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遺伝子が語る免疫学夜話 | 橋本 求
¥1,980
晶文社 2023年 ソフトカバー 272ページ 四六判 - 内容紹介 - 「人類はウイルス、細菌、寄生虫との戦いと共生の歴史。読むとやめられなくなる」──養老孟司 リウマチ・膠原病、クローン病、さらに花粉症、アトピー性皮膚炎などの疾患は、なぜ起きるようになったのか? その背景から、人類が何万年もかけて積み重ねてきた進化の物語を読む。 自己免疫疾患(体を守る免疫が逆に自分の体を攻撃する疾患)とは、清潔で快適な環境を求めてきた人類の代償というべき「宿業の病」。そのような病が生まれたのはなぜか? マラリアやインフルエンザなど感染症との戦いの歴史、寄生虫との共生、腸内細菌叢の知られざる力、爬虫類・昆虫などとの毒を介した生存競争、脊椎動物の「顎」の獲得、ネアンデルタール人との混交、農耕革命・産業革命などの生活様式の変化……数々の驚くべきトピックとともに語る、読み出すとやめられない「遺伝子と免疫」の秘密。 目次 序章 「免疫学」から学ぶこと ■第I部 免疫と遺伝子──時空を超えてつながる病 第1章 病原体なき病 第2章 ガラパゴス島の啓示 第3章 史上最悪のインフルエンザ 第4章 コウモリの不吉 第5章 シマウマのステルス戦略 第6章 進化医学の考え方 ■第II部 免疫と環境──運命を異にする双子の姉妹 第7章 「清潔」という病 第8章 昭和の子ども「青洟」のヒミツ 第9章 寄生虫という「古き友」 第10章 腸内細菌のチカラ ■第III部 免疫系の進化──自己免疫とアレルギーの起源 第11章 顎の出現とともに現れた病 第12章 哺乳類の勝利の代償 第13章 旧人類との邂逅と新型コロナ 第14章 農耕革命の光と影 終章 免疫進化のガラパゴス 前書きなど 本書がご紹介するのは、「自己を攻撃する病」がなぜ起きるようになったのかについての夜話です。ただし、その夜話は、できるだけ現代医学の最新のエビデンス(根拠)に基づいてお話ししたいと思っています。根拠として用いたのは、遺伝学やバイオインフォーマティクスの考え方。この最先端の学問を使って、自己免疫疾患やアレルギーといった病気がなぜ起きるようになったのか、その謎について迫りたいと思います。(序章より) - 著者プロフィール - 橋本求 (ハシモトモトム) (著・文・その他) 大阪公立大学医学部膠原病内科学教授。京都大学医学部卒業。京都大学大学院医学研究科・臨床免疫学、大阪大学免疫学フロンティア研究センター研究員、京都大学リウマチセンター講師、などを経て、現職。
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薬草を食べる人びと 北アルプスが生んだ”薬箱のまち”飛騨市 | 垂見 和磨
¥1,870
世界文化社 2024年 ソフトカバー 224ページ 四六判 縦188mm 横128mm - 内容紹介 - 「薬草」で地方創生に挑む、唯一無二のまちがあった! ・「唯一無二」の地方創生に挑むまちを描くノンフィクション”究極のまちをつくる”シリーズ創刊。 ・シリーズ第2弾は、「薬草」を健康とまちづくりに活かす、官民のストーリー。 ・カラー写真も豊富、市民の薬草暮らしやプロの薬草料理、薬草事典、食べ方・使い方もご紹介。 岐阜県飛騨市は、高山市と白川村にはさまれた2万人のまち。専門家の薬用植物調査で245種類の薬草が自生するこのまちで、人びとはどんな薬草を食べ、使い、暮らしに取り入れているのか。薬草は市民たちの健康づくりに一役買うだけでなく、交流人口や観光、商品開発につながり、経済効果ももたらしている――本書は、官と民が連携して取り組む「薬草のまちづくり」を描くノンフィクション。市民がよく使う薬草事典や実践レシピ、移住者の薬草ライフ、料理人の薬草会席などカラー写真も豊富で、野草やハーブ好きにも役立つ一冊である。 - 目次 - 第1章薬草が息づくまち 第2章薬草のまちづくりに挑む 第3章飛騨の〝葉っぱビジネス〟 第4章薬草と共に生きる 第5章薬草料理を伝える 第6章人をつなぐ薬草の絵手紙 第7章広葉樹を活かせ 第8章安全・安心を担保する 第9章市民の健康と福祉を守る 巻末飛騨市の人気薬草トップ20 飛騨市の薬草商品開発 - 著者プロフィール - 垂見 和磨 (タルミ カズマ) (著/文) 1965年、岐阜県生まれ。一橋大学社会学部卒。1990年に共同通信社に入社。岐阜支局、名古屋支社を経て97年に本社社会部で検察取材と調査報道を担当。特別報道室などで地方創生を取材、現在、調査部部長職。著書に『北の酒蔵よよみがえれ!』(世界文化社)。共著に『東京地検特捜部』(講談社)など。『文藝春秋』に人口減少や外国人材問題を寄稿、『宇宙飛行士野口聡一の全仕事術』(世界文化社)の編集協力など。
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植物の不思議なちから 古代から語りつがれる72の物語 | ヘマ・マテオス, 山本 朝子(翻訳)
¥2,970
グラフィック社 2024年 ハードカバー 192ページ B5変型判 縦240mm 横170mm - 内容紹介 - 植物は古代より薬効が注目を浴びるとともに、神聖視され、霊的なものと見なされ、医術、魔術、儀式の中心に据えられてきました。 本書では72種の植物を取りあげ、世界各地の伝説や言い伝えなど、さまざまな物語を紹介します。 - 目次 - 不思議な草木、その象徴化 家をまもる/恋に、愛に/悲しみを乗り越える/幸運を招く 薬用植物 心を整える/不安を和らげる - 著者プロフィール - ヘマ・マテオス (ヘマ マテオス) (著/文) バルセロナ大学で哲学と文学を学んだのち、ガーデニング、料理、自然科学など幅広い分野の書籍を執筆。 特に植物と動物に関する幅広い知識を持つ。
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月夜の黒猫事典 知られざる歴史とエピソード | ナタリー・セメニーク, 柴田里芽(翻訳)
¥1,980
グラフィック社 2023年 ハードカバー 136ページ A5変形 縦177mm 横120mm 厚さ20mm - 内容紹介 - いつの時代も、謎めいた存在としてさまざまな逸話をもつ黒猫。 あるときは不幸の前兆と畏れられ、あるときは幸運のマスコットとして愛されてきた。そんな黒猫にまつわる謎と迷信、それらが紡ぐ歴史と伝説を解き明かす一冊。 本書は、2015年にグラフィック社から刊行された『魅惑の黒猫 -知られざる歴史とエピソード-』を再編集し、クッション製本、小口金の豪華装丁で「ひみつの本棚シリーズ」として再発行するものです。 歴史をなぞるように、黒猫にまつわる逸話、伝説を収録し、黒猫を畏れる元となった迷信や、逆に幸運の象徴となった物語など、さまざまな角度から黒猫について語ります。 猫好きの人は手に取らずにいられない、かわいくも妖しい一冊です。 - 目次 - はじめに/受難の歴史(猫は神の化身、中世の災い、少しずつ人気者に)/伝説の猫(ブルターニュの猫、サン=カド(聖カド)、コンブール城の黒猫、エメラルド海岸の妖精、〝金を生む猫″、猫は9回生きる)/民間伝承と迷信(人間と迷信、迷信の核心にいる黒猫、黒猫の痕跡、矛盾だらけの色、黒猫は不幸の象徴、幸福のマスコット、海の猫たち、悪魔祓いと治療に関する効力) - 著者プロフィール - ナタリー・セメニーク (ナタリー セメニーク) (著/文) ジャーナリストとして長きにわたり、野生生物関連の雑誌に記事を寄稿。特に猫を専門とし、中でも黒猫のミステリアスな存在に惹かれ、本書の底本となる『魅惑の黒猫』(弊社刊)を執筆するに至った。 柴田里芽 (シバタ リカ) (翻訳) 翻訳者。英語、フランス語の翻訳書を数多く手掛ける。『ジョハンナの塗り絵アクティビティブック 10分間を30日!!』『ひみつの薬箱 中世装飾写本で巡る薬草の旅』『わたしにもできる! ねこ刺繍レッスン』(グラフィック社)など訳書多数。
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中世イヌのくらし 装飾写本でたどる | キャスリーン・ウォーカー゠ミークル, 堀口容子(翻訳)
¥2,640
美術出版社 2024年 ハードカバー 96ページ 縦197mm 横158mm 厚さ14mm - 内容紹介 - イヌは人類最良の、心の友? 大英図書館の豊かなコレクションでお届けする装飾写本シリーズ、『中世ネコのくらし』に続く第2弾! 人類最良の友にして忠実な仲間、イヌ。気まぐれに自分のしっぽを追いかけて回ることもあれば、血に飢えた獣になることもある生き物。 そんなイヌたちは、美しい中世の装飾写本にも様々な姿で登場します。本書は大英図書館の装飾写本コレクションから、装飾写本に描かれた個性的なイヌの絵を集めました。拡大図を多く掲載し、ページの余白に小さく描かれたイヌであっても、じっくり眺めるとその表情の豊かさに驚かされます。 さらに中世の文献を紐解き、中世のイヌにまつわる逸話をご紹介します。飼い主を守り戦う勇敢な忠犬、貴族にかわいがられ贅沢にくらす愛玩犬、イヌに関する不思議な迷信など……中世の人々な豊かな文化と、イヌのくらしぶりに触れてみませんか? The British Libraryから刊行した、キャスリーン・ウォーカー=ミークル著『DOGS in Medieval Manuscripts』の日本語翻訳版。
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薬草手帖 心身を慈しむために | 新田 理恵
¥1,980
アノニマ・スタジオ 2023年 ソフトカバー 144ページ A5判 - 内容紹介 - 薬草を⽣活に取り⼊れたくなる本。ミニ薬草図鑑、⽣活への取り⼊れ⽅として、飲み物・⾷べ物、器、⾵呂、外⽤、薬酒と多岐に渡り紹介。育成と採取も簡潔にまとめ、⽇本おける薬草の⽣産や伝統に関わる⼈や企業、⾏事も掲載。 - 著者プロフィール - 新田理恵 (ニッタリエ) (著/文) TABEL株式会社 代表/薬草茶司/修⼠(理学) 管理栄養⼠であり国際中医薬膳調理師。⾷を古今東⻄の⽂化と学問からとらえ、すこやかで慈しみの ある⾷卓を提案する。 2014 年から⽇本の薬草⽂化のリサーチをはじめ、各地を紡ぎながら伝統茶{tabel}を⽴ち上げる。2018 年より薬草⼤学NORMも運営し、⼤企業や⾏政とのコラボなども展開し、薬草⽂化のリバイバルを⽬ 指して活動して監修や講演・⼤学での授業なども⼿掛け、著書に『薬草のちから』(晶⽂社)がある。 最近は時間栄養学の研究も⼿掛け、ポッドキャスト「時間栄養学のじかん」も配信中。
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【バーゲンブック】とんでもない死に方の科学−もし●●したら、あなたはこう死ぬ | コーディー・キャシディー 他
¥1,000
河出書房新社 2018年 ソフトカバー 250ページ 四六判 ※定価1760円 バーゲンブック: 定価よりも値引して販売することのできる新品の本です。 (およそ定価の50%〜70%ほどの価格です) 新品とはいえ、経年による劣化などが見られる場合もございますので、ご理解の上ご購入くださいませ。 - 商品紹介 - 飛行機の窓が割れたら?ブラックホールに身を投げたら?そのとき、人はどう死ぬのか?45の「死に方のシナリオ」を科学で読み解く、世にも不謹慎で真面目な驚きいっぱいの思考実験。
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【バーゲンブック】自然のふしぎ大図解 ナチュラル・ワールド | アマンダ・ウッド 他
¥1,700
偕成社 2017年 ハードカバー 112ページ A4変判 ※定価 3300円 バーゲンブック: 定価よりも値引して販売することのできる新品の本です。 (およそ定価の50%〜70%ほどの価格です) 新品とはいえ、経年による劣化などが見られる場合もございますので、ご理解の上ご購入くださいませ。 - 商品紹介 - ・いちばん小さな卵を産む鳥は?・砂漠にはどんな生きものがくらしているの?・どうして動物は季節ごとに移動するの?・ミツバチはどうやってミツをつくる?・植物はどのようにしてふえるの?などなど、自然のふしぎを、たくさんのたのしい図解で紹介。生きものは世界のどんなところにくらしているのか。動物はどんなグループにわけられるのか。
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【バーゲンブック】彼らはどこにいるのか−地球外知的生命をめぐる最新科学 | キース・クーパー
¥1,700
河出書房新社 2021年 ハードカバー 384ページ 四六判 バーゲンブック: 定価よりも値引して販売することのできる新品の本です。 (およそ定価の50%〜70%ほどの価格です) 新品とはいえ、経年による劣化などが見られる場合もございますので、ご理解の上ご購入くださいませ。 - 商品紹介 - エイリアンは本当に存在するのか、もし会ったらどうなるか?地球外知的生命の探求とは「われわれは何者か」を問うことでもある。心理学・人類学・歴史学まで駆使する宇宙科学の最前線!
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【バーゲンブック】40人の神経科学者に脳のいちばん面白いところを聞いてみた | デイヴィッド・J・リンデン
¥1,300
河出書房新社 2019年 ハードカバー 330ページ 四六判 バーゲンブック: 定価よりも値引して販売することのできる新品の本です。 (およそ定価の50%〜70%ほどの価格です) 新品とはいえ、経年による劣化などが見られる場合もございますので、ご理解の上ご購入くださいませ。 - 商品紹介 - 科学界のエンターテイナー、リンデン教授率いる神経科学者のドリームチームが研究の一番面白いところを語る。10代の脳、双子の謎、知覚の不思議、性的指向、AIと心…脳を揺さぶる37話
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日本動物民俗誌 | 中村 禎里, 小松 和彦(解説)
¥1,265
講談社 2024年 講談社学術文庫 ソフトカバー 264ページ 文庫判 - 内容紹介 - 山海の神か、田の神か。贄か、神使か、妖怪か――。 サル・キツネ・オオカミ・クマからネコ・トリ・ムシ・サカナまで、日本人は動物たちをいかに認識し、どのような関係を取り結んできたのか。膨大な民俗資料を渉猟し、山/海、家畜/野生、大きさ、人との類似などの基準によってその歴史と構造を明らかに! 25種の動物ごとの章立てで、「事典」的なニーズにも対応。 (解説:小松和彦) 【本書に登場する主な動物たち】 [キツネ]気高き神の使者は、やがて商業神、憑きものへ [イヌ]化け物の正体を見破る特異な辟邪力 [ネズミ]経典荒らしが転じ、仏法の守護者に? [オオカミ]なぜオオカミだけ? 「産見舞い」に赤飯を [ネコ]擬人化の果てに、愛する人の形代に [サカナ]山神はなぜ毒棘持ちのオコゼを愛したのか [ウサギ]ウサギvs.サルvs.カエル「動物餅争い」の結末は? [カニ]甲に浮かぶ悲運の英雄たちの無念 …… - 著者プロフィール - 中村 禎里 (ナカムラ テイリ) (著/文) 1932-2014年。東京生まれ。立正大学名誉教授。専攻は科学史。著書に『日本のルイセンコ論争』『生物学を創った人びと』『危機に立つ科学者』『血液循環の発見』『日本人の動物観』『狸とその世界』『河童の日本史』『狐の日本史』などがある。
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犬がいるから | 村井 理子
¥990
筑摩書房 2024年 ちくま文庫 ソフトカバー 192ページ 文庫判 - 内容紹介 - 生後三か月で琵琶湖のほとりにある村井さんちにやってきたのは、とにかくやんちゃで甘えん坊な黒ラブのハリー。双子の息子たちとじゃれあいながらみるみる巨大化し、走るすがたは恵方巻に似ている。「みっしりと生えた黒い毛。長くて固いヒゲ。大きな鼻、口、そして耳。柔らかくて、ふわふわで、まるで巨大なぬいぐるみだ。こんなに穏やかでやさしい生き物がわが家にいて、私の横に寝ているなんて、夢のようだ」。かけがえのない日々をとじこめたイケワンまみれのエッセイ集。 「私の心を覆い尽くしていた黒くて濃い霧のような不安感は、ハリーが、あの大きな体の中に、すべてあっという間に吸い込んでくれた。静かな部屋でハリーと一緒に座っていると、自分の心の中が晴れていくのを感じることができる。今、私の心の中に広がる爽やかな青空は、ハリーがもたらしてくれたものだ。私が手を伸ばすと、ハリーは前脚をその手にそっと重ねてくれる。私が呼ぶと、必ず側に来てくれる。」(本文より) 装画 おざわさよこ カバーデザイン 藤井遥 目次 1 犬がいるから 2 もう一匹の黒ラブ 3 私のガードワン 4 犬はいつも私たちと 5 二日間の別れ 6 ハリーの事件簿① マウスピース失踪事件 7 大型犬にご用心 8 ハリーの事件簿② 夏祭り乱入! 9 秘密兵器投入! 10 天使が浜に舞い降りた 11 はじめての学校 12 散歩の時間 13 双子といっしょに 14 空気読もうよ 15 ハリーの世界 16 入院 17 トレーニング・デイズ 18 もどってきたハリー 19 グッバイ金〇 20 ゆったりした日々 21 バニラをめぐる戦い 22 犬ぞりがしたかった 23 そろそろお年頃 24 自己表現? 25 ただそこにいるだけで ハリーのいる日々 あとがきに代えて ハリーといた日々 文庫版あとがき - 著者プロフィール - 村井 理子 (ムライ リコ) (本文) 翻訳家、エッセイスト。1970年、静岡県生まれ。訳書に『ヘンテコピープルUSA』『ゼロからトースターを作ってみた結果』『「ダメ女」たちの人生を変えた奇跡の料理教室』『エデュケーション――大学は私の人生を変えた』『射精責任』、著書に『犬ニモマケズ』『ハリー、大きな幸せ』『兄の終い』『本を読んだら散歩に行こう』『全員悪人』『家族』『村井さん家の生活』『ある翻訳家の取り憑かれた日常』『義父母の介護』『訳して、書いて、楽しんで エヴリシング・ワークス・アウト』など多数。
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猫と考える動物のいのち 命に優劣なんてあるの? | 木村 友祐
¥1,320
筑摩書房 2024年 ちくまQブックス ソフトカバー 128ページ 四六変形判 - 内容紹介 - ネコ、ウシ、ブタ、ニワトリ、スズメ、カエル、ハクビシン……身の回りには色んな動物がいて、わたしたちは彼らと一緒に住んだり、敵対したり、食べ物にしたりして、共に生きている。わたしたちとは大きくちがう動物のこと、人間のことを、猫たちと一緒に考えよう。 === ようこそ『猫と考える動物のいのち』へ! この本のタイトルを見て「ん? 『動物のいのち』を『猫と考える』って、どゆこと? 」と、いろんな「?」が頭に浮うかんだだろうか。ふふ。 まずは自己紹介をしなきゃだね。ぼくは小説家で、郷里の青森の方言(南部弁)を使った小説とか、ぼくらの社会が抱えた様々な問題をテーマにした小説を書いてきました。だから、動物についての専門家では全然ないのだけど、それでも動物たちについて言うべきことがあるかもしれないと思ったんだ。というのも、動物についてのぼくの見方と、世の中の人々の見方がずれていると思うことがよくあるから。そのズレをはっきりさせることで、この本を手に取ったあなたにも、動物についての新たな見方が生まれたらうれしい。 というわけで、これからぼくは、ふたりの先生と一緒に、ぼくたち人間を取りまく動物たちのことについて、あれこれ考えていきたいと思う。 その先生というのは、うちで一緒に暮らしている猫たちだ。(「第1章 猫はぼくの先生」より) 目次 第1章 猫はぼくの先生 第2章 まったくちがう世界を見ている存在=他者 第3章 動物のことをホントに理解できる? 第4章 ぼくや君の知らない世界 第5章 利用される動物たち 第6章 命ってなんだろね 第7章 命の世界を心の真ん中に - 著者プロフィール - 木村 友祐 (キムラ ユウスケ) (本文) 小説家。1970年、青森県八戸市生まれ。日本大学芸術学部文芸学科卒業。2009年「海猫ツリーハウス」で第33回すばる文学賞を受賞しデビュー。著書に『海猫ツリーハウス』(2010年、集英社)、『聖地Cs』(2014年、新潮社)、『イサの氾濫』(2016年、未来社)、『野良ビトたちの燃え上がる肖像』(2016年、新潮社)、『幸福な水夫』(2017年、未来社)、『幼な子の聖戦』(2020年、集英社/第162回芥川賞候補。2023年に文庫化)、温又柔氏との往復書簡『私とあなたのあいだ――いま、この国で生きるということ』(2020年、明石書店)がある。
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量子力学の100年 | 佐藤 文隆
¥2,420
青土社 2024年 ソフトカバー 240ページ 四六判 - 内容紹介 - 第一人者がみた量子力学の軌跡。その魅力と不思議。 1920年代、ド・ブロイ、ボーア、ハイゼンベルク、シュレーディンガー、ディラックなどが現在の量子力学の礎となる成果を続々と発表した。そして1926年、ボーアの手によって「コペンハーゲン解釈」がなる。ユネスコは2025年に量子力学百年を記念する取り組みを行うことを決議した。この間の量子力学の道のりは、アインシュタインの反対などに代表されるように紆余曲折ありつつも、不思議と魅力にみちたものだった。しかしいまや量子コンピュータから生成AIまで、あらゆるところに量子力学は存在している。はたしてそれは何故か、そもそも量子力学とは何で、そしていまどのような姿をしているのか。日本を代表する物理学者が、自らの目でみてきた量子力学の歴史を詳述する。
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みんなの社会的処方 人のつながりで元気になれる地域をつくる | 西 智弘, 岩瀬 翔, 西上 ありさ, 守本 陽一, 稲庭 彩和子, 石井 麗子, 藤岡 聡子, 福島 沙紀
¥2,200
学芸出版社 2023年 ソフトカバー 256ページ 四六判 - 内容紹介 - 孤立という病に対し薬ではなく地域の人のつながりを処方する「社会的処方」。日本での実践はまだ始まったばかりだ。いま孤立しているかどうかや、病気や障がいの有無、年齢に関わらず、「誰もが暮らしているだけで自分の生き方を実現できるまち」をどうつくるか。世界と日本の取り組みに学び、これからのビジョンを示す一冊。 - 目次 - はじめに 社会的処方はもっと自由でいい ■Chapter1 社会的処方の「3つの理念」 人間中心性 エンパワメント 共創 「支援する」とはどういうことか 社会的処方の「型」 社会的格差と、広がる自己責任論 ■Chapter2 孤独・孤立の現状 若者を含めた「居場所」はどのように作れるのか REPORT│小杉湯│西 智弘 90年間建ち続けてきた「場」としての力 社会に必要な、インフラとしての銭湯 「開くのではなく、閉じない」からの相補う関係性 小杉湯「的な場」が持つ、社会的処方としての意義:社会的行方不明者をつくらない 社会的処方の進化 Green/Blue Social Prescribing REPORT│Nami-nications│西智弘 サーフィンを通じてつながる Nami-nications アダプティブ・サーフィンが変えていくもの Green/Blue Social Prescribingの広がり 働かざるもの食うべからず「ではない」 ■Chapter3 社会的処方と世界・日本の動き REPORT│イギリス・フルーム│岩瀬翔 イギリス・フルーム 誰もがリンクワーカーになれる町 MakeaSpark まずは何か動き出そう 「人間の道しるべ」作戦 おせっかい住民をエンパワメントする コロナ禍を経て本質を掴んだ市民リンクワーカー達 ヘリテージコネクター/グリーンコミュニティコネクター 世界の社会的処方の現在地 言葉が全てではない 日本における「モデル事業」 名張と養父 REPORT│名張市│西上ありさ 厚労省モデル事業:名張市/ステイホームダイアリーと社会的処方の展開 REPORT│養父市│守本陽一 厚労省モデル事業:養父市 様々なセクターがまずつながる 医療を起点とした社会的処方の実践 養父市におけるリンクワーカー養成講座 小規模多機能な公共空間「だいかい文庫」 「孤独・孤立対策推進法」とその意義 ■Chapter4 社会のなかで生きることが元気につながる EPISODE│オバケのタムタム&studio FLAT│西智弘 バリアを超えて才能を届ける StudioFLATの取り組み 障がいのある無しに関わらず、良いものは良い アートと障がいと社会的処方的な意義 アートを通じて、人と社会がつながっていく REPORT│アートと社会的処方│稲庭彩和子 アートはずっと存在している。それはなぜなのか? アートと文化でウェルビーイングを増進 「とびらプロジェクト」と社会的処方の共通項 私たちの目指すこと アートコミュニケータとソーシャルな鑑賞法 「きく力・みる力」がケアする力になる REPORT│Dance Well│西智弘 Happy! Dance Well 美術館の内外、そしてアート作品を利用して自らを表現する 身体表現を使って、他人と会話する ダンスレッスンではないのに、結果的にダンスになっている アートがもつ力で変わっていったAさん アートが持つ「ケアの力」 無意識の差別をこえていく REPORT│高齢者福祉施設 西院│西智弘 「要介護」? 関係なく夢は叶えられる 「はたらく」こと=生きるをつくること 「参加」からはじめる 就労とお金の問題 ■Chapter5 暮らしているだけで元気になれるまちをつくる おせっかいのエンパワメントは意外と効く REPORT│おせっかい会議│石井麗子 地域おせっかい会議の風景 コミュニティナースと健康おせっかい まちの身近な存在、郵便局がおせっかいのハブになる 「共感・挑戦・ネットワーク」の実践支援プロセス まちへ飛び出し声を拾い続ける事務局 社会的処方の視点からみた地域おせっかい会議 やればやるほど楽しいことが大きくなる おせっかいが育む優しい目 REPORT│ほっちのロッヂ│藤岡聡子 診療所とまちの居場所が複合された「ほっちのロッヂ」 発地(ほっち)にある森小屋を起点に 私たちは人の何を捉えているのか 自分の関心のあることに掛け合わせていく ケアする・される関係性の逆転は台所から 大切な人を亡くした人が、「あのね…」と話せる部屋があるといい─福島沙紀 おわりに この本で伝えたかったつのこと 暮らしの保健室・川崎/社会的処方研究所はどうなっているか/社会的処方の未来 - 著者プロフィール - 西 智弘 (ニシ トモヒロ) (著/文) 川崎市立井田病院医師/一般社団法人プラスケア代表理事 2005年北海道大学卒。室蘭日鋼記念病院で家庭医療を中心に初期研修後、川崎市立井田病院で総合内科/緩和ケアを研修。その後2009年から栃木県立がんセンターにて腫瘍内科を研修。2012年から現職。現在は抗がん剤治療を中心に、緩和ケアチームや在宅診療にも関わる。一方で、一般社団法人プラスケアを2017年に立ち上げ代表理事に就任。「暮らしの保健室」や「社会的処方研究所」の運営を中心に、「病気になっても安心して暮らせるまち」をつくるために活動。日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医。著書に『社会的処方 孤立という病を地域のつながりで治す方法』(学芸出版社)、『緩和ケアの壁にぶつかったら読む本』(中外医学社)、『がんになった人のそばで、わたしたちにできること』(中央法規出版)他多数。 岩瀬 翔 (イワセ カケル) (著/文) 式根島診療所所長 西上 ありさ (ニシガミ アリサ) (著/文) studio-L 守本 陽一 (モリモト ヨウイチ) (著/文) 一般社団法人ケアと暮らしの編集社代表理事/兵庫県豊岡保健所 稲庭 彩和子 (イナニワ サワコ) (著/文) 独立行政法人国立美術館国立アートリサーチセンター 石井 麗子 (イシイ レイコ) (著/文) 一般社団法人プラスケア 藤岡 聡子 (フジオカ サトコ) (著/文) 軽井沢町・大きな台所と診療所があるところ ほっちのロッヂ共同代表 福島 沙紀 (フクシマ サキ) (著/文) 一般社団法人プラスケア
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ROOM 測って描いたインテリアデザイナーの部屋72 | NIKKEN SPACE DESIGN
¥1,980
学芸出版社 2023年 ソフトカバー 160ページ 四六判 - 内容紹介 - インテリアデザイナーたちの住まいを実測スケッチで再現。住人が大切にしている家具や雑貨、食事など暮らしぶりの記録には、プロならではの設えは勿論、住まいへの飾らないこだわりと愛情が溢れ出る。一人暮らし、二人暮らし、三人以上の住まい別に、住宅・インテリア関係者をはじめ、住まい好きなら誰でもほっこり楽しめる間取り図集 - 目次 - はじめに 手で測って描くことのススメ ●1人暮らし Room for One #01 偏愛的趣味の部屋 #02 好きが凝縮された部屋 #03 エスニックな部屋 #04 ナチュラルーム #05 DIYルーム #06 置きものたちと暮らす部屋 #07 ほぼバルコニー #08 ええかんじの部屋 #09 吹き抜けブロックルーム #10 趣味を愛する秘密基地 #11 ミニマリストのメゾネット #12 読書家の住処 #13 ビッキーの男の部屋 #14 単身赴任の部屋 #15 サボテンと暮らす部屋 #16 音人の住処 #17 「マフィア」の住処 #18 ミニマルシェアハウス #19 スパイスの効いた北欧家具の部屋 #20 シェフ’s ルーム #21 THE・女子の部屋 #22 料理系男子の住処 #23 音人の住処2 #24 細ながーい部屋 #25 ギタリストの住処 #26 愛しい家具に囲まれた家 #27 青いラグの部屋 #28 イケてるプリンスキャッスル #29 和室とテラスがある家 #30 こだわり屋の部屋 #31 都心の景色と暮らす部屋 #32 はじまりの住処 [DESIGNER’S CHOICE:椅子編] ●2人暮らし Room for Two #33 アウトドア夫婦の住処 #34 湘南ベース #35 愛猫家のダンディハウス #36 チェアコレクターハウス #37 北欧家具と愛犬ジジの家 #38 スカイツリーが見える部屋 #39 酒蔵の家 #40 ひとつなぎのワンルーム #41 心地よいこだわりの部屋 #42 TATAMI のある部屋 #43 太陽の塔が見える部屋 #44 偏愛的趣味の部屋2 #45 いい夫婦の部屋 #46 嗜好の住処 #47 毎日温泉に入れる家 #48 スキップフロアの家 #49 坪庭とガレージのある住処 #50 天窓から空が見える家 #51 スパイス香るヴィンテージハウス #52 運河を臨むリノベルーム #53 彫刻家とデザイナーの住処 [DESIGNER’S CHOICE:照明編] ●3人以上の暮らし Room for Three and More #54 京の家 #55 緑あふれる家族の拠所 #56 5人と2匹の憩いの住処 #57 ホワイトハウス #58 丁寧な暮らしの部屋 #59 スイートなホーム #60 狭小敷地の積層の家 #61 白とRANCHUの家 #62 カフェのある家 #63 高台のテラス #64 テラスに挟まれた部屋 #65 趣味没頭 実家部屋 #66 和洋混沌ルーム #67 ゾウさんとキリンさんとミツさんの家 #68 超建築家的住処 #69 スカイツリーが見える部屋2 #70 特大リビングハウス #71 自然を楽しむ大きな窓の家 #72 紫の住処 [DESIGNER’S CHOICE:スケッチツール編] [小宇宙を測って描く ご自宅訪問&実測ドキュメント] おわりに - 著者プロフィール - NIKKEN SPACE DESIGN (ニッケンスペースデザイン) (著/文) 施工・物販部門を持たないデザインファームとして国内最大規模を誇るインテリアデザイナー集団。日建設計のインテリア部・オフィスデザインセンターから1994年に独立。感性と技術を駆使し、付加価値が高く新たな体験をもたらす空間を生み出している。「デザイナーズプラットフォーム」として、国内はもちろん世界中のプロジェクトに携わり進化を続ける。
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コミュニティデザインの現代史 まちづくりの仕事を巡る往復書簡 | 饗庭 伸, 山崎 亮
¥2,640
学芸出版社 2024年 ソフトカバー 288ページ 四六判 縦188mm 横127mm 厚さ20mm - 内容紹介 - コミュニティデザイナーと都市計画家が「まちづくりの仕事の歴史が知りたい」と始めた文通。「どうも70年代の世田谷で、面白そうなことが始まっている」「地縁型まちづくりを辿ると神戸が気になる」「まちづくりに最適なスケールって何?」「事務所の経営とは?」と広がり続ける話題から参加を巡る思想の変遷が見えてくる。 - 目次 - 1章 コミュニテイデザインの歴史が気になる 1 ランドスケープデザインからコミュニティデザインへ(山崎) 2 参加型デザインの原体験を振り返る(饗庭) 2章 パイオニアたちに会いに行こう 3 気になるパイオニアたち(山崎) 4 見取り図を描いてインタビューに臨も(饗庭) パイオニア訪問記1 林 泰義さん 3章 70年代、町田や世田谷で起こっていた面白そうなこと 5 林泰義さんから派生するさまざまな話題(山崎) 6 いくつもの流れが生まれた(饗庭) 7 アメリカのコミュニティデザインを振り返る(山崎) 4章 コミュニティ計画を突き詰めた神戸へ 8 知られざる真野地区のまちづくり(饗庭) 9 地縁型コミュニティを考える(山崎) パイオニア訪問記2 乾 亨さん 5章 コミュニティ計画が描いたもの 10 コミュニティ計画をめぐる3つの論点(饗庭) 11 実践のなかの能動態・中動態・受動態(山崎) パイオニア訪問記3 小林 郁雄さん 6章 まちづくり事務所の経営について考える 12 コミュニティ計画の方言 13 URの経営スタイルから学ぶこと(山崎) 14 NPO法制定時代、80年代のワークショップ(饗庭) 15 NPO価格──studio-L設立時に考えたこと(山崎) パイオニア訪問記4 浅海 義治さん 7章 何のためのワークショップ? 16 コミュニティデザイン教育と都市(饗庭) 17 スチュワードシップと民主的な計画づくり(山崎) 18 3つのプランニング(饗庭) 19 木下勇さんのワークショップに惹かれる理由(山崎) 20 いいデザインのため? 公正なプロセスのため? 人が育つため?(饗庭) パイオニア訪問記5 木下 勇さん 8章 なぜ僕らはワークショップをするんだろう 21 人が育つためのワークショップ(山崎) 22 1人からの都市計画(饗庭) - 著者プロフィール - 饗庭 伸 (アイバ シン) (著/文) 1971年生まれ。東京都立大学都市環境学部教授。早稲田大学理工学部建築学科卒業。同大学院工学系研究科建設工学専攻博士課程退学。博士(工学)。東京都立大学助手、准教授を経て、2017年より現職。主な単著に『都市をたたむ』『平成都市計画史』(花伝社)、『都市の問診』(鹿島出版会)、共編著に『まちづくりの仕事ガイドブック』(学芸出版社)、『津波のあいだ、生きられた村』(鹿島出版会)、『シティ・カスタマイズ』(晶文社)など。 山崎 亮 (ヤマザキ リョウ) (著/文) 1973年生まれ。コミュニティデザイナー。studio-L 代表。関西学院大学建築学部教授。大阪府立大学大学院および東京大学大学院修了。博士(工学)。社会福祉士。建築・ランドスケープ設計事務所を経て、2005 年にstudio-L を設立。主な著書に『コミュニティデザイン』(学芸出版社)、『コミュニティデザインの源流』(太田出版)、『縮充する日本』(PHP 研究所)、『地域ごはん日記』(パイインターナショナル)、『ふるさとを元気にする仕事』(筑摩書房)など
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大地の五億年 | 藤井 一至
¥1,210
山と渓谷社 2022年 ヤマケイ文庫 ソフトカバー 312ページ 文庫判 - 内容紹介 - 地球には最初、土がなかった。地球上に生き物が誕生し、遺体と岩石から土が生まれた。 現在のところ地球は生き物が確認されている唯一の惑星であり、ゆえに土は地球にしか存在しない。 ひたすらに土を食べて耕すミミズ、岩を食べるようになったキノコ、腐葉土を食べるカブトムシの幼虫……。 土は植物や昆虫の躍進を支えるとともに相互に影響し合い、さらに恐竜の消長や人類の繁栄に場所を貸してきた。 身近なはずの「土」のことを、私たちはどれほど知っているだろうか。 土の研究者である著者がスコップ片手に世界を飛び回り、土に残された多くの謎を掘り起こしていく。 土と生き物たちの歩みを追った5億年の、そして未来へ向けたドキュメンタリー。 文庫化にあたり著者書き下ろしのあとがきを収録。 - 著者プロフィール - 藤井 一至(ふじい・かずみち) 土の研究者。1981年富山県生まれ。 2009年京都大学農学研究科博士課程修了。京都大学博士研究員、 日本学術振興会特別研究員を経て、国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所主任研究員。 専門は土壌学、生態学。 インドネシア・タイの熱帯雨林からカナダ極北の永久凍土、さらに日本各地へとスコップ片手に飛び回り、土と地球の成り立ちや持続的な利用方法を研究している。 第1回日本生態学会奨励賞(鈴木賞)、第33回日本土壌肥料学会奨励賞、第15回日本農学進歩賞受賞。『土 地球最後のナゾ』(光文社新書)で河合隼雄賞受賞。
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数の辞典 | 澤宏司, 廣﨑遼太朗(イラスト)
¥1,980
SOLD OUT
雷鳥社 2024年 ハードカバー 336ページ 15.2 x 10.2 cm - 内容紹介 - いざ、目に見えない「数」の世界へ! 現代では「数」を見ない日はありません。朝起きたら時計を見て、昼食を買ったら支払金額を確認し、平均体重や平均年収の話題に一喜一憂し、暗証番号を入力してショッピングを楽しみ、「予測できない」スポーツの試合に胸を熱くします。 辞典シリーズ第12弾では、自然物から離れ、人間の営みともいえる「数」の世界に迫ります。0や1などの数字から、正負の数、三角関数、微分・積分、非ユークリッド幾何学、コンピュータ、現代の未解決問題に至るまで、私たちの生活をかげひなたに支える「数」にまつわる221項目を、小さな辞典にまとめました。 ・学校で習ったけど忘れてしまった数学用語-「平方根」「関数」「虚数」など ・考えれば考えるほど不思議な数の概念-「0」「無限」「次元」「パラドックス」など ・耳にしたことのある言葉-「ベクトル」「指数関数」「アルゴリズム」など ・知ると面白い数学の知識-「ヒルベルトのホテル」「モンティ・ホール問題」など 数学をまなぶ楽しみは、数学者だけでなく、私たち1人1人にあります。「サワ☆博士の数楽たいそう」を主宰する数々(かずかず)企画代表・澤宏司さんの面白く、ときに考えさせられる解説と、グラフィックデザイナー・廣﨑遼太朗さんのウィットに富んだ挿絵も見どころです。一読してわからない項目も、少しだけ背伸びをして新しい知識に触れてみると、時間を経て、ひらめく瞬間が訪れるかもしれません。気になった項目は、より専門的な数学本へと歩みを進めてみてください。 先史時代から現代へと大まかに数学史をたどる構成。数学史/数学者に関する豆知識、関連語の掲載、数学をさまざまな視点で眺める章末コラム4編も収録。 ★本書の324ページに登場するウサギのイラストは、あるルールに従ってページからページへとジャンプしていきます。ウサギのあとを追ってみると…? -- 「数とは何か」の整備、発展は今も続いている。木の実を数えるところから始まった数は、現代においてそこから大きく離れ、それゆえに応用の先が広がった。「1個のリンゴ」は目に見え、よって絵に描けるが、「1」そのものの絵は観たことがない。これが数のもつ役割と宿命である。(「はじめに」より) -- 目次 はじめに Chapter1 先史時代 Chapter2 古代 Chapter3 中近世・近代前期 Chapter4 近代後期 Chapter5 現代 あとがき 索引 Column #1 数学の苦手なこと #2 作図の意義 #3 数学の純粋と応用 #4 数学の成立時期と検索ヒット数 - 前書きなど - 数とはものやことの性質である。収穫した木の実を一族の皆に渡したい。足りるだろうか。あるいは、この先に渡らなければならないいくつもの川がある。約束の日までの昼と夜はあとこれだけ。間に合うか。木の実の数、仲間の数、川の数、残りの日数。賢い者がこれらのあいだの一致や過不足を見出した。目に見えるもの、見えないものと区別をせず、それらがもつ性質として認め、考え、伝えるための道具が「数」だ。 数とは、飛び飛びのきっちりしたものである。1個、2個、3個。リンゴと人の数が同じであれば1つずつ渡せる。ちょうど倍であれば2つずつ渡せる。このような数は今では「整数」と呼ばれる。では、5個を2人で分けてあまった1個をどうするか。ナイフで切って半分ずつ持っていけばよい。ある日、これも数と思えた者がいた。 こうして、数は比やわり算の商のこととなった。5個のリンゴを2人で分ける。100の距離に等間隔で8本の木を植える。5/2=2.5、100/(8+1)=11.111…。わり切れないこともあるけれど、どんな小数でも整数のわり算で表せるはず。だけどあれ? 正方形の対角線の長さは? 円の円周は? 比やわり算のみで表すことに限界を感じ、1辺が1の正方形の対角線は√2、直径が1の円の円周はπと、新しい表現をかたちにした者が数を発展させた。 √2もπも数。負の数、2乗して負になる数も認めよう。こうして数は発展し、その意味するところが広がった。1、2、 3、 …の整数をもとに、そこからなんでも作ることができる。それだけでなく、古代エジプトで円や三角形の性質をかたち作ったときのように、「数とは何か」が整理され、数はルール化された産物になった。 「数とは何か」の整備、発展は今も続いている。木の実を数えるところから始まった数は、現代においてそこから大きく離れ、それゆえに応用の先が広がった。「1個のリンゴ」は目に見え、よって絵に描けるが、「1」そのものの絵は観たことがない。これが数のもつ役割と宿命である。 * 本書の執筆では、2つのことに留意した。 1つは本書をお読みいただいた方が、数学を自分のこととして感じていただけるように心を砕いた。数学に数や方程式は必ずしも必要でなく、ふと気になったことに向き合ったときに数学は始まっている。知識や経験にかかわらず、私たち1人1人と数学のあいだに渡らなければならない川はない。 もう1つとして、本書が数学に親しむためのよいカタログになることを目指した。個人的な話で恐縮だが、私が小学校高学年のころ、3歳上の兄から借りた保健体育の副読本に載っている、スポーツ競技の紹介を読むのが好きだった。見開き2ページで1競技、野球やサッカーだけでなく、数あるマイナーなスポーツのルールや競技場の大きさ、技術や戦略の簡単な説明を読んではドキドキした。のちにそのうちの1つに挑戦することになったが、この本を手に取った方にとっても、本書が同じような機会になることを願っている。 本文は全221項目、あれがあるのにこれがない、その分野は多過ぎと、項目の選択にご異論があろうことは了解している。また一部の項目は数学の範疇にないものもある。これはひとえに私の興味やなじみ具合が影響しているとご了承いただきたい。 * いつかの未来、未知の宇宙人と交流することになったときのことを想像してみる。そのときにはきっと数が役に立つだろう。SF映画『コンタクト』(監督:ロバート・ゼメキス)では、数学が通信の役割を担う。役に立つだけではない。そこで私たちは宇宙人と私たちの「数」の違いを知るであろう。過去と現在、それぞれの時代の数学にずれがあるのと同じだ。数とは何か。便利に使い、時々の必要に応じて発展させたものが数である。ほかに代わりがなく、あまりに身近なそれを言い換えるとすれば、数とは、私たちの営みそのものである。 - 著者プロフィール - 澤宏司 (サワ コウジ) (著/文) 数々企画代表。博士(理学)。1994年早稲田大学理工学部数学科卒。2010年神戸大学大学院理学研究科地球科学惑星科学博士後期課程修了。同志社大学准教授を経て、2024年4月から現職。専門は数理科学、数理論理学。近年は論理と時間・空間の関係に関するモデルの研究に従事。簡単な計算を伴う全身運動プログラム「サワ☆博士の数楽たいそう」主宰。好きな映画監督はポール・バーホーベン。 廣﨑遼太朗 (ヒロサキ リョウタロウ) (イラスト) 1996年生まれ。名古屋出身のグラフィックデザイナー、イラストレーター。 名古屋市立大学芸術工学研究科を修了、その後都内グラフィックデザイン事務所を経て、現在はフリーランスとして活動中。
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草の辞典 野の花・道の草 | 森乃おと, ささきみえこ(イラスト)
¥1,650
雷鳥社 2017年 ハードカバー 288ページ 15.2 x 10.2 x 2.6 cm - 内容紹介 - 野や散歩道でよく出会う、「あの」草花の名を知っていますか? 人気の「辞典シリーズ」第四弾! ! 「ハコベ」「ナズナ」「イヌフグリ」「ワレモコウ」……。 本書は、散歩道でよく見かける春夏秋冬の草花193種の美しい写真と、それぞれの花言葉を載せています。第二章では、草や花にまつわる言い回しや季語、名言などを集め、コラムでは「食事の時間」「お茶の時間」「癒しの時間」に分け、可愛いイラストとともに、〝スイバのスープ〟〝シロツメクサ茶〟〝ドクダミ化粧水〟など、野の草花を使った手づくりの料理やお茶、コスメなどのレシピを紹介します。第三章では薬草・毒草をまとめています。知れば知るほど、野の花や道の草が愛おしくなり、温かな気持ちとなれる一冊です。
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海の辞典 | 中村 卓哉
¥1,650
雷鳥社 2012年 ハードカバー 288ページ 15.2 x 10.2 x 2.6 cm - 内容紹介 - 海にまつわる素敵な言葉を四季折々の美しい海の写真とともに綴る。 目次 1 海の色・音・風 2 波・潮の名前 3 海と海まわりの呼び名 4 海の季節・時間・場所 5 海のたとえ (心・人生 行動・状況・他) 6 海にまつわる大切なことば
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人工知能のうしろから世界をのぞいてみる | 三宅 陽一郎
¥2,640
青土社 2024年 ソフトカバー 320ページ 四六判 - 内容紹介 - AIと人間のはざまから 人間のような時間と空間の使い方を参考に組み立てられる人工知能。人間に限りなく近く…と設計されるかれらには世界がどのように見えるのだろうか。喜びや悲しみなどの感情はあるのだろうか。どのように私たちに影響を与え、与えられ、拡張されているのか。人工知能、そして人工知能と共に生きる人間の主観世界のデザインを考えるために――
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地球は生きている 地震と火山の科学 | 巽 好幸
¥1,166
KADOKAWA 2024年 ソフトカバー 240ページ 文庫判 - 内容紹介 - 46億年前の誕生以来、絶えず動き続けている地球。地震や火山の活動は、地球が私たちと同じく「生きている」ことの現れなのです。中心が5000℃を越える高温であるにもかかわらず、地表は生き物が暮らせる気温に保たれているのは、地球の内部で常に対流現象が起こっているおかげ。地球史上に発生した大事件や内部構造、日本列島に多発する地震と噴火のしくみをマグマ学者がやさしく図解。地球の未来を見つめるための科学講義。 - 目次 - プロローグ 第1章 現在の地球の姿 第2章 地球を襲った大事件 第3章 現在の日本列島の姿 第4章 日本列島に起こった大事件 第5章 地震の話 第6章 火山の話 第7章 リサイクルする地球 エピローグ - 著者プロフィール - 巽 好幸 (タツミ ヨシユキ) (著/文) 1954年生まれ。マグマ学者。東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。京都大学教授、東京大学教授などを経て、現在、海洋研究開発機構(JAMSTEC)地球内部ダイナミクス領域プログラムディレクター。2003年日本地質学会賞、2011年日本火山学会賞を受賞。著書に『地球の中心で何が起こっているのか』(幻冬舎新書)、『地震と噴火は必ず起こる』(新潮選書)、『「美食地質学」入門』(光文社新書)など。
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「絶滅の時代」に抗って 愛しき野獣の守り手たち | ミシェル・ナイハウス(原著), 的場知之(翻訳)
¥4,180
みすず書房 2024年 ハードカバー 368ページ 四六判 - 内容紹介 - 野生動物をどうまなざすか考えることは、わたしたちがどう振る舞うかを考えること。価値ある資源か、御しがたい厄介者か、はたまた守るべき隣人か。異なる価値観に翻弄されつつも、愛しき野獣を守ろうとした者たちの奮闘の歴史が、本書の主題である。 これは、常識変遷のストーリーでもある。ほんの250年前、進化理論は影も形もなく、絶滅の概念さえおぼろげだった。ほんの100年前は、野生動物保護は狩猟のために行うのであって、オオカミやタカなどの捕食動物は駆除すべき害獣だった。そして、世界初の絶滅危惧種保護法が米国で成立したのが約60年前。それ以来、国際的な保護の機運が広がり、いまや「豊かな生物多様性の価値」は常識となりつつある。 このような変化は、科学の発展によるところも大きい。だが、思想を深めた者、法に訴えた者、政治に働きかけた者、そして市民に広くよびかけた者なしには、決してありえなかったはずだ。レイチェル・カーソンやジュリアン・ハクスリー、アルド・レオポルドやウィリアム・ホーナデイなど、挫折や対立をものともせず「行動した者」たちが、今の常識を作ってきた。 自然保護活動には、解決を待つ難題が山積みであり、昔も今も近道はない。先人たちや、今まさに現場にいる人々の奮闘を記した本書が羅針盤となり、これからも続く生物多様性保全の進展を導くだろう。 - 目次 - 序章 イソップのツバメ 第1章 動物を名づけた植物学者 第2章 剥製師とバイソン 第3章 猛女(ヘルキャット)とタカ 第4章 森林管理官と緑の炎 第5章 教授と不死の妙薬 第6章 ワシとツル 第7章 象牙の塔を出た科学者 第8章 サイとコモンズ 第9章 多数を救う少数 終章 ホモ・アンフィビウス 謝辞 人名索引/事項索引/生物名索引/図版出典 - 著者プロフィール - ミシェル・ナイハウス (ミシェルナイハウス) (原著) (Michelle Nijhuis) 1974年生まれ。アメリカの科学ジャーナリスト。専門は保全生物学と気候変動。長年寄稿している『ハイ・カントリー・ニュース』誌ではシリーズConservation Beyond Boundaries(国境を越えた保全)の編集長を務める。また、『アトランティック』誌ではプロジェクト編集者として、Planetのコーナーと、シリーズLife Up Closeのディレクションを担った(2017-2023)。ジャーナリストとしての業績で、AAASカヴリ科学ジャーナリスト賞を二度受賞している(2006、2012)。共編書にThe Science Writers’ Handbook: Everything You Need to Know to Pitch, Publish and Prosper in the Digital Age(2013)、著書にThe Science Writers’ Essay Handbook: How to Craft Compelling True Stories in Any Medium(2016)がある。 的場知之 (マトバトモユキ) (翻訳) (まとば・ともゆき) 翻訳家。東京大学教養学部卒業。同大学院総合文化研究科修士課程修了、同博士課程中退。訳書に、ロソス『生命の歴史は繰り返すのか?――進化の偶然と必然のナゾに実験で挑む』、ピルチャー『Life Changing――ヒトが生命進化を加速する』(以上、化学同人)、クォメン『生命の〈系統樹〉はからみあう――ゲノムに刻まれたまったく新しい進化史』、ウィリンガム『動物のペニスから学ぶ人生の教訓』(以上、作品社)、ルーベンスタイン『オールコック・ルーベンスタイン 動物行動学 原書11版』(共訳、丸善出版)、王・蘇(編)『進化心理学を学びたいあなたへ――パイオニアからのメッセージ』(共監訳、東京大学出版会)、マカロー『親切の人類史――ヒトはいかにして利他の心を獲得したか』(みすず書房)、マイバーグ『空飛ぶ悪魔に魅せられて――謎の猛禽フォークランドカラカラをめぐる旅』(青土社)など。