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LA MAISON DE ROSALIE (ROSALIE'S HOUSE)|Agnès Varda, Valentine Schlegel
¥3,850
ÉDITIONS SÉBASTIEN MOREU 2021年 ハードカバー 48ページ 148 x 210 mm - 内容紹介- フランス人彫刻家、ヴァレンタイン・シュレーゲル(Valentine Schlegel)とフランス人映画監督であるアニエス・ヴァルダ(Agnès Varda)の作品集。フランスの衣装デザイナー、アートディレクターであるロザリー・ヴァルダ・ドゥミ(Rosalie Varda-Demy)著。ヴァレンタインの作品やポートレートを、アニエスが撮影したものが収録されている。本作のタイトルである『LA MAISON DE ROSALIE(ROSALIE'S HOUSE / ロザリーの家)』は、ヴァレンタインが1959年に制作した小さな彫刻作品のタイトルより引用。作者の幼馴染であるアニエス・ヴァルダが娘のロザリーを孕っているようすを表現している。生まれ育った南フランスのセートや、パリのダゲール通りで芸術家としての人生が絡み合い育まれたように、アニエスとヴァレンタインの作品が今でも繋がり合うよう、一冊の本に2人の作品を集めるため、2020年にロザリー自身が『ロザリーの家』を貸し出した。アニエスは2019年、ヴァレンタインは2021年にこの世を去っている。
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THE ORDINARY? | Leandro Erlich
¥6,050
MY BOOK SERVICE 2014年 ハードカバー 200ページ 224 x 296 mm - 内容紹介- アルゼンチン人アーティスト、レアンドロ・エルリッヒ(Leandro Erlich)の作品集(邦題「ありきたりの?」)。作者は階段やエレベーターといった誰もが共有できる日常的な事物を素材に、人々の現実認識に変容をもたらす作品を数多く発表してきている。ごくありきたりのものに未知の新しい要素が加わることで、我々の感覚は揺さぶられ、驚きと悦びを与えてくれる。その作品はどれも親しみやすく、ユーモラスであり、鑑賞者の自然な参加を促している。本書は2014年に金沢21世紀美術館で開催された初の大規模個展「レアンドロ・エルリッヒ ―ありきたりの?」に伴い刊行された一冊。恒久設置作品『スイミング・プール』と展示室内の風景写真を巻頭45ページにわたって掲載。テキストは完全日英バイリンガルであり、作者本人へのインタビューと、3本の書き下ろしテキストで構成される。後半は展示以外の主要作品の図版と解説(約100ページ)、巻末にはドローイングと作家歴を収載。本書は、作者の作品集の中で、最も包括的な一冊と言える。 書き下ろしテキスト: 黒澤浩美(金沢21世紀美術館チーフ・キュレーター)「新しい世界の作り手―レアンドロ・エルリッヒ」 / ニコラ・ブリオー(パリ国立美術大学ディレクター / 美術評論家)「虚偽・架空」 / 塩塚秀一郎(京都大学大学院人間・環境学研究科准教授 / フランス文学・文化)「知覚の転換をめぐる冒険:エルリッヒとぺレック」
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CARMEN HERRERA|CARMEN HERRERA
¥7,040
LISSON GALLERY 2018年 ハードカバー 78ページ 290 x 235 mm - 内容紹介- ニューヨークを拠点に活動するキューバ系アメリカ人アーティスト、カルメン・ヘレーラ(Carmen Herrera)の作品集。アーティストとしての生涯をかけて、徹底して抽象的でミニマルな作風を極めてきた。作者のペインティングの本質はくっきりした輪郭と直線にあると思われるかもしれないが、近くで観察してみれば手作業で塗られていることが分かり、果てしない色の広がりに予想を裏切られる。ディプティックやトリプティック(二連あるいは三連の絵画作品)の構造がさりげなく取り入れられた直近の作品を披露した展覧会もまた、大きなキャンバスを見事に仕上げる卓越した手腕を示している。また本書では、ニューヨークにあるスタジオと自宅の写真も見ることができる。収録されているエッセイでアメリカ人キュレーター/美術批評家のロバート・ストー(Robert Storr)はこう記している。 「2015年の作品『Alpes』でヘレラは緑と白の三角形を交互に描いた。食いしばった歯のようなパターンが続くと思えば、最後の緑色の『歯』だけが抜け落ちている。このために全体的な連続性は失われ、二枚絵の内側にかろうじて収まっているどこまでも続く白の広がりの中に消えていくのである。」 様々な芸術運動が起こった1930年代から1940年代にかけて、ハバナ、パリ、ニューヨークに暮らした作者だが、ラテン・アメリカやヨーロッパの構成主義やコンクリート・アート、さらにはモンドリアンの新造形主義やパリのアブストラクション・クレアション運動の流れを汲んだ彼女のスタイルからも、自分自身を芸術史上の特定のグループに属しているとみなしたことがないことは注目に値する。ジェンダーや国籍などの枠に囚われないアーティストであるヘレラが帰属意識を持つとすれば、それは純粋なモダニズムである。また彼女の作品には、芸術活動が盛んであったどの時代よりもむしろ建築の「インターナショナル・スタイル」の精神や土台が反映されているように思われる。本書は、ニューヨークの「 Lisson Gallery」で2016年5月3日から6月25日まで開催された展覧会に伴い刊行された。
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Primal Mountain|濱田祐史
¥4,400
torch press 2019年 ハードカバー 112ページ A4変型判 縦212mm 横289mm 厚さ10mm - 内容紹介 - 濱田の代表作のひとつである「Primal Mountain」は、一見すると山の風景写真の様に見えますが、実は私たちの身近にある素材で作られた「山」であることに気付きます。「真実と虚」「見えるものと見えないもの」という自身のテーマを震災の体験が繋がっていく中、ある日友人から届いた山の写真のポストカード。濱田は、そこに写る美しさとともにある嘘っぽさに、これらの「山」は果たして本当の山なのか、という疑問を抱き、 「Primal Mountain」の撮影を始めました。目の前に見えている山を、私たちは一体何をもって山だと認識するのでしょうか。ここでは〝作られた”ランドスケープを、私たちの脳がつい風景だととらえてしまうことさえ、心地いい経験となっていくのです。 本作では、袋とじ仕様で、すべてのページの裏側に写真の拡大図を印刷し、横からそれらのイメージが覗けるような仕様を採用しています。「見えるものと見えないもの」を一冊の中で体現した仕掛けで、ページをめくる行為を通して、リアルとファンタジーの間を軽やかにたゆたい、「見ること」とは何かを問いかけます。巻末には松岡正剛による本シリーズへの寄稿も収録。 - 著者プロフィール - 濱田祐史 (ハマダユウジ) (著/文) 1979 年大阪府生まれ。2003年日本大学芸術学部写真学科卒業。写真の原理に基づき概念を構築し、ユニークな技法で常に新しい試みを行う。 写真集『photograph』が Paris Photo/Aperture First Photobook Award 2014にノミネートされるなど、東京を拠点に活動し国内外で作品発表をしている。主な個展に「写真における色のシリーズ」の三作「K」「RGB」「C/M/Y」(PGI、東京)、「photograph」「Primal Mountain」(GALLERIE f5.6、ミュンヘン)がある。主な展示にスイスのFestival Images(2014年)、フランスのAix en Province Photo Festival(2015年)など。写真集に『C/M/Y』(Fw:books)、『BRANCH』(lemon books)がある。