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非水のみかた | 杉浦 非水, 海野 弘(解説)
¥2,970
作品社 2025年 208ページ A5判 - 内容紹介 - 〈アール・ヌーボー〉に 魅了され、〈三越〉の デザインを手がけた 先駆者の生涯と作品 黒田清輝の薫陶を受け、日本のグラフィック・デザイン界の草分けとなった杉浦非水による自伝を初単行本化! 図版300点超収録! 附:海野弘「解説 黎明期のデザイナー 杉浦非水」 一九〇〇年の巴里博覧会は今さら私が喋々(ちょうちょう)するまでもない、装飾美術において「アール・ヌーボー式」図案による黄金時代であったのである。博覧会の建築からその装飾、家具、装身具、印刷図案に到るまでことごとく「アール・ヌーボー式」にあらざるはなしであった。 私が日本画科を出て、先生から洋画に対する多くの知識を与えられたのであったが、断然図案の方面に進出していこうという心の動いたのは、黒田先生のこのお土産品の到来が最大の動因であったことは事実なのである。それからは毎日のように先生の邸に遊びに行って、到来のこれらの作品を観賞したり模写させてもらったりしていた。(本書より) 【内容目次】 一 幼少時代 二 中学時代 三 東京美術学校時代(上) 四 東京美術学校時代(下) 五 黒田邸寄寓時代 六 大阪生活時代(上) 七 大阪生活時代(下) 八 中学校教員時代 九 中央新聞社時代 十 三越時代前期 十一 三越時代中期 十二 三越時代後期 十三 外遊時代(略記) 十四 七人社創立時代より現在に至る 解説 黎明期のデザイナー 杉浦非水 海野弘 - 著者プロフィール - 杉浦 非水 (スギウラ ヒスイ) (著) 1876年、愛媛県松山市生まれ。本名朝武(つとむ)。1897年に上京して川端玉章に入門し、東京美術学校日本画選科に通う。また白馬会研究所で黒田清輝と知り合い、西洋画への理解を深めた。1900 年のパリ万国博視察に際して黒田が日本に持ち帰った品々に強い影響を受け、図案家を志す。1903年、大阪の三和印刷所に図案部主任として招かれ、第五回勧業博覧会のための雑誌「三十六年」を手がける。1905年、東京中央新聞社に入社、新聞一面と附録「ホーム」の図案などを担当。1908年、三越呉服店の嘱託となり、「みつこしタイムス」「三越」の表紙などを手がける。1912年、日比谷図書館で「書籍装幀雑誌表紙図案展覧会」を開催。日本で初めての印刷図案の展覧会となった。1915年、『非水図按集 第一輯』(金尾文淵堂)刊行。以後、多くの図案集を手がける。1922年、念願のフランス行も、関東大震災の報を聞いて帰国。1924年に七人社を結成、1927年にポスター研究雑誌「アフィッシュ」を創刊。1929年、帝国美術学校工芸図案科長に就任。1935年、同校辞任。多摩帝国美術学校の創設に参加し、同校の校長兼図案科主任となる。1965年逝去。享年89。
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中央アジア映画完全ガイド ウズベキスタン・カザフスタン・キルギス共和国・タジキスタン・トルクメニスタン | 梶山 祐治
¥3,080
パブリブ 2025年 世界シネマ読本 ソフトカバー 240ページ A5判 縦210mm 横148mm 厚さ14mm - 内容紹介 - もっとも長い歴史を持つウズベキスタン 作家性のある監督が続出するカザフスタン 多様なジャンル映画が充実するキルギス共和国 ペルシャ文化を継承したが内戦で荒廃したタジキスタン かつて栄えた映画文化の復興が期待されるトルクメニスタン 代表100作のあらすじや制作背景を徹底解説 『やさしさ』タシュケントを襲った大地震直後にロケ撮影された雪解け期映画の代表作 『タンカ』中央アジア特有のコネの問題を、カラカルパク文化で彩ったスクリーンに提示 『オトラルの陥落』アレクセイ・ゲルマン製作のもとアミルクロフが描く帝国の崩壊 『小さなアコーディオン弾き』朝鮮人強制移住と日本人抑留者の歴史がつながる 『シュガ』「アンナ・カレーニナ」を下敷きに、中央アジアの都市で不倫にはまる男女 『火事』抑圧された女性の立場と男性目線の欺瞞が、ホラーの形式を借りて暴かれる 『世界の屋根』ソ連辺境の未到の地にカメラが好奇な眼差しを注ぐ 『ロスタムとソフラーブ』叙事詩『シャー・ナーメ』を原作にしたペルシャの一騎討ち 『競演』ドゥタールの名手が楽器だけを手に、捕虜となった兄を単身救出に向かう 『黄色い雄牛の夜/大地震の子供たち』大統領命令によりお蔵入りとなった幻のフィルム 「中央アジア現地の映画館を探訪する」「アフガニスタンの女性映画監督サダト」等のコラム - 目次 - 2 まえがき 6 年表 8 地図 10 中央アジア映画史への招待 20 用語解説 23 人名解説 29 第1章 ウズベキスタン 30 死のミナレット 数千人のエキストラがブハラに攻め込む、ウズベキスタン最初の長編映画 32 二人目の妻 フジュム以前の抑圧された女性性を、国外スタッフの力を集めて描く 34 聖者の娘 宗教指導者の犯罪が暴かれる、ウズベク人キャストを揃えた最初期のフィルム 36 ラマザン 権力者が断食月の戒律を利用してサボタージュを働き、善良な農民が目覚める 38 ブハラのナスレッディン オリエント世界で有名なトリックスターが、ブハラの宮廷で権力者を自在にかき回す 40 タヒルとズフラ 古来から伝わる悲恋の昔話に民衆蜂起が追加され、革命のドラマとして再生する 42 アリシェル・ナヴァーイー ティムール朝下で君主と友情を育んだ、詩人ナヴァーイーの生涯 44 きみに夢中 新作映画の撮影に集まった各地の歌い手が、国の文化を統合する 46 マハッラ中が噂していること 建設中の高層アパートに隣接するマハッラで、噂話に花を咲かせる住人たち 48 君は孤児じゃない ソ連のイデオロギーを越えて今も愛される、戦時下を描くソ連・ウズベク映画 50 やさしさ タシュケントを襲った大地震直後にロケ撮影された、雪解け期映画の代表作 52 タシュケントはパンの町 飢饉のヴォルガから、パンを求めて少年は「パンの町」タシュケントへ向かう 54 恋する者たち 否応なく訪れる出会いと別れを繰り返しながら、恋する者たちの人生は続く 56 七発目の銃弾 赤軍の帽子に忍ばせた銃弾が、憎き反革命のバスマチを追う「東部劇」 58 苦い果実 子供から大人への移行期で変化する同性と異性の友情を描く、女性監督の代表作 60 草原 レイ・ブラッドベリ原作の仮想空間で、現実が虚構に侵食されていく 62 ナズグム 中央アジアとの交差を通して映像化した、ウイグル民族の女性英雄 64 UFO少年アブドゥラジャン 宇宙人の少年がコルホーズで起こす奇跡が、スピルバーグに向けて語られる 66 演説者 ソ連政権下で異なる生き方を突然迫られる、一夫多妻制の当事者たちの運命 68 タンカ 中央アジア特有のコネの問題を、カラカルパク文化で彩ったスクリーンに提示する 70 祖国 独ソ戦に参加しアメリカに移住したウズベク人の老人が「祖国」を再訪する 72 不屈 カラカルパクスタンで死期の近い帰還兵が、人生でやり残した仕事を清算する 74 ファリダの二千の歌 秘密や謎が明らかになっていくと同時に、一夫多妻制は崩壊へ向かっていく 76 日曜日 人生の終わりが近づくにつれて、子供が自立し村に残された老夫婦が迎える関係の変化 78 コラム1 インターネット上の中央アジア映画 79 第2章 カザフスタン 80 トゥルクシブ 世界のドキュメンタリー映画史に大きな軌跡を残した、鉄道建設映画 82 アマンゲルディ モスクワからの要請により製作された、カザフスタン「初」のトーキー映画 84 ライハン 遅れてやってきた革命の効果で解放される女性と、彼女に拒まれた陰湿な男の復讐 86 ステップの娘 ステップでの強制的な結婚を免れた少女が、医師としての使命を切り拓いていく 88 僕の名前はコジャ 落ち着きのない少年が周囲の支えとともに成長していく、子供映画の代表作 90 父祖たちの大地 カザフ人とソ連人の老人が持つ祖国の概念が照合され、その一体化が図られる 92 テュベテイカをかぶった天使 保守的な価値観が内面化された、中央アジアミュージカルの代表作 94 アタマンの最後 カザフ人スパイを造型した、観客動員3000万人の同国映画史上最大のヒット作 96 灰色の狼 狼を飼い慣らそうとする少年に、厳しい自然の摂理が突きつけられる 98 マダム・ウォンの秘密 白軍将校の子孫とカザフ人船乗りが、海賊が隠した黄金を追うバディ・フィルム 100 白い鳩 「カザフニューウェイヴ」の道をつくったロシア人監督によるカザフ映画 102 僕の無事を祈ってくれ ソヴィエトの負の遺産が垣間見える、ツォイ主演の痛快なアクション映画 104 復讐 朝鮮系作家アナトリー・キムの脚本が、朝鮮を舞台に宿命に囚われる者たちを描く 106 恋する魚 黒人音楽家が多彩な音楽を呼び込み、都会で生きる者たちの孤独と交流が浮かび上がる 108 スルタン・バイバルス エジプトで君主まで上り詰めた奴隷軍人が、老年になり権力の意味を考える 110 オトラルの陥落 アレクセイ・ゲルマン製作のもとアミルクロフが描く、慢心した帝国の崩壊 112 鳩の鐘撞き 音と視覚を通じて演出される、鳩の飼育係が経験する恋愛、結婚、永遠の別れ 114 小さなアコーディオン弾き 高麗人俳優の熱演を通じて、朝鮮人強制移住と日本人抑留者の歴史がつながる 116 キラー 小市民として生きることが許されない、急激な変化を迎えた1990年代 118 レイラの祈り 核実験の事実を誰も知らず被害を受けた村で、知覚の鋭いレイラがひとり祈りを捧げる 120 ヴォーカル・パラレル 栄枯盛衰を説く異色のコンサート映画が、観客を芸術への感動へと誘う 122 ゆすり屋 独立後の混乱した社会を、拳の力だけを頼りにのし上がっていく男の半生 124 シュガ 「アンナ・カレーニナ」を下敷きに、中央アジアの都市で不倫にはまっていく男女 126 南の海からの歌 多くの民族が去来した家父長制の強い土地で、家族の概念が再検討される 128 スターリンへの贈り物 民族や宗教の違いを越えた者たちの共存を、卑劣な権力者が脅かし命まで奪う 130 約束の地 強制連行された朝鮮人ほか異民族を、カザフ人の他者を歓待する精神が救う 132 海を待ちながら 干上がったアラル海で、全てを失った船長が「海」を求め船を曳いていく 134 学生 経済成長下のアルマトゥで、恩恵に与れない学生が反復する「罪と罰」 136 胡桃の木 合意を得た誘拐婚さえ失敗しながら、それでも結ばれた夫婦の人生は続いていく 138 父への電話 周りと違うことで親にも捨てられた少年が、20年ぶりにかける父への電話 140 逃げろ 大飢饉にあえぐ村の運命を託され街へ向かう、墓掘り人の旅が始まる 142 コラム2 中央アジア現地の映画館を探訪する 143 第3章 キルギス共和国(クルグズスタン) 144 サルタナト 女性の活躍と自然の克服が二重に実現する、最初のキルギス共和国製作長編劇映画 146 炎暑 職人気質のトラクター運転手とコムソモール員の間で、極度に高まる緊張 148 白い山々 ソ連成立前に旧体制を抜け出す難しさを描く、キルギス人監督による最初の長編劇映画 150 最初の教師 社会主義の理念に燃えた教師が、山間の村で偏見と闘い教育に身を捧げる 152 我らが幼年時代の空 子供が皆街へ出てしまった遊牧民の老夫婦に、避けようがない変化の波が押し寄せる 154 ジャミリャー 作家アイトマートフの代表作が、絵画モチーフを通して鮮やかに映像化される 156 白い汽船 少年の愛への渇望と神話が一体化し、「奇跡」と呼ばれた1本 158 白い豹の一族 民族叙事詩マナスの朗誦を伴いながら語られる、白豹族の因果応報の物語 160 愛の蜃気楼 シルクロードで結ばれた中央アジアとシリアで、若き芸術家が母の幻影を追う 162 カタツムリ、お前のうちはどこ? 独立直後のキルギス共和国の混乱した社会で、寄る辺ない若者の深まる孤独 164 ブランコ 独立後のキルギス映画の存在を世界に向けてアピールした、自伝三部作の一作目 166 あの娘と自転車に乗って 出生の秘密を知った養子の少年が、近親者の死を経て大人になっていく 168 クルマンジャン・ダトカ 生誕200年を機に国家プロジェクトにより映画化された「民族の母」 170 樹の歌 天山山脈の麓を舞台に展開する、初の全編キルギス語ミュージカル 172 火事 抑圧された女性の立場と男性目線の欺瞞が、ホラーの形式を借りて暴かれる 174 コラム3 ウズベキスタン「サローム・シネマ」での映画鑑賞日記 175 第4章 タジキスタン 176 世界の屋根 民俗誌的な光景を垣間見せながら、ソ連辺境の未踏の地にカメラが好奇な眼差しを注ぐ 178 ジュリバルス パミールを舞台に撮影された、反革命分子が追われる東部劇の先駆的作品 180 僕はある女性に出会った 娘に抑圧的な父親が舞台に自分の分身を認め、考えを改めるミュージカル映画 182 詩人の運命 ペルシャ文学の父ルーダキーの生涯を、悲劇を乗り越える国民的詩人として描く 184 パミールの子供たち パミールの「最初の教師」の導きで、少年たちは自ら学び成長していく 186 車夫ハサン 自立していく恋人と対照的に、共産党員になりきれない哀れなタジク人男性 188 ロスタムとソフラーブ 叙事詩『シャー・ナーメ』を原作にした、ペルシャの英雄と息子の一騎討ち 190 先祖の秘密 革命直後のヤクーチアで、黄金に目が眩んだ人間は破滅を辿る 192 コックと歌手 ザツェーピンが作曲しプガチョワが歌う音楽が、料理とともにパミールに届けられる 194 青春の最初の朝 実在したパミール最初の女性コミュニストをモデルに、目覚めの「朝」が予感される 196 シェヘラザードのもう一夜 聞き役のカリフがいつの間にか登場人物となる、「千夜一夜物語」のその先の物語 198 ルツ 強制収容所から釈放されたフランス人ピアニストが、故郷を捨てロシアに留まる 200 黄色い草のとき 女性監督の透徹した眼差しが、身元不明の遺体が発見され狼狽する男たちを捉える 202 少年、機関車に乗る 離れて暮らす父に会うため、列車に乗る兄弟のレール・ロードムービー 204 預言者の復讐 若い考古学者の恋と共に展開する、シリアの古代遺跡をめぐる陰謀 206 コシュ・バ・コシュ:恋はロープウェイに乗って 銃撃音が響く中撮影を敢行し、内戦下で製作された唯一の長編劇映画 208 ルナ・パパ 多彩な乗り物と巨大な海が彩り、月夜に妊娠した少女が父親を探す旅に出る 210 右肩の天使 前科者の映写技師が、期せずして中央アジアと世界の広がりを示す 212 天国へ行くにはまず死すべし EDに悩む新婚の青年が、ストーカー行為を繰り返して回復の機会をうかがう 214 トゥルー・ヌーン 突然現れた国境線で親族が分断され、地雷の埋まった土地で結婚式が始まる 216 彼女 ロシアで劣悪な環境に置かれる、タジク人移民社会と女性労働者の境遇 218 コラム4 アフガニスタンの女性映画監督シャフルバヌ・サダト ─蹂躙される多様な文化と子供たち─ 219 第5章 トルクメニスタン 220 ドゥルスン 才覚ある妻が彼女の成功に嫉妬する夫を宥め、夫婦で活躍する道を見出す 222 遠い花嫁 戦後に顕彰される、ロシア人とトルクメン人のホモソーシャルな「結束」 224 競演 ドゥタールの名手が楽器だけを手に、捕虜となった兄を単身救出に向かう 226 決意の一歩 革命後の中央アジアで外国勢力も干渉するなか、青年が革命精神に目覚める 228 義理の娘 トルクメン映画の巨匠とその妻が、同国の映画史に刻んだ戦争未亡人の生き方 230 幸せに別れを告げたプラーギー 自身の幸せを捨て、国民詩人として歩み始めるマグトゥムグリ 232 マンクルト 奴隷にされた息子への母親の愛が、人間の尊厳と自由を問う 234 天使よ、ご馳走を運んできて 独ソ戦時のトルクメニスタンにおける、ドイツ人強制移住を初めて描く複言語映画 236 黄色い雄牛の夜/大地震の子供たち 大統領命令によりお蔵入りとなった、大地震に見舞われる「愛の街」の物語 238 参考文献 239 あとがき - 前書きなど - ひとりの人間が、一国の映画について語ってしまうことの危うさについてもよく指摘される中、『ウクライナ映画完全ガイド』に続いて『中央アジア映画完全ガイド』を刊行することになった。元々は中央アジア映画についての本を最初に企画していたところ、情勢を考慮して順番を入れ替えて出版することになったものなのだが、筆者自身1冊で中央アジアの映画について語り尽くせるとは考えておらず、その不完全さは強く意識している。今回は特に、時代やジャンルがなるべく均等になるように100作品に絞る過程で、あまりに多くの作品を除外せざるを得なかった。それでもこのシリーズは、ガイドブック=案内書としての役割をそれなりに果たせるものと信じている。本書が中央アジア映画の紹介が進むためにただ役立つのであれば、幸いである。 測量技術が発達していなかった時期における、古い地図を思い浮かべてみよう。正確な面積が把握されているどころか、リアルタイムなデータやユーザーによる情報も統合されたインタラクティヴな地図がありふれている現在においても、古い地図にいびつに膨らんだ図形の値打ち時代が失われてしまうわけではない。そこには、当時の人々にとっての世界の縮図が記録されているのだから。本書は、中央アジア映画についての、現時点で作成された地図だ。この地図を見た読者が、未踏の地への興奮を掻き立てられ、本書がボロボロになるまで使い古されますように。 本書では主に、狭義の中央アジアとされる、ウズベキスタン、カザフスタン、キルギス共和国、タジキスタン、トルクメニスタンの中央アジア5か国の映画を取り上げている。広義には、タタールスタン、バシコルトスタン、アフガニスタン、ウイグルまでをも指すのだが、筆者の力不足により、これらの地域をほとんど取り上げることができなかった。タタールスタンとバシコルトスタンについては、ソ連およびロシア国内の自治共和国の映画といった観点からのアプローチも欠かせないだろう。まだまだやるべきことはたくさんある。 中央アジアと中央アジア映画は尽きぬ魅力を湛えている。本書で取り上げている作品の大半は日本で未公開であり、言及できなかった素晴らしい作品の数々が、まだまだこの地域には存在する。その世界を覗こうとする者に、映画の門戸はいつでも開かれている。冒険と形容するのが相応しい、中央アジア映画を見ることの体験へひとりでも多くの読者が誘われることを願う。 キルギス共和国第2の都市オシの中心部に、「ヌル」という映画館がある。首都ビシュケクの映画館とは違って、ここでは驚くべきことにキルギス映画しか上映していない。キルギス語で「光」を意味するこの映画館は、フランス語の「光」と同じ名前を持った映画の発明者リュミエール兄弟にまで通じている。しかしここでのローカル映画のラインナップは、国際映画祭や欧米圏の映画批評とは無関係に成り立っている。国際映画祭での受賞作品や権威ある映画雑誌が発表しているランキングばかりが、映画史を形成しているのではない。世界が多様な分だけ、映画も多様である。 なお、本書では人名・地名の表記は現地語の発音を尊重しつつ、一部、慣例に従った。 - 著者プロフィール - 梶山祐治 (カジヤマ ユウジ) (著) 筑波大学国際局准教授。ロシア・ウクライナ・中央アジア映画研究。東京外国語大学卒業後、ロシア国立人文大学大学院留学を経て、東京大学大学院博士課程単位取得退学。博士(文学)。ウズベキスタンの世界経済外交大学常勤講師などを経て、現職。著書『ウクライナ映画完全ガイド』(パブリブ、2024年)。中央アジア映画についての論文に、”L’altérité à l’écran : représentations des Japonais dans le cinéma d’Asie centrale” Aliterites et Education (EDITIONS ACADEMIA-EME, à paraître)など。
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なぜ、人はアートに惹かれるのか 知識人や富裕層がアートを買う理由、美と所有の本質 | 髙橋 芳郎
¥1,870
晶文社 2025年 ソフトカバー 228ページ 四六判 - 内容紹介 - 「絵は好きだけど、どう見ればいいのか分からない」。その戸惑いは、ロマン主義以降の “心で味わう鑑賞” と、現代アートの “意図を読み解く鑑賞” が同じ空間に並び立つ二重構造に理由がありました。本書はまず “見る喜び” に立ち返り、歴史の流れを踏まえて二つの鑑賞法をやさしくひもときます。次に、「経済的・社会的・本質的」という三つの価値軸でアートを整理。名画の前で自分の感性に自信が持てるようになる実践ガイドです。 はじめに 第1章 人はなぜアートに惹かれるのか 第2章 なぜアートをわかりにくいと感じる人が多いのか? 第3章 アートに宿る見えない価値 第4章アート所有の楽しみ 第5章 資産としてのアート 第6章 アートの買い方・選び方 第7章 これからの時代のアートの価値 おわりに 参考文献 [著者について] 髙橋芳郎(たかはし・よしろう) 翠波画廊 代表 愛媛県生まれ。多摩美術大学彫刻科(現・彫刻学科)に進学、卒業後、現代美術の専門学校Bゼミにて現代アートを学ぶ。卒業後、都内の美術展覧会の企画運営会社に就職、1990年に独立、美術品販売会社「株式会社ブリュッケ」を創業。現在、東京・銀座と大阪・梅田に自社店舗「翠波画廊」を運営。創業以来35年の長きにわたり、ピカソ、マティス、藤田嗣治など近代絵画からウォーホル、キース・ヘリング、バンクシーなど現代アートまで絵画愛好家なら誰もが知っている巨匠の作品を数多く扱う。著書に『値段で読み解く魅惑のフランス近代絵画』(2017年)、『アートに学ぶ6つのビジネス法則』(2019年)、『画商が読み解く西洋アートのビジネス史』(2022年)がある。 - 目次 - はじめに 第1章 人はなぜアートに惹かれるのか ホモ・サピエンスだけが持っていた共感力が文化を作った 脳科学が解き明かす「美」を感じるしくみ アートが教えてくれる、世界を深く味わう方法 アートがくれる、自分と向き合う時間 アート鑑賞がもたらすストレス軽減とリラクゼーション効果 アートが情操教育に不可欠と考える富裕層 ストーリーによって価値が上がったウォーホル作品 第2章 なぜアートをわかりにくいと感じる人が多いのか? アートには二つの鑑賞法が存在する 宗教に縛られていた中世 ルネサンス ―人間を取り戻す バロック ―光と闇の美術 啓蒙主義 ―理性を信じすぎた時代 新古典主義 ―理性の美学 ロマン主義 ―感情と想像力の爆発 ロマン主義に登場した芸術家像 ロマン主義から現代アートへ 写実主義 ―ロマンではなく現実を見る 写真とチューブ入り絵具の二大発明 印象派 ― 光を描くという発明 ポスト印象派 ― 内面表現への回帰 ゴッホ ― 狂気の天才というロマン主義的物語 芸術の都パリが花ひらく キュビスム ― 一点透視図法の解体 抽象絵画の誕生 ― もう一つの20世紀の大革命 戦後美術の大転換 ― 「アンチ・イリュージョン」が開いた新しい地平 グリーンバーグの理論 ―フォーマリズム(形式主義) アクション・ペインティング ― 行為としての芸術 カラーフィールド・ペインティング ― 色彩としての芸術 ミニマル・アート ― 物体としての芸術 リキテンシュタインとジョーンズ ― 平面の自律を示した作家たち ウォーホルとポップアート ― 市場と表面の時代 コンセプチュアル・アート ― 芸術=アイデアそのもの アートの本質と市場価値のねじれ アートが難しい理由 ― 鑑賞法の二重構造 誰にでも開かれたアート鑑賞へ 「目で観る喜び」と「頭で考える喜び」について 「目で観て喜ぶ」系と「頭で考えて喜ぶ」系の違い 画家は職人か、それとも芸術家か 第3章 アートに宿る見えない価値 508億円? アートはなぜ高額になるのか? アートの価値を増幅させる「物語」の力 ― 作品の来歴と作家の神話 アートはなぜ高額なのか?「所有」と「物語」が紡ぐ、もう一つの価値 見た目以上に重視される「背景」と「物語」 ストーリーと共感が作品を輝かせる アートのコレクションに教養が必要な理由 第4章アート所有の楽しみ 空間を変える、一枚の絵の力 毎日観るという体験の意味 美術館とは違う、私的空間で出会う感動と発見 自分と一緒に歳を重ねるアート作品 日本で絵は売れているのか? 第5章 資産としてのアート アートと金融の交差点 資産ポートフォリオにアートを組み込む富裕層 価格が上がる作品の特徴とは 資産としておすすめの作品とは アート作品はなぜ高額なのか 美術品は「課税対象」か「文化資産」か ―公益財団法人を活用した相続対策 第6章 アートの買い方・選び方 アートの選び方には正解がないという自由 自分らしさの表現としてのコレクション アート購入者は何が違うのか? アートはお金だけでは買えない アート購入の深層心理 アートとの出会い方 実際に始める、絵画の買い方・選び方 アートの値段はどうやって決まるのか 購入者にとってのプライマリーとセカンダリーの違い 失敗しないアートの買い方 信頼できる購入先の選び方 市場に出回る贋作に注意 多くの人が被害を受けた「贋作版画」事件 画商は贋作にどう対処しているか 美術商の覚悟―信頼と責任に基づく商いの哲学 税制面から見た「絵を飾る」メリット ― 法人の絵画購入費は経費に 第7章 これからの時代のアートの価値 台頭するAIアート 人間だけが持つ「問い」を立てる力 AI全盛の時代にこそ人間の手によるアートが見直される おわりに 参考文献 - 著者プロフィール - 髙橋芳郎 (タカハシヨシロウ) (著) 翠波画廊代表。愛媛県生まれ。多摩美術大学彫刻科(現・彫刻学科)に進学、卒業後、現代美術の専門学校Bゼミにて現代アートを学ぶ。卒業後、都内の美術展覧会の企画運営会社に就職、1990年に独立、美術品販売会社「株式会社ブリュッケ」を創業。現在、東京・銀座と大阪・梅田に自社店舗「翠波画廊」を運営。創業以来35年の長きにわたり、ピカソ、マティス、藤田嗣治など近代絵画からウォーホル、キース・ヘリング、バンクシーなど現代アートまで絵画愛好家なら誰もが知っている巨匠の作品を数多く扱う。著書に『値段で読み解く魅惑のフランス近代絵画』(2017年)、『アートに学ぶ6つのビジネス法則』(2019年)、『画商が読み解く西洋アートのビジネス史』(2022年)がある。
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Savoir&Faire 土 | エルメス財団
¥2,970
岩波書店 2023年 函入 406ページ A5判 縦210mm 横148mm 厚さ31mm - 内容紹介 - 自然素材にまつわる知識や技術の共有を目指すエルメス財団の取り組み、スキル・アカデミー。「木」に続く本書は、フランスで編まれた書籍シリーズ〈Savoir &Faire〉から9本を厳選・翻訳、日本語版オリジナルコンテンツを加え、陶芸、アート、歴史、建築、工業、民俗学などさまざまな切り口から、身近な素材である「土」に迫る。カラー図版多数。 - 目次 - 日本語版に寄せて……オリヴィエ・フルニエ 土とやきもの……ユーグ・ジャケ 黒い土と赤い土……赤坂憲雄 Ⅰ 土と生きる 土壌の豊かさと持続可能な農業における粘土の役割……リディア&クロード・ブルギニョン 生の土の建築──その様々な起源から今日まで……ティエリ・ジョフロワ 土と左官から見た日本の建築史……多田君枝 工業用セラミック分野での主な進歩……アンヌ・ルリッシュ ポートフォリオ《日本典型》……柴田敏雄 Ⅱ 土とつくる 技術、欲望、分類、恐怖──土と向き合う現代日本のアート……バート・ウィンザー=タマキ コンテンポラリー・アートにおける土……ジル・A・ティベルギアン ミケル・バルセロ──地形図 アトリエ訪問……ユーグ・ジャケ 土と手を合わせる……カネ利陶料 ポートフォリオ《土と身体》 Ⅲ 土と動く、土は動かす 釉薬……ジャン・ジレル 西洋陶磁略史──そのいくつかの起源から18世紀末まで……クリスティーヌ・ジェルマン=ドナ アドリアン・デュブシェ国立磁器美術館コレクションでたどる磁器の歴史……セリーヌ・ポール 技術と継承──海を越えて産地になるまで……三川内焼 ポートフォリオ《記憶のかけら》……小川待子、高橋マナミ 日本語版あとがき……説田礼子 写真・図版クレジット 著者・訳者略歴
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新装版 昭和モダン 広告デザイン 1920s-30s | 青幻舎編集部(編), 浅見旬(編)
¥1,760
青幻舎 2025年 青幻舎ビジュアル文庫 ソフトカバー 264ページ 文庫判 - 内容紹介 - 懐かしくも新しい。今からおよそ100年前の「デザイン」を一挙収録 ポスター、包装紙、カレンダー、チラシ… 貴重な資料200点超を紹介! カフェやバー、フルーツパーラー、洋品店などが立ち並び、都市文化が花ひらいた大正・昭和初期。街には広告やポスターがあふれ、人とモノとをつなぐ「デザイン」が高揚感と初々しさを伴ってかたちに表されました。本書では200点を超えるポスターやチラシ、広告などを紹介します。魅力にあふれるデザインの数々をお楽しみください。 ◎掲載例 小印刷物のデザイン(カレンダー・チラシ・便箋・封筒など) カタログ・リーフレット ポスター 包装紙・パッケージ マッチラベル カット 紙面広告
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新装版 昭和モダン 看板デザイン 1920s-30s | 青幻舎編集部(編), 浅見旬(編)
¥1,760
青幻舎 2025年 青幻舎ビジュアル文庫 ソフトカバー 264ページ 文庫判 - 内容紹介 - 懐かしくも新しい。今からおよそ100年前の「デザイン」を一挙収録 看板、ディスプレイ、街頭装飾、創作文字… 貴重な資料200点超を紹介! 本書では、日本の都市が大きく変貌を遂げた大正後期から昭和初期、いわゆる「昭和モダン」と呼ばれた時代の看板や街頭装飾、ショーウインドーのデザインを紹介します。カフェやバー、フルーツパーラー、洋品店などが立ち並び、都市文化が花ひらくなか、看板や街灯装飾などは、街並みの一部ともいえる重要な要素でした。 デザイナーのパイオニアといえる当時の表現者たちのアイデア、魅力溢れる多彩なデザインの世界をお楽しみください。 ◎掲載例 看板のデザイン 売出し街頭装飾 ショーウインドー 店舗・店内 創作図案文字・レイアウト
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視線と差異 フェミニズムで読む美術史|グリゼルダ・ポロック(著), 萩原 弘子(翻訳)
¥1,870
筑摩書房 2025年 ちくま文庫 ソフトカバー 512ページ 文庫判 - 内容紹介 - なぜ美術史から女の存在が抹消されてきたのか? 西洋近代芸術の歴史が記述・記録される過程において強力に働いてきたさまざまな偏りを明らかにし、その学としてのあり方自体に内在する権力構造と性差別を指摘する。その一方で、フェミニズムからの美術史の問いなおしは、往々にして「ニュー・アート・ヒストリー」というかたちで旧来的な美術史の語りに再包摂されてきた。そうした現状についても鋭く批判し、緻密な検証を積み重ねることで美術史そのものに根源的な変革を迫る論争の書。新版への序文をあらたに訳出した決定版。 - 目次 - 謝辞/「ラウトリッジ・クラシックス」版のための序文 第一章 フェミニズム視点で芸術の歴史に踏みこむ イントロダクション 第二章 視線、声、権力 フェミニスト美術史学とマルクス主義 第三章 女性性(フェミニニティ)の空間とモダニティ 第四章 プレ・ラファエロ派文献における記号としての女 エリザベス・シダルはどう表現されたか 第五章 フォトエッセイ 女性性の記号 第六章 記号としての女 その精神分析的解読――ロセッティの「美人画」は意味をもたないか? 第七章 一九七〇年代を検証する フェミニズム視点に立つ創作実践に見るセクシュアリティと表現――ブレヒト的展望 旧版訳者あとがき/文庫版訳者あとがき/注/ポロック主要編著一覧/図版一覧/索引 - 著者プロフィール - グリゼルダ・ポロック (ポロック グリゼルダ) (著) 1949年生まれ。イギリスの美術史家・文化研究者。長年、リーズ大学で教鞭をとる。モダニスト美術史、芸術の社会史、フェミニスト美術史を含めて、これまでの美術史研究のありようを批判的に検討したことで知られる。2020年、美術史分野の研究者として初めてホルベア賞を受賞。著書に、Old Mistresses(共著)、On Gauguin、Differencing the Canonなど。 萩原 弘子 (ハギワラ ヒロコ) (翻訳) 1951年生まれ。大阪府立大学名誉教授。専門は芸術思想史、移民文化論。著書に、『この胸の嵐』、『美術史を解きはなつ』(共著)、『ブラック』、『展覧会の政治学と「ブラック・アート」言説』、訳書にR・パーカー、G・ポロック『女・アート・イデオロギー』、ジョー・スペンス『私、階級、家族』など。
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渦巻の芸術人類学 死と再生のスパイラル ケルト・縄文から現代アニメまで|鶴岡 真弓
¥4,840
青土社 2025年 ハードカバー 464ページ 四六判 - 内容紹介 - ケルトの生命循環と人類の祈り 受難を乗り越え、光となって、強靭に旋回する渦巻――。私たち人類は「死からの再生」と吉祥を願い、渦巻文様を土偶・金工・聖書写本・建築・アニメまでに刻み続けてきた。「生命循環」の象徴としての「スパイラル」に秘められた祈りと創造力。その根源を探求する画期的考察。図版多数。 いにしえの人々も、現代人も変わらない宿命がある。 私たちは人類史の大河をゆく「生身(なまみ)」の一滴であるということだ。 異質な文化文明や存在同士の交流からこそ新たな生命力が渦巻く。 (本書 あとがきに代えて より) - 著者プロフィール - 鶴岡真弓 (ツルオカマユミ) (著) 多摩美術大学名誉教授・芸術人類学者。専門はケルト文化、ユーロ=アジア文明交流史。早稲田大学大学院修了後、アイルランド・ダブリン大学留学。処女作『ケルト/装飾的思考』(筑摩書房)でわが国に於けるケルト文化文明研究の先駆となる。主著に『装飾する魂』『ケルトの魂』(平凡社)、『ケルトの歴史』(共著・河出書房新社)、『阿修羅のジュエリー』(イースト・プレス)、『すぐわかるヨーロッパの装飾文様』(東京美術)、『芸術人類学講義』(編著・ちくま新書)、『ケルトの想像力』(青土社)、『ケルト 再生の思想』(ちくま新書・河合隼雄学芸賞)ほか多数。
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男性のいない美術史 女性芸術家たちが描くもうひとつの物語|ケイティ・ヘッセル(著), 鮫島圭代(訳)
¥7,480
パイ インターナショナル 2025年 ハードカバー 512ページ B5変型判 縦240mm 横161mm - 内容紹介 - あなたは女性芸術家を何人知っていますか? これまで「男性中心」だった美術史の影に隠され、評価されてこなかった女性芸術家たちに焦点を当て、ルネサンスから現代まで、300点を超えるカラー作品とともに、語られることのなかった芸術の物語を紐解いていきます。ニューヨーク・タイムズ・ベストセラー。ウォーターストーンズ・ブック・オブ・ザ・イヤー2022受賞。 ※本書のタイトルは、男性の芸術家中心で構成される従来の美術史書で欠けていた部分を補完したいという原作者の意図を尊重し、原題「THE STORY OF ART WITHOUT MEN」を直訳表記しています。 【掲載アーティスト例(順不同)】 葛飾応為 / ルース・アサワ / 田中敦子 / 石内都 / 草間彌生 / オノ・ヨーコ / ヒルマ・アフ・クリント / ベルト・モリゾ / メアリー・カサット / マリー・ローランサン / タマラ・ド・レンピッカ / リー・ミラー / フリーダ・カーロ / ジョージア・オキーフ / ジョアン・ミッチェル / ポーリン・ボティ / フェイス・リンゴールド / ニキ・ド・サンファル / ルイーズ・ブルジョワ / ジュディ・シカゴ / ゲリラ・ガールズ / バーバラ・クルーガー / シンディ・シャーマン / ナン・ゴールディン / ピピロッティ・リスト / ソニア・ドローネー / アニ・アルバース / メレット・オッペンハイム / エヴァ・ヘス / マリーナ・アブラモヴィッチ / エミリー・カーマ・イングワリィ / シリン・ネシャット / マルレーネ・デュマス / トレイシー・エミン / カラ・ウォーカー 全250人以上掲載 - 著者プロフィール - ケイティ・ヘッセル (ケイティヘッセル) (著) イギリスの美術史家、配信者、キュレーター。女性アーティストたちの活躍を賞賛するインスタグラム@thegreatwomenartistsや同名のポッドキャストを運営。2021年にはフォーブス誌にて「30歳未満の30人」に選出。
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ゴンド・アート インドの民族画 | Touch the GOND(編)
¥4,180
河出書房新社 2025年 ハードカバー 114ぺージ A4変型判 縦271mm 横195mm 厚さ18mm - 内容紹介 - 【インドの民の魂が描かれた傑作画集!】 ●ゴンド・アートとは インド中央部に住むパルダーン・ゴンドという先住民族により描かれた絵のこと。 ・ 動物や植物、想像上の生きもの、村の日常生活とその営みのなかで使われる楽器や道具、自然のなかに棲むという神々や民族に伝わる寓話など、民族の暮らしや伝わる物語、神話などから着想を得て描かれています。 ゴンド・アートには自然に寄り添う彼らの眼差しがあり、現代の私たちが忘れがちな自然の偉大さや与えてくれる恵みについて改めて意識するきっかけを与えてくれます。 ・ ・ ●世界的な人気! インド国内はもちろん、ヨーロッパやアジアなど世界各地で展覧会が開かれ、ますますゴンド・アートの注目度が高まっています。 ・ 本書は、インドの国民栄誉賞ともいわれるパドマ・シュリー勲章を授与された2名の作家を含む計21人の画家によるゴンド・アートを収録した、唯一無二の画集です。 発想力豊かな構図と、モチーフのなかに敷き詰められる細かく美しいパターン模様が特徴のゴンド・アート。 ときにユーモラスにも感じられる表現はモダン・アートとしても近年評価が高まっています。 ・ ・ ●こだわりの製本! 開く際に妨げなく作品を楽しめるように、コデックス装の製本を採用しております。お気に入りのページを開いて、立てかけて飾るのもおすすめです。 画家から一つ一つ聴き取った作品にまつわるストーリー、制作背景についての解説も充実しており、ゴンド・アートのファンはもちろん、初めてその魅力に触れる方にも最適な一冊です。 - 著者プロフィール - Touch the GOND (タッチザゴンド) (編) 2014年からインド中央部の先住民が描くゴンド・アートを紹介。原画展やイベントを開催すると同時に、定期的に現地を訪問し、画家たちと親交を深めながら民族に伝わる寓話や神話などの聴き取りもしている。
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紋の辞典 | 波戸場承龍, 波戸場耀次
¥1,650
雷鳥社 2020年 ハードカバー 360ページ 15.2 x 10.2 x 2.6 cm - 内容紹介 - 雷鳥社の辞典シリーズ9作目は、家紋の辞典! ページをめくるたびに密度を増す、「紋曼荼羅®」掲載! 江戸時代に多くの種類が生み出され、日本人が慣れ親しんできた家紋。その図柄はすべて、職人によって正円と直線のみで描かれる。モチーフの本質だけをとらえた、日本独自のシンプルで美しいデザインの仕組みに迫る。 目次 はじめに 本書の見方 基本の紋+見立て紋 現代の紋 コラム おわりに 索引 紋の仕組み ・基本紋の対抗ページに作図過程がわかる「紋曼荼羅®」掲載 ・「現代の紋」には、日本橋の商業施設COREDO室町に掛かる大暖簾の紋掲載 ・巻末には、仕組みを表す構成名別に、家紋を逆引きできる裏辞典あり - 著者プロフィール - 波戸場承龍 (ハトバショウリュウ) (著/文) 京源三代目 紋章上繪師 着物に家紋を手で描き入れる紋章上繪師としての技術を継承し活躍する一方、家紋の魅力を新しい形で表現したいという想いで、2007年より家紋のアート作品を制作。紋章上繪師ならではの「紋曼荼羅® MON-MANDALA」というオリジナル技法を生み出す。家紋やロゴデザインの域を超えて、森羅万象を描き出す職人兼デザイナーとして、あらゆる分野のデザインに挑戦し続けている。NHK Eテレ デザインあ「もん」出演/もん制作他 波戸場耀次 (ハトバヨウジ) (著/文) 紋章上繪師 工房「誂処 京源」の立ち上げを機に、Adobe Illustrator/Photoshop/Premiere Proを使って、家紋とデジタル技術を掛け合わせた多種多様なビジネスモデルを構築。デザインの宝庫である家紋が常に身近にある環境で育ち、8歳から始めた書道で培われたバランス感覚で、シンプルでミニマムなデザインを行う。父 承龍とともに、家紋を知らない世代や海外の方々へ、家紋の魅力を伝えるワークショップや講演などを積極的に行っている。
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【新装版】ジョン・ケージ 小鳥たちのために | ジョン・ケージ, ダニエル・シャルル, 青山マミ(訳)
¥2,640
青土社 2025年 ソフトカバー 276ぺージ 四六判 - 内容紹介 - 「私が死ぬまで音があり、私の死後も音は続くだろう」――ジョン・ケージとの10の対話 現代音楽の鬼才、ジョン・ケージが日本的なるもの、禅や易経との出会いから音楽を超えた世界認識そのものの変革までを、異例の長時間インタビューによって語ったもの。対談者ダニエル・シャルルのあとがき。
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あなたがいるから 【第3版】 | 相田 冬二
¥3,960
Bleu et Rose 2024年 ハードカバー 368ぺージ B6変形 - 内容紹介 - 2024年11月30日、相田冬二(Bleu et Rose)は書籍『あなたがいるから』を発刊いたしました。 これは、1999年から2024年までに相田が劇場用パンフレットに寄稿した作品評101篇を収録したものです。全4章構成で、368頁。映画と歩んできた四半世紀をこの一冊に託します。 劇場用パンフレットは、相田が最も大切にしている媒体です。基本的に、映画をご覧になった方しか入手できず、また公開が終わるとほぼ入手できなくなる公式の冊子。映画館で販売され、映画のスーべニール(お土産)と呼んでいいこの存在に、こどもの頃から憧れてきました。パンフにレビウを執筆できることは、相田の誇りであり、毎回、その時点で持てる力をすべて投入してきたつもりです。 いま読むと至らない文章もありますが、それらを排除することはせず、ただ公開順に並べました。筆致には、変わった点と変わらない点いずれもがあります。そこも愉しんでいただければ幸いです。 永くお世話になっており心から信頼する編集者、森田真規さんに編集をお願いしました。この本は森田さんのプロデュース作品と言ってもよいと思います。また、森田さんと一緒に『なnD』というジンを10年以上にわたって作っておられるデザイナーの戸塚泰雄さんにデザインを手がけていただきました。さらに戸塚さんを通して、イラストレーターの箕輪麻紀子さんに表紙のイラストレーションを描いていただくことができました。一流のプロフェッショナル3人がコラボレートしたこの本は、わたしが個人的に「欲しいもの」として出来上がりました。本としての新しさ、みずみずしさ、豊潤さ、すべてがあるとおもいます。 ぜひ、あなたの許に置いてほしい。 (版元紹介文より) - 構成と収録作品 - まえがき *1 黄泉がえり アナーキー・イン・じゃぱんすけ ほとけ トーキョー×エロティカ 黄泉がえり 着信アリ 犬と歩けば チロリとタムラ たまもの カナリア イン・ザ・プール 好きだ、 ストロベリーショートケイクス 魂萌え! キサラギ アヒルと鴨のコインロッカー 転校生〜さよなら あなた 天然コケッコー ジャーマン+雨 全然大丈夫 マイ・ブルーベリー・ナイツ ジャージの二人 トウキョウソナタ レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン わたし出すわ スノープリンス 禁じられた恋のメロディ 半分の月がのぼる空 ブロンド少女は過激に美しく *2 生きてるものはいないのか ゴモラ 孤独な惑星 生きてるものはいないのか さめざめ ル・アーヴルの靴みがき それでも、愛してる ぼっちゃん だいじょうぶ3組 箱入り息子の恋 HOMESICK 潔く柔く きよくやわく ジ、エクストリーム、スキヤキ 神様のカルテ2 友だちと歩こう 東京戯曲 こっぱみじん 神さまの言うとおり 人の望みの喜びよ 極道大戦争 レヴェナント:蘇えりし者 ヒメアノ~ル マネーモンスター ふきげんな過去 ひと夏のファンタジア 白い帽子の女 何者 いたくても いたくても イノセント15 ハクソー・リッジ いつまた、君と ~何日君再来~ 祈りの幕が下りる時 欲望の翼 *3 バーニング 羊の木 去年の冬、きみと別れ ニワトリ★スター 名前 きみの鳥はうたえる 愛しのアイリーン 教誨師 台北暮色 バーニング 劇場版 慶州 ヒョンとユニ 泣くな赤鬼 劇場版ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん 蜜蜂と遠雷 あなたを、想う。 ひとよ ラストレター 影裏 水曜日が消えた あなたの顔 ステップ チィファの手紙 窮鼠はチーズの夢を見る モルエラニの霧の中 *4 四月になれば彼女は 海辺の金魚 サマーフィルムにのって 彼女はひとり 麻希のいる世界 イントロダクション 青春の殺人者 女神の継承 百花 夜を越える旅 あなたの微笑み チーム・ジンバブエのソムリエたち 日の丸〜寺山修司40年目の挑発〜 ひとりぼっちじゃない リボルバー・リリー 台風クラブ まなみ100% めためた すべて、至るところにある 四月になれば彼女は あとがき 全368頁
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PLAY! PARKのたねあかし | 永岡 綾(編集), 揚石 圭子(編集)
¥1,430
ブルーシープ 2025年 ソフトカバー 56ぺージ B5変形判 縦270mm 横220mm 厚さ5mm 冊子、OPP袋入り、付録はランダム封入 - 内容紹介 - 2020年、東京・立川にできた子どもの遊び場「PLAY! PARK」を紹介する本。 「PLAY! PARK」は、大人が決めたルールから解き放たれて、子どもたちが自由に遊べる新しい場所です。 バルーン・モンスター、くしゃくしゃおばけ、Let’s! PLAY! NUNO! など、PARK 名物「大きなお皿」の中で思い切り遊べる大型遊具は、すべてオリジナルです。遊具は最初、大勢の大人が頭をひねって作り出します。でも、その遊具をさらに楽しくするのは子どもたち。自由な発想でめいっぱい遊ぶ様子を見て工夫が加えられ、遊具は一緒に成長していきます。 そんなユニークな場所「PLAY! PARK」のなりたちやスタッフの思い、遊びのエッセンスを詰めこんだ、自己紹介のような冊子を作りました。2020年6月から2024年7月までに行った200を越えるオリジナルのワークショップ一覧も別紙に収めています。子どもと関わるすべての方に読んで、何かのヒントにしてもらいたい。そんな意図で「たねあかし」をする1冊です。 遊びは本の装丁にも。 表紙の穴から見えるのは、遊びのカケラです。カケラを真っ白な表紙の好きなところに貼って、世界でひとつの『PLAY! PARKのたねあかし』を作ってみてください。遊びのカケラ(ラップ、プチプチ、ペーパー、布か毛糸)はランダムに封入しています。 『変なあそび図鑑』とあわせてどうぞ! 3月に発売する『変なあそび図鑑』は、PLAY! PARKで生まれたユニークな遊びのなかから30をピックアップし、その魅力を小さな本に詰め込みました。「たねあかし」とセットでお楽しみいただきたい1冊です。 - 目次 - はじめに 朗らかな革命的運動体 草刈大介(PLAY! プロデューサー) PLAY! PARK MAP Part1 大きなお皿と大型遊具 子供一皿 手塚貴晴(PLAY! PARK館長) 大型遊具ができるまで1 バルーン・モンスター&くしゃくしゃおばけ 大型遊具ができるまで2 Let’s! PLAY! PUTIPUTI! Part2 PLAY! PARKのワークショップ まじめに非常識なことを! ワークショップができるまで column1 Part3 みんなでつくるPLAY! PARK PLAY! PARK スタッフ日報 PLAY! PARKのここが好き! PLAY! PARKの出張とは、どんなもの? column2 column3
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変なあそび図鑑 | PLAY! PARK(監修), 永岡 綾(編集), 揚石 圭子(編集), makomo(イラスト), 谷端 実(イラスト)
¥2,200
ブルーシープ 2025年 段ボールカバー 154ぺージ A6変形判 縦148mm 横110mm 厚さ18mm - 内容紹介 - あそぶのサイコー、なんじゃこりゃ!? 子どもの自治区、立川・PLAY! PARKで生まれた30の変な遊び集! 2020年、東京・立川にできた「PLAY! PARK」は、大人が決めたルールから解き放たれて、子どもたちが自由に遊べる新しい場所です。「PLAY! PARK」が作り出した30の自由な遊びを、子どもだけでなく大人も楽しむ図鑑ができあがりました。 PARK 名物「大きなお皿」で展開する大型遊具や、別フロアの「PLAY! MUSEUM」と連動したワークショップなど、身近な素材から広がる遊びの発想は、ユーモラスを飛び越えて、ただ「変」。 大仏サウンド、鉛筆花火、ざーざーざら、階段ボール、洗濯山、名前からでは想像つかない変な遊びが、日々生み出されています。厳選した30の変な遊びを、イラストレーターのmakomoさんが不思議な生き物たちを自由に遊ばせ、ヘンテコ図鑑が出来上がりました。変な遊びは子どもだけのものじゃもったいない!大人と子どもが取り合いする新しい本です。 遊びは本のカバーにも。 カバーは柔らかな段ボールで作られているので、へこんでいることもあります。でも、考えてみてください。へこみは、本が印刷され運ばれ、手元に届くまでに関わった人たちのリレーでできたもの。届いたカバーはもうあなたのもの。折ったり塗ったりへこませたり、唯一の『変なあそび図鑑』を楽しんでください。 『PLAY! PARKのたねあかし』とあわせてどうぞ! 変な遊びを生み続ける「PLAY! PARK」って何!? もう1冊の本『PLAY! PARKのたねあかし』は、「PLAY! PARK」のなりたちやスタッフの思い、遊びのエッセンスを詰めこんだポートフォリオです。『変なあそび図鑑』とあわせて、子どもと関わるすべての方に読んで、何かのヒントにしてもらいたい1冊です。 - 目次 - 変なあそび図鑑1-30 スキップして歩こう 草刈大介(PLAY! プロデューサー)
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[増補]お砂糖とスパイスと爆発的な何か 不真面目な批評家によるフェミニスト批評入門 | 北村 紗衣
¥990
筑摩書房 2025年 ちくま文庫 ソフトカバー 268ページ 文庫判 - 内容紹介 - ミス・マープルの本当のすごさや、文学史に輝く “キモくて金のないおっさん”を描いた名作、そして新時代のディズニーアニメの悪戦苦闘。あの名作が100倍面白くなり、見たい映画とドラマと本と舞台がどんどん増える、フェミニスト批評集がついに文庫化! 書き下ろし「どうもありがとう、パメラ・アンダーソン」を含む、型にはめない、はまらないものの見方を教えてくれる批評6本を増補してお届けします。 装画 小林紗織 カバーデザイン 名久井直子 - 目次 - まえがき 不真面目な批評家によるフェミニスト批評入門 1 自分の欲望を知ろう さよなら、マギー ――内なるマーガレット・サッチャーと戦うために バーレスクってなんだろう? BL視点で読む『嵐が丘』 ――関係性のセクシーさを求めて 檻に入っているのは、犬じゃなくて私 ――ヴァージニア・ウルフ『フラッシュ』 女はなぜ悪い男にばかり引っかかるのか? ――『西の国のプレイボーイ』に見る良い男、悪い男 〈コラム〉初任給とヴァージニア・ウルフ 2 男らしさについて考えてみよう キモくて金のないおっさんの文学論 ――『二十日鼠と人間』と『ワーニャ伯父さん』 アメ車、男たちの絆、この惑星最後の美しき自由な魂 ――『バニシング・ポイント』 対等な女を怖がる男たち ――男の幻想に逆襲する喜劇『負けるが勝ち』 プリンセスは男のロマン! ――映画に出てくるお姫様と男たち ロマンティックな映画としての『ファイト・クラブ』 〈コラム〉発展を続けるバーレスク 3 ヒロインたちと出会おう シェイクスピア劇の魅惑のヒロイン、無限に変化する女王クレオパトラ 世紀末の悪女? 自己実現のため戦うヒロイン? ゲイのアイコン? ――オスカー・ワイルドの『サロメ』 べ、別にあんたのためにツンデレを分析してるわけじゃないんだからね! ――シェイクスピア『十二夜』を考える ディズニーに乗っ取られたシンデレラ ――民話の変貌をたどる 理想宮か、公共彫刻か? ――『アナと雪の女王』 〈コラム〉北米のシェイクスピア祭 4 わたしたちの歴史を知ろう 女の子がムラムラしてはいけないの? イギリス文学における女と性欲 「#女性映画が日本に来るとこうなる」の「女性映画」ってなに? ――変わりゆく女たちの映画 女性映画としてのトランスジェンダー女子映画 ――『タンジェリン』と『ナチュラルウーマン』 読書会に理屈っぽい男は邪魔? 女性の連帯を強める読書会の歴史を探る ミス・マープルは何でも知っている ――変わりゆくアガサ・クリスティの世界 〈コラム〉フェミニストの洋服えらび 5 ユートピアとディストピアについて考えよう 愛の理想世界における、ブス ――夢見るためのバズ・ラーマン論 隠れたるレズビアンと生殖 ――『わたしを離さないで』 父の世界からの解放 ――「フェミニスト的ユートピア」を描いた『バベットの晩餐会』 「女だけの街」を考える 女は自由な社会の邪魔者なの? ――ディストピアSFの性差別 〈コラム〉『ダウントン・アビー』と女性参政権運動 6 型にはめない、はまらない 『人魚姫』は何の話なのか? ――『リトル・マーメイド』の原作に戻る ビ ートルズが歌う「ボーイズ」はなぜ面白いか ――歌手のジェンダーと歌詞のジェンダーステレオタイプ ハリー・ポッターとイギリス文学における同性愛 ――『ハリー・ポッターと死の秘宝』精読 レズビアン死亡症候群、サイコレズビアン ――ステレオタイプなマイノリティ描写はなぜ問題? 発達障害と診断された私 ――ASDとADHDだとわかるまでに出会った本や映画について どうもありがとう、パメラ・アンダーソン 単行本版あとがき 批評家は探偵 文庫版あとがき お砂糖とスパイスの賞味期限 - 著者プロフィール - 北村 紗衣 (キタムラ サエ) (本文) 1983年生まれ。武蔵大学人文学部英語英米文化学科教授。専門はシェイクスピア、舞台芸術史、フェミニスト批評。ウィキペディアンとしても活動する。著書に『シェイクスピア劇を楽しんだ女性たち』(白水社)、『批評の教室』(ちくま新書)、『お嬢さんと嘘と男たちのデス・ロード』(文藝春秋)、『女の子が死にたくなる前に見ておくべきサバイバルのためのガールズ洋画100選』(書肆侃侃房)がある。
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そうさくのたね 子どもと大人の〈工作×アート〉アイデアブック | 金沢21世紀美術館
¥2,420
グラフィック社 2024年 ソフトカバー 192ページ B5変型判 縦210mm 横182mm 厚さ16mm - 内容紹介 - 子どもと大人が一緒に楽しめる造形表現のアイデアブック。 ⾦沢21世紀美術館のキッズスタジオが開館以来取り組んできたプログラムをもとに、子どもと大人が一緒に楽しめる40作品を収録。 より深い理解のための解説付き。 - 目次 - 第1章 体を使って/第2章 イキモノたんじょう/第3章 色と光で遊ぶ/第4章 へーんしんっ!/第5章 カタチをうつす/第6章 新しいすなば/第7章 さぁ、旅に出よう/ふりかえりコラム&トーク/まるびぃコレクション/大人のためのそうさくはみだしメモ - 著者プロフィール - 金沢21世紀美術館 (カナザワニジュウイッセイキビジュツカン) (著/文 | 編集) 石川県金沢市にある現代美術館。2004年開館。 「新しい文化の創造」と「新たなまちの賑わいの創出」を目的とし、様々な企画展を行う展覧会ゾーンのほか、キッズスタジオやシアター21、市民ギャラリーなどを含む交流ゾーンをもつ。
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中国手仕事紀行 増補版 | 奥村 忍, 在本 彌生(写真)
¥2,970
青幻舎 2024年 ソフトカバー 328ページ 四六変型判 - 内容紹介 - 少数民族たちの“生きた”民具を求めて、中国の奥地を彷徨い歩いた10年間の記録。 新型コロナパンデミック後の雲南・貴州の旅を新たな章として加筆した増補版。 民藝とは民衆的工芸の意味で、1920年代半ばに柳宗悦が生み出した言葉ですが、無名の職人が作った実用的な工芸品に、美術品に負けないほどの美しさがある、と柳は主張しました。 日本や世界の各地から集めた手しごとを中心とした生活雑貨のお店「みんげい おくむら」は、店主の奥村忍が柳をはじめ、民藝の先達たちの思いを受け継ぎつつ提案する、今の時代、今の生活に合った「みんげい」の品々が人気のウェブショップです。 その奥村が魅せられ、2019年までほぼ毎年旅をしていたのが中国です。その中でも、本書で取り上げる雲南省と貴州省には、もっとも多く足を運んでいます。秘境、絶景と呼ばれるような場所が、そこかしこにある雲南省。かたや最貧の省と呼ばれながらも、独自の文化を今なお残す貴州省。このエリアに惹かれたきっかけは、一枚の布だったといい、「こんなものが作られている場所を訪ねてみたい」という気持ちで飛び込んでみたといいます。 奥村にとって手仕事とは、単に陶芸や織物、編組品のようなものだけではなく、たとえば、棚田も、中国茶も、あるいは郷土料理、建築、そういった文化、暮らしのこと、すべてを含んでいるといい、本書でも雲南・貴州の手工芸品を紹介しつつ、少数民族の暮らしぶりや土地々々の風俗に触れています。 奥村は食通としても知られていますが、中国の田舎の旅では食が何よりの楽しみといい、次から次へと登場する日本では見ることのできない料理の数々も本書の魅力のひとつといえるでしょう。 日本で雲南・貴州両省について調べようとしても情報は限られています。本書は奥村が現地で出合った手仕事の紹介のみならず、旅のルポにもなっており、基本的な英語すらほぼ通じない、グーグルも使えない土地でどう行動すべきか、ガイドブック以上に心強いアドバイスとなるはずです。 また、本書の写真は、世界各国を旅して作品を撮り続けている在本彌生が奥村に同行して撮影したものです。在本の感性によって現地の色彩が鮮やかに切り取られています。 本書の初版が発売されたのは2020年1月末、まさに「謎の疫病」の発生源は中国であるらしいとニュースで流れ始めた時のこと。疫病は瞬く間に国境を越え、世界は閉ざされ、奥村も中国への買い付けに行けなくなってしまいました。 本書は2024年になりようやく本格的に中国買い付けを再開して、4年数ヶ月ぶりに訪れた雲南・貴州の旅の記録を新たな章として加筆した増補版です。新型コロナ以前の中国の様子を伝える資料としても、新型コロナ以後に起こった大きな変化を知ることができる意味でも、貴重な内容になっています。 - 著者プロフィール - 奥村 忍 (オクムラシノブ) (著/文) 1980年千葉県生まれ。慶應義塾大学卒業後、各国を放浪。のち商社、メーカー勤務を経て国内外の手仕事の生活道具を扱うWEBショップ『みんげい おくむら』を2010年にオープン。月の2/3は産地を巡る旅をしながら、手仕事・旅・食に関する執筆も手がける。 在本 彌生 (アリモトヤヨイ) (写真) 東京生まれ。大学卒業後外資系航空会社で乗務員として勤務、乗客の勧めで写真を撮り始める。2003年に初個展「綯い交ぜ」開催、2006年よりフリーランスフォトグラファーとして本格的に活動を開始、雑誌、書籍、展覧会で作品を発表。 衣食住にまつわる文化背景の中にある美を写真に収めるべく世界を奔走して いる。著書に、写真集『MAGICAL TRANSIT DAYS』(アートビートパブリッシャーズ刊)、『わたしの獣たち』(青幻舎刊)、『熊を彫る人』(小学館刊)など。
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絵画をみる、絵画をなおす 保存修復の世界 | 田口かおり, 米村知倫 (イラスト)
¥1,760
偕成社 2024年 ソフトカバー 183ページ 1.9 x 15 x 21 cm - 内容紹介 - 「もう二度と来るもんか!」と思っていたイタリアに留学、絵画修復家に。修復家は、つぎのだれかにバトンをわたすリレー走者のようなもの。きれいになおせばそれでいい? とけて、燃えて、きえてしまうアートをどうする? 悩みはつきません! 絵や彫刻をなおすってどういうこと? 美術作品が生まれたときのすがたをさぐりながら、さまざまな秘密をときあかし、これからのかたちを考える、保存修復の世界。 目次 まえがき 修復家への道 コラム 絶品! リボッリータ 絵画は何でできている? コラム 修復や調査の道具 展覧会の点検編 コラム 作品の下には何がある? 修復する? しない? どちらも正しい コラム チーム制と公開修復 レンブラントの《夜警》 絵画の寿命はどれくらい? 作品はいつ生まれていつ死ぬの? コラム 「なおした場所がわかる修復」って? 保存修復の未来 コラム 作品への暴力、絵画の生態学(エコロジー) あとがき ブックガイド
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ラルース百科事典の芸術 フランス老舗出版社の至宝 | ラルース(編集), 神奈川 夏子(翻訳)
¥3,190
グラフィック社 2024年 ハードカバー 176ページ A4変型判 - 商品紹介 - フランスの老舗出版社「ラルース」が19世紀から発行してきた百科事典から、多岐にわたるジャンルの色鮮やかなレトロイラストを集め、一冊にまとめました。 みっちりと敷き詰められた美しい博物画が、現代の解説を添えて紹介されています。 - 目次 - 羽ばたく者たち/陸上に住む仲間たち/深海の生き物たち/畑での仕事/果樹園とブドウ園で/庭のさまざまな顔/都会の喧騒/工房にて/舞台に集まれ!/場の騒乱のなかで/挿絵画家の紹介 - 著者プロフィール - ラルース (ラルース) (編集) ラルース社は19世紀半ばから、各種の事典類を多数出版してきたフランスの超老舗出版社。1852年創業。 特に辞書や百科事典で知られる出版社。現在はアシェット・グループ。 神奈川 夏子 (カナガワ ナツコ) (翻訳) 東京都出身。日仏英翻訳者。上智大学博士前期課程修了。サイモンフレーザー大学日英通訳科修了。 訳書『偉大なる指揮者たち』(ヤマハミュージックエンタテイメントホールディングス)、『モードデザイナーの家』(エクスナレッジ)、『BIG MAGIC「夢中になる」ことから始めよう』、『最新世界紛争地図』(共にディスカヴァー・トゥエンティワン)、『脚・ひれ・翼はなぜ進化したか』(草思社)、『CIMARRON シマロン ブラック・アイデンティティー ―南北アメリカの仮装祭』、『インドの信仰と仮装 分かち合う神々の姿 AAM AASTHA』(共に青幻舎)他。
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北のボーダレスアート | 菊地 雅子
¥3,740
ミツイパブリッシング 2024年 ソフトカバー 240ページ A5判 - 内容紹介 - 推薦・日比野克彦(東京藝術大学学長)「ひとって、イイよねー!ひとって、スゴイよねー!」 アール・ブリュット、アウトサイダーアートとも呼ばれる、あるがままの人間から湧き出す圧巻のアートがいっぱい。障害者アートと歩んで30年の創作アドバイザーが、北海道で活動する45名の作品約130点をセレクト。北海道新聞の連載を元にした作品紹介のほか、対談や創作拠点をもつ施設も掲載。作品と同時に創る人びとの魅力も伝わり、生きる力をくれる作品集。 目次 人と作品 01 遠藤雛 スイーツ好きの夢を実現 02 木村幸 「ひたむきさ」宿す昆虫画 03 水野泰夫 望みを描く魔法の絵 04 鉄地河原勝彦 大胆な線と色 圧倒的な存在感 05 吉田幸敏 深い色合い ユーモラスな生き物 06 菊地政司 「干支」画面いっぱいに 07 成田信之 あふれる思い 家族への愛情 08 のりぴー 極彩色 記憶の強烈な再構成 09 Chieko Yokoyama 「きれいな色」丁寧に塗り重ね 10 K E I TA 大胆な解釈 モチーフにオーラ 11 蛯子陽太 愛着が生み出すインパクト 12 満武和 乗り物大好き。幸福を追求 13 角田川清 人生の豊かな宝箱 14 高丸誠 創作と収集のサンクチュアリ 15 横山篤志 「○○町○○丁目○○薬局」のサトちゃん 16 MR. やっちゃん 驚嘆の記憶力 都市と建物、忠実に 17 岸田修一良 時間上手な多種創作人 18 阿部英樹 こだわりを見つける面白さ 19 粟田隼也 色とりどりのMY人生 20 伊藤考洋 異素材をユニークに 21 明子 重ねる創造の喜び 22 冨原廣子 王と王妃、乙女心の幾千夜 23 田湯加那子 激しく強く刻みこむ 24 三浦明菜 昭和の薫り 大絵巻 25 只野誠 飲食店の献立 マス目に細かく 26 川越智志 街の風景 ほのぼのと 27 松嶋ひろみ 紙に重ねられた言葉 28 宮林聡太 偶然と意図 はざまの美 29 臼井愛 存在位置を確かめる 30 内海雅充 凹凸が生む、独特の世界観 31 石岡美樹 1 匹ずつ異なる熱帯魚 32 佐藤朱美 極彩色うごめく「死と再生」 33 musou 壮大な物語と夢の実現力 34 畠山史織 想像と乙女心 自分だけの宝物 35 朝霧千景 「女の業」妖しくおしゃれに 36 俉樓賢太 野球選手、描きため数千枚 37 越智明美 胎児を連想させる人物表現 38 佐々木和哉 ぬけ感、抜群 センス上等 39 杉田希望 かわいくてシニカル 独自の魅力 40 ネコきよし 精密の陰 わずかな狂気 41 TOMO4 感じていることを可視化する 42 千葉由佳里 組み合わせの美 細部に発見 43 ゆうくん 独自の色 力強い線 44 笹原竜太 行ってみたい場所 優しく緻密に 45 岡﨑莉望 「いくつもの自分」が筆をとる アートはボーダレス〈鼎談&対談〉「最初の水は繋がっている~障がい者アート(アール・ブリュット)がもたらすもの」板垣崇志×菊地雅子×浮ヶ谷幸代(進行)/「アートで対等な関係を探る~私たちの創作支援活動」菊地雅子×堀川真×三橋純予/「目に見えない価値を見つける~障がい者アートのグッズ化と可能性」皆川明×菊地雅子 施設案内「アートが生まれるところ」かたるべの森美術館/studio BREMEN/アート工房 Qila-9/tomoni art/ペングアート 北海道ボーダレスアート拠点マップ People and Artworks 前書きなど 私は北海道の旭川の北東に位置する当麻町に住んでおり、障がい者アートの指導と、注文制のお菓子屋さんをやっています。また、学芸員でありアートディレクターでもあります。 過去30年間、障がいのある方々のアート作品に携わってきました。この間、彼らの作品を取り巻く環境は、大きく変わりましたが「そのままの自分でいいんだよ」という彼らの作品から受け取るメッセージは変わらず、一貫しています。このメッセージは、私の生きる力と活動の原動力となってきました。 私が活動の中で常に心に留めているのは、創作活動をすることによって生まれる多面的な価値をどうやったら伝えられるかです。売れる絵、グッズを作るのにぴったりの絵、描くことで心が安定する絵、欲しいものを描いた絵、図らずもリハビリや療育的な効果をもたらす絵、描き終わらない絵、などなど……そこには、いろんなタイプの表現物とさまざまな価値があります。サポートする側が多面的な価値を持って接することで、売れる絵を描けること以外にも、無数の価値があるということを、創作する人たちと共有することができるのです。 そもそも、私がアートを志したのは、価値があるとかないとかの二項対立の世界から自由になるためでした。自分の持っている価値判断の基準を疑い続けることを、やめてはいけないといつも思っています。 本書を通じて、障がい者アートの多様性と、創作する作者自身の魅力をもっと多くの方に知っていただけたらうれしいです。 - 著者プロフィール - 菊地 雅子 (キクチ マサコ) (著/文 | 編集) 1965 年千葉県生まれ。一般社団法人BASH(ボーダ レスアートサポート北海道)代表。多摩美術大学美術 学部デザイン科染織デザイン専攻卒業。当麻かたる べの森で創作アドバイザー(2002~2020年)、北海道 アールブリュットネットワーク協議会事務局(2015 ~ 2018年)。他に、ともに福祉会、南宗谷ひだまりの会 の創作アドバイザー、森のようちえんぴっぱら(北海 道鷹栖町)のアートナビゲーターを務める。『学芸員が ミュージアムを変える! 公共文化施設の地域力』(水 曜社、2021年)に寄稿。注文制のお菓子屋さん KOO’S GARDEN 主宰。北海道上川郡当麻町在住。
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常設展へ行こう! | 奥野 武範
¥2,750
左右社 2023年 ソフトカバー 352ページ 四六判 - 内容紹介 - 学芸員さんに常設展への「愛」を聞いてみたら... 初心者でも100倍楽しめるようになる 所蔵作品&コレクションの哲学が詰まってた! ◎装画&スペシャルゲスト/和田ラヂヲ(ギャグ漫画家) ◎寄稿エッセイ/和田彩花(アイドル) 珠玉の20世紀美術を堪能できる富山県美術館。 シャガールの巨大な舞台背景画に圧倒される青森県立美術館。 世界で唯一、モネから直接購入した《睡蓮》が見られる国立西洋美術館。etc. 全国12の美術館・博物館に常設展についてインタビューした 「ほぼ日」人気連載が、パワーアップして一冊の本になりました。 - 目次 - はじめに 奥野武範 ◎学芸員さんへのインタビュー 1. 東京国立博物館 2. 東京都現代美術館 3. 横浜美術館 4. アーティゾン美術館 5. 東京国立近代美術館 6. 群馬県立館林美術館 7. 大原美術館 8. DIC川村記念美術館 9. 青森県立美術館 10. 富山県美術館 11. ポーラ美術館 12. 国立西洋美術館 ◎コラム 謎めく東博の等伯。─松嶋雅人先生に聞く、国宝《松林図屏風》のこと 鳥獣戯画の不思議。─土屋貴裕先生に聞く、国宝《鳥獣戯画》のこと ◎エッセイ 和田彩花のパリ常設展探訪記 前書きなど 美術館の特別展や企画展には多くの人が集まります。 一方、同じ美術館の常設展には……あんまり人がいません。 多くの場合、特別展チケットの半券で入れるのに。 有名な人気作家の作品がかけられているのに、です。 かくいう私も、わざわざ常設展を見に行くようなことは滅多にありませんでした。 それはじつに「もったいないことだった」と、いまでは思います。 各館の常設展で見る所蔵作品にこそ、創設者の思いや設立の経緯、収集の哲学が見てとれる。 何より、作品ひとつひとつに対する「誇り」や「愛」がにじみ出ています。 学芸員さんの口ぶりから、わかるんです。 みなさん、とっても「じまんげ」だから。 そして、学芸員さんの「じまん話」ほど、気持ちよく聞ける「じまん話」はないと感じます。 「はじめに」より - 著者プロフィール - 奥野武範 (オクノタケノリ) (著/文) 1976年、群馬県生まれ。編集者。早稲田大学政治経済学部卒業。株式会社宝島社にて雑誌編集者として勤務後、2005年に東京糸井重里事務所(当時。現在の株式会社ほぼ日)に入社。2023年で創刊25年、毎日更新を続けるウェブサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」の編集部に所属。主にインタビュー記事をつくっている。ときどきポップデュオ「レ・ロマネスク」のライブ・コンサートでギター係をつとめることがある。 企画・構成・文を担当した書籍に『インタビューというより、おしゃべり』(星海社)、『世界を見に行く』(石川直樹・著/リトルモア)、『レ・ロマネスクTOBIのひどい目。』(レ・ロマネスクTOBI・著/青幻舎)』がある。他に、はたらく人たちの悩みに33名の著名人が答えた『33の悩みと答えの深い森。』(青幻舎)、14人の編集者にインタビューした『編集とは何か。』(星海社新書)、甲本ヒロトや山口一郎など5つのバンドのフロントマンにインタビューした『バンド論』(青幻舎)、画家・笹尾光彦の「謎」に迫った『赤の謎』(リトルギフトブックス)など。
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辺境のラッパーたち 立ち上がる「声の民族誌」 | 島村一平(編集)
¥3,520
青土社 2024年 ソフトカバー 544ページ 四六判 - 内容紹介 - ラッパーのことばに耳をすませば、世界のリアルが見えてくる。 戦火が絶えないガザやウクライナで、弾圧が続くチベットやイランで、格差にあえぐモンゴルやインドで、海の端の日本で――。アメリカで生まれたヒップホップ文化、なかでもラップミュージックは世界に広がり、「辺境」に生きる者たちは声なき声をリリックに託す。現代社会の歪みを鮮やかに映し出す、世界各地のラッパーたちの声を幅広い執筆陣が紹介する。ラッパー、ダースレイダー、ハンガー(GAGLE)のインタビューも収録。
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シュルレアリスム ポップアップ | ジェラール ロ モナコ
¥3,960
求龍堂 2024年 21ページ A5変型判 - 内容紹介 - 著名なイラストレーターでありポップアップブック(飛び出す絵本)のスペシャリストであるジェラール・ロ・モナコは、詩人アンドレ・ブルトンのシュールレアリスム宣言から100年を記念し、シュールレアリスムを象徴する作品を仕掛けページに盛り込んだ、非常に詩的なポップアップブックを考案。フランス・パリのポンピドゥセンターから出版され、本書はその翻訳版として日本初登場。 この飛び出す絵本は、表紙に描かれたシュルレアリスムの主要な作品のギャラリーの扉を開け、私たちを招待する。頁を開く度に、サルバドール・ダリ、ヴィクトル・ブローネル、ジャン・アルプ、マン・レイ、ジョセフ・コーネル、ドラ・マール、ルネ・マグリット、アンドレ・ブルトンなど・・・シュルレアリスムのスター作品が動き出す。 選ばれた絵画、彫刻、オブジェは、シュールレアリストの創作の多様性を示し、読者を彼らの幻想的な世界へ誘う。オブジェとしても楽しめて、好きなところを開いてインテリアにも。フランス的センスに溢れた、大人の知的好奇心をくすぐるアート仕掛け絵本。美術館の出版物らしく、巻末には実際の作品画像とともに、作品情報としっかりとした解説を掲載。
