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クラリッセ・リスペクトル | 長田弘
¥2,695
河出書房新社 2021年 ハードカバー 192ページ 四六変形判 - 内容紹介 - 地方からリオのスラム街にやってきた、コーラとホットドッグが好きなタイピストは、自分が不幸であることを知らなかった――。「ブラジルのヴァージニア・ウルフ」による、ある女への大いなる祈りの物語。 23言語で翻訳、世界的再評価の進む20世紀の巨匠が生んだ奇跡の文学。 「20世紀のもっとも謎めいた作家のひとり」(オルハン・パムク) 「カフカやジョイスと同じ正殿に属する」(エドマンド・ホワイト) 「オブライエン、ボルヘス、ペソアと並ぶ20世紀の隠れた天才」(コルム・トビーン) 「ブラジルのヴァージニア・ウルフ」(ウォール・ストリート・ジャーナル) 荒野からやってきた北東部の女・マカベーアの人生を語る、作家のロドリーゴ・S・M。リオのスラム街でタイピストとして暮らし、映画スターに憧れ、コカコーラとホットドッグが好きで、「不幸であることを知らない」ひとりの女の物語は、栄光の瞬間へと導かれてゆく――。 - 著者について - クラリッセ・リスペクトル (リスペクトル,クラリッセ) 1920年ウクライナ生まれ。大戦下にブラジルへ移住。43年の初小説でグラッサ・アラニャ賞を受賞。その後英米伊ほか外国生活の末帰国、77年に亡くなるまでをリオで過ごす。著書『GHの受難/家族の絆』ほか。 福嶋 伸洋 (フクシマ ノブヒロ) 1978年新潟県生まれ。共立女子大学文芸学部准教授。著書に『魔法使いの国の掟』『リオデジャネイロに降る雪』、訳書に『マクナイーマ』『オルフェウ・ダ・コンセイサォン』がある。
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象の旅 | ジョゼ・サラマーゴ, 木下眞穂(翻訳)
¥2,200
書肆侃侃房 2021年 ハードカバー 216ページ 四六判 - 内容紹介 - 象は、大勢に拍手され、見物され、あっという間に忘れられるんです。 それが人生というものです。 ノーベル賞作家サラマーゴが最晩年に遺した、史実に基づく愛と皮肉なユーモアに満ちた作品。 1551年、ポルトガル国王はオーストリア大公の婚儀への祝いとして象を贈ることを決める。象遣いのスブッロは、重大な任務を受け象のソロモンの肩に乗ってリスボンを出発する。 嵐の地中海を渡り、冬のアルプスを越え、行く先々で出会う人々に驚きを与えながら、彼らはウィーンまでひたすら歩く。 時おり作家自身も顔をのぞかせて語られる、波乱万丈で壮大な旅。 「ささやかで不条理な奇跡の連続、諦念と温かさに満ちた深い知慮が引き起こす小さな笑い」 (アーシュラ・K・ル=グウィン) 「サラマーゴが、その人生の終わりに近くで書いた、愛嬌たっぷりの作品。『象の旅』は皮肉たっぷりで共感を豊かに誘う語りの中に、人間の本質についてのウィットに富んだ思索と、人間の尊厳を侮辱する権力者への揶揄を定期的に挟み込んでくる」(ロサンゼルス・タイムズ) 「サラマーゴは(……)この奇妙ながらも読み進めずにはいられない物語を紡いだ。サラマーゴがシュールで魅力的な散文の巨匠としてこれからも人々の記憶にのこるのはなぜか、この物語が完ぺきな例である」(GQ) - 著者プロフィール - ジョゼ・サラマーゴ (ジョゼ・サラマーゴ) (著/文) 1922年、ポルトガルの小村アジニャガに生まれる。様々な職業を経てジャーナリストとなり50代半ばで作家に転身。『修道院回想録』(82)、『リカルド・レイスの死の年』(84)、『白の闇』(95)で高い評価を得て、98年にノーベル文学賞を受賞。ほかに『あらゆる名前』(97)、『複製された男』(2002)など。2010年没。 木下眞穂 (キノシタマホ) (翻訳) 上智大学ポルトガル語学科卒。ポルトガル語翻訳家。訳書に『ブリーダ』(パウロ・コエーリョ)、『忘却についての一般論』(ジョゼ・エドゥアルド・アグアルーザ)、『エルサレム』(ゴンサロ・M・タヴァレス)など。『ガルヴェイアスの犬』(ジョゼ・ルイス・ペイショット)で2019年に第5回日本翻訳大賞を受賞。
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トラウマ文学館 ひどすぎるけど無視できない12の物語 | 頭木弘樹(編集)
¥990
SOLD OUT
筑摩書房 2019年 ソフトカバー 400ページ 文庫判 - 内容紹介 - 大好評の『絶望図書館』第2弾! もう思い出したくもないという読書体験が誰にもあるはず。洋の東西、ジャンルを問わずそんなトラウマ作品を結集! - 著者プロフィール - 頭木 弘樹 (カシラギ ヒロキ) (編集) 文学紹介者。筑波大学卒。大学三年の二十歳のときに難病になり、十三年間の闘病生活を送る。そのときにカフカの言葉が救いとなった経験から、『絶望名人カフカの人生論』(飛鳥新社/新潮文庫)を編訳。その他の編訳書に『希望名人ゲーテと絶望名人カフカの対話』(飛鳥新社)。監修書に『マンガで読む 絶望名人カフカの人生論』平松昭子(飛鳥新社)。著書に『絶望読書──苦悩の時期、私を救った本』(飛鳥新社)『カフカはなぜ自殺しなかったのか?』(春秋社)がある。NHK「ラジオ深夜便」の「絶望名言」のコーナーに出演中。
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パープル・ハイビスカス | チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ, くぼた のぞみ(翻訳)
¥3,410
河出書房新社 2022年 ハードカバー 320ページ 四六変型判 縦198mm 横138mm 厚さ27mm - 内容紹介 - 厳格な父に育てられた少女カンビリは、軍事クーデタに備えて預けられた叔母の家で、自由な価値観を知る。自己を肯定していく少女の鮮烈な物語。世界20か国以上で翻訳された傑作長篇。 - 著者プロフィール - チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ (アディーチェ,チママンダンゴズィ) (著/文) 1977年ナイジェリア生まれ。2007年『半分のぼった黄色い太陽』でオレンジ賞受賞。13年『アメリカーナ』で全米批評家協会賞受賞。エッセイに『男も女もみんなフェミニストでなきゃ』など。 くぼた のぞみ (クボタ ノゾミ) (翻訳) 北海道生まれ。翻訳家、詩人。東京外国語大学卒業。訳書にクッツェー『マイケル・K』、アディーチェ『なにかが首のまわりに』『アメリカーナ』、シスネロス『マンゴー通り、ときどきさよなら』ほか多数。
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地球にちりばめられて | 多和田葉子
¥792
講談社 2021年 ソフトカバー 352ページ 文庫版 - 内容紹介 - 「国」や「言語」の境界が危うくなった現代を照射する、新たな代表作! 留学中に故郷の島国が消滅してしまった女性Hirukoは、ヨーロッパ大陸で生き抜くため、独自の言語〈パンスカ〉をつくり出した。Hirukoはテレビ番組に出演したことがきっかけで、言語学を研究する青年クヌートと出会う。彼女はクヌートと共に、この世界のどこかにいるはずの、自分と同じ母語を話す者を捜す旅に出る――。 誰もが移民になりえる時代に、言語を手がかりに人と出会い、言葉のきらめきを発見していく彼女たちの越境譚。 「国はもういい。個人が大事。そこをいともたやすく、悲壮感など皆無のままに書かれたのがこの小説である」 ――池澤夏樹氏(文庫解説より) - 著者プロフィール - 多和田 葉子 (タワダ ヨウコ) (著/文) 小説家、詩人。1960年東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。ハンブルク大学大学院修士課程修了。文学博士(チューリッヒ大学)。 1982年よりドイツに在住し、日本語とドイツ語で作品を手がける。1991年『かかとを失くして』で群像新人文学賞、1993年『犬婿入り』で芥川賞を受賞。2000年『ヒナギクのお茶の場合』で泉鏡花文学賞、2002年『球形時間』でBunkamuraドゥマゴ文学賞、2003年『容疑者の夜行列車』で伊藤整文学賞、谷崎潤一郎賞、2005年にゲーテ・メダル、2009年に早稲田大学坪内逍遙大賞、2011年『尼僧とキューピッドの弓』で紫式部文学賞、『雪の練習生』で野間文芸賞、2013年『雲をつかむ話』で読売文学賞、芸術選奨文部科学大臣賞など受賞多数。2016年にドイツのクライスト賞を日本人で初めて受賞。 著書に『ゴットハルト鉄道』『飛魂』『エクソフォニー 母語の外へ出る旅』『旅をする裸の眼』『ボルドーの義兄』『献灯使』『百年の散歩』などがある。 本書の続編『星に仄めかされて』は2020年に刊行された。
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歩道橋の魔術師 | 呉 明益
¥1,078
SOLD OUT
河出書房新社 2021年 ソフトカバー 296ページ 文庫判 縦149mm 横105mm 厚さ12mm - 内容紹介 - 1979年、台北。中華商場の魔術師に魅せられた子どもたち。現実と幻想、過去と未来が溶けあう、どこか懐かしい極上の物語。現代台湾を代表する作家の連作短篇。単行本未収録短篇を併録。
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かめれおん日記 | 中島敦, 山本善行(監修)
¥1,870
灯火舎 2021年 ハードカバー 112ページ 縦180mm 横122mm 厚さ11mm - 内容紹介 - 小品をもって、作者や作品との出会い、本との出会いの場へと誘う「灯光舎 本のともしびシリーズ」第3弾は中国の古典世界を材にした『山月記』や『李陵』などを描いた作家・中島敦の作品3編をお届けします。 パラオ滞在中に出会った島民の女性をユーモラスに親しみあるまなざしで描いた「マリヤン」、ある南の島に伝わったとされる昔話を題材に描いた「幸福」、そしてタイトルとなった「かめれおん日記」を収録。自身の望まぬ環境と喘息の持病に悩むある教師が、突然生徒から渡されたカメレオンを飼育することになる。その珍奇な小動物の観察から、「自身への呵責と省察」が思索的に展開し、現実と内面の世界を往還する。環境に適応できずに衰弱する「かめれおん」と何とか今の状況から脱却を試みる人間が鮮明に描かれる。 南島の自然や人々への愛情あるまなざしと自身の内面をえぐる鋭い観察に加えて、時にシニカルとユーモアを漂わせて精彩をはなつ作品たちをお届けします。また、中島敦の妹・折原澄子氏によるエッセイ『兄と私』を収録。兄・中島敦との想い出と人柄をていねいに描くみごとな文章も必見。 「灯光舎 本のともしび」創刊 人々の心に染み入る作品を取り上げ、小品仕立ての書籍にしてお届けする「灯光舎 本のともしび」。書物の愛好家はもとより、作者や作品ないしは読書そのものへの入り口にしてほしいという想いのもと、「小品」をコンセプトに素朴で味わいのある佇まいで、刊行いたします。 撰者には、書物エッセイストで京都銀閣寺に店を構える古書善行堂店主・山本善行氏を迎え、シリーズとしての発刊を目指します。 目次 ・マリヤン ・幸福 ・かめれおん日記 ・兄と私 ・撰者あとがき 版元から一言 内容紹介で書いたように、「山月記」とは少しちがった中島文学の魅力をお伝えできるのではないかと思います。 そして、中島敦の妹・折原澄子さんのエッセイ『兄と私』を収録させていただくことができて、より充実した書籍に仕上がったと思います。 兄・敦との想い出の断片と中島敦が亡くなるまでの数カ月、兄妹でともに過ごした日々が中島敦の人柄を想わせ心に響きます。 当時の雰囲気を優先し、漢字は底本通りに旧字体を採用しております。 読者にとって読みやすくなるように、難解と思われる漢字にはルビを付しました。 - 著者プロフィール - 中島敦 (ナカジマアツシ) (著/文) 東京都生まれ。1926年、第一高等学校へ入学し、校友会雑誌に「下田の女」他習作を発表。1930年に東京帝国大学国文科に入学。卒業後、横浜高等女学校勤務を経て、南洋庁国語編修書記の職に就き、現地パラオへ赴く。1942年3月に日本へ帰国。その年の『文學界2月号』に「山月記」「文字禍」が掲載。そして、5月号に掲載された「光と風と夢」が芥川賞候補になる。同年、喘息発作が激しくなり、11月入院。12月に逝去。 山本善行 (ヤマモトヨシユキ) (監修) 大阪府出身。関西大学文学部卒。書物エッセイスト。 2009年、京都銀閣寺近くに「古書善行堂」オープン。 著書に『関西赤貧古本道』(新潮社)、『古本のことしか頭になかった』(大散歩通信社)、『定本古本泣き笑い日記』(みずのわ出版)、編者として上林曉の『星を撒いた街』、『故郷の本箱』、『埴原一亟古本小説集』(以上、夏葉社)、黒島伝治『瀬戸内海のスケッチ』(サウダージ・ブックス)など。
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書こうとしない「かく」教室| いしいしんじ
¥1,980
ミシマ社 2022年 ソフトカバー 224ページ 四六判 - 内容紹介- ことばはどこから来るのか? なぜそれが“生きる”のか? 東京、三崎、松本、京都…移り住む土地、数奇なる半生、 創作、この三つの関係を初めてふりかえり、その謎に迫った感動の授業を一冊に! 『ぶらんこ乗り』『トリツカレ男』『ポーの話』『みずうみ』『港、モンテビデオ』… こうした名作は、書こうとしない作家によって、どのように“かかれた” のだろうか? 目次 はじめに 午前の部 いしいしんじ「かく」語る 一時間目 東京 1994~2001 二時間目 三崎・松本 2002~2009 三時間目 京都・三崎 2010~現在 給食にかえて 午後の部 いしいしんじの 作文を「かく」 四時間目 ことばが動き出すための準備 五時間目 「かく」ことと「自分の生」 - 著者プロフィール - いしいしんじ (イシイシンジ) (著/文) 1966年大阪市生まれ。京都大学文学部卒。94年『アムステルダムの犬』でデビュー。2000年、初の長編小説『ぶらんこ乗り』を発表。03年『麦ふみクーツェ』で第18回坪田譲治文学賞、12年『ある一日』で第29回織田作之助賞、16年『悪声』で第4回河合隼雄物語賞を受賞。著書に『トリツカレ男』『プラネタリウムのふたご』『ポーの話』『みずうみ』『よはひ』『海と山のピアノ』『港、モンテビデオ』『きんじよ』『みさきっちょ』『マリアさま』『ピット・イン』『げんじものがたり』など多数。お酒好き。魚好き。蓄音機好き。現在、京都在住。
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テヘランでロリータを読む | アーザル・ナフィーシー, 市川 恵里(翻訳)
¥1,672
河出書房新社 2021年 文庫判 174ページ 四六判 縦188mm 横129mm 厚さ17mm - 内容紹介 - 全米150万部、日本でも大絶賛のベストセラー、遂に文庫化! テヘランでヴェールの着用を拒否し、大学を追われた著者が行った秘密の読書会。壮絶な彼女たちの人生とそれを支える文学を描く、奇跡の体験。 - 著者プロフィール - アーザル・ナフィーシー (ナフィーシー,アーザル) (著/文) 1950年頃テヘランで名門の家に生まれる。13歳から欧米で教育を受け、イラン革命直後に帰国しテヘラン大学で教員となるが、追放。イスラーム大学他で教えた後、アメリカに移住。ジョンズ・ホプキンズ大学教授。 市川 恵里 (イチカワ エリ) (翻訳) 翻訳者。1966年、東京生まれ。早稲田大学第一文学部英文学専修卒業。訳書に、A・ベネット『やんごとなき読者』、A・ナフィーシー『テヘランでロリータを読む』、V・ラトナー『バニヤンの木陰で』など。
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掃除婦のための手引き書 ――ルシア・ベルリン作品集 | ルシア・ベルリン, 岸本 佐知子(翻訳)
¥990
講談社 2022年 講談社文庫 ソフトカバー 384ページ 文庫判 - 内容紹介 - 死後10年を経て再発見された、奇跡の作家。 大反響の初邦訳作品集、ついに文庫化! 2020年本屋大賞〔翻訳小説部門〕第2位 第10回Twitter文学賞〔海外編〕第1位 毎日バスに揺られて他人の家に通いながら、ひたすら死ぬことを思う掃除婦(「掃除婦のための手引き書」)。 道路の舗装材を友だちの名前みたいだと感じてしまう、独りぼっちの少女(「マカダム」)。 波乱万丈の人生から紡いだ鮮やかな言葉で、本国アメリカで衝撃を与えた奇跡の作家。 大反響を呼んだ初の邦訳短編集。 何でもないものが詩になる、空前絶後の作家。 ――川上未映子 読み終えるのが惜しくて惜しくて、一日一篇だけと自分に課していました。 いつまでも読み続けていたい一冊です。 ――小川洋子 「パナソニック メロディアス ライブラリー」(TOKYO FM/JFN)より 人生はただ苛酷なわけでも、ただおかしいわけでも、ただ悲しいわけでも、ただ美しいわけでもなく、それらすべてであり、それ以上のものだ。それをわからせてくれるのが小説で、人生をそのように見る方法を提供するのが小説というものなのだ。ルシア・ベルリンの短篇は、それを私たちに教えてくれる。 ――中島京子 「毎日新聞」より 彼女の鋭利で心地よい言葉は、私が何者だったかを思い出させる。 ――深緑野分 noteより 救い難い状況、人の弱さや卑劣さをきっぱりと描き出す文章は、苦いユーモアとふてぶてしい気高さに満ちている。 ――藤野可織 「信濃毎日新聞」より 自分を突き放したクールさがある。一読して、うわ、かっこいいなと思った。 ――山内マリコ 「日本経済新聞」より - 著者プロフィール - ルシア・ベルリン (ルシア・ベルリン) (著/文) 1936年アラスカ生まれ。鉱山技師だった父の仕事の関係で幼少期より北米の鉱山町を転々とし、成長期の大半をチリで過ごす。3回の結婚と離婚を経て4人の息子をシングルマザーとして育てながら、学校教師、掃除婦、電話交換手、看護助手などをして働く。いっぽうでアルコール依存症に苦しむ。20代から自身の体験に根ざした小説を書きはじめ、77年に最初の作品集が発表されると、その斬新な「声」により、多くの同時代人作家に衝撃を与える。90年代に入ってサンフランシスコ郡刑務所などで創作を教えるようになり、のちにコロラド大学准教授になる。2004年逝去。レイモンド・カーヴァー、リディア・デイヴィスをはじめ多くの作家に影響を与えながらも、生前は一部にその名を知られるのみであったが、2015年、本書の底本となるA Manual for Cleaning Womenが出版されると同書はたちまちベストセラーとなり、多くの読者に驚きとともに「再発見」された。 岸本 佐知子 (キシモト サチコ) (翻訳) 翻訳家。訳書にリディア・デイヴィス『話の終わり』『ほとんど記憶のない女』、ミランダ・ジュライ『最初の悪い男』、スティーブン・ミルハウザー『エドウィン・マルハウス』、ジャネット・ウィンターソン『灯台守の話』、ジョージ・ソーンダーズ『短くて恐ろしいフィルの時代』など多数。編訳書に『変愛小説集』『楽しい夜』『居心地の悪い部屋』ほか、著書に『なんらかの事情』ほか。2007年、『ねにもつタイプ』で講談社エッセイ賞を受賞。
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【古本】愛なき世界 | 三浦しをん
¥880
中央公論新社 2018年 ハードカバー 466ページ 四六判 状態:大変良い カバーにオレなどありますが、綺麗な状態です。 - 大学生インターン 尾崎萌美さんによる紹介文 - 一つのことに没頭する、極める。それもまた一種の「愛すること」だと言えるでしょう。 植物のシロイヌナズナを研究対象とし、それが人生の全てであるように日々を生きる大学院生の本村紗英。円服亭という昔ながらの料理を出す食堂で見習いとして働く藤丸陽太はその彼女に恋をします。 三度の飯よりシロイヌナズナと考える本村は「愛のない世界を生きる植物の研究に、すべてを捧げると決めています。」と断言しています。オールマイティというより、むしろ一つのことにじっくり向き合う性格です。本村に恋をした藤丸。告白をしてバッサリと断られますが、彼女の所属する松田研究室のメンバーの人々と親密になっていきます。さらに素直な性格の藤丸は本村に惹かれつつ、植物へもまた興味を抱いていくのです。 著者である三浦しをんさんの比喩や専門的な内容も魅力的。細胞を見るために顕微鏡を覗いた先に広がる銀河。死神のようなムードを漂わせる研究室の教授。思わず笑ってしまったり、少し複雑で考えたりしてしまうような表現があちこちに散りばめられています。 恋愛小説とはいうものの、少女漫画や恋愛ドラマにあるような展開が起こるのではありません。一つのことに没頭して研究を続ける学生と、恋愛に奥手だけど一途な見習い料理人。さらにその周りを囲む個性的な登場人物。その中で少しずつ見えてくる全く違う世界に生きる人々との共通点。 私にとっては日常である大学生活。それが舞台となるこの小説は、身近であり憧れるものでもありました。何か一つのことに打ち込める、つまり「愛せる」ということはかっこいい。恋愛小説でありながら、それだけがメインではないこの本を開くと抱き始めるこの気持ちは、読み終えるまで私の中から離れることはありませんでした。
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百年文庫 川 | 織田 作之助, 日影 丈吉, 室生 犀星
¥825
SOLD OUT
ポプラ社 2010年 ソフトカバー 180ページ B6変型判 - 内容紹介 - 日本人の暮らしに、「川」が生きていた頃の物語。 織田作之助『螢』 日影丈吉『吉備津の釜』 室生犀星『津の国人』
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ホテル・ネヴァーシンク | アダム・オファロン・プライス, 青木 純子(翻訳)
¥2,090
早川書房 2020年 ソフトカバー 336ページ 新書判 縦184mm 横106mm 厚さ15mm - 内容紹介 - ニューヨーク州の山地にそびえ立つホテル・ネヴァーシンク。大統領も宿泊に来る人気ホテルだが、子どもが行方不明になる事件がたびたび発生していた。どうやら経営者一族の抱える秘密が関わっているらしい。洋館ホテルを舞台に展開するミステリと家族の年代記
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女たちのニューヨーク | エリザベス・ギルバート, 那波 かおり(翻訳)
¥2,640
早川書房 2021年 ソフトカバー 576ページ 四六判 縦188mm 横131mm 厚さ27mm - 内容紹介 - 1940年、アメリカ。小さな町のお嬢様ヴィヴィアンは、大学を辞め、NYのショーの世界に飛び込んだ。華やかで刺激的な毎日。だが、それは突然終わる。彼女の過ちが、街中を騒がす醜聞になったのだ。恋人も友達も居場所も失い、彼女は初めて自分と向き合う
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アポカリプス・ベイビー | ヴィルジニー・デパント, 齋藤 可津子(翻訳)
¥2,640
早川書房 2021年 ソフトカバー 320ページ 四六判 縦188mm 横131mm 厚さ20mm - 内容紹介 - 行方不明の15歳の少女を追う女性バディ。一人は冴えない調査員、一人は凄腕だが曰く付き。二人の聞き込みで、少女の孤独が浮かび上がる。やがて彼女は衝撃の決断をくだすが――。『キングコング・セオリー』著者による長篇小説。ルノードー賞受賞、20万部突破
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文学効能事典 : あなたの悩みに効く小説| エラ・バーサド, スーザン・エルダキン, 金原瑞人(翻訳), 石田文子(翻訳)
¥2,200
フィルムアート社 2017年 ソフトカバー 421ページ 四六変型判 縦190mm - 内容紹介- 読むクスリ、処方します。小説で愉しむ「病」と「悩み」の処方箋。 目次 悪魔に魂を売り渡したくなったとき 悪夢を見るとき 憧れがやまないとき 頭がよすぎるとき アルコール依存症のとき 怒りに我を忘れるとき 忙しすぎるとき 意欲がわかないとき インターネット中毒のとき インフルエンザにかかったとき〔ほか〕
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文豪と印影
¥2,420
左右社 2022年 ハードカバー 157ページ 四六判 - 内容紹介 - 秘蔵写真多数! 170の印影から見える130人の文豪の素顔 かつて本には「検印」が捺され、 作品を書き上げたあと文豪たちの「一番最後の仕事」は自分の本にハンコを捺すことだったーー。 病床でも「印譜」を見たいと話した夏目漱石や、遺書にも「印鑑」について記した芥川龍之介。 大好きな荷風にとっておきの「印鑑」を贈った谷崎潤一郎に、「検印」の小説を書いた菊池寛など 130人の文豪たちの170の印影をエピソードとともに収録。 「ハンコ文化」が失われつつある今、「ハンコと文豪」の切ってもきれない関係に迫る。 ※検印:書籍の奥付に著者が発行部数を検する (印税計算の基準数を証する) ために押す印。 目次 ❖目次❖ はじめに 森 鷗外 芥川龍之介 坂口安吾 太宰 治 川端康成 大岡昇平 三島由紀夫 葛西善藏 コラム ハンコの誕生は恐るべき昔 檀 一雄 大原富枝 舟橋聖一 原田康子 米川正夫 壺井 榮 五味康祐 三浦哲郎 小島政二郎 立野信之 中里介山 新田次郎 吉川英治 海音寺潮五郎 子母澤 寛 永井龍男 福原麟太郎 福田恆存 高濱虛子 薄田泣菫 井上 靖 直木三十五 幸田露伴 嘉村礒多 正宗白鳥 牧野信一 金子光晴 内田魯庵 金田一京助 山崎豊子 松本清張 久生十蘭 上林 暁 安倍能成 田宮虎彦 阿部次郎 三浦朱門 石川達三 尾崎士郎 谷川俊太郎 今 日出海 高見 順 火野葦平 荻原井泉水 日夏耿之介 岡本綺堂 大佛次郎 安岡章太郎 正岡子規 島木健作 丹羽文雄 和田芳恵 土岐善麿 森田草平 永井荷風 谷崎潤一郎 泉 鏡花 野村胡堂 木下杢太郎 齋藤茂吉 高村光太郎 久保田万太郎 稲垣足穂 横光利一 林 芙美子 武田泰淳 中原中也 織田作之助 夏目漱石 島崎藤村 室生犀星 岡本かの子 與謝野晶子 志賀直哉 武者小路実篤 北原白秋 佐藤春夫 宇野浩二 國木田獨歩 井伏鱒二 コラム 印表をじっくり味わおう 村松梢風 安藤鶴夫 岸田國士 津村節子 倉橋由美子 椎名麟三 中野好夫 川口松太郎 水上 勉 伊藤 整 有吉佐和子 三好達治 梶井基次郎 小林秀雄 横溝正史 山田風太郎 丸谷才一 中 勘助 内田百閒 徳田秋聲 江戸川乱歩 吉井 勇 司馬遼太郎 菊池 寛 廣津和郎 石川 淳 宮本百合子 開高 健 中野重治 山本周五郎 石原慎太郎 獅子文六 池波正太郎 柴田鍊三郎 吉行淳之介 堀 辰雄 大江健三郎 幸田 文 瀧井孝作 花田清輝 澁澤龍彥 佐多稲子 あとがき
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星のせいにして|エマ・ドナヒュー, 吉田 育未(翻訳)
¥2,750
河出書房新社 2021年 ハードカバー 376ページ 四六変型判 縦196mm 横135mm 厚さ27mm - 内容紹介 - スペイン風邪が猛威を振るう1918年ダブリン。小さな産婦人科病室で、彼女たちは「生命」を守るために闘った――。「今」を突き刺す、痛切で強靭なパンデミック・ケアギバー小説の金字塔。 1918年、アイルランド・ダブリン。スペイン風邪のパンデミックと世界大戦で疲弊しきったこの街の病院に設けられた〈産科/発熱〉病室には、スペイン風邪に罹患した妊婦が隔離されていた。孤軍奮闘する看護師のジュリア・パワーのもとへやってきたのは、秘密を抱えたボランティアのブライディ・スウィーニーと、テロリストと疑われる医師のキャスリーン・リン。死がすぐそばで手招きする、急ごしらえの小さな一室で、彼女たちは生命の尊厳を守るために闘いつづけた―― 匂い、汚れ、暴力、差別、繰り返される死の感触。 この小説は、今を生きる私たち看護師そのものだ。 ――木村映里(看護師、『医療の外れで』) - 著者プロフィール - エマ・ドナヒュー (ドナヒュー,エマ) (著/文) 1969年アイルランド・ダブリン生まれ、カナダ在住。ケンブリッジ大学にてPhDを取得後、1994年作家デビュー。『部屋』(2010)はマン・ブッカー賞最終候補等に選出され、世界的ベストセラーとなった。 吉田 育未 (ヨシダ イクミ) (翻訳) 翻訳家。トロント大学OISE修士。
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その午後、巨匠たちは、|藤原 無雨
¥1,760
河出書房新社 2022年 ソフトカバー 144ページ 四六変型判 縦194mm 横129mm 厚さ17mm - 内容紹介 - 北斎、レンブラント、モネ、ダリ、ターナー、フリードリヒ、そして歳を取らない女・サイトウ。彼らは、救世主か? 破壊者か? 円城塔、歓喜! 驚愕の注釈小説の誕生。文藝賞受賞第一作。 物語の新トリック・スターが贈る傑作。 注釈に次ぐ注釈が、物語を駆動するーー。 「はじめて小説を読んだときの当惑へ、文字を追いかける楽しさへ、言葉を知ったときの愉快さへ、あなたを連れ戻してくれる本」(円城塔) 町にふらりと現れて、空き家に棲み着いた、歳を取らない女・サイトウ。彼女が山の中に建てた神社が祀るのは、6人の巨匠画家ーー北斎、レンブラント、モネ、ダリ、ターナー、フリードリヒ。やがて町は、神様として現代に蘇った画家たちの描く絵画世界に染まっていくのだったが…。 デビュー作『水と礫』が「この10年ほどの純文学新人賞受賞作の中でも屈指」(栗原裕一郎)と評され、三島由紀夫賞候補となった著者が放つ、驚きの第2作。 - 著者プロフィール - 藤原 無雨 (フジワラ ムウ) (著/文) 1987年兵庫県姫路市生まれ。2020年、『水と礫』で第57回文藝賞を受賞。マライヤ・ムー名義の共著『裏切られた盗賊、怪盗魔王になって世界を掌握する』がある。
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ジュリアン・バトラーの真実の生涯 | 川本 直
¥2,475
河出書房新社 2021年 ソフトカバー 400ページ 四六変型判 縦193mm 横136mm 厚さ33mm - 内容紹介 - 第73回読売文学賞小説賞受賞 第9回鮭児文学賞受賞 各メディアで話題騒然。もうひとつの20世紀アメリカ文学史を大胆不敵に描く、壮大なデビュー作にして、第73回読売文学賞(小説賞)受賞作。 「ジュリアンは私で、私はジュリアンだった」 作風は優雅にして猥雑、生涯は華麗にしてスキャンダラス。トルーマン・カポーティ、ゴア・ヴィダル、ノーマン・メイラーと並び称された、アメリカ文学史上に燦然と輝く小説家ジュリアン・バトラー。 その生涯は長きにわたって夥しい謎に包まれていた。 しかし、2017年、覆面作家アンソニー・アンダーソンによる回想録『ジュリアン・バトラーの真実の生涯』が刊行され、遂にその実像が明らかになる――。 発売当初より、佐藤亜紀氏、高遠弘美氏、伏見憲明氏、富士川義之氏、柳下毅一郎氏が推薦! 朝日新聞、読売新聞、日本経済新聞、毎日新聞、産経新聞、東京・中日新聞、北海道新聞、共同通信、新潮、群像、サンデー毎日、週刊新潮、週刊読書人、婦人公論、現代ビジネス、ONTOMO、TBSラジオetc.各メディアで絶賛。 もうひとつの20世紀アメリカ文学史を大胆不敵に描く壮大なデビュー長編小説にして、読売文学賞(小説賞)受賞作! 【推薦文】 ・荻野アンナ氏(読売文学賞選考委員) 「フィクションがここまで輝くと、事実の方が色を失う。 大切な飴を舐めるようにしてページを繰った。」 ・辻原登氏(読売文学賞選考委員) 「世界文学/日本文学をめくり返す、でんぐり返す快挙! ジュリアン・バトラーの冒険はフィクションの究極、脊髄を走る稲妻。」 ・若島正氏(読売文学賞選考委員) 「エーコの『薔薇の名前』に比肩するこの野心作が翻訳されて世界中で読まれたら、どんな反響を呼ぶだろうか。」 ・佐藤亜紀氏(小説家) 「米文学の最もスキャンダラスな時代、一際スキャンダラスに生きた恋人たちの生涯を、川本直は微塵の妥協もなく正攻法で描き切る。」 ・高遠弘美氏(フランス文学者) 「『川本直は文藝批評家ではなかったのか』。本書を手にする誰もがこう思うに違いない。そう、これは川本直初めての壮大なフィクションであり、読者を言葉だけで作られた迷宮へと誘い込むきわめて面白い小説である。」 ・伏見憲明氏(作家) 「予想を遥かに上回る大傑作。クィア文学の嚆矢、ジュリアン・バトラーに魅了された。その秘められた真実に打ち震えた! 」 ・富士川義之氏(英文学者) 「事実と虚偽が入り乱れるポスト・トゥルース時代のデカダンス小説。その筆力には張りがあり熱い魂をもちポップな感覚のあふれる、異才作家のデヴュー作。こんな大胆な発想と実験性をもつ長編は最近読んだことがない。」 ・柳下毅一郎氏(映画評論家・翻訳家) 「嘘の中に真実があり、現実のあいだにフィクションは生まれる。スキャンダルの祝祭たる二十世紀文学史のまっただ中に飛び込み、メディア・スターの幻像を泳ぐジュリアン・バトラーは世界文学を大胆に書きかえるのだ。」 20世紀を駆け抜けた作家を描く小説『ジュリアン・バトラーの真実の生涯』を彩る登場人物たちを一部紹介! ジュリアン・バトラー、ジョージ・ジョン、ゴア・ヴィダル、トルーマン・カポーティ、ジーン・メディロス、アンディ・ウォーホル、テネシー・ウィリアムズ、ウィリアム・バロウズ、ポール・ボウルズ、ノーマン・メイラー、オスカー・ワイルド、マルセル・プルースト、ジャン・コクトー、イーヴリン・ウォー、テリー・サザーン、ジェイムズ・ボールドウィン、リチャード・アルバーン、ウラディミール・ホロヴィッツ、ジョージ・セル、サルバドール・ダリ、モンゴメリー・クリフト、ピーター・セラーズ、ウィリアム・ワイラー、ケン・ラッセル、オリバー・ストーン、ヴェルヴェット・アンダーグラウンド、ローリング・ストーンズ、プリンス、ジョニー・カーソン、マイク・ウォレス、王哉藍、モーリス・ジロディアス、ハーマン・アシュケナージ、三島由紀夫、吉田健一 and more. --出版社紹介文より --
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掠れうる星たちの実験 |乗代雄介
¥3,080
SOLD OUT
国書刊行会 2021年 ハードカバー 312ページ 四六変型判 - 内容紹介- サリンジャーの戦争体験と柳田國男の恋。終生秘められた「実験」の記憶から、文学への態度において不思議なほどに似通う二人が追い求めた〈生きた「もの」〉を透視する驚異の批評。 第162回芥川賞候補作『最高の任務』に続く〝阿佐美家サーガ〟の特異点「フィリフヨンカのべっぴんさん」を含む書き下ろし/単行本未収録の掌編9本(総120枚)、実感に向かって書くこと、〈生きた「もの」〉の痕跡が「残される」ことをめぐる書評28編を併録。 【目次】 掠れうる星たちの実験 書評 『職業としての小説家』村上春樹 『このサンドイッチ、マヨネーズ忘れてる/ハプワース16、1924年』J・D・サリンジャー(金原瑞人訳) 『アナーキストの銀行家 フェルナンド・ペソア短編集』フェルナンド・ペソア(近藤紀子訳) 『ペンギン・ブックスが選んだ日本の名短編29』ジェイ・ルービン編 『ののの』太田靖久 『大工よ、屋根の梁を高く上げよ/シーモア―序章―』J・D・サリンジャー(野崎孝、井上謙治訳) 『サピエンス前戯』木下古栗 『謎ときサリンジャー 「自殺」したのは誰なのか』竹内康浩、朴 舜起 『柳田國男全集31』柳田國男 『ナチを欺いた死体 英国の奇策・ミンスミート作戦の真実』ベン・マッキンタイアー(小林朋則訳) 『揺れうごく鳥と樹々のつながり 裏庭と書庫からはじめる生態学』吉川徹朗 『サガレン 樺太/サハリン 境界を旅する』梯久美子 『いまだ、おしまいの地』こだま 『契れないひと』たかたけし 『自然な構造体 自然と技術における形と構造、そしてその発生プロセス』フライス・オットー 他(岩村和夫訳) 『記憶よ、語れ 自伝再訪』ウラジーミル・ナボコフ(若島正訳) 『鷗外随筆集』森鷗外(千葉俊二編) 『佐倉牧野馬土手は泣いている(続)』青木更吉 『松本隆対談集KAZEMACHI CAFE』松本隆 他 『現代児童文学作家対談5 那須正幹・舟崎克彦・三田村信行』神宮輝夫 『ウォークス 歩くことの精神史』レベッカ・ソルニット(東辻賢治郎訳) 『トンネル』ベルンハルト・ケラーマン(秦豊吉訳) 『今日を歩く』いがらしみきお 『手賀沼周辺の水害 ―水と人とのたたかい400年―』中尾正己 『海とサルデーニャ 紀行・イタリアの島』D・H・ロレンス(武藤浩史訳) 『声と日本人』米山文明 『ライ麦畑でつかまえて』J・D・サリンジャー(野崎孝訳) 『案内係 ほか』フェリスベルト・エルナンデス(浜田和範訳) 創作 八月七日のポップコーン センリュウ・イッパツ 水戸ひとりの記 両さん像とツバメたち 鎌とドライバー 本当は怖い職業体験 This Time Tomorrow 六回裏、東北楽天イーグルスの攻撃は フィリフヨンカのべっぴんさん - 著者プロフィール - 乗代雄介 (ノリシロユウスケ) (著/文) 1986年、北海道生まれ。法政大学社会学部メディア社会学科卒業。2015年、『十七八より』で第58回群像新人文学賞受賞。2018年、『本物の読書家』で第40回野間文芸新人賞受賞。2020年、『最高の任務』で第162回芥川賞候補。2021年、『旅する練習』で第164回芥川賞候補、第34回三島由紀夫賞受賞。著書に『十七八より』(2015年/講談社)、『本物の読書家』(2017年/講談社)、『最高の任務』(2020年/講談社)、『ミック・エイヴォリーのアンダーパンツ』(2020年/国書刊行会)、『旅する練習』(2021年、講談社)。
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アルジェリア、シャラ通りの小さな書店|カウテル アディミ, 平田 紀之 (翻訳)
¥2,420
作品社 2019年 ハードカバー 237ページ 四六判 - 内容紹介- 1936年、アルジェ。21歳の若さで書店《真の富》を開業し、自らの名を冠した出版社を起こしてアルベール・カミュを世に送り出した男、エドモン・シャルロ。第二次大戦とアルジェリア独立戦争のうねりに翻弄された、実在の出版人の実り豊かな人生と苦難の経営を叙情豊かに描き出す、傑作長編小説。 ゴンクール賞、ルノドー賞候補、〈高校生(リセエンヌ)のルノドー賞〉受賞! 一九三六年十一月十九日 開店以来、大勢のお客さんが《真の富》に押しかけ、本を買ったり借りたりする。客たちはけっして急いでおらず、あらゆることについておしゃべりしたがる。作家たち、表紙の色、文字のサイズ……。客はとりわけ教師や学生や芸術家だが、小説を買うために金を貯めている労働者もいる。大冒険が始まった。 一九三九年一月三十一日 『結婚』という美しい表題のついたカミュの原稿を読む。ここには人がアルジェリアで体験することのすべてがある。すごく感動し、興奮した。彼とその話をするとしたら、僕とアルベールのあいだにある奇妙な遠慮のせいで、この感激を抑えなくてはならないだろう。五月にこれを、大部数で出すつもりだ。初版千二百二十五部。 (本書「エドモン・シャルロの手帳」より)
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日々のきのこ|高原英理
¥2,420
河出書房新社 2021年 ハードカバー 184ページ 13.3 x 1.6 x 18.6 cm - 内容紹介- 「まるまるとした茶色いものたちが一面に出ていて、季節だなと思う。どれもきのこである」(「所々のきのこ」より) ーー奇才が贈る新たなる「きのこ文学」の傑作、誕生。 岸本佐知子さん、最果タヒさん推薦。 ブックデザイン=名久井直子さん、装画=ヒグチユウコさん。 気づけば読者は、この世界に縦横無尽に広がった見えない胞子に侵食される――。 高原英理が拓く「文学」の新たな地平にして、極上の「きのこ小説」。 【推薦文】 「ばふんばふん、ぽこんぽこん、がやがやごよごよ。きのこの放つかわいい・こわい・安心の胞子が世界人類に満ちますように。」 ――岸本佐知子さん 「きのこ。きのこは変な生き物。でも、きのこより、変な人がいっぱいいるって、私は人なのに思う。私もきのこなのかも。」 ――最果タヒさん 【収録作】 「所々のきのこ」「思い思いのきのこ」「時々のきのこ」
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源氏物語 解剖図鑑|佐藤 晃子, 伊藤 ハムスター (イラスト)
¥1,760
エクスナレッジ 2021年 ソフトカバー 147ページ A5判 - 内容紹介- 姫君はネコで殿方はイヌで…… これ一冊で源氏物語のあらすじと 平安人の暮らしとキモチがマルわかり 『源氏物語』全54帖を徹底解剖! 物語の全体像を分かりやすく解説するのはもちろんのこと、 当時の皇族・貴族の暮らし、風習、文化、信仰などについても 詳しく紹介しています。 物語の中では熾烈な権力闘争が繰り広げられており、 当時の社会情勢と比較しつつ歴史も学べるようになっています。 誌面では各帖の代表的な絵巻などをイラスト化し、 その魅力も紹介しています。 これを読めばその後の日本美術に影響を与えた場面やアイテム、 表現方法などもばっちり分かります。 『源氏物語』を描いた源氏絵は、江戸時代には皇女・女三の宮が 遊女に見立てられるなど、 元絵からギャップがあるほど面白いとされてきました。 本書でも人気イラストレーターの伊藤ハムスターさんによって、 登場人物を擬猫化・擬犬化してユーモラスに描いていただきました。 令和時代の源氏絵として、こちらも必見です。 ■章構成 巻頭1:キャラで分かる! 『源氏物語』 巻頭2:データで分かる! 『源氏物語』 巻頭3:『源氏物語』で「日本美術」が分かる 第一部:若かりし光源氏(1桐壺~33藤裏葉) 第二部:老いを迎える光源氏(34若菜上~41幻) 第三部:光源氏の子孫たち(42匂宮~54夢浮橋)