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Θの散歩 | 富田 ララフネ
¥2,200
百万年書房 2025年 ソフトカバー 264ページ 四六判 縦128mm 横188mm 厚さ18mm - 内容紹介 - 大江健三郎、荒川洋治、メルヴィル、カフカ、井戸川射子、加藤典洋、聖書、田中小実昌、武田百合子、村上春樹、ドストエフスキー、小島信夫を読むことが子育てに与える影響についてーー。 「小説家を目指す」人たちは、小説を書こうと構えるので、萎縮したり、型に嵌ったりして、何のために書きたいと思ったの? と思うんだけど、この人からは書く楽しさや自由が感じられ……濃密な時間の流れに浸っていると、人生で最も貴重な記憶が何年ぶりかでリアルに蘇ってきた。読んでいてほんとに楽しい。 保坂和志(作家) - 前書きなど - Θが産まれてからしばらくはQも仕事を休んでいて、その間、Θに関することはすべてふたりで分け持っていたから、私も長い本を読む時間がいくらかあったし、長い文章を書く時間だってあったけれども、Θが三か月になり、Qは仕事に戻って、それからはほとんど一日中、私とΘはふたりきりで、本を読む時間もなくなった。もちろん本なんて読まなくてもいいのだが、本当は読みたい。 Θが昼寝でもしてくれればその合間に本を読めるはずだった。しかしΘは昼間、うちでは一切眠らず、眠る代わりにやがて泣き、散歩に連れ出さない限り、泣き止むことがなかった。Θはいくら泣いてもまだ涙は出ない。私は本を読む時間をなんとか捻出したかった。 それで絵本を読み聞かせる代わりに、大江健三郎『燃えあがる緑の木』の冒頭を読み聞かせた。特に理由もなかったが、Θが産まれて以降、私は大江健三郎ばかり読んでいた。(本文より) - 版元から一言 - ZINE『小島信夫の話をしたいのだけれど』が話題を集め、『これは歯的な話』で第七回ことばと新人賞佳作を獲った作家のデビュー小説です。 冒頭数ページを読んだだけで「あ、この作品は間違いない」と思い、刊行を決めました。 百万年書房、今年一番の勝負作です。 - 著者プロフィール - 富田 ララフネ (トミタ ララフネ) (著) 作家。1990年東京都生まれ。京都大学文学部卒。
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犬と いぬのエッセイアンソロジー | 佐藤 愛子(著), 小川 糸(著) ほか
¥990
河出書房新社 2025年 河出文庫 ソフトカバー 248ページ 文庫判 - 内容紹介 - 犬は家族、犬はともだち、犬は恋人、犬は伴侶、犬は鏡……。古今の作家の犬との付き合い方は「みんな違うのになぜか気持ちはみんないっしょ」。犬の魅力を余すところなく伝える39篇。文庫オリジナル - 著者プロフィール - 佐藤 愛子 (サトウ アイコ) (著) 1923年、大阪生れ。『戦いすんで日が暮れて』で直木賞、『幸福の絵』で女流文学賞、『血脈』で菊池寛賞受賞。エッセイにも『九十歳。何がめでたい』『百一歳。終着駅のその席へ』など多数。旭日小綬章受章。 小川 糸 (オガワ イト) (著) 1973年、山形生まれ。小説家。デビュー作『食堂かたつむり』が、イタリアのパンカレッラ賞、フランスのウジェニー・ブラジエ賞を受賞。その他おもな著作に『つるかめ助産院』『とわの庭』『小鳥とリムジン』等。
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いいことばかりは続かないとしても | 大崎 清夏
¥2,090
河出書房新社 2025年 ソフトカバー 240ページ 四六変型判 縦180mm 横105mm 厚さ17mm - 内容紹介 - 山にも、街にも、悲しみの先にも。どこにだって発見はある。自然と芸術を求めて旅する最注目詩人の、〈生への祈り〉と〈センスオブワンダー〉に満ちた傑作エッセイ 〓 祝・萩原朔太郎賞!いま最も注目される詩人・大崎清夏の、旅と暮らしとことばの軌跡 〓 熊のいる山奥・湘南の海辺・震災後の能登・ハンセン病資料館・ヴェネチア、そして文学と映画と芸術の中まで――野生動物のようにあちこち移動しながら見つけた、ほのかでたしかな勇気と希望 〓 すみかも生活も人間関係も 何かが変わってしまっても、柔らかい力強さをもって生きてゆくために 〓 「いいことばかりは続かないとしても、あくまでも軽妙に、明るく、希望をもって。(…)どんなに事態が悪化したように見えるときでも、そこに新しく面白いことを見つけることはできる。その先に待ち受ける大仕事にとりかかることはできる。無限の可能性を持った子どもにもう戻れない私たちは、大人として世界を拓けばいい。英語が話せなければ、日本語で語りかければいい。崇高な野生動物になれないなら、人間という変な動物として、生き延びる道を探ればいいのだ」(本文より) 〓 目次 熊に会ったら歌うこと。 遠くにトナカイがいます ちゃんと知りながら、へんなことをやる ムーミンの世界のこと 何かをほんとうに聞くときには…… ミヒャエル・エンデ『モモ』のこと いいことばかりは続かないとしても ウェス・アンダーソンの動物たち 動物と知り合うヒト 岩合光昭さんの写真のこと 港はありません その家に、住んでいた どうぞゆっくり見てください もうひとつの地震日記 快楽主義者の詩学 谷川俊太郎さんのこと いつか眼差しが再び会うまで 『燃ゆる女の肖像』のこと 詩人の副業、詩の日常 『パターソン』のこと 存在しない故郷への旅 『ミリオンダラー・ベイビー』のこと 説明できない理想のために…… 『木のぼり男爵』のこと それはあなたの自由 『さらば、愛の言葉よ』のこと 雪と踊る方法、あるいは訪れの合図 映画『Shari』のこと 大志の歌の祭りに寄せて 安野みつまさ先生へ 池上上々日記 その心は優しかった。 『いのちの芽』の詩人たちと出会った日のこと 中也はポエムか 大衆との合作について 風の展示を見にいく 自然を浴びに、ヴェネチアへ行く 〓 装丁:佐々木暁 画:小城弓子 - 著者プロフィール - 大崎 清夏 (オオサキ サヤカ) (著) 2011年、第一詩集『地面』刊行。詩集『指差すことができない』で中原中也賞、『暗闇に手をひらく』で萩原朔太郎賞受賞。ほか著書に『踊る自由』『目をあけてごらん、離陸するから』『私運転日記』『湖まで』等。
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駅から徒歩138億年 | 岡田 悠
¥1,980
産業編集センター 2025年 ソフトカバー 364ページ 四六判 - 内容紹介 - ウェブ記事累計1300万PVを超えるライター岡田悠の最新作は、多摩川を河口から源流まで散歩した道程と思考の記録「川歩記」と、果てなき好奇心が場所と時間を飛び越えていく不思議でやさしい10編の日常旅エッセイ。 全長138kmの多摩川を少しずつ歩きながら、これまでの旅を思い出す。古いカーナビの案内で歩いたり、17年前に2秒見えた海を探したり、学生時代に住んでいた寮に泊まったり――それは、空間の移動と時間の移動を組み合わせることによって生まれる、「自分だけの旅」だった。 目次 ◇川歩記① ◆25時間の録音データ ◆25年前の子供たちと道くさをする ・旅する方法「通う」 ◇川歩記② ◆いるはずのない親戚がXで見つかった話 ◆仮想空間をさまよえる「私」に逢いに行く ・旅する方法「調達する」 ◇川歩記③ ◆17年前に2秒見えた海を探す ◆静岡に5週連続で行く ・旅する方法「やり残す」 ◇川歩記④ ◆いつか訪れた街をAIと思い出す ◆古いカーナビの案内で歩く ・旅する方法「混ぜる」 ◇川歩記⑤ ◆学生時代に住んでいた寮に泊まる ◆10年後の宿を予約する ◇川歩記⑥ - 著者プロフィール - 岡田 悠 (オカダ ユウ) (著) 1988年兵庫県生まれ。東京都在住。文筆家。ウェブメディア「オモコロ」等で記事を執筆し好評を博す。旅行や散歩、観察や検証が好き。著作に『0メートルの旅』(ダイヤモンド社)、『10年間飲みかけの午後の紅茶に別れを告げたい』(河出書房新社)、『1歳の君とバナナへ』(小学館)。
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ぼくのスパイス宇宙 | 矢萩 多聞
¥1,980
晶文社 2025年 ソフトカバー 320ページ 四六判 - 内容紹介 - 料理のまんなかには「寛容」がある―― 自然が与えてくれる風味と香りをとことん楽しむ、 手のひらから宇宙へ広がるスパイス・エッセイ クミンシード香るマンゴーでかきこむ飯の味、 コリアンダーリーフの知られざる効用、 納豆に入れるとおいしいスパイス、 京都の自庭で育てるカレーリーフ…… 長くインドと日本を行き来する生活をしてきた装丁家が綴る、 辛くも酸っぱい、ときには甘いスパイスの世界。 「食べることは、栄養を摂り、食欲を満たすだけではなく、いまの自分を知る手がかりになる。いつの日も、こだわりにとらわれず、その場その場で柔軟な「食」を受け入れ、咀嚼できる自分でありたい。 生活は「自ら選びとる」ことの連続だ。その実践と実験をここに記してみよう。手に負えないほど広すぎるスパイスの宇宙で、からだとこころに耳をすましながら、ジタバタと手足を動かすのだ他人からは溺れているようにしか見えないかもしれないが、泳いでいる本人はいたって真剣である」(はじめに より) ※スパイスを日々の食卓で楽しむ31のレシピ付き 【目次より】 1. クミンシード 「匂い」からはじまる冒険/ササムの味/まぜてまぜて、粉まぜて/じゅわっと、タルカ/クミンシードは「あの」匂い? ◉「納豆」に合うスパイスを探して 2. コリアンダー わかっちゃいるけどやめられない/パクチーと坂道/おばあちゃんの特製チキン/ヒ素とご利益/日本になじむコリアンダーさん/高級レストランと謎のカクテル ◉「卵かけご飯」に合うスパイスを探して 3. ターメリック カレーライスから考える/カレー色の正体/ピンキーが食べたものは?/菜食主義者のためのオムレツ/炎上するタンドリーチキン/3C男にご用心?/マンゴーの寿司に恋して/上品と下品のはざまで ◉「焼餃子」に合うスパイスを探して 4. カレーリーフ なにかを食べると、なにかを思いだす/どっちでもいい、ってすばらしい/カレーリーフ興亡記/種からひろがる/とってもとっても、なくならない ◉「トースト」に合うスパイスを探して 5. チリ ノー・チリ、ノー・ライフ?/きみはまだカラムーチョさ/ドラゴンロールで火を吹く/十四歳にして土鍋にハマる/乾季とスイカさま/唐辛子もへっちゃら?/あの素晴らしい愛をもう一度/なまけものになりたい/唐辛子がむすぶ点と線 ◉「そうめん」に合うスパイスを探して 6. カルダモン スパイシー=辛い、でいいのか/チャーイ、もう一杯/インドのコーヒーをなめるなよ/バターミルクが好きなあなたが好き/プラサードを分かち合う/幻のハルワーロードを妄想する/情熱のラムボール ◉「ぜんざい」に合うスパイスを探して ぼくのレシピノート - 著者プロフィール - 矢萩多聞 (ヤハギタモン) (著) 画家・装丁家。1980年横浜生まれ。9歳から毎年インド、ネパールを旅する。中学1年から学校をやめ、ペン画を描きはじめる。95年から南インドと日本を半年ごとに往復しながら個展を開催。2002年から本づくりの仕事をはじめ、これまでに600冊を超える本をてがける。2012年から京都に移住。出版レーベルAmbooksを立ち上げ、本と本の周辺を愉快にする活動をくり広げている。著書に『本とはたらく』(河出書房新社)、『美しいってなんだろう?』(世界思想社)、『本の縁側』(春風社)など。
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いい音がする文章 あなたの感性が爆発する書き方 | 高橋久美子
¥1,870
ダイヤモンド社 2025年 ソフトカバー 314ページ 四六判 縦188mm 横130mm - 内容紹介 - 読み手に伝わり残るのは、 あなたの「言葉のビート」です。 文章は「音」で決まる。 プロドラマー出身の作家だから書けた全く新しい文章論!! ・自分の思いが相手に伝わらない ・うまい文章が書けない ・自分らしい文章にならない そういう、書く人の多くが必ずぶつかる悩みに、全く新しい解決策を授ける本です。 いくら「論理的」でも「語彙量が豊か」でも「わかりやすく」ても「具体的に」書いてあっても、「いい音だな」と思われないと、読み手の心に残らず、すぐに忘れられてしまうのです。 それはどういう文章なのか、どう書くのかということを、国語の教科書、テレビCM、文学や詩や能、ライトエッセイ、スピッツ・米津玄師ほかミュージシャンの歌詞、絵本など、無数の「音楽的な文章」の具体例と著者自身の創作を交えて伝えます。 メジャーバンドのドラマーとして10年、作家として12年。 両方でプロとして活動してきた著者だけが知っている「伝わる文章の書き方」。 目次 はじめに いい文章は「いい音」がする 第1章 ことばは「音」でできている 本を音で読む人/文字のない民族は「音」で感情を伝え合う/突然ですが、ちょっと方言で書きますね/文字はなかなか伝わらないけど音は一気にぜんぶ伝わる/匿名の140字が生むリズム/「バズ」を狙うと自分の音が消えていく など コラム① 文豪の音 第2章 文のリズム・日本人のリズム 国語は音読から始まる/誰もみな「音」から言葉を好きになる/「いい音がする文章」こそが時代を越える/日本古来のリズムはプログレ/米津玄師の曲が「懐かしい」のはどうしてか/金子みすゞと中原中也と「七五調」/意味のおもしろさと音のおもしろさ など コラム② エッセイストの音 第3章 自分の音を鳴らすということ なぜ「自分のリズム」を見失ってしまうのか?/リズムにも生産地がある/リズムは「性格」をもつくる/「日記」で自分の音を鳴らす/エモいは「反射的な音」/歌詞は「歌われてから」完成する など コラム③ 方言の音 第4章 なぜ自分の音が出しにくいのか? 『上を向いて歩こう』はなぜ意味不明なのに人の胸を打つか/仕事で自分の音を出しにくい理由/生身の自分は「複数アカウント」を使い分けている/他人の評価に踊らされると自分の音が消えていく/文学フリマは「鍵アカ」が自分の音を鳴らしている など コラム④ 新聞・ルポルタージュの音 私が作詞講座で教えている基本的な「書き方」 第5章「音楽」にとって言葉とはなにか バンドマンは「音」で会話している/「踊れないやつは人を踊らせられない」/私が憧れた「音としての言葉」の使い手たち/歌詞は「音」と「文字」の間にある/文字を音で推敲する など コラム⑤ 絵本の音 おわりに 生き方が音をつくる - 著者プロフィール - 高橋久美子 (タカハシ クミコ) (著) 1982年、愛媛県生まれ。作家・作詞家・詩人・農家。ロックバンド「チャットモンチー」のドラマー兼作詞担当を経て、2012年より本格的に文筆を開始。詩、エッセイ、小説、絵本の執筆、絵本の翻訳の他、様々なアーティストへの歌詞提供など、多彩な創作活動を続ける。一年の半分を愛媛の実家で農家として過ごしている。 著書に小説集『ぐるり』、エッセイ集『一生のお願い』(以上、筑摩書房)、農業ノンフィクション『その農地、私が買います』『わたしの農継ぎ』(以上、ミシマ社)、旅エッセイ『旅を栖とす』(角川書店)、詩画集『今夜凶暴だからわたし』(ミシマ社)、絵本『あしたがきらいなうさぎ』(マイクロマガジン社)等。翻訳絵本『おかあさんはね』で第9回ようちえん絵本大賞を受賞。
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つくって食べる日々のはなし
¥2,420
Pヴァイン 2025年 ソフトカバー 160ページ 四六判 縦188mm 横128mm 厚さ13mm - 内容紹介 - 食べることは生きること 【内容】 料理をテーマにした「今、読まれるべき」全16篇のエッセイ集です。昨今、日常生活の基本的な家事を改めて見直す風潮が強くなりました。特に料理は心身の安定や回復につながるものとしても注目されています。そこで本書では「自分のために料理を作る」「誰かのために料理を作る」など料理をテーマにしたエッセイを実力派執筆陣が書き下ろします。 【執筆者一覧】 平松洋子 円城塔 春日武彦 牧野伊三夫 大平一枝 ツレヅレハナコ 白央篤司 阿古真里 滝口悠生 宮崎智之 松永良平 オカヤイヅミ 島崎森哉(帯化/造園計画) 辻本力 絶対に終電を逃さない女 スズキナオ
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死んでいるのに、おしゃべりしている!|暮田 真名
¥1,760
柏書房 2025年 ソフトカバー 182ページ B6変型判 - 内容紹介 - “だって、川柳に出会わなければわたしはとっくにこの世にいなかったのだから。” 東京のいわゆる「恵まれた」家庭に「女性として」生まれ、教育にたくさんのお金を費やされたのに、期待どおり「東大」に行けず、望まれた「バリキャリ」にもなれなかったわたし。人間関係もうまく築けず生活は破綻。ノンバイナリーかつアロマンティックだけど、そこに帰属意識も見出せない。心を殺して自罰的にしか生きてこられなかったわたしは、「私たちはモノじゃない、人間だ」「悪いのはあなたじゃない」というまっとうな言葉に、自分が救われることを許せなかった。 そんなわたしを助けてくれたのが、川柳だった。 “わたしの心には「自分が悪い」という考えが無限に湧き出る大きな穴が空いていて、これを直接手当てすることは難しい。一方、身体にはすぐに限界がくる。虚弱な身体を頼りなく思うこともあったけれど、身体は常に心の問題を「手当てができるかたち」にしようとがんばってくれていたのだ。/川柳も、わたしを「無限」や「永遠」の世界から救い出してくれた。「症状」と言うと語弊があるが、川柳も目に見えるし、有限だ。川柳はわたしが初めて手に入れた身体だった。” 川柳しながら経験する世界は、アナーキーで自由だ。本書は、自分には〈人間をうまくやれない〉と思わされてきた者たちに贈るエッセイ集であり、極私的な回復記でもある。 業界最注目の川柳人による、初のエッセイ集。 - 目次 - まえがき Ⅰ こころ お題サイト哀歌 食卓の上の洗濯物 ワレワレハウチュウジンダ 代わりに忘れて できのわるいロボット Ⅱ ことば ちっちゃいものクラブ 声をあてる べつの呪文 いけフリ アンコントロール 酢豚の目 川柳になりたい? Ⅲ からだ おしゃれ考 続・おしゃれ考 身体があるから踊るのだ フェアリーゴッドマザー 手当てができる モノがキラキラしてる あとがき 引用文献・資料一覧 - 著者プロフィール - 暮田 真名 (クレダ マナ) (著) 1997年生。「川柳句会こんとん」主宰。「石になったの?」「当たり」「砕氷船」メンバー。NHK文化センター青山教室で「青山川柳ラボ」講師、荻窪「鱗」で「水曜日のこんとん」主催。川柳アンソロジー『はじめまして現代川柳』(書肆侃侃房)で最年少の川柳人として紹介された、Z世代のトップランナー。2022年に発売された第一句集『ふりょの星』(左右社)は、刊行されるやいなや注目を呼び、テレビ東京「ワールドビジネスサテライト」ほか多数のメディアで紹介された。2023年には〈現代川柳〉の入門書『宇宙人のためのせんりゅう入門』(同)も刊行。ほかに『補遺』『ぺら』(私家版)がある。本書が初のエッセイ集となる。
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井伏鱒二ベスト・エッセイ|井伏 鱒二(著), 野崎 歓(編)
¥1,034
筑摩書房 2025年 ちくま文庫 ソフトカバー 368ページ 文庫判 - 内容紹介 - 釣りと酒と将棋をこよなく愛し、95歳の長寿をまっとうした井伏鱒二。情緒的にならず、ユーモアと忍耐をつねにわすれず、しぶとくも愉しげに日々を送ることの秘訣を文章のうちに溶かし込んだ──。太宰治、牧野信一、青柳瑞穂などとの長い友情をシニカルにつづった人物評も収めた、日本語を読む歓びにのびのびと浸る精選集。 - 目次 - Ⅰ 終電車/はじめて見た映画/ヘットの匂を嗅ぐ/森?外氏に詫びる件/角帽の色(早稲田)/子供のときのこと/仔犬のこと/坪内逍遙先生 Ⅱ 母/牛込鶴巻町/青羽雀のおじさん/面罵の熟語/釣魚記/増富の谿谷 Ⅲ 晴耕せず雨読せず/小鳥の巣/阿佐ヶ谷会/支離滅裂/牧野信一のこと/余談/眼鏡/グダリ沼/雨のいろいろ/在所言葉/時計・会・材料その他/「が」「そして」「しかし」/猫/におい Ⅳ 琴の記/七月二十三日記/釣りの旅──釣竿・魚籃/英語について/正宗さんのこと/宇野(浩二)さんの魚釣/シンガポールで見た藤田嗣治/川/青柳瑞穂と骨董/下曾我の御隠居 解説 野崎歓 - 著者プロフィール - 井伏 鱒二 (イブセ マスジ) (著) 898-1993年。広島県福山市生まれ。本名満寿二。はじめは画家をも志すも、やがて文学に専心し、『鯉』『山椒魚』で文壇に登場。独自のユーモアと哀感ただよう多くの作品を書いた。主な作品に『へんろう宿』『漂民宇三郎』『珍品堂主人』『黒い雨』など。『井伏鱒二全集』全28巻別巻2がある。 野崎 歓 (ノザキ カン) (編) 野崎 歓(のざき・かん):1959年新潟県生まれ。フランス文学者、翻訳家、エッセイスト。放送大学教養学部教授、東京大学名誉教授。主な著書に、『異邦の香り──ネルヴァル『東方紀行』論』、『水の匂いがするようだ──井伏鱒二のほうへ』がある。
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飼い犬に腹を噛まれる|彬子女王, ほしよりこ(絵)
¥1,485
PHP研究所 2025年 ソフトカバー 240ページ B6変型判 縦172mm 横115mm 厚さ15mm - 内容紹介 - プリンセスの日常には何かが起こる! ベストセラー『赤と青のガウン』の 「その後」の日常を綴った 彬子女王殿下の最新エッセイ集 挿絵は『きょうの猫村さん』の ほしよりこ氏による描きおろし ---------------------------------------------- 私は自他共に認める事件体質である。 ささいなことから、 めまいがするような大事件まで、 日常的にいろいろ起こる。 (「おわりに」より) ---------------------------------------------- 巻末には ○絵日記 キャンパスのプリンセスを訪ねて ○スペシャル対談 彬子女王 & ほしよりこ を特別収録! 【目次】 ○「おおきに」の巻 ・雪の女王 ・飼い犬に腹を噛まれる ・それは「皿」から始まった ・一番近くにいる他人? ・「離合って使う?」 ・入院で得た教訓 ・雨ノ日ノモノオモヒ ・続「離合って使う?」 ○「もぐもぐ」の巻 ・クリスマスの水無月 ・虎屋のねじねじ ・「モーモー」ノ情報求ム ・「サトウ」と「シホ」 ・森のきのこ茶会 ・月みる月は ・和菓子店逍遥 ・オヒシハナビラノヒミツ ・新米祭の光と影 ・田植えが伝えてくれること ○「きょうと」の巻 ・神様の名演出 ・ぼんぼんの定義 ・送り火の夜に ・コンチキチンを特等席で ・京の三大祭り ・春愁 ○「わくわく」の巻 ・ゲレンデの教え ・「生きている」車 ・初めてのF1余話 ・サブちゃんと甲子園 ・長い夏休み ・赤白ジャージに染まる街 ○「てしごと」の巻 ・たわし屋のぼんの贈り物 ・金一封 ・俵のネズミ ・日本の神様は〝分業制〟 ・稲が聞く音 ・茶碗のワンと飯椀のワン ・歳神様からのお年玉 ・神様のお米作り ○「にっぽん」の巻 ・白雨 ・ニッポンのお菓子 ・多様性の国、日本 ・鬼には鬼の ・田んぼのある景色 ・田んぼには神様がいる ・神様の飲み物 ・「神話に学ぶ」ということ ・100年に1度のつながり ○絵日記 キャンパスのプリンセスを訪ねて ○スペシャル対談 彬子女王 & ほしよりこ ○おわりに 彬子女王 - 著者プロフィール 彬子女王 (アキコジョオウ) (著) 1981年、故寬仁親王殿下の第一女子として生まれる。学習院大学在学中及び卒業後に、英国オックスフォード大学マートン・コレッジに留学し、女性皇族として初めて博士号を取得(専攻は日本美術)。京都産業大学日本文化研究所特別教授、一般社団法人心游舎総裁などを務める。著書に『赤と青のガウン オックスフォード留学記』(PHP文庫)、『新装版 京都 ものがたりの道』(毎日新聞出版)、『日本美のこころ イノリノカタチ』(小学館)などがある。 ほしよりこ (ホシヨリコ) (絵) 1974年生まれ。関西在住。2003年から「きょうの猫村さん」をネット上で毎日1コマ連載。2005年に『きょうの猫村さん1』(マガジンハウス)として書籍化されベストセラーになる。2015年、『逢沢りく』(文藝春秋)で第19回手塚治虫文化賞マンガ大賞を受賞。その他の著書に『カーサの猫村さん』『僕とポーク』『B&D』(いずれもマガジンハウス)などがある。
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筋肉と脂肪 身体の声をきく|平松 洋子
¥935
SOLD OUT
新潮社 2025年 新潮文庫 ソフトカバー 208ページ 文庫判 縦151mm 横106mm 厚さ18mm - 内容紹介 - スポーツが得意だったら、自分の人生も少しは違っていたのかもしれない――。そんな夢想に端を発し、アスリートの身体と精神に迫る取材の旅が始まった。力士、プロレスラー、陸上選手、そしてスポーツ栄養士、サプリメントや体脂肪計の開発者との、驚きと発見に満ちた対話。食をライフワークとして書き続けてきた著者の集大成にして新境地! 『ルポ 筋肉と脂肪 アスリートに訊け』改題。
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「要するに」って言わないで 本当の自分の思いに気づくとラクになる|尹 雄大
¥1,980
亜紀書房 2025年 ソフトカバー 208ページ 四六判 縦188mm 横130mm 厚さ16mm - 内容紹介 - この本が目指すのは、「自分のダメなところを変える」ことではありません。 あなたが負った傷を、そっと癒すためのセルフケアです。 そのために必要なのは、自分の話を、正しいとか間違ってるとかジャッジせずに、ぜんぶ聞くこと。 そして、勇気を出してぜんぶ語ること。 ☆装画:yeye *** 【目次】 はじめに 1.不安の中で息をする まずはきちんと「感じてみる」 「意識的さん」の心理学 フェアな関係を自分と結ぶ 生きるための手がかりは身体にある 楽で心地よいことが「本当の自分」に触れるための鍵 「違和感を大事にする」ってどういうこと? 2.自分の思いを取りこぼさない 記憶をいじくり続けることをやめる 思考のこだわりを、身体を通して手放す 安全と安心を保つ とにかく話を続ける 人間らしさと尊厳を大切にする「ユマニチュード」 ユマニチュードの技法をセルフケアに取り入れる コントロールは恐怖心を育てる 純粋な自己否定をする 3.起きていることをただ感受する 守るべき感受性とは? 苦の中にある楽さに目を向ける かけられた「呪い」 「我に返る」ことが呪いを解く 自分を否定する力を、身体を持った他者として想像してみる 「感じていること=自分そのもの」ではない パニックや痛みを丁寧に感じ直す 碇を降ろす場所 4.迎え入れるという態度 拘束と拘束感は違う 自分の過去を迎え入れる 理不尽さによって身心は歪む 自分の過去を迎え入れる 物語を受け入れ、ほどいていく 心の除湿を行う 5.変化を見届ける トラウマと呼ばれているものに対して 苦しみは、本当は再現しない 苦しみを解決するのではなく、完了させる 活路は思いもよらない方角にある 頭で考えたことを、胸に下ろして感じてみる 硬直とどう向き合うか 楽に息をする身体から始まるセルフケア *** 【著】尹 雄大(ゆん・うんで) 1970年、神戸市生まれ、テレビ制作会社勤務を経てライターになる。主な著書に『さよなら、男社会』『つながり過ぎないでいい』(以上、亜紀書房)、『句点。に気をつけろ』(光文社)、『聞くこと、話すこと』(大和書房)など。武術や整体を通して得た経験から身体と言葉の関わりに興味を持っており、その一環としてインタビューセッションを行っている。
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海をこえて 人の移動をめぐる物語|松村 圭一郎
¥1,980
講談社 2025年 ソフトカバー 288ページ 四六判 - 内容紹介 - 人の移動を、ひとりの人生として、世界のあり方として、どう語るか? 「私にとって「移動」という問いは、学問的な探究という枠に収まるものではない。むしろ、互いの人生に巻き込み、巻き込まれた者として課された「宿題」なのだ」(本書「はじめに」より) エチオピアの村で生まれ育ち、海外へ出稼ぎに行く女性たち。長年、村に通う文化人類学者の著者は、その話に耳を傾け、歩みを追いかけてきた。彼女たちの実感やリアリティと、海をこえて移動する人びとを国家の視線でとらえる言説と……。その隔たりをどう問い直し、語るか。考えながら綴るエッセイ。 〈目次〉 はじめに 移動する人が見ているもの 第一章 国境のはざまで 第二章 フィールドで立ちすくむ ・フィールドノート1 女性たちの旅立ち 第三章 人類学は旅をする 第四章 移民が行き交う世界で ・フィールドノート2 変わる家族のかたち 第五章 移民の主体性をとらえる 第六章 移動する何者かたち ・フィールドノート3 知りえない未来を待つ 第七章 「人の移動」という問い ・フィールドノート4 揺らぐ夢の行方 第八章 移動の「夢」が動かすもの おわりに 対話をつづけるために - 著者プロフィール - 松村 圭一郎 (マツムラ ケイイチロウ) (著) 1975年熊本生まれ。岡山大学文学部准教授。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。専門は文化人類学。所有と分配、海外出稼ぎ、市場と国家の関係などについて研究。著書に『所有と分配の人類学――エチオピア農村社会から私的所有を問う』(ちくま学芸文庫)、『ブックガイドシリーズ 基本の30冊 文化人類学』(人文書院)、『うしろめたさの人類学』(第72 回毎日出版文化賞特別賞受賞、ミシマ社)、『これからの大学』(春秋社)、『くらしのアナキズム』(ミシマ社)、『はみだしの人類学』(NHK出版)、『小さき者たちの』(ミシマ社)、『旋回する人類学』(講談社)、『人類学者のレンズ――「危機」の時代を読み解く』(西日本新聞社)など。共編著に『文化人類学の思考法』(世界思想社)、『働くことの人類学』(黒鳥社)がある。
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痛いところから見えるもの|頭木 弘樹
¥1,870
文藝春秋 2025年 ソフトカバー 320ページ 四六判 縦193mm 横134mm 厚さ26mm - 内容紹介 - 痛みは人を孤絶させる壁。が、そこに岩清水のように滴る言葉があった。 ――鷲田清一(哲学者) ユーモラスで、しみじみせつない、はじめてみる光。 ――伊藤亜紗(美学者) 潰瘍性大腸炎から腸閉塞まで――壊れたからこそ見えるものがある。 絶望的な痛みと共に生きてきた著者がゆく〝文学の言葉〟という地平 ・水を飲んでも詰まる〝出せない〟腸閉塞のつらさ ・痛みでお粥さえ口に〝入れられない〟せつなさ ・オノマトペ、比喩……痛みを「身体で語る」すすめ ・女性の痛みが社会的に「軽視」されてきた理由 ・カントの勘違い、ニーチェの〝苦痛の効用〟…etc. なぜ痛みは人に伝わりづらいのだろう? 「痛い人」と「痛い人のそばにいる人」をつなぐ、かつてなかった本
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ミシンは触らないの|中前 結花
¥1,870
SOLD OUT
hayaoki books 2025年 ソフトカバー 256ページ B6判 縦182mm 横128mm 厚さ12mm - 内容紹介 - 作家・山崎ナオコーラさん、絶賛!! デビュー作『好きよ、トウモロコシ。』が大反響の中前結花、待望の第2作。 不器用で不格好なわたしを“だいじょうぶ”にしてくれた言葉を集めたエッセイ集。 凸凹で傷つきやすい、やさしいあなたへ送る一冊。 <書籍概要> 出会ったばかりの人にもらったラブレター、母の涙とともにかけられた言葉で思い出す後悔、できないことばかりで苦しんだときに光をくれた友人の言葉……。 読めばきっと、明日を生きる力が湧いてくる。持ち前のあたたかくやわらかかつユーモラスな筆致で「忘れられない言葉」をまとめたエッセイ集。 装丁は、話題作を多く手がけるブックデザイナー 名久井直子氏が担当。 - 目次 - 排水口とラブレター 思え!!! 恋のバナナ ポニーテール 春のぽたぽた ロマンチックとレコーダー エイキ ミシンとオーブンレンジ 寒い国から 道 花束を君に 理想のひと 宝の山 父の作文 - 著者プロフィール - 中前結花 (ナカマエユカ) (著) 兵庫県生まれ。2010年の上京以降、東京で活動。2017年、「ほぼ日」に掲載されたエッセイが話題となったことを機にさまざまなメディアでエッセイを書くようになり、糸井重里氏や麒麟の川島明氏ほか著名人からも注目を集める。会社員、フリーランスのライター等さまざまな働き方を経て作家に。2023年には初の単著『好きよ、トウモロコシ。』(hayaoki books)を刊行。目標は、強くてやさしい文章を書くこと。
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鳥と雲と薬草袋/風と双眼鏡、膝掛け毛布|梨木 香歩
¥649
新潮社 2021年 新潮文庫 ソフトカバー 320ページ 文庫判 縦151mm 横106mm 厚さ11mm - 内容紹介 - 「土地の名まえ」の背景には、いつも物語がある。そこに暮らす、人々の息遣いがある。峠や湖川など、地形に結びついた名まえ。植物や動物に由来する地名。街道や国境など、人の営みをめぐる地名。音やまなざしから付けられた名まえ。消えた地名、新たに生まれた地名……。空を行き交う鳥や風のように伸びやかに、旅した土地の名まえから喚起される思いを綴る、二作の葉篇随筆を合本した文庫版。
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優しくない地球でひとが生きのびるための80の処方箋|品田 知美
¥2,420
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亜紀書房 2025年 ソフトカバー 256ページ 四六判 縦188mm 横130mm 厚さ18mm - 内容紹介 - ●自分の習慣を変えるのは面倒だけど、出来ることから始めよう。 ●文系と理系をつないで綴る、日常の環境社会学。 地球温暖化、マイクロプラスチックの環境への広がり、SDGsの重要性……。 危機的なのはわかるけど、どうしてそんなことが起きるのか、自分がどうしたらいいのかがわからない。 ・家庭ゴミはどこまで減らすべき? ・ペットボトルを買うのは意識が低いの? ・エコマークは信じていいの? ・電磁波ってなに? ・PFASはそんなに怖い? そんなにガチガチにならないで。 まずは日常から考えて、自分に出来ること、好きなことを80の処方箋から探してみよう。 - 著者プロフィール - 品田 知美 (シナダ トモミ) (著) 社会学者。早稲田大学理工学部卒業。シンクタンクにて環境政策に携わった後、東京工業大学大学院社会理工学研究科博士課程修了。博士(学術)。城西国際大学福祉総合学部准教授を経て、退職後は駒澤大学・城西国際大学等で講義を続けるかたわら執筆活動に従事。関連する主な著作に長谷川公一・品田知美編著『気候変動政策の社会学──日本は変われるのか』(昭和堂)、橋爪大三郎編著『驀進する世界のグリーン革命──地球温暖化を越え、持続可能な発展を目指す具体的アクション』(ポット出版)などがある。また、主著に『家事と家族の日常生活──主婦はなぜ暇にならなかったのか』(学文社)、『平成の家族と食』(晶文社)等がある。
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腰痛文学|井原西鶴, 宮本百合子, 小山勝清, 壺井栄, 十返舎一九, 窪田空穂, 佐左木俊郎, 羽化仙史, 上村松園, ヘルマン・ヘッセ, 寺田寅彦
¥1,430
SOLD OUT
のどまる堂 2025年 ソフトカバー 208ページ 文庫判 縦149mm 横105mm - 内容紹介 - 豊臣秀吉に腰を揉ませて、失脚を企む柴田勝家。 孫の成長を優しく見守る、腰の曲がったおばあさん。 驚きのあまり腰を抜かしてしまう幽霊。 そして、坐骨神経痛に悩み、湯治へ向かう作家――。 「腰の痛み」や「腰の変調」を抱えた登場人物たちを集めた小説、随筆、短歌などのアンソロジー。 番外編に、今から117年前に考案された腰痛対策体操も収録。 時代を超えて人々を悩ませる「腰痛」に、文学から鋭く斬りこむ! イタタタタ - 目次 - 井原西鶴『腰抜けの仙人』 宮本百合子『ソヴェト映画物語 ―「新女性線」―』 小山勝清『秀吉の堪忍 柴田勝家の腰もみ』(羽柴筑前守の巻より) 壺井栄『十五夜の月』 十返舎一九『娑婆は沙汰なしの三々九度。騒ぎは腰を抜かした地獄落とし』(あんぽん丹 下之巻より) 窪田空穂『卓上の灯』、ほか 佐左木俊郎『山茶花』 羽化仙史『さあ、しまった!』(探奇小説 旧情婦より) 上村松園『健康と仕事』 ヘルマン・ヘッセ『最初の一日』(湯治客より) 寺田寅彦『ステッキ』 【番外】『誰でもできる簡易体操』(腰痛対策選)国民体育攻究会 編 - 著者プロフィール - 井原西鶴 (イハラサイカク) (著) 【井原西鶴】一六四二年頃~一六九三年。江戸前期の大坂生まれの浮世草子作者・俳人。 浮世草子では、武士や町人の生活の実態を客観的に描き、日本最初の現実主義的な市民文学を確立した。 代表作に『好色一代男』『日本永代蔵』など。 宮本百合子 (ミヤモトユリコ) (著) 【宮本百合子】一八九九年~一九五一年。東京生まれの小説家、社会運動家。 昭和二年にソビエト連邦へ留学。帰国後、日本プロレタリア作家同盟に加入、翌年に日本共産党へ入党。戦後は日本共産党、新日本文学会、婦人民主クラブの創立と設立に参加した。 代表作に『貧しき人々の群』、『播州平野』など。 小山勝清 (コヤマカツキヨ) (著) 【小山勝清】一八九六年~一九六五年。熊本生まれの小説家。 柳田國男に師事し、民俗学に興味を持つ。その後、少年倶楽部や熊本日日新聞に連載。少年小説『山犬少年』で小学館文学賞をうけた。 代表作に『彦一頓智ばなし』『それからの武蔵』など。 壺井栄 (ツボイサカエ) (著) 【壺井栄】一九〇〇年~一九六七年。香川県生まれの小説家、童話作家。 友人だった宮本百合子らの影響で創作を初め、三八歳で『大根の葉』を発表。五二年に発表した『二十四の瞳』は映画化にされ、広く知られるようになった。 代表作に『母のない子と子のない母と』、『柿の木のある家』などがある。 十返舎一九 (ジッペンシャイック) (著) 【十返舎一九】一七六五年~一八三一年。江戸後期の黄表紙・洒落本・合巻作者。 静岡で生まれで、大坂で浄瑠璃作者となった。その後江戸で、版元の蔦屋重三郎のもとで黄表紙、洒落本、滑稽本などを出版した。 代表作に『東海道中膝栗毛』『江之島土産』など。 窪田空穂 (クボタウツボ) (著) 【窪田空穂】一八七七年~一九六七年。長野生まれの歌人・国文学者。 新聞記者などを経て、母校の早稲田大学教授に着任してからは歌人・国文学者として、精力的に古典研究を行った。文化功労者。 代表する歌集に『まひる野』、『濁れる川』、『木草と共に』など。 佐左木俊郎 (ササキトシロウ) (著) 【佐左木俊郎】一九〇〇年~一九三三年。宮城生まれの小説家。 農家の家に生まれたが没落し、中等教育を受けることができなかった。その後、鉄道員、小学校の代用教員などを経て新潮社に入社。編集者として働く傍ら、故郷を舞台に、農民の実像に迫る作品を発表し、農民文学の旗手として注目された。ほかにも猟奇小説や探偵小説も手掛けたが、多忙がたたり、三二歳の若さで早世した。 代表作に『熊の出る開墾地』、『黒い地帯』など。 羽化仙史 (ウカセンシ) (著) 【羽化仙史】一八五七年~一九三〇年。渋江保のペンネームのうちのひとつ。江戸生まれの翻訳家、著作家、教師、ジャーナリスト、自由民権家。 科学、数学、地理、歴史、哲学、文学、心理学、催眠術、記憶術、奇術、易学の解説にいたるまで無類の博識ぶりを発揮した。著作も一部雑誌を含め一九五冊にも及び、羽化仙史、渋江不鳴名義では冒険、怪奇、SFなどの小説を執筆した。 羽化仙史の代表作に『冒険小説 月世界探検』、『冒険小説 奇人の航海』などがある。 上村松園 (ウエムラショウエン) (著) 【上村松園】一八七五年~一九四九年。京都生まれの日本画家。 理想化された女性ではなく、普通の女性を描いた美人画や、能の謡曲に登場する女性を再現する題材などで知られる。文化勲章を受章。 代表作に『序の舞』、『焔』、『母子』など。著書に『青眉抄』、『青眉抄その後』がある。 ヘルマン・ヘッセ (ヘルマンヘッセ) (著) 【ヘルマン・ヘッセ】一八七七年~一九六二年南ドイツのカルフ生まれの作家、詩人。 新ロマン主義でデビューしたが、第一次世界大戦時に公然と戦争批判をし、新聞・雑誌からボイコットを受ける。のちにスイスに帰化。以後の作品は、自己の内面追求、文明批評などをテーマとするようになった。ノーベル文学賞受賞。 代表作に『車輪の下』、『デミアン』、『ガラス玉演戯』など。 寺田寅彦 (テラダトラヒコ) (著) 【寺田寅彦】一八七八年~一九三五年。東京生まれの物理学者、随筆家、俳人。 物理・地球物理・気象・地震・海洋物理・応用物理学など多方面を研究した。エックス線結晶構造の研究で学士院恩賜賞受賞。また、夏目漱石に師事し、多くの写生文・科学随筆を発表した。 おもな著作に『藪柑子集(やぶこうじしゅう)』、『地球物理学』など。
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本が生まれるいちばん側で|藤原印刷
¥2,310
ライツ社 2025年 ソフトカバー 232ページ 四六変型判 縦178mm 横130mm - 内容紹介 - 本をつくる人が増えれば、きっと読む人も増える。 そう信じて、個人の本づくりに伴走し続け、 「ZINEの聖地」と呼ばれた印刷会社が長野にある。 ・表紙がダンボールでできた写真集 『隙ある風景』ケイタタ ・個人で1万部以上売っている短歌集 『100年後あなたもわたしもいない日に』土門蘭・寺田マユミ ・大学生がつくった、40ページの初めてのZINE etc… 『300年前のこと』とみたみずき あの本もこの本も、藤原印刷だったんだ! 本書は、長野県松本市にある老舗印刷会社、藤原印刷の三代目・藤原兄弟による、本づくりへの熱い想いを綴った一冊です。 かつては教科書や専門書を中心に黒子として働いていた藤原印刷が、個人の「自分で本をつくりたい」という想いに応え、伴走し続けてきた15年の軌跡。 語られるのは、出版社も書店員も本好きもまだ知らない、印刷所にしか語れない本のこと。 本づくりの常識をくつがえす自由で創造的な取り組みの数々が紹介され、読了後には「こんな本でもアリなんだ!」「わたしでも本をつくれるんだ!」と心が動かされるはずです。 だれかのためでも、売上のためでもない。自分の衝動に従ってつくる。 ――そのよろこびと可能性について、藤原兄弟が自らの言葉でまっすぐに伝えてくれる一冊です。 - 目次 - 【はじめに】 伝えたいのは「つくるよろこび」 【第1章】 本をつくるって最高だ! 【第2章】 人が本をつくる理由 【コラム1】 こんなことでも、本にしていいんだ とみたみずきさん『300年前のこと』 【第3章】 「できない」のない本づくりを実現するために 【コラム2】 DIYは、狂気を宿す ケイタタさん『隙ある風景』 【第4章】 「本をつくりたい」と思ったときに考えること 【おわりに】 本をつくることは、自由になること - 著者プロフィール - 藤原印刷 (フジワラインサツ) (著) 藤原印刷株式会社 戦後ひとりの女性タイピストがはじめた印刷会社。製造業である印刷業でホスピタリティと顧客満足を最も大切にしている。だれもやったことがない仕様に挑むことを得意とし、印刷の駆け込み寺として全国から問い合わせを集める。 印刷屋の本屋(2018)、印刷工場のオープンファクトリー「心刷祭」(2019)などのサービスを立ち上げ。2023年、個性を宿した本づくりを推進する「クラフトプレス」を宣言。今日もどこかで「つくるよろこび」をつくっている。 兄・藤原隆充(ふじはらたかみち) 藤原印刷株式会社 専務取締役 1981年東京都国立市生まれ。大学卒業後コンサルティング会社、ネット広告のベンチャー企業を経て2008年に家業へ。 弟・藤原章次(ふじはらあきつぐ) 藤原印刷株式会社 取締役東京支店長 1984年東京都国立市生まれ。大学1年時からベンチャー企業で営業としてインターンをはじめる。人材系ベンチャーの創業立ち上げメンバーとして参画し、2010年に家業へ。
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あたらしい日常、料理|藤原 奈緒
¥1,980
山と渓谷社 2025年 ソフトカバー 128ページ A5判 - 内容紹介 - 料理家・藤原奈緒さんの初の書籍! 大人気商品、ふじわらのおいしいびん詰め「納豆辣油」のレシピ初公開! 東京から北海道と千葉へ、2拠点生活を始めるまでの料理とエッセイ。 料理は、あなたのお守りになる。クタクタな日こそ調味料に頼っておいしいごはんで自分を満たそう。 いつもの家庭のごはんをより手軽に、さらにおいしくという思いを込めたびん詰め調味料を手がける、料理家・藤原さんのエッセイとレシピをまとめた初めての書籍。 「毎日違うものを作らなくていい」「残り物でおいしいごはんを」「地元の野菜に頼る」「ていねいに作るとおいしい時間が長い」など。毎日がもっと楽に、楽しく料理できるようになる知恵をお伝えする1冊です。 一人暮らしの方や毎日仕事や家事、子育てを頑張っている人、おいしいものを食べるのが好きな人。 そんな人たちに、料理をするのが楽しくなって、自分を助けてくれるごはんの話を伝えます。 - 目次 - ■内容 はじめに はる ごはん、春菊、しらす、レモン塩、焼き海苔 ――レモンとしらす、海苔のおすし ブロッコリー、しめじ、いりこ、味噌 ――ブロッコリーとしめじの味噌汁 豚ひき肉、しめじ、ねぎ、白菜、卵 ――しめじと白菜のしゅうまい キャベツ、大豆、まつたけ、かつおだし、バター ――キャベツと煎り大豆のスープ スペアリブ煮豚、干ししいたけ戻し汁、いりこだし、中華麺 ――一期一会ラーメン 鯛、かぶ、うど、高菜、かつお菜、パクチー、レモン、塩 ――鯛のスープ なつ かつお、青じそ、すりごま、ごはん ――かつおのたたき 豚ひき肉、木綿豆腐、にんにく、しょうが、納豆辣油 ――麻婆豆腐 モロヘイヤ、パクチー、バジル、豚肉、きゅうり、稲庭うどん ――モロヘイヤ/ハーブのかき揚げ かれい、しょうが、めんつゆ ――かれいの煮つけ にら、ささみ、ゴーヤ、卵、納豆辣油 ――万能にらだれ 中華麺、納豆辣油 ――納豆辣油焼きそば あき たら、にんじん、キャベツ、かぶ、トマト ――たらと残り野菜のスープカレー かぶ、ちくわ、がんも、さつま揚げ ――さっと煮おでん 小松菜、しょうが、油揚げ ――小松菜とお揚げのナンプラー炒め 豚肉、きのこ、いんげん、キャベツ ――豚肉と野菜のせいろ蒸し ごはん、梅干し、海苔 ――おむすび まぐろ、たち、つぶ、かすべ ――旬のかんきつで作るぽんず ふゆ にんじん、たまねぎドレッシング ――にんじんフリット たら、じゃがいも、かぶ、白菜、ねぎ、牛乳 ――たらと白い野菜のチャウダー にんにく、たまねぎ、いりこ、パスタ、卵 ――にんにくとたまねぎのパスタ 長芋、ゆりね、梅干し ――長芋、ゆりね、梅干しのスープ 大根、なめこ、豚肉、みつば、白菜 ――なめこおろし鍋 じゃがいも、しいたけ、しめじ、まいたけ、にんにく、バター ――じゃがいものニョッキ バターときのこのソース 【コラム1】名もなき料理をおいしくする、ふじわらのおいしいびん詰め 【コラム2】台所をパワースポットに。自分を喜ばせるごはん作り 今、これから
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台所が教えてくれたこと ようやくわかった料理のいろは|大平 一枝
¥1,980
平凡社 2025年 ソフトカバー 232ページ 四六判 - 内容紹介 - NHK「あさイチ」の「わたしの台所物語シリーズ」に出演中! 数々の台所を取材してきた著者が自身の人生を彩ってきた料理のいろはを綴るエッセイ集。 - 著者プロフィール - 大平 一枝 (オオダイラ カズエ) (著) 作家、エッセイスト。長野県生まれ。大量生産、大量消費の社会からこぼれ落ちるもの・こと・価値観をテーマに各誌紙に執筆。著書に『東京の台所』『男と女の台所』『もう、ビニール傘は買わない。』(平凡社)、『届かなかった手紙』(角川書店)、『あの人の宝物』(誠文堂新光社)、『新米母は各駅停車でだんだん本物の母になっていく』(大和書房)ほか。「東京の台所2」(朝日新聞デジタル&w)、金曜エッセイ「あ、それ忘れてました(汗)」(北欧、暮らしの道具店)、「令和・かぞくの肖像」(OIL MAGAZINE)など連載多数。
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人間関係を半分降りる 増補版 気楽なつながりの作り方|鶴見 済
¥880
筑摩書房 2025年 ちくま文庫 ソフトカバー 288ページ 文庫判 - 内容紹介 - 人間は醜い。だから少し離れてつながろう! 大ベストセラー『完全自殺マニュアル』の著者が、悲痛な体験から生きづらさの最終的な解決法=優しい人間関係の作り方を伝授する。友人、家族、恋人。人生で何より人間関係に悩んだ著者が血を流すように自らの体験を元に考え抜き、発見した、解放感のある具体的な解決策。文庫化にあたりその後の状況を増補した。 解説 鴻上尚史 カバーデザイン 鈴木千佳子 - 目次 - 文庫版まえがき まえがき 第1章 友人から一歩離れる 第2章 家族を開く 第3章 恋人をゆるめる 第4章 こうすれば気楽になれる あとがき 文庫版補足1 本を出したあとのこと 文庫版補足2 兄の問題のその後 文庫版あとがき 解説 鴻上尚史 - 著者プロフィール - 鶴見 済 (ツルミ ワタル) 1964年、東京都生まれ。東京大学文学部社会学科卒。複数の会社に勤務した後、90年代初めにフリーライターに。生きづらさの問題を追い続けてきた。精神科通院は10代から。つながりづくりの場「不適応者の居場所」を主宰。著書に『0円で生きる』『完全自殺マニュアル』『脱資本主義宣言』『人格改造マニュアル』『檻のなかのダンス』『無気力製造工場』などがある。 ブログ:鶴見済のブログ(tsurumitext.seesaa.net) X(旧Twitter):鶴見済(@wtsurumi)
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【サイン本】群青のハイウェイをゆけ | きくち
¥1,980
hayaoki books 2025年 ソフトカバー 272ページ 四六判 縦188mm 横128mm 厚さ17mm 尾鷲市須賀利町も登場! - 内容紹介 - ときに身軽な散歩のようで、ときに切実な祈りのような、週末の旅の記録。 「うらやましい感受性と文才」「すぐれた短編小説のよう」 ブログで絶賛コメント殺到!! 謎のはてなブロガーきくち、待望の初書籍です。 2010年代から現在まで、青年期と共にあった短い旅の記録をまとめた短編集。旅行記19編とエッセイ6編を収録。装丁は吉岡秀典氏(セプテンバーカウボーイ)、装画を漫画家の森泉岳土氏が担当しています。 巻末にはカラーの写真ページも。さらに、本に登場する場所をまとめたマップ(Googleマップ)もご覧いただけます。 ▼作家 くどうれいんさん、phaさん推薦!! 「わたしがひとつの街だったなら、きくちさんのような旅人の眼差しを心待ちにすると思う」(くどうれいんさん/作家) 「やっぱり旅に出ないといけない。じっとしていると人生に飲み込まれて、何もわからなくなってしまうから」(phaさん/作家) ///以下、本文より/// 真鶴は、駅から海まで緩やかな下り坂が続いている。小さな港があり、美味しい鮮魚が居酒屋で楽しめる。適度な間隔で家並みが続き、夜になればぽつりぽつりと街灯がともり、港も暖色の明かりがこぼれている。波止場に腰かけて酒を飲もうものなら、それはもうとても素晴らしいことのように思えるのだ。(神奈川県・真鶴町) * ソウルはしとしとと寂し気に雨が降っており、日本の梅雨に似た雨雲が一面を覆っていた。韓国人と日本人の7月の心象風景は似たようなものなのかもしれない。もしかしたら北朝鮮人もそうなのだろうか。(韓国・ソウル) * 「僕たち、いつまでこんなことできるんでしょうね」と加藤が言った。 僕は「別に一泊二日で出かけるくらい、いつでもできるでしょ」と答えた。心の中では同じように、うっすらと喪失感のようなものを感じていた。30代になると、油断をするとすぐ、失われるものへの感傷が忍びこんでくるのだ。(ベトナム・ホーチミン) * すっと家を出て、ちょっと寝てる間に盛岡に着き、焼肉・冷麺ができたのだから、海に行かなくても今年の夏はこれで十分だと思った。(岩手県・盛岡市) * 今日どこに泊まるのかも決めていない。とりあえず適当に南下を続けているわけだが、天気さえよければ、うまい弁当を食べ適当に走っていくのも悪くないものである。(福島県・浜通り) * 突然、アジフライが食べたいなと思った。しかも、その辺のアジフライということではなく、とびきり美味しいやつがいいなあと思った。そういうことがときどきある。(千葉県・木更津市) /// 目次 秋風の速度はどれくらい。静かで小さな真鶴の夜(神奈川県・真鶴町) 2014年、香港。雨傘が揺れる街(香港) 戦後日本の傑作カクテル”雪国”を生んだバーテンダーの酒を飲みに、酒田のバー「ケルン」へ(山形県・酒田市) 日本最北、酒田のキャバレー白ばらのママは言った「あなたがおむつをはいていた頃にはね」(山形県・酒田市) 【エッセイ】大学入学の春、初めて学んだのはケンカのコツだった 青森の霊場恐山へ。イタコに口寄せられし祖父に会う(青森県・恐山) 【エッセイ】本当の夜の真っ暗 埼玉県の“さいたま”の起源を探しに真夜中の埼玉へ(埼玉県・行田市) 天変地異をおさめるために、埼玉の隠れ名物なまずを食べに行く(埼玉県・吉川市) 【エッセイ】坂と酒の街、神楽坂で過ごしたうたかたの日々 ソウルで平壌式冷麺を食べ、北朝鮮を見にイムジン河へ行く(韓国・ソウル) 三重縦断の旅、スーパーの明かりは僕たちを照らす(三重県・須賀利町) 【エッセイ】野良トイレットペーパー売り ホーチミンへ。伊勢うどんに影響を受けたベトナム麺料理カオラウとは(ベトナム・ホーチミン) カイコー・タケシ・マティーニで夜は更けて(ベトナム・ホーチミン) 【エッセイ】じゃあね、東京 チャオプラヤ川で溺れませんように(タイ・バンコク) 雨の盛岡。一人焼肉からの冷麺で夏は終了(岩手県・盛岡市) 福島県浜通りをひたすら南へ。はらこ飯をしずかに食べる(福島県・浜通り) 千葉、奇跡のアジフライを探す旅(千葉県・木更津市、館山市) 武者小路実篤が作った社会主義っぽい村落共同体へ行く(埼玉県・毛呂山町) 青森とかいう寂しい街(青森県・青森市) 【エッセイ】恒星と惑星 結婚式前夜、香川のディスコで、クイーンとステップを(香川県・高松市) 2025年、香港の銀河のひかり(香港、深圳) - 著者プロフィール - きくち (キクチ) (著) 1991年生まれ。埼玉県在住の会社員。2016年よりブログ『今夜はいやほい』で、夜中にこっそり出かけたりひそひそ酒を飲んだりした遊びの記録を綴る。「ほぼ日通信WEEKLY」「SUUMOタウン」などさまざまなメディアでエッセイを執筆。X(Twitter):@zebra_stripe_
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作家と山 | 平凡社編集部
¥2,200
平凡社 2025年 ソフトカバー 304ページ B6変型判 - 内容紹介 - 大好評の「作家と〇〇」シリーズ、最新刊は山。昔の文豪から当代一のベストセラー作家まで、みんな山にハマっていた! 登山の楽しみを描いたエッセイ、詩などを収録。 【収録作品(掲載順)】 なだれ 井伏鱒二 1 日本アルプス 槍ケ岳紀行 芥川龍之介 涸沢の岩小屋のある夜のこと 大島亮吉 霊気 豊島与志雄 案内人風景 百瀬慎太郎 三俣蓮華岳への思い 辻邦生 白馬連峰──山という別世界の花 池澤夏樹 奥穂と校了 若菜晃子 南アルプス 吉田博 駒鳥の谷 野尻抱影 真夏の急登 沢野ひとし 2 さまざまな山旅 雪中富士登山記 小島烏水 「山上湖へ」より 若山牧水 霧ヶ峰から鷲ヶ峰へ 徳田秋声 八ガ岳に追いかえされる 梅崎春生 稜線を泳ぐ 南木佳士 十勝の朝 中谷宇吉郎 英彦山に登る 杉田久女 阿蘇外輪 小杉放庵 山小屋の一夜 畦地梅太郎 山と温泉 小林百合子 『崩れ』より 幸田文 水源へ 安岡章太郎 尾ノ沼谷 志水哲也 最高の登山 石川直樹 ウェストンの初登攀をたどる 服部文祥 ? 山へのあこがれ、山の愉しみ 筑波 岩本素白 富士山頂から東京を見る 新田次郎 漫談・火山を割く 牧野富太郎 雷鳥尾行記 田淵行男 山のコドモ 岡本かの子 低山登山は楽しい 安西水丸 クルコノシェ山地から 出久根育 コツコツ地道に 本上まなみ 3 山の哲学 山に登る 萩原朔太郎 凹面谷 串田孫一 霧とサルオガセ 北杜夫 初登山に寄す 今西錦司 山は如何に私に影響しつつあるか 田部重治 山の魅力 木暮理太郎 登山家という言葉 深田久弥 登山趣味 正宗白鳥 「登山好き」が思うこと 湊かなえ なぜ登るのか 小手鞠るい 山へ入る日・山を出る日 石川欣一
