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精神の考古学 | 中沢 新一
¥2,970
新潮社 2024年 ハードカバー 432ページ 四六変型判 縦197mm 横138mm 厚さ27mm - 内容紹介 - 人類の心の「普遍的構造」を求めて。中沢人類学の集大成となる、決定版!遠い過去の時代に、人間はどのような心を持ち、なにを考えていたのか。それを知るには、まだそれが残っている現場に身を置くことだ。若き人類学者・中沢新一は秘教の地へと向かう。恩師ケツン先生から得た知恵は、やがて独自の思想の構築へとつながり、「精神そのもの」へと導いていく――人生を賭けた冒険の書。
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世代とは何か | ティム・インゴルド, 奥野 克巳(翻訳)
¥2,530
亜紀書房 2024年 ソフトカバー 244ページ 四六判 縦188mm 横130mm 厚さ18mm - 内容紹介 - 【推薦】中島岳志さん(政治学者) 「生者は死者と未来の他者を、同じテーブルに呼び集めて、対話しなければならない。」 ********** ──地球規模の危機を乗り越え、未来を確かなものにするために、わたしたちは何をすべきか。 巨大な危機に直面したいま、私たちは「古いやり方」に立ち戻る必要がある、とインゴルドは唱える。 古来、脈々と紡がれてきた「知恵」とは、いったいどのようなものだろうか? ティム・インゴルド思想のエッセンスを総動員して語られる、希望の書。 - 目次 - ●日本の読者のみなさまへ ●まえがき 第1章 世代と生の再生 親子関係 系譜学的モデル 相続と持続性 第2章 人の生涯[ライフコース]をモデル化する 年を取り、子をなす 歴史の天使 釣鐘曲線 生と死 第3章 道を覚えていること 薄層で覆われた地面 過去からの道 アーカイブからアナーカイブへ 懐かしむこと 第4章 不確実性と可能性 呪いを解く くぐり抜けながらおこなう 注意の構造 驚愕と感嘆 第5章 喪失と絶滅 種のカタログ 子をなすことの系譜 人種と世代 保全と、ともに生きること[コンヴィヴィアリティ] 第6章 人類を再中心化する 人間を超えて、人間する[ヒューマニング] 例外主義の告訴 進歩と持続可能性 群れとタービンについて 第7章 教育のやり方 学究的な姿勢 理性と応答可能性 新しい人々、古いやり方 知恵と好奇心 第8章 科学技術の後に STEMからSTEAMへ 科学とアーツ デジタル化と手先仕事 結び ●解説に代えて ●原注 - 前書きなど - ティム・インゴルドは、私たちが直面している惑星規模の危機に対処するために、世代をめぐる考え方をひっくり返そうとします。 そのために、複数の世代が祖先の道に沿ってともに生き、ともに働くことによって、自らと子孫たちにとっての未来を確かなものにするという失われてしまった考えを、私たちのうちに再び取り戻そうとするのです。──奥野克巳 - 著者プロフィール - ティム・インゴルド (ティム インゴルド) (著/文) 1948年イギリス・バークシャー州レディング生まれの人類学者。1976年にケンブリッジ大学で博士号を取得。1973年からヘルシンキ大学、マンチェスター大学を経て、1999年からアバディーン大学で教えている。 『ラインズ──線の文化史』(2014年、左右社)、『メイキング──人類学・考古学・芸術・建築』(2017年、左右社)、『ライフ・オブ・ラインズ──線の生態人類学』(2018年、フィルムアート社)、『人類学とは何か』(2020年、亜紀書房)、『生きていること』(2021年、左右社)、『応答、しつづけよ。』(2023年、亜紀書房)などがある。
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ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと | 奥野 克巳
¥935
新潮社 2023年 新潮文庫 ソフトカバー 388ページ 文庫判 縦151mm 横106mm 厚さ14mm - 内容紹介 - ボルネオ島の森で、狩猟採集中心の暮らしを営む人々、プナン。彼らは借りたものを壊しても謝らず、礼も言わない。感謝や反省の概念がないのだ。所有感覚も希薄で、食料は皆で分け合い、子どもも実子養子の区別なく育てられる。長年フィールドワークを続ける著者は、資本主義にとらわれないプナンとの生活の中で、人間の生の可能性を思考していく――。常識をひっくり返す、刺激に満ちた一冊。
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子どもの文化人類学 | 原 ひろ子
¥1,100
筑摩書房 2023年 ちくま学芸文庫 ソフトカバー 272ページ 文庫判 - 内容紹介 - 極北のインディアンたちは子育てを「あそび」とし、性別や血縁に関係なく楽しんだ。親子、子どもの姿をいきいきと豊かに描いた名著。 解説 奥野克巳 === 極北の雪原に生きる狩猟民ヘヤー・インディアンたちにとって、子育ては「あそび」であり日々のこの上ない楽しみだった。ジャカルタの裏町に住むイスラム教徒は、子どもの喧嘩を「本人同士のビジネス」と言って止めずに眺めていた。本書は、環境や習慣が異なる社会における親子、子どものありかたをいきいきと描き出した文化人類学的エッセイである。どのような社会に生まれても子どもは幅広い可能性を内包しながら成長していくことが、みずからのフィールドワーク経験をもとにつづられる。鮮彩なエピソードの数々が胸を打つ名著。 === 成長の道はひとつではない 子どもの豊かな可能性をひらく名著 === 目次 1切ることと創ること 2親の仕事を知らない子どもたち 3からだとつきあう その一 4からだとつきあう その二 5一人で生きること 6けんかをどうとめるか 7親子のつながり 8あそび仲間のこと 9「あそび」としての子育て 10「親にならない」という決断 11自然の中で作るおもちゃ 12きびしい自然の中の子育て 13〝自然みしり〞をする 14「子どもぎらい」の文化 15母系制社会の子ども 16男女の分業について 17キブツの男女・親子関係 18バングラデシュの女の子たち 19〝がめつさ〞について 20男の子の「家出」について 21しつけの男女差 22離婚と子ども その一 23離婚と子ども その二 24ディズニーランドの文化 25文化のなかの教育 その一 26文化のなかの教育 その二 27文化のなかの教育 その三 あとがき 解説(奥野克巳) - 著者プロフィール - 原 ひろ子 (ハラ ヒロコ) (著/文) 1934-2019年。東京大学教養学部卒業。ブリンマー大学大学院修了。文化人類学、ジェンダー研究が専門。拓殖大学助教授、法政大学助教授、お茶の水女子大学名誉教授などを歴任した。主な著書に『ヘヤー・インディアンとその世界』、『極北のインディアン』、『人間はわかりあえるか──ある文化人類学者の旅』、『しつけ』(共著)などがある。
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はじめての人類学 | 奥野 克巳
¥990
講談社 2023年 講談社現代新書 ソフトカバー 224ページ 新書判 - 内容紹介 - 「人間の生」とは一体何なのか。今から100年前、人類学者たちはその答えを知ろうとしてフィールドワークに飛び出した。マリノフスキ、レヴィ=ストロース、ボアズ、インゴルドという4人の最重要人物から浮かび上がる、人類学者たちの足跡とは。これを読めば人類学の真髄が掴める、いままでなかった新しい入門書!
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くらしのアナキズム | 松村 圭一郎
¥1,980
ミシマ社 2021年 ソフトカバー 240ページ 四六判 縦188mm 横128mm 厚さ19mm - 内容紹介 - 国家は何のためにあるのか? ほんとうに必要なのか? 「国家なき社会」は絶望ではない。 希望と可能性を孕んでいる。 よりよく生きるきっかけとなる、 〈問い〉と〈技法〉を 人類学の視点からさぐる。 本書でとりあげる「人類学者によるアナキズム論」とは… ・国家がなくても無秩序にならない方法をとる ・常識だと思い込んでいることを、本当にそうなのか? と問い直す ・身の回りの問題を自分たちで解決するには何が必要かを考える アナキズム=無政府主義という捉え方を覆す、画期的論考! *** この本で考える「アナキズム」は達成すべき目標(・・)ではない。むしろ、この無力で無能な国家のもとで、どのように自分たちの手で生活を立てなおし、下から「公共」をつくりなおしていくか。「くらし」と「アナキズム」を結びつけることは、その知恵を手にするための出発点(・・・)だ。(「はじめに」より) *** ミシマ社創業15周年記念企画 - 目次 - はじめに 国家と出会う 第一章 人類学とアナキズム 第二章 生活者のアナキズム 第三章 「国家なき社会」の政治リーダー 第四章 市場(いちば)のアナキズム 第五章 アナキストの民主主義論 第六章 自立と共生のメソッド――暮らしに政治と経済をとりもどす おわりに - 著者プロフィール - 松村圭一郎 (マツムラケイイチロウ) (著/文) 1975年熊本生まれ。岡山大学文学部准教授。専門は文化人類学。所有と分配、海外出稼ぎ、市場と国家の関係などについて研究。著書に『うしろめたさの人類学』(ミシマ社、第72回毎日出版文化賞特別賞)、『はみだしの人類学』(NHK出版)、『これからの大学』(春秋社)など、共編著に『文化人類学の思考法』(世界思想社)、『働くことの人類学』(黒鳥社)。
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アイヌがまなざす 痛みの声を聴くとき | 石原 真衣, 村上 靖彦(著/文)
¥2,970
岩波書店 2024年 ハードカバー 376ページ 四六判 縦188mm 横129mm 厚さ26mm - 内容紹介 - いまだ継続する不正義と差別に抗して、アイヌの人々は何を問い、行動してきたのか。五人の当事者へのインタビューから現代アイヌの〈まなざし〉を辿ると共に、アイヌの声を奪い、語りを占有し続ける日本人のあり方を問う。 目次 序 章 まなざされるアイヌとまなざし返すアイヌ 第1部 遺骨返還運動とアイヌ近代史 第1章 先人の尊厳と未来の教育――遺骨返還運動にたずさわる木村二三夫さん 第2章 アイヌ文化を伝えられてこなかったことに誇りを持っている――親族の遺骨を探索するBさん 第3章 幽閉されるアイヌと遺骨 第2部 インターセクショナリティ 第4章 アイヌ女性と複合差別――ヘイトスピーチと闘う多原良子さん 第5章 先住民フェミニズム批評――Ain't I a Woman? /「私」は女ではないの? 第3部 アイヌと外部を行き来する 第6章 羽をパタパタさせればいい――アイヌ近現代史研究者である新井かおりさん 第7章 家出少年は傍らに神話を持つ――美術家結城幸司さん 第8章 思想的消費とまなざしの暴力 終 章 まなざしの転換 あとがき 交差する場所をひらく 謝 辞 - 著者プロフィール - 石原 真衣 (イシハラ マイ) (著/文) 1982年北海道サッポロ市生まれ.アイヌと琴似屯田兵(会津藩)のマルチレイシャル.北海道大学アイヌ・先住民研究センター准教授.文化人類学,先住民フェミニズム.著書に『〈沈黙〉の自伝的民族誌(オートエスノグラフィー)』(北海道大学出版会2020,大平正芳記念賞),編著書に『アイヌからみた北海道150年』(北海道大学出版会2021),『記号化される先住民/女性/子ども』(青土社2022)など. 村上 靖彦 (ムラカミ ヤスヒコ) (著/文) 1970年東京都生まれ.大阪大学人間科学研究科教授・感染症総合教育研究拠点(CiDER)兼任教員.現象学.著書に『摘便とお花見』(医学書院2013,日本学術振興会賞),『子どもたちがつくる町』(世界思想社2021),『ケアとは何か』(中公新書2021),『「ヤングケアラー」とは誰か』(朝日新聞出版2022),『客観性の落とし穴』(ちくまプリマー新書2023),『すき間の哲学』(ミネルヴァ書房2024近刊)など.
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アーカイブのちから 世界は足跡(アーカイブ)に満ちている | 伊東 未来, 岩城 考信, 宮本 隆史, 森昭子
¥990
SOLD OUT
風響社 2023年 ブックレット〈アジアを学ぼう〉別巻 ソフトカバー 88ページ A5判 - 内容紹介 - 民家・古写本・美術カタログ・流刑囚の書…… 本書は、これらの痕跡や存在そのもの、転用・誤読・秘匿などの作為や来歴も含めて「アーカイブ」を論じる。さまざまな「アーカイブ」のありようから、AI時代にいたる「情報の集積」なるものの本質に迫る。 目次 はじめに(伊東未来・宮本隆史) 1 「アーカイブ」にあふれた現代 2 「アーカイブ」は自明の何かではない 3 「アーカイブ」の価値も自明ではない 4 「アーカイブ」をとらえるさまざまな視座 Ⅰ タイ中部の高床式住宅に刻まれた洪水への対応史(岩城考信) はじめに 11 1 高床式住宅の建築的な特徴 2 タイ中部の洪水常襲地域にあるバーンバーン地区の洪水対策と高床式住宅 3 2011年大洪水時のバーンバーン地区における対応の多様性 Ⅱ トンブクトゥにおける写本の救出活動(伊東未来) 1 はじめに 2 トンブクトゥの歴史と写本図書館 3 「読める」写本――アラビア語写本に対する住民の矜持 4 トンブクトゥにおける混乱と危機 5 写本の危機と移送 6 おわりに Ⅲ ガーナ南部の看板絵と芸術実践から読み解くアーカイブ(森 昭子) 1 はじめに――残らない看板絵 2 欧米博物館におけるアフリカ看板絵のアート化 3 欧米アートワールドにおけるアフリカ看板絵のアーカイブ化 4 アフリカ人美術匠による看板絵のアーカイブ化 5 おわりに――看板絵と芸術実践から読み解くアーカイブ Ⅳ アーカイブをめぐる綱引き ――アンダマーンの流刑囚による書きものの場合(宮本隆史) 1 はじめに 2 アンダマーンの歴史とその喪失 3 ターネーサリーとそのテクスト 4 民族主義のテクストへ? 5 おわりに――安全な過去としての「独立戦争」 おわりに(宮本隆史・伊東未来) あとがき(伊東未来) - 著者プロフィール - 伊東 未来 (イトウ ミク) (著/文) 1980年、福岡県生まれ。 大阪大学大学院博士前期課程修了。 現在、大阪大学大学院博士後期課程在籍。日本学術振興会特別研究員(DC2)。 主な論文に「社会に呼応する同時代のアフリカン・アート─マリ共和国のアーティスト集団カソバネを事例に─」(『アフリカ研究』第75号、2009年12月、17-28頁)、「イスラーム「聖者」概念再考への一考察─マリ共和国ジェンネのalfaを事例に」(『年報人間科学』第30号、2008年3月、83-100頁)などがある。 宮本 隆史 (ミヤモト タカシ) (著/文) 1979年、京都市生まれ。 東京大学大学院総合文化研究科博士課程 日本学術振興会特別研究員DC 主な論文に「植民地統治と監獄制度─19世紀中葉の海峡植民地における囚人の管理」(『南アジア研究』19号、2007年)、「19世紀英領海峡植民地における監獄制度、1820─70年代」(『年報地域文化研究』10号、2007年)などがある。 http://miyamotolog.com
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声と文字の人類学 | 出口 顯
¥1,760
NHK出版 2024年 ソフトカバー 272ページ B6判 - 内容紹介 - 「文字イコール文明」というイメージを覆す 「文字による伝達が生まれると文明が生まれる」と見る人類史が見落としてきた事例は多い。本書は、古代ギリシャから中世英国、近代日本、現代バリまで、「声より先に文字がある」「文字記録が信頼されない」例を集め、字を書くことと「口伝え」との境界面を探ることを通じて文明の常識を問いなおす。 - 著者プロフィール - 出口 顯 (デグチ アキラ) (著/文) 島根大学名誉教授。1957年島根県生れ。筑波大学比較文化学類卒業、東京都立大学大学院社会科学研究科博士課程退学、のち博士(文学)。島根大学法文学部教授を長く務めた。専門は構造主義をはじめとする文化人類学理論の研究、アメリカ大陸先住民の神話分析の理論の研究など。著書に『臓器は「商品」か』(2001年、講談社現代新書)、『神話論理の思考』(2011年、みすず書房)、『ほんとうの構造主義』(2013年、 NHKブックス)など。
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ヴィジュアル版 沖縄文化論 忘れられた日本 | 岡本 太郎
¥1,320
中央公論新社 2024年 中公文庫 ソフトカバー 256ページ 文庫判 - 内容紹介 - 身体全体がふくれあがるような日々だった。ふれるものすべてに問題を発見し、ぎりぎり集中して行った。――一九五九年に本島、久高島、宮古島、石垣島、竹富島、そして六六年に久高島を再訪。沖縄に恋をした芸術家が見た舞踊、歌、そして神事からの日本再発見。毎日出版文化賞受賞作。著者撮影による写真口絵六四ページを収録。 〈随筆〉岡本敏子 〈解説〉外間守善/赤坂憲雄 (目次より) 沖縄の肌ざわり 「何もないこと」の眩暈 八重山の悲歌 踊る島 神と木と石 ちゅらかさの伝統 結 語 増補 神々の島 久高島 本土復帰にあたって あとがき 「一つの恋」の証言者として 岡本敏子 新版に寄せて 岡本太郎の『沖縄文化論』を読む 外間守善 解説 赤坂憲雄 - 著者プロフィール - 岡本太郎 (オカモトタロウ) (著/文) 一九一一年、東京生まれ。岡本一平・かの子の長男。二九~四〇年までパリに住み芸術運動に参加する一方、パリ大学で哲学・社会学・民俗学を専攻、ジョルジュ・バタイユらと交わる。三八年、国際超現実展に招かれ「傷ましき腕」を出品。四六年から現代芸術の旗手として次々と話題作を発表する。五四年、ヴェニス・ビエンナーレに日本代表として出品。五六年、東京都庁舎に十一面の陶板壁画、また数寄屋橋公園の「若い時計台」、東京オリンピック公式参加メダル、国立屋内競技場の壁画、その他数々のモニュメント・壁画等を創作する。七〇年、大阪万国博覧会の「太陽の塔」で世界の話題を集める。七五年、パリ国際センター、パレ・デ・コングレに五面のレリーフ壁画。七六年、パリ市立ガリエラ美術館にて個展を開催。文筆活動も多く、『岡本太郎の本』(全五巻)がある。九六年一月、死去。
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ホロコーストからガザへ: パレスチナの政治経済学 | サラ・ロイ, 岡真理 (編集, 翻訳), 小田切拓 (編集, 翻訳), 早尾貴紀 (編集, 翻訳)
¥2,860
青土社 2024年 ハードカバー 288ページ 四六判 - 内容紹介 - 緊急復刊!! ひとつの社会全体が崩壊しようとしている 「パレスチナ問題」を経済学的に分析し、世界的に注目される著者が明らかにするイスラエルの占領の実態と国際社会の援助のゆくえ。ホロコースト生存者の娘という出自から問う、人間の記憶と倫理への思考。いまもっとも読むべき一冊。
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所有と分配の人類学 エチオピア農村社会から私的所有を問う|松村 圭一郎
¥1,650
筑摩書房 2023年 ちくま学芸文庫 ソフトカバー 480ページ 文庫判 - 内容紹介 - 「わたしのもの」と「誰かのもの」 両者のスキマから社会を捉え返す。 解説 鷲田清一 === これは「わたしのもの」ではなかったのだろうか。調査地でのある出来事から、私的所有の感覚がゆらぐ経験をした著者は、所有への違和感を抱きつつエチオピアの農村へ向かう。畑を耕す牛、畑になる穀物、台所道具、生活する人々など、ミクロなものに目を向けて調査していくなかで見えてきたものとは? 作物は頻繁に分配され、持てる人から貧しい人に与えられる。土地を所有することと利用することの関係。国家による「土地」のコントロール。様々な角度から私的所有をめぐる謎を掘り下げていく。気鋭の文化人類学者による鮮烈なデビュー作。 === たびたび日本とエチオピアを往復するうちに、私自身がしだいにデータをとるための「調査」という型から解き放たれていくようになった。村人とともに日々を過ごす。そんな時間が積み重なっていくと、何かをこちらの尺度から「調べる」のではなく、人びとの暮らしのささやかな営みに目が向きはじめる。・・・・・・気がついてみれば、村の生活のありとあらゆるモノが、この「所有」という問いとつながっていた。【はじめに】より === - 目次 - はじめに―「わたしのもの」のゆらぎ 第1章 所有と分配の人類学 第2章 多民族化する農村社会 第Ⅰ部 富をめぐる攻防 第3章 土地から生み出される富のゆくえ 第4章 富を動かす「おそれ」の力 第5章 分配の相互行為 第6章 所有と分配の力学 第Ⅱ部 行為としての所有 第7章 土地の「利用」が「所有」をつくる 第8章 選ばれる分配関係 第9章 せめぎあう所有と分配 第Ⅲ部 歴史が生み出す場の力 第10章 国家の所有と対峙する 第11章 国家の記憶と空間の再構築 第12章 歴史の力 第13章 所有を支える力学 - 著者プロフィール - 松村 圭一郎 (マツムラ ケイイチロウ) (本文) 1975年熊本生まれ。岡山大学文学部准教授。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。専門は文化人類学。所有と分配、海外出稼ぎ、市場と国家の関係などについて研究。著書に『くらしのアナキズム』『小さき者たちの』『うしろめたさの人類学』(第72 回毎日出版文化賞特別賞、いずれもミシマ社)、『旋回する人類学』(講談社)、『これからの大学』(春秋社)、『ブックガイドシリーズ 基本の30冊 文化人類学』(人文書院)、『はみだしの人類学』(NHK出版)など。共編著に『文化人類学との人類学』(黒鳥社)がある。
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火の賜物 【新装版】 ヒトは料理で進化した | リチャード・ランガム, 依田卓巳(翻訳)
¥3,080
NTT出版 2023年 ハードカバー 272ページ 四六判 - 内容紹介 - 生命の長い歴史のなかで、われわれは、いかにして人間となったのか? 「火」と「料理」こそがヒトの脳を大きくさせ、ホモ・サピエンスの出現をうながした! 料理という日常の営為と人類の起源と進化を鮮やかに結びつけた文明史の傑作。われわれは料理をするときに、もはや人類の祖先に思いを馳せずにはいられない。 - 目次 - はじめに 料理の仮説 第1章 生食主義者の研究 第2章 料理と体 第3章 料理のエネルギー理論 第4章 料理の始まり 第5章 脳によい食物 第6章 料理はいかに人を解放するか 第7章 料理と結婚 第8章 料理と旅 おわりに 料理と知識 - 著者プロフィール - リチャード・ランガム (リチャードランガム) (著/文) 1948 年生まれ。ハーバード大学生物人類学教授。専門は霊長類の行動生態学。国際霊長類学会名誉会長。ピーボディ博物館霊長類行動生物学主幹、ウガンダのキバレ・チンパンジー・プロジェクト理事をつとめるほか、アメリカ芸術科学アカデミーおよび英国学士院(British Academy)フェローでもある。その功績を称えて、英国王立人類学協会からリバーズ記念賞を贈られた。著書に『善と悪のパラドックス』(NTT出版)、『男の凶暴性はどこからきたか』(デイル・ピーターソンとの共著、三田出版会)など。 依田卓巳 (ヨダタクミ) (翻訳) 翻訳家。訳書にランガム『火の賜物』『善と悪のパラドックス』をはじめ、ウェイド『宗教を生みだす本能』、ブラウン他『使える脳の鍛え方』、スティクスラッド他『セルフドリブン・チャイルド』(以上、NTT 出版)、ジョーンズ『チャヴ』『エスタブリッシュメント』(以上、海と月社)、ケープルズ『ザ・コピーライティング』(ダイヤモンド社)、ボーゲルスタイン『アップルvs. グーグル』(新潮社)など多数。
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アースダイバー 神社編|中沢 新一
¥2,420
講談社 2021年 ハードカバー 370ページ A5変型判 - 内容紹介 - 人気シリーズ「アースダイバー」が、いよいよその関心の中心である、神社を取り上げます。 生命にとっての普遍的聖地に加えて、ホモサピエンス・サピエンスにとっての聖地、そして古代の日本列島に居住した縄文系と弥生系(倭人系)にとっての聖地(のちの神社)の心的・歴史的な構造を探っていきます。 主な取扱い神社は、以下の通りです。 大日霊貴神社(鹿角大日堂) 諏訪大社 三輪神社 出雲大社 和多都見(海神)神社 志賀海神社 穂高神社 伊勢神宮などなど 神社に残された祭儀に秘められた思考を遡っていくと、アメリカ先住民、アジアの少数民族、ネパール、東南アジアなどとの深いつながりが明らかになります。 また、同時にこの列島に数万年にわたって繰り広げられてきた、われわれの祖先の前宗教的・宗教的思考の根源とその展開が解明されていきます。 山とは、海とは、蛇とは、太陽とは……。 歴史の無意識の奥にしまいこまれた記憶を甦らせる魂の冒険へ、いざ。 目次 プロローグ 聖地の起源 第一部 聖地の三つの層 第一章 前宗教から宗教へ 第二章 縄文原論 第三章 弥生人の神道 第二部 縄文系神社 第四章 大日霊貴神社(鹿角大日堂) 東北の続縄文 地名起源伝説 太陽神の聖地に建つ大日堂 第五章 諏訪大社 縄文の「王国」 蛇から王へ 御柱祭りの意味 第六章 出雲大社 蛇 タマ 神話の建築 第七章 三輪神社 ナラの原像 血と酒の蛇 蛇と鑑の確執 第三部 海民系神社 第八章 対馬神道 はじまりの島 ムスビの神 渚の神話学 第九章 アヅミ族の足跡 海の民の末裔 日本海ルート 太平洋ルート 第十章 伊勢湾の海民たち 太陽の道 海人と鳥 エピローグ 伊勢神宮と新層の形成
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増補改訂 アースダイバー|中沢 新一, 大森 克己(著/文 | 写真)
¥2,530
講談社 2019年 ハードカバー 384ページ A5変型判 - 内容紹介 - 2005年の大ブームから13年を経て、東京アースダイバーの完全版なる! 縄文、そして「海民」へと日本のルーツを遡り、地形の無意識、文化と自然の相互作用を探るアースダイビングは、見えない東京を私たちに教える。今回の増補改訂で隅田川と多摩川流域といった海民文化の要素が色濃く残る地域を追加しました。そして東京の中心地であり、アースダイバーの出立点である大宮八幡へと帰還する旅が完了する。 2005年、『アースダイバー』は、東京の風景が一変する散歩の革命を起こし大ベストセラーになりました。野生の東京を描く東京創世記でした。 その後、『大阪アースダイバー』(2012)『アースダイバー 東京の聖地』(2017)、『アースダイバー 神社編』(刊行準備中)と日本の歴史を書きかえる射程をもつ大きなプロジェクトになっています。 縄文、そして「海民」へと日本のルーツを遡り、地形の無意識、文化と自然の相互作用を探るアースダイビングは、見えない東京を私たちに教えてくれます。 今回の増補改訂で隅田川と多摩川流域といった海民文化の要素が色濃く残る地域を追加しました。 そして東京の中心地であり、アースダイバーの出立点である大宮八幡へと帰還します。 東京アースダイバーの決定版にして完結版! 【120ページ加筆】 【全24点アースダイビング・マップ付き】 【第9回桑原武夫学芸賞受賞】 [目次] 増補改訂 まえがき プロローグ 第1章 ウォーミングアップ―東京鳥瞰 第2章 湿った土地と乾いた土地―新宿~四谷 第3章 死と森―渋谷~明治神宮 第4章 タナトスの塔 異文/東京タワー―東京タワー 第5章 湯と水―麻布~赤坂 間奏曲(1)―坂と崖下 第6章 大学・ファッション・墓地―三田、早稲田、青山 第7 職人の浮島―銀座~新橋 第8章 モダニズムから超モダニズムへ―浅草~上野~秋葉原 第9章 東京低地の神話学―下町 第10章 海民がつくった下町-隅田川 第11章 よみがえる南郊-多摩川 間奏曲(2) 森番の天皇―皇居 最終章 ムサシ野オデッセイ あとがき - 著者プロフィール - 中沢 新一 (ナカザワ シンイチ) (著/文) 1950年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。現在、明治大学野生の科学研究所所長。思想家。 著書に『日本の大転換』『アースダイバー』、『カイエ・ソバージュ』(小林秀雄賞)、『チベットのモーツァルト』(サントリー学芸賞)『森のバロック』(読売文学賞)『哲学の東北』(青土社、斎藤緑雨賞)など多数ある。
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人間のはじまりを生きてみる 四万年の意識をたどる冒険|チャールズ・フォスター, 西田 美緒子(翻訳)
¥2,970
河出書房新社 2022年 ハードカバー 424ページ 四六変型判 縦198mm 横138mm 厚さ31mm - 内容紹介 - 狩猟採集時代、新石器時代、そして啓蒙時代……。森で暮らす奇才作家が、人類の歩みを実際に体験した哲学サバイバルエッセイ。 - 著者プロフィール - チャールズ・フォスター (フォスター,C) (著/文) オックスフォード大学グリーン・テンプルトン・カレッジのフェロー。ケンブリッジ大学で医療法と医療倫理の博士号を取得。獣医外科医の資格をもつ。旅行や哲学、法律などについての著書がある。 西田 美緒子 (ニシダ ミオコ) (翻訳) 翻訳家。津田塾大学英文学科卒業。訳書に『深海の庭園』、『音楽好きな脳』、『犬はあなたをこう見ている』、『FBI捜査官が教える「しぐさ」の心理学』、シリーズ『ダーウィン』、『マーガレット・ミード』など。
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働くことの人類学【活字版】 仕事と自由をめぐる8つの対話| 松村圭一郎(編), コクヨ野外学習センター(編)
¥2,200
黒鳥社 2021年 B5変型判 - 内容紹介 - 文化人類学者が、それぞれのフィールドで体験した 知られざる場所の知られざる人びとの「働き方」。 それは、わたしたちが知っている「働き方」となんて違っているのだろう。 逆に、わたしたちはなんて不自由な「働き方」をしているのだろう。 狩猟採集民、牧畜民、貝の貨幣を使う人びと、 アフリカの貿易商、世界を流浪する民族、そしてロボット........が教えてくれる、 目からウロコな「仕事」論。 わたしたちの偏狭な〈仕事観・経済観・人生観〉を 鮮やかに裏切り、軽やかに解きほぐす、笑いと勇気の対話集。 ゲスト:柴崎友香/深田淳太郎/丸山淳子/佐川徹/小川さやか/中川理 /久保明教 目次 ◼️巻頭対談 ありえたかもしれない世界について 柴崎友香 + 松村圭一郎 【第1部|働くことの人類学】 貝殻の貨幣〈タブ〉の謎 深田淳太郎 ひとつのことをするやつら 丸山淳子 胃にあるものをすべて 佐川徹 ずる賢さは価値である 小川さやか 逃げろ、自由であるために 中川理 小アジのムニエルとの遭遇 久保明教 【第2部|働くこと・生きること】 2020年11月「働くことの人類学」の特別編として開催されたイベント「働くことの人類学:タウンホールミーティング」。 オンラインで4名の人類学者をつなぎ、参加者xの質問を交えながら「働くこと」の深層へと迫った白熱のトークセッション。デザインシンキングからベーシックインカムまで、いま話題のトピックも満載のユニークな「働き方談義」を完全収録。 深田淳太郎×丸山淳子×小川さやか×中川理 ホスト=松村圭一郎 進行=山下正太郎・若林恵 【論考】 戦後日本の「働く」をつくった25のバズワード 【働くことの図書目録】 仕事と自由をもっと考えるためのブックガイド 松村圭一郎/深田淳太郎/丸山淳子/佐川徹/小川さやか/中川理/久保明教/コクヨ野外学習センター 【あとがき】 これは「発信」ではない 山下正太郎 - 著者プロフィール - 松村圭一郎 (マツムラ ケイイチロウ) (編) エチオピアの農村や中東の都市でフィールドワークを続け、富の所有と分配、貧困や開発援助、 海外出稼ぎなどについて研究。著書に『所有と分配の人類学』(世界思想社)、『基本の30冊文化人類学』(人文書院)、『うしろめたさの人類学』(ミシマ社)、編著に『文化人類学の思考法』(世界思想社)など。東京ドキュメンタリー映画祭 2018 の短編部門で『マッガビット~雨を待つ季節』、 同映画祭2020の特 集 「映像の民族誌」で『アッバ・オリの一日』が上映される。『ちゃぶ台』で「はじめてのアナキズム」、『群像』で「旋回する人類学」、西日本新聞で「人類学者のレンズ」を連載中。 コクヨ野外学習センター (コクヨヤガイガクシュウセンター) (編) コクヨ ワークスタイル研究所と黒鳥社がコラボレーションして展開するリサーチユニット/メディア。ポッドキャスト番組〈働くことの人類学〉、〈新・雑貨論〉、〈耳の野外学習〉を制作・配信中。https://anchor.fm/kcfr
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国家をもたぬよう社会は努めてきた クラストルは語る|ピエール・クラストル, 酒井 隆史(訳・解題)
¥2,860
洛北出版 2021年 ソフトカバー 272ページ 四六判 縦188mm 横128mm 厚さ18mm - 内容紹介 - はじめてのクラストル―― 「国家なき社会」は、なぜ「国家なき社会」なのか。 それは、その社会が「国家に抗する社会」だからである。その社会が、国家を忌〔い〕み嫌い、祓い〔はらい〕のけてきたからである。国家という災厄を、封じ込めてきたからである。 つまり政治は、国家以前にも存在するのであって、国家は、政治のとりうる形態のひとつにすぎないのだ。ようするに国家は、クラストルによって、その玉座〔ぎょくざ〕から転げ落ちたのだ。 * * * ピエール・クラストルの『グアヤキ年代記』に感銘をうけ、英語に翻訳して序文まで書いたのが、若き日の小説家ポール・オースターだった(Chronicle of the Guayaki Indians, 1998)。 「〔『グアヤキ年代記』の〕何の気取りもない直截さ、人間らしさに私は打たれた。……自分がこれからずっと追いつづけるにちがいない書き手に出会ったことを確信した。……この本を好きにならないのはほとんど不可能だと思う。じっくり丹念に練られた文章、鋭利な観察眼、ユーモア、強靱な知性、対象に注がれた共感、それらすべてがたがいに補強しあって、重要な、記憶に残る書物を作り上げている……彼〔クラストル〕はめったにいない、一人称で語ることを恐れぬ学者である。」〔『トゥルー・ストーリーズ』、柴田元幸訳、新潮文庫、298-307頁〕 * * * 本書『国家をもたぬよう社会は努めてきた』の「序文」のなかで、フランスの政治哲学者ミゲル・アバンスールは、クラストル以前と以後を分かつポイントを、3つあげている。 【1】「なき〔不在〕」から「抗する〔対抗〕」への移行。いわゆる未開社会は、国家なき社会なのであるが、そのゆえんは、欠如や欠損ではなく、国家の拒絶である。したがって、それは「国家なき社会」というよりは「国家に抗する社会」である。 【2】威信は与えられているが権力をもたない首長の存在。人々は、首長の言動に目を光らせている。特権への意欲が権力への欲望に転化しないよう、注意を払っているのだ。 【3】国家はあらゆる歴史の地平ではない。「国家に抗する社会」から出発して「国家のある社会」を見ていくことが重要になる。 * * * そしてアバンスールは、次のように述べて「序文」を締めくくっている。 「この声に耳をかたむけよう。自由であり、かつ他者の自由を求める、一人の人間の声。アチェの夜の歌に耳をかたむけ、ラ・ボエシやルソーに耳をかたむけ、災厄以前の「あたらしい人間」に耳をかたむける、一人の人間の声。こうした声のすべてが、ピエール・クラストルのユニークな声とからまりあいながら、共鳴している。」 * * * 本書は、クラストルへのインタビューを通じて、彼の著作が人文社会科学全般にもたらした強烈なインパクトを紹介している。クラストルの人類学を知りたい人に、うってつけの入門書である。 目次 ・ミゲル・アバンスールによる序文「ピエール・クラストルの声」 ・ピエール・クラストルへのインタビュー ・訳者による解題「断絶のパッション――ピエール・クラストルとその「事後効果〔アフター・エフェクツ〕」 ・索引/訳者あとがき 前書きなど わたしは民族学者です。ということはつまり、わたしの研究対象は未開社会であり、もっと絞り込めば、南アメリカです。わたしはフィールド調査を、すべてそこでおこなっています。 さて、ここでは民族学ないし人類学内部の区別からはじめましょうか。未開社会とはなんでしょうか? それは国家のない社会です。国家のない社会を対象とすることは、必然的にそれとは異なる社会、つまり国家のある社会を対象とすることです。問題はどこにあるのでしょうか? それのどこが、わたしの関心を惹〔ひ〕くのでしょう? なぜわたしは、それを考察の対象とするのでしょう? わたしには国家のない社会がなぜ国家のない社会であるのかが不思議なことなんです。そして、未開社会に国家がないとしたら、その社会が国家を拒絶する社会であり、国家に抗する社会だからであるようにおもわれるのです。未開社会における国家の不在は、欠如の反映なのではありません。 なぜ国家が不在なのか。 その社会がいまだ未熟な段階だから、不完全だから、というわけではないのです。あるいは、規模が小さすぎるからというわけでも十分に発達していないからというわけでもありません。 なぜ国家が不在なのか。 それはまさしく、その社会が広い意味での国家、すなわち権力関係というミニマルなかたちで規定されるような国家の拒絶の結果なのです。 したがって、国家のない社会ないし国家に抗する社会について語ることは、国家のある社会について語ることでもあるわけですが、予見しうる筋道を必然的にたどるがごとき移行は存在しないということになります。この移行に由来する問いがあります。つまり、国家はどこからやってきたのか、国家の起源とはどのようなものか、といった問いです。しかし、そこには二つのまったく異なる問いがひそんでいるのです。つまり―― ――未開社会はどのようにして国家をもたぬように努めていたのか? ――国家はどこからやってきたのか? という二つの問いです。〔本書27-28頁より〕 版元から一言 未開社会とはなんでしょうか? それは国家のない社会です。では、国家のない社会はなぜ、国家のない社会なんでしょうか? それは、その社会が国家を拒絶する社会であり、国家に抗する社会だからなのです。つまり、その社会が、未熟な段階だから、不完全だから、というわけではないのです。あるいは、規模が小さすぎるからというわけでも、十分に発達していないからというわけでもないのです。 となると、この未開社会はどのようにして国家をもたぬように努めていたのか?という疑問が浮かびます。また、国家はどこからやってきたのか?という疑問もあらたに生じます。 フランスの人類学者ピエール・クラストルは、これらの問いについて、現地で実際に調査して考えつづけました。国家のない社会とか国家に抗する社会について考えることは、国家のある社会について考えることでもあるわけです。国家に抗する社会から出発して、国家のある社会を見ていくことが重要になってきます。 この本は、「国家ってなに? 必要なの?」と疑問におもっている人に、うってつけの入門書です。なにしろ、「国家はあらゆる歴史の地平ではない」のですから。 - 著者プロフィール - ピエール・クラストル (クラストル ピエール) (著) 1934年パリに生まれる。フランスの人類学者。ソルボンヌ大学でヘーゲルとスピノザを研究し哲学を修め、1956年以降、クロード・レヴィ=ストロースの学生として人類学の研究をはじめる。さらにアルフレッド・メトロの指導のもとに南アメリカをフィールドにした政治人類学研究を開始。その後、高等研究院教授となる。1977年7月、その影響力のきわみにあるなか、自動車事故によって他界した。日本語に翻訳された著作として、『グアヤキ年代記――遊動狩人アチェの世界』(毬藻充訳、現代企画室、2007年)、『国家に抗する社会――政治人類学研究』(渡辺公三訳、水声社、1987年)、『大いなる語り――グアラニ族インディオの神話と聖歌(毬藻充訳、松籟社、1997年)、『暴力の考古学――未開社会における戦争』(毬藻充訳、現代企画室、2003年)がある。 酒井 隆史 (サカイ タカシ) (訳・解題) 大阪府立大学教員。専門は社会思想、都市史。著書として、『通天閣――新・日本資本主義発達史』(2011年、青土社)、『暴力の哲学』(2004/2016年 河出文庫)、『完全版 自由論――現在性の系譜学』(2001/2019 河出文庫)など。訳書として、デヴィッド・グレーバー『負債論――貨幣と暴力の5000年』(共訳、2016年、以文社)、『官僚制のユートピア』(2017年、以文社)、『ブルシット・ジョブ――クソどうでもいい仕事の理論』(共訳、2020年、岩波書店)。アントニオ・ネグリ&マイケル・ハート『〈帝国〉――グローバル化の世界秩序とマルチチュードの可能性』(共訳、2003年、以文社)。マイク・デイヴィス『スラムの惑星――都市貧困のグローバル化』(共訳、2010年、明石書店)など。 上記内容は本書刊行時のものです。
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歴史を変えた50人の女性アスリートたち|レイチェル・イグノトフスキー, 野中 モモ(翻訳)
¥1,980
創元社 2019年 ハードカバー 128ページ A4変型判 縦235mm 横198mm 厚さ17mm - 内容紹介 - 「女は弱い!」としめ出されていた近代スポーツ界に飛びこみ、圧倒的な能力と粘り強さで記録と歴史をぬりかえてきた女性アスリート50人にスポットをあて、その驚くべき成績やバイタリティあふれる人生をチャーミングなイラストとともに紹介します。 女性には不可能だと言われてきたことの誤りを、鍛えぬいた身体と不屈の精神で堂々と証明したヒロインたちの姿は、若きアスリートのみならず、自分の限界をこえたいと願うすべての人を励ましてくれます。 <本書の見どころ> ●近代スポーツの歴史を切り拓いてきた、パワフルな女性アスリート50人(+α)を紹介 ●競技成績からプライベートな一面まで、エネルギーに満ちた女性アスリートたちの人生の物語を簡潔に学べます ●若手女性イラストレーターによるおしゃれなイラストが満載。ビジュアルブックとしても楽しめます ●歴史年表や筋肉解剖学、男女間の報酬とメディア格差統計など、図解コラムも充実 ●本文のおもな漢字にルビつき。未来のアスリートを応援します ●日本版だけの描きおろしイラストも多数収録! <こんな人が載っています> ガートルード・エダール(長距離水泳選手)、福田敬子 (柔道家)、トニ・ストーン(野球選手)、田部井淳子 (登山家)、ジョディ・コンラッド (バスケットボール監督)、ビリー・ジーン・キング (テニス選手)、フロー・ハイマン (バレーボール選手)、スーザン・ブッチャー (犬ぞり操縦者)、ナディア・コマネチ (体操選手)、アンジャリ・バグワット (射撃選手)、シャンタル・プチクレール (車いす陸上競技選手) 、キム・スニョン (アーチェリー選手) 、クリスティ・ヤマグチ (フィギュアスケート選手)、ミア・ハム (サッカー選手)、セリーナ・ウィリアムズ (テニス選手)、ニコラ・アダムズ (ボクサー)、マリアナ・パホン (BMX自転車選手)、シモーネ・バイルズ (体操選手)など… 目次 False - 著者プロフィール - レイチェル・イグノトフスキー(Rachel Ignotofsky) アメリカ・ニュージャージー出身、カンザス在住の若手女性イラストレーター。2011年にアート・グラフィックデザインの専門学校タイラー校を優秀な成績で卒業し、その後は特に歴史や科学、また教育、ジェンダーなどをテーマにしたイラストを多く書いている。著書に「Women in Science」「I love Science」「PLANET EARTH」(いずれも10 Speed Press)がある。 野中モモ(のなか・もも) 翻訳者・ライター。訳書にロクサーヌ・ゲイ『飢える私 ままならない心と体』(亜紀書房、2019年)、レイチェル・イグノトフスキー『世界を変えた50人の女性科学者たち』(創元社、2018年)、ダナ・ボイド『つながりっぱなしの日常を生きる ソーシャルメディアが若者にもたらしたもの』(草思社、2014年)など。著書に『デヴィッド・ボウイ 変幻するカルト・スター』(筑摩書房、2017年)、共編著書に『日本のZINEについて知ってることすべて 同人誌、ミニコミ、リトルプレス 自主制作出版史1960 ~ 2010年代』(誠文堂新光社、2017年)がある。
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マツタケ――不確定な時代を生きる術 | アナ・チン, 赤嶺 淳訳
¥4,950
みすず書房 2019年 ハードカバー 448ページ 19.6 x 13.8 x 3 cm - 内容紹介 - 「本書は、20世紀的な安定についての見通しのもとに近代化と進歩を語ろうとする夢を批判するものではない。……そうではなく、拠りどころを持たずに生きるという想像力に富んだ挑戦に取りくんでみたい。……もし、わたしたちがそうした菌としてのマツタケの魅力に心を開くならば、マツタケはわたしたちの好奇心をくすぐってくれるはずだ。その好奇心とは、不安定な時代を、ともに生き残ろうとするとき、最初に必要とされるものである」 オレゴン州(米国)、ラップランド(フィンランド)、雲南省(中国)におけるマルチサイテッドな調査にもとづき、日本に輸入されるマツタケのサプライチェーンの発達史をマツタケのみならず、マツ類や菌など人間以外の存在から多角的に叙述するマルチスピーシーズ民族誌。ホストツリーと共生関係を構築するマツタケは人工栽培ができず、その豊凶を自然にゆだねざるをえない不確定な存在である。そうしたマツタケを採取するのも、移民や難民など不安定な生活を余儀なくされてきた人びとである。生態資源の保護か利用かといった単純な二項対立を排し、種々の不確定性が絡まりあう現代社会の分析にふさわしい社会科学のあり方を展望する。 「進歩という概念にかわって目を向けるべきは、マツタケ狩りではなかろうか」。 目次 絡まりあう プロローグ 秋の香 第一部 残されたもの 1 気づく術 2 染めあう 3 スケールにまつわる諸問題 幕間 かおり 第二部 進歩にかわって――サルベージ・アキュミュレーション 4 周縁を活かす フリーダム…… 5 オレゴン州オープンチケット村 6 戦争譚 7 国家におこったこと――ふたとおりのアジア系アメリカ人 移ろいゆきながら…… 8 ドルと円のはざま 9 贈り物・商品・贈り物 10 サルベージ・リズム――攪乱下のビジネス 幕間 たどる 第三部 攪乱――意図しえぬ設計 11 森のいぶき マツのなかからあらわれる…… 12 歴史 13 蘇生 14 セレンディピティ 15 残骸 ギャップとパッチで…… 16 科学と翻訳 17 飛びまわる胞子 幕間 ダンス 第四部 事態のまっただなかで 18 まつたけ十字軍――マツタケの応答を待ちながら 19 みんなのもの 20 結末に抗って――旅すがらに出会った人びと 胞子のゆくえ――マツタケのさらなる冒険 マツタケにきく――訳者あとがき 本書で引用された文献の日本語版と日本語文献 索引 - 著者プロフィール - アナ・チン (アナチン) (著/文) カリフォルニア大学サンタクルス校文化人類学科教授。エール大学を卒業後、スタンフォード大学で文化人類学の博士号を取得。フェミニズム研究と環境人類学を先導する世界的権威。おもにインドネシア共和国・南カリマンタン州でフィールドワークをおこない、森林伐採問題の社会経済的背景の重層性をローカルかつグローバルな文脈からあきらかにしてきた。著書にIn the Realm of the Diamond Queen: Marginality in an Out-of-the-Way Place (Princeton University Press, 1993), Friction: An Ethnography of Global Connection (Princeton University Press, 2004), The Mushroom at the End of the World (Princeton University Press, 2015)など、多数。 赤嶺淳 (アカミネジュン) (翻訳) 一橋大学大学院社会学研究科教授。専門は東南アジア地域研究・食生活誌学。ナマコ類と鯨類を中心に野生生物の管理と利用(消費)の変容過程をローカルな文脈とグローバルな文脈の絡まりあいに注目し、あきらかにしてきた。著書に『ナマコを歩く――現場から考える生物多様性と文化多様性』(新泉社、2010)『鯨を生きる――鯨人の個人史・鯨食の同時代史』(吉川弘文館、2017)『生態資源――モノ・場・ヒトを生かす世界』(山田勇・平田昌弘との共編著、昭和堂、2018)など。訳書にアナ・チン『マツタケ』(みすず書房、2019)など。
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ハレルヤ村の漁師たち スリランカ・タミルの村 内戦と信仰のエスノグラフィー|初見 かおり
¥3,080
左右社 2021年 ハードカバー 352ページ 四六判 - 内容紹介 - ふるさとの漁村から、激しい空爆を生き延び、たどり着いた海もない「ハレルヤ村」。 反政府ゲリラ軍と政府軍との双方に追われたタミルの人びとに 「本当に起きたこと」とは何だったのか。 爆薬を用いたテロ攻撃、性暴力を伴う残忍な殺人、暴力事件のやまぬなか、 著者は繰り返し現地を訪れ、村人たちの生活に身を沈めた。 数百年にわたり貫かれてきたカトリックへの信仰、 村を挙げての徹夜のミサのようすを描き、 国際社会からも忘れられつつある人びとに寄り添う、 エスノグラフィの新しい達成。 今、この教会に集合している一人ひとりは、生きてヴァンニの戦場を脱出してきた人たちだ。政府軍による空爆に追われながら、わずかな食べ物を探し回り、脱出の機会を待ち続けた人たちだ。つねに自分の身を優先しなければならない状況に追い込まれ、すべてを後に残してきた人たちだ。力尽きた者たちを、後に残してこなければならなかった人たちだ。(本文より) 目次 第一部 ハレルヤ村との出会い 一、行き止まり──二〇〇六年夏 二、最大の問い──二〇〇七年夏 第二部 ヴェラ家と周辺の人びとの物語 三、バトル・オヴ・ヴァンニ──二〇〇九年四月 四、クエートから届いた柩──二〇〇九年十月~十一月 第三部 シシリア婆さんの帰郷 五、不思議な行進──二〇一〇年三月 六、イエスの柩──二〇一〇年四月 参考文献・読書案内 あとがき 前書きなど 今、この教会に集合している一人ひとりは、生きてヴァンニの戦場を脱出してきた人たちだ。政府軍による空爆に追われながら、わずかな食べ物を探し回り、脱出の機会を待ち続けた人たちだ。つねに自分の身を優先しなければならない状況に追い込まれ、すべてを後に残してきた人たちだ。力尽きた者たちを、後に残してこなければならなかった人たちだ。(本文より) - 著者プロフィール - 初見 かおり (ハツミ カオリ) (著/文) 1980年生、文化人類学博士(コロンビア大学)。九州大学サイエンスコミュニケーター。論文に「Beyond methodological agnosticism: Ritual, healing, and Sri Lanka’s civil war(方法論としての不可知論を超えて)」(The Australian Journal of Anthropology)などがある。他者を理解するための方法としての文化人類学の魅力を発信することに関心がある。
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ひび割れた日常 人類学・文学・美学から考える | 伊藤 亜紗, 奥野 克巳, 吉村 萬壱
¥1,760
亜紀書房 2020年 四六変型判 192ページ - 内容紹介 - 未曾有の危機を前にして、私たちは「何を考えればよいのか」を見失ってしまった――。 「人間の想像力の果て」からやってきたウイルスによって、我々の日常に無数のひびが走った。 消せない不安と変化を余儀なくされた日々の営みを前に、思考の足場をどこに築けば良いのか。 生命、自然、生と死、共生と敵対。 いま浮上する課題をめぐって、三人の異才がアイディアを持ち寄り、変奏し、問いを深めていくリレーエッセイ。 目次 Ⅰ ・はじめに――禍の街から、生命と自然のゆくえを見つめる ・ウイルスは我々に何を伝えに来たのか ・植物の時間 ・足し算的時間と合理のひび割れ ・元の日常という脅威 ・人間の体と植物の体 ・〈凝固した日常〉を突き刺すもの ・被造物の底 ・体を失う日 ・「いる」の喪失とは何か? ・死の無力さと分身の持つ力 ・コロナさん ・ようこそコロナちゃん ・聖なるもの ・垂直の家族、水平の家族 ・コロナとはうまくやっていけるかもしれないが、人間同士ではそうではないのかもしれない ・ヒトと人 ・グラブとアンパン ・アニミズム思考のほうへ ・二つの小説 ・意味の非人間性 ・覚知される世界、コロナの迷い ・堆肥男 ・胎盤とバースデーケーキ Ⅱ リレーエッセイを終えて ・生の全体性を取り戻す ・帯状疱疹ウイルスと私 ・想像力の果てからやってきた使者 ひび割れた日常を生きるためのブックガイド - 著者プロフィール - 伊藤 亜紗 (イトウ アサ) (著/文) 1979年生まれ。東京工業大学科学技術創成研究院未来の人類研究センター、リベラルアーツ研究教育院准教授。専門は美学、現代アート。もともと生物学者を目指していたが、大学3年次より文転。2010年に東京大学大学院人文社会系研究科基礎文化研究専攻美学芸術学専門分野博士課程を単位取得のうえ退学。同年、博士号を取得(文学)。 主な著作に『手の倫理』(講談社メチエ)、『目の見えない人は世界をどう見ているのか』(光文社)、『どもる体』(医学書院)、『記憶する体』(春秋社)など。WIRED Audi INNOVATION AWARD 2017、第13回(池田晶子記念)わたくし、つまりNobody 賞(2020)受賞。 奥野 克巳 (オクノ カツミ) (著/文) 1962年生まれ。20歳でメキシコ・シエラマドレ山脈先住民テペワノの村に滞在し、バングラデシュで上座部仏教の僧となり、トルコのクルディスタンを旅し、インドネシアを一年間経巡った後に文化人類学を専攻。1994~95年に東南アジア・ボルネオ島焼畑民カリスのシャーマニズムと呪術の調査研究、2006年以降、同島の狩猟民プナンとともに学んでいる。現在、立教大学異文化コミュニケーション学部教授。 著作に、『モノも石も死者も生きている世界の民から人類学者が教わったこと』、『ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと』(以上、亜紀書房)、『マンガ人類学講義』など多数。共訳書に、エドゥアルド・コー ン著『森は考える』、レーン・ウィラースレフ著『ソウル・ハンターズ』、ティム・ インゴルド著『人類学とは何か』(以上、亜紀書房)など。 吉村 萬壱 (ヨシムラ マンイチ) (著/文) 1961年愛媛県生まれ、大阪府育ち。1997年、「国営巨大浴場の午後」で京都大学新聞社新人文学賞受賞。2001年、『クチュクチュバーン』で文學界新人賞受賞。2003年、『ハリガネムシ』で芥川賞受賞。2016年、『臣女』で島清恋愛文学賞受賞。 最新作に『出来事』(鳥影社)。