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[決定版]ナチスのキッチン 「食べること」の環境史 | 藤原 辰史
¥2,970
共和国 2016年 ソフトカバー 480ページ 菊変形判 縦188mm 横150mm 厚さ31mm - 内容紹介 - 国民社会主義(ナチス)による支配体制下で、人間と食をめぐる関係には何が生じたのか? この強烈なモティーフのもと、竃(かまど)からシステムキッチンへ、近代化の過程で変容する、家事労働、レシピ、エネルギーなどから、「台所」という空間のファシズムをつぶさに検証し、従来のナチス研究に新たな一歩を刻んだ画期的な成果。第1回(2013年度)河合隼雄学芸賞を受賞した、著者の代表作。 - 目次 - 序章 台所の環境思想史 1、歴史の基層としての台所 2、テイラー・システムとナチズム 3、台所の変革者たち 4、 台所をどうとらえるか──定義とアングル 第1章 台所空間の「工場」化──建築課題としての台所 1、ドイツ台所小史──「煙と煤」から「ガスと電気」へ 2、ドイツ台所外史──「キッチンの集団化」という傍流 3、第一次世界大戦の衝撃──集団給食の登場 4、フランクフルト・キッチン──「赤いウィーン」から来た女性建築家 5、考えるキッチン──エルナ・マイヤーの挑戦 6、ナチス・キッチン? 7、労働者、約一名の「工場」 第2章 調理道具のテクノロジー化──市場としての台所 1、電化される家族愛──快適、清潔、衛生的 2、台所道具の進歩の背景 3、ニュアル化する台所仕事──人間から道具へ 4、市場化する家事──消費者センター「ハイバウディ」の歴史 5、報酬なきテイラー主義の果てに 第3章 家政学の挑戦 1、家政学とは何か 2、家政学の根本問題──『家政年報』創刊号 3、家政学の可能性と限界──『家政年報』1928―1932 4、家政学のナチ化──『家政年報』1933―1935 5、家政学の戦時体制化──『家政年報』1939―1944 6、家政学が台所に与えた影響 第4章 レシピの思想史 1、ドイツ・レシピ小史 2、読み継がれる料理本──食の嗜好の変化のなかで 3、企業のレシピ──ナチズムへの道 4、栄養素に還元される料理 第5章 台所のナチ化──テイラー主義の果てに 1、台所からみたナチズム 2、「第二の性」の戦場 3、「主婦のヒエラルキー」の形成──母親学校、更生施設、そして占領地へ 4、無駄なくせ闘争 5、残飯で豚を育てる──食糧生産援助事業 6、食の公共化の帰結 終章 来たるべき台所のために 1、労働空間、生態空間、信仰の場 2、台所の改革者たちとナチズム 3、ナチスのキッチンを超えて 註 参考文献 「食べること」の救出に向けて──あとがきにかえて 針のむしろの記──新版のあとがきにかえて --------- 付録1 ベストセラーの料理本 付録2 ダヴィディス著『日常的かつ洗練された料理のための実用的料理本』の版別レシピ構成 付録3 ハーン著『市民の台所のための実用的料理本』の版別レシピ構成 人名索引 477 - 版元から一言 - 本書は、2012年に刊行された、藤原辰史『ナチスのキッチン:「食べること」の環境史』(水声社)の増補リマスター版です。 今回、共和国から再リリースするにあたって、デザインや本文レイアウトを一新。旧版にみられた誤字や脱字、一部の表記を修正し、旧版刊行後にさまざまなメディアに掲載された本書への批評に著者みずからが応えた「針のむしろの記」(20頁)を追加。本体価格も4000円 → 2700円とお求めやすくなりました。 日本があらたなファシズムへと進みつつある歴史と現在を、日常生活からあらためて問い直してみたいと考えているみなさんにおすすめします。 - 著者プロフィール - 藤原 辰史 (フジハラ タツシ) (著) 1976年、北海道に生まれ、島根県で育つ。京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程中途退学。博士(人間・環境学)。京都大学人文科学研究所准教授。専攻は、食の思想史、農業史。 著書に、『食べること考えること』(共和国、2014)、『稲の大東亜共栄圏』(吉川弘文館、2012)、『カブラの冬』(人文書院、2011)、『ナチス・ドイツの有機農業』(柏書房、2005。新装版、2012。第一回日本ドイツ学会奨励賞)、『第一次世界大戦を考える』(編著、共和国、2016)、『第一次世界大戦』(全四巻、共編著、岩波書店、2014)、 『大東亜共栄圏の文化建設』(共著、人文書院、2007)、『食の共同体』(共著、ナカニシヤ出版、2008)など、共訳書に、フランク・ユーケッター『ドイツ環境史』(昭和堂、2014)、エルンスト・ブロッホ『ナチズム』(水声社、2008)がある。
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「九月」を生きた人びと 朝鮮人虐殺の「百年」 | 加藤 直樹
¥1,980
ころから 2025年 ソフトカバー 202ページ A5変形 - 内容紹介 - 関東大震災時の朝鮮人虐殺の関連書『九月、東京の路上で』『TRICK 「朝鮮人虐殺」をなかったことにしたい人たち』(ともに、ころから)で知られる、加藤直樹さんの新著。 1923年の大震災発生前の東アジア状況から虐殺事件50周年に建立された追悼碑のいきさつ、そしてヘイトデモの勃興と抵抗まで、広い意味での「九月」を生きる人びとを点描する一冊。 - 目次 - はじめに 過ぎ去らない「百年」 セクション1 朝鮮人虐殺の「百年」 朝鮮人虐殺と「杉並」の百年 追悼するということ セクション2 「九月」を生きた人びと パルチザンの幻影 "JAPANESE ONLY"と姜大興さんの墓 義烈団・金祉燮が差し出した手 映画『金子文子と朴烈』が描く虚実の妙 「自由な街」で育って― 私の大久保 大久保― レイシスト集団を包囲する人々 中国人虐殺を生き延びた青年 セクション3 「嫌韓」と虐殺否定論に抗して 「嫌韓」の歴史的起源を探る ラムザイヤー教授の「朝鮮人虐殺」論文を読む おわりに 「私たち」の百年を記憶する - 前書きなど - 当時の東京には、デパートや映画館があった。 すし詰めの路面電車に揺られて通勤するサラリーマンたちもいた。 彼らは「週刊朝日」「サンデー毎日」などの週刊誌や新聞を読んでいた。夕方に家路につけば、家々には電気の明かりがともっていたーー 朝鮮人虐殺は、そんな私たちとさして違わない暮らしのなかで行われた。 そして、そのトラウマを生きた人びとの記憶が消え去るには、百年は短すぎる。(本書「はじめに」より) - 著者プロフィール - 加藤 直樹 (カトウ ナオキ) (著) 1967年東京都生まれ。フリーランスのライター、エディター。著書に『九月、東京の路上で 1923関東大震災ジェノサイドの残響』(ころから)、『TRICK 「朝鮮人虐殺」をなかったことにしたい人たち』(ころから)、『謀叛の児 宮崎滔天の「世界革命」』(河出書房新社)、『ウクライナ侵略を考える』(あけび書房)など。訳書に『沸点 ソウル・オン・ザ・ストリート』(チェ・ギュソク作、ころから)がある。
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話が通じない相手と話をする方法 哲学者が教える不可能を可能にする対話術 | ピーター・ボゴジアン, ジェームズ・リンゼイ, 藤井翔太(監訳), 遠藤進平(訳)
¥2,640
晶文社 2024年 ソフトカバー 400ページ 四六判 - 内容紹介 - 有意義な対話のためのレベル別・超実践ガイド 分断と二極化の時代、考えが極端に異なる人とも礼節と共感を保って会話・対話をするにはどうしたらよいか? 友人や家族との会話、ビジネスでの交渉、SNSでの議論……よい会話のための入門級の基礎知識から、強硬派・過激派に対処するための達人級のテクニックまで、すべてを網羅した実践的マニュアル。 リチャード・ドーキンス氏推薦 「すべての人がこの本を読めば、世界はもっとよい場所になるだろう」 戸田山和久氏推薦 「著者たちの思想も行動も気に入らない。なのに、本書には学ぶべき価値あることがギッシリつまっている。というわけで、私は、極端に考えが違う人たちから「根本的に異なった考えをもつ人と語り合うスキル」を教えてもらったのだ。稀有な読書体験を与えてくれた本書に感謝。分断のあっち側にいる人もこっち側にいる人もぜひ読みましょう」 - 目次 - 第1章 会話が不可能に思えるとき 第2章 入門:よい会話のための9つの基礎 ──通りすがりの他人から囚人まで、誰とでも会話する方法 第3章 初級:人の考えを変えるための9つの方法 ──人の認知に介入する方法 第4章 中級:介入スキルを向上させる7つの方法 ──(自分を含む)人の考えを変えるための効果的スキル 第5章 上級:揉める会話のための5つのスキル ──会話の習慣の見直し方 第6章 超上級:心を閉ざした人と対話するための6つのスキル ──会話のバリアを突破すること 第7章 達人:イデオローグと会話するための2つの鍵 ──動かざる人を動かす 第8章 結論 - 著者プロフィール - ピーター・ボゴジアン (ピーターボゴジアン) (著) 1966年生まれ。アメリカ合衆国出身の哲学者。主たる関心は、批判的思考や道徳的推論の教育に関する理論とその実践。ソクラテス式問答法を活用した囚人教育プログラムの研究によってポートランド州立大学から博士号を取得し、2021年まで同大学哲学科で教員を務めた。意見を異にする人びとが 互いの信念や意見の根拠について理性的に話し合うためのテクニックである「路上の認識論」(Street Epistemology)を提唱。著書に、『無神論者養成マニュアル』(A Manual for Creating Atheists , 2013)など。 ジェームズ・リンゼイ (ジェームズリンゼイ) (著) 1979年生まれ。アメリカ合衆国出身の文筆家、批評家。テネシー大学ノックスビル校で数学の博士号を取得。宗教やポストモダン思想の問題を分析・考察する論考を多数発表している。著書に、『「社会正義」はいつも正しい――人種、ジェンダー、アイデンティティにまつわる捏造のすべて』(ヘレン・プラックローズ共著、山形浩生+森本正史訳、早川書房、2022年)など。 藤井翔太 (フジイショウタ) (監訳) 1987年東京都生まれ。東京大学大学院教育学研究科修士課程修了、テンプル大学大学院教育学研究科修士課程修了。関心領域は応用哲学、教育哲学。現在、テンプル大学ジャパンキャンパス アカデミック・アドバイザー/講師。訳書に、ナンシー・スタンリック『アメリカ哲学入門』(勁草書房、2023年)、ドナルド・ロバートソン『認知行動療法の哲学――ストア派と哲学的治療の系譜』(共監訳、金剛出版、2022年)など。 遠藤進平 (エンドウシンペイ) (訳) 三重県津市生まれ、愛知県名古屋市育ち。慶應義塾大学文学部人文社会学科哲学専攻卒、アムステルダム大学論理学修士課程修了(Master of Logic)。現在、シドニー大学博士課程(Philosophy, PhD)。曖昧さや様相といった伝統的な哲学のトピックから、冗談や脅迫、挨拶のようなコミュニケーションの(ときに哲学分野では非標準的なありかたとして放置されがちな)諸相に関心がある。業績など:https://researchmap.jp/shimpei_endo
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「ナガサキ」を生きる 原爆と向き合う人生 | 高瀬 毅
¥2,200
亜紀書房 2025年 ソフトカバー 276ページ 四六判 縦188mm 横130mm 厚さ20mm - 内容紹介 - 《歴史》になったナガサキを《記憶》に引き戻すこと。 それは《新しい戦前》の時代に求められる倫理だ。 ──白井聡(政治学者) ********** 1945年8月9日、6日の広島に続き長崎に原子爆弾が投下された。 その影響は計り知れなく、80年経った今もなお苦しむ人たちがいる。 長崎出身の被爆二世である著者は、1000人以上の被爆者の声を記録したジャーナリスト伊藤明彦の仕事に導かれながら、自らも原爆の取材に邁進してきた。 ──なぜ、神の聖地「ナガサキ」に原爆は落とされたのか? 被爆者や関係者への取材、日米の膨大な資料をとおして〝人類史上最大の悲劇〟の核心に迫っていく。 ********** ●なぜ、投下目標地が小倉から長崎に変更されたのか? ●なぜ、短期間に2発もの原爆が投下されたのか? ●米国はどのような計画で原爆を落としたのか? 【原爆投下のプロセスの解明に挑む本格ノンフィクション】 - 目次 - 第1章 原爆の記録に人生を賭ける 第2章 「長崎小空襲」の謎 第3章 「小倉原爆」 第4章 小倉上空の謎 第5章 長崎上空の謎 第6章 「被爆太郎」の造形とこれから 第7章 原爆正当化論と次の「核使用」 終章 あとがきにかえて - 著者プロフィール - 高瀬 毅 (タカセ ツヨシ) (著) 1955年長崎市生まれ。ノンフィクション作家。戦争、原爆、人物や都市論を主なテーマとする。1978年、明治大学政治経済学部卒業後ニッポン放送入社。報道記者、ディレクターとして活躍。ラジオドキュメンタリー「通り魔の恐怖」で日本民間放送連盟賞最優秀賞。1989年からフリー。テレビ、ラジオでコメンテーター、キャスターなどを務め、雑誌「AERA」では人物ドキュメンタリーを30年近く担当。40人の著名人を描いてきた。2009年、『ナガサキ 消えたもう一つの「原爆ドーム」』で平和・協同ジャーナリスト基金賞奨励賞。現在、YouTubeニュース解説チャンネル「デモクラシータイムス」でキャスター。同チャンネルで政治学者白井聡氏と対論する「ニッポンの正体」を書籍化した『ニッポンの正体』(河出書房新社)のシリーズ第3弾が25年2月に刊行された。同5月には『今里廣記』(長崎文献社)も刊行された。その他著書多数。
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その<男らしさ>はどこからきたの? 広告で読み解く「デキる男」の現在地|小林 美香
¥990
SOLD OUT
朝日新聞出版 2025年 朝日新書 ソフトカバー 280ページ 新書判 - 内容紹介 - 「24時間戦えますか」から「おじさんの詰め合わせ」までスーツ/腹筋/大股/白人の上司/高層ビル/ヒゲ脱毛/能力主義/とりあえずビール/違いがわかる男/命令する本田圭佑/ホモソーシャル/生涯現役……CM・ポスターに刷り込まれた“理想の男性”の虚像を暴く!缶コーヒー広告のスーツ姿と背景の高層ビル、「出世」や「モテ」と結びつけられるヒゲ脱毛、いつも命令口調の本田圭佑……その〈男らしさ〉のイメージはどこからきて、私たちの価値観に影響を及ぼしているのか。栄養ドリンク、ビール、スーツ、メンズ美容、選挙ポスター――街中にあふれる広告から、これまで「なかったこと」にされてきた男性表象の問題点を鮮やかに炙り出す。【目次】序章 「男らしさ」の広告観察第1章 ドリンク広告と働く男 ――栄養ドリンク、コーヒー、ビールの広告史・リポビタンDの車内広告への違和感・「24時間戦えますか」バブル時代の栄養ドリンク広告・働く男の飲み物としてのコーヒー・ビールかけという究極のホモソ儀式・「男は黙ってサッポロビール」が描き出した「男らしさ」・コロナ禍で起きた「男らしさ」表現の変化 ……ほか第2章 スーツとパンツ ――装いが作る身体の価値・オンライン会議が変えた身だしなみの意識・スーツ文化の墓場としての《Cut Suits》・褌(ふんどし)を締めることの精神性・カルバン・クラインと腹筋の商品価値・細マッチョのK?POPスターが示す新しい「男らしさ」・アバクロの栄枯盛衰 ……ほか第3章 自己鍛錬としてのメンズ美容 ――「崇拝」と「推し活」の視線・能力主義と結びつく男性の「ケア」・「大谷翔平崇拝」を分析する・推し活を取り込む美容製品のマーケティング・ジェンダーレス男子か、男の中の男か・男性脱毛広告4つのパターン・本田圭佑に命令されたい男たち ……ほか第4章 「デキる男」を目指すのは何のため? ――能力主義と「報酬」としての女性・「男磨き界隈」を考える・英語圏を支配する男性中心カルチャー「マノスフィア」・「オタ恋」プロモーションへの違和感・クリニック広告とホストクラブ看板の共通点・再生産される「バーキン買うなら豊胸しろ」系広告・性感染症予防ポスターに表れるミソジニー ……ほか第5章 選挙ポスターに見るジェンダー表現 ――「おじさんの詰め合わせ」から脱却するために・「おじさんの詰め合わせ」発言が引き起こしたハレーション・遍在する「男の詰め合わせ」と家父長制政治・日本維新の会が流行らせた「断言口調」と「太ゴシック斜体文字」・SNS時代の選挙ポスター・政治家に求められる「男らしさ/女らしさ」・「(国名)election poster」で画像検索してみたら ……ほか第6章 その「男らしさ」はどこへいくの? ――これからの教育と医療と男性性1 田中めぐみさんに訊く、男子校でのジェンダー平等教育の実践と課題・広告・メディアが中高生に刷り込む能力主義・もっと男性同士の「おしゃべり」が必要だ2 堀川修平さんに訊く、性教育史研究から捉える「男らしさ」・大学で「男性」としてジェンダー講義をするということ・「弱者男性」を
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呪文の言語学 ルーマニアの魔女に耳をすませて|角 悠介
¥2,640
作品社 2025年 ソフトカバー 256ページ 四六判 - 内容紹介 - ★作品社公式noteで「まえがき」公開中→「呪文の言語学 試し読み」で検索! 呪文もことばである。 ルーマニアには古い魔女文化がいまも残っているとされている――。東欧在住20年の言語学者が、魔女大国とも呼ばれるこの地の民間伝承や実体験をひもとき、“呪文の正体”に迫る。不思議でちょっと怖い呪文の世界をめぐる、まったく新しい言語学エッセイ。 ◎附:「言語学者から魔女へのインタビュー」 ◎カヴァー写真:スクリプカリウ落合安奈 * 〈ちちんぷいぷい〉、〈アブラカダブラ〉、〈ビビディ・バビディ・ブー〉……この世はさまざまな「呪文」で溢れている。(…)幼いころの私たちにとって身近なものであった呪文だけれども、そもそもあれは何だろうか。単なる語の羅列に過ぎないのだろうか。(…)本書では、(…)言語学者が「呪文という聖域」に片足を突っ込んで、先人たちの研究を足掛かりにさらに深いアプローチを試みる。――本書より * 【目次】 まえがき 1 魔女 2 魔術 3 呪文 言語学者から魔女へのインタビュー 山田エリーザ あとがき 注/参考文献/図版出典 - 著者プロフィール - 角 悠介 (スミ ユウスケ) (著) (すみ・ゆうすけ) 1983年東京生まれ。言語学博士。ルーマニア国立バベシュ・ボヨイ大学日本文化センター所長。神戸市外国語大学客員研究員。ルーマニア文化学院ルーマニア語講師。アテネ・フランセ講師(ラテン語)。東京外国語大学オープンアカデミー講師(ルーマニア語、ロマ語)。北マケドニア国立聖キリル・メトディウス大学講師(ロマニ語)。国際ロマ連盟(IRU)日本代表、言語文化専門員。日本エスペラント協会、NPO法人「地球ことば村・世界言語博物館」、日本ロマンス語学会会員。紘武館道場(東京都板橋区)門人・杖道六段。 ルーマニアのバベシュ・ボヨイ大学にて西洋古典学(ラテン語・古典ギリシア語)学士号、ハンガリーのブダペスト大学(ELTE)にて西洋古典学修士号、ルーマニアのコンスタンツァ・オヴィディウス大学にて言語学博士号を取得。ベラルーシ共和国ミンスク国立言語大学にも短期留学。日本とルーマニアの在外公館と連携し、言語・文化交流を主軸とした両国の友好関係の促進を目指して活動する一方、東欧を中心にロマ民族(=ジプシー)の言語ロマニ語のフィールドワーク研究を行う。言語を通じたロマ民族への貢献により、欧州議会、国際ロマ連盟、ロマ文化団体から表彰・感謝状を受ける。 著書に『ロマニ・コード――謎の民族「ロマ」をめぐる冒険』(夜間飛行、2022年)、『ニューエクスプレスプラス ロマ(ジプシー)語』(白水社、2021年)など。 X:@ivsvce
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パレスチナを破壊することは、地球を破壊することである | アンドレアス・マルム, 箱田徹(訳)
¥3,300
青土社 2025年 ソフトカバー 232ページ 四六判 - 内容紹介 - ジェノサイドと気候破局の接合点に迫る̶̶――ドイッチャー記念賞作家による挑戦的試論。 一八四〇年、イギリス帝国はパレスチナの港町アッカーを粉砕した。それは、石炭で駆動する蒸気船が世界ではじめて大規模に投入された瞬間だった。パレスチナへの連帯は、化石資本主義と入植者植民地主義というふたつの歯車を止めることであり、沸騰状態にある地球を救うことである。化石燃料とその利益を至上のものとするシステムのもと、破壊と粉砕をもたらすグローバルな構造的暴力「ビジネス・アズ・ユージュアル」の歴史と本質に迫る、いま必読の書。 *補遺「タンクの壁を叩く――パレスチナの抵抗について」(訳=中村峻太郎)を収録。
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ポストフェミニズムの夢から醒めて | 菊地 夏野
¥2,640
青土社 2025年 ソフトカバー 240ページ 四六判 - 内容紹介 - フェミニズムは終わらない、いや終わりようがない フェミニズムの終焉をかたる「ポストフェミニズム」の時代を経て、私たちは再びその盛り上がりに立ち会っているといわれる。だがそこで喧伝される「新しいフェミニズム」の実像と、その向かう先は果たしてどこまで理解されているだろうか。ネオリベラリズムと結託した「リーン・イン」や「女性活躍」の欺瞞を問い、セックスワーカーやトランスジェンダーへの差別、「慰安婦」問題などそこからこぼれ落ちるものにまなざしを向けることで、見えてくるものとは。フェミニズムをあきらめないための、たしかなる提言。
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「ありのまま」の身体 メディアが描く私の見た目 | 藤嶋 陽子(著)
¥2,420
青土社 2025年 ソフトカバー 208ページ 四六判 - 内容紹介 - 「ありのまま」は美しい。「ありのまま」は難しい。 「ありのままが美しい」というメッセージに頷きながら、私たちは見た目をよくしたいという欲望を抱いて(抱かされて)しまう。「ありのまま」が肯定される時代で折り合いをつけながら生きる人のための必携書! ポジティブなメッセージと現実のあいだで葛藤するすべての人のために――。
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シリアルキラーズ 新装版 プロファイリングがあきらかにする異常殺人者たちの真実 | ピーター・ヴロンスキー(著), 松田和也(訳)
¥4,180
青土社 2025年 ソフトカバー 528ページ 四六判 - 内容紹介 - 世界中を震撼させたあまりにも猟奇的な殺人犯たち。若い女性を言葉巧みに車へと誘い込んで惨殺し「シリアルキラー」という言葉ができるきっかけにもなったテッド・バンディ、ニューヨークを恐怖のどん底におとしいれた「サムの息子」ことデヴィッド・ボーコウィッツ、30人以上を殺害して自宅の床下に埋めた「殺人ピエロ」ジョン・ウェイン・ゲイシー……。連続殺人犯の歴史を詳細に描き、彼らの狂気の正体と、常軌を逸したその思想の核心にせまる。連続殺人ファイルの決定版がついに復刊!!
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修理する権利 使いつづける自由へ | アーロン・パーザナウスキー(著), 西村伸泰(訳)
¥4,840
青土社 2025年 ソフトカバー 464ページ 四六判 - 内容紹介 - なぜスマホのバッテリーはすぐ交換できないのか? 短い保証期間、高額な修理費用、交換のできない部品……わたしたちは修理することからますます遠ざけられている。「壊れたら買い替え」へ消費者を駆り立てる資本主義社会には、修理を阻む巧妙なカラクリが隠されていた。そうしたなか、いま米国やヨーロッパで「修理する権利」運動が巻き起こっている。その現状を縦横無尽に分析した決定的入門書。 目次 謝辞 第1章 はじめに 第2章 なぜ修理は重要なのか 修理の経済的効用 修理が環境に及ぼす効果 修理の社会的メリット 第3章 修理の歴史 修理の起源 工業化と互換性 陳腐化の発明 家主と修理法 第4章 修理を阻む戦略 設計と修理可能性 行動を規制する 修理を阻む障壁を設計する 市場の制約 消費者規範 第5章 修理と知的財産 著作権 実用特許 意匠(デザイン) 商標 営業秘密 修理と〝進歩〞 第6章 修理と競争 アメリカの反トラスト法の基礎 イーストマン・コダックとアフターマーケットの競争 修理市場に対する反トラスト法理論 反トラスト法執行のハードル ヨーロッパの競争法 第7章 修理と消費者保護 消費者の修理に対する認識 不公正かつ欺瞞的行為 保証 消費者を計画的陳腐化から守る 第8章 修理を再構築する 修理を決断する要因 法を改正する 市場を変える 設計を変える 規範を変える 修理する権利運動 エピローグ 原注 解題 修理する権利、あるいは私たちの生を取り戻すための抵抗運動(吉田健彦) 索引
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オックスフォードの女性哲学者たち もうひとつの20世紀哲学史 | クレア・マックール(著), レイチェル・ワイズマン(著), 木下頌子(訳)
¥4,950
青土社 2025年 ソフトカバー 608ページ 四六判 - 内容紹介 - 戦時下の大学で哲学に再び命を吹き込んだのは、4人の女性たちだった。 第二次世界大戦前夜、4人の女性たち――アンスコム、マードック、ミッジリー、フット――が大学で哲学を学びはじめる。男性の学者や学生が次々に召集されるなか、4人は、戦争の悲惨に直面しつつ、それでも客観的な道徳の基礎を求めて、新たな哲学のあり方を模索しつづけた。困難な問いに挑んだ女性たちの姿をいきいきと描き出した、圧巻の哲学ノンフィクション。 2022年英国歴史作家協会(HWA)ノンフィクション賞受賞、2022年全米批評家協会賞最終候補、『ニューヨーク・タイムズ・ブックレビュー』など多数の有力紙誌で年間最優秀書籍に選出。
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現代日本哲学史 | 山口 尚
¥3,300
青土社 2025年 ソフトカバー 360ページ 四六判 - 内容紹介 - まったく新しい日本哲学の見取り図 哲学者を記述することは、たんなる思想の列挙ではない。本書で描き出されるのは、1970年代から現代において活躍する日本の哲学者たちの思索であり、それは同時にそれ自体が哲学であるような哲学史でもある。純粋思考、ア・プリオリな理論、歴史との対決を鍵概念につむがれる、現在進行形の哲学史。 本書に登場する哲学者:廣松渉・大森荘蔵・埴谷雄高・池田晶子・永井均・小泉義之・左近司祥子・鷲田清一・中島義道・野矢茂樹・浅田彰・田島正樹・河野哲也・鷲田清一・中岡成文・村上靖彦・大越愛子・森岡正博・竹村和子・柄谷行人・入不二基義
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フェミニズムとレジリエンスの政治 ジェンダー、メディア、そして福祉の終焉 | アンジェラ・マクロビー(著), 田中東子(訳), 河野真太郎(訳)
¥2,640
青土社 2022年 ソフトカバー 244ページ 四六判 - 内容紹介 - ネオリベラリズムが蝕む女性たちの生 「仕事も家庭もあきらめないで、すべてを手に入れましょう」「欠点を受け容れ、粘り強く立ち直りましょう」「福祉に頼るのはだらしなさの証拠です」「あんなふうにはなりたくないでしょう?」――映画、雑誌、テレビにSNSと、至るところから絶え間なく響く呼びかけに駆り立てられ、あるいは抑えつけられる女性たちの生。苛烈な「自己責任」の時代を生きる女性たちに課された幾重もの抑圧をさまざまな文化事象の分析を通じて鋭く抉り出す。一九九〇年代以後のフェミニズム理論を牽引してきた著者の到達点にして、待望の初邦訳書。
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熊になったわたし 人類学者、シベリアで世界の狭間に生きる | ナスターシャ・マルタン, 高野 優(訳), 大石 侑香(解説)
¥2,200
紀伊國屋書店 2025年 ソフトカバー 208ページ 四六判 - 内容紹介 - 熊に顔をかじられ九死に一生を得た人類学者の 変容と再生の軌跡を追ったノンフィクション カムチャツカで先住民族を研究する29歳のフランスの女性人類学者が、ある日、山中で熊に襲われて大けがを負う。その日を境に西洋とシベリアの世界観、人間と獣の世界の境界が崩壊し……スパイの疑いをかけられてロシア情報機関の聴取を受け、たび重なる手術と事件のフラッシュバックに苦しみながらも、身体と心の傷を癒し、熊と出会った意味を人類学者として考えるために、再びカムチャツカの火山のふもとの森に戻ってゆく。 「熊は君を殺したかったわけじゃない。印を付けたかったんだよ。 今、君はミエトゥカ、二つの世界の間で生きる者になった」(本書より) *ミエトゥカ:エヴェンの言葉で「熊に印をつけられた者」。熊と出会って生き延びた者は、半分人間で半分熊であると考えられている。 【18か国で刊行、フランスで11万部のベストセラー!】 【ジョゼフ・ケッセル賞、フランソワ・ソメール賞、マッコルラン賞受賞!】 - 著者プロフィール - ナスターシャ・マルタン (マルタン ナスターシャ) (著) 【著者】ナスターシャ・マルタン(Nastassja Martin) 1986年生まれ。アラスカとカムチャツカの先住民族を研究対象とするフランスの人類学者。フィリップ・デスコーラの指導のもと、パリの社会科学高等研究院(EHESS)で博士号を取得する。Les âmes sauvages: Face à l'Occident, la résistance d'un peuple d'Alaska(2016)でアカデミーフランセーズのルイ・カステックス賞を受賞した。マイク・マギッドソンと共同監督でドキュメンタリー「トヴァヤン」を制作。 高野 優 (タカノ ユウ) (訳) 【訳者】高野 優 フランス語翻訳家。ヴェルヌ『八十日間世界一周』『地底旅行』など訳書多数。 大石 侑香 (オオイシ ユウカ) (解説) 【解説者】大石侑香 神戸大学大学院国際文化学研究科准教授。著書に『シベリア森林の民族誌』など。
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君たちの記念碑はどこにある? カリブ海の〈記憶の詩学〉 | 中村 達
¥2,530
柏書房 2025年 ハードカバー 352ページ 四六判 - 内容紹介 - 西洋列強による植民地支配の結果、カリブ海の島々は英語圏、フランス語圏、スペイン語圏、オランダ語圏と複数の言語圏に分かれてしまった。そして、植民地支配は、被支配者の人間存在を支える「時間」をも破壊した。 つまり、カリブ海の原住民を絶滅に近い状況まで追い込み、アフリカから人々を奴隷として拉致し、アジアからは人々を年季奉公労働者として引きずり出し、かれらの祖先の地から切り離すことで過去との繋がりを絶ち、歴史という存在の拠り所を破壊したのである。 西洋史観にもとづくならば、歴史とは達成と創造を巡って一方通行的に築き上げられていくものだ。ゆえに、過去との繋がりを絶たれたカリブ海においては、何も創造されることはなかったし、「歴史のない」もしくは「世界史的に重要でない」地域としてしか表象されえない。 ……本当だろうか? “海が歴史であります” ――デレック・ウォルコット “「目に見える」歴史でなくとも、ここには歴史がある” ――エドワード・ボウ 本書は、『私が諸島である』で「第46回サントリー学芸賞(思想・歴史部門)」を受賞した著者が、カリブ海の風景に沈む地域的記憶を訪ねゆく試みをまとめた一冊である。 西洋の思想家が信奉する歴史の「外」に置かれてきた、カリブ海作家たちが想像/創造するオルタナティヴな思想の精華は、どのような姿をしているだろうか? “日本には、西洋社会の外から発信される記憶の思想を紹介する本はいまだ少ない。本書は、西洋の直線的な記録に抗い、海のような風景のプリズムを通して屈折し、反射し、揺らぎ重なり合い、形を変えながらも消えることのない記憶の光を描き出す、カリブ海の「記憶の詩学」を紹介する。カリブ海作家たちは、文学を通して歴史を再訪し、解体し、再構築し、そしてその記憶を想像/創造し直す。単線的な時間軸に縛られず、歴史を編み直すことで、かれらは過去へ未来へと縦横無尽に航海する多層的な記憶の物語を紡ぎ出すのである。[…]私がカリブ海のアカデミアに身を浸し、読み続けたカリブ海文学が持つ豊饒さを、読者のみなさんにも体験していただきたい。”――「序章 私たちがいなくなることはない」 かれらの詩学的挑戦に、今こそ刮目されたい。 - 目次 - 序 章 私たちがいなくなることはない 第1章 カリブ海作家と「記憶」との諍い 第2章 ホモ・ナランス――「遭遇」の記憶を物語ること 第3章 中間航路を読む――奴隷船と底知れぬ深淵の記憶 補 論 逃走/闘争の記憶――奴隷制とポスト西洋的な自由概念としての「マルーン化」 第4章 カリブ海の偉大な叙事詩――革命闘争の記憶 第5章 フラクタル・ファミリーズ――家族と記憶の倫理学 第6章 音楽という記憶装置――植民地支配の傷としてのトラウマ 第7章 植民地の教育と記憶――未来のために振り返る力 第8章 共に祝うために――国家としての記憶 第9章 革命は男の顔をしているか――カリブ海の女性の記憶 おわりに 参考文献 - 著者プロフィール - 中村 達 (ナカムラ トオル) (著) 1987年生まれ。専門は英語圏を中心としたカリブ海文学・思想。西インド諸島大学モナキャンパス英文学科の博士課程に日本人として初めて在籍し、2020年PhD with High Commendation(Literatures in English)を取得。現在、千葉工業大学准教授。主な論文に、“The Interplay of Political and Existential Freedom in Earl Lovelace’s The Dragon Can’t Dance”(Journal of West Indian Literature, 2015)、“Peasant Sensibility and the Structures of Feeling of ‘My People’ in George Lamming’s In the Castle of My Skin”(Small Axe, 2023)など。日本語の著書に『私が諸島である――カリブ海思想入門』(書肆侃侃房、2023)。2024年11月、同書で第46回サントリー学芸賞(思想・歴史部門)を受賞。
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わたしの体におこること なんでもガールズトーク! | イダ, かみやにじ(絵)
¥1,760
偕成社 2025年 ソフトカバー 142ページ 四六判 縦190mm 横130mm 小学校高学年向け - 内容紹介 - 女の子たちへのエンパワーメントの本! 30代の著者が、小学校高学年ぐらいから抱えてきたもやもやした性に関する話題を全ページイラストで紹介。思春期の子どもたちの体や心に関する困りごとについて、「気になるよね」「わたしもこんなことに悩んだよ」と、まるで隣りでおしゃべりをするようにつづっていきます。 ネガティブな感情もかくすことなく紹介した本書は「自分の体について知ることは、人生をどうやって主体的に生きていくかということと密接に結びついている」と感じられる作品でもあります。 リアルに、具体的に、なまなましく、そしてときにおかしみのあるタッチで描かれたパワフルな1冊です。 - 著者プロフィール - イダ (イダ) (著) 1982年生まれ。イラストレーター。ソウル女子大で、文芸創作学とキリスト教学を専攻。ウェブサイトとSNSに日記と作品を公開、書籍化している。ソウル市立十代女性健康センターが発行するリーフレットに作品が掲載され、内容の一部をもとに『わたしの体におこること なんでもガールズトーク!』が出版された。 かみやにじ (カミヤニジ) (絵) 東京都生まれ。韓国語翻訳、日韓関係史研究。1980年代に、韓国延世大学へ留学。翻訳作品に『あかてぬぐいの おくさんと 7にんのなかま』『金剛山のトラ』『だまされたトッケビ』『あずきがゆばあさんととら』『いつか また あおうね』『そこに私が行ってもいいですか?』などがある。
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物語化批判の哲学 〈わたしの人生〉を遊びなおすために | 難波 優輝
¥1,056
講談社 2025年 講談社現代新書 ソフトカバー 240ページ 新書判 - 内容紹介 - 物語はなぜ苦しいのか?「物語」が過剰に要求される現代社会で、「人生とはかくあるべきだ」という押しつけに抗う。 新進気鋭の美学者による「次世代の哲学」。 【推薦の声、続々!】 〇永井玲衣氏(哲学者・『水中の哲学者たち』『世界の適切な保存』) わたしたちは何のために哲学するのか。 それは、もっと世界に出会うため、もっと広々とした場所に行くため、もっと可能性にめまいをおぼえるためなのかもしれない。難波さんは、考えれば考えるほど、自由になっていくみたいだ。 〇田村正資氏(哲学者・『問いが世界をつくりだす』「あいまいな世界の愛し方」『群像』) ずっと、アイデンティンティを見つけなければと思っていた。 でも、アイデンティティという名の物語に囚われていただけだったのかもしれない。難波さんの本はそんな僕に「世界を見くびるな。そこから出てこい!」と語りかけてくれる。 【抜粋】 清涼飲料水の広告の少女はいつもドラマティックな青春を謳歌しているし、「推し」はファンの期待した筋書きどおりに振る舞うし、就活面接では挫折経験を「美談」として語らねばならない。 私は端的にこう思う。何かがおかしい、と。 人々はあまりにも強い物語の引力に引き寄せられて、もはや物語に支配されつつあるのではないか、と私は危惧し始めた。 だから、私はこれから、物語に対抗したいと思う。何かしらの物語が私たちの幸福を奪うのだとしたら、もはやそんな物語は廃棄されるべきだろう。私はよき物語を愛している。それゆえ、物語を批判したいと思う。愛するということは、支配されるわけでもなく、支配するわけでもなく、独特のバランスのなかで惹かれ合い、反発し合うことなのだと考えている。 第一部の「物語篇」では、物語化の持つ魔力と危うさを論じていく。第二部の「探究篇」では、物語の危険を避け、物語を相対化できるような思考を「遊び」を手がかりに探索していこう。その中で、改めて物語との向き合い方がみえてくるはずだ。 物語化批判、そして、遊びの哲学を始めよう。 【内容紹介】 〇 誤解を生む「自分語り」(第1章 物語批判の哲学) 〇「感情的だ!」という批判をする人こそ、実はもっとも「感情的」(同上) 〇 アイデンティティは服のように「着替えられる」(同上) 〇 人生を「攻略」しようとする人が陥る「視野狭窄」(第2章 ゲーム批判の哲学) 〇 なぜ人は「考察」と「陰謀論」にハマってしまうのか(第3章 パズル批判の哲学) 〇 真のギャンブラーが欲しいのは「お金」ではない(第4章 ギャンブル批判の哲学) 〇 残酷だけど創造的な「おもちゃ的生き方」(第5章 おもちゃ批判の哲学) - 目次 - 序章 人生は「物語」ではない ▼物語篇――物語の魔力と危うさ 第1章 物語批判の哲学 1 他人を物語化することは正しいか 2 自分語りの罠 3 感情と革命 4 キャラクターをアニメートする ▼幕間――物語から遊びへ ▼探究篇――物語ではない世界理解 第2章 ゲーム批判の哲学 1 人生はゲームなのか 2 ゲーム的主体と力への意志 3 競争しながら、ルールを疑う 第3章 パズル批判の哲学 1 陰謀論と考察の時代 2 パズル化するポストモダン 3 答えなき、なぞなぞとしての世界 第4章 ギャンブル批判の哲学 1 人はなぜギャンブルに飛びこむのか 2 ギャンブラーが生きる「現実」 3 ギャンブル的生の解放 第5章 おもちゃ批判の哲学 1 原初、世界はおもちゃだった 2 すべてを破壊する「おもちゃ遊び」 3 遊び遊ばれ、ニルヴァーナ 終章 遊びと遊びのはざまで あとがき 参考文献 さらに考えたい人のために ブックリスト - 著者プロフィール - 難波 優輝 (ナンバ ユウキ) (著) 1994年、兵庫県生まれ。会社員、立命館大学衣笠総合研究機構ゲーム研究センター客員研究員、慶應義塾大学SFセンター訪問研究員。神戸大学大学院人文学研究科博士課程前期課程修了。専門は分析美学とポピュラーカルチャーの哲学。著書に『SFプロトタイピング』(共著、早川書房)、『なぜ人は締め切りを守れないのか』(近刊、堀之内出版)。
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南京事件 新版 | 笠原 十九司
¥1,232
岩波書店 2025年 岩波新書 ソフトカバー 300ページ 新書判 縦173mm 横107mm 厚さ12mm - 内容紹介 - 1937年、日本軍は中国での戦線を拡大し、戦争の泥沼に突き進んだ。その一大汚点としての南京事件。殺戮・略奪・強姦の蛮行はいかなるプロセスで生じ、推移し、どんな結果を招いたのか。日中全面戦争にいたる過程、虐殺の被害の実相、推定死者数等を旧版より精緻に明らかにし、事件の全貌を多角的に浮かび上がらせる増補決定版。 - 目次 - 新版に寄せて 序 二つの裁判で裁かれた南京事件 Ⅰ 日中全面戦争へ Ⅱ 海軍航空隊の戦略爆撃 Ⅲ 中支那方面軍、独断専行で南京へ Ⅳ 近郊農村から始まった虐殺 Ⅴ 南京占領――徹底した包囲殲滅戦 Ⅵ 陸海両軍による「残敵掃蕩」 Ⅶ 入城式のための大殺戮 Ⅷ 陸の孤島での犯罪と抵抗 Ⅸ 南京事件の全体像――犠牲者総数を推定する 結びにかえて――いま問われているのは何か 主な参考・引用文献 - 著者プロフィール - 笠原 十九司 (カサハラ トクシ) (著) 1944年群馬県に生まれる 東京教育大学大学院修士課程文学研究科中退。 学術博士(東京大学) 専攻―中国近現代史 現在―都留文科大学名誉教授 著書―『アジアの中の日本軍』(大月書店) 『南京難民区の百日』(岩波現代文庫) 『日中全面戦争と海軍』(青木書店) 『南京事件と三光作戦』(大月書店) 『増補 南京事件論争史』(平凡社ライブラリー) 『日本軍の治安戦』(岩波現代文庫) 『海軍の日中戦争』(平凡社) 『日中戦争全史』上・下(高文研)ほか
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ジブンの世界はジンブンでできている ―わかったことしか書かない哲学者×「研究」に興味がない考古学者×悩めるフィクション研究者― | 梶谷真司, 折茂克哉, 岡田進之介, ジブンジンブン編集部(編)
¥1,980
ジブンジンブン 2025年 ソフトカバー 四六判 - 内容紹介 - こんな「学び」もあったんだ! あなたの世界の見方を変える、人文学の世界へようこそ。 自分は、何に興味があるんだろう? 学びたい気持ちはあるけど、何から手をつけたらいいんだろう? 自分ならではの視点で世界をとらえなおす「人文学」の研究者たちに話を聞いてみたら、寄り道・偶然・紆余曲折だらけの旅路が見えてきた! 進路に迷う中高生のあなたにも、何かを学びたいと思い始めた社会人のあなたにも。読めば明日から「ジブンごと」探しを始めたくなる、まったく新しい「人文学」入門が誕生。三人のはみだし人文系研究者たちの濃厚インタビュー&対談集! ■本書に登場する研究者たち 梶谷真司:わかったことしか書かない哲学者。大学で研究するだけでなく、学校や地域で「共創哲学」に取り組んでいる 折茂克哉:「研究」に興味がない考古学者。大学附属の博物館で、美術・農学・地学などの幅広い展覧会づくりに携わる 岡田進之介:悩めるフィクション研究者。大学院の博士課程で、映画などのフィクションを主な題材に、分析美学を研究 ■もくじ ・まえがき ・第一部 わかったことしか書かない哲学者 授業を取らない学部生時代/シュミッツとの出会いと「分かる」体験/あらゆる分野で初学者だった ほか ・第二部 「研究」に興味がない考古学者 考古学者としてのキャリア/博物館のお仕事/好きなことでは生きていかない ほか ・第三部 哲学者と考古学者がフィクションについて考えてみた 発泡酒と韓国ドラマ/俺の感情を雑に扱うな/「あれ?このつまんない映画、前にも観たな」/無音のサメは怖くない/「かっこいい」と「正しい」は似ている/七年目の新発見「自分、ハイデガー好きじゃなかったんだ」/SF少年、考古学を志す/人文学は一人でできる ほか ・あとがき ・ブックリスト ■ジブンジンブン編集部について 「ジンブン学をジブンごとに」を合言葉に、人文学のおもしろさを発信するプロジェクト。2018年、東京大学在学中に結成。同大学の学園祭で、人文学研究の魅力を紹介する展示「ジブン×ジンブン」を出展し、3日間で1500人を動員。メンバーの大学卒業・就職を経て、2025年から出版社としての活動を本格始動。コンテンツやワークショップを通じて、人文学のエッセンスを日常生活に取り入れる楽しさを伝えている。 - 目次 - ■もくじ ・まえがき ・第一部 わかったことしか書かない哲学者 授業を取らない学部生時代/シュミッツとの出会いと「分かる」体験/あらゆる分野で初学者だった ほか ・第二部 「研究」に興味がない考古学者 考古学者としてのキャリア/博物館のお仕事/好きなことでは生きていかない ほか ・第三部 哲学者と考古学者がフィクションについて考えてみた 発泡酒と韓国ドラマ/俺の感情を雑に扱うな/「あれ?このつまんない映画、前にも観たな」/無音のサメは怖くない/「かっこいい」と「正しい」は似ている/七年目の新発見「自分、ハイデガー好きじゃなかったんだ」/SF少年、考古学を志す/人文学は一人でできる ほか ・あとがき ・ブックリスト - 著者プロフィール - 梶谷真司 (カジタニシンジ) (著) 東京大学大学院総合文化研究科教授。京都大学大学院人間・環境学研究科修了。専門は哲学、医療史、比較文化。近年は学校や企業、地域コミュニティなどで「共に考える場」を作る活動を行い、いろんな人が共同で思考を作り上げていく「共創哲学」という新しいジャンルを追求している。近著に『考えるとはどういうことか 0歳から100歳までの哲学入門』(幻冬舎、二〇一八年)、『書くとはどういうことか 人生を変える文章教室』(飛鳥新社、二〇二二年)、『問うとはどういうことか 人間的に生きるための思考のレッスン』(大和書房、二〇二三年)がある。 折茂克哉 (オリモカツヤ) (著) 一九九三年明治大学文学部史学地理学科考古学専攻卒業。一九九七~一九九九年ロシア科学アカデミーサンクトペテルブルグ物質文化史研究所研究生。二〇〇二年國學院大學大学院文学研究科日本史学専攻考古学コース博士課程後期修了(博士(歴史学))。二〇〇二年六月東京大学大学院新領域創成科学研究科環境学専攻学術研究支援員、同年十月國學院大學21世紀COEプログラム研究員。二〇〇三年東京大学教養学部美術博物館教務補佐員を経て、二〇〇四年より東京大学大学院総合文化研究科・教養学部駒場博物館に勤務(助教)。専門は博物館学、先史考古学。 岡田進之介 (オカダシンノスケ) (著) 二〇一九年東京大学文学部言語文化学科現代文芸論専修卒業。二〇二一年東京大学大学院人文社会系研究科基礎文化研究専攻美学芸術学専修修士課程卒業(修士(文学))。現在同専修博士後期課程所属。二〇二一年十月~二〇二四年三月、国立研究開発法人科学技術振興機構 次世代研究者挑戦的研究プログラムプログラム生。専門は現代英米圏の美学のフィクション論・物語論。 ジブンジンブン編集部 (ジブンジンブンヘンシュウブ) (編) 「ジンブン学をジブンごとに」を合言葉に、人文学のおもしろさを発信するプロジェクト。 2018年、東京大学在学中に結成。同大学の学園祭で、人文学研究の魅力を紹介する展示「ジブン×ジンブン」を出展し、3日間で1500人を動員。 メンバーの大学卒業・就職を経て、出版社としての活動を本格始動。コンテンツやワークショップを通じて、人文学のエッセンスを日常生活に取り入れる楽しさを伝えている。
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「あの戦争」は何だったのか | 辻田 真佐憲
¥1,155
講談社 2025年 講談社新書 ソフトカバー 288ページ 新書判 - 内容紹介 - 日本はどこで間違えたのか? 掲げた理想はすべて誤りだったのか? 「大東亜」は日本をどう見ていたか? 戦後80年、今こそ問い直す「私たちにとっての戦争」とは。 『「戦前」の正体』の著者が、右でも左でもない「われわれの物語」を編みなおす 現代人のための新・日本近現代史! 「日本の過ちばかりを糾弾することでも、日本の過去を無条件に称賛することでもない。過ちを素直に認めながら、そこに潜んでいた“正しさの可能性”を掘り起こす、言い換えれば「小さく否定し、大きく肯定する」語りを試みることである。それこそが、われわれの未来につながる歴史叙述ではないだろうか。 本書は、そのようにしてあの戦争を現在につながる大きな流れへと接続し、「われわれ」の物語を創出するための試みである。」 ――「はじめに」より 【本書の構成】 はじめに 第一章 あの戦争はいつはじまったのか――幕末までさかのぼるべき? 第二章 日本はどこで間違ったのか――原因は「米英」か「護憲」か 第三章 日本に正義はなかったのか――八紘一宇を読み替える 第四章 現在の「大東亜」は日本をどう見るのか――忘れられた「東条外交」をたどる 第五章 あの戦争はいつ「終わる」のか――小さく否定し大きく肯定する おわりに 【本書の内容】 ●日中戦争を「支那事変」と呼んだ背景 ●「ペリーこそ戦犯」と主張した石原莞爾 ●「アジア・太平洋戦争」か、それとも「大東亜戦争」か ●米英との「協調外交」は可能だったのか ●南部仏印進駐という「大失敗」 ●近衛文麿の「知られざる慧眼」 ●東条英機による「史上初のアジア外遊」 ●「油田地帯」パレンバンの現状 ●ジオラマ化された「日本の強制労働」 ●南京大虐殺記念館の「意外な実態」 ●「大東亜共栄圏はプロパガンダ」か ……ほか - 目次 - はじめに 第一章 あの戦争はいつはじまったのか――幕末までさかのぼるべき? 第二章 日本はどこで間違ったのか――原因は「米英」か「護憲」か 第三章 日本に正義はなかったのか――八紘一宇を読み替える 第四章 現在の「大東亜」は日本をどう見るのか――忘れられた「東条外交」をたどる 第五章 あの戦争はいつ「終わる」のか――小さく否定し大きく肯定する おわりに - 著者プロフィール - 辻田 真佐憲 (ツジタ マサノリ) (著) 一九八四年、大阪府生まれ。評論家・近現代史研究者。慶應義塾大学文学部卒業。政治と文化芸術の関係を主なテーマに、著述、調査、評論、レビュー、インタビューなどを幅広く手がけている。単著に、『「戦前」の正体』(講談社現代新書)、『ルポ国威発揚』(中央公論新社)、『防衛省の研究』(朝日新書)、『超空気支配社会』(文春新書)、『大本営発表』(幻冬舎新書)、共著に『教養としての歴史問題』(東洋経済新報社)、監修書に『満洲帝国ビジュアル大全』(洋泉社)、共編書に『文藝春秋が見た戦争と日本人』(文藝春秋)などがある。
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イスラエルについて知っておきたい30のこと | 早尾 貴紀
¥2,090
平凡社 2025年 ソフトカバー 256ページ 四六判 - 内容紹介 - 2023年10月7日に起きたハマースの蜂起から約15カ月半後の2025年1月19日、イスラエルとハマースの間で6週間の「停戦」合意がなされた。 イスラエルの一方的な爆撃によりガザ地区の公共施設や主要インフラは壊滅的な状況に陥り4万人超が死亡、その大半は子どもや女性だったとされる。 だが、イスラエルによる暴力はいまに始まったことではない。 1948年のイスラエル建国前からシオニストたちはパレスチナの地の略奪を目標に、欧米や周辺諸国を巻き込み、暴力を繰り返してきた。 キリスト教福音派のシオニズムへの接近、ホロコーストの政治利用、ユダヤ教とシオニズムの対立、PLOの挫折、オスロ合意の欺瞞、〈10・7〉蜂起、そしてイスラエルが描く「ガザ2035」の未来図とは? いま私たちがパレスチナ問題を考えるための基本書。 「停戦」は、一般的な国家戦争の停戦とは全く異なり、イスラエルによる一方的なガザ地区でのジェノサイドの「一時停止」にすぎません。 ガザ地区の占領も封鎖も変わらず、またやはり占領下のヨルダン川西岸地区で続いているイスラエル軍の侵攻と入植者による襲撃・収奪も止まることがないのです。――「あとがき」より 【目次】 前史 ユダヤ人はなぜ差別されてきたのか 第1部 19世紀~1948年 イスラエルはどのようにしてつくられたのか 1.シオニズムはどのように誕生したのか/2.植民地主義とシオニズムの関係とは/3.シオニズムの物語とは/4.イスラエルはどのように建国されたのか(1)/5.イスラエルはどのように建国されたのか(2)/6.イスラエルはどのように建国されたのか(3)/7.国際社会の責任とは/8.イスラエル建国に対する世界の思想は 第2部 1948年~90年代 イスラエルはどんな国か――占領政策、オスロ合意まで 1.建国されたイスラエルはどんなところか/2.イスラエルの産業とは/3.イスラエルには誰が住んでいるのか/4.イスラエルはどのように国民統合を図ったのか/5.ホロコーストと宗教の利用/6.1967年以降の占領政策とは/7.パレスチナの抵抗運動とは/8.オスロ合意とはなにか(1)/9.オスロ合意とはなにか(2)/10.オスロ合意に対する世界の思想は 第3部 2000年代~ オスロ合意後のイスラエルはどうなっているか 1.第2次インティファーダ後の一方的政策とは/2.イスラエルはなぜハマースを敵視するのか/3.パレスチナの民意へのイスラエルの反応は/4.〈10・7〉蜂起とは/5.〈10・7〉とは何だったのか/6.ガザ侵攻でなにか起きているのか/7.ガザ侵攻でイスラエルが得る利益とは/8.イスラエル国内でのガザ侵攻の受けとめ方は/9.イスラエルはガザ侵攻後をどのように考えているのか/10.世界の反応は/11.ガザ侵攻に対する世界の思想は/12.私たちになにができるのか - 著者プロフィール - 早尾 貴紀 (ハヤオ タカノリ) (著) 1973年生まれ。東京経済大学教員。専門は社会思想史。2002~04年、ヘブライ大学客員研究員として東エルサレムに在住し、西岸地区、ガザ地区、イスラエル国内でフィールドワークを行う。著書に『国ってなんだろう?』『パレスチナ/イスラエル論』『ユダヤとイスラエルのあいだ』、訳書にイラン・パぺ『パレスチナの民族浄化』(田浪亜央江との共訳)、サラ・ロイ『ホロコーストからガザへ』(岡真理、小田切拓との共編訳)、ジョー・サッコ『ガザ 欄外の声を求めて』などがある。
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「わかってもらう」ということ 他人と、そして自分とうまくやっていくための言葉の使い方 | 川添 愛
¥1,925
KADOKAWA 2025年 ソフトカバー 216ページ B5変形判 - 内容紹介 - 「伝わらない」「わかり合えない」が蔓延し、どこかぎすぎすした世の中で、 私たちはもどかしい思いをしています。 思いが相手に「伝わる」先の、「わかってもらう」に至るために―― 気鋭の言語学者にして作家として活躍する著者が、 「たいしてわかってもらえない人間」から、 「そこそこわかってもらえる人間」になるまでに得た教訓。 【目次】 第一章 わかってもらうための大前提 第二章 聞いてもらう 第三章 質問をわかってもらう 第四章 連絡・依頼・指示をわかってもらう 第五章 説明をわかってもらう 第六章 意見をわかってもらう 第七章 感覚・感情をわかってもらう 第八章 言葉を選ぶ - 著者プロフィール - 川添 愛 (カワゾエ アイ) (著) 1973年生まれ。九州大学文学部卒業、同大学大学院にて博士(文学)取得。2008年、津田塾大学女性研究者支援センター特任准教授、12年から16年まで国立情報学研究所社会共有知研究センター特任准教授。専門は言語学、自然言語処理。現在は作家としても活動している。著書に『言語学バーリ・トゥード(〈Round 1〉〈Round 2〉)』『働きたくないイタチと言葉がわかるロボット』『ヒトの言葉 機械の言葉』『ふだん使いの言語学』など。
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図解 はじめて学ぶ みんなの政治 | 浜崎絵梨(訳), 国分良成(監修)
¥1,925
晶文社 2018年 ソフトカバー 128ページ B5変形判 - 内容紹介 - イギリス発、世界14ヵ国で人気の子どもから大人まで楽しめる政治入門書の決定版。 政治は、世界中どこにでもある。欧米では、政治は身近なもので、だれでもあたりまえのように政治についておしゃべりをする。ところが日本における政治のイメージは、「自分とは関係ない」「つまんない」など、ネガティブなものばかり。それでいいんだろうか? この本では、厳選されたテーマごとに、古今東西のさまざまな政治や社会のしくみ、それにまつわる面白いエピソードを、豊富なイラストでいきいきと解説。日本の教科書には載っていないトリビアもいっぱいで、子どもから大人まで楽しめる政治入門書の決定版だ。 この本を読めば、きっとだれかと政治について話したくなる。 ようこそ、「政治」の世界へ! 【目次】 序 章 政治ってなんだろう?/責任をもつのはだれ?/政府ってなんだろう? 第1章 政府のかたち 第2章 いろいろな政治システム 第3章 選挙と投票 第4章 政治を変えるには 第5章 政治イデオロギー 第6章 さまざまな問題 用語解説 さくいん - 著者プロフィール - 浜崎絵梨 (ハマザキエリ) (訳) 翻訳家。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。外資系証券会社勤務を経て、翻訳家に。訳書に『わすれないよいつまでも』(晶文社)、『おひめさまはねむりたくないけれど』(そうえん社)、『きみはりっぱなマジシャンだ!』(岩崎書店)、「ミオととなりのマーメイド」シリーズ(ポプラ社)など。 国分良成 (コクブンリョウセイ) (監修) 慶應義塾大学大学院修了。法学博士。同大学教授・法学部長を経て、現在は防衛大学校長。元・日本国際政治学会理事長。専門は国際政治。著書に『中国政治からみた日中関係』(岩波書店/樫山純三賞)、『現代中国の政治と官僚制』(慶應義塾大学出版会/サントリー学芸賞)など。