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マティスとルオー 友情の手紙 | ジャクリーヌ・マンク, 後藤新治ほか(翻訳)
¥3,850
みすず書房 2017年 ハードカバー 364ページ A5判 - 内容紹介 - 「君がそれをやるべきだよ!」――マティス。 「もっといい絵を描きたい」――ルオー。 気質も画風も好対照。それゆえに惹かれ合い、ライバルとして高め合ってきたマティスとルオー。ふたりはパリ国立美術学校のギュスターヴ・モロー教室で出会って以来、マティスの死の直前まで50年にわたり手紙を交わし、家族ぐるみの交流をつづけた。恩師との思い出、フォーヴィスムの誕生、画商への愛憎、贋作騒動、「聖なる芸術」への熱情――ふたりの巨匠の創作の舞台裏。 2006年、かつてのルオーのアトリエで、マティスからルオー宛の手紙が発見された。以来、編者マンクをはじめ関係者による解読が進められる。真の教育者モロー、当代随一の画商ヴォラール、稀代の出版人テリアード、ヨーロッパ美術の渡し守りP・マティス……フランス絵画界の陰の立役者たちの人間ドラマが展開する、美術史の第一級史料。 図版75点、詳細年譜、関連地図を収録。 目次 編者によるまえがき マティス=ルオー往復書簡 1906-1953年 1906-07年 サロン・ドートンヌ事件 マティスとコリウール 1930年 ふたりのマティス ニューヨークのピエール・マティス画廊 1934年 画商との確執 ルオーとヴォラール 1937-38年 絵付けと舞台美術 テリアードの挿絵本 1941年 占領地区と自由地区 「熱意あふれる渡し守り」 1944年 解放前夜 1945年 ボノムという画家 1946年 「黒は色である」 ルオーの初期版画――『ミセレーレ』と『ユビュおやじの再生』 1947年 ヴォラール裁判 1949年 聖なる芸術 1951年 古いなかンま 1952年 ユネスコ世界会議 1952-53年 最後の邂逅に向けて マティスへの質問状 1954年 エピローグ 謝辞 訳者あとがき 後藤新治 補遺 増子美穂 年譜 往復書簡一覧 図版一覧 訳註 原註 索引 - 著者プロフィール - ジャクリーヌ・マンク (ジャクリーヌ マンク) (編集) 現在パリ市立近代美術館学芸部長。専門はフォーヴィスムを中心にした近現代美術史。「ジャン・ピュイ ブルターニュのフォーヴ」展(1995)をはじめとして「フォーヴィスムあるいは〈火の試練〉 ヨーロッパにおけるモデルニテの爆発」展(1999)「マティスとドラン フォーヴィスムの真実」展(2005)など重要な展覧会を国際的に企画監修。近年では同館で「戦下の芸術 フランス1938-1947」展(2012)を共同企画し注目を集めた。『マティスとルオー 友情の手紙』を編集(後藤新治他訳、パナソニック 汐留ミュージアム監修、みすず書房、2017)。 後藤新治ほか (ゴトウシンジ) (翻訳) 1950年福岡県に生まれる。九州大学工学部卒業後同大学文学部修了。北九州市立美術館学芸員を経て、現在西南学院大学国際文化学部教授。著書『ルオーの「ミセレーレ」』(北九州市立美術館・中央公論美術出版、1980)『出光美術館蔵品図録 ルオー』(共著、平凡社、1991)ほか。訳書 ゴンブリッチ『芸術と進歩 進歩理念とその美術への影響』(共訳、中央公論美術出版、1991)、『マティスとルオー 友情の手紙』(共訳、みすず書房、2017)。
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ミュージック 「現代音楽」をつくった作曲家たち| ハンス・ウルリッヒ・オブリスト, 篠儀直子(翻訳), 内山史子(翻訳), 西原尚(翻訳)
¥2,860
フィルムアート社 2015年 ソフトカバー 416ページ 四六判 - 内容紹介- 現代音楽の各ジャンルの第一人者たちに、H.U.オブリストが迫る。 『キュレーション 「現代アート」をつくったキュレーターたち』に続く第二弾! 1950年代以来西洋で生み出されてきた音楽とその形式が、視覚芸術・文学・建築・映画における前衛と取り結ぶ関係についての研究書。 ──(序文より) 現代音楽家たちの知性と魂についての、途方もなく豊かな記録! 各人の性格や雰囲気、手法、ほかにもいろいろなものを明らかにしてくれる──まさにインスピレーション! ──ビョーク パブリシティ掲載情報 ──── ☆「Mikiki」(Intoxicate)において、小沼純一さんに書評を書いていただきました。 消尽される声/響き合う他者の声に~ハンス・ウルリッヒ・オブリスト「ミュージック」と菊地成孔「レクイエムの名手」 http://mikiki.tokyo.jp/articles/-/9435 ☆「サウンド&レコーディング・マガジン」2016年3月号のBook Reviewにおいて、ご紹介いただきました。 「時代を創った音楽家たちの実作業を知る書」 ☆「ele-king」のBook Reviewsにおいて、野田努さんにご紹介いただきました。 www.ele-king.net/review/book/004883/ ☆「men's FUDGE」2016年1月号にてご紹介いただきました。 「複雑に絡み合った現代音楽の進化の過程を、当事者である音楽家や作曲家のインタビューで巧みにマッピングしてみせたのが本著。(中略)音楽に携わる者以外にも、豊かな創造的インスピレーションを与えてくれるだろう。」 ☆「POPEYE」2015年12月号にてご紹介いただきました。 ☆クラシック音楽情報誌「ぶらあぼ」2015年12月号にてご紹介いただきました。 ☆「CINRA」にてご紹介いただきました。 http://www.cinra.net/news/20151027-music ──── 世界的に著名なキュレーター、ハンス・ウルリッヒ・オブリストによる、50〜90年代において特に重要な音楽家、作曲家たちへのインタビューをまとめた1冊。 【前衛音楽】【電子音楽】【ミニマリズム & フルクサス】【現代】の4章の中で、総勢17名の“証言”を収録しています。 たとえば、戦後の前衛音楽をリードしてきたシュトックハウゼンやブーレーズ。クセナキス、フランソワ・ベイルなどの電子音楽のパイオニアたち。ミニマル・ミュージックやフルクサスから派生するスティーヴ・ライヒやオノ・ヨーコ。実験的かつポップな表現を追究したクラフトワークやカエターノ・ヴェローゾなど……。 彼らのオーラルヒストリーは、音楽の各ジャンルにとどまらず、美術、文学、建築、映画など、あらゆる分野を横断しながら独自の「現代音楽史」を紡ぎ、その過程の進化をマッピングします。 創作の過程、他の音楽家たちとの恊働、音楽への愛、作品の社会的な影響など、さまざまな角度から鋭く切り込んだオブリストならではのインタビューと、本人の言葉によって解き明かされる“歴史”は、音楽関係者のみならず、創作を志すすべての人に必読です。
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【サイン本】椰子の実 | 横地美穂
¥4,180
蒼穹舎 2021年 ハードカバー 80ページ クロス装 232 × 271 mm - 内容紹介 - 椰子の実の歌の舞台となった愛知県渥美半島の先、伊良湖岬の近くで生まれ、 まだ旅をする気持ちも知らなかった頃の私にとって 「椰子の実」という言葉は卒業文集を思い出すような懐かしいものでした。 それがいつしか、伊良湖のフェリーターミナルにある椰子の実を見て 「どこからきて、どんな旅をしてきたのだろう」などと思いを馳せるようになったのは 私にも旅の心が芽生えたからでしょうか。 海辺を歩くことが好きで写真を撮るうちに、 長い年月をかけて海を渡る椰子の実のように 私もずっと日本中の海沿いを歩いて写真を撮ろうと心に強く思いました。 地元の漁師の方に教えてもらう潮の流れ、旅先の宿やお店で出会う季節の美味しいもの、 伊良湖と似た砂浜や灯台、強く吹く風、笑い合う家族や恋人たちを眺めていると、 どの土地もまるで自分の生まれ育った故郷のように感じ、海に囲まれた日本に生まれたことを嬉しく思いました。 写真集「椰子の実」は文集のようにささやかですが、 旅や故郷を思う気持ちを誘ったならば幸せに思います。 ― 横地美穂 伊良湖岬に育った作者が日本各地の海辺の町を訪ね歩いた美しいモノクロスナップ。 一枚一枚の写真からは文字にはできない、いくつものことばが溢れ出している。
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ストリートスナップファイト | 新多 正典
¥2,200
ソフトカバー 45ページ 256 × 364 mm - 内容紹介 - モノクロ都市風景写真集。 光と影が作る奇譚画集。 世に跋扈する心象風景写真への異議申立。
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写真家のみなさん、一旦お花を撮るのはやめましょう | 新多 正典
¥2,200
ソフトカバー 52ページ 210 × 297mm - 内容紹介 - モノクロ都市風景写真集『ストリートスナップファイト』の副読本です。 『ストリートスナップファイト』の製作後記でありつつも、写真を取り巻く概論集として作りました。 「左ページにテキスト・右ページに写真」を配置する一定のリズムで構成し、このZINE単体で独立したエッセイ集として仕上げています。 また、本作は全編リソグラフ印刷で構成し、ハンドメイドの製本で仕上げています。 先行販売したPARK GALLERYによるレビュー https://note.com/park_diary/n/n29a631bc909d
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【古本】20世紀ファッションの文化史 時代をつくった10人 | 成実 弘至
¥900
河出書房新社 2007年 ソフトカバー 302ページ 縦190mm 状態:大変良い カバーにスレなどありますが、綺麗な状態です。 - 大学生インターン 尾崎萌美さんによる紹介文 - デザインは「問題を解決すること」。ファッションデザイナーであるクレア・マッカ―デルの言葉です。作者はこれにファッションを見ることはその背後の「思想」を解読するスリリングな作業と述べています。デザイナーの考え、彼らにより作られたファッションを知れば、20世紀という社会がどのような流れで変化をしていったのかを知ることができるでしょう。 CHANELの5番、Mary Quantのミニスカート、Vivienne Westwoodのパンクデザイン、コム・デ・ギャルソンの前衛的なファッション。今でも世界中から人気のあるブランドとその時代の風潮、トレンドなど多角的な方向からブランドとデザイナーやそれぞれの持つ特徴について書かれています。 大量消費社会と呼ばれた20世紀。フォード車の大量生産、ル・コルビュジエによる量産型住宅。これらは大衆の生活を向上させるユートピア的発想からのものから生まれたのです。ファッション業界もまた大量消費社会の影響を受けた産業の一つなのです。 Vivienne Westwoodでは「土星」を連想する人が多いかもしれません。デザイナーのヴィヴィアンはマルコム・マクラーレンと出会い、バンドを結成したり、パンクファッションで社会に反抗的な路線を進むという時代がありました。流行や美意識からわざとかけ離れたファッションを創り出し、新たなファッションを確立させようとしたのです。これは彼らから世の中への挑発だったのです。 ファッションの知識だけではなく、20世紀における経済、社会の流れなどを理解しているとよりファッションと経済の密接な関係が見えてくるでしょう。また、なぜこれほどファッションという芸術を彼らが必死に確立しようとしたのかということも。
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ジョン・ケージ著作選 | ジョン ケージ, 小沼 純一 (編集)
¥1,320
筑摩書房 2009年 ソフトカバー 207ページ 文庫判 - 内容紹介 - ジョン・ケージの出現により、音楽を聴く、音を作る姿勢が決定的に変わった。彼は従来の作曲者主導による音楽の在り様に背を向け、あらゆる意図を排除するために作曲・演奏・鑑賞に「偶然性」を関与させることで因襲を打破した。「ひとつひとつの音は固有のものであって、ヨーロッパの歴史や理論を備えているわけではない。」この思想は、言葉としても残された。本書は単行本未収録作を中心に、彼の音楽論をはじめ、偏愛したキノコに関するエッセイ、革新的なテキストなど様々な形の言葉を集めたオリジナル編集。また編者による解説と年譜を付す。
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イッセイさんはどこから来たの? 三宅一生の人と仕事 | 小池一子, 北村みどり(企画/原案), 横尾忠則(イラスト)
¥3,520
HeHe 2017年 ソフトカバー 206ページ B5判 - 内容紹介 - 常に独自の観点で、衣服の概念を変えるものづくりを一貫して行ってきたデザイナー三宅一生。 2016年にタッシェンより発売された集大成ともいえる書籍『Issey Miyake 三宅一生』(北村みどり企画・責任編集)に収録された小池一子のエッセイ8章に、書き下ろしの第9章を加え、新たな読み物として一冊に。 学生時代からの三宅を知り、その目覚ましい活躍と、ものづくりだけに留まらないさまざまな活動を特別な距離で見守り、関わってきた著者だからこそ描き得る仕事と人と成りを、同時代人としての小池らしい含蓄に富むテキストで仕上げています。 また、日本のクリエイティブを支え続けている小池ならではの表現と視点は、三宅を中心にその時代感覚も巧妙に描き出し、ドキュメンタリーとして興味深い作品が生まれています。 各章には、横尾忠則が1977年から1999年までの間で手がけたイッセイ ミヤケ パリ・コレクションの招待状から、約30点をカラー図版で掲載。 活版印刷の重厚感ある縦組みの日本語テキストと、洗礼された横組みの英語テキストが対を成す、浅葉克己の手腕の光る単行本になりました。 ◉和英両面表紙(紙クロス貼り・箔押し) ◉完全バイリンガル(和文:縦組、活版印刷) 三宅 一生(みやけ・いっせい)デザイナー 1938年広島生まれ。多摩美術大学卒業。1970年、三宅デザイン事務所設立。1973年からパリ・コレクションに参加。衣服デザイナーとして、活動の当初から“一枚の布”を基本理念に据えて身体と布の関係を問い、創作活動を続けてきた。既成の枠にとらわれない自由な発想を、ねばり強いリサーチと実験のプロセスを経て現実化するものづくりの姿勢は、現在に至るまで一貫している。 - 著者プロフィール - 小池一子 (コイケカズコ) (著/文) クリエイティブ・ディレクター/十和田市現代美術館館長 1936年東京生まれ。早稲田大学文学部卒業。1980年の「無印良品」の創設に携わり、以来アドバイザリーボードを務める。また「現代衣服の源流展」(1975年、京都国立近代美術館)、ヴェネツィア・ビエンナーレ建築展 日本館「少女都市」(2000年)、「田中一光とデザインの前後左右」(2012年、21_21デザインサイト)などの展覧会の企画、ディレクションを行なう。83年に日本初のオルタナティブ・スペース「佐賀町エキジビット・スペース」を創設・主宰し、多くの現代美術作家を国内外に紹介した(~2000年)。編著書に『三宅一生の発想と展開』(平凡社、1978年)をはじめ多数。武蔵野美術大学名誉教授。
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吉田謙吉と12坪の家 : 劇的空間の秘密 | 川口 ミリ(編), 羽佐田 瑶子(編)
¥1,980
LIXIL出版 2018年 LIXIL BOOKLET ソフトカバー 80ページ 縦21mm - 内容紹介 - 舞台美術を中心に、考現学採集、装幀、文筆業など多彩なジャンルで活躍した吉田謙吉(1897-1982)は、52歳(1949年)で東京・港区に12坪の家を建てた。小さなスペースながら小ステージがあり、恩師の今和二郎に「愉快な家」と言わしめた家の、独創的な空間づくりの詳細とはいかに? 本書では、この12坪の家に影響を与えたであろう謙吉の仕事を振り返りながら、"劇的空間"としての自邸の秘密を解き明かす。関東大震災、続く第二次世界大戦という多くの人々の暮しが解体された大災難に遭ってなお、謙吉のまなざしは常に自由で新しいものに向けられていた。バラック装飾社、考現学、築地小劇場での舞台美術の仕事、住まいの提案……。人を喜ばせることが好きで、自身も人生を楽しく謳歌することを望んだ愛すべき生き方を、12坪の家を基軸に、謙吉が残した空間づくりに関する数多くの記録と自身の言葉から探っていく一冊。
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ブルーノ・タウトの工芸 : ニッポンに遺したデザイン | ブルーノ・タウト, 庄子 晃子(監修)
¥1,980
SOLD OUT
LIXIL出版 2013年 LIXIL BOOKLET ソフトカバー 76ページ 縦21mm - 内容紹介 - ブルーノ・タウトの工芸作品-螺鈿/木工/竹工/硝子/漆/照明/椅子/玩具 建築家の休日 面影を求めて(意匠/手技/次代へ/再考 工芸デッサン) SIEDLUNG 建築作品 ブルーノ・タウトと建築作品 工芸作品に見る創造-偉大な日本の伝統との対話
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現代写真アート原論 「コンテンポラリーアートとしての写真」の進化形へ | 後藤 繁雄(編集), 港 千尋(編集), 深川 雅文(著/文)
¥2,200
フィルムアート社 2019年 ソフトカバー 296ページ 四六判変形 - 内容紹介 - インスタグラムの時代の現代写真アートとは何か? デジタル化以降、「真」を写す=写真という従来の概念が大きな変化を見せるいま、現代アートとしての写真の新しい「原論」を提示する。 銀板を用いた撮影法により写真が誕生してから180年──いまや誰もがスマートフォンで日常的に簡単に「撮影」でき、それを加工し、インスタグラムをはじめとするSNSで世界中に発信でき、インターネット上には無数の写真データが存在する時代となった。デジタル化し遍在化した「写真」には大きなパラダイムシフトが起こっている。 グローバル資本主義のなかで流動化するコンテンポラリーアートの世界でも、「写真アート」は存在感を増し、一点数億円で落札されるプリントからインスタレーションやプロジェクション、ポストメディウムの作家まで、新しく多様な才能が活躍している。コンピュータ・サイエンスやネット・テクノロジーの大きな変化に晒される社会で、いかに一枚の写真がアートとしての価値を生成するのか──本書は「現代写真アート」の世界をめぐる羅針盤となるだろう。 写真そのもののメディアとしての起源を問い、写真の概念の再定義を試みるとともに、現代アートとしての写真の可能性を問う、待望の一冊。 《本書で言及される主なアーティスト》 トーマス・ルフ、シンディ・シャーマン、ジェフ・ウォール、ヴォルフガング・ティルマンス、ソフィ・カル、ロバート・フランク、ベッヒャー夫妻、ゲルハルト・リヒター、アウグスト・ザンダー、アンドレアス・グルスキー、トーマス・シュトゥルート、ジグマー・ポルケ、森村泰昌、カンディダ・へーファー、スティーブン・ショア、ロバート・メイプルソープ、アンセル・アダムズ、杉本博司、ホンマタカシ...etc 目次 Introduction 現代写真アートは、どこに向かっているのだろう? 後藤繁雄 Article タイムマシン2019 港千尋 Discussion 1 現代写真アートのストラテジー 深川雅文+後藤繁雄+港千尋 現代アートとしての写真 タイポロジー──ベッヒャー夫妻 ニュードキュメントとニュートポグラフィックス ジェフ・ウォール ドイツのマテリアリズム シンディ・シャーマンとアメリカ 1989年──転換点 Discussion 2 90年代の写真 後藤繁雄+深川雅文+港千尋 モダニズム批判と「風景」 凡庸さへの移行 ポストモダンとヴィジュアル・カルチャー 90年代の日本とヨーロッパ ポストモダンの確信犯・ティルマンス Discussion 3 ポストヒューマンとアントロポセンの写真アート 港千尋+後藤繁雄+深川雅文 テクノロジーで汚された新世界 ソフィ・カルという特異点 追跡、盗撮、そして群衆 ドキュメンタリー写真の現在形 新しいプラットフォーム ポストメディウムの未来 新しいプレイヤーたち アジアとリンクする時代 Article テクノ・イマジネーション宣言 深川雅文 Keywords シャーロット・コットンと『写真は魔術』 深井佐和子 実験から生成へ──センサー時代の実験写真 小山泰介 現代写真の加工術 川島崇志 ワークショップ/フォトセラピー 多和田有希 ヴィレム・フルッサーとは何者か? 深川雅文 フォトブックフェア/アートブックフェア 中島佑介 可視化せよ──ドキュメントからフォトグラフィック・リサーチへ 小山泰介 G/P galleryという「ニューモデル」 後藤繁雄 Add 現代フォトアートをさらに学ぶための必須ブックリスト 後藤繁雄 History 現代写真アート年表1964–2018 - 著者プロフィール - 後藤 繁雄 (ゴトウ シゲオ) (編集) 編集者・クリエイティブディレクター、アートプロデューサー、京都造形芸術大学教授。1954年大阪府生まれ。坂本龍一、細野晴臣、篠山紀信、荒木経惟、蜷川実花、名和晃平らのアーティストブック、写真集を編集。展覧会のキュレイション、若手アーティストの発掘・育成・サポート、アートスタッフの育成などにも力を入れ、幅広く活躍している。 港 千尋 (ミナト チヒロ) (編集) 写真家、映像人類学者。多摩美術大学教授。1960年神奈川県生まれ。南米滞在後、パリを拠点に写真家として活躍。1995年より多摩美術大学美術学部で教鞭をとり、現在は同大学情報デザイン学科教授。2006年〈市民の色〉で伊奈信男賞受賞。2007年第52回ヴェネチア・ビエンナーレ美術展における日本館の展示企画コミッショナーをつとめる。 深川 雅文 (フカガワ マサフミ) (著/文) キュレーター/クリティック。1958年佐賀県生まれ。川崎市市民ミュージアム学芸員として、写真、デザイン、現代美術に関する展覧会の企画に携わる。代表的展覧会「バウハウス 芸術教育の革命と実験」(1994)、「遠近 ベッヒャーの地平」(1997)「生きるアート 折元立身」展(2016)など。現在、フリーのキュレーター/クリティックとして活動。
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ジオ・ポンティとカルロ・モリーノ: ドムスへの道程 | キース・イヴァン グリーン, 岸本 雄二 (翻訳)
¥3,960
鹿島出版会 2011年 ハードカバー 270ページ - 内容紹介 - 戦後イタリアデザイン界の天使と悪魔、父と異端児の相克。 モダニズムの全盛期、対極的な二人は生き生きとした建築本来の姿、「ドムス」を追い求めた。その詩的で不可思議な世界を、気鋭の建築学者が読み解く。
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日々、蚤の市 古民藝もりたが選んだ、ちょっと古くて面白いモノ。 | 森田 直(著), 高安 和実(写真)
¥3,520
青幻舎 2015年 ソフトカバー 227ページ 縦210mm - 内容紹介 - ちびたエンピツの山、古鉄の鎖、点火しないマッチ棒、杉板の本箱、すり減った砧、焦げた横木、ラムネ瓶の鉄型、朽ちた鉄箱、木のヘルメット…。誰にも価値を知られないでいるモノたちを見出す嬉しさ…。この道45年、時代を先取りしてきた著者のセンスを、お裾分け。 目次 01 素材(木のもの-古い木の味を慈しむ。 鉄のもの-鉄の愛好家。 紙のもの-古い紙を、追う。 ほか) 02 工芸(懐古の空気-ハイカラ。 ちっちゃい-ちっちゃい、は可愛い。 針と糸、そして布-手仕事の美。 ほか) 03 暮らしの形(やきもの-先祖のやきもので酒盛り。 容れもの-つい欲しくなる箱もの。 鍋・釜-大らかで温かい、台所。 ほか) 04 神さま、仏さま(ポピュラーな神仏)
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職人の手 | 山﨑真由子
¥1,760
アノニマ・スタジオ 2019年 ソフトカバー 224ページ 四六判 - 内容紹介 - 職人、それは日々粛粛と手仕事をする人たち。ものづくりだけでなく、その生き方が、職人たるゆえんです。ガラスペン、洋傘制作、結桶師、陶工、日本茶農家など、過去の知恵や技を受け継ぎつつ未来への挑戦を続けている、30~90代の職人16名の取材記です。 目次 ガラスペン 菅 清風/洋傘(小宮商店) 小椚正一・小椚富子/江戸文字 橘 右之吉/普茶料理 古川竜三/桐たんす 田中英二/モデリスト 三竹伸之/鍋 中村恵一/結桶師 川又栄風/ビール注ぎ(ビヤホール ランチョン) 鈴木 寛/陶工 今泉 卓/仏師・彫刻家 加藤巍山/クリーニング師 伊澤裕樹/篆刻家 雨人 加藤俊輔/活版印刷家 市倉郁倫/日本茶農家(カネジュウ農園) 渡辺知泰/歌舞伎 床山 谷川兼太郎 - 著者プロフィール - 山﨑真由子 (ヤマザキマユコ) (著/文) 1971 年東京生まれ。大学卒業後、雑誌編集業に従事。フリーランスの編集者として食、酒場、筆記具、カメラ、下町、落語など“ モノとヒト” にまつわる分野での仕事多数。著書に『林業男子 いまの森、100 年先の森』、『ときめく文房具図鑑』(山と溪谷社)など。
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世界のインディゴ染め | カトリーヌ・ルグラン, 出口雅敏(監修), 松永優(監修), 本田万里(翻訳)
¥4,950
パイ・インターナショナル 2019年 ハードカバー 288ページ A4変型判 縦226mm 横252mm - 内容紹介 - ジーンズから久留米絣まで、世界各国のインディゴ染めを網羅 パステルやインディゴにまつわる歴史的な側面にも焦点を当てながら、世界各国でインディゴ染めを行う少数民族・職人・工房を、美しい写真と図版満載で紹介。ヨーロッパ・日本・中国・ラオス・ベトナム・インド・アフリカ・中央アメリカなど、世界中の含藍植物を使った染め織りの文化に触れられる、大変貴重な1冊です。 - 著者プロフィール - カトリーヌ・ルグラン (カトリーヌルグラン) (著/文) グラフィックデザイナーとしてニューヨークとパリで活躍後、素材に興味を持ち、世界の民族衣装からインスピレーションを得たデザイナーとしてパリでブティックをオープン。テキスタイルを求めて世界中を旅し、各国の生地や衣装・アクセサリーを蒐集しているコレクターでもある。 出口雅敏 (デグチマサトシ) (監修) 1969年生まれ。東京学芸大学教授。専門は、文化人類学・フランス地域研究。モンペリエ大学大学院修士課程およびDEA課程修了(フランス民族学専攻)。早稲田大学大学院人間科学研究科博士課程修了。博士(人間科学)。著書に、『博物館という装置』(共著、勉誠社、2016年)、『ヨーロッパ人類学の視座』(共著、世界思想社、2014年)、『人類学ワークブック』(共編著、新泉社、2010年)など。 松永優 (マツナガユウ) (監修) 1947年生まれ。染色作家。立教大学文学部中退。29歳から染色を始め、その後多様な藍の制作と発表。団体展をやめ個展による発表活動をして現在に至る。2007年から2014年まで東京芸大非常勤講師。 本田万里 (ホンダマリ) (翻訳) 日本でデザインとパターンを学び、卒業後渡仏。子ども服のデザイナーとして活動後、彫金を学び職業適正証(CAP Bijoutier)を取得。主な翻訳書に『世界の美しいボタン』『世界の美しいブローチ』(ともにパイ インターナショナル)などがある。
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定本 映画術 ヒッチコック・トリュフォー | フランソワ トリュフォー, アルフレッド ヒッチコック, 山田 宏一 (翻訳), 蓮實 重彦 (翻訳)
¥4,400
晶文社 1990年 ハードカバー 384ページ B5判 - 内容紹介 - これが映画だ! 映画の巨匠が華麗なテクニックを大公開。サイレント時代の処女作から最後の作品まで、520枚の写真を駆使して語りつくす。「まず読み物として興味津々」「技術面だけにとどまらず、技術と主題、形式と内容とが不可分のものであることを、じつに説明的に語っているところに本書の真の価値がある。」(朝日新聞評)。 『荒木飛呂彦の漫画術』(集英社新書)内で、「必携の一冊」として紹介。
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民藝のインティマシー Intimité de MINGEI : 「いとおしさ」をデザインする | 鞍田 崇
¥2,750
明治大学出版会 : 丸善出版 2021年 ソフトカバー 216ページ 縦190mm - 内容紹介 - 第1章 Sympathy-民藝への共感(「ふつう」から考える 民藝をめぐる環境の変化1.社会 ほか) 第2章 Concept-民藝の思想(民家・民具・民藝 民俗学と民藝 ほか) 第3章 Mission-民藝の使命(藤井厚二・柳宗悦・和辻哲郎 民藝館という建物 ほか) 第4章 Commitment-民藝の実践(生活意識の高まりの変化 社会意識の高まりの変化 ほか)
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22世紀の荒川修作+マドリン・ギンズ 天命反転する経験と身体 | 三村 尚彦, 門林 岳史
¥3,520
フィルムアート社 2021年 ソフトカバー 315ページ A5判 - 内容紹介 - 「死なないために」とはどういうことなのか? 死すべき存在である人間の運命に戦いを仕掛けた 荒川+ギンズの思考に迫る、22世紀の身体論。 荒川修作没後10年、今なお刺激に満ちた現在進行形の 彼らの思想を再発見していく画期的論集。 「人間は死なない」──死と生命をめぐる独自の発想と思考から、数多くの 鮮烈な言葉を残した荒川修作+マドリン・ギンズ。「三鷹天命反転住宅」や 「養老天命反転地」をはじめとする彼らの作り上げた様々な空間は私たちの 五感や認識のあり方に大きく揺さぶりをかける。 不確かな時代であるがゆえの、身体への意識と関心の高まりにおいて、 荒川+ギンズの思想は多くの発見や刺激を私たちに与えている。 死すべき存在でありながら、生命を消滅させないという矛盾を荒川+ギンズは どのように乗り越えようとしたのか。 人間の運命に戦いを仕掛け、運命を根底から覆す「天命反転」を企てた、 今なお/今こそ現在進行形というべき荒川+ギンズの思想と実践を、 身体論を軸として、哲学、建築、美術、心理学、教育学などさまざまな専門分野 から再検討する。それとともに荒川+ギンズ関連の展覧会、パフォーマンスなどの 近年のプロジェクトを包括的に紹介する。
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ワールドシネマ入門 世界の映画監督14人が語る創作の秘密とテーマの探求 | 金子遊, 住本尚子(イラスト)
¥2,310
コトニ社 2021年 ハードカバー 264ページ 四六判 - 内容紹介 - 世界映画(ワールドシネマ)の巨匠たちは、いかにしてテーマと出遭い、それを創造へと結びつけるのか? さまざまな言葉、風土、食物、ファッション、生活習慣、信仰、音楽があふれる世界映画(ワールドシネマ)。 そこは、社会問題や歴史や民族がうずまく多様な社会です。 本書はそのコミュニティに参画するための手引きでもあります。 また、映画や映像を製作するためのモチベーションの源泉やテーマへの探求にも迫ります。 自身も映像作家である金子遊(多摩美術大学准教授)が、クリエイティブの根幹について、世界各国の巨匠や名匠14人に話を聴きました。 【対話監督一覧】 ペドロ・コスタ〈ポルトガルの世界的映画作家〉 黒沢清〈ホラーやスリラーで世界的名声を得た日本の名監督〉 トニー・ガトリフ〈ロマの血をわけたアルジェリアの名匠〉 想田和弘〈観察映画を生み出した日本を代表する記録映像作家〉 タル・ベーラ〈ハンガリーが生んだ孤高の映画マイスター〉 オタール・イオセリアーニ〈ジョージアの世界的巨匠〉 モフセン・マフマルバフ〈イランで最も人気がある名監督〉 ブリランテ・メンドーサ〈フィリピンの底辺をまなざす名匠〉 アミール・ナデリ〈世界的評価の高いイラン映画界の重鎮〉 アクタン・アリム・クバト〈キルギスの現代社会を問う名匠〉 キドラット・タヒミック〈フィリピンを代表する映画・美術作家〉 ベン・ラッセル〈アメリカの映像作家兼アーティスト兼キュレーター〉 リティ・パン〈クメール・ルージュの虐殺を、証言をもとに紐解く巨匠〉 ラヴ・ディアス〈フィリピンの怪物的映画作家〉 目次 まえがき 第1章 異文化を撮る 1リスボンのアフリカ移民――ペドロ・コスタとの対話[ポルトガル&カーボ・ヴェルデ] 2アフリカとメラネシアの民間信仰――ベン・ラッセルとの対話[バヌアツ&スワジランド] 3ウズベキスタンを旅する合作映画――黒沢清との対話[ウズベキスタン] 4アメリカ社会を観察する――想田和弘との対話[アメリカ] 第2章 ユーラシア文化の多様性 5ジプシーの人生と悲喜劇――トニー・ガトリフとの対話[フランス&ルーマニア] 6ハンガリー大平原と人間存在――タル・ベーラとの対話[ハンガリー] 7カフカースに響く人間讃歌――オタール・イオセリアーニとの対話[ジョージア] 8キルギスの伝統と近代化――アクタン・アリム・クバトとの対話[キルギス] 9動乱の中近東を見つめる――モフセン・マフマルバフとの対話[イラン&アフガニスタン] 10イラン、映画監督一代記――アミール・ナデリとの対話[イラン] 第3章 東南アジアの歴史と現在 11ポスト植民地としての群島――キドラット・タヒミックとの対話[フィリピン] 12マニラのスラム街を撮る――ブリランテ・メンドーサとの対話[フィリピン] 13フィリピン現代史の闇を暴く――ラヴ・ディアスとの対話[フィリピン] 14クメール・ルージュと生存者の記憶――リティ・パンとの対話[カンボジア] あとがき 前書きなど まえがき わたしたちはふだん、さまざまな映画をシネマ・コンプレックス、テレビ番組、レンタルDVD店、動画配信サービスなどを通じて鑑賞しています。そこで見られる映画のほとんどが、ハリウッドを中心とするアメリカ映画、それから日本、韓国、フランス、イギリスなどの先進国で製作されたものばかりです。それでは、世界のほかの国々ではあまり映画は撮られていないのでしょうか。そんなことはありません。ユネスコの2016年の統計データによれば、製作本数の世界1位はボリウッドを中心とするインドで1986本、2位は中国の856本、3位は映画大国アメリカの656本、4位は日本の610本、5位は韓国で339本、以降はイギリス、フランス、ドイツ、アルゼンチン、イタリアと続きます(「UNESCO Institute for Statistics UIS.Stat」を参照。http://data.uis.unesco.org/Index.aspx)。 それでは、どうしてほとんどのインド映画や中国映画などのアジア映画、中東やアフリカや南米でつくられているローカル映画はわたしたちの手元に届かないのでしょうか。それは、日本国内における映画興行の一般公開や、商業的な映像ソフトにおいてリリースされていないからです。それでも、わたしたちは何とかミニシアター、国際映画祭、シネマテークのプログラムによって、観られる機会は限られているものの、いま世界中でつくられている映画に触れることができます。 インド、中国、アメリカ、日本、韓国、フランス、イギリス、ドイツなどの映画大国以外の地域でつくられる映画のことをここでは「ワールドシネマ」と呼びましょう。この言葉は、アジア映画、ヨーロッパ映画といった地域別に映画を分類する方法とは別に、映画研究者のあいだで使われている概念です。ちまたでエスニック(民族特有の)料理という言葉が定着してから長い時間が経ちますが、「ワールドシネマ」もまた東南アジア、オセアニア、中東、アフリカ、南アメリカといった諸地域で暮らす民族に特有の映画という意味合いでは、「エスニック映画」といえるかもしれません。 東南アジア、オセアニア、中東、アフリカ、南アメリカといった地域でいったい何が起こっているのか、新聞記事やニュース報道やテレビ番組などを通じて、わたしたちはその情報を入手します。しかし、日本社会に生きている限り情報は十分といえません。なぜなら、北米やヨーロッパから入ってくる情報に比べて、それらの地域から入ってくる情報量は圧倒的に少ないからです。戦争、テロリズム、移民や難民、自然災害、貧困、環境破壊、グロバリーゼーションによる弊害など、世界ではさまざまな問題が起きています。物語の力と映像や音声のイメージによって成り立つワールドシネマには、言語や民族のちがいを越えて、わたしたちの五感をゆさぶり、そこに住む人たちのできごとを感情に訴えってくるという特徴があります。 本書の第1章「異文化を撮る」では、ポルトガル、アメリカ、日本といった先進国の映画監督たちが、自分の属する文化とは異なる土地で撮った作品、あるいはペドロ・コスタのようにアフリカからの移民を撮った作品について、その方法論や創作の背景にある考え方を語ります。そもそも彼らがどのようにして、文化的な他者というモチーフに出会い、それを映画の主要なテーマに据えることになったのか、創作のプロセスの説明を通じて披瀝します。それを読むことで読者は、遠くはなれた世界だと感じている地域にアプローチするための、さまざまな視座を手に入れることができます。 第2章「ユーラシア文化の多様性」では、ルーマニアやハンガリーなどの東欧から、西洋と東洋の境界にあるジョージアやキルギスを経由し、かつてペルシャと呼ばれた中近東の地域へと分け入ります。インド北部からトルコを経由して最後はスペインにまで達したロマ民族の歴史を映画に撮りつづけているトニー・ガトリフや、ジョージアとフランスを往還するオタール・イオセリーニの亡命作家的な歩みから、ユーラシア大陸における映画づくりのダイナミズムが感得されることでしょう。モフセン・マフマルバフは自国イランだけでなく映画の舞台を隣国のアフガニスタンやジョージアへと広げ、アミール・ナデリはアメリカや日本やイタリアへ移動をくり返しながら映画を撮りつづけています。 第3章「東南アジアの歴史と現在」では、いままさに黄金期を迎えているフィリピン映画における巨匠たちの映画づくりの話題を中心にして、スペイン、日本、アメリカの植民地にされてきた太平洋の群島国家の現代映画史をひも解きます。そこには独立後も、マルコスの独裁政権によって傷ついた民衆の姿や、南部のイスラーム過激派によるテロの動き、都市に形成されたスラム街での庶民のたくましい生活が描かれています。七〇年代にポル・ポト率いるクメール・ルージュがカンボジアを制圧しましたが、その圧政下で人びとがどのような強制労働を強いられたか、その暗黒の歴史を映像化するリティ・パンの言葉から、今日のワールドシネマが負っている課題の大きさが伝わってきます。 そうはいうものの、世界中で起きているこうした深刻な問題において、映画が即座に何かを解決できるというわけではありません。むしろ複雑に生起する事態を前にして、映画は無力だといわざるをえないでしょう。しかし、フィクションとドキュメンタリーとを問わず、映画には少なくともそこに住む人たちの姿を映像に映しだすことができます。そして、ワールドシネマのカメラは彼(女)らのなかへ入っていき、フィクションという形でその人たちのおかれた社会の状況や家庭のあり方、彼(女)らの抱く愛情や葛藤をつぶさに見せることができます。それは社会的な事実ではなく、映画のつくり手によるイマジネーションにすぎないけれども、ワールドシネマを見ることを通して、わたしたちは文化的な他者の内面を想像するきっかけをつかめるのです。 映画にはこの広い世界で起きている問題をただちに解決する力はありませんが、そこに問題があるということを指し示し、人びとに再考をうながすことはできる、ということです。さあ、筆者による道案内はここで終わりです。この先はみなさん自身の足でこの書物のなかを踏破しながら、柔軟な感性をはたらかせていろいろなことを感じとってください。1ページ1ページをめくっていくことで、さまざまな言葉、風土、食べ物、衣装、生活習慣、信仰、音楽があふれている「世界映画(ワールドシネマ)」のコミュニティに参画することになるのです。 版元から一言 クリエイターを志している若者をはじめ、これから何かを作りだしたいと考えている多くの方々が読者対象です。 世界の映画監督14人が、自身の映像製作で得た体験から、創造する際のモチベーションの源泉について、またテーマを選ぶ際のきっかけについて縦横無尽に語っていきます。 映画製作はもちろんのこと、映画以外の創造性へのヒントにもなる言葉があふれています。 プロ、アマ問わず、すべてのクリエイターに手にとっていただきたい一冊です。 - 著者プロフィール - 金子遊 (カネコユウ) (著) 映像作家、批評家。多摩美術大学准教授。アジア、中東、アフリカを旅しながら、映画とフォークロアを研究している。著書『映像の境域』(森話社)でサントリー学芸賞〈芸術・文学部門〉受賞。他の著書に『辺境のフォークロア』(河出書房新社)、『混血列島論』(フィルムアート社)、『悦楽のクリティシズム』(論創社)など。共編著に『映画で旅するイスラーム』(論創社)、『ジャン・ルーシュ』(森話社)ほか多数。 住本尚子 (スミモトナオコ) (イラスト) イラストレーター、映像作家。多摩美術大学版画学科卒業。誰かの生活と地続きな映画にまつわるウェブマガジン「Filmground」主宰。「Filmground」「IndieTokyo」「ドキュメンタリーマガジンneoneo」などを中心に、エッセイと映画イラストレーションを発表。インディペンデント映画やアニメーションを監督、製作している。近年は東南アジアへの旅にはまっている。
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新版 名作椅子の由来図典 | 西川 栄明(著/文)
¥3,520
誠文堂新光社 2021年 ソフトカバー 336ページ - 内容紹介 - 古代から現代まで、椅子の歴史の流れをわかりやすく解説します。 各時代を代表する椅子約380点をイラストで紹介。 椅子系統図や年表を多数掲載しています。 この本を読めば、古代エジプトから現代まで椅子の歴史の流れがすぐにわかります。 過去のどんな椅子からヒントを得て作られたかなどの経緯、エピソード、後世にどんな影響を及ぼしたか。 デザイン、製作技術、素材、使われ方などの特徴は何か。 なぜ、その椅子やデザイナーは人気があるのか。有名なのか。エポックメーキングなのか。 薀蓄も満載です! 各時代を代表する椅子を、約380点イラストで紹介しています。 椅子はどのようにして影響し合って発展していくのかを、時代や形状別にイラストによる系統図を本文ページに掲載しています。 それらをまとめた古代から現代までの椅子の系統図を表紙カバー裏に一挙掲載。 ※本書は、2015年1月に刊行した『増補改訂 名作椅子の由来図典』を以下のように改訂したものです。 ・A5判からB5判に判型拡大。 文字の大きさやイラストが大きくなり読みやすくなりました。 ・さらに32ページ増。 イタリアの章などで「デザイナーと椅子年表」を追加、著者と各テーマ(北欧モダン、ウィンザーチェア、シェーカー、イームズなど)に詳しい専門家による対談を掲載しています。 ■目次抜粋 椅子のスタイル年表 1 古代エジプト 2 古代ギリシア 3 古代ローマ 4 中世ヨーロッパ 5 ルネサンス 6 17~18世紀初めのヨーロッパ 7 18世紀のヨーロッパ 8 ウィンザーチェア 9 シェーカー 10 トーネットの曲木椅子 11 19世紀ヨーロッパの様式家具 12 19世紀中期から活躍し出した、イギリスの新進デザイナー 13 アールヌーヴォーとそれを取り巻くスタイル(1890年頃~1910年頃) 14 20世紀前半のモダンスタイル(1910年頃~40年頃) 15 北欧モダン 16 1940年代以降のアメリカ 17 イタリア 18 ヨーロッパのモダンデザイン 19 現代(1980年代以降) 20 中国、アフリカ 21 日本の椅子 タイプ別椅子一覧 椅子の系統 元々の使用場所別・椅子一覧 年表 (コラム) 中世の農民の暮らしと家具 村上富朗さんのウィンザーチェア ライトに捧げる歌 北欧の名作椅子に使われた、北海道産のナラ材 理容椅子の名作 (対談) 作り手の立場から見たウィンザーチェア(小島優) 暮らしの中から生まれたシェーカーチェア(宇納正幸) 北欧4カ国の家具デザイン(多田羅景太) チャールズとレイという絶妙な組み合わせのイームズ夫妻(清水忠男) 幅広い分野への興味・関心から生まれた、剣持勇のジャパニーズ・モダン(清水忠男) (コメント) 「椅子の歴史において、エポックメーキングな椅子は?」 「日本の椅子にとって、エポックメーキングな椅子は?」 ほか - 著者プロフィール - 西川 栄明 (ニシカワ タカアキ) (著/文) 1955年生まれ。編集者、椅子研究者。 椅子や家具のほか、森林や木材から木工芸に至るまで、木に関することを主なテーマにして編集・執筆活動を行っている。 著書に『この椅子が一番!』『手づくりする木のスツール New Edition』『一生ものの木の家具と器』(いずれも誠文堂新光社)、『木のものづくり探訪』『樹木と木材の図鑑-日本の有用種101』(ともに創元社)など。 共著に『名作椅子の解体新書』『Yチェアの秘密』『ウィンザーチェア大全』『増補改訂 原色 木材加工面がわかる樹種事典』『漆塗りの技法書』(いずれも誠文堂新光社)など。 企画編集に『流れがわかる! デンマーク家具のデザイン史』(誠文堂新光社)など。
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ウェス・アンダーソン 旅する優雅な空想家|イアン・ネイサン, 島内 哲朗(翻訳)
¥3,300
フィルムアート社 2022年 ソフトカバー 300ページ B5変型判 - 内容紹介 - 「映画を作るというのは、混沌を整頓しようとしながら、同時に新しい混沌を生み出してしまうことなのです」 ポップかつシニカル、そして大胆な脚本。キャッチーな色彩とディテールで構築されたセットや小道具の数々。精巧な構図とカメラ移動で生み出されるマジカルな空間演出。そしてひとクセもふたクセもありながら誰もが愛さずにはいられない登場人物たち……。 日本国内のみならず世界中に熱狂的な信者を持つウェス・アンダーソン。この一人の芸術家をめぐり、最新作『フレンチ・ディスパッチ』を含むその全てを総括する評伝がついに刊行! 長編デビュー作『アンソニーのハッピー・モーテル』から『フレンチ・ディスパッチ』まで、素晴らしくも困惑に満ち、個性的かつ一点の汚れもないような10本の映画たちを監督したウェス・アンダーソン 。監督作品のその優れた作家性のみならず、ファッション、音楽、美術、など彼の作品をとりまくディテールは多くの人を魅了する。 本書では、長編監督作はもちろん、『ホテル・シュヴァリエ』『カステロ・カヴァルカンティ』といった短編全作をカバーし、さらには監督が影響を受けた人物や映画作品、プライベートな交友関係についても紹介。あますことなくウェス・アンダーソンの「人生」を詰め込んだ1 冊となっている。 ウェス・アンダーソンの作品に絶妙な親しみやすさを与えているのは、他の誰の映画とも違うという事実に他ならない。 コーデュロイのスーツから、ABC順に整頓された本棚から、アート映画への参照から、アナグマに扮したビル・マーレイに至るまで、彼の映画は彼自身の人生の、そして人格の延長なのだ。 各作品の原点をたどり、インスピレーションの源を探り、どのような過程を経て作品が生まれているのか。多くの美しい場面写真やオフショットとともに、その知られざる神秘を紐解いていく。 目次 イントロダクション 1. 『アンソニーのハッピー・モーテル』(1996) 2. 『天才マックスの世界』(1998) 3. 『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』(2001) 4. 『ライフ・アクアティック』(2004) 5. 『ダージリン急行』(2007) 6. 『ファンタスティック Mr.FOX』(2009) 7. 『ムーンライズ・キングダム』(2012) 8. 『グランド・ブダペスト・ホテル』(2014) 9. 『犬ヶ島』(2018) 10. 『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』(2021) 略歴 【著者】 イアン・ネイサン(Ian Nathan) 映画ライター。著書に『クエンティン・タランティーノ 映画に魂を売った男』(フィルムアート社)『エイリアン・コンプリートブック』『スティーヴン・キング 映画&テレビ コンプリートガイド』(以上、竹書房)『ティム・バートン 鬼才と呼ばれる映画監督の名作と奇妙な物語』(玄光社)などがある。映画雑誌『エンパイア』の編集者およびエグゼクティブ・エディターを務めた後、現在は『エンパイア』誌のほか、『タイムズ』紙、『インディペンデント』紙、『メイル・オン・サンデー』紙、『カイエ・デュ・シネマ』誌などに寄稿を行っている。 【訳者】 島内哲朗(しまうち・てつろう) 映像翻訳者。字幕翻訳を手がけた主な劇映画には「朝が来る」「大怪獣のあとしまつ」「ザ・ファブル 殺さない殺し屋」「海辺の映画館―キネマの玉手箱」「AI崩壊」「護られなかった者たちへ」「さがす」「キングダム」「スマホを落としただけなのに」「愛のむきだし」「チワワちゃん」「野火」「サウダーヂ」「GANTZ」「忍たま乱太郎」等がある。翻訳した書籍には、フランク・ローズ『のめりこませる技術 誰が物語を操るのか』、カール・イグレシアス『「感情」から書く脚本術 心を奪って釘づけにする物語の書き方』『脚本を書くための101の習慣 創作の神様との付き合い方』、シーラ・カーラン・バーナード『ドキュメンタリー・ストーリーテリング[増補改訂版]』、ジェシカ・ブロディ『Save the Catの法則で売れる小説を書く』(以上、フィルムアート社)等がある。
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葬いとカメラ|金 セッピョル, 編集)地主 麻衣子
¥1,980
左右社 2022年 ソフトカバー 200ページ 四六変型判 - 内容紹介 - アーティストと文化人類学者らが考えた「葬い」を記録することについて。両者の視点から「死」と「葬い」を見つめた先に見えてきたものは…… 身寄りがなくなり、壊される無縁仏 自然葬をすることにした家族の葛藤 葬儀を撮ることの暴力性 在日コリアンのお墓 研究映像とアート作品 簡素化される葬儀と、葬いの個人化 誰もが直面する「死」と、残された者の「葬い」という営みを、どのようにとらえることができるのだろうか。 本書では主に映像によって記録するという行為を通じて、死や葬いを普遍的にとらえなおすことを試みるものである。
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そして映画館はつづく──あの劇場で見た映画はなぜ忘れられないのだろう | 三村 尚彦, 門林 岳史
¥2,200
フィルムアート社 2020年 ソフトカバー 338ページ A5判 - 内容紹介 - ——あなたにとって映画館とはどんな場所ですか? 劇場スタッフ、配給会社、関連機関、映画人の言葉から、いま改めて「映画館」を再考する。 私たちの日常に接し、私たちの記憶に結びつき、私たちの人生を彩る幾多の感動を与えてくれるその場所は、今、何を考え、何を求め、何をしようとしているのか。 映画館の昨日、今日、明日を読み解く。 そこにしかない出会いを求めて、映画館に行こう。 新型コロナ・ウイルスに伴う一連の混乱から、映画興業の状況は明白に変化を迎えました。それは映画館という場だけに限るものではなく、映画館へと作品を広げる配給会社や映画を世に送る制作者、そして私たち観客にとっても地続きの問題であると考えられます。映画の流通をめぐる技術的な変容がこれまでにない速度で進む今日において、 改めて映画館という場所を私たちが必要とする理由を見つめ直します。 本書では「映画館」という場所のこれまでのあり方と今後のあり方や、 広く「映画」と「上映」をめぐる現状について、多くの方々から言葉を集めました。 全国の映画館支配人、代表、番組編成担当者に映画館をめぐる「これまで」と「これから」について話をうかがい、さらには映画館という場所への映画人による思いや期待、「配給」「上映企画」といったかたちで映画館の外側からかかわる方々、そして今回のコロナ危機をめぐっていち早くその支援に乗り出したミニシアター・エイド事務局の皆様の思いと展望まで。映画館という場をめぐる歴史を踏まえ、その今日的な課題や現状を見つめ直し、いまあらためて映画館について考える一冊です。 ☆付録「日本のミニシアター・ガイド」を収録! 現在開館している全国の中・小規模映画館を中心に写真とコメントを添えて紹介します。 目次(予定) 第1章 映画館と ■取材館 ユーロスペース、シアター・イメージフォーラム、早稲田松竹、シネマアイリス、高田世界館、フォーラム山形、シネマ・ジャック&ベティ、名古屋シネマスコーレ、出町座、シネマ尾道、シネマ5、桜坂劇場 第2章 映画館のまわりで ・黒沢清(映画監督)、橋本愛(俳優)、大島依提亜(グラフィックデザイナー)、トランスフォーマー(配給会社)、……etc 第3章 映画館と上映をめぐって ・コミュニティシネマセンター事務局、樋口泰人、杉原永純……etc 第4章 ミニシアター・エイドという試み 座談会:大高健志、岡本英之、高田聡、濱口竜介、深田晃司(ミニシアター・エイド事務局) 付録:日本のミニシアター・ガイド
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めくるめく現代アート イラストで楽しむ世界の作家とキーワード | 筧菜奈子
¥1,650
フィルムアート社 2016年 ソフトカバー 160ページ A5判 - 内容紹介 - いざ、きらめく現代アートの宇宙へ。 おさえておきたい基礎知識が、これ一冊でわかる。 読んで楽しい、現代アート入門! 現代アート。その世界には、少々とっつきづらいイメージがあるかもしれません。しかし、見る者の五感を揺さぶり、価値観をひっくり返す作品の数々には、私たちの想像力を豊かにする、無限の可能性が広がっています。 本書は現代アートを、誰にでもわかるカラフルなイラスト付きで解説した入門書です。〈アーティスト編〉〈キーワード編〉の2章立てで、おさえておきたいアーティストやその代表作、現代アートを知る上で役に立つ言葉について楽しく学ぶことができます。作家のことばやエピソードも豊富に収録しており、より理解が深まる内容となっています。 現代アートをこれから学びたい若い方や、美術館に行くのが趣味でもう少し勉強してみたいという方、同時代の生きる教養としてアートを知っておきたい人まで。 誰もが楽しめて役に立つ、まったく新しい現代アートの教科書の登場です。 ☆世界と日本の作家・キーワードを見開き78項目で紹介 ☆キャッチーでカラフルなイラスト多数 ☆コラム・年表も収録 【アーティスト編】 マルセル・デュシャン/岡本太郎/ジャクソン・ポロック/ロバート・ラウシェンバーグ/フランク・ステラ/ フランシス・ベーコン/イヴ・クライン/草間彌生/アンディ・ウォーホル/ソル・ルウィット/ ロバート・スミッソン/ヨーゼフ・ボイス/ナムジュン・パイク/オノ・ヨーコ/荒川修作/赤瀬川原平/ ジェフ・クーンズ/ジェームズ・タレル/ゲルハルト・リヒター/クリスチャン・ボルタンスキー/ マリーナ・アブラモヴィッチ/デミアン・ハースト/ヴォルフガング・ティルマンス/ウィリアム・ケントリッジ/ エルネスト・ネト/アイ・ウェイウェイ/蔡國強/村上隆/バンクシー/ティノ・セーガル/etc....... 【キーワード編】 抽象表現主義/コンセプチュアル・アート/リレーショナル・アート/アルテ・ポーヴェラ/もの派/ ネオ・エクスプレッショニズム/アプロプリエーション/レディメイド/アヴァンギャルド/フォーマリズム/ メディウム/インスタレーション/サイト・スペシフィック/多文化主義/日本画/メディア・アート/ マイクロポップ/拡張現実/etc....... 目次 はじめに 〈アーティスト編〉 マルセル・デュシャン 岡本太郎 ジャクソン・ポロック ロバート・ラウシェンバーグ ジャスパー・ジョーンズ フランク・ステラ フランシス・ベーコン イヴ・クライン 草間彌生 アラン・カプロウ アンディ・ウォーホル ソル・ルウィット ロバート・スミッソン クリスト&ジャンヌ=クロード ヨーゼフ・ボイス ナムジュン・パイク マルセル・ブロータース ジュゼッペ・ペノーネ オノ・ヨーコ 荒川修作 赤瀬川原平 シンディ・シャーマン ジェフ・クーンズ ジェームズ・タレル フェリックス・ゴンザレス=トレス ゲルハルト・リヒター クリスチャン・ボルタンスキー マリーナ・アブラモヴィッチ アニッシュ・カプーア デミアン・ハースト ヴォルフガング・ティルマンス ガブリエル・オロスコ ウィリアム・ケントリッジ エルネスト・ネト アイ・ウェイウェイ 蔡國強 ス・ドホ 村上隆 バンクシー ティノ・セーガル 〈キーワード編〉 抽象表現主義 ポップ・アート コンセプチュアル・アート パフォーマンス・アート リレーショナル・アート ミニマル・アート アルテ・ポーヴェラ もの派 ネオ・エクスプレッショニズム アプロプリエーション ソーシャリー・エンゲイジド・アート モダニズム/ポストモダニズム フェミニズム&ジェンダー アール・ブリュット/アウトサイダー・アート 美術館 国際展 レディメイド アヴァンギャルド フォーマリズム メディウム 装飾 ボディ・アート インスタレーション パブリック・アート サイト・スペシフィック アートプロジェクト 多文化主義 学芸員/キュレーター アートマネジメント アートマーケット ギャラリー 作者/観者 日本画 メディア・アート 写真 おたく文化 マイクロポップ 拡張現実 〈コラム〉 早分かり20世紀美術史① 早分かり20世紀美術史② アートをめぐる巨額のお金 現代アート 読むと広がる10冊 アーティスト生年早見表 おわりに - プロフィール - 筧菜奈子 (カケイナナコ) (著/文 | イラスト) 1986年生まれ。多摩美術大学美術学部彫刻学科退学。東京藝術大学美術学部芸術学科卒業。京都大学大学院人間・環境学研究科修士課程修了。現在、同大学院博士後期課程在籍。専門は現代美術史、装飾史。主要論文として「ジャクソン・ポロックにおける書芸術――ブラック・ペインティング成立に関する一考察」(『美学』美学会、2014年)、「密やかに生成する文様――現代ファッションにおける日本の文様の行方」(『vanitas』アダチプレス、2015年)。翻訳として、ベルトラン・プレヴォー著「コスミック・コスモロジー 装いのコスモロジーのために」(『現代思想』青土社、2015年、共訳)など。研究のほか、イラスト執筆やデザイン提供など幅広い領域で活動している。