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図解 はじめて学ぶ 数学のせかい | 浜崎絵梨(翻訳), 植野義明(監修), サラ・ハル, トム・マンブレイ(著/文 | イラスト), ポール・ボストン(イラスト)
¥2,178
晶文社 2024年 ソフトカバー 128ページ B5変判 - 内容紹介 - 小学生から学ぶ、美しき数学の世界 紀元前から多くの天才を魅了してきた数学のふしぎ。そのなかから幅広いトピックをとりあげ、楽しいイラストで解きあかす入門書。 数学は「科学の女王」とよばれます。それは、星や動植物の動き、人体や天候の変化など、自然界の現象のほとんどを数学で表すことができるから。本書では、現実と切りはなされてきた数学が、いかに身近でロマンに満ちた学問であるかに焦点をあて、「お勉強」ではない数学の魅力を、ビジュアル満載で楽しくご紹介します。 【対象:小学校高学年~】 - 目次 - 数学ってなんだろう? 数学はなんのためにあるの? 数学の使いみち 第1章 数学の始まり 数学の始まり 石器時代の数学 古代の数字 古代エジプト 古代の数学の使いみち 古代ギリシャの数学 ゼロの発明 今の数字ができるまで 第2章 数 無限ホテルのパラドックス いろいろな無限 三角形と四角形 さまざまな数列 素数 指数関数的増加 代数のしくみ 変わった数 第3章 図形と測量 形の基本 地球の大きさを測る 形で考える 驚くべき円周率 図形の変換 フラクタル マグカップとドーナツは同じ? 表も裏もない形 目的地までの最短ルート 宇宙はどんな形? 第4章 数学の見せ方 想像してみよう! 数字をひと目で伝える 点をつなぐ 2次元上の3次元? 高次元の世界 第5章 証明 証拠を探せ 証明は永遠 パイ投げ大会! 証明と名声 ミレニアム懸賞問題 数学のパラドックス 第6章 確率と統計 確率ってなんだろう? かしこい選択をするために 確率の落とし穴 統計 データ収集の難しさ スポーツと統計 臨床試験ってなに? 統計とフェイクニュース 第7章 数学とコンピュータの未来 コンピュータってなんだろう? 幻の巨大コンピュータ コンピュータ言語 プログラムを実行する AIってどんなもの? 第8章 数理モデル 数理モデルを作ろう 数理モデルに必要な仮定 正確な予測のために バタフライ効果 ゲーム理論 暮らしの中の数理モデル どこまで数理モデル化すべき? 数学の可能性 数学を使ってなにができるかな? 数学がいきる仕事 用語解説 さくいん - 著者プロフィール - 浜崎絵梨 (ハマザキエリ) (翻訳) 慶應義塾大学法学部政治学科卒業。外資系証券会社を経て、児童書の翻訳を始める。訳書に「図解 はじめて学ぶ」シリーズ(晶文社)、「ミオととなりのマーメイド」シリーズ(ポプラ社)、『おひめさまはねむりたくないけれど』(そうえん社/日本絵本賞読者賞)、『モーリーのすてきなおいしゃさんバッグ』(ひさかたチャイルド)など。 植野義明 (ウエノヨシアキ) (監修) 東京大学理学部数学科卒業、理学博士。元東京工芸大学准教授。2021年4月、国立市で「くにたち数学クラブ」を設立、代表。数学教育学会代議員。著書に『考えたくなる数学』(総合法令出版)、『子どもの数学力が自然に育つ2歳からの言葉がけ』(日本実業出版社)がある。
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道具のブツリ | 田中 幸, 結城 千代子, 大塚 文香(イラスト)
¥2,420
雷鳥社 2023年 ハードカバー 272ページ A5変判 - 内容紹介 - 理にかなったものは美しい 25個の生活道具とそこに隠されたブツリをひも解く、 風変わりで、やさしい、物理学の入門書。 身の回りのものはすべて自然の原理や法則のもと成り立っています。 役に立たないと思われがちな中学・高校で習うブツリが、 実はさまざまな道具がもつ「用の美」の基礎になっているのです。 本書は、誰もが一度は使ったことのある生活道具を 「ながす道具」「さす道具」「きる道具」「たもつ道具」「はこぶ道具」の5つの章に分け、 物理を専門とする教師ふたりが、ああでもない、こうでもないと呟きながら、 道具とブツリの面白い関係について語ります。難しい公式や計算はいっさい出てきません。 点で突き刺すフォーク、慣性の法則で水を切るざる、 無限の刃渡りをもつピザカッター、空中の支点でてこを動かすハサミ…etc. 紀元前に生まれたスプーンや車輪など、 今なお変わらない道具の形やしくみにもう一度目を向けることで、 長い年月を経ても廃れない道具のデザインや機能が見えてくることでしょう。 開くと正方形になる縦長の判型、開きのよいコデックス装。 そして色やテクスチャを版画のように重ねた、 独特な風合いのある大塚文香さんの挿絵にもご注目! 【物理学に関する発見とエピソードも満載!】 ・16頭の馬で引っ張り合ったマグデブルクの半球実験 ・コルクを観察し「cell(細胞)」を見つけたロバート・フック ・アモントン、クーロンが提唱した「凹凸説」デザギュリエが提唱した「凝着説」 ・デュワーが発明した-196°の液体窒素を運ぶ実験道具 ・「熱素(カロリック)説」を唱えたラボアジェ …etc. 目次 まえがき ながす道具 ・スプーン 丸みを帯びたつぼの秘密 ・漏斗 地球の引力でものを下に落とす ・シャワー 勢いのある水流を作る ・扇風機 空気を集めて風を作る ・ワイングラス 流速と香りを操るデザイン さす道具 ・フォーク 点で刺して持ち上げる ・注射器 摩擦を減らしてなめらかに刺す ・ホチキス てこの原理で楽に刺す ・ワインオープナー 刺しやすく抜けやすいらせん ・端子 さすと流れる電気の不思議 きる道具 ・包丁 分子の結びつきを断ち切る ・ピザカッター 直線より長い円弧の刃 ・ハサミ 空中の支点でてこを動かす ・紙やすり 面で凸凹をすり減らす ・ざる 慣性の法則で水を切る たもつ道具 ・ゼムクリップ 小さなばねで紙を留める ・線ファスナー 噛み合う力で閉じる ・吸盤 見えない空気の力で張りつく ・コルク栓 生物由来の素材で密閉する ・魔法瓶 真空を作って保温する はこぶ道具 ・車輪 重たいものを転がして運ぶ ・杖 倒れないように支えて運ぶ ・箸 重力とつり合う力で持ち上げる ・おぼん ものを空中で水平に運ぶ ・ピペット 底のない容器で運ぶ column ・平たいアイスクリームスプーン ・コーヒーを美味しく淹れるためのアリジゴク ・まあるい水滴になる理由 ・紙やすりに砥粒を均一にくっつける方法 ・遠心力はまぼろしの力? ・重さが均一でない棒の重心を探ろう ・weightとmassの違い ・砂の摩擦角が山の傾斜を作る あとがき 前書きなど みなさんは、ここに取り上げた道具のほとんどを、日々活用していることでしょう。しかしながら、それらの中に潜むブツリの法則など、ほとんど意識されたことはないでしょう。 絶対音感をもった人が「耳にするすべての音が音階に聞こえる」といったりしますが、ブツリを生業とする人間にも似たところがあります。私たちのバックグラウンドを知らない方にはぎょっとされますし、異業種の家族、知人には「ああ、またか」と呆れられるので、口に出すことはめったにありません。けれども日々の生活の中で、慣性の法則だなあとか、弾性の限界超えたなあとか、ついつい思ってしまいます。私たちにとって、ブツリは仕事であり、趣味であり、物事を考えるときの道具でもあるのです。 私の父は、指物師でした。いろいろなものを作っていましたが、かまどでご飯を炊くときに使う釜の木製のふた作りが主な収入源でした。昭和30 年代になり、ガスや電気の炊飯器があらわれると、父は家業に早々に見切りをつけ、私が小学校に上がるころにはサラリーマンになっていました。それでも、日曜日には道具箱を広げ、ノミやカンナを研いだりして手入れを怠らず、時には人形ケース、包丁や小刀の鞘など、家の中のものを丁寧に削りだしていました。父の孫にあたる私の子どもたちには、学校の机に合わせた引き出しなどを作ってくれたものです。父の作るものは、たとえば小刀の鞘なら、すっとぴったりはまる、美しいものでした。 ですから、私は道具といえば、父の道具箱を思い浮かべ、父のものづくりを、固唾を飲んで眺めていたころを思い出すのです。「理にかなったものは美しい」と意識することは、父から受け継いだ財産のようなものかもしれません。長じて、物事の理ことわりであるブツリを学ぶと、今度はその理の美しさに魅了されました。こうして、父との思い出からブツリの道に進み、このような本をわくわくしながら書くことに至ったのだと思います。 著者がふたりというのは珍しく思われるようで、よく分担して書いているのかと聞かれますが、まさにふたりで書いています。始めにどちらかがざっと書き、あとはキャッチボールのように原稿をやり取りして仕上げていくのです。私たちは大学の同級生で、これまでブツリにまつわる本を書いてきました。「ママとサイエンス」と名づけた活動も行っています。活動の一環で毎月発行している『ふしぎしんぶん』は200 号を超えました。コロナ禍で中断している「科学あそび」も再開に向かっています。 前著のワンダー・ラボラトリシリーズ(太郎次郎社エディタス)で、「音楽や美術を楽しむように物理を楽しんでもらいたい」とまえがきに書きましたが、その目的は達成されたようです。今度は、長い年月をかけて人の英知が集まってできた道具は、みごとにブツリの理にかなっていることをお伝えしたいと思い、パソコンに向かいました。 タイトルを見て、物理じゃなくて「ブツリ」としているのはなぜだろうと不思議に思われた方もいらっしゃることと思います。私たちはこれまで、私たちがそうであるように、学問としての物理をもっと身近に気軽におしゃれに楽しんでいただくことを目的として本を書いてきました。この本はその集大成といえるかもしれません。ですから、肩の力を抜いていただくために、「ブツリ」とカタカナ表記にしています。 この本は「ながす道具」「さす道具」「きる道具」「たもつ道具」「はこぶ道具」の5 つの章から成っています。それぞれの章で5 つの道具を取り上げているので、合計25 個の道具とブツリの関わりを紹介する構成になっています。先に章のタイトルを決め、そのタイトルから思い浮かんだ道具について書いたので、「きる道具」の中に「ざる」があるなど、思わぬ道具が選ばれていることもお楽しみください。 今回の執筆で、「重さ」と「質量」の違いとか、私たち“ブツリ屋”が無意識のうちに当たり前と思っていることを、ひとつひとつ掘り起こし、これまでブツリに関心がなかった方にも分かっていただけるよう再構築する作業は、たいへんでした。しかしながら、いっぽうでああでもない、こうでもないと考えるのは幸せな時間でもありました。たとえば「遠心力」という力は実在する力ではなく、いわば仮想の力ですが、「遠心力がはたらいて……」というような巷にあふれるフレーズを、ブツリ屋としては見過ごすことができず、くどくどと説明してしまったことはご容赦いただきたいと思います。 本書で紹介するすべての道具、ブツリの理論に共通しているのは、「理にかなったものは美しい」ということです。それでは、ブツリが織りなす美しい世界にご案内いたしましょう。」 - 著者プロフィール - 田中 幸 (タナカ ミユキ) (著/文) 岐阜県生まれ。東京都在住。上智大学理工学部物理学科卒業。慶應義塾高校、都立日比谷高校、西高校などの講師、晃華学園中学校高等学校理科教諭を経て、現在、桐蔭学園高等学校講師。東京書籍中学理科教科書執筆委員。NHK高校講座「物理基礎」制作協力。 結城 千代子 (ユウキ チヨコ) (著/文) 東京都生まれ。東京都在住。上智大学理工学部物理学科、国際基督教大学大学院、筑波大学大学院を経て、埼玉大学、昭和大学で物理講師を務める。その傍ら、多賀二葉幼稚園に関わり、晃華学園マリアの園幼稚園長も務めた。現在、上智大学理工学部非常勤講師。東京書籍中学理科、小学校理科、小学校生活科教科書執筆委員。元NHK高校講座「物理基礎」講師。 大塚 文香 (オオツカ アヤカ) (イラスト) イラストレーター。1989年滋賀県生まれ。京都精華大学デザイン学部卒業。書籍や雑誌のイラストレーションを中心に活動中。2020年HB Gallery File Competition vol.30永井裕明賞受賞。
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数学する身体|森田真生
¥605
新潮社 2018年 新潮文庫 ソフトカバー 240ページ 文庫判 縦151mm 横106mm 厚さ9mm - 内容紹介 - 数学はもっと人間のためにあることはできないのか。最先端の数学に、身体の、心の居場所はあるのか――。身体能力を拡張するものとして出発し、記号と計算の発達とともに抽象化の極北へ向かってきたその歴史を清新な目で見直す著者は、アラン・チューリングと岡潔という二人の巨人へと辿り着く。数学の営みの新たな風景を切りひらく俊英、その煌めくような思考の軌跡。小林秀雄賞受賞作。
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読む幾何学|瀬山 士郎
¥990
KADOKAWA 2023年 角川ソフィア文庫 ソフトカバー 240ページ 文庫判 - 内容紹介 - 「円の定義とは?」「2点を結ぶ最短距離は直線か?」 想像力の果てに広がる幾何学の世界を鮮やかなロジックで解き明かす。 目次 第1章 二等辺三角形の底角定理 第2章 二等辺三角形の底角定理再訪問 第3章 三角形の二辺の和をめぐって 第4章 長さの大小に関係したいくつかの話題 第5章 2点を結ぶ最短距離は直線であることの証明 第6章 長さの和を最小にする問題 第7章 三角形の内角和と平行線定理 第8章 補助線の楽しさ 第9章 奇妙に難しい問題 第10章 円の話 第11章 探偵小説としての幾何学 付録 偽書『ユークリッド原論』――幻の『原論』第14巻 - 著者プロフィール - 瀬山 士郎 (セヤマ シロウ) (著/文) 1946年、群馬県生まれ。東京教育大学大学院理学研究科修了。群馬大学教育学部教授を経て、群馬大学名誉教授。数学教育協議会会員。専攻は位相幾何学(トポロジー)。著書は『読む数学』『読む数学 数列の不思議』『読む数学記号』『読むトポロジー』(いずれも角川ソフィア文庫)、『はじめての現代数学』ハヤカワ文庫NF)、『幾何物語』(ちくま学芸文庫)、『数学 想像力の科学』(岩波科学ライブラリー)、『頭にしみこむ微分積分』(技術評論社)など多数。
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計算する生命|森田 真生
¥1,870
新潮社 2021年 ソフトカバー 240ページ 縦191mm 横130mm 厚さ22mm - 内容紹介 - 壮大な計算史に吹き込まれた生命の本質に迫る、若き独立研究者の画期的論考! 「人間が機械を模倣する」計算が加速し続ける現代にあっても、人は、記号を操って結果を生み出すだけの機械ではない。思考し、意味を考え、現実を新たに編み直し続ける「計算する生命」なのだ。小林秀雄賞受賞作『数学する身体』から5年。若き独立研究者が迫る、機械と生命の対立を越え、計算との新たな関係が形作る未来とは。