-
焔に手をかざして 新版 | 石垣 りん
¥990($6.31)
筑摩書房 2026年 ちくま文庫 ソフトカバー 320ぺージ 文庫判 - 内容紹介 - 「あと五、六年もすれば会社をやめなければならない、という年の暮れ。そこに建つはずのアパートの絵図をたよりに、夕暮れの建築現場を見に行った」──大正に生まれ、戦争を越えて大人になった。定年前になんとか求めた1DK、開いた窓から眺めた世界、綴った言葉、薫った記憶、自分のための自分の部屋に一人で暮す詩人の“ぜいたく”。生活を照らす傑作エッセイ、復刊。 - 目次 - Ⅰ 暮しの周辺 呑川のほとり/通じない/いいなあ・いいわねえ/ぜいたくの重み/貧しい食卓/インスタントラーメン/収穫祭/玄関先のハカリ/街にあかりがついた日/お便り/雨と言葉/二月のおみくじ/弁護/手袋と靴下/着る人・つくる人/巣立った日の装い/なぎさ/女の手仕事/春の土手/器量/くらげ/年の暮れ/電車の音/自分の耳/いたずら/愛車/庭/長い舌/やさしさ/せつなさ/彼岸/コイン・ランドリー/灯が消える/ねむの花/七夕/夏木立/防災の日/曼珠沙華/教育勅語/勤労感謝/冬至 Ⅱ 言葉・読むこと書くこと…… 綴り方/自信キノコ/先生と詩/顧みて、いま――戦後三十年/心の不買を――ミス三十歳に/写真と詩/焔に手をかざして/田舎のアンデルセン――私の読書遍歴/椅子/私と言葉/買物籠に/言葉のこと Ⅲ ゆかりの人・人 女先生/バスケットはからっぽ/春愁/二人の来訪者/銀行員の詩集/私語/岡崎淑郎先生/私の感じるユーモア/つき合いの芽/細紐/医者と私/人のかたち/茶飲み話/母の子守歌/一本のネムの木/なぎさの穴/福田正夫/かたち Ⅳ この岸で…… 終着駅/フリー・ゴー/暮れのものさし/私はなぜ結婚しないか/可決/四月の合計/夜の海/こしかた・ゆくすえ/写真/軍旗祭/火になる時/深谷/赤坂見附/双葉と両手/「お」の字ぎらい/雪/また来年いらっしゃい/この岸で あとがき/文庫版あとがき 文庫解説 田尻久子 - 著者プロフィール - 石垣 りん(いしがき・りん):1920年、東京生まれ。詩人。2004年没。高等小学校時代から詩作を始め、少女雑誌に投稿。卒業後、14歳で日本興業銀行に就職し、25歳の時に敗戦を迎えた。1938年、同人誌「断層」創刊。福田正夫に師事する。1959年、第一詩集『私の前にある鍋とお釜と燃える火と』刊行。1969年に第二詩集『表札など』でH氏賞、1972年に『石垣りん詩集』で田村俊子賞、1979年に『略歴』で地球賞をそれぞれ受賞。エッセイに『ユーモアの鎖国』『焔に手をかざして』『夜の太鼓』などがある。
-
ユーモアの鎖国 新版 | 石垣 りん
¥990($6.31)
筑摩書房 2026年 ちくま文庫 ソフトカバー 320ぺージ 文庫判 - 内容紹介 - 戦後日本を代表する詩人・石垣りん。実母を4歳で亡くし、その後3人の母を持った1920年生まれの少女は、自ら生きる糧を求めて銀行に就職。単身、定年まで勤めあげる。戦火をくぐり抜けながら、復興する都市に働きながら、あるいは暮らしの窓辺から、転換期にある国を見つめた。人ひとりの自由と時を重ねる日々の強さを真摯かつ鮮やかに綴った、自伝的エッセイ集。 解説 牟田都子 - 目次 - 待つ Ⅰ 新巻/花嫁/宿借り/夜叉/朝のあかり/はまぐり/甘栗/美味/ラーメン/バナナ/お茶/うわさ/季節/シジミ/おそば/まじめな魚 Ⅱ 夏の日暮れに/試験管に入れて/鍵/ユーモアの鎖国/炎える母の季節/お酒かかえて/お礼/日記/春の日に/けちん坊/絵の中の繭/花よ、空を突け Ⅲ 事務員として働きつづけて/五円が鳴いた/花とお金/目下工事中/よい顔と幸福/事務服/晴着/領分のない人たち/生活の中の詩 Ⅳ 詩を書くことと、生きること/女湯/立場のある詩/事実とふれ合ったとき/持続と詩/表札のうしろ/第一行はとび出してきます/あとがきのこと/清岡卓行『四季のスケッチ』感想/生活詩/出来ること出来ないこと/風信 Ⅴ 食扶持のこと/眠っているのは私たち/買えなかったもの/私の新しい空/仕事/個人の手・公の手/生活と詩/犯された空の下で 文庫版あとがき 解説 牟田都子 - 著者プロフィール - 石垣 りん (イシガキ リン) (著) 1920年、東京生まれ。詩人。2004年没。高等小学校時代から詩作を始め、少女雑誌に投稿。卒業後、14歳で日本興業銀行に就職し、25歳の時に敗戦を迎えた。1938年、同人誌「断層」創刊。福田正夫に師事する。1959年、第一詩集『私の前にある鍋とお釜と燃える火と』刊行。1969年に第二詩集『表札など』でH氏賞、1972年に『石垣りん詩集』で田村俊子賞、1979年に『略歴』で地球賞をそれぞれ受賞。エッセイに『ユーモアの鎖国』『焔に手をかざして』『夜の太鼓』などがある。
-
みんな、普通で困ってる | 幡野 広志
¥990($6.31)
筑摩書房 2026年 ちくまプリマー新書 ソフトカバー 192ぺージ 新書判 - 内容紹介 - 今だから分かる、先生や友だち、勉強、仕事の話について 先輩としてちょっとアドバイス。 他人と比べるのではなく、持って生まれたものや「好き」を 大切にして自分の道を進んで行こう。 答えは、ひとつじゃない。 そもそも年長者は若い人に自分の価値観を押し付けがちだ。「昔はこうだった」「いまは時代が違います」、と。このやりとりほど不毛なものはない。そもそも時代が違うということは、扱うデバイスも、経済状況も価値観もマナーも変化しているということだから。そういう大人がいう「こういうのが普通」というのを鵜呑みにしないこと。 20歳までに知っておいたらよかったなということを人生の先輩としてアドバイス。ちょっとした知恵や工夫、気の持ちようで生きやすく、社会で上手くやる方法を教えます。 - 目次 - はじめに Ⅰ 生きていくために大切なことはそんなに多くない これから社会へ出ようとする人へ たまに思い出す先生がいる 自分に甘い人 「好きなこと」は必要だ 世界はあいまいでできている アドバイスを聞く、学ぶ つまるところ継続力とはなんぞや、という話 これからの人生に必要な「勝手にたのしむ力」 お金のはなし 無駄遣いと「稼ぐ・募る・借りる」のすすめ Ⅱ 人に好かれるにはどうするか 人に好かれるための「褒め」の極意 大人が考える、友だち作りで「しちゃいけないこと」 「おもしろい人」になるにはどうすればいいか インベーダーから自分の心を守る方法… 「ほんとうに近いこと」を見る Ⅲ 幸せになるための処世術 確実に不幸になるための、ある言葉 「ずるい」と思ったとき、言われたときの対処法 ストップ、真に受けがち思考 幸せになるためのとっておきの行動 遺伝含め、諸ガチャとの付き合い方 若者よ、競争するな挑戦せよの巻 本の中だから大きな声で言うけど、結婚も育児もいいよ………… - 著者プロフィール - 幡野 広志 (ハタノ ヒロシ) (著) 幡野 広志(はたの・ひろし):1983年、東京生まれ。2004年、日本写真芸術専門学校中退。2010年から広告写真家・高崎勉氏に師事、「海上遺跡」で「Nikon Juna21」受賞。 2011年、独立し結婚する。2012年、エプソンフォトグランプリ入賞。2016年に長男が誕生。2017年多発性骨髄腫を発病し、現在に至る。著書に『ぼくが子どものころ、ほしかった親になる。』(PHP研究所)、『ぼくたちが選べなかったことを、選びなおすために。』、『うまくてダメな写真とヘタだけどいい写真』『いい写真は誰でも撮れる』(共にポプラ社)など。
-
世界の土偶 | 譽田 亜紀子
¥3,300($21.04)
散歩舎 2026年 ソフトカバー 128ぺージ B5判 - 内容紹介 - 「土偶」というと一般的には日本の縄文時代につくられた土製の人形(ひとがた)をさしますが、広義の土偶つまり土でつくられた偶像は、実は世界各地に存在します。 驚くほど巧緻な造形のもの、宇宙人のような謎の姿をしたもの、思わず微笑んでしまうプリミティブなもの、地母神や祖霊をあらわしたもの、異形のものへの畏怖の念が感じられるものなど、さまざまな土偶があります。世界各地の多種多様な土偶からは、そこに込められた人々の願いや世界観など、共通点や相違点などが見てとれます。 そんな世界の土偶を土偶ライターの譽田亜紀子さんがセレクト、日本を含め世界各地から約200体を厳選しました! 見たことのない、ワクワクに満ちた世界の土偶をぜひご堪能ください。 - 目次 - はじめに 2 本書の見方 3 世界の土偶史年表 4 1.アフリカ大陸 6 2.西アジア 18 キプロス島の土偶たち 32 並べて比べる土偶観測室 ROOM1 大きさ・古さ 40 3.地中海 46 4.ヨーロッパ 56 並べて比べる土偶観測室 ROOM2 パーツ 68 5.中央・南・東南アジア 72 6.東アジア 84 並べて比べる土偶観測室 ROOM3 ポーズ 100 7.ラテンアメリカ 104 並べて比べる土偶観測室 ROOM4 世界の女神(ビーナス) 119 おわりに 123 掲載博物館・参考文献 126 - 前書きなど - はじめに 「土偶って世界にもあるんですか?」 10年前、日本の土偶に関する本を出した際、読者さんに言われたのがこの言葉でした。「土偶が好きならメキシコの人類学博物館に行かなきゃダメだよ」と言われたこともありました。それをきっかけに、私の頭のなかには世界の土偶を見てみたいという思いがむくむくと生まれました。メキシコだけでなく、もしかしたら世界中に日本の土偶よりも面白い子たちがいるかもしれない……。 「土偶とは何か」と問われれば、縄文時代に粘土でつくられた人(ひと)形(がた)の焼き物と説明していますが、言葉通りの解釈でいけば土でつくられた偶(人形のこと)であり、時代や地域は関係がないはず。そこで世界に目を向けてみると、さまざまな土偶が各地でつくられていて、日本とはひと味もふた味も違う造形に「なんだこれ!」と心が躍りました。 それを皆さんに見ていただこうと「これは面白い」「こんなグロテスクなものも土偶にする?」「わー、かわいい♡」など、学術的な価値はひとまず脇において、私好みの世界の土偶を集めて本にすることにしたのです。なかには笛だったり花瓶だったりと、土偶ではないものもあります。それでも今回はあえて土偶の仲間としてご紹介していることをご理解いただければ幸いです。どうしても見ていただきたかったのです。 日本の土偶は、妊婦や女性を表しているとされますが、精霊だという研究者もいれば、目に見えない存在(超自然的存在)の具現化だと思っている私のようなものもます。誰にも正解はわかりません。 では、世界の土偶たちはどうでしょうか? 豊穣を祈る女神だったり、邪を祓うものだったり、仮面を被ったシャーマンだったり、時には権力者だったりとさまざまです。さまざまあるのだけれど、それをつくった当時のその地域の人々にとってはかけがえのない存在であり、心を寄せるものだったと思うと、どれもが愛おしく思えてくるのです。 アフリカ大陸から南米大陸までざっとご紹介していますが、ここにあるのは探し出すことができた世界の土偶のほんの一部でしかありません。本書をめくりながら、見たことのない世界の土偶たちが繰り広げる、楽しく豊かな世界にご一緒できたらと願ってやみません。 最後に、突然の申し出にもかかわらず快く各章最初の紹介部分の監修をお引き受けくださった東海大学文学部歴史学科考古学専攻教授の有村誠先生、いろいろな相談にのっていただいた東京文化財研究所文化遺産国際協力センター・保存計画研究室室長の安倍雅史さん、厳しい社会状況下で画像をお貸しくださったイラン国立博物館のホセイン・アジジ・ハラナギさんに、心から感謝を述べたいと思います。 譽田亜紀子 - 版元から一言 - 土偶を紹介する本は数々あれど、世界中の土偶を集めた一般書は今のところありません。 本書を見ると、世界の土偶の多様さや共通点など、いろいろなことに気づかされます。 また同時に、日本の縄文時代の土偶が製作期の長さや年代、デザインなどにおいて、いかに特異なものなのかを改めて感じざるを得ません。 豊富なビジュアルで、大人も子どもも楽しめる1冊です。 - 著者プロフィール - 譽田亜紀子 (コンダアキコ) (編著) 文筆家。岐阜県生まれ。京都女子大学卒業。奈良県観音寺本馬遺跡の土偶に魅せられ、縄文時代の虜になる。先史時代の人々を探究し、執筆や講演会を精力的に行って現代の暮らしに活かせるエッセンスを発信している。著書に『増補改訂版 はじめての土偶』『新版 土偶手帖』(共に世界文化社)、『知られざる縄文ライフ』『知られざるマヤ文明ライフ』(共に誠文堂新光社)、『土偶界へようこそ』『土偶のリアル』(共に山川出版社)、『「縄文」のヒミツ』(小学館)、『こんだあきこのわたしの偏愛遺跡旅』(新泉社)、『はじめての縄文のくらしえほん』(パイ インターナショナル)など多数。
-
「らしさ」について考えた | 畑中 章宏
¥2,970($18.93)
どく社 2026年 ソフトカバー 208ぺージ B6変形判 縦168mm 横120mm 厚さ19mm - 内容紹介 - 民俗学でひもとく 「男らしさ」「女らしさ」「もっともらしさ」「わざとらしさ」…。 押しつけられた「らしさ」に抗しつつ、 豊かな「らしさ」を生みだせないものか ――在野の民俗学者による珠玉の評論集。 大学・高校入試にも多数採用 岩波書店『図書』連載に書き下ろしを加えた待望の書! その「らしさ」は、どこから来て、なぜ私たちを縛るのか? ジェンダー、アイデンティティ、AIと人間…… 今あらゆる場面で問い直されるテーマに、 民俗学という角度から光を当てる。 「何かしらの通念に依拠する『らしさ』群は、曖昧な観念にもとづく規範的な力が不安を助長する(中略)。ただいっぽうで、『らしさ』のない社会も無味乾燥なものである。押しつけられた『らしさ』に抗しつつ、豊かな『らしさ』を生みだせないものか」(本文より) - 目次 - はじめに 子どもらしさ 女らしさ 男らしさ もっともらしさ わざとらしさ 自分らしさ 人間らしさ 日本らしさ たしからしさ おわりにーー大阪らしさ 前書きなど はじめに 日々暮らしていくなかで、「らしさ」の付いた言葉を目にする機会が少なくない。本や雑誌、インターネットをとおして、「らしさ」が目に飛びこんでくる。そして、ある種の強制や拘束力で、「らしさ」は私たちのからだを覆っているようにさえ思われる。 「女らしさ」や「男らしさ」、あるいは「子どもらしさ」といった言葉は、決して耳ざわりがいいものではないのに、とっさに口にのぼせられる。 国語辞典で「らしさ」を引くと、「《接尾語「らしい」の語幹に、接尾語「さ」の付いた語》名詞や形容動詞の語幹に付いて、そのものの特徴がよく出ていることを表す」と記される(『大辞泉』第二版)。また、「そのものにふさわしい様子をしていること、まさにそのものであると判断される程度、などの意の名詞をつくる」(『日本国語大辞典』第二版)とされ、その用例として「自分らしさ」「子供らしさ」「確からしさ」などの「らしさ」が挙げられ、単独で用いた場合には、「その人や物事の特徴」を表わし、「らしさを発揮する」という用例がある。 「らしさ」は、あるものにたいする、理想や期待を担わせる。「女らしさ」や「男らしさ」や「子供らしさ」、それに「日本人らしさ」なども、女性や、男性や、日本人にたいする期待の表明である。「自分らしさ」や「私らしさ」は、その方向が、自分から自分に向けられる。こうした「らしさ」の中身は、時代によって変化する。そして性別や年齢、所属や職業ごとに、だれもが「らしさ」の洗礼を受けてきたのである。 * この本はいまから三年から四年前、右のような書き出しで、雑誌に連載した原稿をもとにしている。事情があって、これまで本として世に出ていなかったのだけれども、そろそろ形にしたいと思うようになったのである。 それにはいくつかの理由がある。ひとつには現在も、「らしさ」が幅を利かしているように見えるからだ。この間に、「らしさ」をめぐる本が数多く出版された。そしてそのほとんどが、「女らしさ」と「男らしさ」にかんするものだ。つまり、いろいろな「らしさ」のなかでも、ジェンダーやセクシュアリティをめぐる「らしさ本」が、次々と刊行されたことになる。 そうした「女らしさ本」や「男らしさ本」にふれた人には、ジェンダーやセクシュアリティについての本書のアプローチは、いささか物足りなく感じるかもしれない。 また、「日本らしさ」や「日本人らしさ」についても、愛国心やナショナリズムとはいえないようなナイーブな態度が目立つようになり、凡庸な排外主義を生みだしている。 「そろそろ形にしたいと思うようになった」のには、また別の理由がある。それはこの連載のいくつもが、大学入試の現代国語の試験問題に使用されてきたことがある。これは著者としては望外の喜びなのだが、「らしさ」が試験問題を作成する人にとって「試験問題らしさ」を感じさせるからだろう。それはともかく著者としても、「○○らしさ」がユニークな切り口であることを再認識したしだいである。 なお本書をいま世に問うにあたり、近年の「らしさ」本を踏まえて、連載に手を加えることもありえたが、連載にはその頃の空気や私の思いが流れ、また私の限界が露呈していることもあり、あえてそのままにしている。ただしそれは言い訳にすぎず、現代の日本の「らしさ」から時代遅れになっている部分もあるため、その点については、この本のために書き下ろした「たしからしさ」でふれることにした。 それではそろそろ、「らしさ」の迷路に迷いこんでいくことにしよう。 - 版元から一言 - 民俗学者の畑中章宏さんによる評論集。民俗学の知見で、「らしさ」という言葉のもつ窮屈さや、多様さをさまざまな「らしさ」をもとにひもときます。装丁もちいさく凛とした上製本で、「書籍らしさ」の感じられる書籍となっています。 - 著者プロフィール - 畑中 章宏 (ハタナカ アキヒロ) (著) 民俗学者。 1962年大阪生まれ。近畿大学法学部卒。平凡社の編集者として、雑誌『月刊太陽』のほか、荒木経惟、佐内正史の写真集の編集にたずさわる。2000年にフリー編集者として独立、2010年頃から著述に重点を移し、災害伝承、民間信仰から流行現象まで、幅広い領域に取り組んでいる。著書に、『宮本常一』(講談社現代新書)、『災害と妖怪』(亜紀書房)、『廃仏毀釈』(ちくま新書)、『21世紀の民俗学』(KADOKAWA)、『死者の民主主義』(トランスビュー)、『五輪と万博』(春秋社)、『ごん狐はなぜ撃ち殺されたのか』(晶文社)、『新・大阪学』(SB新書)、『『忘れられた日本人』をひらく』(若林恵との共著、黒鳥社)、『オルタナティブ民俗学』(島村恭則との共著、誠光社)ほか。最新刊は『老いに追われて』(rn press)。
-
たのしくわかる歴史総合の授業 高校生とつむぐ全60テーマ | ゆい~る(編), 岩井 淳(編)
¥2,200($14.02)
えにし書房 2026年 ソフトカバー 240ぺージ B5判 縦257mm 横182mm 厚さ13mm - 内容紹介 - 静岡県下で歴史教育に取り組み、授業づくりをまなび合うサークル「ゆい~る」を運営する高校教員が、日本史と世界史の有機的な総合を目指して積み重ねた授業実践の成果をまとめた、「歴史総合の授業」のための参考書。「歴史総合」科目の基本的な枠組みを押さえつつ、授業の自然な流れを再現する構成にし、モノ資料を多く使って具体的でわかりやすい議論を展開。また静岡という地域からの問いを重視しつつ、周辺的な地域にも目配りし、日本史と世界史を結びつける努力を続けている教師たちの実践記録でもある。 - 目次 - 序文……岩井 淳 まえがき…松井秀明 Ⅰ 歴史の扉 1 「サツマイモ」ってどんなイモーー過去・現在・未来をめぐる「歴史総合」授業開き……良知永行 2 「チューリップ」の歴史からーーあなたはどこに注目して歴史総合の授業を学びたいですか?……松井秀明 3 ハイジからみる近代化ーー19世紀後半の社会の変化について考えてみる……島﨑和彦 Ⅱ 史資料の使い方 4 「沖縄返還」の新聞記事を比較するーー資料を使うポイントは?……良知永行 5 オーラル・ヒストリーの活用ーー個人史から全体史へ……中山敬司 Ⅲ 近代化と私たち 6 18 世紀の東アジアの政治と経済ーー清の政治や外交は東アジア諸国にどんな影響を与えた?……曾布川美乃里 7 18 世紀の国際商業の「影」ーー不満・怒り・悲しみを抱いた人びとはだれか?……良知永行 8 産業革命のもとで働く人びとーーグローバル化のもとで働く私たちとの共通点は?……良知永行 9 13 植民地の独立とその後の国づくりーーその独立は世界にどのような影響を与えたのだろうか?……水野彰紀 10 『人権宣言』を読むーー「理性の光」はどこまで届いた?……良知永行 11 ナポレオンの光と影ーーナポレオンの登場をヨーロッパの人々はどう評価したのか?……曾布川美乃里 12 大西洋をこえて広がった革命ーーあなたが当時のハイチの人びとならナポレオンに何を語る?……良知永行 13 岩倉使節団が見た欧米とアジア ーー岩倉使節団はどの国をモデルに新しい国づくりをしようとしたのだろうか?……伊藤和彦 14 クリミア戦争ーー1853 年に、ロシアが日本に開国をせまったのはなぜだろう?……松井秀明 15 南北戦争によるアメリカの「変化」を問うーー南北戦争により黒人奴隷は自由を獲得したのか?……良知永行 16 アジア初の近代憲法の「新しさ」と「古さ」ーー西欧の進出を防ぐ役割をはたしたのか?……良知永行 17 南アジアと東南アジアの植民地化ーー植民地支配に「利益」はあるのか?……伊藤和彦 18 アヘン戦争の衝撃ーー戦争を避ける道はなかったのか?……伊藤和彦 19 開国の経済的・社会的影響ーー開国した日本が生きる道はどちらか?……伊藤和彦 20 廃藩置県から西南戦争へーー民衆にとっての明治新政府とは?……中山敬司 21 明治初期日本の外交と東アジアの国際秩序ーーアイヌにとっての「幸せ」って何だろう?……伊藤和彦 22 自由民権運動と大日本帝国憲法の成立ーー自由民権運動の人々の願いはかなえられた?……松井秀明 23 アフリカ分割の歴史 ーー22 世紀のアフリカはどんな社会発展(近代化)を目ざすと良いだろうか?……良知永行 24 日清戦争と中国分割ーー近代日本初の対外戦争「日清戦争」の実像を表すネーミングは?……良知永行 25 日露戦争ーー戦争が引き起こした「悲しみ」とは?……松井秀明 26 日本の産業革命ーーおしん・みねはどういう生活をしたのか?……中山敬司 27 植民地化とアジアの抵抗 ーー日本がアジア諸国と連帯する道を選択したら、どのような可能性が生まれるのか?……松井秀明 Ⅳ 国際秩序の変化や大衆化と私たち 28 第一次世界大戦ーーどのような戦争で、これまでの戦争と何が違うのか?……村松孝則 29 第一次世界大戦と感染症ーーなぜ「スペイン風邪」は世界中で流行したのだろうか?……伊藤和彦 30 ロシア革命とシベリア出兵ーーシベリア出兵の教訓を後世の人たちにどのように伝えますか?……松井秀明 31 第一次世界大戦後の国際秩序をどうつくるかーー平和な世界は実現するのか?……伊藤和彦 32 東アジアの民族運動ーー「マンセー!」 の声は実現するのか?……伊藤和彦 33 インドの民族運動ーー「塩の行進」が来た! あなたはどうする?……良知永行 34 大衆社会とファシズムーー大衆社会の未来は明るいか?……良知永行 35 全国水平社の成立と衡平社ーー大正デモクラシーに限界はあったのか?……中山敬司 36 世界恐慌と日本ーー助け合いではなく、戦争を選んだのはなぜか?……松井秀明 37 ファシズムと若者ーーヒトラーユーゲントは戦争の加害者か被害者か?……良知永行 38 満洲国とスペイン内戦ーーピカソはゲルニカのどこに“ 平和への願い” を描き込めた?……松井秀明 39 日中戦争と戦時下の日本ーー日本兵の実態と中国の抵抗……中山敬司 40 日系人から見たアジア太平洋戦争のはじまりーー日本人? それともアメリカ人?……伊藤和彦 41 原爆投下ーーなぜ被爆者の思いは届かないのか?……伊藤和彦 42 国連憲章と日本国憲法のあいだーー第二次世界大戦の悲惨な経験をどう活かすか?……伊藤和彦 43 朝鮮戦争ーー日本は朝鮮戦争にどう関わったのか?……松井秀明 44 日本国憲法の誕生ーー憲法に込められた人びとの願いとは何か?……伊藤和彦 45 女性からみた戦後改革ーー房枝やベアテの願いは実現したのか?……伊藤和彦 46 在日コリアンからみた日本の「独立」ーー日本人? それとも外国人?……伊藤和彦 Ⅴ グローバル化と私たち 47 パレスチナの子どもたちの声に耳を傾けるーーパレスチナ問題は遠い問題なのか?……良知永行 48 ダーバン宣言(2001 年)を読むーーアフリカの人びとは未来に向けて旧宗主国に何を求める?……良知永行 49 日本とドイツの戦後史ーー東アジアの地域統合は進むのか?……伊藤和彦 50 カネミ油症事件を追体験するーー高度経済成長の光と影とは……松井秀明 51 ベトナム戦争と沖縄・静岡県を繋ぐーー静岡で何があったのだろう?……中山敬司 52 石油危機はなぜ、どのようにして起こったかーーイラン革命はどのような革命であったのか?……島﨑和彦 53 アジアの経済成長 ーー東南アジア諸国連合(ASEAN)の取り組みは、東アジアにおける平和構築のモデルとなるか……良知永行 54 21 世紀、私たちは核兵器をどうするーー未来へ向けての高校生のメッセージ……良知永行 55 「国際貢献」と憲法9 条ーーロシアによるウクライナ侵攻。日本にできることは何だろう?……伊藤和彦 56 第二次世界大戦後、ヨーロッパの地域統合はどのようにすすんだかーーその成果と課題は何か?……島﨑和彦 57 情報通信技術発展と環境問題への対応 ーースマホ時代を歴史的にみるとどうとらえることができるのか?……島﨑和彦 Ⅵ 探究活動 58 生徒と学ぶ戦争体験(中国残留日本人孤児)……中山敬司 59 生徒と学ぶ出征兵士の手紙―市野さんは出発する直前にどんな手紙を書いているのだろうか?……村松孝則 Ⅶ 歴史教育論 60 歴史教育から考える複合国家ーー主権国家再考とブリテン革命……岩井 淳 あとがき……良知永行 - 著者プロフィール - 岩井 淳 (イワイ ジュン) (編) 1956年生まれ。1990年から2022年まで静岡大学人文学部(後に人文社会科学部と改称)に勤務。現在は静岡大学名誉教授。専門分野はイギリス近世・近代史。主として①ピューリタン革命期の千年王国論・終末論、②イギリスを中心とした複合国家論、③歴史教育に関心がある。①では『千年王国を夢みた革命』(講談社選書メチエ、1995年)、『ピューリタン革命の世界史』(ミネルヴァ書房、2015年)が代表作。②では『ピューリタン革命と複合国家』(山川出版社、2010年)、『ヨーロッパ近世史』(ちくま新書、2024年)、岩井編『複合国家から読み解く世界史』(山川出版社、2024年)などがある。③では2010年に静岡歴史教育研究会を立ち上げ、教員養成に努めたほか、高校歴史教育研究会編『資料と問いから考える歴史総合』(浜島書店、2022年)を分担執筆。
-
ジブンの世界はジンブンでできている2 ―現場で実践する哲学者×病いと身体を考える社会学者×古本をめくる宗教研究者― | 堀越 耀介, 山田 理絵, 木村 悠之介
¥2,750($17.53)
ジブンジンブン 2026年 ソフトカバー 300ぺージ 四六判 - 内容紹介 - 研究って、こんなに自由だ。 哲学者×社会学者×宗教学者、越境する人文知があなたの世界の見方を耕す、インタビュー&対談集第2弾! AIが「答え」をくれる時代だからこそ、私たちはもっと「問い」を自由に深められたら―― 企業経営の現場で、病いと社会の間で、あるいは古本市で……現場に足を運び、問いを耕す人文系研究者たちの視点を味方につければ、世界はもっと深く「ジブンごと」になる。彼ら彼女らは、いったいどんな道をたどって、現在地にたどりついたのか? 哲学者・社会学者・宗教学者、それぞれの目から、世界はどんなふうに見えているのか? AI時代に何を学ぶべきか迷うあなたも、自分の身体や生き方に違和感を抱くあなたも。中学生から大人まで、あなたの世界を拡張し、豊かにする「ジンブン学」の実践、シリーズ第2弾! ■本書に登場する研究者たち 堀越耀介:現場で実践する哲学者。子どもたちの教育の場から企業の開発チームまで、領域を越えて「哲学対話」を実践している 山田理絵:病いと身体を考える社会学者。摂食障害の歴史社会学的研究を進めながら、タトゥー、刑務所での処遇など多彩なテーマに取り組む 木村悠之介:古本をめくる宗教研究者。神田の古書市に通い、近現代の神道や大衆宗教メディアから当時の世相を読み解く ■もくじ ・まえがき ・第一部 現場で実践する哲学者 孤独な少年が見つけた「哲学」/「哲学科なんて就職ないぞ」を振り切って/運命を決めたオープンキャンパス/大学院で挫折寸前/「子どものための哲学」との出会い/企業のチームに「常駐」する哲学者/哲学×ビジネスのブルーオーシャン ほか ・第二部 病いと身体を考える社会学者 跳び箱が跳べなかった小学生/イギリス留学での「挫折」/「構築主義」という衝撃の出会い/明治の新聞に「拒食症」を見つけた/「べてるの家」で過ごした一週間/見過ごされてきた受刑者の摂食障害/タトゥーから考える「身体」と「社会」 ほか ・第三部 哲学者と社会学者と宗教学者、それぞれが見ている世界を知る 大正時代の怪しいDM/大黒様の通販カタログ/「宗教だったらいいけど神社はだめ」な儀礼って?/「自分はずっと周縁にいる」/古本市で芋づる式に史料を探す/「久しぶりに外に出ました」/哲学対話は人を癒せるか/「江戸幕府を作ったのは誰か」では終わらない/「初詣は鉄道会社が創った」のウソ/心中の名所が縁結びスポットに?/推し活は宗教か ほか ・あとがき ・ブックリスト ■ジブンジンブン編集部について 「ジンブン学をジブンごとに」を合言葉に、人文学の面白さを発信する出版社。2018年、東京大学在学中に結成。同大学の学園祭で、人文学研究の魅力を紹介する展示「ジブン×ジンブン」を出展し、3日間で1500人を動員。2025年から出版社として活動を本格始動。2025年8月、シリーズ第一弾を刊行。書籍やワークショップを通じて、人文学のエッセンスを日常生活に取り入れる楽しさを伝えている。 - 著者プロフィール - 堀越耀介 (ホリコシヨウスケ) (著) 東京大学共生のための国際哲学研究センター上廣共生哲学講座特任研究員。東京大学大学院教育学研究科博士後期課程修了。専門は教育哲学、哲学プラクティス。企業や学校での哲学対話を実践し、近年は特にビジネス分野における哲学の社会実装に取り組んでいる。著書に『世代と立場を超える職場の共通言語のつくり方』(クロスメディア・パブリッシング、二〇二五年)『哲学はこう使う』(実業之日本社、二〇二〇年)など。 山田理絵 (ヤマダリエ) (著) 社会構想大学院大学コミュニケーションデザイン研究科助教。学術振興会特別研究員(DC2)、東京大学総合文化研究科・教養学部附属共生のための国際哲学研究センター(UTCP)上廣共生哲学講座特任助教などを経て、現職。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。専門は社会学。日本における摂食障害の歴史と社会調査、タトゥー・いれずみについての歴史・社会調査などを行う。二〇二五年から、シリーズ企画「身体との共生のために ~21世紀の自己と身体をめぐる対話~」を主催している。 木村悠之介 (キムラユウノスケ) (著) 二〇二三年東京大学大学院人文社会系研究科基礎文化研究専攻宗教学宗教史学専修博士課程単位取得満期退学、博士(文学)。現在東北大学大学院国際文化研究科特任研究員、日本学術振興会特別研究員(PD)。専門は近現代史における宗教・神道。主な共著に、『思想史講義【明治篇Ⅱ】』(ちくま新書、二〇二三年)、『日本人無宗教説』(筑摩選書、二〇二三年)がある。
-
なぜ人は自分を責めてしまうのか | 信田 さよ子
¥968($6.17)
筑摩書房 2026年 ちくま新書 ソフトカバー 224ページ 新書判 - 内容紹介 - 自責感とうまくつきあう。 当事者の言葉を辞書として、私たちを苦しめるものの正体に迫る。公開講座をもとにした、もっともやさしい信田さよ子の本。 - 目次 - まえがき 第1章 母はまだ重い 1 「母と娘」の時代の幕開け 精神分析のなかの女/フェミニスト・カウンセリング/アダルト・チルドレン/被害という概念の広がり/『母が重くてたまらない』へ 2 母と娘のいま 母娘問題のはじまり/毒母、毒親という言葉/母の老い/自分の限界は甘く見積もる/亡くなった親 3 母を俯瞰する 定義にこめたもの/母親の三大原因説/謝罪になっていない謝罪/母と娘は和解できない 4 グループの力 解釈を一切しない/母親研究/言いっぱなし・聞きっぱなし/生育歴が母親研究になる/母を俯瞰する/不均衡な力関係の表れ方/母が怖くなくなるような状態を目指す 第2章 共依存を読みとく 1 共依存とシステム家族論 当事者の言葉/アルコール依存症の治療現場から/システム家族論の登場/システム家族論の影響 2 支配としての共依存 共依存の発展/従来の共依存理解の限界/依存ではなく支配/「あなたのために」が不幸のはじまり/言葉が現実をつくる/母の愛のいかがわしさ/被害者権力/パターナリズム 3 母と娘の共依存 母のケアが力を奪う/あなたがいないと生きていけない/女性と共依存/共依存的な人にどう対処するか/共依存的になってしまうとき/被害者は無力化されているのではない/権力は状況の定義権/支配の根幹 4 複雑化したトラウマ 苦しみと鈍感さ/ありふれている共依存/支配性を自覚する 第3章 母への罪悪感と自責感 1 近代と母性愛 母と娘に関する3冊/罪悪感の正体/つくられた家族像/母性愛のふたつの柱 2 母のミソジニー 精神分析にとって女とは何か/阿闍世コンプレックス/受け継がれる母性信仰/ミソジニー 3 母性愛と罪悪感・自責感 反出生主義/虐待の影響としての自責感/母性愛なんてものはない 4 第三者の介入 最良の第三者は、父であるべき/キーワードの整理 第4章 逆算の育児 1 子どもとは何か アルコール依存症とフェミニズムの合流/年代のはじめの孤立/ACの親のように、じゃない育児/子どもという存在 2 親の言葉による支配 親の暴言/自立という言葉/人に迷惑をかけずに生きることはできない/家族と差別/加害と被害をひっくり返す/普遍的な価値を利用する支配 3 幸せでいる義務 抑圧移譲/強迫的なケア/子どもの前では幸せでいる義務がある/閉ざされた家族/幸せなふりをする 4 とりかえしはつく 子どもの恐怖/子ども以外の存在から支えられること/子どもが許せない気持ち/とりかえしがつかないことはない 第5章 なぜ人は自分を責めてしまうのか 1 自責感と規範の関係 規範を取り込む/規範の一貫性 2 「すべて自分が悪い」という合理性 感情を抱けない/子どもの文脈/たったひとつの合理性 3 根源的受動性 子どもは責任ゼロで生まれてくる/孤独感は高級な感覚/虐待の罪 4 自責感のあらわれ 自傷はサバイバル/アディクション/接触障害/性的な問題/反転する自責感/家族と正義/あなたは悪くない 5 これからの旅へ グループの意味/ヴィクティム・ジャーニー あとがき 索引 - 著者プロフィール - 信田 さよ子 (ノブタ サヨコ) (本文) 1946年、岐阜県生まれ。公認心理師・臨床心理士。原宿カウンセリングセンター顧問。お茶の水女子大学哲学科卒、同大学院修士課程児童学専攻修了。著作に『母が重くてたまらない』『家族と国家は共謀する』『暴力とアディクション』など多数。
-
アンチ・スポーツの哲学 | 難波 優輝
¥990($6.31)
朝日新聞出版 2026年 朝日新書 ソフトカバー 232ページ 新書判 - 内容紹介 - スポーツは人格を育て、勇気を与え、仲間をつなぎ、連帯感を高めて国民を元気づけると言われる。だが、本当にそうなのか。本書は、美談の陰で覆い隠されてきたスポーツ観を問い直し、「ほんとうのスポーツ」の姿を探っていく。
-
共依存 苦しいけれど、離れられない 新装版 | 信田 さよ子
¥858($5.47)
朝日新聞出版 2026年 朝日文庫 ソフトカバー 224ページ 文庫判 - 内容紹介 - DVやアルコール・ギャンブル依存、引きこもりの息子と母、いつもダメ男を選んでしまう女性……。問題を起こす人を抱え込むことは愛であったはずなのに、なぜ事態は悪化してしまうのだろう。家族関係に困ったとき、「共依存」という言葉は解決のためのヒントを与えてくれる。新装版に寄せて、田房永子氏が解説を寄稿。
-
手芸とエンパワメント | 山崎 明子
¥2,200($14.02)
晶文社 2026年 ソフトカバー 232ページ 四六判 - 内容紹介 - 女たちは家庭のなかでつねに手を動かしてきた。妻として、母として、あるいは社会を支えるために。手芸は女性に与えられた役割だった一方で、母と娘の縦のつながり、教室やメディアをとおした横のつながりを育み、居場所をつくり、女性たちを支える側面ももっている。誰かに捧げる手芸の時代から自分のための手芸の時代へ――。連綿と続く女たちのものづくりの歴史をひもとき、手芸がもつエンパワメントの力を問い直す。 「これは針を持つ私たちへのエールだ!」 神尾茉利(刺繍作家・美術家) 「手芸は手のひらからはじまる冒険であり、革命。 この本はそう確信させてくれる。」 松田青子(小説家) - 目次 - 0.手芸とジェンダー 好きなのに好きと言えない 1.手芸に与えられてきた役割 2.「手芸家」たちの昭和 3.誰かに捧げる手芸/私のための手芸 4.「お母様方へ」――愛情と手芸 5.横のつながり 一緒に手芸をしよう 6.縦のつながり 受け継がれる手芸 7.ケアと手芸――周縁化された人たちの手 おわりに - 著者プロフィール - 山崎明子 (ヤマサキアキコ) (著) 1967年、京都府生まれ。千葉大学大学院社会文化科学研究科博士課程修了。博士(文学)。現在、奈良女子大学生活環境科学系教授。視覚文化論、美術制度史、ジェンダー論。著書に『近代日本の「手芸」とジェンダー』(世織書房)、『「ものづくり」のジェンダー格差』(人文書院)、共著に『歴史を読み替えるジェンダーから見た日本史』(大月書店)、『視覚表象と音楽』(明石書店)、『ひとはなぜ乳房を求めるのか』(青弓社)、『〈妊婦〉アート論』(青弓社)、『問いかけるアイヌ・アート』(岩波書店)、『現代手芸考』(フィルムアート社)など。
-
共異体の人類学 | 石倉 敏明
¥3,520($22.44)
作品社 2026年 ハードカバー 368ページ 四六判 - 内容紹介 - ★作品社公式noteで「序論」全文公開中→「共異体の人類学 試し読み」で検索! 共に生きる、を問う。 多元化・多中心化する転換期の世界において、〈共同体〉という原理で社会を捉えることが難しくなりつつある――異なる存在が異なったまま形成されるような〈共同体〉のオルタナティヴの集合体を、私たちは想定することができるだろうか? 人類学者としてインド・ネパールや日本の東北地方を中心に各地でフィールドワークを行なう一方で、第58回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展に参加するなど実践的に芸術に取り組む著者が、〈共同体〉に代わる原理として〈共異体〉を提唱する。人類学と芸術を往還しながら、その概念を再創造し拡張することで、〈共異体〉の人類学的理解の地平を拓く。気鋭の人類学者による待望の初単著。 「本書に登場する共異体は身体であり、社会関係であり、記号表現であり、技術の様態であり、政治思想であり、芸術表現やデザインであり、地域の歴史であり、同時にそれら以上のものでもある。」――本書より ◎装画:是恒さくら《鮭人》 【目次】 序論 共異体はなぜそう呼ばれるのか 第1部 「共異体論」序説 1 知の共異性をめぐって――アグノトロジーと存在論の人類学/2 外臓と共異体の人類学(聞き手:唐澤太輔) 第2部 共異体をめぐるフィールドワーク 1 共異体のフィールドワーク――多島海からの世界制作へ向けて/補遺1 多良間島のウプリ行事/補遺2 島々の伝承をめぐって――創作神話「宇宙の卵」の背景/2 Cosmo-Eggs 宇宙の卵/3 「地表空間」をめぐる旅と創造――生の軌道としての民族誌的芸術/4 生と死をふくむ風景――神話から考える未来の死との関係/5 魂の共異体としての遠野/6 獣の肉を食い、獅子の腹から生まれる――獣頭芸能に見る複数種の想像力 第3部 芸術人類学の拡張 1 「共異体」としてのキメラ――人間と動物のあいだに/2 アートと人類学の地殻変動/3 サイボーグ・複数種・堆肥体――ダナ・ハラウェイによるコンタクト・ゾーンの拡張/4 異化されたゾミアの物語――アピチャッポン・ウィーラセタクン『真昼の不思議な物体』をめぐって/5 トールキンと現代の神話――準創造という概念をめぐって/6 「包み」と贈与 贈り物の根底を支えるもの 第4部 共異体としてのジオカルチャー 1 鳥海山麓 ジオカルチャー/2 鳥海山麓 野生めぐり/3 コンタクト・ゾーンとしての秋田――『木村伊兵衛の秋田』をめぐって/4 魂と世界の表現について――「表現の生態系」展のために/5 鬼とパンク 天龍村坂部冬祭りについて/6 「東北」の芸術は可能か?/7 危機を乗り越える二つの方法 あとがき - 著者プロフィール - 石倉 敏明 (イシクラ トシアキ) (著) (いしくら・としあき) 1974年東京都生まれ。中央大学大学院総合政策研究科博士後期課程単位取得満期退学。多摩美術大学芸術人類学研究所助手、明治大学野生の科学研究所研究員などを経て、現在、秋田公立美術大学美術学部アーツ&ルーツ専攻教授。専門は芸術人類学、神話学。共編著に『〈動物をえがく〉人類学――人はなぜ動物にひかれるのか』(岩波書店)、『Lexicon 現代人類学』(以文社)、共著に『野生めぐり――列島神話の源流に触れる12の旅』(淡交社)など。2019年、第58回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展日本館展示《Cosmo–Eggs|宇宙の卵》に参加。
-
織物以前 タパとフェルト | 石倉 敏明
¥1,980($12.62)
LIXIL出版 2017年 LIXIL BOOKLET ソフトカバー 76ページ 縦21mm - 内容紹介 - 織物へと技術が進化する以前から伝わる原初の布は、身近にある素材と単純な行為によって生み出された。南太平洋の島々に伝わるタパは、成長の早い植物の樹皮を打ち延ばして作られる。一方、フェルトは、縮絨性のある羊毛を圧縮した布で、ユーラシアの遊牧民たちの中で生まれた。衣だけでなく、儀式、結界、インテリア等の用途を持つこれらの布は、どちらも大胆さと繊細さが絡み合う意匠や風合いに、原初のものならではの力強さがある。 本書では、貴重な古写真から原初の布の風景を巻頭グラビアに、タパ研究の第一人者・福本繁樹氏による南太平洋のタパ紀行と東西アジアでフィールド調査を行った長野五郎氏によるフェルト紀行を図版展開。布の技術の広がりや機への発展なども考察しながら、装飾や衣文化の原点に立ち返る。 ■目次 □南太平洋のタパ パプアニューギニア ・人間を見つめるタパへの旅 福本繁樹 ・模様に込められた意味 福本繁樹 フィジー トンガ サモア ・精神的なタパと物質的なタパ 福本繁樹 □遊牧民のフェルト 新疆ウイグル自治区 トルコ ・工程を記録する方法 ・フェルト製敷物に見られる多様な技法 イラン ・織フェルト加工と羊毛素材の特性 長野五郎 織物以前のはなし──南太平洋から 福本繁樹 布と紙の起点を探る新機軸 坂本勇 綿打ち弓考──北欧からユーラシア大陸、日本まで 長野五郎
-
あのころのパラオをさがして 日本統治下の南洋を生きた人々 | 石倉 敏明
¥1,210($7.71)
中央公論新社 2026年 中公文庫 ソフトカバー 256ページ 文庫判 - 内容紹介 - 1920年から終戦まで日本の統治下にあったパラオ。 そこには南洋庁という役所が置かれ、 作家の中島敦をはじめ、日本から移り住む者も多かった。 「楽園」と呼ばれた島で、日本人移民と現地島民が織りなす 暮らし、そして「戦争」のリアルとは――。 各地で拾い集めた、80年前の「日常」の証言。 植民地支配の歴史を、そこに暮らした人々の視点から 見つめなおすルポルタージュ。 〈巻末対談〉中島京子 - 著者プロフィール - 寺尾紗穂 (テラオサホ) (著) 一九八一年、東京都生まれ。音楽家。文筆家。東京大学大学院総合文化研究科修士課程修了。二〇〇六年に『愛し、日々』でシンガーソングライターとしてデビュー。〇七年、ピアノ弾き語りによるアルバム『御身』が各方面で話題になり、坂本龍一や大貫妙子らから賛辞が寄せられる。近作に『たよりないもののために』『君は私の友達』。CMナレーションや音楽製作も多く手がける。 音楽活動の傍ら文筆家としても活動し、一八年から二年間、朝日新聞書評委員を務める。著書に『評伝 川島芳子』『原発労働者』『あのころのパラオを探して』『彗星の孤独』など、編著に『音楽のまわり』がある。
-
世界浴場見聞録 | こばやし あやな
¥2,420($15.43)
学勢出版社 2026年 ソフトカバー 240ページ 四六判 - 内容紹介 - 浴場は、風呂やサウナだけにあらず。ロシアの灼熱浴室に身悶えながらも通い詰め、スリランカで温浴医療を求めて入院を志願し、モロッコの公衆浴場でムスリムと身を寄せ合って垢をすり、メキシコで蒸気浴部屋を司る古代の神々と邂逅する…身一つで世界50カ国を巡り歩いたフィンランド在住サウナ文化研究家の体当たり入浴旅 - 目次 - はじめに 私が世界浴場旅に出る理由 世界地図 1章 東南アジア・南アジア:東洋の伝統医療を支える、ハーブの恵みと温浴療法 ●タイの蒸気浴オップサムンプライ:産後ケアの風習から生まれた、芳香豊かな浴室 ●ラオスの蒸気浴ホムヤ:緑草が香る、風通しのよい公衆浴場とマッサージ屋 ●スリランカの蒸気浴スヴェーダナ:古式医学アーユルヴェーダの発汗ケア ●ベトナムの湯浴タムタオズオック:少数民族が受け継ぐ薬湯の湯治習慣 ━column① 世界の浴場で嗜むペアリング・ドリンク 2章 ロシア・中央アジア:寒冷地域の日常に寄り添う、生活インフラの蒸気浴場 ●ロシアの蒸気浴バーニャ:帝政期の階層社会が生んだ、灼熱の公衆浴場 ●キルギスの蒸気浴モンチョ:石炭で温める共同浴場は、村人たちの交流サロン ●カザフスタンの蒸気浴モンシャ:給湯制限のある村で重宝される、民家の庭に佇む浴室 ━column② 世界各国のアフター温浴ごはん 3章 中欧・南欧:欧州ウェルネススパの歴史と、サウナの独自進化 ●全裸で混浴し、サウナでタオルを振り回す異文化との遭遇 ●世界の公衆浴場のルーツ、古代ローマ浴場が流行るまで ●温泉街から広まった近世のスパ・ルネッサンス ●ドイツ人が見出した、健康法としての次世代サウナ ━column③ 世界の浴場で使う温浴グッズ これなんだ? 4章 イスラーム圏・南コーカサス:信仰を育む清めの公衆浴場と、そのローカライズ ●トルコの熱気浴ハマム:オスマン帝国繁栄の陰に浴場あり ●モロッコの熱気浴ハマム:浴場に座り込み垢すりに勤しむ人々 ●ジョージアの湯浴アバノ:温泉大国に生まれた異文化コラージュ浴場 ━column④ 世界の秘境で湧く仰天温泉3選 5章 バルト三国・北欧:それぞれの道をゆく、似て非なる蒸気浴文化たち ●リトアニアの蒸気浴ピルティス:施しの伝統に根ざす自然回帰セッション ●フィンランドの蒸気浴サウナ:ロウリュ一筋のサウナ機会均等社会 ●その他のバルト&北欧諸国の蒸気浴:各国の社会が透ける、近代温浴史と現代のトレンド ━column⑤ スモークサウナが密集する村 サウナキュラ 6章 北米:古代文明の神々が見守る、儀式のための蒸気浴室 ●メキシコの蒸気浴テマスカル:神話の世界観を踏襲する、蘇生と対話の儀式 ━column⑥ メキシコの聖なる冷泉 セノーテでの沐浴 7章 日本:おもてなし精神に満ちた、類まれなマルチ温浴文化 ━column⑦ フィンランドから大阪老舗銭湯にやって来た、幻のタイル絵 おわりに - 著者プロフィール - こばやし あやな (コバヤシ アヤナ) (著) フィンランド在住のメディアコーディネーター、サウナ文化研究家。1984年岡山県生まれ、大阪・神戸育ち。大阪大学大学院に在学中、フィンランド・ヘルシンキ工科大学(現アールト大学)建築学科に留学し、帰国後にフィンランド語の独学を始める。東京で雑誌編集者として働いたのち、2011年フィンランドに移住しユヴァスキュラ大学大学院人文学研究科で芸術教育学を学ぶ。在学時代に「現代社会における公衆サウナの新しい意義」というテーマで執筆した修士論文が国内で話題になり、2016年に同大学院を首席で修了。卒業後に現地で起業し、現在はコーディネーターや通翻訳者として活動する傍ら、世界の温浴文化の調査活動を続けている。2025年にはフィンランド・サウナギルドより日本人初のSaunamestari(サウナマイスター)の称号を与えられた。著書『公衆サウナの国フィンランド』『クリエイティブ・サウナの国ニッポン』(共に学芸出版社)、訳書『究極のサウナフルネス』(東洋経済新報社)など。
-
「日本美術」とジェンダー 希望を身体化する | 千野 香織, 池田 忍(編)
¥1,925($12.27)
岩波書店 2019年 岩波現代文庫 ソフトカバー 402ページ 文庫判 - 内容紹介 - フェミニズム、ポストコロニアル批評を導入し、日本美術史研究の新たな地平を拓いた著者の重要論文を文庫化。(解説=吉良智子)
-
出逢いのあわい 九鬼周造における存在論理学と邂逅の倫理 | 宮野 真生子
¥4,400($28.05)
堀之内出版 2019年 nyx叢書 ハードカバー 328ページ 四六判 縦188mm 横130mm 厚さ20mm - 内容紹介 - 九鬼周造と再び出会う書──。 宮野真生子の著作、『急に具合が悪くなる』の映画化を記念し、7年越しに増刷。 個体としての「私」が雑多な現実の中でどのように普遍・倫理と出会うのか。九鬼周造の「偶然性」を、西洋哲学との関連性や位置づけも整理しながら、感性ではなく論理的帰結として確立した哲学に昇華させた近年随一の明晰な九鬼論。 “本書が目指すのは、現実とは何かを問い、現実を生きる「この私」の倫理を求め続けた九鬼周造の思想を「哲学」として読み解くことである。ここで「哲学」に括弧をほどこしているのは、それが単に人間や世界の根源を徹底的に問おうとする態度という広い意味ではなく(それなら仏教も儒学も哲学である)、あくまでも西洋を起源とする一つの学問形態としての「哲学/philosophia」であることを強調するためだ。同時にそこには、九鬼や近代日本の知識人たちが「哲学」という学に込めた希望と問いかけも含まれている。九鬼周造の哲学を西洋哲学の流れの内に位置づけ、同時代の日本の哲学者との関係から論じることは、近代日本が哲学に託した希望と問いかけ、そして、その先に現れた危険性を考えることにつながっているはずである。歴史のなかへ哲学を差し戻しながら、哲学という学問を問うこと、それがいま私たちの求める哲学を問い直す足場にもなる。九鬼哲学を手がかりに、その一歩目を踏みだそう。”(「はじめに」より) 〈目次〉 はじめに 4 第一部 九鬼哲学の来歴 15 序章 九鬼哲学を考えるための準備作業 17 第一節九鬼哲学研究への視点 17 第二節近代日本哲学の問題圏―生と論理― 23 第三節九鬼哲学の根本問題 32 第一章 「哲学」とは何か 43 第一節 ヴィンデルバントの学問論と「偶然論(Die Lehre vom Zufall)」 45 1.新カント派の位置づけ 45 2.ヴィンデルバント「自然科学と歴史」における二つの学的方法 47 3「.偶然論(Die Lehre vom Zufall)」 50 第二節 九鬼周造の「人間観」と「哲学」 60 1「.人間学とは何か」 60 2「.哲学私見」における哲学観 65 第三節『偶然性の問題』から考える九鬼哲学の問題設定 68 1.偶然性とは何の問題なのか 68 2『.偶然性の問題』概要 71 3.偶然性をいかに扱うべきか77 第二部 存在論理学としての九鬼哲学 83 第二章「存在論理学」への道 85 第一節 人間の現実と哲学―「講義偶然性」― 86 第二節 存在と無をめぐる問題系 91 第三節 「文学概論」における問題の発見 98 第四節 存在論理学の狙い 103 1.ハイデガー『存在と時間』からの影響 104 2「.哲学私見」から見る存在論理学の全体像 107 第三章 「存在論」と「様相論理」―ニコライ・ハルトマンの批判的受容― 112 第一節 新たなる様相論理へ 113 1.様相性の三体系 113 2.ハルトマンにおける存在論的現実性 117 3.九鬼のハルトマン批判 123 第二節 ハルトマンの「存在論」と「様相論理」 127 1『.存在論の基礎付け』から見るハルトマンの存在論 128 2『.可能性と現実性』における様相分析 134 3.ハルトマンの問題点 146 第四章 「存在論理学」とは何か 150 第一節 存在形態と存在様相 150 第二節 現実と様相 157 第三節 現実の生産点としての偶然性 160 第五章 存在論と実存論的分析―ハイデガーからの影響― 166 第一節 第一の批判―実存論的視点から 167 1.実存をめぐる問題設定 168 2『.存在と時間』へのまなざし 171 3.偶然性という結び目 176 第二節 第二の批判―存在論的視点から 180 1「.現在」をいかに捉えるか 182 2.他と出会うことと超越の構造 189 3.なぜ、「出会いの今」を重視するのか 194 第三部 偶然を生きる倫理を目指して 205 第六章 偶然性の形而上学と個体論 212 第一節 田辺元・九鬼周造往復書簡からみる問題の所在 213 1.九鬼周造博士論文「偶然性」 213 2.往復書簡における二つの批判 215 第二節 初期田辺における偶然性と合目的性 218 第三節 『偶然性の問題』における個体性の真相 225 1.分裂する形而上的絶対者と個体 226 2「.個物の起源」と他者との出会い 229 第七章 偶然と選択、あるいは運命について 237 第一節 田辺元における個体と偶然性 238 1.生成する身体と現在の動性 238 2「.社会存在の論理」から考える「個体」と九鬼偶然論の問題点 243 3「.社会存在の論理」における個体の行方 247 第二節 運命を生きるとはどういうことか? 250 1『.マラルメ覚書』における絶対偶然 250 2.偶然性を生きるという選択をめぐって 254 3.九鬼周造の運命論 261 第八章偶然性の倫理とは何か 270 第一節 二つの間柄論 272 1「.私である」ということ 272 2「.私がある」ということ 276 第二節 実存と「がある」「である」こと 279 1.二つの「存在」と「実存」 279 2「.この私がある」とはどういうことか? 281 第三節 九鬼と和辻の交差する地点 285 1.日常における「私がある」ことの唯一性とは何か 285 2「.やましさ」という倫理 289 結論 300 引用文献リスト 313 九鬼周造関係年譜 317 追悼──あとがきに代えて 伊藤徹 320 - 版元から一言 - 造本設計 大崎善治(Sakisaki) 組版 トム・プライズ 印刷製本 株式会社シナノパブリッシングプレス 帯装画 清家雪子 Contingency and Encounter: Logic of Existence and Ethics of Chance Encounter in Shuzo Kuki Copyright ©2019 by Makiko Miyano All Right Reserved. Published by Horinouchi-shuppan Tokyo, Japan Tel +81 42 682 4350 http://www.horinouchi-shuppan.com/ - 著者プロフィール - 宮野 真生子 (著) 福岡大学人文学部准教授。一九七七年生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程(後期)単位取得満期退学。博士(人間科学)。著書に『なぜ、私たちは恋をして生きるのか』(ナカニシヤ出版、二〇一四年)、共著に『急に具合が悪くなる』(晶文社、二〇一九年)、『愛・性・家族の哲学』シリーズ全三巻(ナカニシヤ出版、二〇一六)。論文に「九鬼周造の存在論理学」(『西日本哲学年報』第19号、二〇一一年、西日本哲学会若手奨励賞受賞)、「個体性と邂逅の倫理―田辺元・九鬼周造往復書簡から見えるもの」(『倫理学年報』第55集、二〇〇六年、日本倫理学会和辻賞受賞)、他。
-
孤独の処方箋 | 貝沼 圭吾
¥2,090($13.32)
晶文社 2026年 ソフトカバー 240ページ 四六判 縦186mm 横128mm 厚さ16mm - 内容紹介 - 「孤独」は、検査では見つからない。けれども、それは確かに心と体をむしばみ、ときに病気や子育ての困難をさらに深くしていく。本書は、小児科医として数多くの子どもと家族に向き合ってきた著者が、診察室で出会った「孤独」の実像を描き出します。1型糖尿病、医療的ケア児、小児肥満、不登校、産後の孤立――当事者や家族が抱える声なき苦しみに耳を澄まし、地域のクリニック、子ども食堂、産後ケア、多世代交流など、つながりを回復する実践を紹介します。必要なのは、ただ治療することだけではない。誰かと出会い、頼り、安心して生きられる場所をつくることです。医療・福祉・子育てに関わる人はもちろん、孤独を自分自身や身近な人の問題として考えたいすべての人へ。明日を少し楽にするための、新しい医療と地域のあり方を提案する一冊です。 - 目次 - はじめに 第1章 診察室で出会う、さまざまな孤独の形 検査では見つからない、「孤独」という病 2人に1人が孤独を身近に感じる時代 夜中、スマホの光を頼りに授乳するAさんのケース 4割の母親が「孤立や孤独を感じる」 「1型糖尿病」とは何か 「自分だけが違う……」病気の子どもが抱える孤独 修学旅行で先生と一緒の部屋を提案されたB君のケース 「友だちの前で血糖値を測るのが恥ずかしい」 診察室で爆発した「声なき声」の正体 周囲の善意が子どもを救うとは限らない 少しずつ心をすり減らしていく病気の子どもの母親 全国2万人に上るも、支援が届かない医療的ケア児 医療的ケア児と家族、半数が「社会から孤立」を実感 医療的ケア児の母であることを公表している野田聖子議員 1日タバコ15本に匹敵!? 孤独が体に与える悪影響 手軽に得られる情報を追いかけて、自分を追い込んでいく人々 「孤育て」が母親を「検索魔」にする あっという間に過ぎる子育て期をもっと楽しんでほしい 現代の保護者に求められる「家庭看護力」 治療方針に影響がないなら、検査は不要なことも 先の見えない暗闇の中を歩いていた少年時代 再び光のある世界へ連れ戻してくれた恩師の存在 体育教師になりたかった思いを胸に、小児科医の道へ 転機となった厚生労働省への出向 孤独を救うために、地域のクリニックは何ができるのか? 第2章 クリニックから始まる共生の実践 1型糖尿病は、生活習慣とは関係なく発症する イギリスのメイ元首相も1型糖尿病だった! 同じ病気の子どもと出会える糖尿病サマーキャンプ 自分の体と向き合いながら、自立への第一歩を踏み出す場所 研修医時代に参加して、サマーキャンプの虜になる 炭水化物量をあらかじめ量れない流しそうめんにチャレンジ! 「危ないからやらせない」ではなく、「どう工夫すればできるか」 見過ごせない重症の小児肥満児、放置すれば将来の疾病リスクも 長い歴史を持つ三重病院における小児肥満治療 重症の小児肥満の背景には、さまざまな要因が隠れている 生活困難世帯は肥満児が多い傾向も 食事が孤独を埋める道具になっている? 重症の肥満児を対象としたヘルシーキャンプの挑戦 最重症の肥満児に対しては、長期の入院治療が効果的 肥満で入院している子どもには不登校や心療科受診が多い 問題は単なる「食べすぎ」ではなく、生活背景に要因がある 肥満児たちにソーシャルスキルトレーニングを実施 入院治療を経て、再び登校意欲が生まれたE君のケース 肥満度100%から20%台まで改善したFちゃんのケース 子どもたちの成長がつづられた手紙は大切な宝物 キーワードは「多世代共生社会」と「ともいき」 産後から子育て期までをシームレスにサポート 多彩な企画で子育てをサポートする子育て支援センター 「地域交流会」では0歳児から80歳までが交流も 医療的ケア児の保護者が交流できる場も 半数が病児保育を利用意向も、実際の利用は1割強 小児科医が考える、病児保育よりも大切なもの 第3章 つながりのバトン 未来へ手渡す 産後のお母さんたちを支える産後ケアハウス 「孤食」を減らし、子どもに体験を提供する子ども食堂 子ども食堂のボランティアで生きる力を取り戻したGさんのケース 地域の高齢者の力を活用して、働く女性をサポート 1型糖尿病の患者や医療的ケア児の母親がスタッフとして活躍 人と人との結びつきを生み出す祭りの意義 古き良き日本のあり方を、現代に生かす デザイン思考で課題の解決を目指す 地域のクリニックがハブとなり結びつきを取り戻す 「街の健康相談所」としての役割を果たす かかりつけ医が実践する「社会的処方」 21世紀に求められる「ともいきモデル」 「今より少し楽しく、安心して過ごせる街」を次世代につなぐ おわりに - 著者プロフィール - 貝沼圭吾 (カイヌマケイゴ) (著) 2006年に三重大学医学部卒業。その後、アレルギー、糖尿病を専攻し、肥満とアレルギー疾患の関連等の臨床研究、基礎研究を行い、医学博士取得。また、2017年からは、アレルギー疾患対策基本法の政策展開のため、厚生労働省健康局がん・疾病対策課に課長補佐として出向。アレルギー・リウマチ対策、糖尿病対策、風しん第5期接種の制度設計に従事。その後2020年から実家の貝沼内科小児科に戻り現職に至る。同時に、グロービス経営大学院で経営学を学び、2022年経営学修士(MBA)を取得。また、京都芸術大学大学院学際デザイン研究領域で社会デザインを学び、2026年に芸術修士(MFA)課程を修了した。医療を中心に据えた地域共生社会の実現に向け、病児保育室、子育て支援センター・子ども食堂などを運営している。
-
それはどこでも起こり得る 壊れゆく世界への抵抗 | ブレイディ みかこ
¥1,760($11.22)
文藝春秋 2026年 ソフトカバー 272ページ 四六判 - 内容紹介 - 私たちが日々飲み込む言葉を解剖し、社会を紐解く。その鋭い警鐘に、背筋が伸びた。 ――小川彩佳(キャスター) 「名を正す」孔子の精神の実践書だ。正しく名指すことこそ、混乱した政治を解きほぐす道である。 ――國分功一郎(哲学者) 極中、クラス・シーリング、テクノ大衆、リマイグレーション…… 今、西洋で起きていることは、すぐそこにある日本の姿か? ・個は責任を問われ、為政者は説明責任を逃れる「責任格差」 ・イデオロギーを捨て、権力奪取を目的とする「極中」の倒錯 ・貧困層が“身の程を知る”よう呪われる「階級の天井」とは? ・テクノ領主たちが仕掛ける「プラットフォーム・ポリティクス」 ・「リマイグレーション」という名のソフトな民族浄化の正体……etc. 本書を書いているうちに、「リマイグレーション」のような恐ろしい言葉も取り上げざるを得ない状況になってきた。これは、白人以外の民族(移民、市民を問わず)を人種的祖先の地へ大量に送還するという意味の政治的なスローガンだ。民族浄化の「言い換え」と言われるこの表現は、欧州の極右勢力やトランプ政権が使うものだ。(…) 自分たちだけは、ここだけは大丈夫などということは、もうない時代なのだ。その覚悟をもってこの本を書いた。この本に出てくる言葉は、どの国でも語り始められ得る。それはどこでも起こり得るのだ。 ――「はじめに」より ベストセラー『他者の靴を履く』から5年―― 「個の力」(power of)を取り戻す革新の書!
-
犀の教室 批判的日常美学について 来たるべき「ふつうの暮らし」を求めて | 難波 優輝
¥1,980($12.62)
晶文社 2026年 犀の教室 ソフトカバー 256ページ 四六判 - 内容紹介 - 強烈にシニカルな議論の中から、迷える人たちへのまっすぐな応援歌が立ち上がってくる。──帯文・鷲田清一 現代は「ちゃんとする時代」。「ちゃんと働く」「ちゃんとした格好をする」……私たちはいつのまにか、ちゃんとすることを当然視し、それができない自分を責めながら生きている。だが、本当にちゃんとしなければならないのだろうか。 社会が要請する「ちゃんとしなければならない」に対して、自分の理由で反抗し、受け流し、交渉するための「道具」を追求すること。それが「批判的日常美学」の試み。 生活にまつわる様々なアイテム──料理、労働、ファッション、清潔感、コミュニケーション、性愛──などを題材に、「丁寧な暮らし」の呪縛から逃れ、いまだ到来しない「ふつうの暮らし」を模索する哲学的考察。他人と世界と自分をより自由に愛せるようになるためのメソッド。 "この本では、「ちゃんとする」という言葉に代表されるような、倫理的なものと美的なものの癒着を見つけ出し、それを断ち切っていく。(…)日常にある美的とされているものに実は倫理的なものが潜んでいることを暴き出す。そして、倫理と美のつながりを健全なしかたで再構成する。この手法を「批判的日常美学」と私は呼ぶ。(…)社会が要請する「ちゃんとしなければならない」に対して、あなたがあなたの理由で反抗し、受け流し、交渉するための「道具」を追求する試み。それが本書で私がやりたいことだ。"(「はじめに」より) 【目次】 はじめに 序章 来たるべき「ふつうの暮らし」を求めて 第1章 自炊と恥──料理道徳から距離をとる 第2章 労働廃絶宣言──労働を解体するための感性論 第3章 反ファッション論──みせかけ美徳消費の悪徳 第4章 「性格が悪い人」を差別してもいいのか──「清潔感」からはじめる性格差別の哲学 第5章 分かり合わないことの美学──不同意コミュニケーション論 第6章 愛し方のあいいれなさ──手元規範と共同規範づくり 第7章 被害者サディズムの吹き荒れる時代に、スピリチュアリティにできること? 第8章 新しい快楽主義者たち──猫と廃墟とアナキズム 第9章 陰部の日常──マスターベーションとセックスの美と倫理について 第10章 抑圧に感謝する──奴隷根性と弱さの美学 第11章 夕焼けと電流──生誕した私たちの美的義務について あとがき - 著者プロフィール - 難波優輝 (ナンバユウキ) (著) 1994年生まれ。美学者、会社員。神戸大学大学院人文学研究科博士前期課程修了。専門は分析美学とポピュラーカルチャーの哲学。著書に『物語化批判の哲学──〈わたしの人生〉を遊びなおすために』(講談社現代新書、2025年)、『なぜ人は締め切りを守れないのか』(堀之内出版、2025年)、『性的であるとはどのようなことか』(光文社新書、2025年)、『SFプロトタイピング』(共編著、早川書房、2021年)がある。
-
生まれてよかったか? はじめての反出生主義 | 小島 和男
¥1,034($6.59)
筑摩書房 2026年 ちくまプリマー新書 ソフトカバー 240ページ 新書判 - 内容紹介 - 「生んでくれなんて頼んでない」 「親ガチャ“ハズレ”」 「子どもはほしくない」 その気持ちを論理で考える一冊 子どもは「生まれるか」を選択することはできません。親の一方的な考えのみで「存在させられる」のです。だから「生んでくれなんて言ってない!」と思うのは当然のこと。「親に感謝すべき」「幸せな人生を目指すべき」という重圧をほどき、生きづらさとともに生きるために。 ◎本書抜粋 反出生主義は「死んだほうがいい」と言っている思想ではありません。ここが最も誤解されやすいところです。反出生主義が問題にしているのは、「新しく人を存在させること」です。すでに存在している人に「存在するな」と言っているわけではありません。まったく逆です。今いる人には、できるだけ良く生きてほしい。苦しみを減らし、少しでも良い人生を送ってほしい。反出生主義は、そういう思いから出発しています。(「まえがき」より) - 目次 - まえがき 第1章 生まれるって、だれの決断? 1 「頼んでない」は言ってはいけない? 2 親は依頼されていない/子は選べない 3 存在させることの一方通行性 第2章 「親ガチャ」を考え直す 1 そのガチャって誰が回してる? 2 金持ちに生まれたら幸せ? 3 「子ガチャ」の視点 第3章 「幸せ」を倫理学で考えてみる 1 快と苦は相殺できる?──功利主義という考え方 2 存在させることは「害」か?──ベネターの非対称性 3 「正解」はあるのか?──事実と価値を区別する 第4章 家族は「当たり前」じゃない? 1 「家族を大事に」の圧をほどく 2 一人でいるのは悪いこと? 3 友だち関係の作り直し 第5章 「ふつう」と「がんばれ」から自由になる 1 「1/2成人式」ってなんだろう? 2 どうしてがんばらなきゃいけないの? 3 「ふつう」を自分で定義する 第6章 「子どもをつくらない」を選ぶ倫理 1 作る権利・作らない権利 2 中絶・養子・教育の超入門 3 親を責めてもいいの? 第7章 ぼくらの生まれたこの世界で 1 ケアは血縁を超えられる 2 「持たない」生の充実 3 今日を生きる ブックガイド──さらに考えたい人のために あとがき - -著者プロフィール 小島 和男 (コジマ カズオ) (著) 1976年生まれ。学習院大学文学部哲学科教授。博士(哲学)。専門は古代ギリシア哲学、反出生主義、うどん。日本うどん学会理事を務め、研究対象の貴賤の無さを語る。著書に『プラトンの描いたソクラテス』(晃洋書房)、『反出生主義入門』(青土社)、翻訳書に『生まれてこないほうが良かった』(デイヴィッド・ベネター著、田村宜義氏との共訳、すずさわ書店)などがある。
-
言語学に消えそうなことばを守れるのか | 吉岡 乾
¥990($6.31)
筑摩書房 2026年 ちくまプリマー新書 ソフトカバー 224ページ 新書判 - 内容紹介 - いま、記録しなければ 調査・分析で何が分かるのか? ことばとは何か? フィールドから考えた言語の本質。 ことばが滅びたりうまれたりするとはどういうことか、ことばには大小あるとは? パキスタンの山奥でゼロから現地調査してきた著者が案内する言語学の世界。 あらゆる言語は言語学的に見れば等しい価値を持っている。等しい能力をそなえていて、等しく大切なものだ。それなのになぜ、社会的には不平等で扱いが異なるのか。現代社会のあり方や思想にも関係する言語の本質に迫る。 - 目次 - 第一章 ことばと言語学 ・私たちが使っている日本語はひとつのことば? ・英語はグローバルな言語だから偉い? ・独自の書きことばを持ってないことがある!? ・言語学をやれば何カ国語も話せるようになる? ・フィールドへ出ていく言語学もある 第二章 社会の中のことば ・世界共通語を作れば便利なのか? ・ことばは文化を色濃く反映している ・話す人がいなくなるとことばは滅びる ・ことばが滅びる時/ことばが生まれる時 - 著者プロフィール - 吉岡 乾 (ヨシオカ ノボル) (著) 1979年千葉県生まれ。博士。国立民族学博物館准教授、総合研究大学院大学准教授。専門は記述言語学、ブルシャスキー語。大学院進学を機にブルシャスキー語の研究を開始して後、パキスタン北部を中心にいくつかの言語を調査・研究している。著書に『なくなりそうな世界のことば』『現地嫌いなフィールド言語学者、かく語りき。』『フィールド言語学者、巣ごもる。』(共に創元社)、『ゲは言語学のゲ』(講談社)がある。
-
暗闇のなかの希望 増補改訂版 語られない歴史、手つかずの可能性 | レベッカ・ソルニット, 井上 利男(訳), 東辻 賢治郎(訳)
¥1,100($7.01)
筑摩書房 2023年 ちくま文庫 ソフトカバー 256ページ 文庫判 - 内容紹介 - イラク戦争下で「希望を擁護する」ために刊行され、二〇一六年に加筆された改訂版を文庫化。アクティヴィズムと思想を往還する名著。解説 小川公代 ソルニット、初文庫化 直接行動(アクティヴィズム)と思想を自在に往還する現代の名著 解説 小川公代 2003年、イラク戦争が始まった時期に、「希望を擁護する」ために本書は書かれた。あの時代は過ぎ去ったが、あらたな戦争が生じ、破壊的な気候変動が到来している。絶望と冷笑主義が残りつづける現代に、希望をもつことはいかに可能なのか。「希望は光を浴びた舞台の真ん中ではなく、周縁の暗がりにある」(本文より)。2016年に改訂され、直接行動と思想を往還する現代の名著を文庫化。 解説 小川公代 【目次】 日本のみなさんへ 第三版への序文(二〇一五年) 希望が拠って立つもの 1 暗闇を覗きこむ 2 私たちが敗北したとき 3 私たちが勝ち取ったもの 4 偽りの希望と安易な絶望 5 影の歴史 6 千年紀の到来 ―― 一九八九年一一月九日 7 千年紀の到来 ―― 一九九四年一月一日 8 千年紀の到来 ―― 一九九九年一一月三〇日 9 千年紀の到来 ―― 二〇〇一年九月一一日 10 千年紀の到来 ―― 二〇〇三年二月一五日 11 変革のための想像力を変革する 12 直接行動の間接性について 13 もうひとつの歴史の天使 14 カリブーのためのバイアグラ 15 楽園からの脱出 16 大いなる分断を越えて 17 イデオロギーの後に ―― あるいは時間の変容 18 グローバルなローカル ―― あるいは場所の変容 19 テキサスの三倍大きな夢 216 20 疑い 21 世界の中心への旅 振り返る平凡な人びとの非凡な偉業(二〇〇九年) すべてがばらばらになり、すべてがまとまりつつある(二〇一四年) あとがき後ろ向きに、前向きに 謝辞 巻末注記 訳者あとがき 東辻賢治郎 解説 ネガティヴ・ケイパビリティのなかの希望 小川公代 - 著者プロフィール - レベッカ・ソルニット (レベッカ ソルニット) (著) 1961年生まれ。作家、歴史家、アクティヴィスト。カリフォルニアに育ち、環境問題・人権・反戦などの政治運動に参加。アカデミズムに属さず、多岐にわたるテーマで執筆をつづける。主な著書に、『ウォークス歩くことの精神史』(左右社)、『オーウェルの薔薇』(岩波書店)がある。 井上 利男 (イノウエ トシオ) (訳) 1944-2019年。翻訳家。奄美で石油基地反対運動に参加後、福島第一原発事故に遭遇。 東辻 賢治郎 (トウツジ ケンジロウ) (訳) 1978年生まれ。翻訳家、文筆家。関心領域は近代の技術史、建築史、紀行、地図制作。
-
バラバラな世界で共に生きる リチャード・ローティの哲学|朱 喜哲
¥1,023($6.52)
NHK出版 2026年 NHK出版新書 ソフトカバー 224ページ 新書判 - 内容紹介 - わかり合えない他者を、敵にしないために。 分断が極まり、「正しさ」がSNSでぶつかり合う社会で、私たちは他者といかに語り合えるか。アメリカの哲学者リチャード・ローティは、共通の基盤なき世界でそれでも人が共に生きる可能性を問い続けた。その哲学から、分極化の時代を生きるための知的作法を鮮やかに引き出す。大好評だった『100分de名著 リチャード・ローティ『偶然性・アイロニー・連帯』』テキストを大幅改稿。死後に注目された「予言」や主著以外の発言にも光を当て、その思想の先進性をいま問いなおす。著者初の新書! - 著者プロフィール - 朱 喜哲 (チュ ヒチョル) (著) 哲学者、大阪大学招聘准教授。1985年大阪生まれ。大阪大学大学院文学研究科博士課程修了。専門はプラグマティズム言語哲学とその思想史。また研究活動と並行して、企業においてさまざまな行動データを活用したビジネス開発に従事し、ビジネスと哲学・倫理学・社会科学分野の架橋や共同研究の推進にも携わっている。著書に『人類の会話のための哲学』(よはく舎)、『〈公正(フェアネス)〉を乗りこなす』(太郎次郎社エディタス)、『バザールとクラブ』(よはく舎)、『ネガティヴ・ケイパビリティで生きる』(共著、さくら舎)、『世界最先端の研究が教える すごい哲学』(共編著、総合法令出版)、『在野研究ビギナーズ』(共著、明石書店)、『信頼を考える』(共著、勁草書房)、共訳書に『プラグマティズムはどこから来て、どこへ行くのか』(ロバート・ブランダム著、勁草書房)などがある。
