-
熊 人類との「共存」の歴史[新版]|べアント・ブルンナー(著), 伊達 淳(訳)
¥2,750
白水社 2026年 262ページ 四六判 - 内容紹介 - 駆除でもなく、保護でもない。 慈愛と畏敬を持って接すべき大切な隣人でありながら、人の生命を脅かす害獣としても扱われる。 二分法では永遠に解くことのできない熊と人間との深い関係性を、豊富な知見から徹底的に引き出した名著。 いま読まれるべき本だと、ぼくは思う。 石川直樹 有史以来、人間は熊と他の動物とは異なる特別な関係を結んできた。原初の人類にとって、熊は「狩る/狩られる」の関係にあり、自然崇拝の象徴でもあった。ところが、時代が下るにつれて家畜を襲う害獣として疎まれるようになっていく。ヨーロッパやアフリカのように絶滅に追いやられた地域もある。 他方、『三びきのくま』、『くまのプーさん』、『ジャングル・ブック』のように、熊ほど人間に愛され、その想像力に訴えかけてきた動物もいない。狩猟家として名を馳せたアメリカ大統領セオドア・ルーズヴェルトの愛称を冠した可愛らしいテディベアに象徴されるように、熊はなぜ人間にとってこれほど矛盾に満ちた存在なのだろうか。 本書では、熊と人が辿ってきた長い歴史を読み解きながら、熊という存在について16の切り口から考察する。幅広い文献を渉猟し、熊にまつわる伝説や言い伝え、さまざまな時代の証言や観察記録、(ときに奇抜な)学説が紹介され、時代ごとに人が熊をどのように見てきたかを概観することができる。 文化史と自然史の交わるところに焦点を当て、今後われわれは熊といかに関係を築いていくべきかを本書は問いかける。 - 目次 - 序文 第1章 熊の辿ってきた道 第2章 変異 第3章 ドウクツグマの謎 第4章 誤解 第5章 異国での発見 第6章 熊の個性 第7章 音、感覚、合図 第8章 ペットとしての熊 第9章 東シベリアでの観察者 第10章 対峙する 第11章 狩る者と狩られる者 第12章 イヌイットとホッキョクグマ 第13章 もっと、もっと近くに 第14章 熊のショー 第15章 熊の代役 第16章 熊恐怖症 エピローグ 謝辞/参考文献に関して 訳者あとがき 図版クレジット/参考文献/索引 - 著者プロフィール - べアント・ブルンナー (ベアント ブルンナー) (著) 1964年生まれ。ベルリン自由大学、ベルリン経済大学を卒業。フリーランスの文筆家、ノンフィション作品の編集者。歴史、文化、科学を横断するさまざまなテーマの著作多数。邦訳に『水族館の歴史』『月』(以上、白水社)がある。最新作はUnterwegs ins Morgenland. Was Pilger, Reisende und Abenteurer erwarteten, und was sie fanden(2024)。 伊達 淳 (ダテ ジュン) (訳) 1971年生まれ。和歌山県那智勝浦町出身。関西学院大学商学部、東京外国語大学欧米第一課程卒業。訳書に、B・オキャロル『マミー』、D・モリス『フクロウ その歴史・文化・生態』『サル その歴史・文化・生態』、T・エンジェル『フクロウの家』、A・エンライト『グリーン・ロード』(以上、白水社)、B・オキャロル『チズラーズ』『グラニー』(以上、恵光社)、B・クラウス『野生のオーケストラが聴こえる サウンドスケープ生態学と音楽の起源』(みすず書房)、D・モリス『アートにみる身ぶりとしぐさの文化史』(三省堂)がある。
-
江藤淳と加藤典洋 戦後史を歩きなおす|與那覇 潤
¥2,090
文藝春秋 2025年 ソフトカバー 320ページ 四六判 - 内容紹介 - 戦後80年間の日本人の魂の遍歴を、江藤淳・加藤典洋とともにたどる試み。小林秀雄賞の歴史家が放つ、初めての「文芸批評」。 *上野千鶴子さん推薦 「戦後批評の正嫡を嗣ぐ者が登場した。文藝評論が政治思想になる日本の最良の伝統が引き継がれた思いである。」 *東畑開人さん評(読売新聞2025年6月22日付) 「戦後史についての本であるけれども、それ以上の本だ」「文学とは時代の苦悩を物語る営みに他ならない。そこに時代を生きた心が浮かび上がる」 国破れて小説あり ――敗けてから80年、 再生する日本が「青春期」に悶えた記憶を 老いたいま、どう受けとるのか。 文芸評論の巨人ふたりに倣いつつ 太宰治から村上龍、春樹まで、 戦後文学の最も高い尾根から見晴らす 私たちの ”魂” の現代史。 目次 ベース・キャンプにて 歴史が消えてからのまえがき 戦後史の峰に登る 人間宣言――太宰治『斜陽』 社会党政権――椎名麟三『永遠なる序章』 六全協――柴田翔『されど われらが日々――』 ふたつの安保――庄司薫『赤頭巾ちゃん気をつけて』 沖縄返還――村上龍『限りなく透明に近いブルー』 ヒュッテでの一夜 「満洲国」のあとで 大佛次郎から村上春樹へ 現在への坂を下る 江藤淳小伝 轟轟たる雷鳴に死す 「喪の作業」が消えた平成 書評 平山周吉『江藤淳は甦える』 「歴史」の秩序が終ったとき 三島事件後の歴史家たち 書評 風元正『江藤淳はいかに「戦後」と闘ったのか』 瓦礫の掃き寄せ WGIP史観のあとさき 書評 赤坂真理『箱の中の天皇』 批評家の最後の闘争 ふたたびの『妻と私』 ねじれとの和解の先へ 『敗戦後論』後の加藤典洋 歴史がこれ以上続くのではないとしたら 加藤典洋の「震災後論」 最後の文芸評論家 加藤典洋さんを悼む 帰りの汽車のなかで 終わらない対話のあとがき
-
中世モンスターのはなし 装飾写本でたどる|ダミアン・ケンプ (著), マリア・L.ギルバート (著), 堀口容子 (翻訳)
¥2,640
美術出版社 2026年 ハードカバー 100ページ 19.7 x 15.8 x 1.4 cm - 内容紹介 - 中世に制作された装飾写本の挿絵やページの片隅には、たくさんの奇妙なモンスターたちが描かれました。時祷書や旅行記、騎士物語に生き生きとした姿で登場する彼らは、現代の私たちが見ても新鮮な驚きに満ちています。本書は、中世ヨーロッパの装飾写本に描かれた、個性的なモンスターたちの絵とともに、中世に信じられていた想像上のいきものや、聖書や英雄伝説で語られるモンスターの逸話をまとめたものです。 大英図書館(ロンドン)、J・ポール・ゲティ美術館(ロサンゼルス)、ボドリアン図書館(オックスフォード)、アミアン市立図書館から至宝が集結。細やかな挿絵から欄外装飾に隠れていた不思議なモンスターまで、およそ100点を収録。セイレーンやユニコーン、狼人間などファンタジーでもお馴染みのモンスターはもちろん、パノティイ、ブレムミュアエ、シノセファリのような異郷にすむとされていたモンスター、英雄の竜退治伝説、聖人を誘惑する悪魔、恐ろしい地獄の描写まで……写本に描かれたユーモラスな姿とともに、それぞれの特徴やエピソードを紹介します。中世の人々の豊かな想像力が生み出した、ちょっぴり怖くて不思議な世界をお楽しみください。 ダミアン・ケンプ&マリア・L.ギルバートによる『Medieval Monsters』(The British Library)の日本語翻訳版。『中世ネコのくらし』『中世イヌのくらし』に続く、装飾写本シリーズ第3弾の登場です。
-
中世ネコのくらし 装飾写本でたどる|キャスリーン・ウォーカー゠ミークル (著), 堀口容子 (著)
¥2,640
美術出版社 2024年 ハードカバー 96ページ 19.7 x 15.8 x 1.4 cm - 内容紹介 - ネコは中世を通じて写本にしばしば描かれました。ネズミと共に大切なペットとして、時には寓話の賢いキャラクターや、悪魔の化身として…様々な姿で表現されてきました。 本書は中世ヨーロッパの装飾写本のなかから、ネコが描かれた美しいページとともに、中世のネコの生活の様子や物語のネコが登場する逸話をご紹介します。中世におけるネコのくらしや人間との関係性を魅力的に描き出した1冊です。 The British Libraryから刊行した、キャスリーン・ウォーカー=ミークル著『CATS in Medieval Manuscripts(中世装飾写本のネコたち)』の日本語翻訳版です。
-
中世イヌのくらし 装飾写本でたどる|キャスリーン・ウォーカー゠ミークル (著), 堀口容子 (著)
¥2,640
美術出版社 2025年 ハードカバー 96ページ 19.7 x 15.8 x 1.4 cm - 内容紹介 - 愛すべき友であり、忠実な仲間、イヌ。その昔から人と共にくらし、友として、仕事のパートナーとして、現在に至るまで親密な関係を築いてきました。 そんなイヌたちは、美しい中世の装飾写本にも様々な姿で登場します。本書は大英図書館の装飾写本コレクションから、装飾写本に描かれた個性的なイヌの絵を集めました。拡大図を多く掲載し、ページの余白に小さく描かれたイヌであっても、じっくり眺めるとその表情の豊かさに驚かされます。 さらに中世の文献を紐解き、中世のイヌにまつわる逸話をご紹介します。飼い主を守り戦う勇敢な忠犬、貴族にかわいがられ贅沢にくらす愛玩犬、イヌに関する不思議な迷信など……中世の人々な豊かな文化と、イヌのくらしぶりに触れてみませんか? The British Libraryから刊行した、キャスリーン・ウォーカー=ミークル著『DOGS in Medieval Manuscripts』の日本語翻訳版。
-
増補版 ガザとは何か | 岡 真理
¥1,100
大和書房 2026年 大和文庫 ソフトカバー 352ページ 文庫判 縦150mm 横105mm 厚さ18mm - 内容紹介 - 累計6.5万部突破!23年10月の攻撃直後に緊急出版された、パレスチナ問題を理解するための必読書に大幅増補の決定版 - 著者プロフィール - 岡 真理 (オカ マリ) (著) 1960年生まれ。早稲田大学文学学術院教授、京都大学名誉教授。専門は現代アラブ文学、パレスチナ問題。 東京外国語大学アラビア語科卒、同大学大学院修士課程修了。在学時代、パレスチナ人作家ガッサーン・カナファーニーの小説を通してパレスチナ問題、アラブ文学と出会う。エジプト・カイロ大学に留学、在モロッコ日本国大使館専門調査員、京都大学大学院人間・環境学研究科教授等を経て現職。 著書に『棗椰子の木陰で 第三世界フェミニズムと文学の力』(青土社)、『アラブ、祈りとしての文学』『ガザに地下鉄が走る日』(以上みすず書房)、『中学生から知りたいパレスチナのこと』(共著、ミシマ社)ほか。訳書に、ターハル・ベン=ジェッルーン『火によって』(以文社)、サラ・ロイ『なぜガザなのか』(青土社)、イザベラ・ハンマード『見知らぬ人を認識する』(みすず書房)ほか。
-
戦争の美術史 | 宮下 規久朗(著)
¥1,496
岩波書店 2025年 岩波新書 ソフトカバー 286ページ 新書判 縦173mm 横107mm 厚さ12mm - 内容紹介 - 戦場という、神なき終末世界を作ったのは人間に他ならない。画家の眼は戦争の真実をどのように捉えて表現に結びつけたのか。そしてそれらはなぜ私たちの心を打つのか。絵画、写真、彫刻、慰霊碑など200点超の戦争美術をカラー図版で紹介し、ゴヤやピカソ、フジタらによる名品の意味に迫る。戦争と美術の歴史を一望する。 - 目次 - はじめに 第Ⅰ章 戦争美術のはじまり――古代からルネサンスまで 第Ⅱ章 惨禍はどう描かれたか――近世の戦争 第Ⅲ章 日本の戦争美術――中世から日清・日露戦争まで 第Ⅳ章 国家は美術と手を結んだ――第一次世界大戦 第Ⅴ章 美術作品と偏見――第二次世界大戦 第Ⅵ章 「どうかよい絵を描いて下さい」――戦時中の日本 第Ⅶ章 記憶の芸術――二十世紀後半から今日まで おわりに――戦争美術とは何か あとがき 主要参考文献 - 著者プロフィール - 宮下 規久朗 (ミヤシタ キクロウ) (著) 1963年(昭和38年),名古屋市に生まれる.東京大学文学部美術史学科卒.同大学院修了.現在,神戸大学大学院人文学研究科教授. 著書 『カラヴァッジョ 聖性とヴィジョン』(名古屋大学出版会,2004年,サントリー学芸賞など受賞) 『食べる西洋美術史』(光文社新書,2007年) 『ウォーホルの芸術』(光文社新書,2010年) 『モチーフで読む美術史』(ちくま文庫,2013年) 『闇の美術史』(岩波書店,2016年) 『ヴェネツィア』(岩波新書,2016年) 『聖と俗』(岩波書店,2018年) 『聖母の美術全史』(ちくま新書,2021年) 『バロック美術』(中公新書,2023年) 『日本の裸体芸術』(ちくま学芸文庫,2024年) ほか多数
-
戦争と芸術の「境界」で語りをひらく 有田・大村・朝鮮と脱植民地化 | 山口祐香(著), チョン・ユギョン/Jong YuGyong(著)
¥2,200
木立の文庫 2025年 ソフトカバー 192ページ 四六変形判 縦168mm 横123mm 厚さ13mm - 内容紹介 - 陶製手榴弾を模した架空の焼き物「大村焼」が刻む歴史と表現――。 若手研究者と現代美術作家による対話、論考、エッセイ、そして抵抗のアート。自由を奪われた人々について言葉を交わし、社会とつながり、考え続けるためのたしかな試み。 有田焼がうまれた400年前から現在まで繰り返された戦争と移動、排外主義を考えるために、さまざまな歴史課題を問い直しながら、差別と忘却に抗う言葉を記録する。 - 目次 - [まえがき]「場違い」な私たち――朝鮮と日本をめぐる境界の歴史 チョン・ユギョン 第1章 「大村収容所」から「大村焼」まで 山口祐香 第2章 〈大村焼〉シリーズ/ドットシリーズ/KKWANG!シリーズ 作品解説 チョン・ユギョン 第3章 [対談]ローカルからとらえなおす「戦争と芸術」 第4章 B面の日韓越境史 山口祐香 第5章 [対談]「境界線」でぶつかる音を表現し、語る 第6章 牛歩と遊歩──制度のはざまを歩く チョン・ユギョン 第7章 「故郷」をつくる――有田・人とうつわの400年史 山口祐香 本書のテーマをもっと考えるためのBOOK GUIDE 主要参考文献 初出一覧 - 版元から一言 - この国が引き起こした植民地支配や戦争と地続きの排外主義や差別をそれぞれが語り、怒りを共有し、あきらめないためにぜひ読んでいただきたい1冊です。 - 著者プロフィール - 山口祐香 (ヤマグチ ユカ) (著) 1993年佐賀県生まれ。九州大学韓国研究センター助教。2021年九州大学大学院地球社会統合科学府博士課程修了、博士(学術)。日本学術振興会特別研究員、ソウル大学日本研究所客員研究員、神戸大学国際協力研究科特命助教などを経て、現職。 専門は、戦後日韓関係史、在日コリアン史、市民運動史。最近は現代日韓におけるアートと多文化共生にも関心を広げている。主著として、『「発見」された朝鮮通信使―在日朝鮮人歴史家・辛基秀の歴史実践と戦後日本』(単著、法律文化社、2024年)など。 チョン・ユギョン/Jong YuGyong (チョン ユギョン) (著) 1991年兵庫県生まれ、福岡県在住。2014年に朝鮮大学校美術科を卒業。 2017年からソウルを拠点に作家活動を続けていたが、韓国の兵役法の改正により徴兵対象となったため、2020年末に日本へ帰国。作品では、朝鮮人の「移動」の歴史を検証し、恣意的に引かれる「境界線」や、戦争と文化との関係に問いを投げかけており、近年は有田焼や大村収容所の歴史を調査しながら作品を発表している。 公式WEBサイト:jongyugyong.com
-
日本万博全史 | 夫馬 信一
¥3,850
左右社 2025年 ソフトカバー 350ページ A5判 - 内容紹介 - 人は〈万博〉に、どんな夢を見るか 「ビッグイベント=発展の原動力」というモデルが、いかにしてレガシーを築き、そして時代が変わった令和においても信奉されるに至ったのか── 開催目前で挫折した1940年万博計画から、令和の大阪関西万博まで。 日本人と〈万博〉のカオスな100年史。 ▼TOPICS ◉誰よりも早く万博を夢見た、佐賀藩の佐野常民 ◉「後藤新平」が奔走した、知られざる「神奈川万博」 ◉日中戦争目前に挫折した、1940年の「幻の万博」 ◉1970年ガスパビリオン「クレージーキャッツ映画」の全貌 ◉大阪万博「カンボジア館」と本国が辿った数奇な運命 ◉バブル期到来。再開発と連動した地方博覧会ブーム ◉東京~大阪関西をまたいだ「空とぶクルマ」計画 大量の発掘資料と貴重な画像約300点で蘇る、 追憶と興奮のメモワール。
-
「九月」を生きた人びと 朝鮮人虐殺の「百年」 | 加藤 直樹
¥1,980
ころから 2025年 ソフトカバー 202ページ A5変形 - 内容紹介 - 関東大震災時の朝鮮人虐殺の関連書『九月、東京の路上で』『TRICK 「朝鮮人虐殺」をなかったことにしたい人たち』(ともに、ころから)で知られる、加藤直樹さんの新著。 1923年の大震災発生前の東アジア状況から虐殺事件50周年に建立された追悼碑のいきさつ、そしてヘイトデモの勃興と抵抗まで、広い意味での「九月」を生きる人びとを点描する一冊。 - 目次 - はじめに 過ぎ去らない「百年」 セクション1 朝鮮人虐殺の「百年」 朝鮮人虐殺と「杉並」の百年 追悼するということ セクション2 「九月」を生きた人びと パルチザンの幻影 "JAPANESE ONLY"と姜大興さんの墓 義烈団・金祉燮が差し出した手 映画『金子文子と朴烈』が描く虚実の妙 「自由な街」で育って― 私の大久保 大久保― レイシスト集団を包囲する人々 中国人虐殺を生き延びた青年 セクション3 「嫌韓」と虐殺否定論に抗して 「嫌韓」の歴史的起源を探る ラムザイヤー教授の「朝鮮人虐殺」論文を読む おわりに 「私たち」の百年を記憶する - 前書きなど - 当時の東京には、デパートや映画館があった。 すし詰めの路面電車に揺られて通勤するサラリーマンたちもいた。 彼らは「週刊朝日」「サンデー毎日」などの週刊誌や新聞を読んでいた。夕方に家路につけば、家々には電気の明かりがともっていたーー 朝鮮人虐殺は、そんな私たちとさして違わない暮らしのなかで行われた。 そして、そのトラウマを生きた人びとの記憶が消え去るには、百年は短すぎる。(本書「はじめに」より) - 著者プロフィール - 加藤 直樹 (カトウ ナオキ) (著) 1967年東京都生まれ。フリーランスのライター、エディター。著書に『九月、東京の路上で 1923関東大震災ジェノサイドの残響』(ころから)、『TRICK 「朝鮮人虐殺」をなかったことにしたい人たち』(ころから)、『謀叛の児 宮崎滔天の「世界革命」』(河出書房新社)、『ウクライナ侵略を考える』(あけび書房)など。訳書に『沸点 ソウル・オン・ザ・ストリート』(チェ・ギュソク作、ころから)がある。
-
「ナガサキ」を生きる 原爆と向き合う人生 | 高瀬 毅
¥2,200
亜紀書房 2025年 ソフトカバー 276ページ 四六判 縦188mm 横130mm 厚さ20mm - 内容紹介 - 《歴史》になったナガサキを《記憶》に引き戻すこと。 それは《新しい戦前》の時代に求められる倫理だ。 ──白井聡(政治学者) ********** 1945年8月9日、6日の広島に続き長崎に原子爆弾が投下された。 その影響は計り知れなく、80年経った今もなお苦しむ人たちがいる。 長崎出身の被爆二世である著者は、1000人以上の被爆者の声を記録したジャーナリスト伊藤明彦の仕事に導かれながら、自らも原爆の取材に邁進してきた。 ──なぜ、神の聖地「ナガサキ」に原爆は落とされたのか? 被爆者や関係者への取材、日米の膨大な資料をとおして〝人類史上最大の悲劇〟の核心に迫っていく。 ********** ●なぜ、投下目標地が小倉から長崎に変更されたのか? ●なぜ、短期間に2発もの原爆が投下されたのか? ●米国はどのような計画で原爆を落としたのか? 【原爆投下のプロセスの解明に挑む本格ノンフィクション】 - 目次 - 第1章 原爆の記録に人生を賭ける 第2章 「長崎小空襲」の謎 第3章 「小倉原爆」 第4章 小倉上空の謎 第5章 長崎上空の謎 第6章 「被爆太郎」の造形とこれから 第7章 原爆正当化論と次の「核使用」 終章 あとがきにかえて - 著者プロフィール - 高瀬 毅 (タカセ ツヨシ) (著) 1955年長崎市生まれ。ノンフィクション作家。戦争、原爆、人物や都市論を主なテーマとする。1978年、明治大学政治経済学部卒業後ニッポン放送入社。報道記者、ディレクターとして活躍。ラジオドキュメンタリー「通り魔の恐怖」で日本民間放送連盟賞最優秀賞。1989年からフリー。テレビ、ラジオでコメンテーター、キャスターなどを務め、雑誌「AERA」では人物ドキュメンタリーを30年近く担当。40人の著名人を描いてきた。2009年、『ナガサキ 消えたもう一つの「原爆ドーム」』で平和・協同ジャーナリスト基金賞奨励賞。現在、YouTubeニュース解説チャンネル「デモクラシータイムス」でキャスター。同チャンネルで政治学者白井聡氏と対論する「ニッポンの正体」を書籍化した『ニッポンの正体』(河出書房新社)のシリーズ第3弾が25年2月に刊行された。同5月には『今里廣記』(長崎文献社)も刊行された。その他著書多数。
-
南京事件 新版 | 笠原 十九司
¥1,232
岩波書店 2025年 岩波新書 ソフトカバー 300ページ 新書判 縦173mm 横107mm 厚さ12mm - 内容紹介 - 1937年、日本軍は中国での戦線を拡大し、戦争の泥沼に突き進んだ。その一大汚点としての南京事件。殺戮・略奪・強姦の蛮行はいかなるプロセスで生じ、推移し、どんな結果を招いたのか。日中全面戦争にいたる過程、虐殺の被害の実相、推定死者数等を旧版より精緻に明らかにし、事件の全貌を多角的に浮かび上がらせる増補決定版。 - 目次 - 新版に寄せて 序 二つの裁判で裁かれた南京事件 Ⅰ 日中全面戦争へ Ⅱ 海軍航空隊の戦略爆撃 Ⅲ 中支那方面軍、独断専行で南京へ Ⅳ 近郊農村から始まった虐殺 Ⅴ 南京占領――徹底した包囲殲滅戦 Ⅵ 陸海両軍による「残敵掃蕩」 Ⅶ 入城式のための大殺戮 Ⅷ 陸の孤島での犯罪と抵抗 Ⅸ 南京事件の全体像――犠牲者総数を推定する 結びにかえて――いま問われているのは何か 主な参考・引用文献 - 著者プロフィール - 笠原 十九司 (カサハラ トクシ) (著) 1944年群馬県に生まれる 東京教育大学大学院修士課程文学研究科中退。 学術博士(東京大学) 専攻―中国近現代史 現在―都留文科大学名誉教授 著書―『アジアの中の日本軍』(大月書店) 『南京難民区の百日』(岩波現代文庫) 『日中全面戦争と海軍』(青木書店) 『南京事件と三光作戦』(大月書店) 『増補 南京事件論争史』(平凡社ライブラリー) 『日本軍の治安戦』(岩波現代文庫) 『海軍の日中戦争』(平凡社) 『日中戦争全史』上・下(高文研)ほか
-
戦争と漫画 銃後の物語 | 山田 英生
¥1,056
筑摩書房 2025年 ちくま文庫 ソフトカバー 400ページ 文庫判 - 内容紹介 - 出征、疎開、空襲……戦地とは異なる戦いがここにもあった。漫画家がつまびらかにする、蝕まれていく日常の平穏。戦後80周年の精選アンソロジー。 【収録作家】こうの史代/伊藤重夫/大島弓子/滝沢聖峰/古谷三敏/石坂啓/水木しげる/おざわゆき/巴里夫/近藤ようこ(原作:坂口安吾)/伊藤潤二/滝田ゆう 巻末エッセイ 中島京子 カバーイラスト 近藤ようこ「戦争と一人の女」より/カバーデザイン 重実生哉 - 目次 - Ⅰ こうの史代『この世界の片隅に』(第6回、第7回、第9回) 伊藤重夫『ゆきものがたり』 大島弓子『七月七日に』 滝沢聖峰『東京物語』(第14話 「靴音」) Ⅱ 古谷三敏『寄席芸人伝』(「棒手振り志ん弥」) 石坂啓『八月の友人』 水木しげる『村の朝鮮人』 おざわゆき『あとかたの街』(第18話「消せない灯り」) Ⅲ 巴里夫『疎開っ子数え唄』 坂口安吾・原作 近藤ようこ・画『戦争と一人の女』(抄) 伊藤潤二『脱走兵のいる家』 滝田ゆう『寺島町奇譚』(「蛍の光」) 編者解題 山田英生 巻末エッセイ 「銃後」を想像する、よすがに 中島京子 - 著者プロフィール - 山田 英生 (ヤマダ ヒデオ) (編) 1968年生まれ。「内外タイムス」「アサヒ芸能」記者などを経て、書籍・コミックの企画編集、雑誌記事の取材執筆に携わる。編書に『原水爆漫画コレクション』全4巻、『ビブリオ漫画文庫』『貧乏まんが』『老境まんが』『温泉まんが』『書痴まんが』『孤独まんが』『余生まんが』『現代マンガ選集 悪の愉しみ』『つげ義春賛江』などがある。また、共著書に『「暴力団壊滅」論』(「やくざコミック規制」などを分担執筆)がある。
-
戦争と漫画 戦地の物語 | 山田 英生
¥1,034
筑摩書房 2025年 ちくま文庫 ソフトカバー 384ページ 文庫判 - 内容紹介 - 激戦地での死の行軍、軍隊の暴力や不条理、戦地の女性たちの苦難、ラーゲリの日々……巨匠から新進気鋭の作家まで、漫画家はどのように戦争を描いたのか? 戦地の兵士や女性、子どもたちの物語を収録した精選アンソロジー。【収録作家】武田一義/滝田ゆう(原作:野間宏)/水木しげる/わちさんぺい/山田参助/楳図かずお/石坂啓/今日マチ子/比嘉慂/村上もとか/河井克夫(原作:辺見じゅん)/ちばてつや 巻末エッセイ 吉田裕 カバーイラスト 比嘉慂「砂の落日」より/カバーデザイン 重実生哉 - 目次 - Ⅰ 武田一義『ペリリュー―楽園のゲルニカ―』(抄) 野間宏・原作 滝田ゆう・画「真空地帯」 水木しげる『カランコロン漂泊記』より「人間玉」「従軍慰安婦」 わちさんぺい「荒鷲ゴンちゃん」 Ⅱ 山田参助『あれよ星屑』(抄) 楳図かずお「死者の行進」 石坂啓「突撃一番」 今日マチ子『cocoon』(抄) 比嘉慂「砂の落日」 Ⅲ 村上もとか『フイチン再見!』(抄) 辺見じゅん・原作 河井克夫・画『ラーゲリ〈収容所から来た遺書〉』(抄) ちばてつや 「屋根うらの絵本かき」 編者解題 巻末エッセイ こんな戦争漫画を読んでいた――私の少年時代 吉田裕 - 著者プロフィール - 山田 英生 (ヤマダ ヒデオ) (編) 1968年生まれ。「内外タイムス」「アサヒ芸能」記者などを経て、書籍・コミックの企画編集、雑誌記事の取材執筆に携わる。編書に『原水爆漫画コレクション』全4巻、『ビブリオ漫画文庫』『貧乏まんが』『老境まんが』『温泉まんが』『書痴まんが』『孤独まんが』『余生まんが』『現代マンガ選集 悪の愉しみ』『つげ義春賛江』などがある。また、共著書に『「暴力団壊滅」論』(「やくざコミック規制」などを分担執筆)がある。
-
沖縄戦記 鉄の暴風 | 沖縄タイムス社
¥1,760
筑摩書房 2024年 ちくま学芸文庫 ソフトカバー 528ページ 文庫判 - 内容紹介 - 第二次大戦末期二〇万人もの命が奪われた沖縄戦。本書はその惨状を従軍記者が克明に綴った記録だ。現代史第一級の史料を初文庫化。解説 石原昌家 === 第二次世界大戦における最激戦地の一つ沖縄。軍民合わせ20万人もの尊い命が犠牲となった。本書のタイトルの「鉄の暴風」とは、1945年3月26日から3カ月間にわたり途絶えることなく続いた艦砲射撃や空爆のすさまじさを表現した言葉だ。1950年の初版刊行以降、沖縄戦を象徴する言葉として定着した。地形が変わるまで打ち込まれた砲爆弾、壕に逃げ込んだ住民を炙り出す執拗な火炎放射、そして民間人にまで及んだ自死の強制。本書は行動を軍とともにした記者たちが自らも体験したその壮絶な戦場の実態を、生存者をたずね克明に記録したもの。現代史第一級の史料を初文庫化。 === 二度と戦争をしない・させないために生存者たちが語った真実を記録する 日本人必読の書 - 目次 - ちくま学芸文庫版『鉄の暴風』まえがき 重版に際して まえがき ひめゆり塔の歌 第一章 嵐の前夜 一、揺らぐ常夏の島 二、十・十空襲 三、死の道連れ 四、逃避者 第二章 悲劇の離島 一、集団自決 二、運命の刳舟 第三章 中・南部戦線 一、米軍上陸 二、北・中飛行場の潰滅 三、神山島斬込み 四、軍司令部の壕 五、南へ南へ 六、鉄火地獄 七、伊敷・轟の壕 八、月下の投降 九、防召兵の話 十、牛島・長の最期 十一、出て来い 第四章 姫百合之塔 一、女学生従軍 二、南風原陸軍病院 三、泥濘の道 第五章 死の彷徨 一、第三外科の最期 二、運命甘受 三、女学生の手記 四、草生す屍 五、壕の精 六、平和への希求(姫百合之塔由来記) 第六章 北山の悲風 一、北へ北へ 二、山岳戦 三、真部・八重潰ゆ 四、国頭分院の最期 五、さ迷う兵隊 六、護郷隊 七、敗残 八、武士道よさらば 第七章 住民の手記――板良敷朝基記 一、山 二、飢餓 附録 戦闘経過概要 沖縄戦日誌 日米損害比較 沖縄戦線要図 第1図 沖縄全島図 第2図 南部戦線(慶良間列島を含む) 第3図 中部戦線 第4図 北部戦線 あとがき 二十年後のあとがき 三十年後のあとがき 五十年後のあとがき 解説 新聞人が遺した警鐘を、いま再び打ち鳴らす――戦後八〇年を目前に(石原昌家) - 著者プロフィール - 沖縄タイムス社 (オキナワタイムスシャ) (編著) :沖縄本島で地上戦開始後も首里城地下の壕で発行を続けていた「沖縄新報」元社員らが立ち上げた新聞社。創刊は1948年7月1日。米軍政下で抑圧された日々から日本復帰を経て今日に至るまで、沖縄に軸足を置いた報道・論説、文化の継承・創造活動を続けている。
-
残されたものたちの戦後日本表現史 | 山本 昭宏
¥2,420
青土社 2023年 ソフトカバー 288ぺージ 四六判 - 内容紹介 - 水木しげる、中沢啓治、高畑勲から、こうの史代まで。 戦地から引き揚げたもの、空襲を生きのびたもの、被爆者として生きるもの……。戦争で生き残った表現者たちは個別の方法でそれぞれの経験の物語を作り上げてきた。かれらが描いた戦争・戦後とはいかなるものか。そして、これからの世代はどのように語り残していくべきか。これから先もずっと読まれ、観られ続けるべき作家、作品たちを精緻に読み解く。
-
考古学の大発見をめぐる八つの冒険 | マイケル・スコット, 府川由美恵(訳)
¥3,520
青土社 2025年 ソフトカバー 320ぺージ 四六判 - 内容紹介 - 地図にない道を行け! 雲間に浮かぶ古代都市、世界最古の沈没船、砂漠のなかの巨大石窟、氷にとざされた王女のミイラ――その遺物は、いかにして現代に姿を現し、「大発見」として認められるようになったのか? 政治的な思惑に翻弄され、技術的な限界に直面しつつも、あくなき探究心で時代を切り拓いてきた考古学者たちの知られざる物語。
-
学びのきほん フェミニズムがひらいた道 | 上野 千鶴子
¥737
NHK出版 2022年 ソフトカバー 124ぺージ A5判 - 内容紹介 - その歴史と意義が2時間でわかる、著者初の総合的な入門書。 学校で習った「男女雇用機会均等法」や「男女共同参画社会基本法」。これらは、真の男女平等を実現するものではなかった? フェミニズムはなぜ生まれ、何を変え、何を変えられなかったのか。その流れを「四つの波」に分けてコンパクトに解説する。女性参政権、性別役割の解放、#MeToo……。過去を知り、自分の経験を再定義する言葉を手に入れるために。日本におけるフェミニズムを切り開き続けてきた第一人者が、多くの経験知とともにフェミニズムがたどった道のりを語る。 - 著者プロフィール - 上野 千鶴子 (ウエノ チヅコ) (著/文) 1948年、富山県生まれ。社会学者、東京大学名誉教授。認定NPO法人ウィメンズアクションネットワーク(WAN)理事長。専門学校、短大、大学、大学院、社会人教育などの高等教育機関で、40年間教育と研究に従事。主な著書に『近代家族の成立と終焉』『家父長制と資本主義』(岩波現代文庫)、『おひとりさまの老後』(文春文庫)、『ひとりの午後に』(NHK出版/文春文庫)、『在宅ひとり死のススメ』(文春新書)、『おひとりさまの最期』『女ぎらい』(朝日文庫)、『ケアの社会学』(太田出版)など多数。
-
古本屋の誕生 東京古書店史 | 鹿島 茂
¥2,420
草思社 2025年 ハードカバー 288ページ 四六判 - 内容紹介 - 「知と文化の集積地」はいかにして作られてきたか? 江戸時代の「書店」の誕生から、明治以降の東京古書界の変遷まで、 本の街の歴史を詳細にたどる。 <内容より> ●本のセドリの誕生と江戸時代の「本屋仲間」 ●古書の価値創造の先駆者、江戸末期の達摩屋五一(だるまやごいち) ●幕府崩壊で大口顧客を失った東京古書界が生き残れた理由 ●明治前半まで芝神明町・日蔭町が東京随一の古書街だった背景 ●有斐閣、三省堂、冨山房…大古書街・神田神保町を生んだ第一波 ●大正・昭和期の代表的古書店・一誠堂の「店員教育」 ●戦後の古書界の復興と業界の未来 - 目次 - 序章 本屋はなぜ新刊本屋と古本屋に分かれたのか 第一章 セドリと古本屋の誕生 江戸時代までの書店ビジネス 第二章 大デフレと本屋仲間の解体 明治ゼロ年代 第三章 一大古書街・芝神明と漢籍ブーム 明治十年代〔一〕 第四章 東京大学誕生と神保町の台頭 明治十年代〔二〕 第五章 東海道線全通と神保町第二の波 明治二十年代 第六章 靖国通り開通と神保町第三の波 明治三十年頃から大正二年の大火まで 第七章 古書組合の誕生と関東大震災 明治末から大正末まで 第八章 古本屋の学校・一誠堂の躍動 昭和ゼロ年代 第九章 戦争をくぐり抜けて 昭和十年代 第十章 戦後の復興と発展 昭和二十年から昭和後期まで 終章 古本屋の現在と未来 あとがき - 著者プロフィール - 鹿島 茂 (カシマ シゲル) (著/文) 1949年、神奈川県横浜市生まれ。フランス文学者、評論家、作家。東京大学文学部仏文学科卒業。東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得満期退学。明治大学名誉教授。当初はフランス文学の研究翻訳を行っていたが、1990年代に入り活発な執筆活動を開始。1991年に『馬車が買いたい!』(白水社)でサントリー学芸賞、1996年『子供より古書が大事と思いたい』で講談社エッセイ賞、2000年『職業別パリ風俗』(白水社)で読売文学賞を受賞。膨大な古書コレクションを有し、東京都港区に書斎スタジオ「NOEMA images STUDIO」を開設。2017年、書評アーカイブサイトALL REVIEWSを開始。2000年からは神田神保町に共同PASSAGEを近刊に『書評家人生』(青土社)、『パリの本屋さん』(中央公論新社)など。
-
ヒロシマ〈新装版〉 | J.ハーシー(著), 石川 欣一(訳), 谷本 清(訳), 明田川 融(訳)
¥1,650
法政大学出版局 2014年 ハードカバー 252ページ 四六判 - 内容紹介 - 「20世紀アメリカ・ジャーナリズムの業績トップ100」の第1位に選ばれた、ピューリッツァ賞作家ハーシーによる史上初の原爆被害記録。1946年の取材による1~4章は、6人の被爆者の体験と見聞をリアルに描いて世界に原爆の惨禍を知らしめ、原水爆禁止・核廃絶の運動に影響を及ぼした。85年の再訪で成った5章「ヒロシマ その後」では、原爆症との闘い、市民としての生活・仕事・活動など、稀有な体験者たちの戦後史をヒューマンな筆致で跡づける。 目次 1 音なき閃光(せんこう) 2 火災 3 詳細は目下調査中 4 黍(きび)と夏白菊 5 ヒロシマ その後 1 中村初代 2 佐々木輝文博士 3 ウィルヘルム・クラインゾルゲ神父 4 佐々木とし子 5 藤井正和博士 6 谷本 清 初版 訳者あとがき(谷本 清) 増補版 訳者あとがき(明田川 融) 増補版刊行にあたって/謝辞(法政大学出版局) - 著者プロフィール - J.ハーシー (ハーシー ジョン) (著) (John Hersey) 1914年、中国天津に生まれ、家族がアメリカへ帰る1925年まで同地に暮らす。イェール大学ならびにケンブリッジ大学に学び、一時、シンクレア・ルイス(1885-1951、米国の小説家で、1930年に米国人で初めてノーベル文学賞を受賞)の秘書を務め、その後数年間、ジャーナリストとして活動。1947年以降、おもにフィクションの執筆に打ち込む。ピュリッツァ賞受賞。イェール大学で20年間教鞭をとり、その後、アメリカ著作家連盟会長、アメリカ芸術文学学校校長を歴任。1994年9月、谷本清平和賞受賞。1993年死去。 石川 欣一 (イシカワ キンイチ) (訳) 1895年、東京に生まれる。東京大学英文科を中退して渡米し、1919年、プリンストン大学卒業。大阪毎日新聞社学芸部員、東京日日新聞社学芸部員・ロンドン特派員、大阪毎日新聞社文化部長・東京本社出版局長等を歴任。訳書に、グルー『滞日十年』、チャーチル『第二次大戦回顧録』、モース『日本その日その日』等がある。1959年死去。 谷本 清 (タニモト キヨシ) (訳) 1909年、香川県に生まれる。関西学院神学部を卒業後、渡米して1940年、エモリー大学大学院修了。1943年、広島流川教会牧師に就任し、1945年、爆心から3kmの知人宅で被爆するが奇跡的に助かる。1950年、ヒロシマ・ピース・センターを設立し、原爆で傷ついた少女たちや孤児の救済に取り組む。広島平和文化センター理事長等を歴任。1986年死去。 明田川 融 (アケタガワ トオル) (訳) 1963年,新潟県に生まれる。97年に法政大学大学院政治学専攻博士課程修了。専攻は日本政治史。現在,法政大学法学部教授。著訳書に『日米行政協定の政治史』(法政大学出版局),『沖縄基地問題の歴史』,『日米地位協定』,ジョン・ダワー『昭和』(監訳,以上みすず書房),ジョン・ダワー/ガバン・マコーマック『転換期の日本へ』(共訳,NHK出版)などがある。
-
継続する植民地主義の思想史 | 中野 敏男
¥3,960
青土社 2024年 ハードカバー 480ページ 四六判 - 内容紹介 - 過去の歴史を引き受け、未来の歴史をつくりだすために 「戦後八〇年」を迎える現在、いまもなお植民地主義は継続している――。近代から戦前―戦後を結ぶ独自の思想史を描き、暴力の歴史を掘り起こす。日本と東アジアの現在地を問う著者の集大成。
-
中学生から知りたいウクライナのこと | 小山哲, 藤原辰史
¥1,980
ミシマ社 2022年 ソフトカバー 208ページ 四六判 - 内容紹介 - 生きることの歴史、生きのびるための道。 黒土地帯、第二次ポーランド分割、コサック…地理や世界史の教科書にも載っているこうした言葉に血を通わせる。 「ウクライナを知る」第一歩はここからはじまる。 二人の歴史学者が意を決しておこなった講義・対談を完全再現。緊急発刊! MSLive! BOOKSシリーズ 「小国を見過ごすことのない」歴史の学び方を、今こそ! ・ロシアが絶対に許されない理由…? ・西側諸国、日本が犯してきた罪…? ・「プーチンが悪い」という個人還元主義では、負の連鎖は止まらない…? 【イベント参加者の声】 ・歴史を知ることで、ニュースの解像度が上がり、そこに暮らす人びとの顔が見えてくるような感覚をおぼえました。 ・軍事評論家や国際政治学者の解説ではなく、こういう話が聞きたかったです。 ・「国」と「人」をいっしょくたにせず、どのように平和を築いていくのか。自分の姿勢を問い直す貴重な機会でした。 【MSLive! BOOKSとは?】 ミシマ社が2020年5月にスタートしたオンラインイベント、「MSLive!」。 「MSLive! BOOKS」は、オンラインイベントのライブ感をそのまま詰め込んだ書籍シリーズです。イベントに参加くださった方々から、イベントの内容を活字化したものを販売してほしいというリクエストをたくさんいただき、実現することになりました。 - 目次 - はじめに Ⅰ ウクライナの人びとに連帯する声明(自由と平和のための京大有志の会) Ⅱ ウクライナ侵攻について(藤原辰史) Ⅲ 講義 歴史学者と学ぶウクライナのこと 地域としてのウクライナの歴史(小山哲) 小国を見過ごすことのない歴史の学び方(藤原辰史) Ⅳ 対談 歴史学者と学ぶウクライナのこと(小山哲・藤原辰史) Ⅴ 中学生から知りたいウクライナのこと 今こそ構造的暴力を考える(藤原辰史) ウクライナの歴史をもっと知るための読書案内(小山哲) おわりに - 著者プロフィール - 小山哲 (コヤマサトシ) (著/文) 1961年生まれ。京都大学大学院文学研究科教授。専門は西洋史、特にポーランド史。著書に『ワルシャワ連盟協約(一五七三年)』、共編著に『大学で学ぶ西洋史 [近現代]』、『人文学への接近法――西洋史を学ぶ』など。 藤原辰史 (フジハラタツシ) (著/文) 1976年生まれ。京都大学人文科学研究所准教授。専門は現代史、特に食と農の歴史。著書に『縁食論』(ミシマ社)、『トラクターの世界史』『カブラの冬』『ナチスのキッチン』(河合隼雄学芸賞)、『給食の歴史』(辻静雄食文化賞)、『分解の哲学』(サントリー学芸賞)など。
-
民主主義とは何か|宇野 重規
¥1,034
講談社 2020年 講談社現代新書 ソフトカバー 280ページ 新書判 - 内容紹介 - トランプ大統領をはじめとする「ポピュリスト」の跋扈、旧社会主義諸国および中国など権威主義国家の台頭など、近年の世界の政治状況は、民主主義という制度の根幹を揺るがすかのような観を呈しています。日本の状況を見てみても、現行の政権が「民意」の正確な反映、すなわち「民主主義的な」政権だといわれると、頸をかしげる人も少なくないのではないでしょうか。はたして民主主義はもう時代遅れなのか? それとも、まだ活路はあるのか? それを議論するためには、まず何よりも、民主主義とは、そもそもどのような制度なのかを「正しく」知らなければならないでしょう。今では自明視されている「民主主義」という制度ですが、人が創ったものである限りそれもまた歴史的な制度として、さまざまな紆余曲折を経て現在のようなものになったのであって、決して「自然」にこのようなになったわけでではないのです。 そこで本書では、ギリシア・アテナイにおける民主主義思想の「誕生」から、現代まで、民主主義という制度・思想の誕生以来、起こった様々な矛盾、それを巡って交わされた様々な思想家達の議論の跡をたどってゆきます。その中で、民主主義という「制度」の利点と弱点が人々にどのように認識され、またどのようにその問題点を「改良」しようとしたのか、あるいはその「改革」はなぜ失敗してしまったのかを辿ることにより、民主主義の「本質」とは何なのか、そしてその未来への可能性を考えてゆきます。 またあわせて、日本の民主主義の特質、その問題点についても分析してゆきます。 民主主義という思想・制度を知るための、平易な政治思想史の教科書としても最適です。 目次 序 民主主義の危機 第1章 民主主義の「誕生」 第2章 ヨーロッパへの「継承」 第3章 自由主義との「結合」 第4章 民主主義の「実現」 終章 日本の民主主義 結び 民主主義の未来 あとがき - 著者プロフィール - 宇野 重規 (ウノ シゲキ) (著/文) 一九六七年、東京都生まれ。東京大学法学部卒業。同大学大学院法学政治学研究科博士課程修了。博士(法学)。現在、東京大学社会科学研究所教授。専攻は政治思想史、政治哲学。主な著書に『政治哲学へ 現代フランスとの対話』(二〇〇四年渋沢・クローデル賞LVJ特別賞受賞)、『未来をはじめる 「人と一緒にいること」の政治学』(以上、東京大学出版会)、『トクヴィル 平等と不平等の理論家』(講談社学術文庫、二〇〇七年サントリー学芸賞受賞)、『保守主義とは何か 反フランス革命から現代日本まで』(中公新書)などがある。
-
ペンギンは歴史にもクチバシをはさむ 増補新版 | 上田 一生
¥3,520
青土社 2024年 ハードカバー 320ページ 四六判 - 内容紹介 - 貴重な図版満載の異色の文化史 氷原の上をよちよち歩くタキシード姿、好奇心いっぱいの「かわいい」やつ。大航海時代から「未知の大陸」のシンボルとしてさまざまな場面で大活躍してきたペンギンには、その一方で食料、燃料などとして利用されてきた受難の歴史もある。現代ではそのたくましさでも脚光を浴びつつあるペンギンから見た、貴重な図版満載の異色の文化史。
