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ペンギンは歴史にもクチバシをはさむ 増補新版 | 上田 一生
¥3,520
青土社 2024年 ハードカバー 320ページ 四六判 - 内容紹介 - 貴重な図版満載の異色の文化史 氷原の上をよちよち歩くタキシード姿、好奇心いっぱいの「かわいい」やつ。大航海時代から「未知の大陸」のシンボルとしてさまざまな場面で大活躍してきたペンギンには、その一方で食料、燃料などとして利用されてきた受難の歴史もある。現代ではそのたくましさでも脚光を浴びつつあるペンギンから見た、貴重な図版満載の異色の文化史。
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木のみかた 街を歩こう、森へ行こう | 三浦 豊
¥1,100
ミシマ社 2017年 コーヒーと一冊 ソフトカバー 96ページ 四六判 縦18mm 横13mm 厚さ2mm - 内容紹介 - 街のなかにも「森」がいっぱい! 全国3000箇所以上もの森を歩き続ける「森の案内人」の目を通せば、 街なかの道路、路地に自然があふれているのがわかります。 いまの日本の森の現状や、榎や神樹などこれだけは知っておきたい「木」の見つけ方をお届け。 この本を持って、思わず外へ飛び出したくなる! 街のなかで森を見つける方法、教えます。 ○森の案内人がおすすめする 日本全国の「この木、あの森」付き - 著者プロフィール - 三浦豊 (ミウラユタカ) (著/文) 1977年京都市生まれ。森の案内人、庭師。 日本大学で建築を学んだ後、 庭師になるために京都へ帰郷。2年間の修行を経て、日本中を巡る長い旅に出た。 2010年より「森の案内人」として活動をはじめる。
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深海の楽園 日本列島を海からさぐる | 藤岡 換太郎
¥1,100
筑摩書房 2024年 ちくま文庫 ソフトカバー 304ページ 文庫判 - 内容紹介 - 深海に潜ってみれば、地球の変動を引き起こす謎の正体が見えてくる! わかりやすい解説で定評のある地球科学者が、深海底の冒険に読者をご招待。 潜ってみたら驚いた! 地球と生命の歴史を読み解く冒険に読者をご招待 地震や火山など災害の大国・日本。その謎を解く鍵は深海に隠されている! 日本列島の周囲には、4枚のプレート、4つの海流、4つの気団がせめぎあい、地球内部へ沈みこむ4つの海溝がある。深海底に潜れば、地震や火山噴火など、地球の変動を引き起こす現場に接近でき、その現場を直撃できる──。解説のわかりやすさに定評のある地球科学者が、列島の成り立ちを解き明かす深海の冒険に読者をご招待。 - 目次 - 序 章 地球の見方――潜水調査船科学への招待 第一章 地球科学の基礎知識――動かざること大地の如し 第二章 深海から見た東日本列島――古いプレートの沈み込むところ 第三章 深海から見た西日本列島――若いプレートが沈み込むところ 第四章 海の後ろに海がある――日本海の背弧海盆に潜る 第五章 日本列島周辺のプレートの境界 - 著者プロフィール - 藤岡 換太郎 (フジオカ カンタロウ) (本文) 1946年京都市生まれ。東京大学理学系大学院修士課程修了。理学博士。専門は地球科学。東京大学海洋研究所助手、海洋科学技術センター深海研究部研究主幹、グローバルオーシャンディベロップメント観測研究部部長、海洋研究開発機構特任上席研究員を歴任。現在は静岡大学客員教授。「しんかい6500」に51回乗船。太平洋、大西洋、インド洋の三大洋人類初潜航を達成。海底地形名に関して海上保安庁長官表彰を受ける。主な著書に『フォッサマグナ』『三つの石で地球がわかる』『海はどうしてできたのか』『見えない絶景』(いずれも講談社ブルーバックス)『深海底の地球科学』(朝倉書店)などがある。
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ときを感じる お宿図鑑 スケッチで巡るレトロ建築ガイド | ときやど 吉宮 晴紀
¥2,200
学芸出版社 2024年 ソフトカバー 192ページ 四六判 - 内容紹介 - 建築を学ぶ傍ら古い宿の魅力に取り憑かれ、日本全国100軒以上を描きながら巡ってきた著者がおくるレトロ宿ガイド。東北から九州・沖縄まで、選りすぐりの35事例を掲載し、その見所を建物のスケッチと豪華な写真で徹底解剖。宿の紹介サイト「ときやど」とも連携し、頁のQRコードから詳細情報を確認できる! 目次 まえがき 本書に登場する宿MAP 本書の見方 ■東北 (山形県)赤倉温泉 湯澤屋|まるで竜宮城!? 温泉街を一望できる珍しい意匠の宿 (山形県)滑川温泉 福島屋|江戸時代の素朴な建物で秘湯を楽しむ温泉宿 (福島県)会津東山温泉 向瀧|地形を活かした庭と建物すべてが見事 column1 宿の建物用語を学ぶ ■関東 (茨城県)平潟港温泉 砥上屋旅館|漁業が栄えた明治時代の雰囲気をよく残した旅館 (栃木県)北温泉 北温泉旅館|日本の湯治文化を堪能できる秘湯の一軒宿 (栃木県)三斗小屋温泉 煙草屋旅館|電気も水道も電波もきていないが絶景野天風呂が魅力的な山小屋 (栃木県)塩の湯温泉 明賀屋本館|山あいのモダニズム温泉旅館建築 (栃木県)日光金谷ホテル|日本で最も長い歴史のあるリゾートホテル (群馬県)四万温泉 積善館|昭和初期の姿をとどめる貴重な浴場は必見 (埼玉県)町田屋旅館|ほぼ明治期のまま、地方の町中らしいコンパクトな旅館建築 (東京都)東京ステーションホテル|東京駅と共に歴史を刻む、レンガ造のホテル (東京都)学士会館|戦前の雰囲気を残す元会員倶楽部施設 (東京都)旅館西郊|下宿から旅館、洋風から和風へ。様々な面影を残す宿 (神奈川県)ホテルニューグランド|昭和初期そのままのロビーはまるで別世界 (神奈川県)塔ノ沢温泉 元湯環翠楼|史上最高の旅館建築 (神奈川県)塔ノ沢温泉 福住楼|すべての部屋で意匠が異なり遊び心あふれる宿 (神奈川県)箱根湯本温泉 萬翠楼福住|泊まれる重要文化財。明治初期の擬洋風建築 (神奈川県)宮ノ下温泉 富士屋ホテル|まるでホテルの博物館。様々な時代のホテル建築を体験できる Column2 宿の変遷を辿る ■中部 (山梨県)下部温泉 湯元ホテル|昭和初期のホテルらしさが残るほぼ旅館の宿 (山梨県)北の勢堂|現役の囲炉裏と共に過ごす甲州兜造の古民家宿 (長野県)井出野屋旅館|『犬神家の一族』でお馴染み。堅牢な建築により100年以上愛された宿 (静岡県)修善寺温泉 新井旅館|水を活かした美しい旅館建築 (静岡県)八百甚|昭和初期のまま目抜き通りに建つ街道旅館 (愛知県)玉田屋旅館|江戸時代から街道を見守ってきた旅籠宿 Column3 宿の照明に注目してみる ■近畿・中国・四国 (京都府)ゲストハウス糸屋|オーナーのセンスが光る京町屋ゲストハウス (京都府)橋本の香|遊郭の面影を色濃く残す宿 (奈良県)奈良ホテル|古都奈良に馴染む明治の和モダン建築 (広島県)いんのしまペンション白滝山荘|宣教師の家として建てられた泊まれるヴォーリズ建築 (香川県)いしや旅館|短冊敷地をうまく利用した街道旅館 (高知県)岬観光ホテル|室戸岬に佇む和洋折衷の別荘建築 Column4 宿泊の作法を心得る ■九州 (長崎県)雲仙温泉 雲仙観光ホテル|外は山小屋、中は豪華客船!? スイス風クラシックホテル (大分県)たけた駅前ホステルcue|城下町でお洒落に営む古民家ゲストハウス (熊本県)球磨川温泉 鶴之湯旅館|球磨川のほとりに佇む木造三階建ての秘境宿 (熊本県)人吉温泉 芳野旅館|住居から料亭、そして旅館に。代々受け継がれるレトロ建築 (鹿児島県)伝泊 高倉のある宿|奄美の島暮らしを体感できる古民家宿 Column5 まだまだある!全国のレトロ宿 (岩手県)大沢温泉 湯治屋/(秋田県)乳頭温泉 黒湯温泉/(山形県)瀬見温泉 喜至楼/(千葉県)大屋旅館/(神奈川県)ホテルニューカマクラ/(神奈川県)小涌谷温泉 三河屋旅館/(山梨県)江戸屋旅館/(長野県)田沢温泉 ますや旅館/(長野県)万平ホテル/(長野県)別所温泉 旅館花屋/(長野県)渋温泉 歴史の宿 金具屋/(岐阜県)下呂温泉 湯之島館/(愛知県)蒲郡クラシックホテル/(京都府)白河院/(大阪府)天見温泉 南天苑/(熊本県)日奈久温泉 金波楼 本書に登場する宿年表 あとがき - 著者プロフィール - ときやど 吉宮 晴紀 (ヨシミヤ ハルキ) (著/文) 千葉大学で建築を学ぶ大学院生。幼少期から家族旅行で各地を旅行し、様々な宿に宿泊してきた。 小学生時代の高速道路のジャンクションの鳥観図に始まり、間取り図やパースなど立体的な絵を描き続けている。大学生になってから文化財の旅館の面白さに惹かれて情報サイトを開設し、併せて小学生のころ読んだ妹尾河童氏の『河童が覗いたヨーロッパ』を思い出しながら独自の断面パースで旅館の建物を記録してまわるようになった。 Webサイト「時を感じる宿に泊まろう~ときやど」主催者、X(旧Twitter)「建築学生の呟き」運営者。
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夜明けをまつどうぶつたち | ファビオラ・アンチョレナ, あみの まきこ(翻訳)
¥2,090
NHK出版 2024年 ハードカバー 34ページ A4変型判 - 内容紹介 - 森林火災とその再生を描いた、2022年スペイン「ベスト児童書賞」受賞作品 世界最大の熱帯雨林をもち、「地球の肺」と呼ばれるアマゾンで、2019年に大規模な森林火災が発生。広大な森が焼失し、多くの生きものが命を落としたことに心を痛めた作者が、動物の視点で描いた「ナラティブ・ノンフィクション絵本(事実に基づいた語り形式の作品)」。本書は、2022年スペインにおいて権威ある「コンポステーラ国際絵本賞」を受賞、スポーツ・文化庁が選ぶその年の最優秀編集図書(児童書部門)としても高く評価された。現在、スペイン国内の諸言語を含め9言語に訳されている。巻末では著者が、絵本を創作するにいたった経緯に触れつつ、世界各国で発生、頻度を増している森林火災について実情を伝え、森林保護に取り組む人々に敬意を表す。動物たちの祈りにあふれた一冊。 あらすじ: 長いあいだ雨が降らないジャングルに火災が発生し、煙によって太陽の姿が動物たちから見えない。動物たちは太陽が一向に昇ってこないことを不思議に思い、太陽を探しながら森のなかを歩き続ける。やがて激しい熱さを感じ、太陽が戻ってきたと思いきや、それは彼らが「待ち望んでいた夜明け」ではなかった。動物たちは必死で逃げ惑うが、火は燃え広がり、あたりは無情にも焼き尽くされていく。その後、ぽつりぽつりと雨が降り、森には静けさが訪れる。そして、新たな姿に生まれかわった森が現れる。動物たちは祈る──。「黄色い太陽がもう二度と姿をけしませんように。赤いインコも、青いチョウも、この緑の森も、どうかなくなることがありませんように。いつまでもずっと」 帯にはこの絵本を読んでくださった上白石萌音さんのメッセージが! この作品には「黒い余白」があります。動物たちのこと、木々や花々のこと、わたしたちも暮らす地球のことを、自分の目で捉えるための余白だと感じます。豊かな色彩の尊さに気づかされ、遠いアマゾンの森に心が引き寄せられました。あなたもぜひ、絵本とともに思いを馳せてみてください。──上白石萌音 編集部より: 世界各国で頻度を増している森林火災は、気候変動がおよぼす影響が大きいと考えられているが、人間によって引き起こされる場合も少なくない。火災の一因となる大規模な農場や牧場では、大豆やトウモロコシ、牛肉などを生産しており、そこで収穫されたものをわたしたち日本人も食べていることを考えると、決して無関係ではない。この絵本のきっかけとなった2019年の火災では、森林の11%が消失されたともいわれ、多種多様な動植物が失われた。この作品をとおして、ひとつしかない地球を守るために、いま何ができるのかを読者とともに考えてみたい。 - 著者プロフィール - ファビオラ・アンチョレナ (ファビオラ アンチョレナ) (著/文) 絵本作家、アーティスト。1983年、ペルーのリマで生まれ、ペルーとアメリカ合衆国で育つ。大学で建築を学んだあと、イラストレーターとして⾃然をテーマにした作品づくりに取り組む。2020年からはメキシコやチリの大学で絵本製作に関するディプロマを取得。スペインの出版社から刊行された本書『ESPERANDO EL AMANECER』は、2022年スペインにおいて権威ある「コンポステーラ国際絵本賞」を受賞、スポーツ・文化庁が選ぶその年の最優秀編集図書(児童書部門)としても高く評価され、スペイン国内の諸言語を含め、現在9言語に訳されている。作品に『MI PATINETA SE ATASCO(動かなくなったスケートボード)』(2020年)『ME QUEDE ENCERRADA EN EL MUSEO(博物館にとじこめられて)』(2022年)。いずれも共著で未邦訳。 あみの まきこ (アミノ マキコ) (翻訳) 翻訳者、スペイン語講師。1958年生まれ。上智大学、東京外国語大学大学院にてスペイン語・スペイン語文学を学ぶ。大学でスペイン語の教鞭をとりながら、スペイン語圏の児童書や昔話の研究、紹介に取り組む。縁あってペルーをたびたび訪れるうちに、その人々と文化に魅せられる。趣味はペルー料理をつくって食べること。翻訳絵本に『カピバラがやってきた』(岩崎書店、第14回ようちえん絵本大賞)、訳書に『ブニュエル、ロルカ、ダリ 果てしなき謎』(白水社、共訳)など。
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枯木ワンダーランド 枯死木がつなぐ虫・菌・動物と森林生態系 | 深澤 遊
¥2,640
築地書館 2023年 ソフトカバー 364ページ 四六判 縦188mm 横128mm 厚さ24mm - 内容紹介 - 微生物による木材分解メカニズム、菌糸体の意思決定能力、 森の枯木不足が生態系に及ぼす影響、枯木が炭素貯留に役立つ仕組みまで。 日本全国のアカマツ林を巡り歩いたり、リスの食べ残しを舐めてみたり、 探究心旺盛な研究者が身近な枯木の自然誌を解き明かす! 枯れて命を終えた樹木は、それで「終わり」ではない。 樹皮の表面や幹の中で動物や昆虫を養い、菌類に分解されたのちは土に還るまでの間も炭素を貯留するなど、森林生態系や地球全体に関わる重要な働きを持っている。 本書は、これまで注目されてこなかった枯木を起点に広がるニッチな世界を、動物・植物・菌類・土壌・地球環境といったさまざまな視点から描いた、森の見方が変わる一冊だ。 著者は東北大学大学院農学研究科助教で、専門は森林生態学、微生物生態学、生物多様性生態学。 小学生の頃からコケと変形菌に興味を持ち、長じては大学構内の森で変形菌を探したり、標本を布団乾燥機で乾燥させたり、世界中の研究者に声をかけて6カ国での共同研究を行なったりとバイタリティに溢れた人物で、軽快な語り口で読者を知られざる枯木の世界に誘う。 目次 はじめに 1 枯木ホテルの住人たち 第1章 コケ─エメラルドシティ コケ少年 コケは倒木の上に 共生バクテリアの窒素固定能力 クマの縄張りで調査 コケの微塵切り コラム フィールドノートから 第2章 変形菌─森の宝石 変形菌との出会い 大学キャンパスの変形菌 変形菌に来る虫 都市公園の変形菌 変形菌の飼育実験 変形体は何を食べるのか─安定同位体分析 変形菌のお食事メニュ コラム フィールドノートから 第3章 キノコ─記憶し決断するネットワーク キノコはかりそめの姿 黒光りする糞 生きた葉に潜む内生菌 落葉の分解プロセス カワウの糞の影響を調べる─リターバッグ法 菌糸の養分輸送力 菌糸体を飼う 菌糸体の記憶力・決断力 成長方向を決める菌糸の記憶 菌糸体の知能 コラム フィールドノートから 第4章 腐生ラン─菌を食う植物 菌根菌ネットワーク 森林の〝境界〟 地下の菌と地上の植生の関係 菌糸を介した植物間の炭素のやりとり? 炭素を菌に依存する植物 木材腐朽菌を食べるラン 炭素年齢で炭素供給源を探る 腐生ランの種特異的な関係 枯木に絡みつくタカツルラン 新たな疑問 コラム フィールドノートから 第5章 動物たち─庭の丸太実験 庭に置いた丸太 丸太に来たリス リスはどうやってキノコを見つけるのか? コケの分散を助けるリス ビスコの昆虫群集─カメムシ・ケシキスイ・チビヒラタムシ 穿孔性の昆虫たち 昆虫と腐朽型の関係 菌が作るニセの卵、ターマイトボール コラム フィールドノートから 第6章 まだ出会っていない生き物たち─環境DNAで〝見える化〟 見えない微生物を見えるようにする技術 ポリメラーゼ連鎖反応 環境中の有象無象のDNAを読む バクテリアによる窒素固定 菌類を乗りこなすバクテリア マイコウイルス研究が熱い コラム フィールドノートから 2 枯木が世界を救う 第7章 木が「腐る」─お菓子の家で考える 「分解」の重要性 樹木の死 樹洞を作る菌 森の土に埋まる宝物〝肥え松〟 お菓子の家の話 セルロースを守るリグニン 腐朽菌の生き方─どうやってお菓子を食べるか 食べ残しが土を作る 腐朽菌の多様性が高いと分解が遅くなる? 適度に食われて分解促進 コラム フィールドノートから 第8章 森が消える─樹木の大量枯死 北米のマツの大量枯死 ヨーロッパのトウヒの大量枯死 伊勢湾台風がもたらした大台ヶ原の風倒被害 北八ヶ岳の風倒跡地 マツ枯れ ナラ枯れ 森林火災─木炭化が与える影響 火入れで生態系はどう変わるのか コラム フィールドノートから 第9章 枯木が消える─喪失を取り戻せるか エルトンと枯木 枯木ロスによる生物の絶滅 絶滅の負債 絶滅速度の推定 絶滅危惧種 日本の絶滅が危惧される菌類 胞子の散布距離 サルベージ・ロギング─枯木撤去の長所と短所 枯木や老齢木を作り出す─保持林業 ベテラナイゼーション─古木に親しむ コラム フィールドノートから 第10章 枯木の恩恵─生態系サービス 森林バイオマスの利用は〝環境にやさしい〟のか? 誰もが受けている生態系サービス 世界と日本の森林炭素貯留量 温暖化はシロアリの枯木分解を促進する? 巨木や老齢林の炭素貯留はすごい 枯木の貯蔵庫Wood Vault 生態系の安定性とバイオマス利用 コラム フィールドノートから 第11章 次世代の森へ─倒木更新 倒木更新との出会い 東京都立東大和公園 マツ枯れの倒木は実生のホットスポット 倒木更新の王道、トウヒ コケと腐朽型と菌根菌と実生の関係 森林攪乱や気候の影響 トウヒを追ってヨーロッパへ! スギも倒木更新する? 倒木更新と腐朽型の関係 コラム フィールドノートから おわりに 参考文献 索引 - 著者プロフィール - 深澤遊 (フカサワユウ) (著/文) 1979年、山梨県生まれ。信州大学農学部卒業、京都大学大学院農学研究科修了。博士(農学)。 日本学術振興会特別研究員(京都大学)、森林組合職員(和歌山県)、 財団法人トトロのふるさと財団職員(埼玉県)を経て、東北大学大学院農学研究科助教。 東北の森に住みつつ、枯木を訪ねて世界中の森をめぐる。 International Mycological Association Keisuke Tubaki Medal、 日本生態学会宮地賞、日本菌学会奨励賞、日本森林学会奨励賞などを受賞。 2021年、独創的な研究に挑戦する若手研究者「東北大学プロミネントリサーチフェロー」に選出される。 著書に『キノコとカビの生態学』(共立出版)、訳書に『地上と地下のつながりの生態学』(共訳、東海大学出版部)、 『枯死木の中の生物多様性』(共訳、京都大学学術出版会)など。 登山、サイクリング、生き物のスケッチ、ジェンベ演奏などが好き。
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人類を熱狂させた鳥たち 食欲・収集欲・探究欲の1万2000年 | ティム・バークヘッド, 黒沢令子(翻訳)
¥3,520
築地書館 2023年 ハードカバー 392ページ 四六判 - 内容紹介 - 人類の歴史が始まって以来、 私たちの信仰、科学、芸術、資源の源として存在し続けている鳥類。 精神と生命を支えてきたその生物を、 人はどのように捉え、利用し、そして保護しようとしているのか。 新石器時代の壁画に描かれた208羽の鳥から紀元前の哲学者が「予言者」として扱った鳥、 鷹狩りの歴史、ダ・ヴィンチが興味を引かれたキツツキの舌、 鳥が部位ごとに持つとされた薬効、一夫一妻制の真相、 海鳥の利用と個体数減少、長距離を移動する渡り鳥の研究など、 1万年以上にわたる人間と鳥の関わりを、イギリスを代表する鳥類学者が語り尽くす。 [書評] ティム・バークヘッドは著名な鳥類学者で、優れた科学コミュニケーターでもある。 本書は、1万2000年にわたる鳥類との関わりを、鳥と私たちの視点から描いている。 鳥や鳥好きな人との個人的な出会いを、 巧妙な科学的厳密さを交えて意欲的な歴史研究を通じて、楽しげに語ってくれる。 ――ティム・ディー(作家・ナチュラリスト・BBCラジオプロデューサー) 鳥と人との密接で時として驚くべき関係について一流の鳥類学者がしたためた魅力的な物語である。 ――スティーブン・モス(作家・ナチュラリスト) 古代の時代からの鳥と人の関係を探るこの本は、衝撃的で、刺激と不思議に満ちている。 鳥と暮らす今日の私たちに痛烈な挑戦を投げかけてくれる。 ――イザベラ・トゥリー(『英国貴族、領地を野生に戻す』の著者) 複雑な科学を魅力的で生き生きとしたスタイルで説明する著者の才能は高い評価を得ている。 ――BBC Wildlife - 目次 - 序文 第1章 新石器時代の鳥 鳥類学のゆりかごv 動物壁画の考察 第2章 古代エジプトの鳥 大量のトキのミイラの意味 墓壁に描かれた鳥 古代エジプトで見られた鳥 鳥のミイラの役割 第3章 古代ギリシャ・ローマにおける科学の黎明 生まれる子どもは誰の子か? アリストテレスの方法 自然誌家プリニウス 古代ローマ人の珍味好き 鳥を通して見る世界 第4章 男らしさの追求──鷹狩り バイユー・タペストリー 鷹狩りとステータス 装飾写本と鳥 フリードリヒの『鷹狩りの書』 アリストテレスの復活 鷹狩りに対する逆風 動物に対する敬意 第5章 ルネサンスの思想 キツツキの驚異の舌 解剖学的研究の発展 オオハシの真実を求めて 「有害鳥獣」の指定と駆除 鳥の薬効 第6章 科学の新世界 ターナーの鳥の絵 新しい科学の手法──観察と分類 ドードーの真の姿 魅惑の新大陸 ケツァールの輝き 先住民の鳥利用 ステータスとしての羽 植民地化による知識の搾取 自然科学と宗教のはざまで 第7章 海鳥を食べる暮らし 海鳥の楽園フェロー諸島 フェロー島民による鳥猟 ウミガラスの卵の味 銃がもたらした悲劇 フルマカモメを食べる 人語を真似るワタリガラス セント・キルダ群島の場合 生きるための殺生 第8章 ダーウィンと鳥類学 セルボーンの博物誌とダーウィン 博物誌の読者たち 鳥を飼う利点──鳥の生態と人の思惑 神と自然選択 反ダーウィン論 カッコウという存在の矛盾 ラファエル前派と進化論 ジョン・グールドのハチドリ愛 第9章 殺戮の時代 裕福な青年鳥類コレクター 剥製ブームの到来 世界の大物コレクター 殺生とその正当化 収集活動と絶滅 コレクターの悲哀 収集欲と問われるモラル 博物館の存在意義 収集欲の果てに 第10章 バードウォッチング──生きた鳥を見る 観察して推論する バードウォッチングの発展と標識調査 アマチュア鳥類学者の誕生 鳥好きの分類 鳥類学に向く人とは 鳥を記録する喜び 鳥を追跡する技術 第11章 鳥類研究ブーム──行動、進化と生態学 ある鳥好き夫婦の功績 ドイツの鳥類研究 ティンバーゲンによる動物研究の4つの指標 自然選択が働くのは個か種か 行動生態学の躍進 鳥類学と「利己的な遺伝子」 カササギの配偶者防衛 鳥類理解の深まり 第12章 人類による大量絶滅 消費の末の絶滅 海鳥保護のいきさつ ファッションと羽 鳥類保護の第一歩 ウミガラスと私 ウミガラス研究の魅力 気候変動から受ける影響 長期研究の意義 エピローグ 新時代への転換点 自然への共感 心のときめきと科学 謝辞 訳者あとがき 図版クレジット 参考文献 原註 索引 - 著者プロフィール - ティム・バークヘッド (ティムバークヘッド) (著/文) 世界的に著名な英国の鳥類学者。数々の受賞歴がある。 ロイヤル・ソサエティのメンバーで、シェフィールド大学の動物学名誉教授。 著書に『鳥の卵』(白揚社)、『鳥たちの驚異的な感覚世界』(河出書房新社)などがある。 黒沢令子 (クロサワレイコ) (翻訳) 専門は英語と鳥類生態学。地球環境学博士(北海道大学)。 バードリサーチ研究員の傍ら、翻訳に携わる。 訳書に『フィンチの嘴』(共訳、早川書房)、『鳥の卵』『美の進化』(以上、白揚社)、 『日本人はどのように自然と関わってきたのか』(築地書館)、 『時間軸で探る日本の鳥』(共編著、築地書館)などがある。
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庭仕事の真髄 老い・病・トラウマ・孤独を癒す庭 | スー・スチュアート・スミス、和田佐規子(翻訳)
¥3,520
築地書館 2021年 ハードカバー 420ページ 四六判 - 内容紹介 - 「サンデータイムズ」ベストセラー タイムズ紙、オブザーバー紙「今年読むべき1冊 2020年」に選出 人はなぜ土に触れると癒されるのか。 庭仕事は人の心にどのような働きかけをするのか。 世界的ガーデンデザイナーを夫にもつ精神科医が、 30年前に野原に囲まれた農家を改造した家で、 夫とともに庭づくりを始めてガーデニングにめざめ、 自然と庭と人間の精神のつながりに気づく。 バビロンの空中庭園、古代エジプトの墓に収められた種の意味、 戦争中の塹壕ガーデン、ニューヨーク貧困地区のコミュニティーガーデン、 刑務所でのガーデニングの効果、病院における庭の役割。 さまざまな研究や実例をもとに、 庭仕事で自分を取り戻した人びとの物語を描いた全英ベストセラー。 [原著書評より] これまでに類を見ないガーデニングの本だ。資料あり、園芸あり、文学、歴史ありの本書は、各章で参考文献や素晴らしい着想を示し、魂に栄養を注いでくれる。 ――サンデー・タイムズ(英国) 本書は庭を耕し、植物を育てる特別な喜びに関する人生を肯定する研究だ。自然とガーデニングが精神の健康に与える影響を、著者が心からあふれ出る言葉で主張する。神経科学上の研究と園芸療法を通じて症状が回復に向かった患者の記録にもとづいている。 ――ガーディアン 園芸が持っている癒しの効果を賢明で洞察力あふれる著者が雄弁に魂をこめて論じる。今日の不安な時代に求められている良書。不調の時にどう対処するのか、読者一人ひとりに適切な展望を示してくれている。 ――ブックリスト 科学としていまだに揺れている精神医学と、太古からあるガーデニングが魅力的に重なり合う。 ――フィナンシャル・タイムズ スチュアート・スミスは科学に裏づけされた洞察力で自然の持っている癒しの効果を見せてくれる。楽しく読めて、心安らかになる本。 ――ウーマンズ・ワールド 心が躍る、刺激的で、非常に感動的な文章だ。著者は園芸療法の研究を通じて、私たちがどれほど自然と深い関係にあるのかを明らかにしていく。そして、自然と切り離されてしまうことが危険なことで、自然からいかに多くの回復力を得ているか、活気に満ちた思いやりのある言葉で語り、読者に土に触れようと忠告する。 ――イザベラ・トゥリー『英国貴族、領地を野生に戻す』(築地書館)著者
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樹木の恵みと人間の歴史 石器時代の木道からトトロの森まで | ウィリアム・ブライアント・ローガン, 屋代通子(翻訳)
¥3,520
築地書館 2022年 ハードカバー 384ページ 四六判 - 内容紹介 - 古来、人間は、木を伐ることで樹木の無限の恵みを引き出し、利用してきた。 英国の沼沢地の萌芽更新による枝を使った石器時代の木道、 スペインの12世紀の手入れされたナラの林、 16世紀のタラ漁船のための木材づくり、 野焼きによって森を育んだ北アメリカの先住民、日本の里山萌芽林。 米国を代表する育樹家が、世界各地を旅し、 1万年にわたって人の暮らしと文化を支えてきた樹木と人間の伝承を掘り起こし、 現代によみがえらせる。 目次 ニューヨークを救う木 ヤナギの再生 忘れられた言葉 木とともに生きる 記 憶 失われた技法 不格好な40本のプラタナス 助っ人を探す ヒントはどこに? 新芽がなければ生きられない 踏みはずした木との関係 木との対話を始める 萌芽の地 木の行動に学ぶ 植物、海から陸へ 植物の誕生を促したもの 予備の芽 即興演奏する樹木たち 倒れた樹木に宿る生命 植物たちの旋律──6つの選択 周囲の世界に呼応する 年ふりた樹木の持つ力 枝分かれ(branching) ネットワークの中で生きる 高架下の雑木林(スパゲッティの森) 創造力のある生き物 石器時代の湿地の木道(レヴェルズにて) 萌芽枝の利用 異形の木々 萌芽枝で作られた石器時代の木道 ふたつの木道に使われた1万4000本の枝 街路の発明 同じ森を利用する バ ネ 人の手が促す森の遷移 萌芽の森を保つ技 伐り取られたあとに咲く花々 萌芽林の連鎖 母なるハシバミ 食用・道具・家畜の餌 生け垣を建てる 生け垣の多様な生態系 工芸と科学 家畜のためのもの 囲いこみと生け垣 イングランドの生け垣には1000万の鳥のつがいが暮らす 手に負えるの? 頭と心と手を研ぎすます 侵入する植物たち 不屈のオウシュウニレ 妖精の庭のニレ クローンで生き延びる 探究心旺盛な根 12世紀の森を歩く 手入れされたナラの林 てっぺんが丸められた巨木 萌芽の林 ボート材 16世紀のタラ漁船 木に枝を少しだけ残す──イピナバロのナラ 海底で発見されたバスクのクジラ漁船 バスクの船大工──バカラオ型の船を建造 森に合わせて船を設(つく)計り、船に合わせて森を作る バカラオ型の船の工法 16世紀の工法を再現する 丘の周り 北スペインの渓谷で受け継がれる森の利用 バスク地方レイツァの街 生活を織りなす共有の森 トネリコの更新枝で羊を養う 斧で世界とわたり合う 共有地 複雑な仕組み 未来を記憶する 切って古木を生かす技 500歳のブナに手を入れる どこをどう切るか 木々のリズム 耕せば木は余計に生えてくる サバンナの一画、キリミの村 木々が教える伝統農法 森を酷使する アフリカの大地を見誤った支援 木々に学ぶ支援のあり方 急斜面の農耕を支えるもの 木の葉の飼い葉 フィヨルドの垂直経済 夏の農場の楽しみ 樹木の利用が支えた古代の農場 木を切ると牧草が育つ 4000年続く木の葉の利用 光の楽器 ノルウェーの農民画家 厳しい斜面を農地に 春の訪れと畑仕事 いいスティックを作る カリフォルニア先住民の火入れの知恵 籠という文化 スティックをとるために火を放つ 野焼きによる豊かな恵み 火入れの禁止による木々の変化 籠作りにこめられた知恵 芽吹きの楽園 カリフォルニアのセコイアの森で セコイアの妖精の環 巨木の陰で生きる 火で作られたセコイアの森 木が芽吹かないとき 人の手が産んだ800歳のダグラスファー サーミ人のマツ 針葉樹を生活の糧に 木の実の収穫 野焼きで楽をする 流れ橋 日本の里山再生 遠野の川にかかる流れ橋 狛ネズミの神社 田んぼと里山 里山の危機 名作「平成狸合戦ぽんぽこ」と「となりのトトロ」 桜ヶ丘公園、ボランティアの活躍 トトロのふるさと基金 能登半島の炭焼き──「ハハソ」の再利用 森の中へ 岩手県の3つの試み──植樹林に里山の手法を生かす 木材の地産地消 森の手入れに一般の人をまきこむ 早池峰の神楽 きみといつまでも 個体とはいったい何だろう ボランティアたち 木々は巧みに芽吹き、巧みに生きる ごみの上にできた森 どんな手を使っても──最終処分場に生えた木々 ホワイトのヤナギの言うことには 新たな命の生まれるところ 訳者あとがき 引用文献 索引 - 著者プロフィール - ウィリアム・ブライアント・ローガン (ウィリアムブライアントローガン) (著/文) ニューヨーク植物園で教鞭をとる。 これまで30 年間、木を相手に働いてきた。認定育樹家で、ニューヨーク市を拠点とする樹木管理の会社の創設者兼社長。 ガーデンライターズアソシエーションから数々の賞を受賞しており、「House Beautiful」「House and Garden」「Garden Design」などの雑誌の寄稿編集者、「ニューヨークタイムズ」のレギュラーのガーデンライターでもある。 国際樹芸学会International Society of Arboriculture(ISA)のニューヨーク州支部から2012 年のSenior Scholar 賞を、国際ISA からTrue Professional of Arboriculture 賞を受賞。本書で、最も優れたネイチャーライティングの著作に贈られるジョン・バロウズ賞を受賞。 著書に、『Oak』(『ドングリと文明』日経BP 社)、『Air』『Dirt』などがある。 屋代通子 (ヤシロミチコ) (翻訳) 兵庫県西宮市生まれ。札幌市在住。出版社勤務を経て翻訳業。 主な訳書に『シャーマンの弟子になった民族植物学者の話 上・下』『虫と文明』『馬の自然誌』『外来種のウソ・ホントを科学する』『木々は歌う』(以上、築地書館)、『ナチュラル・ナビゲーション』『日常を探検に変える』(以上、紀伊國屋書店)、『数の発明』『ピダハン』『マリア・シビラ・メーリアン』(以上、みすず書房)など。
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ウォード博士の驚異の「動物行動学入門」 動物のひみつ 争い・裏切り・協力・繁栄の謎を追う | アシュリー・ウォード, 夏目 大(翻訳)
¥2,200
ダイヤモンド社 2024年 ソフトカバー 736ページ 四六判 - 内容紹介 - 生き物たちは、驚くほど人間に似ている。 ネズミは冷たい雨に濡れた仲間を助けるためにわざわざ出かけるし、アリは女王のためには自爆だっていとわない。カケスは雛を育てるために集団で保育園を運営しているし、ゾウは亡くなった家族のために葬儀を行う。 あまりよくない面でいえば、バッタは何百万匹の集団になり危機的な飢餓状況になると飢えた群れが仲間に襲いかかるし、動物園の器具を壊したゴリラは怒られるのが嫌で犯人は同居している猫だと(手話で)指し示す・・・といったように、どこか私たちの姿をみているようだ。 過酷な自然界において野生動物たちは生き残りをかけて日夜闘いを繰り広げている。しかし、それだけではない。野生動物たちは仲間と助け合って種をつないできた。 本書は、シドニー大学の「動物行動学」の教授であり、アフリカから南極まで世界中を旅する著者が、好奇心旺盛な視点とユーモアで、動物たちのさまざまな生態とその背景にある「社会性」に迫りながら、彼らの知られざる行動の数々、自然の偉大な驚異の数々を紹介する。 人間もまた社会性動物であり、生き物たちは、驚くほど私たちに似ている。 動物への古い固定観念を取り払い、ダーウィンの進化論を陳腐化し、「弱肉強食の自然界」という固定観念を打ち破る! 読むと、あなたの「世界観」が変わる、最高に知的刺激のある書。 - 目次 - プロローグ 1章:サバクトビバッタと共喰い 2章:シロアリはコロニーを守るために自爆する 3章:スズメウオが決断するとき 4章:渡り鳥は「群衆の叡智」で空を飛ぶ 5章:ネズミ、都市の嫌われ者が私たちに生き方を教えてくれる 6章:家族の死を悼むゾウ 7章:ライオン、オオカミ、ハイエナが生き延びるための策 8章:クジラ、イルカ、シャチ、最も謎めいた動物 9章:類人猿の戦争と平和 エピローグ 謝辞 訳者あとがき - 著者プロフィール - アシュリー・ウォード (アシュリーウォード) (著/文) 英国ヨークシャー出身。シドニー大学の動物行動学の教授。ナンキョクオキアミから人類を含む哺乳類まで、動物行動の研究を積み重ねてきた。科学雑誌に100以上の論文を発表し、多くの学術書に引用されている。子供の頃から動物に夢中なり、で、川で釣りをしたり、丸太の下を覗いたりしていました。渓流で化石を探したり、丸太の下を覗いたりして過ごす。本書の元にもなったオーディブルオリジナル『THE SOCIAL LIVES OF ANIMALS』は、英国での宣伝が全くなかったにもかかわらず、2週間にわたってAudibleのチャートでトップを記録している。 夏目大 【訳】 (なつめ・だい)。1966年、大阪府生まれ。同志社大学文学部卒業。翻訳家。訳書にゴドフリー・スミス『タコの心身問題』(みすず書房)、ジューディア・パール『因果推論の科学』(文藝春秋)など多数。
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はてしなき現代住居 1989年以後 | 布野 修司
¥3,300
フォルムアート社 2024年 ソフトカバー 256ページ A5判 352ページ - 内容紹介 - 私たちはどこに棲むのか? 「失われた30年」の日本でさまざまに取り組まれてきた住まいをめぐる試行──この間の住宅を、建築家の作品という表現の問題、家族のかたちや生産技術、災害など社会や環境との関係の両面から捉える決定版。混迷の時代の住宅像から、これからの住まいのあり方を考える。 戦後の住宅供給や居住環境の向上、建築家による生の表現としての家といった住宅を取り巻く課題が一段落した後の「平成」の30年間は、「住宅とはそもそも何か」という自問自答に対し批評性のある回答がさまざまに生み出されたいっぽうで、バブル崩壊に始まり震災をはじめとする天災、伝統的家族像の崩壊、着工数の減少、空き家の増加など、住宅をめぐる困難につぎつぎと直面し、またリノベーションやシェアが市民権を得るなどの変化もあった。本書では住宅をめぐる30年の苦闘の末に、新たな住まいの思想を見出すことを試みる。誰しもの生活に不可欠な「住む」という営みについて、多角的に考えるヒントに満ちた一冊。 1989–2019年の住居50選をカラー掲載するほか、注目の建築家、研究者による論考を多数収録。 - 目次 - はじめに はてしなき現代住居 布野修司 Ⅰ 総論 失われた終の棲家──私たちはどこに棲むのか? 布野修司 Ⅱ 1989–2019の住居50選 熊本県営保田窪第一団地(山本理顕)/ネクサスワールド(磯崎新監修、レム・コールハース+スティーブン・ホール+石山修武+マーク・マック+クリスチャン・ド・ポルザンパルク+オスカー・トゥスケ)/コモンシティ星田(坂本一成)/相模原の住宅(野沢正光)/NEXT21(大阪ガスNEXT21建設委員会)/H(青木淳)/箱の家(難波和彦+界工作舎)/沢田マンション(沢田嘉農)/紙のログハウス(坂茂)/住まいとしてのネットカフェ/「ゼンカイ」ハウス(宮本佳明)/ニラハウス(藤森照信)/大田のハウス(西沢大良)/岐阜県営住宅ハイタウン北方(磯崎新監修、高橋晶子+クリスティン・ホーリー+エリザベス・ディラー+妹島和世)/屋根の家(手塚建築研究所)/アパートメント鶉(泉幸甫)/梅林の家(妹島和世)/東雲キャナルコートCODAN(山本理顕ほか)/森山邸(西沢立衛)/ヨコハマホステルヴィレッジ(岡部友彦)/三鷹天命反転住宅 イン メモリー オブ ヘレン・ケラー(荒川修作+マドリン・ギンズ)/ハウス&アトリエ・ワン(アトリエ・ワン)/T house(藤本壮介)/蟻鱒鳶ル(岡啓輔)/2004(中山英之)/IRONHOUSE(椎名英三+梅沢良三)/Sayama Flat(長坂常)/ヨコハマアパートメント(オンデザイン)/HandiHouse projectとつくる家(HandiHouse project)/陸前高田市小友町獺沢第2仮設団地(住田住宅産業+菅原大輔+原田勝之)/みんなの家(伊東豊雄ほか)/経堂の住宅(長谷川豪)/渥美の床(403architecture [dajiba])/頭町の住宅(魚谷繁礼)/駒沢公園の家(miCo.)/観月橋団地再生計画(オープン・エー)/モクチンレシピ(モクチン企画)/御所西の町家(森田一弥)/LT城西(成瀬・猪熊建築設計事務所)/「スマートパワーステーション」シリーズ(セキスイハイム)/躯体の窓(増田信吾+大坪克亘)/食堂付きアパート(仲俊治)/井上邸(井山武司)/発泡スチロールの家(村上慧)/宙地の間(渡辺菊眞)/ホシノタニ団地(ブルースタジオ)/牛久のおやこ屋根(ツバメアーキテクツ)/Tree-ness House(平田晃久)/庭路地の家(アルファヴィル)/ハートフルタウン三鷹(飯田産業) Ⅲ 現代住居論考 ◇1 集住 Habitation──家族と社会 集まって住むかたち──自治獲得の場として 仲俊治 マイホームの空き家化──マイホーム主義と住宅選択のゆくえ 山本理奈 ストックとリノベーション──住宅のライフサイクル 魚谷繁礼 災害と仮住まい──定住と移住 牧紀男 外国人居住と異文化共生 露木尚文 貧困の住まい 渡邊詞男 映画にみる家族崩壊/成立のかたち 種田元晴 ◇2 テクノロジー Technology──供給と生産 公共住宅の建設・動向・理念の変遷 山岸輝樹 木造住宅の変貌──性能の果てに 権藤智之 エコハウスの登場とその展開──ゼロカーボン時代へ 松元良枝 コーポラティブハウスの展開 織山和久 ファブリケーションの民主化 秋吉浩気 建築家とハウスメーカーの応答関係にみる商品化住宅 山道拓人 ◇3 建築家 Architect──作品と表現 それでも私たちは「作品」を鉤括弧でくくる──伊東豊雄の「みんなの家」から考える 市川紘司 住宅とその周辺について──「接ぎ木」建築へ 橋本健史 動き出す住宅──部分・流転・ネットワーク 辻琢磨 家の「個性」について──これからの表現論ノート 佐藤研吾 年表 日本の住居1989– コモンズのかたち 布野修司 索引 - 著者プロフィール - 布野修司 (フノシュウジ) (著/文 | 編集) 日本建築学会名誉会員。1949年松江(島根県)生まれ。工学博士(東京大学)。建築計画学専攻。東京大学工学部建築学科卒業。東京大学助手、東洋大学助教授、京都大学助教授、滋賀県立大学教授・副学長を経て日本大学特任教授。日本建築学会副会長、『建築雑誌』編集委員長、建築計画委員会委員長など歴任。「インドネシアにおける居住環境の変容とその整備手法に関する研究」で日本建築学会賞(1991年)、『近代世界システムと植民都市』で日本都市計画学会賞論文賞(2006年)、『韓国近代都市景観の形成』『グリッド都市──スペイン植民都市の起源、形成、変容、転生』で日本建築学会著作賞(2015年)。主要著書に、『戦後建築論ノ-ト』『スラムとウサギ小屋』『住宅戦争』『裸の建築家──タウンア-キテクト論序説』『建築少年たちの夢』『進撃の建築家たち──新たな建築家像をめざして』など。
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庭のかたちが生まれるとき 庭園の詩学と庭師の知恵 | 山内 朋樹
¥2,860
フォルムアート社 2023年 ソフトカバー 四六判 - 内容紹介 - 徹底的に庭を見よ! 作庭現場のフィールドワークから、庭の造形を考え、庭師の生態を観察し、庭のなりたちを記述していく、新感覚の庭園論がここに誕生! 庭師であり美学者でもあるというユニークなバックグラウンドを持つ注目の研究者・山内朋樹の待望の初単著。 庭を見るとき、わたしたちはなにを見ているのか? 庭をつくるとき、庭師たちはなにをしているのか? そもそも、庭のかたちはなぜこうなっているのか? 本書は庭師であり美学研究者でもある山内朋樹が、 京都福知山の観音寺を訪ね、その大聖院庭園作庭工事のフィールドワークをもとに、庭のつくられ方を記録した「令和・作庭記」である。 庭について、石組について、植栽について、空間について、流れについて、部分と全体について…… 制作のプロセスを徹底的に観察するとともに、その造形(かたち・構造)の論理を分析し、「制作されるもの」と「制作するもの」の間に起きていることを思考する。ミクロの視点で時間軸を引き伸ばしながら、かたちが生まれるその瞬間を丹念に解読していく、他に類を見ない新しい「制作論」。 本書を読んだ後には、これまで見ていた庭や、木々や、石や、そして景色の見え方が変わって見える! ----------------- 千葉雅也氏(哲学者・作家)推薦! 庭の見方をガラリと変えてくれる画期的な庭園論であり、すごく応用の利く本だと思う。「ひとつ石を置き、もうひとつをどう置くか」というのは、絵画の話でもあるし、音楽でも料理でも、会話術でもビジネス術でもあるからだ。 ----------------- 目次 はじめに――ぼくが庭のフィールドワークに出る理由 第1章 石の求めるところにしたがって〈庭園の詩学①〉 1 ただの石から見られる石へ 2 つくる行為をうながすもの 3 他性の濁流をおさめる 第2章 集団制作の現場から〈庭師の知恵①〉 1 不確かさのなかでともに働く 2 設計図とはなにをしているのか? 第3章 徹底的にかたちを見よ〈庭園の詩学②〉 1 石と石とが結びつくとき 2 意図しないものの蓄積とパターン 3 あってないような庭とありてある庭 第4章 物と者の共同性を縫い上げる〈庭師の知恵②〉 1 バラバラの物をDIYで結びつけよ 2 庭師の知恵と物騒な共存 3 物と踊る技術 第5章 庭をかたちづくるもの〈庭園の詩学③〉 1 造形的達成はどこからやってくる? 2 石をかたづけるときに起こること 3 質的飛躍と作庭の終わり おわりに――フィールドワークは終わらない - 著者プロフィール - 山内朋樹 (ヤマウチトモキ) (著/文) 1978年兵庫県生まれ。京都教育大学教員、庭師。専門は美学。在学中に庭師のアルバイトをはじめ研究の傍ら独立。庭のかたちの論理を物体の配置や作庭プロセスの分析から明らかにするフィールドワークをおこなっている。共著に『ライティングの哲学』(星海社、2021年)、訳書にジル・クレマン『動いている庭』(みすず書房、2015年)。
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宇宙の地政学 | 倉澤 治雄
¥1,012
筑摩書房 2024年 ちくま新書 ソフトカバー 272ページ 新書判 - 内容紹介 - 国策から民間へ、国威発揚からビジネスへ、平和利用から軍民一体へ……と大きくシフトする宇宙開発。覇権を争う米国と中国、そして日本の最新事情をレポート。 宇宙開発の最新事情 ニュースの核心を読む! - 目次 - プロローグ 宇宙を制する者が「未来」を手にする 第一章 月をめぐる熾烈な争奪戦 第二章 米中が火花を散らす宇宙の激戦区 第三章 国家の威信をかけた中国の宇宙開発 第四章 躍動する米国の宇宙ベンチャー「ニュースペース」 第五章 日本の宇宙開発と宇宙安全保障 エピローグ 日本が「未来」を手にするために - 著者プロフィール - 倉澤 治雄 (クラサワ ハルオ) (本文) 1952年、千葉県生まれ。東京大学教養学部基礎科学科卒業。フランス国立ボルドー大学第3課程博士号取得(物理化学専攻)。80年、日本テレビ入社。社会部、外報部、政治部、経済部、北京支局長、解説主幹などを歴任。2012年、科学技術振興機構中国綜合研究センター副センター長をへて、独立。現在は科学ジャーナリスト、日本記者クラブ会員、日本科学技術ジャーナリスト会議会員。立教大学、上智大学、獨協大学など非常勤講師。著書には、『原子力船「むつ」――虚構の航跡』(現代書館)、『原発爆発』(高文研)、『原発ゴミはどこへ行く』(リベルタ出版)、『中国、科学技術覇権への野望』(中公新書ラクレ)、『新型コロナワクチン 不都合な真実』(高文研)などがある。
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ハーブレッスンブック | 石丸沙織, 長田佳子
¥1,980
アノニマ・スタジオ 2024年 ソフトカバー 144ページ A5判 縦210mm 横148mm 厚さ11mm - 内容紹介 - メディカルハーバリストの石丸沙織さんと菓子研究家・長田佳子さんは2018年より「herb lesson」を開催してきました。ハーブのテイスティングとそのシェアリングに時間をかけ、教科書的なハーブの知識だけではなく、それらが使う人の心身にどのように響くかを大切にしています。 ハーブティー、ブレンドの考え方、ハーブバス、チンキなどのレメディ、ハーブの風味を味わうお菓子を暮らしに取り入れてみましょう。自分の感覚を大事にする、こころとからだを癒すセルフケアの方法やアイデアをご紹介します。 ハーブとの出逢いを通して、あたらしい自分に出逢える一冊です。 目次 8 はじめに Lesson 1 ハーブと出会う 19 ハーブとは何でしょう? 20 「ハーブと暮らすこと」の意味 21 英国で学んだハーブ療法 22. 英国のハーバリストたち 23 キッチンアポセカリーの役割 24 私のキッチンアポセカリー 26 ハーブを育てるのに大切なこと 28 ハーブの収穫・乾燥・保管の方法 29 種の交換、種の図書館 30 ハーブとの出会い方テイスティングをしてみましょう 34 テイスティングをしてみましょう 36 テイスティングのチェックポイント 38 ある日のテイスティング 40 テイスティングのワークシート Lesson 2 ハーブを愉しむ 44 ハーブティーで味わう 46 ブレンドティーの考え方、作り方 48 48 ハーブバスで活用する 50 50 チンキを作る 54 はちみつを加えたアレンジ 56 はちみつで作るハーブハニーを作る 60 植物油で作る浸出油とリニメント 62 芳香蒸留水を作る 64 暮らしの中でハーブを使う Lesson 3 暮らしの中のハーブレメディ 68 オーツとネトルのビネガーチンキ 70 エルダーフラワーの化粧水 71 ラベンダーのアロエジェル 72 ローゼルのオキシメル 74 ゴールデンミルク 76 ローズマリーとスパイスのリニメント 77 カレンデュラのバーム 78 夏のフットバス 80 カモミールのフットバス 82 セージとタイムのビネガーチンキ 83 カレンデュラとクローブのハーブハニー 84 私のための薬用酒 Lesson 4 ハーブのお菓子 88 ハーブを使ったお菓子作り 90 桃とカモミールのマフィン 92 マグワートとマカダミアナッツのクッキー 94 ズッキーニとフェンネルのブレッド 96 ローズマリーのケーキ 98 バジルとミントのスコーン 100 タイムのパイ、アップルスパイスチャツネ 102 桃のコンポートローズソーダ 103 セージのカスタード 104 エルダーフラワーのチーズケーキ 106 レモングラスとレモンバーベナのババロア 108 パッションフルーツとジンジャーのブリュレ 110 ラベンダーとブラックぺパーのキャラメルムース 112 プラムとローズマリーのアイスクリーム 113 ステビアのレモンゼリー 114 ローゼルのロシアンクッキー Appendix ハーブの手引き 119 ハーブの個性を知る 120 ハーブを手にする前に 122 早春から初夏(春分/3~5月)に使いたいハーブ ローズマリー/セージ/レモンバーム/ローズ/ラベンダー/カルダモン/ネトル/ダンディライオン/マグワート 125 初夏から盛夏 (夏至/6-8月)に使いたいハーブ ミント/ローゼル/ローズヒップ/ターメリック/ブラックペパー/レモングラス/レモンバーベナ 129 晩夏から晩秋(秋分/9-11月)に使いたいハーブ エルダーフラワー&ベリー/リンデン/リコリス/オーツ/クローブ/シナモン/ステビア 133 初冬から晩冬(冬至/12-2月)に使いたいハーブ カモミール/フェンネル/オレンジピール/ジンジャー/タイム/マスタード/カレンデュラ 139 索引 140 ハーブを扱うお店、参考文献 141 プロフィール 142 おわりに - 著者プロフィール - 石丸沙織 (イシマルサオリ) (著/文) 英国メディカルハーバリストMNIMH、アロマセラピストITEC、薬剤師。 薬学部在学中から薬用植物研究に取り組む。その後英国へ留学、ハーブ医学学士コース、ハーブ調剤薬局での勤務、修道院でのボランティア活動や西アフリカでのフィールドトリップなどを通してハーバリストとしての経験を深める。 2011年より奄美大島在住。コミュニティーハーバリストとして「herbs’haven」を主宰、身近なハーブを活用したハーバルヘルスケアを提案している。訳書に『フィンランド発 ヘンリエッタの実践ハーブ療法』(フレグランスジャーナル社)。 www.herbshaven.com 長田佳子 (オサダカコ) (著/文) 菓子研究家。老舗フランス料理店のパティシエ、オーガニックレストランでの経験などのあと、2015年に独立し、「foodremedies」(フードレメディ)の名義で活動をスタート。レメディとは、“癒し”や“治療する”を意味する。2021年春から山梨県に移住し、ワインの貯蔵庫だった倉庫をDIY改装したラボ「SALT and CAKE」を活動の拠点とし、ハーブレッスンやイベントを開催している。 著書に『季節を味わう癒しのお菓子』『はじめてのやさしいお菓子』(ともに扶桑社)などがある。 www.foodremedies.jp
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日本の不思議な名建築111 | 加藤 純, 傍島 利浩(写真)
¥1,980
エクスナレッジ 2024年 ソフトカバー 176ページ B5変型判 - 内容紹介 - 24の不思議な建物を新たに追加し、 『日本の不思議な建物101』がさらにパワーアップ! 「この建物はどうしてこんな形をしているのか」 「建築的にどんな意味が込められているのか」 「建物の見どころはどこか」 不思議で美しい写真とともに紹介します。
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海のへんな生きもの事典 ありえないほねなし | ひとでちゃん(著/文 | イラスト), ワタナベ ケンイチ(イラスト)
¥1,760
山と溪谷社 2024年 ソフトカバー 160ページ 四六判 縦188mm 横128mm 厚さ14mm - 内容紹介 - ヘンなことってすばらしい! 宇宙人よりも宇宙人な、ほねなしたちの”ありえない”生きざま ”口と肛門が同じ” ”頭から足が生えている” ”体のほとんどが生殖器” ”腕一本から体全体が再生” まさに、ありえない!のオンパレード! 宇宙人より宇宙人な生きもの。それが地球にいる「ほねなし(無脊椎動物)」です。 へんちくりんで姿形も生き方もユニークな海のほねなしたちの魅力を、イラストをまじえてたっぷりとご紹介します。動物界、全34動物門の解説&イラストつき! - 目次 - ■内容 イントロダクション ほとんどの動物はほねなし Part1 ありえない姿形 体がスポンジやガラス/全身ペラッペラ/体の9割以上は「水」/口と肛門が同じ/頭から足が生えている/やわらかいけど筋肉ムキムキ/胴体と脚の太さが同じ/体はほとんど生殖器etc. Part2 ありえない行動 海水を飲むだけでお腹いっぱい/お仕事は日向ぼっこ/食べた生きものの装備を自分のものに/生きづらいときは生体機能を停止/胃を外に出して食事する/ヤバくなったら内臓を捨てて逃げるetc. Part3 ありえない性 生まれてくる子どもが2種類/オス役をめぐるペニスフェンシング/メスの大きさはオスの20倍/あるとき、自分が二つに分裂/6歳になったらみんな女の子に/腕一本から再生できるetc. Part4 ほねなし図鑑 すべてはたった一つの共通祖先から 動物界の系統樹 全34の動物門紹介(イラストつき) エピローグ - 著者プロフィール - ひとでちゃん (ヒトデチャン) (著/文 | イラスト) 1988年 栃木県生まれ。 つくば市を拠点とする自然科学教育普及団体『地球レーベル』代表。 ヒトデ研究者。新潟大学理学部物学科卒業後、ヒトデの研究をすべく東京大学大学院理学系研究科へ進学。 修士課程を卒業し、公益財団法産無脊椎動物研究所に。 退社後、海の生き物の魅力を伝えるための活動を開始。 イベント講師や情報発信、イラストの制作など精力的に行う。 ワタナベ ケンイチ (ワタナベ ケンイチ) (イラスト) 1976年2月18日生まれ。イラストレーター。右利き。 1996年より立花文穂を師事。1999年西瓜糖にて初個展。 2000年HBファイルコンペ藤枝リュウジ大賞受賞。 雑誌、広告、演劇ポスター等のイラストや、絵本、書籍などの装画・挿画を手掛ける。 主な書籍に『暇と退屈の倫理学』國分功一郎/著(太田出版)、『ギケイキ1・2・3』町田康/著(河出書房新社)、『まいにちをよくする500の言葉』松浦弥太郎/著(PHP研究所)など多数。
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鳥が人類を変えた ――世界の歴史をつくった10種類 | スティーヴン・モス, 宇丹 貴代実(翻訳)
¥3,190
河出書房新社 2024年 ハードカバー 340ページ 四六変型判 縦192mm 横132mm 厚さ24mm - 内容紹介 - 神話に最初に登場する鳥、世界一高価な鳥、大戦の流れを変えた鳥、科学の常識を覆した鳥……。身近な種から絶滅した種まで、世界の見方がまったく変わる鳥たちの物語。 創造神話で活躍し、 大戦の流れを決め、 科学の常識を覆す――。 身近な種から、もう会えない種まで、 彼らがいなければ世界は まったく違うものになっていた。 ●本文より 「わたしが選んだ一〇の鳥はどれも、人類の根元的な要素――神話、情報伝達、食べ物と家庭、絶滅、進化、農業、環境保全、政治活動、権力のおごり、気候非常事態――とかかわりを持つ。これらの要素はすべて、わたしたち人間と鳥との、絶えず変化しながら連綿と続く密接な関係と絡みあっているのだ」 ●原題 TEN BIRDS THAT CHANGED THE WORLD(2023年刊) 【目次】 序 第1章 ワタリガラス 神話に登場する最初の鳥 種としての途方もない繁栄 オーディンの神話 世界創造の象徴でありトリックスター 深遠なる知性 文学とワタリガラスの声 千変万化で複雑な性質 迫害からの復活 ロンドン塔の守護者 第2章 ハト 一万年前からの家畜化 なぜ家畜となったのか 大プリニウスからピカソまで 戦時中の伝令として シェール・アミの物語 第二次大戦の流れを変える ハヤブサ駆除部隊 二一世紀もハトは現役 列車に乗るハト 都市の対ハト全面戦争 青い背景に白い鳥 第3章 シチメンチョウ 北アメリカでの繁栄 先住民との歴史 ヨーロッパへの到来 なぜ“ターキー”と呼ばれるのか 愚かで攻撃的? シチメンチョウは食べるな 野生のシチメンチョウを救え 第4章 ドードー ドードーはわずかな事実しか知られていない いつ姿を消したか、その後何が起こったか ドードーは二度失われた 絶滅のイコン 絶滅の最速記録 危機への反撃 同じ道をたどらずにすんだ鳥たち 今日のドードー 絶滅から何も学んでいない 第5章 ダーウィンフィンチ類 流動的で変化しやすい種 フィンチ神話の起源 ダーウィンの理論を証明する実例 偽りの物語 目の前で生じた進化 進化の実例はフィンチだけではない 分類体系をひっくり返す 欧米の先入観を葬り去る フィンチたちの運命 第6章 グアナイウ 世界一高価な鳥 鳥の糞が生んだ富 グアノと先住民 完璧な解決策 グアノ景気の終わり 中国人労働者の悲惨な境遇 海鳥が直面する脅威 農業の劇的な変化 ほんとうの遺産 第7章 ユキコサギ プルーム狩り マリー・アントワネットとダチョウの羽根 あるハンターの改心 女性グループによる戦い 流行の変化 婦人参政権運動とプルーム貿易反対運動 保護運動の世紀 殉死のあとで 環境保全の成功物語 第8章 ハクトウワシ 北アメリカ最大の猛禽 アメリカの象徴 古代帝国の象徴 神聖ローマ帝国の象徴 第三帝国の象徴 右向きのワシ ワシとドナルド・トランプ 第9章 スズメ スズメ撲滅運動の証人 北京のスズメ虐殺 反対の声をあげた科学者たち 史上最大の人災 傲慢さと無知がもたらした戦い オーストラリアの砂漠での戦い “エミュー大戦争”の敗北 世界全体でスズメが減少している 飢饉は自然災害ではない 自然を征服できるという毛沢東の妄想 同じ悲劇がすでに起きている 第10章 コウテイペンギン 厳冬期の南極で子育てをする 気候変動による“準絶滅” 世界最悪の旅 渡り鳥も気候変動の犠牲者に 留まるべきか、去るべきか 気候危機の影響をうける鳥はほかにもいる 土地利用の変化 よい報せと悪い報せ 謝辞 訳者あとがき 注釈 索引
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作家とけもの | 野村 麻里
¥2,200
平凡社 2024年 240ページ 四六判 - 内容紹介 - 人と動物の間で重ねられてきた愛憎相半ばする魂の交歓や、剥き出しの命との対決を、作家の視線から物語った随想アンソロジー。
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具体的な建築 観察から得る設計の手がかり | 伊藤 暁
¥2,970
学芸出版社 2023年 ソフトカバー 208ページ 四六判 - 内容紹介 - ーーーーーーーー 「建築はもちろん、本づくり、デザイン、料理、DIYなど、何かをつくるすべての人に役立つ工夫が詰め込まれています。」 内沼晋太郎(ブック・コーディネーター)推薦! 内沼晋太郎「本チャンネル」にて紹介! 「工夫せよ!と風景はいう――『具体的な建築 観察から得る設計の手がかり』(学芸出版社)著者・伊藤 暁さん、編集者・中井きいこさん インタビュー」 ・Youtube https://www.youtube.com/watch?v=TC-El7Cnq0Y ・Spotify https://open.spotify.com/episode/61pRKhLI7K99xUpaP2eoth ーーーーーーーー 建材としての植物、地形と既製品ブロックの折り合い、カウンター足元に設置されたビールケース、風に耐えるための小屋のかたち。そこら辺にある小屋・蔵・構築物などを観察すると、そこにはつくるためのヒントが溢れていた。素材、機能、地形、技術、気候風土という5つを切り口に、観察を通して具体的に建築を考える - 目次 - I 素材 【その場で手に入るものを使う】 タイヤ垣 材の長さ 重すぎると動かせない 植物も建材 部材から素材へ 鉄のつっかえ棒 石積みと単管 コラム|「絡まり」を見る 設計事例|WEEK神山 【材の特性に従う】 左官と面材 固いものと柔らかいもの 素材の強度と腐食 【材の特性を活かす】 石の集水口 粒度で使い分ける 竹のバリエーション コラム|繰り返して上達する Ⅱ 機能 【付け足して補う】 車と橋の幅 既成部材の組み合わせ 足元を守る 地形に寄り掛かる階段 ビールケースでも十分 車輪への対応 設計事例|ほんの庵 【形態に直結する】 可変の度合いを調整する コラム|設営・撤収・運搬 ボールを遮るかたち 屋根だけの雨水対策 熱で空気を動かす 人の面と雨の面 設計事例|軽井沢の住宅 生き物が過ごす小屋 干物を作る小屋 設計事例|筑西の住宅 Ⅲ 地形 【地形に沿わせる】 下屋で調整する 傾斜に応答するかたち 設計事例|菊名の住宅 造成の労力 コラム|人力・重機・形態 【平場を作る】 懸造り 余白の使われ方 キメラ 柱と擁壁 【衝突を形態化する】 斜面と平面 機能と地形の拮抗 設計事例|横浜の住宅 地形と既製品 既製品の調整代 地形の論理と建物の論理 設計事例|WEEK神山 Ⅳ 技術 【縛る】 素人でも使える接合技術 仕口加工不要 【積む】 石垣 石と芝生 おとめ石 組積と横架材 【張る】 吊るための選択 遮るもの 設計事例|横浜の住宅 【塗る】 塗装の抽象と具体 【敷く】 材と施工の精度 設計事例|久我山の住宅 【留める】 固定の原理 設計事例|ほんの庵 Ⅴ 気候風土 【外的要因への応答】 地面に近づく 雪を割る 雪を遠ざける 風に耐える 配置と屋根勾配 バッファーを設ける 設計事例|筑西の住宅 組立・撤去・保管 風をいなす 【内部環境を調整する】 外的要因を選ぶ 越冬する小屋 設計事例|鹿嶋の住宅 - 著者プロフィール - 伊藤 暁 (イトウ サトル) (著/文) 建築家。東洋大学理工学部建築学科准教授。1976年東京都生まれ。横浜国立大学大学院修了後、aat+ヨコミゾマコト建築設計事務所に勤務。2007年に伊藤暁建築設計事務所を設立し、2017年~東洋大学で教鞭をとる。2010年より継続していた徳島県神山町での取り組みを、2016年ベネチアビエンナーレ国際建築展日本館展示に出展し、特別表彰を受賞。主な作品に「えんがわオフィス」「WEEK神山」「横浜の住宅」「筑西の住宅」など。主な著書に『共感・時間・建築』(2019,TOTO出版)、『en: Art of nexus』(2016,TOTO出版)、『3.11以後の建築:社会と建築家の新しい関係』(2014,学芸出版社)など。
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建築思想図鑑 | 松田 達, 横手 義洋, 林 要次, 川勝 真一, 寺田 晶子(イラスト)
¥2,750
学芸出版社 2023年 ソフトカバー 256ページ A5判 - 内容紹介 - 建築思想を理解すれば、つくる建築、語る言葉の説得力が増す。いま知っておくべき建築思想63項目の基本を、本質を押さえたイラストと、気鋭の執筆陣による解説で理解できる入門書。難しそうな言葉でも、まずはイラストを眺めて一歩を踏み出し、建築の奥深さに触れてみよう!時代の流れや項目同士の結びつきも見えてくる。 - 目次 - はじめに(松田達) 建築思想マップ(林要次) 建築思想関連年表(松田達) 第1章 近代以前(~1851) 01 調和比例論(横手義洋) 02 建築のオーダー(横手義洋) 03 ルネサンスの理想都市(松田達) 04 匠明(小岩正樹) 05 バロック都市計画(横手義洋) 06 ピクチャレスク(横手義洋) 07 原始の小屋(横手義洋) 08 類型論(戸田穣) 09 建築様式(横手義洋) 10 空想的社会主義(林要次) 11 ラスキンの建築保存論(頴原澄子) <コラム>旅に出よう(1) イタリア:ローマにて建築2000年の伝統を味わう 第2章 近代1(1851~1914) 12 折衷主義(横手義洋) 13 構造合理主義(林要次) 14 美術建築(林要次) 15 アーツ・アンド・クラフツ運動(林要次) 16 市区改正(松田達) 17 形態は機能に従う(林要次) 18 建築進化論(倉方俊輔) 19 装飾と犯罪(本橋仁) 20 我国将来の建築様式を如何にすべきや(林要次) 21 田園都市(松田達) 22 未来派(横手義洋) 23 法隆寺再建非再建論争(野村俊一) <コラム>旅に出よう(2) ヨーロッパ:ビルディングタイプを辿る旅 ─劇場を例に 第3章 近代2(1914~1945) 24 建築非芸術論(林要次) 25 ロシア・アヴァンギャルド(本田晃子) 26 分離派建築会(天内大樹) 27 ノイエ・ザッハリヒカイト(川勝真一) 28 イタリア合理主義(鹿野正樹) 29 考現学(川勝真一) 30 近代建築の5原則(林要次) 31 有機的建築(松田達) 32 アテネ憲章(川勝真一) 33 ほんもの/いかもの(種田元晴) 34 インターナショナル・スタイル(岩元真明) 35 複製技術時代の芸術作品(砂山太一) 36 レス・イズ・モア(松田達) <コラム>旅に出よう(3) アメリカ:シカゴの近代建築食い倒れ旅(川勝真一) 第4章 現代1(1945~1970) 37 モデュロール(林要次) 38 縄文と弥生(豊川斎赫) 39 実の透明性/虚の透明性(服部真吏) 40 シチュアシオニスト・インターナショナル(南後由和) 41 メタボリズム(豊川斎赫) 42 都市のイメージ(吉村有司) 43 プラグイン・シティ(木内俊彦) 44 住宅は芸術である(セン・クアン) 45 見えない都市(松田達) 46 群造形(豊川斎赫) 47 すべては建築である(川勝真一) 48 か・かた・かたち(浜田晶則) 49 類推的都市(片桐悠自) 50 ラーニング・フロム・ラスヴェガス(高砂充希子) <コラム>旅に出よう(4) フランス:ル・コルビュジエの世界を旅しよう(松田達) 第5章 現代2(1970~) 51 アドホック(川勝真一) 52 神殿か獄舎か(豊川斎赫) 53 ポスト・モダニズム(松田達) 54 脱構築主義の建築(入江徹) 55 様相論(松田達) 56 消費の海に浸らずして新しい建築はない(山本至) 57 ビッグネス(稲垣拓) 58 テクトニック(高橋堅) 59 メイド・イン・トーキョー(吉村英孝) 60 動線体/決定ルール、あるいはそのオーバードライブ(西澤徹夫) 61 負ける建築(中村航) 62 アルゴリズム(松田達) 63 デジタルファブリケーション(クマタイチ) <コラム>旅に出よう(5) 日本:建築旅行オススメ都道府県私的ベスト10(松田達) 建築書の影響力(横手義洋) 建築思想を拓いた世界の建築家32(川勝真一) 建築思想を拓いた日本の建築家32(川勝真一) 参考文献 索引 - 著者プロフィール - 松田 達 (マツダ タツ) (著/文 | 編集) 1975年石川県生まれ。建築家、静岡文化芸術大学デザイン学部准教授。専門:建築学、都市学。1999年東京大学大学院工学系研究科建築学専攻修了。隈研吾建築都市設計事務所を経て、パリ第12大学パリ都市計画研究所にてDEA課程修了。東京大学先端科学技術研究センター助教等を経て、現職。著書に『記号の海に浮かぶ〈しま〉(磯崎新建築論集 第2巻)』(岩波書店、2013年)、『ようこそ建築学科へ! 建築的・学生生活のススメ』(学芸出版社、2014年)(いずれも共著)ほか。作品に《JAISTギャラリー》ほか。 横手 義洋 (ヨコテ ヨシヒロ) (著/文 | 編集) 1970年鹿児島県生まれ。建築史家、東京電機大学未来科学部建築学科教授。専門:西洋建築史、近代建築史。2001年東京大学大学院工学系研究科博士課程修了。東京大学助教、イェール大学研究員を経て現職。著書に『イタリア建築の中世主義』(単著、中央公論美術出版、建築史学会賞受賞)、『近代建築史』(共著、市ヶ谷出版)、『日本建築思想史』(共著、太田出版)など。 林 要次 (ハヤシ ヨウジ) (著/文 | 編集) 1975年神奈川県生まれ。建築家・建築学者、芝浦工業大学特任研究員、センブンノイチ株式会社共同代表。専門:設計意匠、建築理論、建築教育。芝浦工業大学卒業。横浜国立大学大学院修了。パリ第8大学D.E.A.(建築・都市設計)課程修了後、日仏で建築・都市設計修行。近代日本のフランス建築理論と教育手法の受容の研究で博士(工学)取得。訳書にル・コルビュジエ著『パリの運命』(彰国社、共訳者:松本晴子)。 川勝 真一 (カワカツ シンイチ) (著/文 | 編集) 1983年兵庫県生まれ。建築リサーチャー、キュレーター。2008年京都工芸繊維大学大学院建築設計学専攻修了。2008年に建築的領域の可能性をリサーチするプロジェクトRADを設立。以後、建築展覧会キュレーション、市民参加型ワークショップの企画・運営、都市やまちづくりのためのリサーチなどの実践を通じ、建築と社会の関わり方を探っている。 寺田 晶子 (テラダ ショウコ) (イラスト) 早稲田大学大学院理工学研究科建築学専攻修了。広告、書籍、雑誌、壁画制作、企業・店舗のVIなど、イラスト、デザインを手がける。過去に、東急ハンズ(現ハンズ)、UR都市機構、鹿島建設、JR東日本、京都水族館の広告など。
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キツネを飼いならす 知られざる生物学者と驚くべき家畜化実験の物語 | リー・アラン・ダガトキン, リュドミラ・トルート, 高里ひろ(翻訳)
¥2,640
青土社 2023年 240ページ 四六判 - 内容紹介 - キツネは犬になれるか? シベリアの奥深くに、尾を振り、耳が垂れている、友好的で従順な動物がいる。しかし、外見に反して彼らは犬ではなく、キツネである。これは、何千年もの進化をわずか数十年で再現した史上最も驚くべき繁殖実験の成果だった。本書は科学者たちの驚くべき物語を描くのと同時に、時間を超えて人間と動物を結びつけてきた深い絆を讃える。
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生きものハイウェイ | 佐々木洋, 中村一般(イラスト)
¥1,760
雷鳥社 2023年 ソフトカバー 208ページ 四六判 - 内容紹介 - 地図にはないけど奥深い、縦横無尽に広がる「生き物の通り道」。 生き物ハイウェイとは、生き物の通り道のこと。この本では、私たちの身近な場所に張り巡らされた「生き物ハイウェイ」を、10のフィールドに分けて紹介します。さらに、そこから焦点をより近づけて、電柱・道路標識・プランターの下・中央分離帯・墓石・朽木の中・ドングリ・郵便受け・セーターなど、それぞれのユニークなハイウェイコースを探します。生き物は、昆虫、爬虫類、鳥、魚、哺乳類など、さまざまなタイプが登場。 著者は、30年以上自然観察を続けてきた佐々木洋さん。その経験を活かして、生き物の通り道はもちろん、特徴・出没ポイント・観察時期・名前の由来なども、豊富な知識と雑学を織り交ぜながらユーモアたっぷりに解説。そこに何かが動いているような気配の漂う、中村一般さんのイラストと合わせて、ぜひお楽しみください。 「この世は、私たち人間だけのものではない。無数とも思える人間以外の生き物も暮らしている。そして、それらの多くは、こちらから遠くまで探しに行かなくても、私たちと、時間と空間を共有しているものなのだ。」(─はじめにより) 目次 1章 住宅街【電線はハクビシンにとっての「けもの道」】 2章 幼稚園の園庭【哺乳類の「登園路」で持ち去られる上履き】 3章 ビル街【自動ドアを通過するSF的ツバメの出現】 4章 寺社の境内【不気味な鳴き声で開幕するムササビのショータイム】 5章 河川敷【地中に広がるモグラのネットワーク】 6章 公園の雑木林【手塚治虫も愛した「オサムシ」の捕まえ方」】 7章 公園の水辺【ヨシの茎に扮する野鳥「ミョウガの妖精」】 8章 大きな道路【世界戦略を企てるトンボのワールドツアー】 9章 大きな橋【辛抱強く待てば見られる「ボラ・ジャンプ」】 10章 番外編 【こんなところに道がある!】 おまけ 執筆中に聞いていた音楽 前書きなど 私は、生き物の通り道のことを「生き物ハイウェイ」と呼んでいる。それは、私たちが生活しているすぐそばに、まるで毛細血管のようにして張り巡らされている。ときには私たちが着るセーターや、郵便受けの中にまで道がある。私たちにとって、そこはハイウェイとは呼べないかもしれない。しかし、生き物にとっては立派な「ハイウェイコース」なのだ。 本書では、私たちが毎日のように目にしている場所に、生き物の通り道がたくさん広がっていることを知ってもらったり、その世界を想像してもらったりすることを最大の目的としている。 「ここに生き物の道があるかもしれないな」と、ぜひ外に意識を向けてみてほしい。バスを待つ10分間、駅の改札口で人を待つ20分間、渋滞中に車内で過ごす30分間などが、きっと愉快なひとときに変わるはずだ。スマートフォンから目を離して空を眺めてみるだけでも、たくさんの発見がある。通勤の途中でも、ショッピングのさなかでも、緑地や歩道などで立ち止まり、意識してまわりを眺めてみると、ここにも、あそこにも、生き物の通り道があるものだ。そして、眺めている間にも、きっと昆虫や野鳥などが通るだろう。 わたしは、自然観察ほど多くの人々が一生続けられる楽しみは、そう多くないと思っている。たとえ仕事に忙殺されていても、歳をとって足腰が弱くなっても、場合によっては病院に入院しても、基本的にはできることなのだ。 「生き物ハイウェイ」の存在を感じることをきっかけに、そして人生の楽しみのひとつに、ぜひ日々の自然観察を加えていただけたら嬉しい。この世は、まさに、ワンダーランドなのだ。 版元から一言 30年以上自然観察者として解説を続け、NHKの『ダーウィンが来た!』や「大河ドラマ生物考証者」としても活躍中の著者が、私たちの身近な場所に張り巡らされた「生き物の通り道」を10のフィールドに分けて紹介します。普段見慣れている景色の中に、生き物の道がたくさんあることを知ると、驚くと同時に外へ向ける意識が変わります。人間にとっては汚い場所の「ゴミ置き場」も、例えばネズミやカラスにとっては大事な道。神社にある「手水舎」や「大木」も、小さな虫やムササビなどの通り道になっているのです。オフィスの窓や壁にだって、道があります。今は、皆スマートフォンを見ながら歩いていることが多い時代。でも、顔をあげて空を眺めてみるだけでも、そこにはたくさんの生きもの達が通っているのです。目線を外に向けて、各場所で一生懸命に生きている生きものたちの世界を知ると、少し優しい気持ちが芽生えるかもしれません。 また、今回イラストは中村一般さん(イラストレーター・漫画家)に、10章分の場所をそれぞれ描いて頂きました。緻密な絵を見ると、思わず生きものの気配を感じます。佐々木さんのユニークな視点とコミカルな文章、そして中村さんの世界観溢れるイラストとともに、「生きものハイウェイ」を是非お楽しみいただければ幸いです。 - 著者プロフィール - 佐々木洋 (ササキヒロシ) (著/文) プロ・ナチュラリスト®️。東京都出身、在住。プロフェッショナルの自然解説者として「自然の大切さやおもしろさを、多くの人々と分かち合い、そのことを通じて自然を守っていきたい」という思いのもと、国内外で自然解説を続けている。30年以上にわたり、40万人以上の人々に、自然解説を行う。著書に『都市動物たちの事件簿』(NTT出版)、『ぼくらは みんな 生きている』(講談社)、『きみのすむまちではっけん! となりの「ミステリー生物」ずかん』(時事通信社)など多数。NHKテレビ『ダーウィンが来た!』など出演。BBC(英国放送協会)動物番組アドバイザー。NHK大河ドラマ生物考証者。 中村一般 (ナカムライッパン) (イラスト) イラストレーター。1995年東京都出身、在住。書籍の装画や漫画の執筆を中心に活動中。イラストレーション青山塾修了。漫画著書に『僕のちっぽけな人生を誰にも渡さないんだ』(シカク出版)、『ゆうれい犬と街散歩』(トゥーヴァージンズ)、作品集に『忘れたくない風景』(玄光社)。現在月刊漫画雑誌「ゲッサン」(小学館)にて『えをかくふたり』連載中。
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温かいテクノロジー|林 要, 根津 孝太(イラスト)
¥2,090
ライツ社 2023年 ちくま学芸文庫 ソフトカバー 416ページ 四六判 縦188mm 横128mm - 内容紹介 - 「ガイアの夜明け」「情熱大陸」特集で大反響! 世界初の家族型ロボット「LOVOT(らぼっと)」の開発者が語る、「chatGPT」だけでは見れない世界。 AIの見え方が変わる!人類のこれからが知れる!22世紀への知的冒険書。 ◯ 体重4.3キログラム、身長43センチメートル ◯ 平熱37℃~39℃ ◯ 生き物みたいな体温のある身体 ◯ 10億とおり以上の瞳と声 ◯ 意思を持った振る舞いと人を覚える頭のよさ ◯ 全身50ヶ所以上のセンサー ◯ 自然な振る舞いを実現する0.2~0.4秒の反応 世界初の家族型ロボット「LOVOT(らぼっと)」 造ったのは、人類とAIの新しい世界線。 この本は、最先端の人工生命体「LOVOT」を題材にして、人間というメカニズムとぼくらの未来を知るための本です。 ロボットを開発することは、人間を知ることでした。 目次 【序章】ぼくらがメーヴェに憧れ、巨神兵を恐れる理由 ---温かいテクノロジーへの気付き 【1章】LOVOTの誕生 --ーたどり着いたのは、生産性至上主義への問いかけ 【2章】愛とはなにか? ---人類をドーパミン漬けにする現代ビジネスへのアンチテーゼ 【3章】感情、あるいは生命とはなにか? ---生身と機械の差は、大した問題ではなくなる 【4章】人生100年時代、ロボットは社会をどう変えるのか? ---心や愛に関する問題こそをロボットが補完する 【5章】シンギュラリティのあと、AIは神になるのか? ---人類とAIの対立は古典になる 【6章】22世紀セワシくんの時代に、ドラえもんはなぜ生まれたのか? ---「だれ1人とりのこさない」ために 【7章】ドラえもんの造り方 ---「chatGPT」だけでは見れない世界 【終章】探索的であれ ---「むかしむかし」の反対「みらいみらい」の話 - 著者プロフィール - 林 要 (ハヤシ カナメ) (著/文) 1973年、愛知県生まれ。 1998年、トヨタ自動車株式会社に入社。スーパーカー「LFA」やF1の空力(エアロダイナミクス)開発に携わったのち、トヨタ自動車製品企画部(Z)にて量産車開発マネジメントを担当。 2011年、孫正義後継者育成プログラム「ソフトバンクアカデミア」 に外部第一期生として参加し、翌年ソフト. バンク株式会社に入社。感情認識パーソナルロボット「Pepper(ペッパー)」プロジェクトに参画。 2015年、GROOVE X株式会社を創業。 2018年、家族型ロボット「LOVOT(らぼっと)」を発表。翌年、出荷を開始。 ラスベガスで開催されている世界最大規模の家電見本市「CES」において、2019年にThe VERGE「BEST ROBOT」、2020年には「イノベーションアワード」を受賞。 2021年、第9回ロボット大賞にて「総務大臣賞」、2022年、第3回IP BASE AWARD「スタートアップ部門 奨励賞」、2023年には第1回WELLBEING AWARDS「モノ・サービス 部門 GOLDインパクト賞」を受賞。
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ソフトシティ 人間の街をつくる|ディビッド・シム, 北原 理雄(翻訳)
¥3,960
鹿島出版会 2023年 ハードカバー 262ページ B5変型判 - 内容紹介 - ヤン・ゲール理論の実践書。 刊行2年で20か国語に翻訳された待望の書、ついに日本で発売。 近年、人にやさしい建築と都市計画を扱った文献が増えているが、『ソフトシティ』はそこに加わった重要な一冊である。実際、建築と都市計画はもっとソフトになる必要がある。――ヤン・ゲール(序文より) ヤン・ゲールの「人間の街」の理念は世界に広がり、各地でプロジェクトが動き出すようになった。デザインから実現の段階に入ったといってよい。それでは、どのようにして「人間の街」を実現すればよいのか? 読者はその答えを本書に見いだすことができるだろう。――「訳者あとがき」より - 目次 - 日本語版への序 序文 ヤン・ゲール はしがき 序論 建物のあいだのアクティビティからソフトシティへ 隣人と暮らす 街区をつくる 都市化社会でローカルに暮らす 生活の時間 街に出る、人と交わる 過密化し分断された世界で 生活の重層化 天候と共生する 気候変動の時代に ソフトは壊れにくい 9つの基準 住みよい都市的密度のために フォトエッセイ ソフトジャパン――日本各地で目にしたソフトな新旧都市現象 訳者あとがき - 著者プロフィール - ディビッド・シム (ディビッド シム) (著/文) 1966年スコットランド生まれ。スウェーデンの都市デザイナー、建築家。 スコットランドの建築学生だった19歳の時、ヤン・ゲールの講義を聴いて感銘を受け、スカンジナビアに渡って建築を学ぶ。ルンド大学(スウェーデン)で教鞭をとった後、2002年からゲール・アーキテクツに参加し、クリエイティブディレクターを務める。その間、世界各地の都市でマスタープラン、都市戦略、都市デザインを手がけ、特にクライストチャーチ(ニュージーランド)の震災復興計画で高い評価を得た。高密度のなかで人間的スケールを維持し、人びとが快適に交流し暮らせるソフトな街づくりを先導。『ソフトシティ』は、出版後2年で約20か国語に翻訳され、住みよく持続可能な都市の指針となっている。現在はスウェーデンにコンサルタント会社を設立し、世界中で精力的に仕事をしている。 北原 理雄 (キタハラ トシオ) (翻訳) 1947年生まれ。東京大学工学部都市工学科卒業。同大学院修了、工学博士。 名古屋大学助手、三重大学助教授、千葉大学大学院教授を経て、同大学名誉教授。 [著書・訳書]『都市設計』『都市の個性と市民生活』『公共空間の活用と賑わいまちづくり』『生活景』(いずれも共著)、G. カレン『都市の景観』、J. ゲール『建物のあいだのアクティビティ』『人間の街』、M. カーモナほか『パブリックスペース』、A. マタン+P. ニューマン『人間の街をめざして――ヤン・ゲールの軌跡』(いずれも鹿島出版会)など。