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ピュウ|キャサリン・レイシー, 井上 里(翻訳)
¥3,080
岩波書店 2023年 ソフトカバー 254ページ 四六判 - 内容紹介 - 舞台はアメリカ南部の小さな町。教会の信徒席で眠る「わたし」を町の住人はピュウ(信徒席)と名づけた。外見からは人種も性別もわからず、自らも語ろうとしないピュウの存在に人々は戸惑う。だが次第に町の隠れた側面が明らかになり……。気鋭の作家、キャサリン・レイシーが人種や性の枠組みを揺さぶる、挑発的な意欲作。 目次 睡 眠 日曜日 月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日 土曜日 訳者あとがき
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喫茶店文学傑作選|林 哲夫
¥990
中央公論新社 2023年 ソフトカバー 296ページ 文庫判 - 内容紹介 - 多くの作家、芸術家を魅了し、作品の舞台、創作の淵源、そして彼らの交友の拠点となった「喫茶店」。28篇の選び抜かれた短篇小説、エッセイなどから、明治以来の喫茶店文化の真髄に触れる。一杯の珈琲のように、薫り高く味わい深い作品集。文庫オリジナル。「コーヒー」をテーマにした作品集、アンソロジーはあるが、「喫茶店」という括りで作品を揃えたものは少ないかもしれない。「コーヒー」では個人的体験・思索を綴った作品が多いが、「喫茶店」はコーヒーなどの飲料のことよりも、そこに集う人々との交流・人間模様を描くところに特徴がみえる。作品の選択にあたっては、チェーン店台頭以前の昭和の時代までに書かれた作品でまとめてみた。*本書の執筆者*夏目漱石/森茉莉/水野仙子/谷崎精二/村山槐多/中戸川吉二/浅見淵/北園克衛/植草甚一/戸川秋骨/田村泰次郎/中原中也/小山清/安田武/澁澤龍彦/埴谷雄高/戸川エマ/伊達得夫/山崎朋子/野呂邦暢/洲之内徹/高平哲郎/平岡正明/小野十三郎/常盤新平/吉村昭/鷹野隆大/山田稔
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貝に続く場所にて|石沢 麻依
¥704
講談社 2023年 講談社文庫 ソフトカバー 240ページ 文庫判 - 内容紹介 - 芥川賞受賞の鮮烈デビュー作、待望の文庫化。あの日行方不明となった彼が、ドイツの私の元を訪れる。忘却に抗う言語芸術の傑作にして、鮮烈なるデビュー小説。第165回芥川賞受賞作第64回群像新人文学賞受賞作ドイツの学術都市ゲッティンゲンに暮らす私の元に、東日本大震災で行方不明になった彼が現れる。陽に透けないほどの存在感を持つその訪問者に私は安堵するが、死者との邂逅はその街と人の様相を重層的な記憶を掘り起こすように変容させてゆく。群像新人文学賞と芥川賞をダブル受賞した著者のデビュー作。解説=松永美穂(ドイツ文学者、翻訳家)
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ミルク・ブラッド・ヒート|ダンティール・W・モニーズ, 押野 素子(翻訳)
¥2,695
河出書房新社 2023年 ハードカバー 240ページ 四六変型判 縦184mm 横138mm 厚さ23mm - 内容紹介 - なんだか、溺れているような気分――。 彼女たちの抱えた闇は、 フロリダの湿度に熱せられ、 路上の片隅から溢れ出す。 アフリカン・アメリカン文学の新潮流 過激でダークな11篇 死に取り憑かれた少女たちの誓約(ミルク・ブラッド・ヒート)、失った胎児を幻視する母親の安息日(饗宴)、教会から追放された女子高生が挑む復讐劇(天国を失って)、父の遺灰を捨てるロード・トリップで回帰した記憶(水よりも濃いもの)……。ミレニアル世代が描く、女性たちの深き闇と、瑞々しい赦しのとき。 新人としては異例の注目を集め、一躍アメリカ文学の最前線に立つダンティール・W・モニーズ。ブラック・フェミニズムの最先端にして、有力誌が激賞した衝撃のデビュー作。 * * * 愛と怒りの両方で、 人間は輝きを放つことが できるのだ。 ――「ニューヨーク・タイムズ」紙 女性と少女のありのままの姿を、 複雑で、深遠で、聡明で、辛辣で、喜びに溢れ、 タフで、愛情と力に満ちた姿を描いている。 ――「ミズ」誌 モニーズ初の短篇小説集は、驚きに満ちている。 フロリダの「湿地の悪臭」を背景に、 女性性の内的・外的な二面性を、 ありのままの直感的な文章で表現している。 ――「O, オプラ・マガジン」誌 辛辣かつ複雑で、瑞々しく、驚きに満ちている。 直感を刺激し、肉体として存在することの 親密な畏敬の念に満ちている。 素晴らしいデビュー作。 ――ナナ・クワメ・アジェイ=ブレニヤー(『フライデー・ブラック』)
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ねこラジオ|北野 勇作
¥1,210
ネコノス 2023年 ソフトカバー208ページ 文庫判 縦148mm 横105mm 厚さ10mm - 内容紹介 - とり・みき 解説! カバーイラスト 和田ラヂヲ マイクロノベルの名手・北野勇作が宇宙を猫で埋め尽くす。 100字で猫。100字の猫。 ‟読み始めたら、丸くなる。” 出てこなくても、猫はいる。まちがいなく、そこにいる。 わずか百文字で描かれるマイクロノベルは、壮大な世界の一部を覗き込む窓であり、詩であり、ときには著者の日記でもある。手練れ・北野勇作が繰り出す大人気の「シリーズ百字劇場」第三弾は猫の世界をたっぷりと。 重ねられた複数のエピソードが総体として大きな物語を想起させるのは以前からの北野作品の特性だ。(中略)すべてを読み終える頃には、繰り返し描写されるブロック塀の上の猫の通り道が、路地が、トタン屋根が、そして無限に続くかのような物干しのレイヤーと、その先の宇宙までもが、もう何年も作中の家や街に住んでいるかのようにまざまざと眼に浮かんでくる。(解説より) 著者のライフワークとも言える【ほぼ百字小説】は、Twitterで毎日発表され続けており、その数は4000を超える。膨大な作品群から選り抜かれた200篇のショートショートを本作に収録。シリーズ百字劇場として、SFとして括られるタイプの作品を集めた『ありふれた金庫』、タヌキが登場する作品を集めた『納戸のスナイパー』、猫が登場する作品を集めた『ねこラジオ』の3作を連続刊行。 著者自身による全作品解説ページへのリンクをカバー袖のQRコードにてご案内。 - 版元から一言 - 100文字あれば、すてきな世界も、奇妙な宇宙もつくりだすことのできるショートショートの奥深さ。子供が初めて体験する「小説」としてもうってつけです。わずか100文字で構築される世界をぜひお楽しみください。 - 著者プロフィール - 北野勇作 (キタノユウサク) (著) 1962年、兵庫県生まれ。 1992年、デビュー作『昔、火星のあった場所』で第4回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞、『天動説』で第1回桂雀三郎新作落語〈やぐら杯〉最優秀賞を受賞。2001年には『かめくん』で第22回日本SF大賞を受賞。『どーなつ』『北野勇作どうぶつ図鑑』『どろんころんど』『きつねのつき』『カメリ』『レイコちゃんと蒲鉾工場』ほか著書多数。 ライフワークとも言える【ほぼ百字小説】は、Twitterで毎日発表され続けており、その数は4000を超える。
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納戸のスナイパー|北野勇作
¥1,210
ネコノス 2023年 ネコノス文庫 ソフトカバー 208ページ 文庫判 縦148mm 横105mm 厚さ10mm - 内容紹介 - 鬼才・北野勇作、世間を煙に巻く。 読書芸人・上田航平(ゾフィー)解説! カバーイラスト・和田ラヂヲ 狐や狸がひとを化かすことがあり得る世界で繰り広げられる200篇の物語。 「あの人も狸じゃなかろうか?」 ”読み始めたら、化かされる” 100文字が紡ぎ出す人と人でないものの境界線。 「この短編に登場する人間たちは、狸の正体を強引に暴いたり、大声を張り上げて指摘するなどといった野暮なことは決してしない。(中略)SFというのはフィクションであり、端的にいえば嘘である。その嘘に血を通わせるのは想像力と愛情だ。(中略)人間と狸の関係のように、北野さんのこの作品に対する態度は、嘘への優しい思いやりであふれている。」(解説より) 著者のライフワークとも言える【ほぼ百字小説】は、Twitterで毎日発表され続けており、その数は4000を超える。膨大な作品群から選り抜かれた200篇のショートショートを収録。シリーズ百字劇場として、タヌキが登場する作品を集めた本作『納戸のスナイパー』のほか、SFとして括られるタイプの作品を集めた『ありふれた金庫』(3/29刊行)、猫が登場する作品を集めた『ねこラジオ』の3作を連続刊行。 著者自身による全作品解説ページへのリンクをカバー袖のQRコードにてご案内。 - 版元から一言 - 100文字あれば、すてきな世界も、奇妙な宇宙もつくりだすことのできるショートショートの奥深さ。子供が初めて体験する「小説」としてもうってつけです。わずか100文字で構築される世界をぜひお楽しみください。 - 著者プロフィール - 北野勇作 (キタノユウサク) (著) 1962年、兵庫県生まれ。 1992年、デビュー作『昔、火星のあった場所』で第4回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞、『天動説』で第1回桂雀三郎新作落語〈やぐら杯〉最優秀賞を受賞。2001年には『かめくん』で第22回日本SF大賞を受賞。『どーなつ』『北野勇作どうぶつ図鑑』『どろんころんど』『きつねのつき』『カメリ』『レイコちゃんと蒲鉾工場』ほか著書多数。 ライフワークとも言える【ほぼ百字小説】は、Twitterで毎日発表され続けており、その数は4000を超える。
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ありふれた金庫|北野 勇作
¥1,210
ネコノス 2023年 ネコノス文庫 ソフトカバー 208ページ 文庫判 縦148mm 横105mm 厚さ10mm - 内容紹介 - レジェンド北野勇作が100字で世界を書き散らす! カバーイラスト・和田ラヂヲ、解説・高山羽根子の豪華ラインナップ。 ”読み始めたら、もう終わり” わずか100字で描かれるミニマルかつ壮大な世界をお楽しみください。 たった百字で小説なんて書けるわけ、え? 書ける? 風情と余韻を百字にギュッと詰め込んだ、珠玉のマイクロノベルたち。要らないものは文字の外に追い出して、さあ、名手・北野勇作による百字劇場の始まり始まり。 【書評続々掲載!!】 朝日新聞 「文庫この新刊!」 吉田大助さんがご紹介(2023年4月15日) WEB本の雑誌 「今週はこれを読め! SF編 百字の宇宙、百字の日常」 牧眞司さんがご紹介(2023年4月11日) 「一連の作品は(中略)どれも、一ページの中に一作、つまりぱっと見た範囲に書き出しからお終いまで物語が存在する。この「視野に最初から最後まである」ということが、きっとすごく重要なのだ。 長編作家の持つスケール感(中略)が、視界の中に収まるほどの矩形に詰まっているっていう種類の奇跡。どうぞ、ぞんぶんに楽しんでください。」(解説より) 著者のライフワークとも言える【ほぼ百字小説】は、Twitterで毎日発表され続けており、その数は4000を超える。膨大な作品群から選り抜かれた200篇を本作に収録。SFとして括られるタイプの作品を集めた本作『ありふれた金庫』のほか、シリーズ百字劇場として、タヌキが登場する作品を集めた『納戸のスナイパー』、猫が登場する作品を集めた『ねこラジオ』を連続刊行予定。 著者自身による全作品解説ページへのリンクをカバー袖のQRコードにてご案内。 版元から一言 100文字あれば、すてきな世界も、奇妙な宇宙もつくりだすことのできるショートショートの奥深さ。子供が初めて体験する「小説」としてもうってつけです。わずか100文字で構築される世界をぜひお楽しみください。 - 著者プロフィール - 北野勇作 (キタノユウサク) 1962年、兵庫県生まれ。 1992年、デビュー作『昔、火星のあった場所』で第4回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞、『天動説』で第1回桂雀三郎新作落語〈やぐら杯〉最優秀賞を受賞。2001年には『かめくん』で第22回日本SF大賞を受賞。『どーなつ』『北野勇作どうぶつ図鑑』『どろんころんど』『きつねのつき』『カメリ』『レイコちゃんと蒲鉾工場』ほか著書多数。 ライフワークとも言える【ほぼ百字小説】は、Twitterで毎日発表され続けており、その数は4000を超える。
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クマのプーさんエチケット・ブック|A.A.ミルン(企画/原案), E・H・シェパード(イラスト), 高橋 早苗(翻訳)
¥814
筑摩書房 2012年 ちくま文庫 ソフトカバー 160ページ 文庫判 - 内容紹介 - プーといっしょに、あせらず、のんきに健康づくり。…つらいのはごめんだからね! トレーニングの重宝なコツを伝授。解説 安達まみ 辛酸なめ子 「つらいトレーニングはごめんだというひとも、ちょうほうなこの本をよめば、不安が消えて、やる気がわいてくるでしょう」。風船で空を飛んで上半身をきたえたり、松ぼっくりをひろって、おなかをひきしめたり。プーといっしょに、あせらず、のんきに健康づくり。クマのプーさんの物語の名場面をまじえながら。ファンタジーは、意外と身近なところにみつかります。 解説 安達まみ、辛酸なめ子 - 著者プロフィール - A.A.ミルン (ミルン) (企画/原案) A.A.ミルン (Alan Alexander Milne ) 1882年生まれ、1956年没。本書所収のE.H.シェパード(1879-1976)のイラストとともに成る『クマのプーさん』『プー横丁にたった家』であまりに有名なイギリス作家。ほかの著書に『クマのプーさんとぼく』『クリストファー・ロビンのうた』『ぼくたちは幸福だった──ミルン自伝』『赤い館の秘密』などがある。 高橋 早苗 (タカハシ サナエ) (翻訳) 東京都生まれ。翻訳家。訳書にA.A.ミルン原案『クマのプーさん エチケット・ブック』(ちくま文庫)、ベティ・エドワーズ『色彩・配色・混色』(河出書房新社)、ヘンドリー・ウェイジンガー他『プレッシャーなんてこわくない』(早川書房)などがある。
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クマのプーさん フィットネス・ブック|A.A.ミルン(企画/原案), E・H・シェパード(イラスト), 高橋 早苗(翻訳)
¥814
筑摩書房 2022年 ちくま文庫 ソフトカバー 176ページ 文庫判 - 内容紹介 - プーといっしょに、あせらず、のんきに健康づくり。…つらいのはごめんだからね! トレーニングの重宝なコツを伝授。解説 安達まみ 辛酸なめ子 「つらいトレーニングはごめんだというひとも、ちょうほうなこの本をよめば、不安が消えて、やる気がわいてくるでしょう」。風船で空を飛んで上半身をきたえたり、松ぼっくりをひろって、おなかをひきしめたり。プーといっしょに、あせらず、のんきに健康づくり。クマのプーさんの物語の名場面をまじえながら。ファンタジーは、意外と身近なところにみつかります。 解説 安達まみ、辛酸なめ子 - 著者プロフィール - A.A.ミルン (ミルン) (企画/原案) A.A.ミルン (Alan Alexander Milne ) 1882年生まれ、1956年没。本書所収のE.H.シェパード(1879-1976)のイラストとともに成る『クマのプーさん』『プー横丁にたった家』であまりに有名なイギリス作家。ほかの著書に『クマのプーさんとぼく』『クリストファー・ロビンのうた』『ぼくたちは幸福だった──ミルン自伝』『赤い館の秘密』などがある。 高橋 早苗 (タカハシ サナエ) (翻訳) 東京都生まれ。翻訳家。訳書にA.A.ミルン原案『クマのプーさん エチケット・ブック』(ちくま文庫)、ベティ・エドワーズ『色彩・配色・混色』(河出書房新社)、ヘンドリー・ウェイジンガー他『プレッシャーなんてこわくない』(早川書房)などがある。
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砂漠の林檎 : イスラエル短篇傑作選 | サヴィヨン・リーブレヒト, ウーリー・オルレブ, 母袋 夏生(翻訳)
¥3,190
SOLD OUT
河出書房新社 2023年 ハードカバー 264ページ 四六判 - 内容紹介 - 迷宮のような路地で見つけた写真集、不死の老人、ホロコーストの記憶、パレスチナとの紛争など、歴史と不安にさらされる社会に生きる人々を描いた傑作を精選。オリジナル・アンソロジー。
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LIFE 12か月 IIJIMA Nami's homemade taste | 飯島奈美, 重松清
¥2,640
ほぼ日 2023年 ハードカバー 234ページ B5変型判 - 内容紹介 - 2009年の第一巻の発売以来、 シリーズ6巻累計30万部を超えるロングセラーとなった、 フードスタイリスト・飯島奈美の料理本『LIFE』。 満を持して6年ぶりの新刊『LIFE 12か月』が発売となりました。 フードスタイリストは、CMやドラマ、 映画などの「ストーリー」に合わせた料理を考え、提供する仕事。 『LIFE 12か月』は、その原点にもどり、12か月、各1話ずつの物語と、 46のレシピをおさめています。 物語を担当したのは、国民的作家・重松清。 本書は、重松清の「料理の出てくる風景」を描いた書き下ろしの物語をもとに、 その世界を飯島奈美がオリジナルの料理で表現しています。 「前菜」として重松清の物語を、 「主菜」として飯島奈美の料理を、どうぞお楽しみください。 写真は、『LIFE』シリーズでおなじみの写真家・大江弘之です。 子どもはおなかがぺっこぺこのときに、 ごはんをおいしく食べられる。 でも、おとなになると、ちょっと違う。 おとなは「ココロのおなか」が減っているときに、 ごはんの味がひときわ深く染みるのだ。──重松 清
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この本を盗む者は | 深緑 野分
¥902
KADOKAWA 2023年 角川文庫 ソフトカバー 432ページ 文庫判 - 内容紹介 - “本の街”読長町に住み、書物の蒐集家を曾祖父三持つ高校生の深冬。父は巨大な書庫「御倉館」の管理人を務めているが、深冬は本が好きではない。ある日、御倉館から蔵書が盗まれたことで本の呪いが発動し、町は物語の世界に姿を変えてしまう。泥棒を捕まえない限り町が元に戻らないと知った深冬は、不思議な少女・真白とともにさまざまな物語の世界を冒険していく……初めて物語に没頭したときの喜びが蘇る、胸躍るファンタジー。 目次 第一話 魔術的現実主義の旗に追われる 第二話 固ゆで卵に閉じ込められる 第三話 幻想と蒸気の靄に包まれる 第四話 寂しい町に取り残される 第五話 真実を知る羽目になる 解説 三辺律子 - 著者プロフィール - 深緑 野分 (フカミドリ ノワキ) (著/文) 1983年神奈川県生まれ。2010年「オーブランの少女」が第7回ミステリーズ!新人賞佳作に入選。13年、入選作を表題作とした短編集でデビュー。15年に刊行した長編小説『戦場のコックたち』で第154回直木賞候補、16年本屋大賞7位、第18回大藪春彦賞候補。18年刊行の『ベルリンは晴れているか』では第9回Twitter文学賞国内編第1位、19年本屋大賞第3位、第160回直木賞候補、第21回大藪春彦賞候補となった。
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パウル・ツェランと中国の天使 | 多和田 葉子, 関口 裕昭(翻訳)
¥2,310
文藝春秋 2023年 ハードカバー 200ページ 四六判 - 内容紹介 - コロナ禍のベルリン。若き研究者のパトリックはカフェで、ツェランを愛読する謎めいた中国系の男性に出会う。 〝死のフーガ〟〝糸の太陽たち〟〝子午線〟……2人は想像力を駆使しながらツェランの詩の世界に接近していく。 世界文学の旗手とツェラン研究の第一人者による「注釈付き翻訳小説」。 目次 1 歌うことのできる成長 2 天使の素材からなるテクスチュア 3 傷つきやすい指 4 生命の樹をともなう小脳の虫 5 衝突する時間たち 6 ミイラの跳躍 訳者によるエピローグ 訳注 訳者解説(パウル・ツェランについて/詩集『糸の太陽たち』について/多和田葉子とツェラン)
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ポール・ヴァーゼンの植物標本 | ポール・ヴァーゼン, 堀江 敏幸, 飯村 弦太(企画/原案)
¥2,200
リトルモア 2022年 ハードカバー 148ページ 四六変型判 縦182mm 横135mm 厚さ15mm - 内容紹介 - 美しい標本と、 胸をしめつける堀江敏幸の 掌編との二重奏。 [ 堀江敏幸書き下ろし「記憶の葉緑素」所収 ] - - - 1世紀の時を経てなお残る、花々のかすかな色。 指先の気配――。 南フランスの蚤の市の片隅に置かれた小さな箱。 中には100枚ほどの花の標本がひっそりと収められていました。 まるで絵を描くように、枝葉や花片がていねいに台紙に配置され、ごく小さな薄紙で留められている、あまりに美しい植物標本の数々……。 遠い昔、見知らぬ異国の女性が、スイスとフランスの国境近くの山や草原で花を摘み、手を動かしてていねいに作った標本から、想像をめぐらせ、記憶を辿ること。 かつて生きていたものたちの息づかいが聞こえてくる奇跡――。 *植物標本95点収録 *採取地と学名、和名の索引つき [プロフィール] ●堀江敏幸(ほりえ・としゆき) 作家・フランス文学者・早稲田大学文学学術院教授。 著書『おぱらばん』『雪沼とその周辺』『河岸忘日抄』『なずな』『その姿の消し方』『音の糸』『曇天記』『定形外郵便』など多数。 ●飯村弦太(いいむら・げんた) 東京都文京区湯島の古道具店「ATLAS」店主。 → https://www.atlas-antiques.com/
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終わりのない日々 | セバスチャン・バリー, 木原 善彦(翻訳)
¥3,740
白水社 2023年 エクス・リブリス ハードカバー 278ページ 四六判 - 内容紹介 - 語り手は、十九世紀半ばの大飢饉に陥ったアイルランドで家族を失い、命からがらアメリカ大陸に渡ってきたトマス・マクナルティ。頼るもののない広大な国でトマスを孤独から救ったのは、同じ年頃の宿無しの少年ジョン・コールだった。美しい顔立ちに幼さの残る二人は、ミズーリ州の鉱山町にある酒場で、女装をして鉱夫たちのダンスの相手をする仕事を見つける。初めてドレスに身を包んだとき、トマスは生まれ変わったような不思議な解放感を覚える。やがて体つきが男っぽくなると、二人は食いっぱぐれのない軍隊に入り、先住民との戦いや南北戦争をともに戦っていく――。 西部劇を彷彿とさせる銃撃戦、先住民の少女と育む絆、はらはらする脱走劇、胸に迫る埋葬場面などが、勇敢な兵士でありながら女としてのアイデンティティーに目覚めたトマスによって、生き生きと語られる。 カズオ・イシグロは、「一言一句にいたるまでこれほど魅力的な一人称の語りには数年来出会ったことがない」と、本書に賛辞を寄せている。個性的な〈声〉の力強さと詩的な響きに満ちた、「西部小説」再興を示す傑作長篇。 - 著者プロフィール - セバスチャン・バリー (セバスチャン バリー) (著/文) Sebastian Barry 1955年、アイルランドのダブリンに生まれる。小説家、劇作家、詩人。詩的な文章で知られ、現代のアイルランドで最も優れた作家の一人と考えられている。多くの作品は歴史物で、1800年代半ばから第二次世界大戦の頃までの時代を舞台としている。バリーの作品はブッカー賞で最終候補に二度選ばれている(A Long Long WayおよびThe Secret Scripture)。The Secret Scriptureはコスタ賞、ジェイムズ・テイト・ブラック記念賞を受賞。本書はコスタ賞(二度目の受賞はバリーが初)、およびウォルター・スコット賞を受賞。2019年にガーディアン紙が発表した「今を形作った100冊」にも選ばれた。 木原 善彦 (キハラ ヨシヒコ) (翻訳) 1967年鳥取県生まれ 大阪大学大学院人文学研究科教授 主要訳書 マシューズ『シガレット』、クンズル『民のいない神』、ラーナー『10:04』、ヴァンデアフリートオルーミ『私はゼブラ』(以上、白水社)、ギャディス『JR』(国書刊行会、日本翻訳大賞受賞)ほか多数。
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トランク : 林芙美子大陸小説集 | 林芙美子
¥990
中央公論新社 2023年 ソフトカバー 296ページ 文庫判 - 内容紹介 - シベリア鉄道での亡命旅行「トランク」、満洲で芸者をしていた女性の一人語り「幕切れ」。旅を愛した林芙美子は、自身の訪れた国々を積極的に小説に描いた。庶民目線を貫いたその筆は、戦前の日本人が海の向こうの〈大陸〉に抱いた希望と憧れ、そして敗戦で負った傷跡を克明に写し取っている。絶筆となった「漣波」ほか欧州、ロシア、満洲を描いた小説七篇と、川端康成が単行本『漣波』に寄せた「あとがき」を収録。〈解説〉今川英子
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魯肉飯のさえずり | 温又柔
¥946
中央公論新社 2023年 ソフトカバー 296ページ 文庫判 - 内容紹介 - ママがずっとわたしの恥部だった――。就活に失敗し、逃げるように結婚を選んだ桃嘉。優しい台湾人の母に祝福されるも、理想だった夫に一つ一つ〈大切なもの〉をふみにじられていく。台湾と日本のはざまで母娘の痛みがこだまする長編小説。織田作之助賞受賞作。〈解説〉渡邊英理
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英国古典推理小説集 | 佐々木 徹
¥1,430
岩波書店 2023年 ソフトカバー 540ページ 文庫判 縦148mm 横105mm 厚さ21mm - 内容紹介 - 「殺人があったのは二十二年前の今日――」。ディケンズ『バーナビー・ラッジ』とポーによるその書評、英国最初の長篇推理小説と言える「ノッティング・ヒルの謎」を含む、古典的傑作八篇を収録(本邦初訳を含む)。読み進むにつれて、推理小説という形式の洗練されていく過程がおのずと浮かび上がる、画期的な選集。 目次 はじめに 『バーナビー・ラッジ』第一章より(チャールズ・ディケンズ) (付)エドガー・アラン・ポーによる書評 有罪か無罪か(ウォーターズ) 七番の謎(ヘンリー・ウッド夫人) 誰がゼビディーを殺したか(ウィルキー・コリンズ) 引き抜かれた短剣(キャサリン・ルイーザ・パーキス) イズリアル・ガウの名誉(G・K・チェスタトン) オターモゥル氏の手(トマス・バーク) ノッティング・ヒルの謎(チャールズ・フィーリクス) 訳者あとがき
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夢と幽霊の書 | アンドルー・ラング, ないとうふみこ(翻訳), 吉田篤弘(解説)
¥2,640
作品社 2017年 ハードカバー 312ページ 四六判 - 内容紹介 - ルイス・キャロル、コナン・ドイルらが所属した心霊現象研究協会の会長による幽霊譚の古典、ロンドン留学中の夏目漱石が愛読し短篇小説の着想を得た名著、120年の時を越えて、待望の本邦初訳! 目次 はじめに 第一章 夢 犬のファンティ/マーク・トゥエインの話/食堂に入りこんだ豚/モクセイソウ/なくした小切手/アヒルの卵/なくした鍵/古い証券/十分の一税の滞納金/ふたりのクルマ/アッシリアの神官/よろい戸の節目 第二章 夢と幻視 メアリー・スチュアートの宝石/死の床/パーシバル首相暗殺の夢/ガラガラヘビ/赤いランプ/口ひげの下の傷/サンゴ模様のクラバット/サテンの上靴/死んだ店主 第三章 水晶玉による幻視 ある外交官の話/ランプの下にいた人/ベルをつけた牛/ルイ一四世の臨終 第四章 幻覚 二頭立ての馬車/食事会から帰ってきた幽霊/赤い傷跡/幽霊と肖像画/抑えこむ手/修道士の聞いた声/エレベーター前に立つ男 第五章 生き霊 エカテリーナ二世の生き霊/幽体離脱/タビストック通りで/ウィンヤード氏の幽霊/ブルーアム卿の物語/死にゆく母親の話/花嫁の幻影 第六章 死者の幽霊 デヴォン州スプレイトンの幽霊、一六八二年/ジョージ・ヴィリヤーズ卿の幽霊/ある王党員の記述/ウィンダムの手紙/リトルトン卿のもとに現れた幽霊 第七章 目的を持って現れた幽霊 デイヴィーズ軍曹の殺害/デイヴィーズ軍曹殺害事件について/庭師の幽霊/モーズの犬/ピーターの幽霊 第八章 幽霊 タイコンデロガ/ティローン伯爵の幽霊/午前一時半のできごと/常夜灯を消す幽霊 第九章 幽霊と幽霊屋敷 きしむ階段/食料品屋の咳/ガイドの父親の話/夢でノックしたドア/ピンク色の服の娘/幽霊部屋の犬/黒い服の婦人/踊る悪魔 第一〇章 近世の幽霊屋敷 ウェスリー家の幽霊/セント・ヴィンセント卿の身内の幽霊譚 第一一章 さらなる幽霊屋敷 霊に憑かれたチャン夫人/アマーストの大いなる謎/ドナルド・バンとボカン/ヒャルタスタッドの悪魔/ガルプスダルの幽霊 第一二章 大昔の幽霊 グラームの物語/〈ファウルフォーズ〉またはロングフォーマカスの蹄鉄工 第一三章 アイスランドの幽霊 フローザーの怪異 第一四章 さまざまなおばけ 出現する手/冷たい手/黒い犬と親指のない手/指を嚙む幽霊 原註/訳註/訳者あとがき 一二〇年の時を経てあらわれた幻の本 吉田篤弘 - 著者プロフィール - アンドルー・ラング (アンドルーラング) (著/文) 1844年、スコットランド生まれ。名門セント・アンドルーズ大学からイングランドのオクスフォード大学に進み、同大学最古の学寮マートンカレッジの特別研究員となる。1875年、ロンドンに移住。ジャーナリストの仕事につき、新聞や雑誌で評論、エッセイなどを発表する。同時にホメロスの『オデュッセイア』や『イリアス』の英訳など、著書や訳書の出版も盛んにおこなう。1889年に『あおいろの童話集』を出版。そのあと、全部で12冊の童話集を上梓する。その延長線上にあるのが、1897年に初版が出版された本書『夢と幽霊』に代表される心霊現象への関心だった。1882年の設立当初から心霊現象研究協会の会員として名を連ね、亡くなる前年の1911年には会長も務めている。邦訳のある著書に、『アンドルー・ラング世界童話集』(全12巻、東京創元社/偕成社)、『書斎』(生田耕作訳、白水社)、『書物と愛書家』(不破有理訳、図書出版社)、「プリジオ王子」(富山太佳夫・富山芳子編、青土社『幸福な王子』所収)など。 ないとうふみこ (ナイトウフミコ) (翻訳) 上智大学英語学科卒業。主に児童文学の翻訳にたずさわり、訳書に『アンドルー・ラング世界童話集』(共訳、東京創元社)、『思い出のマーニー』(共訳、角川書店)、『完訳 オズのオズマ姫』ほか「オズの魔法使い」シリーズ(復刊ドットコム)、『愛されるエルサ女王』ほか「アナと雪の女王」シリーズ(角川つばさ文庫)などがある。子どものころからの野球ファンでもあり、フィル・ペペ『コア・フォー──ニューヨーク・ヤンキース黄金時代、伝説の四人』(作品社)の訳書もある。 吉田篤弘 (ヨシダアツヒロ) (解説) 1962年東京生まれ。作家。小説を執筆するかたわら、「クラフト・エヴィング商會」名義による著作とデザインの仕事もおこなっている。著書に、『遠くの街に犬の吠える』(筑摩書房)、『ブランケット・ブルームの星型乗車券』(幻冬舎)、『台所のラジオ』(角川春樹事務所)、『電球交換士の憂鬱』(徳間書店)ほか多数。
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家の本 | アンドレア・バイヤーニ, 栗原 俊秀(翻訳)
¥3,960
白水社 2022年 エクス・リブリス ハードカバー 332ページ 四六判 - 内容紹介 - アントニオ・タブッキ、ジュンパ・ラヒリ激賞! 記憶にある最初の家は、おむつをしている「私」が祖母や両親、姉と、そして亀と暮らしていたところだ。やがて、放課後によく通った同級生の女の子の家、ぎこちない空気が重苦しかった親戚の家、ブラインドの空き具合が示す禁断の愛のメッセージを、息をつめてひたすら見上げた家、親が待つ家に帰りたくないがために入り浸った学生仲間の散らかった家、新しい家族を築いていった希望に満ちた家などが、そこにいた人々とともに思い浮かんでくる。なかには、大切な家族が病と闘っていた大きな施設もある。長年持ちつづけてきた家具を、やがて手放すことになった家もある……。家はいつだって見守っている。「私」が過ごしてきた家々が語る、「私」の人生の光と影。 「第一章を読み終えるころにはもう、バイヤーニの言葉の魔力にとり憑かれていた。亀と赤ん坊のなにげない触れ合いを描いただけの文章が、なぜこうも心を揺さぶるのか」(「訳者あとがき」より) 今もっとも注目を集める、ローマ生まれの小説家・詩人が、詩のように愛おしく哀切な言葉で紡ぐ、ストレーガ賞、カンピエッロ賞最終候補作品。 - 著者プロフィール - アンドレア・バイヤーニ (アンドレア バイヤーニ) (著/文) 1975年ローマ生まれ。小説家、詩人。2002年、中篇「教皇が死んだら」で小説家としてデビュー。「もし罪だと思うのなら」(2007年刊行)でモンデッロ賞、「すべての約束」(2010年刊行)でバグッタ賞を受賞。アントニオ・タブッキから「イタリアの文学作品にこれほど興奮し、これほどのめりこんだのは、久しくなかったことだ」と高く評価され、以来、深い親交を結んだ。2013年発表の「私がわかりますか」は、前年に没したタブッキとの交流を描いた作品。2021年に発表された本書『家の本』は、イタリアを代表するふたつの文学賞、ストレーガ賞とカンピエッロ賞双方のファイナリストに選出され話題を呼んだ。現在はライター・イン・レジデンス(大学内在住作家)として、ヒューストンのライス大学でクリエイティブ・ライティングを講じている。 栗原 俊秀 (クリハラ トシヒデ) (翻訳) 翻訳家。専門はイタリア文学。 主要訳書 アントニオ・スクラーティ『小説ムッソリーニ 世紀の落とし子』(河出書房新社)ピエトロ・アレティーノ『コルティジャーナ 宮廷生活』(水声社)ジョン・ファンテ『ロサンゼルスへの道』(未知谷)ゼロカルカーレ『コバニ・コーリング』(花伝社)など。カルミネ・アバーテ『偉大なる時のモザイク』(未知谷)で、須賀敦子翻訳賞、および、イタリア文化財・文化活動省翻訳賞を受賞。
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煙が目にしみる 火葬場が教えてくれたこと | ケイトリン・ドーティ, 池田真紀子(翻訳)
¥2,640
国書刊行会 2016年 ハードカバー 376ページ 四六判 - 内容紹介 - 「初めてひげ剃りをした死体のことを、女は死ぬまで忘れない。ファーストキスや初体験以上に」――20代の女性火葬技師が本音で真摯に〈愛と死〉を哲学する、ニューヨークタイムズベストセラー待望の邦訳。からっと明るくチャーミングで熱い、笑いと涙の葬儀屋奮闘記。 - 目次 - まえがき バイロンのひげ剃り パピー・サプライズ どん! ゼリーに刺した爪楊枝 スイッチを押すのは? ピンク・カクテル 悪魔の子供たち インスタント火葬 自然体は不自然 おお、哀れなヨリック エロスとタナトス バブル現象 グスル ソロで初仕事 セコイアの森 死の学校 遺体搬送車 アルス・モリエンディ 放蕩娘(エピローグに代えて) 謝辞 参考文献 訳者あとがき - 著者プロフィール - ケイトリン・ドーティ (ケイトリンドーティ ) (著/文) 1984年ハワイ州オアフ島生まれ。ロサンゼルス在住。シカゴ大学で中世史を学び、卒業後、サンフランシスコの葬儀社に勤務。サイプレス・カレッジ葬儀学校にて葬儀ディレクターの資格を取得、複数の葬儀社に勤務したのち、土葬、火葬、直葬、自然葬など、故人や遺族の希望に沿う多彩な葬儀をプランニングする葬儀会社〈Undertaking LA〉を2015年に設立した。ウェブサイト〈The Order of the Good Death(www.orderofthegooddeath.com)や、雑誌や新聞への寄稿、テレビ出演などを通じて、死や葬儀に関する情報の提供を続ける一方、〈Ask A Mortician〉というチャンネル名でYouTubeにさまざまなテーマを取り上げた動画を投稿している。 池田真紀子 ( イケダマキコ ) (翻訳) 1966年東京生まれ。上智大学卒業。英米文学翻訳家。主な訳書にウェルシュ『トレインスポッティング』(角川書店)、パラニューク『ファイト・クラブ』(早川書房)、クラーク『幼年期の終わり』(光文社古典新訳文庫)、パトリック・ネス『怪物はささやく』(あすなろ書房)、E・L・ジェイムズ『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』(早川書房)、クライン『ゲームウォーズ』(SBクリエイティブ)、ホーキンズ『ガール・オン・ザ・トレイン』(講談社)、ディーヴァー『スキン・コレクター』(文藝春秋)、コーンウェル『標的』(講談社)など。
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眠れる記憶 | パトリック・モディアノ, 山﨑美穂
¥2,860
作品社 2023年 ハードカバー 232ページ 四六判 - 内容紹介 - 記憶の芸術家、ノーベル文学賞受賞後の第一作。 小さな偶然と大きな奇跡──忘却と想起を詰め込んだ、日本語版オリジナル編集の小説集。 眠れる記憶 ──僕は、街角でしか人が真に出会うことはあり得ないと長らく信じていた。 老齢を迎えた語り手が、六十年代を生きた自らの激動の青年期を振り返りながら、記憶の奥底に眠っていた女性たちとの出逢い、別れ、そして再会の思い出を想起する。ノーベル文学賞受賞後初の作品となる表題作。 隠顕インク ──この人生には空白がいくつかある。 パリから失踪した女性を捜し出すという任務を授かった主人公は、彼女が住んでいたと思われるアパルトマンで一冊の手帳を発見する。三十年後、自ら調査を再開して目撃者を追跡するのだが……。 - 目次 - 眠れる記憶 隠顕インク - 著者プロフィール - パトリック・モディアノ (パトリックモディアノ) (著/文) (Patrick Modiano)1945年フランス生まれ。1968年に『エトワール広場』でデビュー。1972年に『パリ環状通り』でアカデミー・フランセーズ小説大賞、1978年に『暗いブティック通り』でゴンクール賞を受賞。その他の著作に、『ある青春』(1981)、『1941年。パリの尋ね人』(1997)、『失われた時のカフェで』(2007)などがある。2014年、ノーベル文学賞受賞。 山﨑美穂 (ヤマザキミホ) (著/文) 慶應義塾大学大学院仏文学修士号、東京外国語大学大学院学術修士号を取得。現職は公立高校のフランス語講師。文化・文学・芸術分野における仏日翻訳や日仏翻訳のほか、社会学関連記事の英日翻訳、公益財団法人での執筆などに携わる。訳書に、エステル=サラ・ビュル『犬が尻尾で吠える場所』(作品社)がある。
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五月 その他の短篇 | アリ・スミス(著/文)岸本 佐知子(翻訳)
¥2,200
河出書房新社 2023年 ハードカバー 210ページ 四六変型判 縦198mm 横137mm 厚さ20mm - 内容紹介 - 近所の木に恋する<私>、バグパイプの楽隊に付きまとわれる老女、おとぎ話ふうの語りの反復から立ち上がる予想外の奇譚……現代英語圏を代表する作家のユーモアと不思議に満ちた傑作短篇集。
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人魚の嘆き・魔術師 | 谷崎潤一郎
¥3,960
春陽堂書店 2020年 ハードカバー 100ページ B5判 - 内容紹介 - 大正八年に水島爾保布の美しい装画とともに出版された大型本の復刻版です。 豪華装丁で、プレゼントなどにもおすすめできます。