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辺境のラッパーたち 立ち上がる「声の民族誌」 | 島村一平(編集)
¥3,520
青土社 2024年 ソフトカバー 544ページ 四六判 - 内容紹介 - ラッパーのことばに耳をすませば、世界のリアルが見えてくる。 戦火が絶えないガザやウクライナで、弾圧が続くチベットやイランで、格差にあえぐモンゴルやインドで、海の端の日本で――。アメリカで生まれたヒップホップ文化、なかでもラップミュージックは世界に広がり、「辺境」に生きる者たちは声なき声をリリックに託す。現代社会の歪みを鮮やかに映し出す、世界各地のラッパーたちの声を幅広い執筆陣が紹介する。ラッパー、ダースレイダー、ハンガー(GAGLE)のインタビューも収録。
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ユリイカ 2024年8月臨時増刊号 総特集◎折坂悠太 ―『たむけ』『平成』『心理』、そして『呪文』へ
¥1,870
青土社 2024年 ソフトカバー 238ページ 22.1 x 14.4 x 1.4 cm - 内容紹介 - 折坂悠太の音楽は静かに見つめ返す。旋律に置かれた言葉を耳にしながら私たちは、置かれなかった言葉の蠢く沈黙の気配にも呑まれてゆく――不在のものへの思いが込められた『たむけ』(2016)、個人史と重なる一つの時代を切り取った『平成』(2018)、コロナ禍の社会で惑い揺れる心を見つめた『心理』(2021)という3枚のアルバムを経て、来たる6月に放たれる新たなアルバムの名は『呪文』だという。ドラマや映画への楽曲提供、展示「薮IN」(2022)や歌詞集の刊行、活動10周年弾き語りツアーなど、さまざまな歌と言葉の旅の先で折坂悠太の音楽はいかなる風景のなかを進みゆくのか。いま足音の聞こえるほうへと耳を澄ませる。 目次* ❖カラー口絵 撮影・構成=塩田正幸 ❖対談〈1〉 安達奈緒子×折坂悠太 ❖歌のたより 青葉市子/寺尾紗穂/あだち麗三郎/坂口恭平 ❖アンケート わたしと折坂悠太 / 石橋静河 イ・ラン KID FRESINO 後藤正文 仲野太賀 中納良恵 松井文 夜久一 ❖創作〈1〉 折坂漫画 呪文 / 寺田燿児 ❖インタビュー 今日を生きるおまじない / 折坂悠太 聞き手=白岩英樹 ❖音から音へ 大石始/輪島裕介/細田成嗣 ❖創作〈2〉 水に生まれる / 廣川毅 ❖言葉と出会う 細馬宏通/斉藤倫/カニエ・ナハ ❖創作〈3〉 静物 / 正一 ❖光を手渡す 永冨佳代子/山本啓太/佐藤快磨 ❖物語の隣で 木津毅/高山花子/柴崎祐二 ❖対談〈2〉 ゴンザレス三上×折坂悠太 司会・構成=松永良平 ❖いくつもの景色 松永良平/九龍ジョー/中村公輔/中里友 ❖それぞれの歩き方 岡村詩野/峯大貴 ❖資料 折坂悠太クロニクル / 和田信一郎(s.h.i.)
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日本語ラップ名盤100 | 韻踏み夫
¥1,650
イースト・プレス 2022年 ソフトカバー 232ページ 四六判 縦188mm 横128mm 厚さ18mm - 内容紹介 - 日本のヒップホップの流れがつかめるディスクガイド 気鋭の批評家がこれから日本語ラップを知りたい・聴きたい人に向けて、日本語ラップの名盤100枚(+関連盤200)の聴きどころをレビュー。 「結論から言おう。掲載されている名盤達は“見たら買え!”だ。コレは。」サイプレス上野(ラッパー) 「敷居は低く、奥は深く、そして世界へ開かれている。画期的な“入門書”!」磯部 涼(ライター) 「アメリカのヒップホップについての歴史書はすでに多くの優れた本が出版されている。しかしながら、日本のヒップホップ、すなわち「日本語ラップ」についての言葉はいまだにまったく足りていないというのが現状である。そこで、日本語ラップとは何かなにかを知りたい新しいリスナーたちのために、入門書として書かれたのが本書である。」(本書「はじめに」より。) ※ 本書で紹介するもの(一部) 【Ⅰ 1987-1999】 スチャダラパー『5th Wheel 2 the Coach』:ハードコアを気どる者を黙らせたドープな一枚 キングギドラ『空からの力』:日本語ラップの教科書 THA BLUE HERB『STILLING, STILL DREAMING』:北の僻地からの声が日本語ラップのパラダイムを変えた Shing02『緑黄色人種』:ポエトリー・ラップの先駆者 【Ⅱ 2000-2004】 BUDDHA BRAND『病める無限のブッダの世界』:史上最も偉大なグループの、最も偉大な作品 OZROSAURUS『ROLLIN’ 045』:「レペゼン」とはなにか? RIP SLYME『FIVE』:日本語ラップ随一のパーティー・ラップグループ ECD『失点インザパーク』:孤高のラッパーが残した日本語ラップの最前衛 姫『姫始』:「日本人・女性・ラッパー」はいかにして可能か? 【Ⅲ 2005-2009】 SEEDA『花と雨』:日本語ラップを決定的に変えた名盤 サイプレス上野とロベルト吉野『ドリーム』:高いヒップホップIQで日本語ラップ史の伝道する SHINGO★西成『SPROUT』:日本語ラップのワーキング・クラス・ヒーロー COMA-CHI『RED NAKED』:ヒップホップ・フェミニズムのはじまり METEOR『DIAMOND』:独特なストーリーテリングが光る小説的ラッパー 【Ⅳ 2010- 】 SIMI LAB『PAGE 1』:日本語ラップが目指したふたつの方向の合流点 LBとOtowa『インターネットラブ』:ヒップホップの「現場」はネット空間にも KOHH『DIRT』:日本語ラップの夢「世界で勝負」を無邪気にはたす tofubeats『lost decade』:ヒップホップの手法で「失われた未来へのノスタルジー」を鳴らす Awich『Queendom』:「まさか女が来るとは」現在のシーンの頂点に君臨 - 著者プロフィール - 韻踏み夫 (インフミオ) (著/文) ライター/批評家。1994年生まれ。連載「耳ヲ貸スベキ――日本語ラップ批評の論点」(『文学+WEB版』2021年~)、「ライマーズ・ディライト」(『ユリイカ』2016年6月号)、「ライミング・ポリティクス試論」(『文藝』2019年冬季号)など。本書が初の単著となる
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パンクの系譜学 | 川上 幸之介
¥2,860
書肆侃侃房 2024年 ハードカバー 384ページ 四六判 - 内容紹介 - パンクとは常に問い、それについて行動を起こすことだ。 音楽だけでなく、アート、思想、運動の側面からも「パンク」の根源に迫る画期的著作。 ロックと現代アートから派生したパンクは、音楽活動のみならず、独自の実践を通して社会に影響を与え、人間性の回復をもたらしてきた。最新の研究を踏まえ、その系譜を現在まで辿る。Punk!展、ゲリラ・ガールズ展ほか、話題の展示のキュレーションを行ってきた研究者による初単著。松村圭一郎さん、毛利嘉孝さん推薦! 「パンクはこれまで幾度となく死んだと言われてきた。しかし、支配と抑圧という概念が存続する限り、「パンクス・ノット・デッド」は常に例証し続けられるだろう」(「おわりに」より) - 目次 - 序章 第一部 パンクの文脈と思想 第一章 アートスクール/第二章 共産主義(コミュニズム)/第三章 アナキズム 第二部 パンクの音楽における系譜 第一章 アフリカ系アメリカ人の歴史/第二章 フォーク/第三章 スキッフル/第四章 ガレージ/第五章 パンク 第三部 パンクのアートにおける系譜 第一章 現代アート/第二章 DADA(ダダ)/第三章 レトリスム/第四章 シチュアシオニスト・インターナショナル/第五章 キング・モブ 第四部 セックス・ピストルズ以降 第一章 Oi!/第二章 アナーコ・パンク/第三章 ハードコア・パンク/第四章 ライオット・ガール/第五章 パンクと人種/第六章 パンクとクィア 第五部 アジアのパンクシーン 第一章 独裁政権/第二章 ミャンマー/第三章 橋の下世界音楽祭 おわりに 参考文献 - 著者プロフィール - 川上幸之介 (カワカミ コウノスケ) (著/文) 1979年、山梨県生まれ。専門は現代美術/ポピュラー音楽。ロンドン芸術大学セントラル・セント・マーチンズMAファインアート修了。現在、倉敷芸術科学大学准教授。キュレーションに「Bedtime for Democracy」展、「Punk! The Revolution of Everyday Life」展、「ゲリラ・ガールズ展 『F』ワードの再解釈:フェミニズム!」など。
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武蔵野詩抄 国木田独歩から忌野清志郎まで | 正津 勉
¥2,200
アーツアンドクラフツ 2023年 ソフトカバー 248ページ 縦188mm 横128mm 厚さ21mm - 内容紹介 - 約130年にわたる「武蔵野」の時空を詩47編で歩く 独歩の「武蔵野」=渋谷郊外を散策し、荒井由実「中央フリーウェイ」をクルマで飛ばし、忌野清志郎の国立「多摩蘭坂」をのぼる。 [解説付き] 目次 武蔵野旧景 中央線沿線 Ⅰ 西武線沿線 中央線沿線 Ⅱ 多摩川流域・多摩丘陵 秩父山地 関東山地 詩の湧く野、武蔵野/正津勉 - 著者プロフィール - 正津勉 (ショウヅベン) (編集 | 解説) 1945年、福井県生まれ。同志社大学文学部卒業。詩人・文筆家。おもな著書に詩集『惨事』(国文社)、『正津勉詩集』(思潮社)、『奥越奥話』(アーツアンドクラフツ)。小説『笑いかわせみ』『河童芋銭』(河出書房新社)。評伝『山水の飄客 前田普羅』(アーツアンドクラフツ)、『忘れられた俳人 河東碧梧桐』(平凡社新書)、『乞食路通』『つげ義春』『裏日本的』(作品社)など多数。
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トーキョー・シンコペーション 音楽表現の現在 | 沼野 雄司
¥2,420
株式会社音楽之友社 2023年 ソフトカバー 272ページ 四六判 - 内容紹介 - 『レコード芸術』誌において2022年4月から16回に渡って掲載され、カルト的な人気を誇った同名記事に大幅に加筆して再構成。当代を代表する音楽学者であり「現代音楽」のスペシャリスト沼野雄司氏が、堅苦しい、難しいと思われがちな作曲家たちの思考や作品を美術、映画、哲学、小説、ロックやポップスなど、他ジャンルの作品との比較の中で軽妙なタッチで深く論じます。既成概念を打ち破る“新しい”音楽批評が展開。 目次 第1章 音楽の視覚性/視覚の音楽性――クリスチャン・マークレイ、安野太郎 第2章 イメージからノスタルジーへ――フィリップ・グラス《浜辺のアインシュタイン》 第3章 複雑性と吃逆――ブライアン・ファーニホウ、近藤譲 第4章 沈黙ぎらい――ヴァンデルバイザー、杉本拓、星谷丈生 第5章 不器用と恩寵――坂本龍一、木下正道―― 第6章 マニエリスムからの距離――マーク・アンドレ、川上統 第7章 表象不可能性と音楽――藤倉大、川島素晴―― 第8章 地図・領土・美術館――ヨハネス・マリア・シュタウト、ファウスト・ロミテッリ 第9章 カノンと1ミリ――アントン・ウェーベルン、アルノルト・シェーンベルク 第10章 あたらしさい旧さ/旧いあたらしさ――鈴木純明、エンノ・ポッペ 第11章 左眼のエクリチュール――ヤニス・クセナキス―― 第12章 音を楽しまない音楽――池田亮司、足立智美―― 第13章 ノン・バイナリーな挑発――オルガ・ノイヴィルト「オルランド」―― 第14章 音楽における「日本的なもの」――YMO、梅本佑利 第15章 歌声を増幅せよ――松本祐一、有馬純寿 第16章 喪失の音楽――マイルス・デイヴィス、サルヴァトーレ・シャリーノ - 著者プロフィール - 沼野 雄司 (ヌマノ ユウジ) (著/文) 東京藝術大学大学院博士課程修了。博士(音楽学)。主な著書に『リゲティ、ベリオ、ブーレーズ 前衛の終焉と現代音楽の未来』(音楽之友社)、『光の雅歌 西村朗の音楽』(春秋社、共著)、『孤独な射手の肖像 エドガー・ヴァレーズとその時代』(春秋社、第29回吉田秀和賞)、『ファンダメンタルな楽曲分析入門』(音楽之友社)、『音楽学への招待』(春秋社)など。国内外での学会発表のほか、音楽批評、演奏会・CDライナー解説の執筆、音楽祭の企画・監修、コンクールの審査員、オーケストラや演奏活動の公的助成審査などに幅広く従事。2008年から2009年にかけてハーヴァード大学客員研究員。近年は、国内学会はもとよりアメリカ、中国、オランダ、リトアニア、ジョージア(グルジア)、アイルランドなど多数の国際学会で研究発表を行なっている。現在桐朋学園大学教授。