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本のある空間採集 : 個人書店・私設図書館・ブックカフェの寸法 | 政木 哲也
¥2,750
※トンガ坂文庫もご掲載いただいております!! 学芸出版社 2023年 ソフトカバー 192ページ A5判 ※掲載店限定ブックカバーつき - 内容紹介 - ---書店観察の新しいかたちがここに。---永江朗さん推薦!全国の新刊書店、古書店、私設図書館、ブックカフェ、移動書店など44件を訪ね歩き、空間を実測・図解した一冊。オルタナティブな小拠点に凝縮された、店主の創意工夫、地方や都市の空き家・空きビルなどを利活用した拠点づくりに着目し、本と人とまちが織りなす空間の居心地とスケールに迫る。 目次 はじめに ○東北・関東甲信越 青森県 まわりみち文庫|飲み屋小路にひっそりと積まれた木箱書架 新潟県 今時書店|現役高校生がデザインした書籍との対話空間 宮城県 book cafe 火星の庭|ひとりでいる人に寄り添う、都市のシェルター的本棚 栃木県 BOOK FOREST 森百貨店|地元の子どもと世界をつなぐ絵本のブックツリー 群馬県 REBEL BOOKS|デザイナー店主がつくりあげたブルーグレーのローカル基地 東京都 気流舎|2間角のシュタイナー建築はカウンターカルチャーの聖地 東京都 Readin’ Writin’ BOOKSTORE|40㎡の巨大壁面書架を見下ろすまちの奥座敷 東京都 Title|本が主となった民家の9m書架&隠れ家カフェ 東京都 COW BOOKS|ステンレスの内装の中で熟成された古書のある居場所 長野県 栞日|書物が発するメッセージを拡声させるアップサイクル書架 長野県 遊歴書房|門前町の一角で時空を超える、世界地図を体現したギャラリー型書架 *Column1 2時間1本勝負の「実測」 ○北陸・東海・近畿 富山県 ひらすま書房|旧郵便局のタイムレスな空間が引き寄せる古書と人の縁 石川県 オヨヨ書林 新竪町店|ぼんやりのんびり本を探せる大うなぎの寝床 石川県 石引パブリック|美大生たちの目を奪う巨大書架のビジュアルブック 静岡県 ひみつの本屋|私的に本と出会う、元映画館のチケットブース 静岡県 みんなの図書館さんかく|一箱本棚でつくる駅前商店街の溜まり場 静岡県 フェイヴァリットブックスL|友だちの家に擬態した本好きの楽園 愛知県 TOUTEN BOOKSTORE|カフェバーカウンターは奥に伸びる書架への入口 三重県 トンガ坂文庫|漁村でつくりあげた本のある暮らしとポップな異世界 三重県 USED BOOK BOX|内法80㎝四方の極小図書館 大阪府 toi books|都会の5坪空間に光る54のインデックス棚 大阪府 居留守文庫|増殖しつづける木箱で埋め尽くされた本の迷宮 大阪府 LVDB BOOKS|長屋を貫く鋼管足場書架と静けさをまとう書物たち 京都府 誠光社|6枚の袖壁がつくるほどよい没入感 京都府 ba hutte.|極薄敷地から通りに滲み出す超私的選書空間 奈良県 とほん|商店街に新風を吹き込む軽やかな角材ストラクチャー 奈良県 人文系私設図書館ルチャ・リブロ|辺境でこそ出会える1冊が待つ、山中の開架閲覧室 和歌山県 本屋プラグ|椅子も机も書架になる、自由奔放な居心地 *Column2 「作図」は孤独な作業 ○中国・四国 岡山県 蟲文庫|美観地区の古民家で交錯する店主の世界と本の世界 岡山県 451BOOKS|シンボリックな螺旋階段で巡る書架のキューブ 広島県 弐拾dB|深夜の元医院建築で本に没入する催眠的読書体験 広島県 READAN DEAT|レトロビルの佇まいを再編集した3つの小空間 鳥取県 汽水空港|セルフビルドで変化しつづける湖畔の書店小屋 島根県 artos Book Store|もの・人・音楽を本でつなぐ交易空間の配置計画 山口県 ロバの本屋|バイタリティとユーモアで山奥の元牛舎をセルフリノベ 香川県 本屋ルヌガンガ|大階段から棚板まで、本と目が合う一瞬を設計する 香川県 へちま文庫|本を引き立てる家具と読みたくなる風景 愛媛県 書房ドミンゴ|駄菓子屋的な距離感で近所の子どもの好奇心をかきたてる *Column3 本のある空間とまちの関係 ○九州・沖縄 福岡県 MINOU BOOKS|本との出会いを誘発する賑やかな窓際書架 福岡県 ナツメ書店|元時計店の意匠と呼応する精緻な配架計画 熊本県 橙書店|ひしめく本と人との遭遇を静かに見守るカウンター 鹿児島県 古書リゼット|ビルの共用部を書店空間とした本箱のパッサージュ 沖縄県 市場の古本屋 ウララ|つい足を止めてしまう、通りにはみ出た個性派本棚 全国 BOOK TRUCK|フェスから団地まで、出会いを詰め込んで走る移動書店 *Column4 予定調和ではない本との出会い 店舗情報 おわりに
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建築と触覚 空間と五感をめぐる哲学|ユハニ・パッラスマー, 百合田 香織(翻訳)
¥3,300
草思社 2022年 ソフトカバー 208ページ 函入 四六判 - 内容紹介 - すべてが視覚情報化され消費されていくかのような昨今、 建築が本来もつ「五感を統合する」という役割を今こそ見直すべきである。 メルロ=ポンティ、バシュラールらの議論を踏まえながら、 建築における触覚、聴覚、味覚、嗅覚の重要性を再考し、 あるべき本流の空間とは何かを問う。 ラスムッセン、クリスチャン・ノルベルグ=シュルツらの精神を継承する、 北欧の最重要建築理論家による著、待望の邦訳。 スティーヴン・ホール推奨。 「パッラスマーは単なる理論家ではない。 現象学的に洞察する力をもつすぐれた建築家だ。 分析不可能な諸感覚の建築を実践に移し、 その現象学的な性質でもって自身が建築哲学について著してきたものを具象化している。」 世界的建築情報サイトArchiDailyが選ぶ、名建築書ベスト150に選出。 <目次より> 前書き 「薄氷」スティーヴン・ホール 序論 世界に触れる 第一部 視覚と知識 視覚中心主義への批判 ナルシストの眼とニヒリストの眼 声の空間と視覚の空間 網膜の建築、立体感の喪失 視覚イメージとしての建築 物質性と時間 「アルベルティの窓」の拒絶 視覚と感覚の新たなバランス 第二部 身体中心 複数の感覚による経験 陰影の重要性 聴覚の親密さ 静寂、時間、孤独 匂いの空間 触覚の形状 石の味 筋肉と骨のイメージ 行為のイメージ 身体的同化 身体の模倣 記憶と想像の空間 多感覚の建築 建築の役割 - 著者プロフィール - ユハニ・パッラスマー (ユハニ パッラスマー) (著/文) 現代のフィンランドを代表する建築家、建築思想家。ヘルシンキ工芸大学学長、フィンランド建築博物館館長、ヘルシンキ工科大学建築学部教授・学部長を歴任。著作にThe Thinking Hand: The Thinking Hand: Existential and Embodied Wisdom in Architecture (John Wiley & Sons, 2009)、The Embodied Image: The Embodied Image: The Imagination and Imagery in Architecture (John Wiley & Sons, 2011)などがある。 百合田 香織 (ユリタ カオリ) (翻訳) 神戸大学大学院自然科学研究科博士前期課程修了。専攻は建築/建築史研究室。公務員として公共プロジェクトに従事し英国赴任同行を機に退職。建築を巡りつつ翻訳スクールに通い翻訳者として活動を始める。訳書『名建築は体験が9割』『名建築の歴史図鑑』『世界の夢の動物園』(以上、エクスナレッジ)、『配色デザインカラーパレット』(ビー・エヌ・エヌ)など。
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建築のポートレート|香山壽夫
¥2,420
LIXIL出版 2017年 ハードカバー 96ページ 19.7 x 1.5 x 17 cm - 内容紹介 - 本書は、碩学の建築家・香山壽夫氏(東京大学名誉教授)による写真と文で、建築のエッセンスを鮮やかに捉える写文集です。 1964年の渡米以降、アメリカおよびヨーロッパの建築や都市をめぐって著者が撮影してきた無数の写真から、36点を厳選。 撮影から数十年の時を経て、それぞれの写真にあらためて向きあい、文章が書き下ろされました。建築家ならではの視点で 撮られた写真、そして歴史的・文化的な広い視野のなか、親しみやすく確信に満ちた筆致で対象を描写した文章は、建築の 専門家から一般の読者まで、多くの人を建築の奥深い魅力に引きこみ、新たな気づきをもたらすことでしょう。 巻末1 MAP&INDEX:取り上げた36件の所在および撮影時期(訪問時期)を示し、それぞれの概要を説明する。 巻末2 TEXT:香山氏の写真についての解説や、建築と写真との関係、建築家にとっての旅や写真の意味などを、 本書の編集者である長島明夫が記す。
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巨匠たちの住宅 20世紀住空間の冒険|淵上 正幸
¥2,860
青土社 2023年 ハードカバー 272ページ 四六判 - 内容紹介 - 「20世紀の建築家は住宅で勝負をした。住宅にエネルギーのすべてを賭け、哲学のすべてをぶちこんだ。」――隈研吾 モダニズム建築の真髄は、住宅にあり! ミース・ファン・デル・ローエ、フランク・ロイド・ライト、アドルフ・ロース、ル・コルビュジエ……20世紀を生きた巨匠たちが、住宅建築に込めた創造性のすべて。建築設計は住宅に始まって住宅に終わる。実際に訪ね歩いて、書き綴られた貴重な名建築探訪。
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桂離宮のブルーノ・タウト ドイツ・ロマン主義と禅の精神世界|長谷川 章
¥3,960
工作舎 2022年 ハードカバー 304ページ A5判 - 内容紹介 - 亡命先の日本で桂離宮と運命的な出会いを果たし、その美しさを世界に伝えた建築家、ブルーノ・タウト。『画帖 桂離宮』 はタウトが毛筆で一気に描き上げた、二十六葉の桂離宮論=建築空間論である。ドイツ語で書かれた原文を丹念に読み解き、タウトが見出した 「関係性の芸術」 とその精神に迫る。 目次 まえがき 『画帖桂離宮』とは何か 第1章◉桂離宮―『画帖桂離宮』の誕生 第1節 桂離宮のブルーノ・タウト 第2章◉ 御庭―『画帖桂離宮』の前半の構成と主題 第2節 表紙 第3節 思惟するのは視覚である 第4節 御殿へのアプローチ 第5節 御庭の松琴亭へ 第6節 松琴亭から賞花亭へ 第7節 新御殿の御庭と伊勢 第8節 御庭から導き出された結論 第3章◉御殿―『画帖桂離宮』の後半の構成と主題 第9節 御殿の意匠 第10節 空間の軸と動線 第11節 建築家の三つの条件 第12節 芸術の精神への変換 第13節 惜別の辞 あとがき 関係性の美学から中動態の美学へ - 著者プロフィール - 長谷川 章 (ハセガワ アキラ) (著/文) 1954年東京生まれ。1979年早稲田大学大学院修士課程修了。1985年DAAD西ドイツ政府所給費留学(アーヘン工科大学)。『北ドイツ表現主義建築の研究』で工学博士(早稲田大学)。東京造形大学教授、早稲田大学非常勤講師。専門はドイツ近代建築史。2019年に『ブルーノ・タウト研究─ロマン主義から表現主義へ』(ブリュッケ、2017)で日本建築学会著作賞受賞。著書に『ドイツ表現主義の建築』(鹿島出版会、1989)『世紀末の都市と身体─芸術と空間あるいはユートピアの彼方へ』(ブリュッケ、2000)、『芸術と民族主義─ドイツ・モダニズムの源流』(ブリュッケ、2008)、『絵画と都市の境界─タブローとしての都市の記憶』(ブリュッケ、2014)、『分離派建築会─日本のモダニズム建築誕生』(共著、京都大学学術出版会、2020)、『田園都市と千年王国─宗教改革からブルーノ・タウトへ』(工作舎、2021)。建築設計に「横浜人形の家」(商業環境デザイン大賞、神奈川県建築コンクール優秀賞受賞、1986)、「渋谷東急百貨店東横店」(北米照明学会特別表彰受賞、1988)。
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画文でわかる モダニズム建築とは何か|藤森 照信, 宮沢 洋(イラスト)
¥2,090
彰国社 2022年 ソフトカバー 128ページ A5変型判 縦209mm 横149mm 厚さ11mm - 内容紹介 - 藤森照信によるモダニズム建築論を宮沢洋が描くイラストとともに楽しく学ぶ入門書。世界中の都市に鉄とガラスとコンクリートでつくられた四角い箱が立ち並んでいるのはなぜか? 歴史主義建築が席巻していた19世紀から一転、インターナショナル・スタイルがどのように生まれ世界に広がったのか、その謎に迫る。 目次 はじめに 宮沢洋 第1章 歴史主義建築はなぜ消えたのか 第2章 モダニズムと日本の伝統 第3章 人間の造形感覚 第4章 振り出しに戻った人類の建築 補講1 大宗教時代の建築を考える:中国や日本の寺はなぜ横長になってしまったのか 補講2 藤森照信塾長に聞く:「神は死んだ」からの「原点ゼロ」 おわりに 藤森照信
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しゃべるヒト|菊澤 律子, 吉岡 乾
¥3,278
文理閣 2023年 ハードカバー 326ページ A5判 - 内容紹介 - ことばの世界へようこそ! 世界に約7000あるといわれる言語――その言語を理解することは他者理解につながるとの思いから、音声言語・手話言語を含めた「ことば」について、さまざまな科学の成果を新しい視点で紹介します。 目次 はじめに~ことばの世界へようこそ!~(菊澤律子) 第一部 Language ことばとは何か(吉岡 乾) コラム ことばと文字(八杉佳穂) ヒトの言語と動物のコミュニケーションの違い(藤田耕司) 言語シグナルの分析〈言語の二重分節と音声学・音韻論〉(青井隼人・ロバート ジョンソン・菊澤律子) コラム チンパンジーのコミュニケーション(林 美里) コード化・恣意性・文法(桐生和幸) 語用論(高嶋由布子) コラム 人工言語(千田俊太郎) 会話の連鎖組織(坊農真弓) ことばの身体的産出(平山 亮) コラム 人類の進化と言語(野嶋洋子) ことばの脳内処理(井原 綾・藤巻則夫・尾島司郎) 言語習得(巽 智子) コラム MRI画像と言葉の分析(藤本一郎) ことばが使えない時〈言語障害と失語症〉(原 惠子・竹本直也) ことばの機械認識(野原幹司・田中信和・杉山千尋・吉永 司・高島遼一・滝口哲也・野崎一徳) コラム 視覚言語と聴覚言語の習得(佐々木倫子) ことばと機械翻訳(須藤克仁) 第二部 Languages 世界のことば(吉岡 乾) コラム 宮窪手話のタイムライン(矢野羽衣子) 色々に数えることば[音声言語](風間伸次郎) 色々に数えることば[手話言語](相良啓子) コラム ヒトはどうやって言葉を習得するのか(広瀬友紀) 色々な構造のことば[音声言語](吉岡 乾) 色々な構造のことば[手話言語](今里典子) コラム 人生を通して、常に言語を学習する(フランクリン チャン・津村早紀) 色々の名称とことば[日本語](木部暢子) 色々の名称とことば[日本手話言語](大杉 豊・坊農真弓) コラム 手話通訳(養成)に関するアレコレ(木村晴美) 適応することば(中山俊秀) 適応することば[手話言語](相良啓子) コラム コーダの原風景に刻まれることば(中津真美) 影響することば[音声言語](蝦名大助) 影響することば[手話言語と中間手話](原 大介) コラム ヒトと機械の言語理解(佐野睦夫) 出現することば[音声言語](仲尾周一郎) 出現することば[手話言語](ジュディ ケグル) コラム 言語認識装置の進化(酒向慎司) 消滅することば[音声言語](木本幸憲) 消滅することば[手話言語](矢野羽衣子・菊澤律子) コラム 言語景観(庄司博史) 未来へのことば~結びにかえて~(菊澤律子) - 著者プロフィール - 菊澤律子 (キクサワリツコ) (著/文 | 編集) 立民族学博物館 教授/総合研究大学院大学 教授。専門は手話言語と音声言語の比較対照研究、オーストロネシア語族の諸言語、比較統語論。主要編著書に『声の言葉と手の言葉─手話からみた言語学』(ミネルヴァ書房、2023)、『手話が「発音」できなくなる時─言語機能障害からみる話者と社会』(石原和と共編、ひつじ書房、2022)、Proto Central Pacific Ergativity: Its Reconstruction and Development in the Fijian, Rotuman and Polynesian Languages(Pacific Linguistics, 2002)がある。 吉岡乾 (ヨシオカノボル) (著/文 | 編集) 国立民族学博物館 准教授/総合研究大学院大学 准教授。専門は記述言語学、ブルシャスキー語、地域言語研究。主要著書・論文に『フィールド言語学者、巣ごもる。』(創元社、2021)、Eat a spoonful, speak a night tale: a Ḍomaaki (hi) story telling(Bulletin of the National Museum of Ethnology, 46 (4), 2022)、「ブルシャスキー語の名詞修飾表現」(プラシャント・パルデシ、堀江薫編『日本語と世界の言語の名詞修飾表現』、ひつじ書房、2020)がある。
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読む幾何学|瀬山 士郎
¥990
KADOKAWA 2023年 角川ソフィア文庫 ソフトカバー 240ページ 文庫判 - 内容紹介 - 「円の定義とは?」「2点を結ぶ最短距離は直線か?」 想像力の果てに広がる幾何学の世界を鮮やかなロジックで解き明かす。 目次 第1章 二等辺三角形の底角定理 第2章 二等辺三角形の底角定理再訪問 第3章 三角形の二辺の和をめぐって 第4章 長さの大小に関係したいくつかの話題 第5章 2点を結ぶ最短距離は直線であることの証明 第6章 長さの和を最小にする問題 第7章 三角形の内角和と平行線定理 第8章 補助線の楽しさ 第9章 奇妙に難しい問題 第10章 円の話 第11章 探偵小説としての幾何学 付録 偽書『ユークリッド原論』――幻の『原論』第14巻 - 著者プロフィール - 瀬山 士郎 (セヤマ シロウ) (著/文) 1946年、群馬県生まれ。東京教育大学大学院理学研究科修了。群馬大学教育学部教授を経て、群馬大学名誉教授。数学教育協議会会員。専攻は位相幾何学(トポロジー)。著書は『読む数学』『読む数学 数列の不思議』『読む数学記号』『読むトポロジー』(いずれも角川ソフィア文庫)、『はじめての現代数学』ハヤカワ文庫NF)、『幾何物語』(ちくま学芸文庫)、『数学 想像力の科学』(岩波科学ライブラリー)、『頭にしみこむ微分積分』(技術評論社)など多数。
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世界を変えた100の化石 新装版|ポール・D・テイラー, アーロン・オデア, 真鍋 真(監修), 的場 知之(翻訳)
¥1,980
エクスナレッジ 2022年 ソフトカバー 352ページ 四六変型判 縦180mm 横128mm 厚さ23mm - 内容紹介 - イギリス・大英自然史博物館で大人気を博した展覧会が 書籍になって日本上陸! 新たな情報と化石の和名表記を加た <よりわかりやすい新装版> 始祖鳥やティラノサウルスなど誰もが知る生物の化石だけでなく 光合成の痕跡、恐竜の卵、サメの糞、火山灰に埋もれた足跡など当時の状況を語る化石も網羅。 まだ知らなかった化石に出会える、至極の一冊。 地質年表、一部復元図付き。 目次 【掲載化石一例】 第1章:先カンブリア時代 [エイペックス・チャート] 最古の化石は生物か? [ストロマトライト] 大酸化事変が生んだ生命体 [中国・陡山沱の化石] 謎に満ちた胚etc. 第2章:古生代 [アノマロカリス] カンブリア爆発で生まれた「奇妙なエビ」 [ハルキゲニア] 陸に上がり、生き延びたムシ [キンクタン] 初期の棘皮動物 [オルソケラス] オルドビス紀の捕食者の王 [ウミユリとプラティセラス類] 2億年続いた共生関係 [プテリゴトゥス] 巨大かつ獰猛な古代サソリ [クックソニア] 地上を征服した植物 [ケファラスピス] あごのない魚 [コムラ] 天敵を避ける棘とげだらけの三葉虫 [レピドデンドロン] 森が生んだ燃料 [ヘリコプリオン] 渦を巻く歯は、進化も奇抜? [ディメトロドン] セックスアピールか、ソーラーパネルか? [ウミツボミ] 史上最大の大量絶滅 etc. 第3章:中生代 [三畳紀の微小巻貝] 小さいことはいいこと? [キノドン類] 爬虫類から哺乳類へ [メガゾストロドン] 大物のデビューは前途多難 [ムカシトカゲ] 安住の地で今も生息 [グリファエア] 泥に埋まって生きた「悪魔の足の爪」 [プロミクロケラス] 大量死したアンモナイト [首長竜] ネッシーは実在したか? [ネオソレノポラ] 色を残した藻類 [始祖鳥] 鳥類の誕生 [トンボ] 巨大化した昆虫たち [ランフォリンクス] 最初の空飛ぶ脊椎動物、翼竜 [イグアノドン] 「恐竜」と名付けられた生物の歯 [クモ] 琥珀の中のクモと糸と獲物 [アラウカリア] 進化の天才? モンキーパズルの大木 [孔子鳥] 性選択で美しく進化した鳥 [白亜層のカイメン] 微粒子を濾し取る海底ポンプ [ティロキダリス] 軍拡競争の歩みが見えるウニの棘 [トロオドンの巣] 高度な子育ての痕跡 [エドモントサウルス] 極地の冬も生き延びた恐竜 [初期のプラントオパール] 恐竜が食したイネ科植物 [ティラノサウルス・レックス] 伝説の王 [ベレムナイト] K/Pg境界の大量絶滅 [有孔虫] 小さく単純なサバイバー etc. 第4章:新生代 [サメの歯] 化石の由来を示す「癒しの石」 [オニコニクテリス] 空に進出した哺乳類 [オフィオコルディケプス] ゾンビと化したアリの咬み跡 [貨幣石] ピラミッドに残る単細胞生物 [トロフォン] ダーウィンの巻貝 [バシロサウルス] 「トカゲの王」はクジラだった [ゴキブリ] 琥珀の中の止まった時間 [エジプトピテクス] 霊長類の起源 [チャネヤ] 花を咲かせる植物の誕生 [メトララブドトス] 断続平衡論を支持する外肛動物 [プロコンスル] 類人猿に近いか、ヒトに近いか [ディスコグロッスス] 独特の姿に進化したカエル [サメのコプロライト] 螺旋型の糞の化石 [サカマキエゾボラ] 圧倒的に少ない左巻きの貝 [巨大ウォンバット] アボリジニに伝わる怪物_バニップ [グリプトドン] アメリカ大陸間大交差も生き延びた哺乳類 [ラエトリの足跡] 350万年前の灰のなかの3人 [メノルカの小型ヤギ] 島嶼矮小化で生き延びた動物 [ステップマンモス] ヒトと共存したマンモス [ジャイアントモア] 植物に生きた証を遺した鳥 [アクロポラ・ケルヴィコルニス] 絶滅寸前のシカツノサンゴ [ステラーカイギュウ] 虐殺された海の巨獣 [ホモ・ハイデルベルゲンシス] 私たちにいちばん近い祖先? etc.
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言語はこうして生まれる 「即興する脳」とジェスチャーゲーム|モーテン・H・クリスチャンセン, ニック・チェイター, 塩原 通緒(翻訳)
¥2,970
新潮社 2022年 ハードカバー 384ページ 四六変型判 縦197mm 横140mm 厚さ25mm - 内容紹介 - 言葉は、今ここで発明されている。認知科学が明かす、まったく新しい言語の姿。相手に何かを伝えるため、人間は即興で言葉を生みだす。それは互いにヒントを与えあうジェスチャーゲーム(言葉当て遊び)のようなものだ。ゲームが繰り返されるたびに、言葉は単純化され、様式化され、やがて言語の体系が生まれる。神経科学や認知心理学などの知見と30年におよぶ共同研究から導きだされた最新の言語論。
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ひとかけらの木片が教えてくれること 木材×科学×歴史|田鶴 寿弥子
¥1,980
淡交社 2022年 ソフトカバー 232ページ 四六判 - 内容紹介 - 〈ひとかけらの木片が教えてくれる人と木の文化〉 〈顕微鏡、放射線。科学の力が解き明かす文化財の世界〉 何の木から作られているの? どこから運ばれてきた木材? 顕微鏡やCTなどの科学的な方法で、仏像や神像、歴史的建造物、さらには木製の入れ歯まで、文化財に用いられたさまざまな木材の樹種を同定してきた著者が、これまでの調査で得た興味深い情報を紹介します。「人がいかに木に向き合ってきたのか」。その答えが、小さな小さなひとかけらの木片を見つめることで見えてきます。
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樹木の恵みと人間の歴史 石器時代の木道からトトロの森まで|ウィリアム・ブライアント・ローガン, 屋代通子(翻訳)
¥3,520
築地書館 2022年 ハードカバー 384ページ 四六判 - 内容紹介 - 古来、人間は、木を伐ることで樹木の無限の恵みを引き出し、利用してきた。 英国の沼沢地の萌芽更新による枝を使った石器時代の木道、 スペインの12世紀の手入れされたナラの林、 16世紀のタラ漁船のための木材づくり、 野焼きによって森を育んだ北アメリカの先住民、日本の里山萌芽林。 米国を代表する育樹家が、世界各地を旅し、 1万年にわたって人の暮らしと文化を支えてきた樹木と人間の伝承を掘り起こし、 現代によみがえらせる。 目次 ニューヨークを救う木 ヤナギの再生 忘れられた言葉 木とともに生きる 記 憶 失われた技法 不格好な40本のプラタナス 助っ人を探す ヒントはどこに? 新芽がなければ生きられない 踏みはずした木との関係 木との対話を始める 萌芽の地 木の行動に学ぶ 植物、海から陸へ 植物の誕生を促したもの 予備の芽 即興演奏する樹木たち 倒れた樹木に宿る生命 植物たちの旋律──6つの選択 周囲の世界に呼応する 年ふりた樹木の持つ力 枝分かれ(branching) ネットワークの中で生きる 高架下の雑木林(スパゲッティの森) 創造力のある生き物 石器時代の湿地の木道(レヴェルズにて) 萌芽枝の利用 異形の木々 萌芽枝で作られた石器時代の木道 ふたつの木道に使われた1万4000本の枝 街路の発明 同じ森を利用する バ ネ 人の手が促す森の遷移 萌芽の森を保つ技 伐り取られたあとに咲く花々 萌芽林の連鎖 母なるハシバミ 食用・道具・家畜の餌 生け垣を建てる 生け垣の多様な生態系 工芸と科学 家畜のためのもの 囲いこみと生け垣 イングランドの生け垣には1000万の鳥のつがいが暮らす 手に負えるの? 頭と心と手を研ぎすます 侵入する植物たち 不屈のオウシュウニレ 妖精の庭のニレ クローンで生き延びる 探究心旺盛な根 12世紀の森を歩く 手入れされたナラの林 てっぺんが丸められた巨木 萌芽の林 ボート材 16世紀のタラ漁船 木に枝を少しだけ残す──イピナバロのナラ 海底で発見されたバスクのクジラ漁船 バスクの船大工──バカラオ型の船を建造 森に合わせて船を設(つく)計り、船に合わせて森を作る バカラオ型の船の工法 16世紀の工法を再現する 丘の周り 北スペインの渓谷で受け継がれる森の利用 バスク地方レイツァの街 生活を織りなす共有の森 トネリコの更新枝で羊を養う 斧で世界とわたり合う 共有地 複雑な仕組み 未来を記憶する 切って古木を生かす技 500歳のブナに手を入れる どこをどう切るか 木々のリズム 耕せば木は余計に生えてくる サバンナの一画、キリミの村 木々が教える伝統農法 森を酷使する アフリカの大地を見誤った支援 木々に学ぶ支援のあり方 急斜面の農耕を支えるもの 木の葉の飼い葉 フィヨルドの垂直経済 夏の農場の楽しみ 樹木の利用が支えた古代の農場 木を切ると牧草が育つ 4000年続く木の葉の利用 光の楽器 ノルウェーの農民画家 厳しい斜面を農地に 春の訪れと畑仕事 いいスティックを作る カリフォルニア先住民の火入れの知恵 籠という文化 スティックをとるために火を放つ 野焼きによる豊かな恵み 火入れの禁止による木々の変化 籠作りにこめられた知恵 芽吹きの楽園 カリフォルニアのセコイアの森で セコイアの妖精の環 巨木の陰で生きる 火で作られたセコイアの森 木が芽吹かないとき 人の手が産んだ800歳のダグラスファー サーミ人のマツ 針葉樹を生活の糧に 木の実の収穫 野焼きで楽をする 流れ橋 日本の里山再生 遠野の川にかかる流れ橋 狛ネズミの神社 田んぼと里山 里山の危機 名作「平成狸合戦ぽんぽこ」と「となりのトトロ」 桜ヶ丘公園、ボランティアの活躍 トトロのふるさと基金 能登半島の炭焼き──「ハハソ」の再利用 森の中へ 岩手県の3つの試み──植樹林に里山の手法を生かす 木材の地産地消 森の手入れに一般の人をまきこむ 早池峰の神楽 きみといつまでも 個体とはいったい何だろう ボランティアたち 木々は巧みに芽吹き、巧みに生きる ごみの上にできた森 どんな手を使っても──最終処分場に生えた木々 ホワイトのヤナギの言うことには 新たな命の生まれるところ 訳者あとがき 引用文献 索引 - 著者プロフィール - ウィリアム・ブライアント・ローガン (ウィリアムブライアントローガン) (著/文) ニューヨーク植物園で教鞭をとる。 これまで30 年間、木を相手に働いてきた。認定育樹家で、ニューヨーク市を拠点とする樹木管理の会社の創設者兼社長。 ガーデンライターズアソシエーションから数々の賞を受賞しており、「House Beautiful」「House and Garden」「Garden Design」などの雑誌の寄稿編集者、「ニューヨークタイムズ」のレギュラーのガーデンライターでもある。 国際樹芸学会International Society of Arboriculture(ISA)のニューヨーク州支部から2012 年のSenior Scholar 賞を、国際ISA からTrue Professional of Arboriculture 賞を受賞。本書で、最も優れたネイチャーライティングの著作に贈られるジョン・バロウズ賞を受賞。 著書に、『Oak』(『ドングリと文明』日経BP 社)、『Air』『Dirt』などがある。 屋代通子 (ヤシロミチコ) (翻訳) 兵庫県西宮市生まれ。札幌市在住。出版社勤務を経て翻訳業。 主な訳書に『シャーマンの弟子になった民族植物学者の話 上・下』『虫と文明』『馬の自然誌』『外来種のウソ・ホントを科学する』『木々は歌う』(以上、築地書館)、『ナチュラル・ナビゲーション』『日常を探検に変える』(以上、紀伊國屋書店)、『数の発明』『ピダハン』『マリア・シビラ・メーリアン』(以上、みすず書房)など。
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極限大地 地質学者、人跡未踏のグリーンランドをゆく|ウィリアム・グラスリー, 小坂恵理(翻訳)
¥2,640
築地書館 2022年 ハードカバー 240ページ 四六判 - 内容紹介 - 人間は、人跡未踏の大自然に身をおいたときに、 どのような行動をとるのか。 氷壁とフィヨルドの海岸に囲まれたグリーンランドで、 地質学者は、何を見、何を感じたのか。 地球科学とネイチャーライティングを合体させて、 最高のノンフィクションとたたえられたジョンバロウズ賞受賞 目次 はじめに――人跡未踏の極限の大地"ウィルダネス"を経験するということ 序章――人間として科学者として大自然の中で理解できること、できないこと 第1章 再発見 沈黙――ベースキャンプから白夜にさまよい出る 蜃気楼――未知の存在を知らせるための合図 岩を砕く――ふたつの大陸の縫合帯なのか ハナゴケ――トナカイが好む地衣類を食べてみる ハヤブサ――至近距離での遭遇、新しい経験の宝庫 第2章 統合 太陽の壁――サーフィンが人生のすべてだった 鳥のさえずりと神話――音の蜃気楼に出会う ライチョウ――親鳥とヒナとの遭遇、ホッキョクイワナの川で沐浴 きれいな水――淡水と海水が出会う場所の生命のにぎわい 魚の川――捕食者ウルクが襲う 第3章 発現 潮流――ゾディアックがうず潮にはまる 時計じかけの小石――巨大な斜方輝石の堆積物を発見する 氷――氷壁・氷山・氷の結晶 アザラシ――狩り、食す 帰還――細かい境界で区切られた世界へ戻る 終章 おわりに――ウィルダネスを共有することの意味 用語集 謝辞 訳者あとがき - 著者プロフィール - ウィリアム・グラスリー (ウィリアムグラスリー) (著/文) カリフォルニア大学デービス校の地質学者、デンマークのオーフス大学の名誉研究員で、 大陸の進化とそのエネルギー源となるプロセスを研究している。 70以上の研究論文のほか、地熱エネルギーに関する教科書の著者でもある。 本書は、著者にとって初めての一般向けの本となる。ニューメキシコ州サンタフェ在住。 小坂恵理 (コサカエリ) (翻訳) 翻訳家。慶應義塾大学文学部英米文学科卒業。 訳書に『ラボ・ガール』『繰り返す天変地異』(以上、化学同人)、『歴史は実験できるのか』(慶應義塾大学出版会)、 『マーシャル・プラン』(みすず書房)、『地球を滅ぼす炭酸飲料』(築地書館)など。
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アジア「窓」紀行 上海からエルサレムまで|田熊 隆樹
¥2,420
草思社 2022年 ソフトカバー 336ページ 四六判 - 内容紹介 - 「窓からのぞいたアジアは、たしかにひとつではないが、そんなにバラバラでもない」 窓は、室内を快適にするために外と内をへだてもし、 また景色を取り入れたりとつなぐ役割もある装置です。 人間の身体的な欲求にこたえつつも、地域の気候や文化的な特性にも対応するため、 窓はその土地の文化や風土がもっとも色濃く、密実に反映されるものともいえます。 そんな窓を、アジアの隅から隅まで見つめて旅をした、窓と文化についての記録です。 コロナ以前の自由な旅行が可能だった時代の豊かな旅情と、 窓という建築の部位の観察から得られた深い洞察が混ざり合う、 新たな視点に満ちた旅行記。 <目次より> 01 窓から生える鉄の棒 上海 02 「景区」外の家 烏鎮 03 地下の都合 張村 04 浮いた屋根 トルファン 05 天窓の部屋 タシュクルガン 06 赤いスリバチ ラルンガル・ゴンパ 07 ズボンを履いた家 カンゼ・タウ 08 洪水と床 シェムリアップ 09 張り出しの村 キナウル地方 10 かくれた穴 キッバル 11 家を〝置く“ 東ギーラーン 12 都市はバザール タブリーズ 13 砂漠で呼吸する ヤズド 14 ずれる窓 マースーレ 15 宗教と街 エスファハン 16 地球のお腹の中 ペトラ 17 アーチに向かう カイロ 18 聖地の生活 エルサレム - 著者プロフィール - 田熊 隆樹 (タグマ リュウキ) (著/文) 1992年東京生まれ。早稲田大学大学院建築学専攻修了。大学院休学中にアジア・中東11カ国の建築・集落・民家を巡って旅する。2017年より台湾・宜蘭(イーラン)のFieldoffice Architectsにて美術館、公園、駐車場、バスターミナルなど大小の公共空間を設計している。ユニオン造形文化財団在外研修生、文化庁新進芸術家海外研修制度研修生。
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1階革命 私設公民館「喫茶ランドリー」とまちづくり|田中 元子
¥1,980
晶文社 2022年 ソフトカバー 280ページ 四六判 - 内容紹介 - 1階が変われば、まちが変わる、ひとが変わる、世界が変わる! 1階づくりはまちづくり! 大好評だった『マイパブリックとグランドレベル』から5年、グランドレベル(1階)からはじまる、まちづくり革命の物語、完結編。 日本初の私設公民館「喫茶ランドリー」は、いまや地域活性化・再生、コミュニティデザインのアイコンのひとつとなった。その成功の秘密は、ハード/ソフト/コミュニケーションという3要素のデザイン手法にある! カフェや各種公共/商業施設など人が集うパブリックスペースのプロデュース事例、まちのさまざまな場所にベンチを設置するJAPAN/TOKYO BENCH PROJECT、さらには今注目されるウォーカブルシティについてまで、グランドレベル(1階)を活性化するヒントとアイデアが満載。まさに革命的な、まちづくりの新バイブル。装丁アジール、カバービジュアル伊藤桂司。 “私設公民館としてつくった「喫茶ランドリー」に限らず、1階づくりに携わるすべてのプロジェクトにおいて、わたしはあまねくすべての人々にウエルカム!と両手を広げた「公共的な状態」にこだわっています。1階は人々の目にふいに飛び込んでしまう場所であるからこそ、できるだけパブリックな状態をつくる、ということを心がけています。自分には関係のない場所だと感じてしまう風景に囲まれた日常と、関心を傾けたり関わったりできる風景に囲まれた日常とでは、人々の人生の質に違いが出てくると思うからです。(「まえがき」より)” 【目次】 まえがき 第1章 「喫茶ランドリー」ができるまで 第2章 喫茶ランドリーの日常 第3章 喫茶ランドリーのつくり方──グランドレベルの手法として 第4章 グランドレベルのデザイン11の事例 第5章 水と空気とグランドレベル 第6章 ベンチプロジェクトとウォーカブル──やさしくすこやかなまちのために あとがき - 著者プロフィール - 田中元子 (タナカモトコ) (著/文) 株式会社グランドレベル代表取締役。1975年茨城県生まれ。2004年より建築関係のメディアづくりに従事。2010年よりワークショップ「けんちく体操」に参加。2016年「1階づくりはまちづくり」をモットーに、株式会社グランドレベルを設立。さまざまな施設や空間、まちづくりのコンサルティングやプロデュースを手がける。2018年「喫茶ランドリー」開業。2019年「JAPAN/TOKYO BENCH PROJECT」始動。主な著書に『マイパブリックとグランドレベル』(晶文社)、『建築家が建てた妻と娘のしあわせな家』(エクスナレッジ)ほか。主な受賞に「2018年度グッドデザイン特別賞 グッドフォーカス[地域社会デザイン]賞」、「2013年日本建築学会教育賞(教育貢献)」ほか。
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英国の民家 解剖図鑑|マシュー・ライス, 岡本 由香子(翻訳), 中島 智章(監修)
¥2,420
エクスナレッジ 2022年 ソフトカバー 166ページ B5変型判 縦208mm 横180mm 厚さ16mm - 内容紹介 - 英国王チャールズ3世 推薦! ベストセラー『英国建築の解剖図鑑』『英国教会の解剖図鑑』の著者の第一作。 英国の田舎を彩る、小さな民家。 何代にもわたって住み継がれてきた家々を、 窓や扉、屋根の細部にいたるまで画家の目で詳細に記録した、 いわば「英国古民家カタログ」。 カントリーハウスやお城だけではない、 市井の人々が暮らしてきた民家にこそ、 英国の魅力が隠されているのです。 資料やガイドブックとしてはもちろん、 眺めるだけで英国を旅している気分になる一冊です。 序文を英国王チャールズ3世(執筆当時はプリンス・オブ・ウェールズ)が寄稿、 解説は『日本でもできる!英国の間取り』の山田佳世子さんが執筆しています。 ■著者紹介 マシュー・ライス(Matthew Rice ) 画家、デザイナー、作家。『英国建築の解剖図鑑』『英国教会の解剖図鑑』(ともにエクスナレッジ刊)をはじめ、英国の建築に関する著書多数。 陶芸家のエマ・ブリッジウォーターとの長年にわたるコラボレーションでも知られる。 現在はオックスフォード近くにある中世のゲートハウスに住んでいる。 ■訳者紹介 岡本由香子(おかもと・ゆかこ) 静岡県生まれ。防衛大学校卒業後、航空自衛隊に10年勤務。 児童書からノンフィクションまで幅広い分野の翻訳を手掛ける。 『英国教会の解剖図鑑』『英国教会の解剖図鑑』(ともにエクスナレッジ)など訳書多数。 ■監修者紹介:中島智章(なかしま・ともあき) 1970年福岡市生まれ。東京大学工学部建築学科卒業。 東京大学大学院工学系研究科建築学専攻博士課程修了。博士(工学)。 現在、工学院大学建築学部建築デザイン学科・教授。 著書に『西洋の名建築がわかる七つの鑑賞術』(エクスナレッジ)、 共著に『パリ・ノートル=ダム大聖堂の伝統と再生 歴史・信仰・空間から考える』(勉誠出版)などがある。 『英国建築の解剖図鑑』『英国教会の解剖図鑑』監修。
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ブルーノ・タウトの工芸 : ニッポンに遺したデザイン|Taut, Bruno, 庄子 晃子(監修)
¥1,980
LIXIL出版 2013年 LIXIL BOOKLET ソフトカバー 74ページ 縦210mm - 内容紹介 - ブルーノ・タウトの工芸作品-螺鈿/木工/竹工/硝子/漆/照明/椅子/玩具 建築家の休日 面影を求めて(意匠/手技/次代へ/再考 工芸デッサン) SIEDLUNG 建築作品 ブルーノ・タウトと建築作品 工芸作品に見る創造-偉大な日本の伝統との対話
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武田五一の建築標本 : 近代を語る材料とデザイン|石田 潤一郎, 酒井 一光
¥1,980
LIXIL出版 2017年 LIXIL BOOKLET ソフトカバー 74ページ 縦210mm - 内容紹介 - 武田五一の横顔 京都に残した建築デザイン標本(新たなる材料 時代の流行 近代的生活 古典再考 二十世紀初頭のデザイン表現) 武田五一が伝えたもの(石田潤一郎)
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吉阪隆正+U研究室|山岳建築|齋藤祐子, 北田英治(写真)
¥2,750
建築資料研究社 2023年 ソフトカバー 63ページ A4判 縦210mm 横297mm 厚さ6mm - 内容紹介 - 日本の近現代建築に影響を与えた重要なモダニズム建築の数々を写真と図面で紹介する「モダン・ムーブメント」シリーズ。吉阪隆正、第6弾。 幼少期のスイス登山の経験から大学での山岳部を経て、キリマンジャロ登山、マッキンリー登山など、建築以上に熱心に取り組んだとも言われる山行。命を懸けて体得した自然からの知見は、厳しい自然に抗わない、独特の建築を生み出した。 何よりも山を愛した吉阪と山とのつながりで集まったU研究室のメンバーが取り組んだ山岳建築の数々を多くの図面やスケッチ、写真で紹介する。 〈涸沢ヒュッテ〉、〈黒沢地ヒュッテ〉、〈野沢温泉ロッジ〉、〈富山県立立山荘〉、〈ニューフサジ〉、〈大観峰駅 増改築〉、〈黒部平駅 増改築〉の実例の他、様々な計画も掲載。
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種をあやす 在来種野菜と暮らした40年のことば|岩﨑 政利
¥1,870
亜紀書房 2023年 ソフトカバー 180ページ 四六判 縦188mm 横130mm 厚さ14mm - 内容紹介 - 岩﨑さんの農の話は、種と実りと人の暮らしが巡りながら土地に根差すことの喜びを気づかせてくれる。 ──皆川 明(ミナ ペルホネン・デザイナー) * * * 野菜の人生について考えたことは初めてでした。 野菜の一生に寄り添い、野菜と交流し、野菜から学んでいる岩﨑政利さんの言葉は詩人のようです。 野菜には人間と同じように個性があり多様性を失えば絶えていくことを、この本を通して知りました。誇らかに花を咲かせる野菜の姿を見てみたい。日本の風景に野菜の花を取り戻したいと思いました。 人間にとって「種」とは何かを、問いかけてくれるすばらしい哲学書です。 ──田口ランディ(作家) * * * 在来種を守るのに大切な視点は、経済や文化だけでない。 岩﨑さんが語る「人と作物の幸せな関係」というもう一つの視点に、目を開かされた思いです。 ──江頭宏昌(山形大学農学部教授 [植物遺伝資源学 ] ) ---------------------- 〈種継ぎ農家が畑で学んだいのちの哲学〉 長崎・雲仙の肥沃な大地で長年にわたり種採りに情熱を注いできた著者が、まだ見ぬ後継者たち、そして野菜を愛するすべての人に向けて綴った。 ──農家であることの喜び、野菜と種がもたらす人生の醍醐味とは。 ---------------------- 施設園芸で化学肥料を極めた若き日から、有機農業と出合いたどり着いた無肥料・不耕起の在来種野菜づくり。 挫折と孤独、そして大いなる喜びもまた──。 在来種野菜と種に人生を捧げつづける長崎・雲仙の農家が語る唯一無二の種採り哲学。 目次 ◆はじめに 〈 第1章 雑木林が教えてくれた 〉 ■農家になりたくなかった ■最先端の農業を学ぶ ■父とはちがう農業をめざして ■原因不明の体調不良 ■有機農家への転向 ■消費者団体がいたからこそ ■自分がやってきた農業に向き合う ■雑木林が私の師 ■雑木林から見つけた農法 ■それぞれが農法を極める 〈 第2章 野菜の一生 〉 ■種と生きていく ■種を採るという営み ■種も人間と司じ ■種は心を映す鏡 ■在米種とF1種 ■端境期を乗り越える ■野菜の花は美しい ■花を中心とした多様性 ■野菜の大往生 ■種を採ることはひとつの手段 ■手もとにある50種類の種たち 〈 第3章 個性豊かな種たち 〉 ■おいしさが大切 ■種がもつ物語 ■種を受け継ぐ ■さりげない野菜とは ■平家大根のロマン ■野菜を原種の姿へ戻す ■種は宝探し ■種を旅に出そう 〈 第4章 野菜と暮らす 〉 ■野菜の生きる姿に学ぶ農の世界 ■食べてみて初めてわかること ■野菜の手紙 ■種をあやす ■野菜と暮らしていく ■自然を聴いて心(み)る ■ひとりの農民ができること ■人と作物の良い関係 〈 第5章 また、種を蒔く 〉 ■種を100年残すために ■食べてつないでいく ■農業という枠から外れたとしても ■そこにしかない食を求めて ■地域のひとつのモデルとして ■種からはじまる ■次世代へのバトン ◆おわりに - 著者プロフィール - 岩﨑 政利 (イワサキ マサトシ) (著/文) 1950年長崎県雲仙市生まれ。諫早農業高校卒業後、69年に同市吾妻町で家業を継ぎ就農。80年代から有機農薬を営むなかで在来種野菜の自家採種をはじめる。毎年約80品種の野菜を育て、50種近くの種を採る。日本各地に点在するさまざまな在来種の種を託され、消えゆく種を継いでいく営みを40年にわたり続けている。NPO法人「日本有機農業研究会」幹事として種苗部会を担当。「雲仙市有機農業推進ネットワーク」「雲仙市伝統野菜を守り育む会」では代表を務める。2019年よりオーガニックベースが展開する「雲仙たねの学校」で講師を務め、「種市」「種を蒔くデザイン展」等に登壇、種について伝える活動をおこなう。22年、長年の種採りへの取り組みが評価され黄綬褒章を受章。著書に『岩崎さんちの種子採り家庭菜園』(家の光協会)、『つくる、たべる、昔野菜』(共著、新潮社)がある。
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科学する心|池澤 夏樹
¥1,100
KADOKAWA 2023年 角川ソフィア文庫 ソフトカバー 288ページ 文庫判 - 内容紹介 - 科学が日常から遠くなってしまった。暮らしの道具は、便利ではあってもブラック・ボックスとなった。しかし科学とは、五感をもって自然に向き合う姿勢ではなかったか。料理、日時計、昆虫、宇宙から、生命の誕生、進化論、原子力、人工知能まで――。法則と一回性、抽象と具体、科学と文学の間を自由に思索し、ときにその境界をラディカルに揺さぶる科学随筆13編。新たな書き下ろし「環世界とカーナビと心の委員会」を収録。解説・中村桂子 目次 ・ウミウシの失敗 ・日時計と冪とプランク時代 ・無限と永遠 ・進化と絶滅と愛借 ・原子力、あるいは事象の一回性 ・体験の物理、日常の科学 ・知力による制覇の得失 ・『昆虫記』と科学の文学性 ・「考える」と「思う」の違い ・主観の反逆、あるいは我が作品の中の反科学 ・パタゴニア紀行 ・光の世界の動物たち ・環世界とカーナビと心の委員会 文庫解説 中村 桂子 - 著者プロフィール - 池澤 夏樹 (イケザワ ナツキ) (著/文) 1945年北海道生まれ。『スティル・ライフ』で中央公論新人賞、第98回芥川賞を受賞。『南の島のティオ』で小学館文学賞。『マシアス・ギリの失脚』で谷崎潤一郎賞。『言葉の流星群』で宮沢賢治賞。著作活動全般について、司馬遼太郎賞受賞。
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清少納言がみていた宇宙と、わたしたちのみている宇宙は同じなのか? 新しい博物学への招待 | 池内了
¥1,980
青土社 2021年 ハードカバー 288ページ 四六判 - 内容紹介 - あらゆるものを等しい目線で素描する。 清少納言が『枕草子』で描いた「すばる」は現在のわたしたちが観測するものと同じみえ方をしていたのか? クレオパトラはなぜ真珠を飲めたのか? 古代中国のブランコはどのようにして動いていたのか? 科学者の目で古今東西の文章を渉猟する、サイエンス・エッセイ。 2001年に出版された『天文学と文学のあいだ』を最新の知見に合わせて改稿、書き下ろしの章も加え、新たにリリース!
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奇想天外な目と光のはなし | 入倉 隆
¥1,980
雷鳥社 2022年 ソフトカバー 216ページ 四六判 - 内容紹介 - 見える世界はこんなに違う! 脳をもたないクラゲ、真っ暗な深海を漂うダイオウイカ、 首を頻繁に動かすフクロウ、ごみ袋を透視するカラス、 岩に固着すると視力を失うフジツボ、彼らはどのようにものを「見て」いる――? 心理学、光学、工学の横断領域にあたる「視覚心理学」を研究する著者が、 光や色の特性、目の仕組み、さらには世界中の動物たちの目の構造や特性についても調べ、 「これは面白い!」と思った話題を掻き集めた、知的好奇心をくすぐる一冊。 ダーウィンを困らせた「目の進化」から、動物たちの「見る・見られる」の攻防戦、 蛍光色や輪郭線が目立って見える「視覚の不思議」まで、“目から鱗”のトピックが凝縮。 ・どうして目は「頭部」に「2つ」ついているの? ・動きの速い動物ほど視力が良い? ・真っ暗な深海に棲む動物にも目があるのはなぜ? ・話せない赤ちゃんの視力検査はどうやるの? ・昼間に強い光を浴びないと夜に冷えやすい? ・人間よりも色覚の多い動物は、より鮮やかな世界を見ている? ・バイオレットライトは目を良くする? ブルーライトは目を悪くする? 生物進化論、視覚心理学、光学をまたいで、 目と光が織りなす奇想天外な世界を旅してみませんか? 目次 まえがき chapter1:進化 01「目」の誕生と進化 02 複眼と単眼で捉える世界 03 複雑なカメラ眼の成り立ち 04 陸上の目、水中の目 05 さまざまな機能をもった動物の目 chapter2:見る・見られる 01 どうして目は頭についているの? 02 どうして目は二つあるの? 03 コミュニケーションに長けた人間の目 04 視野を広げるための工夫 05 動きの速い動物ほど視力が良い? 06 動きの遅い動物の目は退化する? 07 わずかな色の差を見分ける目の仕組み 08 動いているものは目立って見える chapter3:見えない世界 01 紫外線を捉える動物たち 02 人間も紫外線を感じている? 03 赤外線を使って見えないものを見る 04 偏光パターンで太陽の位置を知る 05 光を追うもの、避けるもの 06 発光しておびき寄せる 07 真っ暗な深海に棲む動物にも目がある理由 08 電気を使って捕食する chapter4:どこまで見える? 01 人の視力はどこまで発達するの? 02 見ている世界にだんだん慣れていく 03 どのくらい遠くまで感じられる? 04 どのくらいの速さで感じられる? 05 光の量を調節する瞳孔の形 06 何色まで見分けることができる? 07 見えない色、感じない色 chapter5:感じる光 01 光を色として感じる仕組み 02 構造が作り出す複雑な色 03 光環境に適応する目の仕組み 04 太陽の光が生活リズムを作る 05 光の色や強さで体感温度が変わる 06 光の方向で眩しさが変わる 07 高齢になると光はどのように感じられる? 08 光は目を良くする? 悪くする? 09 色によって変化する味覚 10 目を閉じたら、感じ方はどう変わる? あとがき 参考・引用文献 前書きなど 動物学者でもない私が、なぜ動物たちが見ている視覚世界や目の仕組みについての本を書いたか、疑問に思うことでしょう。私は大学の電気工学科で、光の見え方や感じ方を扱う「視覚心理学」の研究を行う一研究者です。 大学卒業後は、東京の三鷹にある国立研究所で航空灯火について研究をしていました。航空灯火とは、滑走路に設置されている灯火のこと。飛行機に乗ると滑走路で点灯している光を見たことがありますよね、あれです。 夜間や霧でもパイロットが迷うことなく滑走路を見つけて着陸し、真っ直ぐに走行できるのは、灯火が照らし出す経路を目印にしているからです。上空から航空灯火がしっかり見えるかどうかは、多くの人命がかかっているパイロットにとっては最重要事項の一つなので、私たち研究者が明るさは適切か、上空から見て眩しさを感じないかなどを調べて、現場で生かしているのです。 これが縁となり、大学に移ってからは、心理学、光学、工学の横断領域にあたる視覚心理学の研究をするようになりました。 視覚心理学の研究では、不思議なことがたくさん発見されています。一例を挙げると、床や机の上ではなく壁を照らすと、いつもより部屋が広く感じられます。こうした光が与える心理的な効果を探求するうちに、視覚心理学の基礎となる光や色の特性、目の仕組みについても詳しく調べるようになりました。さらには人間の目だけでなく、世界中の動物たちの目の構造や特性についても興味が湧いていったのです。 人は見た目からかなり多くの情報を読み取っています。黄色く熟したバナナがたわわに実っている様子を見たら、「甘くて美味しそう」と思うでしょう。房が緑色だったら、「まだあまり甘くはなさそうだな」と判断して、熟すまで待つはずです。房が茶色っぽく変色していたら、「もう傷んでしまって食べられないかも」と、食べるのを諦めるかもしれません。 人間の目がバナナの色を識別できるのは、ごく当たり前のことのようですが、実はかなり発達した目をもっていないとできないことです。特に人間ほど高度な色彩感覚をもつ動物は、哺乳類でもそれほど多くはありません。 例えば、身近なペットである犬や猫は、色を識別する視細胞の種類が人間よりも少ないため、赤色を見分けることが困難です。血液の色を「赤色」と認識できるのは、哺乳類では霊長類だけだといわれています。 一方、一部の動物たちには、人間の目には見えない光や色が見えています。例えば、花の蜜を吸うモンシロチョウなどの昆虫は「紫外線」を感知することができるため、紫外線を反射する花びらは、きっと人間よりも目立って見えているでしょう。このように、動物のほとんどが、私たちとは異なる世界の中で生きているのです。 さらに、光そのものが私たちの身体に大きな影響を与えることも分かっています。例えば、日中、薄暗い場所で過ごすと、明るい場所で過ごした場合と比べて、夜に寒さを感じやすくなるそうです。よく赤や黄色を「暖色」、青色を「寒色」と呼んだりしますが、実際に光の色や強さによって体感温度が変化する研究結果も報告されています。 本書は、こうした光や目にまつわる不思議でアッと驚く話を紹介しながら、普段、何気なく見ている世界を新しい角度で眺めてもらえたらという思いで書きました。具体的には次のような構成になっています。 chapter1「目の進化」では、簡単な光を感じるだけの器官からどのようにして複雑な目へと進化したのかについて語ります。chapter2「見る・見られる」では、動物の目が捕食者か被食者、動く速度などによりその構造や機能がどのように異なるのか、chapter3「見えない世界」では、太陽光を利用しながら巧みに生き抜く生き物について紹介します。chapter4「どこまで見える?」では、赤ちゃんが成長に合わせて目の機能をどのように発達させていくのか、動物がどこまで色を識別できるのかなどについて、chapter5「感じる光」では、色の見え方や感じ方、光が視覚以外に及ぼす影響について見ていきます。 とにかく私自身が、「これは面白い」と思った話題をたくさん集めてみました。ぜひ、私と一緒に目の不思議な世界を探検してみませんか。 版元から一言 地球に棲む生き物の多くは太陽光の下で暮らしています。光を利用した生物の生存戦略は多岐に渡り、その中の一つに「目」という感覚器官の発達が挙げられます。「目」の作りによって、感知することのできる「光」も違い、また目のつく位置や視力、色覚の違いでも「見える世界」は大きく異なります。紫外線を捉える鳥やチョウ、赤外線を感じるヘビが見ている世界は人間には想像ができません。さらに同じ人間でも、人種によって虹彩の色が違うことで「眩しさ」の感じ方が異なることや、まだ視力が発達していない赤ちゃんや、青色と黒色の区別がつきにくい高齢者が見ている景色も同じではないと考えられます。 この本を通して私たちがふだん「当たり前」に思っている視覚の不思議を再発見するきっかけになればと思います。また「視覚心理学」「光学」を専門にする著者の眼差しによって、目の進化や仕組みの話を「生物学」だけに留めることなく、様々な角度から眺められるようになっている点も見どころです。実際のカバーは普通の黄色ではなく、蛍光黄色を使っているので、鮮やかな発色で目を引きます。 - 著者プロフィール - 入倉 隆 (イリクラ タカシ) (著/文) 芝浦工業大学教授。1956年(昭和31年)香川県生まれ。1979年早稲田大学理工学部電気工学科卒業。運輸省交通安全公害研究所などを経て、2004年より現職。博士(工学)。元照明学会副会長。専門は、視覚心理、照明環境。主な著書に、『脳にきく色 身体にきく色』(日本経済新聞出版社)、『視覚と照明』(裳華房)、『照明ハンドブック 第3版』(オーム社)などがある。
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ソビエトアジアの建築物 ソ連時代の中央アジアを巡る記録|ロベルト・コンテ(編集 | 写真), ステファノ・ぺレゴ(編集 | 写真), 石田 亜矢子(翻訳)
¥2,200
グラフィック社 2022年 ソフトカバー 192ページ A5変型判 - 内容紹介 - かつてソビエト連邦構成共和国であったカザフスタン、キルギス、ウズベキスタン、タジキスタン。 1950年代からソ連崩壊にいたるまで、数々のモダニズム建築がこの地に建造されました。 本書は、イタリア人写真家のロベルト・コンテとステファノ・プレゴが中央アジアを横断し、写真におさめてきたソ連時代の建築遺産の記録です。 目次 中央アジアの都市を書き換える(文/マルコ・ブッティーノ)/ウズベク・ソビエト社会主義共和国/タジク・ソビエト社会主義共和国/カザフ・ソビエト社会主義共和国/キルギス・ソビエト社会主義共和国/ソビエト連邦時代の中央アジアにおけるモダニズム建築(文/アレッサンドロ・デ・マジストリス) - 著者プロフィール - ロベルト・コンテ (ロベルト コンテ) (編集 | 写真) 1980年生まれ。2006年に写真を撮り始める。 現在、建築設計事務所、アーティスト、デザイナーと連携し、アバンギャルド様式から、戦後のモダニズム、ブルータリズム、そして現代建築と20世紀の建築物の記録に取り組んでいる。 ステファノ・ぺレゴ (ステファノ ペレゴ) (編集 | 写真) 1984年生まれ。2006年、廃墟となったミラノの産業用地の写真を撮り始め、以後、ヨーロッパ中の廃墟を何百箇所も記録してきた。 旧ユーゴスラビアを訪れたことをきっかけに、近年、かつての社会主義国のモダニズムおよびブルータリズム建築の撮影に専心している。 石田 亜矢子 (イシダ アヤコ) (翻訳) 早稲田大学教育学部国語国文科卒。 読売新聞社(英字新聞)に勤務したのち、アートとデザイン専門のフリーランスライターに転向。 現在、主にアート及びデザイン本の翻訳を手がけている。