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大学生がレイシズムに向き合って考えてみた【改訂版】 差別の「いま」を読み解くための入門書 | 貴堂 嘉之(監修), 一橋大学社会学部貴堂ゼミ生&院ゼミ生有志(著)

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明石書店 2025年
ソフトカバー 172ページ
A5判


- 内容紹介 -
身近なことからそもそもの概念、アメリカの奴隷制まで――レイシズムをめぐるさまざまな「問い」にアメリカ史ゼミの学生たちが歴史を紐解き、真摯に向き合った、レイシズムを学ぶための「超」入門書。読書案内をもさらに充実させた待望の改訂版。


- 目次 -
 はじめに

第1章 身近なこと編
 Q1 日本にレイシズムってあるの?
 Q2 民族差別って人種差別となにが違うの?
 Q3 障がい者に対する差別事件はどうして起こるの?
 Q4 部落差別ってそもそもなに?
 Q5 なんで日本は移民・難民に優しくないの?
 Q6 日本における「日本人」って誰のこと?
 Q7 「日本語上手ですね」のなにがいけないの?
 Q8 「ハーフ」って呼んだらダメ?
 Q9 日本は人種差別を禁止しないの?
 コラム1 “美白”はレイシズムって本当?
 コラム2 日本は単一民族国家ってなぜ言われてきたの?

第2章 そもそも編
 Q10 レイシズムはそもそもどんな考えなんだろう?
 Q11 いつレイシズムが生まれたの?
 Q12 レイシズムと優生思想って関係あるの?
 Q13 ステレオタイプと偏見、差別ってなに?
 Q14 レイシズムは奴隷貿易や奴隷制の歴史とどんな関係があるの?
 Q15 植民地支配とレイシズムってどう関係しているの?
 コラム3 奴隷制・植民地支配の賠償問題と人種資本主義
 Q16 人種差別撤廃に向けて国際社会はどのように取り組んだの?
 Q17 白人って誰のこと?
 コラム4 アカデミー賞受賞者はなぜ白人が多いと批判されたの?
 コラム5 文化の盗用ってなに?

第3章 アメリカ編
 Q18 アメリカは「自由」と「平等」の国と言われるのに、なぜこんなにレイシズムが激しいの?
 Q19 奴隷制下で黒人たちはどのように闘ってきたの?
 Q20 奴隷解放ってなんだったの?
 Q21 公民権運動で人種差別が終わらなかったのはどうして?
 Q22 BLMってなに?
 コラム6 インターセクショナリティ
 コラム7 アメリカの異人種間結婚
 Q23 黒人は悪いことをするから差別されるんじゃないの?
 Q24 先住民はなにを奪われてきたの?
 Q25 移民の国なのにどうして「不法移民」が生まれるの?
 Q26 アメリカでのアジア系の人々への差別はコロナ禍をきっかけに始まったの?
 Q27 日系人はアメリカでどのように差別を乗り越えようとしてきたの?
 Q28 イスラム教徒はアメリカでどのように差別されてきたの?
 Q29 なぜトランプが支持されたの?

座談会 わたしたちはレイシズムにどのように向き合えばいいの?

 読書案内/各Qの参考文献
 あとがき
前書きなど
はじめに

 (…前略…)

 (……)レイシズムはアメリカをはじめとする諸外国の課題のみならず、日本社会に生きるわたしたちとも深く関係している問題です。「日本は単一民族国家である」という見方や言説は、日本社会とレイシズムの関係を見えにくくさせており、政治家などによるこの言説を肯定する度重なる発言は、民族的マイノリティ性を持ち合わせる市民を想定せず、歴史に無理解であるとして度々問題視されています。アイヌ民族、琉球・沖縄民族、在日コリアン、華僑、「ハーフ」をはじめ、日本社会にはさまざまなルーツを持つ人々がともに暮らし、ますます社会は多様化を進行させています。そして、レイシズムは民族性のみならず、実は部落差別や障がい者差別とも関係しているのです。
 アメリカ社会史を専門とする一橋大学・貴堂嘉之教授のゼミ生である学部生・院生のわたしたちにとって、昨今のレイシズムをめぐる諸課題は決して看過することができないものでした。2020年のBLM運動以降、アメリカに留学し、学びを深めた者。同運動を契機に、大学院に進学を決意した者。国内からでもアジアン・ヘイトを含めあらゆる差別に対して反対の意を示し、少しでも知ろうと文献を手に取る者。ゼミの授業内でもBLM運動、奴隷制の関連著書を輪読するなど、わたしたちは微力ながらもレイシズムに関心を示し、学びを紡いできました。だからこそこの学びをより広く社会に生きる一人ひとりに還元し、多くの方とレイシズムについてともに考えていく場をつくりたい――。そんな思いから、わたしたち学生の手でこの入門書を刊行するに至りました。
 わたしたちはまだ学びを深めている最中であり、専門家ではありません。しかし、だからこそ読者のみなさん一人ひとりと「ともに」考え、レイシズムを根絶する社会をつくるための一助となりたいと考えています。この入門書を、手にしていただいたみなさんがレイシズムと向き合い、ともに考え、議論をつくり出すきっかけのひとつとなれるのであれば、大変嬉しく思います。


- 著者プロフィール -
貴堂 嘉之 (キドウ ヨシユキ) (監修)
1966年、東京生まれ。一橋大学大学院社会学研究科教授。博士(学術)。専門はアメリカ合衆国史、人種・エスニシティ・ジェンダー研究、移民研究。著書に『アメリカ合衆国史② 南北戦争の時代 19世紀』(岩波新書、2019年)、『移民国家アメリカの時代』(岩波新書、2018年)、『アメリカ合衆国と中国人移民――歴史のなかの「移民国家」アメリカ』(名古屋大学出版会、2012年)。共編著に『「ヘイト」の時代のアメリカ史――人種・民族・国籍を考える』(彩流社、2017年)、『「ヘイト」に抗するアメリカ史――マジョリティを問い直す』(彩流社、2022年)など。


一橋大学社会学部貴堂ゼミ生&院ゼミ生有志 (ヒトツバシダイガクシャカイガクブキドウゼミセイアンドインゼミセイユウシ) (著)
アメリカ合衆国史・アメリカ研究のゼミナール。本書は、コロナ禍の2021年度・2022年度の学部ゼミに在籍していた学部生(学部3年生、4年生が所属)と、そこに参加していた院ゼミ生有志が中心になって作成されました。学部も大学院も、貴堂ゼミには、アメリカ合衆国の人種問題、移民問題、ジェンダー・イシューなどに関心を持つ学生が集い、ゼミでは毎週、文献輪読をし、卒論や修論に向けての研究発表などを行っています。

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