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裸の大地 第一部 狩りと漂泊 | 角幡 唯介
¥858
集英社 2025年 集英社文庫 ソフトカバー 328ページ 文庫判 縦152mm 横105mm 厚さ14mm - 内容紹介 - 『極夜行』後、再び旅する一人と一匹に、いったい何が起こったか。 GPSのない暗黒世界の探検で、日本のノンフィクション界に衝撃を与えた著者の新たなる挑戦! 探検家はなぜ過酷な漂泊行にのぞんだのか。未来予期のない世界を通じ、人間性の始原に迫る新シリーズの第一作です。 「この旅で、私は本当に変わってしまった。覚醒し、物の見方が一変し、私の人格は焼き焦がれるように変状した」―――本文より <目次> 四十三歳の落とし穴 裸の山 狩りを前提とした旅 オールドルート いい土地の発見 見えない一線 最後の獲物 新しい旅のはじまり 文庫版あとがき 解説 服部文祥 著者プロフィール 角幡唯介(かくはた・ゆうすけ) 1976年北海道生まれ。早稲田大学探検部OB。2010年『空白の五マイル チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む』で第8回開高健ノンフィクション賞受賞、11年同作で第42回大宅壮一ノンフィクション賞、第1回梅棹忠夫・山と探検文学賞受賞。12年『雪男は向こうからやって来た』で第31回新田次郎文学賞、13年『アグルーカの行方 129人全員死亡、フランクリン隊が見た北極』で第35回講談社ノンフィクション賞、15年『探検家の日々本本』で第69回毎日出版文化賞書評賞、18年『極夜行』で第1回Yahoo!ニュース | 本屋大賞 ノンフィクション本大賞、第45回大佛次郎賞を受賞。他の著書に『新・冒険論』『極夜行前』などがある。
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食いしん坊発明家 | 小泉 武夫
¥649
新潮社 2025年 新潮文庫 ソフトカバー 240ページ 文庫判 縦151mm 横106mm 厚さ9mm - 内容紹介 - この本に書かれている「発明」は、食いしん坊発明家である俺が考案し、特許を取ったものである--米と牛乳を使った風味絶佳な「ライスチーズ」、カボチャから作られた耽美なる甘さの「黄色い砂糖」、馥郁たる香りでチャーハンを大変身させる「エビラード」、そして不可能とされていた「松茸の栽培」にも挑戦し……。極上のうまみがチュルル、ピュルルとあふれ出す究極にして至高の発明をご賞味あれ。
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「手に負えない」を編みなおす | 友田 とん
¥1,980
柏書房 2025年 ソフトカバー 248ページ 四六判 - 内容紹介 - 「言葉も、記憶も、インフラだったのか!」 地下鉄の漏水対策の観察から始まる、暮らしと探究のクロニクル。予測不能な脱線の果てに目にした景色とは――。 『『百年の孤独』を代わりに読む』著者、待望の新作! 「ユーモアも文章力も本当にすごい。でも何より、なんでもなさそうなものにまなざし、愛でる感性に胸打たれ、嫉妬しました」――星野概念さん(精神科医)も推薦! 【あらすじ】 十年近く前に「地下鉄の漏水対策」に心を奪われ、極私的なフィールドワークを続けてきた著者。その過程で気づいたのは、人が手当てをすることで維持されている「手に負えない」ものに、なぜか心惹かれてしまう自身の性質だった。 「手に負えない」ものたちとのちょうどいい向き合い方を見つけたい。だが、解決の糸口をつかむたびに新たな「手に負えない」が発生し、圧倒されてしまう。果たしてこの本を、無事に閉じることはできるのか! 予測不能な脱線の果てにある、謎の感動をあなたに。 - 目次 - まえがき 第一部 地下鉄にも雨は降る 第一回 探しものはなんですか? 第二回 上を向いて歩こう 第三回 この恍惚を味わいたかったのかもしれない 第四回 管理台帳の姿を想像しながら 第五回 地方の地下鉄も見に行く 第六回 手に負えない 第二部 手に負えないものたちと暮らしてみる 第一章 さかのぼる 第二章 見る 第三章 作る 第四章 編みなおす あとがき - 著者プロフィール - 友田 とん (トモダ トン) (著) 作家・編集者。一九七八年京都市生まれ。慶應義塾大学経済学部卒、同大学大学院理工学研究科博士課程修了、博士(理学)。企業で研究開発に従事するかたわら、二〇一八年に『『百年の孤独』を代わりに読む』を自主制作(二〇二四年にハヤカワ文庫NFより再刊)。同書を全国の本屋さんへ営業したのを契機に、ひとり出版社・代わりに読む人を立上げる。日常や文学に可笑しさを見つける作品を発表しながら、独特の視点を持つ様々な著者の小説やエッセイを刊行する。著書に『ナンセンスな問い』(エイチアンドエスカンパニー)、『先人は遅れてくる』『パリのガイドブックで東京の町を闊歩する』(代わりに読む人)、『ふたりのアフタースクール』(太田靖久氏との共著、双子のライオン堂)などがある。
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筋肉と脂肪 身体の声をきく | 平松 洋子
¥935
新潮社 2025年 新潮文庫 ソフトカバー 512ページ 文庫判 縦151mm 横106mm 厚さ18mm - 内容紹介 - スポーツが得意だったら、自分の人生も少しは違っていたのかもしれない――。そんな夢想に端を発し、アスリートの身体と精神に迫る取材の旅が始まった。力士、プロレスラー、陸上選手、そしてスポーツ栄養士、サプリメントや体脂肪計の開発者との、驚きと発見に満ちた対話。食をライフワークとして書き続けてきた著者の集大成にして新境地! 『ルポ 筋肉と脂肪 アスリートに訊け』改題。
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ペットを愛した人たちがペットロスについて語ったこと 作家・アーティストたちの152の言葉 | サラ・ベイダー(著), 佐藤弥生(訳), 茂木靖枝(訳)
¥2,200
フィルムアート社 2025年 ソフトカバー 248ページ 四六判 - 内容紹介 - レイモンド・チャンドラー、エドワード・ゴーリー、ビリー・ホリデイ、チャールズ・シュルツ、ヘレン・ケラー、バラク・オバマ―― 古今東西の作家、芸術家、音楽家、研究者、医者、政治家、トレーナーたちが、 どれほどの愛をもってペットに接し、そしてその別れにどう向き合ってきたか 本書は、100名以上の著名人がのこした、ペットにまつわる152のことばと、24名についてのエッセイを収録した、ペットへの深い愛が詰まった一冊です。 手紙や日記、伝記、回顧録、エッセイ、インタビュー等を通して明らかにされるペットとの絆、別れを迎える「そのとき」の心境、その後の喪失感とどう向き合ったかがそれぞれ綴られています。 エッセイでは写真とともにエピソードを紹介しており、『ピーナッツ』作者のチャールズ・シュルツとスパイク(スヌーピーのモデル、雑種犬)、『ピータラビット』作者のビアトリクス・ポターとシャリファ(ネズミ)、レイモンド・チャンドラーと女王タキ(ペルシャ猫)など、犬や猫だけでなく、ウサギや鳥、馬、ネズミ、マングースなどの動物も登場します。 愛するペットを失うその心の痛みについて、ノーベル賞作家のV・S・ナイポールは「大きな悲劇」と表現し、作家のメイ・サートンは「火山が噴きあがるような激しい悲しみ」と称しています。本書は、ペットロスに悩む方、「そのとき」への心構えができない・想像もつかないという方にとって、慰めと将来への展望を与えてくれる、道しるべとなる一冊です。 この数年間、あの子は部屋の隅々を、分刻みの時間を、そしてわたしを、とてもやさしく満たしてくれた。 ――アリス・B・トクラス(芸術家) 探しものの最中に、うちの猫の1匹がもうじき9歳になり、そしてもう1匹がまもなく8歳になるという事実に出くわした。 てっきりまだ5歳か6歳くらいだと思っていたのに。 ――エドワード・ゴーリー(作家・芸術家) 悲しみは長くつづき、もう二度と犬は飼わないと心に決めた。 けれども、誰もが知っているように、そのうちにまた別の犬がやって来るのだ。 ――ヘレン・ケラー(教育家・作家・社会活動家) その駆け抜ける生は、あまりにも短い。犬はあっという間に行ってしまう。 その悲しみの物語なら、わたしにもあるし、きっとあなたにもあるだろう。 老いていくのをただ見守るなんて、意志の敗北、愛の敗北のようにさえ思える。 どんな手を尽くしてでも、ずっとそばにいてほしい、若いままでいてほしい。 ただひとつ、わたしたちが与えられぬ贈り物。 ――メアリー・ウォリバー(詩人) 【本書に登場する主な人々】 アンディ・ウォーホル、フレッド・ロジャース、村上春樹、E・B・ホワイト、キース・リチャーズ、ジュリア・チャイルド、ヴァージニア・ウルフ、ルイ・アームストロング、アントン・チェーホフ、レイモンド・チャンドラー、ゾラ・ニール・ハーストン、ジョン・スタインベック、チャールズ・シュルツ、パブロ・ネルーダ、ニコラ・テスラ、マンディ・パティンキン、ロバート・フロスト、ヘレン・ケラー、エミリー・ディキンソン、P・G・ウッドハウス、ビリー・ホリデイ、ジョージア・オキーフ、アリス・ウォーカー、ウィリアム・S・バロウズ、アーシュラ・K・ル゠グウィン、エドワード・ゴーリー、イーディス・ウォートン、アーサー・C・クラーク、アリス・B・トクラス、エドワード・オールビー、ジョン・スタインベック、ディーン・クーンツ、フィオナ・アップル、ユージン・オニール、バラク・オバマ、エレノア・ルーズベルト、エイミ・タン、ビアトリクス・ポター、ウィンストン・チャーチル、レイチェル・カーソン、セレーナ・ウィリアムズ、パティ・スミス、ジェーン・グドール、トルーマン・カポーティ、ウォルター・スコット、ジークムント・フロイト、マーク・トゥエイン、ジョージ・ゴードン・バイロン…… - 目次 - はじめに 第1章 わたしたちふたりを囲む輪 第2章 そのときはやがて訪れる 第3章 自分に寄り添う影を失って 第4章 悲しみのその先に 第5章 最後の贈り物 謝辞 出典 クレジット 人名略歴・索引 - 前書きなど - この本は、かつてわたしが探して見つからなかった本であり、わたしが何度も繰り返し立ち返る本である。本書があなたにとっても慰めになることを願っている。(「はじめに」より) - 著者プロフィール - サラ・ベイダー (サラ・ベイダー) (著) プリンストン・アーキテクチュラル・プレス社の書籍編集者を経て、ファイドン社では編集主任を務めた。ビジュアルカルチャーに関する書籍の編集のほか、『the DESIGNER says デザイナーから学ぶ創造を磨く言葉たち』(ビー・エヌ・エヌ)、『アートは希望の最高の形 Art Is the Highest Form of Hope』(未邦訳)、『日々を輝かせてくれる言葉 Every Day a Word Surprises Me』(未邦訳)など、名言集の企画・編集を手がけ、2010年には、検証済みの新旧の名言を集めたオンライン・ライブラリー Quotenik.com を立ちあげ、運営をつづけている。 佐藤弥生 (サトウヤヨイ) (訳) 英日翻訳者。幼少期を返還前の香港で暮らす。商社などの勤務を経て、国内メーカー、在日米海軍などで20年以上技術翻訳に携わったのち、出版翻訳に従事する。訳書に『映像編集の技法』『「書き出し」で釣りあげろ』『感情を引き出す小説の技巧』『読者を没入させる世界観の作り方』『映像編集のファースト・レッスン』(以上フィルムアート社/共訳)、『ダイヤモンドを探せ』(KADOKAWA)などがある。 茂木靖枝 (モギヤスエ) (訳) 英日翻訳者。ロンドンで英語とコンピューターを学ぶ。金融系システム会社や翻訳会社などの勤務を経て、現在は産業翻訳から出版翻訳まで幅広く手掛ける。訳書に『映像編集の技法』『「書き出し」で釣りあげろ』『感情を引き出す小説の技巧』『読者を没入させる世界観の作り方』『映像編集のファースト・レッスン』(以上フィルムアート社/共訳)、『ザ・シークレット・オブ・ジ・エイジズ』(KADOKAWA)などがある。
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これがそうなのか | 永井 玲衣
¥1,980
集英社 2025年 ソフトカバー 320ページ 四六判 縦188mm 横131mm 厚さ23mm - 内容紹介 - ことばと出会い、ことばと育ち、ことばを疑い、ことばを信じた。 『水中の哲学者たち』で一躍話題となった著者は、 ことばに支えられながら、世界を見つめ続ける――。 過去から現在までの著者自身を縦断し、 読者とともにこの社会を考える珠玉のエッセイ集。 【第一部 問いはかくれている】 日々生まれる「新語」。 新語は、現代社会が必要とするから生まれるはず――。 けれど、なぜ私たちはそのことばを作ることにしたのだろう? 新語の裏に潜む問いを探り出し、私たちの「いま」を再考する12篇。 【第二部 これがそうなのか】 幼少期を本とともに過ごしてきた著者。 これまでに読んできた数々の本の中から大切な言葉を選び抜き、争いの絶えないこの世界との対話を試みる。 過去に書き残されてきた幾つもの言葉から、私たちの未来を惟る12篇。 【著者略歴】 永井玲衣 (ながい・れい) 1991年東京都生まれ。人びとと考えあい、ききあう場を各地でひらいている。問いを深める哲学対話や、政治社会について語り出してみる「おずおずダイアログ」、せんそうについて表現を通して対話する写真家・八木咲とのユニット「せんそうってプロジェクト」、Gotch主催のムーブメント「D2021」などでも活動。 著書に『水中の哲学者たち』『世界の適切な保存』『さみしくてごめん』がある。第17回「わたくし、つまりNobody賞」受賞。詩と植物園と念入りな散歩が好き。
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もうしばらくは早歩き | くどう れいん
¥1,760
新潮社 2025年 ソフトカバー 208ページ 四六変型判 縦188mm 横127mm 厚さ16mm - 内容紹介 - この世はわたしを動かすものばかり! 豊かでいとおしいムーブの日々。新幹線、車、飛行機、ローラースケート、台車、たらい船、象、そして自分の足――多彩な移動手段を使った先に立ち現れるさまざまな風景。教習所の教官とのやり取りには笑いがこぼれ、自転車と紡いだ学生時代の思い出には切なさがあふれる。短歌から小説まで、言葉と心を通わせてきた書き手が贈る、一歩ふみ出すエッセイ集。
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文通 答えのない答え合わせ | 古賀及子, スズキナオ
¥1,870
シカク出版 2025年 ソフトカバー 256ページ 四六判 縦188mm 横127mm 厚さ18mm - 内容紹介 - 令和エッセイブームを牽引するふたりが「大人の感情」をテーマに交わした往復書簡集。 私家版(ZINE) 1300冊を半年で売り切り、読書家の間で密かな話題となった作品が、倍のボリュームとなって書籍化! 「ナオさんも春は怖いですか? 大人らしさや、そこに付随する感情の抑制や発露について考えていることはありますか?」 「感情的」という言葉は子どもや若者の特徴のように扱われがち。 しかし大人だからこそ振り回されたり、大人になったから知る感情もあります。 切実なのに軽んじられがちな大人の感情を見つめ、それぞれの目線で汲み上げて綴った、ちょっと弱気な対話の記録。 - 目次 - 春がおそろしくって、もう嫌になってしまいそうなんです 自分が今どれぐらい大きな声を出せるのか試したい 私は青春を見つけるのがすごくうまいんです 青春ばかり追いかけている青春人間だと思います 忘れると簡単に自分から消えてしまう種類の興奮じゃないでしょうか ガンガンのぼって行ってしまいそうになるんです とにかく細かく尊重し肯定するしかないなと思います 時間について考える時間がもっと欲しい なにもかも誰より一番慣れないように生きていました 意図したようにならないということが面白くて仕方ない 芸術がとてつもなく広義であることに最近あらためて癒されています 「贅沢な悩み、上等!」と言いたいんです 一人でいることは、私は結構得意です ギャル的なものを自分の中にいつも持っておけるように 驚くことになんともはや彼らが私の中にいるんですよ どれをどの比率で混ぜるかというミックス具合だけ どうしたってかぶりようがない、本物の無限 弱い音が、弱さゆえに最大の効果を生む 愛し合うことなく人が集まって、毎日会うってすごい 気を遣われることによって、なぜか元気が消えて 私は子どもの頃から、新しい刺激をできるだけ受けたくない気質なんです 好きな作品でも、さっさと終わってそこから解放されたい 今日、ジャムが枯れました 自分の頭の中からはまったく生まれない行き先 新しいことはできるだけ知りたくない、混乱したくないのかもしれないです よれよれになった心が少ししゃんとした いつだって、故郷の緑を祈りたいです 胸を張って言える感じが自分の中にずっとない 傷つきの記憶と取り返しのつかなさについてはっとしたことがあって、聞いて下さい - 著者プロフィール - 古賀及子 (コガチカコ) (著) 1979年、東京都生まれ。エッセイスト。ウェブメディアのライター、編集者を経て2024年より現職。著書に『私は私に私が日記をつけていることを秘密にしている』(晶文社)、『気づいたこと、気づかないままのこと』(シカク出版)、『ちょっと踊ったりすぐにかけだす』(素粒社)ほか。 スズキナオ (スズキナオ) (著) 1979年、東京都生まれ、大阪在住のライター。WEBコラムサイト「デイリーポータルZ」などで執筆中。著書に『歩いて5分の旅館に泊まる』(太田出版)『思い出せない思い出たちが僕らを家族にしてくれる』(新潮社)『酒ともやしと横になる私』(シカク出版)など。
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飼い主もも | 桃山 鈴子
¥1,870
雷鳥社 2025年 ソフトカバー 256ページ 四六判 縦188mm 横128mm 厚さ22mm - 内容紹介 - 不思議な生きものたちとの同居生活を綴る。イモムシ画家・桃山鈴子はじめてのエッセイ 細密に描写する日本初のイモムシ画家として、作品集『わたしはイモムシ』(工作舎)などで知られる著者。彼女の本名は桃子。2歳からニューヨーク州に暮らし7歳で日本へ帰国。幼い頃から生きものが好きで、さまざまな飼育を重ねてきた。 生まれたときからそばにいた猫「チロベエ」。3歳のときニューヨークで飼い始めた犬の「ラッシー」。7歳のクリスマスにねだった文鳥の「サクラ」。9歳で初めて飼育したイモムシ「オオスカシバ」。22歳のとき恋に落ちた「クラゲたち」……。 0歳から、30代で「クロアゲハの幼虫」に出会いイモムシ画家になることを決意するまで。共に暮らした大切な生きものたち。今ではみんな、心の中に生きている。 彼らにただ寄り添いたかった“もも”の、ちょっと不思議な生きもの録18篇。 - 目次 - 詩 お花畑 0歳からのももと生きものたちの年譜 オオスカシバのこと ラッシー タロウ サクラ みそっかすの動物たち チロベエ わたしの木─ヒマラヤ杉─ ハッピーとポポ アシナガバチの子 ピョコタン 天才 一代目 二代目 チヨちゃん ラージ クラゲたち モヒカン クロアゲハの幼虫 崖の下の五匹 この本に書ききれなかった大切な生きものたちについて - 前書きなど - p94「チロベエ」より さて、チロベエとふたりきりのある午後です。私は床に座り、ソファーの座面に背中をもたれさせながら、こんないたずらを思いつきました。 (死んだふりをしたらチロベエはどうするかな。心配してくれるかな) チロベエはソファーの端っこでガラス戸の向こうを眺めていました。私は目の前のローテーブルに置かれたコップを手に持ち、わざとらしく麦茶をゴクリと飲み干すと、毒を食らった演技をしました。 「くっ、くるしぃ~うぉおぉお~ チ、チロベエ~た、たすけてくれえ~」 右手で喉を押さえ、左手をチロベエに向かって差し伸ばしながら、バタンとそのまま床に倒れ 「し、しぬ……」 そうつぶやくと、そのまま首をガクンと横に倒し、体中の力を抜きました。そして息を止め、絶命した振りをしたのです。 チロベエはすばやくソファーから飛び降りました。 「ニャオー! ニャオー!」 私の顔まで駆けて来て、匂いを嗅ぎながら 「ニャオーン! ニャオーン!」 大きな声で鳴くのです。 私はそのうち止めている息が苦しくなって 「うそだよーん!」 と、跳ね起きました。 その時のチロベエの顔が忘れられません。冷ややかな一瞥をくれると、 ふん! とどこかへ行ってしまいました。本気で私を心配してくれたのです。申し訳ないことをしてしまったと、私はひたすら謝りました。けれど、ふたりで留守番をしていると、どうしても、またあの演技をやってみたい誘惑に駆られるのです。我慢できずに何度か再演したのですが、チロベエがだまされることは二度とありませんでした。 - 著者プロフィール - 桃山 鈴子 (モモヤマ スズコ) (著) イモムシ画家。東京生まれ。幼少期をニューヨーク州郊外で送る。小学生のころから、昆虫をはじめ、いろいろな生きものに親しんできた。昆虫学の授業で顕微鏡を使った観察スケッチを学んだことが絵画表現の原点となっている。著書に作品集『わたしはイモムシ』(工作舎、2022年 NY ADC 101st AnnualAwards ブロンズキューブ受賞)、絵本『へんしん すがたをかえるイモムシ』(福音館書店、2023年ブラチスラバ世界絵本原画展の日本代表の一冊に選出)、堀本裕樹氏との共著『六四五七五 虫の絵と俳句』(毎日新聞出版)などがある。
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はっとりさんちの野性な毎日 | 服部 小雪
¥880
河出書房新社 2024年 ソフトカバー 224ページ 文庫判 - 内容紹介 - 閑静な住宅街にある自宅で、シカをさばいたり、ニワトリを卵から育てたり、ヌートリア弁当を作ったり。街でも郊外の廃村でも「自力で生きる」生活を追求し続ける登山家・服部文祥と、三人の子どもたちと共に暮らす日々。面倒なことが生きる歓び。 単行本『はっとりさんちの狩猟な毎日』を再編し、大幅に加筆して文庫化。 - 著者プロフィール - 服部 小雪 (ハットリ コユキ) (著) 1969年生まれ。イラストレーター。女子美術大学卒(美術学科洋画専攻)。在学中はワンダーフォーゲル部に所属。夫、二男、一女と横浜に在住。家族、ニワトリのいる日常をテーマにしている。
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目の見えない白鳥さんとアートを見にいく | 川内 有緒
¥2,310
集英社インターナショナル 2021年 ソフトカバー 336ページ 四六判 縦188mm 横131mm 厚さ27mm - 内容紹介 - 見えない人と見るからこそ、見えてくる! 全盲の白鳥建二さんとアート作品を鑑賞することにより、浮かびあがってくる社会や人間の真実、アートの力――。 「白鳥さんと作品を見るとほんとに楽しいよ!」 という友人マイティの一言で、「全盲の美術鑑賞者」とアートを巡るというユニークな旅が始まった。 白鳥さんや友人たちと絵画や仏像、現代美術を前に会話をしていると、新しい世界の扉がどんどん開き、それまで見えていなかったことが見えてきた。 視覚や記憶の不思議、アートの意味、生きること、障害を持つこと、一緒にいること。 そこに白鳥さんの人生、美術鑑賞をする理由などが織り込まれ、壮大で温かい人間の物語が紡がれていく。 見えない人と一緒にアートを見る旅は、私たちをどこに連れていってくれるのか。 軽やかで明るい筆致の文章で、美術館めぐりの追体験を楽しみながら、社会を考え、人間を考え、自分自身を見つめ直すことができる、まったく新しいノンフィクション! 開高健ノンフィクション賞受賞後第一作! 岸田奈美さん(作家)推薦! 誰かとわかりあえない寂しさを、 幸福な余白に変えてくれる本でした。 本書に掲載された作品: ピエール・ボナール、パブロ・ピカソ、クリスチャン・ボルタンスキー、興福寺の仏像、風間サチコの木版画、大竹伸朗の絵画、マリーナ・アブラモヴィッチの《夢の家》、Q&XL(NPO法人スィング、ヂョン・ヨンドゥのビデオ作品など。 ・カラー作品画像多数掲載! ・会話から作品を想像していただくために、本文ページでは見せていない大型作品をカバー裏面に掲載! 川内有緒(かわうちありお) ノンフィクション作家。1972年東京都生まれ。 映画監督を目指して日本大学芸術学部へ進学したものの、あっさりとその道を断念。 行き当たりばったりに渡米したあと、中南米のカルチャーに魅せられ、米国ジョージタウン大学で中南米地域研究学修士号を取得。米国企業、日本のシンクタンク、仏のユネスコ本部などに勤務し、国際協力分野で12年間働く。2010年以降は東京を拠点に評伝、旅行記、エッセイなどの執筆を行う。 『バウルを探して 地球の片隅に伝わる秘密の歌』(幻冬舎)で、新田次郎文学賞を、『空をゆく巨人』(集英社)で開高健ノンフィクション賞を受賞。 著書に『パリでメシを食う。』『パリの国連で夢を食う。』(共に幻冬舎文庫)、『晴れたら空に骨まいて』(講談社文庫)、『バウルを探して〈完全版〉』(三輪舎)など。 白鳥建二さんを追ったドキュメンタリー映画『白い鳥』の共同監督。 現在は子育てをしながら、執筆や旅を続け、小さなギャラリー「山小屋」(東京)を家族で運営する。趣味は美術鑑賞とD.I.Y。「生まれ変わったら冒険家になりたい」が口癖。
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鳥と雲と薬草袋/風と双眼鏡、膝掛け毛布|梨木 香歩
¥649
新潮社 2021年 新潮文庫 ソフトカバー 320ページ 文庫判 縦151mm 横106mm 厚さ11mm - 内容紹介 - 「土地の名まえ」の背景には、いつも物語がある。そこに暮らす、人々の息遣いがある。峠や湖川など、地形に結びついた名まえ。植物や動物に由来する地名。街道や国境など、人の営みをめぐる地名。音やまなざしから付けられた名まえ。消えた地名、新たに生まれた地名……。空を行き交う鳥や風のように伸びやかに、旅した土地の名まえから喚起される思いを綴る、二作の葉篇随筆を合本した文庫版。
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九鬼周造随筆集 | 九鬼 周造(著), 菅野 昭正(編)
¥935
岩波書店 1991年 ソフトカバー 202ページ 文庫判 - 内容紹介 - 根 岸 藍碧の岸の思い出 外来語所感 伝統と進取 偶然の産んだ駄洒落 祇園の枝垂桜 書斎漫筆 青 海 波 偶然と運命 飛驒の大杉 一高時代の旧友 東京と京都 自分の苗字 故浜田総長の思出 回想のアンリ・ベルクソン 岩下壮一君の思出 音 と 匂 小唄のレコード 上 高 地 かれいの贈物 秋 秋の我が家 ある夜の夢 岡倉覚三氏の思出 解 説(菅 野 昭 正)
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べつに怒ってない | 武田 砂鉄
¥990
筑摩書房 2026年 ちくま文庫 ソフトカバー 288ページ 文庫判 - 内容紹介 - 考えすぎのプロ・武田砂鉄の傑作エッセイ集が文庫に! 読んだ端から頭から抜け落ちていく、不毛で豊かな読書体験をお届けします。解説 花田菜々子 - 著者プロフィール - 武田 砂鉄 (タケダ サテツ ) (著) 1982年生まれ。ライター。東京都出身。大学卒業後、出版社で主に時事問題・ノンフィクション本の編集に携わり、2014年秋よりフリーへ。インタビュー・書籍構成も手掛ける。「武田砂鉄のプレ金ナイト」(TBSラジオ)、「武田砂鉄 ラジオマガジン」(文化放送)パーソナリティ。『紋切型社会』(朝日出版社、のちに新潮文庫)で「第25回 Bunkamuraドゥマゴ文学賞」「第9回(池田晶子記念)わたくし、つまりNobody賞」を受賞。近著に『「いきり」の構造』(朝日新聞出版)、『テレビ磁石』(光文社)などがある。
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人といることの、すさまじさとすばらしさ | きくち ゆみこ
¥2,420
twililight 2025年 ソフトカバー 272ページ 四六判 縦188mm 横127mm - 内容紹介 - 植本一子さん、安達茉莉子さん、推薦! 人間関係101の人たちへ。 “「ああもう無理だ、くたくただ 」、相変わらずベッドに大げさに倒れ込みながら、「でも それってなんでなの?」「じゃあどうしたら楽になる?」まるで何かの実験みたいにしつこく自分に問いかけて、消耗しない人との距離を、毎日言葉でさぐっている(わからなくなれば、入門クラスの生徒よろしく、書店に、図書館に駆け込んで、先達たちの言葉をあおぎながら)”(「はじめに」より) 2010年よりパーソナルな語りとフィクションによる救いをテーマにしたzineを定期的に発行し、2023年にはtwililightから初めてのエッセイ集『だめをだいじょぶにしていく日々だよ』を刊行した翻訳・文筆家のきくちゆみこ。 今作『人とともにいることの、すさまじさとすばらしさ』は、あたらしく引っ越してきた郊外の団地で、長年苦手としてきた「人とともにいること」の学びと向き合う日々を綴った日記エッセイ。 “遠くの生に思いを寄せながらも、身近なところにいる、それでも自分とはちがう「他者」へのまなざしを変えなくては、たどり着けない場所があるような気がしていた。ケアをじゅうぶんに発揮しながら絶え間なく人と向き合い、それでいて自分を消耗させない方法をなんとか見つけたかった。 だからこそ、家族よりは遠く、それでも「いま・ここ」で日々関わることになった団地やコミュニティについて、そこにどっぷり浸かっている自分について、書いてみたかったんだと思う。”(「あとがき」より) 前作同様、twililight web magazineでの連載をまとめ、書籍化にあたって全12回に「アフター・トーク」を書き下ろしました。 装画は中島ミドリ、デザインは横山雄。 “書くことが、時間をかけることが、わたしをケアフルでいさせてくれることを、これまでの経験で知っていたから。くり返しにしか思えない日々のなかにこそ、奇跡のような瞬間が隠れていることを、見慣れたはずの顔の上に、ふと思いがけない表情が浮かぶことを、書くことがずっと教えてくれていたから。”(同前) 《推薦コメント》 植本一子 「ひとりではできないことを、人といなくてはできないことを経験するために生まれてきて。この世界には生きる価値があるのだと気づかせてくれる。」 安達茉莉子 「人といることは、本当は秘儀のよう。団地、高速道路、図書館、海――日記という形式から織られる物語の糸先は、私やあなたの織物にもつながっている。」 - 目次 - まえがき 1「秘儀は赤い道で起こる」 2024年9月♡日(水)の日記 2「名前、人をつなぐ呪文としての①」 2024年10月 日(日)の日記 3「名前、人をつなぐ呪文としての②」 2024年10月 日(金)の日記 4「ていねいさと親しさのあいだで」 2024年11月 日(土)の日記 5「ときにはストレンジャーになって」 2024年12月 日(水)の日記 6「Three is the magic number」 2025年1月 日(水)の日記 7「お風呂のパラダイス」 2025年2月 日(火)の日記 8「枝の上の小鳥たち」 2025年3月 日(木)の日記 9「花の陰」 2025年4月 日(金)の日記 10「共感の先、共感の手前」 2025年5月 日(土)の日記 11「贈与の輪っか」 2025年6月 日(日)の日記 12「身体を持った幽霊」 2025年7月 日(木)の日記 13「ケア-フルな山小屋」、そしてあとがき - 著者プロフィール - きくちゆみこ (キクチユミコ) (著) 文章と翻訳。2010年よりパーソナルな語りとフィクションによる救いをテーマにしたzineを定期的に発行。zineをもとにした空間の展示や言葉の作品制作も行う。主な著書に『だめをだいじょぶにしていく日々だよ』(twililight)、訳書に『人種差別をしない・させないための20のレッスン』(DU BOOKS)などがある。現在はルドルフ・シュタイナーのアントロポゾフィーに取り組みつつ、新しく引っ越してきた郊外の団地にて、長年苦手としてきた「人とともにいること」の学びと向き合っている。
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たまさかの古本屋 シマウマ書房の日 | 鈴木 創
¥2,200
亜紀書房 2025年 ソフトカバー 256ページ 四六判 縦188mm 横130mm 厚さ19mm - 内容紹介 - 良書は巡る、バトンのように 名古屋・今池の古本屋店主が綴る、本と人の20年。 ぶらりと立ち寄るご近所さんから、学生などの若い世代、作家やクリエイター、大学の研究者まで、さまざまな人が訪れる町の古本屋・シマウマ書房。 活字離れといわれる昨今だが、新刊書店や図書館とはまた別の角度から、本と読者をつなぐ役割を担っている。日々の仕事のなかで多くの書物や人と接し、見て、考えてきた店主が、本の豊かな魅力、読書の醍醐味、活字文化のこれからを綴ったエッセイ集。 - 目次 - ⅰ 古本屋の日々 浜辺にて 古本の買い取り 小さな循環 遠方からの注文 レジのやりとり 本棚のある生活 振り子の人 郵送と注文 本の手触り いつか読もうと思いながら ページに挟まれた切符 列車ニテ読ム Aさんの『郷愁』 星を売る人々 「万置き」事件 古本屋の匂い AIの時代 頭のなかの地図 機が熟す 夏の終わりに ⅱ 本をつなぐ 本屋の曖昧さ 偶然の読書 ドイツの二人 影との対話 日記のなかの時間 栞を挟む こよりを撚る 読書の「あるある」ネタ 言葉は空を舞い、書はとどまる ランプと銭湯 小さな明かり 揺れる日々 本棚の向こう側 くじ 縞模様 手のひらほどの庭 ウミガメのシルエット 道徳と倫理 読むことのメカニズム ⅲ 生活と読書 家族について 子供たち 本を読み始めた頃 土のなかのスプーン 長針と短針 仮設住宅と猫たち 本の虫養い 本の本たる所以は 歴史と日常 あこがれの詩人 文字を刻む 祖母の田舎とリンゴの木 栗の木とスズメバチ 思い出の一ページ 年の瀬に 思いつくまま あとがき - 前書きなど - 日常ということでいうならば、町の古本屋としてのシマウマ書房の日常は、とかく地味な仕事の繰り返しである。いつも同じ場所にいて、雨の日も風の日も決まった時間に店を開ける。お客さんが来るとは限らない。それでも、買い取りをした本の埃を払い、値段をつけて棚に並べておく。注文が入れば梱包して発送する。いつもそれだけのこと。でも、それを退屈とは感じていない。むしろこうした毎日の繰り返しにこそ、意味があると思っている。 - 著者プロフィール - 鈴木 創 (スズキ ハジメ) (著) 1973年、東京都生まれ。 2006年に名古屋市千種区の本山で古書店「シマウマ書房」を開業。 2019年に店舗を移転、現在は千種区の今池で営業をしている。 2014年より朝日新聞(東海・地域面)にてコラム「本の虫」を連載中。 編著書に『なごや古本屋案内』(風媒社)がある。
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マインド・エベレスト Mind Everest | 関 健作
¥2,500
Type Slowly 2025年 ソフトカバー 168ページ A5変形判 縦196mm 横150mm 厚さ14mm - 内容紹介 - エベレスト登頂に成功した写真家による絵日記 「世界一の稜線をこの目で見たい」 40歳、仕事も家庭も不満はない。 ただ、エベレストへの憧れだけがどうしても消えなかった。 登頂を決意したその日から山頂アタック当日まで、 溢れ出る感情とイメージを毎日ノートに綴った 4か月間の絵日記。 「エベレストに登る。そして、必ず生きて帰ってくる」 資金集め、日々のトレーニング、家族への思い。 準備を尽くしても消えない不安、現場での予期せぬトラブル。 それでも見たい未知の景色。 毎日エベレストを描き続けることで浮かび上がってきた 僕の心の中ーーMind Everest - 前書きなど - 「いつかっていつ?」 エベレストの挑戦は妻のこんな一言からはじまった。 「いつかはエベレストに登ってみたい」学生時代から憧れている山の話をすることがあった。ある日、エベレストの話しをしていると、冒頭の言葉が返ってきた。彼女の言葉はまるで銃口を突きつけられているように鋭かった。それが冗談ではなく真剣なものだと察したからだ。「あなたはもう若くない。本気でエベレストに登りたいのなら今がいちばん若い時。行くなら今しかないでしょ」というのだ。たくさんの言い訳が胸の奥から次々と湧き出てきた。「お金ないでしょ、エベレスト登山にいくらかかると思っているんだ? 登山に2か月という期間が必要。その間仕事なしでどうやって家族を養うんだよ? 死ぬリスクだってある。もし死んだら君と娘はどうやって生きていくんだ?」そんな言葉たちだ。その根っこには得体のしれない大きな恐怖が渦巻いていた。それでも妻はまっすぐに「今年だったら応援するよ」と僕に伝えてくれたのだ。諦める理由はいくらでも出てくる。けれどこの機会を逃したら一生エベレストには登れないだろう。恐怖以上の大きな憧れが私を突き動かした。 2024年1月、エベレストの登山を決めた。「登る」と決めた瞬間から胸の中には不安や恐怖、様々な感情が溢れ出した。夢の中に何度も出てくるエベレストのことを考えると鼓動が高鳴り、体温が上がっていくのを感じる。とめどなく浮かんでくる膨大なイメージと言葉をノートに綴った。何かに昇華しなければこの興奮を抑えることができなかったのだ。 浮かんでは綴り、想いを書き、憧れの山を描いた。登頂までの日々をただただ記録していった。その時間を重ね、自分の気持ちと向き合い続けたら、自分の心がどのように変化するのか、それを知りたくて続けたのがこの絵日記「Mind Everest」である。 - 著者プロフィール - 関 健作 (セキ ケンサク) (著) 1983年千葉県生まれ。順天堂大学在学中に中国側・ネパール側のエベレストベースキャンプを訪れ、ヒマラヤに魅了される。大学卒業後の2007年から3年間、ヒマラヤ山脈の国・ブータンで教員として勤務。その経験をきっかけに、2011年よりフォトグラファーとして活動を開始。ヒマラヤの国々を中心に撮影を続けている。 第13回「名取洋之助写真賞」、APAアワード2017文部科学大臣賞などを受賞。著作に『ブータンの笑顔 新米教師が、ブータンの子どもたちと過ごした3年間』などがある。 2024年5月13日、念願だったエベレストに登頂。 https://www.kensakuseki-photoworks.com
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好きになってしまいました。 | 三浦しをん
¥858
SOLD OUT
大和書房 2025年 だいわ文庫 ソフトカバー 336ページ 文庫判 縦150mm 横105mm 厚さ17mm - 内容紹介 - 人気作家のベスト&ロングセラーエッセイ集、待望の文庫化! ミウラシヲンが描く、おおむね幸福な日常とは? 期待値を余裕で超えてくる面白さ! 電車のなかでは読まないでください!? 靴とネイルと観葉植物に愛を注ぐもオシャレな部屋には住めない定め、旅先ではなぜかかならず脱力事件勃発、本を開けば文豪のツンデレな振る舞いに心奪われ── きらめきがまぶしすぎて直視できない日もあるけれど、それでもわが心を打ちぬく「キュン」のある毎日は、おおむね幸せです。 「文庫追記」でバージョンアップもぬかりなく、ますます面白さてんこ盛り! 読み始めたら止まらない、人気作家の愛と情熱ほとばしるエッセイ集! ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 「残念すぎるお知らせだよ」と友人はため息をついた。「私たちはどう努力しても、絶対にオシャレな部屋には住めない運命ってこと?」 「つらいけど、そういうことになるね。だって、漫画や洋服がドワーッとある部屋を見ると、どんな気持ちになる?」 「『すごいなあ!』って、うきうきわくわくして、幸せを感じる」 「でしょ? それが私たちにお似合いの部屋ということだよ」 「しをんちゃん。今後も収納が多い倉庫みたいな部屋を探すから、手を貸して。収納たっぷりでさえあれば、ネズミと酸っぱいパンを分けあうような薄暗い部屋でもかまわない」 「ラジャ!」 ──本文「オシャレな部屋への憧れ」より ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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手仕事というもくろみ 暮らしを編み直す | 吉田 慎司
¥2,200
ブルーブラックカンパニー 2025年 ソフトカバー 256ページ 四六判 縦188mm 横127mm 厚さ17mm - 内容紹介 - 《伝統的な箒づくりを通じて世界との多様な接点を見いだし、生きることの手ざわりを現代社会に回復しようと試みる、注目のつくり手の論考》 かつて日々のくらしに欠かせなかった箒は、電気掃除機の普及とともに需要が低迷し、全国各地の産地は壊滅状態に陥った。ところが近年、電気に頼りすぎないライフスタイルを志向する人、地域の伝統文化や地場産業に価値を見出す人が徐々に増え、職人が手編みした昔ながらの箒への関心が高まりつつある。 なかでも、神奈川県北部の愛川町では、一度途絶えた旧中津村の箒づくりを生業として復活させる取り組みが進む。細やかで繊細なつくりとクリエイティブな意匠を施した中津箒は限りなく工芸的で、「荒物」と呼ばれていた従来の箒とは一線を画すものとして注目されている。 再興の立役者として活躍する著者は、つくり手として伝統を受け継ぎつつ「美しいもの」を人に手渡すことで、大量生産・大量消費に基づく現代の暮らしと社会のありようを問い続けている。初の著作となる本書は、美大の彫刻科に入学してから箒のつくり手となるまでの道のりや、日々のものづくりと先達からの学びを通じて編み出された民藝論や工芸論、また移住先の北海道・小樽でのDIYによる住まいづくりや不耕起栽培による畑仕事、夫婦で営む箒のアトリエと書店・カフェの複合ショップの話など、「ライフスタイルも含めて箒の表現」と考える著者の生き方と暮らしぶりをまとめた一冊となった。 【本書より】 道具は文化や歴史も背負っている。それらを理解し、解釈するには知識やリテラシーが必要なので、使う人々にも自然とそれらを求め、深める機能もあるように思う。歴史を知った上で鑑賞や批評ができる人は、理性と感性を持って物事を判断できるだろうし、究極的には世界にはびこる分断をも解消できると思う。自分自身でさえ、そんな万能なものがあるとは信じがたいところもあるのだけれど、それでも本気で信じている。だからこそ、工芸に夢を見ている。そして、手仕事に何ができるのか、何をしてきたのか、どこに向かっていくものなのか、ということをずっと考えてきた。(第3章「手仕事の見取図を描く」より) 【推薦の辞】 関野吉晴氏(探検家・医師・武蔵野美術大学名誉教授) 《文明圏の中で、如何に自然と寄り添ったモノづくりが出来るかを探求している吉田慎司は、北海道や南西諸島の洞窟で、どれだけ文明を削いで生きていけるかの実験をしている私にとっては同志のように思える。》 - 目次 - 第1章 箒に選ばれるまで からっぽに宿った光 記録と娯楽 未知と混沌の日々、京都① 未知と混沌の日々、京都② [コラム] 中津箒とまちづくり山上 第2章 工房想念 素材--ホウキモロコシという植物 編み上げる 手渡す [コラム] 職人と百貨店 第3章 手仕事の見取図を描く クラフトブームの波間で 工房からの風 民藝と社会運動 「工芸」の目指してきたもの もう無銘性の話はしたくない① もう無銘性の話はしたくない② [コラム] 実践と研究--相沢先生のこと 第4章 生きるための道具と詩歌 工芸の詩情 対面で強くつながるために [コラム] がたんごとんと短歌 第5章 理想郷を手づくりで 移住とDIYで最適化する住まい 小樽の風土に根ざした暮らし 工芸とパンとコーヒー [コラム] 「暮らし」と「ふつう」 第6章 働く工芸 資本主義下の労働と工芸 身体と工芸 参考文献 おわりに - 前書きなど - 道具は文化や歴史も背負っている。それらを理解し、解釈するには知識やリテラシーが必要なので、使う人々にも自然とそれらを求め、深める機能もあるように思う。歴史を知った上で鑑賞や批評ができる人は、理性と感性を持って物事を判断できるだろうし、究極的には世界にはびこる分断をも解消できると思う。自分自身でさえ、そんな万能なものがあるとは信じがたいところもあるのだけれど、それでも本気で信じている。だからこそ、工芸に夢を見ている。そして、手仕事に何ができるのか、何をしてきたのか、どこに向かっていくものなのか、ということをずっと考えてきた。(第3章「手仕事の見取図を描く」より) 版元から一言 明治時代から伝わる「中津箒」(神奈川県)は、伝統的な技術を継承しつつ、現代の生活にも合うようにつくられた箒です。そのつくり手である著者は、歴史を継承することの意味を常に問い直しながら、箒を通じて「誰に」「何を」「どのように」伝えていくのかを考え続けてきました。民藝、工芸、クラフトといったフィールドを俯瞰しながら自らの立ち位置を選択し、進むべき方向性を見定めていくその姿勢は、伝統的なものづくりに関心を持つ人だけでなく、さまざまな表現者やビジネスパーソンにも求められるものです。 また、移住やDIYによる住まいづくり、不耕起栽培による畑仕事、アトリエと書店とカフェの複合ショップの運営など、本書を通じてつまびらかにされる著者のライフスタイルには、低成長時代を健やかに生きるヒントが詰まっています。 著者、版元ともども第一作となる本書を、多くの読者が手にとってくださることを願っております。 - 著者プロフィール - 吉田 慎司 (ヨシダ シンジ) (著) 1984年生まれ。東京・練馬にて育つ。2007年より株式会社まちづくり山上にて、神奈川県で明治から伝わる中津箒作りを開始。制作、展示会、ワークショップ、講演、執筆などマルチに行う。現在、北海道小樽市を拠点に活動。株式会社まちづくり山上 中津箒 つくり手主任。 武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒業。 主な受賞に、第51回ちばてつや賞佳作、9th SICF準グランプリ、2011年より日本民藝館展入選など。LEXUS NEW TAKUMI PROJECT 2017年度匠神奈川代表。2021年度日本民藝館展協会賞受賞。
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ヴァージニア・ウルフ エッセイ集 | ヴァージニア・ウルフ(著), 片山 亜紀(編)
¥1,980
平凡社 2025年 平凡社ライブラリー ソフトカバー 392ページ B6変型判 - 内容紹介 - 「文学はだれの私有地でもありません。文学は共有地です。切り刻まれて国家に分割されていませんし、戦争はありません。自由に恐れずに侵入して、自分で自分なりの道を見つけましょう」 文学や社会におけるジェンダー、階層を超えた女性の連帯、空襲下で綴られた平和論……。 「ベネット氏とブラウン夫人」「病気になるということ」「ロンドン上空を飛ぶ」「女性にとっての職業」「傾いた塔」ほか、初訳を多数含む25篇のエッセイを収録。初期から晩年までウルフの思想をたどる、オリジナル・アンソロジー。 【目次】 1 初期のエッセイ(一九〇五~二〇年) 路上の音楽(ストリート・ミュージック) アンダルシアの旅館 夜に歩く 『リジストラータ(女の平和)』 丘(ダウンズ)で聞こえた──神話の起源 ケンブリッジの救急看護師(VAD) サスーン氏の詩 村の中の戦争 路上から見た戦争 羽毛法案 2 中期のエッセイ(一九二四~三一年) ベネット氏とブラウン夫人 ウェンブリーの雷 病気になるということ 映画 ロンドン散策──ある冒険 太陽と魚たち ロンドン上空を飛ぶ 『ヴァネッサ・ベルの新作』のまえがき 女性にとっての職業 序文に代えて──マーガレット・ルウェリン・デイヴィスへの手紙 3 後期のエッセイ(一九三四~四〇年) どうして? 今日(こんにち)の芸術はどうして政治に注目するのか 職人の技術(クラフツマンシップ) 傾いた塔 空襲下で平和について考える 訳注 出典一覧 訳者解説
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貧乏讀本 | 鹿美社編集部(編)
¥1,980
鹿美社 2025年 ハードカバー 392ページ 四六変形判 - 内容紹介 - 【豪華造本】四六判変形/上製/箔押し/PP加工 〈豊かさとは何か〉 24名の詩、小説、俳句、短歌、随筆、日記、ルポルタージュ、翻訳 「貧乏」に纏わる前代未聞の哲学的総合文芸アンソロジー 種田山頭火 俳句十五選 林芙美子「放浪記以前」 横山源之助「日本の下層社会」(抄) 太宰治「清貧譚」 ランボオ/中原中也「教会に来る貧乏人」 小林多喜二「失業列車」 山上憶良/折口信夫「貧窮問答歌」 三好達治「貧生涯」 与謝野晶子「おとくの奉公ぶり」 芥川龍之介「十円札」 山之口貘「妹におくる手紙」 黒島伝治「電報」 岩野泡鳴「何の為めに僕」 萩原朔太郎「大井町」 小山清「落穂拾い」 樋口一葉 日記より 石川啄木『一握の砂』より 辻潤「瘋癲病院の一隅より」 幸田露伴「貧乏の説」(抄) 河上肇「古今洞随筆」 八木重吉「神の道」 森茉莉「贅沢貧乏」
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ふつうに働けないからさ、好きなことして生きています。 | 平城 さやか
¥1,760
百万年書房 2025年 ソフトカバー 240ページ 四六判 縦128mm 横188mm 厚さ18mm - 内容紹介 - 手元には三百円しかなかった。 それでも、今度こそ自分が心底望む生き方がしたかった。 「ふつうに働けない」と弱り果てているあなたが、好きなことで生きていくための100の心得(tips)。 - 目次 - はじめに 年表 序章 1 ただ休みたい 2 最高の職場で元気を取り戻す 3 所持金三百円でも 第1章 仕事の話 4 アトリエ風戸のスタート 5 自転車の補助輪を外す 6 行動はとことん休んでから 7 好き嫌いを活かす 8 弱さを細かく見る 9 やりたいことの見つけ方 10 自由業に向く人・向かない人 11 できることではなく、好きなことを 12 やりたいことをひとつに絞らなくていい 13 いびつな形の三色パン 14 好きの精度を上げる練習 15 私のアイデアは枯れない泉 16 パッチワーク思考 17 不満をアイデアで解決する 18 初期衝動 19 実験魂 20 なぞるのは嫌い 21 時代遅れでも 22 イラスト仕事 23 「もったいない」から生まれた作品 24 どんな届き方が嬉しいか 25 自己満足ありき 26 販売してもらえるありがたみ 27 私が本屋を助ける 28 結果なんて存在しない 29 望みと方法を切り離す 30 一度ダメでもあきらめない 31 くやしい? 32 SNSは自分好みのタイプだけ 33 名刺は必要ない 34 本棚の向こうと繋がる 35 人に頼る 36 つまずきの後に新しい物語が始まる 37 「ある」ものに目を向ける 38 波打ち際のワークショップ 39 やってみて気づく 第2章 お金と時間の話 40 稼ぎたい 41 小商いのキャッシュフロー 42 夏が怖い 43 イベント出店料はどこまで? 44 価格設定は自分と相談 45 簿記のすすめ 46 在庫は資産です 47 道具を買うべきか 48 在庫管理をどうするか 49 お金がないからこそ生まれる工夫 50 お金と引き換えにしない 51 不安からくる行動をやめる 52 節約は楽しくない 53 把握すると不安は減る 54 母からのお米 55 五百円のカレンダーとお赤飯 56 お時給マインド卒業 57 手間と時間をかけてこそ 58 息つぎ 59 「世間」より「自分」を知る時間を 60 出来事を点ではなく線で捉える 61 「今」を細かく捉える 62 五分あったら 63 年齢を重ねること 第3章 暮らしの話 64 勇気じゃなくて覚悟 65 理想の一日 66 ルーティン 67 衣食住のバランス 68 コンパクトな暮らし 69 アトリエ活用法 70 一器多用 71 いらない理由 72 離れたところで考える 73 どの街に住むか 74 寝袋生活 75 山の上なら…… 76 歯と同じバランスで食べる 77 土鍋ごはんで元気に 78 「まごわやさしい」お味噌汁 79 結局ぬか漬けが一番 80 不安になる食べ物を控える 81 フィーリング・クッキング 82 医食同源とブレサリアン 83 自分との会話は日常のスーパーから 84 服なんて後まわし 85 肌断食 86 やっぱりきれいでいたい 第4章 心と身体の話 87 悲しみを食べたがっている 88 ひとりになりたい 89 身体という確かなもの 90 いじめのトラウマ 91 恋の話を少し 92 映画のワンシーンと思って 93 命をつなぐ方法 94 死にたいと思った瞬間 95 やきもちの正体 96 いい人をあきらめる 97 言いたいことが言えるか 98 うぐいすの盗作疑惑 99 ワンマンタイプ 100 ただそれだけ - 前書きなど - ●はじめに はじめまして。アトリエ風戸(フト)という屋号で活動しています、平城さやかと申します。本書を手に取ってくださり、ありがとうございます! 私は大好きな創作活動をすることで、なんとか生計を立てています。 二◯二五年現在、アトリエ風戸を立ち上げて九年目。文章とイラストの本/ZINE、イラスト雑貨、ブレンドハーブティーの制作・販売が活動のメインです。 かつては兼業で書店アルバイトをしていた時期もありましたが、現在はアトリエ風戸の活動のみで、都内に住まい兼アトリエの狭いワンルームを借りてひとり暮らしをしています。 私は突然好きなことで生きていけるようになったわけではありません。心身の不調からふつうに働けなくなり、経理事務の派遣OLをやめて、お先真っ暗な状態から時間をかけて、好きなことで生きていく今の方法を作ってきました。 服を買うことも、外食することも滅多にできませんが、私は今の生活に大満足しています。自由に好きなことだけをし、自分らしくいられる毎日は心穏やかでとても幸せです。 大切なのは、自分の「好き」を信じること、自分自身と会話をしてから行動すること。好きなことで生きていくために、特別な能力や資格は必要ありません。 本書では私が実践してきたこと、感じたことをあますところなくお伝えしたいと思っています。 私は心身ともに繊細な、弱い人間でもありますが、夢見ることをあきらめない強い人間でもあります。昔の私と同じように弱っていてふつうに働けない方をはじめとして、本書を読んでくださる方の人生を良い方向に変えたい。 本気でそう思って書きました。 あなたの人生を変えるためにページをめくってみてください。 - 著者プロフィール - 平城 さやか (ヒラジョウ サヤカ) (著) ふつうに働けなくなり、2017年から「アトリエ風戸」として活動をスタート。「心を満たして元気にしてくれるもの」として、ハーブティー、イラスト雑貨、ZINEなどを制作している。2023年に『わたしのすきな ふつうの本屋が閉店』を刊行。好きな食べ物はお米。
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贈り物の本 | 牟田 都子(編集)
¥2,200
亜紀書房 2025年 ハードカバー 156ページ 四六変形判 縦175mm 横116mm 厚さ16mm - 内容紹介 - 「わたしが一番読みたい書き手の方たちに集まっていただきました」 ──編者・牟田都子 ●贈り物は人と人をつなぎ、いつまでも消えない灯りをともす。 読めばきっと、あなた自身の大切な思い出がよみがえる。 ●作家・詩人・ミュージシャン・女優・漫画家……37人の豪華メンバーが忘れられない記憶を持ち寄るエッセイ集。
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旅の記憶 おいしいもの、美しいもの、大切なものに出会いに | 有元 葉子
¥1,980
講談社 2025年 ソフトカバー 200ページ A5判 - 内容紹介 - 「違う生き方もあるかもしれない。そんな気持ちにさせてくれる旅が好きです」 ・秋のパリ、初めてのひとり旅 ・「世界一おいしい!」ケイパーの島へ ・バインセオの皮の秘密と唐辛子塩で食べるパパイヤ ・タイルとコルクと哀愁の街、リスボン ・オリーブの木材を求めて、ひとりカラブリアへ ・イギリスで知った本物のパンの香り ほか ベトナムにイタリアに、有元葉子さんが語る”おいしい話”に触発されて旅に出たという人は数多くいるのではないでしょうか。実は「私の仕事人生、旅人生がスタートしたのは50代からでした」と有元さん自身は語ります。 子育てが落ち着いてきて、旅に出るのは今だと出かけた秋のパリ。家を持つまでにいたったイタリアで一枚ずつ集めてきたヴィンテージのリネン。本当にいいものづくりとは何かを問いかけてくるブルネロクチネリのブラウス。ロンドン郊外で出会った、挽きたての小麦粉で作られたパンの香り。じゃがいもとケールで作るポルトガル名物のスープ「カルト・ヴェルデ」は日本でも…… 世界中を巡った旅の記憶からは、「どうしたら自分を使い切れるかをいつも考えている」と語る有元葉子さんの人生観が垣間見えます。これから先、何を大切にして、何を楽しみとして生きていくか。ヒントに溢れたエールのような1冊になりました。 - 著者プロフィール - 有元 葉子 (アリモト ヨウコ) (著) 編集者、専業主婦を経て、料理家に。料理教室やワークショップ等を提案する「A&CO」の主宰ほか、キッチンウエア「la base(ラ バーゼ)」シリーズのディレクター、イタリア産オリーブオイル「MARFUGA(マルフーガ)」の日本代理店主宰を務めるなど活躍は多岐にわたる。レシピ本をはじめ、食を通して暮らしや生き方を語ったエッセイなど著者は100冊以上に及ぶ。近年のベストセラーは『レシピを見ないで作れるようになりましょう。』(SBクリエイティブ)、『生活すること、生きること』(大和書房)ほか。
