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民俗学×宗教学で読み解く 妖怪解剖図鑑 | 小松 和彦(監修), 正木 晃(著)
¥2,090($13.32)
エクスナレッジ 2026年 ソフトカバー 192ページ A5判 - 内容紹介 - どんな魂にも 「善」と「悪」の二面性がある。 もしかすると 神仏も妖怪なのかもしれない。 はるか昔の神話の時代から現代まで、 人々に恐れられながらも人間社会にひそんできた妖怪たち。 なぜ妖怪は、こんなにも私たちを魅了し続けているのでしょうか。 本書では、民俗学的な妖怪研究の蓄積を踏まえながら、 宗教学者・正木晃氏ならではの視点で、 神仏と妖怪、善と悪、生と死、日本の妖怪と世界の魔物の対比など、 さまざまな切り口から さながら曼荼羅のように、日本の妖怪文化を読み解きます。 「宗教学者に学ぶ妖怪学入門」をはじめ、 日本の歴史の中の史実と妖怪の関係が一目でわかる「妖怪年表絵巻」や 各都道府県の知られざるユニークな妖怪まで広く登場する 「都道府県別妖怪図鑑」などを通じて、130超の妖怪たちが大集結。 日本の妖怪学の第一人者である小松和彦氏が監修しています。 妖怪を深く知れば、私たちが生きる世界もまた、違って見えてくることでしょう。 ■目次■ 序章:年表で綴る日本の妖怪史「日本列島妖怪天国」 日本の妖怪年表絵巻/形態から見る妖怪の3タイプ/他 1章:日本人が恐れ親しんできた「伝統の妖怪」 両面宿儺/八岐大蛇/天狗/九尾の狐/鵺/百鬼夜行/河童/化け猫/式神と疫病神/他多数 2章:宗教学者に学ぶ「妖怪学入門」 妖怪の起源は愛惜と恐怖/古代の怪異譚/物語の世界の妖怪/死後に祟る怨霊/仏教由来の妖怪/災害大国ニッポンと妖怪/西洋のキメラ型妖怪/他多数 3章:都道府県別「妖怪図鑑」 北海道・東北(アッコロカムイ/八郎太郎/座敷童子/他)、関東(分福茶釜/かまいたち/印旛沼の怪獣/ろくろ首/他)、中部(センポクカンポク/さとり/おとら狐/他)、近畿(トモカヅキ/肉吸い/靄船/他)、中国・四国(すねこすり/化け猫おふじ/いざなぎ流式王子/他)、九州・沖縄(セコ/油すまし/イッタンモメン/ビーフキドリ/他)
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世界秘薬紀行 アマゾン・アンデス編 | 山下 智道
¥2,750($17.53)
KADOKAWA 2026年 ソフトカバー 448ぺージ 四六判 右開き - 内容紹介 - 南米の広大な熱帯雨林で、先住民族が何千年もの間、脈々と受け継いできた聖なる儀式「アヤワスカ」。それは植物たちが記憶してきた大地の創生、そして生命の根源へと意識を遡らせる未知の扉だった。近代科学の常識を覆すシャーマニズムの世界観、植物と人間が真に共鳴し合う瞬間、そしてシャーマンハーブジャーナリスト・山下智道が極限状態の中で目撃した「地球の記憶」とは何だったのか。科学、オカルティズム、民族植物学の境界線上で、人類の失われた野生と精神性を呼び覚ます、衝撃の南米民族植物探検紀行!
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忘れられた日本人 | 宮本 常一
¥1,078($6.87)
岩波書店 1984年 岩波文庫 青164-1 ソフトカバー 336ぺージ 文庫判 - 内容紹介 - 柳田国男・渋沢敬三の指導下に、生涯旅する人として、日本各地の民間伝承を克明に調査した著者(1907―81)が、文字を持つ人々の作る歴史から忘れ去られた日本人の暮しを掘り起し、「民話」を生み出し伝承する共同体の有様を愛情深く描きだす。「土佐源氏」「女の世間」等十三篇からなる宮本民俗学の代表作。(解説 網野善彦) - 目次 - 凡 例 対馬にて 村の寄りあい 名倉談義 子供をさがす 女の世間 土佐源氏 土佐寺川夜話 梶田富五郎翁 私の祖父 世間師 ㈠ 世間師 ㈡ 文字をもつ伝承者 ㈠ 文字をもつ伝承者 ㈡ あとがき 解 説(網野善彦) 注(田村善次郎)
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鬼と日本人の歴史 | 小山 聡子(著)
¥902($5.75)
筑摩書房 2023年 ちくまプリマー新書 ソフトカバー 208ぺージ 新書判 - 内容紹介 - 絵本などでいまでも親しまれている「鬼」。古代では畏怖の対象だったが、次第に都合が悪いものを表す存在となった。その歴史から日本人の心の有様を読みとく。 - 著者プロフィール - 小山 聡子(こやま・さとこ):1976年生まれ。98年筑波大学第二学群日本語・日本文化学類卒業。2003年同大学大学院博士課程歴史・人類学研究科修了。博士(学術)。現在、二松学舎大学文学部教授。専門は日本宗教史。著書に『親鸞の信仰と呪術――病気治療と臨終行儀』(吉川弘文館)、『浄土真宗とは何か――親鸞の教えとその系譜』『もののけの日本史――死霊、幽霊、妖怪の1000年』(中公新書)、『往生際の日本史――人はいかに死を迎えてきたのか』(春秋社)などがある。
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もののけの日本史 死霊、幽霊、妖怪の1000年 | 小山 聡子(著)
¥1,100($7.01)
中央公論新社 2020年 中公新書 ソフトカバー 288ぺージ 新書判 - 内容紹介 - モノノケは、古代・中世において、正体不明の死霊を指した。病気や死をもたらす恐ろしい存在で、貴族たちを悩ませた。近世に入ると幽霊や妖怪と混同され、怪談や図案入りの玩具などで親しまれるようになる。近代以降、根拠がないものとして否定されつつも、怪異は根強い人気を博し人びとの興味をひきつけてやまない。本書は、モノノケの系譜をたどりながら、日本人の死生観、霊魂観に迫る - 著者プロフィール - 小山 聡子 (コヤマサトコ) (著) 1976年茨城県生まれ。筑波大学第二学群日本語・日本文化学類卒業。2003年、筑波大学大学院博士課程歴史・人類学研究科修了。博士(学術)。
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鬼と異形の民俗学 | 飯倉 義之(監修)
¥1,540($9.82)
ウェッジ 2021年 ソフトカバー 208ぺージ 四六判 縦188mm 横128mm 厚さ13mm - 内容紹介 - ◎鬼はなぜ藤を嫌うのか?――『鬼滅の刃』ヒットに潜む異界の符牒 酒呑童子、百鬼夜行、ナマハゲ、羅城門の鬼… 日本人が長い歴史のなかで追いやった 怪異を具現化した「鬼」の正体とは? ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 古(いにしえ)より、 鬼と喰うか喰われるかの「戦い」をしてきた日本人。 酒呑童子をはじめ、ナマハゲ、節分の鬼、雷神、羅城門の鬼などに登場する鬼は、 どれも見た目は人間のようでありながら、 角をもち、恐ろしい形相であるなどの特徴をもっている。 古くは日本書紀や風土記にも記述があるが、 多くは歴史や文化の周縁の域に追いやられつつも、 日本人にとっては存在を消し難い、畏怖の対象でもあった。 漫画『鬼滅の刃』が老若男女問わずブームとなったが、 そこで描かれる世界観も日本古来の鬼および鬼退治をモチーフにしており、 日本人の精神的な深奥に潜む「恐ろしいもの」への畏怖、 そしてそれへの克服がある。 本書では数多くの伝承・伝説・説話・芸能・絵画などが物語る「鬼」の実像に迫り、 現在の鬼滅ブームに至る過程を民俗学的に読み解いていくもの。 - 目次 - 第1章 鬼と異形の系譜――古典・伝説にあらわれた異類たちを読み解く 第2章 日本の闇に蠢く「異形のもの」列伝――異界からの訪問者を総覧する 第3章 呪術者・異能者たちの群像――怪異と対峙した「鬼殺隊」の原像 第4章 鬼と出会える聖地――闇の民俗とパワースポットをめぐる 【コラム】 1 鬼舞辻無惨と八百比丘尼 2 竈門炭治郎と炭焼長者 3 「全集中の呼吸」と剣術 4 竈門炭治郎と竈門神社 - 著者プロフィール - 飯倉義之 (イイクラヨシユキ) (監修) 1975年、千葉県生まれ。國學院大學大学院修了後、国際日本文化研究センター機関研究員等を経て、現在、國學院大學文学部准教授。専門分野は口承文芸学、現代民俗論。怪異・怪談、妖怪伝承に造詣が深く、妖怪をこよなく愛し、研究室は全国で集めた妖怪グッズであふれている。 共著に『猫の怪』(白澤社)、共編著に『ニッポンの河童の正体』(新人物往来社)、『日本怪異妖怪大事典』(東京堂出版)、共監修に『京都・江戸 魔界めぐり』(NHK出版)、『日本の妖怪』(宝島SUGOI文庫)などがある。
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鬼とは何か まつろわぬ民か、縄文の神か | 戸矢 学
¥880($5.61)
河出書房新社 2024年 河出文庫 ソフトカバー 224ぺージ 文庫判 - 内容紹介 - 鬼の姿で現れる来訪神、荒ぶる神転じて守護神となる異形の鬼・土俗神たち。鬼を神と捉える日本人の民俗信仰の原像に迫る快著。
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アイヌ、現代の肖像 | 宇井眞紀子(文・写真)
¥3,960($25.24)
国書刊行会 2026年 ソフトカバー 288ぺージ A4変型判 - 内容紹介 - 現代を力強く生きるアイヌの日常に寄り添い、ともに歩んできた写真家・宇井眞紀子。30年以上にわたる取材と交流のなかで出会った人々との記憶を、美しい写真とともに綴る、珠玉のフォトエッセイ。 長い歳月のなかで育まれた信頼と確かな距離感のもと撮影された写真には、祭礼や工芸、音楽や舞踊、言語の継承に携わる担い手をはじめ、伝統を礎としながら新たな表現に挑むアーティスト、先住民族としての権利を求めて声を上げる市民、未来を見据えながら自らのアイデンティティと向き合う若い世代など、多彩なアイヌの姿が収められ、その息遣いまでも繊細に映し出しています。 エッセイでは、1992年に北海道・二風谷を初めて訪れて以来の数々の出会いが、魅力的なエピソードとともに語られます。写真家自身が抱いていた先入観が揺らぎ、少しずつ変化していく過程も率直に記され、アイヌと写真家が紡いだ時間の積層が、一つの物語として立ち上がります。 現代アイヌ文化を知るための格好の入門書であると同時に、文化とは何か、継承とは何か、アイデンティティとは何かといった普遍的な問いを投げかけ、多くの発見と示唆を与えてくれる一冊です。 ❖「はじめに」より抜粋 本書は、そうしたアイヌの「現代の肖像」の一端をお伝えしたいと考え、編んだものです。とはいえ、私自身、「アイヌ」という言葉でひとくくりに語ることには、今なおためらいがあります。私がアイヌに深く惹かれていく契機となった、二風谷でのアシリレラさんとの出会いから数えて三〇年余。長年の交流と撮影のなかで出会ってきた方々は、それぞれに固有の人生を生きており、一様に語りうる存在ではないからです。本書は、アイヌという大きな存在に向き合った一写真家による、個人的な体験や思いを交えながらのささやかな記録にすぎませんが、それらの断片が読者のなかで新たな像を結び、アイヌの現在をめぐる思索のきっかけとなるならば、これに勝る喜びはありません。 - 目次 - はじめに 第一章 出会いと原点―二風谷へ アシリレラさん/二風谷ダムの建設現場で/すべての命のために/カムイと儀式/アシリレラさんの家/アイノモシリ一万年祭/アイヌの英傑たちと法要祭 第二章 アイヌの文化 訪問者へのおもてなし/アイヌの知恵/たくましい子どもたち/アイヌ語の名前/刺繡にはまる/アイヌ民族の踊り/アイヌの伝統漁法/アイヌの台所/いのちを感じる暮らし 第三章 都市に生きるアイヌ 等身大のアイヌを伝えたい/レラの会/レラ・チセの誕生/東京のカムイノミ/東京イチャルパ/ペウレ・ウタリの会/初の写真集『アイヌときどき日本人』/和人としての私/二〇一一年、東日本大震災を経て 第四章 さまざまな出会い 偉大なフチ/広尾正さん/新たなプロジェクト/豊川容子さん/豊川純子さん/伝統と新しさの融合/アイヌアートプロジェクト/写真集『アイヌ、100人のいま』/写真絵本『伝え守る アイヌ三世代の物語』/イタカンローの子どもたち 第五章 海外の先住民族との交流 先住タスマニア人との出会い/アボリジニの祭り/日本へのメッセージ/蹂躙される先住民族の土地/先人の叡智が戻るとき/民族の垣根を越えて 第六章 アイヌをめぐる政治と社会 アイヌ文化振興法の成立/アイヌ民族共有財産裁判/アイヌの先住権の明記を求めて/遺骨返還/遺骨の再埋葬/北海道命名一五〇年/アイヌ施策推進法/ウポポイの開館/アイヌ政策見直し! 三・二八院内集会/大阪・関西万博でのアイヌ舞踊披露 あとがき * アイヌ近現代略年譜 写真一覧 - 著者プロフィール - 宇井眞紀子 (ウイマキコ) (文・写真) 写真家、武蔵野美術大学非常勤講師、公益社団法人日本写真家協会会員。 1960年、千葉県生まれ。83年、武蔵野美術大学卒業。85年、日本写真芸術専門学校卒業。学生時代から写真家・樋口健二氏に師事。卒業と同時に雑誌を中心にフリーランスで活動を始める。92年、子連れでアイヌ民族の取材を始める。ロンドンのナショナルジオグラフィックストアなど、国内外で数多くの個展を開催。第4回さがみはら写真新人奨励賞受賞。第28回東川賞特別作家賞受賞。第1回笹本恒子写真賞受賞。
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「らしさ」について考えた | 畑中 章宏
¥2,970($18.93)
どく社 2026年 ソフトカバー 208ぺージ B6変形判 縦168mm 横120mm 厚さ19mm - 内容紹介 - 民俗学でひもとく 「男らしさ」「女らしさ」「もっともらしさ」「わざとらしさ」…。 押しつけられた「らしさ」に抗しつつ、 豊かな「らしさ」を生みだせないものか ――在野の民俗学者による珠玉の評論集。 大学・高校入試にも多数採用 岩波書店『図書』連載に書き下ろしを加えた待望の書! その「らしさ」は、どこから来て、なぜ私たちを縛るのか? ジェンダー、アイデンティティ、AIと人間…… 今あらゆる場面で問い直されるテーマに、 民俗学という角度から光を当てる。 「何かしらの通念に依拠する『らしさ』群は、曖昧な観念にもとづく規範的な力が不安を助長する(中略)。ただいっぽうで、『らしさ』のない社会も無味乾燥なものである。押しつけられた『らしさ』に抗しつつ、豊かな『らしさ』を生みだせないものか」(本文より) - 目次 - はじめに 子どもらしさ 女らしさ 男らしさ もっともらしさ わざとらしさ 自分らしさ 人間らしさ 日本らしさ たしからしさ おわりにーー大阪らしさ 前書きなど はじめに 日々暮らしていくなかで、「らしさ」の付いた言葉を目にする機会が少なくない。本や雑誌、インターネットをとおして、「らしさ」が目に飛びこんでくる。そして、ある種の強制や拘束力で、「らしさ」は私たちのからだを覆っているようにさえ思われる。 「女らしさ」や「男らしさ」、あるいは「子どもらしさ」といった言葉は、決して耳ざわりがいいものではないのに、とっさに口にのぼせられる。 国語辞典で「らしさ」を引くと、「《接尾語「らしい」の語幹に、接尾語「さ」の付いた語》名詞や形容動詞の語幹に付いて、そのものの特徴がよく出ていることを表す」と記される(『大辞泉』第二版)。また、「そのものにふさわしい様子をしていること、まさにそのものであると判断される程度、などの意の名詞をつくる」(『日本国語大辞典』第二版)とされ、その用例として「自分らしさ」「子供らしさ」「確からしさ」などの「らしさ」が挙げられ、単独で用いた場合には、「その人や物事の特徴」を表わし、「らしさを発揮する」という用例がある。 「らしさ」は、あるものにたいする、理想や期待を担わせる。「女らしさ」や「男らしさ」や「子供らしさ」、それに「日本人らしさ」なども、女性や、男性や、日本人にたいする期待の表明である。「自分らしさ」や「私らしさ」は、その方向が、自分から自分に向けられる。こうした「らしさ」の中身は、時代によって変化する。そして性別や年齢、所属や職業ごとに、だれもが「らしさ」の洗礼を受けてきたのである。 * この本はいまから三年から四年前、右のような書き出しで、雑誌に連載した原稿をもとにしている。事情があって、これまで本として世に出ていなかったのだけれども、そろそろ形にしたいと思うようになったのである。 それにはいくつかの理由がある。ひとつには現在も、「らしさ」が幅を利かしているように見えるからだ。この間に、「らしさ」をめぐる本が数多く出版された。そしてそのほとんどが、「女らしさ」と「男らしさ」にかんするものだ。つまり、いろいろな「らしさ」のなかでも、ジェンダーやセクシュアリティをめぐる「らしさ本」が、次々と刊行されたことになる。 そうした「女らしさ本」や「男らしさ本」にふれた人には、ジェンダーやセクシュアリティについての本書のアプローチは、いささか物足りなく感じるかもしれない。 また、「日本らしさ」や「日本人らしさ」についても、愛国心やナショナリズムとはいえないようなナイーブな態度が目立つようになり、凡庸な排外主義を生みだしている。 「そろそろ形にしたいと思うようになった」のには、また別の理由がある。それはこの連載のいくつもが、大学入試の現代国語の試験問題に使用されてきたことがある。これは著者としては望外の喜びなのだが、「らしさ」が試験問題を作成する人にとって「試験問題らしさ」を感じさせるからだろう。それはともかく著者としても、「○○らしさ」がユニークな切り口であることを再認識したしだいである。 なお本書をいま世に問うにあたり、近年の「らしさ」本を踏まえて、連載に手を加えることもありえたが、連載にはその頃の空気や私の思いが流れ、また私の限界が露呈していることもあり、あえてそのままにしている。ただしそれは言い訳にすぎず、現代の日本の「らしさ」から時代遅れになっている部分もあるため、その点については、この本のために書き下ろした「たしからしさ」でふれることにした。 それではそろそろ、「らしさ」の迷路に迷いこんでいくことにしよう。 - 版元から一言 - 民俗学者の畑中章宏さんによる評論集。民俗学の知見で、「らしさ」という言葉のもつ窮屈さや、多様さをさまざまな「らしさ」をもとにひもときます。装丁もちいさく凛とした上製本で、「書籍らしさ」の感じられる書籍となっています。 - 著者プロフィール - 畑中 章宏 (ハタナカ アキヒロ) (著) 民俗学者。 1962年大阪生まれ。近畿大学法学部卒。平凡社の編集者として、雑誌『月刊太陽』のほか、荒木経惟、佐内正史の写真集の編集にたずさわる。2000年にフリー編集者として独立、2010年頃から著述に重点を移し、災害伝承、民間信仰から流行現象まで、幅広い領域に取り組んでいる。著書に、『宮本常一』(講談社現代新書)、『災害と妖怪』(亜紀書房)、『廃仏毀釈』(ちくま新書)、『21世紀の民俗学』(KADOKAWA)、『死者の民主主義』(トランスビュー)、『五輪と万博』(春秋社)、『ごん狐はなぜ撃ち殺されたのか』(晶文社)、『新・大阪学』(SB新書)、『『忘れられた日本人』をひらく』(若林恵との共著、黒鳥社)、『オルタナティブ民俗学』(島村恭則との共著、誠光社)ほか。最新刊は『老いに追われて』(rn press)。
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世界浴場見聞録 | こばやし あやな
¥2,420($15.43)
学勢出版社 2026年 ソフトカバー 240ページ 四六判 - 内容紹介 - 浴場は、風呂やサウナだけにあらず。ロシアの灼熱浴室に身悶えながらも通い詰め、スリランカで温浴医療を求めて入院を志願し、モロッコの公衆浴場でムスリムと身を寄せ合って垢をすり、メキシコで蒸気浴部屋を司る古代の神々と邂逅する…身一つで世界50カ国を巡り歩いたフィンランド在住サウナ文化研究家の体当たり入浴旅 - 目次 - はじめに 私が世界浴場旅に出る理由 世界地図 1章 東南アジア・南アジア:東洋の伝統医療を支える、ハーブの恵みと温浴療法 ●タイの蒸気浴オップサムンプライ:産後ケアの風習から生まれた、芳香豊かな浴室 ●ラオスの蒸気浴ホムヤ:緑草が香る、風通しのよい公衆浴場とマッサージ屋 ●スリランカの蒸気浴スヴェーダナ:古式医学アーユルヴェーダの発汗ケア ●ベトナムの湯浴タムタオズオック:少数民族が受け継ぐ薬湯の湯治習慣 ━column① 世界の浴場で嗜むペアリング・ドリンク 2章 ロシア・中央アジア:寒冷地域の日常に寄り添う、生活インフラの蒸気浴場 ●ロシアの蒸気浴バーニャ:帝政期の階層社会が生んだ、灼熱の公衆浴場 ●キルギスの蒸気浴モンチョ:石炭で温める共同浴場は、村人たちの交流サロン ●カザフスタンの蒸気浴モンシャ:給湯制限のある村で重宝される、民家の庭に佇む浴室 ━column② 世界各国のアフター温浴ごはん 3章 中欧・南欧:欧州ウェルネススパの歴史と、サウナの独自進化 ●全裸で混浴し、サウナでタオルを振り回す異文化との遭遇 ●世界の公衆浴場のルーツ、古代ローマ浴場が流行るまで ●温泉街から広まった近世のスパ・ルネッサンス ●ドイツ人が見出した、健康法としての次世代サウナ ━column③ 世界の浴場で使う温浴グッズ これなんだ? 4章 イスラーム圏・南コーカサス:信仰を育む清めの公衆浴場と、そのローカライズ ●トルコの熱気浴ハマム:オスマン帝国繁栄の陰に浴場あり ●モロッコの熱気浴ハマム:浴場に座り込み垢すりに勤しむ人々 ●ジョージアの湯浴アバノ:温泉大国に生まれた異文化コラージュ浴場 ━column④ 世界の秘境で湧く仰天温泉3選 5章 バルト三国・北欧:それぞれの道をゆく、似て非なる蒸気浴文化たち ●リトアニアの蒸気浴ピルティス:施しの伝統に根ざす自然回帰セッション ●フィンランドの蒸気浴サウナ:ロウリュ一筋のサウナ機会均等社会 ●その他のバルト&北欧諸国の蒸気浴:各国の社会が透ける、近代温浴史と現代のトレンド ━column⑤ スモークサウナが密集する村 サウナキュラ 6章 北米:古代文明の神々が見守る、儀式のための蒸気浴室 ●メキシコの蒸気浴テマスカル:神話の世界観を踏襲する、蘇生と対話の儀式 ━column⑥ メキシコの聖なる冷泉 セノーテでの沐浴 7章 日本:おもてなし精神に満ちた、類まれなマルチ温浴文化 ━column⑦ フィンランドから大阪老舗銭湯にやって来た、幻のタイル絵 おわりに - 著者プロフィール - こばやし あやな (コバヤシ アヤナ) (著) フィンランド在住のメディアコーディネーター、サウナ文化研究家。1984年岡山県生まれ、大阪・神戸育ち。大阪大学大学院に在学中、フィンランド・ヘルシンキ工科大学(現アールト大学)建築学科に留学し、帰国後にフィンランド語の独学を始める。東京で雑誌編集者として働いたのち、2011年フィンランドに移住しユヴァスキュラ大学大学院人文学研究科で芸術教育学を学ぶ。在学時代に「現代社会における公衆サウナの新しい意義」というテーマで執筆した修士論文が国内で話題になり、2016年に同大学院を首席で修了。卒業後に現地で起業し、現在はコーディネーターや通翻訳者として活動する傍ら、世界の温浴文化の調査活動を続けている。2025年にはフィンランド・サウナギルドより日本人初のSaunamestari(サウナマイスター)の称号を与えられた。著書『公衆サウナの国フィンランド』『クリエイティブ・サウナの国ニッポン』(共に学芸出版社)、訳書『究極のサウナフルネス』(東洋経済新報社)など。
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宮本常一 民俗学を超えて|木村 哲也
¥1,056($6.73)
岩波書店 2026年 岩波新書 ソフトカバー 248ページ 新書判 縦188mm 横129mm 厚さ23mm - 内容紹介 - 生涯をかけて各地を旅し、人々の声に耳を傾けつづけた宮本常一。『忘れられた日本人』をはじめとする仕事は、従来の日本像を見直す民俗学の成果であるとともに、民俗学を超えて、多大な影響を与えてきた。網野善彦、司馬遼?太郎ら、宮本の言葉と行動を受けとめ独創的な仕事を成した人々を通して、今に生きる宮本民俗学を考える。 【目次】 プロローグ 故郷・周防大島から 旅の原風景 対照的な二人の祖父 出稼ぎと移民の島 女の世間 民俗学への道 仕事と評価 宮本常一を受け継ぐ人びと 第一章 明治維新を聞き書きする――鶴見俊輔と『日本の百年』 庶民から見た明治維新 干支でひとまわり六〇年という時間感覚 明治百年記念の国家事業に対抗 『日本の百年』の方法 鶴見俊輔にとっての聞き書き 宮本常一と思想の科学研究会 近くて遠い過去 第二章 世間師の発見――安丸良夫と民衆思想史 ある世間師との出会い 宮本常一の大阪時代 『旧事談』の新規性 安丸良夫の民衆思想史への影響 民衆史研究者との距離 農村出身者としての感覚 第三章 非農業民への視座――網野善彦による歴史の読み直し 非農業民への着目 網野善彦と日本常民文化研究所月島分室 「百姓」とは何か 東日本と西日本 海民の世界 宮本常一再評価に先鞭 宮﨑駿アニメへの示唆 第四章 離島から日本を見る――谷川雁のコミューン構想と島尾敏雄の「ヤポネシア」論 離島振興という問題 島の文化 谷川雁とトカラ列島臥蛇島 現代のコミューンを幻視する リアリズムとロマンティシズム 島尾敏雄の「ヤポネシア」論 「ヤポネシア」論の広がり 宮本常一の南島論 第五章 「土佐源氏」をめぐって――石牟礼道子と詩的インスピレーション 「土佐源氏」誕生 『忘れられた日本人』という書名 石牟礼道子の「土佐源氏」評 『遠野物語』の受容 「餓鬼阿弥蘇生譚」としての「土佐源氏」 第六章 「される側」からのルポルタージュ――本多勝一の方法 森崎和江の宮本常一批判 調査地被害 「される側」からの衝撃 庄屋の台所の五〇個のハンコ アイヌ文化を記録・保存する 第七章 人の移動と文化の伝播――司馬遼太郎と『街道をゆく』 土佐で稼いだ長州大工 司馬遼?太郎との面会 傍流から歴史を見る 『街道をゆく』における宮本常一への言及 エピローグ 「日本」をめぐって――鶴見良行のアジア学 海から見た日本 個別性と普遍性 小川徹太郎による批判 鶴見良行のアジア学 既存の「日本」像への挑戦 主要参考文献 図版出典一覧 あとがき
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水中遺跡はそこにある | 佐々木 ランディ
¥1,320($8.41)
筑摩書房 2026年 ちくまプリマー新書 ソフトカバー 290ページ 新書判 - 内容紹介 - モノ、場所、謎が面白い、いちばん身近な遺跡案内! 蒙古襲来の動かぬ証拠、湖に沈んだ村、数百年前の沈没船が今もつなぐ異国との絆……。 北は北海道、南は沖縄。海なし県にも首都圏にもある面白くて身近な水中遺跡をご紹介! 地域と「うみ」とのつながりの歴史を探究しよう。 - 目次 - 第一章 水中考古学のはじまり 第二章 鷹島海底遺跡と日本の水中考古学 第三章 モノが面白い 1 長崎県 小値賀島──富士山型のインゴット 2 和歌山県 エルトゥールル号──船乗りが使った香水瓶 3 鹿児島県 倉木崎海底遺跡──二三〇〇点の高級陶磁器 4 北海道 開陽丸──ハート型の葵の御紋 第四章 訪ねて面白い 1 福島県 桧原湖──湖に沈んだ村 2 沖縄 ファン・ボッセ号──多良間の美しい「海」と「ことば」 3 神奈川県 相模湾──身近な海の歴史 4 徳島県・高知県 各地に残る災害碑――震災の記憶を受けつぐ 第五章 謎が面白い 1 福岡県 相島海底遺跡──大宰府と平安京のつながり? 2 千葉県 サン・フランシスコ号──トレジャーハンターからの電話 3 広島県 いろは丸──坂本龍馬の? 4 山梨県 本栖湖──「遺跡形成要因」問題の最先端 第六章 ヴァーサ号と世界の水中考古学 - 著者プロフィール - 佐々木 ランディ (ササキ ランディ) (著) 1976年生まれ、神奈川県出身。帝京大学文化財研究所准教授。高校卒業後に渡米し、サウスウェストミズーリ大学卒業後、テキサスA&M大学大学院にて博士号(人類学部海事考古学)取得。日本各地のさまざまな水中遺跡調査に携わるかたわら、水中考古学の普及のため、講演・イベント企画などの活動を続けている。著書に『水中考古学──地球最後のフロンティア』(エクスナレッジ)、『沈没船はタイムカプセル』 (「たくさんのふしぎ」2023年7月号、イラスト・矢野恵司)などがある。
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辺境のラッパーたち 立ち上がる「声の民族誌」 | 島村一平(編集)
¥3,520($22.44)
青土社 2024年 ソフトカバー 544ページ 四六判 - 内容紹介 - ラッパーのことばに耳をすませば、世界のリアルが見えてくる。 戦火が絶えないガザやウクライナで、弾圧が続くチベットやイランで、格差にあえぐモンゴルやインドで、海の端の日本で――。アメリカで生まれたヒップホップ文化、なかでもラップミュージックは世界に広がり、「辺境」に生きる者たちは声なき声をリリックに託す。現代社会の歪みを鮮やかに映し出す、世界各地のラッパーたちの声を幅広い執筆陣が紹介する。ラッパー、ダースレイダー、ハンガー(GAGLE)のインタビューも収録。
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アイヌがまなざす 痛みの声を聴くとき | 石原 真衣, 村上 靖彦(著/文)
¥2,970($18.93)
岩波書店 2024年 ハードカバー 376ページ 四六判 縦188mm 横129mm 厚さ26mm - 内容紹介 - いまだ継続する不正義と差別に抗して、アイヌの人々は何を問い、行動してきたのか。五人の当事者へのインタビューから現代アイヌの〈まなざし〉を辿ると共に、アイヌの声を奪い、語りを占有し続ける日本人のあり方を問う。 目次 序 章 まなざされるアイヌとまなざし返すアイヌ 第1部 遺骨返還運動とアイヌ近代史 第1章 先人の尊厳と未来の教育――遺骨返還運動にたずさわる木村二三夫さん 第2章 アイヌ文化を伝えられてこなかったことに誇りを持っている――親族の遺骨を探索するBさん 第3章 幽閉されるアイヌと遺骨 第2部 インターセクショナリティ 第4章 アイヌ女性と複合差別――ヘイトスピーチと闘う多原良子さん 第5章 先住民フェミニズム批評――Ain't I a Woman? /「私」は女ではないの? 第3部 アイヌと外部を行き来する 第6章 羽をパタパタさせればいい――アイヌ近現代史研究者である新井かおりさん 第7章 家出少年は傍らに神話を持つ――美術家結城幸司さん 第8章 思想的消費とまなざしの暴力 終 章 まなざしの転換 あとがき 交差する場所をひらく 謝 辞 - 著者プロフィール - 石原 真衣 (イシハラ マイ) (著/文) 1982年北海道サッポロ市生まれ.アイヌと琴似屯田兵(会津藩)のマルチレイシャル.北海道大学アイヌ・先住民研究センター准教授.文化人類学,先住民フェミニズム.著書に『〈沈黙〉の自伝的民族誌(オートエスノグラフィー)』(北海道大学出版会2020,大平正芳記念賞),編著書に『アイヌからみた北海道150年』(北海道大学出版会2021),『記号化される先住民/女性/子ども』(青土社2022)など. 村上 靖彦 (ムラカミ ヤスヒコ) (著/文) 1970年東京都生まれ.大阪大学人間科学研究科教授・感染症総合教育研究拠点(CiDER)兼任教員.現象学.著書に『摘便とお花見』(医学書院2013,日本学術振興会賞),『子どもたちがつくる町』(世界思想社2021),『ケアとは何か』(中公新書2021),『「ヤングケアラー」とは誰か』(朝日新聞出版2022),『客観性の落とし穴』(ちくまプリマー新書2023),『すき間の哲学』(ミネルヴァ書房2024近刊)など.
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ひとりみんぱく | 松岡 宏大
¥3,520($22.44)
国書刊行会 2024年 ハードカバー 256ページ 四六変型判 - 内容紹介 - もしかしたら「物の本」だと思っている人もいるかもしれないが、これは「旅の本」だ。(「あとがき」より) ◇ 「ひとりみんぱく」とはなにか? 写真家・編集者・ライターとして世界中を旅してきた松岡宏大氏の部屋には、世界各地の文物であふれている。みんぱく=国立民族学博物館。すなわち、わが家の民族学博物館、それが「ひとりみんぱく」だ。1990年代よりバックパッカーとして世界をめぐり、現地で出会った人々や景色、そして蒐集してきた数々の物もの。土器、漆器、仮面、仏像、絨毯……どこか不思議な魅力をもつ工芸、民藝の数々。インドで、チベットで、ミャンマーで、リビアで、サハラ砂漠で、文物からは旅の記憶があふれだし、含蓄? 蘊蓄? 軽快なるエッセイを挟みつつおくる本書は、物の本か? 旅の本か? 地球をまるごと感じる、The Museum of Ethnology in My Hands! 松岡氏は、『地球の歩き方 インド』をまとめ、美しき絵本『夜の木』で知られるタラブックスの本を上梓するなど、とりわけインドに造詣が深い。私家版『ひとりみんぱく123』『ひとりみんぱく45』が好評、美しい本づくりで定評のサイトヲヒデユキ氏のブックデザインを得て、満を持して世の中におくりだす! 収録物品120点超に、美しい旅の写真。美麗クロス装。 ◇ 「みんぱく」とは大阪の万博記念公園内、太陽の塔のとなりに建つ「国立民族学博物館」の愛称である。本書の『ひとりみんぱく』というタイトルであるが、これは初めて僕が「みんぱく」を訪れた際、「うちにもあるな……」という感想を抱いたことに由来する。 仕事柄、世界中を旅しながら暮らしてきたが、行く先々でその土地の文物を蒐集してしまうところがある。その文物は、世間的な価値とはまったく無縁だが、自分の好奇心の方向性から、その国の文化・歴史・神話を内包しているものを好む傾向にある。そして、日本に帰ったあと、部屋で一緒に旅の思い出を語り合える話し相手のようなものであることが重要だと考えている。もちろん日本で手に入れたものや、人からいただいたものも含まれている。しかし、自分の旅してきた道筋から外れないよう心がけている。蒐集の基準軸は、常に「個人的な旅の記憶」と「人とつながり」に置いている。 今回、本書を著すにあたり自らの蒐集した品々をあらためて見返してみたが、本当に役に立たないものばかりだ。残念だ。同時に、僕にとってはかけがえのないものばかりだ。 これらの文物を手のひらにのせ愛でてみる。重みや質感、細工、その歪みや温みを確かめる。太陽の光の下で陰が際立つものもあれば、暗闇の中でこそ光り輝くものもある。それは自分の手で触れてこそわかることで、自分の足で旅をしてこそ出会える風景と一緒だ。 僕はこれらを手に入れたときに出会った人たちの顔や祈りの景色を思い出すだろう。そこで吹いていた風や夜空を満たす星のことを思い出すだろう。 旅の記憶こそ僕にとっていちばんの財産なのだから。 (「まえがき」より) - 著者プロフィール - 松岡宏大 (マツオカコウダイ) (著/文 | 写真) 写真家・編集者など。『地球の歩き方 インド』など、インドやアフリカを中心に辺境エリアのガイドブックの取材・編集に携わる。共著に『持ち帰りたいインド』(誠文堂新光社)、『タラブックス――インドのちいさな出版社、まっすぐに本をつくる』(玄光社)などがある。またインドのTara Booksよりバッジュ・シャームとの共著『Origins of Art: The Gond Village of Pathangarh』を上梓。写真展として『アディワシ――大地と生きる人々』(bonon kyoto、KYOTO GRAPHIE KG +)、『TRIBES in BASTAR』(Rungta)を開催。KAILAS名義で著作やイベントもおこなう。
