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牧野植物図鑑の謎 在野の天才と知られざる競争相手|俵 浩三
¥880
筑摩書房 2023年 ちくま文庫 ソフトカバー 224ページ 文庫判 - 内容紹介 - 最も有名な植物学者・牧野富太郎には「ライバル」がいた――? 博士と同時に別の植物図鑑を出版したある男との関係を読む図鑑史。解説 大場秀章 - 著者プロフィール - 俵 浩三 (タワラ ヒロミ) (著/文) 1930年東京生まれ、千葉大学園芸学部卒業。景観学者、林学者。厚生省国立公園部、北海道林務部、北海道生活環境部に勤務したのち、専修大学北海道短期大学教授、北海道自然保護協会理事、専修大学北海道短期大学名誉教授等を務めた。2020年没。
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NHK出版 学びのきほん ここちよさの建築|光嶋 裕介
¥770
NHK出版 2023年 ソフトカバー 112ページ A5判 - 内容紹介 - 「自分」だけの住まいの幸福論 オンラインで人とつながることが増え、多くの時間を家で過ごすようになった今、私たちがより幸せに住まうためにはどうすればいいのか。本書では「建築と建物の違い」「建築を形作る用・強・美」 など、建築家が重視する「建築のそもそも」を学ぶことで、自分の住まいのあり方を捉え直していく。その上で、「好きなものを集める」「ホッとする空間をつくる」「手入れする」など、身近なところから「ここちよい住まいの作り方」を提案する、実践的入門書。 - 著者プロフィール - 光嶋 裕介 (コウシマ ユウスケ) (著/文) 1979年、アメリカ・ニュージャージー州生まれ。建築家。一級建築士。早稲田大学理工学部建築学科卒業。2004年同大学院卒業。ドイツの建築設計事務所で働いたのち2008年に帰国し、独立。神戸大学客員准教授、早稲田大学、大阪市立大学非常勤講師。建築作品に内田樹氏の自宅兼道場「凱風館」、「旅人庵」、「森の生活」、「桃沢野外活動センター」など。著書に『これからの建築 スケッチしながら考えた』『つくるをひらく』(ミシマ社)、『建築という対話 僕はこうして家をつくる』(ちくまプリマー新書)、『みんなの家。 建築家一年生の初仕事と今になって思うこと』(ちくま文庫)など。
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人間がいなくなった後の自然|カル・フリン, 木高 恵子(翻訳)
¥3,740
草思社 2023年 ハードカバー 400ページ 四六判 - 内容紹介 - 人間が消えれば、自然は回復・新生する―― これはダークツーリズムでも、廃墟趣味でもない、新時代の「環境人文書」である。 サンデー・タイムズベストセラー/ジョン・バロウズ賞受賞/英国王立文学協会オンダーチェ賞最終候補…各方面から大絶賛! 戦争の緩衝地帯、かつての産業の衰退地、放射能汚染地域、災害跡地…人間が見捨てた土地は、 実際にはリセットされた大地で自然が新しい環境として遷移し、地球上のほかのどのエリアとも異なる豊かな場所となっていた。 世界中の荒廃し果てた土地を訪ね、自然の回復・新生の実態を追った、人間中心主義以降の時代の、 環境人文学の最先端を行く野心作。 「二年間かけて、最悪のことが起きてしまった場所を旅した。戦争、原子炉のメルトダウン(炉心溶融)、自然災害、砂漠化、毒化、放射能汚染、経済崩壊に見舞われた風景である。世界の最悪の場所ばかりを次々に並べる本書は暗黒の書というべきかもしれない。しかし実のところ、本書は救済の書なのである……ある場所が見違えるほど変わってしまい、すべての望みが絶たれたように見えるとき、どのようにして別の種類の生命の可能性を育むのだろうか。」 (本書より) ●目次 第一部:人間のいない間に 第一章 荒地:スコットランド、ウエスト・ロージアンのファイブ・シスターズ 第二章 無人地帯:キプロスの緩衝地帯 第三章 旧農地:エストニア、ハリュ 第四章 核の冬:ウクライナ、チョルノービリ 第二部:残る者たち 第五章 荒廃都市:アメリカ合衆国、ミシガン州デトロイト 第六章 無秩序の時代:アメリカ合衆国、ニュージャージー州、パターソン 第三部:長い影 第七章 不自然な淘汰:アメリカ合衆国、スタテンアイランド、アーサー・キル 第八章 禁断の森:フランス、ヴェルダン、ゾーン・ルージュ 第九章 外来種(エイリアン)の侵略:タンザニア、アマニ 第一〇章 ローズコテージへの旅:スコットランド、スウォナ島 第四部:エンドゲーム 第一一章 啓示:モンセラトの首都 プリマス 第一二章 大洪水と砂漠:アメリカ合衆国、カリフォルニア州、ソルトン湖 - 著者プロフィール - カル・フリン (カル フリン) (著/文) 作家・ジャーナリスト。サンデー・タイムズ紙とデイリー・テレグラフ紙の記者であるほか、ザ・ウィーク誌の寄稿編集者でもある。オックスフォードのレディ・マーガレット・ホールで実験心理学の修士号を取得。著書にオーストラリアの植民地問題を扱った「Thicker Than Water」がある。 木高 恵子 (キダカ ケイコ) (翻訳) 淡路島生まれ、淡路島在住のフリーの翻訳家。短大卒業後、子ども英語講師として小学館ホームパルその他で勤務。その後、エステサロンや不動産会社などさまざまな職種を経て翻訳家を目指し、働きながら翻訳学校、インタースクール大阪校に通学し、英日翻訳コースを修了。訳書に『ビーバー: 世界を救う可愛いすぎる生物』(草思社)がある。
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たぬきの本 里山から街角まで|村田 哲郎, 中村 沙絵, 南 宗明, 上保 利樹, 萩野 賢一
¥2,420
共和国 2023年 ソフトカバー 256ページ 菊変型判 縦188mm 横150mm 厚さ17mm - 内容紹介 - 動物? 置物? 化け物!? 民話や童謡に登場するなど、古くから私たちに身近な動物、たぬき。そんなたぬきの不思議な魅力に引きこまれた5人の人間たちが、独自の視点でその魅力を語り尽くします。 動物園での定点観察、子だぬきの飼育に奮闘する日々、信楽たぬきの謎、たぬきのイメージの変遷や日本と韓国の比較など、全ページにあふれる「たぬき愛」。新旧の「日本たぬき学会」会長による対談も収録し、写真や図表、イラストもふんだんにあしらって、立体的にたぬきの魅力に迫ります! 定価=2200円+悪税 目次 たぬきの魅力とは --- 第1章 動物園のタヌキを撮影しながら考えたこと(中村沙絵) --- 1、今日も動物園にいます 2、タヌキという生きもの、その魅力と生態 3、余剰動物と誤認保護 4、それでもタヌキに会いに行く Column 01 タヌキとアライグマ --- 第2章 タヌキの群れと暮らした男(南 宗明) --- はじめに 1、赤膚山の歴史 2、タヌキとの遭遇 3、タヌキ飼育日記 4、アイちゃんとの生活 5、タヌキと人間の距離 Column 02 タヌキQ&A --- 第3章 街角狸研究序説(村田哲郎) --- 1、街角狸との出会い 2、狸の置き物とは何か――信楽狸の歴史と変遷 3、どんな狸があるのか――信楽狸モデル別解説 4、狸はどこへ向かうのか――街角狸に見る狸と人間の関係 まとめ --- 第4章 信楽タヌキのいるお寺「狸谷山不動院」(上保利樹) --- 1、信楽タヌキと人の関係 2、信楽タヌキが「住み着く」お寺 3、境内の「場」の調査 4、境内のタヌキに関わる「人々」 5、狸谷山不動院はどんな場所? Column 03 酒買い小僧狸とタヌキ --- 第5章 日本のたぬきのイメージと韓国たぬき事情(萩野(文)賢一) --- はじめに 1、日本のたぬき 2、韓国のたぬき 最後に Column 04 おすすめブックリスト --- 「日本たぬき学会」新旧会長対談 狸文化を深めるために(大平正道×村田哲郎) --- あとがき 前書きなど 「たぬきについて思いを巡らせると、その正体は果たして動物なのか、置物なのか、物語に出てくるキャラクターなのか、いつもあいまいになってしまう。むしろそれらが渾然一体となって分離できないところがたぬきの面白さなのだ。とはいっても、それらを網羅した書籍を探そうとしてもなかなか見つからない。 たぬきの本を出版することを提案されたとき、私が真っ先に思ったのは、様々な角度からたぬきを考察する本にしたいということだった。ただ、私個人ではそのような広がりを持った本を書くことはできないので、各ジャンルで多彩な経験を持つ方々にそれぞれ執筆していただくことにした。これができるのが、たぬき好きの良いところで、学問としてたぬきを研究されている方は少ないかもしれないが、無数に存在する動物、置物、キャラクターの中で、なぜかたぬきに魅了されてしまっている人たちのなんともいえない連帯感が存在するのだ。まるで、群れは作らないが、互いに攻撃しあうことなく平和に生活するタヌキの習性のように」 ――あとがきより - 著者プロフィール - 村田 哲郎 (ムラタ テツロウ) (著) 1980年、神奈川県に生まれる。 街角狸マニア「むらたぬき」として街角に置かれた狸の置物を撮り集め、「#街角狸」でSNSにアップしている。世界中に散らばった狸たちをSNS上で一堂に集めるのが夢。 狸をテーマにしたオリジナル曲で、日本タヌキレコード大賞を3度受賞。 2021年度「日本たぬき学会」会長に就任。 中村 沙絵 (ナカムラ サエ) (著) フォトグラファー。 2017年頃より、動物園で暮らす生き物たち、保護猫カフェの猫たちを主に撮影。 2023年現在、屋号「狐狸写館」にてタヌキの写真集やグッズを撮影・企画・制作・販売している。 南 宗明 (ミナミ ムネアキ) (著) 1973年、大阪府に生まれる。 私立高校の社会科教諭を務めるかたわら、赤膚山元窯保存会の一員としてタヌキが暮らす赤膚山の環境保全や窯の普及啓発活動を行なっている。 上保 利樹 (ウワボ リキ) (著) 1995年、神奈川県に生まれる。2018年、慶應義塾大学文学部卒業。 2021年度より、「日本たぬき学会」副会長に就任。現在は、けいおうタヌキ研究所として、SNSを中心に信楽タヌキの情報発信活動を行なっている。 萩野 (文) 賢一 (ハギノ ムン ケンイチ) (著) 1963年、静岡県に生まれる。 1994年、韓国籍取得。現在、韓国国立全南大学校常勤講師。 長年にわたり、韓国の大学や官公庁で日本語や日本文化教育に従事。 訳書に、永川幸樹『人を切らない会社が伸びる』(韓国語版、푸른샘출판사、2001年)など、共著に、일본의 지리(전남대학교출판부、2017年)など多数がある。
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種をあやす 在来種野菜と暮らした40年のことば|岩﨑 政利
¥1,870
亜紀書房 2023年 ソフトカバー 180ページ 四六判 縦188mm 横130mm 厚さ14mm - 内容紹介 - 岩﨑さんの農の話は、種と実りと人の暮らしが巡りながら土地に根差すことの喜びを気づかせてくれる。 ──皆川 明(ミナ ペルホネン・デザイナー) * * * 野菜の人生について考えたことは初めてでした。 野菜の一生に寄り添い、野菜と交流し、野菜から学んでいる岩﨑政利さんの言葉は詩人のようです。 野菜には人間と同じように個性があり多様性を失えば絶えていくことを、この本を通して知りました。誇らかに花を咲かせる野菜の姿を見てみたい。日本の風景に野菜の花を取り戻したいと思いました。 人間にとって「種」とは何かを、問いかけてくれるすばらしい哲学書です。 ──田口ランディ(作家) * * * 在来種を守るのに大切な視点は、経済や文化だけでない。 岩﨑さんが語る「人と作物の幸せな関係」というもう一つの視点に、目を開かされた思いです。 ──江頭宏昌(山形大学農学部教授 [植物遺伝資源学 ] ) ---------------------- 〈種継ぎ農家が畑で学んだいのちの哲学〉 長崎・雲仙の肥沃な大地で長年にわたり種採りに情熱を注いできた著者が、まだ見ぬ後継者たち、そして野菜を愛するすべての人に向けて綴った。 ──農家であることの喜び、野菜と種がもたらす人生の醍醐味とは。 ---------------------- 施設園芸で化学肥料を極めた若き日から、有機農業と出合いたどり着いた無肥料・不耕起の在来種野菜づくり。 挫折と孤独、そして大いなる喜びもまた──。 在来種野菜と種に人生を捧げつづける長崎・雲仙の農家が語る唯一無二の種採り哲学。 目次 ◆はじめに 〈 第1章 雑木林が教えてくれた 〉 ■農家になりたくなかった ■最先端の農業を学ぶ ■父とはちがう農業をめざして ■原因不明の体調不良 ■有機農家への転向 ■消費者団体がいたからこそ ■自分がやってきた農業に向き合う ■雑木林が私の師 ■雑木林から見つけた農法 ■それぞれが農法を極める 〈 第2章 野菜の一生 〉 ■種と生きていく ■種を採るという営み ■種も人間と司じ ■種は心を映す鏡 ■在米種とF1種 ■端境期を乗り越える ■野菜の花は美しい ■花を中心とした多様性 ■野菜の大往生 ■種を採ることはひとつの手段 ■手もとにある50種類の種たち 〈 第3章 個性豊かな種たち 〉 ■おいしさが大切 ■種がもつ物語 ■種を受け継ぐ ■さりげない野菜とは ■平家大根のロマン ■野菜を原種の姿へ戻す ■種は宝探し ■種を旅に出そう 〈 第4章 野菜と暮らす 〉 ■野菜の生きる姿に学ぶ農の世界 ■食べてみて初めてわかること ■野菜の手紙 ■種をあやす ■野菜と暮らしていく ■自然を聴いて心(み)る ■ひとりの農民ができること ■人と作物の良い関係 〈 第5章 また、種を蒔く 〉 ■種を100年残すために ■食べてつないでいく ■農業という枠から外れたとしても ■そこにしかない食を求めて ■地域のひとつのモデルとして ■種からはじまる ■次世代へのバトン ◆おわりに - 著者プロフィール - 岩﨑 政利 (イワサキ マサトシ) (著/文) 1950年長崎県雲仙市生まれ。諫早農業高校卒業後、69年に同市吾妻町で家業を継ぎ就農。80年代から有機農薬を営むなかで在来種野菜の自家採種をはじめる。毎年約80品種の野菜を育て、50種近くの種を採る。日本各地に点在するさまざまな在来種の種を託され、消えゆく種を継いでいく営みを40年にわたり続けている。NPO法人「日本有機農業研究会」幹事として種苗部会を担当。「雲仙市有機農業推進ネットワーク」「雲仙市伝統野菜を守り育む会」では代表を務める。2019年よりオーガニックベースが展開する「雲仙たねの学校」で講師を務め、「種市」「種を蒔くデザイン展」等に登壇、種について伝える活動をおこなう。22年、長年の種採りへの取り組みが評価され黄綬褒章を受章。著書に『岩崎さんちの種子採り家庭菜園』(家の光協会)、『つくる、たべる、昔野菜』(共著、新潮社)がある。
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小林快次監修 新・恐竜骨格図集|小林快次(監修), G.Masukawa, 土屋健(編集)
¥4,180
イースト・プレス 2022年 ハードカバー 160ページ A4変型判 縦216mm 横305mm 厚さ16mm - 内容紹介 - 「サイエンスとアートの垣根を超える。世界の恐竜ファンが待ちわびた一冊」(小林快次氏・監修の言葉より) 不朽の名作『恐竜骨格図集』(G・ポール)から四半世紀、恐竜復元は今なお進化を続ける──。国際的な評価を受け、数々の学術論文や専門書に掲載されるG.Masukawa氏の骨格図が、恐竜復元に新たな風を呼ぶ。世界的な古生物学者・小林快次氏の監修のもと、日本の古生物界をリードする土屋健氏が編集協力。恐竜骨格図の新たなスタンダードがここに。恐竜ファンのみならず、すべての人類の好奇心を揺さぶる1冊。 【監修の言葉(小林快次氏)】 「本書の特徴は、その正確性にある。発見された恐竜の骨を、形や寸法を忠実に再現し、それを骨格図として恐竜に息を吹き込む。私は、2019年にカムイサウルスを命名した。その際、G.Masukawa氏に復元画を描いてもらった。その時、「研究をもとに骨格を復元すると矛盾点がある」と指摘を受けた。復元することでわかる恐竜の新事実。ある意味カムイサウルスの研究は、私たち研究チームとG.Masukawa氏の二人三脚で完成されたものとも言える。サイエンスとアートの垣根を超えた瞬間である。本書で描かれている恐竜たちも、カムイサウルスのようにG.Masukawa氏の正確性を基に復元されたものである。復元画は、言葉を超えた表現であり、伝える力は極めて大きい。世界の恐竜ファンが待ちわびた一冊である。」 目次 はじめに/骨格図集の見方/恐竜のはじまり/■鳥盤類 装盾類、周飾頭類、鳥脚類/■竜盤類 竜脚系類、獣脚類/おわりに/参考文献/索引 - 著者プロフィール - 小林快次 (コバヤシヨシツグ) (監修) 1971年、福井県生まれ。ワイオミング大学地質学地球物理学科卒業。サザンメソジスト大学地球科学科で博士号取得。現在、北海道大学総合博物館教授、大阪大学総合学術博物館招聘准教授。獣脚類のオルニトミムス類を中心に、恐竜の分類や生理・生態の研究をしている。『恐竜は滅んでいない』(角川書店)、『ぼくは恐竜探検家!』(講談社)など著書、監修書多数。主なフィールドは、モンゴル、アラスカ、中国、カナダ、アメリカ、アルゼンチン。 G.Masukawa (ジーマスカワ) (著/文) 古生物イラストレーター、サイエンスライター。科学的な思考プロセスを経て描く古生物の骨格図は国際的な評価を受け、学術論文や専門書に掲載される。「恐竜博2019」、「ポケモン化石博物館」といったイベントや、国内外の博物館のほか北海道大学、福井県立大学、岡山理科大学など研究機関への協力も多数。理学修士(地質学・古生物学) 土屋健 (ツチヤケン) (編集) 2003年、金沢大学大学院自然科学研究科修士課程修了。科学雑誌『Newton』の編集記者、部長代理を経て、現在、オフィス ジオパレオント代表、サイエンスライター。日本古生物学会会員、日本地質学会会員、日本文藝家協会会員。専門は地質学、古生物学。近著に、『機能獲得の進化史』(みすず書房、2021)、『恋する化石』(ブックマン社、2021)、『こっそり楽しむうんこ化石の世界』(技術評論社、2022)など。ほか、著書・監修書多数。2019年、日本古生物学会貢献賞を受賞。
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ティラノサウルス解体新書|小林 快次
¥1,870
講談社 2023年 ソフトカバー 320ページ 四六判 - 内容紹介 - ティラノサウルスと小林快次博士という訴求力満点の最強タッグが贈る、知的好奇心にこたえる一冊! これまで二十数種が見つかっているティラノサウルスの仲間。しかし、その全貌は複雑で、全体を解説している本や図鑑はありませんでした。 本書は、これまでに発見されたティラノサウルス類のすべてを体系的に解説。ティラノサウルスは最も研究されている恐竜ではありますが、まだまだわからないことが多いのが実際のところです。たとえば「ティラノサウルスには羽毛は生えていたのか?」という一般的な問いにさえ、まだ確定した問いはないのです。 一方で、ティラノサウルスの仲間は、北極に近いアラスカや日本にも生息していたことが分かっています。新たな発見があるたびに新しいことがわかり、そしてまた新たな謎が出てくるのがティラノサウルス研究なのです。 本書では、第一部「ティラノ軍団の現在」で、ティラノサウルス類全種についての最新研究を紹介。第二部では、ティラノサウルスの特徴や生態について解説していきます。ティラノサウルスという一つのグループを扱ったものとしては、圧倒的な情報量を誇る本書では、ティラノサウルスだけでなく、恐竜研究の最新の歩みをつぶさに辿ることができます。 - 著者プロフィール - 小林 快次 (コバヤシ ヨシツグ) (著/文) 1971年生まれ。1995年にワイオミング大学地質学地球物理学科卒業、サザンメソジスト大学地球科学科で日本人として初めて博士号を取得。現在は北海道大学総合博物館教授。オルニトミムス類などの獣脚類の研究のほか、デイノケイルスやカムイサウルスをはじめ、多くの恐竜の研究に携わっている。化石を発見するその能力から「ファルコン・アイ」とも呼ばれる。NHKスペシャル、ラジオの子ども科学電話相談などの出演も多数。
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クジラの歌を聴け 動物が生命をつなぐ驚異のしくみ|田島 木綿子
¥1,760
山と渓谷社 2023年 ソフトカバー 272ページ 四六判 - 内容紹介 - 全員、生き残るための工夫がすご過ぎる イルカはあえて逆子で産む! ウマの“たまらん顔”は興奮の証! ラッコの愛情表現は痛すぎる! ヤギの交尾は一瞬で終わる! 海獣学者が解きあかす すばらしき繁殖戦略 ザトウクジラは、なぜソングを歌うのか? テングザルの鼻と睾丸の 不思議な関係 バビルサの牙はなぜ伸び続ける? ヤギの交尾が一瞬で終わる切実な理由 なぜクジラはみんな逆子なのか? アザラシの母乳に脂肪が多いのはなぜ? ヒトはもともと難産になりやすい——。 求愛の悲喜こもごもから交尾の驚くべき工夫、妊娠・出産の不思議、環境に適応した多様な子育ての方法まで、あまり明るみに出ないけれど実はめちゃくちゃ面白い、繁殖・生殖のはなしを語る。 海獣学者・獣医として海陸両方のさまざまな哺乳類に触れ、解剖学の知識をもつ著者ならではの経験と視点が満載。 読んだあと、生命の不思議と大切さを感じずにはいられない一冊。 ■内容 1章 クジラの歌を聴け~海の哺乳類の求愛戦略~ 2章 ゴリラの背中を見よ~陸の哺乳類の求愛戦略~ 3章 ヤギの交尾を見逃すな~オスの繁殖戦略~ 4章 イルカは逆子で産みたい~メスの繁殖戦略~ 5章 仔ゾウは、笑う~子どもの生存戦略~ ■著者について 田島 木綿子(たじま・ゆうこ) 国立科学博物館動物研究部脊椎動物研究グループ研究主幹。 筑波大学大学院生命環境科学研究科准教授。 博士(獣医学)。1971 年生まれ。 日本獣医生命科学大学(旧日本獣医畜産大学)獣医学科卒業。 学部時代にカナダのバンクーバーで出合った野生のオルカ(シャチ)に魅了され、海の哺乳類の研究者として生きていくと心に決める。 東京大学大学院農学生命科学研究科にて博士号取得後、同研究科の特定研究員を経て、2005 年からアメリカのMarine Mammal Commission の招聘研究員としてテキサス大学医学部とThe Marine Mammal Center に在籍。 2006 年に国立科学博物館動物研究部支援研究員を経て、現職に至る。 海の哺乳類のストランディング個体の解剖調査や博物館の標本化作業で日本中を飛び回っている。 本書では獣医学の知見を活かして海と陸の哺乳類を対象に繁殖戦略を語り尽くす。 著書に『海獣学者、クジラを解剖する。』(山と溪谷社)ほか。
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科学する心|池澤 夏樹
¥1,100
KADOKAWA 2023年 角川ソフィア文庫 ソフトカバー 288ページ 文庫判 - 内容紹介 - 科学が日常から遠くなってしまった。暮らしの道具は、便利ではあってもブラック・ボックスとなった。しかし科学とは、五感をもって自然に向き合う姿勢ではなかったか。料理、日時計、昆虫、宇宙から、生命の誕生、進化論、原子力、人工知能まで――。法則と一回性、抽象と具体、科学と文学の間を自由に思索し、ときにその境界をラディカルに揺さぶる科学随筆13編。新たな書き下ろし「環世界とカーナビと心の委員会」を収録。解説・中村桂子 目次 ・ウミウシの失敗 ・日時計と冪とプランク時代 ・無限と永遠 ・進化と絶滅と愛借 ・原子力、あるいは事象の一回性 ・体験の物理、日常の科学 ・知力による制覇の得失 ・『昆虫記』と科学の文学性 ・「考える」と「思う」の違い ・主観の反逆、あるいは我が作品の中の反科学 ・パタゴニア紀行 ・光の世界の動物たち ・環世界とカーナビと心の委員会 文庫解説 中村 桂子 - 著者プロフィール - 池澤 夏樹 (イケザワ ナツキ) (著/文) 1945年北海道生まれ。『スティル・ライフ』で中央公論新人賞、第98回芥川賞を受賞。『南の島のティオ』で小学館文学賞。『マシアス・ギリの失脚』で谷崎潤一郎賞。『言葉の流星群』で宮沢賢治賞。著作活動全般について、司馬遼太郎賞受賞。
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ル・コルビュジエ|八束 はじめ
¥1,012
講談社 2022年 講談社学術文庫 ソフトカバー 224ページ 文庫判 - 内容紹介 - 20世紀を代表する、最も有名な前衛建築家、ル・コルビュジエ(1887-1965)。 「全ての建築家にとっての強迫観念(オブセッション)」「近代建築の言語そのもの」……。 スイスの若き時計工芸家は、なぜこれほどまでの世界的名声を勝ち得たのか。 師との出会いと決別、数多のコンペティション落選や学界との論争、生涯転身し続けた作風の背景――。 建築界の巨匠を“人文主義者”という視点で捉え直し、豊富な図版と共に、その全体像をクリアに描き出す! 「あなたが何か新しいことを考えたと思っても、 コルブ(=ル・コルビュジエ)はそれをもうやってしまっている」 ―イギリスの建築家アリソン・スミッソン(「序章」より) 目 次 序 章 ル・コルビュジエとは誰か? 第一章 見出されたもの 第二章 「開かれた目」と「ものを見ない目」 第三章 「建築を擁護する」 第四章 「彎曲の法則」 第五章 「直角の詩」 第六章 「開かれた手」 年譜 あとがき 学術文庫版あとがき 本書の原本は、1983年9月、岩波書店より20世紀思想家文庫として刊行されました。 - 著者プロフィール - 八束 はじめ (ヤツカ ハジメ) (著/文) やつか・はじめ 1948年、山形県生まれ。建築家、建築評論家、芝浦工業大学名誉教授。東京大学工学部都市工学科卒業、同大学院博士課程中退。磯崎新アトリエ勤務後、独立。著書に、『逃走するバベル 建築・革命・消費』『批評としての建築 現代建築の読みかた』『空間思考』『思想としての日本近代建築』『ロシア・アヴァンギャルド建築』『ル・コルビュジエ 生政治としてのユルバニスム』、共著に『未完の帝国 ナチス・ドイツの建築と都市』など多数。
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私の名前はルーシー・バートン | エリザベス・ストラウト, 小川 高義(翻訳)
¥1,056
早川書房 2022年 ハヤカワepi文庫 ソフトカバー 240ページ 文庫判 縦157mm 横106mm 厚さ9mm - 内容紹介 - 長期入院中の30代の作家の元へ、ずっと疎遠だった母が見舞いに訪れる。他愛ない会話から繊細な感情が描き出される。解説/江國香織
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神のいない世界の歩き方 「科学的思考」入門 | リチャード・ドーキンス, 大田 直子(翻訳)
¥1,188
早川書房 2022年 ハヤカワ文庫NF ソフトカバー 352ページ 文庫判 縦157mm 横106mm 厚さ13mm - 内容紹介 - 神様ではなく、科学を信じる「知的な勇気」を持つこと。進化生物学の大家がやさしく語る、不合理はびこる現代社会へのメッセージ
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カラハリが呼んでいる | ディーリア・オーエンズ, マーク・オーエンズ, 小野 さやか(翻訳), 伊藤 紀子(翻訳), 伊藤 政顕(監修)
¥1,430
早川書房 2021年 ハヤカワ文庫NF ソフトカバー 704ページ 文庫判 縦157mm 横106mm 厚さ27mm - 内容紹介 - 若き日のディーリア・オーエンズと夫が、美しく過酷なカラハリの自然と暮らした研究の日々を綴る、ネイチャー・ライティングの傑作。
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野草がハーブやスパイスに変わるとき|山下 智道
¥1,980
山と渓谷社 2023年 ソフトカバー 144ページ 21 x 14.8 x 0.92 cm - 内容紹介 - 人気の野草研究家が提案する新しい日本のハーブ&スパイスブック。 新時代の野草活用バイブル登場! 野草研究家でハーブ王子とも呼ばれる山下智道さんが、日本各地を巡り、さまざまな植物や地域の人や文化との出会いもとに、まったく新しい日本の植物を活用したハープ・スパイスを一冊にまとめました。 こんな植物のこんな利用!? そんな驚きがいっぱいです。食べ方だけでなく、日々の暮らしに活用できるさまざまな楽しみ方を伝授します。 身近に生えている野草や樹木を中心に海藻やキノコも加えた94種類を紹介。
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われらの牧野富太郎!|いとうせいこう(監修), 毎日新聞出版(編集)
¥2,420
毎日新聞出版 2023年 ソフトカバー 176ページ A5判 - 内容紹介 - 愛される植物学者を語り尽くそう! 高野文子/横山譲二/田中伸幸/稲垣典年/海老塚和秀/中島岳志/牧野一浡/額賀じゅんじ/塩田貴志/廣田智恵子/朝井まかて/長田育恵/高知県立牧野植物園/里見和彦/里見由佐(登場順) 2023年の春から放送されるNHK 2023年度前期の連続テレビ小説『らんまん』(主演・神木隆之介)は、「日本の植物学の父」とも言われる牧野富太郎がモデルとなっている。本書は「牧野富太郎愛」を貫き続けるマルチクリエイターのいとうせいこう氏監修によるビジュアル単行本。 牧野博士がかつて行っていた植物採集イベント「牧野植物同好会」を、いとう氏が博士に扮し現代によみがえらせるレポート、牧野博士を研究している識者や関係者のインタビュー、『らんまん』の脚本を担当する長田育恵氏といとう氏の対談、高知県立牧野植物園ガイド、牧野博士が歩いた高知県植物採集ポイントのガイド、博士の蔵書、アートデザインや文学的センスを伝えるコーナー、牧野博士作詞『植物採集行進曲』の一部を紹介する綴じ込み付録など、「牧野ワールド」が満載だ。 カバー表1のイラストは、漫画家でイラストレーターの高野文子氏が担当。 【目次】 牧野富太郎博士、われらのヒーロー! Our Hero Dr. MAKINO! Sprouting Up! 1 牧野博士ヒストリー The Father of Japanese Botany' Makino's Life Tale 2 プランツ・パーティ!!! Plants Party!!! Festival of the Future 3 われらの牧野富太郎! Makino Tomitaro, Our Hero! 4 長田育恵×いとうせいこう 牧野博士の「らんまん人生」を語り尽くそう Life is a Flower Ikue Osada x Seiko Ito 5 われらの牧野植物園ガイド A Worker's Guide to The Makino Botanical Garden 6 牧野富太郎とめぐる植物の旅in高知 A Walkers Travelogue to Kochi in the Footsteps of Makino Tomitaro 7 牧野博士のたのしい蔵書 Makino's Library a homage to plants and a Diversity in Reading 8 牧野富太郎、驚異のセンス Dr. Makino's Aesthetic Art ・Design・ Words! 付録 植物採集行進曲 Plants & Peace on Earth
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図解 世界遺産ル・コルビュジエの小屋ができるまで|藤原成曉, 八代克彦 (著)
¥2,860
SOLD OUT
エクスナレッジ 2023年 ソフトカバー 274ページ B5判 - 内容紹介 - -カップ・マルタンの休暇小屋、現地実測図面集- 日本で世界遺産の休暇小屋をつくってみた! 近代建築三大巨匠のひとりが選んだ終の棲家は、わずか5坪の最小限住宅。 この広さや機能では語れない魅力に迫る。 本書は世界遺産にも指定されているカップ・マルタンの休暇小屋を、 フランスでの実測から、日本での建設までをまとめたものです。 詳細な設計図書を多数掲載し、建設過程の様子も写真やイラスト詳しく紹介しています。 さらに考察編として、この建物がなぜ魅力的なのかについても詳しく解説。 この1冊でカップ・マルタンの休暇小屋のすべてがわかります。 「2016年7月、ル・コルビュジエの17の建築作品がユネスコ世界遺産に認定され、 その中に「カップ・マルタンの休暇小屋」も含まれている。 わが国には彼の作品が唯一、上野に国立西洋美術館があるのみである。ビス1 本から忠実に再現しているこのレプリカは、本物を1とすると、少なくとも0 . 5 の価値 はある、と私は考えている。」 ( 本書あとがき、より抜粋) 【著者について】 藤原成暁(ふじわら・なりあき) 東京都生まれ。武蔵野美術大学造形学部建築学科卒業後、鬼頭梓建築設計事務所を経て藤原成曉設計室設立。ものつくり大学名誉教授、日本工学院専門学校非常勤講師。 八代克彦(やしろ・かつひこ) 群馬県生まれ、博士(工学)。東京工業大学工学部建築学科卒業後、中国政府給費留学生として黄土高原の洞穴住居窰洞(ヤオトン)研究で西安冶金建築学院(現西安建築科技大学)に2年間留学。その後、札幌市立高等専門学校(現札幌市立大学)を経て、現在ものつくり大学教授。 目次 1章:紹介編/しらべる ・カップ・マルタンの休暇小屋について 2章:実測編/はかる ・現地での実測と実測の用具 3章:図面編/かく ・実測をもとに作図する ・建築 ・建具 ・家具 ・金物等 4章:建設編/つくる ・原設計から現地実測そして制作図面へ ・工程表 ・1 仮設・土・地業工事 ・2 鉄筋・コンクリート・ 木造軸組工事下ごしらえ ・3 木造軸組工事 ・4 木造軸組・屋根工事 ・5 建具枠工事 ・6 外壁下地・床工事 ・7 外壁仕上げ ・8 建具工事 ・9 内装工事 ・10 塗装工事 ・11 家具工事 ・12 金属・雑工事 ・アトリエ制作 ・墓碑制作 ・ものつくり大学キャンパス 内に完成したレプリカ 5章:考察編/かんがえる ・休暇小屋の分析と考察 ・コルビュジエ年表 ・コルビュジエ ・世界遺産一覧 ・休暇小屋はわずか 45分で生まれた ・休暇小屋に至る アプローチの妙 ・断崖絶壁に穿かれた洞穴 ・1+1=3とする配置計画 ・断面・立面の分析 ・緩衝領域としての前室の役割 ・照らされる壁・ 反射する床 ・さまざまな視線、フレーミングされた窓 ・風の道をつくる窓の配置 ・自然界の要素に対応する開口部 ・見せる家具と隠れた収納 ・カラースキーム ・胎内空間の闇と光 ・灯りの重心・ 照らされる空間 ・壁と天井の目地─たかが目地、されど目地─ ・穿かれた窓 ・モデュロールというヒューマンスケール ・建築と絵画の統合─外向きの壁画・内向きの扉絵─ ・合理性の近傍にある美 ・コスモスとカオスの 二元対比 ・「小さな家」との共通点 ・コルビュジエの弟子の言葉 ・コルビュジエの言葉 6章:資料編 ・カップ・マルタン実測調査と視察 ・カップ・マルタンへ ─小空間を補完する周囲の環境─ ・カップ・マルタン駅から休暇小屋へ ・休暇小屋の周囲の建築 ・ロク・ブリュヌ村を抜けて墓碑へ ・周辺を歩く ・建物周囲を見る ・カップ・マルタンの休暇小屋 図面集 ・カップ・マルタンの休暇小屋 ドローイング集 ・カップ・マルタンの休暇小屋を「起こし絵」(折り紙建築)でつくってみよう ・ル・コルビュジエ、 思想の遺伝子
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限られた時間を超える方法 | リサ・ブローデリック, 尼丁 千津子(翻訳)
¥1,870
かんき出版 2023年 ソフトカバー 272ページ 四六判 縦188mm 横130mm 厚さ18mm - 内容紹介 - プリンストン大学、スタンフォード大学、 カーネギーメロン大学など 著名な科学者が絶賛する全米注目の話題書! 「まさに、時間の捉え方に対するコペルニクス的転回! 時間と空間を超える量子論の考え方がシンプルにわかる」 茂木健一郎氏絶賛 「時間」は感覚にすぎない!? 時間を超える秘訣は「脳波」にある! 本書の内容はSF(サイエンス・フィクション) ではなく、本物の科学だ。 時間がゴムひものように「伸縮自在」なことは、 はるか昔にアインシュタインによって 証明されている。 私たちはみな、普段はほぼ「無意識に」 時間の歩みを緩めたり速めたりしている。 では、「意識的に」時間の流れを遅くでたら? もし、あなた自身が時間の歩みを緩めたり、 時間が流れる方向を変えたりできるとしたら? 私たちは、教えられてきた基礎科学の知識によって、 「時間は常に前に進みつづけるもの」 だと思い込んでいる。 そして人生の歩みについては、 「どうしようもない出来事に翻弄されながら、 現実を一方向に進みつづけるもの」 とみなしている。 だが、時間の捉え方はほかにもある。 それは、時間を科学的に説明する根拠となる、 因果性の物理法則に逆らうものだ。 専門的には「量子論」と呼ばれている。 量子力学の原理に則れば、 私たちは人間がつくってきた時間の概念を 別の見方で捉えることができる。 時間による制約をそれまでよりもずっと 少なく感じられるようになる。 そして自身の人生の手綱を握って、 ほぼどんなことも実現できる。 そう、どんなことにも縛られない 人生を送れるのだ。 したがって本書のテーマは、 「時間」であると同時に、 時間の科学的発見を通じて明らかになった 「現実の本質」を探ることでもある。 「思考はどこから来るのか?」 「実体があるものかどうかを確かめるには?」 という問いかけを突きつめると、 時間や現実は感覚にすぎないことに気づく。 私たちは、時計の文字盤は 実在するものを示しているとみなしているが、 実際はそうではない。 時間は実体のあるものだという 思い込みを捨て去りさえすれば、 私たちはいつ何どきでも 「過去や未来」に触れられる。 この状態には特定の脳波が関与していて、 「ゾーンに入る」「フロー」「ザ・ナウ」 などと呼ばれてきた。 本書ではそれを「超越した感覚」と呼んでいる。 この状態に入ると、どこへでも思いのままに 「時間旅行」ができるようになる。 全米衝撃の注目書、ついに日本上陸! 目次 はじめに 時間を思いのままに操る方法 PART1 時間の概念を見直す 第1章 私たちは時間をどう捉えているか 第2章 時間の「物理的領域」を知る 第3章 時間の「感覚的領域」を知る 第4章 目に見えないものが「驚くべき光景」をつくりだす 第5章 「超越した感覚」における脳波 PART2 時間を操る手法を極める 第6章 「超越した感覚」状態をつくりだす 第7章 先の人生を事前に経験する 第8章 過去を反転させる 第9章 将来に行く手を脅かされない 第10章 時間を伸ばす 第11章 必要なときに道しるべを見つける 第12章 一瞬で伝える 第13章 いちばん大事なものを瞬時に確認する 第14章 形而上の重力を活用する 第15章 時間の制約から解放される 第16章 時間を超越する 第17章 時間の超越に向けて試してほしいこと 巻末付録 さらなる科学的解説 - 著者プロフィール - リサ・ブローデリック (リサ ブローデリック) (著/文) ◎――スタンフォード大学卒業後、デューク大学でMBAを取得。最新科学をわかりやすく解説し、数多くのクライアントの人生を変えてきた。マーシャル・ゴールドスミスをはじめとする一流の専門家、 GEキャピタルなどの一流企業がクライアントに名を連ねる。科学とスピリチュアル、自らの個人的な体験を融合させた独自のスタイルによる指導を行う。 ◎――ビジネス・金融コンサルタントとしてキャリアをスタート。 ABCニュースにビジネスレポーターとしてレギュラー出演。自分の知識と能力があまりにも速いペースで向上することに興味を持ち、モンロー研究所で意識の拡大について学ぶ。その後、著名な著作家であるジェラルド・エプスタイン医師のもと、 15年にわたって米国メンタルイメージング研究所で心的イメージと夢の分析を学んだ。長年にわたる学習とメンタルトレーニングの成果を体系的にまとめ、時間を遅らせるなどの「超正常能力」を一般の人たちに指導する活動をしている。 尼丁 千津子 (アマチョウ チヅコ) (翻訳) ◎――英語翻訳者。神戸大学理学部数学科卒業。訳書に『移動力と接続性(上・下)』(原書房)、『教養としてのデジタル講義』『パワー・オブ・クリエイティビティ』(いずれも日経BP)、『「ユーザーフレンドリー」全史』(双葉社)、『10代脳の鍛え方』(晶文社)など多数。
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渡り鳥たちが語る科学夜話 | 全卓樹
¥1,760
朝日出版社 2023年 ソフトカバー 192ページ 四六変型判 - 内容紹介 - 島本理生さん推薦! 「科学が照らすものは、この世界に降りそそぐ美しい奇跡なのだ。」 ――真夜中の科学講座、第2幕のはじまりです。 ・月のおもて側にだけある海 ・土星の環から霧雨が降る ・この世界はシミュレーションなのか? ・青年科学者の命を奪ったデーモンコア(魔物の心臓) ・逆張り・冷笑派は強者の勝利を後押しする? ・砂漠に広がる「妖精の環」のひみつ ・ヒマラヤを渡るツルが巻き起こした小さな奇跡 『銀河の片隅で科学夜話』で寺田寅彦賞受賞! 理論物理学者とっておきの20話。 「もしこの書が、読者諸氏の異時空の旅のよきお供となるならば、それは筆者欣快の至りである」 ――著者 著者プロフィール 全卓樹 (ゼンタクジュ) (著/文) 京都生まれの東京育ち、米国ワシントンが第三の故郷。東京大学理学部物理学科卒、東京大学理学系大学院物理学専攻博士課程修了、博士論文は原子核反応の微視的理論についての研究。専攻は量子力学、数理物理学、社会物理学。量子グラフ理論本舗/新奇量子ホロノミ理論本家。ジョージア大、メリランド大、法政大等を経て、現在高知工科大学理論物理学教授。著書に『エキゾティックな量子――不可思議だけど意外に近しい量子のお話』(東京大学出版会)などがある。
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ファーブル驚異の博物誌|イヴ・カンブフォール, 奥本 大三郎(翻訳), 瀧下 哉代(翻訳)
¥2,640
エクスナレッジ 2022年 ソフトカバー 320ページ A5判 - 内容紹介- 未知なるものの「発見」 その感動を全ての人に 稀代の博物学者ジャン=アンリ・ファーブルの生い立ちとその研究人生を追い、なぜ“昆虫”に夢中になったのか、そしていかに昆虫やその他“虫たち”の生態が驚くべきものなのかを、『ファーブル昆虫記』からの引用と共に解き明かす一冊。 美しい図版やダイナミックな写真、そして虫たちの驚異の生態に圧倒されること間違いなし。博物学の神髄に触れ知的好奇心が満たされる、未知なるものを「発見」する感動をあなたにも。 「私はこの本を、本能とは何かという難問をいつの日か少しでも解いてみようとする学者や哲学者のために書いているのだが、それだけではなく、とりわけ若い人たちのために書くのだ。…この博物学を、若者たちが愛するようにしたいのだ」 ジャン゠アンリ・ファーブル *本書は2016年4月に発刊した『ファーブル驚異の博物学図鑑』を修正のうえ、再編集したものです
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地球外生命を探る 生命は何処でどのように生まれたのか|松井 孝典
¥1,980
山と渓谷社 2022年 ソフトカバー 416ページ 18.8 x 12.8 x 2.6 cm - 内容紹介- 生命の誕生という宇宙最大の謎を、最先端の知見で明かす。 地球だけでなく、この宇宙は生命に満ち溢れている。 ウイルスは人類の祖先なのか? NHKカルチャーラジオで絶賛放送。 ■内容 はじめに――この宇宙は、生命を生む宇宙である 1章 この宇宙に地球外生命が存在する可能性 ――地球外生命探査の最前線―― 2章 そもそも生命とは何か ・生命は進化する ・生命とは細胞である ・生命とは生きている状態 3章 生命はどうやって〝生きている状態〟を維持しているのか 4章 生命はいつ何処でいかにして生まれたのか 5章 ウイルスは生命の祖先なのか 6章 地球という惑星において、生命が、なぜ進化したのか ――「地球」と「地球もどきの惑星」の違い ・地球は、なぜ「地球」になったのか ・地球上でなぜ生物進化が起こったのか ・実際、地球上でどのように生命は進化してきたのか 7章 生物進化が起こる惑星の条件 おわりに - 著者について- 松井 孝典(まつい・たかふみ) 1946年静岡県生まれ。千葉工業大学学長。 東京大学理学部卒業、同大学院博士課程修了。 専門は地球物理学、比較惑星学、アストロバイオロジー。 NASA客員研究員、東京大学大学院教授を経て東京大学名誉教授。 2009年より千葉工業大学惑星探査研究センター所長。12年より政府の宇宙政策委員会委員(委員長代理)。 1986年、英国の『ネイチャー』誌に海の誕生を解明した「水惑星の理論」を発表、NHKの科学番組『地球大紀行』の制作に参加。88年、日本気象学会から大気・海洋の起源に関する新理論の提唱に対し「堀内賞」、07年、『地球システムの崩壊』(新潮選書)で、第61回毎日出版文化賞(自然科学部門)を受賞。
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水屋・水塚-水防の知恵と住まい|渡邊裕之, 河合孝, 畔柳昭雄, 高橋裕 大西成明 (写真)
¥1,980
LIXIL出版 2016年 LIXIL BOOKLET ソフトカバー 84ページ 20.5 x 21 x 0.8 cm - 内容紹介- 平屋に聳え立つ孤高の雄姿。人の背を越す高さの盛り土や石垣を「水塚」、その上に建てられた蔵を「水屋」という。かつて頻繁に洪水に見舞われた地域には、そこに住む人々の知恵から生まれた水防建築がある。人、植物、大切な家財道具などを非難させ守ってきた。 日本大学理工学部畔柳研究室での約15年に及ぶ水害地帯の建築や暮らしに関わる調査研究を土台に、本書では、中部の木曽三川、関東の利根川や荒川、また四国の吉野川流域などの洪水多発地域に見られる身を守るための10種類の建築構造物類を、撮下し図版と代々受け継ぐ持ち主の声を織り込んだ文章で紹介する。人間サイズを超える堤防が造築される昨今、個人や小さな共同体でつくられた水防建築類の今日的意味合いを巻末の論考で語る。川とともにある暮らしにはその動きを柔軟に受け入れる文化があり、その姿は地域のプロフィールとなって美しく印象づける。
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愉快な家 西村伊作の建築|黒川 創, 藤森 照信, 坂倉 竹之助, 大竹 誠, 田中 修司
¥1,650
LIXIL出版 2011年 LIXIL BOOKLET ソフトカバー 76ページ 20.4 x 20 x 1 cm - 内容紹介- 大正から昭和にかけて自由闊達に、鮮烈に生きた人物、西村伊作(1884-1964)。 自由な考え方は暮らしそのものにも及び、住宅に対してもいかんなく発揮され、文化的に住まうライフスタイルを伝えようとした。 本書では伊作の思いが凝縮した彼の自邸を紹介。当時としては画期的な、居間中心の間取りや自前で工夫した上下水道の設備、実用的でシンプルな家具など、楽しく心地よく暮らすために生活すべてを設計した伊作の試みを、彼の言葉や詳細図、図版などで詳しく分析する。 また、現存する貴重な建物を当時の写真やエピソードを交え図版豊富に紹介する。 鼎談では、独学だからこそ成し得た発想や、何事にも囚われない姿勢、育った環境による資質や独特の世界観が明かされる。さらに日本の住宅史の中で果たした役割について時代背景や生活改善運動などを絡めながら再考する。 100年も前に生活を芸術として生きた西村伊作。彼の理想の住まい・暮らしのユートピアを記録した貴重な一冊。
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人類の物語 Unstoppable Us ヒトはこうして地球の支配者になった|ユヴァル・ノア・ハラリ, リカル・ザプラナ・ルイズ, 西田 美緒子(翻訳)
¥1,760
河出書房新社 2022年 ソフトカバー 168ページ A5判 縦210mm 横150mm 厚さ14mm - 内容紹介 - 人間だけがもっているスーパーパワーってなに? 私たちはそれをどう使えばいいんだろう? 世界的ベストセラー『サピエンス全史』の著者が、未来をになう子どもたちに贈る、驚きの歴史! 【小学生からの人類史】 きみも世界を変える力(パワー)をもっている!! 祖先が手に入れたパワーの謎を追って600万年前へ! 「今では人類があまりにも強い力をもってしまったために、ほかのすべての動物たちの運命を決めるようになった。 (中略)人類でいるからには、きみは自分の力をよく理解し、それで何をすべきかを考えなければいけないんだ。 (中略)私たち人類はライオンほど強くないし、イルカほどうまく泳げないし、空を飛べる翼だってもっていない! それなのに、いったいどうやって、この惑星を支配できるようになったんだろう? その答えは、世界じゅうのあらゆるお話のなかでも指折りの、とびきり不思議なお話だ。 そしてそれは、ほんとうにあった物語だ」 (本書「はじめに」より) 本書のポイント: ◎すべての漢字にふりがなつき。小学校中学年からの読者におすすめ! ◎重要なポイントは太文字・マーカーでしっかり強調! ◎第一線で活躍するイラストレーターによる美しいカラーイラスト! ◎内容の理解を助ける「年表」「地図」も掲載! ◎身近な具体例やユーモアあふれる表現が満載でわかりやすい! 【目次】 時間のながれ 献辞 日本語版のまえがき はじめに そもそも、人類って何? 第1章 人類は動物だ 私たちはその昔、野生動物だった 調理をする人の脳は大きい 異なる種類の人類 小型の人類の島 人類の仲間たち きみはどの種類の人類? 特別な力をもったサピエンスの登場 家族のなかのネアンデルタール人 もしも……? 第2章 サピエンスのスーパーパワー バナナの冒険 なぜ、アリには女王がいるのに法律家はいないの? ゾンビ、吸血鬼、妖精 偉大なるライオンの霊 ライオンマン おとなたちが信じている物語 物語はどんなふうに役立つ? 紙きれの力 小さいけれど、とても力のある油のびん 男の子だけ 物語を語る人々の集団 第3章 私たちの祖先の暮らし みんなアイスクリームが大好きな理由 子ども考古学者 やっぱり、わが家がいちばん 石器時代の「自撮り」 砂に残った足あと 石の世界? 死んだらどうなるの? 250本のキツネの歯 小さい集団で暮らす 偉大な採集民たち 楽しかったあのころ 苦しかったあのころ 動物たちに話しかける 木に話しかける 石器時代のルール 沈黙の厚い幕 第4章 動物たちはどこへ行った? 未知の世界へ オーストラリアの大型動物たち すべていなくなった 私たちは危険な生きものに見えない アメリカ発見 南への移動 大きな災難 絶滅急行列車 きみのスーパーパワーを使おう! 世界じゅうでいちばん危険な動物 感謝のことば この本について 歴史の世界地図 - 著者プロフィール - ユヴァル・ノア・ハラリ (ハラリ,Y.N) (著/文) 歴史学者、哲学者。1976年イスラエル生まれ。オックスフォード大学で中世史、軍事史を専攻し博士号を取得。現在、ヘブライ大学で歴史学を教授。『サピエンス全史』『ホモ・デウス』『21 Lessons』。 リカル・ザプラナ・ルイズ (ルイズ,リカル ザプラナ) (著/文) イラストレーター。1973年バルセロナ生まれ。ディズニーやレゴなど、子供向け書籍や雑誌の挿絵を手がける。 西田 美緒子 (ニシダ ミオコ) (翻訳) 翻訳家。津田塾大学英文学科卒業。訳書に『深海の庭園』、『音楽好きな脳』、『犬はあなたをこう見ている』、『FBI捜査官が教える「しぐさ」の心理学』、シリーズ『ダーウィン』、『マーガレット・ミード』など。
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食と建築土木 : たべものをつくる建築土木|二村 悟, 小野 吉彦(写真), 後藤 治
¥2,530
LIXIL出版 2013年 ソフトカバー 207ページ 縦21mm - 内容紹介 - 食べものつくる建築土木(丸干し大根の大根櫓(宮崎県宮崎市田野町) 柿屋(京都府綴喜郡宇治田原町) ほか) 土地の特性を活かすちえのかたち(木造ビニールハウス(愛媛県伊方町) 遠州灘の砂防(静岡県掛川市) ほか) 山・里の美味しい食べもの(串柿の柿屋(和歌山県伊都郡かつらぎ町) 凍み豆腐干し(福島県福島市) ほか) くらしを守り、くらしを彩る(ナヤ、スベリ(愛媛県伊方町) 壁結(福岡県うきは市)) 海・川のめぐみをうけとるしかけ(海苔ヒビ(三重県南伊勢町) カキ養殖(台湾金門島) ほか)