-
みんなの社会的処方 人のつながりで元気になれる地域をつくる | 西 智弘, 岩瀬 翔, 西上 ありさ, 守本 陽一, 稲庭 彩和子, 石井 麗子, 藤岡 聡子, 福島 沙紀
¥2,200
学芸出版社 2023年 ソフトカバー 256ページ 四六判 - 内容紹介 - 孤立という病に対し薬ではなく地域の人のつながりを処方する「社会的処方」。日本での実践はまだ始まったばかりだ。いま孤立しているかどうかや、病気や障がいの有無、年齢に関わらず、「誰もが暮らしているだけで自分の生き方を実現できるまち」をどうつくるか。世界と日本の取り組みに学び、これからのビジョンを示す一冊。 - 目次 - はじめに 社会的処方はもっと自由でいい ■Chapter1 社会的処方の「3つの理念」 人間中心性 エンパワメント 共創 「支援する」とはどういうことか 社会的処方の「型」 社会的格差と、広がる自己責任論 ■Chapter2 孤独・孤立の現状 若者を含めた「居場所」はどのように作れるのか REPORT│小杉湯│西 智弘 90年間建ち続けてきた「場」としての力 社会に必要な、インフラとしての銭湯 「開くのではなく、閉じない」からの相補う関係性 小杉湯「的な場」が持つ、社会的処方としての意義:社会的行方不明者をつくらない 社会的処方の進化 Green/Blue Social Prescribing REPORT│Nami-nications│西智弘 サーフィンを通じてつながる Nami-nications アダプティブ・サーフィンが変えていくもの Green/Blue Social Prescribingの広がり 働かざるもの食うべからず「ではない」 ■Chapter3 社会的処方と世界・日本の動き REPORT│イギリス・フルーム│岩瀬翔 イギリス・フルーム 誰もがリンクワーカーになれる町 MakeaSpark まずは何か動き出そう 「人間の道しるべ」作戦 おせっかい住民をエンパワメントする コロナ禍を経て本質を掴んだ市民リンクワーカー達 ヘリテージコネクター/グリーンコミュニティコネクター 世界の社会的処方の現在地 言葉が全てではない 日本における「モデル事業」 名張と養父 REPORT│名張市│西上ありさ 厚労省モデル事業:名張市/ステイホームダイアリーと社会的処方の展開 REPORT│養父市│守本陽一 厚労省モデル事業:養父市 様々なセクターがまずつながる 医療を起点とした社会的処方の実践 養父市におけるリンクワーカー養成講座 小規模多機能な公共空間「だいかい文庫」 「孤独・孤立対策推進法」とその意義 ■Chapter4 社会のなかで生きることが元気につながる EPISODE│オバケのタムタム&studio FLAT│西智弘 バリアを超えて才能を届ける StudioFLATの取り組み 障がいのある無しに関わらず、良いものは良い アートと障がいと社会的処方的な意義 アートを通じて、人と社会がつながっていく REPORT│アートと社会的処方│稲庭彩和子 アートはずっと存在している。それはなぜなのか? アートと文化でウェルビーイングを増進 「とびらプロジェクト」と社会的処方の共通項 私たちの目指すこと アートコミュニケータとソーシャルな鑑賞法 「きく力・みる力」がケアする力になる REPORT│Dance Well│西智弘 Happy! Dance Well 美術館の内外、そしてアート作品を利用して自らを表現する 身体表現を使って、他人と会話する ダンスレッスンではないのに、結果的にダンスになっている アートがもつ力で変わっていったAさん アートが持つ「ケアの力」 無意識の差別をこえていく REPORT│高齢者福祉施設 西院│西智弘 「要介護」? 関係なく夢は叶えられる 「はたらく」こと=生きるをつくること 「参加」からはじめる 就労とお金の問題 ■Chapter5 暮らしているだけで元気になれるまちをつくる おせっかいのエンパワメントは意外と効く REPORT│おせっかい会議│石井麗子 地域おせっかい会議の風景 コミュニティナースと健康おせっかい まちの身近な存在、郵便局がおせっかいのハブになる 「共感・挑戦・ネットワーク」の実践支援プロセス まちへ飛び出し声を拾い続ける事務局 社会的処方の視点からみた地域おせっかい会議 やればやるほど楽しいことが大きくなる おせっかいが育む優しい目 REPORT│ほっちのロッヂ│藤岡聡子 診療所とまちの居場所が複合された「ほっちのロッヂ」 発地(ほっち)にある森小屋を起点に 私たちは人の何を捉えているのか 自分の関心のあることに掛け合わせていく ケアする・される関係性の逆転は台所から 大切な人を亡くした人が、「あのね…」と話せる部屋があるといい─福島沙紀 おわりに この本で伝えたかったつのこと 暮らしの保健室・川崎/社会的処方研究所はどうなっているか/社会的処方の未来 - 著者プロフィール - 西 智弘 (ニシ トモヒロ) (著/文) 川崎市立井田病院医師/一般社団法人プラスケア代表理事 2005年北海道大学卒。室蘭日鋼記念病院で家庭医療を中心に初期研修後、川崎市立井田病院で総合内科/緩和ケアを研修。その後2009年から栃木県立がんセンターにて腫瘍内科を研修。2012年から現職。現在は抗がん剤治療を中心に、緩和ケアチームや在宅診療にも関わる。一方で、一般社団法人プラスケアを2017年に立ち上げ代表理事に就任。「暮らしの保健室」や「社会的処方研究所」の運営を中心に、「病気になっても安心して暮らせるまち」をつくるために活動。日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医。著書に『社会的処方 孤立という病を地域のつながりで治す方法』(学芸出版社)、『緩和ケアの壁にぶつかったら読む本』(中外医学社)、『がんになった人のそばで、わたしたちにできること』(中央法規出版)他多数。 岩瀬 翔 (イワセ カケル) (著/文) 式根島診療所所長 西上 ありさ (ニシガミ アリサ) (著/文) studio-L 守本 陽一 (モリモト ヨウイチ) (著/文) 一般社団法人ケアと暮らしの編集社代表理事/兵庫県豊岡保健所 稲庭 彩和子 (イナニワ サワコ) (著/文) 独立行政法人国立美術館国立アートリサーチセンター 石井 麗子 (イシイ レイコ) (著/文) 一般社団法人プラスケア 藤岡 聡子 (フジオカ サトコ) (著/文) 軽井沢町・大きな台所と診療所があるところ ほっちのロッヂ共同代表 福島 沙紀 (フクシマ サキ) (著/文) 一般社団法人プラスケア
-
Foodscape フードスケープ 図解 食がつくる建築と風景 | 正田 智樹
¥3,300
学芸出版社 2023年 ソフトカバー 224ページ A5判 縦148mm 横210mm 厚さ20mm - 内容紹介 - 地形と気候に応じた食がつくる建築と風景の図解集。カレマ村のワイン、アマルフィのレモン、小豆島の醤油、多気町の日本酒等、日本とイタリア16の食の生産現場を読み解く。蓄熱する石積みの段々畑、風を呼込む櫓、光や湿気を採り入れる窓等、自然のリズムとともにある食生産と人の暮らしを取り戻す為の建築の問いと手がかり - 目次 - プロローグ 1 食の生産とフードスケープ 1-1 イタリアの食文化に学ぶ -スローフードの発祥 1-2 エコロジカルな転回 チェントロ・ストリコからテリトーリオへ 1-3 エコロジカルな治具とスローフード・アーキテクチャー 1-4 調査方法とドローイング 2 イタリアのフードスケープ 2-1 カレマ村のワイン 2-2 ボルミダ渓谷のワイン 2-3 トレントの貴腐ワイン 2-4 ムリアルド村のにんにく 2-5 ジベッロ村のクラテッロ 【生ハムコラム】パルマの生ハム・コロンナータ村のラード 2-6 モデナのバルサミコ酢 2-7 ヴェスヴィオ山のトマト 2-8 アマルフィのレモン 2-9 トラパニの塩 【チーズコラム】 【対談】藤原辰史 3 日本のフードスケープ 3-1 四郷の串柿 【干し柿コラム】宇治田原の柿、畑地区柿小屋 3-2 醤の郷 【醤油コラム】埼玉の弓削多醤油 【味噌コラム】石井味噌 3-3 てしま天日塩ファーム 【塩コラム】珠洲の塩 【塩コラム】赤穂の塩 3-4 多気町の日本酒 【日本酒コラム】灘五郷、知多半島酒造 3-5 八女茶 3-6 田野町の大根櫓 【大根コラム】大根コラム:山之村の寒干し大根 3-7 橘本のみかん 【対談】塚本由晴 エピローグ フードスケープの維持・更新 - 著者プロフィール - 正田 智樹 (ショウダ トモキ) (著/文) 1990年千葉県生まれ。東京工業大学大学院建築学専攻修了。2016-17年イタリアミラノ工科大学留学。現地ではSlow Foodに登録されるイタリアの伝統的な食品を建築の視点から調査。2018年-現在 大手設計事務所在籍。
-
ROOM 測って描いたインテリアデザイナーの部屋72 | NIKKEN SPACE DESIGN
¥1,980
学芸出版社 2023年 ソフトカバー 160ページ 四六判 - 内容紹介 - インテリアデザイナーたちの住まいを実測スケッチで再現。住人が大切にしている家具や雑貨、食事など暮らしぶりの記録には、プロならではの設えは勿論、住まいへの飾らないこだわりと愛情が溢れ出る。一人暮らし、二人暮らし、三人以上の住まい別に、住宅・インテリア関係者をはじめ、住まい好きなら誰でもほっこり楽しめる間取り図集 - 目次 - はじめに 手で測って描くことのススメ ●1人暮らし Room for One #01 偏愛的趣味の部屋 #02 好きが凝縮された部屋 #03 エスニックな部屋 #04 ナチュラルーム #05 DIYルーム #06 置きものたちと暮らす部屋 #07 ほぼバルコニー #08 ええかんじの部屋 #09 吹き抜けブロックルーム #10 趣味を愛する秘密基地 #11 ミニマリストのメゾネット #12 読書家の住処 #13 ビッキーの男の部屋 #14 単身赴任の部屋 #15 サボテンと暮らす部屋 #16 音人の住処 #17 「マフィア」の住処 #18 ミニマルシェアハウス #19 スパイスの効いた北欧家具の部屋 #20 シェフ’s ルーム #21 THE・女子の部屋 #22 料理系男子の住処 #23 音人の住処2 #24 細ながーい部屋 #25 ギタリストの住処 #26 愛しい家具に囲まれた家 #27 青いラグの部屋 #28 イケてるプリンスキャッスル #29 和室とテラスがある家 #30 こだわり屋の部屋 #31 都心の景色と暮らす部屋 #32 はじまりの住処 [DESIGNER’S CHOICE:椅子編] ●2人暮らし Room for Two #33 アウトドア夫婦の住処 #34 湘南ベース #35 愛猫家のダンディハウス #36 チェアコレクターハウス #37 北欧家具と愛犬ジジの家 #38 スカイツリーが見える部屋 #39 酒蔵の家 #40 ひとつなぎのワンルーム #41 心地よいこだわりの部屋 #42 TATAMI のある部屋 #43 太陽の塔が見える部屋 #44 偏愛的趣味の部屋2 #45 いい夫婦の部屋 #46 嗜好の住処 #47 毎日温泉に入れる家 #48 スキップフロアの家 #49 坪庭とガレージのある住処 #50 天窓から空が見える家 #51 スパイス香るヴィンテージハウス #52 運河を臨むリノベルーム #53 彫刻家とデザイナーの住処 [DESIGNER’S CHOICE:照明編] ●3人以上の暮らし Room for Three and More #54 京の家 #55 緑あふれる家族の拠所 #56 5人と2匹の憩いの住処 #57 ホワイトハウス #58 丁寧な暮らしの部屋 #59 スイートなホーム #60 狭小敷地の積層の家 #61 白とRANCHUの家 #62 カフェのある家 #63 高台のテラス #64 テラスに挟まれた部屋 #65 趣味没頭 実家部屋 #66 和洋混沌ルーム #67 ゾウさんとキリンさんとミツさんの家 #68 超建築家的住処 #69 スカイツリーが見える部屋2 #70 特大リビングハウス #71 自然を楽しむ大きな窓の家 #72 紫の住処 [DESIGNER’S CHOICE:スケッチツール編] [小宇宙を測って描く ご自宅訪問&実測ドキュメント] おわりに - 著者プロフィール - NIKKEN SPACE DESIGN (ニッケンスペースデザイン) (著/文) 施工・物販部門を持たないデザインファームとして国内最大規模を誇るインテリアデザイナー集団。日建設計のインテリア部・オフィスデザインセンターから1994年に独立。感性と技術を駆使し、付加価値が高く新たな体験をもたらす空間を生み出している。「デザイナーズプラットフォーム」として、国内はもちろん世界中のプロジェクトに携わり進化を続ける。
-
コミュニティデザインの現代史 まちづくりの仕事を巡る往復書簡 | 饗庭 伸, 山崎 亮
¥2,640
学芸出版社 2024年 ソフトカバー 288ページ 四六判 縦188mm 横127mm 厚さ20mm - 内容紹介 - コミュニティデザイナーと都市計画家が「まちづくりの仕事の歴史が知りたい」と始めた文通。「どうも70年代の世田谷で、面白そうなことが始まっている」「地縁型まちづくりを辿ると神戸が気になる」「まちづくりに最適なスケールって何?」「事務所の経営とは?」と広がり続ける話題から参加を巡る思想の変遷が見えてくる。 - 目次 - 1章 コミュニテイデザインの歴史が気になる 1 ランドスケープデザインからコミュニティデザインへ(山崎) 2 参加型デザインの原体験を振り返る(饗庭) 2章 パイオニアたちに会いに行こう 3 気になるパイオニアたち(山崎) 4 見取り図を描いてインタビューに臨も(饗庭) パイオニア訪問記1 林 泰義さん 3章 70年代、町田や世田谷で起こっていた面白そうなこと 5 林泰義さんから派生するさまざまな話題(山崎) 6 いくつもの流れが生まれた(饗庭) 7 アメリカのコミュニティデザインを振り返る(山崎) 4章 コミュニティ計画を突き詰めた神戸へ 8 知られざる真野地区のまちづくり(饗庭) 9 地縁型コミュニティを考える(山崎) パイオニア訪問記2 乾 亨さん 5章 コミュニティ計画が描いたもの 10 コミュニティ計画をめぐる3つの論点(饗庭) 11 実践のなかの能動態・中動態・受動態(山崎) パイオニア訪問記3 小林 郁雄さん 6章 まちづくり事務所の経営について考える 12 コミュニティ計画の方言 13 URの経営スタイルから学ぶこと(山崎) 14 NPO法制定時代、80年代のワークショップ(饗庭) 15 NPO価格──studio-L設立時に考えたこと(山崎) パイオニア訪問記4 浅海 義治さん 7章 何のためのワークショップ? 16 コミュニティデザイン教育と都市(饗庭) 17 スチュワードシップと民主的な計画づくり(山崎) 18 3つのプランニング(饗庭) 19 木下勇さんのワークショップに惹かれる理由(山崎) 20 いいデザインのため? 公正なプロセスのため? 人が育つため?(饗庭) パイオニア訪問記5 木下 勇さん 8章 なぜ僕らはワークショップをするんだろう 21 人が育つためのワークショップ(山崎) 22 1人からの都市計画(饗庭) - 著者プロフィール - 饗庭 伸 (アイバ シン) (著/文) 1971年生まれ。東京都立大学都市環境学部教授。早稲田大学理工学部建築学科卒業。同大学院工学系研究科建設工学専攻博士課程退学。博士(工学)。東京都立大学助手、准教授を経て、2017年より現職。主な単著に『都市をたたむ』『平成都市計画史』(花伝社)、『都市の問診』(鹿島出版会)、共編著に『まちづくりの仕事ガイドブック』(学芸出版社)、『津波のあいだ、生きられた村』(鹿島出版会)、『シティ・カスタマイズ』(晶文社)など。 山崎 亮 (ヤマザキ リョウ) (著/文) 1973年生まれ。コミュニティデザイナー。studio-L 代表。関西学院大学建築学部教授。大阪府立大学大学院および東京大学大学院修了。博士(工学)。社会福祉士。建築・ランドスケープ設計事務所を経て、2005 年にstudio-L を設立。主な著書に『コミュニティデザイン』(学芸出版社)、『コミュニティデザインの源流』(太田出版)、『縮充する日本』(PHP 研究所)、『地域ごはん日記』(パイインターナショナル)、『ふるさとを元気にする仕事』(筑摩書房)など
-
大地の五億年 | 藤井 一至
¥1,210
山と渓谷社 2022年 ヤマケイ文庫 ソフトカバー 312ページ 文庫判 - 内容紹介 - 地球には最初、土がなかった。地球上に生き物が誕生し、遺体と岩石から土が生まれた。 現在のところ地球は生き物が確認されている唯一の惑星であり、ゆえに土は地球にしか存在しない。 ひたすらに土を食べて耕すミミズ、岩を食べるようになったキノコ、腐葉土を食べるカブトムシの幼虫……。 土は植物や昆虫の躍進を支えるとともに相互に影響し合い、さらに恐竜の消長や人類の繁栄に場所を貸してきた。 身近なはずの「土」のことを、私たちはどれほど知っているだろうか。 土の研究者である著者がスコップ片手に世界を飛び回り、土に残された多くの謎を掘り起こしていく。 土と生き物たちの歩みを追った5億年の、そして未来へ向けたドキュメンタリー。 文庫化にあたり著者書き下ろしのあとがきを収録。 - 著者プロフィール - 藤井 一至(ふじい・かずみち) 土の研究者。1981年富山県生まれ。 2009年京都大学農学研究科博士課程修了。京都大学博士研究員、 日本学術振興会特別研究員を経て、国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所主任研究員。 専門は土壌学、生態学。 インドネシア・タイの熱帯雨林からカナダ極北の永久凍土、さらに日本各地へとスコップ片手に飛び回り、土と地球の成り立ちや持続的な利用方法を研究している。 第1回日本生態学会奨励賞(鈴木賞)、第33回日本土壌肥料学会奨励賞、第15回日本農学進歩賞受賞。『土 地球最後のナゾ』(光文社新書)で河合隼雄賞受賞。
-
清少納言がみていた宇宙と、わたしたちのみている宇宙は同じなのか?: 新しい博物学への招待 | 池内 了
¥1,980
青土社 2024年 ソフトカバー 288ページ 四六判 - 内容紹介 - あらゆるものを等しい目線で素描する。 清少納言が『枕草子』で描いた「すばる」は現在のわたしたちが観測するものと同じみえ方をしていたのか? クレオパトラはなぜ真珠を飲めたのか? 古代中国のブランコはどのようにして動いていたのか? 科学者の目で古今東西の文章を渉猟する、サイエンス・エッセイ。 2001年に出版された『天文学と文学のあいだ』を最新の知見に合わせて改稿、書き下ろしの章も加え、新たにリリース!
-
数の辞典 | 澤宏司, 廣﨑遼太朗(イラスト)
¥1,980
SOLD OUT
雷鳥社 2024年 ハードカバー 336ページ 15.2 x 10.2 cm - 内容紹介 - いざ、目に見えない「数」の世界へ! 現代では「数」を見ない日はありません。朝起きたら時計を見て、昼食を買ったら支払金額を確認し、平均体重や平均年収の話題に一喜一憂し、暗証番号を入力してショッピングを楽しみ、「予測できない」スポーツの試合に胸を熱くします。 辞典シリーズ第12弾では、自然物から離れ、人間の営みともいえる「数」の世界に迫ります。0や1などの数字から、正負の数、三角関数、微分・積分、非ユークリッド幾何学、コンピュータ、現代の未解決問題に至るまで、私たちの生活をかげひなたに支える「数」にまつわる221項目を、小さな辞典にまとめました。 ・学校で習ったけど忘れてしまった数学用語-「平方根」「関数」「虚数」など ・考えれば考えるほど不思議な数の概念-「0」「無限」「次元」「パラドックス」など ・耳にしたことのある言葉-「ベクトル」「指数関数」「アルゴリズム」など ・知ると面白い数学の知識-「ヒルベルトのホテル」「モンティ・ホール問題」など 数学をまなぶ楽しみは、数学者だけでなく、私たち1人1人にあります。「サワ☆博士の数楽たいそう」を主宰する数々(かずかず)企画代表・澤宏司さんの面白く、ときに考えさせられる解説と、グラフィックデザイナー・廣﨑遼太朗さんのウィットに富んだ挿絵も見どころです。一読してわからない項目も、少しだけ背伸びをして新しい知識に触れてみると、時間を経て、ひらめく瞬間が訪れるかもしれません。気になった項目は、より専門的な数学本へと歩みを進めてみてください。 先史時代から現代へと大まかに数学史をたどる構成。数学史/数学者に関する豆知識、関連語の掲載、数学をさまざまな視点で眺める章末コラム4編も収録。 ★本書の324ページに登場するウサギのイラストは、あるルールに従ってページからページへとジャンプしていきます。ウサギのあとを追ってみると…? -- 「数とは何か」の整備、発展は今も続いている。木の実を数えるところから始まった数は、現代においてそこから大きく離れ、それゆえに応用の先が広がった。「1個のリンゴ」は目に見え、よって絵に描けるが、「1」そのものの絵は観たことがない。これが数のもつ役割と宿命である。(「はじめに」より) -- 目次 はじめに Chapter1 先史時代 Chapter2 古代 Chapter3 中近世・近代前期 Chapter4 近代後期 Chapter5 現代 あとがき 索引 Column #1 数学の苦手なこと #2 作図の意義 #3 数学の純粋と応用 #4 数学の成立時期と検索ヒット数 - 前書きなど - 数とはものやことの性質である。収穫した木の実を一族の皆に渡したい。足りるだろうか。あるいは、この先に渡らなければならないいくつもの川がある。約束の日までの昼と夜はあとこれだけ。間に合うか。木の実の数、仲間の数、川の数、残りの日数。賢い者がこれらのあいだの一致や過不足を見出した。目に見えるもの、見えないものと区別をせず、それらがもつ性質として認め、考え、伝えるための道具が「数」だ。 数とは、飛び飛びのきっちりしたものである。1個、2個、3個。リンゴと人の数が同じであれば1つずつ渡せる。ちょうど倍であれば2つずつ渡せる。このような数は今では「整数」と呼ばれる。では、5個を2人で分けてあまった1個をどうするか。ナイフで切って半分ずつ持っていけばよい。ある日、これも数と思えた者がいた。 こうして、数は比やわり算の商のこととなった。5個のリンゴを2人で分ける。100の距離に等間隔で8本の木を植える。5/2=2.5、100/(8+1)=11.111…。わり切れないこともあるけれど、どんな小数でも整数のわり算で表せるはず。だけどあれ? 正方形の対角線の長さは? 円の円周は? 比やわり算のみで表すことに限界を感じ、1辺が1の正方形の対角線は√2、直径が1の円の円周はπと、新しい表現をかたちにした者が数を発展させた。 √2もπも数。負の数、2乗して負になる数も認めよう。こうして数は発展し、その意味するところが広がった。1、2、 3、 …の整数をもとに、そこからなんでも作ることができる。それだけでなく、古代エジプトで円や三角形の性質をかたち作ったときのように、「数とは何か」が整理され、数はルール化された産物になった。 「数とは何か」の整備、発展は今も続いている。木の実を数えるところから始まった数は、現代においてそこから大きく離れ、それゆえに応用の先が広がった。「1個のリンゴ」は目に見え、よって絵に描けるが、「1」そのものの絵は観たことがない。これが数のもつ役割と宿命である。 * 本書の執筆では、2つのことに留意した。 1つは本書をお読みいただいた方が、数学を自分のこととして感じていただけるように心を砕いた。数学に数や方程式は必ずしも必要でなく、ふと気になったことに向き合ったときに数学は始まっている。知識や経験にかかわらず、私たち1人1人と数学のあいだに渡らなければならない川はない。 もう1つとして、本書が数学に親しむためのよいカタログになることを目指した。個人的な話で恐縮だが、私が小学校高学年のころ、3歳上の兄から借りた保健体育の副読本に載っている、スポーツ競技の紹介を読むのが好きだった。見開き2ページで1競技、野球やサッカーだけでなく、数あるマイナーなスポーツのルールや競技場の大きさ、技術や戦略の簡単な説明を読んではドキドキした。のちにそのうちの1つに挑戦することになったが、この本を手に取った方にとっても、本書が同じような機会になることを願っている。 本文は全221項目、あれがあるのにこれがない、その分野は多過ぎと、項目の選択にご異論があろうことは了解している。また一部の項目は数学の範疇にないものもある。これはひとえに私の興味やなじみ具合が影響しているとご了承いただきたい。 * いつかの未来、未知の宇宙人と交流することになったときのことを想像してみる。そのときにはきっと数が役に立つだろう。SF映画『コンタクト』(監督:ロバート・ゼメキス)では、数学が通信の役割を担う。役に立つだけではない。そこで私たちは宇宙人と私たちの「数」の違いを知るであろう。過去と現在、それぞれの時代の数学にずれがあるのと同じだ。数とは何か。便利に使い、時々の必要に応じて発展させたものが数である。ほかに代わりがなく、あまりに身近なそれを言い換えるとすれば、数とは、私たちの営みそのものである。 - 著者プロフィール - 澤宏司 (サワ コウジ) (著/文) 数々企画代表。博士(理学)。1994年早稲田大学理工学部数学科卒。2010年神戸大学大学院理学研究科地球科学惑星科学博士後期課程修了。同志社大学准教授を経て、2024年4月から現職。専門は数理科学、数理論理学。近年は論理と時間・空間の関係に関するモデルの研究に従事。簡単な計算を伴う全身運動プログラム「サワ☆博士の数楽たいそう」主宰。好きな映画監督はポール・バーホーベン。 廣﨑遼太朗 (ヒロサキ リョウタロウ) (イラスト) 1996年生まれ。名古屋出身のグラフィックデザイナー、イラストレーター。 名古屋市立大学芸術工学研究科を修了、その後都内グラフィックデザイン事務所を経て、現在はフリーランスとして活動中。
-
草の辞典 野の花・道の草 | 森乃おと, ささきみえこ(イラスト)
¥1,650
雷鳥社 2017年 ハードカバー 288ページ 15.2 x 10.2 x 2.6 cm - 内容紹介 - 野や散歩道でよく出会う、「あの」草花の名を知っていますか? 人気の「辞典シリーズ」第四弾! ! 「ハコベ」「ナズナ」「イヌフグリ」「ワレモコウ」……。 本書は、散歩道でよく見かける春夏秋冬の草花193種の美しい写真と、それぞれの花言葉を載せています。第二章では、草や花にまつわる言い回しや季語、名言などを集め、コラムでは「食事の時間」「お茶の時間」「癒しの時間」に分け、可愛いイラストとともに、〝スイバのスープ〟〝シロツメクサ茶〟〝ドクダミ化粧水〟など、野の草花を使った手づくりの料理やお茶、コスメなどのレシピを紹介します。第三章では薬草・毒草をまとめています。知れば知るほど、野の花や道の草が愛おしくなり、温かな気持ちとなれる一冊です。
-
海の辞典 | 中村 卓哉
¥1,650
雷鳥社 2012年 ハードカバー 288ページ 15.2 x 10.2 x 2.6 cm - 内容紹介 - 海にまつわる素敵な言葉を四季折々の美しい海の写真とともに綴る。 目次 1 海の色・音・風 2 波・潮の名前 3 海と海まわりの呼び名 4 海の季節・時間・場所 5 海のたとえ (心・人生 行動・状況・他) 6 海にまつわる大切なことば
-
眠っている間に体の中で何が起こっているのか | 西多 昌規
¥2,200
SOLD OUT
草思社 2024年 ハードカバー 320ページ 四六判 - 内容紹介 - 人生で眠っている時間は、決して無駄な時間ではありません! ちゃんと寝るだけで、なぜホルモンバランスが整い、 免疫力は上がり、脳が冴え、筋肉がつき、見た目も若返るのか。 本書は日本の睡眠研究の第一人者である著者が、脳をはじめ、 心臓や肺、胃腸、骨や筋肉、免疫、内分泌、泌尿器、皮膚などが、 睡眠中にどのような状態になっているのか、 また睡眠不足によってどのようなダメージを受けるのかについて、 世界中のさまざまな研究をひもときながら検証します。 心身の健康に役立つ重要な情報が満載です。 スタンフォード大学医学部教授・スタンフォード大学睡眠生体リズム研究所所長 西野精治氏 推薦 「睡眠は豊かな生活において最も重要で基本的な生理現象です。 睡眠の使命について明確に解き明かした書籍に初めて出会いました」 - 目次 - 第1章 睡 眠・生体リズムの基礎 睡眠段階 ノンレム睡眠とレム睡眠 睡眠はどこから生まれるのか? 睡眠中枢の話 覚醒を制御するオレキシン 覚醒と睡眠のコントローラー 朝の光を視交叉上核がキャッチして、交感神経を刺激する 眠りのホルモン? 謎の多いメラトニン 深部体温でわかる生体リズム 徹夜明けなのに眠りが浅いのはなぜ? 睡眠中に活動が低くなる交感神経、活発になる副交感神経 コラム 睡眠中の寝返りは少ないほうがいい? 第2章 眠っている間に内分泌系では何が起こっているのか 内分泌系にとって睡眠はなぜ重要なのか 内分泌系の基礎 ホルモンとは何か ホルモンの24時間リズムは多種多様 成長ホルモン 「寝る子は育つ」は正しい? コルチゾル 夜中に喘息発作が多いわけ 甲状腺ホルモン 寝不足でギラギラしてくるわけ 性ホルモン 不妊や月経前症候群は夜のホルモンが不安定になるため ブドウ糖代謝 睡眠中に血糖値は上がる? 食欲と睡眠 睡眠不足だと太りやすくなる ミネラル調節 寝不足は脱水になりやすい 第3章 眠っている間に免疫系では何が起こっているのか なぜ風邪をひくと眠くなるのか 免疫とは? 病原体から身を守る免疫、そして睡眠 睡眠不足だと風邪をひきやすくなるのは本当? 風邪や肺炎、膀胱炎 炎症反応って何? 急性炎症について 細胞間のSNS? サイトカイン 睡眠を生じさせるサイトカイン 風邪をひくと眠くなるが、睡眠は悪化する 睡眠不足によって機能低下するサイトカイン がんやうつ病も炎症から? 慢性炎症の怖さと睡眠不足 コラム 炎症と鎮痛薬、睡眠物質プロスタグランジン 第4章 眠っている間に消化器系では何が起こっているのか 寝る前に食べるとなぜ悪いのか 睡眠中の胃腸の動きと自律神経 朝にお腹が減るのはなぜ? 睡眠中は、胃に入った物が逆流しやすい 睡眠前半での胃の危機的状況 睡眠中も休まないはたらき者の小腸 大腸、肛門と睡眠 眠っている間に便が出ない精巧なメカニズム 睡眠中に胸焼けが起こる逆流性食道炎 睡眠時無呼吸症候群との意外な関係 過敏性腸症候群と睡眠障害との悪いサイクル 頑固な便秘「慢性便秘症」と睡眠 女性は寝すぎると便秘になりやすい 第5章 眠っている間に呼吸器系では何が起こっているのか 眠っている間の呼吸は不安定 眠っている間の呼吸筋の力は低下する 低酸素への反応も、睡眠中に鈍くなる 息苦しいと目覚めてしまうわけ 睡眠中はのどの空気の通り道がつぶれやすくなる 睡眠中は、肺での換気効率も悪くなる 睡眠時無呼吸症候群 頻度、症状、合併症 無呼吸はどうして人体に悪いのか① 交感神経系の過剰活動 無呼吸はどうして人体に悪いのか ② 低酸素状態 第6章 眠っている間に循環器系では何が起こっているのか 日本人の3分の1が高血圧 慢性的な睡眠不足では、血圧は上昇する ノンレム睡眠中に血圧が下がるメカニズム レム睡眠中に血圧が不安定になるわけ 睡眠中も血圧が下がらない危険なノン・ディッパーとは オレキシン 隠れた睡眠中の血圧ペースメーカー 第7章 眠っている間に脳神経系では何が起こっているのか 眠っている間の記憶の整理と忘却 ノンレム睡眠中に素早く、かつゆっくり「振動」する脳 ノンレム睡眠中に「洗浄」される脳 レム睡眠中に血流が増加する脳 レム睡眠で脳は大人でも成長する? 睡眠中に活動を停止するドーパミンやセロトニン 夢を見る脳 睡眠不足で老化する脳 第8章 眠っている間に筋骨格系では何が起こっているのか リカバリーとしての睡眠① 筋トレと睡眠 睡眠中に強化される筋肉 睡眠不足で壊れる筋肉 リカバリーとしての睡眠② 骨折と睡眠 睡眠で生まれ変わる骨 睡眠不足で壊れる骨 炎症は骨も筋肉も弱めてしまう 骨を強化する意外な立役者 レプチンと自律神経 第9章 眠っている間に泌尿器系では何が起こっているのか 睡眠中にトイレの回数が減る理由 子どもの夜尿症の原因は? 歳をとると困る夜間頻尿の3つの原因 睡眠不足で尿量が増える? 睡眠時無呼吸症候群と夜間頻尿の深い関係 妊娠中の夜間頻尿 がまんのし過ぎは、尿路感染症になりやすい 第10章 眠っている間に皮膚では何が起こっているのか 美肌には「ゴールデンタイム」だけで十分なのか 皮膚の構造とターンオーバー 成長ホルモンは皮膚のどこにはたらくのか たるみ、シワ、乾燥、シミ……睡眠不足による皮膚ダメージ 寝不足の皮膚の血流低下と目の下の「クマ」 皮膚の酸化ストレスと睡眠 朝起きたら顔がむくむ、寝相が悪いとシワが増える 寝不足による見た目の劣化で社会から孤立する - 著者プロフィール - 西多 昌規 (ニシダ マサキ) (著/文) 早稲田大学教授、早稲田大学睡眠研究所所長、精神科医。1970年石川県生まれ、東京医科歯科大学卒業。国立精神・神経医療研究センター病院、ハーバード大学客員研究員、自治医科大学講師、スタンフォード大学客員講師などを経て、早稲田大学スポーツ科学学術院・教授。日本精神神経学会精神科専門医、日本睡眠学会総合専門医、日本スポーツ協会公認スポーツドクターなど。専門は睡眠医学、精神医学、身体運動とメンタルヘルス、アスリートのメンタルケア。著書に『自分の「異常性」に気づかない人たち』(草思社)、『休む技術』(大和書房)ほか多数。
-
人工知能のうしろから世界をのぞいてみる | 三宅 陽一郎
¥2,640
青土社 2024年 ソフトカバー 320ページ 四六判 - 内容紹介 - AIと人間のはざまから 人間のような時間と空間の使い方を参考に組み立てられる人工知能。人間に限りなく近く…と設計されるかれらには世界がどのように見えるのだろうか。喜びや悲しみなどの感情はあるのだろうか。どのように私たちに影響を与え、与えられ、拡張されているのか。人工知能、そして人工知能と共に生きる人間の主観世界のデザインを考えるために――
-
地球は生きている 地震と火山の科学 | 巽 好幸
¥1,166
KADOKAWA 2024年 ソフトカバー 240ページ 文庫判 - 内容紹介 - 46億年前の誕生以来、絶えず動き続けている地球。地震や火山の活動は、地球が私たちと同じく「生きている」ことの現れなのです。中心が5000℃を越える高温であるにもかかわらず、地表は生き物が暮らせる気温に保たれているのは、地球の内部で常に対流現象が起こっているおかげ。地球史上に発生した大事件や内部構造、日本列島に多発する地震と噴火のしくみをマグマ学者がやさしく図解。地球の未来を見つめるための科学講義。 - 目次 - プロローグ 第1章 現在の地球の姿 第2章 地球を襲った大事件 第3章 現在の日本列島の姿 第4章 日本列島に起こった大事件 第5章 地震の話 第6章 火山の話 第7章 リサイクルする地球 エピローグ - 著者プロフィール - 巽 好幸 (タツミ ヨシユキ) (著/文) 1954年生まれ。マグマ学者。東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。京都大学教授、東京大学教授などを経て、現在、海洋研究開発機構(JAMSTEC)地球内部ダイナミクス領域プログラムディレクター。2003年日本地質学会賞、2011年日本火山学会賞を受賞。著書に『地球の中心で何が起こっているのか』(幻冬舎新書)、『地震と噴火は必ず起こる』(新潮選書)、『「美食地質学」入門』(光文社新書)など。
-
「絶滅の時代」に抗って 愛しき野獣の守り手たち | ミシェル・ナイハウス(原著), 的場知之(翻訳)
¥4,180
みすず書房 2024年 ハードカバー 368ページ 四六判 - 内容紹介 - 野生動物をどうまなざすか考えることは、わたしたちがどう振る舞うかを考えること。価値ある資源か、御しがたい厄介者か、はたまた守るべき隣人か。異なる価値観に翻弄されつつも、愛しき野獣を守ろうとした者たちの奮闘の歴史が、本書の主題である。 これは、常識変遷のストーリーでもある。ほんの250年前、進化理論は影も形もなく、絶滅の概念さえおぼろげだった。ほんの100年前は、野生動物保護は狩猟のために行うのであって、オオカミやタカなどの捕食動物は駆除すべき害獣だった。そして、世界初の絶滅危惧種保護法が米国で成立したのが約60年前。それ以来、国際的な保護の機運が広がり、いまや「豊かな生物多様性の価値」は常識となりつつある。 このような変化は、科学の発展によるところも大きい。だが、思想を深めた者、法に訴えた者、政治に働きかけた者、そして市民に広くよびかけた者なしには、決してありえなかったはずだ。レイチェル・カーソンやジュリアン・ハクスリー、アルド・レオポルドやウィリアム・ホーナデイなど、挫折や対立をものともせず「行動した者」たちが、今の常識を作ってきた。 自然保護活動には、解決を待つ難題が山積みであり、昔も今も近道はない。先人たちや、今まさに現場にいる人々の奮闘を記した本書が羅針盤となり、これからも続く生物多様性保全の進展を導くだろう。 - 目次 - 序章 イソップのツバメ 第1章 動物を名づけた植物学者 第2章 剥製師とバイソン 第3章 猛女(ヘルキャット)とタカ 第4章 森林管理官と緑の炎 第5章 教授と不死の妙薬 第6章 ワシとツル 第7章 象牙の塔を出た科学者 第8章 サイとコモンズ 第9章 多数を救う少数 終章 ホモ・アンフィビウス 謝辞 人名索引/事項索引/生物名索引/図版出典 - 著者プロフィール - ミシェル・ナイハウス (ミシェルナイハウス) (原著) (Michelle Nijhuis) 1974年生まれ。アメリカの科学ジャーナリスト。専門は保全生物学と気候変動。長年寄稿している『ハイ・カントリー・ニュース』誌ではシリーズConservation Beyond Boundaries(国境を越えた保全)の編集長を務める。また、『アトランティック』誌ではプロジェクト編集者として、Planetのコーナーと、シリーズLife Up Closeのディレクションを担った(2017-2023)。ジャーナリストとしての業績で、AAASカヴリ科学ジャーナリスト賞を二度受賞している(2006、2012)。共編書にThe Science Writers’ Handbook: Everything You Need to Know to Pitch, Publish and Prosper in the Digital Age(2013)、著書にThe Science Writers’ Essay Handbook: How to Craft Compelling True Stories in Any Medium(2016)がある。 的場知之 (マトバトモユキ) (翻訳) (まとば・ともゆき) 翻訳家。東京大学教養学部卒業。同大学院総合文化研究科修士課程修了、同博士課程中退。訳書に、ロソス『生命の歴史は繰り返すのか?――進化の偶然と必然のナゾに実験で挑む』、ピルチャー『Life Changing――ヒトが生命進化を加速する』(以上、化学同人)、クォメン『生命の〈系統樹〉はからみあう――ゲノムに刻まれたまったく新しい進化史』、ウィリンガム『動物のペニスから学ぶ人生の教訓』(以上、作品社)、ルーベンスタイン『オールコック・ルーベンスタイン 動物行動学 原書11版』(共訳、丸善出版)、王・蘇(編)『進化心理学を学びたいあなたへ――パイオニアからのメッセージ』(共監訳、東京大学出版会)、マカロー『親切の人類史――ヒトはいかにして利他の心を獲得したか』(みすず書房)、マイバーグ『空飛ぶ悪魔に魅せられて――謎の猛禽フォークランドカラカラをめぐる旅』(青土社)など。
-
身体がますます分からなくなる | 小鷹 研理
¥1,980
大和書房 2024年 ソフトカバー 272ページ 四六判 縦188mm 横130mm 厚さ165mm - 内容紹介 - 「からだの錯覚」の研究者が、からだの不確かさや思い通りにいかなさに考えを巡らせる科学人文エッセイ! 知的好奇心を揺さぶる数々のからだの錯覚実験を紹介しつつ、「からだとは何か、脳とは何か」という人文的考察を深めていく。 知らなかった、意識していなかった「自分のからだ」のおもしろさが次々と襲いかかりるエキサイティングな研究と考察。「一冊読めばからだのことがよくわかる」と思っていたら、「なんだかますます分からなくなってきた」という不思議な読後感を味わえます。 - 目次 - ▼第1章 どうしても思い出せない左手のこと 両腕を奪われたディフェンダー 髭にまとわりつくこの左手について 闇に葬られたエイリアンの行動記録 右の頬を打たれたら左の頬を差し出さずにはいられない 外向的な右手と内向的な左手 顔触を奪われることで奪われるもの ▼第2章 誕生日が1日ズレた自分を想像する 奇数が好きですか、偶数が好きですか ブーバとキキの運動学 偶数と奇数を踏みつけてみたならば ブーバ世界のカフェで賑わう4人の女性たち 自己愛をあたりかまわず転写するバースデーナンバー 誕生日をずらすことによるきもちわるさ 奇数が好きになる誕生日、偶数が好きになる誕生日 数字から豊潤な連想世界が広がる女性たち 歴史上、ただの一度しか許されない実験 ▼第3章 20秒間でシャッターを1回だけ押す 生きているものたちのリズム、しなやかなメトロノーム 初めての実験、窮屈に押し込められたシャッターの音塊 好きにボタンを押してください、とはいうけれど 集団を使って緊張を突破しようとする者たち 授業の外に飛び出した集団フリーシャッター実験 集団心理は本当にシャッターチャンスを高めているのか? 自由意志はキリのよい時間に現れる 今日、私は◯◯くんに告白をする ▼第4章 半地下のラバーファミリー錯覚 (第0節 序) 現実と虚構を同一の地平で編み直す (第1節 建築物が「家」になるまで) 身体に宿る家族的なハーモニー (第2節 接合型パラサイトの諸相) 自分と他人の入り混じったもの 出来事の同期体験が「家族」をつくりだす 「におい」という宇宙 他人として出会い直される自分 (第3節 交換型パラサイトの諸相) 身体を収納する「一つ」の容器の潔癖 切断されたラバーファミリー錯覚の憂鬱 (第4節 不可視型パラサイト、そして約束された悲劇へ) ▼終章 ―――会ったことのない同居人(半自己特論) 神経の通っていない自分、としての他人 物語を持たない人間の倫理 未開の皮膚、未開の骨、頻発する「ビッグバン」 デッドライン あとがき - 著者プロフィール - 小鷹研理 (コダカケンリ) (著/文) 名古屋市立大学芸術工学研究科准教授。工学博士。2003年京都大学総合人間学部卒業。京都大学大学院情報学研究科、IAMAS、早稲田大学WABOT-HOUSE研究所を経て、2012年より現職。野島久雄賞(認知科学会)、Best XR Content Award(ACM Siggraph Asia)、世界錯覚コンテスト入賞(2019-2021)など多数受賞。著書『からだの錯覚』(講談社ブルーバックス)
-
ペンギンは歴史にもクチバシをはさむ 増補新版 | 上田 一生
¥3,520
青土社 2024年 ハードカバー 320ページ 四六判 - 内容紹介 - 貴重な図版満載の異色の文化史 氷原の上をよちよち歩くタキシード姿、好奇心いっぱいの「かわいい」やつ。大航海時代から「未知の大陸」のシンボルとしてさまざまな場面で大活躍してきたペンギンには、その一方で食料、燃料などとして利用されてきた受難の歴史もある。現代ではそのたくましさでも脚光を浴びつつあるペンギンから見た、貴重な図版満載の異色の文化史。
-
木のみかた 街を歩こう、森へ行こう | 三浦 豊
¥1,100
ミシマ社 2017年 コーヒーと一冊 ソフトカバー 96ページ 四六判 縦18mm 横13mm 厚さ2mm - 内容紹介 - 街のなかにも「森」がいっぱい! 全国3000箇所以上もの森を歩き続ける「森の案内人」の目を通せば、 街なかの道路、路地に自然があふれているのがわかります。 いまの日本の森の現状や、榎や神樹などこれだけは知っておきたい「木」の見つけ方をお届け。 この本を持って、思わず外へ飛び出したくなる! 街のなかで森を見つける方法、教えます。 ○森の案内人がおすすめする 日本全国の「この木、あの森」付き - 著者プロフィール - 三浦豊 (ミウラユタカ) (著/文) 1977年京都市生まれ。森の案内人、庭師。 日本大学で建築を学んだ後、 庭師になるために京都へ帰郷。2年間の修行を経て、日本中を巡る長い旅に出た。 2010年より「森の案内人」として活動をはじめる。
-
深海の楽園 日本列島を海からさぐる | 藤岡 換太郎
¥1,100
筑摩書房 2024年 ちくま文庫 ソフトカバー 304ページ 文庫判 - 内容紹介 - 深海に潜ってみれば、地球の変動を引き起こす謎の正体が見えてくる! わかりやすい解説で定評のある地球科学者が、深海底の冒険に読者をご招待。 潜ってみたら驚いた! 地球と生命の歴史を読み解く冒険に読者をご招待 地震や火山など災害の大国・日本。その謎を解く鍵は深海に隠されている! 日本列島の周囲には、4枚のプレート、4つの海流、4つの気団がせめぎあい、地球内部へ沈みこむ4つの海溝がある。深海底に潜れば、地震や火山噴火など、地球の変動を引き起こす現場に接近でき、その現場を直撃できる──。解説のわかりやすさに定評のある地球科学者が、列島の成り立ちを解き明かす深海の冒険に読者をご招待。 - 目次 - 序 章 地球の見方――潜水調査船科学への招待 第一章 地球科学の基礎知識――動かざること大地の如し 第二章 深海から見た東日本列島――古いプレートの沈み込むところ 第三章 深海から見た西日本列島――若いプレートが沈み込むところ 第四章 海の後ろに海がある――日本海の背弧海盆に潜る 第五章 日本列島周辺のプレートの境界 - 著者プロフィール - 藤岡 換太郎 (フジオカ カンタロウ) (本文) 1946年京都市生まれ。東京大学理学系大学院修士課程修了。理学博士。専門は地球科学。東京大学海洋研究所助手、海洋科学技術センター深海研究部研究主幹、グローバルオーシャンディベロップメント観測研究部部長、海洋研究開発機構特任上席研究員を歴任。現在は静岡大学客員教授。「しんかい6500」に51回乗船。太平洋、大西洋、インド洋の三大洋人類初潜航を達成。海底地形名に関して海上保安庁長官表彰を受ける。主な著書に『フォッサマグナ』『三つの石で地球がわかる』『海はどうしてできたのか』『見えない絶景』(いずれも講談社ブルーバックス)『深海底の地球科学』(朝倉書店)などがある。
-
ときを感じる お宿図鑑 スケッチで巡るレトロ建築ガイド | ときやど 吉宮 晴紀
¥2,200
学芸出版社 2024年 ソフトカバー 192ページ 四六判 - 内容紹介 - 建築を学ぶ傍ら古い宿の魅力に取り憑かれ、日本全国100軒以上を描きながら巡ってきた著者がおくるレトロ宿ガイド。東北から九州・沖縄まで、選りすぐりの35事例を掲載し、その見所を建物のスケッチと豪華な写真で徹底解剖。宿の紹介サイト「ときやど」とも連携し、頁のQRコードから詳細情報を確認できる! 目次 まえがき 本書に登場する宿MAP 本書の見方 ■東北 (山形県)赤倉温泉 湯澤屋|まるで竜宮城!? 温泉街を一望できる珍しい意匠の宿 (山形県)滑川温泉 福島屋|江戸時代の素朴な建物で秘湯を楽しむ温泉宿 (福島県)会津東山温泉 向瀧|地形を活かした庭と建物すべてが見事 column1 宿の建物用語を学ぶ ■関東 (茨城県)平潟港温泉 砥上屋旅館|漁業が栄えた明治時代の雰囲気をよく残した旅館 (栃木県)北温泉 北温泉旅館|日本の湯治文化を堪能できる秘湯の一軒宿 (栃木県)三斗小屋温泉 煙草屋旅館|電気も水道も電波もきていないが絶景野天風呂が魅力的な山小屋 (栃木県)塩の湯温泉 明賀屋本館|山あいのモダニズム温泉旅館建築 (栃木県)日光金谷ホテル|日本で最も長い歴史のあるリゾートホテル (群馬県)四万温泉 積善館|昭和初期の姿をとどめる貴重な浴場は必見 (埼玉県)町田屋旅館|ほぼ明治期のまま、地方の町中らしいコンパクトな旅館建築 (東京都)東京ステーションホテル|東京駅と共に歴史を刻む、レンガ造のホテル (東京都)学士会館|戦前の雰囲気を残す元会員倶楽部施設 (東京都)旅館西郊|下宿から旅館、洋風から和風へ。様々な面影を残す宿 (神奈川県)ホテルニューグランド|昭和初期そのままのロビーはまるで別世界 (神奈川県)塔ノ沢温泉 元湯環翠楼|史上最高の旅館建築 (神奈川県)塔ノ沢温泉 福住楼|すべての部屋で意匠が異なり遊び心あふれる宿 (神奈川県)箱根湯本温泉 萬翠楼福住|泊まれる重要文化財。明治初期の擬洋風建築 (神奈川県)宮ノ下温泉 富士屋ホテル|まるでホテルの博物館。様々な時代のホテル建築を体験できる Column2 宿の変遷を辿る ■中部 (山梨県)下部温泉 湯元ホテル|昭和初期のホテルらしさが残るほぼ旅館の宿 (山梨県)北の勢堂|現役の囲炉裏と共に過ごす甲州兜造の古民家宿 (長野県)井出野屋旅館|『犬神家の一族』でお馴染み。堅牢な建築により100年以上愛された宿 (静岡県)修善寺温泉 新井旅館|水を活かした美しい旅館建築 (静岡県)八百甚|昭和初期のまま目抜き通りに建つ街道旅館 (愛知県)玉田屋旅館|江戸時代から街道を見守ってきた旅籠宿 Column3 宿の照明に注目してみる ■近畿・中国・四国 (京都府)ゲストハウス糸屋|オーナーのセンスが光る京町屋ゲストハウス (京都府)橋本の香|遊郭の面影を色濃く残す宿 (奈良県)奈良ホテル|古都奈良に馴染む明治の和モダン建築 (広島県)いんのしまペンション白滝山荘|宣教師の家として建てられた泊まれるヴォーリズ建築 (香川県)いしや旅館|短冊敷地をうまく利用した街道旅館 (高知県)岬観光ホテル|室戸岬に佇む和洋折衷の別荘建築 Column4 宿泊の作法を心得る ■九州 (長崎県)雲仙温泉 雲仙観光ホテル|外は山小屋、中は豪華客船!? スイス風クラシックホテル (大分県)たけた駅前ホステルcue|城下町でお洒落に営む古民家ゲストハウス (熊本県)球磨川温泉 鶴之湯旅館|球磨川のほとりに佇む木造三階建ての秘境宿 (熊本県)人吉温泉 芳野旅館|住居から料亭、そして旅館に。代々受け継がれるレトロ建築 (鹿児島県)伝泊 高倉のある宿|奄美の島暮らしを体感できる古民家宿 Column5 まだまだある!全国のレトロ宿 (岩手県)大沢温泉 湯治屋/(秋田県)乳頭温泉 黒湯温泉/(山形県)瀬見温泉 喜至楼/(千葉県)大屋旅館/(神奈川県)ホテルニューカマクラ/(神奈川県)小涌谷温泉 三河屋旅館/(山梨県)江戸屋旅館/(長野県)田沢温泉 ますや旅館/(長野県)万平ホテル/(長野県)別所温泉 旅館花屋/(長野県)渋温泉 歴史の宿 金具屋/(岐阜県)下呂温泉 湯之島館/(愛知県)蒲郡クラシックホテル/(京都府)白河院/(大阪府)天見温泉 南天苑/(熊本県)日奈久温泉 金波楼 本書に登場する宿年表 あとがき - 著者プロフィール - ときやど 吉宮 晴紀 (ヨシミヤ ハルキ) (著/文) 千葉大学で建築を学ぶ大学院生。幼少期から家族旅行で各地を旅行し、様々な宿に宿泊してきた。 小学生時代の高速道路のジャンクションの鳥観図に始まり、間取り図やパースなど立体的な絵を描き続けている。大学生になってから文化財の旅館の面白さに惹かれて情報サイトを開設し、併せて小学生のころ読んだ妹尾河童氏の『河童が覗いたヨーロッパ』を思い出しながら独自の断面パースで旅館の建物を記録してまわるようになった。 Webサイト「時を感じる宿に泊まろう~ときやど」主催者、X(旧Twitter)「建築学生の呟き」運営者。
-
人類を熱狂させた鳥たち 食欲・収集欲・探究欲の1万2000年 | ティム・バークヘッド, 黒沢令子(翻訳)
¥3,520
築地書館 2023年 ハードカバー 392ページ 四六判 - 内容紹介 - 人類の歴史が始まって以来、 私たちの信仰、科学、芸術、資源の源として存在し続けている鳥類。 精神と生命を支えてきたその生物を、 人はどのように捉え、利用し、そして保護しようとしているのか。 新石器時代の壁画に描かれた208羽の鳥から紀元前の哲学者が「予言者」として扱った鳥、 鷹狩りの歴史、ダ・ヴィンチが興味を引かれたキツツキの舌、 鳥が部位ごとに持つとされた薬効、一夫一妻制の真相、 海鳥の利用と個体数減少、長距離を移動する渡り鳥の研究など、 1万年以上にわたる人間と鳥の関わりを、イギリスを代表する鳥類学者が語り尽くす。 [書評] ティム・バークヘッドは著名な鳥類学者で、優れた科学コミュニケーターでもある。 本書は、1万2000年にわたる鳥類との関わりを、鳥と私たちの視点から描いている。 鳥や鳥好きな人との個人的な出会いを、 巧妙な科学的厳密さを交えて意欲的な歴史研究を通じて、楽しげに語ってくれる。 ――ティム・ディー(作家・ナチュラリスト・BBCラジオプロデューサー) 鳥と人との密接で時として驚くべき関係について一流の鳥類学者がしたためた魅力的な物語である。 ――スティーブン・モス(作家・ナチュラリスト) 古代の時代からの鳥と人の関係を探るこの本は、衝撃的で、刺激と不思議に満ちている。 鳥と暮らす今日の私たちに痛烈な挑戦を投げかけてくれる。 ――イザベラ・トゥリー(『英国貴族、領地を野生に戻す』の著者) 複雑な科学を魅力的で生き生きとしたスタイルで説明する著者の才能は高い評価を得ている。 ――BBC Wildlife - 目次 - 序文 第1章 新石器時代の鳥 鳥類学のゆりかごv 動物壁画の考察 第2章 古代エジプトの鳥 大量のトキのミイラの意味 墓壁に描かれた鳥 古代エジプトで見られた鳥 鳥のミイラの役割 第3章 古代ギリシャ・ローマにおける科学の黎明 生まれる子どもは誰の子か? アリストテレスの方法 自然誌家プリニウス 古代ローマ人の珍味好き 鳥を通して見る世界 第4章 男らしさの追求──鷹狩り バイユー・タペストリー 鷹狩りとステータス 装飾写本と鳥 フリードリヒの『鷹狩りの書』 アリストテレスの復活 鷹狩りに対する逆風 動物に対する敬意 第5章 ルネサンスの思想 キツツキの驚異の舌 解剖学的研究の発展 オオハシの真実を求めて 「有害鳥獣」の指定と駆除 鳥の薬効 第6章 科学の新世界 ターナーの鳥の絵 新しい科学の手法──観察と分類 ドードーの真の姿 魅惑の新大陸 ケツァールの輝き 先住民の鳥利用 ステータスとしての羽 植民地化による知識の搾取 自然科学と宗教のはざまで 第7章 海鳥を食べる暮らし 海鳥の楽園フェロー諸島 フェロー島民による鳥猟 ウミガラスの卵の味 銃がもたらした悲劇 フルマカモメを食べる 人語を真似るワタリガラス セント・キルダ群島の場合 生きるための殺生 第8章 ダーウィンと鳥類学 セルボーンの博物誌とダーウィン 博物誌の読者たち 鳥を飼う利点──鳥の生態と人の思惑 神と自然選択 反ダーウィン論 カッコウという存在の矛盾 ラファエル前派と進化論 ジョン・グールドのハチドリ愛 第9章 殺戮の時代 裕福な青年鳥類コレクター 剥製ブームの到来 世界の大物コレクター 殺生とその正当化 収集活動と絶滅 コレクターの悲哀 収集欲と問われるモラル 博物館の存在意義 収集欲の果てに 第10章 バードウォッチング──生きた鳥を見る 観察して推論する バードウォッチングの発展と標識調査 アマチュア鳥類学者の誕生 鳥好きの分類 鳥類学に向く人とは 鳥を記録する喜び 鳥を追跡する技術 第11章 鳥類研究ブーム──行動、進化と生態学 ある鳥好き夫婦の功績 ドイツの鳥類研究 ティンバーゲンによる動物研究の4つの指標 自然選択が働くのは個か種か 行動生態学の躍進 鳥類学と「利己的な遺伝子」 カササギの配偶者防衛 鳥類理解の深まり 第12章 人類による大量絶滅 消費の末の絶滅 海鳥保護のいきさつ ファッションと羽 鳥類保護の第一歩 ウミガラスと私 ウミガラス研究の魅力 気候変動から受ける影響 長期研究の意義 エピローグ 新時代への転換点 自然への共感 心のときめきと科学 謝辞 訳者あとがき 図版クレジット 参考文献 原註 索引 - 著者プロフィール - ティム・バークヘッド (ティムバークヘッド) (著/文) 世界的に著名な英国の鳥類学者。数々の受賞歴がある。 ロイヤル・ソサエティのメンバーで、シェフィールド大学の動物学名誉教授。 著書に『鳥の卵』(白揚社)、『鳥たちの驚異的な感覚世界』(河出書房新社)などがある。 黒沢令子 (クロサワレイコ) (翻訳) 専門は英語と鳥類生態学。地球環境学博士(北海道大学)。 バードリサーチ研究員の傍ら、翻訳に携わる。 訳書に『フィンチの嘴』(共訳、早川書房)、『鳥の卵』『美の進化』(以上、白揚社)、 『日本人はどのように自然と関わってきたのか』(築地書館)、 『時間軸で探る日本の鳥』(共編著、築地書館)などがある。
-
ウォード博士の驚異の「動物行動学入門」 動物のひみつ 争い・裏切り・協力・繁栄の謎を追う | アシュリー・ウォード, 夏目 大(翻訳)
¥2,200
ダイヤモンド社 2024年 ソフトカバー 736ページ 四六判 - 内容紹介 - 生き物たちは、驚くほど人間に似ている。 ネズミは冷たい雨に濡れた仲間を助けるためにわざわざ出かけるし、アリは女王のためには自爆だっていとわない。カケスは雛を育てるために集団で保育園を運営しているし、ゾウは亡くなった家族のために葬儀を行う。 あまりよくない面でいえば、バッタは何百万匹の集団になり危機的な飢餓状況になると飢えた群れが仲間に襲いかかるし、動物園の器具を壊したゴリラは怒られるのが嫌で犯人は同居している猫だと(手話で)指し示す・・・といったように、どこか私たちの姿をみているようだ。 過酷な自然界において野生動物たちは生き残りをかけて日夜闘いを繰り広げている。しかし、それだけではない。野生動物たちは仲間と助け合って種をつないできた。 本書は、シドニー大学の「動物行動学」の教授であり、アフリカから南極まで世界中を旅する著者が、好奇心旺盛な視点とユーモアで、動物たちのさまざまな生態とその背景にある「社会性」に迫りながら、彼らの知られざる行動の数々、自然の偉大な驚異の数々を紹介する。 人間もまた社会性動物であり、生き物たちは、驚くほど私たちに似ている。 動物への古い固定観念を取り払い、ダーウィンの進化論を陳腐化し、「弱肉強食の自然界」という固定観念を打ち破る! 読むと、あなたの「世界観」が変わる、最高に知的刺激のある書。 - 目次 - プロローグ 1章:サバクトビバッタと共喰い 2章:シロアリはコロニーを守るために自爆する 3章:スズメウオが決断するとき 4章:渡り鳥は「群衆の叡智」で空を飛ぶ 5章:ネズミ、都市の嫌われ者が私たちに生き方を教えてくれる 6章:家族の死を悼むゾウ 7章:ライオン、オオカミ、ハイエナが生き延びるための策 8章:クジラ、イルカ、シャチ、最も謎めいた動物 9章:類人猿の戦争と平和 エピローグ 謝辞 訳者あとがき - 著者プロフィール - アシュリー・ウォード (アシュリーウォード) (著/文) 英国ヨークシャー出身。シドニー大学の動物行動学の教授。ナンキョクオキアミから人類を含む哺乳類まで、動物行動の研究を積み重ねてきた。科学雑誌に100以上の論文を発表し、多くの学術書に引用されている。子供の頃から動物に夢中なり、で、川で釣りをしたり、丸太の下を覗いたりしていました。渓流で化石を探したり、丸太の下を覗いたりして過ごす。本書の元にもなったオーディブルオリジナル『THE SOCIAL LIVES OF ANIMALS』は、英国での宣伝が全くなかったにもかかわらず、2週間にわたってAudibleのチャートでトップを記録している。 夏目大 【訳】 (なつめ・だい)。1966年、大阪府生まれ。同志社大学文学部卒業。翻訳家。訳書にゴドフリー・スミス『タコの心身問題』(みすず書房)、ジューディア・パール『因果推論の科学』(文藝春秋)など多数。
-
はてしなき現代住居 1989年以後 | 布野 修司
¥3,300
フォルムアート社 2024年 ソフトカバー 256ページ A5判 352ページ - 内容紹介 - 私たちはどこに棲むのか? 「失われた30年」の日本でさまざまに取り組まれてきた住まいをめぐる試行──この間の住宅を、建築家の作品という表現の問題、家族のかたちや生産技術、災害など社会や環境との関係の両面から捉える決定版。混迷の時代の住宅像から、これからの住まいのあり方を考える。 戦後の住宅供給や居住環境の向上、建築家による生の表現としての家といった住宅を取り巻く課題が一段落した後の「平成」の30年間は、「住宅とはそもそも何か」という自問自答に対し批評性のある回答がさまざまに生み出されたいっぽうで、バブル崩壊に始まり震災をはじめとする天災、伝統的家族像の崩壊、着工数の減少、空き家の増加など、住宅をめぐる困難につぎつぎと直面し、またリノベーションやシェアが市民権を得るなどの変化もあった。本書では住宅をめぐる30年の苦闘の末に、新たな住まいの思想を見出すことを試みる。誰しもの生活に不可欠な「住む」という営みについて、多角的に考えるヒントに満ちた一冊。 1989–2019年の住居50選をカラー掲載するほか、注目の建築家、研究者による論考を多数収録。 - 目次 - はじめに はてしなき現代住居 布野修司 Ⅰ 総論 失われた終の棲家──私たちはどこに棲むのか? 布野修司 Ⅱ 1989–2019の住居50選 熊本県営保田窪第一団地(山本理顕)/ネクサスワールド(磯崎新監修、レム・コールハース+スティーブン・ホール+石山修武+マーク・マック+クリスチャン・ド・ポルザンパルク+オスカー・トゥスケ)/コモンシティ星田(坂本一成)/相模原の住宅(野沢正光)/NEXT21(大阪ガスNEXT21建設委員会)/H(青木淳)/箱の家(難波和彦+界工作舎)/沢田マンション(沢田嘉農)/紙のログハウス(坂茂)/住まいとしてのネットカフェ/「ゼンカイ」ハウス(宮本佳明)/ニラハウス(藤森照信)/大田のハウス(西沢大良)/岐阜県営住宅ハイタウン北方(磯崎新監修、高橋晶子+クリスティン・ホーリー+エリザベス・ディラー+妹島和世)/屋根の家(手塚建築研究所)/アパートメント鶉(泉幸甫)/梅林の家(妹島和世)/東雲キャナルコートCODAN(山本理顕ほか)/森山邸(西沢立衛)/ヨコハマホステルヴィレッジ(岡部友彦)/三鷹天命反転住宅 イン メモリー オブ ヘレン・ケラー(荒川修作+マドリン・ギンズ)/ハウス&アトリエ・ワン(アトリエ・ワン)/T house(藤本壮介)/蟻鱒鳶ル(岡啓輔)/2004(中山英之)/IRONHOUSE(椎名英三+梅沢良三)/Sayama Flat(長坂常)/ヨコハマアパートメント(オンデザイン)/HandiHouse projectとつくる家(HandiHouse project)/陸前高田市小友町獺沢第2仮設団地(住田住宅産業+菅原大輔+原田勝之)/みんなの家(伊東豊雄ほか)/経堂の住宅(長谷川豪)/渥美の床(403architecture [dajiba])/頭町の住宅(魚谷繁礼)/駒沢公園の家(miCo.)/観月橋団地再生計画(オープン・エー)/モクチンレシピ(モクチン企画)/御所西の町家(森田一弥)/LT城西(成瀬・猪熊建築設計事務所)/「スマートパワーステーション」シリーズ(セキスイハイム)/躯体の窓(増田信吾+大坪克亘)/食堂付きアパート(仲俊治)/井上邸(井山武司)/発泡スチロールの家(村上慧)/宙地の間(渡辺菊眞)/ホシノタニ団地(ブルースタジオ)/牛久のおやこ屋根(ツバメアーキテクツ)/Tree-ness House(平田晃久)/庭路地の家(アルファヴィル)/ハートフルタウン三鷹(飯田産業) Ⅲ 現代住居論考 ◇1 集住 Habitation──家族と社会 集まって住むかたち──自治獲得の場として 仲俊治 マイホームの空き家化──マイホーム主義と住宅選択のゆくえ 山本理奈 ストックとリノベーション──住宅のライフサイクル 魚谷繁礼 災害と仮住まい──定住と移住 牧紀男 外国人居住と異文化共生 露木尚文 貧困の住まい 渡邊詞男 映画にみる家族崩壊/成立のかたち 種田元晴 ◇2 テクノロジー Technology──供給と生産 公共住宅の建設・動向・理念の変遷 山岸輝樹 木造住宅の変貌──性能の果てに 権藤智之 エコハウスの登場とその展開──ゼロカーボン時代へ 松元良枝 コーポラティブハウスの展開 織山和久 ファブリケーションの民主化 秋吉浩気 建築家とハウスメーカーの応答関係にみる商品化住宅 山道拓人 ◇3 建築家 Architect──作品と表現 それでも私たちは「作品」を鉤括弧でくくる──伊東豊雄の「みんなの家」から考える 市川紘司 住宅とその周辺について──「接ぎ木」建築へ 橋本健史 動き出す住宅──部分・流転・ネットワーク 辻琢磨 家の「個性」について──これからの表現論ノート 佐藤研吾 年表 日本の住居1989– コモンズのかたち 布野修司 索引 - 著者プロフィール - 布野修司 (フノシュウジ) (著/文 | 編集) 日本建築学会名誉会員。1949年松江(島根県)生まれ。工学博士(東京大学)。建築計画学専攻。東京大学工学部建築学科卒業。東京大学助手、東洋大学助教授、京都大学助教授、滋賀県立大学教授・副学長を経て日本大学特任教授。日本建築学会副会長、『建築雑誌』編集委員長、建築計画委員会委員長など歴任。「インドネシアにおける居住環境の変容とその整備手法に関する研究」で日本建築学会賞(1991年)、『近代世界システムと植民都市』で日本都市計画学会賞論文賞(2006年)、『韓国近代都市景観の形成』『グリッド都市──スペイン植民都市の起源、形成、変容、転生』で日本建築学会著作賞(2015年)。主要著書に、『戦後建築論ノ-ト』『スラムとウサギ小屋』『住宅戦争』『裸の建築家──タウンア-キテクト論序説』『建築少年たちの夢』『進撃の建築家たち──新たな建築家像をめざして』など。
-
庭のかたちが生まれるとき 庭園の詩学と庭師の知恵 | 山内 朋樹
¥2,860
フォルムアート社 2023年 ソフトカバー 四六判 - 内容紹介 - 徹底的に庭を見よ! 作庭現場のフィールドワークから、庭の造形を考え、庭師の生態を観察し、庭のなりたちを記述していく、新感覚の庭園論がここに誕生! 庭師であり美学者でもあるというユニークなバックグラウンドを持つ注目の研究者・山内朋樹の待望の初単著。 庭を見るとき、わたしたちはなにを見ているのか? 庭をつくるとき、庭師たちはなにをしているのか? そもそも、庭のかたちはなぜこうなっているのか? 本書は庭師であり美学研究者でもある山内朋樹が、 京都福知山の観音寺を訪ね、その大聖院庭園作庭工事のフィールドワークをもとに、庭のつくられ方を記録した「令和・作庭記」である。 庭について、石組について、植栽について、空間について、流れについて、部分と全体について…… 制作のプロセスを徹底的に観察するとともに、その造形(かたち・構造)の論理を分析し、「制作されるもの」と「制作するもの」の間に起きていることを思考する。ミクロの視点で時間軸を引き伸ばしながら、かたちが生まれるその瞬間を丹念に解読していく、他に類を見ない新しい「制作論」。 本書を読んだ後には、これまで見ていた庭や、木々や、石や、そして景色の見え方が変わって見える! ----------------- 千葉雅也氏(哲学者・作家)推薦! 庭の見方をガラリと変えてくれる画期的な庭園論であり、すごく応用の利く本だと思う。「ひとつ石を置き、もうひとつをどう置くか」というのは、絵画の話でもあるし、音楽でも料理でも、会話術でもビジネス術でもあるからだ。 ----------------- 目次 はじめに――ぼくが庭のフィールドワークに出る理由 第1章 石の求めるところにしたがって〈庭園の詩学①〉 1 ただの石から見られる石へ 2 つくる行為をうながすもの 3 他性の濁流をおさめる 第2章 集団制作の現場から〈庭師の知恵①〉 1 不確かさのなかでともに働く 2 設計図とはなにをしているのか? 第3章 徹底的にかたちを見よ〈庭園の詩学②〉 1 石と石とが結びつくとき 2 意図しないものの蓄積とパターン 3 あってないような庭とありてある庭 第4章 物と者の共同性を縫い上げる〈庭師の知恵②〉 1 バラバラの物をDIYで結びつけよ 2 庭師の知恵と物騒な共存 3 物と踊る技術 第5章 庭をかたちづくるもの〈庭園の詩学③〉 1 造形的達成はどこからやってくる? 2 石をかたづけるときに起こること 3 質的飛躍と作庭の終わり おわりに――フィールドワークは終わらない - 著者プロフィール - 山内朋樹 (ヤマウチトモキ) (著/文) 1978年兵庫県生まれ。京都教育大学教員、庭師。専門は美学。在学中に庭師のアルバイトをはじめ研究の傍ら独立。庭のかたちの論理を物体の配置や作庭プロセスの分析から明らかにするフィールドワークをおこなっている。共著に『ライティングの哲学』(星海社、2021年)、訳書にジル・クレマン『動いている庭』(みすず書房、2015年)。
-
宇宙の地政学 | 倉澤 治雄
¥1,012
筑摩書房 2024年 ちくま新書 ソフトカバー 272ページ 新書判 - 内容紹介 - 国策から民間へ、国威発揚からビジネスへ、平和利用から軍民一体へ……と大きくシフトする宇宙開発。覇権を争う米国と中国、そして日本の最新事情をレポート。 宇宙開発の最新事情 ニュースの核心を読む! - 目次 - プロローグ 宇宙を制する者が「未来」を手にする 第一章 月をめぐる熾烈な争奪戦 第二章 米中が火花を散らす宇宙の激戦区 第三章 国家の威信をかけた中国の宇宙開発 第四章 躍動する米国の宇宙ベンチャー「ニュースペース」 第五章 日本の宇宙開発と宇宙安全保障 エピローグ 日本が「未来」を手にするために - 著者プロフィール - 倉澤 治雄 (クラサワ ハルオ) (本文) 1952年、千葉県生まれ。東京大学教養学部基礎科学科卒業。フランス国立ボルドー大学第3課程博士号取得(物理化学専攻)。80年、日本テレビ入社。社会部、外報部、政治部、経済部、北京支局長、解説主幹などを歴任。2012年、科学技術振興機構中国綜合研究センター副センター長をへて、独立。現在は科学ジャーナリスト、日本記者クラブ会員、日本科学技術ジャーナリスト会議会員。立教大学、上智大学、獨協大学など非常勤講師。著書には、『原子力船「むつ」――虚構の航跡』(現代書館)、『原発爆発』(高文研)、『原発ゴミはどこへ行く』(リベルタ出版)、『中国、科学技術覇権への野望』(中公新書ラクレ)、『新型コロナワクチン 不都合な真実』(高文研)などがある。
-
日本の不思議な名建築111 | 加藤 純, 傍島 利浩(写真)
¥1,980
エクスナレッジ 2024年 ソフトカバー 176ページ B5変型判 - 内容紹介 - 24の不思議な建物を新たに追加し、 『日本の不思議な建物101』がさらにパワーアップ! 「この建物はどうしてこんな形をしているのか」 「建築的にどんな意味が込められているのか」 「建物の見どころはどこか」 不思議で美しい写真とともに紹介します。