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台所珈琲の手びき|余白珈琲
¥660
余白珈琲 2023年 ソフトカバー 40ページ A5判 - 内容紹介 - 神戸の小さな海町の坂の上で、ご夫婦でコーヒー豆屋を営む「余白珈琲」から届いた本です。 ○「憧れ」と「虚しさ」のあいだで、「愛おしさ」に揺られながら。降っても晴 れても、自分でつくる今日の味。 ○生活のなかで愉しむコーヒーの手びきをつくりました。数学の公式のような レシピを、ただただ載せていくだけでなく、その周辺の流れを描くことで、自 分でレシピをつくることができるようなものを意識しました。 (以下「おわりに」より) コーヒーを淹れることは、ほんとうに「ちょっとしたこと」です。(...)ささ やかなこと、ちっぽけなこと、なんでもないこと、平凡なこと、すごくないこと、 誰にでもできること。そのような行為だからこそ、人と人との間に、この世の 中のさまざまなすき間に、するりするりと入っていくのです。 ≪目次≫ のれんを掲げる (第一部)味わいを眺める/新鮮な豆を買う/好みの豆を買う/豆を常備する /白湯を飲む (第二部)調理を工夫する/おいしい味を引き出す/厄介な味と付き合う/味 をはかる/流れをはかる コーヒー道具 ドリップの実演 おわりに
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YOKOKU Field Notes #01 台湾:編みなおされるルーツ | マリーズ・コンデ, 大辻 都(翻訳)
¥1,320
コクヨ株式会社 2023年 ソフトカバー 120ページ B5判 - 内容紹介 - 自らのルーツを”編みなおす”ことは可能か ヨコク研究所は、「自律協働社会」の兆しを個別の地域から探索するリサーチ活動とそのレポート〈YOKOKU Field Notes〉第1号となる、『YOKOKU Field Notes #01 台湾:編みなおされるルーツ』を2023年8月23日に発売しました。 他者との差異や共通性を受け入れながら共に生きる社会を目指すうえで、個々人が持つ「ルーツ」はその拠り所となります。他方で、それらは時に本質的で変えがたいものとして、ある属性に自らを縛るものにもなります。 本書は、歴史的に多様な外来文化の影響を強く受ける台湾をフィールドに、台北、花蓮、台東、高雄など各地で自らの存在と居場所を新たに捉えなおそうとする人々の活動を手がかりとして、ルーツを自ら”編みなおす”営みについて考える一冊です。 ■〈YOKOKU Field Notes〉について 〈YOKOKU FIeld Notes〉は、コクヨが目指す「自律協働社会」の兆しを個別の地域から探索するヨコク研究所のリサーチ活動とそのレポートです。 同じ時代を異なる環境条件で生きる人々の中に身を投じ、聞き取りや観察を含むフィールドワークを通じてその営みの断片にふれることで、既存のシステムや規範をかいくぐるオルタナティブな社会のあり方を探り、また問い直すことを目的としています。 ■ 本書の内容 日本・鹿児島でのフィールドリサーチに端を発しその流れを継ぐ〈YOKOKU Field Notes〉第1号となる本書では、外来文化に翻弄されてきた複雑な歴史を背負う台湾をフィールドに、人々が共に生きるための拠り所となる「ルーツ」を問いの切り口として、5つの事例を巡ります。 ・老朽化した台北の巨大団地街一体に根付き、受け継がれる福祉活動の現場〈南機場〉 ・花蓮の東海岸を舞台に、”魚育”から台湾の海洋食・漁業に光を当てる〈洄遊吧(FISH BAR)〉 ・教師, 親, 生徒という立場が流動する、原住民語のみの実験学校〈Tamorak 阿美語共學園〉 ・アミ族の規範と青年同士の協働のあわいで催される音楽フェスティバル〈阿米斯音樂節〉 ・バンド活動の傍ら農家として地元・旗山のバナナ産業に根ざす〈台青蕉樂團(Youth Banana)〉 これら台湾各地に点在する新たな営みの断片を捉え、変えられない本質としてのルーツに対峙し、自らの存在の意味と居場所を編み直そうとする人々の活動を手がかりに、ルーツの構築可能性について考えます。 ■ 目次 ◎ リサーチの概要 ◎ コラム :台北、市井の生活者より──台湾社会にふれる7つの主題 ◎ 本編 :編みなおされるルーツ 事例1:南機場地区・忠勤里 都市の人生を養い継ぐ 事例2:洄遊吧(FISH BAR) 渦巻く海への感懐 事例3:Tamorak 阿美語共學園 言葉の焚き火を囲んで 事例4:阿米斯音樂節 境界を揺らす “民族” の複音 事例5:台青蕉樂團(Youth Banana) 故郷の根茎が紡ぐ詩 ◎ 編集後話
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現代思想 2021年11月号 特集=ルッキズムを考える
¥1,760
青土社 2021年 ソフトカバー 254ページ 四六判 - 内容紹介 - 「見た目」をめぐる倫理を問う 近年「ルッキズム(外見に基づく差別や偏見)」という言葉が急速な広がりを見せている。本特集では「見た目」をジャッジする暴力の問題を、レイシズムなど様々な差別とのかかわりとともに、また美をめぐる私たちの欲望の両義性や、視覚中心的な社会のあり方などについても問い直しながら、広く深く検討することを試みたい。 [目次] 特集*ルッキズムを考える 【討議】 外見に基づく差別とは何か――「ルッキズム」概念の再検討 / 西倉実季+堀田義太郎 【交差し複合するルッキズム】 「障害があるように見えない」がもつ暴力性――ルッキズムと障害者差別が連動するとき / 飯野由里子 ルッキズムとレイシズムの交点――「ハーフ」表象をめぐる抑圧と対処 / ケイン樹里安 移住家事労働者から考える、「らしさ」の境界線 / 小ヶ谷千穂 キャスター・セメンヤと大坂なおみとルッキズム――黒人女性アスリートのジェンダーとセクシュアリティ / 山本敦久 「どんな見た目でもいいじゃない、LGBTの人たちみたいに」 / 森山至貴 可視化か不可視化か――トランスジェンダーのパスの経験におけるジレンマ / 山田秀頌 【まなざしの坩堝のなかで】 ままならない交差点――ジェンダークィアのボクが生きてきたこの身体について / 古怒田望人/いりや 都市の骨を拾え / 高島鈴 【メディアの〈目〉を問い直す】 脱毛広告観察――脱毛・美容広告から読み解くジェンダー、人種、身体規範 / 小林美香 娯楽と恥辱とルッキズム / 田中東子 男性身体とルッキズム / 北村匡平 ルッキズムの解毒剤――ブサイク女子マンガについて / トミヤマユキコ 「ことば」からルッキズムを揺さぶる――もっと多様な容姿の基準を! / 中村桃子 【日常を覆う「見た目」の政治】 雇用の入口、「番兵」としてのルッキズム / 栗田隆子 感情知と感情資本――アンガーマネジメントの社会学 / 山田陽子 差別と侮辱――ルッキズムとメタ倫理学 / 奥野満里子 【インタビュー】 目で見るものが全てではない――視覚中心の社会をほぐすために / 広瀬浩二郎 【美──この両義的なるもの】 女性の外見的魅力をめぐるフェミニズムのポリティクス / 高橋幸 自分を美しく見せることの意味――ルッキズム、おしゃれ、容姿の美 / 筒井晴香 エンハンスメントとしての美の実践 / 飯塚理恵 【異他なる身体のエステティクス】 受肉した肌をみる痛み――現代日本におけるイレズミと身体の感性学的受容論 / 大貫菜穂 ラブドールの「見た目」に関するいくつかの覚書 / 関根麻里恵 【ルッキズムの奥底へ】 現れる他者との向き合い方――現象学の立場から / 鈴木崇志 連載●「戦後知」の超克●第一五回 柄谷行人における「日本」の問いかた 中・4――その「起源」と「構造」 / 成田龍一 連載●タイミングの社会学●第一二回 レジリエンス 下・2――〈貧困・時間・疲れ〉の連なりへ / 石岡丈昇 【研究手帖】 眼に見えて分かるこの眼について / 辰己一輝
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エトセトラ VOL.9 | 伊藤春奈(花束書房)(特集編集)
¥1,540
エトセトラブックス 2023年 ソフトカバー 144ページ A5判 縦210mm 横148mm 厚さ8mm - 内容紹介 - 特集:NO MORE 女人禁制! 「女人禁制」は、もういらない! マイノリティへの差別・排除と深くつながる 「女人禁制」の歴史を探りながら、 国や家父長制が追い出してきたものはなにか、 その底にあるのはなにかを知る特集号。 昔から、宗教や伝統のかたちを借りて、特定の職業や場所、集団に女性を入れない仕組みをつくってきた国、日本。21世紀になっても、大相撲、甲子園、古典芸能、山、プロの厨房、祭りなどなど、多くの場に「女人禁制」文化が残っています。フェミマガジン9号目は、女性史を中心としたライター・編集者の伊藤春奈をゲスト編集長に、多様な書き手や語り手が集まり、この問題を考えます。 エッセイ、インタビュー、読者投稿、漫画、いまだ「女性」が登れない「大峰山」への質問も! 誰かをどこかに「入れない」システムはもう終わりにしよう。 目次 特集:NO MORE 女人禁制! 特集のはじめに 【読者投稿】 あなたが知っている「女人禁制」 【論考・エッセイ・漫画】 源淳子「『女人禁制』と天皇制」 堀越英美「『山の神』と『女芸人』に求められてきたもの」 柚木麻子「ラーメンいちから作ってみたら自然と腕組みしちゃってた記」 山崎ナオコーラ「『女人禁制』と『源氏物語』と出家、ついでに私」 はらだ有彩「能・卒都婆小町と私」 佐藤瑞枝「博多祇園山笠――このホモソーシャルな世界」 (地元の声/永島順子) 林葉子「〈女性の穢れ〉と近代公娼制度」 金貴粉「ハンセン病療養所に生きた在日朝鮮人女性たち」 川﨑那恵「『アナーカ部落フェミニストの会』創立への呼びかけ」 堀江有里「性への忌避――キリスト教の女性嫌悪・同性愛嫌悪をめぐる断想」 鳥山純子「家父長制はマザコン生成装置なのか――現在モロッコの嫁姑問題から」 牧野雅子「女性専用車両の存在は何を意味しているのか」 【インタビュー】 性善寺・柴谷宗叔「性的マイノリティも地元の人も誰もが入れる『みんなの寺』」 ナモナモ寺・野世阿弥「寺という場所から仏教やフェミニズムをちょっとずつ開く」 桂二葉「まっすぐ自分の声が出せるように」 【アンケート】 女人禁制「大峰山」への質問 「女人禁制」を続ける理由はなんですか? 特集のおわりに ************************************************************ 【寄稿】 吉田亜矢子「渋谷区、美竹公園・神宮通公園野宿者排除に抗して」 長田杏奈「被害者非難の温度を測る」 【対談】 小川たまか✕有馬ゆきみ「フェミニストのライターと弁護士が語る『性暴力』の周辺 VOL.1」 【漫画】 とれたてクラブ「ワタシってディ→バディ→バしてるから」 【新連載】 「祖母の話」/#1高柳聡子「光なき朝を生きて」 「北京会議の前と後」福田和子/第1回「日本各地から北京へ!草の根の女性たち」 「アート・アクティビズム」北原恵/〈97〉渋谷パルコでゲリラ・ガールズ展――ポストフェミニズム時代の『アート』」 【連載】 「編集長フェミ日記」2022年12月~2023年3月 「Who is she?」大橋由香子/第6回:取り上げる彼女たち 「LAST TIME WE MET 彼女たちが見ていた風景」宇壽山貴久子 私のフェミアイテム:奥薗和子 NOW THIS ACTIVIST :末原真紀 etc. bookshop通信 前書きなど 「特集のはじめに」 伊藤春奈 毎日、頭のすぐ上を厚い雲で覆われているような重苦しさを感じてから、ずいぶんと経つ。 新型コロナウィルス感染症が広まりつつあった頃、感染者を追いつめるようなパニックをみて、私はハンセン病における「無らい県運動」を思い起こした。患者を強制隔離する法律のもと、「らい患者一掃」などと称して感染者を排除した運動である。コロナ禍初期、老親のいる某県の感染状況を注視していた私は、陽性者が出た銀行にコンクリート片が投げ込まれるという古典的な事件を知りぞっとした。偶然だが、この県は戦後、無らい県運動のトップに躍り出たことがある。 感染者が適切なケアを受けられず、社会に排除と差別を引き起こすという点でふたつの感染症はよく似ている。コロナ禍でも、ステイホーム、三密など、国が繰り出すキャッチーなワードに人々は翻弄され、不安が解消されないままDVや自死数が増えた。この「不安」は「恐怖」をうみかねないから、とても厄介だ。さらにこの間、国会議員が同性愛者への差別発言を繰り返し、かつ差別を禁止することを拒み、女性支援団体へのデマが吹き荒れた。私は、土俵で救命活動をした看護師たちが下りろと命じられたとき以来の怒りを感じた。人心の荒廃は続いている。 2018年、土俵問題が起きてからまもなく、東京医大の入試不正問題が発覚した。この2件は、根の深いところでつながっていると思う。医療の「正当な」仕事とは医師であり、看護師がサブ的に見なされてきたことは、そのジェンダーバランスからして明らかだ。土俵から下りろと看護師が言われたのは、ケア労働への軽視があるからだろう。その軽視があからさまにビジュアル化してしまったため、相撲協会は「緊急時、非常時は例外」とするとして「謝罪」し、幕切れとした。 相撲協会が公表している「女人禁制」の理由は、「男が上がる神聖な戦いの場、鍛錬の場」であり、神事であり伝統文化だからというものだ。宗教や伝統にもとづく権威性を帯びた場とは「男」の職場であり、「女人」は入ってはならない。これが「女人禁制」のロジックであり、甲子園球場、古典芸能、山、祭りなど、「女人禁制」文化が色濃い分野にもあてはまる。たとえば板前は男が鍛錬する正当な修行であり仕事だが、家庭料理は「母親」「妻」による無償ケアワークである、といった具合に。 「男の甘えを許してほしい」とは、いまも結界を解かない山の関係者の発言だ(詳細は本特集を参照)。これもまた「女人禁制」の本質をよくあらわしていると思う。看護はしろ、ただし男の土俵に入るな。田舎に帰って出産しろ、そうすれば奨学金は出してやる。家事・育児・介護もしろ。ただし祭りには参加するなよ。――「男女」からなる家父長制秩序を守りたいというのが「男の甘え」なのだろう。 政治・経済・文化を限られた層だけでまわし、ケア労働は女性や外国人労働者に丸投げ。無策の感染症対策に自然破壊と五輪強行、入管や労働現場における外国人への人権侵害など、この間に数々の暴力がまかり通ってきた。それらを支えているのは、「女人禁制」が歴史的に築き上げてきた、男女/公私二元論、異性愛主義、家族主義、性別役割分業などである。マイノリティへの差別システム「女人禁制」は、もはやこの国のお家芸だ。だからこれらを死守するために「(同性婚は)家族観や価値観、社会が変わってしまう課題だ」などと総理大臣が言ってはばからない。 そもそも、人のあり方も営みも、二元的に割り切れるものではない。 「名前」があれば、なんなと生きていける世界なんですよ。――この特集の制作中に聞いた言葉だ。「名前」とは、何代目何右衛門とか、何千世とか、家父長制のもとで継がれてきた、地位や名誉、家柄、権威みたいなものだ。 100年もすれば人は死ぬ。だから「名前」など紙きれに等しいと思うが、おそらく世間では逆にとられているのだろう。では、「名前」を持たない人たちのあゆみは、どれほど語られてきただろうか。望む「名前」を得られなかった人への抑圧が、「伝統」や家父長制のもとに続いているということも。「名前」など持たずとも自分だけの生をもとめた人にこそ、私はひどく惹かれる。 もちろん「伝統」にはいい面もたくさんあるし、私も基本的に好きなものが多い。すべてが移り変わるからこそ世界は美しく、必ず巡ってくる別れのかなしさや変わらぬ人間のありようが、見事な結晶となって「伝統」をうむこともあっただろう。しかし、それがただの「名前」となって、ある属性の理想を再生産するだけのものになってしまったらどうだろう。また「名前」は、ときに「〇〇道」といった金看板を掲げて権威化されてきた。権威化され整備された道路も、いまはひび割れ、無様な姿をさらしているようにも見える。 一方で、その道端から新たな道をひらく人たちもいる。ときに茨で邪魔されながらも、一歩ずつ踏み固めて。道は、当たり前に誰でも入れて、進んでいけるものであってほしい。 この特集は、これまで私が『エトセトラ』で「女人禁制」をテーマに連載してきたことから企画された。「女人禁制」について知ることは、誰が「女人」を、どう規定してきたかの歴史を知ることでもある。そこには目を覆いたくなるような差別の歴史も重なっている。ただ、その差別とは最初から自然にあったものではない。すべて人間がつくりだしたものだ。 連載中、ひとりで「女人禁制」を考えれば考えるほど、なぜこの差別がうまれ、なぜまだ続いているのか、そしてなぜあまり関心を持たれないのかと疑問が膨らんでいった。その答えを探るための言葉を、信頼する書き手や語り手たちと一緒に集めたつもりだ。それによって、「女人禁制」がマイノリティへの差別・排除と深くつながっていることを示せたと思う。 くりかえすが、「女人禁制」のような差別は自然に発生したものではない。人間がつくったのだから、人間がやめることができるはずだ。「女人禁制」という嘘の言葉は、もういい加減過去のものにしたい。 - プロフィール - 伊藤春奈(花束書房) (イトウ ハルナ ハナタバショボウ) (特集編集) 編集者・ライター。近著『「姐御」の文化史 幕末から近代まで教科書が教えない女性史』(DU BOOKS) 。「花束書房」名義で北村兼子の広報活動と、女性史を中心とした出版プロジェクトを主宰。花束書房から『ウィメン・ウォリアーズ はじめて読む女戦記』(パメラ・トーラー著、西川知佐訳)、『未来からきたフェミニスト 北村兼子と山川菊栄』(花束書房編、2023年5月刊行予定)を刊行。『群像』(講談社)にて「ふたり暮らしの〈女性〉史」連載中。
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うもれる日々|橋本亮二
¥1,210
十七時退勤社 148mm×108mm - 内容紹介 - “社の定時は18時半だ。入社当時は18時だったが、いつのまにか30分もアディショナルタイムが付いた。よっしゃ逆転できんぞ追いついてこいという気持ちと、えーなんでやねんはよホイッスル吹いてーやという気持ちとが綱引きしている。” 出版社の営業職、橋本亮二による、本を売って、読んで、人と会って、ごはんを食べて、そして日々机の上をサグラダファミリアのように積み上げていく日々の記録。 新レーベル「十七時退勤社」からの第一弾。
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B面の歌を聞け 2号 酒との付き合い|太田明日香
¥1,100
夜学舎 A5判 48ページ - 版元紹介文より - 目次 巻頭言 ・インタビュー 楽しさと面白さを分かち合いたくなる味 木谷ワイン 木谷一登さんインタビュー お話を聞いた人 木谷一登さん いつまでも心地よい気分が続くお燗の秘訣 酒うらら 道前理緒さんインタビュー お話を聞いた人 道前理緒さん ・特集 酒との付き合い方 雑に飲んで、雑に死ぬ。 綿野恵太 酒豪と言われた私が、お酒をやめてみたら。 江角悠子 ムスリムとお酒 バーヌ ワインと生活と 丸茂正裕 地獄の沙汰も酒次第か? 神田桂一 コンビニで摂れるハードドラッグ 小田晶房 ・読書案内 酒と戦とコロナと女 太田明日香 ・投稿 コロナと酒 小池利彦 吉田類『酒場放浪記』をB面的に眺めている 立石尚史 〈お酒にまつわるただのおしゃべり〉 ふふふのZINEメンバー(野呂巧、井上有紀、よしのさくら) ・特別企画 紙上B面ラジオ C面について 話し手 モリテツヤ ・特別付録 コロナと酒年表 48ページ、2色刷り デザイン 小田晶房 印刷 Hand Sawpress KYOTO 題字 山下陽光(途中でやめる) 取材、編集、執筆 太田明日香
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本を抱えて会いにいく|橋本亮二
¥1,210
十七時退勤社 148mm×108mm - 内容紹介 - だから人に会いたくなる。どんな話をしよう。あなたはどんな顔をするだろう。 向き合っている時間はひとりぼっちでも、どこかで必ず誰かとつながっている。 小説を読む。音楽を聴く。文字を綴る。 世田谷ピンポンズ 過ごす一日いちにちが積み重なり、月となり年となる。 それは失われたものではなく、たしかに生きた証。(はじめにより) 六月の記録/二回目の文学フリマをめざして/フルーツ星人/Re :デザインの力/犀の角/交わさずに触れ合う/ 眠りと再会/大きくて広い/水のまわりにいる鳥、魚、蟬/時間泥棒/ かもめブックスギャラリー「ひきつづきうもれる日々」生態記録日記/光が届く/兄ちゃんのこと/音楽と人/ 歩きながら考える/本の姿/『サキの忘れ物』一歩を踏み出す/『赤い砂を蹴る』作品との出合い/ 『息のかたち』長く、深く、強く/『ほとんど記憶のない女』手元に届く本/同じ時間を生きる/水平な視座に立つ
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GRAIN|新多正典
¥550
2023年 12ページ A4版 - 内容紹介 - 。 写真家の新多正典氏によるZINE。 写真×タブロイドの新しいシリーズ第二号です。 ブラジルのスラム街の人々と、リソグラフ印刷が非常にマッチした作品。
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GRAIN|新多正典
¥550
2023年 12ページ A4版 - 内容紹介 - 。 写真家の新多正典氏によるZINE。 写真×タブロイドの新しいシリーズ第一号です。 全編リソグラフ印刷
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透明人間さよなら|和田拓海
¥880
本屋メガホン 2023年 目玉クリップ綴じ 24ページ 138mm×128mm - 内容紹介 - 。 ----- "ゲイに生まれて嫌だなと思う瞬間は、自分が発した言葉で大切な人をこの世からいないことにしてしまう瞬間だ。あえて過激な言葉で表現すると、自分の恋人を自分の手で殺す瞬間だ。同棲しているのに一人暮らしだと嘘をつく時、彼のことをただの友達だと説明する時、僕はこれまでゲイとして生きてきて何回も恋人を殺したし、ゲイである自分自身を殺してきた。言葉で。自分を守るために発した言葉がブーメランみたいに返ってきて結果的に自分を傷つけるという何とも滑稽なループの中で生きてきたと思う。"(「はじめに」より) ----- ゲイとして生きる本屋メガホン店主が、これまで感じてきた違和感やなぜ本屋を開業しようと思ったか等について書いたZINEです。他人からの一方的な発言や自らの無意識の言動によって、透明人間のようにないものとされてきたゲイとしての自分自身や恋人を、書くことで取り返すことを本書では試みました。 「小さな声を大きく届ける」第一歩として、まずはマイノリティとして生きる自分自身の小さな声に耳を傾け、それをZINEとして綴じることで本屋としてのコンセプトを読んで理解できるものになればと思っています。
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存在している 書肆室編|村田 奈穂, 柏原萌
¥1,430
日々詩書肆室 2023年 ソフトカバー 116ページ A5判 - 内容紹介 - 。 HIBIUTA AND COMPANYに集うひとびとが、ここへたどり着くまで……どこへ行こうと出発し、どんな道を歩いてきたのかを、それぞれの言葉で語った書物です。 一ヶ月に1冊ずつ刊行予定、第一弾は編集室/出版部。 十代で北は北海道・南は鹿児県沖永良部島までさまざまな場所で働いてきた亜美さん ずっと無職でいたいともがきつづけ、やっとのことで採用された新採の仕事を半日でやめた井上 ふたりが出会うまでのエッセイ二編収録。
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存在している 編集室編|井上 梓, 南野 亜美
¥800
日々詩書肆室 2023年 ソフトカバー 56ページ A6判 - 内容紹介 - 。 HIBIUTA AND COMPANYに集うひとびとが、ここへたどり着くまで……どこへ行こうと出発し、どんな道を歩いてきたのかを、それぞれの言葉で語った書物です。 一ヶ月に1冊ずつ刊行予定、第一弾は編集室/出版部。 十代で北は北海道・南は鹿児県沖永良部島までさまざまな場所で働いてきた亜美さん ずっと無職でいたいともがきつづけ、やっとのことで採用された新採の仕事を半日でやめた井上 ふたりが出会うまでのエッセイ二編収録。
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日々詩編集室アンソロジーvol.1 わかち合い|日々詩書肆室
¥1,000
日々詩書肆室 2023年 ソフトカバー 48ページ A5判 - 内容紹介 - 。 31名の寄稿者さんの作品……写真、エッセイ、小説、イラスト、詩など、 HIBIUTA AND COMPANYのスタッフのエッセイ、 HIBIUTA AND COMPANYの着想を得たフランス・パリ「シェイクスピア&カンパニー書店」への旅行記でアンソロジーを編みました。 表紙はリソグラフ&シルクスクリーン印刷。 本文はリソグラフ印刷です。 A5版/48ページ 表紙にたくさん種類があります。どんな表紙が届くかはお楽しみ。
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現代思想 2023年5月号 特集=フェムテックを考える ―-性・身体・技術の現在―
¥1,760
青土社 2023年 ソフトカバー 240ページ - 内容紹介 - 「女性のためのテクノロジー」とは何か 企業や政府が喧伝する「女性活躍」の新騎手として、近年とみに耳目を集める「フェムテック」。リプロダクティブ・ジャスティスとの関係から、市場原理にもとづく自己責任論の強化、生物学的本質主義への回帰といった問題まで、さまざまな視点から広く検討することで、性・身体・科学技術のありうべき姿を模索したい。 line2.gif [目次] 特集*フェムテックを考える――性・身体・技術の現在 【討議Ⅰ】 政治・市場・運動のせめぎあう渦中から問う / 菊地夏野+標葉靖子+筒井晴香 【問われる倫理】 政策的関心の対象としての「フェムテック」とその倫理的課題 / 渡部麻衣子 フェムテックと「女性の健康」――誰のための研究開発か / 川崎唯史 その「フェムテック」は誰向けの製品なのか / 西條玲奈 「フェム」テックとトランスジェンダーの身体の接点――その可能性と限界について / 山田秀頌 「女性の健康」の隘路とフェムテック / 菅野摂子 【討議Ⅱ】 未来をえがく二つの技巧――〝無茶ぶり〟から問い、物語ることで〝脅し〟続ける / 高野ひと深+長谷川愛 【生活する身体の声】 戦いとしてのセルフケア / S・アーメッド/浅沼優子訳 がんサバイバーシップにみられる「私」の回復過程と葛藤――表現によるセルフトランセンデンスの促進 /佐々木加奈子 CoCo 壱と国鉄――あるいは野良のフェムテック / 仲西森奈 国家に抗するフェムテック / 横田祐美子 痛みを感じる身体、変容する身体――『TITANE /チタン』(二〇二一年)を例に / 関根麻里恵 【技術と規範を攪乱する】 「情報の神殿」としての女性たち / 田中東子 フェムテックにフェミニズムを取り戻す / 飯田麻結 現代アメリカにおけるSNSフェミニズムからフェムテックを考える / 井口裕紀子 フェムテックの生政治とジェンダーポリティクス / 佐々木香織 テクノロジーとスピリチュアリティの〈あいだ〉――女性・身体・モノ / 橋迫瑞穂 「ヒーブ」とフェムテックのあいだ――働く女性をケアするのは誰か / 満薗勇 【いくつもの性の歴史】 キリスト教性倫理における「生殖」の位置 / 朝香知己 月経周期研究からフェムテックへ――その歴史的展開 / 横山美和 フェムテックから月経教育を問う / 杉田映理 男性の視点から見た生殖――「生殖医療は女性を救うのか」という問いを逆照射するもの / 日比野由利 女性の人生設計が変わる?――卵子凍結保存がもたらす社会への影響と課題 / 久具宏司 【連載●科学者の散歩道●第九二回】 エントロピーと主体の参加――エディントンの二種類の法則 / 佐藤文隆 【連載●「戦後知」の超克●第二八回】 柄谷行人における「世界史」の問い方 11――その「起源」と「構造」 / 成田龍一 【連載●社会は生きている●第一〇回】 主体の生態社会学 8――動物と人間 / 山下祐介 【研究手帖】 沈黙の顔 / 戸坂明日香
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現代思想2023年5月臨時増刊号 総特集=鷲田清一 ―ふれる・まとう・きく―
¥1,980
青土社 2023年 ソフトカバー 360ページ - 内容紹介 - 臨床哲学からファッション論まで…鷲田清一のすべて 親しみをこめてワッシーと呼ばれるその哲学者の足跡をたどれば、切り開いた領野の広さに目をみはらざるをえない。自由で軽やかな言説は、気取りがなく、深みをたたえ、いつまでも瑞々しさを失わない。本特集では、アカデミズムにとどまらない多彩なジャンルの執筆陣により、いまだ十分に語りつくされていない鷲田清一の全体像に迫る。 line2.gif 【目次】 総特集*鷲田清一――ふれる・まとう・きく 【インタビュー】 哲学を汲みとる / 鷲田清一(聞き手=永井玲衣) 【ポートレートⅠ】 鷲田さんとの交流 / 植島啓司 ふれること、見守ること。――鷲田清一との三十五年 / 佐々木幹郎 「ワシダさん」のいる風景 / 森村泰昌 鷲田さんの「授業」を受けた / 高橋源一郎 【耳を傾ける哲学】 鷲田さん、とのこと / 西川勝 哲学の臨床、そして大学行政へ / 中岡成文 「臨床哲学」以前・以後 / 野家啓一 臨床哲学の肺活量 / 小林傳司 臨床哲学研究室と〈私〉――拝啓、鷲田清一さま / 小西真理子 これは臨床哲学ではない――鷲田清一のメタ哲学をめぐる〈思考の試み(エッセイ)〉 / 奥田太郎 【傍らに立つ思想】 co-presence――ともにあることへの根源的な敬意 / 西村ユミ ことばの人 / 柏木哲夫 老い、営みの不在――鷲田清一『老いの空白』に寄せて / 小泉義之 「傾聴」の進化、祈りへ / 柳田邦男 所有論をケアの視点から考える――『ロビンソン・クルーソー』から『わたしを離さないで』まで / 小川公代 【アルバム】 哲学者の足あと 【ポートレートⅡ】 やわらかい思考と実践の哲学者 / 山極寿一 哲学とアンドロイド / 石黒浩 鷲田さんと京都 / 吉岡洋 鷲田さんの哲学 / 内田樹 【装うことの美学】 哲学者の柔らかな感性 / コシノヒロコ 「装う」は新しい次元に / 森永邦彦(ANREALAGE) ここにいてもいい――ファッションと臨床 / 山縣良和(writtenafterwards.coconogacco) 鷲田清一氏をめぐる私的断章 / 堀畑裕之(matohu) 鷲田清一以降の「ファッション学」 / 平芳裕子 鷲田清一とは別の仕方で、あるいは鷲田清一の彼方へ / 蘆田裕史 夢を紡がれた皮膚――手繰り寄せられる我の標、イレズミ / 大貫菜穂 【ポートレートⅢ】 しなやかな武器 / 甲斐賢治 京都市立芸術大学・美術工芸高校 新キャンパスについて / 大西麻貴+百田有希/o+h まなざしと記憶 / 鈴木理策 【もつれ広がる探究】 鷲田清一とメルロ=ポンティ 「スティル」の現象学 / 加國尚志 鷲田清一と離一の現象学 / 谷徹 はじまりの鷲田清一――臨床哲学への一批判 / 檜垣立哉 他なるものとの「共存」を求めて――二つの質疑応答から / 松葉祥一 九鬼周造の「メロス」をめぐって / 藤田正勝 【響きあうことば】 言語表現としての「折々のことば」 / 鈴木一平 異なる「生」を摺りよせる――鷲田清一と哲学対話 / 戸谷洋志 散種されることば、依代となることば――教材としての鷲田清一 / 五味渕典嗣 鷲田清一と石原吉郎の《位置》――老アーキビストの断想 / 川本隆史 【資料】 アンチ・セオリーとしての哲学――鷲田清一ブックガイド / 山口尚
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NEUTRAL COLORS 4|加藤 直徳
¥2,970
NEUTRAL COLORS 2023年 ソフトカバー 272ページ B5 正寸 H257mm × W182mm 印刷:オフセット・リソグラフ - 内容紹介 - 第 4 号 「仕事」特集 「仕事とはなにか?働く意味は?」という根源的な問いとともに、 ベーシックインカムの可能性を探究しながら取り組んだイシュー。 まずは自分が「雑誌を仕事として継続していけるか」を探りに、 ベルリンのブックフェアとアムステルダムのパブリッシャーを訪ねる。 ヨーロッパ及び世界流通へ、飛び込み営業の結果やいかに。 美濃和紙の工房に“臨時”で弟子入りし、オリジナル和紙を漉き込む。 福島の故郷に戻り人生を模索する女性、空飛ぶ車を開発するテック企業、 消えゆく文字の仕事「写植」を記憶し、落選中の政治家にフォーカスする。 障害を持つ人が働くほんとうの意味、宮大工が思考する木と石の建築物。 アリ植物の夢を見て、シンガポールのインディペンデント出版に触発される。 校正という仕事の裏側、写真家が養蜂に見る“脱成長”への道——。 NEUTRAL COLORS ならではの手刷り感溢れる印刷、 泣きたくなるくらい正直で内面に刺さるテキスト、 雑多でページをめくるたびに驚きがあるデザイン。 紙でしか味わえない新しい雑誌体験がここにあります。
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NEUTRAL COLORS 3|加藤直徳
¥2,750
NEUTRAL COLORS 2022年 257x182x15㎜ 264ページ - 内容紹介 - オフセットとリソグラフを融合させた唯一無二の印刷で話題となった雑誌NEUTRAL COLORSの第3号。特集:大人になって見る行きたい学校の夢 前号が「子どものための学校」特集だとすれば、第3号は「大人のための学校」特集。自分がもう一度行きたい学校とはどこか?大人になったいま、これからの学びについてゆっくりと考えてみました。 CONTENTS ●インドネシア/ドイツ/山口 自分のグッドスクールはどこにある? 写真=Panji Purnama Putra/文=加藤直徳 ●スイス わたしの「造形」を探して 写真=Hanna Biker/文=岡本菜穂(SIRI SIRI) ●エッセイ あの生徒のこと 永田益豊(元小学校教員) 遠藤直哉(私立学校教頭) 石田 誠(特別支援学校教員) ●インタビュー 尹雄大:学ぶことの意味 温又柔(作家) 山縣良和(ファッションデザイナー) 上間陽子(琉球大学教授) 福森伸(しょうぶ学園施設長) ●USA バークリーで鳴る音は 写真・文=唐木 元 ●対談 16通の往復書簡 文=愼允翼・西村亮哉 ●川崎 Outside the School 談=磯部 涼/写真=細倉真弓 ●名古屋 港まちグッドスクールダイアリー 写真=今井正由己・江本典隆・三浦知也/文=加納大輔 ●オランダ Werkplaats Typografie学校案内 文=加納大輔/翻訳=深井佐和子 ●SEX EDUCATION 静かに読んで聞かせる性教育 イラスト=水野 咲/文=加藤直徳 ●エッセイ 「あのとき」の学習日誌 写真・文=岸田 繁(くるり) ●座談会 大学時代とはなんだったのか ぶっちゃけ座談会 AKIRA(元SEALDs) haru.(HIGH(er)magazine編集長) 能條桃子(NO YOUTH NO JAPAN代表) 編集=平山 潤/文=西山 萌 ●東京 その男たち、学ランにつき 写真・文=numa ●秋田(AIU) 普通の大学生 文=佐藤寧々/写真=岩根 愛/編集=佐藤 啓 ●エッセイ 日常というノイズに耳をひらく 文=dj sniff/写真=山本 華 ●フランス 新たな自己を受け入れる旅 写真・文・コラージュ=宮本 武 ●岡山 光を視る 写真=中川正子/文=加藤直徳 ●福島 旅立ちのとき 写真=西村亮哉/文=本間美和 (出版社紹介文より) https://neutral-colors.com/books_post/neutral-colors-3/
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嘘がつけない人 対談と掌篇 Ⅰ 小山田浩子, 大竹昭子
¥990
カタリココ文庫 2021年 ソフトカバー 88ページ 文庫版(w105×h148mm) - 内容紹介 - 同じ文庫サイズ、「工場」「穴」などの作品がある(とわざとらしく書いてますがあの…!)小山田浩子さんと大竹昭子さんの対談に、お互いが執筆した掌編を加えた一冊です。小山田浩子さんといえば、と装画はフィリップ・ワイズベッカーの作品です! (カタリココ文庫より・プレスリリース) <カタリココ文庫>新刊のご案内 『嘘がつけない人』は、小山田浩子と大竹昭子による対談と、両者が書き下ろした二篇の掌篇、「骨董」と「裏焼き」を収めたこれまでにないスタイルのカタリココ文庫です。 小山田の小説作品に描かれているのはごく日常的な光景ですが、読み進むうちにあたかも風景を構成するピースが置き換わり異次元に侵入していくような感覚に引き込まれます。 既知の世界を未知のものに誘導していくのは、全体を俯瞰せずに対象に密着して描いていく改行のほとんどない独特の文体です。 改行しないのではなくて、出来ないのだ、と小山田は述べます。 ふつうに考えたら簡単なはずの改行を入れることがなぜ困難なのか。小山田作品の核心はここにあります。対談ではその謎を幼少期の記憶を遡りながら解いていきます。 文章を書く行為は、なにを描いて、なにを描かないかを選ぶことにより成り立っていますが、この選択を彼女がいかに誠実に、厳密におこなっているかが読み進むにつれて明らかになるでしょう。 掌篇の「骨董」と「裏焼き」は一枚の写真を手がかりにそれぞれが書き下ろしました。 打ち合わせをせずに自由に創作しましたが、二篇とも写っている人物についての物語ではなく、写真という存在そのものに想念をはせる内容になったことを興味深く思います。 このように、同じ写真を見てふたりの作家が作品を書き下ろすというのは、あまり例のない試みです。 掌篇パートの冒頭にその写真が載っていますので、写真と掌篇がどのように関わっているかをお楽しみください。 なお表紙に使われている装画は、小山田のこれまでの作品集と同様にフィリップ・ワイズベッカーの作品を使わせていただきました。 また『嘘がつけない人』というタイトルの由来も本書のなかに見つかります。 小山田作品のファンにとってはもちろんのこと、これから彼女の作品に出会う人々にとっても、本書がその作品世界により深く降りていく吸引力となることを願ってやみません。
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絵にしかできない Ⅰ 諏訪 敦, 大竹昭子
¥1,100
カタリココ文庫 2022年 ソフトカバー 88ページ 文庫版(w105×h148mm) - 内容紹介 - カタリココ文庫10号は画家、諏訪敦と大竹昭子による対談『絵にしかできない』をお届けいたします。諏訪敦は緻密な描法で知られ、絵画制作に注ぎ込むエネルギー、技術、パッションは尋常ではありません。 写真と絵画はどちらも二次元の表現ですので、対象が克明に描きだされている場合、写真と思いちがいすることがよくありますが、具象絵画には長大な時間と根気を求められ、見かけは似ているようでも両者のあいだには大きな隔たりがあります。「写真みたい」という一言で片づけてしまうと決して見えてこない深淵が、そこには横たわっているのです。 スペイン留学を機に日本人の身体が気になってはじめた舞踏家の大野一雄・慶人のシリーズ、父の遺体を描くことで互いの関係を見つめ、死の存在を問うた<father>、満蒙開拓団として大陸に渡った祖父母の足跡を調査して描いた<棄民>シリーズなど、彼の創作は詳細な取材を通して自分の足下を深く掘り下げることからスタートします。その過程はまるで文学者のようです。 本号では2019年9月のトークと朗読会<カタリココ>と、彼のアトリエでおこなったつづきの対談を収録し、巻末には彼の活動歴を示す詳細な年譜を載せました。美術家の図録には年譜がないことが多いので、本号でそれが実現できたのを嬉しく思います。
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本屋の周辺 Ⅰ AROUND THE BOOKSTORE | 松永弾正
¥990
H.A.B 2022年 ソフトカバー A6 - 内容紹介 - 旅をして、本屋に赴き、話を聞く。資料を探り、事実を整理し、書き残す。本屋の歴史を繋げていく。いずれ失われてしまうかもしれない遠い未来のために「そこに本屋があった記憶」を留める本屋訪問記。札幌・函館、松本、松山、熊本ほか、新進の書店から、創業一〇〇年を超える老舗古書店まで、全一八店舗を収録。 (訪問した書店) 高野書店(小田原) 雑貨と本 gururi(谷中) 三崎堂書店(三崎) 港文堂書店(横須賀) 愛媛堂書店(松山) 洲之内徹の古本屋(松山)*文献調査 古書リゼット(鹿児島) 天野屋書店(熊本) 古書汽水社(熊本) ポロポロ書店(宮崎) 大野書店(別府) 栄文堂書店(函館) 並樹書店(札幌) 書肆秋櫻舎(松本) 高美書店(松本) 有文堂書店(三崎町)
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nice things. issue71
¥1,760
情景編集舎 2023年 - 内容紹介 - 出版元の会社の倒産により休刊となってしまったnice things.。 ファンも多かったことから、クラウドファンディングなどを経て2020年に復刊。 テーマは「暮らすべく場所で、自分らしく。」です。
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nice things. issue68
¥1,760
情景編集舎 2022年 - 内容紹介 - 巻頭特集テーマ 「扉を開けたいお店」 nice things.で最も長く最も多く特集してきた企画です。この企画を始めたときには、いつか取材先が尽きるのでは、という懸念もありました。でも実際には、日本のあちらこちらに「扉を開けたいお店」はたくさんあります。また生まれています。この企画で私たちが大切にしていることは、「ひとの気配」です。そのお店の扉は「普段の自分の世界」から「誰かの世界」へ誘ってくれます。
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We Act! vol.2 by Sakumag Collective 自分ごとのストーリー
¥1,320
サイズ:11.5 cm × 19cm - 内容紹介 - Sakumag Collective出版プロジェクト第2弾。 前回の「誰にでもできることはある」から、アクションすることに踏み切った人たちの行動のきっかけになった「モヤモヤ」をまとめたエッセイ集。 (版元紹介文より)
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We Act! by Sakumag できることは必ずある:わたしたちのアクション集
¥750
サイズ:11.5 cm × 19cm - 内容紹介 - 佐久間裕美子のニュースレターをハブに生まれたコレクティブSakumag。参加するメンバーたちが、自分たちが社会を変えるためにこれまで取った、大なり小なりのアクションをまとめた小冊子。ジェンダー、環境、人生、仕事、政治、人権の分野ごとのアクション+Sakumagのエッセンスのわかる一冊です。 (版元紹介文より)