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悪魔のいる漫画史 | 後藤 護
¥2,750
blueprint 2023年 ソフトカバー 320ページ 四六判 縦188mm 横127mm 厚さ26mm - 内容紹介 - 『ゴシック・カルチャー入門』『黒人音楽史 奇想の宇宙』で注目を集めた気鋭の暗黒批評家・後藤護による三冊目の単著は、ゴシック、マニエリスム、悪魔をテーマに古今の漫画を縦横自在に読み解く漫画評論集。表紙には丸尾末広の描き下ろしイラストを掲載。 楳図かずお『神の左手悪魔の右手』、萩尾望都『ポーの一族』、山岸凉子『アラベスク』、古賀新一『エコエコアザラク』、日野日出志『蔵六の奇病』、丸尾末広『パノラマ島綺譚』、楠本まき『KISSxxxx』、アラン・ムーア『フロム・ヘル』、チャールズ・バーンズ『ブラック・ホール』、水木しげる『日本妖怪大全』、諸星大二郎『壺中天』、高橋葉介『夢幻紳士』、諫山創『進撃の巨人』、三浦建太郎『ベルセルク』、藤本タツキ『チェンソーマン』……著者が敬愛する澁澤龍彥の美学を通して、悪魔的漫画の系譜を紡ぎ出す。 目次 第1章 楳図かずおのゴシック・マンガ ーー「赤んぼう少女」から「まことちゃんハウス」まで 第2章 楳図かずおと恐怖のトートロジー ーー『神の左手悪魔の右手』における鏡・分身・反復 第3章 『ポーの一族』と「ロマンティックな天気」 ーー 疾風怒濤からロココ的蛇状曲線へ 第4章 『アラベスク』に秘められたグロテスクなデーモン ーー山岸凉子のバレエ・ゴシック【前篇】 第5章 乙女と奈落~『舞姫 テレプシコーラ』で『ヴィリ』を読む 山岸凉子のバレエ・ゴシック【後篇】 第6章 怪奇マンガの帝王、古賀新一の魅力再考 ーー澁澤龍彥が『エコエコアザラク』に与えた影響 第7章 日野日出志「蔵六の奇病」と虹色のデカダンス ーーユイスマンス『腐爛の華』から考える「腐れの美学」 第8章 丸尾末広と「独身者機械」 ーー初期エログロナンセンス作品から最高傑作『パノラマ島綺譚』まで 第9章 楠本まき『KISSxxxx』論 前篇 ーーキュアーで踊る、ハッピーゴスの誕生 第10章 楠本まき『KISSxxxx』論 後篇 ーー日常という名の「不思議の輪」 第11章 百科全書派ゴシックとしての『フロム・ヘル』 ーーパノラマ的視点の問題を突く 第12章 チャールズ・バーンズ『ブラック・ホール』とタラッサ的退行 ーーシアトル、グランジとの同時代的共振 第13章 「河童の斬られた片腕」の謎 ーー水木しげる『決定版 日本妖怪大全』 第14章 諸星大二郎の『壺中天』 ーー風格主義的漫画(ManneristicComics)試論 第15章 夢幻のカリガリスムとダンディズム ーー高橋葉介『夢幻紳士』を読む 第16章 水晶の官能、貝殻の記憶 ーー『進撃の巨人』における「小さな」もの 第17章 黒い脳髄、仮面のエロス、手の魔法 ーー三浦建太郎『ベルセルク』を読む 第18章 スプラッター資本主義と糞のカーニヴァル ーー『チェンソーマン』のダークエコロジカルな倫理 - 著者プロフィール - 後藤護 (ゴトウマモル) (著/文) 暗黒批評。『黒人音楽史 奇想の宇宙』(中央公論新社、2022年)で第1回音楽本大賞「個人賞」を受賞(渡邊未帆選)。その他の著書に『ゴシック・カルチャー入門』(Pヴァイン、2019年)。現在、ポリマス(博識)をテーマとする『博覧狂記の怪物誌』(晶文社、2024年刊行予定)、ダグラス・マッカーサーのサングラスの衝撃に始まる『戦後日本黒眼鏡サブカルチャー史』(版元、刊行年未定)の2冊を鋭意準備中。
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サザエさん旅あるき 海外編|長谷川町子美術館
¥2,970
朝日新聞出版 2023年 ハードカバー 180ページ B5判 - 内容紹介 - 1964年の海外渡航自由化から精力的に海外へ旅行をした長谷川町子。その様子を「サザエさん旅あるき」として朝日新聞に連載をした。今回、その旅の様子を撮影した貴重な写真やお土産と共に一冊にまとめる。展覧会の企画に連動したガイドブック。
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孤独まんが|山田 英生
¥880
筑摩書房 2023年 ちくま文庫 ソフトカバー 352ページ 文庫判 - 内容紹介 - ぼっちマンガのアンソロジー。水木しげる、滝田ゆう、つげ義春、かわぐちかいじ、近藤ようこ、いましろたかし、太田基之、斎藤潤一郎らを収録。 落伍、無用、風狂、隠遁…。 ぼっちを生きる まんがアンソロジー 【内容紹介】 収録作―諸星大二郎「地下鉄を降りて……」、いましろたかし「おへんろさん」、近藤ようこ「白粉小町」、ハン角斉「黒い蝶」、永島慎二「仮面」、太田基之「石を買いに来た女」、滝田ゆう「お通夜の客」、ジョージ秋山「パットマンX(抄録)」、篝(★正字)ジュン「日常生活」、うらたじゅん「思い出のおっちゃん」、つげ忠男「夜の?」、かわぐちかいじ「あぶれもん」、安部慎一「久しぶり」、斎藤潤一郎「沼南」、つげ義春「山椒魚」、水木しげる「紙魚」、穂積 「それから」、カシワイ「ひとつの火」(原作・新美南吉) - 目次 - 落伍 地下鉄を降りて…… 諸星大二郎 おへんろさん いましろたかし 白粉小町 近藤ようこ 黒い蝶 ハン角斉 無用 仮面 永島慎二 石を買いに来た女 太田基之 お通夜の客 滝田ゆう きびしい試練「パットマンX」より ジョージ秋山 日常生活 篝ジュン 風狂 思い出のおっちゃん うらたじゅん 夜の? つげ忠男 あぶれもん かわぐちかいじ 久しぶり 安部慎一 隠遁 沼南「武蔵野」より 斎藤潤一郎 山椒魚 つげ義春 紙魚 水木しげる エピローグ それから 穂積 ひとつの火 カシワイ(原作・新美南吉) 編者解説 山田英生 - -著者プロフィール 山田 英生 (ヤマダ ヒデオ) (編集) 1968年生まれ。内外タイムス、アサヒ芸能記者などを経て、現在では、書籍、コミックの企画編集、雑誌記事の取材執筆に携わる。編書に『原水爆漫画コレクション』全4巻などがある。共著書に『「暴力団壊滅」論』(「やくざコミック規制」などを分担執筆)がある。
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秒速5000km | マヌエレ・フィオール, 栗原俊秀(翻訳), ディエゴ・マルティーナ(翻訳)
¥3,300
マガジンハウス 2023年 ハードカバー 160ページ B5変型判 縦240mm 横170mm 厚さ15mm - 内容紹介 - ヨーロッパを代表する漫画家 マヌエレ・フィオールの恋愛漫画ついに初邦訳 イタリアの肌を刺すような日差しの中 二人の少年と一人の少女が恋に落ちる イタリア、ノルウェー、エジプトと場所を変えながら 三者三様の人生が淡く交わる20年を描く恋愛漫画 この傑作グラフィック・ノヴェルを 美麗なフルカラー印刷でお楽しみください 巻末には訳者である栗原俊秀の詳細な解説付き 栗原俊秀「フィオールに魅せられて―文学、美術、建築が綾なす漫画の世界―」
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フキダシ論 マンガの声と身体 | 細馬宏通
¥2,200
青土社 2023年 ハードカバー 288ページ 四六判 - 内容紹介 - こんな読み方があったのか! 平面に一色で、主に単線で描かれるマンガ。時に登場人物の顔は簡略化され、時にコマに発話者が描かれず、時に発されていない言葉までも描かれる……。わたしたちはいかにしてマンガのなかの出来事に注意を向け、物語を読みとっているのか。一コマ一コマ、一つひとつのフキダシ・記号たちをていねいに紐解き、わたしたちがマンガの世界観に入り込めるカラクリに迫る、新しい見方を提示するマンガ論。
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ハンナ・アーレント、三つの逃亡|ケン・クリムスティーン, 百木漠(翻訳)
¥3,960
みすず書房 2023年 ハードカバー 248ページ 菊変型判 - 内容紹介 - ユダヤ人として戦争の世紀に生まれ落ち、 現実に向かって“なぜ?”と問いつづける少女ハンナ。 『全体主義の起原』『活動的生』を著した 不世出の政治哲学者の生涯を 繊細に、大胆に、描ききる名作グラフィックノベル。 〈これから語られるのは、 ハンナ・アーレントという人物の 生涯についての物語である。 別の時代の、失われた世界の、 失われた国に生まれ落ちた亡命哲学者。 その名前を聞いたことがある人も いるかもしれない。 最後に残る(そして最初からある)疑問。 なぜこの人物は、 おそらく20世紀の最も偉大な哲学者は、 哲学を捨てたのだろうか? それにもかかわらず、なぜ彼女の思考は、 人類が前に進むための生きた道筋を 示してくれるのだろうか?〉 目次 若きハンナの悲しみ――東プロイセン 割れ目を踏む スピロヘータ 癒しの錬金術 マールブルクの魔術師 恍惚とした真理 1925 「誓います」 1929 ハンナ、第一の逃亡――ベルリン ロマーニッシェス:1933 黒いハバナの葉巻 いかさま裁判開廷中 1933年2月27日 われわれがこの世界の邪魔をする 私に罪を着せないで(その朝帰りのあとで) 無垢の終わり ごく形式的なものです(正午) お断りします(二日後) 無国籍 ハンナ、第二の逃亡――パリ パリで三方面から真理へ迫る 1933 ハンナのパリ、三枚続きの絵――一枚目:愛する人 1936 ハンナのパリ、三枚続きの絵――二枚目:思考する人 ハンナのパリ、三枚続きの絵――三枚目:行動する人 ゲームは進行中 1939年9月1日 1940年5月5日 冬季自転車競技場、フランステクノロジーの勝利! ギュルスへ 1940年5月23日 1940年6月14日 大混乱の崇高さ 徒歩で 地中海で運が尽きたアテネ 隠れ家を去る 1940年 鍵作戦 午前4時 ポルトボウにて 今がそのときだ 楽園から嵐が吹いてくる ハンナ、第三の逃亡――ニューヨーク 新世界 1941 眉をひそめる 新たなユダヤ的任務完了 この種の真実の語りは 深淵 1943 アーレント主義の起源 ハイデガーの山小屋 マルタの最期と無数の「なぜ」 1951 ヴァルターの染み 1955 メアリー、メアリー:1958 時代の現存在 1958(15分後) リバーサイドのカディッシュ 手すりなき思考――エルサレムとその後 宇宙時代の思想家 市民第1号? 悪魔とタンゴを踊る:ブエノス・アイレス 1961 複数性にむかってうつむきながら歩く:1968 そして、始まりにおいて エピローグ 読書案内 謝辞 訳者あとがき - 著者プロフィール - ケン・クリムスティーン (ケンクリムスティーン) (著/文) (Ken Krimstein) 漫画家。『ニューヨーカー』『ウォール・ストリート・ジャーナル』『ニューヨーク・タイムズ』『シカゴ・トリビューン』などで漫画を発表。デポール大学やシカゴ美術館附属美術大学で講師を務める。これまで、Kvetch as Kvetch can: Jewish Cartoon(Potter Style, 2010)、『ハンナ・アーレント、三つの逃亡 The Three Escapes of Hannah Arendt』(本書。全米ユダヤ図書賞ファイナリスト、Bloomsbury Publishing, 2018)、When I Grow Up: The Lost Autobiographies of Six Yiddish Teenagers(ワシントン・ポストのグラフィッ クノベル部門年間ベスト10ブック、Bloomsbury Publishing, 2021)の三作を出版、いずれもユダヤ人というテーマにとりくみ、高い評価を受けている。イリノイ州エヴァンストン在住。 *ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。 百木漠 (モモキバク) (翻訳) (ももき・ばく) 1982年奈良県に生まれる。専門は政治思想史・社会思想史。現在、関西大学法学部准教授。京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程修了。博士(人間・環境学)。単著に、『アーレントのマルクス――労働と全体主義』(人文書院、2018年)、『嘘と政治――ポスト真実とアーレントの思想』(青土社、2021年)、共著に『現代社会理論の変貌――せめぎあう公共圏』(日暮雅夫・尾場瀬一郎・市井吉興編、ミネルヴァ書房、2016年)、『生きる場からの哲学入門』(大阪哲学学校編、新泉社、2019年)、『漂泊のアーレント、戦場のヨナス――ふたりの二〇世紀 ふたつの旅路』(慶應義塾大学出版会、2020年)、『アーレント読本』(日本アーレント研究会編、法政大学出版局、2020年)などがある。 *ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。