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しゃべるヒト|菊澤 律子, 吉岡 乾
¥3,278
文理閣 2023年 ハードカバー 326ページ A5判 - 内容紹介 - ことばの世界へようこそ! 世界に約7000あるといわれる言語――その言語を理解することは他者理解につながるとの思いから、音声言語・手話言語を含めた「ことば」について、さまざまな科学の成果を新しい視点で紹介します。 目次 はじめに~ことばの世界へようこそ!~(菊澤律子) 第一部 Language ことばとは何か(吉岡 乾) コラム ことばと文字(八杉佳穂) ヒトの言語と動物のコミュニケーションの違い(藤田耕司) 言語シグナルの分析〈言語の二重分節と音声学・音韻論〉(青井隼人・ロバート ジョンソン・菊澤律子) コラム チンパンジーのコミュニケーション(林 美里) コード化・恣意性・文法(桐生和幸) 語用論(高嶋由布子) コラム 人工言語(千田俊太郎) 会話の連鎖組織(坊農真弓) ことばの身体的産出(平山 亮) コラム 人類の進化と言語(野嶋洋子) ことばの脳内処理(井原 綾・藤巻則夫・尾島司郎) 言語習得(巽 智子) コラム MRI画像と言葉の分析(藤本一郎) ことばが使えない時〈言語障害と失語症〉(原 惠子・竹本直也) ことばの機械認識(野原幹司・田中信和・杉山千尋・吉永 司・高島遼一・滝口哲也・野崎一徳) コラム 視覚言語と聴覚言語の習得(佐々木倫子) ことばと機械翻訳(須藤克仁) 第二部 Languages 世界のことば(吉岡 乾) コラム 宮窪手話のタイムライン(矢野羽衣子) 色々に数えることば[音声言語](風間伸次郎) 色々に数えることば[手話言語](相良啓子) コラム ヒトはどうやって言葉を習得するのか(広瀬友紀) 色々な構造のことば[音声言語](吉岡 乾) 色々な構造のことば[手話言語](今里典子) コラム 人生を通して、常に言語を学習する(フランクリン チャン・津村早紀) 色々の名称とことば[日本語](木部暢子) 色々の名称とことば[日本手話言語](大杉 豊・坊農真弓) コラム 手話通訳(養成)に関するアレコレ(木村晴美) 適応することば(中山俊秀) 適応することば[手話言語](相良啓子) コラム コーダの原風景に刻まれることば(中津真美) 影響することば[音声言語](蝦名大助) 影響することば[手話言語と中間手話](原 大介) コラム ヒトと機械の言語理解(佐野睦夫) 出現することば[音声言語](仲尾周一郎) 出現することば[手話言語](ジュディ ケグル) コラム 言語認識装置の進化(酒向慎司) 消滅することば[音声言語](木本幸憲) 消滅することば[手話言語](矢野羽衣子・菊澤律子) コラム 言語景観(庄司博史) 未来へのことば~結びにかえて~(菊澤律子) - 著者プロフィール - 菊澤律子 (キクサワリツコ) (著/文 | 編集) 立民族学博物館 教授/総合研究大学院大学 教授。専門は手話言語と音声言語の比較対照研究、オーストロネシア語族の諸言語、比較統語論。主要編著書に『声の言葉と手の言葉─手話からみた言語学』(ミネルヴァ書房、2023)、『手話が「発音」できなくなる時─言語機能障害からみる話者と社会』(石原和と共編、ひつじ書房、2022)、Proto Central Pacific Ergativity: Its Reconstruction and Development in the Fijian, Rotuman and Polynesian Languages(Pacific Linguistics, 2002)がある。 吉岡乾 (ヨシオカノボル) (著/文 | 編集) 国立民族学博物館 准教授/総合研究大学院大学 准教授。専門は記述言語学、ブルシャスキー語、地域言語研究。主要著書・論文に『フィールド言語学者、巣ごもる。』(創元社、2021)、Eat a spoonful, speak a night tale: a Ḍomaaki (hi) story telling(Bulletin of the National Museum of Ethnology, 46 (4), 2022)、「ブルシャスキー語の名詞修飾表現」(プラシャント・パルデシ、堀江薫編『日本語と世界の言語の名詞修飾表現』、ひつじ書房、2020)がある。
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世界を変えた100の化石 新装版|ポール・D・テイラー, アーロン・オデア, 真鍋 真(監修), 的場 知之(翻訳)
¥1,980
エクスナレッジ 2022年 ソフトカバー 352ページ 四六変型判 縦180mm 横128mm 厚さ23mm - 内容紹介 - イギリス・大英自然史博物館で大人気を博した展覧会が 書籍になって日本上陸! 新たな情報と化石の和名表記を加た <よりわかりやすい新装版> 始祖鳥やティラノサウルスなど誰もが知る生物の化石だけでなく 光合成の痕跡、恐竜の卵、サメの糞、火山灰に埋もれた足跡など当時の状況を語る化石も網羅。 まだ知らなかった化石に出会える、至極の一冊。 地質年表、一部復元図付き。 目次 【掲載化石一例】 第1章:先カンブリア時代 [エイペックス・チャート] 最古の化石は生物か? [ストロマトライト] 大酸化事変が生んだ生命体 [中国・陡山沱の化石] 謎に満ちた胚etc. 第2章:古生代 [アノマロカリス] カンブリア爆発で生まれた「奇妙なエビ」 [ハルキゲニア] 陸に上がり、生き延びたムシ [キンクタン] 初期の棘皮動物 [オルソケラス] オルドビス紀の捕食者の王 [ウミユリとプラティセラス類] 2億年続いた共生関係 [プテリゴトゥス] 巨大かつ獰猛な古代サソリ [クックソニア] 地上を征服した植物 [ケファラスピス] あごのない魚 [コムラ] 天敵を避ける棘とげだらけの三葉虫 [レピドデンドロン] 森が生んだ燃料 [ヘリコプリオン] 渦を巻く歯は、進化も奇抜? [ディメトロドン] セックスアピールか、ソーラーパネルか? [ウミツボミ] 史上最大の大量絶滅 etc. 第3章:中生代 [三畳紀の微小巻貝] 小さいことはいいこと? [キノドン類] 爬虫類から哺乳類へ [メガゾストロドン] 大物のデビューは前途多難 [ムカシトカゲ] 安住の地で今も生息 [グリファエア] 泥に埋まって生きた「悪魔の足の爪」 [プロミクロケラス] 大量死したアンモナイト [首長竜] ネッシーは実在したか? [ネオソレノポラ] 色を残した藻類 [始祖鳥] 鳥類の誕生 [トンボ] 巨大化した昆虫たち [ランフォリンクス] 最初の空飛ぶ脊椎動物、翼竜 [イグアノドン] 「恐竜」と名付けられた生物の歯 [クモ] 琥珀の中のクモと糸と獲物 [アラウカリア] 進化の天才? モンキーパズルの大木 [孔子鳥] 性選択で美しく進化した鳥 [白亜層のカイメン] 微粒子を濾し取る海底ポンプ [ティロキダリス] 軍拡競争の歩みが見えるウニの棘 [トロオドンの巣] 高度な子育ての痕跡 [エドモントサウルス] 極地の冬も生き延びた恐竜 [初期のプラントオパール] 恐竜が食したイネ科植物 [ティラノサウルス・レックス] 伝説の王 [ベレムナイト] K/Pg境界の大量絶滅 [有孔虫] 小さく単純なサバイバー etc. 第4章:新生代 [サメの歯] 化石の由来を示す「癒しの石」 [オニコニクテリス] 空に進出した哺乳類 [オフィオコルディケプス] ゾンビと化したアリの咬み跡 [貨幣石] ピラミッドに残る単細胞生物 [トロフォン] ダーウィンの巻貝 [バシロサウルス] 「トカゲの王」はクジラだった [ゴキブリ] 琥珀の中の止まった時間 [エジプトピテクス] 霊長類の起源 [チャネヤ] 花を咲かせる植物の誕生 [メトララブドトス] 断続平衡論を支持する外肛動物 [プロコンスル] 類人猿に近いか、ヒトに近いか [ディスコグロッスス] 独特の姿に進化したカエル [サメのコプロライト] 螺旋型の糞の化石 [サカマキエゾボラ] 圧倒的に少ない左巻きの貝 [巨大ウォンバット] アボリジニに伝わる怪物_バニップ [グリプトドン] アメリカ大陸間大交差も生き延びた哺乳類 [ラエトリの足跡] 350万年前の灰のなかの3人 [メノルカの小型ヤギ] 島嶼矮小化で生き延びた動物 [ステップマンモス] ヒトと共存したマンモス [ジャイアントモア] 植物に生きた証を遺した鳥 [アクロポラ・ケルヴィコルニス] 絶滅寸前のシカツノサンゴ [ステラーカイギュウ] 虐殺された海の巨獣 [ホモ・ハイデルベルゲンシス] 私たちにいちばん近い祖先? etc.
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言語はこうして生まれる 「即興する脳」とジェスチャーゲーム|モーテン・H・クリスチャンセン, ニック・チェイター, 塩原 通緒(翻訳)
¥2,970
新潮社 2022年 ハードカバー 384ページ 四六変型判 縦197mm 横140mm 厚さ25mm - 内容紹介 - 言葉は、今ここで発明されている。認知科学が明かす、まったく新しい言語の姿。相手に何かを伝えるため、人間は即興で言葉を生みだす。それは互いにヒントを与えあうジェスチャーゲーム(言葉当て遊び)のようなものだ。ゲームが繰り返されるたびに、言葉は単純化され、様式化され、やがて言語の体系が生まれる。神経科学や認知心理学などの知見と30年におよぶ共同研究から導きだされた最新の言語論。
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ひとかけらの木片が教えてくれること 木材×科学×歴史|田鶴 寿弥子
¥1,980
淡交社 2022年 ソフトカバー 232ページ 四六判 - 内容紹介 - 〈ひとかけらの木片が教えてくれる人と木の文化〉 〈顕微鏡、放射線。科学の力が解き明かす文化財の世界〉 何の木から作られているの? どこから運ばれてきた木材? 顕微鏡やCTなどの科学的な方法で、仏像や神像、歴史的建造物、さらには木製の入れ歯まで、文化財に用いられたさまざまな木材の樹種を同定してきた著者が、これまでの調査で得た興味深い情報を紹介します。「人がいかに木に向き合ってきたのか」。その答えが、小さな小さなひとかけらの木片を見つめることで見えてきます。
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科学する心|池澤 夏樹
¥1,100
KADOKAWA 2023年 角川ソフィア文庫 ソフトカバー 288ページ 文庫判 - 内容紹介 - 科学が日常から遠くなってしまった。暮らしの道具は、便利ではあってもブラック・ボックスとなった。しかし科学とは、五感をもって自然に向き合う姿勢ではなかったか。料理、日時計、昆虫、宇宙から、生命の誕生、進化論、原子力、人工知能まで――。法則と一回性、抽象と具体、科学と文学の間を自由に思索し、ときにその境界をラディカルに揺さぶる科学随筆13編。新たな書き下ろし「環世界とカーナビと心の委員会」を収録。解説・中村桂子 目次 ・ウミウシの失敗 ・日時計と冪とプランク時代 ・無限と永遠 ・進化と絶滅と愛借 ・原子力、あるいは事象の一回性 ・体験の物理、日常の科学 ・知力による制覇の得失 ・『昆虫記』と科学の文学性 ・「考える」と「思う」の違い ・主観の反逆、あるいは我が作品の中の反科学 ・パタゴニア紀行 ・光の世界の動物たち ・環世界とカーナビと心の委員会 文庫解説 中村 桂子 - 著者プロフィール - 池澤 夏樹 (イケザワ ナツキ) (著/文) 1945年北海道生まれ。『スティル・ライフ』で中央公論新人賞、第98回芥川賞を受賞。『南の島のティオ』で小学館文学賞。『マシアス・ギリの失脚』で谷崎潤一郎賞。『言葉の流星群』で宮沢賢治賞。著作活動全般について、司馬遼太郎賞受賞。
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奇想天外な目と光のはなし | 入倉 隆
¥1,980
雷鳥社 2022年 ソフトカバー 216ページ 四六判 - 内容紹介 - 見える世界はこんなに違う! 脳をもたないクラゲ、真っ暗な深海を漂うダイオウイカ、 首を頻繁に動かすフクロウ、ごみ袋を透視するカラス、 岩に固着すると視力を失うフジツボ、彼らはどのようにものを「見て」いる――? 心理学、光学、工学の横断領域にあたる「視覚心理学」を研究する著者が、 光や色の特性、目の仕組み、さらには世界中の動物たちの目の構造や特性についても調べ、 「これは面白い!」と思った話題を掻き集めた、知的好奇心をくすぐる一冊。 ダーウィンを困らせた「目の進化」から、動物たちの「見る・見られる」の攻防戦、 蛍光色や輪郭線が目立って見える「視覚の不思議」まで、“目から鱗”のトピックが凝縮。 ・どうして目は「頭部」に「2つ」ついているの? ・動きの速い動物ほど視力が良い? ・真っ暗な深海に棲む動物にも目があるのはなぜ? ・話せない赤ちゃんの視力検査はどうやるの? ・昼間に強い光を浴びないと夜に冷えやすい? ・人間よりも色覚の多い動物は、より鮮やかな世界を見ている? ・バイオレットライトは目を良くする? ブルーライトは目を悪くする? 生物進化論、視覚心理学、光学をまたいで、 目と光が織りなす奇想天外な世界を旅してみませんか? 目次 まえがき chapter1:進化 01「目」の誕生と進化 02 複眼と単眼で捉える世界 03 複雑なカメラ眼の成り立ち 04 陸上の目、水中の目 05 さまざまな機能をもった動物の目 chapter2:見る・見られる 01 どうして目は頭についているの? 02 どうして目は二つあるの? 03 コミュニケーションに長けた人間の目 04 視野を広げるための工夫 05 動きの速い動物ほど視力が良い? 06 動きの遅い動物の目は退化する? 07 わずかな色の差を見分ける目の仕組み 08 動いているものは目立って見える chapter3:見えない世界 01 紫外線を捉える動物たち 02 人間も紫外線を感じている? 03 赤外線を使って見えないものを見る 04 偏光パターンで太陽の位置を知る 05 光を追うもの、避けるもの 06 発光しておびき寄せる 07 真っ暗な深海に棲む動物にも目がある理由 08 電気を使って捕食する chapter4:どこまで見える? 01 人の視力はどこまで発達するの? 02 見ている世界にだんだん慣れていく 03 どのくらい遠くまで感じられる? 04 どのくらいの速さで感じられる? 05 光の量を調節する瞳孔の形 06 何色まで見分けることができる? 07 見えない色、感じない色 chapter5:感じる光 01 光を色として感じる仕組み 02 構造が作り出す複雑な色 03 光環境に適応する目の仕組み 04 太陽の光が生活リズムを作る 05 光の色や強さで体感温度が変わる 06 光の方向で眩しさが変わる 07 高齢になると光はどのように感じられる? 08 光は目を良くする? 悪くする? 09 色によって変化する味覚 10 目を閉じたら、感じ方はどう変わる? あとがき 参考・引用文献 前書きなど 動物学者でもない私が、なぜ動物たちが見ている視覚世界や目の仕組みについての本を書いたか、疑問に思うことでしょう。私は大学の電気工学科で、光の見え方や感じ方を扱う「視覚心理学」の研究を行う一研究者です。 大学卒業後は、東京の三鷹にある国立研究所で航空灯火について研究をしていました。航空灯火とは、滑走路に設置されている灯火のこと。飛行機に乗ると滑走路で点灯している光を見たことがありますよね、あれです。 夜間や霧でもパイロットが迷うことなく滑走路を見つけて着陸し、真っ直ぐに走行できるのは、灯火が照らし出す経路を目印にしているからです。上空から航空灯火がしっかり見えるかどうかは、多くの人命がかかっているパイロットにとっては最重要事項の一つなので、私たち研究者が明るさは適切か、上空から見て眩しさを感じないかなどを調べて、現場で生かしているのです。 これが縁となり、大学に移ってからは、心理学、光学、工学の横断領域にあたる視覚心理学の研究をするようになりました。 視覚心理学の研究では、不思議なことがたくさん発見されています。一例を挙げると、床や机の上ではなく壁を照らすと、いつもより部屋が広く感じられます。こうした光が与える心理的な効果を探求するうちに、視覚心理学の基礎となる光や色の特性、目の仕組みについても詳しく調べるようになりました。さらには人間の目だけでなく、世界中の動物たちの目の構造や特性についても興味が湧いていったのです。 人は見た目からかなり多くの情報を読み取っています。黄色く熟したバナナがたわわに実っている様子を見たら、「甘くて美味しそう」と思うでしょう。房が緑色だったら、「まだあまり甘くはなさそうだな」と判断して、熟すまで待つはずです。房が茶色っぽく変色していたら、「もう傷んでしまって食べられないかも」と、食べるのを諦めるかもしれません。 人間の目がバナナの色を識別できるのは、ごく当たり前のことのようですが、実はかなり発達した目をもっていないとできないことです。特に人間ほど高度な色彩感覚をもつ動物は、哺乳類でもそれほど多くはありません。 例えば、身近なペットである犬や猫は、色を識別する視細胞の種類が人間よりも少ないため、赤色を見分けることが困難です。血液の色を「赤色」と認識できるのは、哺乳類では霊長類だけだといわれています。 一方、一部の動物たちには、人間の目には見えない光や色が見えています。例えば、花の蜜を吸うモンシロチョウなどの昆虫は「紫外線」を感知することができるため、紫外線を反射する花びらは、きっと人間よりも目立って見えているでしょう。このように、動物のほとんどが、私たちとは異なる世界の中で生きているのです。 さらに、光そのものが私たちの身体に大きな影響を与えることも分かっています。例えば、日中、薄暗い場所で過ごすと、明るい場所で過ごした場合と比べて、夜に寒さを感じやすくなるそうです。よく赤や黄色を「暖色」、青色を「寒色」と呼んだりしますが、実際に光の色や強さによって体感温度が変化する研究結果も報告されています。 本書は、こうした光や目にまつわる不思議でアッと驚く話を紹介しながら、普段、何気なく見ている世界を新しい角度で眺めてもらえたらという思いで書きました。具体的には次のような構成になっています。 chapter1「目の進化」では、簡単な光を感じるだけの器官からどのようにして複雑な目へと進化したのかについて語ります。chapter2「見る・見られる」では、動物の目が捕食者か被食者、動く速度などによりその構造や機能がどのように異なるのか、chapter3「見えない世界」では、太陽光を利用しながら巧みに生き抜く生き物について紹介します。chapter4「どこまで見える?」では、赤ちゃんが成長に合わせて目の機能をどのように発達させていくのか、動物がどこまで色を識別できるのかなどについて、chapter5「感じる光」では、色の見え方や感じ方、光が視覚以外に及ぼす影響について見ていきます。 とにかく私自身が、「これは面白い」と思った話題をたくさん集めてみました。ぜひ、私と一緒に目の不思議な世界を探検してみませんか。 版元から一言 地球に棲む生き物の多くは太陽光の下で暮らしています。光を利用した生物の生存戦略は多岐に渡り、その中の一つに「目」という感覚器官の発達が挙げられます。「目」の作りによって、感知することのできる「光」も違い、また目のつく位置や視力、色覚の違いでも「見える世界」は大きく異なります。紫外線を捉える鳥やチョウ、赤外線を感じるヘビが見ている世界は人間には想像ができません。さらに同じ人間でも、人種によって虹彩の色が違うことで「眩しさ」の感じ方が異なることや、まだ視力が発達していない赤ちゃんや、青色と黒色の区別がつきにくい高齢者が見ている景色も同じではないと考えられます。 この本を通して私たちがふだん「当たり前」に思っている視覚の不思議を再発見するきっかけになればと思います。また「視覚心理学」「光学」を専門にする著者の眼差しによって、目の進化や仕組みの話を「生物学」だけに留めることなく、様々な角度から眺められるようになっている点も見どころです。実際のカバーは普通の黄色ではなく、蛍光黄色を使っているので、鮮やかな発色で目を引きます。 - 著者プロフィール - 入倉 隆 (イリクラ タカシ) (著/文) 芝浦工業大学教授。1956年(昭和31年)香川県生まれ。1979年早稲田大学理工学部電気工学科卒業。運輸省交通安全公害研究所などを経て、2004年より現職。博士(工学)。元照明学会副会長。専門は、視覚心理、照明環境。主な著書に、『脳にきく色 身体にきく色』(日本経済新聞出版社)、『視覚と照明』(裳華房)、『照明ハンドブック 第3版』(オーム社)などがある。
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限られた時間を超える方法 | リサ・ブローデリック, 尼丁 千津子(翻訳)
¥1,870
かんき出版 2023年 ソフトカバー 272ページ 四六判 縦188mm 横130mm 厚さ18mm - 内容紹介 - プリンストン大学、スタンフォード大学、 カーネギーメロン大学など 著名な科学者が絶賛する全米注目の話題書! 「まさに、時間の捉え方に対するコペルニクス的転回! 時間と空間を超える量子論の考え方がシンプルにわかる」 茂木健一郎氏絶賛 「時間」は感覚にすぎない!? 時間を超える秘訣は「脳波」にある! 本書の内容はSF(サイエンス・フィクション) ではなく、本物の科学だ。 時間がゴムひものように「伸縮自在」なことは、 はるか昔にアインシュタインによって 証明されている。 私たちはみな、普段はほぼ「無意識に」 時間の歩みを緩めたり速めたりしている。 では、「意識的に」時間の流れを遅くでたら? もし、あなた自身が時間の歩みを緩めたり、 時間が流れる方向を変えたりできるとしたら? 私たちは、教えられてきた基礎科学の知識によって、 「時間は常に前に進みつづけるもの」 だと思い込んでいる。 そして人生の歩みについては、 「どうしようもない出来事に翻弄されながら、 現実を一方向に進みつづけるもの」 とみなしている。 だが、時間の捉え方はほかにもある。 それは、時間を科学的に説明する根拠となる、 因果性の物理法則に逆らうものだ。 専門的には「量子論」と呼ばれている。 量子力学の原理に則れば、 私たちは人間がつくってきた時間の概念を 別の見方で捉えることができる。 時間による制約をそれまでよりもずっと 少なく感じられるようになる。 そして自身の人生の手綱を握って、 ほぼどんなことも実現できる。 そう、どんなことにも縛られない 人生を送れるのだ。 したがって本書のテーマは、 「時間」であると同時に、 時間の科学的発見を通じて明らかになった 「現実の本質」を探ることでもある。 「思考はどこから来るのか?」 「実体があるものかどうかを確かめるには?」 という問いかけを突きつめると、 時間や現実は感覚にすぎないことに気づく。 私たちは、時計の文字盤は 実在するものを示しているとみなしているが、 実際はそうではない。 時間は実体のあるものだという 思い込みを捨て去りさえすれば、 私たちはいつ何どきでも 「過去や未来」に触れられる。 この状態には特定の脳波が関与していて、 「ゾーンに入る」「フロー」「ザ・ナウ」 などと呼ばれてきた。 本書ではそれを「超越した感覚」と呼んでいる。 この状態に入ると、どこへでも思いのままに 「時間旅行」ができるようになる。 全米衝撃の注目書、ついに日本上陸! 目次 はじめに 時間を思いのままに操る方法 PART1 時間の概念を見直す 第1章 私たちは時間をどう捉えているか 第2章 時間の「物理的領域」を知る 第3章 時間の「感覚的領域」を知る 第4章 目に見えないものが「驚くべき光景」をつくりだす 第5章 「超越した感覚」における脳波 PART2 時間を操る手法を極める 第6章 「超越した感覚」状態をつくりだす 第7章 先の人生を事前に経験する 第8章 過去を反転させる 第9章 将来に行く手を脅かされない 第10章 時間を伸ばす 第11章 必要なときに道しるべを見つける 第12章 一瞬で伝える 第13章 いちばん大事なものを瞬時に確認する 第14章 形而上の重力を活用する 第15章 時間の制約から解放される 第16章 時間を超越する 第17章 時間の超越に向けて試してほしいこと 巻末付録 さらなる科学的解説 - 著者プロフィール - リサ・ブローデリック (リサ ブローデリック) (著/文) ◎――スタンフォード大学卒業後、デューク大学でMBAを取得。最新科学をわかりやすく解説し、数多くのクライアントの人生を変えてきた。マーシャル・ゴールドスミスをはじめとする一流の専門家、 GEキャピタルなどの一流企業がクライアントに名を連ねる。科学とスピリチュアル、自らの個人的な体験を融合させた独自のスタイルによる指導を行う。 ◎――ビジネス・金融コンサルタントとしてキャリアをスタート。 ABCニュースにビジネスレポーターとしてレギュラー出演。自分の知識と能力があまりにも速いペースで向上することに興味を持ち、モンロー研究所で意識の拡大について学ぶ。その後、著名な著作家であるジェラルド・エプスタイン医師のもと、 15年にわたって米国メンタルイメージング研究所で心的イメージと夢の分析を学んだ。長年にわたる学習とメンタルトレーニングの成果を体系的にまとめ、時間を遅らせるなどの「超正常能力」を一般の人たちに指導する活動をしている。 尼丁 千津子 (アマチョウ チヅコ) (翻訳) ◎――英語翻訳者。神戸大学理学部数学科卒業。訳書に『移動力と接続性(上・下)』(原書房)、『教養としてのデジタル講義』『パワー・オブ・クリエイティビティ』(いずれも日経BP)、『「ユーザーフレンドリー」全史』(双葉社)、『10代脳の鍛え方』(晶文社)など多数。
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NATURE ANATOMY(ネイチャー・アナトミー)自然界の解剖図鑑 | ジュリア ロスマン, 神崎 朗子
¥2,420
大和書房 2023年 ソフトカバー 224ページ A5変形判 - 内容紹介 - アートとサイエンスの融合身近なところから広がっていく自然界の興味を、魅力的なイラストと文章で紹介。・夏が冬より暖かくなる理由を知ってる?・きのこのライフサイクル・ビーバーは生活のために自然環境を変える、ヒト以外の唯一の生き物地形、植物、動物、鳥、虫、天気、星などの自然を楽しみながら読める本。CHAPTER1 みんなの大地CHAPTER2 空の上には何がある?CHAPTER3近づいてみようCHAPTER4ハイキングに行こうCHAPTER5ユニークな動物たちCHAPTER6鳥たちのはなしCHAPTER7水辺や水中の生き物
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なぜ脳はアートがわかるのか 現代美術史から学ぶ脳科学入門 | エリック・R・カンデル, 高橋洋(翻訳)
¥3,520
青土社 2019年 ハードカバー 256ページ 四六判 - 内容紹介 - 脳、前衛芸術に挑む。 絵画を見て、それを「よい」と思うとき、脳では何が起こっているのか。複雑怪奇な前衛芸術が「わかる」とはどういうことなのか。ノーベル賞を受賞したエリック・カンデルが、脳科学、医学、認知心理学、行動科学から美学、哲学まで、あらゆる知を総動員し、人間の美的体験のメカニズムを解き明かす。
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カラハリが呼んでいる | ディーリア・オーエンズ, マーク・オーエンズ, 小野 さやか(翻訳), 伊藤 紀子(翻訳), 伊藤 政顕(監修)
¥1,430
早川書房 2021年 ハヤカワ文庫NF ソフトカバー 704ページ 文庫判 縦157mm 横106mm 厚さ27mm - 内容紹介 - 若き日のディーリア・オーエンズと夫が、美しく過酷なカラハリの自然と暮らした研究の日々を綴る、ネイチャー・ライティングの傑作。
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渡り鳥たちが語る科学夜話 | 全卓樹
¥1,760
朝日出版社 2023年 ソフトカバー 192ページ 四六変型判 - 内容紹介 - 島本理生さん推薦! 「科学が照らすものは、この世界に降りそそぐ美しい奇跡なのだ。」 ――真夜中の科学講座、第2幕のはじまりです。 ・月のおもて側にだけある海 ・土星の環から霧雨が降る ・この世界はシミュレーションなのか? ・青年科学者の命を奪ったデーモンコア(魔物の心臓) ・逆張り・冷笑派は強者の勝利を後押しする? ・砂漠に広がる「妖精の環」のひみつ ・ヒマラヤを渡るツルが巻き起こした小さな奇跡 『銀河の片隅で科学夜話』で寺田寅彦賞受賞! 理論物理学者とっておきの20話。 「もしこの書が、読者諸氏の異時空の旅のよきお供となるならば、それは筆者欣快の至りである」 ――著者 著者プロフィール 全卓樹 (ゼンタクジュ) (著/文) 京都生まれの東京育ち、米国ワシントンが第三の故郷。東京大学理学部物理学科卒、東京大学理学系大学院物理学専攻博士課程修了、博士論文は原子核反応の微視的理論についての研究。専攻は量子力学、数理物理学、社会物理学。量子グラフ理論本舗/新奇量子ホロノミ理論本家。ジョージア大、メリランド大、法政大等を経て、現在高知工科大学理論物理学教授。著書に『エキゾティックな量子――不可思議だけど意外に近しい量子のお話』(東京大学出版会)などがある。
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オスとは何で、メスとは何か?「性スペクトラム」という最前線|諸橋 憲一郎
¥1,045
NHK出版 2022年 NHK出版新書 ソフトカバー 212ページ 新書判 - 内容紹介 - ヒトも例外ではない!常識が変わる生物学講義! 生物にはオスとメスという、異なる生殖器官をもった性が別個に存在するのではなく、オスとメスとはじつは連続する表現型である――生物の「性」の本質をそのように捉える驚きの研究が、生物学の最前線で進んでいる。逆の性に擬態して生きる鳥やトンボ、何度も性転換する魚、ホルモンで組織を操るネズミ……。興味深いいくつもの事例と、私たち生物の雌雄が形作られる仕組みとともに明らかになるのは、「生物の性は生涯変わり続けている」「全ての細胞は独自に性を持っている」という驚きの事実だ。第一人者である著者が、生物の体の精密な構造とそれを駆動するメカニズムを平易に解き明かす。 第1章 雌雄は果たして分けることができるのか? 第2章 性は生涯変わり続けている 第3章 オス/メスはどのように決まるのか?――「性決定遺伝子」の役割 第4章 オス化とメス化はどう進むのか?――「性ホルモン」の力 第5章 全ての細胞は独自に性を持っている 第6章 「脳の性」という最後の謎 - 著者プロフィール - 諸橋 憲一郎 (モロハシ ケンイチロウ) (著/文) 1957年生まれ。九州大学大学院医学研究院教授。九州大学大学院理学研究科博士課程修了(理学博士)。九州大学大学院医学系研究科助手、自然科学研究機構基礎生物学研究所教授を経て現職。「性スペクトラム」という新学術領域研究の第一人者として研究活動を行いながら、NHKスペシャル「男と女 最新科学が読み解く性」「人体 ミクロの大冒険」などの番組監修に携わる。本書が初の著書。
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銀河の片隅で科学夜話 -物理学者が語る、すばらしく不思議で美しいこの世界の小さな驚異|全卓樹
¥1,760
朝日出版社 2020年 ソフトカバー 192ページ 四六変型判 - 内容紹介 - 「「遠く」について考え、緻密に想像する理論物理学者の思考が、日常の息づく「近さ」に開いた感性と美しく同居している一冊」 ――森田真生さん(「毎日新聞」書評より) 「数理の光によって世界の深みを照らす (中略) 稀有なる一冊だ」 ――若松英輔さん(「共同通信」書評より) 「この世界の秩序を織りなしている途方もない「美しさ」に快哉を叫びたくなるし、 子どもの頃に持っていた素朴な知的好奇心のようなものが止め処なく溢れ出て来るのを感じる」 ――加藤夢三さん(「週刊読書人」書評より) 朝日、毎日、読売、日経ほか、各紙誌にて絶賛! 大森望さん推薦! 「明晰でわかりやすく、面白くて叙情的。 科学と詩情。 ここにはSF100冊分のネタが詰まっている。」 一日の長さは一年に0.000 017秒ずつ伸びている。 500億年のちは、一日の長さは今の一月ほどになるだろう―― 空想よりも現実の世界のほうがずっと不思議だ、と感じるような、 物理学者のとっておきのお話を22、集めました。 ・流れ星はどこから来る? ・宇宙の中心にすまうブラックホール ・真空の発見 ・じゃんけん必勝法と民主主義の数理 ・世論を決めるのは17%の少数者? ・忘れられた夢を見る技術 ・反乱を起こす奴隷アリ ・銀河を渡る蝶 ・飛び方を忘れた鳥にそれを教える… 真夜中の科学講座のはじまり、はじまり。 ほんのひととき、日常を忘れて、科学世界の詩情に触れてみませんか? 科学や文学が好きな人へのプレゼントにもぜひ。 「夜話と名乗ってはいるが、朝の通勤電車で、昼休みのひとときに、ゆうべの徒然の時間に、順序にこだわらず一編ずつ楽しんでいただければと思う。」――著者 目次 はじめに 〔天空編〕 第1夜 海辺の永遠 第2夜 流星群の夜に 第3夜 世界の中心にすまう闇 第4夜 ファースト・ラグランジュ・ホテル 〔原子編〕 第5夜 真空の探求 第6夜 ベクレル博士のはるかな記憶 第7夜 シラード博士と死の連鎖分裂 第8夜 エヴェレット博士の無限分岐宇宙 〔数理社会編〕 第9夜 確率と錯誤 第10夜 ペイジランク─多数決と世評 第11夜 付和雷同の社会学 第12夜 三人よれば文殊の知恵 第13夜 多数決の秘められた力 〔倫理編〕 第14夜 思い出せない夢の倫理学 第15夜 言葉と世界の見え方 第16夜 トロッコ問題の射程 第17夜 ペルシャとトルコと奴隷貴族 〔生命編〕 第18夜 分子生物学者、遺伝的真実に遭遇す 第19夜 アリたちの晴朗な世界 第20夜 アリと自由 第21夜 銀河を渡る蝶 第22夜 渡り鳥を率いて 参考文献 - 著者プロフィール - 全卓樹 (ゼンタクジュ) (著/文) 京都生まれの東京育ち、米国ワシントンが第三の故郷。東京大学理学部物理学科卒、東京大学理学系大学院物理学専攻博士課程修了、博士論文は原子核反応の微視的理論についての研究。専攻は量子力学、数理物理学、社会物理学。量子グラフ理論本舗/新奇量子ホロノミ理論本家。ジョージア大、メリランド大、法政大等を経て、現在高知工科大学理論物理学教授。著書に『エキゾティックな量子――不可思議だけど意外に近しい量子のお話』(東京大学出版会)などがある。
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魚の自然誌 光で交信する魚、狩りと体色変化、フグ毒とゾンビ伝説|ヘレン・スケールズ, 林裕美子(翻訳)
¥3,190
築地書館 2020年 ハードカバー 384ページ 四六判 - 内容紹介 - 体の模様・色はなんのためにあるのか、 浮袋が先か肺が先か、 ナマズはハトの捕まえ方をどのように学ぶのか、 群れの中で魚どうしぶつからないのはなぜか、 大きな口で丸呑みする捕食者からいかに逃れるのか、 フグはなぜ自分の毒で中毒しないのか。 世界の海に潜って調査する気鋭の魚類学者が自らの体験をまじえ、 魚の進化・分類の歴史、紫外線ライトで見る不思議な海の世界、 群れ、音、色、狩り、毒、魚の思考力など、 魚にまつわるさまざまな疑問にこたえる。 目次 プロローグ─世界を旅する魚類学者 地球でもっとも成功を収めた生き物 魚をめぐるツアーに出かけよう 私が魚に魅せられた日 魚を眺めるいくつかの方法 世界の海で魚に出会う chapter1 魚とは何か─魚類学の始まり 魚類学が始まる 16世紀の魚に関する3冊の稀覯(きこう)本 ロンドン王立協会を苦境に立たせた本 魚を分類する 生命の樹の中の魚の枝 [コラム] 海の女神セドナ─イヌイットの伝承 chapter2 深みをのぞく─進化の系統樹をたどる旅 生命の樹で最初に出会う魚のグループ─真骨魚類 ミッシングリンクの探索─魚と両生類をつなぐ生き物 浮袋が先か肺が先か─ハイギョ どちらが人間に近いのか─シーラカンスvsハイギョ なぜサメは長寿なのか 顎のない魚の生き残り─ヤツメウナギとヌタウナギ [コラム] ヒラメが笑顔を失ったわけ─イギリス・マン島、伝承 chapter3 色彩の思わぬ力─体色の意味するもの 体色を獲物の色に似せる戦略 太陽光と深海の赤い魚 同種と闘うための体色 紫外線の効果 銀色の魚が水中で姿を隠す方法 生きた魚を描く 雌はなぜ色鮮やかな雄を好むのか 捕食と体色 濁った水が交尾行動を妨げる [コラム] 知恵のあるサケ─アイルランド、伝承 chapter4 海のイルミネーション─光を発する魚たち 深海探査の始まり─光る魚たち 青い光の世界へようこそ─バクテリアという相棒 紫外線ライトで見る秘密の落書き 海の中の不思議な赤色の世界 [コラム] オオナマズ─日本、江戸時代 chapter5 群れを解析する─生き残りの戦略 さまざまな推進力 集団で暮らす─縄張りから群れへ 魚の集団を探索する─スワローリーフ 産卵のために集団をつくる魚たち 魚の追跡調査 回遊する魚は大陸の位置も知っている 性転換する魚 巨大魚の昔と今 [コラム] 偉大な王オシリスとエレファントフィッシュ─古代エジプト、今から2400年前 chapter6 魚の食卓─水中で暮らす魚に共通する課題 ハンターとしての魚 海藻農園をつくるスズメダイ 水中の狩りで発達した器官 電気刺激で見る夢の中を泳ぐ魚 食べたら出す [コラム] もっとも強い毒を持つ魚、バツナゲッダ─アイスランド、16世紀 chapter7 毒を持つ魚─人と魚毒の深い関係 フグはなぜ自分の毒で死なないのか フグとある女性科学者の冒険 フグと生ける屍─ゾンビ伝説 92歳で水深25メートルのフグの巣を観察 [コラム] 巨大魚チプファラムフラ─モザンビーク、伝承 chapter8 太古の海の魚たち─化石魚から進化をさぐる 性器を持つ最古の魚 生物は絶滅する─舌石(ぜっせき)の教え サメ類の繁栄 海の生物の構図が変わった白亜紀の大絶滅 [コラム] 海の医者─ペルシャ、8世紀 chapter9 魚のオーケストラ─海は魚たちのたてる音に満ちている 米国海軍と海の中の不明な音 魚の発声の仕組みをさぐる 耳石(じせき)で音を聞く 目が見えなくても位置を知る方法 音をたよりに生活する魚たち [コラム] 魚と金の靴─中国の唐、9世紀 chapter10 魚の思考力 勝者を好む 魚にだって脳はある 魚の感受性 魚にも福祉を!─アニマルウェルフェア エピローグ 謝辞 訳者あとがき 章扉イラストの魚種一覧 用語解説 おもな参考文献・注釈 索引 - 著者プロフィール - ヘレン・スケールズ (著/文) イギリス生まれ。海洋生物学者。 魚を観察するために数百時間を水の中で過ごしてきた。ダイビングやサーフィンをこなし、ラジオ番組の出演者としてもサイエンス・ライターとしても活躍する。海の語り部として知られ、BBC ラジオ 4 の番組「ザ・インフィニット・モンキー・ケージ」ではロビン・インスとブライアン・コックスとともに深い海の不思議について考え、「取っておきのもの博物館」のコレクションにタツノオトシゴの仮想水槽を寄贈した。BBC サイエンス・フォーカス誌や BBC ワイルドライフ誌には毎号のように記事を執筆している。ラジオのドキュメンタリー番組では夢の水中生活を紹介し、絶滅の危機にある巻貝を追いながら世界中をめぐった。 最新の著書『Spirals in Time』(邦訳『貝と文明──螺旋の科学、新薬開発から足糸で織った絹の話まで』築地書館)は、王立協会生物部門の出版賞の最終候補に残り、エコノミスト誌、ネイチャー誌、タイムズ紙、ガーディアン紙の年間人気書籍に選ばれ、BBC ラジオ 4 の週間ランキング入りも果たした。 林裕美子 (ハヤシユミコ) (翻訳) 兵庫県生まれ。小学生の 2 年間をアメリカで過ごし、英語教育に熱心な神戸女学院の中高等学部を卒業。信州大学理学部生物学科を卒業してから企業に就職したが、生き物とかかわっていたいと思い直して同大学院理学専攻科修士課程を修了した。主婦業のかたわら英日・日英の産業翻訳を手がけるようになり、子育てが一段落したころから森林、河川、砂浜などの環境保全活動に携わる。現在は福岡県在住。生物学や環境問題の英日出版翻訳に忙しい。 監訳書に『ダム湖の陸水学』(生物研究社)と『水の革命』(築地書館)、訳書に『砂──文明と自然』『貝と文明──螺旋の科学、新薬開発から足糸で織った絹の話まで』(以上、築地書館)、『日本の木と伝統木工芸』(海青社)、共訳書に『消えゆく砂浜を守る』(地人書館)がある。
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絵とき ゾウの時間とネズミの時間 |本川達雄, あべ弘士(イラスト)
¥1,430
福音館書店 1994年 ハードカバー 40ページ 縦255mm 横195mm 厚さ8mm - 内容紹介- 大きくてゆったりしたゾウ。小さくてチョコマカしてるネズミ。でも、一生に心臓がうつ回数を調べると、アレ?意外な事実の積み重ねから、動物たちの生き方がくっきり見えてきます。