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世界の音 楽器の歴史と文化|郡司 すみ, 森重 行敏(解説)
¥1,155
講談社 2022年 講談社学術文庫 ソフトカバー 264ページ 文庫判 - 内容紹介 - 「打楽器を持たない民族はいない」。古来、人は自身の体やモノを叩いて感情を伝え、動物の鳴き声や雨風などの自然音を真似、再現してきました。楽器発祥から2万年。信仰の祭礼、政治儀式、軍事の士気高揚・・・・・・あらゆる場面に浸透していった「音」と「音楽」。気候風土や時代背景に合わせ、世界各地の「音」は、どのように姿を変えてきたのか。西洋音楽と民族音楽、その対比が示す真意は? 「音」で考える、ユニークかつ雄大な文化人類学!(解説・森重行敏) 本書は『世界楽器入門 好きな音 嫌いな音』(1989年1月 朝日選書)を改題したものです。 はじめに 第一章 ミンゾク楽器・ 第二章 楽器の起源 1 生活周辺から生まれた楽器 2 食器から楽器へ 3 道具から楽器へ 4 自然界の音の再現から楽器へ 5 生存に必要な音を出す道具から楽器へ 6 呪術・信仰の道具から楽器へ 7 学問・研究の道具から楽器へ 8 音像から楽器へ 第三章 楽器分類を通して見た諸民族の楽器観 1 中国 2 インド 3 ギリシャ 4 ローマ 5 ヨーロッパ 第四章 楽器の音 1 打つ、擦る、吹く、弾く 2 楽器の成り立ち 3 音の出し方 第五章 楽器の分布と歴史 第六章 風土と音 1 風土と楽器 2 音の響き 第七章 音・数・楽器 第八章 メディアとしての楽器 1 経営メディアとしての楽器 2 視覚メディアとしての楽器 3 思想メディアとしての楽器 第九章 手作りについて 第十章 好きな音嫌いな音 第十一章 東方の楽器・西方の楽器 石笛/横笛/笙/篳篥/尺八/和琴/箏/琵琶/三味線/胡弓/鼓/先史時代の楽器/オーボエとバスーン/クラリネット/トラムペットとトロムボーン/ホルン/テューバ/リコーダーとフリュート/バグパイプ/オルガン/キタラとライア/ハープ/ヴァイオリン/リュートとギター/ツィターとハープシコード/クラヴィコードとランゲレイク/ダルシマーとピアノ/カリヨン/ティムパニとシムバル/アフリカの楽器/インドの楽器/インドシナ半島の楽器/インドネシア・オセアニアの楽器/雑音の効果/種々の撥/弦 楽器に関する参考文献 あとがきにかえてーー楽器研究の方法論―― 解説「人類共通の財産ーー音楽とは何か?ーー」森重行敏(洗足学園音楽大学現代邦楽研究所所長) 楽器索引 人名索引 - 著者プロフィール - 郡司 すみ (グンジ スミ) (著/文) 1930年フィンランド・ヘルシンキ生まれ。国立音楽大学名誉教授。国立音楽大学楽器学資料館初代館長。楽器学専攻。西ドイツ・ルードヴィクスブルクFachschule fur Musikinstrumentenbau(楽器製作専門学校)卒業。著書に『楽器学』『楽器概論』『ピアノの音とそのアフターケアーについて』、編著に『日本伝統楽器小辞典』、訳書に『ピアノのTonbildungについて』『楽器の精神と生成』『楽器のおいたち』『奇跡のピアノ』など多数。2019年没。 森重 行敏 (モリシゲ ユキトシ) (解説) 洗足学園音楽大学現代邦楽研究所所長
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象の記憶 日本のポップ音楽で世界に衝撃を与えたプロデューサー|川添象郎
¥2,530
DU BOOKS 2022年 ソフトカバー 312ページ 四六判 - 内容紹介 - 後藤象二郎 、川添浩史、原智恵子… 日本文化の世界進出に貢献した一族の末裔もまた、 日本の音楽を世界に広めた男だった。 YMOで社会現象を巻き起こし、 ユーミン、吉田美奈子、ハイ・ファイ・セット、佐藤博など、 いま、世界でシティポップとして評価される音楽を プロデュースしてきた著者がはじめて語る、破天荒な人生。 革命的なこと、前衛的なこと―― 曾祖父は幕末の土佐、父は30年代のパリ、 そして、末裔の象郎は60年代の グリニッジ・ヴィレッジと、 80年代バブルと平成の日本を駆け抜けた。 装画:木村英輝 【Praise for Shoro Kawazoe】 象郎には、正直、ナンニモしてもらったことがない。 でも、何故かほっておけない奴だ。 川添と聞くと、象ちゃんよりも、父上の川添のパパが蘇る。 “ブラボー” 1965年、日生劇場「オンディーヌ」初日。 川添のパパは、誰よりも先に立ち上がり、喝采をくれた。 1960年、飯倉キャンティの初日、象郎に引っぱっていかれた小娘に、当たり前に椅子を引いて、大人扱いをしてくれる、パパの本当の育ちのよさ。 1964年、カンヌ映画祭、川添のパパの心配りで、飛行機から下りたばかりの“女優”に、大きな花束とフラッシュ。遊び気分が吹っとんだ。東洋から来た、名も無い女優に、喝をくれたのだ。 「人類多しといえど、殊更に我に悪敵はなきものなり。恐れ憚ることなく、心事を丸出しにして飄々と応接すべし」 この言葉のままに生きた、この父と子。 他人と自分をくらべたりせず、心の底から、笑っていろと教えてくれた。 それが川添家の血なのだろう。 ――加賀まりこ(女優) 川添さんはスパニッシュ・ギターのアーティストであり、同時に欧米スタイルのショービジネスを日本で展開し、YMOの世界ツアーを仕切った恩人でもあります。その頃の話はいつ聞いても面白く、感心してしまい、そういうことが詰まった本を待っていたので嬉しいことこの上ありません! ――細野晴臣(音楽家) 出鱈目? それとも啓示? 15歳の私も、六本木の街角で川添さんのマッドなヴァイブスに巻き込まれたひとりです。 いつまでも、そんな存在でいてください。 ――松任谷由実(シンガーソングライター) 洋も和も、あらゆるアートに精通し、センスは抜群! いろいろあったが、なぜか憎めないやつ。 こんな男とはそうそう出会えるもんじゃない。 ――ミッキー・カーチス(歌手、俳優) 超絶型破りなこのお方、転んでもただでは起きず、それが底の知れぬ水溜まりであったとしても、絶対にその手の中に世間があっと驚く宝物を掴んで起き上がる、言わずもがなのお方なのです。そのアドレナリンの量と記憶力は他に類を見ず、時代がどう変わろうと一切ブレない品格のある筋金入りの審美眼には、ただひたすら平伏するばかりだ。最後の本だなんて言わないで、「美しさ」の不可思議な成り立ちを、どうかその毒舌で語り続けていただきたい。こんなに極上で素敵な人とは、もう二度と廻り逢えないのだから! ――吉田美奈子(音楽家) 川添さんと私の出会いは、学生から社会へと飛び出すのにいろいろと思案していた時期であり、まさに川添さんは私のその後の人生を決定づけた師匠であります。当時はまだその内容が広く理解されていませんでした「プロデュース」という仕事のイロハをお教えいただきました。その後アルファレコードの立ち上げやYMOに関われたのも川添さんのおかげです。私はYMO以後「デジタル」という分野に進み、現在はインターネットに関わる仕事についておりますが、今でも川添さんから学んだ「プロデュース術」とも言うべきナレッジは私の中で生きております。 ――小尾一介(Google株式会社執行役員などを経て、クロスロケーションズ株式会社代表取締役社長) 最後の東京のお坊ちゃんというイメージで僕たちは象ちゃんを見ていました。 やんちゃな一面、教養もあり、音楽プロデューサーとしてのクリエイティブの能力はすごく高い。二人で仕事をしたのは空間プロデューサーという言葉がバズワードになっていたバブル時代に、私がプロデュースしたビアホール。象ちゃんにはホールの中のレストランのプロデューサーをお願いしました。この本は戦後からバブル時代の記録としても面白い。キャンティというサロンを通して、ロバート・キャパや、ピエール・カルダンなど、グローバルで豊富な人脈が象ちゃんという才能につながっていきます。そしてなによりも象ちゃんは最高に楽しい遊び仲間です。 ――坂井直樹(コンセプター) 1968年の東京で誰よりも欧米の音楽、アート、ファッション、エンターティンメント、フォトグラフィーに関して、生のグローバルネットワークを持っていたのは、川添象郎さんです。象ちゃんに紹介された未来学者、思想家、哲学者、歴史哲学者である仲小路彰さんは、僕の人生の指針を示してくれました。 ――シー・ユー・チェン(CIA Inc. Piii Founder & Executive Chairman) この本に書かれているショウちゃんの若い頃のハリウッドやラスベガス、グリニッジ・ヴィレッジやマドリードなどでの修業時代の話は本当に面白い。海外でこんな経験をしてきた日本人はあまりいないと思う。この本を読むとその修業が後のYMOの成功をはじめ数々のプロデュ―ス作品の成功に大きく役立っていることがわかる。 僕がキャンティに行くようになった1960年代はじめ、ショウちゃんはグリニッジ・ヴィレッジでフラメンコ・ギターに熱中していた。時折弟の光郎に手紙を書いて様子を知らせていたのだが僕はキャンティでその手紙の一つを義母のタンタンやみっちゃんと一緒に読んだことがある。本書にでてくるグリニッジ・ヴィレッジの暮らしのことが書いてあった。その頃のショウちゃんは読書家でドス・パソスの『U.S.A.』なんかを読んでいてその感想や時間と空間をどう考えるかなどという哲学的な事も書いてあったことを思い出す。ショウちゃんが一生の締めくくりに本を出すことができて僕もうれしい。 ――村井邦彦(音楽家) 著者プロフィール - 川添象郎 (著/文) - 1941年東京都生まれ。父はイタリアンレストラン「キャンティ」を創業し、国際文化事業で知られる川添浩史、生母はピアニストの原智恵子。明治の元勲、後藤象二郎を曽祖父にもつ。 慶應義塾幼稚舎を経て、ラ・サール高等学校から和光高等学校に転入。高校卒業後、マグナム・フォトのルネ・ブリやデニス・ストックの来日アシスタントとして働く。 60年に渡米。舞台芸術とショービジネスをラスベガスで働きながら学ぶ。フラメンコ・ギタリストとしても活動。オフブロードウェイの前衛劇『六人を乗せた馬車』に参加し、世界ツアーを経験。帰国後、反戦ミュージカル「ヘアー」をはじめ、音楽と演劇を中心に数々のプロデュースをおこなう。 1977年、村井邦彦とアルファ・レコードを創設し、荒井由実、サーカス、ハイ・ファイ・セットなど、現在では「シティポップ」として世界的にも評価される、都会的で洗練された音楽をリリース。YMOのプロデュースでは、世界ツアーを成功に導き、日本を代表するポップカルチャーとして世界的存在に仕立て上げた。 イヴ・サンローランの日本代表やピエール・カルダンのライセンス開発も手掛け、1980年代半ばには、空間プロデューサーとしても活動。 2007年にはほぼ20年ぶりに音楽プロデュースに復帰し、SoulJaをプロデュース。青山テルマ feat.SoulJa『そばにいるね』は日本で最も売れたダウンロードシングルとして、ギネス・ワールド・レコーズに認定。2011年にプロデュースしたふくい舞『いくたびの櫻』はレコード大賞作詞賞を受賞。
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ブードゥーラウンジ | 鹿子 裕文
¥1,980
ナナロク社 2020年 ソフトカバー 447ページ 19 x 11.9 x 2.8 cm - 帯より - 舞台はライブハウス「ブードゥーラウンジ」。“はみだし者”たちが、好きなことを続けるために、自分の居場所をつくるために、日夜繰り広げる大騒動はやがて物語的結末を迎える―。血湧き肉躍る、ノンフィクション・エンターテインメント! 電波の届かぬところで革命の音が鳴っている 「この冬の時代を、めげんで、あきらめんで、やめずにやり続けた人間ん伊波、かならず、かならず、いい時代がめぐってくる!だからみんなあきらめんなっっ!」
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新版 魂(ソウル)のゆくえ|ピーター・バラカン
¥1,980
アルテスパブリッシング 2019年 ソフトカバー 280ページ 四六判 - 内容紹介 - この1冊が日本の音楽ファンを育んできた! 刊行30周年を記念して、 ソウル・ミュージック・ガイドの決定版をリニューアル新発売! 愛され続けるロングセラー(11刷)に、 11のプレイリスト=全448曲を加えた新版の登場です。 デザインや本文組みも一新しました。 FM番組『バラカン・ビート』『ウィークエンド・サンシャイン』や NHKワールド『ジャパノロジー』などラジオやテレビでおなじみ、 ピーター・バラカンが、ゴスペルからヒップホップまで、 アメリカのソウル・ミュージックの歴史とスターたちを語った本書は、 多くのミュージシャンやリスナーに支持され、ロングセラーとなっています。 この30周年記念版は、著者が各章ごとに新しく選んだ合計448曲のプレイリストを、 ストリーミング・サービスのSpotifyに作成し、 リンクQRコードと書き下ろしの解説を加えた増補新版です。 ヒップホップが音楽界の主流となったいま、 若いリスナーたちがブラック・ミュージックの歴史に 新たな関心を寄せているなか、最適の入門書としてお薦めしたい1冊です。 ※本書は、2008年に弊社から発売した『魂(ソウル)のゆくえ』の改訂新版です。1989年のオリジナルの新潮文庫版発売から数えて今年が30周年にあたります。 目次 二〇一九年版の読者のみなさんへ 00 はじめに──ぼくにとってのソウル・ミュージック 01 ゴスペルの話から始めよう─ソウル前史 02 R&Bからソウルへ──レイ・チャールズ、サム・クック、ジェイムズ・ブラウン 03 モータウン─黒人の夢を乗せた都会のサウンド 04 サザン・ソウル──スタックスが作りあげた六〇年代の奇跡 05 ニュー・オーリンズのR&B 06 七〇年代ソウルのスーパースターたち──内省と成熟 07 フィラデルフィア・ソウル─都会育ちの黒人たち 08 ファンク、ロックとソウル 09 ディスコ・ブームとソウルの死 10 ヒップ・ホップの時代 11 魂のゆくえ──むすびに代えて ▶プレイリスト 01 ゴスペル 02 R&Bからソウルへ 03 モータウン 04 サザン・ソウル 05 ニュー・オーリンズのR&B 06 七〇年代ソウルのスーパースターたち 07 フィラデルフィア・ソウル 08 ファンク、ロックとソウル 09 ディスコ・ブームとソウルの死 10 ヒップ・ホップの時代 11 魂のゆくえ あとがき 人名索引 - 著者プロフィール - ピーター・バラカン (ピーター バラカン) (著) ピーター・バラカン Peter Barakan 1951年ロンドン生まれ。ロンドン大学日本語学科を卒業後、1974年、音楽出版社で著作権関係の仕事に就くため来日。一九八〇年に退社後、執筆活動やラジオ番組への出演などを始める。八〇年代にはYMOとそのメンバーの海外コーディネーションを担当。八四年から三年半、TBSテレビのミュージック・ヴィデオ番組『ザ・ポッパーズMTV』の司会を務めた。 現在はフリーランスのブロードキャスターとして活動。ラジオ/テレビで『ウィークエンド・サンシャイン』(NHK-FM)、『バラカン・ビート』(Inter FM)、『ライフスタイル・ミュージアム』(Tokyo FM)、『ジャパノロジー・プラス』(NHK BS1、NHK World)などの番組を担当。 また、二〇一四年から毎年秋に開催されている音楽フェスティヴァル『Peter Barakan's Live Magic!』を監修している。 おもな著書に『ロックの英詞を読む──世界を変える歌』(集英社インターナショナル)、『ピーター・バラカンのわが青春のサウンドトラック』(光文社知恵の森文庫)、『ラジオのこちら側で』(岩波新書)、『ピーター・バラカン音楽日記』(集英社インターナショナル)がある。 https://peterbarakan.net/