命がけの性的マイノリティetc...。ベストセラー『パリのすてきなおじさん』の著者が、テヘランに生きる女たちと、とことんおしゃべり。 世界はいつも想像の何倍も込み入っている。(本書より) きっとにんげんが好きになるインタビュー&スケッチ集。 - 目次 - はじめに Ⅰ たたかう女 ベリーショートの通訳 チャドルをやめた主婦 正義のために走り続ける弁護士 風紀警察と街で見かけた女たち 〈テヘラン散歩〉ハンマーム Ⅱ はたらく女 コンピュータエンジニア 細密画の絵師 タイル作家 物語を書く姉妹 美容整形会社勤務 百戦錬磨の看護師 〈テヘラン散歩〉美容院へ Ⅲ スポーツする女 お母さんの天国公園 ドラゴンボートの選手 女子サッカーU17代表監督で社会学者 かつて”ラシュトの鷹”と呼ばれた女子代表監督 イラン女子相撲の選手たち 〈テヘラン散歩〉ピクニック Ⅳ 居場所をさがす女たち 日本に留学したトランスジェンダーの大学生 「アデル、ブルーは熱い色」を見たレズビアンの大学生 反スカーフデモに参加したバイセクシャルの大学生 キリスト教会で会った人 ピクルスをつくるアフガニスタン移民 寺子屋の校長先生 〈テヘラン散歩〉ホームパーティー Ⅴ 見てきた女 トルコにしょっちゅう行く人 パラリンピック委員会の人 敬虔なイスラム教徒 〈テヘラン散歩〉空港 おわりに - 著者プロフィール - 金井真紀 (カナイマキ) (著/文) 1974 年、千葉県生まれ。文筆家・イラストレーター。著書に『パリのすてきなおじさん』(柏書房)、『世界はフムフムで満ちている』(ちくま文庫)、『聞き書き 世界のサッカー民 スタジアムに転がる愛と差別と移民のはなし 』(カンゼン)、『日本に住んでる世界のひと 達人観察図鑑』(大和書房)、『おばあちゃんは猫でテーブルを拭きながら言った 世界ことわざ紀行』(岩波書店)など多数。「多様性をおもしろがる」を任務とする。難民・移民フェス実行委員。
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労働系女子マンガ論! | トミヤマユキコ
¥2,200
タバブックス 2023年 ソフトカバー 224ページ 四六判 縦188mm 横128mm 厚さ15mm - 内容紹介 - 労働をめぐる女子の悩みの数だけ、応答を試みるマンガが存在するー タバブックスwebサイトで2013年から不定期連載していた「労働系女子マンガ論!」ついに、ついに書籍化!! 恋愛、結婚、出産、といった人生のイベントを迎えるたび、続けるか辞めるかの選択を迫られるのは、たいてい女子の側。労働環境はここ数十年で大きく変化し、どうするのがベストなのか判断がつかない… 「女子×労働」の視点で読む女子マンガに人生をサバイブするヒントがある!誰もが知っている王道作品から、知る人ぞ知る隠れ名作まで、気鋭の研究者トミヤマユキコの女子マンガ論、決定版です。 - 目次 - 序論「労働系女子マンガ」とはなんぞや? I 少女マンガ隆盛期 ― ヒロインは読者と同世代の若き労働者 自分の運命を切り拓く『ベルばら』の女たち 『ベルサイユのばら』 大正時代のラブコメが描く「この国で女が働くとはどういうことか」『はいからさんが通る』 「自立した女」のモデルのひとつは、バレエマンガにある 『アラベスク』 愛より恋より仕事をやれ 年代作品の強烈なメッセージ 『デザイナー』 女の為政者として「政治と権力」を変革する 歳 『王家の紋章』 労働ものとして魔法少女マンガを読んでみる 『美少女戦士セーラームーン』 Ⅱ「仕事と恋」の時代 ― 社会情勢を反映し働く読者の現実に接近 「近代化」を目指そうとした「働く女」の困難 『東京ラブストーリー』 みんなの視界に入りにくい仕事を描く意義 『動物のお医者さん』 フリーターもバリキャリも大変 就職氷河期がもたらしたリアル 『ハッピー・マニア』『働きマン』 「周縁」で働く女の自由と孤独 『ちひろ』『ちひろさん』 自分らしさに助けられたり苦しめられたりする労働 『リメイク』 恋愛要素なし、仕事人間を肯定する女子マンガの進化 『重版出来!』 Ⅲ 労働の多様化・細分化 ― 年齢、仕事観、社会問題等に着目 憧れからはほど遠い設定が生み出す深い味わい 『うどんの女』 主婦の労働と存在意義をめぐる重い問い 『ハウアーユー?』 リアルとファンタジーを行き来する大人の仕事と恋愛の物語 『娚の一生』 人生の全てを労働に捧げる 仕事に生きる女のロールモデル 『繕い裁つ人』 女の人生に必要なのは王子様じゃない、家だ 『椿荘101号室』 「仕事/趣味」「仕事/結婚」二者択一の不毛さを描く 『ZUCCA×ZUCA 』 自分の意思ではない境遇も受け入れ 働き生きる日々の愛おしさ 『海街 diary』 夢見た未来と現実の間に苦悩 続いていく労働系女子の人生 『愛すべき娘たち』 - 版元から一言 - タバブックス立ち上げ直後からはじまった web 連載、しばらくのお休みの期間を経て再 開、書籍にすることができました。「労働× 女性」というタバブックスが向き合うテー マの本書、10 周年の記念すべき 1 冊です。 - 著者プロフィール - トミヤマユキコ (トミヤマ ユキコ) (著/文) 1979年、秋田県生まれ。早稲田大学法学部卒業後、早稲田大学大学院文学研究科に進み、少女マンガにおける女性労働表象の研究で博士号取得。ライターとして 日本の文学、マンガ、フードカルチャーについて書く一方、東北芸術工科大学芸術 学部准教授として教鞭も執っている。2021年から手塚治虫文化賞選考委員。
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1日が長いと感じられる日が、時々でもあるといい | 小沼 理
¥1,980
タバブックス 2022年 ソフトカバー 272ページ 四六判 縦188mm 横128mm 厚さ18mm - 内容紹介 - 日記を書くことは、日本で生きているゲイ男性の1人としての「アクティヴィズム」でもあった‒‒ 新型コロナウイルス、東京オリンピック、元首相銃撃事件。著しい社会変化があった3度の夏、それでも生活は続いていく。迷い、怒り、喜び、苦しみ、考え、先へ向かう、注目のフリーランスライターによる3年間の日記。 - 目次 - 鍵をかけない部屋 消毒日記 2020年 隣人的 2021年 私はエラー 大丈夫 2022年 あとがき - 前書きなど - 鍵をかけない部屋 2年前に日記を書いた時は、新しい感染症に揺れる世の中を記録しようと思っていた。 1年前に日記を書いた時は、緊急事態下に国際的な祭典が強行された東京を書き留めておきたいと思っていた。 今年を迎えた時は、この2年に比べると大きなできごとは起こらないのではないかと思っていた。そうあってほしかったし、日記を書く理由も違ったものになるかもしれないと期待していた。だけど冬が終わる頃には新しい戦争がはじまって、夏には2年前まで首相を務めていた人物が。銃撃され亡くなった。他にも日夜追いきれないほどの事件が起きて、きちんと考える時間もないまま流されていく。いい方向に進んでいる実感が少しも持てない。どこへ向かうんだろう、そんな思いを抱えながら毎日は続く。 - 版元から一言 - 新型コロナウイルス、東京オリンピック、元首相銃撃事件。著しい社会変化があった3度の夏、それでも生活は続いていく。迷い、怒り、喜び、苦しみ、考え、先へ向かう、注目のフリーランスライターによる3年間の日記です。 著者は、その日の気分や政治への違和感、夕飯の献立を日記に同時に記します。そうすることで、「ある属性が都合よく漂白されるのを拒み、ある属性だけに還元されることから逃れようとしている」と語ります。セクシャルマイノリティである著者の日々の記録は、差別や偏見、社会構造や政治の歪みを、あらためて感じさせる内容です。 - 著者プロフィール - 小沼理 (オヌマオサム) (著/文) 1992年富山県生まれ、東京都在住のライター。人文系の著者インタビューなどを中心に行う。Webマガジン「アパートメント」管理人。
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『百年の孤独』を代わりに読む | 友田とん
¥1,298
早川書房 2024年 ハヤカワ文庫NF ソフトカバー 360ページ 文庫判 縦157mm 横106mm 厚さ17mm - 内容紹介 - ガルシア=マルケス『百年の孤独』を読者の代わりに読む「私」。ところがすぐに脱線し始めて……話題を呼んだ自主制作本を文庫化
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共感と距離感の練習 | 小沼 理
¥1,760
柏書房 2024年 ソフトカバー 208ページ 四六判 - 内容紹介 - 「わかるかも」が口癖のあなたへ。 【内容】 初めて物語の中に私に似た人を見つけた日のこと、東京とソウルで参加したプライドパレードのこと、日本の同性婚訴訟やパートナーシップ制度のこと、同じ時代を生きている/生きていたクィアのこと―― 誰かの痛みや怒りや悲しみが、まるで自分のことのように思えることがある。乳化した水と油のように混ざり合ってしまう。だけどあなたはあなたでしかなく、私は私でしかない。他者同士である私たちが、重なったりずれたりしながらともにあるための、「共感」と「距離感」。その可能性と難しさについて。 「わかる」なんて簡単に言えない、「わからない」とも言いたくない。ゲイとして、シスジェンダーの男性として、著者が日常の中で直面したエピソードを描きます。 “共感も距離感もうまく使いこなせない。だからこそこだわってしまうのだろう。なんとか組み合わせて、練習しながら上手になっていきたい。混ざり合った世界と分離した世界を同時に生きるように。言葉にならないものと言葉を重ねて一つにするように。” ――「はじめに」より 自分と他者、規範と逸脱、個人的なことと社会的なこと……様々なものごとのあわいにとどまり、揺れながら考えるエッセイ集。 目次 はじめに――わからないけどわかるよ 重なりと異なり 別の複数の色 善意 「男性的」 空気と柔軟体操 水の中 アップスパイラル シーンが救う もっと大きな傘を ありあまるほどの ここにいない誰か 無関心について 安全なファンタジー 未来がない気分 男性への愛(切り裂いて) プレイリスト いつかどこかで あるいは おわりに――無防備になる - 著者プロフィール - 小沼 理 (オヌマ オサム) (著/文) 1992年、富山県出身、東京都在住のライター・編集者。著書に『1日が長いと感じられる日が、時々でもあるといい』(タバブックス)。本書がはじめてのエッセイ集となる。
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味がある。 | マメイケダ
¥2,530
HeHe 2024年 ソフトカバー 112ページ B6変形 - 内容紹介 - 『おなかがへった』や『えきべんとふうけい』などの絵本、書籍や雑誌等の装画や挿絵などのイラストレーション、食品のパッケージイラスト等、 いま大注目のイラストレーター・画家、マメイケダがライフワークのように描き続けるごはん日記。 待望の増補改訂復刻版! ごはんを前にした時のよろこびと、食べることそのものの衝動をダイナミックに伝える筆致。 絵日記には、マメさんのちょっとした気づきや雑感が添えられ、お店のカードや商品ラベルが貼りこまれている時もあります。 さまざまな時間、場所、思い出とともに膨れ上がった日記帳をそのまま書籍に落とし込んだような装丁は、 日記という個人の日々の記録でありながら、それをみる私たちにとっては 気のおけない友人がすすめてくれるなによりのグルメ情報のようです。 親しみあふれる美味しいほほえみブック。 本文より 〈ロールケーキ〉 ロールケーキって、ほんとしみじみ「の」だなぁ。 コーヒーを淹れる時も「の」の字、 結んだ袋をほどきやすくする結び方も「の」の字に結ぶ。 「の」ってなんかすごい。急に好きだ。 - 著者プロフィール - マメイケダ (マメイケダ) (著/文 | イラスト) 1992年島根県出雲市生まれ。主に画業。2011年高校卒業後、株式会社大惣に就職、惣菜調理の仕事をする。 職場でPOP作りのため料理の絵を描き始める。2013年秋頃退職し、本格的に絵を描くため上阪。 働きながら、絵話塾(神戸)などに通う。2015年HBファイルコンペvol. 26 副田高行特別賞、vol. 27仲條正義大賞を受賞。 展覧会での作品発表をはじめ、書籍『まずはこれ食べて』(原田ひ香、双葉文庫)、『味なメニュー』(平松洋子、新潮文庫)、 『ウマし』(伊藤比呂美、中公文庫)の装画や、 雑誌「Hanako」「山と渓谷」「暮しの手帖」「dancyu」で挿絵、他に食品のパッケージイラストなどを手掛ける。 絵本に『おべんとう なにいれよう?』(ぺぱぷんたすBOOK)『おなかがへった』(WAVE出版)『えきべんとふうけい』(あかね書房)がある。 好きな食べ物は卵。神戸市在住。
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翔ぶ女たち | 小川 公代
¥1,760
講談社 2024年 ソフトカバー 224ページ 四六判 - 内容紹介 - 明治から昭和にかけて活躍した小説家・野上弥生子。 語学力や教養やケア実践を、彼女はその先駆的な仕事にどう活かしたのか。 「ケア」をテーマに研究を続けてきた英文学者の「私」が弥生子の人生に惹かれた理由とは。 文学、映画、アニメ、音楽……現代の表現者たちの言葉をつなげて語る斬新な評論。 ロングセラー『ケアの倫理とエンパワメント』『ケアする惑星』著者の最新作。 【目次】 1章 言葉の森を育てた女たち――松田青子と野上弥生子 2章『エブエブ』と文学のエンパワメント――辻村深月と野上弥生子 3章 魔女たちのエンパワメント――『テンペスト』から『水星の魔女』まで 4章 ザ・グレート・ウォー――女たちの語りに耳をすます - 著者プロフィール - 小川 公代 (オガワ キミヨ) (著/文) 1972年和歌山生まれ。上智大学外国語学部教授。ケンブリッジ大学政治社会学部卒業。グラスゴー大学博士課程修了(Ph.D.)。専門は、ロマン主義文学、および医学史。著書に、『ケアの倫理とエンパワメント』『ケアする惑星』(ともに講談社)、『世界文学をケアで読み解く』(朝日新聞出版)、『ゴシックと身体ーー想像力と解放の英文学』(松柏社)、『文学とアダプテーション――ヨーロッパの文化的変容』『文学とアダプテーション2――ヨーロッパの古典を読む』(ともに共編著、春風社)、『ジェイン・オースティン研究の今』(共著、彩流社)、訳書に『エアスイミング』(シャーロット・ジョーンズ著、幻戯書房)、『肥満男子の身体表象』(共訳、サンダー・L・ギルマン著、法政大学出版局)などがある。
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しぶとい十人の本屋 | 辻山 良雄
¥2,310
SOLD OUT
朝日出版 2024年 ソフトカバー 360ページ 四六判 - 内容紹介 - 「その人オリジナルの仕事をつくり上げている人たちですから、話には自然と思想や哲学のようなものが含まれます。だからわたしはこの本で、彼らの声を一本の糸のように縒り合わせるだけでよかった」 荻窪に新刊書店「Title」を開いて8年。ふと自分の仕事がわからなくなり、全国にいる仲間のもとを訪ねると、消費されず、健やかに生きるヒントが見えてきた――。 読み終えるころにはきっと元気がでる、少し偏屈、でも愛すべき本屋を訪ねる旅。 「いまは、都会も田舎もそうなんだけど、コミュニケーションを欲している人たちに溢れている。本屋はそういう人たちの受け皿になれるんじゃないかなという思いでやっています」……高久書店 高木久直さん 「合理的であるほどスマートでカッコいいというイメージをみんなが持っている。しかしそれによって自分が職を失ったり、仕事からやりがいがなくなるということについてはみな無自覚ですよね」……誠光社 堀部篤史さん 「俺は“東京に色目を使う新潟”というのがよくわからなくて、あるときから東京の反対を向いたんです」……北書店 佐藤雄一さん 目次 はじめに 1 気がつけば、自分の仕事がわからなくなっていた 2 もう生活そのものがどっぷりと本屋/走る本屋さん 高久書店・高木久直さん 3 自分の椅子を見つけた人/市場の古本屋ウララ・宇田智子さん 4 ほっとけないみのるさん/長谷川書店・長谷川 稔さん コラム・旅の合間に1 5 「あまのじゃく」の真意/誠光社・堀部篤史さん 6 ふたりの、独立という旗/ON READING・黒田義隆さん、杏子さん 7 本の未来が長野にあった?/ブック・コーディネーター・内沼晋太郎さん コラム・旅の合間に2 8 「鈍」で「素人」な四十三年/定有堂書店・奈良敏行さん コラム・旅の合間に3 9 生きるかなしみ―そしてよろこび/北書店・佐藤雄一さん おわりに - 著者プロフィール - 辻山良雄 (ツジヤマヨシオ) (著/文) Title 店主。1972 年、兵庫県生まれ。大手書店チェーン「リブロ」勤務を経て、2016 年1 月、東京・荻窪に新刊書店「Title」を開業。 著書に『本屋、はじめました』(苦楽堂、ちくま文庫)、『365日のほん』(河出書房新社)、『小さな声、光る棚 新刊書店Title の日常』(幻冬舎)、nakaban との共著に『ことばの生まれる景色』(ナナロク社)がある。
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平熱のまま、この世界に熱狂したい 増補新版 | 宮崎 智之
¥968
SOLD OUT
ちくま書房 2024年 ちくま文庫 ソフトカバー 288ページ 文庫判 - 内容紹介 - 注目の文芸評論家、エッセイストによる等身大の言葉で日常を鮮やかに描いた文章集。増補を加えて待望の文庫化。解説 山本貴光・吉川浩満 退屈な日常は、著者にかかると刺激的な世界へ変わる。 注目の書き手によるエッセイ集、待望の文庫化。 真の意味で優しい人が書いた、読んでいるだけで気持ちがどんどん落ち着いていく本です。吉本ばなな 山本貴光・吉川浩満によるW解説を収録 アルコール依存症、離婚を経て、取り組んだ断酒。自分の弱さを無視して「何者か」になろうとするより、生活を見つめなおし、トルストイとフィッシュマンズなどに打ちのめされながらも、すでにあるものを感じ取るほうが人生を豊かにできると確信する。様々な文学作品を引きながら、日常の風景と感情の機微を鮮やかに言葉にする。新たに3篇を加え増補新版として文庫化。 解説 山本貴光・吉川浩満 カバーデザイン 小川恵子(瀬戸内デザイン) カバー作品 勝木杏吏 作品撮影 森田直樹 - 目次 - 1章 ぼくは強くなれなかった 打算的な優しさと「〇を作る理論」 「何者か」になりたい夜を抱きしめて 僕は強くなれなかった ありのままの世界 平熱のまま、この世界に熱狂したい 2章 わからないことだらけの 世界で生きている 朝顔が恋しているのは誰? 不快だけど大切なことを教えてくれた作品 私はそうは思いません 35歳問題 わからないことだらけの世界で生きている 3章 弱き者たちのパレード 二瓶さんとの雅な蹴鞠 舌の根が乾かないおじさん ヤブさん、原始的で狂おしい残念な魅力 紳士は華麗にオナラする 肉と人と醜いアヒルの子 中田英寿に似た男 4章 弱くある贅沢 「細マッチョ」をめぐる冒険 クローゼットの中の時間 弱くある贅沢 僕の好きだった先輩 補章 川下への眼 一生懸命で寂しい人 八〇〇回目くらいの話 川下への眼 あとがき 文庫版あとがき 飄然と、弱い自分を語ることから始める 山本貴光 全身随筆家 吉川浩満 - 著者プロフィール - 宮崎 智之 (ミヤザキ トモユキ) (本文) 1982年、東京都生まれ。文芸評論家、エッセイスト。著書に『モヤモヤの日々』(晶文社)、『中原中也名詩選』(田畑書店)、共著に『吉田健一ふたたび』(冨山房インターナショナル)、『つながる読書─10代に推したいこの一冊』(ちくまプリマー新書)などがある。「文學界」にて2024年1月?12月まで「新人小説月評」を担当。「週刊読書人」など多数の媒体に寄稿する。
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土と土が出会うところ | 町田 泰彦
¥2,750
shushulina publishing 2021年 ハードカバー 128ページ 148mm x 210mm - 内容紹介 - 「変化はゆっくりな方がいい、 誰の記憶も頼りにしないくらいゆっくりな方が」-本文より 暮らしの根っこにあるものはなんなのか。 書くことと家を建てること、定住と旅、 現実と夢との境を時に滲ませながら、 土を捏ねるように動き続けることばとからだ。 著者による絵・写真を含む全7章 Ⅰ 水と水が出会うところ Ⅱ 喫茶ウェリントン Ⅲ 星日月(ほしひーつき) Ⅳ ポポウのみた夢 Ⅴ いつもの場所 Ⅵ みずろく Ⅶ 黒猫のようなもの 白猫のようなもの 著者プロフィール 1975年生まれ。幼少期を四国やニュージーランドといった自然が豊かな都市で過ごす。2004年小栗康平監督作品『埋もれ木』に美術助手として参加したことをきっかけに、栃木県益子町に居を移す。文筆、映像、建築土木作業などを通して、生活のための表現を実践している。 主な作品 『スターネット・リコード〈益子/建築〉』『ハトを、飛ばす〈文章〉』『ハトを、飛ばす〈映像〉』『コモンズカフェ〈遠野/建築〉』、『セレンディップ〈茂木/建築〉』、『骨壷、破片〈文章〉』『U邸〈烏山/建築〉』、『釜滝の家〈和歌山/建築〉』 作家ウェブサイト www.malplan.com
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わからない | 岸本 佐知子
¥2,530
SOLD OUT
白水社 2024年 ハードカバー 384ページ 四六判 - 内容紹介 - リディア・デイヴィス、ルシア・ベルリンなど数々の名翻訳で知られる著者は、エッセイストとしても絶大な人気を誇る。本書はデビューエッセイ集『気になる部分』(白水社刊、2000年)以降に様々なメディアに寄稿した、単行本未収録の文章を集大成したものだ。 全三章で構成。第一章は、「前世が見える」という人に教わった著者の前世の物語「わからない」、一度も訪れたことのない場所を精緻な妄想で描写する「ここ行ったことない」等、ヴァラエティ豊かなエッセイを集める。 第二章は、書評の意味を崩壊させてしまった伝説の朝日新聞連載「ベストセラー快読」、子供のころ猿のように繰り返し読んでいた本を今読んだらどうなるのか実験した「もう一度読んでみた」等、本にまつわる文章でまとめた。 さらに第三章として、キシモトワールドのエッセンスを凝縮したようなウェブ日記「実録・気になる部分」等、2000年代の「日記」を収録。いずれの章も、抱腹絶倒、奇想天外、虚実の境をまたぎ越す著者の真骨頂が堪能できる。 危険防止のため、電車の中では読むことをお控えください。 - 目次 - I わからない カルピスのモロモロ アシブト、アシボソ わからない イエス脳 猿の眉毛タウンの謎 オカルト こんにちは、わたしがママよ あいや天気予報 肥後守は何のカミ 珍しいキノコの収集 私のこだわり ①人々がなすすべもなく右往左往する映画 ②テロップを見ない ③エンドレス心霊動画 彼ら オバQ、あるいはドラえもん 回廊 スケッチブックの日誌 猫の松葉杖 猫失いの守り札 墓と馬鹿 地獄、やって〼 謎三題 『デン助劇場』 『オー! マイキー』が必見である理由 邪悪すれすれ。 福助エルメス 危険なキノコ 旅ぎらい たぶん死ぬまで忘れない一つの単語 私が信号を赤で渡るわけ ハイク生成装置 これから英語を勉強しなければならないみなさんへ このあいだ行った店 わたしのいえ ここ行ったことない ①回転寿司 ②ブータン ③YRP野比 ④お台場 II 本と人 もう一度読んでみた ①『クマのプーさん プー横丁にたった家』 ②『海のおばけオーリー』 ③『にんじん』 ④『小僧の神様 他十篇』 ⑤『銀の匙』その1 ⑥『銀の匙』その2 ⑦『ムツゴロウの無人島記』 ベストセラー快読 書評 カーリーのニュクニュク リディア・デイヴィスとのこと 『にんじん』と私 漱石嫌い 悪文について ビリビリフレイン かっぱかっぱらった/かっぱらっぱかっぱらった 私の愛する日記本 おでんの大根本 すごいよ!! ヨシオさん お座敷宇宙 三浦しをんさんのこと ミエコさんとワタシ 「坪センパイ」と世田谷 翻訳小説食わず嫌いにとりあえずお勧めしたい何冊か III 日記 二〇〇〇年~二〇〇八年 実録・気になる部分 翻訳グルグル日記 カブトムシ日記 おおむね読書日記 あとがき - 著者プロフィール - 岸本 佐知子 (キシモト サチコ) (著/文) 上智大学文学部英文学科卒。翻訳家。訳書にL・ベルリン『掃除婦のための手引き書』『すべての月、すべての年』、L・デイヴィス『ほとんど記憶のない女』『分解する』『話の終わり』『サミュエル・ジョンソンが怒っている』、A・スミス『五月 その他の短篇』、M・ジュライ『いちばんここに似合う人』、G・ソーンダーズ『十二月の十日』『短くて恐ろしいフィルの時代』、J・ウィンターソン『灯台守の話』、S・ミルハウザー『エドウィン・マルハウス』、N・ベイカー『中二階』、T・ジョーンズ『拳闘士の休息』、S・タン『内なる町から来た話』『セミ』など。編訳書に『変愛小説集』『居心地の悪い部屋』など。著書に『気になる部分』『ねにもつタイプ』(講談社エッセイ賞)『ひみつのしつもん』『死ぬまでに行きたい海』などがある。
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キミは文学を知らない。 小説家・山本兼一とわたしの好きな「文学」のこと | 山本 英子
¥2,200
灯光舎 2024年 ハードカバー 218ページ B6変形判 縦183mm 横130mm 厚さ15mm - 内容紹介 - 京都で小説を書き続けた二人の作家のなにげない日々。 『利休にたずねよ』を著し、2014年に早逝した京都ゆかりの歴史小説家・山本兼一。彼の妻にして児童書作家・文筆家の山本英子さんが、亡き夫のおもかげを語り、山本兼一と自身の人生を綴ったエッセイ集。 本書の前半では、10年前に亡くなった夫・山本兼一さんが残した取材ノートや手帳を改めて紐解き、自身の記憶を重ねて夫のありし日が語られます。後半になると、次第に内容の主軸が英子さん自身に移り、自身の思い出に残る本や児童書を書くきっかけとなったエピソード、夫への葛藤などが織り交ざったライフストーリーが展開していきます。 「道に迷いそうになったら、日本を探して歩くといい」と語り、この世を去る直前まで物語を書き続けた作家・山本兼一。 子どもたちに、自分のなかの「好き」を大事にして人生を歩んでほしいと想って筆をとった山本英子。 職業作家としての道を歩み、悲喜交々の暮らしのなかでひたむきに楽しく物語を書き続ける二人の日々が、私たちの日常の足跡と重なり、好きなこと、自分のやりたいことを見つめるきっかけを与えてくれるような一冊です。 本書を刊行する2024年は、山本兼一さん没後10年です。 【山本兼一さんの経歴と主な著書】 1999年『弾正の鷹』で小説NON創刊150号記念短編時代小説賞佳作。 2004年『火天の城』で第11回松本清張賞を受賞。 2009年『利休にたずねよ』で第140回直木三十五賞を受賞。 2012年第30回京都府文化賞功労賞受賞。 2014年逝去。 ◆主な作品 『白鷹伝 戦国秘録』 『信長死すべし』 『千両花嫁 とびきり屋見立て帖』 『いっしん虎徹』 『狂い咲き正宗』など - 目次 - 職業は、作家 挑んだ松本清張賞 直木三十五賞、候補は三回 善福寺川で悩む 決意は賀茂川で キミは文学を知らない シークエル - 前書きなど - 【決意は賀茂川で】より わたしは、中学一年生のときに初めて「空気を読む」ことを学んだ。きっかけは多くの女子が夢中になるものに、自分が惹かれていないことに気がついたからだ。流行のファッション、当時の人気のアイドル、みんなが語っていた憧れの職業……。孤立がいやで、自分の気持ちをごまかしていた。自分の「好き」はまわりの顔ぶれを見て隠したり出したりして過ごしていた。 中学校を卒業したわたしは、地元から離れた私立の女子校へ進学した。通学に1時間ちょっとかかったその学校は、小学校から短期大学まであった。高校の入学式では中学校から内部進学した子たちがにぎやかで、威圧されているようだった。教室に入って驚いた。一クラス50人学級だ。中学時代の女子は20人ほどだったから……2・5倍も空気を読まなければいけないのか……。わたしは緊張でクラクラしたことを覚えている。当時のわたしはどんな計算をしていたのだろう? 入学してわかったことは、この学校の服装基準、生活面の規則が恐ろしくきびしいことだ。大変な学校に入ってしまった……。これからの生活が不安だった。毎週細かな服装検査を受けていた。これをクリアすると、みんな同じような雰囲気になっていく。個性がみえなかった。 それから数か月経ち、学校に慣れてくると一人ひとりがみえてきた。運動の強豪校なので、インターハイ出場をめざし部活動に専念している子がいるのは知っていた。が、ほかにもいろんな子がいる。あらゆる女子キャラがそろっていた。大学進学のため予備校へ通っている子、音大をめざしレッスンに励む子、竹下通りで踊る「ロックンローラー族」「タケノコ族」のメンバー、テレビ番組でアイドルのうしろで踊るタレント志望の子、声優志望のアニメファン、演劇部でオリジナル作品に挑戦している子、男子校の生徒に人気のちょっとヤンチャな女子グループ……。ここの女子たちは、それぞれの「好き」にまっしぐらだった。 今、当時を考えると、この学校が特別だったわけではない。1クラス50人で13クラス、1学年600人以上! 人数が多いから、いろんな子に出会えただけだ。これだけ多いと、自分のマイナーな「好き」を口にしても「それ、知ってる!」という子もいるだろう。わたしは、当時の定番、雑誌の切り抜きが挟めるクリア下敷きに好きなロックバンドの切り抜きを挟んでいた。それを目立つよう机の上に置いた。ドキドキしたけれど、ワクワクしてた。 「えっ、これってピンク・フロイド? こんな誰も知らないようなの聴くんだ!」 にぎやかで苦手と思っていた、付属中学から進学してきた子が、下敷きを見て楽しそうに話しかけてきた。 「プログレが好きなんだ。カッコイイバンドも好きだよ……」 「ピンク・フロイドって一度聴いてみたかったんだ。今度LP貸してくれる?」 楽しい会話が始まってた。納得いかないおかしな校則に縛られ、窮屈だった高校生活だったけれど、楽しく学校へ通えたのは「好き」を気兼ねなく話せる友だちがいたからだ。 中学と高校に違いはない。なのに中学生のときのわたしは、自分で勝手に身構えて、隠していた。自分の「好き」を大切にしていなかった。 あのときのわたしのように、他人の反応を考えすぎて好きなことを好きでいられない、そんな思いをしている子は、たくさんいるんだろう。その窮屈な気持ちを物語で楽にできたら、そんな小説が書けたらいいな。そう考えていた。 - 版元から一言 - 「灯光舎 本のともしび」が一区切りして、今度は「本と人生」という新しいシリーズを始めたいなと漠然と考えていた時、山本英子さんとのご縁があった。 ある日、京都の某所で自分の古本を見せびらかしていたときに「あ、山本兼一の小説がある」と言って『花鳥の夢』の文庫を手にした人がいた。僕はすぐさま「山本兼一の小説が好きなんです」と声をかけた。 べらべらと山本兼一の小説を自分勝手に語ってその方との話が広がっていくうち、その人も山本兼一の小説をよく知っていて、たまたま苗字も同じで、その方も児童書を書く作家さんで、とだんだん箱の蓋が開かれるようにその方の素性がわかってきて、最後に「じつは、山本兼一の妻です」という言葉を聞いた時には、僕の方の血の気が引いた。僕はたじたじの態で名刺を交換させてもらって、さようならと言って家に帰った。 それから数か月が経ったころ、ずっと念頭にある「本と人生」の企画を動かしたくなってきて、第1弾をだれに頼むかと考えていた時に、山本さんのことを思い出した。 パソコンを広げて手紙でも認めようかと思ったが、企画のタイトルからしてなんだかあやふやな、雲をつかむような内容でうまく説明ができない。これは会って話を聞いてもらうにかぎると思って「つくもようこ」と書かれた名刺にあるアドレスへ連絡を入れた。 山本さんから、物を書くときによく居座っている喫茶店があるからそこへいらしてください、と連絡をもらって会うことになった。 「まあ、どういったことを書いたらいいのかよくわかないけれど、ちょっと試してみましょう」と言ってもらい、何度か目次構成のやりとりをして、山本さんの尽力のもと数か月後にはたたき台となる原稿が届いた。 その間、生前に山本兼一さんが仕事場としていたお部屋を拝見したり、『利休にたずねよ』関連の資料なども見せてもらったりして、夢見心地の気分が抜けきらず、肝心な本づくりを時々忘れてしまうことがあった。 それが、ちょうど2年前の話。山本さんとご縁があってから、僕の方が遅くなってしまって、今年の春にようやっと本の形に収まって皆さまへお届けできる塩梅となった。 昨年、山本さんから最終の原稿を受け取ったときに「2024年は、ちょうど10年、山本兼一没後10年」と言われた。お互いに意識したわけではないが、この偶然にはやっぱり感慨深い気持ちになる。 - 著者プロフィール - 山本英子 (ヤマモトヒデコ) (著/文) 1963年千葉県柏市生まれ。 編集プロダクション勤務を経てフリーランスライターとなる。1992年より京都市在住。 2006年、講談社青い鳥文庫から「つくもようこ」の名前で『魔女館へようこそ』を刊行して児童書作家デビュー。 他の著書に『パティシエ☆すばる パティシエになりたい!』『ねこやなぎ食堂』『イケバナ男子』など。
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正岡子規スケッチ帖 | 正岡 子規, 復本 一郎(著/文)
¥924
岩波書店 2024年 岩波文庫 ソフトカバー 204ページ 縦148mm 横105mm 厚さ11mm - 内容紹介 - 「写生は多くモルヒネを飲みて後やる者と思へ」。子規の絵は味わいある描きぶりの奥に気魄が宿る。子規にとって絵を描くことは病床の慰めや楽しみ以上の、生きるよすがであった。最晩年の三か月に描き、『果物帖』『草花帖』『玩具帖』と題してまとめられた画帖をオールカラーで収録。漱石、鼠骨ら、子規の絵をめぐる文章を併載する。 目次 第一部 子規のスケッチ帖 『菓物帖』 『草花帖』 『玩具帖』 第二部 子規の絵画観 「明治二十九年の俳句界」より 画 『病牀六尺』より 明治三十五年八月六日条 八月九日条 八月二十三日条 八月二十四日条 第三部 子規の絵をめぐって 寒川鼠骨「子規居士の絵――「菓物帖と草花帖」」 寒川鼠骨「解説と回顧」 下村為山「子規氏の絵」 夏目漱石「子規の画」 解題 『玩具帖』について(平岡瑛二) 編者解説(復本一郎)
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自分の人生に出会うために必要ないくつかのこと | 若松 英輔, 西 淑(イラスト)
¥1,760
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亜紀書房 2024年 ソフトカバー 196ページ 四六判 縦195mm 横135mm 厚さ21mm - 内容紹介 - 〈日経新聞で話題の連載「言葉のちから」待望の書籍化〉 古今東西の名著の中には、生きるための知恵、働くうえでのヒントが詰まっている。 NHK「100分de名著」でお馴染みの批評家による、自分の本当のおもいを見つけるための言葉。 - 目次 - この本の用い方──はじめに 1………言葉の重みを感じとる──神谷美恵子『生きがいについて』 2………事実と真実を感じわける──遠藤周作『イエスの生涯』『深い河』 3………沈黙の世界、沈黙のちから──武者小路実篤「沈黙の世界」 4………世界と向き合うための三つのおきて──柳宗悦「茶道を想う」とノヴァーリス「花粉」 5………叡知を宿した人々──ユングとメーテルリンク 6………語られざるおもい──司馬遼太郎と太宰治 7………美とは己に出会う扉である──岡本太郎のピカソ論 8………書くとは時に止まれと呼びかけることである──夏目漱石と鷲巣繁男 9………心だけでなく、情[こころ]を生きる──ピカート『沈黙の世界』 10……人生のモチーフ──小林秀雄『近代絵画』 11……書くとはおもいを手放すことである──高村光太郎と内村鑑三 12……人生はその人の前にだけ開かれた一すじの道である──アラン『幸福論』 13……経験とは自己に出会い直すことである──ヴェーユ『重力と恩寵』 14……ほんとうの私であるための根本原理──志村ふくみ『一色一生』 15……思考の力から思索のちからへ──ショーペンハウアーの読書論 16……観るとは観えつつあることである──今西錦司の自然観 17……本質を問う生き方──辰巳芳子さんとの対話と『二宮翁夜話』 18……ことばは発せられた場所に届く──河合隼雄と貝塚茂樹 19……賢者のあやまり──湯川秀樹『天才の世界』 20……三つの「しるし」を感じとる──吉田兼好『徒然草』 21……力の世界から、ちからの世界へ──吉本隆明『詩とはなにか』 22……書くことによって人は己れに出会う──ヴァレリーの『文学論』 23……念いを深める──ティク・ナット・ハン『沈黙』 24……運命に出会うために考えを「白く」する──高田博厚とロマン・ロラン 25……着手するという最大の困難──カール・ヒルティ『幸福論』 26……語り得ないこと──リルケ『若き詩人への手紙』 27……沈黙の意味──師・井上洋治と良寛 あとがき ブックリスト - 著者プロフィール - 若松 英輔 (ワカマツ エイスケ) (著/文) 若松 英輔(わかまつ・えいすけ) 1968年新潟県生まれ。批評家、随筆家。慶應義塾大学文学部仏文科卒業。2007年「越知保夫とその時代 求道の文学」にて第14回三田文学新人賞評論部門当選、2016年『叡知の詩学 小林秀雄と井筒俊彦』(慶應義塾大学出版会)にて第2回西脇順三郎学術賞受賞、2018年『詩集 見えない涙』(亜紀書房)にて第33回詩歌文学館賞詩部門受賞、『小林秀雄 美しい花』(文藝春秋)にて第16回角川財団学芸賞、2019年に第16回蓮如賞受賞。 近著に、『詩集 ことばのきせき』(亜紀書房)、『霧の彼方 須賀敦子』(集英社)、『光であることば』(小学館)、『藍色の福音』(講談社)、『読み終わらない本』(KADOKAWA)など。
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洲之内徹ベスト・エッセイ1 | 洲之内 徹, 椹木 野衣(編集)
¥990
筑摩書房 2024年 ちくま文庫 ソフトカバー 320ページ 文庫判 - 内容紹介 - 戦争体験を引きずり、癒されない飢餓を抱えながらも、美術エッセイ「気まぐれ美術館」で人気を博した洲之内徹。屈託のある名文を選んだアンソロジー 異才の名文、ここによみがえる! 凄惨な戦争体験に裏づけられた人間洞察と、定見を軽々と超えていく 卓抜な文章で、美のなんたるかに肉薄する随想の極北 「買えなければ盗んでも自分のものにしたくなるような絵なら、まちがいなくいい絵である」。かつて小林秀雄が「今一番の批評」と称賛し、美術エッセイ「気まぐれ美術館」で人気を博した洲之内徹。陰惨な戦争体験を引きずり、癒すことができない飢えを抱えながら、屈託のある達観の文を書いた。振り返られることが少なくなった異才の随想を、稀代の美術評論家・椹木野衣が選りすぐったコレクション。 - 目次 - 画廊のエレベーター 海老原喜之助「ポアソニエール」 松本竣介「ニコライ堂」 中村彝と林倭衛 鳥海青児「うづら」 森田英二「京都花見小路」 四畳半のみ仏たち 山荘記 海辺の墓 続 海辺の墓 銃について セザンヌの塗り残し フィレンツェの石 村山槐多ノート(一) 月ヶ丘軍人墓地(一) その日は四月六日だった 朝顔は悲しからずや モダン・ジャズと犬 守りは固し神山隊 〈ほっかほっか弁当〉他 解説 洲之内徹 狂狷と気まぐれ 椹木野衣 - 著者プロフィール - 洲之内 徹 (スノウチ トオル) (本文) 1913-87年。愛媛県出身。美術エッセイスト、小説家、画商。1930年東京美術学校建築科在学中、マルクス主義に共感し左翼運動に参加する。大学3年時に特高に検挙され美術学校を退学。20歳で再検挙にあい、獄中転向して釈放される。38年、北支方面軍宣撫班要員として中国に渡り、特務機関を経て、中国共産党軍の情報収集に携わった。46年、33歳で帰国してからの約20年間、小説を執筆。3度芥川賞候補となるが、いずれも受賞はかなわず。61年より、田村泰次郎の現代画廊を引き継ぎ画廊主となった。74年から連載「気まぐれ美術館」を開始し、多くの読者を獲得した。 椹木 野衣 (サワラギ ノイ) (編集) 1962年埼玉県秩父市生まれ。美術批評家。多摩美術大学教授。主な著作に『日本・現代・美術』『戦争と万博』ほか。
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イライラ文学館 不安や怒りで爆発しそうなときのための9つの物語 | 頭木弘樹(編集)
¥1,980
SOLD OUT
毎日新聞出版 2024年 ソフトカバー 272ページ 四六判 - 内容紹介 - イライラや怒りが限界に達したときは、その限界を超えた物語を読んでガス抜きしよう! 古典的名作から本邦初訳の韓国文学にマンガまで、バラエティ豊かな作品でおくるとっておきのアンソロジー。身体と心に効く類のない〈メンタルケア・ストーリーズ〉の登場です。
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魔女のまなざし | 角野 栄子, くらはし れい(イラスト)
¥1,540
白泉社 2024年 MOE BOOKS ソフトカバー 112ページ A5判 縦210mm 横148mm 厚さ9mm - 内容紹介 - 『魔女の宅急便』の著者が初めて魔女をテーマに綴ったエッセイ集。 物語に登場する魔女や、外国で魔女に出会ったお話、魔女の薬草や食べ物、おしゃれなどを温かなまなざしで語ります。 1997年刊行の『魔女のひきだし』に改稿、描きおろしを加え、角野栄子の素敵な暮らしも収録した、新たな1冊です。
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虎のたましい人魚の涙 | くどう れいん
¥682
講談社 2024年 講談社文庫 ソフトカバー 224ページ 文庫判 - 内容紹介 - ****************** 花束よりも 眩しくて鮮やかな言葉を胸に 私たちも、今日という日へ祝祭を。 ――杉咲 花 ****************** 発売即重版! 『うたうおばけ』『桃を煮るひと』 最注目の著者による、名エッセイ集。 八月の木曜日、朝八時半すぎ。 わたしは通勤中に、琥珀のピアスを衝動買いした――。 いま、いまが、いまじゃなくなるなら、 いまのわたしが、いまのわたしで、いまを書く。 会社員と作家の両立。 書くこと、働くこと。 そして、独立。 へとへとの夜にじんわり心にしみる23編のエッセイ集。 【文庫版あとがき収録】 - 著者プロフィール - くどう れいん (クドウ レイン) (著/文) 作家。1994年生まれ。岩手県盛岡市出身・在住。著書に、第165回芥川賞候補作となった小説『氷柱の声』、エッセイ集『わたしを空腹にしないほうがいい』『うたうおばけ』『桃を煮るひと』、歌集『水中で口笛』、第72回小学館児童出版文化賞候補作となった絵本『あんまりすてきだったから』などがある。俳句短歌は工藤玲音名義で活動。