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寂しさへの処方箋 芸術は社会的孤立を救うか | 平田 オリザ
¥1,056
集英社 2026年 集英社新書 ソフトカバー 256ページ 新書判 - 内容紹介 - 今、日本は他国とは違う独特の「寂しさ」「いらつき」「不安」に覆われている。終わりの見えない不況、アジア唯一の先進国からの転落と国力の衰退、そして戦前と同じく、産業構造の変革にともなう「精神(マインド)の構造改革」に再び失敗していること…などがその背景にある。 著者は2001年刊行の『芸術立国論』で「日本再生のカギは芸術文化立国をめざすところにある!」と提案した。 本書はその試みを現代に合わせてさらに進化させ、モノが飽和しコトの消費が求められる時代に芸術と観光が果たせる役割、社会的孤立を救うための文化による社会包摂の動き、教育や地方が実現可能な少子化対策など、日本の衰退をくい止める新しい処方箋を再提案する。 平田 オリザ (ひらた おりざ) 1962年、東京都生まれ。劇作家・演出家。芸術文化観光専門職大学学長、青森県立美術館館長。 1995年『東京ノート』で第39回岸田國士戯曲賞受賞。著書に『名著入門 日本近代文学50選』『22世紀を見る君たちへ これからを生きるための「練習問題」』『但馬日記 演劇は町を変えたか』『下り坂をそろそろと下る』『対話のレッスン 日本人のためのコミュニケーション術』『新しい広場をつくる 市民芸術概論綱要』など多数。
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わたしの服はどこからきてどこへいくの? 服と人とのサステナブルな関係を考える | 鎌田安里紗, マルティンメンド有加
¥2,090
晶文社 2026年 ソフトカバー 252ページ 四六判 - 内容紹介 - ファッションとサステナビリティについてのモヤモヤ、まとめて掘り下げます! 素材についての知識から、愛着ある服を長く着るコツまで、 服と人との良い関係をめぐる7章の報告書。 服にもサステナビリティが大事なことはわかっているけれど、いざ自分の消費行動になるとそれから外れた選択をしてしまい、なんとなくモヤモヤしている……。そんなひとに向けて、服にまつわるさまざまな問題について考えてみました。 著者は「多様で、健康的なファッション産業をつくる」をミッションに、サステナブルファッションに関する教育やコンサルティングを行う一般社団法人の理事2人。 手放した服はどんな運命に? リサイクルされる割合はどのくらい? オーガニック素材はほんとうによいの? 服の値段はどのくらいだと妥当? サステナブルを企業は謳うけれどどこまで信用できる?……そんなあなたの疑問に答えます。ほんとうに心地よい服との付き合い方、いっしょに考えてみませんか? 【目次】 第1章 わたしが着ている服は「大丈夫」なの?──服にまつわるさまざまなモヤモヤ 第2章 わたしが手放した服はどうなるんだろう?──廃棄?リサイクル?それとも? 第3章 わたしは何を着ればいいんだろう?──素材と生産について考える 第4章 わたしは服にいくら払えばいいんだろう?──服の適正価格とは 第5章 わたしはどうすれば服を大切にし、心地よく服と付き合えるんだろう?──愛着のある服を飽きずに長く着るコツ 第6章 わたしは服を売る企業とどう関わっていけばいいんだろう?──グリーン・ウォッシュを見極める 第7章 最後に──わたしたちが描く、ファッションの未来 - 著者プロフィール - 鎌田安里紗 (カマダアリサ) (著) 2009年より、衣服の生産から廃棄の過程で、自然環境や社会への影響に目を向けることを促す企画を幅広く展開。2020年に一般社団法人unistepsを共同設立。企業・行政・デザイナー・生活者など、多様なステークホルダーと共にファッション産業におけるサステナビリティに関する取り組みを推進する。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科後期博士課程修了。博士(政策・メディア)。 マルティンメンド有加 (マルティンメンドユカ) (著) 慶應義塾大学総合政策学部卒業後、会計事務所系コンサルティングファームにて企業買収時等のデューディリジェンスに従事。その後渡英、夜間学校で服作りを学びながらPeopleTree ロンドンオフィスのホールセールエグゼクティブ等を務め帰国、2011-19年サステナブルファッションブランドINHEELS代表。アーティストインレジデンスAlmost Perfectコファウンダー。2021年にunistepsに理事として参画。
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増補版 ガザとは何か | 岡 真理
¥1,100
大和書房 2026年 大和文庫 ソフトカバー 352ページ 文庫判 縦150mm 横105mm 厚さ18mm - 内容紹介 - 累計6.5万部突破!23年10月の攻撃直後に緊急出版された、パレスチナ問題を理解するための必読書に大幅増補の決定版 - 著者プロフィール - 岡 真理 (オカ マリ) (著) 1960年生まれ。早稲田大学文学学術院教授、京都大学名誉教授。専門は現代アラブ文学、パレスチナ問題。 東京外国語大学アラビア語科卒、同大学大学院修士課程修了。在学時代、パレスチナ人作家ガッサーン・カナファーニーの小説を通してパレスチナ問題、アラブ文学と出会う。エジプト・カイロ大学に留学、在モロッコ日本国大使館専門調査員、京都大学大学院人間・環境学研究科教授等を経て現職。 著書に『棗椰子の木陰で 第三世界フェミニズムと文学の力』(青土社)、『アラブ、祈りとしての文学』『ガザに地下鉄が走る日』(以上みすず書房)、『中学生から知りたいパレスチナのこと』(共著、ミシマ社)ほか。訳書に、ターハル・ベン=ジェッルーン『火によって』(以文社)、サラ・ロイ『なぜガザなのか』(青土社)、イザベラ・ハンマード『見知らぬ人を認識する』(みすず書房)ほか。
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移民・難民・アート 越境する想像力 | 川上 幸之助(編著) , 髙谷 幸(編著)
¥3,520
ヘウレーカ 2026年 ソフトカバー 372ページ 四六判 縦188mm 横128mm 厚さ25mm - 内容紹介 - 移民・難民をめぐる問題を、社会のあり方を問う根源的な問いと捉え、アートがそれにどう応答しうるかを多角的に探る論集。 第Ⅰ部「アートの実践と倫理」では、アートが世界に介入することの意味を問い、表現と倫理、実践と責任はいかに交差するのかを検討する。当事者との協働を通じて制度の外部に連帯を築き、不可視化された声を可視化してきた各地のコレクティブやプロジェクトの紹介、美術館という制度の暴力性への批判、移民に依存する社会構造の検証、政治的実践としての表現などの論考を通じ、アートは単なる鑑賞対象を超え、生や倫理に触れる営みとなることが明らかにされる。 第Ⅱ部「周縁からの美術史」は、移民や難民がいかに表象され、あるいは不可視化されてきたのかを、美術史の視点から問い直す。近年のトランスナショナルな視座やディアスポラ研究の潮流を踏まえつつ、19世紀フランスから現代日本までを射程に、帝国主義、亡命、周縁的実践などを扱う諸論考が、美術史の枠組みそのものの再検討を試みる。そこでは、「異質」が芸術実践にもたらす緊張と創造性、そして歴史から消去されてきた表象の力が再発見されていく。 第Ⅲ部「移民・難民をめぐる感性の政治」では、制度的なカテゴリーの手前、あるいはそこからこぼれ落ちる身体の記憶や感情、経験に焦点を当てる。映像や語り、哲学的思考、制度批判的美学、さらにはAIをめぐる実践までを視野に入れながら、移動の時代において、移民・難民の声なき声がいかに芸術を通じて立ち上がるのかを探究する。 - 目次 - なぜ移民・難民とアートなのか(川上幸之介) 移動する人々はいかに「国民」と区別され、制限を受けてきたか(髙谷 幸) 第Ⅰ部 アートの実践と倫理 01 文化を接木する――越境する個人とオルタナティブ・スペース(江上賢一郎) ▼インタビュー 印刻部 ▼インタビュー わくせいプロジェクト(阿部航太/児玉美香) ▼コラム 高齢化する移民女性の実践――カサカランの取り組みから(髙谷 幸/レニー・トレンティーノ) 02 移民・難民とミュージアム(小森真樹) ▼コラム 不可視の支柱――移民が築くマジョリティ社会の足元(川上幸之介) 03 いかにしてアートでものごとを行うか――タニア・ブルゲラによる移民・難民関連プロジェクト(菅原伸也) ▼インタビュー アルフレッド・ジャー 04 テレサ・マルゴレスと「カーラ」の生と死(藤本流位) ▼インタビュー 崔敬華 第II部 周縁からの美術史 05 あなたのマイノリティとしての経験――記録されなかった、ある在日朝鮮人美術家の話 (金 智英) ▼コラム 近代日本に芸術移民した朝鮮人・台湾人の芸術家たちのこと(足立 元) 06 「異国」の人々へのまなざしとその表象をめぐって(請田義人) ▼ コラム 沈黙を編むこと――移民・難民とアートの交差点 07 時代からの逃走――第一次世界大戦下の移民たちによるダダの思想とアナーキー(森 元斎) 08 トランスナショナル・アート・ヒストリー ―― 他なる語りのために(山本浩貴) ▼コラム 引かれる線に無関係であること――重村三雄の調査報告(長谷川 新) 第Ⅲ部 移民・難民をめぐる感性の政治 09 クィアな日系アメリカ人の歴史を書く――TTタケモトの実験映画(菅野優香) ▼インタビュー ミミ・チ・グエン 10 ジャック・ランシエールにおける移民の(脱)規定(鈴木 亘) 11 移民をめぐる「美学/政治」とアート(石田圭子) ▼コラム 語られざる記憶を紡ぐ――移民・難民にとってのアート(川上幸之介) 12 二一世紀のメカニカルタークとその彼方へ――アルゴリズム・移民・ケアをめぐる芸術の政治学(清水知子) おわりに - 著者プロフィール - 川上 幸之介 (カワカミ コウノスケ) (編著) 倉敷芸術科学大学准教授。KAG アートディレクター(gallerykag.jp)。ロンドン芸術大学セントラル・セント・マーチンズMAファインアート科卒。東京藝術大学国際芸術創造研究科博士課程修了。博士(学術)。専門は現代アート、ポピュラー音楽、キュレーション。著書に『パンクの系譜学』(書肆侃侃房、2024)、共著に『思想としてのアナキズム』(以文社、2024)『表現文化論講義』(ナカニシヤ出版、2025)。キュレーションにPunk! The Revolution of Everyday Life 展、Bedtime for Democracy 展など。 髙谷 幸 (タカヤ サチ) (編著) 東京大学大学院人文社会系研究科准教授。専攻は社会学、移民研究。著書に『追放と抵抗のポリティクス』(ナカニシヤ出版、2017年)、編著書に『移民政策とは何か』(人文書院、2019年)、編著に『多文化共生の実験室 大阪から考える』(青弓社、2022年)、論文に「現代日本における移住女性の配置の変容と社会的再生産の困難」(「思想」2020年4月号)など。
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資本主義を半分捨てる | 青木 真兵
¥990
SOLD OUT
筑摩書房 2026年 ちくまプリマー新書 ソフトカバー 176ページ 新書判 - 内容紹介 - 生きづらさに満ちた社会で、資本主義の価値観に縛られず多様なありかたを模索する。都市と山村を行き来して考えた、自分が心地よく生きるための方法とは。 お金になりにくい文化や教育的営みは役に立たないのか? 資本主義的な都市とそこから離れた山村の二つの場所を行き来しながら、自分の感覚にしっくりくる言葉や表現を磨き、自分らしく生きるための道筋を探っていく──。他人の評価や市場のものさしにとらわれず、自分だけの生き方をみつけよう。私たちが抱える「生きづらさ」から抜け出してちょうどよく生きるためにどうすればいいのか。現代を生きる私たちがどうすれば人間らしく暮らせるのか、自分に合った答えを見つけるためのヒントがここにある。 - 目次 - はじめに 「ちょうどよく生きる」とは/「生きづらさ」はどこからくるのか/テクノロジーの発展は悪くない/「自己ニーズ」を大事にできるかどうか 第一章 僕たちが山村に越して分かったこと──二つの原理を行ったり来たり 東吉野村へ移住/なぜ過疎地を選んだのか/合理性と効率性を第一とする社会で/資本の原理に支配される危うさ/あらゆるものを商品とみなす社会/消費社会は快適/生きるとは労働力を商品化すること/数値化することで失われてゆくもの/二つの原理を行き来する柔軟さが必要 第二章 社会全体を学びの場としてとらえる──脱学校、脱病院の思想 都市と山村では自然とのつき合い方が違う/近代と前近代/学校は子どもたちを序列化する制度/学びを学校に限定しない/本来の学びとは何か/社会的価値という物差しから離れる/障がいは社会との関係性の中で生じる/障がいにおける「医学モデル」と「社会モデル」/医学的、社会的評価に委ねすぎてはいけない/数値ではなく自分にとってのちょうどよさを基準にする 第三章 働くとはなにか──ルチャ・リブロとヴァナキュラー なぜ図書館活動をするのか/市場原理に縛られない場所をつくる/「おすそ分け」が活動の原点/生きづらさと向き合いプロセスを「ひらく」試み/労働=賃金なのか?/ヴァナキュラーな営みとは/自然のリズムを無視しない働き方/人間の精神や文化の持続のために大切なものはなにか 第四章 数値化できないものについて語る──「オムライスラヂオ」 互いに関わり合い、支え合う関係/全体を整える││流動的知性/テクノロジーは大事だが支配されてはいけない/人間らしく生きるために生活を手づくりする/自己ニーズを認め合う関係は互いの尊厳を認め合う関係/素朴な疑問について語り合う雑談の場としてのラジオ/余白の時間と空間をとり戻す/生き物としての感受性を回復する 第五章 尊厳を認め合いながら生きるには──『ジェンダー』 自己ニーズはとても繊細なもの/男性は社会的に優位な側に属している/平等な社会を目指すには/近代社会が理想とした「単一の性」の不自然さ/「他者ニーズ」と「自己ニーズ」を往復しながら生きる/前近代的共同体に潜む抑圧/マイノリティを孤立させない/自ら作った制度や装置に支配されずに生きる - 著者プロフィール - 青木 真兵 (アオキ シンペイ) (著) 1983年埼玉県生まれ。「人文系私設図書館ルチャ・リブロ」キュレーター。思想家。古代地中海史(フェニキア・カルタゴ)研究者。博士(文学)。社会福祉士。2014年より実験的ネットラジオ「オムライスラヂオ」の配信をライフワークとしている。2016年より奈良県東吉野村に移住し、自宅を私設図書館として開きつつ、就労支援や若者支援、企業の組織文化づくりなどに携わっている。著書に『手づくりのアジール──「土着の知」が生まれるところ』(晶文社)、『武器としての土着思考』(東洋経済新報社)、共著に『彼岸の図書館──ぼくたちの「移住」のかたち』(夕書房)、『山學ノオト』シリーズ(エイチアンドエスカンパニー)、『つくる人になるためにーー若き建築家と思想家の往復書簡』(灯光舎)など。
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「あの選挙」はなんだったのか 2024衆院選・2025参院選を読み解く | 荻上 チキ(編)
¥2,200
青弓社 2026年 ソフトカバー 272ページ A5判 縦210mm 横148mm 厚さ18mm - 内容紹介 - 「あの選挙」で何が変わり、変わらなかったのか。民意の本当の姿とは。選挙と向き合うための知見を、政治学やデータ分析、アメリカ政治、ジェンダー平等、SNSマーケティング、ジャーナリズム、哲学対話の専門家たちがそれぞれの視点から解説する入門書。 - 目次 - まえがき 荻上チキ 第1章 自民党はなぜ負けたのか?――消えた小選挙区ボーナスと有権者のリスク認識 飯田 健 1 自民党票の行方 2 消えた小選挙区ボーナス 3 暮らし向き評価と自民党離反 4 悲観的な暮らし向きの見通しと政党のリスク認識 第2章 並立制はどのように日本政治の混迷を深めたのか?――二〇二四年衆院選・与野党逆転の計量分析 菅原 琢 1 衆院並立制と政党政治 2 比例区の多党化と小選挙区の与野党逆転――二〇二四年衆院選結果の概略 3 激化した野党間の候補者の競合 4 立憲民主党候補を支えた国民民主党の党勢拡大 5 共産党大量擁立の影響の評価 6 小選挙区で不利な国民民主党 7 再考を迫られる並立制 第3章 誰が野党を支持しているのか?――脅かされる立憲民主党と躍進する「第三極」 秦 正樹 1 日本政治の分岐点としての二〇二四年衆院選 2 比較のなかの二〇二四年衆院選 3 「立憲民主党の伸び悩み」を科学する 4 新たなステージへ向かう野党 第4章 なぜ民主党は負けたのか?――二〇二四年アメリカ大統領選挙にみるリベラルの敗因 三牧聖子 1 二〇二四年大統領選トランプ再選の衝撃 2 「変化」を訴えられなかったハリス 3 「リベラル」から後退していったハリス 4 気候変動対策で後退したハリス 5 トランプを「平和」の候補にみせたガザ政策の失敗 コラム1 女性が選挙に立候補するとはどういうことか?――「FIFTYS PROJECT ワークショップ報告書 統一地方選挙に出馬した女性候補者が体験した制度課題および社会課題についての調査」をもとに 能條桃子 第5章 いま、メディアは選挙をどう動かしているのか? 辻 愛沙子/荻上チキ 1 選挙とインターネットというメディア 2 選挙を動かしたのはどのメディアだったのか 第6章 二〇二五年参院選は誰が勝ったのか?――日本政治の新たな局面 秦 正樹 1 二〇二五年参院選は「日本政治の転換点」か 2 世論における二〇二五年参院選の意味 3 二〇二五年参院選は誰が「勝った」のか 4 日本政治の新局面としての二〇二五年参院選 第7章 参政党の「躍進」はなぜ起きたのか?――都議選参政党投票者への追跡調査から 荻上チキ/中村知世 1 参政党支持者の基本属性 2 参政党を支持しつづけた人/離脱した人 3 ファクトチェックとメディア接触の影響 4 参政党支持者と外国人嫌悪 5 「YouTube」と陰謀論の親和性 6 参政党支持とは何か コラム2 選挙はマイノリティーの声を聞くことができているか? 安田菜津紀 第8章 選挙を考えるとはどういうことなのか?――政治と社会と暮らしをめぐる哲学対話 永井玲衣 あとがき 荻上チキ - 版元から一言 - 執筆者:荻上チキ/飯田 健/菅原 琢/秦 正樹/三牧聖子/能條桃子/辻 愛沙子/中村知世/安田菜津紀/永井玲衣(掲載順) 2024年衆院選と2025年参院選、「あの選挙」は一体なんだったのか? 民主党政権を挟みながらも、自公政権が長く続いてきた日本政治。2024年の衆院選では、与党が過半数を割るという大きな変化が起こった。この変化は、期待されていたような「政権交代への作用」を実際に生み出したのだろうか。驚きや戸惑い、さらには予想外の熱気など、様々な反応がみられるなかで、「あの選挙」の結果と過程から何を学び、どのように理解すべきなのか。その全体像はいまだにみえていない。 国民民主党の躍進、立憲民主党の伸び悩み、日本維新の会の凋落、参政党の急速な伸長、多様化する少数政党、そして自民党と公明党の連立与党の衆参両院での過半数割れによって生まれた新たな政権の枠組み。いまの政治状況は、本当に国民が望んだものであり、「民意」が反映された結果なのだろうか。 ・「あの選挙」で起こったこと/起こらなかったこと ・「あの選挙」で変わってしまったこと/変わらなかったこと ・「あの選挙」で届いた声/届かなかった声…… 選挙のたびに入れ替わる、注目政党や選挙手法のトレンド。目まぐるしく変わる状況を前に一度立ち止まり、考え、対話するための土台となる知見を、政治学、データ分析、アメリカ政治、ジェンダー平等、SNSマーケティング、ジャーナリズム、哲学対話の専門家たちがそれぞれの視点から解説。そして、そこからみえる「民意」の本当の姿とは。 「あの選挙」から「次の選挙」へ進んでいくために。 いまだからこそ知っておきたい、すべての世代に向けた選挙の新しい入門書の第2弾。 - 著者プロフィール - 荻上 チキ (オギウエ チキ) (編著) 評論家。ストップいじめ!ナビ代表理事。社会調査支援機構チキラボ所長。ラジオ番組『荻上チキ・Session』(TBSラジオ)メインパーソナリティ。著書に『社会問題のつくり方』(翔泳社)、『いじめを生む教室』(PHP研究所)など多数。 社会調査支援機構チキラボ (シャカイチョウサシエンキコウチキラボ) (企画) 2021年設立。社会的な議論が必要なトピックスについて実態調査をおこない発信。私たちの暮らす環境や構造がもたらす問題を明らかにしたうえで、解決課題に持続的に取り組む。これまでに手がけたプロジェクトは「ストーカー規制法改正に向けたつきまとい実態調査」「「宗教2世」当事者1,131人への実態調査」「芸能・メディア分野におけるハラスメントや圧力問題についての実態調査」「2025年東京都議選・参院選 有権者の政治意識 継続調査」など。 「社会調査支援機構チキラボ」(https://www.sra-chiki-lab.com) 飯田 健 (イイダ タケシ) (著) 同志社大学法学部政治学科教授。専門は日本とアメリカの有権者の選挙での投票行動・世論。著書に『有権者のリスク態度と投票行動』(木鐸社)、共著に『政治行動論』(有斐閣)、『計量政治分析』(共立出版)など 。 菅原 琢 (スガワラ タク) (著) 政治学者。専門は政治過程論。選挙と政治についてデータをもとにした分析を世に広く提供し、メディアなどの調査や分析のアドバイザーも務めている。戦後の衆参両院議員の国会での活動履歴や発言を一覧にしたウェブサイト「国会議員白書」、政治の計量分析に特化したニュースレター「菅原琢の政治分析」を運営。著書に『データ分析読解の技術』(中央公論新社)、『世論の曲解』(光文社)、共著に『調査の論理』(勁草書房)、『日本は「右傾化」したのか』(慶應義塾大学出版会)、『平成史【完全版】』(河出書房新社)など。 秦 正樹 (ハタ マサキ) (著) 大阪経済大学情報社会学部准教授。専門は政治心理学・実験政治学。日本における野党政治や陰謀論・フェイクニュースの受容メカニズムについての実証研究。著書に『陰謀論』(中央公論新社)など。 三牧 聖子 (ミマキ セイコ) (著) 同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科教授。専門はアメリカ政治外交史。著書に『Z世代のアメリカ』(NHK出版)、『戦争違法化運動の時代』(名古屋大学出版会)、共著に『トランプのアメリカ』(東京大学出版会)など。 能條 桃子 (ノウジョウ モモコ) (著) FIFTYS PROJECT代表。2019年、デンマーク留学中に若者の政治参加を促すNO YOUTH NO JAPAN設立。20年、一般社団法人化。22年、「政治分野のジェンダー不平等、私たちの世代で解消を」と掲げ20代・30代の女性、ノンバイナリーなどの立候補を呼びかけ支援するFIFTYS PROJECT設立(一般社団法人NewScene代表理事)。慶應義塾大学大学院経済学研究科修士卒。「TIME」誌が選ぶ次世代の100人 TIME100 NEXT 2022選出。 辻 愛沙子 (ツジ アサコ) (著) arca代表取締役/クリエイティブディレクター。社会派クリエイティブを掲げ、「思想と社会性がある事業作り」と「世界観にこだわる作品作り」の2つを軸にして広告から商品プロデュースまで領域を問わず手がける越境クリエイター。リアルイベント、商品企画、ブランドプロデュースまで、幅広いジャンルでクリエイティブディレクションをおこなう。2019年春、女性のエンパワメントやヘルスケアをテーマにした「Ladyknows」プロジェクトを発足。2019年秋から24年3月まで、報道番組『news zero』にて水曜パートナーをレギュラーで務める。多方面にわたって、作り手と発信者の両軸で社会課題へのアプローチに挑戦している。 中村 知世 (ナカムラ チヨ) (著) 社会調査支援機構チキラボ特任研究員。教育社会学者、博士(教育学)。東京大学非常勤講師、放送大学客員准教授。地方の高校教育環境をジェンダーの視点から研究。主な論文に「高校教育とジェンダー秩序」(「教育学研究」第92巻第3号)。 安田 菜津紀 (ヤスダ ナツキ) (著) 認定NPO法人Dialogue for People(ダイアローグフォーピープル/D4P)フォトジャーナリスト。同団体の副代表。16歳のとき、「国境なき子どもたち」友情のレポーターとしてカンボジアで貧困にさらされる子どもたちを取材。現在、東南アジア、中東、アフリカ、日本国内で難民や貧困、災害の取材を進める。東日本大震災以降は陸前高田市を中心に、被災地を記録しつづけている。現在、TBSテレビ『サンデーモーニング』にコメンテーターとして出演中。著書に『国籍と遺書、兄への手紙』(ヘウレーカ)ほか。 永井 玲衣 (ナガイ レイ) (著) 人びとと考えあい、ききあう場を各地でひらく。問いを深める哲学対話や、政治や社会について語り出してみる「おずおずダイアログ」、せんそうについて表現を通して対話する写真家・八木咲とのユニット「せんそうってプロジェクト」などでも活動。著書に『これがそうなのか』(集英社)、『さみしくてごめん』(大和書房)、『世界の適切な保存』(講談社)、『水中の哲学者たち』(晶文社)。第17回「わたくし、つまりNobody賞」受賞。詩と植物園と念入りな散歩が好き。
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それでも民主主義を信じる | 宇野 重規
¥1,980
青土社 2026年 ソフトカバー 224ページ 四六判 - 内容紹介 - 手放すのか、選び続けるのか――。 日本の、世界の民主政治が大きく揺れている。人口減少、安全保障、そして排外主義の台頭。果たして私たちの社会はどこへ向かうのか? 政治学を牽引してきた第一人者が、混迷する政治情勢をていねいに読み解き、未来への展望を示す51篇。
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POSSE リニューアル号(vol.61) 特集:選挙以外で社会を変える/ネット以外で社会を変える | POSSE編集部
¥1,760
SOLD OUT
堀之内出版 2026年 ソフトカバー 178ページ A5判 縦210mm 横148mm 厚さ10mm - 内容紹介 - 【リニューアル号】 「小さな声と大きな変革をつなぐ雑誌」POSSEが、デザインを新たにリニューアル! 特集:選挙以外で社会を変える/ネット以外で社会を変える 第二特集:「働いて働いて働く」発言のどこが問題なのか? 世界は選挙(だけ)では決まらない──。 選挙のたび無力感に苛まれているすべての人に。 【巻頭言より】 “今回の特集は、「選挙以外で社会を変える/ネット以外で社会を変える」です。2025年12月現在、日本では物価高騰が続き、生活は厳しさを増しています。不安を抱えている人たちは多いはずです。しかし、貧困や労働問題に取り組むはずの政党が人気を集めているとは言えません。それどころか、一見正反対に見える高市政権や、参政党が大きな支持を得ているように見えます。こうした現実を前に、選挙のたび無力感に苛まされている方も多いのではないでしょうか。 そんな中で、私たちは社会を変えるための「希望」を見出そうと考えています。ただし、それは「これまでのやり方で大丈夫」ということではありません。 気づけば私たちは、SNSで誰かを攻撃したり、慰め合ったり、選挙が近づけば、政党について書き込むことばかりして、それで社会を変えている気になっていないでしょうか。この社会と闘い、社会を変えるための方法は、本当にそこにあるのでしょうか。 「選挙」と「ネット」。社会を変えるための私たちの想像力は、この2つに縛られすぎています。そんな思いから、雑誌『POSSE』は今回、新たにリニューアルしました。” 目次 【特集:選挙以外で社会を変える/ネット以外で社会を変える】 リベラルの敗北は止まらない 真の希望とは ──フェミニスト・政治学者ナンシー・フレイザー来日インタビュー ナンシー・フレイザー 左派に本当に必要なのは、選挙の勝利ではない ──左傾化する若者(ジェネレーション・レフト)の新局面 キア・ミルバーン 右派も左派もアルゴリズムからは逃れられない ──現代を覆う「レント資本主義」解説 佐々木隆治 選挙以外で/ネット以外で社会を変えるには ──参政党、NY市長選、排外主義、メガソーラーetc… POSSE座談会 【第二特集:「働いて働いて働く」発言のどこが問題なのか?】 過労死遺族が語る「働き方改革」の裏側 ──「働いて働いて働く」時代の長時間労働 過労死遺族対談 報道される過労死はたったの「4%」? ──なぜ人は「もっと働きたい」と欲望するのか 今野晴貴×斎藤幸平 スキマバイトで介護される時代 ──ウーバー以降、労働法の最前線 川上資人×今野晴貴 締め切りの支配から逃げるには? ──資本主義を変える「遊び」の哲学 難波優輝 = = = = = 連載 スポーツとブラック企業 体育会系言葉・話法を考える 常見陽平 コラム Mrs.GREEN APPLE「ライラック」は2020年代の労働歌か? 岩本菜々×坂倉昇平 ブックレビュー 定期購読・寄付・会員 バックナンバー紹介 POSSE活動紹介 編集後記
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お金信仰さようなら | ヤマザキOKコンピュータ
¥1,980
SOLD OUT
穴書 2026年 ソフトカバー 224ページ ビニールカバー 四六判 縦188mm 横128mm 厚さ16mm - 内容紹介 - 働いて働いて働いて働いて働いて、 収入を伸ばし、貯蓄を増やし、経済最優先の社会の中で、 労働と成長ばかり求められてきた。 私たちは、「お金信仰の時代」に生まれ育った。 しかし、一部の間ではもう新たな時代が始まっている。 ーーーーー ・どれだけの資産があれば人は幸せになれるのか? ・売れないものには価値がないのか? ・経済成長すれば私たちの暮らしは豊かになるのか? 金融界のみならず、国内外のパンク・シーンや多種多様な地下カルチャーを渡り歩いてきた著者が、 そこで培った独自の視点でひとつひとつの疑問を解き、 貯蓄でもなく、選挙でもない、新しい選択肢を提示する。 『くそつまらない未来を変えられるかもしれない投資の話』(6刷)で話題をさらった、 投資家でパンクスの著者による最新作。 今度こそ、くそつまらない未来は変えられる。 お金信仰が終わったあとの時代で、 何を指針に生きるのか? まだ名前の付いてない、新たな時代へと突き進む私たちのための入門書。 目次 この本を書くにあたって 第1章 自分の〈いま〉に名前を付ける お金を信仰する時代 退屈で残酷な、グローバル資本主義社会 お金の大小しか見ない、一次元的な世界観 ①市場信仰 ②貨幣信仰 お金ではなく、お金信仰に別れを告げる 第2章 未来に不要なものは置いていく 新しい時代の歩き方 ハードコアパンクバンドが示してくれたアンサー お金持ちになったら幸せになる? 国が豊かになったら貧困問題は解決する? 〈見えざる手〉は人々の理想を実現できる? 私たちの暮らしは本当に豊かになっている? お金がここまで強く信仰される理由 第3章 新しい価値観に名前を付ける 新たな世代の、新たな価値観 アメリカのFIREムーブメント 中国の寝そべり主義者宣言 パラレルワールドをいまからやる 欧州パンクの共同体における知性あふれる価値観の共有 昔の商店街に見る、活気主義の世界 自分が本当に価値を感じるもの 接続性=人や社会とのつながり×文脈としてのつながり ①社会的接続価値 ②文脈的接続価値 お金信仰は終わらせる力、接続性はつなぐ力 お金信仰に別れを告げるときが来た さいごに 私が出した、ひとつの答え 前書きなど 「経済、経済、経済!」 総理大臣の叫び声に国会中が沸き上がった。 幸福も平和も安全も、何もかもお金に委ねられ、まるで祈りを捧げるようにお金を信仰する時代。 数百年後に生きる未来人から見たら、この世界はきっと、とても奇妙な光景に映るだろう。 時代からはみ出し、現代に疑問を抱く我々は、来るかわからないマシな未来を待ち続けるか、社会をひっくり返そうと声を上げるのか。 本書が提示するのは、どちらでもない“第三の道”。 古い価値観をかなぐり捨て、自分の軸を自分でつくる。理想的な未来に先回りして、未来人として今日を生きる、まったく新しい旅の始まり。 生まれ育った時代を見つめ直し、主体的に未来を選び取るためのヒントがここにある。 - 版元から一言 - 『くそつまらない未来を変えられるかもしれない投資の話』(タバブックス/6刷)で話題をさらった、投資家でパンクスの著者による最新作。 「資産を増やす」「お金のリテラシーを身につける」といった本は数多くありますが、本書はそれを超えて、自分たちの理想の未来をつくり出すための「生き方」に迫ります。 海外のオルタナティブ・スペースや、古い日本の商店街のフィールドワークから著者が辿り着いた答えは、「未来人として生きること」。 他の金融・経済の本とは一線を画する視点を提示する一冊です。 - 著者プロフィール - ヤマザキOKコンピュータ (ヤマザキオーケーコンピュータ) (著) 株式会社「穴書」代表。文筆家・投資家。 Newspicksをはじめ、様々なメディアで執筆。 日本証券業協会「100年大学 投資はじめて学部 ONLINE」や「ビジネスドライブ! by SBI証券」に出演。 著書『くそつまらない未来を変えられるかもしれない投資の話』(タバブックス)は6刷。 地下のカルチャーや金融の世界など、異なる領域を横断しながらオルタナティブな価値観を探求している。
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男女の進学格差はなぜ埋まらないのか? 「ジェンダー・トラック」について考える | 中西 祐子(著)
¥748
岩波書店 2025年 岩波ブックレット ソフトカバー 80ページ A5判 縦210mm 横148mm 厚さ5mm - 内容紹介 - 今の日本は、先進諸国で大学進学の男女格差が最も大きい国だ。それはなぜなのか。学校の日常場面での「隠れたカリキュラム」やペアレントクラシー(親の教育期待・教育投資)に見られる男女間格差、大卒女性の学歴やスキルが低く評価される労働市場の問題など、国際統計を含む多彩なデータから社会のあり方を検証する。 - 目次 - 第1章 海外では女性のほうが高学歴 第2章 「ジェンダー・トラック」と隠れたカリキュラム 第3章 ぺアレントクラシーと学歴の経済的見返りにみられるジェンダー間格差 第4章 アメリカではなぜ大学進学率の男女逆転が起きたのか 第5章 「医学部入試不正問題」であきらかになったこと 第6章 未来はどうなる? 主な参考文 - 著者プロフィール - 中西 祐子 (ナカニシ ユウコ) (著) 武蔵大学社会学部教授.お茶の水女子大学大学院博士課程人間文化研究科修了.博士(学術).専門は教育社会学,ジェンダーの社会学.著書に『ジェンダー・トラック――青年期女性の進路形成と教育組織の社会学』(東洋館出版社),『平等の教育社会学――現代教育の診断と処方箋』(共編著,勁草書房),『ジェンダー論をつかむ』(共著,有斐閣)など.
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パレスチナ/イスラエルを読み解く | 錦田 愛子(著)
¥2,970
えにし書房 2025年 ソフトカバー 476ページ A5判 縦210mm 横148mm 厚さ29mm - 内容紹介 - パレスチナ/イスラエルを構造的・総合的に理解するための決定版! 慶應義塾大学での講義「現代中東論Ⅱ」をもとに、歴史の流れに沿って解説。 とりわけ2023年10月7日のハマースらによる奇襲攻撃から、2年後の停戦に至るまでのイスラエル・ガザ戦争を、長期的文脈の中で詳しく読み解く。 中東各地での在外研究と現地との交流を活かしたコラム、理解を深める映画・文献紹介も充実。図版多数。 - 目次 - 序章 未曽有の危機 長期化した紛争を理解するために 地図から消されたパレスチナ、イスラエル 第1章 パレスチナ・イスラエル紛争の基本構造 第1節 120年あまりの浅い紛争の歴史 第2節 キリスト教社会の問題が転嫁され始まったパレスチナ問題 第3節 ユダヤ移民とイギリスの三枚舌外交 第4節 聖地エルサレムとマサダ・コンプレックス 第2章 ホロコーストをめぐるイスラエルの変化 第1節 ヨーロッパのキリスト教社会でのユダヤ教徒差別 第2節 シオニズム思想と運動の始まり 第3節 ユダヤ人迫害の頂点としてのホロコースト 第4節 アウシュヴィッツ収容所の現在 第5節 ホロコーストとシオニズム―評価の変遷 コラム「屋根の上のバイオリン弾き」 第3章 イスラエル建国の経緯と責任論争 第1節 ドレフュス事件の衝撃からバルフォア宣言へ 第2節 入植活動の始まり 第3節 国連パレスチナ分割決議とナクバ 第4節 パレスチナ難民が生まれたのは誰の責任か コラム「パレスチナ交響楽団」 第4章 アラブ・イスラエル戦争の時代 第1節 英仏の撤退とアラブの連帯 第2節 ナーセルによるPLOの創設 第3節 転機としての第三次中東戦争 第4節 PLOによるゲリラ闘争の時代 コラム「アラブ諸国内での裏切り」 第5章 シオニズムの変容 第1節 建国運動としてのシオニズム 第2節 イスラエルへの「帰還」促進 第3節 ユダヤ人の間でのエスニックな差別 第4節 入植地の建設と宗教シオニズム 第5節 右傾化が進むイスラエル――ネタニヤフ政権の政治基盤 コラム「アラブ系イスラエル人歌手ドゥドゥ・タッサ」 第6章 孤立するパレスチナ 第1節 アブラハム合意の裏切り 第2節 第四次中東戦争とオイル・ショック―「十・七」の五十年前に起きた最後のアラブ戦争 第3節 リクード政権の誕生とエジプト和平―パレスチナ自治をめぐる議論の始まり 第4節 占領の合法化プロセス―エルサレムの首都化 第5節 イスラエルのレバノン侵攻と虐殺 コラム「パレスチナ人作家と文学」 第7章 占領地内部からの抵抗――第一次インティファーダ 第1節 抑圧からの蜂起と弾圧 第2節 崩された「ダビデとゴリアテ」の構図 第3節 ハマースの誕生 第4節 ローカル・イスラームとしてのハマース――政治的立場と憲章の位置付け コラム「映画『プロミス』が描いた対話の難しさ」 第8章 湾岸危機とパレスチナ問題 第1節 闘争から交渉へ 第2節 冷戦終結という国際環境の変化 第3節 サッダーム・フセインとリンケージ論 第4節 和平交渉の始まり コラム「君はサッダームが好きか?」 第9章 オスロ合意の欠陥 第1節 直接対話への道 第2節 パレスチナ自治政府の誕生 第3節 和平交渉への反対勢力 第4節 オスロ合意はなぜ失敗したのか コラム「民間外交が導いた和平合意」 第10章 武装化する抵抗運動――第二次インティファーダ 第1節 失われた和平のチャンス 第2節 自爆テロ VS 暗殺攻撃 第3節 衝突再開の背景と帰結 第4節 ロードマップとアラファートの死 コラム「映画『パラダイス・ナウ』―自爆テロと内通者をめぐる闇」 第11章 ハマース政権の成立と制裁 第1節 二度目の大統領選挙 第2節 ハマースの政治参加と選挙での勝利 第3節 オルタナティブとしてのハマース 第4節 二重政府体制からガザの封鎖へ コラム「パレスチナの若者文化―ガザのラッパー、パルクール」 第12章 封鎖の長期化とガザ攻撃 第1節 ガザ地区からの入植地撤退 第2節 「草刈り」の始まり―四度のガザ攻撃 第3節 進まないパレスチナ統一構想 第4節 パレスチナ国家の国連加盟申請 コラム「二度のガザ訪問―破壊される国際援助」 第13章 トランプ政権の衝撃 第1節 エルサレムへの大使館移転 第2節 「帰還の大行進」―占領七十年目の抗議行動 第3節 コロナ禍のパレスチナ・イスラエル 第4節 「世紀のディール」の凡庸さ 第5節 アブラハム合意という置き土産 コラム「どちらが現実でどちらが理想か 一国家解決案と二国家解決案」 第14章 イスラエル・ガザ戦争への導火線 第1節 くり返される選挙とイスラエル政治の混迷 第2節 エルサレムをめぐる2021年衝突 第3節 ネタニヤフ極右内閣の成立と緊迫 第4節 2023年イスラエル・ガザ戦争の勃発 第15章 第1節 人質解放から戦闘の再編と泥沼化へ 最初の人質解放/ガザ戦闘をめぐる人道性/UNRWAに向けられた疑惑/戦闘の長期化と飢餓の拡大 第2節 拡大する戦線と「抵抗の枢軸」 ヒズブッラーへの壊滅的な打撃/フーシー派の参戦/アサド政権の崩壊と中東地域秩序の変容 第3節 イラン・イスラエル衝突 破られた「暗黙の交戦規定」/二度目のイラン・イスラエル衝突/イラン核開発疑惑と核合意 三度目の衝突での核施設攻撃 第4節 戦争の終結に向けて 排除された指導者たち/トランプ劇場の始まり/「ガザ・リヴィエラ構想」/停戦崩壊と「ガザ人道財団」 国連総会でのパレスチナ国家承認/トランプ20項目提案/ガザの戦後統治をめぐる難問 コラム「アラブ側のシェルター事情」 あとがき 関連年表 10.7以後の動き - 著者プロフィール - 錦田 愛子 (ニシキダ アイコ) (著) 慶應義塾大学教授。東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了、総合研究大学院大学文化科学研究科博士課程修了。専門はパレスチナ・イスラエルを中心とする中東現代政治および移民/難民研究。ヨルダン、レバノン、イスラエル、ドイツなどで在外研究を行う。ヨルダンに住む無国籍のパレスチナ難民を支援するNGO「パレスチナ学生基金」の理事、 Yahoo!ニュースエキスパート、および朝日新聞デジタルコメンテーターを務める。 著書に『ディアスポラのパレスチナ人―「故郷(ワタン)」とナショナル・アイデンティティ』(有信堂、2010年)、共編著にAiko Nishikida, Chie Ezaki and Toshiya Tsujita eds. “Fragile Stability” as a Political background of October 7: Current and Foreseeable Issues in the Israeli-Palestinian Conflict. Springer, 2025、編著に『政治主体としての移民/難民―人の移動が織り成す社会とシィティズンシップ』(明石書店、2020年)などがある。
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生き延びたものたちの哀しみを抱いて 軍事化に抗する沖縄のフェミニズム文学 | 佐喜真 彩
¥3,960
勁草書房 2025年 KUNILABO人文学叢書 ハードカバー 304ページ 四六判 - 内容紹介 - 追悼/哀悼はそのまま闘いとなる。喪失とみなされなかったものたちへの哀悼から、戦後沖縄フェミニズム文学の政治的想像力を照射する 日米による軍事植民地主義の暴力が継続する沖縄。軍事化に抗う沖縄の女性運動は、性暴力に目を凝らし、「集団自決」や「慰安所」の記憶を捉え直してきた。これに呼応する目取真俊や崎山多美らの作品から、他者の傷に触れ、出会い損ないの悲哀を抱え続ける、新しい共同性の想像力をたどる。アジアへ開かれた別様の「ホーム」に向けて。 - 目次 - はしがき 序章 1 二〇〇〇年前後――死-世界の前触れ 2 死政治からの脱却と民衆の視点 3 ジェンダーの視点による「集団自決」の捉え直し 4 本書の目的、先行研究、本書の構成 第一章 再編される「慰安所」システム――米軍占領下における女性間の分断と連帯への萌芽 1 はじめに 2 帝国的なドメスティシティ 3 初期の占領体制の整備と「解放とリハビリ」言説 4 ドメスティックな空間の拡大と女性間の分断 5 別様の「ホーム」 補章 うないを新生させる――八〇年代以降のフェミニズム運動 1 ローカルでグローバルな「うないフェスティバル」 2 「慰安婦」問題への取り組み 3 軍事化に抗する沖縄のフェミニズム運動 第二章 「植民地戦争性精神病」に触れる――フランツ・ファノンの暴力論を目取真俊『眼の奥の森』とともに読み直す 1 はじめに 2 メランコリー/暴力/脱同一化 3 戦後沖縄における空間編成 4 「眼の奥の森」に触れる 第三章 憑依される身体から感染する身体へ――目取真俊「群蝶の木」に見る罪責感と戦争トラウマ 1 はじめに 2 罪責感と戦争トラウマ 3 記録運動と沖縄の他者 4 集団的戦争トラウマと可視化されない加害の記憶 5 「戦後」世代の病 6 憑依される身体から感染する身体へ 第四章 生き延びたものたちの哀しみを抱いて――崎山多美「月や、あらん」 1 はじめに 2 複数の声を宿す身体 3 琉球土人/「リュウちゅうドジン」 4 トラウマの反復と生き延びること 5 遺言テープの二つの音 6 〈ミドゥンミッチャイ〉へ 終章 1 「記憶の場」 2 比較文学と地域研究 3 戦後沖縄文学と批判的地域主義 4 『八月十五夜の茶屋』と「カクテル・パーティー」 5 本書のまとめ あとがき 初出一覧 参考文献 索引
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「差別はいけない」とみんないうけれど。 増補改訂版 | 綿野 恵太
¥1,210
朝日新聞出版 2025年 朝日文庫 ソフトカバー 320ページ 文庫判 - 内容紹介 - 「多様性を尊ぶ自由主義」と「統合を求める民主主義」。この二つの論理がぶつかり合う克服できない対立の中に、現代社会が抱える問題の核心が潜んでいます。誰もが一度は考えたことがある「なぜ差別はなくならないのか?」という問いに、本書は徹底的に切り込みます。アイデンティティとシティズンシップの緊張関係を丹念にひも解きながら、善悪二分法やスローガンの応酬を超え、SNS・運動現場・メディアでの言葉の衝突を鋭く読み解きます。本書の特色は、「反発」「反感」を手がかりに差別を生む政治的・経済的・社会的背景を浮かび上がらせる点にあります。ポリティカル・コレクトネス(ポリコレ)やハラスメントの論理を通じて、差別と正義の言説構造を批評的に検証します。 単行本発売後から「単純化を拒む刺激的な問い」を投げかける作品としても高く評価されており、「読む者に覚悟を迫る一冊」などとも言われています。そんな本書の文庫化にあたり、新章を加筆。哲学者・千葉雅也氏の解説も収録し、アイデンティティ・ポリティクスとシティズンシップの対立構造が、より立体的に読める形で甦ります。
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ペンと剣 | エドワード・W・サイード(著), デーヴィッド・バーサミアン(著), 中野 真紀子(訳)
¥2,530
里山社 2025年 ソフトカバー 320ページ 四六変型判 縦188mm 横115mm 厚さ18mm - 内容紹介 - 分断が進む世界への絶望に抗うために 広い視野で希望を見出すサイードの思想 西洋中心の価値観に異議を唱え、アカデミズムの枠を越えて政治に声を上げた人物像を浮かび上がらせる、サイードをこれから読む人にも最適な一冊。西洋の視点を通して表象されたアラブ・イスラム世界のステレオタイプを、西洋が支配に利用してきたことを論じ、権力と知識の関係を問い直す古典的名著『オリエンタリズム』。西洋の文化や文学が植民地支配や帝国主義と深く結びつき、権力構造に奉仕してきたことを分析する『文化と帝国主義』。自著をわかりやすい言葉で語り、パレスチナ問題に通ずる世界の構造を広い視野で捉え「和解と共生」への道を示すインタヴュー集。 「パレスチナという理念は、他者との共生、他者の尊重、パレスチナ人とイスラエル人とが互いに相手を認めるという理念である」 - 目次 - 復刊によせて 序文 イクバール・アフマド 第1章 パレスチナ人の祖国追放をめぐる政治と文化 第2章 オリエンタリズム再訪 第3章 ペンと剣│文化と帝国主義 第4章 イスラエルとPLOの合意│批判的評価 第5章 パレスチナ│歴史への裏切り 謝辞 デーヴィッド・バーサミアン 2010年版序文 ヌバール・ホヴセピアン エドワード・W・サイード略歴 文庫版・訳者あとがき 増補新版・訳者あとがき 索引 - 著者プロフィール - エドワード・W・サイード (エドワード ワディ サイード) (著) 1935年イギリス委任統治下のエルサレムに生まれ、エジプト・カイロの英国系学校に通う。1951年に渡米しアメリカで高等教育を受ける。プリンストン大学、ハーヴァード大学で学位を取得。コロンビア大学で英文学・比較文学を教える。『オリエンタリズム』『知識人とは何か』(ともに平凡社)、『文化と帝国主義』『遠い場所の記憶──自伝』(ともにみすず書房)などのポスト・コロニアル研究における画期的書物を記す。1967年第3次中東戦争を機にパレスチナ解放運動の理念に共鳴し、ヤセル・アラファトの演説原稿の作成を手伝うなど西欧社会や文化への深い理解を通じて解放運動に貢献。1977年からPNC(パレスチナ民族評議会)のメンバーとなり米国との和平提案を仲介するなど、対話による解決に向けて尽力。『パレスチナ問題』『イスラム報道』(以上みすず書房)などのパレスチナ問題に関する書籍も多数出版。次第にPLO主流派とは隔たりが大きくなり、91年に白血病と診断されPNCを辞任。93年のオスロ合意には警鐘を鳴らし解放運動の中では孤立したが、死の直前まで精力的な政治批判をつづけた。03年死去。 デーヴィッド・バーサミアン (デーヴィッド バーサミアン) (著) 1945 年ニューヨーク生まれ。両親はアルメニア人でトルコにおける大虐殺(1915 年)を逃れてアメリカに渡った。コロラド州ボールダー市を拠点としたコミュニティー放送局の活動に携わり、アメリカの主流メディアが取り上げない体制批判の声をとどける番組「オルターナティブ・ラジオ」を1986 年後半に創始し、現在も活動を続けている。ノーム・チョムスキーとの数知れぬ対談が有名だが、その他にもエドワード・サイード、ハワード・ジン、タリク・アリ、アルンダティ・ロイ、ラルフ・ネーダーなど数多くのプログレッシヴな論客との対談を重ね、それに基づく書籍も多数刊行している。独立メディアの世界に大きな足跡を残し、多数の賞を受賞している。 中野 真紀子 (ナカノ マキコ) (訳) 翻訳者。『ペンと剣』をきっかけに、サイードやパレスチナに関連する書籍や映像の翻訳を多数行っている。最新訳書はアーティフ・アブー・サイフ著『ガザ日記:ジェノサイドの記録』(地平社)。他の分野では、ノーム・チョムスキー/エドワード・ハーマン共著『マニュファクチャリング・コンセント――マスメディアの政治経済学』(トランスビュー)、ナオミ・クライン著『地球が燃えている――気候崩壊から人類を救うグリーン・ニューディールの提言』(共訳、大月書店)など。独立メディア系の活動では、ニューヨーク発の非営利メディア Democracy Now!の日本語版を提供する「デモクラシー・ナウ!ジャパン」の代表を務める。
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裸足で逃げる 沖縄の夜の街の少女たち | 上間 陽子
¥968
SOLD OUT
筑摩書房 2025年 ちくま文庫 ソフトカバー 464ページ 文庫判 - 内容紹介 - それは、「かわいそう」でも、「たくましい」でもない。この本に登場する女性たちは、それぞれの人生のなかの、わずかな、どうしようもない選択肢のなかから、必死で最善を選んでいる。それは私たち他人にとっては、不利な道を自分で選んでいるようにしか見えないかもしれない。上間陽子は診断しない。ただ話を聞く。今度は、私たちが上間陽子の話を聞く番だ。この街の、この国の夜は、こんなに暗い。 ――岸政彦(社会学者) 沖縄に戻った著者は、風俗業界で働く女性たちの調査をはじめる。ひとり暴力から逃げて、自分の居場所をつくっていく──彼女たちの語った話は著者の手で書き起こされ、目の前で読み上げられ、自己の物語として了解されていく。沖縄の話であり世界の話でもある、比類ない調査の記録である。 カバー写真 上原沙也加(『眠る木』より) カバーデザイン 鈴木成一デザイン室 - 目次 - まえがき――沖縄に帰る キャバ嬢になること 記念写真 カバンにドレスをつめこんで 病院の待合室で あたらしい柔軟剤 あたらしい家族 さがさないよ さようなら 調査記録 あとがき 十年後 著者プロフィール 上間 陽子 (ウエマ ヨウコ) (著) 上間 陽子(うえま・ようこ):1972年、沖縄県コザ市生まれ。琉球大学教育学研究科教授。1990年代から2014年にかけて東京で、以降は沖縄で未成年の少女たちの支援・調査に携わる。2016年夏、うるま市の元海兵隊員・軍属による殺人事件をきっかけに沖縄の性暴力について書くことを決め、翌年『裸足で逃げる 沖縄の夜の街の少女たち』(太田出版、2017年)を刊行。2020年に刊行した『海をあげる』(筑摩書房)で、Yahoo! ニュース|本屋大賞2021ノンフィクション本大賞/沖縄書店大賞沖縄部門大賞(第7回)/〔池田晶子記念〕わたくし、つまりNobody賞(第14回)。
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沖縄社会論 周縁と暴力 | 打越 正行, 石岡 丈昇(解説), 上原 健太郎(解説), 上間 陽子(解説), 岸 政彦(解説)
¥2,970
筑摩書房 2025年 464ページ 四六判 - 内容紹介 - 暴走族のパシリにはじまり、沖縄で調査を続けた。 『ヤンキーと地元』を書いた伝説のフィールドワーカーによる遺稿集。 2024年12月9日に急逝した、社会学者・打越正行さんの遺稿集を一周忌に合わせて刊行。 『ヤンキーと地元』(2019年3月刊、2024年11月ちくま文庫化)で打越さんは、沖縄の暴走族の「しーじゃ・うっとう(先輩・後輩)」関係などをもとに、建設業で生きるリスク層の生活を描かれました。地元の人間でも調査できない領域にパシリとして入っていった著者の本は、ナイチャーの書いたものとして驚きをもって迎えられ、第六回沖縄書店大賞沖縄部門大賞を受賞するなど高い評価を得ました。 本書は打越さんの遺した、パシリ論、沖縄社会論、暴力論の3部からなり、石岡丈昇、上原健太郎、上間陽子、岸政彦各氏の解説を付す。 === 根本はあくまでも「社会学者」だった。 暴力の真ん中で、生活をともにするような調査をしながら、 打越は優しい男だった。 ――岸政彦 みんなが打越くんの仕事を超えていく。 そこに自分の仕事を重ねながら、連なりながら。 ――上間陽子 === 目次 まえがき 上間陽子 はじめに 第1部 パシリ論 第1章 パシリ前史 第2章 社会の癖を書く――参与観察という方法 第3章 パシリとしての参与観察――つかえる部外者から、つかえない内部関係者へ 第1部 パシリ論 解説 パシリとしての参与観察が示すもの 石岡丈昇 断章1 第2部 沖縄社会論 第4章 ホモソーシャルなつながりの周縁――沖縄のヤンキーの若者のしーじゃ・うっとぅ関係をもとに 第5章 製造業なき経済成長/談合なき建設業――建設業からみた「戦後」沖縄 第6章 学校を去るわけ 第2部 沖縄社会論 解説 ヤンキーの世界を通じて沖縄社会を描くこと 上原健太郎 断章2 第3部 暴力論 第7章 つくられた、しーじゃ・うっとぅ関係――沖縄の建設業の社会史 第8章 ライフコースからの排除――沖縄のヤンキー、建設業の男性と暴力 第9章 暴力の理解社会学 第3部 暴力論 解説 暴力の傍らで問い続ける 上間陽子 断章3 終章 ?ぎ止められる沖縄 解説 他者になる、解離する― 参与観察の極限 岸政彦 あとがき 岸政彦 注 参考文献 業績一覧 索引 - 著者プロフィール - 打越 正行 (ウチコシ マサユキ) (著) 打越 正行(うちこし・まさゆき):1979年生まれ。社会学者。首都大学東京人文科学研究科にて博士号(社会学)を取得。和光大学現代人間学部専任講師、特定非営利活動法人 社会理論・動態研究所研究員などを歴任。広島と沖縄で、暴走族・ヤンキーの若者を対象とした参与観察調査をつづけた。単著に『ヤンキーと地元――解体屋、風俗経営者、ヤミ業者になった沖縄の若者たち』(筑摩書房、2019年、第6回沖縄書店大賞)、共著として『最強の社会調査入門』(ナカニシヤ出版、2016年)、『地元を生きる―沖縄的共同性の社会学』(ナカニシヤ出版、2020年)、『〈生活-文脈〉理解のすすめ――他者と生きる日常生活に向けて』(北大路書房、2024年)など。2024年12月9日、逝去。 石岡 丈昇 (イシオカ トモノリ) (解説) 石岡 丈昇(いしおか・とものり):1977年生まれ。日本大学文理学部社会学科教授。フィリピン・マニラを主な事例地として、社会学/身体文化論の研究をおこなう。著作に『エスノグラフィ入門』『タイミングの社会学』『ローカルボクサーと貧困世界』、共著に『質的社会調査の方法』など。 上原 健太郎 (ウエハラ ケンタロウ) (解説) 上原 健太郎(うえはら・けんたろう):1985年生まれ。大阪国際大学人間科学部心理コミュニケーション学科准教授。社会学。主な専門は沖縄の若者の就労問題。共著に『地元を生きる』『社会再構築の挑戦』『ふれる社会学』『いろいろあるコミュニケーションの社会学Ver.2.0』『持続と変容の沖縄社会』など。 上間 陽子 (ウエマ ヨウコ) (解説) 上間 陽子(うえま・ようこ):1972年生まれ。琉球大学教育学研究科教授。2017年、打越正行との共同調査をまとめた『裸足で逃げる 沖縄の夜の街の少女たち』を刊行。著作に『海をあげる』、共著に『地元を生きる』など。 岸 政彦 (キシ マサヒコ) (解説) 岸 政彦(きし・まさひこ):1967年生まれ。社会学者。京都大学大学院文学研究科教授。研究テーマは沖縄、生活史、社会調査方法論。著作に『同化と他者化』『街の人生』『断片的なものの社会学』『ビニール傘』『マンゴーと手榴弾』『図書室』『リリアン』、共著に『地元を生きる』『生活史論集』、編著に『東京の生活史』『沖縄の生活史』『大阪の生活史』『調査する人生』など多数。
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MOMENT issue 5 島をきく、森をよむ、街にさわる
¥2,420
リ・パブリック 2025年 ソフトカバー 166ページ B6変型判 縦190mm 横130mm 厚さ12mm - 内容紹介 - MOMENTは、あらゆる地域や分野を横断しながら、 新しい都市のあり方を探索する人たちのためのトランスローカルマガジンです。 ポルトガル、淡路島、千葉をめぐった5号の特集は「島をきく、森をよむ、街にさわる」。 表紙は、20世紀ポルトガルの教育者パウロ・デ・カントスのタイポグラフィ。ポルトガル・リスボンでは、カントスの仕事を追いかけるデザインスタジオBarbara says...を訪ねます。『デザインにできないこと』著者シルビオ・ロルッソへのロングインタビューや、小さな住宅のリノベーションから独自の建築言語を生み出す建築設計アトリエfalaへの訪問も。 淡路島ではOlfactive Studio Ne の案内で、ホーリーバジルの畑から精油の蒸留所まで、香りにまつわる場所を訪ねます。 千葉では、350年続く酒蔵・寺田本家とともに、サンブスギの森へ。 香り、味わい、響き……世界のざらつきを感じながら、画面の向こうに手を伸ばす一冊。 - 目次 - ポルトガル Lisbon, Porto and elsewhere [写真=小野奈那子] デザインへの幻滅とその向こう―シルビオ・ロルッソとの対話 Barbara says...と覗く、 パウロ・デ・カントスの宇宙 パウロ・デ・カントス、3つの顔 群島のあいだを縫うように―fala のつくる空間 [インタビュー・文=白井暸 翻訳=白井暸、田北雛子] 淡路島 香りはどこから来るの? Olfactive Studio Neと過ごす、淡路島の三日間 和泉侃 |生嶋史朗 |ゴウダツバサ |宮本佳明|緒方華倫|田原奈央子 |置田陽介 |薫寿堂 [文=板坂留五、白井暸 写真=飯田将平] 千葉 絵本 森のおらい (神崎町・山武市) [絵=三橋広大 構成=イド 文=金田ゆりあ、片岡裕美子] 解題 森のおらい―寺田本家とスギの木のはなし Not New News Fixmas / Geoid height on 3D globe 連載 磯野真穂の相互人生相談 わからない身体の私(たち) ④〈ゲスト=泥ノ田犬彦〉 将来の集落 [文=香山哲] コラム ブルターニュでタコを食べる日 [文=中山 慶] 音の風景を聴く ブリュッセル音日記 [文・音楽=田中堅大] BOOKS FOR TRANS-LOCAL 偶然を呼び込む準備 またはすこし早めの編集後記
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生活史の方法 人生を聞いて書く | 岸 政彦
¥1,155
筑摩書房 2025年 ちくま新書 ソフトカバー 304ページ 新書判 - 内容紹介 - 地域で、大学で、学校で、家族で、個人で。第一人者による、最良の手引き。 沖縄で30年にわたって聞き取り調査をしてきた著者が、「他者の話を聞く」ことについてまとめた一冊。 「ひとりの人間の、人生の語り」が生活史です。この本は、生活史を聞いて原稿を書き、冊子にまとめて作品とするための手引きとして書かれています。生活史の美しさ・おもしろさから、そのむずかしさ・暴力性まで、これまでの考えをまとめた一冊です。 「この本では、生活史を聞いて書くうえでの、技術的なことを含めたさまざまなことが書かれていますが、本書はいわゆる「マニュアル本」ではありません。……聞き取りをめぐるさまざまなことを書いて、それをきっかけに、他者の話を聞くということについて考えてみたい。この本はそんな本です。」 - 目次 - はじめに――生活史を聞いて、書く 作品としての生活史/誰にでもできること/たくさんの生活史/語りを残す 第一章 生活史とは何か 1 生活史とは 生活史からわかること/生活史のおもしろさ/人生、歴史、意味/広がる生活史 2 生活史の事例 第二章 語り手と出会う ―― 調査という「社会関係」 1 どうやって語り手と出会うか 2 トラウマを抱えた人びと、差別され排除された人びと 安易な理解/聞かないと残らない声/語りの搾取 3 構造的な聞きにくさ 調査の現実/社会的つながりの外へ 4 分断そのものを研究する 『地元を生きる』の調査/聞きやすい範囲 5 「聞き取り調査」ということ自体のわかりにくさ もっとも聞きづらいひと/「普通」の人びとへの調査 6 分断を乗り越える 打越正行という希望/那覇のスナックで/時間をかけて関わる/当事者性とはなにか 7 関係性の網の目の中で 8 キーパーソン、リーダー、活動家 9 語り手と聞き手のジェンダーについて 中立の語りはない/語り手のジェンダー/聞き手のジェンダー/安心して語れる場をつくる 第三章 調査の進め方 1 調査のプロセスに入る 2 聞き取りの依頼とアポ取り 電話でのアポ取り/メールでの依頼/理解のされにくさ 3 インタビューの場所 カラオケボックスとラブホテル/意味をもつ場所 4 手土産 相手に合わせて選ぶ/手土産のもつ意味 5 名刺、同意書、「調査のお願い」 調査倫理/同意の意味 6 録音とメモ、ファイルの管理 カセットテープとがっちゃんこ/レコーダー類/参与観察/録音のタイミング/メモ/音環境/バックアップ 7 謝礼、お礼、聞き取りの後 謝礼とお礼/語り手との関係を続けるべきか 8 ゆっくり休む 第四章 語りの聞き方 1 積極的に受動的になる、あるいはピントを合わせない集中 話を聞くとはどういうことか/言葉の連鎖/積極的に受動的になる/ピントを合わせない集中 2 質問をする/しない 最初の質問/事実関係だけを聞かない/物語は生きている 3 「一般論」と生活史 一般論には一般論しか返ってこない/一般的な語り/千差万別な定型 4 差別的表現とどのように向き合うか 5 ぜんぶは聞けない たまたま語られたこと/それぞれの方法 6 聞き手の自己開示 応答責任/前もっての共有 第五章 聞き手から書き手へ――編集と製本 1 文字化する AIと文字起こし/時間と労力 2 編集する そのまま残す/記録されないこと/文字のほうが情報量が多い/すべてを再現しなくていい/匿名化の問題/特定できる場合/匿名化の方法/「ウラ」をとること 3 本人チェック 例外中の例外/本人チェックのやり方 4 印刷・製本 おわりに 読書案内 - 著者プロフィール - 岸 政彦 (キシ マサヒコ) (著) 1967年生まれ。社会学者。京都大学大学院文学研究科教授。研究テーマは沖縄、生活史、社会調査方法論。著作に『同化と他者化』『街の人生』『断片的なものの社会学』『ビニール傘』『マンゴーと手榴弾』『図書室』『リリアン』、共著に『地元を生きる』『生活史論集』、編著に『東京の生活史』『沖縄の生活史』『大阪の生活史』『調査する人生』など多数。
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戦争と芸術の「境界」で語りをひらく 有田・大村・朝鮮と脱植民地化 | 山口祐香(著), チョン・ユギョン/Jong YuGyong(著)
¥2,200
木立の文庫 2025年 ソフトカバー 192ページ 四六変形判 縦168mm 横123mm 厚さ13mm - 内容紹介 - 陶製手榴弾を模した架空の焼き物「大村焼」が刻む歴史と表現――。 若手研究者と現代美術作家による対話、論考、エッセイ、そして抵抗のアート。自由を奪われた人々について言葉を交わし、社会とつながり、考え続けるためのたしかな試み。 有田焼がうまれた400年前から現在まで繰り返された戦争と移動、排外主義を考えるために、さまざまな歴史課題を問い直しながら、差別と忘却に抗う言葉を記録する。 - 目次 - [まえがき]「場違い」な私たち――朝鮮と日本をめぐる境界の歴史 チョン・ユギョン 第1章 「大村収容所」から「大村焼」まで 山口祐香 第2章 〈大村焼〉シリーズ/ドットシリーズ/KKWANG!シリーズ 作品解説 チョン・ユギョン 第3章 [対談]ローカルからとらえなおす「戦争と芸術」 第4章 B面の日韓越境史 山口祐香 第5章 [対談]「境界線」でぶつかる音を表現し、語る 第6章 牛歩と遊歩──制度のはざまを歩く チョン・ユギョン 第7章 「故郷」をつくる――有田・人とうつわの400年史 山口祐香 本書のテーマをもっと考えるためのBOOK GUIDE 主要参考文献 初出一覧 - 版元から一言 - この国が引き起こした植民地支配や戦争と地続きの排外主義や差別をそれぞれが語り、怒りを共有し、あきらめないためにぜひ読んでいただきたい1冊です。 - 著者プロフィール - 山口祐香 (ヤマグチ ユカ) (著) 1993年佐賀県生まれ。九州大学韓国研究センター助教。2021年九州大学大学院地球社会統合科学府博士課程修了、博士(学術)。日本学術振興会特別研究員、ソウル大学日本研究所客員研究員、神戸大学国際協力研究科特命助教などを経て、現職。 専門は、戦後日韓関係史、在日コリアン史、市民運動史。最近は現代日韓におけるアートと多文化共生にも関心を広げている。主著として、『「発見」された朝鮮通信使―在日朝鮮人歴史家・辛基秀の歴史実践と戦後日本』(単著、法律文化社、2024年)など。 チョン・ユギョン/Jong YuGyong (チョン ユギョン) (著) 1991年兵庫県生まれ、福岡県在住。2014年に朝鮮大学校美術科を卒業。 2017年からソウルを拠点に作家活動を続けていたが、韓国の兵役法の改正により徴兵対象となったため、2020年末に日本へ帰国。作品では、朝鮮人の「移動」の歴史を検証し、恣意的に引かれる「境界線」や、戦争と文化との関係に問いを投げかけており、近年は有田焼や大村収容所の歴史を調査しながら作品を発表している。 公式WEBサイト:jongyugyong.com
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本当にやる!できる!必ずやる!: アイスランドの女性の休日 | リンダ・オウラヴスドッティル (著, イラスト), 朱位昌併 (著)
¥2,310
ゆぎ書房 2025年 ハードカバー 34ページ 四六判27.6 x 1 x 22.2 cm - 内容紹介 - 1975年10月24日、アイスランド女性の9割が職場と家庭での仕事を放棄した。 「女性の休日」と呼ばれた一斉ストライキに参加した日のことを、母が娘に語り伝え、ユーモアを交えて軽やかに描き出す。(↓↓あらすじ詳細) 【アイスランド女性文学賞2023ノミネート】ほか多数。 原作者による巻末解説あり。 【後援】駐日アイスランド大使館 【協力】東京都多摩市 (東京2020 オリンピック・パラリンピック競技大会でアイスランドのホストタウン 2025 年にレイキャビク市と友好関係構築に関する覚書を締結) 映画『女性の休日』日本公開と同時期発売。2025/10/25(土)よりシアター・イメージフォーラム他全国順次公開(配給:kinologue) *****あらすじ詳細***** 小学生くらいの女の子ヴェーラは、ママと一緒に、今年の「女性の休日」(女性ストライキ)に出かけます。そのとき、ママは子どもの頃、 1975年10月24日の「女性の休日」にお母さんに連れられて参加した日のことを話してくれます。 なぜ女性たちがストライキを起こすことになったのか。 かつては学校に行けるのは男の子だけだった。女の子たちが学校へ行き、外で働く女性たちが増えていっても、家族の世話を担うのは女性たちで給料は男の人たちの半分だった、と。 1975年に国連が「国際女性年」を宣言し、アイスランドの女性たちは、行動を起こします。 ――「社会で女性がどれほど 大切なやくわりを はたしているのか 世界に見せる時がきた!」って思ったわ。 ――想像してみて。社会の半分の人が すべての仕事とやくわりを 一日休んだら どうなるか。 立場を超えた女性たちが――主婦も会社や役所で働く人も、農業に従事する人や漁船で働く人たちも、お年寄りや学生でも、首都レイキャヴィークだけでなく地方の小さな町に住む人でも同じように――この歴史的なストライキ「女性の休日」に参加しました。 なんと、「アイスランド女性の90%が 家庭と職場での仕事を放棄した」のです。 この誇り高い一日を力強く、また、子守と家事をいきなり担うことになった男性たち・父親たちの「長い金曜日」を軽やかに描き出します。
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社会は、静かにあなたを「呪う」 思考と感情を侵食する“見えない力”の正体 | 鈴木 祐
¥1,980
小学館クリエイティブ 2025年 ソフトカバー 256ページ B5判 - 内容紹介 - 【社会の「呪い」を検証する】 ネットニュースやSNSで以下のようなメッセージを耳にしたことはないだろうか。 「日本はオワコン」「人生は幸せになるためにある」「やりたいことを仕事に」「資本主義ゲームや競争から降りよう」「この世は親ガチャで決まる運ゲー」 本書における“呪い”とは、このような気づかぬうちに私たちの思考と行動を縛り、時に重圧を与えてくる言葉を指す。しかし、全て“根拠のない思い込み”だとしたら、どうだろう。 人気サイエンスジャーナリスト・鈴木祐氏が、データ&エビデンスをもとに呪いの真偽を徹底検証! いま明かされる「あるべき論の偽り」とそれに踊らされる「人間心理のメカニズム」 。私たちは言葉とバイアスが作る“透明な牢獄”から抜け出せるか。 経済や幸福、働き方、遺伝と才能―現代人が信じ込んできた“正しさ”を、鈴木氏が鮮やかなまでに撃ち砕く。思い込みから脱し、真に自由になるための書がここに誕生。 <本書で検証する主な「呪い」> ・日本は、少子高齢化で未来がない ・人は幸せになるために生きている ・もう経済成長はいらない ・情熱を持って仕事に取り組め ・人生は遺伝で決まるetc.
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人間関係を半分降りる 増補版 気楽なつながりの作り方|鶴見 済
¥880
筑摩書房 2025年 ちくま文庫 ソフトカバー 288ページ 文庫判 - 内容紹介 - 人間は醜い。だから少し離れてつながろう! 大ベストセラー『完全自殺マニュアル』の著者が、悲痛な体験から生きづらさの最終的な解決法=優しい人間関係の作り方を伝授する。友人、家族、恋人。人生で何より人間関係に悩んだ著者が血を流すように自らの体験を元に考え抜き、発見した、解放感のある具体的な解決策。文庫化にあたりその後の状況を増補した。 解説 鴻上尚史 カバーデザイン 鈴木千佳子 - 目次 - 文庫版まえがき まえがき 第1章 友人から一歩離れる 第2章 家族を開く 第3章 恋人をゆるめる 第4章 こうすれば気楽になれる あとがき 文庫版補足1 本を出したあとのこと 文庫版補足2 兄の問題のその後 文庫版あとがき 解説 鴻上尚史 - 著者プロフィール - 鶴見 済 (ツルミ ワタル) 1964年、東京都生まれ。東京大学文学部社会学科卒。複数の会社に勤務した後、90年代初めにフリーライターに。生きづらさの問題を追い続けてきた。精神科通院は10代から。つながりづくりの場「不適応者の居場所」を主宰。著書に『0円で生きる』『完全自殺マニュアル』『脱資本主義宣言』『人格改造マニュアル』『檻のなかのダンス』『無気力製造工場』などがある。 ブログ:鶴見済のブログ(tsurumitext.seesaa.net) X(旧Twitter):鶴見済(@wtsurumi)
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「九月」を生きた人びと 朝鮮人虐殺の「百年」 | 加藤 直樹
¥1,980
ころから 2025年 ソフトカバー 202ページ A5変形 - 内容紹介 - 関東大震災時の朝鮮人虐殺の関連書『九月、東京の路上で』『TRICK 「朝鮮人虐殺」をなかったことにしたい人たち』(ともに、ころから)で知られる、加藤直樹さんの新著。 1923年の大震災発生前の東アジア状況から虐殺事件50周年に建立された追悼碑のいきさつ、そしてヘイトデモの勃興と抵抗まで、広い意味での「九月」を生きる人びとを点描する一冊。 - 目次 - はじめに 過ぎ去らない「百年」 セクション1 朝鮮人虐殺の「百年」 朝鮮人虐殺と「杉並」の百年 追悼するということ セクション2 「九月」を生きた人びと パルチザンの幻影 "JAPANESE ONLY"と姜大興さんの墓 義烈団・金祉燮が差し出した手 映画『金子文子と朴烈』が描く虚実の妙 「自由な街」で育って― 私の大久保 大久保― レイシスト集団を包囲する人々 中国人虐殺を生き延びた青年 セクション3 「嫌韓」と虐殺否定論に抗して 「嫌韓」の歴史的起源を探る ラムザイヤー教授の「朝鮮人虐殺」論文を読む おわりに 「私たち」の百年を記憶する - 前書きなど - 当時の東京には、デパートや映画館があった。 すし詰めの路面電車に揺られて通勤するサラリーマンたちもいた。 彼らは「週刊朝日」「サンデー毎日」などの週刊誌や新聞を読んでいた。夕方に家路につけば、家々には電気の明かりがともっていたーー 朝鮮人虐殺は、そんな私たちとさして違わない暮らしのなかで行われた。 そして、そのトラウマを生きた人びとの記憶が消え去るには、百年は短すぎる。(本書「はじめに」より) - 著者プロフィール - 加藤 直樹 (カトウ ナオキ) (著) 1967年東京都生まれ。フリーランスのライター、エディター。著書に『九月、東京の路上で 1923関東大震災ジェノサイドの残響』(ころから)、『TRICK 「朝鮮人虐殺」をなかったことにしたい人たち』(ころから)、『謀叛の児 宮崎滔天の「世界革命」』(河出書房新社)、『ウクライナ侵略を考える』(あけび書房)など。訳書に『沸点 ソウル・オン・ザ・ストリート』(チェ・ギュソク作、ころから)がある。
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その<男らしさ>はどこからきたの? 広告で読み解く「デキる男」の現在地|小林 美香
¥990
朝日新聞出版 2025年 朝日新書 ソフトカバー 280ページ 新書判 - 内容紹介 - 「24時間戦えますか」から「おじさんの詰め合わせ」までスーツ/腹筋/大股/白人の上司/高層ビル/ヒゲ脱毛/能力主義/とりあえずビール/違いがわかる男/命令する本田圭佑/ホモソーシャル/生涯現役……CM・ポスターに刷り込まれた“理想の男性”の虚像を暴く!缶コーヒー広告のスーツ姿と背景の高層ビル、「出世」や「モテ」と結びつけられるヒゲ脱毛、いつも命令口調の本田圭佑……その〈男らしさ〉のイメージはどこからきて、私たちの価値観に影響を及ぼしているのか。栄養ドリンク、ビール、スーツ、メンズ美容、選挙ポスター――街中にあふれる広告から、これまで「なかったこと」にされてきた男性表象の問題点を鮮やかに炙り出す。【目次】序章 「男らしさ」の広告観察第1章 ドリンク広告と働く男 ――栄養ドリンク、コーヒー、ビールの広告史・リポビタンDの車内広告への違和感・「24時間戦えますか」バブル時代の栄養ドリンク広告・働く男の飲み物としてのコーヒー・ビールかけという究極のホモソ儀式・「男は黙ってサッポロビール」が描き出した「男らしさ」・コロナ禍で起きた「男らしさ」表現の変化 ……ほか第2章 スーツとパンツ ――装いが作る身体の価値・オンライン会議が変えた身だしなみの意識・スーツ文化の墓場としての《Cut Suits》・褌(ふんどし)を締めることの精神性・カルバン・クラインと腹筋の商品価値・細マッチョのK?POPスターが示す新しい「男らしさ」・アバクロの栄枯盛衰 ……ほか第3章 自己鍛錬としてのメンズ美容 ――「崇拝」と「推し活」の視線・能力主義と結びつく男性の「ケア」・「大谷翔平崇拝」を分析する・推し活を取り込む美容製品のマーケティング・ジェンダーレス男子か、男の中の男か・男性脱毛広告4つのパターン・本田圭佑に命令されたい男たち ……ほか第4章 「デキる男」を目指すのは何のため? ――能力主義と「報酬」としての女性・「男磨き界隈」を考える・英語圏を支配する男性中心カルチャー「マノスフィア」・「オタ恋」プロモーションへの違和感・クリニック広告とホストクラブ看板の共通点・再生産される「バーキン買うなら豊胸しろ」系広告・性感染症予防ポスターに表れるミソジニー ……ほか第5章 選挙ポスターに見るジェンダー表現 ――「おじさんの詰め合わせ」から脱却するために・「おじさんの詰め合わせ」発言が引き起こしたハレーション・遍在する「男の詰め合わせ」と家父長制政治・日本維新の会が流行らせた「断言口調」と「太ゴシック斜体文字」・SNS時代の選挙ポスター・政治家に求められる「男らしさ/女らしさ」・「(国名)election poster」で画像検索してみたら ……ほか第6章 その「男らしさ」はどこへいくの? ――これからの教育と医療と男性性1 田中めぐみさんに訊く、男子校でのジェンダー平等教育の実践と課題・広告・メディアが中高生に刷り込む能力主義・もっと男性同士の「おしゃべり」が必要だ2 堀川修平さんに訊く、性教育史研究から捉える「男らしさ」・大学で「男性」としてジェンダー講義をするということ・「弱者男性」を
