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【バーゲンブック】これからのヴァギナの話をしよう | リン・エンライト
¥1,300
河出書房新社 2020年 ハードカバー 302ページ 四六変判 バーゲンブック: 定価よりも値引して販売することのできる新品の本です。 (およそ定価の50%〜70%ほどの価格です) 新品とはいえ、経年による劣化などが見られる場合もございますので、ご理解の上ご購入くださいませ。 - 商品紹介 - ヴァギナは妊娠、出産のためだけにあるのではない。セックス、生理、不妊、更年期……「なかったことにされがち」な女性器について語られる、持つ人・持ちたい人・持たない人のための軽やかなエッセイ。
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教育にひそむジェンダー 学校・家庭・メディアが「らしさ」を強いる | 中野 円佳
¥946
筑摩書房 2024年 ちくま新書 ソフトカバー 208ページ 新書判 - 内容紹介 - 大人は何ができるのか? 「与えられる性差」の悪影響と、起きている前向きな変化。 理想(多様性奨励)と現実(根強いバイアス)のギャップが大きすぎる! 学校・家庭・メディアで与えられる「らしさ」の何が問題か。 赤ちゃんから幼児、小学生、中高生、大学生まで、育児や教育を通して子どもたちに与えられるジェンダーイメージについて、教育社会学の知見や著者自身の子育て経験を踏まえて検証・考察する。 母性愛神話、マイクロアグレッション、性教育、別学か共学か、性的同意、女性の透明化・商品化……語りにくいが大事な問いに正面から挑む。 目次 はじめに 第1章 赤ちゃんから刷り込まれるジェンダー ―― おもちゃの好みは遺伝か環境か? 赤ちゃんのときから刷り込まれるバイアス/3歳ごろからの性自認と幼稚園の役割/性自認と遊びの中の役割/ジェンダー規範の「内面化」/なぜバイアスを持つのか/バイアスを持つことは悪いことか?/根拠がなくても実現してしまう/変わるバービー人形/変えていくための動き/幼少期に覚える家庭での役割/つくられた「母性愛」/家庭での役割/高度な家事をやめるのも手 第2章 小学生が闘うジェンダー ―― 理想と現実のギャップ シンデレラ願望/変わるプリンセス像/かわいくて、強くてもいい/マイクロアグレッションと『リトル・マーメイド』の実写版/娘に読ませたいプリンセスもの/子ども向け番組の偏り/性的な描かれ方/公的な場で見えてしまうことが問題/ゾーニングという解決策/大人の「期待」を読み取る子どもたち/ピンクのランドセルを選ぶ男の子/青い目、茶色い目/性犯罪防止に何ができるか/日本版DBS導入へ/性教育 第3章 中高生の直面するジェンダー ―― 思春期特有のジレンマ 「サッカー部」にいる女の子はマネージャー?/男女の体格差/ジェンダー・フリー/「隠れたカリキュラム」の是正/なお残る「役割」のジェンダー/「校長」は男性?/ディスカレッジされる女の子/女子の理系選択/女子校・男子校の意義はあるか/別学のメリット/多様性は居心地が良くない/共学の定員は1対1である必要があるか/性教育は共学でも不十分/性的同意/「教えてほしかった」 第4章 大学のゆがんだジェンダー ―― 差別とセクハラの温床なのか? 医学部女性減点問題の衝撃/女子枠は逆差別か/女子枠はスティグマになる?/他のマイノリティ性への配慮/東大女性2割の原因/女性への〝言葉の逆風?/親の教育期待差/娘に投資しない/実家から離れない/浪人を避ける/女性はリスクを回避する?/成功不安?/差異か平等か/なぜ大学や企業に多様性が必要なのか/社会の設計を誰がするのか/女性の透明化・商品化がはびこるキャンパス/偏差値の高さと女性への目線/DEIについての教養/声をあげる大学生たち おわりに 参照文献 - 著者プロフィール - 中野 円佳 (ナカノ マドカ) (本文) 1984年東京都生まれ。東京大学教育学部卒業後、日本経済新聞社入社。大企業の財務や経営、厚生労働政策を取材。育休中に立命館大学大学院先端総合学術研究科入学。同研究科に提出の修士論文を基に、2014年『「育休世代」のジレンマ――女性活用はなぜ失敗するのか?』(光文社新書)を出版。15年よりフリージャーナリスト、23年東京大学大学院教育学研究科博士課程満期退学。現在、東京大学多様性包摂共創センターDEI共創推進戦略室准教授。キッズライン報道でPEPジャーナリズム大賞2021特別賞、第2回調査報道大賞デジタル部門優秀賞受賞。他の著書に『上司の「いじり」が許せない』(講談社現代新書)、『なぜ共働きも専業もしんどいのか――主婦がいないと回らない構造』(PHP新書)、『教育大国シンガポール――日本は何を学べるか』(光文社新書)など。
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現代思想2024年12月号 特集=田中美津とウーマンリブの時代 | 松田 いりの
¥1,760
青土社 2024年 ソフトカバー 174ページ 縦260mm - 内容紹介 - 次代につなぐ「解放」の思想と実践 1970年に誕生し、日本のフェミニズムに多大な影響を与えたウーマンリブ。とりわけその「旗手」として知られる田中美津の遺した言葉は、記念碑的名著『いのちの女たちへ』をはじめ、世代を超えていまなお私たちの心を揺さぶってやまない。本特集ではその活動の軌跡を辿り思想の全貌に迫るとともに、日本のリブの多彩なありようを描き出す。 line2.gif [目次] 特集*田中美津とウーマンリブの時代 【こだまする肉声】 リブセンと田中さんと / 米津知子 表象になることを拒み続ける / 信田さよ子 ところがなんと美津さんは……?! / 鶴田桃エ 美津さんのこと / 脇坂真弥 【波間を照らす灯】 リブかフェミニズムか? / 上野千鶴子 日本の「ウーマンリブ」と田中美津――第二波フェミニズムの視点から / 江原由美子 田中美津という存在――男性社会における「制度化の罠」とフェミニストの自己嫌悪 / 海妻径子 【手渡されたものは】 言文一致体のリブ、あるいは一九七二年のバッド・フェミニスト / 水無田気流 リーンイン・フェミニズム批判と田中美津の〈どこにもいない女〉 / 菊地夏野 ウーマン・リブの思想、フェミニズムの言葉――田中美津を再読する / 鈴木彩加 【受けとめ、引き受けなおす】 田中美津の哲学――「とり乱し」と「出会い」 / 森岡正博 ウーマン・リブの身体論とその限界――田中美津の健康本を中心に / 橋迫瑞穂 五〇年前の#MeToo / 住本麻子 【いくつもの声とともに】 とり乱しの不/可能性――森崎和江とウーマン・リブ─田中美津の交わり、あるいはすれ違いについて / 大畑凜 〈東京こむうぬ〉の挫折を捉える視角――総括と評価との接合から見る / 村上潔 〝共に闘わん!〞――ウーマンリブにおける生理用品無料設置要求運動の活動と思想 / 柳原恵 『すばらしい女たち』にみる日本のレズビアン・フェミニズムの展開――ウーマン・リブとの関係に焦点をあてて / 杉浦郁子 恥を掻いてでも伝えたい――桐野夏生『オパールの炎』をめぐって / 内藤千珠子 【「私たちは忘れない」】 「リブ新宿センター」の資料を残す / リブ新宿センター資料保存会 【連載●社会は生きている●第二八回】 社会と自我 4――経験と記憶 / 山下祐介 【連載●現代日本哲学史試論●第一二回】 現代日本哲学史におけるふたつの論戦――永井と小泉、野家と高橋 / 山口尚 【研究手帖】 巻き込まれた哲学 / 佐々木晃也
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ジェンダー・トラブル 新装版 フェミニズムとアイデンティティの攪乱 | ジュデイス・バトラー, 竹村和子(翻訳)
¥3,080
青土社 2018年 ハードカバー 300ページ 四六判 - 内容紹介 - 権力はいかに言説のかたちをとって身体・精神・欲望を形成するのか。 女と男の弁別が身体の自然に根ざすとする本質論的前提を根底的にくつがえし、セクシュアリティ研究の方向を決定づけたフェミニズム/クィア理論の最重要書。 哲学、人類学、文学理論、精神分析のテクストに折り重なる言説を縦横に扱いつつ、ジュディス・バトラーは、ジェンダー化と本質論/ジェンダー化における本質論の問題を鋭く見すえる。――ガヤトリ・C・スピヴァク バトラーの才気煥発な議論は、まさに可能性に満ちたトラブルを巻き起こし、それによって、ジェンダーの階層秩序や強制的異性愛をささえる規範的虚構が、文字どおり信用するに値しないものであることをあばいていく。――ダナ・ハラウェイ line2.gif 【目次】 序文 第1章 〈セックス/ジェンダー/欲望〉の主体 一 フェミニズムの主体としての「女」 二 〈セックス/ジェンダー/欲望〉の強制的秩序 三 ジェンダー――現代の論争の不毛な循環 四 二元体、一元体、そのかなたの理論化 五 アイデンティティ、セックス、実体の形而上学 六 言語、権力、置換戦略 第2章 禁止、精神分析、異性愛のマトリクスの生涯 一 構造主義の危うい交換 二 ラカン、リヴィエール、仮装の戦略 三 フロイトおよびジェンダーのメランコリー 四 ジェンダーの複合性、同一化の限界 五 権力としての禁止の再考 第3章 撹乱的な身体行為 一 ジュリア・クリステヴァの身体の政治 二 フーコー、エルキュリーヌ、セックスの不連続の政治 三 モニク・ウィティッグ――身体の解体と架空のセックス 四 身体への書き込み、パフォーマティヴな攪乱 結論――パロディから政治へ 原註 訳者解説 索引 line2.gif [著者] ジュディス・バトラー(Judith Butler) カリフォルニア大学バークレー校、修辞学/比較文学の教授。 [訳者] 竹村和子(たけむら・かずこ) お茶の水女子大学大学院人間文化研究科教授。 (出版社紹介文より)
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「ふつうのLGBT」像に抗して 「なじめなさ」「なじんだつもり」から考える | 森山 至貴
¥2,200
青土社 2024年 ソフトカバー 216ページ 四六判 - 内容紹介 - 「もうLGBTなんてふつう」って言っておけばいいと思ってない? 「ゲイコミュニティ」になじめないゲイという立場に留まることから見えてくる、うわべだけのセクシュアルマイノリティ理解を脱するための処方箋。
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宗教右派とフェミニズム | ポリタスTV(編), 山口 智美(著), 斉藤 正美(著), 津田 大介(解説)
¥1,980
青弓社 2023年 ソフトカバー 224ページ A5判 縦210mm 横148mm 厚さ16mm - 内容紹介 - 1990年代から2000年代初頭のバックラッシュから、安倍晋三政権以後の家族や女性、LGBTQ+をめぐる政策と右派・宗教との関係までを、具体的な政策や運動、テーマにフォーカスして解説し、フェミニズムの立場・視点から問題点を検証して論点を提起する。 - 目次 - はじめに 第1部 安倍政権以前――一九九〇年代後半から二〇〇〇年代初頭のバックラッシュ バックラッシュのはじまり 前史――ウーマンリブ、第二波フェミニズムの広がり 優生保護法改悪運動と生長の家 「家庭基盤充実政策」と、それに抵抗した女性運動 「国際女性(婦人)年」と男女共同参画 一九九〇年代のバックラッシュ 性教育バッシング 選択的夫婦別姓への批判 「日本の教育を考える母親の会」とは 日本軍「慰安婦」問題と「新しい歴史教科書をつくる会」 「ジェンダーフリー」バッシング 拡散する「カタツムリ論」 男女共同参画推進条例と「日本時事評論」 山谷えり子と「過激な性教育」キャンペーン 都立七生養護学校(当時)の性教育に対する攻撃 「産経新聞」が果たした役割 都城市と統一教会 統一教会の関係者らが福井県や富山県行政の男女共同参画推進員に 男女共同参画図書や図書館蔵書もターゲットに 第二次男女共同参画基本計画(二〇〇五年)と「ジェンダーフリー」の削除 第2部 安倍政権以後――二〇〇〇年代中盤からのバックラッシュ 第一次安倍政権以降のジェンダー、セクシュアリティ、家族をめぐる政策と宗教右派 教育基本法改悪と「家庭教育」の導入 親学 親守詩 親学推進議員連盟 家庭教育支援条例 夫婦別姓問題に対する右派の運動 日本会議系の反対運動 旧統一教会系の反対運動 第五次男女共同参画基本計画(二〇二〇年)での夫婦別姓の後退 「女性活躍」「一億総活躍」 トイレと女性活躍 官製婚活・少子化対策 婚活議連、全国知事会、婚活・ブライダル業界 企業コンサルタントと「企業子宝率」 「女性手帳」から「ライフプラン教育」へ ライフプラン教育推しの右派シンクタンク 「恋愛支援」と内閣府「壁ドン」研究会 プロライフと右派運動 加賀市の「生命尊重の日」条例と「生命尊重センター」 プロライフによる「こうのとりのゆりかご」「妊娠SOS」 学校現場に浸透する旧統一教会系の禁欲教育 自民党改憲案 日本会議系の女性に向けた改憲運動――『女子の集まる憲法おしゃべりカフェ』や憲法「かえるん♪」エコバッグ 「美しい日本の憲法をつくる国民の会」と「家族」 第二十四条改憲が意味するものと「家庭基盤充実政策」 性的マイノリティの権利と右派運動 渋谷区同性パートナーシップ条例反対運動 自民党「性的指向・性自認に関する特命委員会」の紆余曲折 杉田水脈の「生産性」「男女平等妄想」「保育所コミンテルン」発言 神道政治連盟と世界日報社のLGBT冊子 LGBT理解増進法案をめぐる顛末 包括的性教育とLGBTQ+批判 トランスジェンダー差別の激化 「歴史戦」 右派団体による北米や国連を舞台とした「歴史戦」活動 「邦人がいじめられている」言説と右派による裁判 海外居住者団体の「歴史戦」 杉田水脈衆議院議員と「慰安婦」問題 歴史修正本などの送り付けとラムザイヤー論文問題 宗教右派と「歴史戦」 バックラッシュの政治を捉え直す あとがき 解説 津田大介 - 版元から一言 - 2022年7月8日に発生した安倍晋三元首相の銃撃事件。 これを受けて企画・配信された『ポリタスTV』の「宗教右派と自民党の関係――ジェンダーと宗教」(前篇・後篇)は、5日間限定の無料公開で10万回以上再生され、大きな反響を巻き起こした。 この配信コンテンツをもとに、全編書き下ろしでジェンダーやセクシュアリティ、家族をめぐる政治、それと宗教右派との関わりをまとめるのが本書である。 1990年代から2000年代初頭のバックラッシュから、安倍政権以後の家族や女性やLGBTをめぐる政策と右派・宗教との関係までを、具体的な政策や運動、テーマにフォーカスして解説し、フェミニズムの立場・視点から問題点を検証する。 知られざる宗教右派の実像と1990年代から現在まで続く苛烈なバックラッシュの実態を明らかにする問題提起の書。 - 著者プロフィール - ポリタスTV (ポリタスティーブイ) (編) ネオローグ(代表:津田大介)が運営する政治情報サイト「ポリタス」から派生したネット発の独立型報道番組。「ポリタス」編集長の津田大介がMCも務め、平日毎日午後7時から多彩な専門家をゲストに迎えて番組を放送している。 山口 智美 (ヤマグチ トモミ) (著) 1967年、東京都生まれ。モンタナ州立大学社会学・人類学部准教授。専攻は文化人類学、フェミニズム。共著に『ネット右翼とは何か』(青弓社)、『海を渡る「慰安婦」問題』(岩波書店)、『社会運動の戸惑い』(勁草書房)など。 斉藤 正美 (サイトウ マサミ) (著) 1951年、富山県生まれ。富山大学非常勤講師。専攻は社会学、フェミニズム・社会運動研究。共著に『まぼろしの「日本的家族」』『国家がなぜ家族に干渉するのか』(ともに青弓社)、『徹底検証 日本の右傾化』(筑摩書房)、『社会運動の戸惑い』(勁草書房)など。 津田 大介 (ツダ ダイスケ) (解説) 1973年、東京都生まれ。ジャーナリスト、メディア・アクティビスト、「ポリタス」編集長/「ポリタスTV」キャスター。著書に『情報戦争を生き抜く』『ウェブで政治を動かす! 』(ともに朝日新聞出版)など。
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分断されないフェミニズム ほどほどに、誰かとつながり、生き延びる | 荒木 菜穂
¥2,640
青弓社 2023年 ソフトカバー 228ページ 四六判 縦188mm 横128mm 厚さ14mm - 内容紹介 - 非婚/未婚/既婚、正規労働/非正規労働、性差別的な売春か/セックスワークか、女性の保護か/男女平等か――。差別に抗いながらもともに声を上げられない現実を、権力構造によるジェンダー分断、考え方や生き方、個人の関係性などの視点から読み解く。 - 目次 - はじめに――オンナの呪いを解く 第1章 女は連帯できないのか――フェミニズムとシスターフッド 1 呪いを解く知としてのフェミニズム 2 フェミニズムが見据えてきた「女同士」 3 シスターフッドの発見――分断のメカニズムへの抵抗として 第2章 対話、問い直し、フェミニズム 1 女性の活動への関心と縁 2 平場という関係とその困難 3 「対話」の工夫と調整 4 他者との対話、自己との対話 第3章 フェミニズムの「呪い」と女の欲望 1 フェミニストとしての自分を縛る「呪い」 2 ロック文化とフェミニズム 3 「エロ」はフェミニズムの敵なのか 4 「酒場女子」をめぐるモヤモヤ 5 フェミニズムか反フェミニズムかの二分法を超えて おわりに――他者と適度につながり続けるために - 版元から一言 - 非婚/未婚/既婚、正規労働/非正規労働、性差別的な売春か/セックスワークか、女性の保護か/男女平等か――。フェミニズムは分断と連帯にどう向き合えばいいのか。 フェミニズムの議論を骨格に、現場の声にふれた経験に基づき、女性たちが簡単にはつながれない現実を見据えたうえで、シスターフッドとは何かを問いかける。 女性たちが差別に抗い、不満に共感しあいながらも、ともに声を上げられない現実を、ジェンダーに基づく権力構造による分断だけではなく、考え方や生き方、事情や立場が異なる個人の関係性などの視点から読み解く。 「分断」を乗り越えることを模索し、「ほどほどに、誰かとつながり、生き延びる」ための女性のこれからを提案して、長年のフェミニズムの場での活動と思索に基づいて女性のつながりのあり方の再考を求める評論。 - 著者プロフィール - 荒木 菜穂 (アラキ ナホ) (著) 1977年、三重県生まれ。関西大学ほか非常勤講師、大阪公立大学客員研究員。日本女性学研究会、日本女性学会、ウィメンズアクションネットワークなどで活動。共著に『やわらかいフェミニズム――シスターフッドは今』(三一書房)、『巨大ロボットの社会学――戦後日本が生んだ想像力のゆくえ』(法律文化社)、『ポスト〈カワイイ〉の文化社会学――女子たちの「新たな楽しみ」を探る』(ミネルヴァ書房)、論文に「現代日本のジェンダー・セクシュアリティをめぐる状況とこれからのフェミニズムについて考える――菊地夏野『日本のポストフェミニズム:女子力とネオリベラリズム』を読んで」(「女性学年報」第40号)など。
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女の子に生まれたこと、後悔してほしくないから | 犬山紙子
¥1,870
ディスカヴァー・トゥエンティワン 2024年 ソフトカバー 290ページ 四六判 縦188mm 横128mm 厚さ19mm - 内容紹介 - 大人気イラストエッセイスト、犬山紙子の最新刊! 女の子を育てるうえで大切にしたいことを、専門家と一緒に考えました。 "母娘関係、性教育、ジェンダー、SNSとの付き合い方、外見コンプレックス、いじめ、ダイエット" 女の子を育てる時期に知っておきたい“どうしよう”とその乗り越え方を一緒に考えませんか? - 目次 - はじめに 一緒に考えてくれた先生たち 1章 女の子に生まれたこと、後悔してほしくないから 2章 「女の子らしく」より「自分らしく」生きてほしいから 3章 押しつけられる「美」より、自分の美しさに気づいてほしいから 4章 性教育で、自分も相手も大切にしてほしいから 5章 SNS やインターネットの脅威から守りたいから 6章 どんな性でも、愛されていると感じてほしいから 7章 いじめても、いじめられてもほしくないから 8章 何度でも立ち直れる、心の回復力を育てたいから おわりに
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#発言する女性として生きるということ | チョン・ソヨン, 李聖和(翻訳)
¥2,200
クオン 2023年 ソフトカバー 304ページ 四六判 縦188mm 横128mm 厚さ20mm - 内容紹介 - 私たちは共に、絶えず声を上げ、 お互いを思いやり、 しっかりと手を携えて生きていける 韓国SFの話題作『となりのヨンヒさん』著者チョン・ソヨンによる初の邦訳エッセイ集 「この社会で女性として生きるには、 絶えず自分を奮い立たせなければならない。 自分の発するほぼすべての社会的発言に「女だから」という フィルターをかけられることを覚悟しなければならない。 韓国で発言する女性として生きるということは、 そんな覚悟を持って、それでも次の世代のために 女性の居場所をひとつでも多く確保できるように、 発言し、主張し続けるということだ。 世間が耳を傾けずにはいられなくなるまで」 ――本書より - 目次 - はじめに 第一部 信念を軽んじる世界で 第二部 発言する女性として生きるということ 第三部 私たちが物語になるとき 終わりに これが私の遺言 日本の読者の皆様へ 訳者あとがき - 前書きなど - 本書は、これまで私がさまざまな紙面に寄稿したコラム、エッセイ、解説を集めたものである。コラムとエッセイは、テーマや雰囲気が多少重複する数編を除いてはなるべくすべて載せることにした。韓国社会一般に関するテーマは第一部、フェミニズムに関するテーマは第二部に収録した。その他、拙訳書で書いた訳者あとがきと他の作家の小説に寄せた作品解説は、悩んだ末に数編のみを抜粋して第三部に載せることにした。読者が本書を読んだあと、私が翻訳または解説を手がけた書籍を手に取っていただくきっかけになればと思う。 本書には、私が専業作家として、兼業作家として、そして弁護士として書いたものがまんべんなく収録されている。長きにわたって書いてきたものを改めて読んでみると、文章を書く者として私が言いたいことと、一市民として誰かは言うべきだと思った言葉が幾度も重なっていた。それは幸いなことだと思う。さまざまな紙面で執筆しながら、悪意のある書き込みを目にしたり、見ず知らずの方から励ましの声をいただいたりもした。不思議なことだ。ごくプライベートな話もあれば、当時の社会情勢を色濃く反映したものもある。文章というものを通してここまで率直に自分をさらけ出すということは、やや怖くもあるが、やはり素晴らしいことだと思う。 そんな重みが本書を通じて読者のもとに届き、読者の人生に残ることを願ってやまない。 二〇二一年十一月 チョン・ソヨン - 著者プロフィール - チョン・ソヨン (チョン ソヨン) (著/文) ソウル大学で社会福祉学と哲学を専攻。大学在学中にストーリーを担当した漫画「宇宙流」が2005年の「科学技術創作文芸」で佳作を受賞し、作家としてのスタートを切った。 小説の執筆と翻訳を並行する傍ら、延世大学法学専門大学院を卒業し、現在は弁護士としても活動している。〈韓国SF作家連帯〉初代代表。 邦訳書に『となりのヨンヒさん』(吉川凪訳、集英社)、「ミジョンの未定の箱」(『最後のライオニ 韓国パンデミックSF小説集』収、古川綾子訳、河出書房新社)がある。 李聖和 (イ ソンファ) (翻訳) 大阪生まれ。関西大学法学部卒業後、会社勤務を経て韓国へ渡り韓国外国語大学通訳翻訳大学院修士課程修了。現在は企業内にて通訳・翻訳業務に従事。 第二回「日本語で読みたい韓国の本翻訳コンクール」にて「静かな事件」で最優秀賞受賞。訳書に『静かな事件』(クオン)、『わたしの心が傷つかないように』(日本実業出版社)、『オリオンと林檎』(共訳/書肆侃侃房)など。
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未婚じゃなくて、非婚です | ホンサムピギョル, すんみ(翻訳), 小山内園子(翻訳)
¥1,980
左右社 2024年 ソフトカバー 256ページ 四六判 縦180mm 横128mm 厚さ17mm - 内容紹介 - 結婚しないって言ってたあの子、一人で楽しくやってるって ロイター、ABC、ブルームバーグなど海外メディアで注目! 韓国の「非婚」ムーブメントを代表する話題の2人組YouTuber、初エッセイ ●結婚したくて仕方なかった私はなぜ非婚主義者になったのか ●「二重の手術と矯正が必要」? ルッキズムと脱コルセット ●かつての恋人からの激しい束縛とガスライティング ●毎月10万円以上費やして「自己破壊的な推し活」をしていたアイドルオタク時代 ●フェミニストになってから親友と疎遠になった ●職場にバレた非婚YouTuber活動 私の将来には、「結婚した女」と「結婚しないまま年老いた寂しい女」の代わりに、第三の道が生まれた。手を差し伸べれば握り返してくれる、ひとり身の別の女性たちと一緒に、自由でありながら寂しくない人生を送っていくつもりだ。「結婚しないと言っていた人が、本当に結婚しないで誰よりも幸せに暮らしている」という言葉を、もっとたくさんの人に聞かせてやりたい。 --- p.9 改めて、「非婚」という決心をより正確な言葉で定義することにした。私 にとって非婚は、結婚をしないことだけを意味しているわけではない。「男性中心の社会に反旗を翻し、既存の結婚制度へ反対する」という意味での非婚宣言だった。 --- p.8 目次 BEFORE 結婚しないって言ってたあの子、一人で楽しくやってるって/エス 〈Valenti 〉から〈Girls On Top〉まで /エイ AFTER デフォルト:結婚 ある日、結婚主義者になるところだった /エス カップリングゲーム /エイ 結婚シンドロームに陥った世界を救え /エス 未婚じゃなくて、非婚です /エイ デフォルト:体 着飾ると気分がよくて /エス 脱獄の果ては、純正 /エイ デフォルト:声 ロマンスなんか、虚像だ /エス 無害な陰謀 /エイ 男の子に劣る女の子 /エス フェミニストの、第一の徳目 /エイ デフォルト:愛 女たちが学んだ愛の流儀 /エス 私は私のオタクになる /エイ 正反対に惹かれる理由 /エス 建設的で、過酷な関係 /エイ みんな私たちを、非婚メイトと言うけれど /エス 非婚メイトがいるということ /エイ あたらしい愛のことば /エス 女性を助ける女性の想い /エイ 私が選んだ家族 /エス 真実の愛 /エイ デフォルト:財テク 本物の私の家を探して 無計画ひとり暮らし10年目の独立日記 安定した人生は、安定した住まいから /エイ デフォルト:キャリア 私は一生けんめい一つの井戸を掘るより、十の井戸の水を味わいたい /エス 夢はないんです。ただひとりで、思うように暮らしたいんです /エイ 自分との和解 /エス ひたすら私のための信頼 /エイ NOW 私たちが夢見る未来 ホンサムピギョルが読んだ本 - 前書きなど - 私の将来には、「結婚した女」と「結婚しないまま年老いた寂しい女」の代わりに、第三の道が生まれた。手を差し伸べれば握り返してくれる、ひとり身の別の女性たちと一緒に、自由でありながら寂しくない人生を送っていくつもりだ。「結婚しないと言っていた人が、本当に結婚しないで誰よりも幸せに暮らしている」という言葉を、もっとたくさんの人に聞かせてやりたい。 --- p.9 改めて、「非婚」という決心をより正確な言葉で定義することにした。私にとって非婚は、結婚をしないことだけを意味しているわけではない。「男性中心の社会に反旗を翻し、既存の結婚制度へ反対する」という意味での非婚宣言だった。 --- p.8 - 版元から一言 - 2018年の『私たちにはことばが必要だ フェミニストは黙らない』あたりから、韓国フェミニズムエッセイの出版ラッシュが続いています。様々な切り口でエッセイが刊行される中、頻出ワードである「非婚」についての本はこれまでありませんでした。そんな「非婚」を実践し、海外メディアからも注目されている韓国のYouTuberコンビの初エッセイ。翻訳は、『私たちにはことばが必要だ』でも訳をつとめたすんみさん、小山内園子さんです。 - 著者プロフィール - ホンサムピギョル (ホンサムピギョル) (著/文) 「非婚」をテーマに発信する、2019年結成の女性YouTuberコンビ。ロイ ター、ABC、ブルームバーグなど、複数の海外メディアに韓国の「非婚」ムー ブメントを代表する人物として紹介された。YouTubeチャンネル名のホンサ ムピギョル(혼삶비결)には、「一人暮らしの秘訣」と「ひとりで歩む人生、どき やがれ、結婚主義者たち!」という二つの意味がかけられている。 ◆ YouTube@solodarity5021 ◆ Instagram@official_solodarity すんみ (スンミ) (翻訳) 翻訳家。早稲田大学文化構想学部卒業、同大学大学院文学研究科修士課程修了。訳書に『5番レーン』(鈴木出版)、『八重歯が見たい』(亜紀書房)、共訳書に『私たちにはことばが必要だ フェミニストは黙らない』、『脱コルセット:到来した想像』(ともにタバブックス)などがある。 小山内園子 (オサナイソノコ) (翻訳) 韓日翻訳者。東北大学教育学部卒業。訳書に『四隣人の食卓』(書肆侃侃房)、『女の答えはピッチにある 女子サッカーが私に教えてくれたこと』、『大仏ホテルの幽霊』(ともに白水社)、『破果』(岩波書店)、共訳書に『彼女の名前は』、『私たちが記したもの』(ともに筑摩書房)などがある。
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オタク文化とフェミニズム | 田中 東子
¥2,420
青土社 2024年 ソフトカバー 248ページ 四六判 - 内容紹介 - わたしたちの消費は「正しい」のだろうか 金銭と時間の投資、心身の過剰な労働、性的消費との葛藤…、わたしたちと「推している」対象のあいだにはさまざまな問題が浮かびあがってくる。しかし、その活動に喜びが見出されることは間違いない。喜びと苦しさとが入り混じるその実践をすくい取りながら、「推し活」社会の現在地を描きだす。「推し活」論の決定版! エンターテインメントをめぐるモヤモヤを考えるための補助線となる書。
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帝国主義と闘った14人の朝鮮フェミニストー独立運動を描きなおす | 尹錫男(画), 金伊京(著), 宋連玉(訳), 金美恵(訳)
¥2,750
花束書房 2024年 ソフトカバー 268ページ A5判 縦210mm 横148mm 厚さ16mm - 内容紹介 - “私たちの敵は日本帝国主義と家父長制であり、私たちの目標は、その二重の抑圧に呻吟する朝鮮女性を解放することだった” 独立運動を闘った多彩な朝鮮女性を、韓国フェミニズムアートの第一人者 ・尹錫男(ユン・ソンナム)と作家・金伊京(キム・イギョン)が、圧倒的な読み 応えでよみがえらせた歴史ノンフィクション。信念を曲げず、真の自由を切望した女性たちの言葉とあゆみは、何度も運動としてよみがえり、社会を変えてきました。 いまの私たちと地続きの性差別と闘った姿にもぜひご注目ください。韓国フェミニズムのルーツともいえる歴史を知って、植民地主義とフェミニズムの関係を考えてみませんか。 - 目次 - 【世に叫ぶ】 お前は英雄だ―金マリア/乙密台で叫ぶ―姜周龍/大胆な女人―鄭靖和 天才、革命を夢見る―朴鎮洪/過激な看護師―朴慈恵/激しい波として立ち上がる―金玉連/ドキュメンタリー「忘れられた革命家を訪ねて」―丁七星 【戦線に立つ】 血書―南慈賢/日帝に爆弾を投げる―安敬信/シベリアの赤い伝説―キム・アレクサンドラ/祖国のために空を飛ぶ―権基玉/将軍のために―金命時/ペンの代わりに銃を取りて―朴次貞/春実、東海、華林、三つの名前で生きる―李華林 - 版元から一言 - 韓国のフェミニズムアートの第一人者・尹錫男が、女性の肖像画が極端に少ないことに着目して肖像画シリーズに着手、そこから生まれたのが女性独立運動家を描く本書です。14人それぞれに異なる叙述方式からは、女性たちと運動への敬意が満ちあふれ、社会を変える力となってきたことが伝わる1冊となっています。 女性による独立運動と、解放、そしてその後の困難で複雑な近現代史。本書では、2021年に韓国版が刊行されてから見つかった資料や事実(評価)をもとに、一部記述・作品を描き(書き)下ろしで追加。目の前の現実、いまの私たちとも地続きの歴史と女性たちの「顔」を、ぜひ知ってください。 - 著者プロフィール - 尹錫男 (ユンソンナム) (画) 1939年、満洲で生まれ1944年に帰国した。主婦として生活していたが40歳のときに自 身の母親を描いて画家となった。その後、40年あまりは温かく強靭な母性と女性の力を探求する作品活動を続けてきた。インスタレーションと彫刻、絵画を行き来しながら国内外で多数の個展、グループ展示に参加。英国のテート・ギャラリーをはじめとした世界各国の著名美術館に作品が所蔵されている。数年前からは韓国画を基盤とする肖像画作業に邁進しており、この本はその結実の一つである。『多情で、多情な、タジョンさん』『キム・スンヒとユン・ソンナムの女性の話』(いずれも未邦訳)など多数の著作がある。 金伊京 (キム・イギョン) (著) 大学と大学院で歴史学を専攻し、「植民地時代の民族統一戦線運動」で学位論文を執筆。文学が好きで放送大学に編入し英文学を勉強した。時間・死・本(知識)など人生が投げかける問いをテーマとして勉強し文章を書いてきた。最近ではフェミニズムと韓国現代史の人物に関心があり勉強を続けている。小説作品集『生きている図書館』をはじめ、エッセイ『哀悼の文章たち』『詩を詠む方法』『本を食べる方法』『詩の文章たち』、書評集『魔女の読書処方』、絵本『仁寺洞にいく道』(いずれも未邦訳)など多数の著作がある。 宋連玉 (ソン・ヨノク) (訳) 帝国の言説に消された朝鮮女性の姿を蘇生させたい思いで研究活動をしてきました。その結果、朝鮮の家父長制が植民地主義と深く関わっているという結論に達しました。いまもなお自身に深く内面化している植民地主義的規範と闘っています。青山学院大学名誉教授、文化センター・アリラン館長。主著『脱帝国のフェミニズムを求めて』(有志舎、2009年)、『植民地「公娼制」に帝国の性政治をみる』(有志舎、2023年)。 金美恵 (キム・ミヘ) (訳) 大学で哲学、大学院で国際関係学、朝鮮現代史を学びつつ、朝鮮半島の分断と統一に関心を持ち、おもに解放後の統一戦線について学んだ。朝鮮戦争時に捕虜となった女性パルチザンについて研究をしたかったが、紆余曲折を経て現在は、沖縄に生きた朝鮮人の歴史について調査研究している。共訳書に『現代朝鮮の悲劇の政治指導者たち』(徐仲錫著、明石書店、2007年)、『朝鮮戦争の社会史:避難・占領・虐殺』(金東椿著、平凡社、2008年)、『記憶で書き直す歴史「慰安婦」』(韓国挺身隊問題対策協議会・二〇〇〇年女性国際戦犯法廷証言チーム著、岩波書店、2020年)などがある。
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有害な男性のふるまい 進化で読み解くハラスメントの起源 | デヴィッド・M・バス, 加藤 智子(翻訳)
¥3,520
草思社 2024年 ソフトカバー 448ページ 四六判 - 内容紹介 - セクハラ、モラハラ、性的暴力、マッチングアプリでの出会い… なぜ人類のすべてが性的葛藤と闘わなければならないのか。 そこには、「男女で異なる性戦略をとってきた」という、 生物としての深い進化の歴史が関係していた。 進化生物学の観点から男女の性的対立の根源を明らかにし、 社会科学や家父長制の研究の上に新たな知見を加え、 男女の調和の道を探る、画期的書籍! ◆各界絶賛!◆ 「セクシャル・ハラスメントや性的暴力、ごく普通な夫婦間の不幸を、デヴィッド・バスの進化論的レンズなしに理解し減らそうとするのは、細菌理論なしに伝染病を理解し、撲滅しようとするようなものだ」 ジョナサン・ハイト(『社会はなぜ左と右にわかれるのか』) 「性的な攻撃に対する社会的関心は道徳的に大きな進歩であるが、我々の知的文化は、科学、常識、生活経験に反する神話や教義に執着しており、それを理解しようとする試みに躓いている。人間の性的衝突の世界的専門家たるデヴィッド・バスは、魅力的でタイムリーな本書でこれらを整理し、私たちがこれらの弊害を理解し、最小限に抑えるためのよりよい方法を身につける手助けをしてくれる」 スティーブン・ピンカー(『21世紀の啓蒙』) 「すべての霊長類が証明しているように、男女の関係性ほど私たちを惹きつける話題はない。そして、デヴィッド・バスはその興味を、経験的な発見に基づく厳密な科学、そして進化論的思考に根ざした科学に変える先駆者として、長きにわたって活躍してきた。本書は、この分野における大きな貢献である」 ロバート・M・サポルスキー(『善と悪の生物学』) 「本書は、世界で広まっている人権問題と言われているものを見事に分析している。権威があり、洞察力に優れ、共感できるバス氏の著書は、#MeToo世代にとって完璧な情報源だ」 リチャード・ランガム(『善と悪のパラドックス』) - 目次 - 第1章 男対女の戦い 第2章 配偶市場 第3章 恋愛・結婚生活の悩み 第4章 恋愛・結婚関係の対立に対処する 第5章 パートナーによる暴力 第6章 破局後のストーカー行為と復讐 第7章 性的強要 第8章 性的強要から身を守る 第9章 男女のギャップに目を向ける - 著者プロフィール - デヴィッド・M・バス (デヴィッド エム バス) (著/文) 心理学者。進化心理学の第一人者で、配偶者選択に関連したヒトの性差の進化心理学的研究でよく知られている。著作に、『女と男のだましあい:ヒトの性行動の進化』(草思社)、『「殺してやる」:止められない本能』(柏書房)、『一度なら許してしまう女一度でも許せない男:嫉妬と性行動の進化論』(PHP研究所)などがある。 加藤 智子 (カトウトモコ) (翻訳) 翻訳者。筑波大学第二学群比較文化学類卒。英国イースト・アングリア大学文芸翻訳修士課程、米国ミドルベリー国際大学院モントレー校翻訳・通訳修士課程を修了。訳書に『なぜ心はこんなに脆いのか』(草思社)、『ジョン・レノン 最後の3日間』(祥伝社)、『困った上司・やっかいな同僚:職場のストレスに負けない人の考え方』(二見書房)、『アメリカン・ハードコア』(メディア総合研究所 )など。
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それ、フェミニズムに聞いてみない? 日々のもやもやを一緒に考えるフェミニスト・ガイド | タビ・ジャクソン・ジー, フレイヤ・ローズ, 惠 愛由(訳)
¥2,420
明石書店 2024年 ソフトカバー 340ページ B6変形判 - 内容紹介 - 現代の女性が直面する日常生活の疑問や課題をフェミニストの視点から掘り下げる、現代版フェミニズム案内書。恋愛や仕事、テクノロジーやメディアの性差別など、幅広いテーマを取り上げ、ベル・フックスからボーヴォワールまで、さまざまなフェミニストの考えを解説。時代とともに変化するフェミニズムの姿を通じて、自分の立場と考え方を見つめなおすための一助となる一冊。 - 目次 - はじめに 第1章 政治と権力 ・フェミニストって誰のこと? ・男性と同じ権利なんて、もうすでに持っているんじゃない? ・どうして選挙に行かなきゃだめなの? 私の生活は変わらないけどなあ。 ・どうして見知らぬ男たちが私を「かわいこちゃん」とか「ハニー」と呼ぶんだろう? ・女性は男性よりも思いやりがあるって、なんで言っちゃだめなの? ・フェミニズムは白人女性だけのもの? ・どうしてフェミニズムはまだ平等を勝ち取っていないの? 第2章 恋愛と人間関係 ・最近デートしてる人がなんでも奢ってくれようとするんだよね。これでいいのかな? ・自分を客体化することなく、マッチングアプリを使うってできるかな? ・ワンナイトして悪いの? ・イったふりをしてるってなんでパートナーに言えないんだろう? ・私は幸せで成功もしてる。パートナーっていなきゃだめなの? ・私のボーイフレンドもフェミニストになれるかな? ・ボーイフレンドにプロポーズしたいんだけど、どう思う? 第3章 結婚と家庭生活 ・おとぎ話のような結婚式、おとぎ話のような結婚? ・結婚後、パートナーの姓を名乗るべき? ・夫も私も働いている。それなのに、なぜ私が家事をしなければならないの? ・私は子どもがほしいのだろうか? ・普通の家族ってなんだ? ・誰が育児休暇を取るべきなんだろう? ・娘は「プリンセス」と呼ばれたがっている。私はどこで間違ったのだろう? 第4章 仕事と賃金 ・主婦になりたいんだけど、だめですか? ・なぜ私は彼より安い給料で働いているんだろう? ・ボスになるには私は優しすぎる? ・私が給料の交渉をしていたとき、上司は「こんなに数字の話をしたら君はくらくらするかもしれないけれど」と言った。どういう意味だろう? ・上司が仕事ではハイヒールを履けって言ってくる。これって合法? ・出世のためには男性の同僚と飲みに行かなきゃだめなの? ・女性は裸でなければメトロポリタン美術館に入れないのか? 第5章 メディアにおける女性 ・オンラインで意見を交わす勇気はある? ・なぜ私は女性セレブの容姿にこだわるのか? ・思っていたほどストレートじゃないかも…… ・なぜ新しい服を買うのをやめられないんだろう? ・映画界の女性たちはどこにいる? ・どうして女性誌が必要なんだろう? ・テクノロジーは性差別的なのか? 第6章 私の身体は私のもの ・どうしていつも太っているような気がするんだろう? ・もし男性が子どもを産めたら何もかも変わるのかな? ・つるつるじゃなきゃだめなの? ・もし私が妊娠したら、妊娠を続けるかどうかって決められるの? ・どうして道を歩くのが怖いんだろう? 訳者あとがき 参考文献 索引 - はじめに - 給料が上がらないとか、オーガズムのこととか。「平等」ってどういうことなんだろうとか。あなたの悩みが何であれ、現代の私たちが抱える白黒はっきりしない疑問の多くを一緒に考えてくれるフェミニストたちがいます。『それ、フェミニズムに聞いてみない?』はそんな疑問を取り上げ、私たちが日々自分自身に問いかける言葉をつうじてさまざまなフェミニスト理論を学んでいく本です。 「最近デートしてる人がなんでも奢ってくれようとするんだよね。これでいいのかな?」「上司が仕事ではハイヒールを履けって言ってくる。これって合法?」─こんなふうに、名前のある一人の人が日々の中でふと浮かべるような問いを投げかけること。それがこの本のやりたいことです。こうした個人的なもやもやをひとつの出発点として、人種や階級、職業の異なる世界中のさまざまな女性たちが直面している社会の課題について話し、過去あるいは現代のフェミニストたちならそれらの問いにどう答えるだろう? と考えてみたいのです。 どうしてかって? それは、この本が取り組む議題は決して新しいものではないから。私たちが考えたいのは、「女性も、男性と同じ権利を持つべきだろうか?」という、何百年ものあいだずっと問われつづけてきた議題なのです。これまでの歴史においても、フェミニズムの波が勢いをつけ、多くの人の意識の中に入り込んだときには、この問いが大声で叫ばれることもありました。けれどたいていの場合、これは私たちが静かに、自分自身に対して問いかける言葉です。「女性も、男性と同じ権利を持つべきだろうか?」というだけじゃなく、「なぜ女性は男性と同じ権利を持てていないのだろう?」「私のまわりの人々は、男性に対してするのと同じように私に接しているだろうか?」「待って―私ってフェミニストなのか?」なんて問いもそう。 第一波から第四波までのフェミニズム運動や(世界中で獲得されつつある)選挙権の平等、経口避妊薬のような科学の分野における革命的進歩を経ても、女性たちはいまだに昔から変わらないクエスチョンマークを浮かべつづけ、それに対する満足のいく返答も得られずにいます。 けれど、フェミニズムはずっとそれらの問いに答えようとしてきました。そしてときには解決策を見出すこともありました。しかし抱えている困難の中身が変われば、それに対するフェミニストたちの返答も変わってきます。つまり、有名なフェミニストたち―たとえばベティ・フリーダンとベル・フックス、メアリ・ウルストンクラフトとシモーヌ・ド・ボーヴォワール、グロリア・スタイネムとケイト・ミレット―のあいだにも、興味深い違いが数多くあるのです。 こうした思想家たちはそれぞれ、私たちが暮らすこの世界に重要な変化をもたらしてきました。それぞれが、そのときどきで最も差し迫った問題について取り組んできました。でも驚くべきことに、溜め息が出てしまいそうだけれど、かれらが闘ったすべては依然として世界中の国々で闘われつづけている問題でもあります。それは選挙権の獲得だったり、男女間の賃金格差、男性による暴力に怯えながら暮らすことへの異議申し立てだったりします。 本書で紹介するフェミニストのうち誰が一番偉いとか、重要だとか言いたいのではありません。そうではなく、私たち自身の生活から浮かび上がるさまざまな疑問を通して思想家たちの考えを比較してみることによって、現代においてセックス[ここでは、出生時に身体的特徴から名指される性別のこと]やジェンダー[社会や文化の中で構築された性別。あるふるまいや役割が「男らしさ」「女らしさ」と結びつけられるときに働く分類の力]とはいったいどんな意味を持つのか、実感を伴って理解しようとする試みの場を持ちたいのです。オードリ・ロードの言葉を借りるなら、互いの違いを祝福することによって、女性たちはともに考え、解決策を見つけていけるから。『それ、フェミニズムに聞いてみない?』はさまざまな思想家たちの声と英智をひとところに集め、現代を生きる女性たちの疑問に対する返答を見つけようとする試みです。たとえば、「女性は男性よりも思いやりがあるって、なんで言っちゃだめなの?」「イったふりをしてるってなんでパートナーに言えないんだろう?」「テクノロジーは性差別的なのか?」「どうしていつも太っているような気がするんだろう?」なんて疑問への返答を。 もしかしたら、シュラミス・ファイアストーンのセックスについての考え方があなたのベッドでのふるまいを変えるかもしれない。ジャーメイン・グリアの考えにふれて結婚生活を思い直すかもしれない。ベル・フックスは男友だちをフェミニストにする方法を知っているし、シャーロット・ホーキンス・ブラウンはフェミニズムが白人女性だけのものに見えてはいけない理由を説明してくれる。ローザベス・カンターは職場においてもっと女性たちが敬意を払われ、正当な賃金が支払われるための助言を惜しまない。 ひとことで言えば、本書は女性が日常的に直面している多くの問題にふれ、これまでに積み重ねられた膨大なフェミニズム理論のグラデーションからそれぞれの解決案を見出そうとする本です。おなじみのあの思想家から、まだ広くは知られていないフェミニズム運動の貢献者たちまで。かれらだって意見がいつも合致するということはありません。それでも、専門家であるかれらの議論が、世界をまなざすあなたの目をほんの少しだけ変えるかもしれない。『それ、フェミニズムに聞いてみない?』は、あなたに贈る現代版フェミニズム案内です。あるいは雑誌の人生相談コーナーみたいな―その回答者があらゆる時代の偉大なフェミニストたちの知が組み合わさった、一人の頼れる女性のようだったなら? -著者プロフィール - タビ・ジャクソン・ジー (タビ ジャクソン ジー) (著) ロンドンを拠点とするジャーナリスト。全国紙や、新しく出てきたさまざまな女性向けプラットフォームで執筆活動を行っている。ファッション、テクノロジー、旅行、そして最近ではガーデニングが好き。 フレイヤ・ローズ (フレイヤ ローズ) (著) 哲学者、作家、フェミニスト。社会科学に関する多くの書籍に貢献している。 惠 愛由 (メグミ アユ) (訳) 1996年生まれ、水瓶座。同志社大学文学研究科英文学専攻修了。BROTHER SUN SISTER MOON のベースとボーカルを担当。Podcast「Call If You Need Me」を配信するほか、書評やエッセイの執筆も。訳書に『99%のためのフェミニズム宣言』(人文書院、2020)など。
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女性議員を増やしたい ZINE | 濵田真里
¥1,100
タバブックス 2023年 ソフトカバー 58ページ B6判 - 内容紹介 - ジェンダーギャップ指数で日本は政治分野が146カ国中139位。なぜ日本には女性議員が少ないのか。 政治家=スーツを着た男性、家庭と両立できない仕事という固定概念、さらに可視化されにくい女性議員・候補者へのハラスメント。 変化する社会課題解決に向け、多様な人々が政治参画するための第一歩を考えます。 これまでずっと男性主体で続いてきた「政治」を解体し、もっと多様な人たちが関われるものにする作業を、たくさんの人たちと一緒にやっていきたい。1人でも多くの人に、女性議員を増やすためにできることを見つけてほしいという思いから、このZINEを作成しました。 【目次】 はじめに 1章 女性議員はどれくらいいる? 2章 なぜ女性を増やす必要がある? 3章 女性議員が増えない理由 4章 女性議員に対するハラスメント問題 5章 女性議員・候補者のサポート活動 6章 私たちにできること 応援・ボランティア・バイスタンダー 付録① 選挙ボランティアのしおり 付録② こどもと一緒に選挙ボランティアしてみよう!リーフレット 付録③ もっと知りたい人のためのおすすめ本リスト * 『女性議員を増やしたい ZINE』 著 濵田真里 2023年4月18日発売予定 デザイン 片桐麻実 髙橋彩花 ページ B6判・58ページ
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家父長制はいらない 「仕事文脈」セレクション | 仕事文脈編集部(編)
¥1,540
タバブックス 2024年 ソフトカバー 160ページ B6変形判 縦173mm 横123mm 厚さ13mm - 内容紹介 - 格差、差別、バッシング、家族、戸籍……色んなひとが困っているけど、これって全部同じ問題=家父長制なんじゃないか? さまざまな角度から「仕事」を考えるリトルマガジン『仕事文脈』。近年掲載した記事の中からフェミニズム、ジェンダー、セクシュアリティにまつわる文章を再編集。性差別的な問題の根幹にある、男性支配的な社会システムである家父長制を解体するための言葉を収録。 - 目次 - 1.ことば・表現 小さな言葉 小沼理 Shitが溢れるインターネット空間 濵田真里 空白のビルボードを見つめて 小林美香 2.カルチャー 「伝え方が悪かったかな、勘違いさせてごめん!」 ニイマリコ 「伝統」を解体する際に 小田原のどか 美術の場でセーファースペースをつくる ケルベロス・セオリー 3.家族 文学の中の「オンナ・コドモ」ーあるいは家庭ーの領域の仕事 小川公代 シルバニアファミリーから考える 浪花朱音 結婚願望がゼロになるまで 笛美 4.社会・政治 政治家だけじゃない 私たちだって主役であるべき 和田靜香 その家父長制は誰のため?──マジョリティ男性に必要な学びとレジスタンス 清田隆之 安倍晋三という政治家が力を持った時代、女性や家族、性的マイノリティをめぐる政策はどう展開されたのか 山口智美 5.セックス びわこんどーむくんがゆく。 清水美春 セックスワーク・イズ・ワークを拒むもの 戸田真琴 6.クィア 点が線になるまで、線が面になるまで 和田拓海 ひとりで生きたい とりうみ 台湾のナイトクラブで婚姻平等を体験する 燈里 働きながら性別移行した私の経験 おいも - 前書きなど- 『仕事文脈』は、仕事や生き方、社会を考えるリトルマガジンです。近年、社会課題や政治にまつわるテーマを多く取り上げていますが、特にジェンダーやセクシュアリティ、フェミニズムにまつわる記事に大きな反響があります。そこで、この数年にわたり掲載した記事を集め、一冊の本として再編集しました。 さまざまなトピック、問題点を検証していく過程で、ジェンダー差別の要因が依然として強固な男性支配的な社会システムにあり、その背景には「家父長制」があることを実感しました。差別する側を指し示す言葉としての「家父長制」に着目し、その構造や概念を解体していきたい、という意図を込めたのが本書『家父長制はいらない』です。
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トランスジェンダーと性別変更 これまでとこれから | 高井 ゆと里
¥748
岩波書店 2024年 岩波ブックレット ソフトカバー 88ページ A5判 縦210mm 横148mm 厚さ6mm - 内容紹介 - 生殖不能要件は憲法違反――長く放置されてきた人権侵害を是正するため、「性同一性障害特例法」の改正が求められている。いま私たちに必要な基礎知識とは何なのか。特例法が制定された背景から、法・医学・国際人権の知見まで、高井ゆと里、野宮亜紀、立石結夏、谷口洋幸、中塚幹也らエキスパートが解説する。 目次 はじめに……………高井ゆと里 第1章 特例法の制定過程から考える、その意義と限界……………野宮亜紀 第2章 性別変更要件とはなにか……………立石結夏 第3章 国際人権基準と性別記載変更法の現在……………谷口洋幸 第4章 特例法とトランスジェンダー医療……………中塚幹也 おわりに……………高井ゆと里 - 著者プロフィール - 高井 ゆと里 (タカイ ユトリ) (著/文) 群馬大学情報学部准教授.哲学・倫理学.周司あきらとの共著に『トランスジェンダー入門』(集英社新書),訳書にショーン・フェイ『トランスジェンダー問題』(明石書店).
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エブリデイ・ユートピア | クリステン・R・ゴドシー, 高橋 璃子(翻訳)
¥2,970
河出書房新社 2024年 ソフトカバー 388ページ 四六判 縦191mm 横132mm 厚さ27mm - 内容紹介 - トマ・ピケティ絶賛! ユートピアは夢物語ではない。プラトンから現代まで、多様な共同体の豊富な実例を参照しながらより幸福な暮らしのあり方を考える、閉塞感に満ちた時代の希望の一冊。 - 著者プロフィール - クリステン・R・ゴドシー (ゴドシー,クリステン,R) (著/文) ペンシルベニア大学教授(ロシア・東欧学学科長)。2012年にグッゲンハイム・フェローを獲得。記事や論説は世界25か国語以上に翻訳され、ニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポスト、ミズ・マガジン、ディセント、フォーリン・アフェアーズなど国内外の多数の紙誌に登場。これまでに11冊の著書があり、話題作『あなたのセックスが楽しくないのは資本主義のせいかもしれない』は15か国語で翻訳出版された。 高橋 璃子 (タカハシ リコ) (翻訳) 翻訳家。京都大学卒業、ラインワール応用科学大学修士課程修了。訳書にゴドシー『あなたのセックスが楽しくないのは資本主義のせいかもしれない』、マルサル『アダム・スミスの夕食を作ったのは誰か?』、ノーデル『無意識のバイアスを克服する』、バークマン『限りある時間の使い方』、マキューン『エッセンシャル思考』など多数。
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フェミニズム | 竹村 和子
¥1,309
岩波書店 2024年 岩波現代文庫 ソフトカバー 234ページ 縦148mm 横105mm 厚さ10mm - 内容紹介 - フェミニズムとは、女の解放を意図しながら、「女」と位置付けられている者以外にフェミニズムを開いていくこと──最良の入門書であるとともに、男/女のカテゴリーを徹底的に解析する本書は、性差の虚構性を暴き、この身体から未来を展望する可能性を示す。齋藤純一氏との『思想』対談を付して文庫化。(解説=岡野八代) 目次 はじめに――いまフェミニズムを書くことについて Ⅰ どこから来て、そしてどこまで来たのか 前=啓蒙主義の時代 錯綜性と矛盾の胚胎 初期の女性運動――セネカ・フォールズ大会の場合 第一波フェミニズムと「ドメスティック・イデオロギー」 第二波フェミニズムとマルクス主義 ジェンダー ラディカル性と連帯意識 本質主義 精神分析に対する両面的なアプローチ セクシュアリティ Ⅱ どこへ行くのか 第1章 身体 1 身体的性差という虚構 2 〈女のエクリチュール/身体〉のアポーリア 3 形態論をめぐるフェミニズムの可能性 第2章 慣習 1 ジェンダー化され、ジェンダー化するハビトゥス 2 ホモソーシャルな公的領域 3 ポスト・ファミリーに向けて 第3章 グローバル化 1 境界によって分断される女 2 他者性の呪縛 3 グローバル化とフェミニズム Ⅲ 基本文献案内 あとがき 対談 親密圏と公共圏の〈あいだ〉――孤独と正義をめぐって……………齋藤純一・竹村和子 解説 未来からもたらされた、フェミニズム……………岡野八代 - 著者プロフィール - 竹村 和子 (タケムラ カズコ) (著/文) 竹村和子 Kazuko Takemura 1954‒2011年.元お茶の水女子大学大学院教授.お茶の水女子大学大学院修士課程修了,筑波大学大学院博士課程退学.博士(人文科学).専門は英語圏文学,批評理論,フェミニズム/セクシュアリティ研究.著書に,『愛について』(2002),『文学力の挑戦』(2012),『彼女は何を視ているのか』(2012)ほか,訳書に,J. バトラー『ジェンダー・トラブル』(1999),『触発する言葉』(2004),トリン・T. ミンハ『女性・ネイティヴ・他者』(1995)ほか多数.
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クィア・シネマ 世界と時間に別の仕方で存在するために | 菅野 優香
¥3,080
フォルムアート社 2023年 392ページ 四六判 - 内容紹介 - クィア・シネマという「可能性の地平」に向かって ジェンダーやセクシュアリティ、人種に対する規範や制度を問い直し、家族主義や都会主義に抗い、直線的な時間に逆らって歴史を書き直す。気鋭の研究者が照らし出すクィア・シネマの重層性。 アルフレッド・ヒッチコック、オードリー・ヘプバーン、ジュディ・ガーランド、グザヴィエ・ドラン、セリーヌ・シアマ、田中絹代、三池崇史、美輪明宏、原節子、高倉健……作家、スター、作品のみならず観客やコミュニティを縦横に論じる「雑種」で「不純」な映画論。 ジェンダーやセクシュアリティ、人種、コミュニティの規範や理想を強化し、教え込む教育的な役割も担ってきたシネマ(映画)。そこで生まれた「常識」や「当然」を疑うことによって、慣れ親しんできたアイデンティティやカテゴリーを問い直し、「異なる」欲望や「非規範」的な関係の可能性へと導くものこそがクィア・シネマである。直線的な時間に抗い歴史を書き直すその試みは、現在や現状を肯定することなく、可能性として存在し続ける「地平」だといえる。 4部構成による本書は、常識や当然に抗うクィア・シネマの「雑種」で「不純」なあり方を体現する。クィア・シネマの歴史や横断性、クィアの理論と歴史を俯瞰する第1部。ジュディ・ガーランドといった黄金期ハリウッドのスターから、グザヴィエ・ドランやセリーヌ・シアマといった近年の注目監督まで、アメリカおよびフランスのスターや映画作家、映画作品のわたしたちが知っているあり方とは「別」のあり方を提示する第2部。美輪明宏や原節子、高倉健といった映画スターたちと、そのファンやファンたちのコミュニティを取り上げ、雑種性が強く表れた日本映画を扱う第3部。そして、1970年代のフェミニスト映画運動や日本で開催されるクィア・LGBT映画祭を深く掘り下げ、映画とコミュニティの関係を地域性を絡めつつ論じる第4部が最後を飾る。作家論やスター論、作品論のみならず、観客論やコミュニティ論も入り混じり、クィア・シネマの射影の広さが感じられる構成になっている。 第1部のうちの2章と、黒人レズビアンをテーマにした初めての長編劇映画とされる『ウォーターメロン・ウーマン』を論じた章の計3本の書き下ろし論考を収録。また英語で発表した美輪明宏論と原節子論の邦訳も収められている。 編著や共著、雑誌などでクィア・シネマの可能性を日本に紹介してきた気鋭の映画研究者による待望の単著デビュー作。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー わたしたちは、映画を通じてジェンダーやセクシュアリティ、人種の規範性や理想を「学び」、内面化してきた。映画はそれらを映し出すだけでなく、強化し、教え込む教育的な役割を担ってきたのである。クィア・シネマの役割のひとつは、そうした規範性や理想を学び捨てること、あるいは学び直すことである。わたしたちが知っているシネマのあり方とは別のシネマのあり方を想像させてくれる「可能性の地平」がクィア・シネマだと考えたい。(「クィア・シネマの場所」より) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 【目次】 はじめに 第1部 映画文化とクィア・スタディーズ クィア・シネマの場所──歴史を変えるために クィア・シネマを知るために──クィアの理論と歴史 クィア・シネマの可能性──映画の外側へ 第2部 クィア・シネマの再発見 ヒッチコック問題──『レベッカ』と『マーニー』をめぐるフェミニスト/クィア批評 ハイスミス映画のクィアと逸脱──冷戦下のホモセクシュアリティ ヘプバーンの脆弱さと自由──『ローマの休日』から『噂の二人』へ ジュディ・ガーランドを愛するということ──キャンプ、ドラァグ、フェミニズム 時間の映画──グザヴィエ・ドランのスローモーション 最愛の夫──ヴァルダの「ドゥミ映画」を読む 話者の遍在──『ニューヨーク、ジャクソンハイツへようこそ』における移民/クィアのコミュニティ 水平の美学──セリーヌ・シアマによる親密性の技法 『ウォーターメロン・ウーマン』とオルタナティヴ・ヒストリー──黒人女性映画とレズビアニズムの邂逅 第3部 クィア・シネマとスターたち パンパン、レズビアン、女の共同体──女性映画としての『女ばかりの夜』 人種化される欲望──三池崇史と「沖縄」をめぐる映画的想像力の一考察 『女であること』と、川島雄三であること──川端康成と丸山明宏が出会う場所 クィアな共振──美輪明宏の映画スターダム 連累の観客論──原節子とクィアなジョーク ゴシップ、あるいはラディカルな知──高倉健のスター・イメージ 第4部 クィア・シネマと上映空間 政治的なことは映画的なこと──一九七〇年代の「フェミニスト映画運動」 クィア・LGBT映画祭試論──映画文化とクィアの系譜 コミュニティを再考する──クィア・LGBT映画祭と情動の社会空間 あとがき 初出一覧
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闘争のインターセクショナリティ 森崎和江と戦後思想史 | 大畑 凜
¥3,080
青土社 2024年 ハードカバー 352ページ 四六判 - 内容紹介 - 出逢い、聞き、書き記す 森崎和江の仕事をまなざすと、その思想にインターセクショナリティの萌芽を見出すことができる。フェミニズムやポストコロニアル思想などの系譜を繙くことで浮かび上がるものは何か。戦後思想史を更新する、俊英による画期の書。
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トランスジェンダーQ&A 素朴な疑問が浮かんだら | 高井 ゆと里, 周司 あきら
¥1,980
青弓社 2024年 ソフトカバー 196ページ A5判 縦210mm 横148mm 厚さ16mm - 内容紹介 - 「性別を生きる」って、どういうこと? トランスジェンダーについての基礎的な情報、性別分けスペースのこと、「トランス差別はいけないけれど気になる」疑問など、大きなクエスチョン21個、そこから派生するクエスチョン65個の問いと答えをまとめる。 - 目次 - 第1部 性別の重み 性別を重要視する社会 性別らしさと性別であること 性別と服装 性別と外見 性別と身体 性別とアイデンティティ 性別の多元性 性別分けスペース 性別二元制社会 第2部 基礎知識 Q1:トランスジェンダーとはどんな人たちを指すの? Q2:トランスジェンダーって、「女らしさ」や「男らしさ」の押し付けがいやな人たちのこと? Q3:トランスジェンダーの人たちは、どれくらいいるの? Q4:「性別を変える」ってどういうこと? Q5:生活上の性別を変えるって、何をするの? Q6:身体の特徴を医学的に変えるって、何をするの? Q7:書類上の性別(戸籍)を変えられるの? Q8:ノンバイナリーの人も性別を変えるの? Q9:トランス男性は男の人、トランス女性は女の人、と理解しておけばいい? Q10:自分の望みどおりに性別を「変えた」トランスジェンダーの人たちは、もう困りごとはないの? Q11:どんなことが理由で差別を受ける? Q12:差別の現状を示すデータについて、もう少し知りたいな Q13:ノンバイナリーの人たちも差別を受ける? Q14:最近、SNSでトランスヘイトがひどいよね? 第3部 性別分けスペース 素朴な疑問は素朴ではない 未来を考えるために Q15:トランスジェンダーは性別分けスペースに混乱を招きませんか? Q16:性別分けスペース①トイレ Q17:性別分けスペース②公衆浴場 Q18:性別で分かれることがある活動――スポーツ 第4部 「トランス差別はいけないけれど気になる」疑問 Q19:トランスジェンダーと医療 Q20:トランスジェンダーと社会の変化 Q21:トランスジェンダーとジェンダー特権 あとがき もっと知りたいあなたへ - 版元から一言 - トランスジェンダーの人たちは生活上の困難を抱え、様々な不合理や社会からの排除に直面しています。また、SNSを中心にトランス差別・ヘイトが急速に拡大して、トランスジェンダーの人たちの生存を脅かしています。 様々な「議論」をする前に、トランスジェンダーの人たちの「生きる現実」を知ることがなにより必要です。 「なぜ性別が社会で重視されるのか?」「トランスジェンダーとは?」「性別を変えるために何が必要?」「トランスジェンダーの人たちが直面している困難は?」「トランス差別・ヘイトがなぜ跋扈しているのか?」――。 本書は、性別を重視するいまの社会のありようを押さえたうえで、トランスジェンダーをめぐる大きなクエスチョンを21個、そこから派生するクエスチョンを65個設けています。それらの基礎的な質問から性別分けスペースにまつわる疑問、「トランス差別はいけないけれど気になる」疑問まで、語りかける文体でわかりやすく答えています。 いまの社会がどうなっていて、そこでトランスジェンダーの人たちがどんな困りごとを経験していて、それを解決するには何が必要なのか――Q&A形式でそれらを具体的に知ることができる一冊です。 - 著者プロフィール - 高井 ゆと里 (タカイ ユトリ) (著) 群馬大学准教授。専攻は倫理学。著書に『ハイデガー』(講談社)、編著に『トランスジェンダーと性別変更』(岩波書店)、共著に『トランスジェンダー入門』(集英社)、訳書にショーン・フェイ『トランスジェンダー問題』(明石書店)など。 周司 あきら (シュウジ アキラ) (著) 主夫、作家。著書に『トランス男性による トランスジェンダー男性学』(大月書店)、共著に『トランスジェンダー入門』(集英社)、『埋没した世界』(明石書店)など。
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多様性との対話 ダイバーシティ推進が見えなくするもの | 石丸沙織, 長田佳子
¥1,760
青弓社 2021年 青弓社ライブラリー ソフトカバー 240ページ 四六判 縦188mm 横128mm 厚さ16mm - 内容紹介 - LGBT、ジェンダー、移民、多文化共生、視覚障害者、貧困、生きづらさ、当事者研究、インターセクショナリティ、教育実践――様々な分野の多様性との対話を通して、それらが抱える問題点を批判的に検証し、差別構造の解消に向けた連帯と実践の可能性を探る。 目次 第1章 多様性との対話 岩渕功一 1 BLMとD&Iの取り違え 2 「多様性/ダイバーシティ推進」が見えなくするもの 3 日本での多様性/ダイバーシティ推進 4 多様性との対話 5 誰もが生きやすい社会に向けた横断的連携 6 インターセクショナリティと連帯の可能性 7 学び(捨て)の実践 第2章 ダイバーシティ推進とLGBT/SOGIのゆくえ――市場化される社会運動 新ヶ江章友 1 ダイバーシティ推進とは何か 2 経営学におけるダイバーシティ・マネジメントとは何か 3 ダイバーシティ・マーケティングとLGBT/SOGI 4 LGBTマーケティングと人権問題への意識 論点1 多文化共生がヘイトを超えるために 塩原良和 第3章 移民・多様性・民主主義――誰による、誰にとっての多文化共生か 髙谷 幸 1 多文化共生をめぐるこれまでの批判 2 多文化共生をめぐる問い――「何」から「誰」へ 3 誰にとっての多文化共生か 4 移民にとっての多文化共生か、地域にとっての多文化共生か 5 誰による多文化共生か 第4章 生活保護言説における「日本人」と「外国人」を架橋する 河合優子 1 生活保護制度の歴史と現状 2 生活保護言説と「日本人」 3 生活保護言説と「外国人」 論点2 メディア研究における「ダイバーシティ」の現在 林 香里 第5章 「生きづらさからの当事者研究会」の事例にみる排除の多様性と連帯の可能性 貴戸理恵 1 「個人化・リスク化した排除の苦しみ」としての生きづらさ 2 当事者研究での個別性・多様性と共同性のつながり 3 多様性に立脚したつながりとは何か 第6章 「同じ女性」ではないことの希望――フェミニズムとインターセクショナリティ 清水晶子 1 「#トランス女性は女性です」 2 インターセクショナリティ 3 「交差」の誤解 4 同じではないことの連帯 論点3 みえない「特権」を可視化するダイバーシティ教育とは? 出口真紀子 第7章 共生を学び捨てる――多様性の実践に向けて 小ヶ谷千穂 1 「共生のフィールドワーク」という授業について 2 体当たりの邂逅――「正しい共生」のプレッシャーからの解放? 3 距離をとられる、という経験――自らのまなざしに気づく 4 ミックス・ルーツの学生の経験――自分自身を問い直す 第8章 アート/ミュージアムが開く多様性への意識 村田麻里子 1 多様性の砦としてのアート/ミュージアム 2 多様性の奨励とその課題 3 アート/ミュージアム実践が投げかける問い 論点4 批判にとどまらず具体的に実践すること 松中 権[インタビュー聞き手:岩渕功一] あとがき 岩渕功一 - 版元から一言 - 多様性の時代だと言われる。多様な背景をもつ人材の活用が革新的な創造性を高めるとして、企業、政府、地方自治体、教育機関、NGO/NPO、市民団体で多様性/ダイバーシティを奨励する動きが活発化している。 多様性/ダイバーシティの推進は女性、LGBT、障害者などの社会的なマイノリティの存在に目を向ける一方で、有用で受け入れやすい差異を選別化することで、いまだ続く差別・不平等を見えなくするとともに、新たな包摂と排除を生み出してもいる。 多様性/ダイバーシティの推進により建設的に取り組むには、構造化・制度化された差別・不平等の複雑な作用を理解して、様々な差異を平等に包含する方途を考え続けること、つまり、多様性と対話することが必要不可欠である。 LGBT、ジェンダー、移民、多文化共生、視覚障害者、貧困、生きづらさ、当事者研究、インターセクショナリティ、教育実践――様々な分野の多様性との対話を通して、それらが抱える問題点を批判的に検証し、差別構造の解消に向けた連帯と実践の可能性を探る。 - 著者プロフィール - 岩渕 功一 (イワブチ コウイチ) (編著) 関西学院大学社会学部教授。専攻はメディア・文化研究。著書にResilient Borders and Cultural Diversity(Lexington Books)、『トランスナショナル・ジャパン』(岩波書店)、編著書に『〈ハーフ〉とは誰か』(青弓社)など。
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生理用品の社会史 | 田中 ひかる
¥1,056
KADOKAWA 2019年 角川ソフィア文庫 ソフトカバー 304ページ 文庫判 - 内容紹介 - 日本女性の生活を大きく変えた画期的な商品「アンネナプキン」。その誕生は、ほんの50年ほど前のことである。女性の社会進出を支えた商品開発の裏には、一人の女性経営者の一筋縄ではいかないドラマがあった――。植物、絹、脱脂綿、ビクトリヤなど、不便で不快だった古い経血処理の方法から、欧米ほどタンポンの使用が普及しなかった理由まで。一大ビジネスへと発展した、女性史にとどまらない日本社会の変遷を明らかにする。 目次 はじめに 第一章 ナプキンがなかった時代の経血処理―植物から脱脂綿まで 第二章 生理用品の進化を阻んだ月経不浄視―「血の穢れ」の歴史 第三章 生理用品が変えた月経観―アンネナプキンの登場 第四章 今日の生理用品―ナプキンをめぐる“イデオロギー” おわりに 文庫版あとがき 引用・参考文献 生理用品関連年表 アンネ社広告資料 - 著者プロフィール - 田中 ひかる (タナカ ヒカル) (著/文) 1970年東京生まれ。学習院大学法学部卒業後、非常勤講師を経て専修大学大学院修士課程で歴史学、横浜国立大学大学院博士課程で社会学を専攻(学術博士)。