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あたしとあなた | 谷川俊太郎
¥2,200
ナナロク社 2015年 ハードカバー 120ページ B6判変型 - 内容紹介 - メディアに氾濫するコトバの洪水に食傷しているうちに、思いがけず自分にとってはちょっと新鮮な発想の短い詩群が生まれた。 ―あとがきより 83歳の今も、新しい挑戦をつづけている谷川さん。半世紀以上にわたって第一線で書き続けてきた詩人の最新作は、37篇の詩すべてにさまざまな〈あたし〉と〈あなた〉が登場します。 工芸品のような一冊を 最初に原稿を読んだ時、この言葉たちの動きや遠さや近さを、どうやって本という物質にしたらいいのか、悩みました。その結果、一番大事なのは、目の前の言葉を載せる紙なのではないかと考えました。あなたの指先に、やっと届けることができて嬉しく思います。 ―はさみ込みのしおりより 装丁担当 名久井直子 書籍の常識を超える工芸品のようなデザインは、気鋭のブックデザイナー・名久井直子さん。「一番大事なのは、目の前の言葉を載せる紙」(名久井さん)というコンセプトから、本書の制作は「この本のためだけの特別な紙」を作ることからスタートしました。伝統の高級越前和紙で知られる石川製紙株式会社の協力を得て、しっとりとした質感の鮮やかなブルーの紙が誕生しました。まさに、日本の職人技から生まれた贅沢な一冊です。
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A TASTE OF TANIKAWA 谷川俊太郎の詩を味わう | ウィリアム・I・エリオット, 西原克政, 川村和夫
¥1,870
ナナロク社 2021年 ハードカバー 120ページ B6変型判 縦180mm 横120mm 厚さ11mm - 内容紹介 - 【谷川俊太郎さん帯コメント】 「私は一人っ子だったのに、詩の世界では最高のbrotherに恵まれました」 1960年代から50年以上もの間、谷川俊太郎の詩作品の英訳を続けるアメリカ人をご存じでしょうか。 その名は、ウィリアム・I・エリオット。谷川さんと同じ1931年生まれ、今年90歳です。 本書は、二人の友情と歴史が生んだ1冊です。エリオットがこれまでに翻訳した谷川の数百の詩から25篇を選び、 “詩の味わい方"をユーモラスな文章で書きおろしました。エリオットによる英訳詩も併記しています。 紹介された谷川俊太郎の詩 収録書籍一覧 ※本書掲載順 『コカコーラ・レッスン』思潮社 『こころ』朝日新聞出版 『シャガールと木の葉』集英社 『ことばあそびうた』福音館書店 『二十億光年の孤独』集英社文庫 『詩の本』集英社 『夜のミッキー・マウス』新潮文庫 『62のソネット+36』集英社文庫 『愛について』港の人 『こころのうた』文春文庫 ※山本健吉によるアンソロジー 『よしなしうた』青土社 『あたしとあなた』ナナロク社 『夜中に台所でぼくはきみに話しかけたかった』青土社 『旅』求龍堂 『関東学院大学文学部紀要 第92号』 『Traveler/日々』ミッドナイトプレス 『詩を贈ろうとすることは』集英社 『絵本』澪標 『mamma まんま』徳間書店 『世間知ラズ』思潮社 『日本語のカタログ』思潮社 『minimal』思潮社 目次 序文 詩ってどれほどのもの 1 店主からの挨拶 2 言葉、言葉、言葉 3 自然と人間 4 ことば遊び 5 宇宙からのまなざし 6 終末の風景 7 「さよなら」は「神」のことば? 8 ソネットの詩 9 散文詩の世界 10 共存と共生 11 折句とアクロスティック 12 愛のかたち 13 フットワーク軽やかに 14 沈黙への旅 15 ある日突然 16 ユーモアの糸 17 墓碑銘を刻む 18 祈りと願い 19 音のむこうに 20 飾らない文体 21 乳房考 22 異郷のふるさと 23 カタログ詩という方法 24 滑稽と真摯な詩人の肖像 25 別れのうた あとがき - 著者プロフィール - ウィリアム・I・エリオット (ウィリアム アイ エリオット) (著/文) 1931年、アメリカ・カンザス州生まれ。詩人、批評家、翻訳家。関東学院大学名誉教授。 谷川俊太郎の詩集54冊のほか、工藤直子、蔵原伸二郎、まど・みちお、等の翻訳もある。 1968年より、50年以上にわたって川村和夫とともに谷川俊太郎の詩を英訳してきた。 関東ポエトリ・センターを創設、海外の詩人と日本の詩人の交流につとめる。 最新詩集に『DOWSING』がある。 西原克政 (ニシハラ カツマサ) (著/文) 1954年、岡山県生まれ。英文学者、翻訳家。関東学院大学名誉教授。 著書に『アメリカのライト・ヴァース』(港の人)、『想像力の磁場』(北星堂書店)ほか、 訳書に、トニー・オーガード『英語ことば遊び事典』(共訳、大修館書店)、『W. D.スノッドグラス詩集』(共訳、港の人)ほか多数。 川村和夫 (カワムラ カズオ) (著/文) 1933年、福島県生まれ。英文学者、翻訳家。関東学院大学名誉教授。 訳書として、谷川俊太郎の詩集50冊が、ウィリアム・I・エリオットとの共訳で、岩波書店より電子書籍で出版されている。
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水上バス浅草行き | 岡本真帆
¥1,870
ナナロク社 2022年 ソフトカバー 196ページ B6変型判 - 内容紹介 - 【収録短歌より3首】 ほんとうにあたしでいいの?ずぼらだし、傘もこんなにたくさんあるし 3、2、1ぱちんで全部忘れるよって今のは説明だから泣くなよ 平日の明るいうちからビール飲む ごらんよビールこれが夏だよ - 著者プロフィール 岡本真帆 (オカモト -マホ) (著/文) 1989年、生まれ。高知県、四万十川のほとりで育つ。未来短歌会「陸から海へ」出身。
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凸面鏡の自画像|ジョン・アシュベリー, 飯野友幸(翻訳)
¥2,640
左右社 2021年 ハードカバー 112ページ 四六判 - 内容紹介 - 全米図書賞・全米批評家協会賞・ピュリッツァー賞受賞。ポール・オースターが偏愛する詩人による長編詩、30年ぶりの全面新訳。 ある日、プロヴィンスタウンをぶらついていて書店を通りかかった際、ショーウィンドウにパルミジャニーノの安っぽい画集があるのを見た。自画像がそのカバーだった。わたしは画集を買い、スタジオに持ち帰り、ゆっくり詩を書きはじめた── (Self-Portrait in a Conve Mirror エアリオン・プレス版 序文より) 目次 凸面鏡の自画像 パルミジャニーノ ジョン・アシュベリー 飯野友幸訳 解題 飯野友幸 あとがき Self-Portrait in a Convex Mirror(原文) Parmigianino(原文) - 著者プロフィール - ジョン・アシュベリー (ジョン アシュベリー) (著/文) アメリカの詩人。1927年ニュー・ヨーク州ロチェスター生まれ。ハーヴァード大学卒業後、コロンビア大学で修士号を取得。第一詩集『木々』(1956)でデビュー。『凸面鏡の自画像』(1956)で全米図書賞、全米批評家協会賞、ピュリッツァー賞を受賞。ニュー・ヨーク派と呼ばれ、多くの詩集にくわえ、美術評論やフランス詩の翻訳も発表。2017年、90歳で歿。 飯野友幸 (イイノ トモユキ) (翻訳) 米文学者。上智大学文学部英文学科教授。著書に『ジョン・アッシュベリー──「可能性への賛歌」の詩』(研究社、2005)、『フランク・オハラ──冷戦初期の詩人の芸術』(水声社、2019)、訳書に『俺にはアメリカの歌声が聴こえる──草の葉(抄)』(光文社、2007)、『ブルース・ピープル──白いアメリカ、黒い音楽』(平凡社、2011)ほか。
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心がめあて|鈴木 晴香
¥1,980
左右社 2021年 ソフトカバー 168ページ 四六判 - 内容紹介 - 掴めないはずの感覚を捉えた瞬間の心地良さ。 それが集積して立ち上がる日常をとても愛おしく感じました。―又吉直樹 第一歌集『夜にあやまってくれ』で鮮烈なデビューを果たした著者、待望の第二歌集。 わたしとあなた。心と躰。 繋がっては離れ、私たちは、世界をひらく鍵を探しつづけている。 2016年以降に詠まれた短歌のうち、『短歌ください』掲載作を含む297首を収録。 思い出は増えるというより重なってどのドアもどの鍵でも開く 生体認証。指紋や眼球や顔が暗号になるように、歌を作ることで入れる世界がある。歌を詠み、歌に詠まれた心身は、そこでは鍵の役目を果たしてきた。自らの欠片を差し出すことで、ドアをこじ開けてきたのだ。でも、少し醒めた時には、こんな風にも考えてしまう。はたして、世界は世界の方で、そんなわたしの押し付けがましい断片を望んでいるのだろうか、と。 心許なく、世界に問いかける。わたしのなにがめあてですか? この歌集におさめた歌は、そんな世界との相聞の苦闘の跡だ。 ――「あとがき」より 〈収録短歌より〉 白ければ雪、透明なら雨と呼ぶ わからなければそれは涙だ 君は手の銀貨を天然水に変えその水はすぐ人間になる 文字のない世界に降っていた雪よこれからつく嘘にフォントあれ またここにふたりで来ようと言うときのここというのは、時間のこと ライターのどこかに炎は隠されて君は何回でも見つけ出す 目次 ❖目次 Ⅰ ここにいるしか かくまう 完璧なバタフライ 書かれることのなかった手紙 メロンパンの概念の初期化 丸ノ内線ですか ちょっと違う Ⅱ 不思議に思わない 滲み込むようにできている 雪かと思った 見たこともない色 明日には明日のニュース Ⅲ 裸より寒い 夜ごとのフルーツバスケット 別々の歩道橋から 飛び続ければ 心がめあて 偽善者になるには一日は短い 失うのとは違う あとがき - 著者プロフィール - 鈴木 晴香 (スズキ ハルカ) (著/文) 1982年東京都生まれ。歌人。慶應義塾大学文学部卒業。雑誌「ダ・ヴィンチ」『短歌ください』への投稿をきっかけに作歌を始める。第1歌集『夜にあやまってくれ』(書肆侃侃房)。2019年パリ短歌イベント短歌賞にて在フランス日本国大使館賞受賞。塔短歌会編集委員。京都大学芸術と科学リエゾンライトユニット、『西瓜』所属。
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もう一人の吾行くごとし秋の風 村次郎 選詩集|村次郎
¥1,980
左右社 2018年 ソフトカバー 160ページ 四六判 - 内容紹介 - えんえんと歩き観察する、幻の詩人 八戸・鮫に生まれた詩人・村次郎。 伊東静雄、中村真一郎、芥川比呂志、白井浩司らと交遊し、堀田善衛の小説にも登場している。 彼の『全詩集』から詩人・管啓次郎が心打たれた70 篇をセレクション。 「彼の前にはいつも彼自身が歩いているようだった。 彼が残した言葉が、今帰ってきた。」
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菊は雪|佐藤文香
¥2,750
左右社 2021年 ハードカバー 188ページ A5変型判 - 内容紹介 - 俳句作家・佐藤文香の代表作、誕生! 第一句集『海藻標本』で宗左近俳句大賞を受賞し、第二句集『君に目があり見開かれ』や編著アンソロジー『天の川銀河発電所』で、ジャンル内外に読者を拡大した俳句作家・佐藤文香の集大成となる、充実の第三句集。 「早稲田文学増刊 女性号」掲載作品「学園東町」を含む全550句、句集制作ドキュメンタリー「菊雪日記」を収録。日本語定型詩の新たな核となる一冊。 何のために俳句を書いているかと聞かれたら、俳句ができることの拡張のためだとこたえる。先人が既に耕したことのある土地だとしても、今自分が耕し直すことには意味があると思いたい。(「菊雪日記」より) 〈収録俳句より〉 みづうみの氷るすべてがそのからだ 友達のごとしよ海苔の天麩羅は 雪降ればいいのに帰るまでに今 マルセイバターサンド常緑樹の林 Call it a day クーラーながら窓開けて ひと夏のゆくへの虹を撫で消しぬ 香水瓶の菊は雪岱菊の頃 目次 ❖目次 2021 雫 –2015 鰺 夏の末裔 松 肩こり スキー 鴨 いい季節 2016–2017 ひとこゑに 海の肌理 火 常緑樹の林 総国(ふさのくに) 学園東町 メロディー 2018 犬 Melbourne & Sydney 雪月花 喉 2019 街 うゐるす来 BEER & BANANA 猿 伊勢丹奇譚 三連プリン 菊は雪Ⅰ 2020– 水 エアプランツの花 愛 ほたるぶくろ 諒子 菊は雪Ⅱ 菊雪日記 - 著者プロフィール - 佐藤文香 (サトウアヤカ) (著/文) 佐藤文香(さとう・あやか) 1985年生まれ。兵庫県神戸市、愛媛県松山市で育つ。1998年、夏井いつきによる俳句の授業をきっかけに句作を開始し、高校時代は俳句甲子園に出場した。早稲田大学第一文学部卒業。第二回芝不器男俳句新人賞対馬康子奨励賞、第1回円錐新鋭作品賞白桃賞受賞。池田澄子に師事。 「里」・「クプラス」を経て現在「鏡」・「翻車魚」にて俳句活動。アキヤマ香による漫画『ぼくらの17-ON!』全四巻の監修や作詞、句集のプロデュースなども手がける。 句集 『海藻標本』(第十回宗左近俳句大賞受賞) 『君に目があり見開かれ』 編著 『俳句を遊べ!』 『天の川銀河発電所 Born after 1968 現代俳句ガイドブック』 『15歳の短歌・俳句・川柳②生と夢』 共著 『セレクション俳人プラス 新撰21』など オンデマンド詩集 『新しい音楽をおしえて』 恋愛掌篇集 『そんなことよりキスだった』
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あなたのための短歌集 | 木下龍也
¥1,980
ナナロク社 2021年 ハードカバー 224ページ 四六判 - 内容紹介 - 歌人・木下龍也さんが「お題」を受けて作歌する、短歌の個人販売プロジェクトが一冊の本になりました。 これまで作歌した700首の中から「100題100首」を収めています。 歌人がひとりの想い(お題)と向き合うことで生まれた短歌が詰まった歌集です。 【掲載予定のお題と短歌よりご紹介】 (お題)長い間、片想いしていた相手がいます。もう前に進もうと決めました。背中を押してくれる短歌をください。 (短歌)ふりむけば君しかいない夜のバスだから私はここで降りるね (お題)私は梅雨の時期に生まれました。雨が好きで、雨の短歌を詠んでいただきたいです。 (短歌)部屋にいる以外をしない雨の日の炎のようなあなたの寝癖 (お題)最近ずっともやもやとした悩みを抱えています。励みとなる短歌をください。 (短歌)いつからか頭のなかで飼っている悩みがついにお手を覚えた (お題)まっすぐ生きたい。それだけを願っているのに、中々そうできません。まっすぐに生きられる短歌をお願いします。 (短歌)「まっすぐ」の文字のどれもが持っているカーブが日々にあったっていい 装丁:名久井直子 - 著者プロフィール - 木下龍也 (キノシタタツヤ) (著/文) 1988年生まれ。歌人。 著書に、『つむじ風、ここにあります』『きみを嫌いな奴はクズだよ』(共に書肆侃侃房 刊)、『天才による凡人のための短歌教室』(小社 刊)。 また、共著に、『玄関の覗き穴から差してくる光のように生まれたはずだ』(岡野大嗣と共著、小社 刊)、『今日は誰にも愛されたかった』(谷川俊太郎、岡野大嗣との共著、小社 刊)がある。
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玄関の覗き穴から差してくる光のように生まれたはずだ | 木下龍也, 岡野大嗣
¥1,540
ナナロク社 2018年 ハードカバー 136ページ B6判 - 内容紹介 - 男子高校生ふたりの七日間をふたりの歌人が短歌で描いた物語、二一七首のミステリー。最注目の新世代歌人、初の共著。
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ミルクとはちみつ | ルピ・クーア(著), 野中モモ(訳)
¥1,540
アダチプレス 2017年 ソフトカバー 208ページ 四六変型判 縦188mm 横122mm - 内容紹介 - これは詩によって 生き抜いた旅 これは21年にわたる 血と汗と涙 これはあなたの手の中にある 私の心 これは 傷つけること 愛すること 壊れること 癒やすこと(本書より) 父や恋人との苦い経験の先に見つけた、甘くて大切なもの――。愛、喪失、トラウマ、虐待、癒し、そして女性であることの意味を正直な言葉で描き、20代の女性を中心に深い共感を呼ぶ、若き作家によるデビュー詩集。その作品は「すべての女性が読むべき詩人」(ハフポスト)、「同世代の声」(USAトゥデイ)と評されている。「ニューヨーク・タイムズ」のベストセラーリストで1位を獲得し100万部を突破、30ヶ国語に翻訳されている。 目次 傷つくこと 愛すること 壊れること 癒やすこと - 著者プロフィール - ルピ・クーア (ルピクーア) (著) 作家、イラストレーター。5歳のときに母から「あなたの心を描き出しなさい」と絵筆を手渡され、描くことをはじめる。それ以来、彼女にとって自分の人生は芸術的な旅路を歩むことと等しいものになった。修辞学の学位を取得したのち、2014年に第1詩集『milk and honey』(本書)を出版。国際的な評価を受けるとともに、「ニューヨーク・タイムズ」ベストセラーリストの1位を獲得。1年以上にわたってリスト入りを続け、ミリオンセラーとなる。本書は30ヶ国語に翻訳されている。2017年に第2詩集『the sun and her flowers』を刊行。 野中モモ (ノナカモモ) (訳) ライター、翻訳家。著書『デヴィッド・ボウイ 変幻するカルト・スター』(筑摩書房)。訳書にクリスティン・マッコーネル『いかさまお菓子の本 淑女の悪趣味スイーツレシピ』(国書刊行会)、ロクサーヌ・ゲイ『バッド・フェミニスト』(亜紀書房)、キム・ゴードン『GIRL IN A BAND キム・ゴードン自伝』(DU BOOKS)など。
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天才による凡人のための短歌教室 | 木下 龍也
¥1,320
ナナロク社 2020年 ソフトカバー 160ページ - 内容紹介 - 木下龍也が創作のすべてを伝える短歌教室。 開催すれば毎回満席となるこの講義が大幅な加筆と書き下ろしを加え一冊になりました。 短歌をつくる技術はもちろん、アイデアの発想法、歌人としての生き方、短歌とお金などなど… 短歌って何ですか?という方から楽しめる新たな「文章読本」の登場です。 ------------------------------------------------------- 最高の一首をつくるのは僕ではない。 この本を開いたあなただ。 あなたという短歌の天才が 目の前に立ちはだかる日を、 僕に参りましたと言わせてくれる日を、 僕は待っている。 木下龍也 ------------------------------------------------------- 著者プロフィール 木下龍也 (キノシタタツヤ) (著/文) 1988年山口県生まれ。歌人。 歌集に『つむじ風、ここにあります』、『きみを嫌いな奴はクズだよ』(共に書肆侃々房)。 小社刊行書籍に、岡野大嗣との共著『玄関の覗き穴から差してくる光のように生まれたはずだ』、 谷川俊太郎と岡野大嗣との共著『今日は誰にも愛されたかった』がある。
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季節を脱いで ふたりは潜る | 菅原敏
¥2,200
雷鳥社 2021年 ハードカバー 144ページ A5変型判 縦180mm 横148mm 厚さ15mm - 内容紹介 - 幾重にも着込んできた 季節をすべて脱ぎ捨てて、 今では遠く無くしたものに、水の中で手を伸ばす――。 『かのひと 超訳 世界恋愛詩集』以来、3年ぶりとなる菅原敏の新詩集は、 移ろいゆく暮らしを、やさしく抱き寄せ、綴った季節の詩。 〔読者特典:電話朗読付〕 燃やすとレモンの香る詩集や、毎夜一編の詩を街に注ぐラジオ番組など 数々の試みをおこなってきた菅原敏が、 今作では、遠い日々の断片を拾い集めてぺージに挟みこむように、 季節の情緒を12ヶ月の詩に写しました。 カバーを“脱ぐ”とあらわれる肌のような表紙や、 帯につくられた“小さな海” など、こだわり抜いた造本。 さらに朗読などの公演が叶わない今、一篇の詩を電話でお届けする 読者特典〔電話朗読室〕の電話番号を本書の中に隠しました。 雑誌『BRUTUS』での連載を中心に、 近年の代表作含む、12ヶ月×4編〔全48編〕を収録。 ------------------------------------------------------------------------- >4月 暮らし アスファルト上の片手袋を拾い上げると爆発する冬が終わって、動物たちが巣穴で目覚めるころ。やさしい光のなかでも私たちは少しだけ狂ってる必要があった。ほぼ毎日彼女は家にいるので、通帳なのか未来の姿なのか、私は何かを見ないようにと驚くほどに毎日眠る。オムレツリンゴヨーグルト、朝飯を食べ終わると午後三時。彼女の肌も荒れてきた。幸せな暮らしと正しい暮らし。睡眠薬とビタミン剤。それぞれの違いを交換したら洗濯機、私は彼女の下着を洗う。 >7月 冷たい水 肌と肌の輪郭が あいまいに消えされば 国境を越えて なめらかな山の稜線 カーテンの隙間から 初夏の日差しが 背中を打ち抜いて ちいさな午後の死 ラジオのニュース 遭難者2名 同じコップで水を飲み 眠りに落ちる前に聞いた ひとつのからだで いきるための理由 目次 <四月> 浴室の音楽 暮らし 春のしわざ 風のしわざ 接続詩 <五月> 微笑み隠して 僕らは歩く パキラ 封筒の中の街 背中に気をつけろ <六月> 午前四時 午後四時 ざあざあ雨 いま <七月> 冷たい水 鏡の詩 かもめ 恋は水色 <八月> 半袖を着ない理由 一秒 髪を切る意味 白と黒 <九月> おまえは知らない 青が争う夜のしずか 裏窓 日曜日 <十月> 机に海 危険な読書 眠り傘 世界でいちばん大きな詩集 <十一月> 古いホテル 海の底から鐘の音は おお おんなたち 日生 座 <十二月> 街のあかり まばたき 彼女の指は誕生日 嘘ついて星ふえる <一月> 家 必要な家具 玄関 キッチン <二月> 過去を束ねて川をゆく Scented Poems For Burning わたしはりんご 若さの馬鹿野郎たち <三月> きれいな暮らし 五線譜の日々 街 はるなんてこい あとがき 電話朗読室 - 著者プロフィール - 菅原敏 (スガワラビン) (著/文) 詩人。2011年、アメリカの出版社PRE/POSTより詩集『裸でベランダ/ウサギと女たち』をリリース。以降、執筆活動を軸にラジオでの朗読や歌詞提供、欧米やロシアでの海外公演など幅広く詩を表現。近著に『かのひと 超訳世界恋愛詩集』(東京新聞)、燃やすとレモンの香る詩集『果実は空に投げ たくさんの星をつくること』(mitosaya)。 東京藝術大学 非常勤講師
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聲 | 石原弦
¥2,585
あさやけ出版 2020年 ハードカバー 168ページ - 内容紹介 - 岐阜の庭文庫さんが始めた「あさやけ出版」から発売となった詩集が届いております。 長く養豚に携わり、豚を育て続けながら密かに書きためた「弦さん」初めての詩集です。 誰にも言わず静かに、絵を描き続ける、『白鯨』を訳し続ける、フランス革命の研究をし続ける、山を整備し続ける… こちらに越してきてから、そんな静かな芸術家(と言ってよければ)たちに出会うことがあります。 著者の石原さんもきっとそんな芸術家の一人なのだろうな、と憧れをもってページをめくりました。 本の佇まいも言葉も、静かで、でも確かな手触りのあるような、そんな詩集。プレゼントにもおすすめです。
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歌仙 一滴の宇宙 | 岡野弘彦, 三浦雅士, 長谷川櫂
¥2,200
思潮社 2015年 ハードカバー 115ページ A5判 - 内容紹介 - 当代随一の歌人・俳人・評論家が、詩としての歌仙再生に挑む! 目次 春の雪 花筏 夏の彼方 台風 伊豆の冬 桜 楼蘭 - 著者プロフィール - 岡野弘彦 (オカノヒロヒコ) (著/文) 1924年、三重県生まれ。歌人。主な歌集に『冬の家族』『滄浪歌』『海のまほろば』『天の鶴群』『バクダッド燃ゆ』『美しく愛しき日本』など、評論集に『折口信夫の晩年』『折口信夫伝』など。 三浦雅士 (ミウラマサシ) (著/文) 1946年、青森県生まれ。文芸評論家。主な著書に、『私という現象』 『主体の変容』『メランコリーの水脈』『小説という植民地』『身体の零度』『青春の終焉』『出生の秘密』『孤独の発明』など。 長谷川櫂 (カセガワカイ) (著/文) 1954年、熊本県生まれ。俳人。主な句集に『古志』『蓬萊』『虚空』『初雁』『吉野』『沖縄』『九月』など、評論集に『俳句の宇宙』『古池に蛙は跳びこんだか』『俳句の誕生』など。
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歌仙 永遠の一瞬 | 岡野弘彦, 三浦雅士, 長谷川櫂
¥2,420
思潮社 2019年 ハードカバー 133ページ A5判 - 内容紹介 - 花見船 空に浮べん吉野かな 春の底なる われぞ さびしき かぎろひに 憂ひの瞳 けぶらせて 鬼の詞(ことば)のひらく 深淵 大岡信を送る 「この集には七つの歌仙が収められているが、(…)結果的に、大岡信を送るという主題が底流することになった」(跋・三浦雅士)。 当代随一の歌人・俳人・評論家が、詩としての歌仙再生に挑む、その第2集。客人に谷川俊太郎、三角みづ紀、蜂飼耳、小島ゆかりを迎え、大岡信の死と前後して進められた、7つの歌仙。 - 著者プロフィール - 岡野弘彦 (オカノヒロヒコ) (著/文) 1924年、三重県生まれ。歌人。主な歌集に『冬の家族』『滄浪歌』『海のまほろば』『天の鶴群』『バクダッド燃ゆ』『美しく愛しき日本』など、評論集に『折口信夫の晩年』『折口信夫伝』など。 三浦雅士 (ミウラマサシ) (著/文) 1946年、青森県生まれ。文芸評論家。主な著書に、『私という現象』 『主体の変容』『メランコリーの水脈』『小説という植民地』『身体の零度』『青春の終焉』『出生の秘密』『孤独の発明』など。 長谷川櫂 (カセガワカイ) (著/文) 1954年、熊本県生まれ。俳人。主な句集に『古志』『蓬萊』『虚空』『初雁』『吉野』『沖縄』『九月』など、評論集に『俳句の宇宙』『古池に蛙は跳びこんだか』『俳句の誕生』など。
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サークル・ゲーム | マーガレット・アトウッド / 出口 菜摘訳
¥2,420
彩流社 2020年 ハードカバー 182ページ 縦195mm 横135mm 厚さ18mm - 内容紹介 - 現代カナダ文学を代表する作家、 マーガレット・アトウッドの知られざるデビュー作、本邦初訳。 不穏な空気に包まれた28篇の詩集。 フェミニズム、環境問題等、アトウッドの全作品に共通するテーマがすでに現われている、注目作。 この恍惚とした回転が喜びだと 誤解していたのかもしれない でも、そこになんの喜びもない──(表題作「サークル・ゲーム」より)
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どこにでもあるケーキ | 三角 みづ紀, 塩川 いづみ(イラスト)
¥1,870
ナナロク社 2020年 ハードカバー 114ページ - 内容紹介 - 小口と天地がピンク色に染められ、カバーにはグラシン紙が巻かれた美しい本です。 13歳の気持ちを詠み、思春期のもどかしさ、窮屈さ、自由さが思い出される、それはもう触れたらすぐに壊れてしまいそうな、繊細さをも孕んだ33篇。
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句集 不純 | 山田耕司, 佐藤文香(編集)
¥1,650
左右社 2018年 四六判上製/135ページ 俳人の佐藤文香がプロデュース。 山田耕司の第二句集。 変でポップな重低音が秀いでた言葉に響く。 現代の重要な俳人の最新句集はインパクト大にしてマイペースなリズムを刻む。 デザイン:松田行正 装画:山口晃
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これから猫を飼う人に伝えたい11のこと|仁尾智, 小泉さよ(イラスト)
¥1,430
辰巳出版 2021年 ソフトカバー 48ページ 四六判 - 内容紹介- 多くの猫と暮らしてきた猫歌人・仁尾 智が、これから猫を飼う人に伝えたいことを11の短歌と短いエッセイで綴ります。 人気イラストレーター・小泉さよさんの水彩画は全て描き下ろし。
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雨をよぶ灯台|マーサ・ナカムラ
¥2,200
思潮社 2020年 ハードカバー 99ページ 四六判 - 内容紹介- あの優しい男は 私が家で泣いているときに カーテンの隙間から 星明りと一緒に差し込む白い顔の男である (「御祝儀」) 「影も形もないものが、光をひろげ、流れをつくる。そんな夢のような作品を、マーサ・ナカムラだけが書いていく」(荒川洋治)。豊かな詩的想像力、類いまれな筆力を示した『狸の匣』から2年。自由と切迫のはざまで揺れ動く、最新15篇。装幀=外間隆史
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空とぶ猫|北村 太郎
¥1,760
港の人 2021年 ソフトカバー 188ページ - 内容紹介 - 猫を心から愛した詩人・北村太郎による猫の詩・エッセイをまとめた一冊。 装画のオレンジ色の猫、なんて趣があって良いのだろうと思っていたら、北村太郎自身によるイラストでした。 本編中にもいくつか登場するイラストの猫はみんな少し気が抜けていて大変癒されます。
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山風にのって歌がきこえる 大槻三好と松枝のこと|惣田紗希
¥1,870
タバブックス 2019年 ソフトカバー 168ページ 四六変型判 縦176mm 横121mm 厚さ17mm - 内容紹介 - 概要:太田市美術館・図書館「ことばをながめる、ことばとあるく 詩と歌のある風景」出品作品である大槻三好・松枝、惣田紗希 短歌×イラストレーション作品をもとにした書籍。昭和初期、太田市の歌人大槻三好・松枝の出会い、結婚、出産、松枝の死、そして遺された子。みずみずしい口語短歌と太田にゆかりのある惣田紗希のイラスト・装丁で、二人の短くかけがいのない日々に思いを寄せた1冊です。 前書きなど はじめに 大槻三好と松枝は、共に一九〇〇年代初頭に群馬県太田市に生まれ育ち、一九二〇年代から活動を始めた歌人夫婦である。 私が二人の短歌に出合ったのは、二〇一八年の夏に群馬県の太田市美術館・図書館で 開催された展覧会『ことばをながめる、ことばとあるく――詩と歌のある風景』(会期: 二〇一八年八月七日~十月二十一日)に作家として呼ばれたことがきっかけだった。 展示の内容としては、太田市に所縁のある作家とのコラボレーション枠で、太田市を拠 点に活動していた知られざる歌人夫婦・大槻三好と松枝の短歌を元に、美術館の展示室の 壁三面に壁画を描くというもの。 私は太田市に隣接する栃木県足利市に生まれ育ったため、太田市に馴染みはあったも のの、作品制作当時、三好と松枝を知る手がかりは、現在は絶版となっている三冊の歌 集しかなかった。三好の二十~二十五歳までの短歌を収録した『白墨の粉』(紅玉堂書店、 一九二九年)、二十六~三十歳までの短歌を収録した『花と木馬』(素人社書屋、一九三四年)、 松枝の死後に三好が遺稿を編集・装丁した『紅椿』(紅玉堂書店、一九三〇年)の三冊である。 その三冊を広げて読み解き、二人が共有していたであろう時間や心の揺れを辿りながら、 それぞれの生活、仕事、出会い、恋愛、結婚、出産、死別までの歌を時系列に沿って選出し、 展覧会では合計三十九首を壁面に並べ、それに合わせて全長約二十メートルの壁画『山風 と記憶を辿る線』を描いた。 美術館の展示では空間的な制約があったため三十九首に絞られたが、本書ではそれを元 に、より深く夫婦の背景を辿れるよう短歌を大幅に追加し、再編集した。 太田市のほぼ中央に位置し、街のシンボルとされている金山は、太田市美術館・図書館を起点としても歩いて頂上まで行くことができる。それは、夫婦が共に歩いた道でもあったかもしれない。山頂からは、太田市の街をほとんど見渡すことができる。この街で過ごした夫婦の生活はどんなものだったのか。山頂で心地よく吹く風に耳を澄ます。 版元から一言 昭和初期、群馬県太田市の教員で歌人の大槻三好と松枝が出会った。教員生活、結婚、妊娠、出産、松枝の死、そして遺された子。みずみずしい口語短歌と惣田紗希のイラストで描く、二人の短くかけがいのない日々。 - 著者プロフィール - 惣田紗希 (ソウダサキ) (著) グラフィックデザイナー/イラストレーター。1986年、栃木県足利市に生まれる。2008年、桑沢デザイン研究所卒業。デザイン会社にてブックデザインに従事したのち、2010年よりフリーランス。2013年より東京から足利市に拠点を移す。インディーズ音楽関連のデザインや装丁を手掛けるほか、イラストレーターとして雑誌や書籍を中心に国内外で活動中。
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宮沢賢治のオノマトペ集|宮沢 賢治, 杉田 淳子(編集), 栗原 敦(監修)
¥968
筑摩書房 2014年 文庫判 368ページ - 内容紹介 - 賢治ワールドの魅力的な擬音をセレクト・解説した画期的な一冊。ご存じ「どっどどどどうど どどうど どどう」など、声に出して読みたくなります。
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"The Feeling When..." 日常の中に生まれてくるある瞬間について【リソグラフ特装版】| 安達茉莉子
¥1,430
MARIOBOOKS 2020年 特装版 第3刷 手製本 32ページ B6 日英併記 - 内容紹介 - イラスト作家の安達茉莉子さんによる詩画集。 うまく言葉にできないけれど、きっと経験したことのある「あの感じ」がたくさん詰まっています。 読んでいると自分の感受性がぐいぐいと拡張していくような作品です。