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中断される死 現代医療はいかに死に方を複雑にしているか | ブレア・ビガム, 中川泉(翻訳)
¥2,860
青土社 2024年 ハードカバー 336ページ 四六判 - 内容紹介 - 医療が発達した現代、何をもって「死」とするのか? 医療や薬の発達によって生と死の間のグレーゾーンがひろがり、死が複雑になった現代。私たちは死を一体どのように捉え、受けとめるべきなのか。ジャーナリストとしても広く発信をする医師が、救急医療の現場で出会った多くの体験をもとに、歴史家や倫理学者といった専門家、ソーシャルワーカーや緩和ケア医、看護師といった医療のプロとの対話から死の受け止め方、ケアの形、死にまつわる難問にこたえていく。
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みんなの社会的処方 人のつながりで元気になれる地域をつくる | 西 智弘, 岩瀬 翔, 西上 ありさ, 守本 陽一, 稲庭 彩和子, 石井 麗子, 藤岡 聡子, 福島 沙紀
¥2,200
学芸出版社 2024年 ソフトカバー 256ページ 四六判 - 内容紹介 - 孤立という病に対し薬ではなく地域の人のつながりを処方する「社会的処方」。日本での実践はまだ始まったばかりだ。いま孤立しているかどうかや、病気や障がいの有無、年齢に関わらず、「誰もが暮らしているだけで自分の生き方を実現できるまち」をどうつくるか。世界と日本の取り組みに学び、これからのビジョンを示す一冊。 - 目次 - はじめに 社会的処方はもっと自由でいい ■Chapter1 社会的処方の「3つの理念」 人間中心性 エンパワメント 共創 「支援する」とはどういうことか 社会的処方の「型」 社会的格差と、広がる自己責任論 ■Chapter2 孤独・孤立の現状 若者を含めた「居場所」はどのように作れるのか REPORT│小杉湯│西 智弘 90年間建ち続けてきた「場」としての力 社会に必要な、インフラとしての銭湯 「開くのではなく、閉じない」からの相補う関係性 小杉湯「的な場」が持つ、社会的処方としての意義:社会的行方不明者をつくらない 社会的処方の進化 Green/Blue Social Prescribing REPORT│Nami-nications│西智弘 サーフィンを通じてつながる Nami-nications アダプティブ・サーフィンが変えていくもの Green/Blue Social Prescribingの広がり 働かざるもの食うべからず「ではない」 ■Chapter3 社会的処方と世界・日本の動き REPORT│イギリス・フルーム│岩瀬翔 イギリス・フルーム 誰もがリンクワーカーになれる町 MakeaSpark まずは何か動き出そう 「人間の道しるべ」作戦 おせっかい住民をエンパワメントする コロナ禍を経て本質を掴んだ市民リンクワーカー達 ヘリテージコネクター/グリーンコミュニティコネクター 世界の社会的処方の現在地 言葉が全てではない 日本における「モデル事業」 名張と養父 REPORT│名張市│西上ありさ 厚労省モデル事業:名張市/ステイホームダイアリーと社会的処方の展開 REPORT│養父市│守本陽一 厚労省モデル事業:養父市 様々なセクターがまずつながる 医療を起点とした社会的処方の実践 養父市におけるリンクワーカー養成講座 小規模多機能な公共空間「だいかい文庫」 「孤独・孤立対策推進法」とその意義 ■Chapter4 社会のなかで生きることが元気につながる EPISODE│オバケのタムタム&studio FLAT│西智弘 バリアを超えて才能を届ける StudioFLATの取り組み 障がいのある無しに関わらず、良いものは良い アートと障がいと社会的処方的な意義 アートを通じて、人と社会がつながっていく REPORT│アートと社会的処方│稲庭彩和子 アートはずっと存在している。それはなぜなのか? アートと文化でウェルビーイングを増進 「とびらプロジェクト」と社会的処方の共通項 私たちの目指すこと アートコミュニケータとソーシャルな鑑賞法 「きく力・みる力」がケアする力になる REPORT│Dance Well│西智弘 Happy! Dance Well 美術館の内外、そしてアート作品を利用して自らを表現する 身体表現を使って、他人と会話する ダンスレッスンではないのに、結果的にダンスになっている アートがもつ力で変わっていったAさん アートが持つ「ケアの力」 無意識の差別をこえていく REPORT│高齢者福祉施設 西院│西智弘 「要介護」? 関係なく夢は叶えられる 「はたらく」こと=生きるをつくること 「参加」からはじめる 就労とお金の問題 ■Chapter5 暮らしているだけで元気になれるまちをつくる おせっかいのエンパワメントは意外と効く REPORT│おせっかい会議│石井麗子 地域おせっかい会議の風景 コミュニティナースと健康おせっかい まちの身近な存在、郵便局がおせっかいのハブになる 「共感・挑戦・ネットワーク」の実践支援プロセス まちへ飛び出し声を拾い続ける事務局 社会的処方の視点からみた地域おせっかい会議 やればやるほど楽しいことが大きくなる おせっかいが育む優しい目 REPORT│ほっちのロッヂ│藤岡聡子 診療所とまちの居場所が複合された「ほっちのロッヂ」 発地(ほっち)にある森小屋を起点に 私たちは人の何を捉えているのか 自分の関心のあることに掛け合わせていく ケアする・される関係性の逆転は台所から 大切な人を亡くした人が、「あのね…」と話せる部屋があるといい─福島沙紀 おわりに この本で伝えたかったつのこと 暮らしの保健室・川崎/社会的処方研究所はどうなっているか/社会的処方の未来 - 著者プロフィール - 西 智弘 (ニシ トモヒロ) (著/文) 川崎市立井田病院医師/一般社団法人プラスケア代表理事 2005年北海道大学卒。室蘭日鋼記念病院で家庭医療を中心に初期研修後、川崎市立井田病院で総合内科/緩和ケアを研修。その後2009年から栃木県立がんセンターにて腫瘍内科を研修。2012年から現職。現在は抗がん剤治療を中心に、緩和ケアチームや在宅診療にも関わる。一方で、一般社団法人プラスケアを2017年に立ち上げ代表理事に就任。「暮らしの保健室」や「社会的処方研究所」の運営を中心に、「病気になっても安心して暮らせるまち」をつくるために活動。日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医。著書に『社会的処方 孤立という病を地域のつながりで治す方法』(学芸出版社)、『緩和ケアの壁にぶつかったら読む本』(中外医学社)、『がんになった人のそばで、わたしたちにできること』(中央法規出版)他多数。 岩瀬 翔 (イワセ カケル) (著/文) 式根島診療所所長 西上 ありさ (ニシガミ アリサ) (著/文) studio-L 守本 陽一 (モリモト ヨウイチ) (著/文) 一般社団法人ケアと暮らしの編集社代表理事/兵庫県豊岡保健所 稲庭 彩和子 (イナニワ サワコ) (著/文) 独立行政法人国立美術館国立アートリサーチセンター 石井 麗子 (イシイ レイコ) (著/文) 一般社団法人プラスケア 藤岡 聡子 (フジオカ サトコ) (著/文) 軽井沢町・大きな台所と診療所があるところ ほっちのロッヂ共同代表 福島 沙紀 (フクシマ サキ) (著/文) 一般社団法人プラスケア
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庭仕事の真髄 老い・病・トラウマ・孤独を癒す庭 | スー・スチュアート・スミス、和田佐規子(翻訳)
¥3,520
築地書館 2021年 ハードカバー 420ページ 四六判 - 内容紹介 - 「サンデータイムズ」ベストセラー タイムズ紙、オブザーバー紙「今年読むべき1冊 2020年」に選出 人はなぜ土に触れると癒されるのか。 庭仕事は人の心にどのような働きかけをするのか。 世界的ガーデンデザイナーを夫にもつ精神科医が、 30年前に野原に囲まれた農家を改造した家で、 夫とともに庭づくりを始めてガーデニングにめざめ、 自然と庭と人間の精神のつながりに気づく。 バビロンの空中庭園、古代エジプトの墓に収められた種の意味、 戦争中の塹壕ガーデン、ニューヨーク貧困地区のコミュニティーガーデン、 刑務所でのガーデニングの効果、病院における庭の役割。 さまざまな研究や実例をもとに、 庭仕事で自分を取り戻した人びとの物語を描いた全英ベストセラー。 [原著書評より] これまでに類を見ないガーデニングの本だ。資料あり、園芸あり、文学、歴史ありの本書は、各章で参考文献や素晴らしい着想を示し、魂に栄養を注いでくれる。 ――サンデー・タイムズ(英国) 本書は庭を耕し、植物を育てる特別な喜びに関する人生を肯定する研究だ。自然とガーデニングが精神の健康に与える影響を、著者が心からあふれ出る言葉で主張する。神経科学上の研究と園芸療法を通じて症状が回復に向かった患者の記録にもとづいている。 ――ガーディアン 園芸が持っている癒しの効果を賢明で洞察力あふれる著者が雄弁に魂をこめて論じる。今日の不安な時代に求められている良書。不調の時にどう対処するのか、読者一人ひとりに適切な展望を示してくれている。 ――ブックリスト 科学としていまだに揺れている精神医学と、太古からあるガーデニングが魅力的に重なり合う。 ――フィナンシャル・タイムズ スチュアート・スミスは科学に裏づけされた洞察力で自然の持っている癒しの効果を見せてくれる。楽しく読めて、心安らかになる本。 ――ウーマンズ・ワールド 心が躍る、刺激的で、非常に感動的な文章だ。著者は園芸療法の研究を通じて、私たちがどれほど自然と深い関係にあるのかを明らかにしていく。そして、自然と切り離されてしまうことが危険なことで、自然からいかに多くの回復力を得ているか、活気に満ちた思いやりのある言葉で語り、読者に土に触れようと忠告する。 ――イザベラ・トゥリー『英国貴族、領地を野生に戻す』(築地書館)著者
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とまる、はずす、きえる ケアとトラウマと時間について | 宮地尚子, 村上靖彦
¥2,200
SOLD OUT
青土社 2023年 256ページ 四六判 - 内容紹介 - トラウマ研究と、医療・福祉の現象学の第一人者が、具体と抽象を行き来しながら紡ぎ出す、比類なき対談集。 「学問的な硬い概念では取りこぼされる人間の経験の微細なニュアンスについて、考察することへと宮地さんも私もいざなわれた(「まえがき」より)」――村上靖彦 「表面的な言葉の群れにとどまらない、なにか微かだけれども、底流に流れている大切なものを拾い続けられたらと思う(「あとがき」より)」――宮地尚子