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現代短歌パスポート1 シュガーしらしら号 | 榊原紘, 伊藤紺, 千種創一, 柴田葵 ほか
¥1,100
書肆侃侃房 2023年 ソフトカバー 112ページ 四六変型判 - 内容紹介 - 新シリーズ創刊! 最注目の歌人10名による書き下ろしの新作短歌アンソロジー歌集。 榊原紘 伊藤紺 千種創一 柴田葵 堂園昌彦 谷川電話 吉田恭大 菊竹胡乃美 宇都宮敦 初谷むい 【収録作品】 榊原紘「Classic」 伊藤紺「雪の匂い」 千種創一「White Train」 柴田葵「おさしみ」 堂園昌彦「春は水さえとろけさせる」 谷川電話「夢を縫う、たき火を保つ」 吉田恭大「フェイルセーフ」 菊竹胡乃美「火のぬいぐるみ」 宇都宮敦「羊毛期の到来(ウール、ウール、ウール)」 初谷むい「天国紀行」 - 著者プロフィール - 榊原紘 (サカキバラヒロ) (著/文) 1992年愛知県生まれ。奈良県在住。第2回笹井宏之賞大賞受賞。2020年、第一歌集『悪友』刊行。ゆにここオンラインカルチャースクールで「推しと短歌」の講師を務める。短詩集団「砕氷船」の一員。 伊藤紺 (イトウコン) (著/文) 歌人。1993年生まれ。横浜在住。著書に歌集『肌に流れる透明な気持ち』『満ちる腕』(いずれも短歌研究社)、ミニ歌集『hologram』(CPcenter)。 千種創一 (チグサソウイチ) (著/文) 1988年名古屋生まれ。2015年、『砂丘律』。2016年、日本歌人クラブ新人賞、日本一行詩大賞新人賞。2020年、『千夜曳獏』。2021年、現代詩「ユリイカの新人」に選出。2022年、『イギ』、ちくま文庫版『砂丘律』。 柴田葵 (シバタアオイ) (著/文) 歌人、ライター。第2回石井僚一短歌賞次席。第1回笹井宏之賞大賞受賞により、第一歌集『母の愛、僕のラブ』(書肆侃侃房)を出版。東京都在住。身長164センチ。 堂園昌彦 (ドウゾノマサヒコ) (著/文) 1983年東京都生まれ。早稲田短歌会を経て、現在、短歌同人誌「pool」所属。2013年、第一歌集『やがて秋茄子へと到る』(港の人)刊行。ブログに歌書紹介サイト「短歌のピーナツ」。 谷川電話 (タニカワデンワ) (著/文) 1986年愛知県生まれ。2014年、角川短歌賞を受賞。歌集に『恋人不死身説』(2017年、書肆侃侃房)、『深呼吸広場』(2022年、書肆侃侃房)。 吉田恭大 (ヨシダヤスヒロ) (著/文) 1989年鳥取県生まれ。「塔短歌会」「早稲田短歌会」で短歌を学ぶ。2019年第一歌集『光と私語』(いぬのせなか座)を刊行。同年より詩歌の一箱書店「うたとポルスカ」を運営。 菊竹胡乃美 (キクタケコノミ) (著/文) 1995年福岡県生まれ。2015年から短歌を始める。第一歌集『心は胸のふくらみの中』(書肆侃侃房、2023年)。 宇都宮敦 (ウツノミヤアツシ) (著/文) 1974年千葉県生まれ。歌集『ピクニック』(2018年、現代短歌社)。ブログ「Waiting for Tuesday」(https://blog.goo.ne.jp/utsuno)。 初谷むい (ハツタニムイ) (著/文) 1996年生まれ、札幌市在住。第一歌集『花は泡、そこにいたって会いたいよ』(書肆侃侃房、2018年)、第二歌集『わたしの嫌いな桃源郷』(書肆侃侃房、2022年)。
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物語とトラウマ クィア・フェミニズム批評の可能性 | 岩川ありさ
¥3,960
青土社 2022年 ハードカバー 512ページ 四六判 - 内容紹介 - トラウマ的な出来事を経験した人びとにとって、文学や文化は生きのびるための表現となりうるのか―― 多和田葉子、李琴峰、古谷田奈月、森井良、林京子、大江健三郎、岩城けい、小野正嗣といった現代作家の作品を丁寧に読み解き、物語を受けとるという営みとは何か、小説と読者が出会うとはどういうことか、それにクィア・フェミニズム批評はどうかかわるのか、自身の経験とときに重ね合わせながら文学や文化の力を見出していく。気鋭の研究者による、トラウマという語ることがむずかしい経験を語るために物語があるのだということを、そして何より新たな対話の可能性を信じるすべての人におくる、画期的な文学論。
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たまたま生まれてフィメール|小川 たまか
¥1,980
平凡社 2023年 ソフトカバー 200ページ 四六判 - 内容紹介 - なんの絆か。 なんの呪縛か。 ときどきすごく滑稽に感じる。 結婚と夫婦別姓、政治とジェンダー、透明化される性犯罪被害者の声――。 性暴力を取材しつづけるライターの著者が、この国で生きる女性やマイノリティが直面する困難を問い直す、フェミニズム・エッセイ。 【目次】 はじめに 1 夫婦って、家族って なんで結婚したんだろう/ダブルインカムツーキッズ/祖父の話/夫の家事能力が高い 2 日本社会がよくわからない お前らの本音と建前/祟りと滅び/男の本能にエビデンスはいらないんだって/海の近くの裁判所/16年後の判決 3 フェミと政治とインターネット エモよりデモを(1)親ガチャ・DHC問題/エモよりデモを(2)「女性はいくらでもウソをつける」/エモよりデモを(3)「ホームレスデート」と、暴力と排除に抗議するデモ/ヴィーガンとフェミニストと、なりすます人/特定した話/フェミと選挙 4 私の身体と人生と 毛を抜く人生/自分の具合悪さは自分にしかわからない/占いからの怒られと抵抗/おたまさんと、恋愛のない生活 おわりに 【著者プロフィール】 1980 年東京生まれ。大学院卒業後、2008 年に共同経営者と編集プロダクションを起ち上げ取締役を務めたのち、2018 年からフリーライターに。Yahoo! ニュース個人「小川たまかのたまたま生きてる」などで、性暴力に関する問題を取材・執筆。著書に『「ほとんどない」ことにされている側から見た社会の話を。』(タバブックス)、『告発と呼ばれるものの周辺で』(亜紀書房)、共著に『わたしは黙らない―性暴力をなくす30の視点』(合同出版)。
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私の彼女と女友達|チョ・ウリ, カン・バンファ(翻訳)
¥1,980
書肆侃侃房 2023年 ソフトカバー 216ページ 四六判 - 内容紹介 - 装幀 成原亜美(成原デザイン事務所) 装画 クォン・ソヨン「ghost」 どこにいても、必ず自分を守って。 それが私たちを守ることになるから。 クィア・労働・女性問題など、今を生きる女性たちをときにリアルに、ときにさわやかな余韻で描き出すチョ・ウリ初の短編集。 表題作「私の彼女と女友達」など八編を収録。初邦訳。 なんでもない場所で静かに働きながら、何かが変わる予感をキャッチするクィアたち。どこかバランスが崩れた場所で、不穏な気配を感じ取りながら生きる女性たち。 チョ・ウリは、不安定な世界に身を委ねざるを得ない人びとの動揺を丁寧に描き出す。本当は誰もが揺れている、その不可視化された振動が、いま、見える。 ――高島鈴(ライター、アナーカ・フェミニスト/『布団の中から蜂起せよ』著者) チョ・ウリの小説を読むとき、呼吸が軽くなる。心温まる話のときも非情な話のときも、風通しがちょうどいいから絶望に息切れすることがない。枕元に置いておきたい多孔質の物語。じっと耳を当てていると、以前は聞こえなかった声が聞こえてきて、見過ごしていた瞬間を振り返っている自分がいる。すらすら読めるのに、手を止めて考えさせる。なんて貴重な小説だろう。八篇の作品はどれも、人生の鮮やかなシーンを捉えることにとどまらず、追いついてこない世界に負けてなるものかという意志にあふれている。その力強さにこそ未来がある。 ――チョン・セラン(小説家/『フィフティ・ピープル』著者) <あらすじ> 「私の彼女と女友達」 五年間同棲している私の彼女、ジョンユンには四人の大親友がいる。ミンジ、ジヘ、ジヨン、スジン。「ジョンユンの彼女なら、私たちの友達も同然でしょ」彼女たちはみんな私に会いたがるけど、私はその誰にも会ったことがない。ジョンユンに誘われても、誰の結婚式にも行かない。 ついにジョンユンの親友たちに会ってみることを決めた日、かつて私が憧れを抱くも苦い決別を迎えたひとりの女性から手紙が届く。 「非婚式にご招待します」 【もくじ】 私たちがハンドルをつかむとき 11番出口 ミッション 私の彼女と女友達 ねじ 物々交換 ブラック・ゼロ 犬五匹の夜 著者あとがき 訳者あとがき <著者あとがきより> 私を苦しめ、私が苦しめた、それでもやっぱり私を笑顔にし、喜ばせてくれた、小説のなかのすべての女性たちへ。私の立つ場所に共に立っていた彼女たちへ。私の彼女と女友達へ。 それぞれが望んだとおりに幸せであってほしい、心からそう願っていると伝えたい。 - 著者プロフィール - チョ・ウリ (チョ ウリ) (著/文) 2011年、短編小説「犬五匹の夜」で大山大学文学賞を受賞し作家デビュー。 女性、クィア、労働に関心を寄せて執筆している。 著書に短編集『リレー』『チームプレイ』、 長編『ラスト・ラブ』などがある。 カン・バンファ (カン バンファ) (翻訳) 岡山県倉敷市生まれ。岡山商科大学法律学科、梨花女子大学通訳翻訳大学院卒、高麗大学文芸創作科博士課程修了。梨花女子大学通訳翻訳大学院、漢陽女子大学日本語通翻訳科、韓国文学翻訳院翻訳アカデミー日本語科、同院アトリエ日本語科などで教える。韓国文学翻訳院翻訳新人賞受賞。訳書にペク・スリン『惨憺たる光』『夏のヴィラ』、チョン・ユジョン『七年の夜』『種の起源』、ピョン・ヘヨン『ホール』、チョン・ミジン『みんな知ってる、みんな知らない』、キム・チョヨプ『地球の果ての温室で』、チョン・ソンラン『千個の青』、ルリ『長い長い夜』、ハ・ジウン『氷の木の森』など。韓訳書に柳美里『JR上野駅公園口』、児童書多数。著書に『일본어 번역 스킬(日本語翻訳スキル)』がある。
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沖縄の生活史| 石原昌家(監修), 岸政彦(監修), 沖縄タイムス社(編集)
¥4,950
みすず書房 2023年 ハードカバー 880ページ A5判 - 内容紹介 - 2022年5月に、日本復帰50年を迎えた沖縄。これを節目として、沖縄の歴史とともに生きてきた人々の来し方を聞き取って文章に残そう、という沖縄タイムス社の企画が結実したのが本書である。 沖縄タイムス紙上での募集に応えた「聞き手」たちが、それぞれ思い思いの「語り手」を選び、その人生を聞き取って生活史として仕上げた。紙上に、およそ半年以上にわたって連載された85篇に加え、新聞には掲載しなかった15篇を合わせた、計100篇の生活史がここにまとめられている。巻頭と巻末にはそれぞれ、監修者のまえがき、あとがきを収録する。 「私は本書のどの語りの、どの部分を読んでも、深い感慨と感動をおぼえます。ここには語り手たちが経験した「沖縄の戦後」が、確かに存在するのです」 (岸政彦、まえがきより) 「数多くの沖縄の人たちから聞き取りしてきたにもかかわらず、庶民の生活の奥深くに分け入り、心の襞に触れるところまでは、聞き取りはしていなかったか、と思わざるを得ない語りにも出会えました」 (石原昌家、あとがきより) 目次 まえがき 岸政彦 あの時の東京はね、お店の正面に「沖縄者お断り」って書いてあったんだよ。野蛮人と言ってから 聞き手=安里優子(五七) 語り手=母・池原春子(八四) 「おい、比嘉君ね、これからが僕らの時代だよ」って言うんだよ 聞き手=安里百合香(六一) 語り手=安里繁雄(九一) おじー必ず、運転したいって言ってさ、どうしても運転したいって 聞き手=東春奈(三六) 語り手=父(七二) 爆弾の破片とか、買いに来る業者がいたわけ。家にね。そこの業者さんに売ったりしてた。小遣い稼ぎ。一キロ売ったらいくらだよということで 聞き手=安谷屋佑磨(二九) 語り手=父(六二) 耕運機買うのも、吉本家が初めて。開墾するのも、吉本が初め。みんなやらないわけよ、こんなの 聞き手=荒井聡(三九) 語り手=吉本良子(九七) なんでないのって聞いたら一番上の兄が(給料を)そっくり持っていってあるわけよ 聞き手=新川真奈美(三二) 語り手=祖母(七四) 努力しなくて、なんとかなるさじゃないわけよ。努力しての結果が「なんくるないさ」、それ全然違うね 聞き手=泡☆盛子(五〇) 語り手=幼馴染の母・添盛文子(七一) 裏返して、僕の住所を書いたわけ。その時にまぁ、ポロポロポロポロ泣いたよ 聞き手=伊是名夏子(四〇) 語り手=父・伊是名進(七八) ブランクなくドラムたたいてきたから、俺みたいにいろんなジャンルのドラムを経験してきたのは珍しいんじゃないかね 聞き手=井筒形(五九) 語り手=津嘉山善栄(七四) ある奥さんはさ、必ず「あんた連れて行って、子どもが大きくなるまで一緒に育ててくれないか」と言いよったけど 聞き手=上江洲清哉(二四) 語り手=上江洲ツネ(九〇) でも、見てくれてたんだぁー、分かってくれてたんだぁーってのがあって。すごいあの言葉は忘れられなかった 聞き手=上原健太郎(三七) 語り手=糸満市出身の女性(六〇代) 沖縄の歴史から呼ばれて、自ら沖縄の歴史を呼び込んでいく、その在り方みたいなもの 聞き手=上原沙也加 語り手=仲里効 だからほんとにしたいと思ったこともそのときなかったし。諦めてたから 聞き手=上間陽子 俺の妹と父ちゃんは、ちゃんと国から感謝状もらってるけど警察署から。俺はちゃんと逮捕状もらってるよ(笑) 聞き手=打越正行(四三) 語り手=剛(五〇代) 夜寝られない。起こされて、もう亡くなる人が、亡くなった人が来てよ、もう死んだまま。もう大変だった。墓が開く時は、誰がって分かりよったわけよ 聞き手=大城沙織(二五) 語り手=男性(八一) 仕事も全部、覚えてきている時だから、二六ぐらいだと思うけど。その頃に偽札が横行したのよ。二〇ドル札の偽札が 聞き手=大城譲司(五四) 語り手=母(八七) 「いーいーなぁ、うやんくゎんやん、この戦争ややん、ぬーがないら分からんくとぅやん、やらはんどー」んち。おばあがウリさるばー 聞き手=大城ひかり(二八) 語り手=祖母・大城千代(九八) だから当時のコザはやっぱり怖かったですよ。行くと。白人はクルカジャーシーって黒人の匂いが嫌いだし。黒人はまた白人の匂いが嫌い、キモチワリーみたいな 聞き手=大田泰正(三一) 語り手=父・大田至(六一) わじわじーですよ。怒り狂って、あぎじゃびよー、たっけーらせーと 聞き手=大塚和徳(四五) 語り手=高江洲義八(七三) 生物の時間だったのかな?「えっ、メダカ? メダカ見たことない」って言ったら、みんなが笑うわけ 聞き手=岡本彰子(五四) 語り手=従姉・金城千代己(七五) それから数日後に母が「やはり、ハワイ行った方がいいよ」と言って。妹はまだ小さかったからね、私一人で沖縄を出たんです 聞き手=荻堂志野(二九) 語り手=東恩納良吉(八六) 門中の子どもたちを守って子孫を繁盛させてくださいと、それだけをお願いするだけだよ 聞き手=語り手の甥(六二) 語り手=門中の神人(八九) ずーっと耳で、なんか日本語分かると思ってたんだけど、あれ日本語じゃなかったね。ほぼ半分以上はもう、うちなーぐち 聞き手=加藤勲(四〇) 語り手=安富祖美智江 「おい福峯、お前、沖縄復帰させてもらって良かったなぁー」って言った一言で、俺、胸ぐら捕まえて大げんかしたよ 聞き手=加藤里織(四七) 語り手=福峯衆宝(六九) マジに信じてたのは復帰するってのは、本土に沖縄の島がくっつくことだと思ってたわけね。そのまんま九州の鹿児島にくっつく、これが復帰だと思ってたわけ 聞き手=兼島拓也(三三) 語り手=父(六〇代) 復帰したら、アメリカーが店に来なくなるから。うちも夫も、心の中では復帰には反対だったから。もうけなくなるさあね 聞き手=嘉納英明(五九) 語り手=石川静子(八七) 別に復帰がどうこうして、覚えてることはないよ。何にも私には、関係のないことだから 聞き手=叶祐介(二四) 語り手=祖母・仲間久子(八七) 飛行士が見えるのよ。見えるんだよ。パイロットが。ぷわーっとやってね、ぷわーっと逃げたのよ。全員無事だったけど、屋根が燃えてよ 聞き手=神村メイ(六九) 語り手=夫の叔父・新垣昌也(八四) 本土に来てから、青森や鹿児島とか難しそうな方言を使ってるのに、何で沖縄だけ禁止になったわけってすごく腹が立ったね 聞き手=川野香織(五〇) 語り手=母・畑山シズ(七四) 人間はね、どんな苦労でも、金で使われていると、金に使われていると思ったらどんな苦労でも耐えきれるという話、聞かされたから。ああ人間は、そうだねえと言って 聞き手=岸政彦 他の職業では復帰前の資格が復帰後も認められているケースもあるわけで、なぜ私たちだけ「沖縄弁護士」を名乗らなければいけないのか、差別ではないか、という意識はありますよ 聞き手=喜屋武馨(八二) 語り手=松田朝徳(八七) 戦前は、はだしで歩いたので足裏が硬くなっていた。寒い時につまずいてつま先を打って血が出ても痛さを感じないぐらいだった 聞き手=喜屋武すま子(七三) 語り手=義母・喜屋武初子(九九) 首ちりどぅし、これ一言で、僕の頭の中ではね。沖縄で首ちりどぅしという言葉は、なかなか言わないけど、そのぐらい親しいんだね 聞き手=喜屋武悠生(三五) 語り手=父親の親友(七四) 私たち夫婦は(一九六四年の)東京オリンピックから、今度のオリンピックまで華やかな人生だった。ちょうど一緒、珍しいことに 聞き手=金城愛音(二七) 語り手=祖母・我那覇英子(八二) うちなーぐちを使えるようになったのは沖縄に帰ってきてから。生活のために覚えたさ 聞き手=金城さつき(四〇) 語り手=玉城秀子(八四) ニュースペーパーボーイ、ユーノウ? 聞き手=具志堅大樹(二九) 語り手=両親の友人(六〇代) 九八ドルだったら生活やっていけたけど、三万六〇〇〇円では生活やっていけなかったね 聞き手=久保祥子(三〇) 語り手=伯父・知念正樹(七四) うん、モテて大変だった。モテモテ(笑)。内地に連れて帰ろうかなぁ、って、まあ、おべっか言う人もいたよ 聞き手=久保山亜希子(三四) 語り手=母(七〇) 結婚するよりか、技術を習わんとね。もう、親もいないからという感じですよ 聞き手=幸地一(五九) 語り手=幸地廣明(八四) 人生ってやり返しきくって言うけど、はーとんでもない。一度ひっくり返ったらなかなか簡単じゃないよ 聞き手=古我知智子(六〇) 語り手=義母(九四) いい絵を描けばアメリカーでも認めてくれるんじゃないのっていうのもあるわけ。それで、美術を一生懸命やり始めたわけ 聞き手=酒井織恵(五二) 語り手=父・稲嶺成祚(八九) この大雨はうちなーんちゅの涙だ、このことは絶対に忘れない、と思ったのは、はっきり覚えています。その後は気が遠くなって、倒れていました 聞き手=佐藤学(六四) 語り手=宜野座映子(七五) よく買ってくれる人はもうけあるけど、また買ってくれない人もいるわけよ。なんかヤミみたいだから。ゲートで調べる人が来たら没収もするから、戦々恐々よ、もう 聞き手=さゆき(三三) 語り手=祖母(九四) 中の町来て、この辺でも燃えていて、胡屋十字路来たらまた空港通りも、ここも燃えていたんだ 聞き手=織(二四) 語り手=祖父(七七) たまに、自分なんかのおうちにターユーっていう魚が入ってくるわけさ 聞き手=島袋秋人(二三) 語り手=祖母・比嘉あさみ(六七) 燃やした記憶はないけどよ、どうせ俺はもう沖縄に帰らんってからさ。捨てたような気がする。もう要らないって、帰るつもりはないって 聞き手=島袋幸司(三八) 語り手=沖縄本島中部の男性(七〇代) 自分が味わってきた沖縄だけの閉鎖的な空間よりは、どんどん出てってほしい。だから、あまり実家には近寄りたくなかった 聞き手=島袋弘暉(二二) 語り手=母(五〇代) この差があるわけ、ここは下。外人は上。事故しても外人が事故しても、何にも関係ないのに 聞き手=島袋真由美(三七) 語り手=大叔父(八四) 復帰記念メダルもらった。メダル、学校からみんなに。お祭り騒ぎだったかな。よく覚えていないな 聞き手=島袋みゆき(五二) 語り手=配偶者(六〇) 自分は中学三年で受験勉強してたもんだから。もっと勉強したいから行きたくないっていうことで、毎日けんか 聞き手=下地隆弘(二二) 語り手=祖母(八〇代) 五年生くらいの時に方言を使わなかった子で、表彰されたわけ。下地君は学校で方言を使いませんでした、とか言ってさ 聞き手=下地レオ(三二) 語り手=父(五八) だから学校も行っていないから食べ歩いて聞いて。食堂に帰ってそのように作って、味して「あ、この味だ」って思ったら、これで店の味にする 聞き手=城間碩也(二四) 語り手=祖母(七七) どんな人かねと。色が白くて髪が長くて、髪が長いというだけでジュリ(遊女)じゃないか、みたいな。みんな、見に来るわけ 聞き手=城間美咲(三八) 語り手=富田初江(八四) 復帰しないで自分たちがそのまま、琉球政府としていきたいみたいな討論会があったよ、高校生が 聞き手=城間優子(四六) 語り手=父の従妹(六〇代) 戦後はもうだんだんヤマトに世替わりだからね。向こうしか向いてないから。逆に僕は「こっち向けよ」と思って、方言ニュースを 聞き手=新垣啓子(六三) 語り手=母の従弟・又吉健次郎(九〇) 先祖まつりの長男だから、帰らないかん宿命にあるんですけど、少し働いて、働いていう間に六〇年間、最初は二ヵ月のつもりで来たんですよ 聞き手=末松史(四三) 語り手=金城豊秀(八三) 沖縄の歴史かな。四年生から学べるわけさ。これオレ楽しみにしてたわけよ。そしたら四年なったらなくなっていた 聞き手=末吉利旭(三六) 語り手=父(六〇) 僕は手をやられていますから、抵抗できるのは口しかないんですよ。だから、僕も馬の顎にかみついた 聞き手=鈴木陽子(六一) 語り手=平得壯市(八五) それがもう「ショウショウショウショウショーウ! ショーウ!」って言うから(笑) 聞き手=平良伊都実(二五) 語り手=母(五五) 親戚のおじさん、おばさんが勝手に付けたの。呼びやすいように。よう子、よう子って。お母さんの姉さんも名前二つあるさね。栄子なのに、しげーって呼ばれてた 聞き手=高浪千裕(五〇) 語り手=入嵩西時子(七五) そうサミットが始まる前だったからね。「G7って付けた方がいいんじゃないか」って言ったらさ、そのあとにG7が始まったさ 聞き手=知念渉 語り手=赤嶺千穂子、夫=芳弘 なんか、あっちから通るバス見たら、ああ、あのバスどこ行くんだろうな、乗ってみたいなぁって思ってた 聞き手=知念真由美(五七) 語り手=母(八三) 手続きしたら、これ何人て書くんですかーってなったわけさ、だから琉球人って書きなさいって言われたよって言ってるわけ 聞き手=知念ゆかり(二四) 語り手=父の姉(七八) おやじと電話でよくけんかしたよ。おやじは復帰したら何もかもよくなるって言うわけさぁ。これでは駄目だようと思ったわけさぁ 聞き手=寺田光枝(七四) 語り手=玉城薫(七四) 五〇〇円と言われて、五〇〇円くらいなら何とかならなかったかな、って今考えたら思うけど、あれも悔しかったよ、りま 聞き手=徳森りま(三四) 語り手=父・徳森栄春(六二) 超ショック。何か分かんない。もうソーセージ食べられなくなった 聞き手=富山勝代(四九) 語り手=友人・えーみー(四八) 同世代の子が「やー」とか「えー」とか言っていると、何のことか分からなくて、超戸惑った覚えがありますね。怒ってるー、なんだこりゃーって 聞き手=鳥井由美子(三八) 語り手=上地愛乃(三一) いつもさ「もう少しだよ、もう少しだよ」って。いつもその言葉にさ、ばあちゃんはさ、その言葉につられてずっと一緒にじいちゃんと仕事していた 聞き手=仲地二葉(三〇) 語り手=祖母・照屋キヨ子(八一) でも僕も若くて、「日本語上手ですね」って言われて「あなたより上手かもしれませんね」なんて言って(笑) 聞き手=仲程玲(四〇) 語り手=伯父・江川義久(七七) 軍歌、嫌なぐらい分かるわけ。兄たちがいつも軍歌歌うから聞き覚えて。教育って大変よ。軍歌まだ覚えているもん、小学生の女の子だったのに 聞き手=仲間尚子(六一) 語り手=母・玉城千代(八七) 「あい、おとう、これ三番いなぐんぐゎーがもうけている給料どー」と言って。おばあはかんなじおとうに手合わせよった。これいつなっても忘れない 聞き手=仲松沙也香(二二) 語り手=大叔母・トキ子(八三) 何にもいいことはない。おばさんだちは何もない時期の子どもだからね。意味ないよ 聞き手=仲嶺真(三三) 語り手=伯母(八〇代) 「育てもしないくせに」って。泣きよったよ。口から出しよったよ。「育てもしないくせに」って。その時は恨みよった 聞き手=鉢嶺京子(四一) 語り手=祖堅秀子(八三) 着いて、第一声が教授に呼ばれて、「日本語話せるね?」って 聞き手=比嘉あんの(一六) 語り手=祖母・高良敏子(八四) そう。アイドルですよ。ホントに(笑)。交通指導が終わるまで待っている人がいたの。それくらい、「見せる警察官」 聞き手=比嘉鈴代(四五) 語り手=母・比嘉洋子(六九) 隣近所の子どもたち、集まって隠れとってから、映画始まったら、戸閉めるから、その時に入るさ 聞き手=比嘉チハル(四三) 語り手=比嘉幸保(六六) あの時思ったんは、沖縄と貧乏は別もんやなってすごく感じて。私はそれをいっしょくたにして、沖縄を嫌ってたなあと思って 聞き手=比嘉直子(五五) 語り手=沖縄二世K・N(六〇代) 友達とねー、れんげ畑ね、帰り。原田屋のおうちの下は、みーんな稲さ。稲取った後はれんげがもういっぱい咲くのね 聞き手=比嘉和香(四九) 語り手=母・賀数孝子(八一) あっちの嫁になせって言われるからよ、ゲーしてさ、反抗になって、反抗してよ 聞き手=ヒヤジョウマキ(二七) 語り手=祖母・眞栄田トシ(八九) だから、出たらひかれていたかもしれない。通るのにじゃまになっている私の車を側溝に落として通りたかったんだから 聞き手=藤宮子(三六) 語り手=義母(七二) これはいかんと思って、「返してこうね」ってお母さんに言ったら、お母さんは「行かないで! 恭枝さん、それは私が買うから」って言いはんねん 聞き手=藤本朋子(五一) 語り手=石原恭枝(八三) 「おばさん来たよ」って言ったら、来た途端に「元気だった?」と歓迎してくれたのは、このことだったんだなって後で分かったんだけど 聞き手=古里友香(四九) 語り手=大城(旧姓・知花)フヂ子(七七) 普通でしたら、親が子どもの介護をするじゃないですか。私の場合は反対で、息子に介護されて、病院生活を過ごさせていただいたという感じですね 聞き手=平安名萌恵(二七) 語り手=レイコ(七〇代) 願っていた内容の復帰ではない。そうだったら、まあ、あまりうれしくはない人もいただろうが、しかし、あの、僕自身はね、まずは復帰するんだという思いが強かった 聞き手=前泊美紀(四九) 語り手=前泊甫美(八二) うん。法律が適用されるさ。アメリカの法律じゃなくて、日本の法律。それが、一番のうれしさだったな 聞き手=前原洸大(二四) 語り手=仲村渠實(八二) 私たちもだまされてなかったら、今頃、大きなビル建てていたんじゃないかねーって思うよ(笑) 聞き手=真境名育恵(四七) 語り手=母・新開麗子(七四) 新川のお墓へ行く時は、牛に車ひかせて、みんな乗せて行った。牛はゆっくりだからいいわけさ。あー、あの時、カメラがあったら写したのにねー 聞き手=松井裕子(七一) 語り手=中村トヨ(八六) 沖縄で墓を初めて見てびっくりしたよ。防空壕だと思った 聞き手=松岡幸子(七五) 語り手=上運天賢盛(九〇) 家に持ってきて食べるって言って。あんまりおいしいから。もうとにかくおいしい。カニ豆腐って言って、もうとってもおいしい料理があるんだけどね 聞き手=松田郁乃(三二) 語り手=祖母(八三) 宿題とか勉強していたらお母が怒られよった。「なんでいなぐんぐゎーに勉強させる?」って 聞き手=松田哲郎(四一) 語り手=母(六九) 屋敷の桑の木に小さなマイマイがいたからそれを集めてね、湯がいてから食べて、そうやって生きていたんだよ 聞き手=諸見里梨奈(二〇) 語り手=祖父(八六) どんなしてお母さんと言うか。私のお母さん、育てのお母さん、このお母だのにって思ってよ…… 聞き手=山内直子(五四) 語り手=母・ゑみ子(八九) たばこをやめた日です。五月一五日に何をしていたかというと……たばこをやめる以外には何もなかったような気がするけれども 聞き手=山口祐里瑛(二四) 語り手=祖父・仲里政幸(九一) たまに卵取って飲みよったよ、隠れて。たたいてからに、穴が空いたらチュッチュッチュして 聞き手=山田哲也(四八) 語り手=母(七四) 逆に、学校の先生たちが本土と一緒にしようと思って躍起になっていたんだ。俺ら……、子どもはね、あんまり興味なかった 聞き手=山入端由香(三二) 語り手=男性(六〇代) 役場から公報来て、大暴れして「今すぐ天皇陛下連れてきて、殺せー!」って言ったよ 聞き手=山本和(二六) 語り手=田中美江(九二) だから全然記憶がないんじゃ。そういう子ども、記憶がない子ども 聞き手=雪田倫代(三七) 語り手=父(七八) 罰金するって言って罰金払ったよ。嫌だのに、あんなの。ストライキしても意味ない。働いた方がいいさ。やっても、やらなくても勝ち目はないですよ 聞き手=吉門夏輝(三一) 語り手=八重瀬町の祖母(七五) そんな時に、朝ごはんに納豆が出たの。いくらなんでも、私たちのことが嫌いだからって、こんな腐ったものを出すことないのにねって(笑) 聞き手=渡邉隆(三七) 語り手=母・渡邉敬子(六七) 例えば僕はよ、箸のつかみ方。八重山でも普通にごはん食べてるさ。日本ではどんなして使うのかなぁとか思ったりよ。一緒なのかな、違うのかな、と思ったりしてよ 聞き手=綿貫円(三三) 語り手=石堂徳一(七三) あとがき――記憶の玉手箱のような存在 石原昌家 - 著者プロフィール - 石原昌家 (イシハラマサイエ) (監修) (いしはら・まさいえ) 1941年、台湾宜蘭市生まれ、沖縄県那覇市首里出身。沖縄国際大学名誉教授。沖縄の生活史、戦争体験などの研究。主著は『虐殺の島――皇軍と臣民の末路』(晩聲社、1978)。『大密貿易の時代――占領初期沖縄の民衆生活』(晩聲社、1982)(2000年に『空白の沖縄社会史――戦果と密貿易の時代』に改題して出版)、『郷友会社会――都市の中のムラ』(ひるぎ社、1986)、『沖縄の旅・アブチラガマと轟の壕――国内が戦場になったとき』(集英社新書、2000)、『国家に捏造される沖縄戦体験――準軍属扱いされた0歳児・靖国神社へ合祀』(インパクト出版会、2022)等多数。1970年から沖縄県史、各市町村史字誌などの編纂執筆にかかわる。沖縄の各平和資料館企画に参加。第三次家永教科書訴訟(沖縄戦部分)や沖縄靖国神社合祀取消裁判等の専門家証人として証言。全戦没者刻銘碑「平和の礎(いしじ)」の刻銘検討委員会元座長等歴任。 岸政彦 (キシマサヒコ) (監修) 社会学者・作家。1967年生まれ。京都大学教授。専門は沖縄、生活史、社会調査方法論。主な著作に『同化と他者化――戦後沖縄の本土就職者たち』(ナカニシヤ出版、2013)、『街の人生』(勁草書房、2014)、『断片的なものの社会学』(朝日出版社、2015、紀伊國屋じんぶん大賞2016受賞)、『質的社会調査の方法――他者の合理性の理解社会学』(石岡丈昇・丸山里美と共著、有斐閣、2016)、『ビニール傘』(新潮社、2017)、『はじめての沖縄』(新曜社、2018)、『マンゴーと手榴弾――生活史の理論』(勁草書房、2018)、『図書室』(新潮社、2019)、『リリアン』(新潮社、2021、第38回織田作之助賞)『地元を生きる――沖縄的共同性の社会学』(打越正行・上原健太郎・上間陽子と共著、ナカニシヤ出版、2020)、『東京の生活史』(筑摩書房、2021、紀伊國屋じんぶん大賞2022・毎日出版文化賞)、『生活史論集』(ナカニシヤ出版、2022)など多数。 沖縄タイムス社 (オキナワタイムスシャ) (編集) 沖縄県で発行されている日刊紙を発行する新聞社。戦時中の唯一の新聞「沖縄新報」の編集同人を中心に1948年7月1日、那覇市で創刊。「鉄の暴風」と表現された熾烈な沖縄戦など戦争の反省に立ち、県民とともに平和希求の沖縄再建を目指したのが出発点になった。27年間に及んだ米軍統治下では自治権の拡大や復帰運動で、住民の立場から主張を展開した。1972年の日本復帰後も、在日米軍専用施設面積の7割以上が沖縄に集中することによる過重負担や、基地があるゆえに起きる事件・事故、騒音などの被害、日米地位協定の問題などを追及する。また、県民生活に寄り添い、子どもの貧困問題の解決などに向けた論陣を張る。2023年に創刊75年を迎えた。
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納戸のスナイパー|北野勇作
¥1,210
ネコノス 2023年 ネコノス文庫 ソフトカバー 208ページ 文庫判 縦148mm 横105mm 厚さ10mm - 内容紹介 - 鬼才・北野勇作、世間を煙に巻く。 読書芸人・上田航平(ゾフィー)解説! カバーイラスト・和田ラヂヲ 狐や狸がひとを化かすことがあり得る世界で繰り広げられる200篇の物語。 「あの人も狸じゃなかろうか?」 ”読み始めたら、化かされる” 100文字が紡ぎ出す人と人でないものの境界線。 「この短編に登場する人間たちは、狸の正体を強引に暴いたり、大声を張り上げて指摘するなどといった野暮なことは決してしない。(中略)SFというのはフィクションであり、端的にいえば嘘である。その嘘に血を通わせるのは想像力と愛情だ。(中略)人間と狸の関係のように、北野さんのこの作品に対する態度は、嘘への優しい思いやりであふれている。」(解説より) 著者のライフワークとも言える【ほぼ百字小説】は、Twitterで毎日発表され続けており、その数は4000を超える。膨大な作品群から選り抜かれた200篇のショートショートを収録。シリーズ百字劇場として、タヌキが登場する作品を集めた本作『納戸のスナイパー』のほか、SFとして括られるタイプの作品を集めた『ありふれた金庫』(3/29刊行)、猫が登場する作品を集めた『ねこラジオ』の3作を連続刊行。 著者自身による全作品解説ページへのリンクをカバー袖のQRコードにてご案内。 - 版元から一言 - 100文字あれば、すてきな世界も、奇妙な宇宙もつくりだすことのできるショートショートの奥深さ。子供が初めて体験する「小説」としてもうってつけです。わずか100文字で構築される世界をぜひお楽しみください。 - 著者プロフィール - 北野勇作 (キタノユウサク) (著) 1962年、兵庫県生まれ。 1992年、デビュー作『昔、火星のあった場所』で第4回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞、『天動説』で第1回桂雀三郎新作落語〈やぐら杯〉最優秀賞を受賞。2001年には『かめくん』で第22回日本SF大賞を受賞。『どーなつ』『北野勇作どうぶつ図鑑』『どろんころんど』『きつねのつき』『カメリ』『レイコちゃんと蒲鉾工場』ほか著書多数。 ライフワークとも言える【ほぼ百字小説】は、Twitterで毎日発表され続けており、その数は4000を超える。
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マッカラーズ短篇集|カーソン・マッカラーズ, ハーン小路 恭子(翻訳), 西田 実(翻訳)
¥1,100
SOLD OUT
筑摩書房 2023年 ちくま文庫 ソフトカバー 272ページ 文庫判 - 内容紹介 - 再評価が進むマッカラーズの短篇集。奇妙な片思いが連鎖する「悲しき酒場の唄」をはじめ、異質な存在とクィアな欲望が響きあう触発の物語八編を収録。 - 著者プロフィール - カーソン・マッカラーズ (カーソン マッカラーズ) (著/文) [Carson McCullers 1917―67]:アメリカの女流小説家。ジョージア州に生まれる。初めピアニストを志してニューヨークへ出るが、その直後に授業料を紛失し音楽家を断念、コロンビア、ニューヨーク両大学の創作クラスで学ぶ。主な創作活動期は1940年代で、最初の長編『心は孤独な猟人』(1940)は、村上春樹の手により新訳が刊行され話題となった(2020年8月)。 ハーン小路 恭子 (ハーンショウジ キョウコ) (翻訳) 専修大学准教授。専攻はアメリカ文学。ミシシッピー大学英文学課博士課程修了。訳書にソルニットの『説教したがる男たち』『私たちが沈黙させられるいくつかの問い』 西田 実 (ニシダ ミノル) (翻訳) 1916-2006年。米国文学者、翻訳者。訳書に『ハックルベリー・フィンの冒険』(岩波文庫)などがある。
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牧野植物図鑑の謎 在野の天才と知られざる競争相手|俵 浩三
¥880
筑摩書房 2023年 ちくま文庫 ソフトカバー 224ページ 文庫判 - 内容紹介 - 最も有名な植物学者・牧野富太郎には「ライバル」がいた――? 博士と同時に別の植物図鑑を出版したある男との関係を読む図鑑史。解説 大場秀章 - 著者プロフィール - 俵 浩三 (タワラ ヒロミ) (著/文) 1930年東京生まれ、千葉大学園芸学部卒業。景観学者、林学者。厚生省国立公園部、北海道林務部、北海道生活環境部に勤務したのち、専修大学北海道短期大学教授、北海道自然保護協会理事、専修大学北海道短期大学名誉教授等を務めた。2020年没。
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夕暮の緑の光|野呂 邦暢, 岡崎 武志 (編集)
¥3,080
みすず書房 2020年 ハードカバー 240ページ 13.5 x 2.2 x 19.5 cm - 内容紹介 - 1980年5月7日に42歳の若さで急逝した諫早の作家、野呂邦暢。 故郷の水と緑と光を愛し、詩情溢れる、静かな激しさを秘めた文章を紡ぎ続けた。 小説の名手が遺した濃密な文業を新編集で贈る。 生前未発表原稿含む随筆57編収録。 [2010年4月初版発行(大人の本棚シリーズ)]
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パワー|ナオミ・オルダーマン, 安原 和見(翻訳)
¥1,485
河出書房新社 2023年 河出文庫 ソフトカバー 544ページ 文庫判 縦149mm 横105mm 厚さ21mm - 内容紹介 - ある日を境に世界中の女に強力な電流を放つ力が宿り、女が男を支配する社会が生まれた――。 エマ・ワトソン、オバマ前大統領、ビル・ゲイツ推薦! 最強の力を持つ少女ロクシー、革命を追うジャーナリスト・トゥンデ、新たな宗教をつくろうとするアリー、勢いを増す政治家・マーゴット。 男女の力が逆転した世界で、女たちの復讐がはじまる。 ベイリーズ賞受賞、各紙ベスト10、世界三十か国以上で刊行され、「現代の『侍女の物語』」と絶賛されるディストピア衝撃作! Amazonプライム・ビデオにてオリジナルドラマ配信中。
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どんどん変に… エドワード・ゴーリー インタビュー集成|エドワード・ゴーリー, カレン・ウィルキン(編集), 小山 太一(翻訳), 宮本 朋子(翻訳)
¥2,750
河出書房新社 2023年 ハードカバー 272ページ 15.5 x 2.3 x 21.8 cm - 内容紹介 - 毛皮のコートとテニスシューズ姿でバレエ鑑賞。映画は1日3本、『源氏物語』とネコたちを愛し、生涯独身を貫く。ノンセンスな遊び心に満ちたゴーリーの秘密満載のインタビュー集。 - 著者プロフィール - エドワード・ゴーリー (ゴーリー,E) (著/文) 1925年シカゴ生まれ。独特の韻を踏んだ文章とモノクローム線画でユニークな作品を数多く発表。おもな邦訳に『うろんな客』『ギャシュリークラムのちびっ子たち』など。2000年没。 カレン・ウィルキン (ウィルキン,カレン) (編集) キュレーター、美術評論家。ゴーリーの良き理解者でもあった。 小山 太一 (コヤマ タイチ) (翻訳) 1974年京都生まれ。立教大学教授。イギリス文学研究者・翻訳者。おもな訳書に、マキューアン_『贖罪』、オースティン『自負と偏見』、ウッドハウス『ジーヴズの事件簿』、ウォー『誉れの剣』三部作など。 宮本 朋子 (ミヤモト トモコ) (翻訳) 1972年福岡生まれ。おもな訳書に、マッキャン『世界を回せ』、グレッグ『ルシアン・フロイドとの朝食』、ゴーリー編『憑かれた鏡』(いずれも共訳)など。
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『おくのほそ道』謎解きの旅 身体感覚で「芭蕉」を読みなおす|安田 登
¥946
筑摩書房 2023年 ちくま文庫 ソフトカバー 320ページ 文庫判 - 内容紹介 - 芭蕉が『おくのほそ道』に秘めた謎とは? 「歌枕」の呪術性、地名に込められた意味。俳人の素用、謡曲を元に異界を幻視する。帯文 いとうせいこう - 著者プロフィール - 安田 登 (ヤスダ ノボル) (著/文) 1956年生まれ。 能楽師のワキ方として活躍するかたわら、『論語』などを学ぶ寺子屋「遊学塾」を、東京(広尾)を中心に全国各地で開催する。関西大学特任教授。 著書に、『身体能力を高める「和の所作」』(ちくま文庫、2010年)『異界を旅する能』(ちくま文庫、2011年)、『日本人の身体』(ちくま新書、2014)、『身体感覚で『論語』を読みなおす――古代中国の文字から (新潮文庫、2018年)、『見えないものを探す旅――旅と能と古典』(亜紀書房、2021年)『古典を読んだら、悩みが消えた。――世の中になじめない人に贈るあたらしい古典案内』(大和書房、2022年)、『魔法のほね』(亜紀書房、2022年)など多数。
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小津安二郎と七人の監督|貴田 庄
¥1,045
筑摩書房 2023年 ちくま文庫 ソフトカバー 288ページ 文庫判 - 内容紹介 - 同時代の映画監督7人と対比し、オーバーラップを嫌い、3,4種類のショットを繰り返す小津独自の撮り方はどのようにして確立したのかを炙りだす。 - 著者プロフィール - 貴田庄 (キダショウ) (著/文) 1947年青森県弘前市生まれ。早稲田大学大学院修士課程修了、芸術学専攻。専門は映画史、西洋美術史、書物工芸史。著書に『小津安二郎のまなざし』『小津安二郎の食卓』『小津安二郎東京グルメ案内』『小津安二郎と「東京物語」』『原節子 あるがままに生きて』『原節子物語 若き日々』『志賀直哉、映画に行く』『高峰秀子 人として女優として』『西洋の書物工房』『マーブル染』『レンブラントと和紙』など多数。
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聞くこと、話すこと。人が本当のことを口にするとき|尹 雄大
¥1,870
大和書房 2023年 ソフトカバー 264ページ 四六判 縦188mm 横130mm 厚さ17mm - 内容紹介 - あなたと私の「違い」を丁寧に話したい。 「わかりやすく話そう」を突き詰めた結果、僕たちの会話はただの情報のやりとりに陥っていないだろうか。 上間陽子氏に、坂口恭平氏に、濱口竜介氏に、人が本当のことを口にする瞬間について聞いて考えたこと。 イリナ・グリゴレ氏推薦!
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ユートピアとしての本屋 暗闇のなかの確かな場|関口 竜平
¥1,870
大月書店 2023年 ソフトカバー 256ページ 四六判 - 内容紹介 - たった一人で独立書店を立ち上げ、反差別をかかげた果敢な発言でも注目される「本屋lighthouse」の若き店主による単著。知への信頼が揺らぐ時代に、誰もが生きられる空間をつくるための実践と思考の書。 [目次] はじめに 1 本屋になるまでの話 2 メディア/クリエイターとしての本屋 3 ひとりの人間としての本屋 4 本屋にとっての反ヘイト・反差別とは 5 差別は道徳では解決しない 6 出版業界もまた差別/支配構造の中にある 7 セーファースペースとしての本屋 8 教室としての本屋 9 ユートピアとしての本屋 おわりに
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ミルク・ブラッド・ヒート|ダンティール・W・モニーズ, 押野 素子(翻訳)
¥2,695
河出書房新社 2023年 ハードカバー 240ページ 四六変型判 縦184mm 横138mm 厚さ23mm - 内容紹介 - なんだか、溺れているような気分――。 彼女たちの抱えた闇は、 フロリダの湿度に熱せられ、 路上の片隅から溢れ出す。 アフリカン・アメリカン文学の新潮流 過激でダークな11篇 死に取り憑かれた少女たちの誓約(ミルク・ブラッド・ヒート)、失った胎児を幻視する母親の安息日(饗宴)、教会から追放された女子高生が挑む復讐劇(天国を失って)、父の遺灰を捨てるロード・トリップで回帰した記憶(水よりも濃いもの)……。ミレニアル世代が描く、女性たちの深き闇と、瑞々しい赦しのとき。 新人としては異例の注目を集め、一躍アメリカ文学の最前線に立つダンティール・W・モニーズ。ブラック・フェミニズムの最先端にして、有力誌が激賞した衝撃のデビュー作。 * * * 愛と怒りの両方で、 人間は輝きを放つことが できるのだ。 ――「ニューヨーク・タイムズ」紙 女性と少女のありのままの姿を、 複雑で、深遠で、聡明で、辛辣で、喜びに溢れ、 タフで、愛情と力に満ちた姿を描いている。 ――「ミズ」誌 モニーズ初の短篇小説集は、驚きに満ちている。 フロリダの「湿地の悪臭」を背景に、 女性性の内的・外的な二面性を、 ありのままの直感的な文章で表現している。 ――「O, オプラ・マガジン」誌 辛辣かつ複雑で、瑞々しく、驚きに満ちている。 直感を刺激し、肉体として存在することの 親密な畏敬の念に満ちている。 素晴らしいデビュー作。 ――ナナ・クワメ・アジェイ=ブレニヤー(『フライデー・ブラック』)
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パルミジャーノをひとふり イタリア旅ごはん帖|貝谷 郁子
¥1,650
SOLD OUT
亜紀書房 2023年 ソフトカバー 176ページ 四六変型判 縦178mm 横128mm 厚さ13mm - 内容紹介 - 〈イタリア式料理の知恵があなたの人生を楽しくする〉 家庭で、農園やワイナリーで、市場やレストランで……話して、味見して知った、シンプルだけど味わい豊かな食文化。料理研究家がつづる幸せな“旅のおすそわけ” ---------------------- 「イタリアから帰ると、家族や友人におみやげのかわりにその旅で出会った料理の中から印象的でおいしかったものを作っている」 30年以上にわたってイタリア通いを続ける料理研究家がつづる〈旅のおもてなし〉35篇。 目次 ◆はじめに 〈ⅰ〉 ■元気をくれるトマトソース ■パスタの楽しみ ■ゆで過ぎ野菜の大発見 ■カルボナーラの授業 ■煮込みに煮込んだスープパスタ ■味噌とオリーブオイルの出会い ■イタリアのリゾット、日本のリゾット ■地味なリゾット、派手なリゾット ■ピッツァ窯の前で ■ピッツァ占い ■フォカッチャに覚醒 〈ⅱ〉 ■硬いパンの転生 ■いつまで焼くのフリッタータ ■きのこのフルコース ■ミラノ風カツレツ今昔物語 ■サルシッチャ・マジック ■カニカマよ、こんなところに ■披露宴の翌日は ■サラダは刺身か白ごはんか ■オリーブころころ ■全国区のパルミジャーノチーズ ■甘酸っぱい島 〈ⅲ〉 ■目覚めのカフェラッテ ■無塩朝食 ■エスプレッソは飲み物じゃない ■甘々レモンティー ■砂糖感覚 ■イタリアの柿使い ■シチリアの"有名人" ■ふたつの「ミルクの花」 ■市場歩きから ■ワイン蔵のジュース ■いつもワインと水を ■グラッパは「微量」の奇跡 ■リモンチェッロは梅酒 ◆おわりに - 著者プロフィール - 貝谷 郁子 (カイタニ イクコ) (著/文) 料理研究家。和歌山県出身、上智大学文学部卒業。イタリアを中心に国内外を問わず食文化と料理を取材研究。家庭料理の教室開催、メディアでの料理監修、レシピ開発や商品開発、執筆を手がけるほか、イタリア食の旅企画も行っている。『土曜日はイタリアン・キッチン』(宝島社)、『ルッカの幸せな料理から』(主婦の友社)、『幻のヴェネチア魚食堂』(晶文社)、『きょうはイタリアン日和』(PHP研究所)、『ちゃちゃっとイタリアン!』(宝島社)など著書多数。
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日本エッセイ小史 人はなぜエッセイを書くのか|酒井 順子
¥1,760
講談社 2023年 ソフトカバー 224ページ 四六判 - 内容紹介 - 『枕草子』『土佐日記』の昔から日本人に親しまれてきた「エッセイ」。「昭和軽薄体」の大ブームや芸能人エッセイの人気、そして高齢者エッセイの百花繚乱ぶりなど、いつの世も「エッセイ」は時代とともにある。 では「エッセイ」とは何か? 「随筆」「コラム」「ノンフィクション」とどう違う? 「エッセイ」を読んだことのない人はいないはずなのに、意外と誰も答えられない「エッセイ」の正体。 「エッセイスト」を名乗り講談社エッセイ賞選考委員を長らく務めてきた「エッセイの専門家」である著者が、時代を彩った大ヒット名エッセイ160余作品をひもときながら、満を持して真正面から「エッセイ」を縦横無尽に語り尽くす! エッセイストがエッセイについて綴るエッセイ、ついに登場。 - 著者プロフィール - 酒井 順子 (サカイ ジュンコ) (著/文) 1966年生まれ。東京都出身。高校生のときから雑誌でコラムの執筆を始める。立教大学卒業後、広告代理店勤務を経て執筆に専念。2003年に発表した『負け犬の遠吠え』がベストセラーとなり、婦人公論文芸賞、講談社エッセイ賞をダブル受賞。女性の生き方、古典、旅、文学など幅広く執筆。主な著書に『ユーミンの罪』『子の無い人生』『源氏姉妹』『百年の女 『婦人公論』が見た大正、昭和、平成』『家族終了』『ガラスの50代』『うまれることば、しぬことば』『女人京都』など多数。
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国籍と遺書、兄への手紙 ルーツを巡る旅の先に|安田菜津紀
¥2,090
ヘウレーカ 2023年 ソフトカバー 216ページ 四六判 縦188mm 横128mm 厚さ15mm - 内容紹介 - フォトジャーナリスト安田菜津紀がつづる、自身のルーツをめぐる物語。 父は在日コリアン2世だった。 父の死後に知ったその事実に、著者のアイデンティティは大きく揺れ動く。 自分はいったい何人なのだろう。父はなぜ語らなかったのだろう――。 朝鮮半島からやってきた祖父母も、その子どもである父も、歳の離れた兄も、もうこの世にはいない。手がかりがほとんどないなかで、祈るような気持ちで資料を取り寄せ、わずかな痕跡をたどってかれらがかつて住んでいた地を歩き、交流のあった人の話に耳を傾ける。 その旅でしだいに見えてきた家族の在りし日の姿を胸に抱きながら、目の前の現実を取材する日々。現在と過去を往還するなかで、ときに気分が沈みそうになっても、多くの人との出会いにより、著者は自らの向かうべき道を見出していく……。 貧困、災害、難民、ヘイトクライムなどの取材を通して、人々の声を伝え続けてきた著者が、自らのルーツに向き合い、大きな気づきを得て、あらためて社会のありかたを問いかける渾身の作。 【メディア掲載情報】 5月7日 朝日新聞デジタルに、インタビュー掲載 5月16日、TBSラジオ「Session」出演 5月17日、毎日新聞デジタル、毎日新聞夕刊に、著者インタビュー掲載 目次 プロローグ 第1章 旅のはじまり 「曖昧な喪失」と、カンボジアでの出会い/戸籍で目にした思いがけない文字/「また来るために」の響き/兄への手紙/母国語を話せないなんて「かわいそう」 第2章 「家族とは何か」から「故郷とは何か」へ 瓦礫に覆われた街と「故郷」/シリアは死んでしまった、それでも――/お前は分断を認めるのか 第3章 ルーツをたどって もう一つの「遺書」、外国人登録原票/ウトロに刻まれた「生きた証」/学校襲撃事件の深い爪痕/「朝鮮人って悪いの?」/はぐらかされた「歴史否定」/追悼と喧騒/「後ろめたさ」の正体/「自分語り」の場/社会保障制度の「外側」で生きた人々/「なんで引き下がらなきゃならないんだ」 第4章 残された手がかりをつなぎ合わせて 神戸、土地の記憶と祖母の足跡/除籍謄本と「死者への手紙」/「たっちゃん」/同級生の輪の中で/兄への手紙、そのまた続き/祖父は拳に何をかけたのか/祖父母の見てきた「原風景」を探して 第5章 ヘイトは止まらない濁流のように 「それ以外の日本人とは別」/初めての法廷に立って/続いた「奇跡」/選挙の名を借りたヘイト/「司法から否定された人々」と判決 第6章 祖父母の「故郷」、韓国へ 名を剥ぎ取られた女性たち/命の源流/「女の顔をしていない」歴史/兄への手紙、またいつか エピローグ 感謝を込めて 参考文献 - 著者プロフィール - 安田菜津紀 (ヤスダ ナツキ) (著) 1987 年神奈川県生まれ。認定NPO 法人Dialogue for People(ダイアローグフォーピープル/D4P)フォトジャーナリスト。同団体の副代表。16 歳のとき、「国境なき子どもたち」友情のレポーターとしてカンボジアで貧困にさらされる子どもたちを取材。現在、東南アジア、中東、アフリカ、日本国内で難民や貧困、災害の取材を進める。東日本大震災以降は陸前高田市を中心に、被災地を記録し続けている。著書に『写真で伝える仕事―― 世界の子どもたちと向き合って』(日本写真企画)、『あなたのルーツを教えて下さい』(左右社)、『隣人のあなた―― 「移民社会」日本でいま起きていること』(岩波ブックレット)他。現在、TBS テレビ『サンデーモーニング』にコメンテーターとして出演中。
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読書の日記 本を出す 指を切る お葬式|阿久津 隆
¥2,200
NUMABOOKS 2023年 ハードカバー 672ページ 文庫判 - 内容紹介 - 本を読む人と、その生活。心地よく本を読むことに特化した〈本の読める店〉「fuzkue」店主による、読書の喜びに満ちた日記シリーズ、第3弾。 額に入れた絵画のような美しい表紙の、厚さ5cmのハードカバー。装画・長谷川海。 登場する本(一部):マルセル・プルースト『失われた時を求めて』ミシェル・レリス『幻のアフリカ』中井久夫『徴候・記憶・外傷』阿久津隆『読書の日記』保坂和志『ハレルヤ』滝口悠生『茄子の輝き』ロバート・クーヴァー『ユニヴァーサル野球協会』伊藤亜紗『どもる体』など。 - 著者プロフィール - 阿久津隆 (アクツ タカシ) (著/文) 1985年栃木県生まれ。東京・初台にある〈本の読める店〉fuzkue 店主。2020年4月には下北沢店もオープン。著書に『読書の日記』(NUMABOOKS)、『本の読める場所を求めて』(朝日出版社)
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読書の日記 InDesign 入籍 山口くん|阿久津 隆
¥2,200
NUMABOOKS 2023年 ハードカバー 672ページ 文庫判 - 内容紹介 - 本を読む人と、その生活。心地よく本を読むことに特化した〈本の読める店〉「fuzkue」店主による、読書の喜びに満ちた日記シリーズ、第4弾。 額に入れた絵画のような美しい表紙の、厚さ5cmのハードカバー。装画・カナイフユキ。 登場する本(一部):マルセル・プルースト『失われた時を求めて』吉田健一『時間』ケイト・ザンブレノ『ヒロインズ』アリ・スミス『両方になる』千葉雅也『意味がない無意味』坂口恭平『cook』ホルヘ・イバルグエンゴイティア 『ライオンを殺せ』庄野潤三『夕べの雲』など。 - 著者プロフィール - 阿久津隆 (アクツ タカシ) (著/文) 1985年栃木県生まれ。東京・初台にある〈本の読める店〉fuzkue 店主。2020年4月には下北沢店もオープン。著書に『読書の日記』(NUMABOOKS)、『本の読める場所を求めて』(朝日出版社)
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ハダカだから|谷川 俊太郎, 下田昌克(イラスト)
¥2,420
スイッチ・パブリッシング 2023年 ハードカバー 80ページ 1 x 13.5 x 19.4 cm - 内容紹介 - 詩人・谷川俊太郎と画家・下田昌克によるジャムセッション。雑誌「Coyoye」の巻末連載が一冊に。2人の出会いは2009年の「Coyote」のアラスカ特集でのこと。その後、絵本や、下田の代名詞とも言えるキャンバス生地で作られた恐竜作品に、谷川が詩で応えた作品集『恐竜がいた』など、幾度もコラボレーション作品を生み出し続けた。その年来の知友である2人が、本作では「ハダカ」をテーマに生きることを時に熱く生々しく、時に静謐に表現する。連載時の作品に、書き下ろしを加えた20篇の詩を収録。谷川が紡いだ「性」と「詩」。下田が描いた「生」と「死」。ただ、ありのままのいのちのかたちをここに。 - 著者プロフィール - 谷川俊太郎 (タニカワシュンタロウ) (著/文) 詩人。1931 年東京生まれ。1952 年第一詩集『二十億光年の孤独』を刊行。詩作のほ か、絵本、エッセイ、翻訳、脚本、作詞など幅広く作品を発表。近著に『ベージュ』、『どこからか言葉が』、『虚空へ』、絵本『ぼく』 (絵・合田里美)などがある。 下田昌克 (シモダマサカツ) (イラスト) 画家。1967年兵庫県生まれ。著書に画文集『PRIVATE WORLD』(山と渓谷社)、絵本『死んだかいぞく』(ポプラ社)など。谷川俊太郎との共作として、ボブ・サム著『かぜがおうちをみつけるまで』『恐竜がいた』(スイッチ・パブリッシング刊)がある。
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ハンナ・アーレント、三つの逃亡|ケン・クリムスティーン, 百木漠(翻訳)
¥3,960
SOLD OUT
みすず書房 2023年 ハードカバー 248ページ 菊変型判 - 内容紹介 - ユダヤ人として戦争の世紀に生まれ落ち、 現実に向かって“なぜ?”と問いつづける少女ハンナ。 『全体主義の起原』『活動的生』を著した 不世出の政治哲学者の生涯を 繊細に、大胆に、描ききる名作グラフィックノベル。 〈これから語られるのは、 ハンナ・アーレントという人物の 生涯についての物語である。 別の時代の、失われた世界の、 失われた国に生まれ落ちた亡命哲学者。 その名前を聞いたことがある人も いるかもしれない。 最後に残る(そして最初からある)疑問。 なぜこの人物は、 おそらく20世紀の最も偉大な哲学者は、 哲学を捨てたのだろうか? それにもかかわらず、なぜ彼女の思考は、 人類が前に進むための生きた道筋を 示してくれるのだろうか?〉 目次 若きハンナの悲しみ――東プロイセン 割れ目を踏む スピロヘータ 癒しの錬金術 マールブルクの魔術師 恍惚とした真理 1925 「誓います」 1929 ハンナ、第一の逃亡――ベルリン ロマーニッシェス:1933 黒いハバナの葉巻 いかさま裁判開廷中 1933年2月27日 われわれがこの世界の邪魔をする 私に罪を着せないで(その朝帰りのあとで) 無垢の終わり ごく形式的なものです(正午) お断りします(二日後) 無国籍 ハンナ、第二の逃亡――パリ パリで三方面から真理へ迫る 1933 ハンナのパリ、三枚続きの絵――一枚目:愛する人 1936 ハンナのパリ、三枚続きの絵――二枚目:思考する人 ハンナのパリ、三枚続きの絵――三枚目:行動する人 ゲームは進行中 1939年9月1日 1940年5月5日 冬季自転車競技場、フランステクノロジーの勝利! ギュルスへ 1940年5月23日 1940年6月14日 大混乱の崇高さ 徒歩で 地中海で運が尽きたアテネ 隠れ家を去る 1940年 鍵作戦 午前4時 ポルトボウにて 今がそのときだ 楽園から嵐が吹いてくる ハンナ、第三の逃亡――ニューヨーク 新世界 1941 眉をひそめる 新たなユダヤ的任務完了 この種の真実の語りは 深淵 1943 アーレント主義の起源 ハイデガーの山小屋 マルタの最期と無数の「なぜ」 1951 ヴァルターの染み 1955 メアリー、メアリー:1958 時代の現存在 1958(15分後) リバーサイドのカディッシュ 手すりなき思考――エルサレムとその後 宇宙時代の思想家 市民第1号? 悪魔とタンゴを踊る:ブエノス・アイレス 1961 複数性にむかってうつむきながら歩く:1968 そして、始まりにおいて エピローグ 読書案内 謝辞 訳者あとがき - 著者プロフィール - ケン・クリムスティーン (ケンクリムスティーン) (著/文) (Ken Krimstein) 漫画家。『ニューヨーカー』『ウォール・ストリート・ジャーナル』『ニューヨーク・タイムズ』『シカゴ・トリビューン』などで漫画を発表。デポール大学やシカゴ美術館附属美術大学で講師を務める。これまで、Kvetch as Kvetch can: Jewish Cartoon(Potter Style, 2010)、『ハンナ・アーレント、三つの逃亡 The Three Escapes of Hannah Arendt』(本書。全米ユダヤ図書賞ファイナリスト、Bloomsbury Publishing, 2018)、When I Grow Up: The Lost Autobiographies of Six Yiddish Teenagers(ワシントン・ポストのグラフィッ クノベル部門年間ベスト10ブック、Bloomsbury Publishing, 2021)の三作を出版、いずれもユダヤ人というテーマにとりくみ、高い評価を受けている。イリノイ州エヴァンストン在住。 *ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。 百木漠 (モモキバク) (翻訳) (ももき・ばく) 1982年奈良県に生まれる。専門は政治思想史・社会思想史。現在、関西大学法学部准教授。京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程修了。博士(人間・環境学)。単著に、『アーレントのマルクス――労働と全体主義』(人文書院、2018年)、『嘘と政治――ポスト真実とアーレントの思想』(青土社、2021年)、共著に『現代社会理論の変貌――せめぎあう公共圏』(日暮雅夫・尾場瀬一郎・市井吉興編、ミネルヴァ書房、2016年)、『生きる場からの哲学入門』(大阪哲学学校編、新泉社、2019年)、『漂泊のアーレント、戦場のヨナス――ふたりの二〇世紀 ふたつの旅路』(慶應義塾大学出版会、2020年)、『アーレント読本』(日本アーレント研究会編、法政大学出版局、2020年)などがある。 *ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
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すべての雑貨|三品 輝起
¥880
筑摩書房 2023年 ソフトカバー 256ページ 文庫判 - 内容紹介 - 「世界がじわじわと雑貨化している気がする」東京・西荻窪で雑貨店FALLを営む著者が、雑貨について、雑貨化する社会について考える。解説 荒内佑 インターネット、ヒロ・ヤマガタ、英字新聞柄のシャツ、ムーミン、 マガジンハウス、マックス・ヴェーバー、Amazon、ソニープラザ…… あらゆるものが雑貨化する社会の、雑貨店主の思考録。 【内容紹介】 「世界がじわじわと雑貨化している気がする。これは豊かになって物の種類が増えたから、ってだけじゃない。それまでは雑貨とみなされてなかった物が、つぎつぎと雑貨に鞍がえしているせいなのだ」ひとりで雑貨店を営む著者は、この社会のあらゆる事物を手がかりに「雑貨とは何か」を帳場で考えた。雑貨、消費社会、店の経営、人生についての、とても面白いエッセイ。 解説 荒内佑(cero) 【目次】 Ⅰ 夜と店の隅で/雑という字/半径一メートル/雑貨の銀河系/ちがいさえあれば/英字新聞/これは本ではない/予告された雑貨の記録/家路/雑貨の秋/音楽を聴いたころ/オフシーズン/ホットポー Ⅱ 道具考/路傍の神/千のキッチュ/千のクンデラ/十一月の谷/俗と俗とが出会うところ/弦楽四重奏曲第十五番/漏れかっこいい/スピード・オブ・ライフ Ⅲ 限界集落/船底の構造模型/パーリア的、ブラカマン的/悲しき熱帯魚/幽霊たち/最後のレゴたちの国で/落葉 文庫版あとがき 六年後のルノアールで 解説 小さく、遅く、むなしい、遁走 荒内佑 - 著者プロフィール - 三品 輝起 (ミシナ テルオキ) (著/文) 1979年、京都府で生まれ、愛媛県で育つ。2005年、東京の西荻窪で雑貨店FALLを開店。2017年、本書を夏葉社より刊行。他の著書に『雑貨の終わり』(新潮社、2020年)がある。