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「らしさ」について考えた | 畑中 章宏
¥2,970($19.33)
どく社 2026年 ソフトカバー 208ぺージ B6変形判 縦168mm 横120mm 厚さ19mm - 内容紹介 - 民俗学でひもとく 「男らしさ」「女らしさ」「もっともらしさ」「わざとらしさ」…。 押しつけられた「らしさ」に抗しつつ、 豊かな「らしさ」を生みだせないものか ――在野の民俗学者による珠玉の評論集。 大学・高校入試にも多数採用 岩波書店『図書』連載に書き下ろしを加えた待望の書! その「らしさ」は、どこから来て、なぜ私たちを縛るのか? ジェンダー、アイデンティティ、AIと人間…… 今あらゆる場面で問い直されるテーマに、 民俗学という角度から光を当てる。 「何かしらの通念に依拠する『らしさ』群は、曖昧な観念にもとづく規範的な力が不安を助長する(中略)。ただいっぽうで、『らしさ』のない社会も無味乾燥なものである。押しつけられた『らしさ』に抗しつつ、豊かな『らしさ』を生みだせないものか」(本文より) - 目次 - はじめに 子どもらしさ 女らしさ 男らしさ もっともらしさ わざとらしさ 自分らしさ 人間らしさ 日本らしさ たしからしさ おわりにーー大阪らしさ 前書きなど はじめに 日々暮らしていくなかで、「らしさ」の付いた言葉を目にする機会が少なくない。本や雑誌、インターネットをとおして、「らしさ」が目に飛びこんでくる。そして、ある種の強制や拘束力で、「らしさ」は私たちのからだを覆っているようにさえ思われる。 「女らしさ」や「男らしさ」、あるいは「子どもらしさ」といった言葉は、決して耳ざわりがいいものではないのに、とっさに口にのぼせられる。 国語辞典で「らしさ」を引くと、「《接尾語「らしい」の語幹に、接尾語「さ」の付いた語》名詞や形容動詞の語幹に付いて、そのものの特徴がよく出ていることを表す」と記される(『大辞泉』第二版)。また、「そのものにふさわしい様子をしていること、まさにそのものであると判断される程度、などの意の名詞をつくる」(『日本国語大辞典』第二版)とされ、その用例として「自分らしさ」「子供らしさ」「確からしさ」などの「らしさ」が挙げられ、単独で用いた場合には、「その人や物事の特徴」を表わし、「らしさを発揮する」という用例がある。 「らしさ」は、あるものにたいする、理想や期待を担わせる。「女らしさ」や「男らしさ」や「子供らしさ」、それに「日本人らしさ」なども、女性や、男性や、日本人にたいする期待の表明である。「自分らしさ」や「私らしさ」は、その方向が、自分から自分に向けられる。こうした「らしさ」の中身は、時代によって変化する。そして性別や年齢、所属や職業ごとに、だれもが「らしさ」の洗礼を受けてきたのである。 * この本はいまから三年から四年前、右のような書き出しで、雑誌に連載した原稿をもとにしている。事情があって、これまで本として世に出ていなかったのだけれども、そろそろ形にしたいと思うようになったのである。 それにはいくつかの理由がある。ひとつには現在も、「らしさ」が幅を利かしているように見えるからだ。この間に、「らしさ」をめぐる本が数多く出版された。そしてそのほとんどが、「女らしさ」と「男らしさ」にかんするものだ。つまり、いろいろな「らしさ」のなかでも、ジェンダーやセクシュアリティをめぐる「らしさ本」が、次々と刊行されたことになる。 そうした「女らしさ本」や「男らしさ本」にふれた人には、ジェンダーやセクシュアリティについての本書のアプローチは、いささか物足りなく感じるかもしれない。 また、「日本らしさ」や「日本人らしさ」についても、愛国心やナショナリズムとはいえないようなナイーブな態度が目立つようになり、凡庸な排外主義を生みだしている。 「そろそろ形にしたいと思うようになった」のには、また別の理由がある。それはこの連載のいくつもが、大学入試の現代国語の試験問題に使用されてきたことがある。これは著者としては望外の喜びなのだが、「らしさ」が試験問題を作成する人にとって「試験問題らしさ」を感じさせるからだろう。それはともかく著者としても、「○○らしさ」がユニークな切り口であることを再認識したしだいである。 なお本書をいま世に問うにあたり、近年の「らしさ」本を踏まえて、連載に手を加えることもありえたが、連載にはその頃の空気や私の思いが流れ、また私の限界が露呈していることもあり、あえてそのままにしている。ただしそれは言い訳にすぎず、現代の日本の「らしさ」から時代遅れになっている部分もあるため、その点については、この本のために書き下ろした「たしからしさ」でふれることにした。 それではそろそろ、「らしさ」の迷路に迷いこんでいくことにしよう。 - 版元から一言 - 民俗学者の畑中章宏さんによる評論集。民俗学の知見で、「らしさ」という言葉のもつ窮屈さや、多様さをさまざまな「らしさ」をもとにひもときます。装丁もちいさく凛とした上製本で、「書籍らしさ」の感じられる書籍となっています。 - 著者プロフィール - 畑中 章宏 (ハタナカ アキヒロ) (著) 民俗学者。 1962年大阪生まれ。近畿大学法学部卒。平凡社の編集者として、雑誌『月刊太陽』のほか、荒木経惟、佐内正史の写真集の編集にたずさわる。2000年にフリー編集者として独立、2010年頃から著述に重点を移し、災害伝承、民間信仰から流行現象まで、幅広い領域に取り組んでいる。著書に、『宮本常一』(講談社現代新書)、『災害と妖怪』(亜紀書房)、『廃仏毀釈』(ちくま新書)、『21世紀の民俗学』(KADOKAWA)、『死者の民主主義』(トランスビュー)、『五輪と万博』(春秋社)、『ごん狐はなぜ撃ち殺されたのか』(晶文社)、『新・大阪学』(SB新書)、『『忘れられた日本人』をひらく』(若林恵との共著、黒鳥社)、『オルタナティブ民俗学』(島村恭則との共著、誠光社)ほか。最新刊は『老いに追われて』(rn press)。
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世界浴場見聞録 | こばやし あやな
¥2,420($15.75)
学勢出版社 2026年 ソフトカバー 240ページ 四六判 - 内容紹介 - 浴場は、風呂やサウナだけにあらず。ロシアの灼熱浴室に身悶えながらも通い詰め、スリランカで温浴医療を求めて入院を志願し、モロッコの公衆浴場でムスリムと身を寄せ合って垢をすり、メキシコで蒸気浴部屋を司る古代の神々と邂逅する…身一つで世界50カ国を巡り歩いたフィンランド在住サウナ文化研究家の体当たり入浴旅 - 目次 - はじめに 私が世界浴場旅に出る理由 世界地図 1章 東南アジア・南アジア:東洋の伝統医療を支える、ハーブの恵みと温浴療法 ●タイの蒸気浴オップサムンプライ:産後ケアの風習から生まれた、芳香豊かな浴室 ●ラオスの蒸気浴ホムヤ:緑草が香る、風通しのよい公衆浴場とマッサージ屋 ●スリランカの蒸気浴スヴェーダナ:古式医学アーユルヴェーダの発汗ケア ●ベトナムの湯浴タムタオズオック:少数民族が受け継ぐ薬湯の湯治習慣 ━column① 世界の浴場で嗜むペアリング・ドリンク 2章 ロシア・中央アジア:寒冷地域の日常に寄り添う、生活インフラの蒸気浴場 ●ロシアの蒸気浴バーニャ:帝政期の階層社会が生んだ、灼熱の公衆浴場 ●キルギスの蒸気浴モンチョ:石炭で温める共同浴場は、村人たちの交流サロン ●カザフスタンの蒸気浴モンシャ:給湯制限のある村で重宝される、民家の庭に佇む浴室 ━column② 世界各国のアフター温浴ごはん 3章 中欧・南欧:欧州ウェルネススパの歴史と、サウナの独自進化 ●全裸で混浴し、サウナでタオルを振り回す異文化との遭遇 ●世界の公衆浴場のルーツ、古代ローマ浴場が流行るまで ●温泉街から広まった近世のスパ・ルネッサンス ●ドイツ人が見出した、健康法としての次世代サウナ ━column③ 世界の浴場で使う温浴グッズ これなんだ? 4章 イスラーム圏・南コーカサス:信仰を育む清めの公衆浴場と、そのローカライズ ●トルコの熱気浴ハマム:オスマン帝国繁栄の陰に浴場あり ●モロッコの熱気浴ハマム:浴場に座り込み垢すりに勤しむ人々 ●ジョージアの湯浴アバノ:温泉大国に生まれた異文化コラージュ浴場 ━column④ 世界の秘境で湧く仰天温泉3選 5章 バルト三国・北欧:それぞれの道をゆく、似て非なる蒸気浴文化たち ●リトアニアの蒸気浴ピルティス:施しの伝統に根ざす自然回帰セッション ●フィンランドの蒸気浴サウナ:ロウリュ一筋のサウナ機会均等社会 ●その他のバルト&北欧諸国の蒸気浴:各国の社会が透ける、近代温浴史と現代のトレンド ━column⑤ スモークサウナが密集する村 サウナキュラ 6章 北米:古代文明の神々が見守る、儀式のための蒸気浴室 ●メキシコの蒸気浴テマスカル:神話の世界観を踏襲する、蘇生と対話の儀式 ━column⑥ メキシコの聖なる冷泉 セノーテでの沐浴 7章 日本:おもてなし精神に満ちた、類まれなマルチ温浴文化 ━column⑦ フィンランドから大阪老舗銭湯にやって来た、幻のタイル絵 おわりに - 著者プロフィール - こばやし あやな (コバヤシ アヤナ) (著) フィンランド在住のメディアコーディネーター、サウナ文化研究家。1984年岡山県生まれ、大阪・神戸育ち。大阪大学大学院に在学中、フィンランド・ヘルシンキ工科大学(現アールト大学)建築学科に留学し、帰国後にフィンランド語の独学を始める。東京で雑誌編集者として働いたのち、2011年フィンランドに移住しユヴァスキュラ大学大学院人文学研究科で芸術教育学を学ぶ。在学時代に「現代社会における公衆サウナの新しい意義」というテーマで執筆した修士論文が国内で話題になり、2016年に同大学院を首席で修了。卒業後に現地で起業し、現在はコーディネーターや通翻訳者として活動する傍ら、世界の温浴文化の調査活動を続けている。2025年にはフィンランド・サウナギルドより日本人初のSaunamestari(サウナマイスター)の称号を与えられた。著書『公衆サウナの国フィンランド』『クリエイティブ・サウナの国ニッポン』(共に学芸出版社)、訳書『究極のサウナフルネス』(東洋経済新報社)など。
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宮本常一 民俗学を超えて|木村 哲也
¥1,056($6.87)
岩波書店 2026年 岩波新書 ソフトカバー 248ページ 新書判 縦188mm 横129mm 厚さ23mm - 内容紹介 - 生涯をかけて各地を旅し、人々の声に耳を傾けつづけた宮本常一。『忘れられた日本人』をはじめとする仕事は、従来の日本像を見直す民俗学の成果であるとともに、民俗学を超えて、多大な影響を与えてきた。網野善彦、司馬遼?太郎ら、宮本の言葉と行動を受けとめ独創的な仕事を成した人々を通して、今に生きる宮本民俗学を考える。 【目次】 プロローグ 故郷・周防大島から 旅の原風景 対照的な二人の祖父 出稼ぎと移民の島 女の世間 民俗学への道 仕事と評価 宮本常一を受け継ぐ人びと 第一章 明治維新を聞き書きする――鶴見俊輔と『日本の百年』 庶民から見た明治維新 干支でひとまわり六〇年という時間感覚 明治百年記念の国家事業に対抗 『日本の百年』の方法 鶴見俊輔にとっての聞き書き 宮本常一と思想の科学研究会 近くて遠い過去 第二章 世間師の発見――安丸良夫と民衆思想史 ある世間師との出会い 宮本常一の大阪時代 『旧事談』の新規性 安丸良夫の民衆思想史への影響 民衆史研究者との距離 農村出身者としての感覚 第三章 非農業民への視座――網野善彦による歴史の読み直し 非農業民への着目 網野善彦と日本常民文化研究所月島分室 「百姓」とは何か 東日本と西日本 海民の世界 宮本常一再評価に先鞭 宮﨑駿アニメへの示唆 第四章 離島から日本を見る――谷川雁のコミューン構想と島尾敏雄の「ヤポネシア」論 離島振興という問題 島の文化 谷川雁とトカラ列島臥蛇島 現代のコミューンを幻視する リアリズムとロマンティシズム 島尾敏雄の「ヤポネシア」論 「ヤポネシア」論の広がり 宮本常一の南島論 第五章 「土佐源氏」をめぐって――石牟礼道子と詩的インスピレーション 「土佐源氏」誕生 『忘れられた日本人』という書名 石牟礼道子の「土佐源氏」評 『遠野物語』の受容 「餓鬼阿弥蘇生譚」としての「土佐源氏」 第六章 「される側」からのルポルタージュ――本多勝一の方法 森崎和江の宮本常一批判 調査地被害 「される側」からの衝撃 庄屋の台所の五〇個のハンコ アイヌ文化を記録・保存する 第七章 人の移動と文化の伝播――司馬遼太郎と『街道をゆく』 土佐で稼いだ長州大工 司馬遼?太郎との面会 傍流から歴史を見る 『街道をゆく』における宮本常一への言及 エピローグ 「日本」をめぐって――鶴見良行のアジア学 海から見た日本 個別性と普遍性 小川徹太郎による批判 鶴見良行のアジア学 既存の「日本」像への挑戦 主要参考文献 図版出典一覧 あとがき
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水中遺跡はそこにある | 佐々木 ランディ
¥1,320($8.59)
筑摩書房 2026年 ちくまプリマー新書 ソフトカバー 290ページ 新書判 - 内容紹介 - モノ、場所、謎が面白い、いちばん身近な遺跡案内! 蒙古襲来の動かぬ証拠、湖に沈んだ村、数百年前の沈没船が今もつなぐ異国との絆……。 北は北海道、南は沖縄。海なし県にも首都圏にもある面白くて身近な水中遺跡をご紹介! 地域と「うみ」とのつながりの歴史を探究しよう。 - 目次 - 第一章 水中考古学のはじまり 第二章 鷹島海底遺跡と日本の水中考古学 第三章 モノが面白い 1 長崎県 小値賀島──富士山型のインゴット 2 和歌山県 エルトゥールル号──船乗りが使った香水瓶 3 鹿児島県 倉木崎海底遺跡──二三〇〇点の高級陶磁器 4 北海道 開陽丸──ハート型の葵の御紋 第四章 訪ねて面白い 1 福島県 桧原湖──湖に沈んだ村 2 沖縄 ファン・ボッセ号──多良間の美しい「海」と「ことば」 3 神奈川県 相模湾──身近な海の歴史 4 徳島県・高知県 各地に残る災害碑――震災の記憶を受けつぐ 第五章 謎が面白い 1 福岡県 相島海底遺跡──大宰府と平安京のつながり? 2 千葉県 サン・フランシスコ号──トレジャーハンターからの電話 3 広島県 いろは丸──坂本龍馬の? 4 山梨県 本栖湖──「遺跡形成要因」問題の最先端 第六章 ヴァーサ号と世界の水中考古学 - 著者プロフィール - 佐々木 ランディ (ササキ ランディ) (著) 1976年生まれ、神奈川県出身。帝京大学文化財研究所准教授。高校卒業後に渡米し、サウスウェストミズーリ大学卒業後、テキサスA&M大学大学院にて博士号(人類学部海事考古学)取得。日本各地のさまざまな水中遺跡調査に携わるかたわら、水中考古学の普及のため、講演・イベント企画などの活動を続けている。著書に『水中考古学──地球最後のフロンティア』(エクスナレッジ)、『沈没船はタイムカプセル』 (「たくさんのふしぎ」2023年7月号、イラスト・矢野恵司)などがある。
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辺境のラッパーたち 立ち上がる「声の民族誌」 | 島村一平(編集)
¥3,520($22.91)
青土社 2024年 ソフトカバー 544ページ 四六判 - 内容紹介 - ラッパーのことばに耳をすませば、世界のリアルが見えてくる。 戦火が絶えないガザやウクライナで、弾圧が続くチベットやイランで、格差にあえぐモンゴルやインドで、海の端の日本で――。アメリカで生まれたヒップホップ文化、なかでもラップミュージックは世界に広がり、「辺境」に生きる者たちは声なき声をリリックに託す。現代社会の歪みを鮮やかに映し出す、世界各地のラッパーたちの声を幅広い執筆陣が紹介する。ラッパー、ダースレイダー、ハンガー(GAGLE)のインタビューも収録。
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アイヌがまなざす 痛みの声を聴くとき | 石原 真衣, 村上 靖彦(著/文)
¥2,970($19.33)
岩波書店 2024年 ハードカバー 376ページ 四六判 縦188mm 横129mm 厚さ26mm - 内容紹介 - いまだ継続する不正義と差別に抗して、アイヌの人々は何を問い、行動してきたのか。五人の当事者へのインタビューから現代アイヌの〈まなざし〉を辿ると共に、アイヌの声を奪い、語りを占有し続ける日本人のあり方を問う。 目次 序 章 まなざされるアイヌとまなざし返すアイヌ 第1部 遺骨返還運動とアイヌ近代史 第1章 先人の尊厳と未来の教育――遺骨返還運動にたずさわる木村二三夫さん 第2章 アイヌ文化を伝えられてこなかったことに誇りを持っている――親族の遺骨を探索するBさん 第3章 幽閉されるアイヌと遺骨 第2部 インターセクショナリティ 第4章 アイヌ女性と複合差別――ヘイトスピーチと闘う多原良子さん 第5章 先住民フェミニズム批評――Ain't I a Woman? /「私」は女ではないの? 第3部 アイヌと外部を行き来する 第6章 羽をパタパタさせればいい――アイヌ近現代史研究者である新井かおりさん 第7章 家出少年は傍らに神話を持つ――美術家結城幸司さん 第8章 思想的消費とまなざしの暴力 終 章 まなざしの転換 あとがき 交差する場所をひらく 謝 辞 - 著者プロフィール - 石原 真衣 (イシハラ マイ) (著/文) 1982年北海道サッポロ市生まれ.アイヌと琴似屯田兵(会津藩)のマルチレイシャル.北海道大学アイヌ・先住民研究センター准教授.文化人類学,先住民フェミニズム.著書に『〈沈黙〉の自伝的民族誌(オートエスノグラフィー)』(北海道大学出版会2020,大平正芳記念賞),編著書に『アイヌからみた北海道150年』(北海道大学出版会2021),『記号化される先住民/女性/子ども』(青土社2022)など. 村上 靖彦 (ムラカミ ヤスヒコ) (著/文) 1970年東京都生まれ.大阪大学人間科学研究科教授・感染症総合教育研究拠点(CiDER)兼任教員.現象学.著書に『摘便とお花見』(医学書院2013,日本学術振興会賞),『子どもたちがつくる町』(世界思想社2021),『ケアとは何か』(中公新書2021),『「ヤングケアラー」とは誰か』(朝日新聞出版2022),『客観性の落とし穴』(ちくまプリマー新書2023),『すき間の哲学』(ミネルヴァ書房2024近刊)など.
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ひとりみんぱく | 松岡 宏大
¥3,520($22.91)
国書刊行会 2024年 ハードカバー 256ページ 四六変型判 - 内容紹介 - もしかしたら「物の本」だと思っている人もいるかもしれないが、これは「旅の本」だ。(「あとがき」より) ◇ 「ひとりみんぱく」とはなにか? 写真家・編集者・ライターとして世界中を旅してきた松岡宏大氏の部屋には、世界各地の文物であふれている。みんぱく=国立民族学博物館。すなわち、わが家の民族学博物館、それが「ひとりみんぱく」だ。1990年代よりバックパッカーとして世界をめぐり、現地で出会った人々や景色、そして蒐集してきた数々の物もの。土器、漆器、仮面、仏像、絨毯……どこか不思議な魅力をもつ工芸、民藝の数々。インドで、チベットで、ミャンマーで、リビアで、サハラ砂漠で、文物からは旅の記憶があふれだし、含蓄? 蘊蓄? 軽快なるエッセイを挟みつつおくる本書は、物の本か? 旅の本か? 地球をまるごと感じる、The Museum of Ethnology in My Hands! 松岡氏は、『地球の歩き方 インド』をまとめ、美しき絵本『夜の木』で知られるタラブックスの本を上梓するなど、とりわけインドに造詣が深い。私家版『ひとりみんぱく123』『ひとりみんぱく45』が好評、美しい本づくりで定評のサイトヲヒデユキ氏のブックデザインを得て、満を持して世の中におくりだす! 収録物品120点超に、美しい旅の写真。美麗クロス装。 ◇ 「みんぱく」とは大阪の万博記念公園内、太陽の塔のとなりに建つ「国立民族学博物館」の愛称である。本書の『ひとりみんぱく』というタイトルであるが、これは初めて僕が「みんぱく」を訪れた際、「うちにもあるな……」という感想を抱いたことに由来する。 仕事柄、世界中を旅しながら暮らしてきたが、行く先々でその土地の文物を蒐集してしまうところがある。その文物は、世間的な価値とはまったく無縁だが、自分の好奇心の方向性から、その国の文化・歴史・神話を内包しているものを好む傾向にある。そして、日本に帰ったあと、部屋で一緒に旅の思い出を語り合える話し相手のようなものであることが重要だと考えている。もちろん日本で手に入れたものや、人からいただいたものも含まれている。しかし、自分の旅してきた道筋から外れないよう心がけている。蒐集の基準軸は、常に「個人的な旅の記憶」と「人とつながり」に置いている。 今回、本書を著すにあたり自らの蒐集した品々をあらためて見返してみたが、本当に役に立たないものばかりだ。残念だ。同時に、僕にとってはかけがえのないものばかりだ。 これらの文物を手のひらにのせ愛でてみる。重みや質感、細工、その歪みや温みを確かめる。太陽の光の下で陰が際立つものもあれば、暗闇の中でこそ光り輝くものもある。それは自分の手で触れてこそわかることで、自分の足で旅をしてこそ出会える風景と一緒だ。 僕はこれらを手に入れたときに出会った人たちの顔や祈りの景色を思い出すだろう。そこで吹いていた風や夜空を満たす星のことを思い出すだろう。 旅の記憶こそ僕にとっていちばんの財産なのだから。 (「まえがき」より) - 著者プロフィール - 松岡宏大 (マツオカコウダイ) (著/文 | 写真) 写真家・編集者など。『地球の歩き方 インド』など、インドやアフリカを中心に辺境エリアのガイドブックの取材・編集に携わる。共著に『持ち帰りたいインド』(誠文堂新光社)、『タラブックス――インドのちいさな出版社、まっすぐに本をつくる』(玄光社)などがある。またインドのTara Booksよりバッジュ・シャームとの共著『Origins of Art: The Gond Village of Pathangarh』を上梓。写真展として『アディワシ――大地と生きる人々』(bonon kyoto、KYOTO GRAPHIE KG +)、『TRIBES in BASTAR』(Rungta)を開催。KAILAS名義で著作やイベントもおこなう。
