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なぜガザなのか パレスチナの分断、孤立化、反開発 | サラ・ロイ, 岡真理(編集 | 翻訳), 小田切拓(編集 | 翻訳), 早尾貴紀(編集 | 翻訳)
¥3,080
青土社 2024年 ハードカバー 288ページ 四六判 - 内容紹介 - そこで何が行われてきたのか、私たちは知らなければならない。 五〇年以上にわたる占領。隔離と封鎖のなかで、暴力は常態化し、排除が恒常化し、パレスチナの人たちは生活のすべてを奪われてきた。なぜ、どのようにして、それは行われたのか。歴史的文脈を理解し、いま起こっていること、そしてこれから行われることを知るための最良の書。
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辺境のラッパーたち 立ち上がる「声の民族誌」 | 島村一平(編集)
¥3,520
青土社 2024年 ソフトカバー 544ページ 四六判 - 内容紹介 - ラッパーのことばに耳をすませば、世界のリアルが見えてくる。 戦火が絶えないガザやウクライナで、弾圧が続くチベットやイランで、格差にあえぐモンゴルやインドで、海の端の日本で――。アメリカで生まれたヒップホップ文化、なかでもラップミュージックは世界に広がり、「辺境」に生きる者たちは声なき声をリリックに託す。現代社会の歪みを鮮やかに映し出す、世界各地のラッパーたちの声を幅広い執筆陣が紹介する。ラッパー、ダースレイダー、ハンガー(GAGLE)のインタビューも収録。
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武器としての土着思考 僕たちが「資本の原理」から逃れて「移住との格闘」に希望を見出した理由 | 青木 真兵
¥1,980
SOLD OUT
東洋経済新報社 2024年 ソフトカバー 218ページ 四六判 縦188mm 横130mm 厚さ16mm - 内容紹介 - 青木君の文章と思考はつねに揺らぎ、葛藤している。決して単一原理に執着すまいというつよい決意が彼の文体に『過剰なまでの節度』(そんなものがあるのだ)を与えている。――内田 樹 奈良県東吉野村への移住実践者で、人文系私設図書館「ルチャ・リブロ」主催者による「土着」論。「都市の原理」と「村の原理」に折り合いを付けながら、いかに世間へ「ルチャ」(格闘)を仕掛けるか。若き在野研究者が綴る、生きる勇気が湧いてくる「逆」自己啓発書。 相手と関係をつくり、その関係の中でいかに生きていくか。この「相手」には、自分の中の「うまくコントロールできない自分」も含まれています。この相手とともにどう生きていくか。それこそ、僕が考える「闘い」(スペイン語でルチャ)です。だから本書で述べている武器とは、相手の技を受け、さらに強い技で返すことで生命力を高め合うような、「相手がワルツを踊ればワルツを、ジルバを踊ればジルバを」というかの名言にもあるような、「相手があってこその生」を築いていくための思考法のことなのです。本書では、相手との競争に勝つための武器を個別具体的に提示するのではなく、さまざまな事例を取り上げながら、「僕たちの闘い方」を一緒に考えていくことを目的としています。――「はじめに」より ある程度長く生きていれば分かるように、競争した相手が味方になったり、時には味方が敵になったりすることがあります。もしくは大切なプレゼンや試験や試合の前の日に限って眠れなかったり、うまく話しかけたいのにその場に行くと言葉が出てこなかったり、「自分のことが嫌い」という人は「自分こそが一番の敵」だと思っているかもしれませんね。むしろ、相手がいるからこそ僕たちは闘うことができる。相手がいるからこそ僕たちは生きていくことができる。この考え方こそ、巷で「茶番」の比喩として使われるのとは全く異なる、本当の意味での「プロレス的思考」です。馬場がいたから猪木があった。長州と藤波、小林と佐山、山田と佐野、棚橋と中邑も同様でしょう。決して二人ではなく、武藤、橋本、蝶野などといった三人の場合もあるかもしれない。分かる人にしか分からない例えですみません。――「はじめに」より - 目次 第1章 僕たちはどう生きづらいのか 1.僕たちが「資本の原理」から逃げ出すべき理由:奈良県東吉野村で生まれた「土着の知」の行き先 2.「生きづらさ」感じる社会をつくる一つの価値観:自分の価値を見失わず、生き抜くための思考法 3.「コスパ」と「スマート」の行き着く先にある「疎外」:「他人から必要とされているのか否か」をやめる 第2章 僕たちが図書館をする理由 4.僕たちが「利益を生まない図書館」を続ける理由:「他者の欲望」模倣より「ちょうどよい」身体実感 5.「風呂なし賃貸物件」は「失われた30年の帰結」だった:社会的貧困を踏まえて「借り」を生活に取り戻す 6.地域社会の「しがらみ」と折り合いをつける思考法:「土着」と「離床」のちょうどいいリアリティ 第3章 東吉野村で「二つの原理」を考える 7.「村の原理」と「都市の原理」に折り合いをつける:実は大事な「昔から続いてきた」「めんどくさい」 8.「もちつもたれつ」で生きのびてきた「神仏習合」:「2つの原理」で此岸と彼岸を行ったり来たり 9.「人間一人では生きていけない」を正面から考える:「個人の原理」と「共同体の原理」の決定的違い 10.『もののけ姫』が描いた「結果より過程」の哲学:目的なく「顔を出す」行為に支えられている社会 第4章 渡世人として生きていく 11.「若者の邪魔」をしてはいけない人口減少社会:年長者は「仕方ねぇなぁ」と待ち続けるしかない 12.寅さんが「何度でも失敗が許される」本当の理由:渡る世間には「ケアと就労」2つの原理が必要だ 13.「ワーク・ライフ・バランス」は「無理ゲー」です:「いい子」を生む経済成長前提の社会構造の限界 14.「リスキリングせよ、さもなくば自己責任」の未来:「ガンダム」が描いた「デジタル社会」への適応 第5章 土着人類学を通してこれからを考える 15.「心は売っても魂は売らない」ファンキーな土着:「逃れられない病」を土臭く泥臭く生きていく 16.「数値化」では世界の本質を理解できない:土着人類学で考える社会との折り合いの付け方 17.「ホラーの帝王」が描いた「選択と集中」が招く悲劇:「話半分に聞く」姿勢で新自由主義を生き抜く 18.「国富でなく民富こそ国力」と喝破した孟子の真意:「実質賃金マイナス」時代に必要な王道政治と士 - 著者プロフィール - 青木 真兵 (アオキ シンペイ) (著/文) 「人文系私設図書館ルチャ・リブロ」キュレーター、古代地中海史研究者、社会福祉士 1983年生まれ、埼玉県浦和市(現さいたま市)に育つ。「人文系私設図書館ルチャ・リブロ」キュレーター。古代地中海史(フェニキア・カルタゴ)研究者。博士(文学)。社会福祉士。2014年より実験的ネットラジオ「オムライスラヂオ」の配信をライフワークとしている。2016年より奈良県東吉野村に移住し自宅を私設図書館として開きつつ、現在はユース世代への支援事業に従事しながら執筆活動などを行っている。著書に『手づくりのアジールーー「土着の知」が生まれるところ』(晶文社)、妻・青木海青子との共著『彼岸の図書館ーーぼくたちの「移住」のかたち』(夕書房)、『山學ノオト』シリーズ(エイチアンドエスカンパニー) 、『つくる人になるためにーー若き建築家と思想家の往復書簡』(光嶋裕介との共著、灯光舎)などがある。
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沖縄について私たちが知っておきたいこと | 高橋 哲哉
¥880
筑摩書房 2024年 ちくまプリマー新書 ソフトカバー 176ページ 新書判 - 内容紹介 - 沖縄の基地問題を理解し、その解消を目指すためには、まず、沖縄が日本に併合された経緯やその後何度も本土のために犠牲になった歴史を知らなければならない。 沖縄の基地問題を理解し、その解消を目指すためには、まず、沖縄が日本に併合された経緯やその後何度も本土のために犠牲になった歴史を知らなければならない。 本土からの訪問者は年間数百万人にも上るが、沖縄に基地が集中しているのはなぜなのか、きちんと理解している人は少ない。 沖縄への過剰な負担についての本土の無関心は、沖縄に対する差別なのではないか? という意識が広まっている。そこにはどんな歴史的、構造的な理由があるのか。沖縄の基地問題に関心がなかった人、よく分からないという本土の人に向けて知って欲しいことを解説した一冊。 琉球処分、人類館事件、沖縄戦、アメリカによる統治、基地問題…… 本土と沖縄の関係を読み解くための大事な一冊 - 目次 - 第一章 沖縄の歴史 琉球処分/人類館事件/アジア太平洋戦争と沖縄 第二章 構造的差別とは何か 沖縄戦後に「戦後」は来たか/基地の島・沖縄 第三章 沖縄から問われる構造的差別 沖縄からの「県外移設」論/新たな「沖縄戦」の危機 対話 沖縄へのコロニアリズムについて - 著者プロフィール - 高橋 哲哉 (タカハシ テツヤ) (本文) 1956年生まれ。哲学者。東京大学教養学部教養学科フランス科卒業。同大学院哲学専攻博士課程単位取得。東京大学名誉教授。著書に、『記憶のエチカ――戦争・哲学・アウシュビッツ』(岩波書店)、『戦後責任論』(講談社)、『靖国問題』(ちくま新書)、『犠牲のシステム 福島・沖縄』『沖縄の米軍基地――「県外移設」を考える』(以上、集英社)、『日米安保と沖縄基地論争――〈犠牲のシステム〉を問う』(朝日新聞出版)ほか。
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中学生から知りたいパレスチナのこと | 岡真理, 小山哲, 藤原辰史
¥1,980
ミシマ社 2024年 ソフトカバー 224ページ 四六判 - 内容紹介 - この本から、始まる 新しい世界史=「生きるための世界史」 あらゆる人が戦争と自分を結びつけ、歴史に出会い直すために。 アラブ、ポーランド、ドイツを専門とする三人の対話から はじめて浮かび上がる「パレスチナ問題」。 世界史は書き直されなければならない。 *** 岡「今、必要としているのは、近代500年の歴史を通して形成された『歴史の地脈』によって、この現代世界を理解するための『グローバル・ヒストリー』です」 小山「西洋史研究者の自分はなぜ、ヨーロッパの問題であるパレスチナの問題を、研究領域の外にあるかのように感じてしまっていたのか」 藤原「力を振るってきた側ではなく、力を振るわれてきた側の目線から書かれた世界史が存在しなかったことが、強国の横暴を拡大させたひとつの要因であるならば、現状に対する人文学者の責任もとても重いのです」 *** 地図作成:マップデザイン研究室 - 目次 - はじめに(岡真理) Ⅰ 私たちの問題としてのパレスチナ問題 岡真理「ヨーロッパ問題としてのパレスチナ問題――ガザのジェノサイドと近代五百年の植民地主義」 「ユダヤ人のパレスチナ追放による離散」は史実にない/ジェノサイドが終わるだけでは不十分/ハマスの攻撃は脱植民地化を求める抵抗/イスラエル政府の発表をうのみにしてはいけない/ジェノサイドはいかなるシステムによって可能になったのか/人文学=ヒューマニティーズから考える/ガザを見たとき、日本は自国の植民地主義を想起できているか/壁一枚を隔て、安楽な生活を享受する者/「人種」はヨーロッパ植民地主義が「発明」したもの/シオニズム運動――反セム主義に対する反応/国家維持のためにホロコーストの記憶を利用する/近代学問に内包されるレイシズム 藤原辰史「ドイツ現代史研究の取り返しのつかない過ち――パレスチナ問題はなぜ軽視されてきたか」 ナチズム研究者はナチズムと向き合いきれていない/ドイツとイスラエルをつなぐ「賠償」 /ふたつの歴史家論争/誰のための「記憶文化」か/ドイツは過去を克服した優等生なのか?/「アウシュヴィッツは唯一無二の悪だ」/奴隷制は終わっていない/経済の問題、労働の問題としてのナチズム Ⅱ 小さなひとりの歴史から考える 小山哲「ある書店店主の話――ウクライナとパレスチナの歴史をつなぐもの」 ふたつの戦争のつながり/長い尺度で問題を捉える/ポーランド書店 E. ノイシュタイン/ウクライナ-ポーランド-イスラエルを結ぶ生涯/イスラエルをリードした東ヨーロッパ出身者/「国家なき民族」の国歌/シオニズム運動はドレフュス事件より前にはじまっていた/民族運動の母体となった地域/移住して国家を建設するという発想/日本も「外部」ではない/「敵は制度、味方はすべての人間」 藤原辰史「食と農を通じた暴力――ドイツ、ロシア、そしてイスラエルを事例に」 私たちの食卓の延長にある暴力/投機マネーがもたらす飢餓/プーチンの農業政策は外交の武器/ウクライナの穀物を狙う米中/国際穀物都市オデーサ/飢餓計画を主導したヘルベルト・バッケ/ホロコーストの影に隠れる「入植と飢餓」/飢えてはならない人と、飢えてもいい人/イスラエルの食と水を通じた暴力/飢餓とは「低関心」による暴力 Ⅲ 鼎談 『本当の意味での世界史』を学ぶために 今の世界史は地域史の寄せ集め/「西」とはなんなのか?/ナチズムは近代西洋的価値観の結晶/「食を通じたイスラエルの暴力」に目が向かなかった反省/私たちの生活が奴隷制に支えられている/日本史、西洋史、東洋史という区分は帝国時代のもの/西洋史でパレスチナ研究をしたっていいはずなのに/ポーランドのマダガスカル計画/民族の悲哀を背負ったポーランドは、大国主義でもあった/イスラエル問題ではなく「パレスチナ問題」/イスラエルの暴力の起源は東欧に?/今のイスラエルのやり方は異常/押してはいけないボタン/核の時代の世界史/「反ユダヤ主義」という訳の誤り おわりに(小山哲) 本書成立の経緯(藤原辰史) - 著者プロフィール - 岡真理 (オカ マリ) (著/文) 1960年生まれ。早稲田大学文学学術院教授。専門は現代アラブ文学、パレスチナ問題。主な著書に『ガザとは何か』『記憶/物語』『彼女の「正しい」名前とは何か』『棗椰子の木陰で』『アラブ、祈りとしての文学』『ガザに地下鉄が走る日』。 小山哲 (コヤマ サトシ) (著/文) 1961年生まれ。京都大学大学院文学研究科教授。専門は西洋史、特にポーランド史。主な著書・共編著に『中学生から知りたいウクライナのこと』『大学で学ぶ西洋史[近現代]』『人文学への接近法』。 藤原辰史 (フジハラ タツシ) (著/文) 1976年生まれ。京都大学人文科学研究所准教授。専門は現代史、特に食と農の歴史。主な著書に『中学生から知りたいウクライナのこと』『縁食論』『カブラの冬』『ナチスのキッチン』『分解の哲学』。
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台所に敗戦はなかった 戦前・戦後をつなぐ日本食 | 魚柄 仁之助
¥924
筑摩書房 2024年 ちくま文庫 ソフトカバー 256ページ 文庫判 - 内容紹介 - うどんでコロッケ、バナナの皮で天ぷら、鰹節サンドイッチ!? 「日本が戦争に負けようがGHQが進駐してこようが、ご飯は作らにゃナラン」 戦中~戦後の婦人雑誌で生まれたレシピをつくって食べて、見えてきた “おっかさん”たちの台所奮闘記! === うどんでプリン、海苔巻きバナナ、肉なし「そばすき焼き」にはんぺんサンドイッチ……。台所をあずかる女たちは、国破れても立ち止まってはいられなかった。明治から戦後二十年ほどまでの料理本約七百冊、婦人雑誌二千冊に登場するレシピを実際に作って食した著者が、その背後に潜む国家の政治性と"かあさん"たちが生み出すゆかいな創意工夫に迫る、実践的食文化史! === 日々を何とか乗り越えていこうとする台所での極限の工夫や発想の中にはユーモアが宿る。それは逞しくて、頼もしくて、時に切ない。(略)一方、戦中戦後の台所に立つがゆえに、「家庭経済のやりくり」としての「工夫」が、時に「国家経済のやりくり」の「押し付け」にすり替わってしまったことなどについても、随所でシビアに言及している。 ――湯澤規子(解説より) カバーデザイン 三木俊一(文京図案室) - 目次 - はじめに 第1章 すき焼き 一九二八年の「すき焼き」 鋤や鍬で本当にすき焼きができるのか すき焼きのプロトタイプ 家庭百科事典の「すき焼き」 すき焼きとはなんだ? 大阪からやってきたすき焼き すき焼きを語る人々 変わりすき焼きのいろいろ そばすき焼きという最終形態 第2章 サンドイッチ サンドイッチが和食になった頃 和製サンドイッチは米不足が生みの親 一九三三年(昭和八年)の「ツナサンド」は鰹節 テリヤキバーガーの先祖はもしかして 穴子サンド 和風オープンサンドは海苔トースト 寿司とサンドイッチ 第3章 うどんとマカロニ あべかわはマカロニで スパゲティ、マカロニ、?類珍品集 マカロニ鍋のいろいろ うどんのトマト和え そばナポリタン マカロニ(西洋うどん)の折り方 マカロニはご飯のおかず? スパケット飯(スパケット・アラ・ロメース) 『日々活用お料理辞典』から「マカロニー」の項を開くと…… うどんで、かりんとう うどんで、パン うどんで、ビスケット うどんで、プリン うどんのコロッケ うどんのうに焼き 第4章 ねぎま 「ねぎま鍋」のナゾ マグロは赤身か、脂身か 一九七〇年代からさかのぼる「ねぎま」 一九六〇年代の「ねぎま」は 一九五〇年代のねぎま汁をたずねて ねぎま――戦時篇 日本陸軍調理法でのねぎま ねぎま鍋の黄金時代 「ネギ鮪」が「ネギ間」に変わるそのとき マグロの脂身は足が早い 冷蔵庫で下克上 一九八〇年代の脂身事情 一九九〇年代は偽装大トロ時代 ねぎま鍋の生い立ちから終焉まで 第5章 人工葡萄酒 葡萄酒の自家醸造は合法?だった つくりませう!葡萄酒 甘味代用の葡萄酒も自家醸造だった 自家醸造のトマト酒 人工葡萄酒は黒豆で 第6章 おしるこ&珍スイーツ ハイカラさんのバナナ料理 和食?洋食?不明のバナナ料理の数々 バナナの皮? バタくさい葛湯はピーナッツで やまいもでホットケーキ おはぎ作りは里芋で 柿で柿餅、柿団子 梨もどきは海軍のデザートにもなった お汁粉の歴史 ―― 戦前篇 お汁粉の歴史 ―― 戦後篇 汁粉は……小麦粉で 第7章 カルピスもどきと代用コーヒー まさしくカルピス カルピス・のようなもの モダンドリンク集 黒豆コーヒー 紫蘇コーヒーは熱中症対策か? 大麦コーヒーは発芽飲料だった 滋養農村コーヒーのこしらえ方 米糠コーヒー、米糠油 第8章 玉子チーズ 質問:玉子からすみって、何ですか? 玉子チーズは「特許品」ですと? 玉子チーズの前身は玉子からすみだった チーズとからすみはおんなじだった 玉子チーズのルーツは味噌漬けだった おわりに 解説 湯澤規子 - 著者プロフィール - 魚柄 仁之助 (ウオツカ ジンノスケ) (本文) 1956年、福岡県うまれ。食文化研究家。著書に『食べ物の声を聴け!』(岩波書店)『冷蔵庫で食品を腐らす日本人』(朝日新聞社)『うおつか流大人の食育』(合同出版)などがある。
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猫社会学、はじめます どうして猫は私たちにとって特別な存在となったのか? | 赤川 学(編著), 新島 典子(本文), 柄本 三代子(本文), 秦 美香子, 出口 剛司, 斎藤 環
¥1,980
筑摩書房 2024年 ソフトカバー 240ページ 四六判 - 内容紹介 - 猫と人との関係が最も深まったのが現代。なぜ猫は可愛いのか、「猫島」とは何かなど、五つの視点から分析。「猫と人間の未来」のための全く新しい学問の誕生! - 著者プロフィール - 赤川 学 (アカガワ マナブ) (編著) 1967年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科社会学専攻博士課程修了。博士(社会学)。現在、東京大学大学院人文社会系研究科教授。専門は社会問題の社会学、歴史社会学、セクシュアリティ研究、人口減少社会論。著書に『子どもが減って何が悪いか!』(ちくま新書)、『なぜオナニーはうしろめたいのか』(星海社新書)など多数。 新島 典子 (ニイジマ ノリコ) (本文) 現在、ヤマザキ動物看護大学動物看護学部教授。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得満期退学、修士(社会学)。動物文化論、動物人間関係学、ペットロス論を専攻。共著に『東大ハチ公物語』(東京大学出版会)、『動物の事典』(朝倉書店)など。 柄本 三代子 (エノモト ミヨコ) (本文) 現在、東京国際大学教授。専攻は文化社会学、消費社会論、メディア論。著書に『リスクを食べる』(青弓社)、共著に『メディア・スタディーズ』(世界思想社)など。 秦 美香子 ( ハタ ミカコ) 現在、花園大学文学部教授。神戸大学大学院総合人間科学研究科(博士後期課程)修了。マンガ研究、メディア研究。共編著に『多元化するゲーム文化と社会』(ニューゲームズオーダー)がある。 出口 剛司 (デグチ タケシ ) 現在、東京大学大学院人文社会系研究科教授。主たる専門分野は、社会学理論および社会学史研究。著書に『大学4年間の社会学が10時間でざっと学べる』(KADOKAWA)、『エーリッヒ・フロム』(新曜社)などがある。 斎藤 環 (サイトウ タマキ) 1961年生まれ。筑波大学医学研究科博士課程修了。医学博士。現在、筑波大学社会精神保険学教授。専門は思春期・青年期の精神病理学、「ひきこもり」問題の治療・支援ならびに啓蒙。著書に『社会的ひきこもり』『母は娘の人生を支配する』『世界が土曜の夜の夢なら』(角川財団学芸賞)『オープンダイアローグとは何か』ほか多数。
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なぜ働いていると本が読めなくなるのか | 三宅 香帆
¥1,100
集英社 2024年 集英社新書 ソフトカバー 288ページ 新書判 縦173mm 横106mm 厚さ13mm - 内容紹介 - 【人類の永遠の悩みに挑む!】 「大人になってから、読書を楽しめなくなった」「仕事に追われて、趣味が楽しめない」「疲れていると、スマホを見て時間をつぶしてしまう」……そのような悩みを抱えている人は少なくないのではないか。 「仕事と趣味が両立できない」という苦しみは、いかにして生まれたのか。 自らも兼業での執筆活動をおこなってきた著者が、労働と読書の歴史をひもとき、日本人の「仕事と読書」のあり方の変遷を辿る。 そこから明らかになる、日本の労働の問題点とは? すべての本好き・趣味人に向けた渾身の作。 【目次】 まえがき 本が読めなかったから、会社をやめました 序章 労働と読書は両立しない? 第一章 労働を煽る自己啓発書の誕生―明治時代 第二章 「教養」が隔てたサラリーマン階級と労働者階級―大正時代 第三章 戦前サラリーマンはなぜ「円本」を買ったのか?―昭和戦前・戦中 第四章 「ビジネスマン」に読まれたベストセラー―1950~60年代 第五章 司馬遼太郎の文庫本を読むサラリーマン―1970年代 第六章 女たちのカルチャーセンターとミリオンセラー―1980年代 第七章 行動と経済の時代への転換点―1990年代 第八章 仕事がアイデンティティになる社会―2000年代 第九章 読書は人生の「ノイズ」なのか?―2010年代 最終章 「全身全霊」をやめませんか あとがき 働きながら本を読むコツをお伝えします 【著者略歴】 三宅香帆(みやけかほ) 文芸評論家。 1994年生まれ。 高知県出身。 京都大学大学院人間・環境学研究科博士前期課程修了(専門は萬葉集)。 著作に『(読んだふりしたけど)ぶっちゃけよく分からん、あの名作小説を面白く読む方法』、『推しの素晴らしさを語りたいのに「やばい!」しかでてこない―自分の言葉でつくるオタク文章術―』、『文芸オタクの私が教える バズる文章教室』、『人生を狂わす名著50』など多数。
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ガザからの報告 現地で何が起きているのか | 土井 敏邦
¥693
岩波書店 2024年 岩波ブックレット ソフトカバー 72ページ A5判 縦210mm 横148mm 厚さ5mm - 内容紹介 - 東京二三区の六割の面積に二二〇万人が暮らすパレスチナ・ガザ地区。イスラエル軍の攻撃により、民間人を中心とする死者は三万人を超え、人びとは家を失い、飢餓状態に追い込まれている。長年パレスチナ問題の取材を続けてきた著者が、旧知の現地ジャーナリストの「報告」を通し、死と隣り合わせの日々を生きる人びとの声を伝える。 目次 パレスチナ・イスラエル関連年表/関連地図 はじめに Ⅰ ガザからの報告 1 生活必需品の欠乏 2 破壊と情勢 3 Mのコラム 4 ハマスとイスラエル軍 5 住民の精神状態 6 住民たちの声 Ⅱ ハマスとガザの民衆 おわりに - 著者プロフィール - 土井 敏邦 (ドイ トシクニ) (著/文) 1953年,佐賀県生まれ.ジャーナリスト・映画監督.1985年以来,パレスチナ・イスラエルの現地を34年間取材.1993年より映像取材も開始し,17年間の現地取材を基に2009年,ドキュメンタリー映像シリーズ『届かぬ声――パレスチナ・占領と生きる人びと』全4部作を制作,その第4部『沈黙を破る』は劇場公開,石橋湛山記念・早稲田ジャーナリズム大賞受賞.2015年に『ガザに生きる』(全5部作)を完成,大同生命地域研究特別賞を受賞.2022年に映画『愛国の告白――沈黙を破る・Part2』を全国で劇場公開.著書『アメリカのユダヤ人』(岩波新書),『ガザの悲劇は終わっていない――パレスチナ・イスラエル社会に残した傷痕』(岩波ブックレット),『現地ルポ パレスチナの声,イスラエルの声』『沈黙を破る――元イスラエル軍将兵が語る“占領”』(岩波書店)他.
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トランスジェンダーと性別変更 これまでとこれから | 高井 ゆと里
¥748
岩波書店 2024年 岩波ブックレット ソフトカバー 88ページ A5判 縦210mm 横148mm 厚さ6mm - 内容紹介 - 生殖不能要件は憲法違反――長く放置されてきた人権侵害を是正するため、「性同一性障害特例法」の改正が求められている。いま私たちに必要な基礎知識とは何なのか。特例法が制定された背景から、法・医学・国際人権の知見まで、高井ゆと里、野宮亜紀、立石結夏、谷口洋幸、中塚幹也らエキスパートが解説する。 目次 はじめに……………高井ゆと里 第1章 特例法の制定過程から考える、その意義と限界……………野宮亜紀 第2章 性別変更要件とはなにか……………立石結夏 第3章 国際人権基準と性別記載変更法の現在……………谷口洋幸 第4章 特例法とトランスジェンダー医療……………中塚幹也 おわりに……………高井ゆと里 - 著者プロフィール - 高井 ゆと里 (タカイ ユトリ) (著/文) 群馬大学情報学部准教授.哲学・倫理学.周司あきらとの共著に『トランスジェンダー入門』(集英社新書),訳書にショーン・フェイ『トランスジェンダー問題』(明石書店).
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同性婚法制化のためのQ&A | 「結婚の自由をすべての人に」訴訟全国弁護団連絡会
¥627
岩波書店 2024年 岩波ブックレット ソフトカバー 64ページ A5判 縦210mm 横148mm 厚さ4mm - 内容紹介 - 人は性のあり方にかかわらず平等である。しかし、なぜいまの結婚制度は異性カップルしか利用できないのだろうか。同性カップルは結婚できないことでどんな困りごとに直面しているのか、なぜ国は同性婚の法制化を認めないのかといった様々な問いについて、世界の趨勢や世論の動きも踏まえてQ&A方式で基礎から解説。 目次 はじめに なぜ結婚の自由と平等を求めるのか……………寺原真希子 コラム1 「結婚の自由をすべての人に」訴訟とは……………砂原 薫 Q1 なぜいまの「結婚」制度は異性カップルしか利用できないのですか?……………上杉崇子 Q2 同性カップルは「結婚」できないことで、どんなことで困っていますか?……………水谷陽子 コラム2 いま日本で同性カップルが婚姻届を出すとどうなる?……………水谷陽子 Q3 同性婚の法制化を認めないことは人権侵害なのですか?……………鈴木朋絵 Q4 憲法は二四条で婚姻は「両性の合意のみ」に基づくと定めているので、同性カップルの結婚を禁止しているのではないですか? 同性婚の法制化を求めるのなら憲法改正が必要ではないですか?……………宮本庸弘 Q5 なぜ「結婚」制度にこだわるのですか?……………藤井啓輔 Q6 結婚」制度ではなく、自治体のパートナーシップ制度と似たような法制度をつくればいいのではないですか?……………宮本庸弘 コラム3 「Marriage For All Japan」と「Business for Marriage Equality」とは……………寺原真希子 Q7 他の国では同性婚の法制化が進んでいますか?……………皆川洋美 Q8 どうして国は同性婚を認めないのですか?……………堀江哲史 コラム4 私たちはこう考えています――当事者の声……………まとめ 井上皓子 Q9 同性婚の法制化が進んだら日本社会にどんな影響がありますか?……………須田布美子 Q10 同性婚の法制化についての日本の世論はどうなっていますか? また、自治体や企業は同性カップルにどう対応していますか?……………森 あい コラム5 私たちは裁判を応援しています……………まとめ 皆川洋美・鈴木朋絵 おわりに……………鈴木朋絵・皆川洋美 - 著者プロフィール - 「結婚の自由をすべての人に」訴訟全国弁護団連絡会 (ケッコンノジユウヲスベテノヒトニソショウゼンコクベンゴダンレンラクカイ) (著/文) 「結婚の自由をすべての人に」訴訟全国弁護団連絡会 同性間の法的な結婚が認められていないのは憲法違反であることを問うために,2019年 2月に札幌・東京・名古屋・大阪で一斉に提起された国家賠償請求訴訟弁護団の連絡会.同年9月に福岡,2021年3月に東京での第二次訴訟も加わり,合計6つの裁判が展開されている.2023年6月時点で,5つの地裁判決中4判決で違憲判決が出され,唯一合憲判断がなされた大阪地裁判決でも将来的に違憲となる可能性が示唆された.2024年1月現在,控訴審も進行中.違憲の判断が出ることが稀な日本の司法において際立った成果が出ており,注目を集めている.
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選択的夫婦別姓 これからの結婚のために考える,名前の問題 | 寺原 真希子, 三浦 徹也
¥748
岩波書店 2024年 岩波ブックレット ソフトカバー 80ページ A5判 縦210mm 横148mm 厚さ5mm - 内容紹介 - 夫婦で姓を同じにすることが、当たり前だと思っていませんか? 女性が名前を変えるのが当たり前だという気持ちがありませんか? 実は、夫婦で姓の統一を強制されるのは、世界中で日本だけなのです。 なぜ日本では、こうした古い制度が残っているのでしょうか? 今後の結婚における「名前」の問題、一緒に考えませんか? 目次 はじめに……………寺原真希子 第一章 なぜ選択的夫婦別姓制度が求められているのか……………三浦徹也 1 婚姻制度のしくみ 2 氏か婚姻かの二者択一 3 選択的夫婦別姓制度 4 夫婦同姓制度の成り立ち 5 なぜ別姓が導入されないのか 6 世界で取り残される日本 7 選択的夫婦別姓制度が目指すもの 8 憲法の話 第二章 選択的夫婦別姓訴訟……………寺原真希子 1 なぜ裁判を起こしたのか 2 なぜ「憲法訴訟」なのか 3 原告となった人たち 4 原告が求めているもの 5 最高裁はどう判断したか 6 最高裁多数派意見の問題点 7 今後の展望 8 もう一つの訴訟 おわりに - 著者プロフィール - 寺原 真希子 (テラハラ マキコ) (著/文) 弁護士 三浦 徹也 (ミウラ テツヤ) (著/文) 弁護士
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エブリデイ・ユートピア | クリステン・R・ゴドシー, 高橋 璃子(翻訳)
¥2,970
河出書房新社 2024年 ソフトカバー 388ページ 四六判 縦191mm 横132mm 厚さ27mm - 内容紹介 - トマ・ピケティ絶賛! ユートピアは夢物語ではない。プラトンから現代まで、多様な共同体の豊富な実例を参照しながらより幸福な暮らしのあり方を考える、閉塞感に満ちた時代の希望の一冊。 - 著者プロフィール - クリステン・R・ゴドシー (ゴドシー,クリステン,R) (著/文) ペンシルベニア大学教授(ロシア・東欧学学科長)。2012年にグッゲンハイム・フェローを獲得。記事や論説は世界25か国語以上に翻訳され、ニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポスト、ミズ・マガジン、ディセント、フォーリン・アフェアーズなど国内外の多数の紙誌に登場。これまでに11冊の著書があり、話題作『あなたのセックスが楽しくないのは資本主義のせいかもしれない』は15か国語で翻訳出版された。 高橋 璃子 (タカハシ リコ) (翻訳) 翻訳家。京都大学卒業、ラインワール応用科学大学修士課程修了。訳書にゴドシー『あなたのセックスが楽しくないのは資本主義のせいかもしれない』、マルサル『アダム・スミスの夕食を作ったのは誰か?』、ノーデル『無意識のバイアスを克服する』、バークマン『限りある時間の使い方』、マキューン『エッセンシャル思考』など多数。
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日常的な延命 「死にたい」から考える | 小川 和
¥1,980
ナナルイ 2024年 ソフトカバー 324ページ 四六判 - 内容紹介 - 朝、ふと目が覚めて、少ししてから「死にたい」と思った。理由はわからない。わからないけれどなんだか「死にたい」と思う。そのことについて考えてみる (冒頭より) 本書は若手批評家の小川和による単著第1作である。 著者は「『死にたい』とはどのようなものなのか。無論、答えは人それぞれに異なっている。だからこれは、自分で自分の悩みに答えを出すために書いたものである」と語っているが、共感できないものだけでなく、どこか共感さえできてしまう範囲の「死にたい」にまで思考が巡らされていることが本著の特徴であろう。 エッセイでもなく、医学的な論文でもなく、それらの外部から批評が選ばれ、呼ばれている。誰かのエッセイに一時的に共感することはあってもまたすぐに辛くなってしまったり、既存のセーフティネットとの相性がしっくりこないと感じているとき、そんな自分を救うための言葉を、「死にたい」という感覚それ自体を、考察していく。 本文を語る際に導かれるその題材の多くは、現代人の身の回りの生活にも寄り添ったものである。制作や筋トレ、インディペンデント・アニメーション、ひきこもり移民、さらには呪術廻戦、ONE PIECEといったポップカルチャーの話題も差し込まれる。カフカやベケットといった文学的な想像力を活かすことも忘れない。これら全ては、承認欲求やアテンションエコノミーによって「死にたい」を抱えてしまった人たちの立場を土台に考えられている。また、座間9人殺害事件のような社会的事件にまで踏み込み、親密圏と「死にたい」の関係が考えられていることも本著の特徴といえよう。 著者の実存、人文知の蓄積と理論、社会への洞察。これら3つの大きな要素が掛け合わされる形で書かれたのが『日常的な延命』である。「死にたい」から逃れるためのガイドになるのか、読み物としての批評になるのか、本著とどう親しむかは読者の手に委ねられている。いずれにせよ、「読みやすさ」が意識された本文の文体は、多くの読者に向けて開かれたものである。 佐々木敦氏推薦 延命としての日常を、いかにして構築するか?「死にたい」を「生きてゆく」に変換するための回路を、小川は探求する。あくまでも論理的に、そして批評的に。まったく新しいタイプの「自己救済の書」の誕生だ。 目次 序論 承認欲求社会の生きづらさ 第1部 安心欲求論 1章 「死にたい」の宛先 2章 「死にたい」に込められた2つの願望 3章 安心欲求の摘出 4章 制作で流れる 5章 ひきこもり移民というダイブ 6章 個人作家アニメーションと抽象性の現在 補遺 自殺予防のセーフティネット 第2部 バーチャル/アクチュアル主体論 7章 相対性のブラックホール 8章 筋トレと自己準拠的な身体 補遺 『呪術廻戦』、 『PIECE ONE』 の断片的な考察 第3部 幽霊的「死にたい」論 9章 郵便的不安の重なり 10章 2010年代の躁鬱 補遺 Z世代にみる承認と安心の掛け算 第4部 フランツ・カフカ論 11章 だれが 『変身』 するのか 12章 『訴訟』 の謎多きプロセス 日常的な延命 前書きなど 朝、ふと目が覚めて、少ししてから「死にたい」と思った。 理由はわからない。わからないけれどなんだか「死にたい」と思う。 そのことについて考えてみる。 「死にたい」とはどのようなものなのか。無論、答えは人それぞれに異なっている。だからこれは、自分で自分の悩みに答えを出すために書いた文章である。 - 版元から一言 - 佐々木敦氏が帯文にて本書を紹介! 「延命としての日常を、いかにして構築するか? 「死にたい」を「生きてゆく」に変換するための回路を、 小川は探求する。 あくまでも論理的に、そして批評的に。 まったく新しいタイプの「自己救済の書」の誕生だ。」 - 著者プロフィール - 小川和 (オガワ ナギ) (著) 1991年、千葉県生まれ。作家、批評家。慶應義塾大学文学部 卒業。「ゲンロン佐々木敦批評再生塾」に参加し、 さやわか審査員特別賞を受賞。本書がはじめての著作となる。
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パレスチナ/イスラエルの〈いま〉を知るための24章 | 鈴木 啓之, 児玉 恵美
¥2,200
SOLD OUT
明石書店 2024年 324ページ 四六判 - 内容紹介 - 昨今混迷化するパレスチナ情勢を受け、パレスチナに暮らしている人々や故郷を追われた人々の現状、イスラエル国内の世論等、一元的な対立構造ではない多様な視点からパレスチナ問題がわかる別冊エリア・スタディーズが誕生。どのようにガザを支援しているのか、パレスチナ国内のカルチャーや商業活動等、現地の日常も活写したパレスチナ理解の決定版。 ◆目次 序章[鈴木啓之] パレスチナ/イスラエル全景 パレスチナ難民の移動と現在の居住地 Ⅰ ガザ情勢から見るパレスチナ/イスラエル 第1章 ガザの風景 潮風が香る街道の町[鈴木啓之] 第2章 「封鎖」以前のガザ うち続く反開発と人びとのスムード[藤屋リカ] 第3章 封鎖下の生活 若者の志を打ち砕く現実[手島正之] 第4章 国際社会とガザ ガザの人びとと国際人道支援[吉田美紀] 第5章 ハマースとガザ 抵抗と統治のはざま〈山本健介] 第6章 イスラームと政治 その規範的観点と歴史的文脈[ハディ・ハーニ] 第7章 パレスチナと国際人道法 継続する占領と集団罰[島本奈央] 第8章 イスラエルと虐殺の記憶 過剰防衛の歴史社会的背景[鶴見太郎] コラム1 レバノンの政治運動とパレスチナ[早川英明] コラム2 イスラエル南部のキブツ[宇田川彩] コラム3 イスラエル軍の徴兵制[澤口右樹] Ⅱ 日常のパレスチナ/イスラエル 第9章 東エルサレムと人びとの日常 支配の侵食に抗うこと[南部真喜子] 第10章 西エルサレムの人びとと生活 弦の橋が映し出す街の姿[屋山久美子] 第11章 イスラエル国籍のパレスチナ人 「1948年のアラブ人」の日常[雨雲] 第12章 ヨルダン川西岸での人びとの生活 入植地、分離壁、検問所の存在とその影響、生活する人たちの思い[福神遥] 第13章 テルアビブ 世俗的首都の「多様性」[宇田川彩] 第14章 終わりのみえない難民生活 レバノン在住のパレスチナ人[児玉恵美] 第15章 日常の中のナクバ/ナクバの中の日常 歴史の抹消にあらがう人びとの暮らし[金城美幸] 第16章 パレスチナをめぐるもうひとつの争点 LGBTQの権利について[保井啓志] 第17章 入植者植民地主義とパレスチナの解放 地中海からヨルダン川まで[今野泰三] コラム4 教育と日常[飛田麻也香] コラム5 「非日常」の抵抗――パレスチナと演劇[渡辺真帆] コラム6 日常という抵抗、文学という抵抗[佐藤まな] Ⅲ 日本や世界との関わり 第18章 UNRWAの活動と日本 70年続いてきた支援[清田明宏・角幸康] 第19章 国際NGOとパレスチナ社会 人びとの暮らしに寄り添って[大澤みずほ] 第20章 ガザの商品を扱う フェアトレードの試み[山田しらべ] 第21章 パレスチナ・ガザ地区での医療援助 国境なき医師団の活動を通して見た紛争地医療の課題[白根麻衣子] 第22章 国際協力NGOとアドボカシー活動 日本外交への提言[並木麻衣] 第23章 パレスチナ勤務の経験から 緊急人道支援から大規模産業復興プロジェクトまで[大久保武] 第24章 帝国主義とパレスチナ・ディアスポラ 大英帝国からアメリカ帝国へ[イヤース・サリーム] コラム7 14歳のパレスチナ難民が日本に伝えたこと[新田朝子・石黒朝香] コラム8 転換期にあるBDS運動 ICJ暫定措置命令と対イスラエル武器禁輸[役重善洋] コラム9 『ガザ素顔の日常』上映と映画の力[関根健次] パレスチナ/イスラエルを知るための参考資料
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町内会 コミュニティからみる日本近代 | 玉野 和志
¥924
筑摩書房 2024年 ちくま新書 ソフトカバー 192ページ 新書判 - 内容紹介 - 加入率の低下や担い手の高齢化により、存続の危機に瀕する町内会。それは自治や共助の伝統か、時代遅れの遺物か。隣近所から日本社会の成り立ちを問いなおす。 助け合いの伝統か、時代遅れの遺物か―― 再生の手がかりを探るための必読書。 日本人の「きずな」はこうしてつくられた 加入率低下や担い手の高齢化により、存続の危機に瀕する町内会。回覧板、清掃、祭り、防災活動など、活動は多岐にわたる。そもそも参加は任意であるはずなのに全戸加入が原則とされてきた、このふしぎな住民組織はいつどのようにして生まれたのか。それは共助の伝統か、それとも行政権力の統治技術か。明治地方自治制、大衆民主化の時代から戦中・戦後まで、コミュニティの歴史を繙くことで、この国の成り立ちがみえてくる。直面する問題の本質をとらえ、再生の手がかりを探るための必読書。 - 目次 - はじめに 第一章 危機にある町内会 町内会が消える?/首都圏近郊の状況/超多忙な町内会長/「自分の代で終わりにします」/「やめるならごみ集積所を使うな」/震災以降の過剰な期待/「きずな」と「共助」/町内会を知らない若者たち/本書での表記――町内会、町会、自治会、部落会/町内会の定義―共同防衛を目的とした全戸加入原則/町内会と労働組合、国家と地方自治体/本書のねらい 第二章 町内会のふしぎな性質 町内会とは何か/町内会の特異性/町内会の理論的説明を求めて/中田実の地域共同管理論/安田三郎の町内会=地方自治体説/鳥越皓之の本質起源論/部落会と町内会/共同防衛という本質的機能への着目/国家、地方自治体、町内会に共通する機能/町内会成立の典型/フーコーの統治性研究/「統治性」/「階級性」/統治性との関連で/階級性との関連で 第三章 文化的特質か、統治の技術か 町内会=文化の型論/スープと味噌汁の違い/日本人の自治感覚/日本的統治の特質/原型としての明治地方自治制/大区小区制と地租改正反対一揆/村落の社会構造/士族民権から豪農民権へ/地方三新法と国会開設の詔/松方デフレと豪農層の上昇転化/明治の合併と行政村の形成/制限選挙制のからくり/区長と区長代理/芸術品としての明治地方自治制/寄生地主制と共同体的秩序の利用/日本的統治の本質 第四章 近代の大衆民主化――労働者と労働組合、都市自営業者と町内会 明治地方自治制から町内会体制へ/明治地方自治制の動揺/寄生地主制と共同体的秩序の変質/男子普通選挙と治安維持法/労働運動の台頭と弾圧/日本の労働者の選択――経営家族主義から日本的経営へという道/もうひとつの選択――一国一城の主=都市自営業者への道/町内会の起源について/町内会の成立過程/近代の都市化と町内会/共同防衛組織としての町内会/戦時体制と町内会の整備/臣民として認められた都市自営業者/大衆民主化の時代/労働者と都市自営業者/労働組合と町内会/戦時下の町内会/戦後改革と町内会禁止令/サンフランシスコ講和条約と町内会の復活/町会連合会の結成と町内会の圧力団体化/住民運動と革新自治体/コミュニティ施策の展開/町内会体制の確立と動揺 第五章 町内会と市民団体――新しい共助のかたち グローバル化と都市自営業者層の衰退/町内会体制がもっていた可能性/町内会と日本の政治構造/政治改革と自公連立/町内会への期待/例外としての町内会/避けられない町内会の弱体化/市民活動の台頭/水と油の町内会と市民団体/期待される雪解け/行政の思惑/統治性と階級性の矛盾/何を捨て、何を継承すべきか/協議、決定、要求する場としての町内会/市民活動団体の役割/代議制民主主義との関係 おわりに 参考文献 - 著者プロフィール - 玉野 和志 (タマノ カズシ) (本文) 1960年石川県金沢市生まれ。東京都立大学人文学部卒業。東京大学大学院社会学研究科博士課程中退。社会学博士。東京都老人総合研究所、流通経済大学、東京都立大学を経て、現在、放送大学教養学部社会と産業コース教授。専門は都市社会学・地域社会学。著書『近代日本の都市化と町内会の成立』(行人社)、『東京のローカル・コミュニティ』(東京大学出版会)、『創価学会の研究』(講談社現代新書)、『実践社会調査入門』(世界思想社)など。
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アイヌがまなざす 痛みの声を聴くとき | 石原 真衣, 村上 靖彦(著/文)
¥2,970
岩波書店 2024年 ハードカバー 376ページ 四六判 縦188mm 横129mm 厚さ26mm - 内容紹介 - いまだ継続する不正義と差別に抗して、アイヌの人々は何を問い、行動してきたのか。五人の当事者へのインタビューから現代アイヌの〈まなざし〉を辿ると共に、アイヌの声を奪い、語りを占有し続ける日本人のあり方を問う。 目次 序 章 まなざされるアイヌとまなざし返すアイヌ 第1部 遺骨返還運動とアイヌ近代史 第1章 先人の尊厳と未来の教育――遺骨返還運動にたずさわる木村二三夫さん 第2章 アイヌ文化を伝えられてこなかったことに誇りを持っている――親族の遺骨を探索するBさん 第3章 幽閉されるアイヌと遺骨 第2部 インターセクショナリティ 第4章 アイヌ女性と複合差別――ヘイトスピーチと闘う多原良子さん 第5章 先住民フェミニズム批評――Ain't I a Woman? /「私」は女ではないの? 第3部 アイヌと外部を行き来する 第6章 羽をパタパタさせればいい――アイヌ近現代史研究者である新井かおりさん 第7章 家出少年は傍らに神話を持つ――美術家結城幸司さん 第8章 思想的消費とまなざしの暴力 終 章 まなざしの転換 あとがき 交差する場所をひらく 謝 辞 - 著者プロフィール - 石原 真衣 (イシハラ マイ) (著/文) 1982年北海道サッポロ市生まれ.アイヌと琴似屯田兵(会津藩)のマルチレイシャル.北海道大学アイヌ・先住民研究センター准教授.文化人類学,先住民フェミニズム.著書に『〈沈黙〉の自伝的民族誌(オートエスノグラフィー)』(北海道大学出版会2020,大平正芳記念賞),編著書に『アイヌからみた北海道150年』(北海道大学出版会2021),『記号化される先住民/女性/子ども』(青土社2022)など. 村上 靖彦 (ムラカミ ヤスヒコ) (著/文) 1970年東京都生まれ.大阪大学人間科学研究科教授・感染症総合教育研究拠点(CiDER)兼任教員.現象学.著書に『摘便とお花見』(医学書院2013,日本学術振興会賞),『子どもたちがつくる町』(世界思想社2021),『ケアとは何か』(中公新書2021),『「ヤングケアラー」とは誰か』(朝日新聞出版2022),『客観性の落とし穴』(ちくまプリマー新書2023),『すき間の哲学』(ミネルヴァ書房2024近刊)など.
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アーカイブのちから 世界は足跡(アーカイブ)に満ちている | 伊東 未来, 岩城 考信, 宮本 隆史, 森昭子
¥990
風響社 2023年 ブックレット〈アジアを学ぼう〉別巻 ソフトカバー 88ページ A5判 - 内容紹介 - 民家・古写本・美術カタログ・流刑囚の書…… 本書は、これらの痕跡や存在そのもの、転用・誤読・秘匿などの作為や来歴も含めて「アーカイブ」を論じる。さまざまな「アーカイブ」のありようから、AI時代にいたる「情報の集積」なるものの本質に迫る。 目次 はじめに(伊東未来・宮本隆史) 1 「アーカイブ」にあふれた現代 2 「アーカイブ」は自明の何かではない 3 「アーカイブ」の価値も自明ではない 4 「アーカイブ」をとらえるさまざまな視座 Ⅰ タイ中部の高床式住宅に刻まれた洪水への対応史(岩城考信) はじめに 11 1 高床式住宅の建築的な特徴 2 タイ中部の洪水常襲地域にあるバーンバーン地区の洪水対策と高床式住宅 3 2011年大洪水時のバーンバーン地区における対応の多様性 Ⅱ トンブクトゥにおける写本の救出活動(伊東未来) 1 はじめに 2 トンブクトゥの歴史と写本図書館 3 「読める」写本――アラビア語写本に対する住民の矜持 4 トンブクトゥにおける混乱と危機 5 写本の危機と移送 6 おわりに Ⅲ ガーナ南部の看板絵と芸術実践から読み解くアーカイブ(森 昭子) 1 はじめに――残らない看板絵 2 欧米博物館におけるアフリカ看板絵のアート化 3 欧米アートワールドにおけるアフリカ看板絵のアーカイブ化 4 アフリカ人美術匠による看板絵のアーカイブ化 5 おわりに――看板絵と芸術実践から読み解くアーカイブ Ⅳ アーカイブをめぐる綱引き ――アンダマーンの流刑囚による書きものの場合(宮本隆史) 1 はじめに 2 アンダマーンの歴史とその喪失 3 ターネーサリーとそのテクスト 4 民族主義のテクストへ? 5 おわりに――安全な過去としての「独立戦争」 おわりに(宮本隆史・伊東未来) あとがき(伊東未来) - 著者プロフィール - 伊東 未来 (イトウ ミク) (著/文) 1980年、福岡県生まれ。 大阪大学大学院博士前期課程修了。 現在、大阪大学大学院博士後期課程在籍。日本学術振興会特別研究員(DC2)。 主な論文に「社会に呼応する同時代のアフリカン・アート─マリ共和国のアーティスト集団カソバネを事例に─」(『アフリカ研究』第75号、2009年12月、17-28頁)、「イスラーム「聖者」概念再考への一考察─マリ共和国ジェンネのalfaを事例に」(『年報人間科学』第30号、2008年3月、83-100頁)などがある。 宮本 隆史 (ミヤモト タカシ) (著/文) 1979年、京都市生まれ。 東京大学大学院総合文化研究科博士課程 日本学術振興会特別研究員DC 主な論文に「植民地統治と監獄制度─19世紀中葉の海峡植民地における囚人の管理」(『南アジア研究』19号、2007年)、「19世紀英領海峡植民地における監獄制度、1820─70年代」(『年報地域文化研究』10号、2007年)などがある。 http://miyamotolog.com
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ケアするラジオ: 寄り添うメディア・コミュニケーション | 金山 智子, 福永 健一, 芳賀 美幸, 小川 明子, 吉富 志津代, 久保田 彩乃, 小玉 美意子, 早川 宏美(イラスト)
¥2,860
さいはて社 2024年 ソフトカバー 276ページ 四六判 縦188mm 横128mm 厚さ19mm - 内容紹介 - 音声によって、人を癒し、励まし、支え、寄り添う。ラジオという親密なメディアについて、ケアの概念のもとに考察し、離島、刑務所、病院、被災地における実践など、多様な事例を紹介する。メディア研究に新たな地平を切り開く、気鋭の執筆陣による意欲的論集。 目次 はじめに 第I部 ラジオによるケア 第1章 なぜラジオは親密なメディアか 福永健一 第2章 ラジオによるケア・コミュニケーションとは 金山智子 第Ⅱ部 ケアするラジオ 第3章 「知ること」から寄り添う島ラジオ 金山智子 第4章 立ち直りを支える刑務所ラジオ 芳賀美幸 第5章 ナラティブ空間としてのホスピタルラジオ 小川明子 第6章 ラジオのつながりが拓く多文化共生 吉富志津代 第7章 こどものラジオ番組制作と地域のつなぎ直し 久保田彩乃 第Ⅲ部 音声メディアとケア 第8章 ケアというメディア・コミュニケーション 金山智子 特別寄稿 なぜラジオはケアするメディアになったのか 小玉美意子 おわりに - 著者プロフィール - 金山 智子 (カナヤマ トモコ) (著/文 | 編集) 金山智子(かなやま・ともこ)情報科学芸術大学院大学教授。 福永 健一 (フクナガ ケンイチ) (著/文) 福永健一(ふくなが・けんいち)四国学院大学社会学部助教。 芳賀 美幸 (ハガ ミユキ) (著/文) 芳賀美幸(はが・みゆき)名古屋大学大学院情報学研究科博士前期課程在籍中/中日新聞記者。 小川 明子 (オガワ アキコ) (著/文) 小川明子(おがわ・あきこ)名古屋大学大学院情報学研究科准教授(2024年4月より立命館大学映像学部教授)。 吉富 志津代 (ヨシトミ シズヨ) (著/文) 吉富志津代(よしとみ・しずよ)武庫川女子大学国際センター長/心理・社会福祉学部教授。 久保田 彩乃 (クボタ アヤノ) (著/文) 久保田彩乃(くぼたあ・あやの)福島大学教育推進機構特任助教/一般社団法人ヴォイス・オブ・フクシマ代表理事。 小玉 美意子 (コダマ ミイコ) (著/文) 小玉美意子(こだま・みいこ)武蔵大学名誉教授。 早川 宏美 (ハヤカワ ヒロミ) (イラスト) 早川宏美(はやかわ・ひろみ)デザイナー/イラストレーター。
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親切で世界を救えるか ぼんやり者のケア・カルチャー入門 | 堀越 英美
¥2,090
太田出版 2023年 184ページ 四六判 - 内容紹介 - なぜ鬼の頸(くび)が斬れない剣士・胡蝶しのぶは子どもたちの人気者になったのか? 『エモい古語辞典』『不道徳お母さん講座』『女の子は本当にピンクが好きなのか』の著者、注目の最新作。「ケア」=抑圧的で退屈でつまらない 虚無と冷笑の時代を終わらせ、「ケア」できる人=かっこいい! の時代へ。
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インフォーマル・パブリック・ライフ 人が惹かれる街のルール | 飯田 美樹
¥2,970
ミラツク 2024年 464ページ 四六判 - 内容紹介 - 世界の人々を惹きつける街には共通するルールがあった!前作『カフェから時代は創られる』の著者が届ける、心地良い街の実現方法 - 目次 - はじめに 序章 街を自分たちの手に取り戻す 第一部 二十一世紀のまちづくりの核となるもの 第一章 インフォーマル·パブリック·ライフとは 第二章 人が大事にされる街 第二部 二十世紀のアメリカ型郊外の厳しい現実 第三章 人が大事にされない街 第四章 理想の楽園として誕生したイギリスの初期郊外 第五章 幸せのプロパガンダ 第六章 郊外にインフォーマル·パブリック·ライフがないのはなぜか 第三部 車社会からの脱却を目指す世界 第七章 車社会という問題 第八章 脱車社会を目指す世界 第四部 インフォーマル·パブリック·ライフの生み出し方 第九章 インフォーマル·パブリック·ライフを生み出す七つのルール 第十章 カフェだからこそ - 著者プロフィール - 飯田美樹 (イイダミキ) (著/文) カフェ文化、パブリック・ライフ研究家 学生時代に環境問題に興味を持ち、社会はどうしたら変えられるかに関心を抱く。交換留学でパリ政治学院に行き、世界のエリートたちとの圧倒的な差を感じ、避難所としてのカフェに通う。その頃、パリのカフェは社会変革の発端の場であったと知り、研究開始。帰国後、大学院で研究をすすめ『カフェから時代は創られる』を出版。その後、郊外のニュータウンでの孤独な子育て経験から、インフォーマル・パブリック・ライフの重要性に気づき、研究開始。現在は「カフェ的サードプレイス」「世界レベルの語学・教養」「もっと気軽に本物を」の3つのコンセプトで活動中。リュミエール代表
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ルール?本 創造的に生きるためのデザイン | 菅俊一, 田中みゆき, 水野祐
¥2,640
フォルムアート社 2024年 ソフトカバー 320ページ 四六変形判 縦128mm 横184mm - 内容紹介 - ルールはあなたを縛るものではなく、この社会で自由に生きるためのもの? 世界の見え方が変わっていく、「ルール×デザイン」入門。 法律や規則、マナー、習慣、自然法則……わたしたちはさまざまなルールに囲まれて生きています。 本書では、日常のさまざまな場面で遭遇するルールの存在や影響を取り上げながら、ルールを「つくる」「使う」「見直す」「更新する」ことでわたしたちの社会をアップデートしていくことを目指します。この4つのサイクルに着目し、ルールはデザインによってどのようにかたちづくることができるのか、多角的な視点から探ります。 身の回りにあるルールを意識し、自分のこととして関わり、柔軟にとらえ直すことで、ルールとポジティブに向き合うことの大切さと、ルールは私たちの思考や行動を制限するものではなく、この社会で自由に生きるためのものであることを説く、日常をデザインする創造的実践のガイドとなる一冊です。 遊び心と創造力に満ちた、新しい「ルール」本の誕生! 「ルールについての展覧会?!」と大反響を呼んだ、21_21 DESIGN SIGHTの企画展「ルール?展」(2021年)。展示期間中、オンライン予約の取れない展覧会として話題となり、TikTokやInstagramでZ世代の若者たちにも人気を博したあの「ルール?展」が、「本」となって帰ってきた! 展覧会ディレクターの菅俊一・田中みゆき・水野祐による、「ルール」についてさらに深掘りした全編書き下ろしのテキスト+座談会に、宇野重規(政治哲学者)、清水晶子(フェミニズム/クィア理論研究者)、小田原のどか(彫刻家/評論家)、細馬宏通(人間行動学者)、会田大也(ミュージアム・エデュケーター)、木ノ戸昌幸(元NPO法人スウィング理事長)の豪華執筆者による寄稿を加えて再編集・成書化。 - 目次 - まえがき 〈Rule? Fig.1〉 #これもルールかもしれない 〈Rule? Fig.2〉 ルール曼荼羅 〈Rule? Fig.3〉 ルールのつくられ方(法令の場合) 第Ⅰ部 入門編 1 なぜルールは必要なのか 身近にあふれるルール/この本で扱う「ルール」の範囲/拠り所としてのルール/ルールは問題から生まれる/暗黙のルール/ルールとアーキテクチャの協働関係/「守る」だけでなく「使う」ものとしてのルール 2 道具としてのルール ルールは問題を解決するための道具/ルールを見ていくと、社会の中にある課題がわかる/ルールによってどのように問題を解決できるか/ルールをつくるときに考えるべきこと/ルールの前提にあるもの/ルールを破ったらどうなる?/つくったルールを使って、見直す 3 ルールと創造性 「創造的に使う」とはどういうことか?/なぜルールに創造性が必要なのか?/ルールをつくる創造性/ルールを使う創造性/ルールを見直す創造性/ルールを更新する創造性 〈TEXT〉 宇野重規 民主主義社会におけるルールとは何か 清水晶子 冗談を気軽には言わない 小田原のどか 社会制度と彫刻 細馬宏通 「ルール?展」:日常のルールをあぶり出すさまざまな試み 会田大也 創りながらルールを学ぶこと 木ノ戸昌幸 そんな簡単なわけがない 田中みゆき 「ルール?展」のルール:自由と制約についての覚え書き 第Ⅱ部 実践編 1 ルールをつくる 企業が生むルール(規格)/真鶴町「美の基準」(まちづくり条例)/『独立国家のつくりかた』/「コロガル公園」シリーズ/任天堂ゲーム実況ガイドライン/クリエイティブ・コモンズ/Netflix “No Rules” Rules/田中みゆき 菅俊一 野村律子《ルール?》/東京駅の空中権売買/カーボンプライシング/大麻の合法化/Whatever Co.《D.E.A.D. (Digital Employment After Death)》 2 ルールを使う 規制によって生まれる製品・サービス/佐々木隼(オインクゲームズ)《鑑賞のルール》/群れを生むルール/石川将也+nomena+中路景暁《四角が行く》《ルールが見えない四角が行く》/行列のルール/高野ユリカ+山川陸《踏む厚み》/取扱説明書のいろいろな形/『サイバーパンク2077』エンドユーザーライセンス同意書/コンタクト・ゴンゾ《訓練されていない素人のための振付コンセプト003.1(コロナ改変ver.)》/オウテカ『Anti EP』 3 ルールを見直す 校則をつくる・変更する/早稲田大学吉村靖孝研究室《21_21 to “one to one”》/遠藤麻衣《アイ・アム・ノット・フェミニスト!2017/2021》/エル・ブジ/『100,000年後の安全』/早稲田大学吉村靖孝研究室《滝ヶ原チキンビレジ》/NPO法人スウィング《京都人力交通案内「アナタの行き先、教えます。」》/排除アートに対抗するベンチ/ダニエル・ヴェッツェル(リミニ・プロトコル) 田中みゆき 小林恵吾(NoRA)×植村遥 萩原俊矢×N sketch Inc.《あなたでなければ、誰が?》/田中功起《ひとりの髪を9人の美容師が切る(二度目の試み)》 4 ルールを更新する 鬼ごっこのルール/コロナ禍における道路占用許可基準の緩和/葛宇路(グゥ・ユルー)《葛宇路》/デジタル民主主義プラットフォーム/LEGAL SHUTTER TOKYO/丹羽良徳《自分の所有物を街で購入する》/スクワット/『DEATH STRANDING』/「弱いロボット」 〈座談会〉菅俊一×田中みゆき×水野祐 「ルール?展」のあとに ルールは網羅できない/自分の範疇を広げて考える/マジョリティは消去法によって構成される/場は何を規定するのか/わかりやすい満足に勝てるか/ルールはバイナリー型、マナーは堆積型/ルールをつくることはコストを下げる? あるいは上げる?/ルールリテラシーとルールコンピテンシー/失敗が更新のチャンスになる 〈資料1〉 コロナ関連記事抜き出し 〈資料2〉 法的視点からの考察&データで見る社会 謝辞 「ルール?展」展示作品クレジット 主要参考文献 前書きなど この本では、デザインによってルールに対する見方を変えたり、逆にルールをデザインすることによって、物事や社会に働きかけたりすることを読者の皆さんとともに考えたいと思っています。 そのために、身の回りにどのようなルールがあり、他者や社会とのコミュニケーションのなかで、どのような過程を経てルールが現在の姿となっているのか、それ以外のあり方にはどのような可能性があるのかをさまざまな事例や作品を通して考えていきます。 ままならない現実と折り合いをつけながら、一人ひとりが自由に生きていくことができるようにルールをつくり変えていくことを、ルールと創造的に付き合うことだと私たちは考えています。 私たち一人ひとりがそのようにルールと創造的に付き合うことができれば、それは社会をつくり変えていくことにもつながるでしょう。 ルールという視点から、あなたにとって生きやすい社会が他の人にとっても生きやすい社会になるような未来をどのように共につくることができるのか、本書を通して一緒に考え、できることから実践してみましょう。 (本書「まえがき」より) - 著者プロフィール - 菅俊一 (スゲシュンイチ) (著/文) コグニティブデザイナー、多摩美術大学統合デザイン学科准教授。認知的手がかりの設計による行動や意志の領域のデザインを専門としており、近年は顔図版による視線を用いた誘導体験や人間の創造性を引き出すための制約のデザインについての探求を行なっている。主な仕事に、NHK Eテレ「2355/0655」ID映像、21_21 DESIGN SIGHT企画展「単位展」コンセプトリサーチ、同「アスリート展」展覧会ディレクター。著書に『行動経済学まんが ヘンテコノミクス』(共著・マガジンハウス)、『観察の練習』(NUMABOOKS)。主な展覧会に「あいちトリエンナーレ2019」(愛知県美術館、2019)、「指向性の原理」(SOBO、東京、2017)、「正しくは、想像するしかない。」(デザインギャラリー1953、東京、2019)、「視線の設計」(多摩美術大学TUB、東京、2023)。 田中みゆき (タナカミユキ) (著/文) キュレーター、プロデューサー。「障害は世界を捉え直す視点」をテーマにカテゴリーにとらわれないプロジェクトを企画。表現の見方や捉え方を障害のある人たち含む鑑賞者とともに再考する。近年の仕事に『音で観るダンスのワークインプログレス』(KAAT神奈川芸術劇場ほか、2017–)、展覧会「語りの複数性」(東京都渋谷公園通りギャラリー、2021)、「オーディオゲームセンター」(2017–)など。アジアン・カルチュラル・カウンシルの助成を得て、2022年ニューヨーク大学障害学センター客員研究員。美術評論家連盟会員。 水野祐 (ミズノタスク) (著/文) 法律家。弁護士(シティライツ法律事務所、東京弁護士会)。Creative Commons Japan理事。Arts and Law理事。グッドデザイン賞審査委員。慶應義塾大学SFC非常勤講師。note株式会社などの社外役員。著書に『法のデザイン──創造性とイノベーションは法によって加速する』(フィルムアート社)、連載に「新しい社会契約(あるいはそれに代わる何か)」(『WIRED』日本版)など。
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レイシズムとは何か | 梁 英聖
¥1,034
筑摩書房 2020年 ちくま新書 ソフトカバー 320ページ 新書判 - 内容紹介 - 「日本に人種差別はあるのか」。実は、この疑問自体が差別を生み出しているのだ。「人種」を表面化させず、差別を扇動し、社会を腐敗させるその構造に迫る。
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多様性との対話 ダイバーシティ推進が見えなくするもの | 石丸沙織, 長田佳子
¥1,760
青弓社 2021年 青弓社ライブラリー ソフトカバー 240ページ 四六判 縦188mm 横128mm 厚さ16mm - 内容紹介 - LGBT、ジェンダー、移民、多文化共生、視覚障害者、貧困、生きづらさ、当事者研究、インターセクショナリティ、教育実践――様々な分野の多様性との対話を通して、それらが抱える問題点を批判的に検証し、差別構造の解消に向けた連帯と実践の可能性を探る。 目次 第1章 多様性との対話 岩渕功一 1 BLMとD&Iの取り違え 2 「多様性/ダイバーシティ推進」が見えなくするもの 3 日本での多様性/ダイバーシティ推進 4 多様性との対話 5 誰もが生きやすい社会に向けた横断的連携 6 インターセクショナリティと連帯の可能性 7 学び(捨て)の実践 第2章 ダイバーシティ推進とLGBT/SOGIのゆくえ――市場化される社会運動 新ヶ江章友 1 ダイバーシティ推進とは何か 2 経営学におけるダイバーシティ・マネジメントとは何か 3 ダイバーシティ・マーケティングとLGBT/SOGI 4 LGBTマーケティングと人権問題への意識 論点1 多文化共生がヘイトを超えるために 塩原良和 第3章 移民・多様性・民主主義――誰による、誰にとっての多文化共生か 髙谷 幸 1 多文化共生をめぐるこれまでの批判 2 多文化共生をめぐる問い――「何」から「誰」へ 3 誰にとっての多文化共生か 4 移民にとっての多文化共生か、地域にとっての多文化共生か 5 誰による多文化共生か 第4章 生活保護言説における「日本人」と「外国人」を架橋する 河合優子 1 生活保護制度の歴史と現状 2 生活保護言説と「日本人」 3 生活保護言説と「外国人」 論点2 メディア研究における「ダイバーシティ」の現在 林 香里 第5章 「生きづらさからの当事者研究会」の事例にみる排除の多様性と連帯の可能性 貴戸理恵 1 「個人化・リスク化した排除の苦しみ」としての生きづらさ 2 当事者研究での個別性・多様性と共同性のつながり 3 多様性に立脚したつながりとは何か 第6章 「同じ女性」ではないことの希望――フェミニズムとインターセクショナリティ 清水晶子 1 「#トランス女性は女性です」 2 インターセクショナリティ 3 「交差」の誤解 4 同じではないことの連帯 論点3 みえない「特権」を可視化するダイバーシティ教育とは? 出口真紀子 第7章 共生を学び捨てる――多様性の実践に向けて 小ヶ谷千穂 1 「共生のフィールドワーク」という授業について 2 体当たりの邂逅――「正しい共生」のプレッシャーからの解放? 3 距離をとられる、という経験――自らのまなざしに気づく 4 ミックス・ルーツの学生の経験――自分自身を問い直す 第8章 アート/ミュージアムが開く多様性への意識 村田麻里子 1 多様性の砦としてのアート/ミュージアム 2 多様性の奨励とその課題 3 アート/ミュージアム実践が投げかける問い 論点4 批判にとどまらず具体的に実践すること 松中 権[インタビュー聞き手:岩渕功一] あとがき 岩渕功一 - 版元から一言 - 多様性の時代だと言われる。多様な背景をもつ人材の活用が革新的な創造性を高めるとして、企業、政府、地方自治体、教育機関、NGO/NPO、市民団体で多様性/ダイバーシティを奨励する動きが活発化している。 多様性/ダイバーシティの推進は女性、LGBT、障害者などの社会的なマイノリティの存在に目を向ける一方で、有用で受け入れやすい差異を選別化することで、いまだ続く差別・不平等を見えなくするとともに、新たな包摂と排除を生み出してもいる。 多様性/ダイバーシティの推進により建設的に取り組むには、構造化・制度化された差別・不平等の複雑な作用を理解して、様々な差異を平等に包含する方途を考え続けること、つまり、多様性と対話することが必要不可欠である。 LGBT、ジェンダー、移民、多文化共生、視覚障害者、貧困、生きづらさ、当事者研究、インターセクショナリティ、教育実践――様々な分野の多様性との対話を通して、それらが抱える問題点を批判的に検証し、差別構造の解消に向けた連帯と実践の可能性を探る。 - 著者プロフィール - 岩渕 功一 (イワブチ コウイチ) (編著) 関西学院大学社会学部教授。専攻はメディア・文化研究。著書にResilient Borders and Cultural Diversity(Lexington Books)、『トランスナショナル・ジャパン』(岩波書店)、編著書に『〈ハーフ〉とは誰か』(青弓社)など。