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光と糸 | ハン・ガン(著), 斎藤 真理子(訳)
¥2,200
河出書房新社 2025年 ハードカバー 214ページ 四六変型判 縦192mm 横130mm 厚さ19mm - 内容紹介 - 世界は、なぜこれほど暴力的で、同時に、なぜこれほど美しいのか? 著者自身が構成を編み上げた、ノーベル文学賞受賞後初の作品がついに刊行。光へ向かう生命の力への大いなる祈り。 ・ ・ 「最初から最後まで光のある本にしたかった」 ――ハン・ガン ・ 「人間性の陽溜まりと血溜まりと。その二つが常に隣り合っていて、どちらかへ行こうとしたらもう一つも絶対に通らなくてはいけない。ハン・ガンの小説にはそんなところがある」 ――斎藤真理子 ・ ・ ノーベル文学賞受賞記念講演「光と糸」全文、創作についてのエッセイ、5編の詩、光を求めて枝葉を伸ばす植物をめぐる庭の日記、そして著者自身による写真を、著者自らが編んだ、ハン・ガン自身によるハン・ガン。 ・ ・ 過去が現在を助けることはできるか? 死者が生者を救うことはできるのか? ――本文より ・ ***** ・ 目 次 ・ 光と糸 いちばん暗い夜にも 本が出たあと 小さな茶碗 ・ コートと私 北向きの部屋 (苦痛に関する瞑想) 声(たち) とても小さな雪のひとひら ・ 北向きの庭 庭の日記 もっと生き抜いたあとで ・ 訳者あとがき ・ ***** 著者プロフィール ハン・ガン (ハン,ガン) (著) 1970年生まれ。2016年『菜食主義者』で国際ブッカー賞、2023年『別れを告げない』でメディシス賞外国小説部門、2024年ノーベル文学賞を受賞。著書に『少年が来る』『すべての、白いものたちの』等。 斎藤 真理子 (サイトウ マリコ) (訳) 翻訳家。パク・ミンギュ『カステラ』(共訳)で日本翻訳大賞、チョ・ナムジュ他『ヒョンナムオッパへ』で韓国文学翻訳院大賞、ハン・ガン『別れを告げない』で読売文学賞を受賞。ほか、著訳書多数。
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農民芸術概論 | 宮沢賢治
¥2,200
八燿堂 2021年 ハードカバー 112ページ 四六変形判 縦188mm 横120mm - 内容紹介 - 「われらに要るものは銀河を包む透明な意志 巨きな力と熱である」 ――新たな時代を生きるすべての人に捧げる、宮沢賢治至高の芸術詩編 土に触れる自らの手と宇宙の胎動が直結する壮大なスケールで描かれた宮沢賢治による至高の芸術論「農民芸術概論綱要」。本書では本論に加え、「農民芸術」の名を冠する他二編を収録。また、「雨ニモマケズ 風ニモマケズ」で知られる通称「雨ニモマケズ手帖」に収められた詩編や、賢治の最晩年、病床に伏しながら書かれたと言われる「疾中」を採録。そして生前未発表の詩作集「詩ノート」より撰集した数編のほか、学生に向けた鼓舞激励のメッセージ「生徒諸君に寄せる」を収めた。計約70詩編採録。装画は奄美大島在住の人気絵本作家、ミロコマチコ。 「詩ノート」より 農民芸術概論 「雨ニモマケズ手帖」より 疾中 - 著者プロフィール - 宮沢賢治 (ミヤザワケンジ) (著) 1896年、岩手県花巻生まれ。中学時代から山野を歩く。1921年から5年間、花巻農学校教諭。後に羅須地人協会を設立し農民の生活向上をめざす。晩年は肺結核が悪化、最後の5年は病床で作品の創作や改稿を行った。
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とるに足りない細部 | アダニーヤ・シブリー(著), 山本 薫(訳)
¥2,200
河出書房新社 2024年 ソフトカバー 168ページ 四六変型判 - 内容紹介 - 1949年8月、ナクバ(大災厄)渦中のパレスチナ/イスラエルで起きたレイプ殺人と、現代でその痕跡を辿るパレスチナ人女性。二つの時代における極限状況下の〈日常〉を抉る傑作中篇。 この作品の「細部」に宿っているものは、私の精神世界を激しく揺さぶり、皮膚の内側を震えさせる。この本の中の言葉の粒子に引き摺り込まれ、永遠に忘れられない体験になり今も私を切り刻んでいる。 ――村田沙耶香氏(作家) かき消された声、かき消された瞬間と共にあるために、この小説は血を流している。 ――西加奈子氏(作家) *2023年、本作はドイツの文学賞であるリベラトゥール賞を受賞。しかし同年10月、イスラエルによるガザへの攻撃が激化するなか、フランクフルト・ブックフェアで開催予定だった授賞式は同賞の主催団体リトプロムによって中止され、ブックフェアは「イスラエル側に完全に連帯する」との声明を出した。この決定に対しては、作家や出版関係者を中心に、世界中から抗議の声が上がっている。 - 著者プロフィール - アダニーヤ・シブリー (シブリー,アダニーヤ) (著) 1974年、パレスチナ生まれ。2009年、39歳以下の有望なアラブ作家39人を選ぶ「ベイルート39」に名を連ねる。23年、本作で独リベラトゥール賞を受賞するも、主催者により授賞式は一方的に中止された。 山本 薫 (ヤマモト カオル) (訳) 1968年生まれ。アラブ文学研究者。パレスチナを中心に、文学・音楽・映画の研究・紹介を行う。共編著に『言語文化とコミュニケーション』、訳書にハビービー『悲楽観屋サイードの失踪にまつわる奇妙な出来事』。
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あやとりの記 | 石牟礼 道子
¥1,320
SOLD OUT
河出書房新社 2026年 河出文庫 ソフトカバー 356ページ 文庫判 縦149mm 横105mm 厚さ13mm - 内容紹介 - 幼子みっちんは、人の世の片隅で生きるものたちに導かれ、海と山に抱かれた不知火の豊かな世界に遊ぶ。『椿の海の記』と対をなす傑作。 - 著者プロフィール - 石牟礼 道子 (イシムレ ミチコ) (著) 1927年熊本県天草生まれ。生後すぐに水俣に移る。詩人、作家。著書に『苦海浄土(三部作)』『あやとりの記』『十六夜橋』『石牟礼道子全集・不知火(全17巻、別巻1)』、共著に『なみだふるはな』ほか。
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宮沢賢治をゆっくり読む アート・仏教・ビジネスの交差点へ | 岡田 基生
¥2,420
ヘウレーカ 2025年 ソフトカバー 272ページ 四六判 縦188mm 横128mm 厚さ18mm - 内容紹介 - ウェルビーイング、エコロジー、リベラルアーツ──。今でこそ注目されるこれらのテーマに、100年前の日本で真剣に取り組み、社会を変えようとした人物がいた。それが宮沢賢治だ。では、もし賢治が現代に生きていたら、どんな未来を描いただろうか? 本書は、賢治を文学者としてだけではなく、「アートの力で社会課題の解決に挑んだ情熱的なソーシャル・イノベーター」として新たに捉え直す試みである。著者が独自に編み出した「熟読の技芸」を通じて、作品の中にある賢治のエッセンスが詰まった一文を丁寧に読み解きながら、これからの社会や私たちの生き方を豊かにするヒントを探っていく。 - 目次 - はじめに──もしも宮沢賢治が現代に生きていたら どうすればみんなが楽しめる世界をつくれるか/自分自身の生き方が問われる時代/ソーシャル・イノベーターとしての宮沢賢治/「ゆっくり読む」とはどういうことか 第1章 本当に大切なものを探る旅──童話「銀河鉄道の夜」 ◆人生観が揺さぶられる夜 探求の出発点/カムパネルラの苦悩/他の個の幸福への問い/「みんな」と「みちづれ」の緊張関係 ◆本当の幸福を探る手がかり みんながカムパネルラだ/「ジョバンニの切符」とは何か/「一念三千」という宇宙観/本当の幸福を探るための実験/なぜブルガニロ博士は登場しなくなったのか コラム 現在のイギリス海岸 第2章 本当の幸福が感じられる場所──童話「虔十公園林」 ◆杉林で深呼吸する 公園林の物語/森林浴の効能 ◆虔十と賢治 新鮮に感受し、歓びを分かち合うこと/虔十の賢さ/「十力」とは何か ◆公園林が教えること 自然と人為が調和する人工林/遊びと学びが一体となる場/生命の活かし合いと、それを成り立たせる力 コラム 宮沢賢治と鉱物 第3章 永久の未完成という完成──芸術論『農民芸術概論綱要』 ◆宇宙の構造から幸福を考える どうすればもっと楽しく暮らせるか/世界のすべてはつながっている/すべては自分の中で起こっている/「こゝろのひとつの風物」としての宇宙/互いが互いを映し合う宇宙/私はすべての出来事の当事者である/あらゆる自己中心性の根源/すべての個が宇宙の主役である/未完成でありながら完成している幸福 ◆幸福の原体験 曠野の饗宴/「自分を忘れる」とはどういうことか/「楽しい/たのしい」とはどういうことか ◆幸福はどのようにして成立するか 賢治の宇宙観と生命観/賢治の幸福観/ポジティブ心理学との関係/「みんな」と「みちづれ」の調和的な関係 コラム 求道の共同体 第4章 大地と人間が織りなす演劇──詩〔生徒諸君に寄せる〕 ◆どうすれば幸福な社会のビジョンを描けるか 賢治の時代認識/詩人の使命/予言と設計の一体性/森羅万象の奏でる音楽/詩は誰に由来するか ◆賢治の描いたビジョン 「地人芸術」というプロジェクト/「地人の個性」とは何か/大地と人間が織りなすオペラを上演する/地人芸術の実践方法/世界の幸福と地人芸術の関係 ◆アートを生み出す方法 「活動としてのアート」と「生活としてのアート」の関係/創作の前段階――生活としてのアート/無意識の重要性/創作のプロセス――活動としてのアート/地人芸術の実例/風と ゆききすること/雲からエネルギーをとること ◆賢治が生み出した秩序 「コスモス」としての美/「われらの美」によって乗り越えられる四つの課題/「イーハトーヴ」というプロジェクト/「イーハトーヴ」という言葉の成り立ち/地人芸術を継承する/私の実践 コラム 言葉の音、音の言葉 第5章 自分たちの手で広場をつくる──童話「ポラーノの広場」 ◆幻滅から始まる物語 どのようにビジョンを実現すればよいか/なぜ広場が重要なのか/「ポラーノの広場」の物語/三つのポラーノの広場/羅須地人協会の活動 ◆理想主義の罠 削除されたキューストの激励/晩年の賢治の心境/「雨ニモマケズ」の先へ/本当の謙虚さはどこから生まれるか ◆変革の技芸 工夫──答えのない課題に向き合う/饗宴──他の個と共に生命を養う/共演──他の個と共に役割を果たす/方便──相手に合わせて表現する/これからの豊かさを実現する鍵 コラム 時を超えたティーパーティー おわりに──イーハトーヴの物語は続く - 著者プロフィール - 岡田基生 (オカダ モトキ) (著) 独立研究者。宮沢賢治学会会員。修士(哲学)。1992年生まれ、神奈川県出身。ケルン大学哲学部への交換留学を経て、上智大学文学部哲学科を卒業。同大学院哲学研究科で大正・昭和初期の哲学を研究。修了後、人文知を社会変革に活かす道を探るため、民間企業で働きながら、哲学・アート・ビジネス・教育の領域を横断する探究を続ける。IT企業を経て、カルチュア・コンビニエンス・クラブに入社し、代官山 蔦屋書店の人文・ビジネスフロアのマネージャーを経験。現在は出版社で書籍編集に携わる。宮沢賢治についての研究の成果を論考やワークショップなどの形式で発表するほか、岩手県花巻市内の中学校・高校などで10代に向けた講演も実施している。共著に『批評の歩き方』(赤井浩太・松田樹責任編集、人文書院、2024年)がある。
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貧乏讀本 | 鹿美社編集部(編)
¥1,980
鹿美社 2025年 ハードカバー 392ページ 四六変形判 - 内容紹介 - 【豪華造本】四六判変形/上製/箔押し/PP加工 〈豊かさとは何か〉 24名の詩、小説、俳句、短歌、随筆、日記、ルポルタージュ、翻訳 「貧乏」に纏わる前代未聞の哲学的総合文芸アンソロジー 種田山頭火 俳句十五選 林芙美子「放浪記以前」 横山源之助「日本の下層社会」(抄) 太宰治「清貧譚」 ランボオ/中原中也「教会に来る貧乏人」 小林多喜二「失業列車」 山上憶良/折口信夫「貧窮問答歌」 三好達治「貧生涯」 与謝野晶子「おとくの奉公ぶり」 芥川龍之介「十円札」 山之口貘「妹におくる手紙」 黒島伝治「電報」 岩野泡鳴「何の為めに僕」 萩原朔太郎「大井町」 小山清「落穂拾い」 樋口一葉 日記より 石川啄木『一握の砂』より 辻潤「瘋癲病院の一隅より」 幸田露伴「貧乏の説」(抄) 河上肇「古今洞随筆」 八木重吉「神の道」 森茉莉「贅沢貧乏」
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彼女の最初のパレスチナ人 | サイード ・ティービー, 大津 祥子(訳)
¥2,860
小学館 2025年 ソフトカバー 272ページ 四六判 - 内容紹介 - パレスチナ移民たちの心情を描く傑作短篇集 力によって追放され、世界のどこにいようと「よそ者」として日常を引き裂かれ続けるパレスチナ人たちは、あなたのすぐ隣にもいるかもしれない。ーー安田菜津紀氏(Dialogue for People副代表/フォトジャーナリスト)推薦! 2022年アトウッド・ギブソン・ライターズ・トラスト・フィクション賞最終候補作 母国について教えた恋人が救済活動に目覚めていく姿に戸惑う医師 かつて暮らした国への小さな投稿によって追い詰められていく数学者 ルームメイトたちに溶け込むために架空の恋人をでっちあげる大学生 正規採用と引き換えに違法なミッションを引き受けてしまう司法修習生 妻と娘のために禁断の取引に手を伸ばしてしまうプログラマー…… 安住の地となるはずの国で心揺らぐパレスチナ移民たちの日々が、珠玉の9篇に。瀬戸際に追い詰められながら自らのアイデンティティを探る姿を多彩な筆致で綴る、カナダ発傑作短篇集。 【編集担当からのおすすめ情報】 2023年秋以降ガザ地区の惨状が世界中に発信されていますが、パレスチナの人々の苦難は1948年の「ナクバ」(イスラエル建国に際して70万人以上のパレスチナ人が難民化)に端を発しています。本作に登場するのも、祖父母や父母、あるいは本人が故郷を失いやむにやまれずカナダに移り住んできたという人たちです。しかし安住の地を得たと思いきや、ふとした局面で差別や偏見、居づらさを感じ、身を小さくする思いで暮らす人々。そんな移民たちの九つの物語です。パレスチナの苦難の歴史とともに、海外からの移住者が増えている今の日本で、彼らの心の内にも思いを馳せるきっかけとなれば幸いです。
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キャロル | パトリシア・ハイスミス(著/文)柿沼 瑛子(翻訳)
¥902
河出書房新社 2015年 ソフトカバー 464ページ 文庫判 - 内容紹介 - クリスマス、おもちゃ売り場の女店員はキャロルと出会う…サスペンスの女王による、二人の女性の恋の物語。映画化原作ベストセラー。
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クリスマス・イヴの聖徳太子|瀬戸 夏子
¥2,200
河出書房新社 2025年 ソフトカバー 216ページ 四六判 縦188mm 横130mm 厚さ15mm - 内容紹介 - わたしの言葉を奪いにくるならわたしはお前の命を奪う──。三島由紀夫、穂村弘、BL、タワマン文学、木嶋佳苗etc. 稀代の歌人にして天性の批評家による言葉のレジスタンス。 ・ ・ 『はつなつみずうみ分光器』の編者であり 『をとめよ素晴らしき人生を得よ』が話題の 稀代の歌人・天性の批評家 ・ 過剰な言葉と繊細なレトリックで オンリーワンの文体を持つ著者による エッセイ、小説、批評、書評を収録 ・ いまを生きるための 言葉のレジスタンス ・ ・ ・ 【目次】 ・ まえがき ・ 1 don’t call my name 「フェイクニュースは私だ」 我々は既にエミリー・ディキンソンではない 「ファン」の美学と倫理について 少女小説家になりたかったあなたへ ・ 2 終焉は祝福している スタンダード・ナンバー ウェンディ、才能という名前で生まれてきたかった?――小説 名誉男性だから ・ 3 一千年後のジャンヌ・ダルク 超資本主義社会における恋愛至上主義について MINE――小説 ・ 4 奇蹟は燃えている パーフェクト・スター――左川ちかについて 誘惑のために うつしかえされた悲劇――三島由紀夫『豊饒の海』について 原型――小説 ・ 5 don’t sing for us ふたたびの、聖書――穂村弘『ラインマーカーズ』文庫版解説 デフォルトを解除する鍵――短歌とBLについて 生という謀反――『馬場あき子全歌集』書評 凄いままでいてもらわないと困る――水原紫苑『如何なる花束にも無き花を』書評 これからの批評のための3冊 - 著者プロフィール - 瀬戸 夏子 (セト ナツコ) (著) 1985年生まれ。歌人・批評家。著書に、『そのなかに心臓をつくって住みなさい』『かわいい海とかわいくない海 end.』、『現実のクリストファー・ロビン』『白手紙紀行』『はつなつみずうみ分光器』がある。
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ジートコヴァーの最後の女神たち|カテジナ・トゥチコヴァー, 阿部 賢一(訳), 豊島 美波(訳)
¥3,080
新潮社 2025年 新潮クレスト・ブックス ハードカバー 448ページ 四六変型判 縦193mm 横134mm 厚さ26mm - 内容紹介 - 私は「女神」に育てられた。知られざる驚異を描いたチェコのベストセラー。チェコのとある辺境の寒村には、不思議な能力で人々を助ける「女神」と呼ばれる女性たちが生きていた。天候をも左右したというその術に戦争中はナチスが注目し、共産主義時代には弾圧されたことも。チェコに実在した彼女たちの数奇な運命を、その血を受け継ぐ民族誌学者の女性が探っていく。歴史のベールをはぎ取る物語。
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家守綺譚|梨木 香歩
¥605
新潮社 2006年 新潮文庫 ソフトカバー 208ページ 文庫判 縦151mm 横106mm 厚さ7mm - 内容紹介 - 庭・池・電燈付二階屋。汽車駅・銭湯近接。四季折々、草・花・鳥・獣・仔竜・小鬼・河童・人魚・竹精・桜鬼・聖母・亡友等々々出没数多……本書は、百年まえ、天地自然の「気」たちと、文明の進歩とやらに今ひとつ棹さしかねてる新米精神労働者の「私」=綿貫征四郎と、庭つき池つき電燈つき二階屋との、のびやかな交歓の記録である。
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Amy's Kitchen 山田詠美文学のレシピ | 山田 詠美(文), 今井 真実(料理)
¥2,860
左右社 2025年 ハードカバー 112ページ 四六判 - 内容紹介 - 今年でデビュー40周年を迎える小説家・山田詠美のデビュー作から2020年代の最新作までの作品に登場する料理を、人気料理家の今井真実がレシピで再現したフルカラーの贅沢な一冊。 『ベッドタイムアイズ』『ソウル・ミュージック・ラバーズ・オンリー』『放課後の音符』『ぼくは勉強ができない』『A2Z』『風味絶佳』『珠玉の短編』『血も涙もある』『肌馬の系譜』ほか、熱血ポンちゃんシリーズのエッセイを含む22作品分の料理を年代ごとにセレクトし、たっぷりの引用とともに紹介します。巻末には山田詠美による書き下ろしエッセイ「おいしい顔って……」、著作リストを収録。年代順の構成で、山田詠美クロニクルとしても楽しめます。 舌だけではない部分で、情感の味わいを知ること。人が深みを増して行くために、大事なレッスンになるだろう。そして、そのことは、本当の意味での「おいしい顔」を作る。いえ、おいしさが顔に滲み出るのである。ーー山田詠美書き下ろしエッセイ「おいしい顔って……」より
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涙の箱 | ハン・ガン(著), きむ ふな(訳)
¥1,650
評論社 2025年 ソフトカバー 88ページ 四六判 縦188mm 横128mm 厚さ8mm - 内容紹介 - ノーベル文学賞作家ハン・ガンがえがく、大人のための童話 この世で最も美しく、すべての人のこころを濡らすという「純粋な涙」を探して 昔、それほど昔ではない昔、ある村にひとりの子どもが住んでいた。その子には、ほかの子どもとは違う、特別なところがあった。みんながまるで予測も理解もできないところで、子どもは涙を流すのだ。子どもの瞳は吸い込まれるように真っ黒で、いつも水に濡れた丸い石のようにしっとりと濡れていた。雨が降りだす前、やわらかい水気を含んだ風がおでこをなでたり、近所のおばあさんがしわくちゃの手で頬をなでるだけでも、ぽろぽろと澄んだ涙がこぼれ落ちた。 ある日、真っ黒い服を着た男が子どもを訪ねてくる。「私は涙を集める人なんだ」という男は、大きな黒い箱を取り出し、銀の糸で刺繍されたリボンを解くと、大小、かたちも色もさまざまな、宝石のような涙を子どもに見せた。そして、このどれでもない、この世で最も美しい「純粋な涙」を探していると話す。男は子どもがそれを持っているのではないかと言うのだが――。 「過去のトラウマに向き合い、人間の命のもろさを浮き彫りにする強烈な詩的散文」が評価され、2024年にノーベル文学賞を受賞したハン・ガン。本書は童話と銘打ちながらも、深い絶望や痛みを描き、そこを通過して見える光を描くハン・ガンの作品世界を色濃く感じられる作品です。 幸せな出会いが実現し、日本語版の絵はハン・ガン自身、長年ファンだったというjunaidaさんが担当。ハン・ガンが、「読者それぞれのなかにある希望の存在」としてえがいた主人公や、どこともいつとも特定しない本作の世界を美しく描き、物語とわたしたちをつないでくれます。 2008年、韓国で発売され、本国では子どもから大人まで幅広い年齢層に愛されている本作。ハン・ガン作品との出会いにもおすすめの一冊です。 「きみの涙には、むしろもっと多くの色彩が必要じゃないかな。特に強さがね。 怒りや恥ずかしさや汚さも、避けたり恐れたりしない強さ。 ……そうやって、涙にただよう色がさらに複雑になったとき、ある瞬間、きみの涙は 純粋な涙になるだろう。いろんな絵の具を混ぜると黒い色になるけど、 いろんな色彩の光を混ぜると、透明な色になるように」 ―本文より― 涙をめぐる、あたたかな希望のものがたり。 - 著者プロフィール - ハン・ガン (ハンガン) (著) 1970年、韓国・光州生まれ。延世大学国文学科を卒業。1994年、ソウル新聞新春文芸に短編「赤い碇」が当選し、作家デビュー。2005年、『菜食主義者』(クオン)で李箱文学賞を、また同作で2016年にアジア人初の国際ブッカー賞を受賞。2017年、『少年が来る』(クオン)でイタリアのマラパルテ賞、2023年、『別れを告げない』(白水社)でフランスのメディシス賞(外国小説部門)、また同作で2024年、フランスのエミール・ギメ アジア文学賞を受賞。2024年、「過去のトラウマに向き合い、人間の命のもろさを浮き彫りにする強烈な詩的散文」が評価され、ノーベル文学賞を受賞。他に『引き出しに夕方をしまっておいた』『そっと 静かに』(以上クオン)、『ギリシャ語の時間』(晶文社)、『すべての、白いものたちの』(河出書房新社)、『回復する人間』(白水社)などが邦訳されている。 きむ ふな (キムフナ) (訳) 韓国生まれ。韓国の誠信女子大学、同大学院を卒業し、専修大学大学院日本文学科で博士号を取得。日韓の文学作品の紹介と翻訳に携わる。訳書にハン・ガン『菜食主義者』、キム・エラン『どきどき僕の人生』、キム・ヨンス『ワンダーボーイ』、ピョン・ヘヨン『アオイガーデン』、シン・ギョンスク『オルガンのあった場所』(以上クオン)、孔枝泳『愛のあとにくるもの』(幻冬舎)など。共訳書にハン・ガン『引き出しに夕方をしまっておいた』(クオン)など。著書に『在日朝鮮人女性文学論』(作品社)がある。韓国語訳書の津島佑子『笑いオオカミ』にて板雨翻訳賞を受賞。
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ストーナー |ウィリアムズ・ジョン, 東江 一紀(訳)
¥2,860
作品社 2014年 ハードカバー 330ページ - 内容紹介 - 半世紀前に刊行された小説が、いま、世界中に静かな熱狂を巻き起こしている。名翻訳家が命を賭して最期に訳した、"完璧に美しい小説"。 ------- ストーナーという男の一生を描いた一見地味な作品なのに、じわじわと物語の中に引きこまれ、最後までページをめくる手が止まらなくなります。 素晴らしい読後感の中で読む「訳者あとがき」を読み、今度は涙が止まらなくなりました。
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キリンが文学を聞いたら サバンナで続ける証言現代文芸史70 | 本よみうり堂(編)
¥1,980
書肆侃侃房 2025年 ソフトカバー 208ページ 四六判 - 内容紹介 - 戦後80年、「本よみうり堂」25年、貴重な文芸の証言70 文学的な出来事やベストセラーにまつわるエピソードから、忘れられない小さな話まで。その時、作家や漫画家はどんなことを考え、感じていたのか? 柴田翔、池田理代子、桐野夏生、綿矢りさ、池澤夏樹、村田沙耶香、筒井康隆、黒柳徹子など、1960年代から2010年代に作品が刊行された作家70人の証言をもとに、「本よみうり堂」の記者が綴る文学の記録。 前作『キリンが小説を読んだら サバンナからはじめる現代文学60』(2021)の続編 2025年8月上旬全国書店にて発売。 「本よみうり堂」とは? 毎週日曜の読売新聞朝刊に掲載されている「本を愛する人たち」で作るページ。 小説やコミック・サブカルから、人文書や学術書まで。読書好きにはたまらないワクワクする記事がいっぱい! - 目次 - はじめに 1960~80年代の証言 柴田翔『されど われらが日々―』1964 /池田理代子『ベルサイユのばら』1972/宮本輝『泥の河』1977/椎名誠『さらば国分寺書店のオババ』1979 /島田荘司『占星術殺人事件』1981/北方謙三『弔鐘はるかなり』1981/野谷文昭『蜘蛛女のキス』翻訳1983/島田雅彦『優しいサヨクのための嬉遊曲』1983/浅田彰『構造と力』1983/中沢新一『チベットのモーツァルト』1983/宮田毬栄 文芸誌「海」1984/唯川恵『青春クロスピア』1985/伊藤比呂美『テリトリー論2』1985/高橋源一郎『優雅で感傷的な日本野球』1988 /吉本ばなな『キッチン』1988/北村薫『空飛ぶ馬』1989 1990年代の証言 穂村弘『シンジケート』1990/鈴木光司『リング』1991/湯本香樹美『夏の庭 The Friends』1992/斎藤美奈子『妊娠小説』1994/又吉栄喜『豚の報い』1996/桐野夏生『OUT』1997/阿部和重『インディヴィジュアル・プロジェクション』1997/金石範『火山島』1997/横山秀夫『陰の季節』1998/乙武洋匡『五体不満足』1998/松岡佑子『ハリー・ポッターと賢者の石』翻訳1999 2000年代の証言 片山恭一『世界の中心で、愛をさけぶ』2001/糸井重里『悪人正機』2001/酒井順子『負け犬の遠吠え』2003/綿矢りさ『蹴りたい背中』2003/白岩玄『野ブタ。をプロデュース』2004/佐伯一麦『鉄塔家族』2004/白石昌則『生協の白石さん』2005/亀山郁夫『カラマーゾフの兄弟』新訳2006/美嘉『恋空』2006/劇団ひとり『陰日向に咲く』2006/池澤夏樹『池澤夏樹=個人編集 世界文学全集』2007/楊逸『ワンちゃん』2008/林望『謹訳 源氏物語』2010 2010年代の証言 和合亮一『詩の礫』2011/きむふな『菜食主義者』翻訳2011/伏瀬『転生したらスライムだった件』2013/最果タヒ『死んでしまう系のぼくらに』2014/柳美里『JR上野駅公園口』2014/村田沙耶香『コンビニ人間』2016/若竹千佐子『おらおらでひとりいぐも』2017/柴田元幸『ハックルベリー・フィンの冒けん』新訳2017/角田光代『源氏物語』現代語訳2020/多和田葉子『太陽諸島』2022/谷川俊太郎『にほんの詩集 谷川俊太郎詩集』2022/見城徹『石原慎太郎短編全集Ⅰ・Ⅱ』2021/平野啓一郎『三島由紀夫論』2023/川上弘美『恋ははかない、あるいは、プールの底のステーキ』2023/髙樹のぶ子『小説小野小町 百夜』2023/九段理江『東京都同情塔』2024/矢野優「新潮」2024年5月号2024/松浦寿輝『松浦寿輝全詩集』2024/辻原登『陥穽 陸奥宗光の青春』2024/五木寛之『忘れ得ぬ人 忘れ得ぬ言葉』2025/筒井康隆 映画「敵」2025 戦争をめぐる証言 黒柳徹子『窓ぎわのトットちゃん』1981/青来有一『爆心』2006/奥泉光『神器 軍艦「橿原」殺人事件』2009/澤地久枝『記録 ミッドウェー海戦』1986/李恢成『地上生活者』2005~/志水辰夫『裂けて海峡』1983/阿刀田高『私が作家になった理由』2019/中村稔『私の昭和史』2004/三木卓『砲撃のあとで』1973 おわりに あとがき - 著者プロフィール - 本よみうり堂 (編) 毎週日曜日の読売新聞朝刊に掲載している本のページです。様々な本に関する企画記事を載せたフロントページと、見開き2ページで作られる書評のページからなります。作家や研究者、芸能関係者をはじめ、様々な分野の外部識者を中心とした約20人の方に読書委員に就いていただき、書評の執筆をお願いしています。書評する本を決めるのは、隔週ごとに開かれる読書委員会です。様々な出版社や著者からいただいた献本をもとに、熱く、楽しく、議論を重ね、読者の方々に充実した本選びの参考にしてもらえるように務めています。 委員会の事務局は、文化部の記者の仕事です。本に関する議論を聞くことは、記者にとっても最も勉強になる場です。時々、成長しすぎてキリンやゾウ、ウサギなど本を愛する変わった生きものたちが育ってしまうこともあるようです。 月曜夕刊(東京本社版)には、話題の本の動きを紹介する「本よみうり堂 トレンド館」や、漫画を取り上げる「コミック館」、児童書を扱う「ジュニアワールド」があります。読売新聞オンラインにも「本よみうり堂」のページを設けています。 近年は紙面の企画をもとに、読書ガイドとなるような本も編んでいます。『キリンが小説を読んだらサバンナからはじめる現代文学60』(書肆侃侃房)のほか、岡ノ谷一夫、梯久美子、牧原出さんとの共著『本棚から読む平成史』(河出書房新社)や、沼野充義、松永美穂、阿部公彦さんとの共編『文庫で読む100年の文学』(中公文庫)を刊行しています。
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ババヤガの夜 | 王谷 晶
¥748
河出書房新社 2025年 河出文庫 ソフトカバー 208ぺージ 文庫判 縦149mm 横105mm 厚さ11mm - 内容紹介 - 世界最高峰のミステリー文学賞 英国推理作家協会賞 ダガー賞 翻訳小説部門 受賞作 世界が息を呑んだ最狂のシスター・バイオレンス・アクション! ロサンゼルス・タイムズ「この夏読むべきミステリー5冊(2024年)」選出 デイリー・テレグラフ「 スリラー・オブ・ザ・イヤー」選出 「クライム・フィクション・ラバー」最優秀翻訳賞(編集者選)受賞 「めちゃくちゃブッ飛んでて最高に血まみれ、これはヤバかった! 『キル・ビル』とか『ジョン・ウィック』っぽい雰囲気の本を探してるなら、もうこれ一択」 ——@thespookybookclub 「怒り、ユーモア、スリル満載」― The Times紙 「激しい暴力と素晴らしい優しさが交互に訪れる」― The Guardian紙 「女の力を描いた、シャープでストイックな物語」― Los Angeles Times紙 「手に汗握る、壊れないスリラー」― Tokyo Weekender 「優しくも怒りに満ちたこの犯罪サーガは、オオタニの次作を待ち望まずにいられない」― Publishers Weekly 暴力を唯一の趣味とする新道依子は、関東有数規模の暴力団・内樹會会長の一人娘の護衛を任される。二度読み必至、血と暴力の傑作シスター・バイオレンスアクション、ついに文庫化。 装画:寺田克也/解説:深町秋生 どんどこ血が脈打ってくる。――北上次郎(「本の雑誌」2021年1月号) まず、この世界を壊せ。話はそこからだ、と作者は言う。――杉江松恋 シスターフッド文学をあらゆる意味で刷新するシスターバイオレンスアクション!――鴻巣友季子 もう一気に読了して最後はナルホド! と唸った。――大槻ケンヂ 友情でも愛情でも性愛でもない、ただ深いところで結ばれたこの関係に、名前など付けられない。――宇垣美里(フリーアナウンサー)
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ウーマン・トーキング ある教団の事件と彼女たちの選択 | ミリアム・テイヴズ, 鴻巣 友季子(訳)
¥1,518
KADOKAWA 2025年 角川文庫 ソフトカバー 288ページ 文庫判 右開き - 内容紹介 - WOMEN TALKING by Miriam Toews,2018 「これは必読!『侍女の物語』から抜けだしてきたよう」マーガレット・アトウッド(←NHK Eテレ「100分de名著」で話題) 「私たちは子どもを守りたい」 教団で起きた大量レイプ事件。「悪魔の仕業(しわざ)」「作り話」とされてきたが、実は身内による犯行だった。実話にもとづくサスペンス! あるキリスト教系団体の村(コロニー)で起きた大量レイプ事件。最年少の被害者は3歳の少女。それは「悪魔の仕業(しわざ)」「作り話」とされたが、実は身内の8人の男による犯行だった。彼らを保釈させようと村の男たちが外出する2日間。女たちは子どもを守るために未来を選ばねばならない。何もしないか、闘うか、村を出ていくか。文字の読めない女たちの会議(ウーマン・トーキング)が始まる。実話にもとづくサスペンス。マーガレット・アトウッドが「必読」と絶賛。第95回アカデミー賞脚色賞映画、原作! 「これは必読! この驚異的で、悲しく、衝撃的にして心を打つ小説は現実の事件を元にしており、まるで『侍女の物語』から抜けだしてきたようだ」M・アトウッド 「痛烈……悪の本質、自由意志の問題、集団的責任、文化決定論、そして何よりも赦しについてふれる」ニューヨーク・タイムズ カバーイラスト/千海博美 カバーデザイン/鈴木成一デザイン室 - 目次 - 六月六日 オーガスト・エップ、会議前に記す 六月六日 女性たちの話し合いの議事録 六月六日 オーガスト・エップ 夜、会議と会議の間に記す 六月七日 女性会議の議事録 六月七日 会議の後にオーガスト・エップ記す 謝辞 訳者あとがき - 著者プロフィール - ミリアム・テイヴズ (ミリアム テイヴズ) (著) カナダのマニトバ州出身の作家。祖先はウクライナからの移住者で、メノナイト信徒の両親のもとに生まれる。代表作は本作の他、『Fight Night』『All My Puny Sorrows』『A Complicated Kindness』など(すべて未邦訳)。著作はアトウッド・ギブスン・トラスト・ライターズ小説賞を二度も授与され、本作はアトウッドから「これは必読! 『侍女の物語』から抜けだしてきたよう」と評された。また、本作は2022年に映画化され、第95回アカデミー賞脚色賞を受賞した。 鴻巣 友季子 (コウノス ユキコ) (訳) 1963年、東京生まれ。翻訳家、文芸評論家。英語圏の現代文学の紹介と共に古典新訳にも力を注ぐ。『風と共に去りぬ』『嵐が丘』『灯台へ』(すべて新潮文庫)の新訳を手がける。他訳書に、マーガレット・アトウッド『誓願』(ハヤカワepi文庫)、同『ペネロピアド』(角川文庫)、クレア・キーガン『ほんのささやかなこと』(早川書房)など多数。『文学は予言する』(新潮選書)、『ギンガムチェックと塩漬けライム』(NHK出版)など評論書も多い。
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ペネロピアド 女たちのオデュッセイア | マーガレット・アトウッド, 鴻巣 友季子(訳)
¥1,078
KADOKAWA 2025年 角川文庫 ソフトカバー 224ページ 文庫判 右開き - 内容紹介 - ホメロスによるギリシア英雄譚『オデュッセイア』。男性的な叙事詩の中で、女たちの声は語られてこなかった。 オデュッセウスの帰還を待つ20年、妻ペネロペイアは国を守るため、噂話に耳をふさぎ、無鉄砲な息子を育て、財産狙いの求婚者らを追い払う。 その内心はいかなるものだったのか。12人の女中たちはなぜ殺されたのか――。 『侍女の物語』『誓願』の巨匠アトウッドが想像と語りの才を発揮した、新たなる傑作! 解説・小川公代 ★2025年6月 NHK Eテレ『100分de名著』(M・アトウッド『侍女の物語』『誓願』) 指南役:鴻巣友季子 - 著者プロフィール - マーガレット・アトウッド (マーガレットアトウッド) (著) 1939年カナダ・オタワ生。トロント大学、ハーヴァード大学で学んだ後、英文学の教鞭をとる。21歳で処女詩集を出版後、小説・評論など様々な著作物を発表。「侍女の物語」でカナダ総督文学賞、「昏き目の暗殺者」でブッカー賞を受賞。カナダで最も高名な作家の一人。 鴻巣 友季子 (コウノス ユキコ) (訳) 1963年、東京生まれ。翻訳家、文芸評論家。英語圏の現代文学の紹介と共に古典新訳にも力を注ぐ。『風と共に去りぬ』(全5巻、新潮文庫)の他、エミリー・ブロンテ『嵐が丘』(同)、ヴァージニア・ウルフ『灯台へ』(『世界文学全集2-01』河出書房新社)の新訳も手がける。他訳書に、J・M・クッツェー『恥辱』『イエスの幼子時代』(ともに早川書房)など多数。『熟成する物語たち』(新潮社)、『全身翻訳家』『翻訳ってなんだろう? あの名作を訳してみる』(ともに筑摩書房)など翻訳に関する著書も多い。
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水棲生物 水の底のアフリカ | オズヴァルド・ルワット, 大林 薫(訳)
¥2,970
河出書房新社 2025年 ソフトカバー 368ぺージ 四六判 - 内容紹介 - アカデミー・フランセーズ賞フランス語文学賞、全アフリカ文学賞、アマドゥ・クルマ文学賞……カメルーン出身のドキュメンタリー監督による、賞総なめの衝撃作! ジェンダーをめぐる差別が根強く抑圧的な社会で「自分」を生きるために闘う人を映しとる! 貧富の格差、女性差別、性的マイノリティへの弾圧。 家父長制と因習に縛られ、権力闘争が渦巻く国ザンブエナ。かつて教師として働いていたカトメは、野心的な政治家の妻として夫を支えるかたわら、親友のアーティスト、サミーの創作活動を支援していた。反体制的な表現者、そして同性愛者であるサミーの個展の幕開け、それは二人の運命の新たな扉でもあった。 私たちは皆、水の底で生きている。 - 著者プロフィール - オズヴァルド・ルワット (オズヴァルド・ルワット) (著) 1976年カメルーン生まれ。母親の影響で、少女時代は映画観賞や写真撮影に熱中する。パリ政治学院卒業後はカメルーンでジャーナリズムを学び、新聞社で働くが、職業上の制約や言論の不自由にぶつかる。その後、パリの国立映画学校(FEMIS)とモントリオールの国立映像音響学院(INIS)で映像制作を学び、在学中に初のショートフィルム(北米先住民を扱ったドキュメンタリー)を撮る。以降、次々とドキュメンタリー作品を制作。そのうちのいくつかは国際映画祭などで高く評価され、賞を獲得した。フォトグラファーとしても精力的に活動し、パリ、ニューヨーク、キンシャサなどの都市で写真展を開催する。 大林 薫 (オオバヤシ カオリ) (訳) フランス語翻訳家。青山学院大学フランス文学科卒業。主な訳書にジャコメッティ&ラヴェンヌ『ナチスの聖杯』『邪神の覚醒』『亡国の鉤十字』(以上、竹書房文庫、監訳)、ラウィック『わたしの町は戦場になった シリア内戦下を生きた少女の四年間』(東京創元社)、ヴィスコリオージ『モンブラン』(エディション・エフ)がある。
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砂の境界 | ギーターンジャリ・シュリー, 藤井 美佳(訳)
¥2,860
エトセトラブックス 2025年 ソフトカバー 420ページ 四六変形判 縦191mm 横131mm 厚さ21mm - 内容紹介 - 国際ブッカー賞受賞! 80歳の母が、家を出た。 行き先は、越えられるはずもない 国境の向こう側。 夫を亡くし沈んでいたはずの母が、ある日突然起き上がる。ヒジュラーの友と時を過ごし、娘と旅する先はインド・パキスタンの国境線。カラスは喋り、路は目撃し、神話や哲学も語り出す。あらゆる境界を越え母は進むーー 不可視化された女性の無限を描く、インド作家初邦訳。 「母が踏み出す旅は、何百万人もの人々が歩んだことのある旅だ」――ガーディアン - 目次 - 第一章 背中 第二章 陽光 第三章 国境の向こう 訳者あとがき - 著者プロフィール - ギーターンジャリ・シュリー (ギーターンジャリ シュリー) (著) インドのウッタル・プラデーシュ州生まれ。ヒンディー語作家。大学院在学中に短編小説を発表、卒業後は母語であるヒンディー語を主軸とし、創作活動を続ける。2022年、長編第5作目となる「Ret Samadhi」(原題:砂の三昧)の英語翻訳版「Tomb of Sand」(砂の墓)が、ヒンディー語圏の作家として初めてブッカー国際賞を受賞。女性の不可視性が、人間・動物・植物・自然を超越した普遍的な形で描かれていると評された。他長編に、小さな町の家庭を描写した『母』(1993)、モスク破壊をめぐる激動の一年の都市部の生活を女性が語る『私たちの町、その年』(1998)、女性の愛と、階級やジェンダーなど、抑圧から自由への逃避の物語『隠された場所』(2001)、普通の生活が突然奪われるさまを描いた『空白』(2006)があり、複雑なインドの家父長制社会を生きる普通の人々の心の移ろいを親密な視点で物語にしている。演劇集団「不協和音(ヴィヴァーディ)」の創立メンバーとしても活動し、女性と女児に対する性加害と暴力を描く「排水溝の少女」などを執筆。現在、デリー在住。 藤井 美佳 (フジイ ミカ) (訳) 東京生まれ。東京外国語大学外国語学部南・西アジア課程ヒンディー語専攻卒。英語とヒンディー語を中心に映画やドラマの字幕翻訳を手がける。近年の主な字幕翻訳作品に『ガンジスに還る』『バーフバリ』『RRR』『何も知らない夜』『JAWAN/ジャワーン』『ジョイランド わたしの願い』『コール・ミー・ダンサー』など。2015年より上映会を企画し、東京外国語大学TUFS Cinemaで南アジア映画の紹介を続けている。
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族長の秋 | ガブリエル・ガルシア=マルケス, 鼓 直(翻訳)
¥1,100
新潮社 2025年 ソフトカバー 432ページ 文庫判 縦151mm 横106mm 厚さ15mm - 内容紹介 - 無人の聖域に土足で踏みこんだわれわれの目に映ったのは、ハゲタカに喰い荒らされた大統領の死体だった。国に何百年も君臨したが、誰も彼の顔すら見たことがなかった。生娘のようになめらかな手とヘルニアの巨大な睾丸を持ち、腹心の将軍を野菜詰めにしてオーブンで焼き、二千人の子供を船に載せてダイナマイトで爆殺したという独裁者――。権力の実相をグロテスクなまでに描いた異形の怪作。
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文体練習 | レーモン・クノー , 朝比奈弘治(訳)
¥3,738
朝日出版社 1996年 ハードカバー 195ぺージ 縦22mm - 内容紹介 - 前人未到のことば遊び。他愛もないひとつの出来事が、99通りもの変奏によって変幻自在に書き分けられてゆく。『地下鉄のザジ』の作者にして20世紀フランス文学の急進的な革命を率いたレーモン・クノーによる究極の言語遊戯がついに完全翻訳。 目次 メモ 複式記述 控え目に 隠喩を用いて 遡行 びっくり 夢 予言 語順改変 虹の七色 以下の単語を順に用いて文章を作れ ためらい 厳密に 主観的な立場から〔ほか〕
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戌井昭人 芥川賞落選小説集 | 戌井 昭人
¥1,320
筑摩書房 2025年 ちくま文庫 ソフトカバー 464ページ 文庫判 - 内容紹介 - 5回の芥川賞落選を経験し、もっとも賞に近かった(?)作家による芥川賞落選作5作品をまとめたオリジナル小説集(注:川端康成文学賞受賞作1作を含む!!!)。気が小さいのにテキトー、だけどなぜか惹かれてしまう人物たち、モラルも常識もあんまり通用しない脱力しまくりの独特の世界観が炸裂する──ある意味、画期的で文学的コスパ最強の作品集。 解説 町田康 カバーデザイン 宇都宮三鈴 カバー装画 宮田翔 - 目次 - まずいスープ ぴんぞろ ひっ すっぽん心中 どろにやいと 落選ばかりしてみたけれど(あとがき) 解説 町田康 - 著者プロフィール - 戌井 昭人(いぬい・あきと):1971年、東京都生まれ。ヘンテコなパフォーマンス集団「鉄割アルバトロスケット」を旗揚げして、脚本を担当、自身も出演する。なんだかんだと、いろいろあって、小説を書きはじめ、2009年「まずいスープ」で芥川賞候補になる。その後、「ぴんぞろ」「ひっ」「すっぽん心中」「どろにやいと」と、4回、芥川賞の候補になるがすべて落選。一方で、2014年「すっぽん心中」で川端康成文学賞、16年『のろい男 俳優・亀岡拓次』で野間文芸新人賞。現在も、作家として活動中です。
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わたしの「みえ昭和文学誌」 | 藤田 明
¥2,640
人間社 2024年 ハードカバー 428ページ 四六判 - 内容紹介 - とまれ! 卆寿 深淵なるや 走馬灯の如し 文学研究に 生きたる証を ここに収録── 近現代にあって、三重県出身の文学者は多彩をきわめる。斎藤緑雨・佐佐木信綱をはじめとして、芥川賞を受賞した笙野頼子・伊藤たかみに至るまで列挙すればきりがない。 横光利一・丹羽文雄・田村泰次郎といった中央文壇で活躍した人たちもさりながら、別の方面に光を当てることも必要ではないか。 昭和戦時の、竹内浩三らによる同人誌「伊勢文学」、森敦が東紀州に挑んで挫折した未完の「尾鷲にて」や、伊勢湾、伊賀盆地をめぐる作品の数々にも触れていきたい。 半世紀年以上にわたり〈三重と文学〉について考えてきたことの一端を、体系的、かつ随想風につづった文学エッセイの集大成。 - 目次 - 第一章 戦争と文学──詩歌編 長谷川素逝、錦米次郎、伊良子清白、佐佐木信綱、高橋沐石、中野嘉一、山口誓子、岡野弘彦、嶋田青峰、野呂六三子、北園克衛、中井正義、黛 元男、杉野 茂、松島 博、清水太郎、岩本修蔵、山中智恵子、伊藤桂一、川口常孝、小出幸三 第二章 小説をめぐって──出身の作家・滞在の作家 梶井基次郎、横光利一、丹羽文雄、中谷孝雄、田村泰次郎、駒田信二、中山義秀、梅川文男、岸宏子、森敦、清水信 第三章 竹内浩三と「伊勢文学」──戦中の同人誌活動 竹内浩三、中井利亮、松島こう、中井のぶ子、ほか同人たち 第四章 回想いくつか 「伊賀百筆」の歩み、中井正義 vs 山中智恵子、清水信、めぐる走馬灯 回想・文学九十年──自伝的交友録 - 著者プロフィール - 藤田 明 (フジタ アキラ) (著/文) 1933年、東京生まれ。戦争末期に三重へ疎開し、以降は主に津市在住。県内各地の高校で国語を担当した後、高田短期大学教授。三重大、愛知教育大、松阪女子短大の非常勤講師をつとめた。全国小津安二郎ネットワーク会長を経て現在は顧問。三重文学協会会長。新聞・雑誌に映画・文学関係のエッセイを多数寄稿。著書『三重・文学を歩く』(三重県良書出版会)『平野の思想・小津安二郎私論』(ワイズ出版)、編著『ふるさと文学館28・三重』『同36・和歌山』(ぎょうせい)。
