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涙の箱 | ハン・ガン(著), きむ ふな(訳)
¥1,650
評論社 2025年 ソフトカバー 88ページ 四六判 縦188mm 横128mm 厚さ8mm - 内容紹介 - ノーベル文学賞作家ハン・ガンがえがく、大人のための童話 この世で最も美しく、すべての人のこころを濡らすという「純粋な涙」を探して 昔、それほど昔ではない昔、ある村にひとりの子どもが住んでいた。その子には、ほかの子どもとは違う、特別なところがあった。みんながまるで予測も理解もできないところで、子どもは涙を流すのだ。子どもの瞳は吸い込まれるように真っ黒で、いつも水に濡れた丸い石のようにしっとりと濡れていた。雨が降りだす前、やわらかい水気を含んだ風がおでこをなでたり、近所のおばあさんがしわくちゃの手で頬をなでるだけでも、ぽろぽろと澄んだ涙がこぼれ落ちた。 ある日、真っ黒い服を着た男が子どもを訪ねてくる。「私は涙を集める人なんだ」という男は、大きな黒い箱を取り出し、銀の糸で刺繍されたリボンを解くと、大小、かたちも色もさまざまな、宝石のような涙を子どもに見せた。そして、このどれでもない、この世で最も美しい「純粋な涙」を探していると話す。男は子どもがそれを持っているのではないかと言うのだが――。 「過去のトラウマに向き合い、人間の命のもろさを浮き彫りにする強烈な詩的散文」が評価され、2024年にノーベル文学賞を受賞したハン・ガン。本書は童話と銘打ちながらも、深い絶望や痛みを描き、そこを通過して見える光を描くハン・ガンの作品世界を色濃く感じられる作品です。 幸せな出会いが実現し、日本語版の絵はハン・ガン自身、長年ファンだったというjunaidaさんが担当。ハン・ガンが、「読者それぞれのなかにある希望の存在」としてえがいた主人公や、どこともいつとも特定しない本作の世界を美しく描き、物語とわたしたちをつないでくれます。 2008年、韓国で発売され、本国では子どもから大人まで幅広い年齢層に愛されている本作。ハン・ガン作品との出会いにもおすすめの一冊です。 「きみの涙には、むしろもっと多くの色彩が必要じゃないかな。特に強さがね。 怒りや恥ずかしさや汚さも、避けたり恐れたりしない強さ。 ……そうやって、涙にただよう色がさらに複雑になったとき、ある瞬間、きみの涙は 純粋な涙になるだろう。いろんな絵の具を混ぜると黒い色になるけど、 いろんな色彩の光を混ぜると、透明な色になるように」 ―本文より― 涙をめぐる、あたたかな希望のものがたり。 - 著者プロフィール - ハン・ガン (ハンガン) (著) 1970年、韓国・光州生まれ。延世大学国文学科を卒業。1994年、ソウル新聞新春文芸に短編「赤い碇」が当選し、作家デビュー。2005年、『菜食主義者』(クオン)で李箱文学賞を、また同作で2016年にアジア人初の国際ブッカー賞を受賞。2017年、『少年が来る』(クオン)でイタリアのマラパルテ賞、2023年、『別れを告げない』(白水社)でフランスのメディシス賞(外国小説部門)、また同作で2024年、フランスのエミール・ギメ アジア文学賞を受賞。2024年、「過去のトラウマに向き合い、人間の命のもろさを浮き彫りにする強烈な詩的散文」が評価され、ノーベル文学賞を受賞。他に『引き出しに夕方をしまっておいた』『そっと 静かに』(以上クオン)、『ギリシャ語の時間』(晶文社)、『すべての、白いものたちの』(河出書房新社)、『回復する人間』(白水社)などが邦訳されている。 きむ ふな (キムフナ) (訳) 韓国生まれ。韓国の誠信女子大学、同大学院を卒業し、専修大学大学院日本文学科で博士号を取得。日韓の文学作品の紹介と翻訳に携わる。訳書にハン・ガン『菜食主義者』、キム・エラン『どきどき僕の人生』、キム・ヨンス『ワンダーボーイ』、ピョン・ヘヨン『アオイガーデン』、シン・ギョンスク『オルガンのあった場所』(以上クオン)、孔枝泳『愛のあとにくるもの』(幻冬舎)など。共訳書にハン・ガン『引き出しに夕方をしまっておいた』(クオン)など。著書に『在日朝鮮人女性文学論』(作品社)がある。韓国語訳書の津島佑子『笑いオオカミ』にて板雨翻訳賞を受賞。
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松明のあかり 暗くなっていく時代の寓話 | バリー・ユアグロー, 柴田元幸(訳)
¥1,540
twililight 2025年 ソフトカバー 88ページ B6変形判 縦172mm 横105mm - 内容紹介 - アメリカ合衆国在住の作家バリー・ユアグローがトランプ政権下のアメリカに住む不安を小説に。 『ボッティチェリ 疫病の時代の寓話』からわずか5年。ユアグローから再び届いた「アメリカのいまを伝える」緊急文書。 「ここに収められた物語は心の、思いきっていえば魂の訴えである。」(柴田元幸) “昨年の大統領選で、本書の収録作「彼」で言及される「彼」の元とおぼしき人物が、七千万以上の国民に支持されて大統領に復帰して以来、合衆国から暗い知らせが届かない日はない。そして、七千余万の人たちのうちかなりの人数にとっては、それら暗い知らせも暗くはなく、ひょっとすると喝采すべき明るい知らせなのかもしれない、と思うと気持ちはますます暗くなる。 とはいえ、そんな吞気なことを言っていられるのも、あくまで当方は外国にいて、いまのところは直接、精神的にも物理的にも甚大な害は被っていないからだろう――いまのところは。が、暗さの渦中にいる人々は、どんな思いで生きているのか? バリー・ユアグローから届いたこれらの寓話は、そのひとつの実例を伝えてくれる“ (訳者あとがきより) -- 『松明のあかり』作者からのメッセージ 2020年、コロナ・ウィルスがニューヨークで猛威を振るっていたときに私は『ボッティチェリ』を書きました。そしていま、別の疫病のさなかに『松明のあかり』を書きました。今回は全米で猛威を振るっている政治的な疫病です。この本に収めた一連の寓話は、切羽詰まった警鐘であり、助けを求める訴えであり、自分が子供のころに移ってきた国でいま為されているさまざまな酷(むご)いことに対する苦悶の叫びです。日々押し寄せてくる、アメリカのみならず世界中を危険にさらしている暴虐、非道、噓のただなかで生きる、その痛みに満ちた経験を、これらの物語は想像力を通して綴っています。ところどころで暗いユーモアを使ってもいますが、絶望に陥らないため、ただ単に絶叫してしまわないために笑うのです。日本の読者の皆さんに、アメリカにいる私たちが、私たちの多くが、いまだ人間でいること、なんとか人間らしさを保ち、私たちの名において日々為されていることに深い恐怖を覚えていることをわかっていただければと思います。『ボッティチェリ』を素晴らしい本にしてくれたチームが、この『松明のあかり』も素晴らしい本にしてくれたことに感謝します。 バリー・ユアグロー 2025年7月20日 柴田元幸訳 -- 《感想コメント》 小川洋子さん 「民主主義の断末魔の声が響く中、まさに急送文書のように届けられた 貴重な一冊。掌にのるこの一冊が、あかりとなるよう、祈るような思いです。」 -- 佐川亜紀さん 「現在の危機の本質を鮮明に描いていて、この通りと心射抜かれる思いです。 「ここが国境だと我々が言ったらそこが国境なんだ」の時代、仲間も自分もついにミイラに! 「勝ち誇る」テックライトの旗の下、ゴミとして捨てられる運命! 事態はここまで来ていますね。 日本も同じ。」 -- 管啓次郎さん 「小さな、すごい本。内容はもちろん、出版プロジェクトとして類例なくすごい。ユアグローさんと柴田さんの友情が、歴史に対抗する。耳をかたむけよう。」 -- 高柳誠さん 「決して対岸の火事とは思えないくらい(事実此岸の火事でもあるのですが)、心底恐いですね。 存在自体(形而上も形而下も含めて)が脅かされる恐怖というか、 言い換えれば、観念的にも生理的にもじわじわとくる怖さを感じました。」 ― 早助よう子さん 「落ち込むことがあったので、こういう大きな流れにのみこまれないユアグローの蛮勇に、しみじみ励まされました。よい本ですね。「君は何をした?」がとりわけ好きです。」 - 目次 - 松明のあかり ドッキリ 国境 カット! 何か 情報 埃 揺り木馬 光沢 地図帳 ティーカップ のたうつ 彼 ゴヤ 塹壕の日々 気をつけて 飾り戸棚 危険 君は何をした? 墓 逃れる 枕の下に見つかったさまざまな政府のリスト 訳者あとがき - 著者プロフィール - バリー・ユアグロー (著) 南アフリカ生まれ、10歳のときアメリカへ移住した。 『一人の男が飛行機から飛び降りる』『たちの悪い話』 『ケータイ・ストーリーズ』(いずれも柴田元幸訳、新 潮社刊)など、詩的で白日夢のごとき超短篇で知られ る。ニューヨーク市クイーンズ区ジ ャクソン・ハイツ在住。当地での苛烈なコロナ禍の体 験が、『ボッティチェリ 疫病の時代の寓話』(2020年、 柴田訳で ignition gallery 刊)および『東京ゴースト・ シティ』に活かされている。 柴田元幸 (シバタモトユキ) (訳) 翻訳家・アメリカ文学研究者。1954年東京都生まれ。 ポール・オースター、スティーヴン・ミルハウザー、 スチュアート・ダイベック、スティーヴ・エリクソン、 レベッカ・ブラウン、バリー・ユアグロー、トマス・ ピンチョン、マーク・トウェイン、ジャック・ロンド ンなど翻訳多数。『生半可な學者』で講談社エッセイ賞、 『アメリカン・ナルシス』でサントリー学芸賞、『メイ スン & ディクスン』で日本翻訳文化賞、また2017年に 早稲田大学坪内逍遙大賞を受賞。文芸誌『MONKEY』 (スイッチ・パブリッシング)責任編集。
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【サイン本】群青のハイウェイをゆけ | きくち
¥1,980
hayaoki books 2025年 ソフトカバー 272ページ 四六判 縦188mm 横128mm 厚さ17mm - 内容紹介 - ときに身軽な散歩のようで、ときに切実な祈りのような、週末の旅の記録。 「うらやましい感受性と文才」「すぐれた短編小説のよう」 ブログで絶賛コメント殺到!! 謎のはてなブロガーきくち、待望の初書籍です。 2010年代から現在まで、青年期と共にあった短い旅の記録をまとめた短編集。旅行記19編とエッセイ6編を収録。装丁は吉岡秀典氏(セプテンバーカウボーイ)、装画を漫画家の森泉岳土氏が担当しています。 巻末にはカラーの写真ページも。さらに、本に登場する場所をまとめたマップ(Googleマップ)もご覧いただけます。 ▼作家 くどうれいんさん、phaさん推薦!! 「わたしがひとつの街だったなら、きくちさんのような旅人の眼差しを心待ちにすると思う」(くどうれいんさん/作家) 「やっぱり旅に出ないといけない。じっとしていると人生に飲み込まれて、何もわからなくなってしまうから」(phaさん/作家) ///以下、本文より/// 真鶴は、駅から海まで緩やかな下り坂が続いている。小さな港があり、美味しい鮮魚が居酒屋で楽しめる。適度な間隔で家並みが続き、夜になればぽつりぽつりと街灯がともり、港も暖色の明かりがこぼれている。波止場に腰かけて酒を飲もうものなら、それはもうとても素晴らしいことのように思えるのだ。(神奈川県・真鶴町) * ソウルはしとしとと寂し気に雨が降っており、日本の梅雨に似た雨雲が一面を覆っていた。韓国人と日本人の7月の心象風景は似たようなものなのかもしれない。もしかしたら北朝鮮人もそうなのだろうか。(韓国・ソウル) * 「僕たち、いつまでこんなことできるんでしょうね」と加藤が言った。 僕は「別に一泊二日で出かけるくらい、いつでもできるでしょ」と答えた。心の中では同じように、うっすらと喪失感のようなものを感じていた。30代になると、油断をするとすぐ、失われるものへの感傷が忍びこんでくるのだ。(ベトナム・ホーチミン) * すっと家を出て、ちょっと寝てる間に盛岡に着き、焼肉・冷麺ができたのだから、海に行かなくても今年の夏はこれで十分だと思った。(岩手県・盛岡市) * 今日どこに泊まるのかも決めていない。とりあえず適当に南下を続けているわけだが、天気さえよければ、うまい弁当を食べ適当に走っていくのも悪くないものである。(福島県・浜通り) * 突然、アジフライが食べたいなと思った。しかも、その辺のアジフライということではなく、とびきり美味しいやつがいいなあと思った。そういうことがときどきある。(千葉県・木更津市) /// 目次 秋風の速度はどれくらい。静かで小さな真鶴の夜(神奈川県・真鶴町) 2014年、香港。雨傘が揺れる街(香港) 戦後日本の傑作カクテル”雪国”を生んだバーテンダーの酒を飲みに、酒田のバー「ケルン」へ(山形県・酒田市) 日本最北、酒田のキャバレー白ばらのママは言った「あなたがおむつをはいていた頃にはね」(山形県・酒田市) 【エッセイ】大学入学の春、初めて学んだのはケンカのコツだった 青森の霊場恐山へ。イタコに口寄せられし祖父に会う(青森県・恐山) 【エッセイ】本当の夜の真っ暗 埼玉県の“さいたま”の起源を探しに真夜中の埼玉へ(埼玉県・行田市) 天変地異をおさめるために、埼玉の隠れ名物なまずを食べに行く(埼玉県・吉川市) 【エッセイ】坂と酒の街、神楽坂で過ごしたうたかたの日々 ソウルで平壌式冷麺を食べ、北朝鮮を見にイムジン河へ行く(韓国・ソウル) 三重縦断の旅、スーパーの明かりは僕たちを照らす(三重県・須賀利町) 【エッセイ】野良トイレットペーパー売り ホーチミンへ。伊勢うどんに影響を受けたベトナム麺料理カオラウとは(ベトナム・ホーチミン) カイコー・タケシ・マティーニで夜は更けて(ベトナム・ホーチミン) 【エッセイ】じゃあね、東京 チャオプラヤ川で溺れませんように(タイ・バンコク) 雨の盛岡。一人焼肉からの冷麺で夏は終了(岩手県・盛岡市) 福島県浜通りをひたすら南へ。はらこ飯をしずかに食べる(福島県・浜通り) 千葉、奇跡のアジフライを探す旅(千葉県・木更津市、館山市) 武者小路実篤が作った社会主義っぽい村落共同体へ行く(埼玉県・毛呂山町) 青森とかいう寂しい街(青森県・青森市) 【エッセイ】恒星と惑星 結婚式前夜、香川のディスコで、クイーンとステップを(香川県・高松市) 2025年、香港の銀河のひかり(香港、深圳) - 著者プロフィール - きくち (キクチ) (著) 1991年生まれ。埼玉県在住の会社員。2016年よりブログ『今夜はいやほい』で、夜中にこっそり出かけたりひそひそ酒を飲んだりした遊びの記録を綴る。「ほぼ日通信WEEKLY」「SUUMOタウン」などさまざまなメディアでエッセイを執筆。X(Twitter):@zebra_stripe_
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作家と山 | 平凡社編集部
¥2,200
平凡社 2025年 ソフトカバー 304ページ B6変型判 - 内容紹介 - 大好評の「作家と〇〇」シリーズ、最新刊は山。昔の文豪から当代一のベストセラー作家まで、みんな山にハマっていた! 登山の楽しみを描いたエッセイ、詩などを収録。 【収録作品(掲載順)】 なだれ 井伏鱒二 1 日本アルプス 槍ケ岳紀行 芥川龍之介 涸沢の岩小屋のある夜のこと 大島亮吉 霊気 豊島与志雄 案内人風景 百瀬慎太郎 三俣蓮華岳への思い 辻邦生 白馬連峰──山という別世界の花 池澤夏樹 奥穂と校了 若菜晃子 南アルプス 吉田博 駒鳥の谷 野尻抱影 真夏の急登 沢野ひとし 2 さまざまな山旅 雪中富士登山記 小島烏水 「山上湖へ」より 若山牧水 霧ヶ峰から鷲ヶ峰へ 徳田秋声 八ガ岳に追いかえされる 梅崎春生 稜線を泳ぐ 南木佳士 十勝の朝 中谷宇吉郎 英彦山に登る 杉田久女 阿蘇外輪 小杉放庵 山小屋の一夜 畦地梅太郎 山と温泉 小林百合子 『崩れ』より 幸田文 水源へ 安岡章太郎 尾ノ沼谷 志水哲也 最高の登山 石川直樹 ウェストンの初登攀をたどる 服部文祥 ? 山へのあこがれ、山の愉しみ 筑波 岩本素白 富士山頂から東京を見る 新田次郎 漫談・火山を割く 牧野富太郎 雷鳥尾行記 田淵行男 山のコドモ 岡本かの子 低山登山は楽しい 安西水丸 クルコノシェ山地から 出久根育 コツコツ地道に 本上まなみ 3 山の哲学 山に登る 萩原朔太郎 凹面谷 串田孫一 霧とサルオガセ 北杜夫 初登山に寄す 今西錦司 山は如何に私に影響しつつあるか 田部重治 山の魅力 木暮理太郎 登山家という言葉 深田久弥 登山趣味 正宗白鳥 「登山好き」が思うこと 湊かなえ なぜ登るのか 小手鞠るい 山へ入る日・山を出る日 石川欣一
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世界自炊紀行 | 山口 祐加
¥2,750
晶文社 2025年 ソフトカバー 568ページ 四六判 縦188mm 横128mm 厚さ33mm - 内容紹介 - 【世界には、今晩の献立を考えない人たちがいる】 自炊料理家の著者の元に寄せられる「献立作りが苦痛」「いつも同じ料理ばかりでマンネリに」「スーパーで途方にくれる」 という自炊に悩める人々の声。これって日本だけ?「世界の自炊」はどうなっているんだろう?と思った著者は飛行機に飛び乗っていた――。 2024年の間に全世界12か国、38家庭を取材。それぞれ各国から2家庭を厳選し、合計24組の自炊事情を12種の自炊レシピと共に紹介する。同時代を生きる人々、それぞれの「自炊する意味」とは。 【推薦】 奥野克巳(文化人類学者) 「12か国の食卓を巡る旅の果てに、 いちばん意外だったのは日本人の自炊だった」 内澤旬子(文筆家、イラストレーター) 「和食はもちろん、中華イタリアン、フレンチ、エスニックと自国以外の料理も何品も作り、栄養衛生にも配慮する。 しかも担うのは主に女性……などなど、日本の家庭料理にまつわる「常識」は世界からはどう見える?? 自炊料理研究家が世界各地の自炊人を訪ねて作り味わう自炊紀行。現地レストランでも味わえない自炊レシピ満載」 【著者より】 本書は一気読みすると手のひらの上で世界一周をした気分に浸れるだろうし、寝る前に一家族ずつ読んでちょっとずつ楽しんでもらうのも良いと思う。この本を読んでくださる方が私の旅を追体験し、自炊という身近な行為を客観的に見て(世界各地と比べて!)、ご自身の生活に何かしらプラスになるヒントが手渡せたら、心からこの本を書いて良かったと思える。 【目次】 はじめに 1 台湾編:外食文化が根付いた国で自炊をするということ 2 韓国編:自炊よりも外食した方が、たくさん野菜が食べられる国 3 ポルトガル編:魚介類と米の国の日常食とは 4 スペイン編:一日五回の食事を摂る国へ⁉ 5 フランス編:「おいしい」の国の自炊事情とは 6 トルコ編:「本当のトルコ料理」を探して 7 イタリア編:地域性のある食文化が根付く「イタリアの自炊事情」 8 メキシコ編:スペインの侵略がもたらした食文化の変革 9 ペルー編:注目度急上昇、ペルー料理がおいしい理由とは 10 タイ編:毎日・毎食、外食で困らない国でなぜ自炊するのだろうか? 11 ベトナム編:本当の「家庭料理」に会いたくて 12 ラオス編:何も知らない国の自炊に出会うこと おわりに ■本書に登場した滞在先の中で一般に開かれている宿泊先リスト ■旅の参考にしたWebサイト - 著者プロフィール - 山口祐加 (ヤマグチユカ) (著) 自炊料理家。1992年生まれ。東京都出身。出版社、食のPR会社を経て独立。 7歳から料理に親しみ、料理の楽しさを広げるために料理初心者に向けた料理教室「自炊レッスン」や小学生向けの「オンライン子ども自炊レッスン」、レシピ・エッセイの執筆、ポッドキャスト番組「聞くだけでごはんができるラジオ」などは多岐にわたって活動中。著書に『自分のために料理を作る 自炊からはじまる「ケア」の話』(星野概念との共著、晶文社/紀伊國屋じんぶん大賞2024入賞)、『自炊の壁 料理の「めんどい」を乗り越える100の方法 』(佐々木典士との共著、ダイヤモンド社)など多数。
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ただいま装幀中|クラフト・エヴィング商會
¥1,100
筑摩書房 2025年 ちくまプリマー新書 ソフトカバー 192ページ 新書判 - 内容紹介 - 二人でデザインすることは、こんなにも楽しい! リボンをかけた小箱をひとつひとつプレゼントするように、ちくまプリマー新書の装幀を続けて20年、500冊。 アイディアは台所のテーブルで生まれる。パソコンは二人で一台。 「ノイズ」や「ほつれ」こそが魅力。愛は必需品――。 二人組創作ユニット「クラフト・エヴィング商會」が語る、装幀という仕事。 ちくまプリマー新書500巻記念! - 目次 - 1 本は平面でありながら立体でもある ――どうして装幀の仕事をすることになったか 2 つかず離れずというのがちょうどいいんです ――どんなふうに二人でデザインをしているか プリマー新書*装幀セレクション 3 リボンをかけた小箱をプレゼントするように ――「ノイズ」と「ほつれ」と「にじみ」 4 「何もしない」っていうのは、どうでしょう ――「過程」があってこその「結果」なんです 「あとがき」の代わりに - 著者プロフィール - クラフト・エヴィング商會 (クラフトエヴィングショウカイ) (著) 吉田浩美と吉田篤弘による制作ユニット。著書に『ないもの、あります』(2025年本屋大賞「超発掘本!」)『クラウド・コレクター雲をつかむような話』『すぐそこの遠い場所』『おかしな本棚』がある。吉田浩美の著作として『a piece of cake』、吉田篤弘の著作として、『月とコーヒー』『おやすみ、東京』『つむじ風食堂の夜』『それからはスープのことばかり考えて暮らした』『遠くの街に犬の吠える』『雲と鉛筆』など。著作の他に装幀の仕事を数多く手がけ、2001年、講談社出版文化賞・ブックデザイン賞を受賞している。ちくまプリマー新書の装幀を創刊より担当。
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カラダは私の何なんだ?|王谷 晶
¥891
河出書房新社 2023年 河出文庫 ソフトカバー 192ページ 文庫判 縦149mm 横105mm 厚さ10mm - 内容紹介 - 私は私を全肯定! 髪は美しく、カラダはほっそり、爪は短くキレイに、子供は早く産んで……女のカラダにかけられた呪いを解く爆走エッセイ『どうせカラダが目当てでしょ』を改題。文庫版書き下ろし収録。 - 著者プロフィール - 王谷 晶 (オウタニ アキラ) (著) 1981年東京都生まれ。著書に、『ババヤガの夜』、小説集『完璧じゃない、あたしたち』など。
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ストーナー |ウィリアムズ・ジョン, 東江 一紀(訳)
¥2,860
作品社 2014年 ハードカバー 330ページ - 内容紹介 - 半世紀前に刊行された小説が、いま、世界中に静かな熱狂を巻き起こしている。名翻訳家が命を賭して最期に訳した、"完璧に美しい小説"。 ------- ストーナーという男の一生を描いた一見地味な作品なのに、じわじわと物語の中に引きこまれ、最後までページをめくる手が止まらなくなります。 素晴らしい読後感の中で読む「訳者あとがき」を読み、今度は涙が止まらなくなりました。
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氷河が融けゆく国・アイスランドの物語 | アンドリ・スナイル・マグナソン(著), 朱位昌併(訳)
¥3,520
青土社 2025年 ソフトカバー 320ページ 四六判 - 内容紹介 - 火山の麓で、氷河の上で、崇高な大地の前で―― アイスランドに生きる作者が自分自身や家族、これまで関わってきた人たちの視点、そして古くから伝わる伝承や北欧神話から、人と自然の「これまで」と「今」と「これから」を書き留める。すべての人に送る、物語のような随想録。 アイスランド本屋大賞、Tiziano Terzani賞(イタリアの国際文学賞)を受賞し、30か国以上で翻訳された話題作
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熊になったわたし 人類学者、シベリアで世界の狭間に生きる | ナスターシャ・マルタン, 高野 優(訳), 大石 侑香(解説)
¥2,200
紀伊國屋書店 2025年 ソフトカバー 208ページ 四六判 - 内容紹介 - 熊に顔をかじられ九死に一生を得た人類学者の 変容と再生の軌跡を追ったノンフィクション カムチャツカで先住民族を研究する29歳のフランスの女性人類学者が、ある日、山中で熊に襲われて大けがを負う。その日を境に西洋とシベリアの世界観、人間と獣の世界の境界が崩壊し……スパイの疑いをかけられてロシア情報機関の聴取を受け、たび重なる手術と事件のフラッシュバックに苦しみながらも、身体と心の傷を癒し、熊と出会った意味を人類学者として考えるために、再びカムチャツカの火山のふもとの森に戻ってゆく。 「熊は君を殺したかったわけじゃない。印を付けたかったんだよ。 今、君はミエトゥカ、二つの世界の間で生きる者になった」(本書より) *ミエトゥカ:エヴェンの言葉で「熊に印をつけられた者」。熊と出会って生き延びた者は、半分人間で半分熊であると考えられている。 【18か国で刊行、フランスで11万部のベストセラー!】 【ジョゼフ・ケッセル賞、フランソワ・ソメール賞、マッコルラン賞受賞!】 - 著者プロフィール - ナスターシャ・マルタン (マルタン ナスターシャ) (著) 【著者】ナスターシャ・マルタン(Nastassja Martin) 1986年生まれ。アラスカとカムチャツカの先住民族を研究対象とするフランスの人類学者。フィリップ・デスコーラの指導のもと、パリの社会科学高等研究院(EHESS)で博士号を取得する。Les âmes sauvages: Face à l'Occident, la résistance d'un peuple d'Alaska(2016)でアカデミーフランセーズのルイ・カステックス賞を受賞した。マイク・マギッドソンと共同監督でドキュメンタリー「トヴァヤン」を制作。 高野 優 (タカノ ユウ) (訳) 【訳者】高野 優 フランス語翻訳家。ヴェルヌ『八十日間世界一周』『地底旅行』など訳書多数。 大石 侑香 (オオイシ ユウカ) (解説) 【解説者】大石侑香 神戸大学大学院国際文化学研究科准教授。著書に『シベリア森林の民族誌』など。
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つまり“生きづらい”ってなんなのさ? | 桜林 直子
¥1,815
光文社 2025年 ソフトカバー 296ページ 四六変型判 縦188mm 横130mm 厚さ21mm - 内容紹介 - なんでだろう、わたしだけ? “生きづらい”ことはたしかだけど、どうしてなのかはよくわからないし、どうすればいいのか誰も教えてくれない……。ひとりで考えてもわからないから、専門家の方たちにいろいろな角度から“生きづらさ”を見つめてもらいました。星野概念(精神科医)、磯野真穂(文化人類学者)、東畑開人(臨床心理士)、石井ゆかり(ライター)、武田砂鉄(ラジオパーソナリティ・ライター)。
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ケアの物語 フランケンシュタインからはじめる | 小川 公代
¥1,100
岩波書店 2025年 岩波新書 ソフトカバー 302ページ 新書判 縦173mm 横107mm 厚さ12mm - 内容紹介 - 強者が押しつける「正しさ」と暴力や分断がはびこる現代社会。そこで置き去りにされているのは、尊厳を踏みにじられた人々が紡ぐ〈小さな物語〉――恐ろしい怪物の物語として知られる『フランケンシュタイン』を、10のテーマを通して多様な作品群と縫い合わせ、読む者をケアの本質へと誘う。想像力を解き放つ文学論。 - 目次 - はじめに 1 戦 争 『進撃の巨人』『三ギニー』 1 「壁」を乗り越えて――小さな物語へ 2 アウトサイダーの女性たち 3 『フランケンシュタイン』――生の平等を問う 2 論破と対話 『もうひとつの声で』『バービー』『バタードウーマン』 『バグダードのフランケンシュタイン』 1 関係性を結んで対話する 2 対話と共話 3 ヴィクターがSNSを使えたなら 4 『バグダードのフランケンシュタイン』 3 親ガチャ 『親ガチャの哲学』『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』『波』 『山上徹也と日本の「失われた30 年 」 』 『SPY×FAMILY』『キン肉マン』 1 共同体幻想を打ち砕く人間の流動性 2 「これからの時間」を生きるために 3 「無敵の人」としてのクリーチャー 4 ジークの反出生主義とアーニャの反・反出生主義 4 マンスプレイニング 『哀れなるものたち』『吸血鬼ドラキュラ』 1 “声”とは何か 2 エドワード・トレローニーの誹謗中傷 3 『哀れなるものたち』と女性たちの声 4 愛と自由について語る 5 レイシズム 『ウォッチメン』「オジマンディアス」 1 レイシズムとは何か 2 『ウォッチメン』は何をケアするか 3 タルサ暴動を語り直す 4 『フランケンシュタイン』におけるレイシズム批判 6 インターセクショナリティ 『カラーパープル』 1 インターセクショナリティとは何か 2 “声”を獲得していく物語 3 『フランケンシュタイン』のインターセクショナリティ 7 愛 『ワンダー・ウーマン』『もう一人、誰かを好きになったとき』 『鬼滅の刃』『偽姉妹』 1 ゼロサム的な恋愛に抗して 2 ポリアモリーとは 3 メアリ・シェリーの愛の実践 8 エコロジー 『優しい語り手』『オーランドー』『センス・オブ・ワンダー』 1 エコロジー運動の黎明期 2 ワーズワスからウルフまで 3 カーソンの『センス・オブ・ワンダー』 9 ケアの倫理 『虎に翼』『ダロウェイ夫人』 1 〈ケアの倫理〉とは何か――『虎に翼』とケア 2 弱者の「声」に耳を澄ませる 3 『フランケンシュタイン』に描かれるケアの倫理 10 アンチ・ヒーロー 『僕のヒーローアカデミア』『外套』 『「性格が悪い」とはどういうことか』『ベル・ジャー』 1 アンチ・ヒーローとは 2 “ギフテッド”の功罪 3 なぜトガヒミコはヴィランになったのか 4 ロマン主義時代の反逆者たち 参考文献一覧 あとがき - 著者プロフィール - 小川 公代 (オガワ キミヨ) (著) 1972年和歌山県生まれ.上智大学外国語学部教授.ケンブリッジ大学政治社会学部卒業.グラスゴー大学博士課程修了(Ph.D.) 専門―ロマン主義文学,および医学史 著書 『ケアの倫理とエンパワメント』 『ケアする惑星』『翔ぶ女たち』(講談社) 『世界文学をケアで読み解く』(朝日新聞出版) 『ゴシックと身体――想像力と解放の英文学』(松柏社)など 訳書 『エアスイミング』(シャーロット・ジョーンズ著,幻戯書房) 『メアリ・シェリー――『フランケンシュタイン』から〈共感の共同体〉へ』(シャーロット・ゴードン著,白水社)
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エレベーターのボタンを全部押さないでください | 川内 有緒
¥1,980
ホーム社 2025年 ソフトカバー 256ページ 四六判 縦188mm 横131mm 厚さ18mm - 内容紹介 - いつも広い世界を見せてくれるノンフィクション作家・川内有緒、初のエッセイ集。 『パリでメシを食う。』でデビューし、『目の見えない白鳥さんとアートを見にいく』で「Yahoo! ニュース・恂{屋大賞ノンフィクション本大賞」を受賞した川内有緒が、連載していた日経新聞、雑誌「ひととき」など、さまざまな媒体に寄稿したエッセイをセレクトして収録。 メキシコの走る民族、飼っていた2匹の個性的な猫、大反響を巻き起こした「荒れた海で愛を叫ぶ」……。海外での驚くべき旅や出会い、日常に潜む冒険、死生観などを綴り、読者を新しい場所へ誘う。 ユーモラスで味わい深い文章に、温かな感情が湧き上がる。なぜか一歩を踏み出したくなる川内有緒ならではの一冊。 川内さんは丸腰で荒海に飛び込んでいって、宝物のような出会いをつかみ取ってくる。 この本そのものが、冒険で、旅なのだ。――岸本佐知子(翻訳家) 並外れた行動力と筆致。見たことない球をぶんぶん投げてくる。――こだま(作家・エッセイスト) 【目次より抜粋】 第一章 コスタリカのバスのなかで 夢見る島のハンモック 精霊たちのしわざ 走れ! シエラ・タラウマラ 第二章 エレベーターのボタンを全部押さないでください ブックス海があった頃 二匹の猫 第三章 レモンを置きに京都まで ただ本屋に寄っただけ 向田邦子を追いかけて 太陽の塔と危険な読書 第四章 午前四時の試写室から 天国よりも奇妙な場所 女にも名前はある 初めての家出記念日 第五章 声枯れるまで叫ぼう 深夜の奇妙な演奏会 画面の中の孤島 ママ、パスポートはどこ? 冒険家になる人生とならない人生 第六章 未完成な人生に花束を 曇り空の流星観測会 心臓の音を保存する島 アイラブユーと言われたい 荒れた海で愛を叫ぶ 【著者プロフィール】 川内有緒 (かわうちありお) ノンフィクション作家。1972年東京都生まれ。日本大学芸術学部卒業。米国ジョージタウン大学大学院で中南米地域研究学修士号を取得。アメリカ、日本、フランスにて、国際協力分野で12年間働く。2010年以降、東京を拠点に執筆活動。『バウルを探して 地球の片隅に伝わる秘密の歌』で新田次郎文学賞、『空をゆく巨人』で開高健ノンフィクション賞、『目の見えない白鳥さんとアートを見にいく』でYahoo! ニュース|本屋大賞ノンフィクション本大賞を受賞。ドキュメンタリー映画『目の見えない白鳥さん、アートを見にいく』の共同監督を務める。「生まれ変わったら冒険家になりたい」が口癖。
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をとめよ素晴らしき人生を得よ 女人短歌のレジスタンス | 瀬戸 夏子
¥2,090
柏書房 2025年 ハードカバー 256ページ 四六判 - 内容紹介 - 注目を集めたウェブ連載に、 書き下ろしを加えた待望の書籍化。 語られてこなかった女性歌人たちのレジスタンスを、 現代によみがえらせる。 『はつなつみずうみ分光器』の著者が挑む、 女たちの群像伝記エッセイ。 * * * 「きちんと目を向けさえすれば、ちゃんとわかることなのだった。 彼女たちの存在も、彼女たちの歌の価値も。」 ――本書「はじめに」より 1949年、女性だけの短歌結社「女人短歌会」と歌誌「女人短歌」が誕生した。 戦後短歌において独自の場を築き、数多くの才能を送り出してきたにもかかわらず、 彼女たちの活動は十分に顧みられてこなかった。 短歌をはじめ、さまざまな表現領域に光を当ててきた著者が、 男性優位の世界に抗いながら独創的な歌を詠みつづけた女性たちの姿と作品、 知られざるシスターフッドの軌跡を、 時を越えて鮮やかに描き出す。 「この本を読むあなたたちへ。 彼女たちの声も歌も、 おそらく未来のあなたたちに捧げられている。 絡みあった複雑な旋律を、 どうか、耳を澄まして聴いてほしい。」 巻末には、登場する女性歌人たちの作品から著者が選出し、 一首評を加えた精選120首のアンソロジーを収録。 装丁:アルビレオ 装画:三岸節子 本文カット:朝倉摂 目次 はじめに 第1章 大西民子と北沢郁子 第2章 片山廣子と「物語の女」 第3章 斎藤史とコンスタンス・マルキエヴィッチ 補章01 アガサ・クリスティーと中島梓 第4章 北見志保子と川上小夜子 第5章 五島美代子と五島ひとみ 第6章 長沢美津と「女人短歌」 補章02 もうひとつの大西民子と北沢郁子、あるいはデーリン・ニグリオファ、ミア・カンキマキ、ケイト・ザンブレノ 第7章 中城ふみ子と中井英夫 第8章 穂積生萩と釈迢空 第9章 河野愛子と「アララギ」 第10章 葛原妙子と森岡貞香 おわりに 付録「をとめよ素晴らしき人生を得よ」アンソロジー 主要参考文献 - 著者プロフィール - 瀬戸 夏子 (セト ナツコ) (著) 1985年、石川県生まれ。歌人、批評家。著書に、歌集『そのなかに心臓をつくって住みなさい』(現代短歌社)『かわいい海とかわいくない海 end.』(書肆侃侃房)、評論集 『現実のクリストファー・ロビン 瀬戸夏子ノート2009-2017』(書肆子午線)、歌集ガイド『はつなつみずうみ分光器 after 2000 現代短歌クロニクル』(左右社)など。
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今日もよく生きた ニューヨーク流、自分の愛で方 | 佐久間 裕美子
¥1,760
光文社 2025年 ソフトカバー 184ページ 四六判 縦188mm 横128mm 厚さ14mm - 内容紹介 - ニューヨークに暮らして約30年。この街で出会った人々から教えてもらい、少しずつ築き上げたセルフケア、セルフラブの道具箱のおかげで、なんとか自分らしく生き抜いてきた。揃えた道具を取り出しては自分という存在を理解すること、許すこと、愛することを身につけるためのすべを、もがきながら習得しようとしてきた著者。呑気に無傷で生きるなんてできない社会の中で、「今日もよく生きた」と自分に言ってあげたくなる一冊。
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ガラスと雪のように言葉が溶ける 在日韓国人三世とルーマニア人の往復書簡 | 尹 雄大, イリナ グリゴレ
¥1,760
大和書房 2025年 ソフトカバー 192ページ 四六判 縦188mm 横130mm 厚さ14mm - 内容紹介 - 注目の人類学者と在日三世ライターが語る! 自分の子供と異国の言語で話す文化人類学者と自国の言葉を話せないライターが、自らルーツと言語、そして言葉で表現できないアイデンティティと身体感覚について語り合う。
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学びのきほん つながりのことば学 | 齋藤 陽道
¥825
NHK出版 2025年 学びのきほん ソフトカバー 128ページ A5判 - 内容紹介 - うまく話すよりも、大事なことがある。 NHKの長寿番組「おかあさんといっしょ」のエンディング曲「きんらきら ぽん」の作詞を担当、手話を言葉として生きる写真家・齋藤陽道さん。手話を禁じられ、心から言葉が離れていった幼少期。手話に出会い、初めて会話の楽しさを知った高校時代。心の底から他者とつながるために写真を撮り続けた日々。「つながり方」を発見していった過程は、他者との関係性に悩む人を後押ししてくれる。言葉が伝わらないことを身にしみて知っているからこそ見出した、「言葉の共有地」「言葉の解像度」「消感動と宿感動」「存在を聴く」などの視点から、安易なノウハウではない、コミュニケーションの「そもそも」論を学ぶ。 はじめに 言葉とことば 1 ことばの共有地 2 心から離れた言葉 3 手話との出会い 4 「見る」と「見えている」 5 まなざしで伝わったもの 6 あなたと私の「共通言語」 7 相手の存在を聴く 8 ことばは深化する 9 言葉の解像度 10 息づく言葉 11 当たり前を見つめ直す 12 一人ひとりが持つ「カタリナ語」 13 「消感動」と「宿感動」 おわりに そして、はじまりに。 - 著者プロフィール - 齋藤 陽道 (サイトウ ハルミチ) (著) 1983年、東京都生まれ。写真家。都立石神井ろう学校卒業。2020年から熊本県在住。2010年、写真新世紀優秀賞受賞。2013年、ワタリウム美術館にて新鋭写真家として異例の大型個展を開催。2014年、日本写真協会新人賞受賞。写真集に『感動』、続編の『感動、』(赤々舎)で木村伊兵衛写真賞最終候補。著書に『異なり記念日』(医学書院)、『声めぐり』(晶文社)、『よっちぼっち 家族四人の四つの人生』(暮しの手帖社)など。2022年に『育児まんが日記 せかいはことば』(ナナロク社)を刊行、NHKEテレ「しゅわわん!」としてアニメ化。同年、NHKEテレ「おかあさんといっしょ」のエンディング曲『きんらきら ぽん』の作詞を担当。写真家、文筆家としてだけでなく、活動の幅を広げている。
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⾳を⽴ててゆで卵を割れなかった | 生湯葉シホ
¥1,870
アノニマ・スタジオ 2025年 ソフトカバー 168ページ 四六判 - 内容紹介 - 様々なウェブ媒体でライティング、取材で実績のある⽣湯葉シホさん。幼少期から現在にか けて不安でたまらなかった⾃⼰の内⾯を、⾷べものの記憶とともにふり返るエッセイ集。繊 細な⼼の機微を捉え、共感を呼ぶ30篇です。 著者プロフィール 生湯葉シホ (ナマユバシホ) (著) 東京在住。フリーランスのライターとして、Web・雑誌を中心にエッセイや取材記事を寄稿している。読売新聞のWebメディア『大手小町』にてエッセイ連載中。趣味はライブに行くことと香水を集めること。生湯葉のほかには豚汁が好き。最近、吹き矢教室に通おうか悩んでいる。
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キリンが文学を聞いたら サバンナで続ける証言現代文芸史70 | 本よみうり堂(編)
¥1,980
書肆侃侃房 2025年 ソフトカバー 208ページ 四六判 - 内容紹介 - 戦後80年、「本よみうり堂」25年、貴重な文芸の証言70 文学的な出来事やベストセラーにまつわるエピソードから、忘れられない小さな話まで。その時、作家や漫画家はどんなことを考え、感じていたのか? 柴田翔、池田理代子、桐野夏生、綿矢りさ、池澤夏樹、村田沙耶香、筒井康隆、黒柳徹子など、1960年代から2010年代に作品が刊行された作家70人の証言をもとに、「本よみうり堂」の記者が綴る文学の記録。 前作『キリンが小説を読んだら サバンナからはじめる現代文学60』(2021)の続編 2025年8月上旬全国書店にて発売。 「本よみうり堂」とは? 毎週日曜の読売新聞朝刊に掲載されている「本を愛する人たち」で作るページ。 小説やコミック・サブカルから、人文書や学術書まで。読書好きにはたまらないワクワクする記事がいっぱい! - 目次 - はじめに 1960~80年代の証言 柴田翔『されど われらが日々―』1964 /池田理代子『ベルサイユのばら』1972/宮本輝『泥の河』1977/椎名誠『さらば国分寺書店のオババ』1979 /島田荘司『占星術殺人事件』1981/北方謙三『弔鐘はるかなり』1981/野谷文昭『蜘蛛女のキス』翻訳1983/島田雅彦『優しいサヨクのための嬉遊曲』1983/浅田彰『構造と力』1983/中沢新一『チベットのモーツァルト』1983/宮田毬栄 文芸誌「海」1984/唯川恵『青春クロスピア』1985/伊藤比呂美『テリトリー論2』1985/高橋源一郎『優雅で感傷的な日本野球』1988 /吉本ばなな『キッチン』1988/北村薫『空飛ぶ馬』1989 1990年代の証言 穂村弘『シンジケート』1990/鈴木光司『リング』1991/湯本香樹美『夏の庭 The Friends』1992/斎藤美奈子『妊娠小説』1994/又吉栄喜『豚の報い』1996/桐野夏生『OUT』1997/阿部和重『インディヴィジュアル・プロジェクション』1997/金石範『火山島』1997/横山秀夫『陰の季節』1998/乙武洋匡『五体不満足』1998/松岡佑子『ハリー・ポッターと賢者の石』翻訳1999 2000年代の証言 片山恭一『世界の中心で、愛をさけぶ』2001/糸井重里『悪人正機』2001/酒井順子『負け犬の遠吠え』2003/綿矢りさ『蹴りたい背中』2003/白岩玄『野ブタ。をプロデュース』2004/佐伯一麦『鉄塔家族』2004/白石昌則『生協の白石さん』2005/亀山郁夫『カラマーゾフの兄弟』新訳2006/美嘉『恋空』2006/劇団ひとり『陰日向に咲く』2006/池澤夏樹『池澤夏樹=個人編集 世界文学全集』2007/楊逸『ワンちゃん』2008/林望『謹訳 源氏物語』2010 2010年代の証言 和合亮一『詩の礫』2011/きむふな『菜食主義者』翻訳2011/伏瀬『転生したらスライムだった件』2013/最果タヒ『死んでしまう系のぼくらに』2014/柳美里『JR上野駅公園口』2014/村田沙耶香『コンビニ人間』2016/若竹千佐子『おらおらでひとりいぐも』2017/柴田元幸『ハックルベリー・フィンの冒けん』新訳2017/角田光代『源氏物語』現代語訳2020/多和田葉子『太陽諸島』2022/谷川俊太郎『にほんの詩集 谷川俊太郎詩集』2022/見城徹『石原慎太郎短編全集Ⅰ・Ⅱ』2021/平野啓一郎『三島由紀夫論』2023/川上弘美『恋ははかない、あるいは、プールの底のステーキ』2023/髙樹のぶ子『小説小野小町 百夜』2023/九段理江『東京都同情塔』2024/矢野優「新潮」2024年5月号2024/松浦寿輝『松浦寿輝全詩集』2024/辻原登『陥穽 陸奥宗光の青春』2024/五木寛之『忘れ得ぬ人 忘れ得ぬ言葉』2025/筒井康隆 映画「敵」2025 戦争をめぐる証言 黒柳徹子『窓ぎわのトットちゃん』1981/青来有一『爆心』2006/奥泉光『神器 軍艦「橿原」殺人事件』2009/澤地久枝『記録 ミッドウェー海戦』1986/李恢成『地上生活者』2005~/志水辰夫『裂けて海峡』1983/阿刀田高『私が作家になった理由』2019/中村稔『私の昭和史』2004/三木卓『砲撃のあとで』1973 おわりに あとがき - 著者プロフィール - 本よみうり堂 (編) 毎週日曜日の読売新聞朝刊に掲載している本のページです。様々な本に関する企画記事を載せたフロントページと、見開き2ページで作られる書評のページからなります。作家や研究者、芸能関係者をはじめ、様々な分野の外部識者を中心とした約20人の方に読書委員に就いていただき、書評の執筆をお願いしています。書評する本を決めるのは、隔週ごとに開かれる読書委員会です。様々な出版社や著者からいただいた献本をもとに、熱く、楽しく、議論を重ね、読者の方々に充実した本選びの参考にしてもらえるように務めています。 委員会の事務局は、文化部の記者の仕事です。本に関する議論を聞くことは、記者にとっても最も勉強になる場です。時々、成長しすぎてキリンやゾウ、ウサギなど本を愛する変わった生きものたちが育ってしまうこともあるようです。 月曜夕刊(東京本社版)には、話題の本の動きを紹介する「本よみうり堂 トレンド館」や、漫画を取り上げる「コミック館」、児童書を扱う「ジュニアワールド」があります。読売新聞オンラインにも「本よみうり堂」のページを設けています。 近年は紙面の企画をもとに、読書ガイドとなるような本も編んでいます。『キリンが小説を読んだらサバンナからはじめる現代文学60』(書肆侃侃房)のほか、岡ノ谷一夫、梯久美子、牧原出さんとの共著『本棚から読む平成史』(河出書房新社)や、沼野充義、松永美穂、阿部公彦さんとの共編『文庫で読む100年の文学』(中公文庫)を刊行しています。
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牛を食べた日 | 千葉貴子(文・写真)
¥1,870
らくだ舎出帆室 2025年 ソフトカバー 176ページ 文庫判 - 内容紹介 - 「奥まった神聖な地」熊野地方、那智大社の裏手に位置する秘境・旧色川村。この地で、長年自給農家を営んできた「そこそこ農園」の外山哲也さん・麻子さんが、牛耕の復活をめざして大事に育ててきた牛を「食べる」ことに決めた。牛を運び、肉にしてもらうまでの困難、その肉をみんなで分かち合い食べた日、そして後日談。その一連の営みを、同じ村に住む千葉貴子が、文章と写真で記録した一冊。 1頭の牛をきっかけに考える、今この時代に動物を殺して食べることその意味。昔ながらの暮らしが色濃く残る中山間地で、いまも、これからも生きていくこと…。 大きな文脈では見えにくい小さな営みから掘り起こす確かな生の手応えは、きっとさまざまな人の思考や生活につながっている。そんな気持ちで作った、らくだ舎出帆室発のルーラル・ノンフィクション。 - 著者プロフィール - 千葉貴子 (チバタカコ) (文・写真) 一九八五年茨城県生まれ。大学卒業後、二〇〇八年に生活協同組合の広報物制作を担う編集制作会社に入社。農・食を中心とした執筆、編集を学ぶ。二〇一六年、独立と同時に和歌山県那智勝浦町色川地区に移住。農・食・環境・地域の四つをテーマに仕事を受託しつつ、夫の智史とともに、週三生活文化複合拠点「らくだ舎」(喫茶室・本屋・図書室・地域商店)を運営しながら、らくだ舎出帆室として出版活動を行っている。
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ジブンの世界はジンブンでできている ―わかったことしか書かない哲学者×「研究」に興味がない考古学者×悩めるフィクション研究者― | 梶谷真司, 折茂克哉, 岡田進之介, ジブンジンブン編集部(編)
¥1,980
ジブンジンブン 2025年 ソフトカバー 四六判 - 内容紹介 - こんな「学び」もあったんだ! あなたの世界の見方を変える、人文学の世界へようこそ。 自分は、何に興味があるんだろう? 学びたい気持ちはあるけど、何から手をつけたらいいんだろう? 自分ならではの視点で世界をとらえなおす「人文学」の研究者たちに話を聞いてみたら、寄り道・偶然・紆余曲折だらけの旅路が見えてきた! 進路に迷う中高生のあなたにも、何かを学びたいと思い始めた社会人のあなたにも。読めば明日から「ジブンごと」探しを始めたくなる、まったく新しい「人文学」入門が誕生。三人のはみだし人文系研究者たちの濃厚インタビュー&対談集! ■本書に登場する研究者たち 梶谷真司:わかったことしか書かない哲学者。大学で研究するだけでなく、学校や地域で「共創哲学」に取り組んでいる 折茂克哉:「研究」に興味がない考古学者。大学附属の博物館で、美術・農学・地学などの幅広い展覧会づくりに携わる 岡田進之介:悩めるフィクション研究者。大学院の博士課程で、映画などのフィクションを主な題材に、分析美学を研究 ■もくじ ・まえがき ・第一部 わかったことしか書かない哲学者 授業を取らない学部生時代/シュミッツとの出会いと「分かる」体験/あらゆる分野で初学者だった ほか ・第二部 「研究」に興味がない考古学者 考古学者としてのキャリア/博物館のお仕事/好きなことでは生きていかない ほか ・第三部 哲学者と考古学者がフィクションについて考えてみた 発泡酒と韓国ドラマ/俺の感情を雑に扱うな/「あれ?このつまんない映画、前にも観たな」/無音のサメは怖くない/「かっこいい」と「正しい」は似ている/七年目の新発見「自分、ハイデガー好きじゃなかったんだ」/SF少年、考古学を志す/人文学は一人でできる ほか ・あとがき ・ブックリスト ■ジブンジンブン編集部について 「ジンブン学をジブンごとに」を合言葉に、人文学のおもしろさを発信するプロジェクト。2018年、東京大学在学中に結成。同大学の学園祭で、人文学研究の魅力を紹介する展示「ジブン×ジンブン」を出展し、3日間で1500人を動員。メンバーの大学卒業・就職を経て、2025年から出版社としての活動を本格始動。コンテンツやワークショップを通じて、人文学のエッセンスを日常生活に取り入れる楽しさを伝えている。 - 目次 - ■もくじ ・まえがき ・第一部 わかったことしか書かない哲学者 授業を取らない学部生時代/シュミッツとの出会いと「分かる」体験/あらゆる分野で初学者だった ほか ・第二部 「研究」に興味がない考古学者 考古学者としてのキャリア/博物館のお仕事/好きなことでは生きていかない ほか ・第三部 哲学者と考古学者がフィクションについて考えてみた 発泡酒と韓国ドラマ/俺の感情を雑に扱うな/「あれ?このつまんない映画、前にも観たな」/無音のサメは怖くない/「かっこいい」と「正しい」は似ている/七年目の新発見「自分、ハイデガー好きじゃなかったんだ」/SF少年、考古学を志す/人文学は一人でできる ほか ・あとがき ・ブックリスト - 著者プロフィール - 梶谷真司 (カジタニシンジ) (著) 東京大学大学院総合文化研究科教授。京都大学大学院人間・環境学研究科修了。専門は哲学、医療史、比較文化。近年は学校や企業、地域コミュニティなどで「共に考える場」を作る活動を行い、いろんな人が共同で思考を作り上げていく「共創哲学」という新しいジャンルを追求している。近著に『考えるとはどういうことか 0歳から100歳までの哲学入門』(幻冬舎、二〇一八年)、『書くとはどういうことか 人生を変える文章教室』(飛鳥新社、二〇二二年)、『問うとはどういうことか 人間的に生きるための思考のレッスン』(大和書房、二〇二三年)がある。 折茂克哉 (オリモカツヤ) (著) 一九九三年明治大学文学部史学地理学科考古学専攻卒業。一九九七~一九九九年ロシア科学アカデミーサンクトペテルブルグ物質文化史研究所研究生。二〇〇二年國學院大學大学院文学研究科日本史学専攻考古学コース博士課程後期修了(博士(歴史学))。二〇〇二年六月東京大学大学院新領域創成科学研究科環境学専攻学術研究支援員、同年十月國學院大學21世紀COEプログラム研究員。二〇〇三年東京大学教養学部美術博物館教務補佐員を経て、二〇〇四年より東京大学大学院総合文化研究科・教養学部駒場博物館に勤務(助教)。専門は博物館学、先史考古学。 岡田進之介 (オカダシンノスケ) (著) 二〇一九年東京大学文学部言語文化学科現代文芸論専修卒業。二〇二一年東京大学大学院人文社会系研究科基礎文化研究専攻美学芸術学専修修士課程卒業(修士(文学))。現在同専修博士後期課程所属。二〇二一年十月~二〇二四年三月、国立研究開発法人科学技術振興機構 次世代研究者挑戦的研究プログラムプログラム生。専門は現代英米圏の美学のフィクション論・物語論。 ジブンジンブン編集部 (ジブンジンブンヘンシュウブ) (編) 「ジンブン学をジブンごとに」を合言葉に、人文学のおもしろさを発信するプロジェクト。 2018年、東京大学在学中に結成。同大学の学園祭で、人文学研究の魅力を紹介する展示「ジブン×ジンブン」を出展し、3日間で1500人を動員。 メンバーの大学卒業・就職を経て、出版社としての活動を本格始動。コンテンツやワークショップを通じて、人文学のエッセンスを日常生活に取り入れる楽しさを伝えている。
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スノードーム | 香山 哲
¥2,200
生きのびるブックス 2025年 ソフトカバー 四六判 - 内容紹介 - 考え続けよう。世界を知るために 小説に登場するのは、スノードームの中のオブジェたち。オブジェたちの間に流れた「滅亡の噂」について、話し合い、考え続ける、小さな世界のお話では。「考えるとは何か」「その先に何があるのか」。そんなことに興味がある、すべての人に読んで欲しい1冊です。 - 著者プロフィール - 香山哲 (カヤマ テツ) (著) 漫画やコンピューターゲームやエッセイなどを制作。『香山哲のファウスト1』が2013年に第17回文化庁メディア芸術祭マンガ部門審査員推薦作品に入選。『心のクウェート』が2017年にアングレーム国際漫画祭オルタナティブ部門にノミネート。不可思議移住エッセイマンガ『ベルリンうわの空』が2021年に『このマンガがすごい! 2021』(宝島社)オトコ編10位にランクイン、第24回文化庁メディア芸術祭マンガ部門審査員会推薦作品に入選するなど、大きな話題に。著書に漫画の新連載計画を練る過程を描いた『香山哲のプロジェクト発酵記』『レタイトナイト』など。 https://kayamatetsu.com
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島まみれ帳 | ミロコマチコ
¥1,870
ブロンズ新社 2025年 ソフトカバー 224ページ A5判 縦210mm 横148mm - 内容紹介 - ミロコマチコの奄美暮らしを「エッセイ+イラスト+写真」で綴る一冊 「はじめて空港に降り立った瞬間の空気が、もう好きだった」 2017年春、仕事で初めて訪れた奄美大島に魅せられて以来、 ミロコマチコさんはわずかな時間を見つけては奄美へ足を運ぶようになります。 都会暮らしに違和感を覚えはじめていた頃で、2年の助走期間を経て、 2019年、4匹の猫たちを連れて東京から奄美へ移住。 生命力あふれる南の島で、まったく新しい生活をスタートさせます。 当初は、人と触れあわず、自給自足に近い生活を求めていたそうですが、 ダイナミックな南国の自然と共生している島人(しまっちゅ)の暮らしに惹きつけられ、 集落の行事に積極的に参加するようになります。 ブロンズ新社ウェブサイトで、長年連載してきたイラスト&エッセイ「ミロコあたり」。 本書では、34篇の「イラスト&エッセイ」に加えて、描き下ろしイラストと53点の写真を収録。 「いのち」を描く画家として、絵本作家として、どんな体験をし、暮らしてきたのか、 「島にまみれていった」ミロコさんの克明にして鮮やかな6年間の生活記録。 地方移住の読み物としても大いに愉しめます。
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あしたやさしくなれますように | はしもと みお
¥3,300
小学館 2025年 ハードカバー 160ページ A5判 - 内容紹介 - 動物達の輝きを遺す彫刻家、初のペン画文集 はしもとみおさんは動物たちの姿を木彫で表現する彫刻家です。幼い頃から動物を愛し、獣医を夢見るようになったはしもとさんは、15歳のときに阪神・淡路大震災(1995年)と遭い、多くの動物たちの命が失われる光景に衝撃を受けます。この経験から、はしもとさんは動物たちの命を治療する獣医ではなく、動物たちの姿や手ざわり、思い出を作品として遺そうと彫刻の道を志します。まるで生きているかのような温もりや、息づかいまでも感じさせるはしもとさんの作品は評判と共感を呼び、各地で展覧会が開催され、海外からも製作の依頼が舞い込んでいます。本書は、はしもとさんが23歳のとき、ともに芸術家を目指した親友へ贈った手造りの画文集がもとになっています。はしもとさんは親友のためにさまざまな動物を描き、「人からどう思われてもいい」「いつか世界一になる」「昨日までの自分を捨てる勇気がほしい」といった手書きのメッセージを添えて1冊の本にして贈りました。思い通りにいかないときや、誰かと話したいとき、イヌやネコ、クマ、ゾウ、キリンといった動物たちが語りかけてくれるような数々の言葉に心が軽くなります。贈り物にも最適です。 【編集担当からのおすすめ情報】 テレビ番組や雑誌等で数多く紹介されている彫刻家・はしもとみおさんの初のペン画文集です。本書に掲載されている原画のほか、はしもとさんの作品を展示する展覧会 「はしもとみお木彫展 いきものたちとの旅」が2025年7月19日より群馬県立館林美術館を皮切りに、全国を巡回する予定です。各会場では、はしもとさんのトークショーやワークショップ、コンサート等が予定されていますので、ぜひ、お立ち寄りください。 「はしもとみお木彫展 いきものたちとの旅」の日程と会場 2025年7月19日~9月23日/群馬県立館林美術館 2025年10月18日~12月7日/丹波市立植野記念美術館