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民具のデザイン図鑑 くらしの道具から読み解く造形の発想|武蔵野美術大学 民俗資料室(編集), 加藤 幸治(監修)
¥2,420
誠文堂新光社 2022年 ソフトカバー 192ページ A5判 - 内容紹介 - ■民具からデザインのヒントを見つける 特定の設計者がいない、人々の暮らしから生まれる民具の造形には、身体性や生活の現場において理にかなった造形やデザインのアイデアが秘められています。 民具の分類としては衣・食・住など「用途別」による分類・整理が一般的ですが、本書では形態、機能、素材、意味などに注目し、民具がもつ豊かなデザインの世界をあらためて問い直します。 「小さな森で身を包む」「つくろいの造形」「布で情景を描く」などのトピックを立て、ビジュアルを豊富に用いながら、用途の枠を超えて民具の魅力を横断的に読み解きます。 収録する民具は、武蔵野美術大学民俗資料室が収蔵するおよそ9万点のコレクションから精選。本コレクションは、民俗学者・宮本常一の指導により収集が始まり、生活用具、郷土玩具、信仰資料など、国内有数の収蔵品を誇ります。 【目次】 はじめに 巻頭言 くらしの造形から見つける「デザインの素」 第1章 かたちと身体性 コラム1 宮本常一と民俗資料室コレクション 第2章 ユーモアと図案 コラム2 美術教育の源泉としての民具 第3章 見立てと表象 おわりに 掲載資料一覧 ***************************** - 著者プロフィール - 武蔵野美術大学 民俗資料室 (ムサシノビジュツダイガク ミンゾクシリョウシツ) (編集) ■編集/武蔵野美術大学 民俗資料室 武蔵野美術大学に設置された美術館•図書館もつ複合施設のひとつ。民衆が日々の暮らしのなかで生み出し、使い続けてきた暮らしの造形資料(民具)を約9万点収蔵し、大学における教育・研究活動を軸とした利活用に加え、民具の保存管理や展示公開等を行う。 加藤 幸治 (カトウ コウジ) (監修) ■監修/加藤 幸治(カトウ コウジ) 武蔵野美術大学教養文化・学芸員課程教授。専門は民俗学(民具研究)、博物館学。博士(文学)。和歌山県立紀伊風土記の丘学芸員(民俗担当)、東北学院大学文学部歴史学科教授(同大学博物館学芸員兼任)を経て、2019年から現職。近著に『民俗学 フォークロア編 過去と向き合い、表現する』(武蔵野美術大学出版局、2022年)、『民俗学 ヴァナキュラー編 ―人と出会い、問いを立てる』(武蔵野美術大学出版局、2021年)など多数。
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しゃべるヒト|菊澤 律子, 吉岡 乾
¥3,278
文理閣 2023年 ハードカバー 326ページ A5判 - 内容紹介 - ことばの世界へようこそ! 世界に約7000あるといわれる言語――その言語を理解することは他者理解につながるとの思いから、音声言語・手話言語を含めた「ことば」について、さまざまな科学の成果を新しい視点で紹介します。 目次 はじめに~ことばの世界へようこそ!~(菊澤律子) 第一部 Language ことばとは何か(吉岡 乾) コラム ことばと文字(八杉佳穂) ヒトの言語と動物のコミュニケーションの違い(藤田耕司) 言語シグナルの分析〈言語の二重分節と音声学・音韻論〉(青井隼人・ロバート ジョンソン・菊澤律子) コラム チンパンジーのコミュニケーション(林 美里) コード化・恣意性・文法(桐生和幸) 語用論(高嶋由布子) コラム 人工言語(千田俊太郎) 会話の連鎖組織(坊農真弓) ことばの身体的産出(平山 亮) コラム 人類の進化と言語(野嶋洋子) ことばの脳内処理(井原 綾・藤巻則夫・尾島司郎) 言語習得(巽 智子) コラム MRI画像と言葉の分析(藤本一郎) ことばが使えない時〈言語障害と失語症〉(原 惠子・竹本直也) ことばの機械認識(野原幹司・田中信和・杉山千尋・吉永 司・高島遼一・滝口哲也・野崎一徳) コラム 視覚言語と聴覚言語の習得(佐々木倫子) ことばと機械翻訳(須藤克仁) 第二部 Languages 世界のことば(吉岡 乾) コラム 宮窪手話のタイムライン(矢野羽衣子) 色々に数えることば[音声言語](風間伸次郎) 色々に数えることば[手話言語](相良啓子) コラム ヒトはどうやって言葉を習得するのか(広瀬友紀) 色々な構造のことば[音声言語](吉岡 乾) 色々な構造のことば[手話言語](今里典子) コラム 人生を通して、常に言語を学習する(フランクリン チャン・津村早紀) 色々の名称とことば[日本語](木部暢子) 色々の名称とことば[日本手話言語](大杉 豊・坊農真弓) コラム 手話通訳(養成)に関するアレコレ(木村晴美) 適応することば(中山俊秀) 適応することば[手話言語](相良啓子) コラム コーダの原風景に刻まれることば(中津真美) 影響することば[音声言語](蝦名大助) 影響することば[手話言語と中間手話](原 大介) コラム ヒトと機械の言語理解(佐野睦夫) 出現することば[音声言語](仲尾周一郎) 出現することば[手話言語](ジュディ ケグル) コラム 言語認識装置の進化(酒向慎司) 消滅することば[音声言語](木本幸憲) 消滅することば[手話言語](矢野羽衣子・菊澤律子) コラム 言語景観(庄司博史) 未来へのことば~結びにかえて~(菊澤律子) - 著者プロフィール - 菊澤律子 (キクサワリツコ) (著/文 | 編集) 立民族学博物館 教授/総合研究大学院大学 教授。専門は手話言語と音声言語の比較対照研究、オーストロネシア語族の諸言語、比較統語論。主要編著書に『声の言葉と手の言葉─手話からみた言語学』(ミネルヴァ書房、2023)、『手話が「発音」できなくなる時─言語機能障害からみる話者と社会』(石原和と共編、ひつじ書房、2022)、Proto Central Pacific Ergativity: Its Reconstruction and Development in the Fijian, Rotuman and Polynesian Languages(Pacific Linguistics, 2002)がある。 吉岡乾 (ヨシオカノボル) (著/文 | 編集) 国立民族学博物館 准教授/総合研究大学院大学 准教授。専門は記述言語学、ブルシャスキー語、地域言語研究。主要著書・論文に『フィールド言語学者、巣ごもる。』(創元社、2021)、Eat a spoonful, speak a night tale: a Ḍomaaki (hi) story telling(Bulletin of the National Museum of Ethnology, 46 (4), 2022)、「ブルシャスキー語の名詞修飾表現」(プラシャント・パルデシ、堀江薫編『日本語と世界の言語の名詞修飾表現』、ひつじ書房、2020)がある。
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世界を変えた100の化石 新装版|ポール・D・テイラー, アーロン・オデア, 真鍋 真(監修), 的場 知之(翻訳)
¥1,980
エクスナレッジ 2022年 ソフトカバー 352ページ 四六変型判 縦180mm 横128mm 厚さ23mm - 内容紹介 - イギリス・大英自然史博物館で大人気を博した展覧会が 書籍になって日本上陸! 新たな情報と化石の和名表記を加た <よりわかりやすい新装版> 始祖鳥やティラノサウルスなど誰もが知る生物の化石だけでなく 光合成の痕跡、恐竜の卵、サメの糞、火山灰に埋もれた足跡など当時の状況を語る化石も網羅。 まだ知らなかった化石に出会える、至極の一冊。 地質年表、一部復元図付き。 目次 【掲載化石一例】 第1章:先カンブリア時代 [エイペックス・チャート] 最古の化石は生物か? [ストロマトライト] 大酸化事変が生んだ生命体 [中国・陡山沱の化石] 謎に満ちた胚etc. 第2章:古生代 [アノマロカリス] カンブリア爆発で生まれた「奇妙なエビ」 [ハルキゲニア] 陸に上がり、生き延びたムシ [キンクタン] 初期の棘皮動物 [オルソケラス] オルドビス紀の捕食者の王 [ウミユリとプラティセラス類] 2億年続いた共生関係 [プテリゴトゥス] 巨大かつ獰猛な古代サソリ [クックソニア] 地上を征服した植物 [ケファラスピス] あごのない魚 [コムラ] 天敵を避ける棘とげだらけの三葉虫 [レピドデンドロン] 森が生んだ燃料 [ヘリコプリオン] 渦を巻く歯は、進化も奇抜? [ディメトロドン] セックスアピールか、ソーラーパネルか? [ウミツボミ] 史上最大の大量絶滅 etc. 第3章:中生代 [三畳紀の微小巻貝] 小さいことはいいこと? [キノドン類] 爬虫類から哺乳類へ [メガゾストロドン] 大物のデビューは前途多難 [ムカシトカゲ] 安住の地で今も生息 [グリファエア] 泥に埋まって生きた「悪魔の足の爪」 [プロミクロケラス] 大量死したアンモナイト [首長竜] ネッシーは実在したか? [ネオソレノポラ] 色を残した藻類 [始祖鳥] 鳥類の誕生 [トンボ] 巨大化した昆虫たち [ランフォリンクス] 最初の空飛ぶ脊椎動物、翼竜 [イグアノドン] 「恐竜」と名付けられた生物の歯 [クモ] 琥珀の中のクモと糸と獲物 [アラウカリア] 進化の天才? モンキーパズルの大木 [孔子鳥] 性選択で美しく進化した鳥 [白亜層のカイメン] 微粒子を濾し取る海底ポンプ [ティロキダリス] 軍拡競争の歩みが見えるウニの棘 [トロオドンの巣] 高度な子育ての痕跡 [エドモントサウルス] 極地の冬も生き延びた恐竜 [初期のプラントオパール] 恐竜が食したイネ科植物 [ティラノサウルス・レックス] 伝説の王 [ベレムナイト] K/Pg境界の大量絶滅 [有孔虫] 小さく単純なサバイバー etc. 第4章:新生代 [サメの歯] 化石の由来を示す「癒しの石」 [オニコニクテリス] 空に進出した哺乳類 [オフィオコルディケプス] ゾンビと化したアリの咬み跡 [貨幣石] ピラミッドに残る単細胞生物 [トロフォン] ダーウィンの巻貝 [バシロサウルス] 「トカゲの王」はクジラだった [ゴキブリ] 琥珀の中の止まった時間 [エジプトピテクス] 霊長類の起源 [チャネヤ] 花を咲かせる植物の誕生 [メトララブドトス] 断続平衡論を支持する外肛動物 [プロコンスル] 類人猿に近いか、ヒトに近いか [ディスコグロッスス] 独特の姿に進化したカエル [サメのコプロライト] 螺旋型の糞の化石 [サカマキエゾボラ] 圧倒的に少ない左巻きの貝 [巨大ウォンバット] アボリジニに伝わる怪物_バニップ [グリプトドン] アメリカ大陸間大交差も生き延びた哺乳類 [ラエトリの足跡] 350万年前の灰のなかの3人 [メノルカの小型ヤギ] 島嶼矮小化で生き延びた動物 [ステップマンモス] ヒトと共存したマンモス [ジャイアントモア] 植物に生きた証を遺した鳥 [アクロポラ・ケルヴィコルニス] 絶滅寸前のシカツノサンゴ [ステラーカイギュウ] 虐殺された海の巨獣 [ホモ・ハイデルベルゲンシス] 私たちにいちばん近い祖先? etc.
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言語はこうして生まれる 「即興する脳」とジェスチャーゲーム|モーテン・H・クリスチャンセン, ニック・チェイター, 塩原 通緒(翻訳)
¥2,970
新潮社 2022年 ハードカバー 384ページ 四六変型判 縦197mm 横140mm 厚さ25mm - 内容紹介 - 言葉は、今ここで発明されている。認知科学が明かす、まったく新しい言語の姿。相手に何かを伝えるため、人間は即興で言葉を生みだす。それは互いにヒントを与えあうジェスチャーゲーム(言葉当て遊び)のようなものだ。ゲームが繰り返されるたびに、言葉は単純化され、様式化され、やがて言語の体系が生まれる。神経科学や認知心理学などの知見と30年におよぶ共同研究から導きだされた最新の言語論。
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ひとかけらの木片が教えてくれること 木材×科学×歴史|田鶴 寿弥子
¥1,980
淡交社 2022年 ソフトカバー 232ページ 四六判 - 内容紹介 - 〈ひとかけらの木片が教えてくれる人と木の文化〉 〈顕微鏡、放射線。科学の力が解き明かす文化財の世界〉 何の木から作られているの? どこから運ばれてきた木材? 顕微鏡やCTなどの科学的な方法で、仏像や神像、歴史的建造物、さらには木製の入れ歯まで、文化財に用いられたさまざまな木材の樹種を同定してきた著者が、これまでの調査で得た興味深い情報を紹介します。「人がいかに木に向き合ってきたのか」。その答えが、小さな小さなひとかけらの木片を見つめることで見えてきます。
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樹木の恵みと人間の歴史 石器時代の木道からトトロの森まで|ウィリアム・ブライアント・ローガン, 屋代通子(翻訳)
¥3,520
築地書館 2022年 ハードカバー 384ページ 四六判 - 内容紹介 - 古来、人間は、木を伐ることで樹木の無限の恵みを引き出し、利用してきた。 英国の沼沢地の萌芽更新による枝を使った石器時代の木道、 スペインの12世紀の手入れされたナラの林、 16世紀のタラ漁船のための木材づくり、 野焼きによって森を育んだ北アメリカの先住民、日本の里山萌芽林。 米国を代表する育樹家が、世界各地を旅し、 1万年にわたって人の暮らしと文化を支えてきた樹木と人間の伝承を掘り起こし、 現代によみがえらせる。 目次 ニューヨークを救う木 ヤナギの再生 忘れられた言葉 木とともに生きる 記 憶 失われた技法 不格好な40本のプラタナス 助っ人を探す ヒントはどこに? 新芽がなければ生きられない 踏みはずした木との関係 木との対話を始める 萌芽の地 木の行動に学ぶ 植物、海から陸へ 植物の誕生を促したもの 予備の芽 即興演奏する樹木たち 倒れた樹木に宿る生命 植物たちの旋律──6つの選択 周囲の世界に呼応する 年ふりた樹木の持つ力 枝分かれ(branching) ネットワークの中で生きる 高架下の雑木林(スパゲッティの森) 創造力のある生き物 石器時代の湿地の木道(レヴェルズにて) 萌芽枝の利用 異形の木々 萌芽枝で作られた石器時代の木道 ふたつの木道に使われた1万4000本の枝 街路の発明 同じ森を利用する バ ネ 人の手が促す森の遷移 萌芽の森を保つ技 伐り取られたあとに咲く花々 萌芽林の連鎖 母なるハシバミ 食用・道具・家畜の餌 生け垣を建てる 生け垣の多様な生態系 工芸と科学 家畜のためのもの 囲いこみと生け垣 イングランドの生け垣には1000万の鳥のつがいが暮らす 手に負えるの? 頭と心と手を研ぎすます 侵入する植物たち 不屈のオウシュウニレ 妖精の庭のニレ クローンで生き延びる 探究心旺盛な根 12世紀の森を歩く 手入れされたナラの林 てっぺんが丸められた巨木 萌芽の林 ボート材 16世紀のタラ漁船 木に枝を少しだけ残す──イピナバロのナラ 海底で発見されたバスクのクジラ漁船 バスクの船大工──バカラオ型の船を建造 森に合わせて船を設(つく)計り、船に合わせて森を作る バカラオ型の船の工法 16世紀の工法を再現する 丘の周り 北スペインの渓谷で受け継がれる森の利用 バスク地方レイツァの街 生活を織りなす共有の森 トネリコの更新枝で羊を養う 斧で世界とわたり合う 共有地 複雑な仕組み 未来を記憶する 切って古木を生かす技 500歳のブナに手を入れる どこをどう切るか 木々のリズム 耕せば木は余計に生えてくる サバンナの一画、キリミの村 木々が教える伝統農法 森を酷使する アフリカの大地を見誤った支援 木々に学ぶ支援のあり方 急斜面の農耕を支えるもの 木の葉の飼い葉 フィヨルドの垂直経済 夏の農場の楽しみ 樹木の利用が支えた古代の農場 木を切ると牧草が育つ 4000年続く木の葉の利用 光の楽器 ノルウェーの農民画家 厳しい斜面を農地に 春の訪れと畑仕事 いいスティックを作る カリフォルニア先住民の火入れの知恵 籠という文化 スティックをとるために火を放つ 野焼きによる豊かな恵み 火入れの禁止による木々の変化 籠作りにこめられた知恵 芽吹きの楽園 カリフォルニアのセコイアの森で セコイアの妖精の環 巨木の陰で生きる 火で作られたセコイアの森 木が芽吹かないとき 人の手が産んだ800歳のダグラスファー サーミ人のマツ 針葉樹を生活の糧に 木の実の収穫 野焼きで楽をする 流れ橋 日本の里山再生 遠野の川にかかる流れ橋 狛ネズミの神社 田んぼと里山 里山の危機 名作「平成狸合戦ぽんぽこ」と「となりのトトロ」 桜ヶ丘公園、ボランティアの活躍 トトロのふるさと基金 能登半島の炭焼き──「ハハソ」の再利用 森の中へ 岩手県の3つの試み──植樹林に里山の手法を生かす 木材の地産地消 森の手入れに一般の人をまきこむ 早池峰の神楽 きみといつまでも 個体とはいったい何だろう ボランティアたち 木々は巧みに芽吹き、巧みに生きる ごみの上にできた森 どんな手を使っても──最終処分場に生えた木々 ホワイトのヤナギの言うことには 新たな命の生まれるところ 訳者あとがき 引用文献 索引 - 著者プロフィール - ウィリアム・ブライアント・ローガン (ウィリアムブライアントローガン) (著/文) ニューヨーク植物園で教鞭をとる。 これまで30 年間、木を相手に働いてきた。認定育樹家で、ニューヨーク市を拠点とする樹木管理の会社の創設者兼社長。 ガーデンライターズアソシエーションから数々の賞を受賞しており、「House Beautiful」「House and Garden」「Garden Design」などの雑誌の寄稿編集者、「ニューヨークタイムズ」のレギュラーのガーデンライターでもある。 国際樹芸学会International Society of Arboriculture(ISA)のニューヨーク州支部から2012 年のSenior Scholar 賞を、国際ISA からTrue Professional of Arboriculture 賞を受賞。本書で、最も優れたネイチャーライティングの著作に贈られるジョン・バロウズ賞を受賞。 著書に、『Oak』(『ドングリと文明』日経BP 社)、『Air』『Dirt』などがある。 屋代通子 (ヤシロミチコ) (翻訳) 兵庫県西宮市生まれ。札幌市在住。出版社勤務を経て翻訳業。 主な訳書に『シャーマンの弟子になった民族植物学者の話 上・下』『虫と文明』『馬の自然誌』『外来種のウソ・ホントを科学する』『木々は歌う』(以上、築地書館)、『ナチュラル・ナビゲーション』『日常を探検に変える』(以上、紀伊國屋書店)、『数の発明』『ピダハン』『マリア・シビラ・メーリアン』(以上、みすず書房)など。
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人間がいなくなった後の自然|カル・フリン, 木高 恵子(翻訳)
¥3,740
草思社 2023年 ハードカバー 400ページ 四六判 - 内容紹介 - 人間が消えれば、自然は回復・新生する―― これはダークツーリズムでも、廃墟趣味でもない、新時代の「環境人文書」である。 サンデー・タイムズベストセラー/ジョン・バロウズ賞受賞/英国王立文学協会オンダーチェ賞最終候補…各方面から大絶賛! 戦争の緩衝地帯、かつての産業の衰退地、放射能汚染地域、災害跡地…人間が見捨てた土地は、 実際にはリセットされた大地で自然が新しい環境として遷移し、地球上のほかのどのエリアとも異なる豊かな場所となっていた。 世界中の荒廃し果てた土地を訪ね、自然の回復・新生の実態を追った、人間中心主義以降の時代の、 環境人文学の最先端を行く野心作。 「二年間かけて、最悪のことが起きてしまった場所を旅した。戦争、原子炉のメルトダウン(炉心溶融)、自然災害、砂漠化、毒化、放射能汚染、経済崩壊に見舞われた風景である。世界の最悪の場所ばかりを次々に並べる本書は暗黒の書というべきかもしれない。しかし実のところ、本書は救済の書なのである……ある場所が見違えるほど変わってしまい、すべての望みが絶たれたように見えるとき、どのようにして別の種類の生命の可能性を育むのだろうか。」 (本書より) ●目次 第一部:人間のいない間に 第一章 荒地:スコットランド、ウエスト・ロージアンのファイブ・シスターズ 第二章 無人地帯:キプロスの緩衝地帯 第三章 旧農地:エストニア、ハリュ 第四章 核の冬:ウクライナ、チョルノービリ 第二部:残る者たち 第五章 荒廃都市:アメリカ合衆国、ミシガン州デトロイト 第六章 無秩序の時代:アメリカ合衆国、ニュージャージー州、パターソン 第三部:長い影 第七章 不自然な淘汰:アメリカ合衆国、スタテンアイランド、アーサー・キル 第八章 禁断の森:フランス、ヴェルダン、ゾーン・ルージュ 第九章 外来種(エイリアン)の侵略:タンザニア、アマニ 第一〇章 ローズコテージへの旅:スコットランド、スウォナ島 第四部:エンドゲーム 第一一章 啓示:モンセラトの首都 プリマス 第一二章 大洪水と砂漠:アメリカ合衆国、カリフォルニア州、ソルトン湖 - 著者プロフィール - カル・フリン (カル フリン) (著/文) 作家・ジャーナリスト。サンデー・タイムズ紙とデイリー・テレグラフ紙の記者であるほか、ザ・ウィーク誌の寄稿編集者でもある。オックスフォードのレディ・マーガレット・ホールで実験心理学の修士号を取得。著書にオーストラリアの植民地問題を扱った「Thicker Than Water」がある。 木高 恵子 (キダカ ケイコ) (翻訳) 淡路島生まれ、淡路島在住のフリーの翻訳家。短大卒業後、子ども英語講師として小学館ホームパルその他で勤務。その後、エステサロンや不動産会社などさまざまな職種を経て翻訳家を目指し、働きながら翻訳学校、インタースクール大阪校に通学し、英日翻訳コースを修了。訳書に『ビーバー: 世界を救う可愛いすぎる生物』(草思社)がある。
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はじめての人類学 | 奥野 克巳
¥990
講談社 2023年 講談社現代新書 ソフトカバー 224ページ 新書判 - 内容紹介 - 「人間の生」とは一体何なのか。今から100年前、人類学者たちはその答えを知ろうとしてフィールドワークに飛び出した。マリノフスキ、レヴィ=ストロース、ボアズ、インゴルドという4人の最重要人物から浮かび上がる、人類学者たちの足跡とは。これを読めば人類学の真髄が掴める、いままでなかった新しい入門書!
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アンカット・ファンク 人種とフェミニズムをめぐる対話 | ベル・フックス, スチュアート・ホール(著), 吉田 裕(訳)
¥2,970
人文書院 2023年 ソフトカバー 250ページ 四六判 縦188mm 横132mm 厚さ18mm - 内容紹介 - カルチュラル・スタディーズとフェミニズムの出会い ふたりの思想家がポール・ギルロイの仲介のもと1996年のロンドンで対話した。フェミニズムとカルチュラル・スタディーズそれぞれの隆盛を担い、世界的知識人となったベル・フックスとスチュアート・ホール。ともに黒人のアカデミシャンでありながら、来歴と経験を大きく異にし世代も違う男女は、深く共感しながらも時に鋭く言葉を交わす。ジェンダー、人種、家父長制、アイデンティティ・ポリティクスなど、20世紀後半の社会状況を踏まえた議論の数々と、それらに自らの人生を重ねた繊細な語りは、四半世紀の時を超えて新鮮な発見とアクチュアリティをもたらす。 「フェミニズムは政治についての女たちの考え方を変えた以上に、わたしの政治についての考え方を変えてしまった。」(ホール) 「場所を失うという感覚こそが、まさにフェミニズムに関して多くの男たちが恐れ続けていることなんですよ。ものの見方においてはっきりとした変化が求められているのは、性差別という観点から自身に染みついた考え方を解体するプロセスなのです。」(フックス) - 目次 - 序文 ポール・ギルロイ はじめに ベル・フックス 一 フェミニズムとの出会い 二 家父長制と人種 三 戯れ、死、病 四 アイデンティティ・ポリティクス、あるいは自己を語ることの不可能性 五 男らしさと不安 六 フェミニズムと連帯の可能性 訳者あとがき 人名索引 - 著者プロフィール - ベル・フックス (ベルフックス) (著) 1952年、ケンタッキー州生まれ。2021年没。アフリカ系アメリカ人のフェミニスト。ニューヨーク市立大学シティカレッジなどで英米文学やフェミニズムを教える。日本語訳に、『フェミニズムはみんなのもの』(堀田碧訳、新水社、新版:エトセトラブックス)、『とびこえよ、その囲いを』(里見実ほか訳、新水社)、『アメリカ黒人女性とフェミニズム』(大類久恵監訳、柳沢圭子訳、明石書店)、『アート・オン・マイ・マインド』(杉山直子訳、三元社)、『オール・アバウト・ラブ』(宮本敬子、大塚由美子訳、春風社)、『ベル・フックスの「フェミニズム理論」』(野﨑佐和、毛塚翠訳、あけび書房)など。 スチュアート・ホール (スチュアート ホール) (著) 1932年、ジャマイカ生まれ。2014年没。イギリスの文化理論家。バーミンガム大学の現代文化研究センターを率い、カルチュラル・スタディーズを確立した。著書に、Policing the Crsisis' Mugging, the State and Law & Order(Chas Critcherらとの共著、Palgrave, 1978)、The Hard Road to Renewal: Thatcherism and the Crisis of the Left(Verso, 1988)、Essential Essays, Vol. 1 & Vol. 2(Duke University Press, 2019)など。邦訳に、『親密なるよそ者』(吉田裕訳、人文書院)など。 吉田 裕 (ヨシダ ユタカ) (訳) 東京理科大学准教授。専門はカリブ文学及び思想、文化研究。著書に『持たざる者たちの文学史 帝国と群衆の近代』(月曜社)。訳書にノーム・チョムスキー『複雑化する世界、単純化する欲望 核戦争と破滅に向かう環境世界』(花伝社)、ニコラス・ロイル『デリダと文学』(共訳、月曜社)、ポール・ビュール『革命の芸術家 C・L・R・ジェームズの肖像』(共訳、こぶし書房)、ジョージ・ラミング『私の肌の砦のなかで』(月曜社)、スチュアート・ホール、ビル・シュワルツ『親密なるよそ者』(人文書院)など。
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校閲至極 | 毎日新聞校閲センター
¥1,760
毎日新聞出版社 2023年 ソフトカバー 256ページ 四六判 - 内容紹介 - 誰にでも読みやすく正確に伝わることを目指す「新聞の日本語」や、校閲の技術、文字や言葉の話題を発信している校閲記者たちの傑作コラム74編。 誤字や不適切表記と格闘する日々の中、「校閲」の視点でさまざまな題材を面白く、あるいは深く鋭く解く。 作家・逢坂剛氏 絶賛! 校閲こそは、文筆家の生命線である。 校閲を軽んじれば、そのつけは確実に回ってくる。 校閲を知れば、文筆の怖さが分かる。 【本書の主な内容】 「校閲ガール」河野悦子よ、なぜスルー 閲の字は一つ一つ調べること 馬琴の「校閲」誤脱多かりし 「~をはじめ」は始? 初? 仮名? 「般若心教」は教義にあらず 高校野球の記事、三つの「アウト」 『晩春』原節子の「おじさま」とは 新選組と新撰組 どちらを選ぶ? ゲージとケージ カタカナの混濁 チータ、チーター 小さくない違い ハロウィーンかハロウィンか 広辞苑に載った「エロい」に興奮 「コンビ二」に立ち止まれ 日本人も「来日」する 思い込みで「津田沼市」 品川駅は品川区にない……なぜ? 逢坂剛さんの言葉への姿勢に圧倒される 「花向け」の言葉 新年度は不適切 来れる、生きれる 「ら抜き」直す? 「敷居が高い」 本来の意味は ろくろを「ひく」 挿絵を見て納得 岩波国語辞典にみる「雨模様」の模様 辞書に謎の言葉「十七載」とは 折口、柳田……清音の地域性 そうだったのか 福神漬けの読み 三笘選手の笘 苫とどう違う 1カ所「壇ふみ」 誤植はつらいよ ちょう? まち? 「町」の間違い 数え年で7年? 善光寺の不思議 「6月31日」などありえないのに ほか 【目次】 第1章 校閲って何? 第2章 同音の語があふれている 第3章 カタカナ語の落とし穴 第4章 「いかにもありそう」が命取り 第5章 問題は言い回しにあり!? 第6章 辞書の中の奥深い世界 第7章 ところ変われば…… 第8章 名前は唯一無二のもの 第9章 確認は文字だけ? いえ無限です
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マルクス・ガブリエルの哲学 ポスト現代思想の射程 | 菅原 潤
¥2,750
人文書院 2023年 ソフトカバー 276ページ 四六判 縦188mm 横132mm 厚さ23mm - 内容紹介 - 未邦訳の主著三冊を読み解き、その思想の全貌を探る初めての試み 『なぜ世界は存在しないのか』がベストセラーとなり、ドイツ観念論から社会事象まで自在に論じる思想界の新星として颯爽と登場したマルクス・ガブリエル。しかし哲学者としての本領を発揮した著作はいまだ日本では読まれていない。本書ではその中でも重要となる三冊の著作(『意義の諸領野』『諸々のフィクション』『暗黒時代における道徳的進歩』)を中心に、いわゆる「現代思想」に収まらない可能性を持つガブリエルの思想を広く紹介する。 「マルクス・ガブリエルはポストモダンの哲学者ではない。ポストモダンが花盛りの時代に青年期を過ごしていたことは事実だが、その思考の方向はポストモダン以前の実存主義、あるいはそれよりも前に流行したドイツ観念論に向かっている。さらには共著本で関わったプリーストとスコーベルにも共通するが、東洋思想に対する興味も認められる。これらの要因を掛け合わせれば京都学派を連想させるものがガブリエル哲学にあると推論することもできる。要するにこの半世紀近く続いたポストモダンの流行にどこか物足りない思いをしていた読者に、ガブリエルは魅力的な議論を提供していると思える。いったんポストモダン的な言説の文脈を括弧に入れて、虚心坦懐にガブリエルの原文に向き合うことを推奨したい。」(本書より) ○目次 序章 主著は三冊 第一章 世界は存在しない――『意義の諸領野』 第二章 ユニコーンは存在する――『諸々のフィクション』 第三章 道徳的事実は存在する――『暗黒時代における道徳的進歩』 終章 現代思想、とりわけハーバーマスとデリダとの関係 目次 序章 主著は三冊 ブームは去ったのか 邦訳が進まない理由 数多くの単著本 主著の見極め方 本書の読み方 第一章 世界は存在しない――『意義の諸領野』 修業時代の模索 構成および緒論 複数の領域を扱う存在論 「領域」と「領野」の違い なぜ「意味の場」ではないのか 世界は存在しない 平坦な存在論 可能世界の否認 偶然性の処理 残された問題 第二章 ユニコーンは存在する――『諸々のフィクション』 難解な書の構成 『あらゆるものと無』との関係 可謬性への着目 フィクションを論じるきっかけ フィクションとは何か 「フィクション的」と「空想的」の区別 非存在論的隔絶主義 総譜とパフォーマンス、解釈と意味づけ 存在論的相関主義と機知 「先回りのできなさ」とシェリング 生活世界への批判 事実性の結合 可謬性の客観性 志向性とモデル化 ドイツ観念論の遺産 不同意について 神話とイデオロギー 理性の社会性 不透明な生き残り 規範の社会性 SNS、つまり「社会的ネットワーク」批判 不合意の共同体 過度な自律性と機知 第三章 道徳的事実は存在する――『暗黒時代における道徳的進歩』 常識的な書の構成 国際政治に対する関心 「暗黒時代」としての二一世紀 基礎づけの必要のない道徳的事実 ステレオタイプ批判 宗教と道徳性は相容れない ロールズへの高い評価 フランス革命に対する評価 定言命法の二つの定式化 アイデンティティというキーワード 「ハビトゥス」への注目 アイデンティティとステレオタイプ 社会構築主義批判 社会の複雑性 ポピュリズム批判 差異政治と女性差別 無差別政治と歴史問題 道徳教育と哲学 身の丈に合った哲学 終章 現代思想、とりわけハーバーマスとデリダとの関係 社会的かつ政治的な傾向 科学哲学、とりわけクリプキとの関係 米国で形成されたカント主義 動物権利論への批判 冷静な判断力の養成の必要性 ベンヤミンおよびアドルノへの批判 ハーバーマスの黒歴史 是々非々なハーバーマスへの評価 脱構築への関心 東浩紀の先駆性 カミュへの傾倒 マルクス(主義)との関係 禅とアナーキズム 人類系の哲学者 あとがき 人名索引 著者プロフィール 菅原 潤 (スガワラジュン) (著) 1963年、宮城県仙台市生まれ。東北大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。博士(文学)。現在、日本大学工学部教授。主な著書・訳書に『シェリング哲学の逆説』(北樹出版)、『京都学派』(講談社現代新書)、『実在論的転回と人新世』、リュディガー・ブプナー『美的経験』、リチャード・J・バーンスタイン『根源悪の系譜』(いずれも法政大学出版局・共訳)など。
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ポスト・ヨーロッパ 共産主義後をどう生き抜くか | スラヴェンカ ドラクリッチ, 栃井 裕美(訳)
¥3,300
人文書院 2023年 ソフトカバー 282ページ 四六判 縦188mm 横132mm 厚さ20mm - 内容紹介 - 分断されたヨーロッパの複合的な肖像。カフェ・ヨーロッパ、ふたたび 東側の人々を失望させたものは何であったのか? なぜオルバーン首相に支持が集まるのか? 民主主義への不信はどこへ向かうのか? ヨーロッパの光と影を描き出す。 ポスト共産主義の虚像と現実とは。 -----ティモシー・スナイダー激賞! 深遠で痛烈に面白い! 共産主義終焉から30年後の東欧。ストックホルムでオウムを連れた移民、リヴィウの少女の写真、スコピエのアレキサンダー大王の彫刻、ソ連軍によるプラハ侵攻50周年の記念式典など、東欧の現在の政治的・社会的問題を垣間見ることができる刺激的でタイムリーな政治的ルポルタージュ。東欧のボーヴォワールともいわれ、内戦を経験した旧ユーゴ出身のジャーナリストが鋭くえぐる西側の論理からだけではみえないポスト共産主義のヨーロッパ事情。 目次 日本語版に寄せて 序文 想定外の変化 昔々、一九八九年のある日のこと ヨーロッパのフードアパルトヘイト---すべての胃袋は同じにあらず? ウクライナの不機嫌な女の子---人は何を見て、何を見落とすのか アンゲラおばさんとドナルト・トランプの会談---アンゲラ・メルケルとオルバーン・ヴィクトルのシーソーゲーム 一九六八年プラハ:なぜ共産主義はウールのセーターに似ているのか---あるいは、犠牲者の追悼が不快な理由 女性、ハラスメント、東、西---暴力に耐性のある女性なんていない 恐怖を煽る---ナショナリズムが感情を呼び起こす理由 北マケドニア共和国---より良い過去をいかに構築するか スウェーデンのオウム、移民問題など---かつての移民と新たな難民をめぐって お気に入りのカード---一枚の魔法のプラスチックカードにできた亀裂 ロスト・イン・トランジション----社会的所有から私有財産への長い道のり ホロコーストと盗まれた記憶---追悼のさまざまな方法をめぐって ヨーロッパ合州国?---東欧の移民熱 未来の音楽---二〇一一年イタリア:古きよきヨーロッパ、新たなヨーロッパ、変わりゆくヨーロッパ 私のブレグジット 謝辞 訳者あとがき - 著者プロフィール - スラヴェンカ ドラクリッチ (スラヴェンカドラクリッチ) (著) 【著者】スラヴェンカ・ドラクリッチ(Slavenka Drakulić) クロアチアのジャーナリスト、作家。1949 年アドリア海の港町リエカに生まれる。ザグレブ大学で比較文学と社会学を専攻。旧ユーゴ初のフェミニスト団体「女性と社会」を創設し、東欧初のフェミニストの本『フェミニズムの大罪』(1984 年)を発表する。ユーゴ紛争を機にスウェーデンへ移住。文学的ルポタージュ『バルカン・エクスプレス』(1993 年/ 邦訳1995年、三省堂)や『カフェ・ヨーロッパ』(1996 年/ 邦訳1998 年、恒文社)は欧米で大評判となる。ボスニア戦争時の集団レイプを題材とした小説エス:バルカン半島をめぐる小説』(1999年)は映画化もされた。ウクライナ侵攻を受けて発表された『戦争はどこでも同じ』(2022 年)は、かつての当事者として同じ過ちを繰り返さないよう問いかける渾身の一作。各著ヨーロッパ各国をはじめ、アメリカやアジアで翻訳されている。 栃井 裕美 (トチイヒロミ) (訳) 2003 年~2007 年セルビア共和国留学。2007 年ベオグラード大学哲学部修士課程修了。2010 年~2013 年日本学術振興会特別研究員。5 年間のシンガポール滞在の後帰国。共著書に『学問の森へ―若き探求者による誘い』(中部大学、2001年)。
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クジラのまち 太地を語る 移民、ゴンドウ、南氷洋 | 赤嶺 淳
¥2,200
SOLD OUT
英明企画編集 2023年 ソフトカバー 352ページ 四六判 縦188mm 横128mm 厚さ19mm - 内容紹介 - 捕鯨問題はすでに「捕る/捕らない」、「食べる/食べない」という単純な二項対立を超えて、科学や政治、倫理など、多様な問題が複雑に絡まりあった“捕鯨問題群”を形成するに至っている。 本書では、漁師、ペンション経営者、海産物販売業者など、「クジラのまち・太地」を愛し、誇りとする8名の生活史の「聞き書き」を軸に、従来は語られてこなかった太地の姿を提示。 鯨食・捕鯨をめぐってすれ違うまなざしの交差点を探り、複数の視点で“捕鯨問題群”に向きあい、広くオープンに語りあう環境の構築をめざす一冊。 ◆目次 ●太地をひらく………赤嶺 淳 ■第Ⅰ部 太地を生きる ●1 南氷洋をおもう ①南氷洋、二五回出漁してるんですよ……網野俊哉さん ②大変な仕事やでぇ……濱田明也さん ③もう海しか知らないもん………小貝佳弘さん ●2 マッコウにあずかる ①足元は油まみれ……山下憲一さん ②あ~、腹ラーセンや……世古忠子さん ●3 太地をつなぐ ①舌は覚えているからね……久世滋子さん ②慣れ、慣れ、慣れ。……小畑美由紀さん ③なんでゴンドウしかいわんのか……由谷恭兵さん ■第Ⅱ部 太地を解く ●すれちがうまなざし──個人史とグローバルヒストリーの交差点で……赤嶺 淳 ●かくれた主役──ゴンドウと歩む太地の捕鯨文化……ジェイ・アラバスター ■第Ⅲ部 太地を訊く ●幾重もの共同と協働──太地町プロジェクトをふりかえって……辛 承理 ●太地にかかわる──あとがきにかえて………赤嶺 淳 - 版元から一言 - 『クジラのまち 太地を語る──移民、ゴンドウ、南氷洋』は、南氷洋での捕鯨の日々に思いをはせ、マッコウクジラが暮らしにもたらした恵みに感謝し、太地に誇りをもって、その歴史をつないで生きる8名の人びとの生活史を中心に、「クジラのまち・太地」についての語りと論考によって、捕鯨問題を解き・ひらく一冊です。 - 著者プロフィール - 赤嶺 淳 (アカミネ ジュン) (著/文 | 編集) 1967年大分県うまれ。一橋大学大学院社会学研究科教授。専門は食生活誌学、食生活史研究。人間による環境利用の歴史をあきらかにするため、水産物の生産から加工、消費までのサプライチェーンの発展過程に着目し、「食からみた社会」、「社会のなかの食」の変容過程をあとづけてきた。目下の関心は、マーガリンの主原料として20世紀初頭に創発した鯨油や大豆油、パーム油などの「油脂間競争」120年の絡まりあいの解明。おもな著作に『ナマコを歩く』(新泉社、2010年)、『鯨を生きる』(吉川弘文館、2017年)、「ノルウェーにおける沿岸小型捕鯨の歴史と変容」(『北海道立北方民族博物館紀要』29号、2020年)、「日本近代捕鯨史・序説」(『国立民族学博物館研究報告』47巻3号、2023年)など。
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コード・ガールズ 日独の暗号を解き明かした女性たち | ライザ・マンディ, 小野木明恵(翻訳), 小谷賢(解説)
¥3,960
みすず書房 2021年 ハードカバー 504ページ 四六判 - 内容紹介 - 日本軍の真珠湾攻撃が迫る1941年11月、アメリカ海軍から東部の名門女子大に宛てて「秘密の手紙」が送られはじめた。そこには、敵国の暗号解読に当たれる優秀な学生がほしいと記されていた――。 第二次世界大戦中、米陸・海軍に雇われ、日本やドイツなど枢軸国の暗号解読を担ったアメリカ人女性たちがいた。外国語や数学をはじめとする高等教育を受けた新卒者や元教師らが全米各地から首都ワシントンに集い、大戦末期には男性をしのぐ1万人以上の女性が解読作業に従事した。 その働きにより、日本の外交暗号(通称パープル)や陸軍の船舶輸送暗号が破られ、枢軸国側に壊滅的な打撃を与えた。ミッドウェー海戦での米軍の勝利、山本五十六連合艦隊司令長官の殺害作戦の陰にも彼女らがいた。一方、大西洋戦域においてはドイツのエニグマ暗号を解明してUボートの脅威を排除し、ノルマンディー上陸時の欺瞞作戦でも活躍した。こうした功績がきっかけとなり、それまで女性には閉ざされていた政府高官や大学教授など高いキャリアへの道が切り拓かれることになる。 戦後も守秘義務を守り、口を閉ざしてきた当事者らへのインタビュー、当時の手紙、機密解除された史料などをもとに、情報戦の一翼を担った女性たちに光をあて、ベストセラーとなったノンフィクション。口絵写真33点を収録。解説・小谷賢。 目次 凡例 著者まえがき 秘密の手紙 序章「わが国はあなたたち若い女性が必要だ」 第1部 「総力戦ともなれば、女性が必要とされるだろう」 第1章 28エーカーに広がる娘たち 第2章 「これは男の人の仕事だけど、うまくやれそうです」 第3章 もっとも難解な問題 第4章 「これほど大勢の女性たちが一か所にいる」 第2部 「この広大な海域のいたるところで日本は優勢であった」 第5章 「胸がはりさけそうだった」 第6章 「QはコミュニケーションのQ」 第7章 「地獄の半エーカー」 第8章 「人間なら不満をもって当然です」 第9章 鉛筆を動かす女たちが日本の船を沈没させる 第3部 潮目が変わる 第10章 シュガー・キャンプ 第11章 「敵がセーヌ河口に上陸」 第12章 ティーディ 第13章 降伏を告げる通信文 第14章 クロウにさようならを 終章 てぶくろ ペーパーバック版へのあとがき 謝辞 付録1・2(暗号解読用語集、第二次世界大戦略年表) 解説「暗号戦に勝利をもたらした女性たち」 小谷賢 参考文献 原注 索引 - 著者プロフィール - ライザ・マンディ (ライザマンディ) (著/文) アメリカのジャーナリスト、ノンフィクション作家。《ワシントン・ポスト》紙で長年記者を務め、女性問題や労働問題を中心に取材。2017年に刊行された本書は《ニューヨーク・タイムズ》紙ほか主要紙で高評価されて20万部を超えるベストセラーとなり、10を超える言語に翻訳されている。情報機関出身者が選ぶ「Best General Audience Intelligence Book(一般向けインテリジェンス最優秀書)」(2018)にも選出された。グーグル本社をはじめ、各地で本書と「コード・ガールズ」に関する講演を行っている。ほかの著書に『ミシェル・オバマ』(渡辺将人監訳、清川幸美訳、日本文芸社、2009)、Everything Conceivable (Knopf, 2007) , The Richer Sex (Simon & Schuster, 2012) など。シンクタンク「ニューアメリカ」のシニア・フェロー、「ジャパン・ソサエティ」フェロー。2019-20年に米国家安全保障局/中央保安部(NSA/CSS)の招聘研究員。バージニア州アーリントン在住。 小野木明恵 (オノキアキエ) (翻訳) 翻訳家。大阪外国語大学英語学科卒業。訳書にモフェット『人はなぜ憎しみあうのか』(早川書房、2020)、ギロビッチほか『その部屋のなかで最も賢い人』(青土社、2018)、ザラスカ『人類はなぜ肉食をやめられないのか』(インターシフト、2017)、バロウ『数学を使えばうまくいく』(共訳、青土社、2016)ほか。 小谷賢 (コタニケン) (解説) 日本大学危機管理学部教授(インテリジェンス研究、イギリス政治外交史)。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。英国王立防衛安保問題研究所(RUSI)客員研究員、防衛省防衛研究所主任研究官などを経て現職。著書に『日英インテリジェンス戦史』(2019)、『モサド』(2018、ともにハヤカワ・ノンフィクション文庫)、『日本軍のインテリジェンス』(講談社選書メチエ、2007)ほか。訳書にサミュエルズ『特務(スペシャル・デューティー)』(日本経済新聞出版、2020)など。
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おしゃべりから始める私たちのジェンダー入門 | 清田 隆之
¥1,925
朝日出版社 2023年 ソフトカバー 264ページ 四六判 - 内容紹介 - あのとき悩んだあのことは、全部ジェンダーの問題だったのかも・・?! 非モテ男性たちのぼやき、仮性包茎に『うっせぇわ』、『おかあさんといっしょ』や母親からの過干渉、ぼる塾、阿佐ヶ谷姉妹のお笑い、ZARDに朝ドラの男性たち、パワハラ、新興宗教、ルッキズム…… ジェンダーを自分事として考えるために。 共同通信配信の好評エッセイ「清田隆之の恋バナ生活時評」を大幅加筆。より正直に、言葉の密度高く書籍化。 日々を暮らす中で感じたモヤモヤを、誰かと話しながら言語化していく営みこそ、ジェンダーという巨大にしてつかみどころがなく、それでいて根源的で影響力も計り知れない問題に向き合うためのきっかけになるのではないか。私というミクロの世界と、社会というマクロの世界は、どこかで確実につながっている。――「まえがき」 - 目次 - 第1章 〈男〉について考え続けた2年間のこと 恋バナは楽しい。でも、どんどんしづらいものになっていった/痴漢被害に憤る女、痴漢冤罪に怯える男/男たちは自分のことをわからないままでいいのか… 第2章 コロナと育児と生活の限界 子どもの成長はあっという間。でも、大人の1年だってそれなりに長い/自分を許してくれない〝リトル清田〞の厳しさ/子どもが風邪をひくと一瞬で詰む日々… 第3章 #stayhomeと令和のエンタメ 朝ドラの弱くて優しい男たち/阿佐ケ谷姉妹に感じた〝男性的〞ではない笑いの感覚/「ガッキーロス」に独禁法まで持ち出す〝ノリ〞の気持ち悪さ… 第4章 心を開いて、清田くん! 恋愛のモヤモヤに潜む政治意識のズレ/「暴力とコミュニケーションが紙一重」の領域で傷つく男性たち/「お茶する」ことの醍醐味、ガールズトークの文化に学んだこと… - 著者プロフィール - 清田隆之 (キヨタタカユキ) (著/文) 1980年東京都生まれ。文筆業。恋バナ収集ユニット「桃山商事」代表。早稲田大学第一文学部卒。これまで1200人以上の恋バナに耳を傾け、恋愛とジェンダーをテーマにコラムを執筆。朝日新聞be「悩みのるつぼ」では回答者を務める。 単書に『さよなら、俺たち』(スタンド・ブックス)、『自慢話でも武勇伝でもない「一般男性」の話から見えた生きづらさと男らしさのこと』(扶桑社)、桃山商事名義としての著書に『生き抜くための恋愛相談』『モテとか愛され以外の恋愛のすべて』(イースト・プレス)、澁谷知美氏との共編著に『どうして男はそうなんだろうか会議──いろいろ語り合って見えてきた「これからの男」のこと』(筑摩書房)、トミヤマユキコ氏との共著に『文庫版 大学1年生の歩き方』(集英社)などがある。
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測る世界史 「世界の基準」となった7つの単位の物語 | ピエロ・マルティン, 川島 蓮(翻訳)
¥2,420
朝日新聞出版 2023年 ハードカバー 288ページ 四六判 - 内容紹介 - 世界史は、測ることから始まった──人類の6000年にわたる試行錯誤、天才科学者たちによる世紀の大発見を、物理学の世界的権威が余すところなく解説。メートルやキログラムなど、文明の繁栄を支える「7つの単位」の秘密に迫る。
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火の賜物 【新装版】 ヒトは料理で進化した | リチャード・ランガム, 依田卓巳(翻訳)
¥3,080
NTT出版 2023年 ハードカバー 272ページ 四六判 - 内容紹介 - 生命の長い歴史のなかで、われわれは、いかにして人間となったのか? 「火」と「料理」こそがヒトの脳を大きくさせ、ホモ・サピエンスの出現をうながした! 料理という日常の営為と人類の起源と進化を鮮やかに結びつけた文明史の傑作。われわれは料理をするときに、もはや人類の祖先に思いを馳せずにはいられない。 - 目次 - はじめに 料理の仮説 第1章 生食主義者の研究 第2章 料理と体 第3章 料理のエネルギー理論 第4章 料理の始まり 第5章 脳によい食物 第6章 料理はいかに人を解放するか 第7章 料理と結婚 第8章 料理と旅 おわりに 料理と知識 - 著者プロフィール - リチャード・ランガム (リチャードランガム) (著/文) 1948 年生まれ。ハーバード大学生物人類学教授。専門は霊長類の行動生態学。国際霊長類学会名誉会長。ピーボディ博物館霊長類行動生物学主幹、ウガンダのキバレ・チンパンジー・プロジェクト理事をつとめるほか、アメリカ芸術科学アカデミーおよび英国学士院(British Academy)フェローでもある。その功績を称えて、英国王立人類学協会からリバーズ記念賞を贈られた。著書に『善と悪のパラドックス』(NTT出版)、『男の凶暴性はどこからきたか』(デイル・ピーターソンとの共著、三田出版会)など。 依田卓巳 (ヨダタクミ) (翻訳) 翻訳家。訳書にランガム『火の賜物』『善と悪のパラドックス』をはじめ、ウェイド『宗教を生みだす本能』、ブラウン他『使える脳の鍛え方』、スティクスラッド他『セルフドリブン・チャイルド』(以上、NTT 出版)、ジョーンズ『チャヴ』『エスタブリッシュメント』(以上、海と月社)、ケープルズ『ザ・コピーライティング』(ダイヤモンド社)、ボーゲルスタイン『アップルvs. グーグル』(新潮社)など多数。
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百貨店の戦後史 全国老舗デパートの黄金時代 | 夫馬信一
¥3,960
国書刊行会 2023年 ハードカバー 342ページ 四六判 - 内容紹介 - 著名建築家による壮大でモダンな店舗ビル、華麗な売場とシャレた店員たち、先端のエレベーター・エスカレーター、ステータスを感じさせる包装紙、当時は「ご馳走」だった大食堂、飽くことなく楽しめる屋上遊園地……かつて「百貨店」はそこに行けばすべてが手に入る魔法の玉手箱であった。しかし戦後、日本経済の浮沈や社会情勢の移り変わりとともに、百貨店は激動の歴史をたどることになる――。 かつて隆盛を極めたものの今は消えてしまった全国各地11店の老舗デパートを徹底取材。関係者の証言や当時の新聞記事などをつぶさに取り上げつつ、その黄金時代から閉店までの興亡の歴史を日本の戦後史とともに振り返る傑作ノンフィクション。カラー口絵16頁。貴重図版300点以上掲載! - 目次 - 地図(本書に登場する百貨店) * プロローグ 悪疫の襲来(2020) ❖東急百貨店東横店(東京都渋谷区) 2020年3月31日:静かな幕切れ/混迷と繁栄の時代に生まれ/ロープウェイ「ひばり号」と東急会館/渋谷を「シブヤ」たらしめたもの/「最後の日」の致し方ない事情/ 第一章 繁栄の日々(1960~1969) さらに便利に、さらに豊かに ❖前三百貨店(群馬県前橋市) 1964年10月5日:聖火が祝福/異例なかたちでのデパート誕生/数奇な運命を辿った「幻の百貨店」/圧倒的なステータスの高さ/払拭できなかったイメージ ❖伊万里玉屋(佐賀県伊万里市) 1966年4月23日:長蛇の行列/模索を続ける伊万里の街で/波乱の年にタイムカプセル埋設/移り変わる街と港の風景/間の悪い船出/試行錯誤の半世紀の果てに ◆COLUMN(1) 災害と百貨店 第二章 曲がり角の兆し(1970~1979) いつの間にか「先進国」の一員 ❖丸正(和歌山県和歌山市) 1971年3月31日:さよなら「市電」/ぶらくり丁と共存した「あがらの百貨店」/丸正再建のミステリー/豊かな生活を取り戻した和歌山で/オープニングは雨だった/涙を流しながら売っている ❖中合福島店(福島県福島市) 1973年10月1日:再出発の不安/近江商人の精神がルーツ/相次ぐ増改築でスケールアップ/福島のランドマーク「ミサイルタワー」/「予感」は当たっていた/誰かが幕引きをしなければ ◆COLUMN(2) マクドナルド1号店 第3章 狂騒の幕開け(1980~1989) 「浮かれた時代」に突入 ❖岡政/長崎大丸(長崎県長崎市) 1983年5月18日:銅像の秘密/長崎の街の運命とともに/増改築の連続と先見の明 「病人」に追い打ちをかけた大水害/外も中も「変身」を遂げて/「政どん」の逆襲が始まる/顔を上げて一歩前へ ❖棒二森屋(北海道函館市) 1988年3月13日:別れの紙テープ/「北の港町」の浮沈を見つめて/函館の繁栄を支える「両輪」/楽しさと文化を幅広く提供/優秀な人材が手がけた店舗ビル 街の歴史に翻弄され続けて ◆COLUMN(3) ミュージックサイレン 第四章 世紀末の災厄(1990~1999) 「祭り」の喧噪が去って ❖松菱本店(静岡県浜松市) 1992年4月26日:曇った「晴れの日」/「覆面デパート」の正体やいかに?/「モノづくりの街」の勢いを得て/「そこに行けば全部手に入っちゃう」/街の風向きが大きく変わった ◆COLUMN(4) 建築と百貨店 第五章 新時代の試練(2000~2009) ピカピカな未来は来なかった ❖土電会館/とでん西武(高知県高知市) 2000年12月23日:北部戦線異状あり/ユニークな「バス」ターミナルデパート/オープン当初からあった誤算/西武カラーの栄光と挫折 ❖五番舘/札幌西武(北海道札幌市) 2006年11月18日:紙吹雪舞う街/「赤レンガ」イメージの原点/赤レンガに別れの『蛍の光』/街全体が「五輪1色」の中で/タイミングはまたまた悪かった ◆COLUMN(5) 映画と百貨店 第六章 未来への混沌(2010~2020) 回帰願望と忍び寄る影 ❖小林百貨店/新潟三越(新潟県新潟市) 2020年3月27日:惜別のオンエア/ライバル関係のスタート/「小林デパートから火が出ました!」/またしても大混乱の新潟市/ナゾに包まれた屋上ロープウェイ/小林百貨店が誇る2大映画館/どうしても結果が伴わない/そこには、雨音だけが聞こえていた ❖大沼山形本店(山形県山形市) 2020年7月25日:語り継ぐ娘たち/創業は殿中・松の廊下の一年前/花笠の夜と「我が世の夏」/県庁移転からの変化/「大沼応援計画」の発動/「産調ガールズ」と大沼のリターンマッチ ◆COLUMN(6) 百貨店の屋上ロープウェイ エピローグ 諸行無常の物語(2020~2022) すべて宿命にも似たり * あとがき 参考文献 協力 - 著者プロフィール - 夫馬信一 (フマシンイチ) (著/文) 1959年東京生まれ。航空貨物の輸出業、物流関連の業界紙記者、コピーライターなどを経て、現在は日本の現代史をさまざまな側面から照射する書籍の編集・執筆にたずさわる。おもな著書に『幻の東京五輪・万博1940』(原書房、2016年)、『航空から見た戦後昭和史/ビートルズからマッカーサーまで』(同、2017年)、『1964東京五輪聖火空輸作戦』(同、2018年)、『渋谷上空のロープウェイ/幻の「ひばり号」と「屋上遊園地」の知られざる歴史』(柏書房、2020年)、『緊急事態TOKYO 1964/聖火台へのカウントダウン』(みずき書林、2021年)などがある。
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学校で育むアナキズム | 池田 賢市
¥2,200
新泉社 2023年 ソフトカバー 248ページ 四六判 - 内容紹介 - 新自由主義の猛威によって、わたしたちは「従属・服従」することに慣れてしまい、あろうことか、そのことを「自由」だと思い込むようになっています。支配されることに快感さえ覚えるようになっているのかもしれません。こうした錯覚は、学校現場で特に顕著です。新自由主義の下、学校では「管理」「秩序」が重んじられ、それがまるで教育を受ける権利を保障する条件のようにイメージされています。その結果、強固な学校権力が確立され、その支配の下では「考えない」ことがいいこととされてしまうのです。 こうした現状に対して、「何かおかしい」「声を上げなければ」と感じる人たちの輪も、じわじわ広がってきているように思います。それは、ブラック校則への反発であったり、部活の体罰問題への告発であったり、という形で表面化しているのではないでしょうか。 私たちは、常に同じ状態でいることはありません。さまざまな関係性の中で、少しずつ変化しています。一方で、「個を確立すること」が近代社会の基本とされており、学校はこの近代的「個人」を養成する場として位置づけられています。この相反する状態が、子どもたちと学校の間に齟齬を生じさせるのです。その一つが「不登校」なのでしょう。 「子どもに任せる」。これがアナキズムと教育を結びつける核心部分です。大切なのは相互に信頼し合うこと。そのために、日頃から「おしゃべり」をして、「縦の命令系統」ではなく、「横のつながり」を作っていく必要があります。静かな教室や職員室からは何も生み出されないからです。 学校教育がアナキズムの視点でどのように変わりうるのか、考えていきます。 - 目次 - はじめに 序章 国家を頼らない社会 規制緩和の罠 アナキズムとの出会い 信頼関係と前提とする社会 アナキズムと「個人」 本来、子どもはアナキスト 第1章 国家観・社会観 地図か順路か 地図が描けるとは 自由と国家の関係 人から調整力を奪う信号機 国と社会の関係 「国家なき社会」のイメージ 相互扶助のある社会 進化論からのメッセージ 第2章 人間観・個人観 フランス革命の個人観 「自由な個人」と権利論 民法が想定する個人 個人の浮上と「ロビンソン的人間」 自分探しと自己肯定感の問題 不寛容な社会が生む不安 不自由な個人を生み出した近代化 「個人」の不安と自由 分解されるアイデンティティ 第3章 学校の秩序形成作用 学校における子どもの「あり方」 校則の見直し実践の危険性 出席停止という秩序回復 教室の中での権力関係の形成 「集団行動」の勘違い 学校の「規則性」 友達関係の強要 学校が求めるはみ出しのない「多様性」 牽制し合う生存権と教育権 「個別最適化」をどう理解するか 第4章 アナキズムによる学校再生 「そろっていること」の必要性 エントロピー増大の法則 「社会的存在」を付与するのが学校か 学校の流動性 興ざめの「学級目標」 子どもに任せる 「従属性」を高める教育 学校は社会ではない 学校がつくった虚構の社会 「そろっていないこと」から始まる わがままから始まる「共生」 終章 解放とアナキズム アナキズム的変革への反論 「パン」によるつながり 学校は何をしなければならないか アナーキーな職員室に 横のつながり 「おしゃべり」なアナキズム アナキズムの魅力 おわりに 参照文献 索引 - 著者プロフィール - 池田 賢市 (イケダケンイチ) (著/文) 1962年東京都足立区生まれ。筑波大学大学院博士課程教育学研究科単位取得中退後、盛岡大学および中央学院大学での講師・助教授を経て、現在、中央大学(文学部教育学専攻)教授。博士(教育学)。大学では、教育制度学・教育行政学などを担当。専門は、フランスにおける移民の子どもへの教育政策および障害児教育制度改革の検討。1993~94年、フランスの国立教育研究所(INRP、在パリ)に籍を置き、学校訪問などをしながら移民の子どもへの教育保障のあり方について調査・研究。共生や人権をキータームとして研究を進めている。著書として、『フランスの移民と学校教育』(単著、明石書店)、『人の移動とエスニシティ ――越境する他者と共生する社会に向けて』(共編著、明石書店)、『教育格差』(共編著、現代書館)、『法教育は何をめざすのか』(編著、アドバンテージサーバー)、『「特別の教科 道徳」ってなんだ?』(共著、現代書館)など。
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YOKOKU Field Notes #01 台湾:編みなおされるルーツ | マリーズ・コンデ, 大辻 都(翻訳)
¥1,320
コクヨ株式会社 2023年 ソフトカバー 120ページ B5判 - 内容紹介 - 自らのルーツを”編みなおす”ことは可能か ヨコク研究所は、「自律協働社会」の兆しを個別の地域から探索するリサーチ活動とそのレポート〈YOKOKU Field Notes〉第1号となる、『YOKOKU Field Notes #01 台湾:編みなおされるルーツ』を2023年8月23日に発売しました。 他者との差異や共通性を受け入れながら共に生きる社会を目指すうえで、個々人が持つ「ルーツ」はその拠り所となります。他方で、それらは時に本質的で変えがたいものとして、ある属性に自らを縛るものにもなります。 本書は、歴史的に多様な外来文化の影響を強く受ける台湾をフィールドに、台北、花蓮、台東、高雄など各地で自らの存在と居場所を新たに捉えなおそうとする人々の活動を手がかりとして、ルーツを自ら”編みなおす”営みについて考える一冊です。 ■〈YOKOKU Field Notes〉について 〈YOKOKU FIeld Notes〉は、コクヨが目指す「自律協働社会」の兆しを個別の地域から探索するヨコク研究所のリサーチ活動とそのレポートです。 同じ時代を異なる環境条件で生きる人々の中に身を投じ、聞き取りや観察を含むフィールドワークを通じてその営みの断片にふれることで、既存のシステムや規範をかいくぐるオルタナティブな社会のあり方を探り、また問い直すことを目的としています。 ■ 本書の内容 日本・鹿児島でのフィールドリサーチに端を発しその流れを継ぐ〈YOKOKU Field Notes〉第1号となる本書では、外来文化に翻弄されてきた複雑な歴史を背負う台湾をフィールドに、人々が共に生きるための拠り所となる「ルーツ」を問いの切り口として、5つの事例を巡ります。 ・老朽化した台北の巨大団地街一体に根付き、受け継がれる福祉活動の現場〈南機場〉 ・花蓮の東海岸を舞台に、”魚育”から台湾の海洋食・漁業に光を当てる〈洄遊吧(FISH BAR)〉 ・教師, 親, 生徒という立場が流動する、原住民語のみの実験学校〈Tamorak 阿美語共學園〉 ・アミ族の規範と青年同士の協働のあわいで催される音楽フェスティバル〈阿米斯音樂節〉 ・バンド活動の傍ら農家として地元・旗山のバナナ産業に根ざす〈台青蕉樂團(Youth Banana)〉 これら台湾各地に点在する新たな営みの断片を捉え、変えられない本質としてのルーツに対峙し、自らの存在の意味と居場所を編み直そうとする人々の活動を手がかりに、ルーツの構築可能性について考えます。 ■ 目次 ◎ リサーチの概要 ◎ コラム :台北、市井の生活者より──台湾社会にふれる7つの主題 ◎ 本編 :編みなおされるルーツ 事例1:南機場地区・忠勤里 都市の人生を養い継ぐ 事例2:洄遊吧(FISH BAR) 渦巻く海への感懐 事例3:Tamorak 阿美語共學園 言葉の焚き火を囲んで 事例4:阿米斯音樂節 境界を揺らす “民族” の複音 事例5:台青蕉樂團(Youth Banana) 故郷の根茎が紡ぐ詩 ◎ 編集後話
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未来のための終末論 | マリーズ・コンデ, 大辻 都(翻訳)
¥1,760
左右社 2023年 大澤真幸 THINKING「O」第019号 ソフトカバー 176ページ 四六判 - 内容紹介 - 「破局はすでに起きてしまった」 気候危機による“世界の終わり”が決定づけられているとしたら。 現在の資本主義システムの限界が叫ばれるなか、いま私たちは何をなすべきなのか。 2022年に逝去した社会学者・見田宗介=真木悠介の晩年の思想を起点に、“世界の終わり”を回避するための真の選択を探る。 ◉マルクス研究者・斎藤幸平との対談 見田宗介晩年の著作『現代社会の理論』『現代社会はどこへ向かうか』の2冊を斎藤幸平氏の「脱成長コミュニズム」と比較し読み解く。 見田の考えるように資本主義はその本質を保持したまま克服可能なのか、それとも資本主義それ自体を捨て「コミュニズム」をめざす必要があるのか。見田、大澤、斎藤三者の思想をつなぐ注目の対談が実現。 ◉資本主義の時間論を編み直す、大澤真幸による最新書き下ろし論文 資本主義のメカニズムと問題点、特に経済成長と気候変動のカップリングをどう克服するか。 見田宗介の「純粋資本主義=情報化/消費化社会」によって、現在の資本主義を乗り越えることはできるのか? 脱成長のために「現在に対するコンサマトリーな意識を獲得すること」と「現在のコンサマトリーの充足を克服して、未来の他者のために私たちは行動することが可能なのか? 見田宗介の時間論とベンヤミンの唯物史観を通じて、資本主義から私たちの〈今〉と未来をとりもどす。 さまざまな社会問題がある。私たちが幸福になりたいと望んだときに乗り越えなくてはならない問題や困難は、実に多数多様である。それらのなかのほとんどは、誰かにとっては深刻でも、別の誰かにとってはそれほどの大事なことではない。ある人の幸福や繁栄が、別の人の不幸や貧困によって支えられている場合もある。あるいは、多くの問題に関して、何が解決された状態なのかというイメージが人によって異なっている。時にそれらのイメージは対立し、互いに矛盾しあってもいるので、大きな争いが引き起こされたりもする。 が、ひとつだけ、人類に共通の問題がある。人類どころか、地球上のあらゆる生命にとっての脅威と見なすことができる普遍的な問題が、ひとつだけあるのだ。それは、温暖化を中心にした気候変動がもたらしうる〈地球の生態系の破局〉の危機である。 ──大澤真幸「はじめに」より
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ACE アセクシュアルから見たセックスと社会のこと | アンジェラ・チェン, 羽生有希(翻訳)
¥2,750
左右社 2023年 ハードカバー 448ページ 四六判 - 内容紹介 - セックスって本当に必要? 交際・結婚していたらセックスするのは当たり前? 「男らしく」あるために、男がセックスを主導しなければというプレッシャー。 恋愛と友情を区別するのはセックスなのか。 同性同士の恋愛ではいつもセックスが中心にされる。 フェミニストはいつだって性的に奔放? 「性的に抑圧されているムスリム女性」「性に関心のない障害者」「おしとやかなアジア人女性」というステレオタイプとアセクシュアルの狭間で葛藤。 恋愛、障害、フェミニズム、男らしさ、アイデンティティ、人種── ロマンティック・アセクシュアルの当事者である著者が、「他者に性的に惹かれない」というアセクシュアルの視点から、私たちの常識を揺さぶる。 著者の経験と100人のインタビューにもとづく唯一無二のルポエッセイ。 ------------------------------------------------------------------------------------------- ゴシップは、キスや熱愛を中心に繰り広げられる。誰かと会話するとき、セックスは──誰がしそうで、誰がするかもしれなくて、誰がしたがっているのか──極めて重要な話題になる。たとえ誰も何もしていなくてもだ。そんなふうにみんなが新たにこぞってとりつかれている考えが理解不可能なものに思われることもある。他のみんなの脳がハイジャックされてしまったみたいだ。(本書より) ------------------------------------------------------------------------------------------- 目次 著者によるはしがき Part 1 自己 プロローグ 第1章 アセクシュアリティにたどり着いて 第2章 〈否定を通して〉説明する 第3章 強制的性愛と(男性の)アセクシュアル存在 Part 2 変奏 第4章 お前を解放させてくれよ 第5章 ホワイトウォッシュされて 第6章 病めるときも健やかなるときも 190 Part 3 他者 第7章 恋愛再考 第8章 十分もっともな理由 第9章 他者と遊ぶ、他者で遊ぶ 第10章 アナ 第11章 どこへ向かっているのか、どこまで来たのか ありがとう 原註 索引 さらに読みたい人のために - 版元から一言 - 近年ドラマ、コミック、映画などでも「アセクシュアル」のキャラクターが登場して注目を集めています。 しかし日本で読めるアセクシュアルについての本はまだほとんどありません。 本書はルポエッセイの形式をとっており、ジェンダー・セクシュアリティについての本を普段読まない読者にも読みやすく、なおかつ日本ではほとんど紹介されていない詳細な議論が盛り込まれていて、研究者からも絶賛の声が集まっています。 発売前、発売後も話題のたえない一冊。 - 著者プロフィール - アンジェラ・チェン (アンジェラ チェン) (著/文) ジャーナリスト、ライター。現在、『Wired』の上級エディター。『ウォール・ストリート・ジャーナル』『アトランティック』『ガーディアン』『パリ・レビュー』『ナショナル・ジオグラフィック』などで執筆。 エース・コミュニティの一員で、学術会議やワールドプライドを含むイベントでアセクシュアリティについて講演を行っている。本書 ACE: What Asexuality reveals about Desire, Society, and the Meaning of Sex が初邦訳。 羽生有希 (ハニュウ ユウキ) (翻訳) 東京大学、東京工業大学ほか非常勤講師。国際基督教大学ジェンダー研究センター研究員。専門はフェミニズム哲学、クィア理論。著作に「コロナ禍の解釈枠組―脅かされる生をめぐるフェミニズム・クィア理論からの試論」(『福音と世界』2020年12月号)など。 主な翻訳はエリザベス・ブレイク『最小の結婚』(久保田裕之監訳、白澤社、2019 年、第1章および第2章を担当)。
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明日少女隊作品集|We can do it ! : アート×フェミニズム×アクティビズム | 明日少女隊, 由本みどり, 竹田恵子, 吉良智子, 嶋田美子, 山本浩貴
¥1,870
アートダイバー 2023年 ソフトカバー 156ページ B5判 - 内容紹介 - 「第4波フェミニズム」期のまっただなか、2015年に誕生した社会派アートグループ「明日少女隊」。これまでの作品や活動を網羅するだけでなく、ジェンダー学の基礎知識や時事問題をふんだんに盛り込み、「フェミニスト×アート」を実践的に学べる入門書決定版! 世界中に散らばる約50名の隊員で構成され、ピンクのマスクがトレードマークの匿名アーティスト集団「明日少女隊」。本書は、フェミニズムの旗を掲げ結成した2015年から、2023年の最新作までを収録した初の作品集です。フェミニズムに関わる社会の出来事を年表化しながら、それに応答してきた「明日少女隊」の活動を時系列に追いかけます。 明日少女隊の特徴は、アートとしてフェミニズム問題を表現するだけでなく、実際に社会への強い働きかけを行うところにあります。その活動範囲は広く、性犯罪に関わる刑法の改正、広辞苑のフェミニズムの定義の見直しのほか、「慰安婦」問題やトランスジェンダーの権利問題など多岐にわたります。 本書の特筆すべきポイントは、単に作品集であるだけでなく、女性の参政権獲得に始まるフェミニズムの歴史を解説するなど、フェミニズムの入門書としても使えるように基礎知識をわかりやすく説明しているところです。外部の有識者による寄稿や対談を盛り込み、また会話形式や吹き出しを多用することで、フェミニズムを身近に感じることができる一冊となっています。 フェミニズムは今日盛り上がりをみせていますが、美大などの専門の教育機関でさえ、アートとフェミニズムの両方を学ぶ機会は少ない現状にあります。本書は、こうした状況を打開すべく、フェミズム・アートを一から学びたい方のためにつくられており、それは、「全ての性の平等を願うフェミニズムの思想」を広める明日少女隊の活動そのものといえる書籍となっています。 - 目次 - 明日少女隊マニフェスト 明日少女隊とは? 明日少女隊と見るフェミニズム年表 2010年代から始まったフェミニズム「第4波」ってなに? 明日少女隊を通して考えるフェミニスト・アート入門 文・由本みどり 明日少女隊フェミニズム年表&アクション2015-2023 2015年 なれるものなら“Happy彼女” “Happyカップル”になるために、終わりにしよう!「デートDV」と「性的役割分業」 東の果ての少女 美しきシングルマザー フツーの家族 戦後女性感謝プロジェクト あきらめない! 選べる夫婦別姓 世界フェミCM大賞2015 2016年 隠れフェミニストへの感謝状 ガールズ・パワー・パレード Believe~わたしは知ってる~キャンペーン 性犯罪規定を見直す改正刑法が成立 ドラマや映画・本で性暴力を学ぼう! ビリーブ・キャンペーンのデザインについて 2017年 ウィメンズ・マーチ 女子力カフェ 明日少女隊と選挙 ジェンダー問題 21世紀の政治家失言集 メイデー・マーチ バックラッシュとポストフェミニズム 文・竹田恵子 広辞苑キャンペーン 2018年 忘却への抵抗inロサンゼルス 明日少女隊と考える慰安婦問題入門/「慰安婦」問題は、#MeTooだ アート界の#MeToo#私たちは驚きません 2019年 忘却への抵抗inソウル 忘却への抵抗in東京 エンパワメント・マーチ 2020-2023年 無意識に誰かを傷つけないために 明日少女隊のコロナ禍でのアクティビズム 男女二元論を超えて 私のことは私が決めるマーチ フェミニズムはトランスと共に ライフライン 対話・論考・資料 対談「碧志摩メグ」公認撤回運動の成果 吉良智子×明日少女隊 対談「慰安婦」問題とフェミニズム 嶋田美子×明日少女隊 変化すべき日本美術界における構造 文・竹田恵子 ソーシャリー・エンゲージド・アートとしての明日少女隊 文・山本浩貴 明日少女隊略歴 あとがき 隊員・協力者一覧
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近代美術史テキスト | 中ザワヒデキ
¥550
アートダイバー 1989年 ソフトカバー 44ページ 150×105mm - 内容紹介 - 1989年に発行されて以来、すでに24刷(2022年9月)となるベストセラー。A6判変(150×105mm)、44ページというポケットサイズの本ですが、驚くことにテキスト、図版まですべてが中ザワヒデキの手書きからなる近代美術史テキストです。扱う範囲は、1874年の印象派誕生から1980年代のイラストレーションの動向まで、約100年の近代美術史となっています。サイズ感や価格の安さ、中身の強烈なオリジナリティなどから、手にとればたいていの人が欲しくなる名著です。