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何処にいようと、りぶりあん 田中美津表現集 | 田中 美津
¥2,750
インパクト出版会 2025年 ハードカバー 276ぺージ 縦190mm - 内容紹介 - 1983年に刊行されて以来、絶版だった田中美津幻の名著、40年ぶりに復刊! ウーマンリブ運動が初声を上げた宣言「便所からの解放」や、連合赤軍事件の渦中に書かれた「永田洋子はわたしだ」など、女性史で避けて通れない重要論考収載。 2025年1月20日刊 はじめに 3 よんどころなく他人【ルビ・ひと】を語れば◉鏡の中のあたし 9 自画像 11 沖縄のおんなたち 34 阿部 定/わが怠惰と諦念を刺す 43 永田洋子はあたしだ 50 私の平塚らいてう批判 58 いま泣いたカラスの唄◉中絶と子殺しと 75 女にとって子殺しとは何か 77 中絶は既得の権利か/あえて提起する 93 おんどろおんどろ/メキシコ闇堕胎事情 101 ごきりぶ【りぶに圏点】ホイホイこの道ひとすじ◉混沌のままに 111 新宿やさぐれブタ箱情話 113 私の殺意は乾いている/しあさってのジョーから太田竜さんへ 151 女だけの共同体 170 燃えよ、コレクティブ 186 窓をあけてよ、りぶりあん◉生きてく手ざわり 201 子連れブタ参上 203 からだからの女性学 214 再々度からだから出発 228 れらはるせ/こどもとおんなのからだ育て 237 ナツビラ再見◉リブの創世期 243 便所からの解放 245 おわりに 264 リブ空に浮かんだ竹トンボ 米津知子 268
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縄文 革命とナショナリズム | 中島 岳志
¥3,080
SOLD OUT
太田出版 2025年 ソフトカバー 432ぺージ 四六変型判 - 内容紹介 - 戦後日本は何につまずき、いかなる願望を「縄文」に投影したのか。 岡本太郎が縄文を発見し、思想家、芸術家たちのなかで縄文への関心が高まった。柳宗悦ら民芸運動の巨匠たちが縄文に本当の美を見いだし、島尾敏雄が天皇以前の原日本人の姿を託し、吉本隆明を南島論へと向かわせた。縄文は日本赤軍のイデオロギーにも取り込まれ、オカルトを経由しニューエイジ、スピリチュアリズムに至る。梅原猛が霊的世界を称揚する縄文論を展開し、「縄文ナショナリズム」を生み出すことになった。それは、一九九〇年代の右傾化現象のなかでさらに裾野を広げている。 戦後日本人の新たな精神史。 あらゆる「日本」が投影される縄文の現代史を網羅し、 その思想の体系を詳述した重要な一冊。 ――いとうせいこう アナーキストも保守思想家も、縄文には夢をたくしてきた。 その系譜を細大もらさずおいかける、超古代幻想の現代史。 ――井上章一 - 目次 - 序章 戦後日本が「縄文」に見ようとしたもの 火起こし器に魅了される/線刻壁画と死者の世界/プリミティブへの憧憬――ルソーにおける「透明」と「障害」/縄文をめぐる戦後精神史へ 第一章 岡本太郎と「日本の伝統」 縄文発見 日本とは何か/国立博物館「日本古代文化展」/一九五一年十一月七日/日本の伝統とは何か/縄文vs弥生/縄文土器――「アシンメトリーと不調和のバランス」/「四次元的性格」/掲載された写真 対極主義と「日本の伝統」 闘いとしての芸術/人類博物館とマルセル・モース/バタイユとコジェーヴ/日本の「伝統」への失望と「対極主義」/縄文土器に見出したもの/縄文土器論の加筆/秋田の「なまはげ」――原始宗教の現われ/花巻の鹿踊り/民芸運動への懐疑 第二章 民芸運動とイノセント・ワールド 民芸運動と「原始工芸」 東京高等工業学校窯業科/図案家・杉山寿栄男と「原始文様」/芹沢銈介と芹沢長介/日本民藝館での「アイヌ民芸品大展観」 濱田庄司の縄文土器づくり 藤森栄一と白崎俊次/濱田庄司への依頼/縄文人は「日本の民芸の先祖」/古代土器複 製標本がもたらしたもの 最後の柳宗悦 イノセント・ワールド/古丹波の「灰被」/岩偶/「美の浄土」としての縄文 第三章 南島とヤポネシア 島尾敏雄の「ヤポネシア」論 南島論の興隆/大東亜戦争と南島経験/「治癒」と「救魂」/「ヤポネシア」論/古代 の生活が息づく南島 吉本隆明『共同幻想論』と「異族の論理」 吉本隆明『共同幻想論』/島尾敏雄×吉本隆明/「異族の論理」 ヤポネシアと縄文 谷川健一「<ヤポネシア>とは何か」/島尾敏雄の苦悩/縄文へ/縄文という「反体制的異端のバイタリティー」/「未来の縄文」 第四章 オカルトとヒッピー 空飛ぶ円盤と地球の危機 カウンターカルチャー/宇宙人との会見/超古代史へ/日本空飛ぶ円盤研究会と三島由紀夫/CBA(宇宙友好協会)と地球の危機/「古代宇宙人来訪説」と「宇宙考古学」/古代に現れた「太陽円盤」/古代太陽王国vs天皇/遮光器土偶は宇宙服を着ている/手塚治虫『勇者ダン』と「宇宙考古学」/北海道でのピラミッド建設 原始に帰れ!――ヒッピーとコミューン ヒッピーの誕生/新宿・風月堂/「われわれはいまだ知られざる文明の原始人である」 /部族と原始コミューン/「原始に帰れ」/コミューンの行き詰まり/列島改造論と南島/奄美大島の無我利道場/「原子化」から「原始化」へ 第五章 偽史のポリティクス――太田竜の軌跡 偽史と革命 華青闘告発/八切止夫の原住民史観/『日本原住民史』の出版/梅内恒夫「共産主義者 同盟赤軍派より日帝打倒を志すすべての人々へ」/八切史観からの影響とズレ/三人の世界革命浪人(ゲバリスタ)へ 「辺境」への退却 スターリンへの懐疑とトロツキーへの共感/辺境の最深部へ/そして、原始へ/日本帝 国主義の打倒/世界革命浪人(ゲバリスタ)と「反日本」/アイヌへの接近/「アイヌ革命論」と八切史観/梅内論文への応答/第二十六回日本人類学・民族学連合大会への乱入/シャクシャイン像台座削り取り事件から北海道連続テロ事件へ スピリチュアリティ・陰謀論・ナショナリズム 体調不良と「自然観の革命」/自然食=マクロビオティックへの傾倒/「原始の食」を取り戻す/桜沢如一の皇国主義をどう超えるか/再び日本原住民論へ/権藤成卿の社稷/UFO製作と一神教批判/日本人の使命と宇宙計画/家畜全廃論とエコロジー運動/ユダヤ陰謀論・縄文回帰・国粋主義/「縄文スメラミコト皇統」/縄文日本文明が世界を救済する 第六章 新京都学派の深層文化論――上山春平と梅原猛 上山春平の照葉樹林文化論 今西錦司の共同研究グループ/中尾佐助「照葉樹林文化論」の誕生/発想の元となった マナスル登山隊偵察隊/上山春平が探究した「日本文化の深層」/「山岳的」で「山棲み的」な日本文化/柳田國男と江上波夫への批判/盟友・梅原猛との対話 梅原猛――縄文とアイヌ 梅原日本学/「民族の基本的精神」/北海道へ/藤村久孝との出会い/金田一京助とい う壁/大野晋との対決――古代日本とアイヌ語/埴原和郎との出会い/東北への旅/呪術と精霊/「縄魂弥才」の日本/中曽根康弘首相との蜜月/「蘇る縄文」――狩猟採集文化の先進性/日本の精神が新しい世界の原理となる/国際日本文化研究センターへの批判/梅原日本学は国粋主義か/「森の思想」とエコロジー 終章 縄文スピリチュアルと右派ナショナリズム 「縄文」vs「弥生」/縄文左派――<天皇の超克>と<魂の救済>/一九八〇年代――精神世界とナショナリズム/西尾幹二『国民の歴史』と新しい歴史教科書をつくる会/スピリチュアルなナショナリズム あとがき 参考文献 - 著者プロフィール - 中島 岳志 (ナカジマ タケシ) (著) 1975年大阪府生まれ。東京科学大学リベラルアーツ研究教育院教授。大阪外国語大学外国語学部地域文化学科ヒンディー語専攻卒業。京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程修了、博士(地域研究)。北海道大学大学院法学研究科准教授を経て、現職。専門は南アジア地域研究、日本思想史、政治学、歴史学。2005年、『中村屋のボース インド独立運動と近代日本のアジア主義』(白水社)で大佛次郎論壇賞、アジア・太平洋賞大賞受賞。同年、『ナショナリズムと宗教 現代インドのヒンドゥー・ナショナリズム運動』(春風社)日本南アジア学会賞受賞。主な著書に『秋葉原事件 加藤智大の軌跡』(朝日新聞出版)、『「リベラル保守」宣言』(新潮社)、『血盟団事件』(文藝春秋)、『アジア主義 その先の近代へ』(潮出版社)、『親鸞と日本主義』(新潮選書)、『保守と大東亜戦争』(集英社新書)、『保守と立憲 世界によって私が変えられないために』(スタンド・ブックス)、『自民党 価値とリスクのマトリクス』(スタンド・ブックス)『思いがけず利他』(ミシマ社)など多数。
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裸のネアンデルタール人 人間という存在を解き明かす | リュドヴィック スリマック, 野村 真依子(訳)
¥2,420
柏書房 2025年 ソフトカバー 272ぺージ 四六判 - 内容紹介 - かつて地球には、 私たちとはまったく異なる人類が生きていた―― かれらはなぜ滅んだのか? 美意識はあったのか? その精神構造とは? 現生人類(サピエンス)に都合のいい幻想から脱却し、人間という存在を「ありのまま」に理解しようとする情熱的探究の成果! 赤道直下から北極圏まで駆けまわり、30年にわたり洞窟の地面を掘り続けた、第一人者にして考古学界の異端児による初の一般書。 “この先で、もうネアンデルタール人を同類とみなさないこと、つまりかれらは私たちの諸側面を投影した存在ではないのだと考えることが、なぜ重要なのかを説明しよう。完全に絶滅したこの人類は、私たちの抱く幻想をすべて足し合わせても及ばない存在なのに、私たちの視線でがんじがらめにされてしまった。私たちはかれらを同類に仕立てあげ、ありもしない姿に作りあげた挙げ句、無理やり歪めている。だから、ネアンデルタール人に固有の異質さを取り戻すためにも、私たちが抱いているおなじみの親しみやすさを取り除かなければならない。”(「はじめに」より) - 目次 - はじめに 第一章 ネアンデルタール人の正体 もう一つの知的生命体/ネアンデルタール人に立ち向かう/ネアンデルタール人の魂を探る/人間にとってオオカミはあくまでオオカミ……/絶滅/美術は時代の架け橋/さようなら、わが伴侶。大好きだったよ…… 第二章 北極圏の冒険譚――マンモスの民からクジラの民まで 氷の世界?/寒さを生きる/広大な北の大地を前に/時間との戦い/極地方初の入植者の足跡/見えざる極地の狩猟民/氷に閉ざされた未知の北極圏文明/極北のエデン?/世界の果てへの逃避?/東方と西方からの北進/極地に避難した最後のネアンデルタール人?/マンモスの民からクジラの民へ 第三章 森の食人種? 皆、これを食べなさい……/髄まで食べ尽くされた遺骸が出土/食欲とは無関係のカニバリズム/六年の発掘を経て現れた食人の跡が残る遺体/愛、飢え、貪食/数千年来の知識と戦略/逃げて! 逃げて! あれは人間じゃない!/ネアンデルタール人の儀礼? 第四章 儀礼と象徴?――疑問を検証する ヒト上科の死。先入観を手放す/時間的断絶/森の民からシカの民へ/ネアンデルタール人の成人儀礼? 第五章 ネアンデルタール人の美意識 ネアンデルタール人の芸術、儚い思考/幻想の残骸/落書きと意味のない模倣/最後のネアンデルタール幻想の崩壊?/不格好なかかし 第六章 人間という存在を解き明かす 自己認識について/火の記憶について/愛してる、でも私はそうじゃない……/谷から谷への追跡/歴史の断片的な繰り返し/武器を取れ! 相違の出現/二つの人類の基本的構造が明らかに…… 結論 この生き物を解放せよ 参考文献 - 著者プロフィール - リュドヴィック スリマック (リュドヴィック スリマック) (著) 世界的に有名な先史学者。ネアンデルタール人社会に関する研究の第一人者であり、現在この分野で最も活発に重要な発見を行っている研究者でもある。CNRS(フランス国立科学研究センター)在任。ローヌ渓谷のマンドラン洞窟をはじめ、赤道直下から北極圏までの発掘調査を指揮。「最後のネアンデルタール人社会」に焦点を当て、これらの集団に関する数百の研究論文を著している。その研究は『ネイチャー』、『サイエンス』、『ニューヨーク・タイムズ』、『エル・パイス』などでも紹介されている。本作『裸のネアンデルタール人』は、2022年にフランスで出版されるや否や話題を呼んだ。 野村 真依子 (ノムラ マイコ) (訳) フランス語・英語翻訳者。東京大学文学部卒、同大大学院人文社会系研究科修士課程修了。訳書に『こころを旅する数学』(晶文社)、『問題解決のための名画読解』(早川書房)、『フォト・ドキュメント 世界の母系社会』、『ミューズと芸術の物語 上』(ともに原書房)、『アートからたどる 悪魔学歴史大全』(共訳、原書房)など。
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怪異から妖怪へ | 東アジア恠異学会(編), 大江 篤, 久禮 旦雄, 化野 燐, 榎村 寛之, 佐々木 聡, 久留島 元, 木場 貴俊, 村上 紀夫, 佐野 誠子, 南郷 晃子, 笹方 政紀, 陳 宣聿, 京極 夏彦
¥1,870
文学通信 2024年 ソフトカバー 240ぺージ 新書判 縦195mm 横135mm 厚さ27mm - 内容紹介 - 「妖怪」はなぜ生まれたか。「妖怪」の見かたが変わる! 人は何かに出会ったとき、それを「怪異」と認識し記録に残す。そういった記録されたことばを分析することを重視してきたのが怪異学であり、本書の編者、東アジア恠異学会(ひがしあじあかいいがっかい)である。 動物の異常行動や異常気象など、もとは現象だった「怪異」を起こしていた存在は、時の経過とともに姿形などの輪郭を得て、すこしずつ私たちが知る「妖怪」に変容してきた。 本書はそんな「妖怪」の来歴を丁寧に読み解くことで、より探究心を得、新たな専門知を学ぶことができる入門書であり、近年になり語られるようになった新しい存在、むかしは起きなかった異常な現象についても、怪異学の技法でどう論じていけばいいか、ヒントも得られる実践の書でもある。 第1部「怪異学総説」では、「怪異」と「神」、「妖怪」の基礎とその関係を論じ、第2部「妖怪列伝」では、独立したキャラクター「妖怪」の成り立ちを、鬼、白沢、天狗、鳴釜、河童、一目連、九尾狐、オサカベ、件、水子霊から見ていく。[特別寄稿]チョコレートを食べること(京極夏彦)収録! 執筆は、大江 篤、久禮旦雄、化野 燐、榎村寛之、佐々木聡、久留島元、木場貴俊、村上紀夫、佐野誠子、南郷晃子、笹方政紀、陳 宣聿、京極夏彦。 - 目次 - はじめに─神と怪(大江 篤) 「怪異」を研究する「東アジア恠異学会」とは/怪異学は、記録された語を、分析することを重視/「怪異」研究のキーワードは「媒介者」 ○東アジア恠異学会のご案内 第1部 怪異学総説 [怪異とは何か、怪異学とはどういう学問なのか] 1 「怪異」と怪異学(大江 篤) 1 東アジア恠異学会と「怪異」/2 平安時代の「怪異」/3 神津島の噴火と「怪異」/4 新羅の外寇と「怪異」/おわりに [不可視の存在が語り始めるとき] 2 神─その形成と展開(久禮旦雄) 1 神と祟/2 社と祭/3 卜占と祥瑞/4 託宣と怨霊─語りだす神と霊 [これまでとこれからの「怪異」と「妖怪」の関係] 3 妖怪(化野 燐) 1 いくつもの妖怪/2 現象から存在へ/3 これまでの「妖怪」/4 これからの「妖怪」 第2部 妖怪列伝─どのように成立したか [「鬼」のイメージはどのように成立したのか] 1 鬼─『出雲国風土記』と日本古代の「鬼」(榎村寛之) はじめに/1 『古事記』と『日本書紀』の「鬼」と「鬼状のもの」/2 『出雲国風土記』の「鬼」/3 『出雲国風土記』の「鬼」字の使われ方と「鬼」の本来の姿/4 鬼の具象化─九世紀の事例と比べて/おわりに [神獣はどのように姿を変えていったのか] 2 白沢─俗化する神獣とその知識(佐々木聡) はじめに/1 祥瑞から辟邪へ/2 さまざまな白沢の姿/3 白沢図の流布/4 白沢図画賛の意義とその影響 [「神」か「妖怪」か、時代ごとに移り変わる定義] 3 天狗─天変から信仰へ[久留島元] 1 天狗は神か/2 古代の天狗/3 天狗をまつる/4 天狗と修験/5 天狗と天道 [近世という情報社会の中で膨張する怪異] 4 鳴釜─俗信から科学、そして諧謔へ(佐々木聡) はじめに/1 中国古代以来の祥瑞災異として/2 「自然の怪」から自然科学的理解へ/3 江戸時代の鳴釜神事 [室町から江戸時代まで、河童の歴史をたどる] 5 河童(木場貴俊) はじめに/1 河童は生物/2 河童は研究対象/3 河童を描く/4 河童信仰 [情報発信により地域の神様から妖怪へ] 6 一目連─情報の連鎖と変容(村上紀夫) はじめに/1 十七世紀文献に見える一目連/2 百科事典に掲載される/3 多度社の公式情報/4 香具師による便乗/5 一目連像の拡大 [祥瑞か、凶兆か、狐か、美女か] 7 九尾狐(佐野誠子) 1 祥瑞・凶兆であった九尾狐/2 美女(悪女)の狐/3 九尾狐と妖狐の結合/4 玉藻前の九尾化 [物語に貪欲な近世社会が「神」を消費する] 8 オサカベ(南郷晃子) はじめに/1 姫路城のオサカベ姫/2 『観自在菩薩冥応集』の仕掛け/3 書状について/4 書状をめぐる人々/5 妖怪化するオサカベ/おわりに [近世から近代以降まで、その特徴の変遷] 9 件(笹方政紀) はじめに/1 「件」の文字による特徴/2 皮革にまつわる物語/3 予言をする性質/4 神、あるいは神使としての存在 [水子霊をめぐる言説とメディアのあり方] 10 水子霊─夭逝した胎児の霊はどこに現れ、誰に祟るか?(陳 宣聿) はじめに/1 身の回りの災因と水子霊の創出/2 オカルトブームと水子霊の流布/3 ローカルの文脈で再生産された心霊スポット/おわりに [特別寄稿]チョコレートを食べること(京極夏彦) 参考・引用資料 執筆者紹介 - 著者プロフィール - 東アジア恠異学会 (ヒガシアジアカイイガッカイ) (編) 2001年(平成13)創設。「恠異」をキーワードとして、各分野からの研究者が集い、学際的な研究を続けている学術団体。代表は大江篤(園田学園女子大学教授)。 学会編著書として、『怪異学講義:王権・信仰・いとなみ』(勉誠出版、2021年)、『怪異学の地平』(臨川書店、2019年)、『怪異を媒介するもの』(アジア遊学187、勉誠出版、2015年)、『怪異学入門』(岩田書院、2012年)、『怪異学の可能性』(角川書店、2009年)など。お問い合わせは公式HP(http://kaiigakkai.jp/)まで。 大江 篤 (オオエ アツシ) (著) 園田学園女子大学学長・教授(日本古代史・日本民俗学)。著書に『日本古代の神と霊』(臨川書店、二〇〇七年)、『皇位継承の歴史と儀礼』(編著、臨川書店、二〇二〇年)など。 久禮 旦雄 (クレ アサオ) (著) 京都産業大学准教授(日本法制文化史)。著書に『元号―年号から読み解く日本史』(共著、文春新書、二〇一八年)、『元号読本―「大化」から「令和」まで全248年号の読み物事典』(共著、創元社、二〇一九年)など。 化野 燐 (アダシノ リン) (著) お化け好き、小説家。主な作品・論文に『人工憑霊蠱猫』シリーズ(講談社)、『考古探偵一法師全』シリーズ(KADOKAWA)、「妖怪百家争鳴 妖怪の分類・試論」(『怪』vol.12~22、二〇〇一~二〇〇六年、角川書店)、「「妖怪名彙」ができるまで」(東アジア恠異学会編『怪異を媒介するもの』アジア遊学一八七、二〇一五年、勉誠出版)など。 榎村 寛之 (エムラ ヒロユキ) (著) 斎宮歴史博物館学芸員(王権・祭祀・怪異に関する事いろいろ)。著書に『女たちの平安後期―紫式部から源平までの200年』(中公新書、二〇二四年)、『律令天皇制祭祀と古代王権』(塙書房、二〇二〇年)など。 佐々木 聡 (ササキ サトシ) (著) 金沢学院大学准教授(中国社会史、宗教文化史、書誌学)。論文に「中国歴代王朝における天文五行占書の編纂と禁書政策」(水口拓寿編『術数学研究の課題と方法』汲古書院、二〇二二年)、「通俗信仰と怪異―前近代中国の基層社会における災異受容史」(東アジア恠異学会編『怪異学講義』勉誠出版、二〇二一年)など。 久留島 元 (クルシマ ハジメ) (著) 同志社大学嘱託講師(日本中世文学、説話。天狗説話と修験の関係)。著書・論文に『天狗説話考』(白澤社、二〇二三年)、「狐火伝承と俳諧」(『朱』六十二、二〇一九年)など。 木場 貴俊 (キバ タカトシ) (著) 京都先端科学大学准教授(日本近世文化史)。著書・論文に『怪異をつくる―日本近世怪異文化史』(文学通信、二〇二〇年)、「近世怪異の展開と近代化」(『史潮』九十四、二〇二三年)など。 村上 紀夫 (ムラカミ ノリオ) (著) 奈良大学教授(日本文化史)。著書に『怪異と妖怪のメディア史―情報社会としての近世』(創元社、二〇二三年)、『近世京都寺社の文化史』(法藏館、二〇一九年)など。 佐野 誠子 (サノ セイコ) (著) 名古屋大学教授(中国仏教志怪)。著書に『怪を志す―六朝志怪の誕生と展開』(名古屋大学出版会、二〇二〇年)など。 南郷 晃子 (ナンゴウ コウコ) (著) 桃山学院大学准教授(近世の説話、伝承。特に怪異譚およびキリシタン説話)。著書・論文に『なぜ少年は聖剣を手にし、死神は歌い踊るのか―ポップカルチャーと神話を読み解く17の方法』(共編著、文学通信、二〇二四年)、「『老媼茶話』の魔術」(斎藤英喜編著『文学と魔術の饗宴・日本編』小鳥遊書房、二〇二四年)など。 笹方 政紀 (ササカタ マサキ) (著) 東アジア恠異学会会員(見世物、化物屋敷等で使用される怪異・妖怪)。著書・論文に『予言獣大図鑑』(文学通信、二〇二三年)、「戦時に件(クダン)を語る訳―戦時流言に関する一考察」(『世間話研究』二十七、二〇一九年)など。 陳 宣聿 (チン センイツ) (著) 東京理科大学嘱託助教(宗教学)。著書に『「水子供養」の日台比較研究―死者救済儀礼の創造と再構築』(晃洋書房、二〇二三年)など。 京極 夏彦 (キョウゴク ナツヒコ) (著) 小説家、意匠家。一般社団法人日本推理作家協会監事。主な著書に『百鬼夜行』シリーズ(講談社)、『巷説百物語』シリーズ、『談』シリーズ(KADOKAWA)、『書楼弔堂』シリーズ(集英社)など。
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中動態の世界 意志と責任の考古学 | 國分 功一郎
¥990
新潮社 2025年 新潮文庫 ソフトカバー 528ぺージ 文庫判 縦151mm 横106mm 厚さ18mm - 内容紹介 - 誰かを好きになる。これは能動か受動か。好きになろうとしたのでもなければ、好きになるよう強いられたのでもない。自分で「する」と人に「される」しか認めない言葉は、こんなありふれた日常事を説明することすらできない。その外部を探求すべく、著者は歴史からひっそりと姿を消した”中動態“に注目する。人間の不自由さを見つめ、本当の自由を求める哲学書。時代を画する責任論を新たに収録。
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結婚の奴 | 能町みね子
¥825
文藝春秋 2025年 文春文庫 ソフトカバー 256ぺージ 文庫判 - 内容紹介 - 文庫版特別篇「書くことがないということについて」を加筆。 解説は山崎ナオコーラさん! 誰かと暮らしたい。「結婚」がしたい。 でも、恋愛風のやりとりを経るのは面倒にもほどがある――。 20年近いひとり暮らしの果てに、 自分の世話をしない自分を許せなくなった著者は、 同居相手をもとめて「偽装結婚」を思い立つ。 さて、どうするか? ほぼ初対面のゲイの男性にSNSで接触をはかったところ、 おもいがけない好反応がかえって来て……。 異色かつ壮大な試みのすべてを記す話題の書が、 待望の文庫化! 文庫化にあたり加筆した特別篇も必読です。
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女性議員は「変な女」なのか | 野田 聖子, 辻元 清美
¥1,210
小学館 2025年 小学館新書 ソフトカバー 224ぺージ 新書判 - 内容紹介 - 男社会で働くすべての女性たちへ! 祖父が国会議員の野田聖子と 実家はうどん屋の辻元清美。 生まれも育ちも正反対なのに、 なぜか仲の良いふたり。 「家に帰っても冷蔵庫は空っぽ(涙)」(辻元) 「いい人がいたら紹介するから」(野田) などと、本音トークが炸裂! そんな彼女たちは、 約30年もの間、超男社会の国会の中で、 「女のくせに変な人」と指差されながら、 己の信念に従って、議員を続けてきた。 それゆえ、対談は、 郵政民営化選挙や連立政権での造反など 乗り越えてきた政局や 党派を超えた協力によって成立した NPO法や児童ポルノ禁止法……、 そして現在進行中の選択的夫婦別姓の裏側、 また、次世代の女性議員のために作った塾や 若い議員に寄せる期待にまで話はおよぶ。 セクハラ・パワハラ、 おひとり様の悲哀、 育児・介護に老後など、 働く女性に共通に降りかかる悩みについても 深くえぐってくる。 後半はジャーナリストの長野智子氏をファシリテーターに、 政治家や企業重役の 一定の定数を女性に振り分ける クオータ制についての鼎談。 どう働き、どう政治にコミットしていくかを 改めて考えさせる 元気あふれるふたりのかしまし対談。 【編集担当からのおすすめ情報】 政治の本ですが、 難しいことはそんなに書いてありません。 政治家だからといって特別な人ではなく、 同じようなことで悩んで、挫折して、 幸せを感じて仕事を続けていることが伝わります。 政治について考えてみたいという人の とっかかりとしても最適です。
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イラストで見る都市伝説の歴史 | アダム・オールサッチ・ボードマン, ナカイサヤカ(訳)
¥2,200
マール社 2025年 ソフトカバー 128ぺージ A5変型判 縦202mm 横152mm 厚さ11mm - 内容紹介 - 森の中の足跡、迷い込んでしまう幻の場所、ベッドの下に潜む不気味な男の噂……。 人類は様々な文明を通じて、我々の間に潜んでいるかもしれない、人ならざるものに夢中になってきました。 本書では、世界中の奇妙で恐ろしく、時に珍妙な都市伝説の数々を収録。 各時代の恐怖のトレンドが好奇心を刺激する一冊です。 ネス湖の怪物や謎の猿人イエティ、未確認動物モスマンの目撃談。 月面着陸や家電にまつわる、ショッキングな噂から伺える未知への恐れ。 南極の秘密の入り口や地獄に通じる井戸など、人々の想像力を刺激する地下世界。 知らぬ間に家にいる犯人、飲み物への混入、毒のドレス……。身近なものに潜む噂。 恐怖の赤い部屋や怪人スレンダーマンなど、インターネットの発達によって生まれた恐怖。 都市伝説にインスピレーションを受け、恐怖を娯楽とした創作物の数々。 古代から現代までの都市伝説を、著者の俯瞰的な視点と軽快な語り口、ポップなイラストで図解します。 目次 ・はじめに 都市伝説とは何か? 懐疑的調査 都市伝説の広がり方 ・近代以前 ⽔の怪異 奇妙な⽝たち 失われた都市 吸⾎⻤ 幽霊 小さな光 ・近代 乱痴気騒ぎ チェックアウト 巨⽊伝説 海の惨劇 地球空洞説 戦時の伝説 謎の消失 ・20世紀中頃 未確認動物学(UMA学) イエティ 道の噂 UFO テーマパーク・アトラクションの怪談 メディアの伝説 現象 恐ろしい運命 ビッグフット 宇宙の物語 モスマン ・ポストモダン期 犯人は家に浸入ずみ 不気味な汚染 UMA図鑑 爆笑 傑作だ 見知らぬ人々 ゼロックス・ロア 動物のおふざけ 地下の秘密 悪魔の仕業 奇妙な場所 恐ろしい科学技術 都市伝説の品々 ・メタモダン期 テレビゲーム 映画の都市伝説 ピエロがやってきた 遠方からの来訪者 夢の世界 伝説の悪役・怪人図鑑 デバンク(謎解き)テレビ番組 インターネットの発明 儀式 幻の場所 メディアに登場する都市伝説 UMA写真 現代の都市伝説 都市伝説に関わる(現実の)人々 グロサリー(⽤語集) もっと詳しく知りたい⼈向けの参考⽂献 もっと詳しく知りたい⼈向けの映像作品 索引 - 著者プロフィール - アダム・オールサッチ・ボードマン (著) イギリス、リーズを拠点に、イラストレーター、アニメーター、ライターとして活動する。細部への興味に突き動かされ、明瞭さを追求する彼の作品は、規則的な線と大胆な色彩で構成されているのが特徴である。著書に、『イラストでわかる映画の歴史いちばんやさしい映画教室』(フィルムアート社)(原題『An Ilustrated History of Filmmaking』)、『イラストで見る UFOの歴史』(原題『An Ilustrated History of UFOs』)、『イラストで見る ゴーストの歴史』(マール社)(原題『An Ilustrated History of Ghosts』)がある。また、イギリス国立メディア博物館、ガナーズベリー・パーク博物館などでも彼のイラストが使われている。アズボーン、エコノミスト、スクリベリア、デロイトなど企業との仕事も多く、ダイレクトで分かりやすく情報を伝えるために、遊び心に溢れた作品を提供している。 ナカイサヤカ (訳) 翻訳家、ライター。ASIOS(超常現象の懐疑的調査のための会)運営委員。絵本翻訳者として出版翻訳をスタート。主な訳書に「『探し絵ツアー』シリーズ」(文渓堂)、『代替医療の光と闇』、『反ワクチン運動の真実』、『さらば健康食神話』(地人書館)、『イラストで見る UFOの歴史』、『イラストで見る ゴーストの歴史』(マール社)。共著『科学リテラシーを磨くための7つの話』(あけび書房)。『超能力事件クロニクル』(彩図社)など、ASIOS名義の本にもライターとして参加している。
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なぜ人は自分を責めてしまうのか | 信田 さよ子
¥968
筑摩書房 2025年 ちくま新書 ソフトカバー 224ページ 文庫判 - 内容紹介 - 自責感とうまくつきあう。 当事者の言葉を辞書として、私たちを苦しめるものの正体に迫る。公開講座をもとにした、もっともやさしい信田さよ子の本。 - 目次 - まえがき 第1章 母はまだ重い 1 「母と娘」の時代の幕開け 精神分析のなかの女/フェミニスト・カウンセリング/アダルト・チルドレン/被害という概念の広がり/『母が重くてたまらない』へ 2 母と娘のいま 母娘問題のはじまり/毒母、毒親という言葉/母の老い/自分の限界は甘く見積もる/亡くなった親 3 母を俯瞰する 定義にこめたもの/母親の三大原因説/謝罪になっていない謝罪/母と娘は和解できない 4 グループの力 解釈を一切しない/母親研究/言いっぱなし・聞きっぱなし/生育歴が母親研究になる/母を俯瞰する/不均衡な力関係の表れ方/母が怖くなくなるような状態を目指す 第2章 共依存を読みとく 1 共依存とシステム家族論 当事者の言葉/アルコール依存症の治療現場から/システム家族論の登場/システム家族論の影響 2 支配としての共依存 共依存の発展/従来の共依存理解の限界/依存ではなく支配/「あなたのために」が不幸のはじまり/言葉が現実をつくる/母の愛のいかがわしさ/被害者権力/パターナリズム 3 母と娘の共依存 母のケアが力を奪う/あなたがいないと生きていけない/女性と共依存/共依存的な人にどう対処するか/共依存的になってしまうとき/被害者は無力化されているのではない/権力は状況の定義権/支配の根幹 4 複雑化したトラウマ 苦しみと鈍感さ/ありふれている共依存/支配性を自覚する 第3章 母への罪悪感と自責感 1 近代と母性愛 母と娘に関する3冊/罪悪感の正体/つくられた家族像/母性愛のふたつの柱 2 母のミソジニー 精神分析にとって女とは何か/阿闍世コンプレックス/受け継がれる母性信仰/ミソジニー 3 母性愛と罪悪感・自責感 反出生主義/虐待の影響としての自責感/母性愛なんてものはない 4 第三者の介入 最良の第三者は、父であるべき/キーワードの整理 第4章 逆算の育児 1 子どもとは何か アルコール依存症とフェミニズムの合流/年代のはじめの孤立/ACの親のように、じゃない育児/子どもという存在 2 親の言葉による支配 親の暴言/自立という言葉/人に迷惑をかけずに生きることはできない/家族と差別/加害と被害をひっくり返す/普遍的な価値を利用する支配 3 幸せでいる義務 抑圧移譲/強迫的なケア/子どもの前では幸せでいる義務がある/閉ざされた家族/幸せなふりをする 4 とりかえしはつく 子どもの恐怖/子ども以外の存在から支えられること/子どもが許せない気持ち/とりかえしがつかないことはない 第5章 なぜ人は自分を責めてしまうのか 1 自責感と規範の関係 規範を取り込む/規範の一貫性 2 「すべて自分が悪い」という合理性 感情を抱けない/子どもの文脈/たったひとつの合理性 3 根源的受動性 子どもは責任ゼロで生まれてくる/孤独感は高級な感覚/虐待の罪 4 自責感のあらわれ 自傷はサバイバル/アディクション/接触障害/性的な問題/反転する自責感/家族と正義/あなたは悪くない 5 これからの旅へ グループの意味/ヴィクティム・ジャーニー あとがき 索引 - 著者プロフィール - 信田 さよ子 (ノブタ サヨコ) (本文) 1946年、岐阜県生まれ。公認心理師・臨床心理士。原宿カウンセリングセンター顧問。お茶の水女子大学哲学科卒、同大学院修士課程児童学専攻修了。著作に『母が重くてたまらない』『家族と国家は共謀する』『暴力とアディクション』など多数。
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沖縄戦記 鉄の暴風 | 沖縄タイムス社
¥1,760
筑摩書房 2024年 ちくま学芸文庫 ソフトカバー 528ページ 文庫判 - 内容紹介 - 第二次大戦末期二〇万人もの命が奪われた沖縄戦。本書はその惨状を従軍記者が克明に綴った記録だ。現代史第一級の史料を初文庫化。解説 石原昌家 === 第二次世界大戦における最激戦地の一つ沖縄。軍民合わせ20万人もの尊い命が犠牲となった。本書のタイトルの「鉄の暴風」とは、1945年3月26日から3カ月間にわたり途絶えることなく続いた艦砲射撃や空爆のすさまじさを表現した言葉だ。1950年の初版刊行以降、沖縄戦を象徴する言葉として定着した。地形が変わるまで打ち込まれた砲爆弾、壕に逃げ込んだ住民を炙り出す執拗な火炎放射、そして民間人にまで及んだ自死の強制。本書は行動を軍とともにした記者たちが自らも体験したその壮絶な戦場の実態を、生存者をたずね克明に記録したもの。現代史第一級の史料を初文庫化。 === 二度と戦争をしない・させないために生存者たちが語った真実を記録する 日本人必読の書 - 目次 - ちくま学芸文庫版『鉄の暴風』まえがき 重版に際して まえがき ひめゆり塔の歌 第一章 嵐の前夜 一、揺らぐ常夏の島 二、十・十空襲 三、死の道連れ 四、逃避者 第二章 悲劇の離島 一、集団自決 二、運命の刳舟 第三章 中・南部戦線 一、米軍上陸 二、北・中飛行場の潰滅 三、神山島斬込み 四、軍司令部の壕 五、南へ南へ 六、鉄火地獄 七、伊敷・轟の壕 八、月下の投降 九、防召兵の話 十、牛島・長の最期 十一、出て来い 第四章 姫百合之塔 一、女学生従軍 二、南風原陸軍病院 三、泥濘の道 第五章 死の彷徨 一、第三外科の最期 二、運命甘受 三、女学生の手記 四、草生す屍 五、壕の精 六、平和への希求(姫百合之塔由来記) 第六章 北山の悲風 一、北へ北へ 二、山岳戦 三、真部・八重潰ゆ 四、国頭分院の最期 五、さ迷う兵隊 六、護郷隊 七、敗残 八、武士道よさらば 第七章 住民の手記――板良敷朝基記 一、山 二、飢餓 附録 戦闘経過概要 沖縄戦日誌 日米損害比較 沖縄戦線要図 第1図 沖縄全島図 第2図 南部戦線(慶良間列島を含む) 第3図 中部戦線 第4図 北部戦線 あとがき 二十年後のあとがき 三十年後のあとがき 五十年後のあとがき 解説 新聞人が遺した警鐘を、いま再び打ち鳴らす――戦後八〇年を目前に(石原昌家) - 著者プロフィール - 沖縄タイムス社 (オキナワタイムスシャ) (編著) :沖縄本島で地上戦開始後も首里城地下の壕で発行を続けていた「沖縄新報」元社員らが立ち上げた新聞社。創刊は1948年7月1日。米軍政下で抑圧された日々から日本復帰を経て今日に至るまで、沖縄に軸足を置いた報道・論説、文化の継承・創造活動を続けている。
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戦争と漫画 戦地の物語 | 山田 英生
¥1,034
筑摩書房 2025年 ちくま文庫 ソフトカバー 384ページ 文庫判 - 内容紹介 - 激戦地での死の行軍、軍隊の暴力や不条理、戦地の女性たちの苦難、ラーゲリの日々……巨匠から新進気鋭の作家まで、漫画家はどのように戦争を描いたのか? 戦地の兵士や女性、子どもたちの物語を収録した精選アンソロジー。【収録作家】武田一義/滝田ゆう(原作:野間宏)/水木しげる/わちさんぺい/山田参助/楳図かずお/石坂啓/今日マチ子/比嘉慂/村上もとか/河井克夫(原作:辺見じゅん)/ちばてつや 巻末エッセイ 吉田裕 カバーイラスト 比嘉慂「砂の落日」より/カバーデザイン 重実生哉 - 目次 - Ⅰ 武田一義『ペリリュー―楽園のゲルニカ―』(抄) 野間宏・原作 滝田ゆう・画「真空地帯」 水木しげる『カランコロン漂泊記』より「人間玉」「従軍慰安婦」 わちさんぺい「荒鷲ゴンちゃん」 Ⅱ 山田参助『あれよ星屑』(抄) 楳図かずお「死者の行進」 石坂啓「突撃一番」 今日マチ子『cocoon』(抄) 比嘉慂「砂の落日」 Ⅲ 村上もとか『フイチン再見!』(抄) 辺見じゅん・原作 河井克夫・画『ラーゲリ〈収容所から来た遺書〉』(抄) ちばてつや 「屋根うらの絵本かき」 編者解題 巻末エッセイ こんな戦争漫画を読んでいた――私の少年時代 吉田裕 - 著者プロフィール - 山田 英生 (ヤマダ ヒデオ) (編) 1968年生まれ。「内外タイムス」「アサヒ芸能」記者などを経て、書籍・コミックの企画編集、雑誌記事の取材執筆に携わる。編書に『原水爆漫画コレクション』全4巻、『ビブリオ漫画文庫』『貧乏まんが』『老境まんが』『温泉まんが』『書痴まんが』『孤独まんが』『余生まんが』『現代マンガ選集 悪の愉しみ』『つげ義春賛江』などがある。また、共著書に『「暴力団壊滅」論』(「やくざコミック規制」などを分担執筆)がある。
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生き延びるための女性史 遊廓に響く〈声〉をたどって | 山家 悠平
¥2,640
青土社 2023年 ソフトカバー 256ぺージ 四六判 - 内容紹介 - 無数の〈声〉を聞き取り、書き残す、女性史がひらくフェミニズムのかたち かつて遊廓を生きた女性たちが書いた日記や小説は、時の隔たりをこえて、ふたたび現在に響き始める――。悲しみ、怒り、苦しむ人びとを、たったひとりにさせないために、人びとの歴史の〈声〉を記憶し、描き出す。歴史家であり小説家である著者が描き出す、フェミニズムの思想と実践。
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アイスランド 海の女の人類学 | マーガレット・ウィルソン, 向井和美(訳)
¥3,520
青土社 2022年 ソフトカバー 382ぺージ 四六判 - 内容紹介 - 忘れられた女性たちの足跡をたどって 小さな島国に足を踏み入れた人類学者が見つけたのは、1700年代に活躍していた女性船長の記録だった。他にももっと海に出ていた女性がいたのではないかと現地の人に尋ねると多くの人は「いない」と答える。手漕ぎボートの時代から現代まで、丁寧に史料をひもとき、話を聞き、海に出ていた女性たちの声をすくいあげる。 ジェンダー平等先進国であり、漁業が盛んなアイスランドのもうひとつの姿を描き出す、こころ揺さぶるエスノグラフィー。
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残されたものたちの戦後日本表現史 | 山本 昭宏
¥2,420
青土社 2023年 ソフトカバー 288ぺージ 四六判 - 内容紹介 - 水木しげる、中沢啓治、高畑勲から、こうの史代まで。 戦地から引き揚げたもの、空襲を生きのびたもの、被爆者として生きるもの……。戦争で生き残った表現者たちは個別の方法でそれぞれの経験の物語を作り上げてきた。かれらが描いた戦争・戦後とはいかなるものか。そして、これからの世代はどのように語り残していくべきか。これから先もずっと読まれ、観られ続けるべき作家、作品たちを精緻に読み解く。
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考古学の大発見をめぐる八つの冒険 | マイケル・スコット, 府川由美恵(訳)
¥3,520
青土社 2025年 ソフトカバー 320ぺージ 四六判 - 内容紹介 - 地図にない道を行け! 雲間に浮かぶ古代都市、世界最古の沈没船、砂漠のなかの巨大石窟、氷にとざされた王女のミイラ――その遺物は、いかにして現代に姿を現し、「大発見」として認められるようになったのか? 政治的な思惑に翻弄され、技術的な限界に直面しつつも、あくなき探究心で時代を切り拓いてきた考古学者たちの知られざる物語。
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いつの日かガザが私たちを打ち負かすだろう 早尾貴紀対談 | 早尾貴紀, 小田切拓, 金城美幸, 林裕哲, 松下新土, 山本浩貴, 藤田進, 米川正子
¥3,080
青土社 2025年 ソフトカバー 200ぺージ 四六判 - 内容紹介 - 〈ガザ〉に断罪される世界 パレスチナではいまなお多くの人たちが傷つき、そして、先鋭化を増すアメリカをはじめとした世界の暴力的な構造の中心に、ガザがある。この現実を前に、私たち自身にあらためて真剣に問うべきこととは何か。歴史、文化、社会、政治といったさまざまな視点による6つの対話
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火葬と土葬 日本人の死生観 | 岩田 重則
¥3,080
青土社 2025年 ソフトカバー 300ぺージ 四六判 - 内容紹介 - 墓を見れば、人びとの姿が見えてくる 死者を誰が弔うのか。亡骸をどのように、どこに埋葬するのか。そして、墓はいつからいまのようになったのか――。あらゆる土地の墓をめぐり、死と向き合ってきた人びとの実像を、文化や歴史のなかからすくいとり、その礎に横たわる死生観の核心に迫る力作。
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無目的 行き当たりばったりの思想 | トム・ルッツ, 田畑暁生(訳)
¥2,420
青土社 2023年 ソフトカバー 200ぺージ 四六判 - 内容紹介 - 世界の見方を広げるための九つの科学講義 「「科学的」とはどういうことか」という問いかけから、松尾芭蕉が天の河の美しさを詠んだ俳句の考察まで。わたしたちの生きる世界にある大小さまざまな事柄を科学の視点から捉え直す。
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僕たちは言葉について何も知らない 孤独、誤解、もどかしさの言語学 | 小野純一(著)
¥1,980
SOLD OUT
ニューズピックス 2025年 ソフトカバー 272ぺージ 四六判 - 内容紹介 - 國分功一郎氏、千葉雅也氏推薦! 最注目の言語哲学者、一般書デビュー。 “人間は言葉を操る魔法使いである。その恐ろしさと可能性。 我々はまだ「言葉が何をなし得るか?」を知らずにいる。” --國分功一郎・哲学者・『暇と退屈の倫理学』著者) “言葉を使うのは難しい。なぜなら、言葉には、人を動かし、現実を変えてしまう不思議な力があるからだ。 本書は、「言葉の力」とは何かを、 哲学的な視点から丁寧に説明してくれる。” --千葉雅也(哲学者、『勉強の哲学』著者) 言葉は人の心を救いもすれば、 生涯消えることのない傷を負わせることもできるものです。 誰もが言葉の持ち主なのに、どうにもうまく使いこなせない。 言葉とはいったい何なのでしょう。(「はじめに」より) 【目次】 第1章 人間の言葉は魔術だ 第2章 「言語化」の手前 第3章 あいまいさが生む言葉の本質 第4章 空気・皮肉・げんかつぎの言語学 第5章 聞き手をコントロールするコミュニケーション 第6章 誤解のメカニズム 第7章 文化の尊重と、個人の尊重 第8章 自分らしさの言語学 最終章 「月がきれいですね」が「あなたが好き」になるとき なぜ「言語化」に長けた僕たちは、これほど孤独なのか。 【目次詳細】 <第1部 理論編:言葉の本質> 第1章 人間の言葉は魔術だ ・言葉には知られた顔と知られていない顔がある ・ミツバチは悩まずダンスする ・言葉の役割① 物語を生み出す力(イメージ喚起力) ・言葉の役割② 言葉は感情に働きかける ・言葉の役割③ 名づけが〈もの〉を生み出す 第2章 「言語化」の手前にあるもの ・論理のおおもとに心理がある ・知的な大人は「こども」みたいだ 第3章 あいまいさが生む言葉の本質 ・言葉の黄身と言葉の白身 ・概念の変化:愛には、憎しみと区別のつかない瞬間がある ・私たちは言葉の意味の真相をまだ知らない 第4章 空気・皮肉・げんかつぎの言語学 ・言葉のまわりにゆるやかに存在する「心」に気づく ・「場の空気」は言葉の中に ・文字通りでない、ハイコンテクストの文化 ・推し・ルーティン・げんかつぎ ・傷つきたくないからセンシティブにはなれません <第2部 応用編①:嘘、誤解、もどかしさ> 第5章 聞き手をコントロールするコミュニケーション ・想起する言葉をコントロールすること ・なぜ「優しい嘘」は許され、「誤解させたなら謝ります」はモヤるのか 第6章 誤解のメカニズム ・意味が伝わらないとき、何が起きているのか ・意味が伝わるとき、何が起きているのか ・「あなたの気持ちがよくわかる」の誤解 <第3部 応用編②:生きるに値する孤独な世界> 第7章 文化の尊重は、個人の尊重 ・なぜ個性のない言葉が「個性」を生むのか ・身体の言葉につもる文化 第8章 自分らしさの言語学 ・本来の自分を言語化するには、「述語」に注目せよ ・人生の意味づけは「述語」が変える ・一般化とかけがえのなさ ・そもそも「みんな」にあなたは含まれていない 最終章 「月がきれいですね」が「あなたが好き」になるとき ・孤独感の正体 ・孤独(Solitude)の先に孤独感(Loneliness)の解消がある ・言葉を大切にする人が幸せをつかむ - 著者プロフィール - 小野純一 (オノジュンイチ) (著) 1975年、群馬県生まれ。 自治医科大学医学部総合教育部門哲学研究室准教授。専門は哲学・思想史。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。ベルギー・ゲント大学文学部アジア学科研究員、東洋大学国際哲学研究センター客員研究員などを経て現職。 著作に『井筒俊彦――世界と対話する哲学』(慶應義塾大学出版会、2023年)などがある。訳書にジェニファー・M・ソール『言葉はいかに人を欺くか』(慶應義塾大学出版会、2021年)、井筒俊彦『言語と呪術』(安藤礼二監訳、慶應義塾大学出版会、2018年)。 本書が初の一般向け著作となる。
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小名浜ピープルズ | 小松 理虔
¥2,530
里山社 2025年 ソフトカバー 168ぺージ 四六判 縦188mm 横127mm 厚さ18mm - 内容紹介 - 「他者(矛盾)を自分の中に招き入れ住まわせて、儀礼抜きに、迂路を介さず、問い問われ、問い直し、倫理を探し求めている」 ― 柳 美里( 小説家) 「〈中途半端〉の一語に自分の靄(かすみ)が晴れ、見知らぬ人々の顔がくっきりと見えてくる」 ― 三宅 唱( 映画監督) 東日本大震災と原発事故から10年。魅力的な地元の人々と話し、綴った、災間を生きるすべての人へ捧ぐ渾身の初のエッセイ 東北にも関東にも、東北随一の漁業の町にも観光地にもなりきれない。東日本大震災と原発事故後、傷ついたまちで放射能に恐怖し、風評被害は受けたが直接的被害は少なかった、福島県いわき市小名浜。著者は、この地で生まれ育ち〈中途半端〉さに悶えながら地域活動をしてきた。当事者とは、復興とは、原発とは、ふるさととは――10年を経た「震災後」を、地元の人々はどう捉え暮らしてきたのか。魅力的な市井の人々の話を聞き、綴った、災害が絶えない世界に光を灯す、渾身の人物エッセイ。 - 目次 - 「震災10年」と名物女将が守るチーナン食堂/処理水放出と海辺のまちの生業/老舗温泉旅館に生まれた原子力災害考証館/楢葉ルーツの解体業者がつくる未完の映画館/若き作家と響き合う常磐炭鉱の念/「被災地」であり、「被災地」でなかった双葉高校で/復興工事の現場から手繰り寄せる線/「そこにいく」から始まることーアシスタントの〈イチエフ〉視察記/流転する記者と重ね合う〈ふるさと〉/博覧強記の先輩と見渡す、複数ある世界/我が子と語り合う、10万年後のこと - 著者プロフィール - 小松 理虔 (コマツ リケン) (著) 1979 年福島県いわき市小名浜まれ。法政大学文学部卒業後、福島テレビ報道部記者、かまぼこメーカー広報などを経て2015年独立。小名浜でオルタナティブスペース「UDOK.」を主宰しつつ様々な分野の企画や地域のプロジェクトに携わる。18年『新復興論』(ゲンロン)で大佛次郎賞受賞。著書に『地方を生きる』(ちくまプリマー新書)、『新地方論』(光文社新書)、『新復興論 増補版』(ゲンロン)。共著に『ただ、そこにいる人たち』(現代書館)、『常磐線中心主義 ジョーバンセントリズム)(河出書房新社)、『ローカルメディアの仕事術』(学芸出版社)。
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元気のないおさむのにげにげ日記 うつ病クィアのみている日常 | 元気のないおさむ
¥1,870
花伝社 2024年 ソフトカバー 168ぺージ 四六判 - 内容紹介 - 「社会にはびこる不寛容、不正義、ままならなさ。それらをつぶさに反映し、生きる身体の記録」--少年アヤ推薦! 「精神障害」の「性的マイノリティ/クィア」に立ちはだかる日常の壁。トラウマ、パートナーとの関係、そして就労・社会保障……。ぐったり寝ながら、逃げながら、「生活」と「社会」改善をめざしてつづられた、真剣で、たまに笑える日々の記録。 性的マイノリティ・メンタルヘルスの問題から社会をみるコミックエッセイ&インタビュー - 目次 - まえがき 第1部 元気がない、生産性もない 第2部 精神障害と就労 第3部 寝たきりからの回復 あとがき - 著者プロフィール - 元気のないおさむ (ゲンキノナイオサム) (文・絵) 1995年九州生まれ。小学4年生で不登校になり、6年間を自室で過ごす。定時制高校に進学し、ゲイであることをカミングアウト。大学では教授からセクハラを受け、就職先ではパワハラを受けるというハラハラの人生。うつ病とパニック障害の治療中。
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クリエイティブであれ 新しい文化産業とジェンダー | アンジェラ・マクロビ―, 田中 東子(監訳), 中條 千晴(訳), 竹﨑 一真(訳), 中村 香住(訳)
¥2,420
花伝社 2023年 ソフトカバー 352ぺージ 四六判 縦188mm 横128mm 厚さ21mm - 内容紹介 - 「クリエイティブであれ(ビー・クリエイティブ)」という呪縛が生み出す、 現代の“終わりなき労働”とその構造── 「自由」や「自己実現」と巧みに結びついて若者を魅了するクリエイティブな世界。劣悪な労働環境を甘受し、マルチタスク化に対応する「新しいミドルクラスの女性」は、いかにして作り出されるのか? クリエイティブ経済の絶頂期を、フェミニズムの視座から批判的に捉える。 - 目次 - 序章 教育を通じた出会いとクリエイティブな経済 第1章 「クラブ」から「企業」へ 第2章 クリエイティブ労働のポリティクスを紐解く 第3章 人的資本としての芸術家 第4章 ポストフォーディズムのジェンダー 第5章 ファッション・マター・ベルリン 第6章 やりたい仕事を成功させる? 結論 ヨーロッパの展望 - 著者プロフィール - アンジェラ・マクロビ― (アンジェラマクロビー) (著) ロンドン大学ゴールドスミス校名誉教授。ブリティッシュ・カルチュラル・スタディーズを代表する研究者の一人であり、ポピュラー文化とフェミニズム理論、メディアとコミュニケーションにかんする研究を専門とする。著書多数。邦訳書として、『フェミニズムとレジリエンスの政治――ジェンダー、メディア、そして福祉の終焉』青土社、2022年(原題:Feminism and the Politics of Resilience: Essays on Gender, Media and the End of Welfare)。 田中 東子 (タナカトウコ) (監訳) 1972 年神奈川県生まれ。東京大学大学院情報学環教授。専門はメディア文化論、フェミニズム、カルチュラルスタディーズ。 著書に『メディア文化とジェンダーの政治学──第三波フェミニズムの視点から』(世界思想社、2012 年)、『出来事から学ぶカルチュラル・スタディーズ』(共編著、ナカニシヤ出版、2017 年)、『私たちの「戦う姫、働く少女」』(共著、堀之内出版、2019 年)、『ガールズ・メディア・スタディーズ』(編著、北樹出版、2021 年)。翻訳に『ユニオンジャックに黒はない──人種と国民をめぐる文化政治』(ポール・ギルロイ著、共訳、月曜社、2017 年)、『フェミニズムとレジリエンスの政治──ジェンダー、メディア、そして福祉の終焉』(アンジェラ・マクロビー著、共訳、青土社、2022 年)など。 中條 千晴 (チュウジョウチハル) (訳) 1985 年大阪府生まれ。フランス国立東洋言語文化学院(INALCO)言語専任講師。専門はポピュラー音楽とジェンダー、社会運動。 著書に『Mémoire sonore du Japon, le disque, la musique et la langue』( 共著、Presse del‘Université d’Orléans、2021 年)、『Engendering Transnational Transgressions: From the Intimate to the Global』(共著、Routledge、2020 年)、『ガールズ・メディア・スタディーズ』(共著、北樹出版、2021 年)。翻訳に『博論日記』(花伝社、2020 年)。 竹﨑 一真 (タケザキカズマ) (訳) 1989 年兵庫県生まれ。明治大学情報コミュニケーション学部特任講師。専門はスポーツ社会学、身体とジェンダーのカルチュラルスタディーズ。 著書に『ボディ・スタディーズ──性、人種、階級、エイジング、健康/ 病の身体学への招待』(共著、晃洋書房、2017 年)、『日本代表論──スポーツのグローバル化とナショナルな身体』(共著、せりか書房、2020 年)、『ポストヒューマン・スタディーズへの招待』(共著、堀之内出版、2022 年)。 中村 香住 (ナカムラカスミ) (訳) 1991 年神奈川県生まれ。慶應義塾大学文学部・慶應義塾大学大学院社会学研究科非常勤講師。専門はジェンダー・セクシュアリティの社会学。 著書に『私たちの「働く姫、戦う少女」』(共著、堀之内出版、2019 年)、『ふれる社会学』(共著、北樹出版、2019 年)、『「百合映画」完全ガイド』(共著、星海社、2020 年)、『ガールズ・メディア・スタディーズ』(共著、北樹出版、2021 年)、『アイドルについて葛藤しながら考えてみた──ジェンダー/パーソナリティ/〈推し〉』(共編著、青弓社、2022 年)など
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産む権利/産まない権利 リプロダクティヴ・ライツの現在 | ジェンダー法政策研究所, 辻村 みよ子, 糠塚 康江, 大山 礼子, 二宮 周平
¥1,980
花伝社 2025年 ソフトカバー 288ぺージ 四六判 - 内容紹介 - 身体と、法・政治の〈いま・ここ〉をひもとく 日本において、「産むこと/産まないこと」をめぐる「性と生殖の自己決定権(リプロダクティブ・ライツ)」は、どう法律・政治過程と関わり合ってきたのか――リプロダクティブ・ライツを否認する条項の存在、避妊ピルや中絶薬の普及の遅れなどが政治的課題として意識され、生殖補助医療への法的対応も迫られている今、あらためて、「個人的なこと」が「政治的なこと」であるという原点に立ち戻る。 性と生殖の権利の意義と歴史、国内外の制度の理解を通して、〈これから〉を考える 【編者】 ジェンダー法政策研究所(GELEPOC) 辻村みよ子(弁護士・東北大学名誉教授) 糠塚康江(東北大学名誉教授) 大山礼子(駒澤大学名誉教授) 二宮周平(立命館大学名誉教授) 【執筆者】 岩本美砂子(三重大学名誉教授) 林陽子(弁護士・元国連女性差別撤廃委員会委員長) 建石真公子(法政大学名誉教授) 石黒大貴(弁護士) 松原洋子(立命館大学大学院特任教授) 長村さと子(一般社団法人こどまっぷ代表理事) 小竹聡(拓殖大学教授) 齊藤笑美子(GELEPOC フランス支部長 - 目次 - はしがき(辻村みよ子) Ⅰ部 リプロダクティブ・ライツの意義と可能性 企画趣旨(糠塚康江) 1 政治から見る日本のリプロダクティブ・ライツ――優生保護法を巡る政治過程(岩本美砂子) 2 リプロダクティブ・ヘルス・ライツに対する国際人権法からのアプローチ (林陽子) 3 憲法上の権利としてのリプロダクティブ・ライツの保護――「身体」に関する自由と尊厳(建石真公子) Ⅱ部 リプロダクティブ・ライツをめぐる日本のアクチュアルな問題 企画趣旨(二宮周平) 1 母になることを強制されないこと――フランス視察と内密出産/匿名出産(石黒大貴) 2 〈不良な子孫〉の出生防止と人権侵害――優生保護法の歴史から(松原洋子) 3 妊娠/出産を望む未婚女性たちと日本の現状(長村さと子) Ⅲ リプロダクティブ・ライツと国際情勢 1 Dobbs判決の舞台裏(小竹聡) 2 「中絶の自由」が憲法に書き込まれた日――2024年国際女性の日(齊藤笑美子) あとがき(大山礼子)
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だから、日本の政治はつまらない フランスとの比較でみる日本政治の構造的欠陥 | グットマン ティエリー, グットマン 佳子
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花伝社 2025年 ソフトカバー 248ぺージ 四六判 - 内容紹介 - 世にも奇妙な謎ルール「公職選挙法」が、日本の政治をこんなにもダメにしていた! ・究極の“べからず法”がつくった細かすぎて曖昧な選挙のルール ・現職と有名人に圧倒的有利な、たった2週間の選挙期間 ・世界一高く、それどころか存在自体が意味のない供託金制度 ・従順な国民性は美徳か、それとも足枷か? ・こうすれば、職業政治家は消え、本当に有能な政治家だけが残る フランスを参考にした超実践的提言で、日本の政治をもっと身近に、もっと面白く! - 目次 - 第1章 数字で見る民主主義 ──日本人は欧米人よりも政治に関心が無いのか 第2章 公職選挙法がもたらす「観客民主主義」 ──一般国民の立候補に対する様々な障害 第3章 なぜ、政治に関心を持てないのか ──日本の政治があまり魅力的でない理由 第4章 日本の政治をもっと身近で興味深いモノにするためには ──制度改革と新文化構築の必要性 - 著者プロフィール - グットマン ティエリー (グットマンティエリー) (著) 1970 年フランス生まれ。フランスAix-en-Provence 政治学院卒業。1995 年来日。政治学博士(Aix-Marseille 大学/中央大学大学院)。2001 年以降三重大学勤務。現在、人文学部教授。専門は現代日本政治。 著書は『Nippon Kaigi (Political Nationalism in Contemporary Japan)』(Routledge, 2024)等。 グットマン 佳子 (グットマンヨシコ) (著) 1972 年広島県生まれ。中央大学法学部卒業。同大学院法学研究科博士課程修了。2008 年、2016 年、子供2人を現地公立学校に通わせながらフランスに2年間滞在。