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死んでから俺にはいろんなことがあった | リカルド・アドルフォ, 木下眞穂(翻訳)
¥2,310
書肆侃侃房 2024年 256ページ 四六判 - 内容紹介 - 俺はただ家に帰りたいだけなのに、それがそんなにおかしいか? 郵便配達をしていた俺は故郷の「くに」から逃げてきた。妻のカルラと幼い息子とともに「島」で不法滞在している。買い物をした帰りに乗っていた地下鉄が故障で止まってしまい、右も左もわからない場所で降ろされてしまった一家。なんとか家にたどり着こうとあれこれ画策するが、やることなすことすべてが裏目に出て━━。周囲から存在を認められず、無視され続ける移民の親子は、果たしてどうなるのか? 著者プロフィール リカルド・アドルフォ (著/文) 1974年にアンゴラに生まれるが、アンゴラの独立により幼少時にポルトガルに帰国。2003年に短編集『すべてのチョリソーは焼くためにある』でデビュー。初長編『ミゼー』はポルトガルでベストセラーとなる。『東京は地球より遠く』(2015年)では日本で働く外国人のサラリーマンの目から見たおかしな日本の日常を描いた。同書からは2019年刊の『ポルトガル短篇小説傑作選 よみがえるルーススの声』(現代企画室)に3篇が収録されている。ドラマや映画の脚本の執筆や絵本も発表するほか、広告界でも国際的に活躍している。2012年より東京に在住。 木下眞穂 (キノシタマホ) (翻訳) 上智大学ポルトガル語学科卒。ポルトガル語翻訳家。訳書に『ブリーダ』(パウロ・コエーリョ)、『忘却についての一般論』(ジョゼ・エドゥアルド・アグアルーザ)、『エルサレム』(ゴンサロ・M・タヴァレス)、『象の旅』(ジョゼ・サラマーゴ)など。『ガルヴェイアスの犬』(ジョゼ・ルイス・ペイショット)で2019年に第5回日本翻訳大賞を受賞。
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百年と一日 | 柴崎 友香
¥792
筑摩書房 2024年 ちくま文庫 ソフトカバー 240ページ 文庫判 - 内容紹介 - 映画館、喫茶店、地下街の噴水広場、島、空港……様々な場所の人間と時間の不思議を描き話題となった新感覚の物語集。一篇を増補。解説 深緑野分 - 著者プロフィール - 柴崎 友香 (シバサキ トモカ) (本文) 1973年大阪生まれ。2000年に第一作『きょうのできごと』を上梓(2004年に映画化)。2007年に『その街の今は』で藝術選奨文部科学大臣新人賞、織田作之助賞大賞、咲くやこの花賞、2010年に『寝ても覚めても』で野間文芸新人賞(2018年に映画化)、2014年『春の庭』で芥川賞を受賞。他の小説作品に『続きと始まり』『待ち遠しい』『千の扉』『パノララ』『わたしがいなかった街で』『ビリジアン』『虹色と幸運』、エッセイに『大阪』(岸政彦との共著)『よう知らんけど日記』など著書多数。
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作家とけもの | 野村 麻里
¥2,200
平凡社 2024年 240ページ 四六判 - 内容紹介 - 人と動物の間で重ねられてきた愛憎相半ばする魂の交歓や、剥き出しの命との対決を、作家の視線から物語った随想アンソロジー。
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東京都同情塔 | 九段 理江
¥1,870
SOLD OUT
新潮社 2024年 144ページ 四六判 縦197mm 横136mm 厚さ15mm - 内容紹介 - 日本人の欺瞞をユーモラスに描いた現代版「バベルの塔」。ザハの国立競技場が完成し、寛容論が浸透したもう一つの日本で、新しい刑務所「シンパシータワートーキョー」が建てられることに。犯罪者に寛容になれない建築家・牧名は、仕事と信条の乖離に苦悩しながら、パワフルに未来を追求する。ゆるふわな言葉と実のない正義の関係を豊かなフロウで暴く、生成AI時代の預言の書。
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三十九階段 | ジョン・バカン, エドワード・ゴーリー(イラスト), 小西 宏(翻訳)
¥1,980
東京創元社 2023年 ソフトカバー 192ページ 四六判 縦194mm 横134mm 厚さ17mm - 内容紹介 - 世界大戦勃発の危機をはらむ陰謀を阻止する唯一の鍵は 「三十九階段」という謎の言葉―― ヒッチコック監督が映画化したスパイ小説史上不朽の名作が カルト的人気を誇るエドワード・ゴーリーの 魅力的なイラストをまとい蘇る! 第一次世界大戦前夜の英国。南アフリカから帰国し、退屈しきっていたスコットランド出身の青年リチャード・ハネーのもとに謎のアメリカ人が来訪する。数日後、彼は死体となって発見された。殺人の容疑をかけられ、追われる身となったハネーだが、ヨーロッパを世界大戦に巻き込む大いなる陰謀を知り、これを阻止すべく立ち上がる。そして追いつ追われつの大冒険に……。 スパイ小説の原点ともいうべき傑作がエドワード・ゴーリーの魅力的なイラスト入りで蘇る。 - 著者プロフィール - ジョン・バカン (ジョンバカン) (著/文) 1875年生まれ。スコットランドの小説家、歴史家、政治家 。大学時代から執筆活動を始める。1901年には弁護士資格を取得している。1915年に本書『三十九階段』を発表。同じ主人公リチャード・ハネーの登場する作品としては『緑のマント』、『三人の人質』がある。第一次世界大戦時には、タイムズの特派員としても活躍した。1927年には議員となり、政治家としてのキャリアも積む。1935年にはカナダ総督となり、在任中の1940年に落馬事故が元で死去。 エドワード・ゴーリー (エドワードゴーリー) (イラスト) 1925年シカゴ生まれ。アメリカの画家、絵本作家。独特の韻を踏んだ文章と、独自のモノクローム線画でユニークな作品を数多く発表し、多くの熱狂的なファンを生み出した。ミステリ・ファンとしても知られている。厖大な作品とミステリアスな人物像については『エドワード・ゴーリーの世界』(濱中利信編)、『どんどん変に… エドワード・ゴーリー インタビュー集成』(カレン・ウィルキン編、小山太一・宮本朋子訳)で知ることができる。2000年、心臓発作のため死去。 小西 宏 (コニシヒロシ) (翻訳) 1929年生まれ。東北大学法学部卒業、一橋大学大学院中退。訳書にベンスン『脱獄九時間目』、チェイス『悪女イヴ』、ガードナー『ビロードの爪』、ブラウン『未来世界から来た男』他多数。1998年死去。
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みどりいせき | 大田 ステファニー 歓人
¥1,870
SOLD OUT
集英社 2024年 216ページ 四六判 縦194mm 横134mm 厚さ18mm - 内容紹介 - 【第47回すばる文学賞受賞作】 【選考委員激賞!】 私の中にある「小説」のイメージや定義を覆してくれた。――金原ひとみさん この青春小説の主役は、語り手でも登場人物でもなく生成されるバイブスそのもの――川上未映子さん (選評より) このままじゃ不登校んなるなぁと思いながら、高2の僕は小学生の時にバッテリーを組んでた一個下の春と再会した。 そしたら一瞬にして、僕は怪しい闇バイトに巻き込まれ始めた……。 でも、見たり聞いたりした世界が全てじゃなくって、その裏には、というか普通の人が合わせるピントの外側にはまったく知らない世界がぼやけて広がってた――。 圧倒的中毒性! 超ド級のデビュー作! ティーンたちの連帯と、不条理な世の中への抵抗を描く第47回すばる文学賞受賞作。 【著者略歴】 大田ステファニー歓人 (おおた・すてふぁにー・かんと) 1995年東京都生まれ。2023年、「みどりいせき」で第47回すばる文学賞受賞。
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優しい暴力の時代 | チョン・イヒョン, 斎藤 真理子(翻訳)
¥1,210
河出書房新社 2024年 河出文庫 ソフトカバー 312ページ 文庫判 縦149mm 横105mm 厚さ12mm - 内容紹介 - いま韓国で「時代の記録者」といわれる屈指の作家による、代表作となる短篇集。絶望も希望も消費するいまを生きる人々の、生活の鎮魂歌。解説=西加奈子
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坂巻弓華寓話集 | 坂巻弓華
¥2,420
BOOKNERD 2024年 ハードカバー 146ページ 17cm × 13cm - 内容紹介 - 画家・坂巻弓華による初の寓話集。 残酷さと慈愛、ナンセンスとセンス・オブ・ワンダーに満ちた、ささやかな日常と表裏にある世界 の扉を開く、エイト・ストーリーズ。 装画・挿絵は本人による描き下ろし。前田エマ(モデル)による巻末特別エッセイも収録。 い つ も 彼 女 の 個 展 を 開 く た び に 、彼 女 は 小 さ な 冊 子 を 携 え て く る 。 本 編 で あ る 彼 女 の 絵 と 、 そ の 小 さ な 冊 子 た ち は 必 ず 展 示 会 場 に 同 居 す る こ と に な っ て い て 、画 家 と し て の 個 展 な の に 、ま る で ど ち ら も 私 で あ る 、と 言 い た げ な の だ 。そ れ で 試 し に そ の 小 冊 子 を 開 い て 読 ん で み る と 、め っ ぽ う 面 白 い 。い や 、面 白 い と い う か 、ど の 掌 編 も 、彼 女 が 描 く あ ふ れ ん ば か り の 作 品 た ち に 通 底 す る 不 思 議 な 毒 と 、お 茶 目 な ユ ー モ ア と 、そ こ は か と な く 無 垢 で ど こ ま で も 意 地 悪 な 少 女 性 と で も 言 う べ き 感 性 に 貫 か れ て い る 気 が す る 。な る ほ ど 、こ れ は ど ち ら も 坂 巻 弓 華 な の で あ っ て 、そ の 寓 話 た ち は 彼 女 の 絵 画 を 構 成 す る い わ ば 下 地 の よ う な も の な の だ 。(BOOKNERD店主・早坂大輔) 気鋭の画家、坂巻弓華が個展のたびに作り続けていた私家版の小さな 冊 子 。そ の 冊 子 に 収 め ら れ て い た 寓 話 や 散 文 を 一 冊 に 集 め 、書 き 下 ろ し の掌編を加えたユニークな寓話集。新たに描き起こした挿絵をふんだ ん に ち り ば め た 、読 ん で 、観 て 、愉 し む 、小 さ な 宝 物 の よ う な 一 冊 で す 。 (版元紹介文より)
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ツンドラの記憶 エスキモーに伝わる古事 | 八木 清
¥2,420
閑人堂 2024年 ハードカバー 112ページ A5変判 - 内容紹介 - 「これはおとぎ話ではなく、本当にあった出来事なんだ。俺たちの歴史なんだよ――」。世界の始まり。生き物たちの奇談。精霊や魂にまつわる面妖な物語。人間と動物に区別がなく、同じ言葉を話していた時代の記憶。時にユーモラスで、時に難解な〝魔法の言葉〟を、極北の大地に生きる狩猟民は世代を超えて語り継いできた。探検家ラスムッセンが未開の極地で採録した彼らの伝承を中心に、長年エスキモー文化圏の人々や自然を撮影してきた写真家が選び、和訳したアンソロジー。 【目次】序/ノウサギが世界に光を灯した話/シロクマたちの会話を聞いた女/カアツィルニ/魔法の言葉/海獣の母、海の精霊ヌリアユク/言葉を話すウミガラス/ふたつの漫ろ話/孤児と大気の精霊/クヌークサユッカ/ナーツク/創世紀――ワタリガラスの話/俺たちは怖れているのだ/トナカイの魂の怒りに触れ大地に飲み込まれた女/イヴァルアージュクの歌/アヤグマヒャヒャ - 著者プロフィール - 八木 清 (ヤギ キヨシ) (編集 | 翻訳) 1968年、長野県生まれ。1993年にアラスカ州立大学フェアバンクス校ジャーナリズム学部を卒業後、写真家・水越武氏に師事。1994年から極北の先住民族エスキモーやアリュートのポートレート、生活・文化、彼らが暮らす自然風景の撮影を続け、写真展などで発表している。大型カメラのネガによるプラチナプリントで写真集『sila』(2011年、フォト・ギャラリー・インターナショナル)を制作。2004年、日本写真協会新人賞。2005年、準田淵行男賞。
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女たちの避難所 | 垣谷 美雨
¥737
新潮社 2017年 ソフトカバー 368ページ 文庫判 縦151mm 横106mm 厚さ13mm - 内容紹介 - 九死に一生を得た福子は津波から助けた少年と、乳飲み子を抱えた遠乃は舅や義兄と、息子とはぐれたシングルマザーの渚は一人、避難所へ向かった。だがそこは、“絆”を盾に段ボールの仕切りも使わせない監視社会。男尊女卑が蔓延り、美しい遠乃は好奇の目の中、授乳もままならなかった。やがて虐げられた女たちは静かに怒り、立ち上がる。憤りで読む手が止まらぬ衝撃の震災小説。
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雨滴は続く | 西村 賢太
¥1,155
文藝春秋 2024年 ソフトカバー 560ページ 文庫判 - 内容紹介 - 連載中に著者が急逝、刊行時に話題を集めた遺作が、三回忌を前に早くも文庫で登場。 二〇〇四年の暮れ、北町貫多は、甚だ得意であった。同人雑誌「煉炭」に発表した小説「けがれなき酒のへど」が〈同人雑誌優秀作〉に選出され、純文学雑誌「文豪界」に転載されたのだ。これは誰から認められることもなかった三十七年の貫多の人生において味わったことのない昂揚だった。次いで、購談社の「群青」誌の蓮田という編集者から、貫多は三十枚の小説を依頼される。貫多にとって純文学雑誌に小説を発表することは、二十九歳のときから私淑してきた不遇の私小説作家・藤澤清造の“歿後弟子”たる資格を得るために必要なことであった。しかし、年が明けても小説に手を付ける気にはなれなかった。貫多に沸き起こった、恋人を得たいとの欲求が、それどころではない気持ちにさせるのだ。貫多は派遣型風俗で出会った〈おゆう〉こと川本那緒子の連絡先を首尾よく入手し、デートにこぎつける。 有頂天の貫多は子持ちの川本と所帯を持つ妄想をする。ところが、一月二十九日、恒例の「清造忌」を挙行すべく能登を訪れた貫多は、取材に来た若い新聞記者・葛山久子の、余りにも好みの容姿に一目ぼれをしてしまう。東京に戻るや否や、小説家志望の葛山に貫多は自作掲載誌を送るが、その返信はそっけないものだった。手の届く川本と脈のなさそうな葛山、両者への恋情を行きつ戻りつしながらも貫多は「群青」に短篇、匿名コラム、書評を発表していく。そして、「群青」九月号には渾身の中篇「どうで死ぬ身の一踊り」が掲載されたが、その反響は全く感じられなかった。同じころ、葛山からは返信が途絶え、川本にはメールが通じなくなる。順風満帆たる新進作家・貫多の前途に俄かに暗雲が立ち込めるのだった。 完成直前で未完となった、著者、最後、最長にして最高の長篇1000枚。巻末にヒロイン”葛山久子”による特別原稿を収録。
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キャロル | パトリシア・ハイスミス(著/文)柿沼 瑛子(翻訳)
¥902
河出書房新社 2015年 ソフトカバー 464ページ 文庫判 - 内容紹介 - クリスマス、おもちゃ売り場の女店員はキャロルと出会う…サスペンスの女王による、二人の女性の恋の物語。映画化原作ベストセラー。
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げんじものがたり | いしいしんじ
¥869
SOLD OUT
講談社 2023年 講談社文庫 ソフトカバー 368ページ 文庫判 - 内容紹介 - “今”の京都の声でよみがえる、源氏物語! 「紫式部が隣でおしゃべりしているかのように綴られる、 若き日の「光君」の物語に、ぐっと引き込まれました」 ―本上まなみ(俳優・エッセイスト) 「桐壺」帖から「葵」帖までの9帖を原文に忠実に訳した、 作家・いしいしんじによる平安京の大ベストセラー恋愛物語。 光源氏が誕生する「桐壺」帖から、のちに最愛の女性となる紫の上が登場する「若紫」帖を経て、 正妻・葵の上のもののけによる死が描かれる「葵」帖(源氏23歳頃)まで、 9帖を抄訳して収録。光(ひかる)君(くん)の若き日の成長譚と、さまざまな姫君たちとの華麗な恋愛絵巻が描かれます。 源氏物語に詳しい人はもちろん、読むことを敬遠してきた人へ。 令和に蘇る平安の宮中恋愛劇を、ゆるりとお楽しみください。 - 著者プロフィール - いしい しんじ (イシイ シンジ) (著/文) 1966年大阪市生まれ。京都大学文学部卒。1996(平成8)年、短篇集『とーきょーいしいあるき』(のち『東京夜話』に改題して文庫化)、2000年、初の長篇小説『ぶらんこ乗り』刊行。03年『麦ふみクーツェ』で第18回坪田譲治文学賞、12年『ある一日』で第29回織田作之助賞、16年『悪声』で第4回河合隼雄物語賞を受賞。その他の小説に『トリツカレ男』『プラネタリウムのふたご』『ポーの話』『みずうみ』『よはひ』『海と山のピアノ』『マリアさま』、エッセイに『京都ごはん日記』『且坐喫茶』『毎日が一日だ』『きんじよ』『ピット・イン』など。09年から京都市在住。
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紀州―木の国・根の国物語 改版 | 中上健次
¥748
KADOKAWA 2009年 角川文庫 ソフトカバー 320ページ 文庫判 - 内容紹介 - 紀州、そこは、神武東征以来、敗れた者らが棲むもう一つの国家で、鬼らが跋扈する鬼州、霊気の満ちる気州だ。そこに生きる人々が生の言葉で語る、”切って血の出る物語”。隠国・紀州の光と影を描く。 - 著者プロフィール - 中上 健次 (ナカガミ ケンジ) (著/文) 1946年和歌山県新宮市生まれ。高校卒業と同時に上京、同人誌で執筆を開始、76年「岬」で第74回芥川賞。戦後生まれ初の受賞者となる。長編小説『枯木灘(かれきなだ)』で第31回毎日出版文化賞、第28回芸術選奨文部大臣賞新人賞受賞。92年8月享年46歳で没。
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亡き王女のためのパヴァーヌ | パク・ミンギュ, 吉原育子(翻訳)
¥2,750
クオン 2015年 新しい韓国の文学シリーズ ハードカバー 460ページ 四六判 - 内容紹介 - 端役の俳優を父に持つ僕と、デパート勤務の不細工な彼女、バイト先の同僚で酒友達のヨハン、3人の若い男女がそれぞれの過去・現在・未来を通し、言葉で表現できない愛を見つけて紡いでいく物語。 - 著者プロフィール - パク・ミンギュ (パクミンギュ) (著) 1968年、蔚山(ウルサン)市生まれ、韓国の中央大学文芸創作学科を卒業。2003年、『地球英雄伝説』で文学トンネ新人作家賞、『三美スーパースターズの最後のファンクラブ』でハンギョレ文学賞を同時に受賞。その後、2005年『カステラ』で申東曄(シン・ドンヨプ)創作賞、2007年『黄色い川、舟一隻』で李孝石(イ・ヒョソク)文学賞、2009年『近く』で黄順元(ファン・スンウォン)文学賞、2010年『朝の門』で李箱(イ・サン)文学賞を受賞する。『カステラ』は2014年日本語に翻訳出版された(クレイン刊) 吉原育子 (ヨシハライクコ) (翻訳) 新潟市生まれ。埼玉大学教育学部音楽専攻卒業。成均館大学などで韓国語を学ぶ。 韓国文学翻訳院短期集中課程修了。訳書に『楽器たちの図書館』(共訳、クオン)、『私は妻との結婚を後悔している』(サンマーク出版)、『お母さん取扱説明書』(金の星社)など。
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黄金蝶を追って|相川 英輔
¥990
竹書房 2023年 竹書房文庫 ソフトカバー 256ページ 文庫判 縦148mm 横105mm 厚さ12mm - 内容紹介 - もしも日曜の次の日が“自分だけの一日”だったら? 買ったマンションに前の持ち主が“同居”していたら? “魔法の色鉛筆”を手に入れたら? 明日、あなたはこの世界に迷い込むことになるかもしれない――。あたたかな筆致で描かれる不思議な短篇集。
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白い病|カレル・チャペック, 阿部 賢一(翻訳)
¥638
岩波書店 2020年 岩波文庫 ソフトカバー 190ページ 文庫判 - 内容紹介 - 戦争目前の世界で、突如「雪崩のように」流行り始めた未知の疫病。大理石のような白い斑点が体のどこかにできたが最後、人は生きながら腐敗してゆく。そこへ特効薬を発見したという貧しい町医者が現れたのだが――。死に至る病を前に、人びとは何を選ぶのか? 一九三七年刊行の名作SF戯曲が、現代の我々に鋭く問いかける。 目次 第一幕 枢密顧問官 第二幕 クリューク男爵 第三幕 元帥 付録 前書き 作者による解題 解説
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二弐に2 (にににに)|らくだ舎出帆室
¥4,290
らくだ舎出帆室 2023年 ハードカバー 312ページ - 内容紹介 - 200年、をテーマに、詩、短歌、写真、エッセイ、小説など、多様な表現物を集めたらくだ舎出帆室のアンソロジー。 こわれたとけい/すいげん/未来 石原弦 ひなたぼっこ 大西文香 二〇〇年の射程を捉える 千葉貴子 いま、ここ、にいる責任ーー抱樸をたずねて 千葉智史 イマジンを聴きながら モリテツヤ 「これからの私たちの本」をつくる 髙松夕佳 「生きること」を問い直す三冊 青木真兵 夜を渡っていくために 柞刈湯葉 物語の重なり しいねはるか 辺境から考える「脱成長」 トンガ坂文庫/Youth Library えんがわ/らくだ舎 家庭内運動からSakumagというコレクティブへ 佐久間裕美子 西木根 石原弦 集う、信じる、生活を共有するーーゴーバルで見つけたこと 千葉智史 コミュニティと継承と 柳楽光隆 私の今日/わたしの今日 柴田葵 簡素と永遠 高村友也 山里思考 千葉智史 のんびり魂 畠中悠子 おわりに らくだ舎出帆室
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大丈夫な人|カン・ファギル, 小山内 園子(翻訳)
¥2,200
白水社 2023年 エクス・リブリス ハードカバー 282ページ 四六判 縦188mm 横128mm - 内容紹介 - 欧米も注目する 韓国の奇才による初の短篇小説集 日常生活で女性が襲われる理不尽と絶望を純文学に昇華し、韓国の女性を中心に絶大な支持を得ている女性作家、カン・ファギル。他者の行動の裏に潜む悪意を浮かび上がらせ、現代社会の“弱者”が感じる不安、絡み合い連鎖する不安の正体を自由自在に暴いてみせる。デビュー作「部屋」、若い作家賞受賞の「湖――別の人」、英国の翻訳家デボラ・スミスに注目され、英国で刊行された韓国文学の短篇集に収録されて大きな話題となった「手」など全9篇。 本書に描かれている世界と同様の閉塞的な社会を生きている日本の読者にも不安は迫ってくる。その背後に潜む差別意識や劣等感などに気づかされ、見えているものと見えていないもの、そして、何が真実なのかを突きつけられる。 「湖――別の人」:親友ミニョンの恋人で、周囲から「すごくいい人」と評判の男性イハンと湖に行くのがひどく憂鬱だった「私」。その湖は、ミニョンが暴行された現場だったから。イハンに何度も同行を求められ、彼を疑い続ける自分も信じられなくなってきた「私」は、ついに湖に一緒に行くことにするが……。 「ニコラ幼稚園――貴い人」:「ここに入れば出世する」と噂のニコラ幼稚園。下世話な噂も絶えないが、園児募集の時には毎年長蛇の列ができる。「私」は一人息子のために毎年並ぶ。読み書きを教えてもらえず惨めな思いをした自分の二の舞にならないように……。 「大丈夫な人」:婚約者の彼と車に乗っている「私」。彼は高収入の弁護士。「私」は母親が亡くなり質素な生活をしていたから、他人からはこの結婚が幸運に見えるだろう。だが今車内で「私」は不穏な何かを感じている……。 「手」:夫が海外赴任になり、小学校教諭の「私」は幼い娘を連れ、夫の実家の農村で姑と三人で暮らすことにする。農村の暮らしには違和感がつきまとう。田舎の小学校でもいじめがあり、手を打とうとするが、村人は耳を貸さない。村人が集まり、収穫した豆を町内会館で茹でる日。「それは『手のない日』でなければいけない」と言う姑に「手」の意味を尋ねると、村では悪鬼を「手」と呼ぶのだという。悪鬼とは、村に入ってきて、人に悪さをしたり邪魔したりする女のこと……。 - 目次 - 湖――別の人 ニコラ幼稚園――貴い人 大丈夫な人 虫たち あなたに似た歌 部屋 雪だるま グル・マリクが記憶していること 手 訳者あとがき - 著者プロフィール - カン・ファギル (カン ファギル) (著/文) 1986年、全州市生まれ。2012年、短篇小説「部屋」でデビュー。2016年に短篇集『大丈夫な人』、2017年に初の長篇『別の人』(小山内園子訳、エトセトラブックス、2021年)で第22回ハンギョレ文学賞を受賞。2020年には短篇小説「飲福」で第11回若い作家賞大賞を受賞した。 本作に収録された「手」は、英国の翻訳家デボラ・スミスに注目され、イギリスで発行された韓国文学ショートストーリーシリーズに収められて大きな話題となった。 小山内 園子 (オサナイ ソノコ) (翻訳) 1969年生まれ。東北大学教育学部卒業。NHK報道局ディレクターを経て、延世大学などで韓国語を学ぶ。 訳書に、キム・ホンビ『女の答えはピッチにある――女子サッカーが私に教えてくれたこと』(白水社)、キム・シンフェ『ぼのぼのみたいに生きられたらいいのに』(竹書房)、チョン・ソンテ『遠足』(クオン)、ク・ビョンモ『四隣人の食卓』(書肆侃侃房)、共訳書に、イ・ミンギョン『私たちにはことばが必要だ』『失われた賃金を求めて』『脱コルセット:到来した想像』(タバブックス)、キム・ジナ『私は自分のパイを求めるだけであって人類を救いにきたわけじゃない』(祥伝社)がある。
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死体狂躁曲|パミラ・ブランチ, 小林晋(翻訳), 山口雅也(監修 | 企画/原案)
¥2,640
国書刊行会 2022年 奇想天外の本棚 ソフトカバー 356ページ 四六判 - 内容紹介 - チェルシーに住む二組の芸術家夫婦が、初めての下宿人であるベンジャミン・カンを隣家から迎えることになった。だがしかし、その隣家とは、クリフォード・フラッシュによって設立された、法廷で無罪放免となった殺人犯たちが生活を営むアスタリスク・クラブの本部であった! ところが、カンが下宿を始めた翌朝、あちこちにネズミが出没する下宿の自身の部屋で息絶えたカンを、芸術家の妻ファンが発見する。カンとの連絡が途絶えたことを不審に思ったフラッシュは、リリー・クルージを新たな下宿人として送り込むが、リリーとも連絡がとれなくなってしまう。下宿人を迎え入れるたびに次々と死体になっていくことで疑心暗鬼となり恐慌をきたした夫婦たちが死体の処分を巡って右往左往の大騒ぎを繰り広げるいっぽう、二人が殺害されたことを知ったアスタリスク・クラブの面々は、秘密裡に死体を取り戻すべく芸術家宅への侵入を企てる…… 熱烈なファンを生み出し、近年再評価の著しいパミラ・ブランチによる、ブラック・ユーモアをふんだんにちりばめたクライム・コメディの傑作! 目次 【炉辺談話】 『死体狂躁曲』(山口雅也) 死体狂躁曲 - 著者プロフィール - パミラ・ブランチ (パミラブランチ) (著/文) Pamela Branch (1920-1967) イギリスのミステリ作家。セイロン(現スリランカ)で生まれる。イギリスで教育を受け、パリで芸術を学び、ロンドンの王立演劇アカデミーに通った。その後、弁護士のニュートン・ブランチと結婚し、二人はキプロスに引っ越した。1950年代後半にブランチと離婚し、1962年、ジェームズ・エドワード・スチュアート=リヨンと再婚。1967年、47歳の若さで亡くなった。生前のブランチは海外でも知名度が低かったが、熱烈なファンの支持もあって、今世紀に入ってから再評価の機運が高まり、2006年にA Rue Morgue Vintage Mysteryが彼女の全作(4作)を復刊、2009年には『死体狂躁曲』が、マーク・ガティス翻案、デヴィッド・テナント主演でBBCラジオ4にてドラマ化された。クリスチアナ・ブランドの親しい友人としても知られる。 小林晋 (コバヤシススム) (翻訳) 1957年、東京都生まれ。東京大学工学部卒業。訳書は、レオ・ブルース『三人の名探偵のための事件』(新樹社)、『ロープとリングの事件』(国書刊行会)、『骨と髪』(原書房)、『ビーフ巡査部長のための事件』、『レオ・ブルース短編全集』(扶桑社)、スタンリー・ハイランド『国会議事堂の死体』(国書刊行会)、マージェリー・アリンガム『屍衣の流行』、A・B・コックス『プリーストリー氏の問題』(晶文社)など多数。 山口雅也 (ヤマグチマサヤ) (監修 | 企画/原案) 早稲田大学法学部卒業。大学在学中の1970年代からミステリ関連書を多数上梓し、’89年に長編『生ける屍の死』で本格的な作家デビューを飾る。’94年に『ミステリーズ』が「このミステリーがすごい!’95年版」の国内編第1位に輝き、続いて同誌の2018年の30年間の国内第1位に『生ける屍の死』が選ばれKing of Kingsの称号を受ける。’95年には『日本殺人事件』で第48回日本推理作家協会賞(短編および連作短編集部門)を受賞。シリーズ物として《キッド・ピストルズ》や《垂里冴子》など。その他、第四の奇書『奇偶』、冒険小説『狩場最悪の航海記』、落語のミステリ化『落語魅捨理全集』などジャンルを超えた創作活動を続けている。近年はネットサイトのGolden Age Detectionに寄稿、『生ける屍の死』の英訳版Death of Living Deadの出版と同書のハリウッド映画化など、海外での評価も高まっている。
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HHhH プラハ、1942年|ローラン・ビネ, 高橋 啓(翻訳)
¥1,430
東京創元社 2023年 創元文芸文庫 ソフトカバー 464ページ 文庫判 縦149mm 横105mm 厚さ17mm - 内容紹介 - 【本屋大賞翻訳小説部門第1位】 【Twitter文学賞海外編第1位】 【ゴンクール賞最優秀新人賞受賞】 【リーヴル・ド・ポッシュ読者大賞受賞】 世界の読書人を驚嘆させた傑作、待望の文庫化! HHhHとは「ヒムラーの頭脳はハイドリヒと呼ばれる」を意味する符丁である。〈第三帝国で最も危険な男〉とも〈金髪の野獣〉とも呼ばれた、ユダヤ人大量虐殺の首謀者ハイドリヒ暗殺計画がプラハに潜入した二人の青年によって決行された。それに続くナチスの報復、青年たちの運命……。ナチスとは、いったい何だったのか? ハイドリヒとは何者だったのか? ビネは史実を題材に小説を書くことの本質を自らに、そして読者に問いかける。小説とは何か? 待望の文庫化!
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銀行強盗にあって妻が縮んでしまった事件/奇妙という名の五人兄妹|アンドリュー・カウフマン, 田内 志文(翻訳)
¥1,496
東京創元社 2023年 ソフトカバー 432ページ 文庫判 縦149mm 横105mm 厚さ16mm - 内容紹介 - 奇妙で、面白くて、真面目で、ブラックで、 元気が出る物語、2作あります。 風変わりな作家の風変わりな小説を合本文庫化! 妻が奇妙な強盗事件に遭遇した。犯人は居合わせた人々から「もっとも思い入れのあるもの」を奪っていったという。以来、なぜだか妻の身長は縮んでいき……。/生まれつき奇妙な〈力〉に悩まされてきた五人兄妹。祖母から〈力〉を消してやると告げられた三女は、ひと癖もふた癖もある兄妹たちを集めるために奔走する。――おかしな運命が照らし出す、夫婦の、兄妹の、家族のつながり。カウフマンの輝きに満ちた小説世界を2冊合本で贈る。
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ジュリアン・バトラーの真実の生涯|川本 直
¥1,265
河出書房新社 2023年 河出書房 ソフトカバー 512ページ 文庫判 - 内容紹介 - すべて嘘か、それとも真実か――魔夜峰央さん、齋藤明里さん、東山彰良さん推薦。各メディア絶賛! 壮大なデビュー小説にして第73回読売文学賞受賞作。 【内容紹介】 デビュー小説で第73回読売文学賞(小説賞)を受賞し、各メディア絶賛の超話題作が、宇野亞喜良の装画で待望の文庫化! 作風は優雅にして猥雑、生涯は華麗にしてスキャンダラス。トルーマン・カポーティ、ゴア・ヴィダル、ノーマン・メイラーと並び称された、アメリカ文学史上に燦然と輝く伝説の小説家ジュリアン・バトラー。その生涯は長きにわたって謎に包まれていた。 しかし、2017年、覆面作家アンソニー・アンダーソンによる回想録『ジュリアン・バトラーの真実の生涯』が刊行され、遂にその実像が明らかになる――。 第73回読売文学賞(小説賞)、第9回鮭児文学賞、第2回みんなのつぶやき文学賞国内篇第1位受賞。 もうひとつの20世紀アメリカ文学史を大胆不敵に描くあまりにも壮大なデビュー長編小説。 ◎文庫版解説=若島正 【推薦文】 ■魔夜峰央さん(漫画家) 実に壮大なまでにえげつない虚構。この書き込みと造りこみは変態的です。 たぶん作者は常識人の私には理解できない変態なのでしょう。いい意味で。 楽しませてもらいました。 ■齋藤明里さん(女優・読書系YouTube「ほんタメ」MC) ジュリアンに憧れる。 ジュリアンの物語に恋焦がれる。 彼に会いたくて、何度もこの本を開いてしまう。 ■東山彰良さん(作家) 生きるということ。書くということ。愛するということ。 徹頭徹尾フィクションなのだが、それ以外はすべて真実。そんな気にさせられる傑作。 (日経新聞「半歩遅れの読書術」2023.8.26より)
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トゥモロー・アンド・トゥモロー・アンド・トゥモロー|ガブリエル・ゼヴィン, 池田 真紀子(翻訳)
¥2,420
早川書房 2023年 ソフトカバー 560ページ 四六判 - 内容紹介 - セイディはMITの学生。ある冬、彼女は幼い頃一緒にマリオで遊んだ仲のサムに再会する。二人はゲームを共同開発し、成功を収め一躍ゲーム界の寵児となる。だが行き違いでゲーム制作でも友情でも次第に溝が深まっていき――。本屋大賞受賞作家による最新長篇