torch press 2019年
ハードカバー 112ページ
A4変型判 縦212mm 横289mm 厚さ10mm
- 内容紹介 -
濱田の代表作のひとつである「Primal Mountain」は、一見すると山の風景写真の様に見えますが、実は私たちの身近にある素材で作られた「山」であることに気付きます。「真実と虚」「見えるものと見えないもの」という自身のテーマを震災の体験が繋がっていく中、ある日友人から届いた山の写真のポストカード。濱田は、そこに写る美しさとともにある嘘っぽさに、これらの「山」は果たして本当の山なのか、という疑問を抱き、
「Primal Mountain」の撮影を始めました。目の前に見えている山を、私たちは一体何をもって山だと認識するのでしょうか。ここでは〝作られた”ランドスケープを、私たちの脳がつい風景だととらえてしまうことさえ、心地いい経験となっていくのです。
本作では、袋とじ仕様で、すべてのページの裏側に写真の拡大図を印刷し、横からそれらのイメージが覗けるような仕様を採用しています。「見えるものと見えないもの」を一冊の中で体現した仕掛けで、ページをめくる行為を通して、リアルとファンタジーの間を軽やかにたゆたい、「見ること」とは何かを問いかけます。巻末には松岡正剛による本シリーズへの寄稿も収録。
- 著者プロフィール -
濱田祐史 (ハマダユウジ) (著/文)
1979 年大阪府生まれ。2003年日本大学芸術学部写真学科卒業。写真の原理に基づき概念を構築し、ユニークな技法で常に新しい試みを行う。 写真集『photograph』が Paris Photo/Aperture First Photobook Award 2014にノミネートされるなど、東京を拠点に活動し国内外で作品発表をしている。主な個展に「写真における色のシリーズ」の三作「K」「RGB」「C/M/Y」(PGI、東京)、「photograph」「Primal Mountain」(GALLERIE f5.6、ミュンヘン)がある。主な展示にスイスのFestival Images(2014年)、フランスのAix en Province Photo Festival(2015年)など。写真集に『C/M/Y』(Fw:books)、『BRANCH』(lemon books)がある。