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パレスチナ詩集 | マフムード・ダルウィーシュ(本文), 四方田 犬彦(翻訳)
¥1,540
筑摩書房 2024年 ちくま文庫 ソフトカバー 208ページ 文庫判 - 内容紹介 - パレスチナに生まれ 入獄と亡命を生きた大詩人 惨事と野蛮に抗して 詩は可能か 「世界の果てに辿り着いたとき、われらはどこへ行けばよいのか。/最後の空が終わったとき、鳥はどこで飛べばよいのか。」詩を喪失したとき、敗北した国はさらに敗北する。ホメロスに始まる西洋文学がつねに勝者の側から語られてきたとするならば、今こそ敗者の声を詩に結実させなければならない。本書はパレスチナの亡命詩人の、生涯を懸けた絶唱である。 - 目次 - 道のなかにさらなる道 この大地にあって また野蛮人がやって来る 死んでいるわたしが好き 山裾の上、海よりも高く、彼らは眠った あそこに夜が アデンに行った 敵が遠ざかると アナット変幻 イムルウ・ル・カイスの、言葉によらない論争 異邦人に馬を 壁に描く 訳註 訳者解説 四方田犬彦 - 著者プロフィール - マフムード・ダルウィーシュ (ダルウィーシュ マフムード) (本文) 1941-2008。パレスチナに生まれ、イスラエル建国後は入獄と亡命の生を生きる。アラブ現代詩におけるもっとも重要な詩人の一人。ベイルートにてPLOに参加するが、オスロ合意に疑念を抱き、自治政府の組閣に参加せず。1969年にロータス賞を、83年にレーニン平和賞を受ける。サイードの著作に霊感を与え、ゴダール映画に出演する。 四方田 犬彦 (ヨモタ イヌヒコ) (翻訳) 1953年生まれ。批評家・エッセイスト・詩人。著作に『見ることの塩』(河出文庫)、翻訳に『パゾリーニ詩集』(みすず書房)がある。
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地上で起きた出来事はぜんぶここからみている | 河野 聡子
¥2,200
いぬのせなか座 2024年 いぬのせなか座叢書 ソフトカバー 106ページ B5変形判 縦182mm 横182mm 厚さ10mm - 内容紹介 - [いぬのせなか座叢書第2弾] 詩を中心に、パフォーマンスやインスタレーションの制作、雑誌・アンソロジーの編集・発行など、多彩な活動を展開しているヴァーバル・アート・ユニット「TOLTA」。その代表である河野聡子による詩=テキストを、山本浩貴+h(いぬのせなか座)が編集・デザインした、大胆かつ軽やかな詩集。 挟み込み小冊子として、いぬのせなか座メンバーによる本詩集をめぐる座談会が付属。 作品の細密分析を中心に、時に編集・デザインの制作意図の開陳とその有効性の検証もはさみつつ、約40日、4万字に及ぶ議論が展開される。 刊行時、Webにて、町屋良平や郡司ペギオ幸夫、大岩雄典など様々なジャンルの作り手・書き手による、本詩集を発端としたテキスト・作品が掲載されたことでも話題をよんだ。 言語表現を中心に共同制作や複数ジャンルの越境を模索する制作集団・出版版元「いぬのせなか座」の活動の、核となる部分を凝縮した詩集。待望の復刊。 [栞=小冊子] いぬのせなか座 座談会5 2017/05/21→2017/07/02 『地上で起きた出来事はぜんぶここからみている』をめぐって 判型:175mm✕155mm 28ページ(40000字) - 目次 - 生物 紙飛行機 家 歩く人 クマの森 専用 一八〇秒 アレンジメント/シンポジウム 生物 代替エネルギー推進デモ マンダリン・コスモロジー ハロー ブルーブック Cītlallohtihca(星々のあいだに立つ) 星ぼしのあいだに立つ ハンド 地上 アンダーグラウンド・テレビジョン とおくから星がふる - 著者プロフィール - 河野聡子 (コウノサトコ) (著) 1972年福岡県北九州市生まれ。詩人、書評家。ヴァーバル・アート・ユニットTOLTA代表。刊行詩集に『時計一族』(思潮社)『Japan Quake Map―Sapporoによるヴァリエーション』『WWW/パンダ・チャント』(私家版) 『やねとふね』(マイナビ出版)『地上で起きた出来事はぜんぶここからみている』(いぬのせなか座)。書評や論考、エッセイを文芸誌、新聞等に寄稿。実験音楽のユニット「実験音楽とシアターのためのアンサンブル」でも活動している。
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死のやわらかい | 鳥さんの瞼(著/文)
¥1,650
点滅社 2024年 ハードカバー 96ページ 四六変形判 - 内容紹介 - 「死」を誰よりも愛し、向き合い、見つめ続ける歌人の第一歌集。 【収録歌より】 巻き貝のなかを明るくするように母は美大はむりよと言った 会うことのなかった四羽の心臓が一つに刺されて完成している 死ぬことが悲しいだけでなかったこと 落ちて初めて燃ゆ流れ星 【栞(小冊子16p)】 林あまり『若草の香り』 岡本真帆『「むりよ」が連れてきた明るさ』 東直子『命に旗を立てる』 【装丁】名久井直子 「……心をつくして死と向かい合い、命をかみしめ、生きていることを味わう。いつか必ずやってくる死をゆっくり受け入れるための心の器としての歌なのだろう。」 東直子(栞文より) - 目次 - 鳥 棺 速度たち 虹 心の理論 貝殻 乱暴さについて 優しさについて 遅れる 行き先はたいてい二つ し 電子レンジ 皮膚 提供 容易にエンジェル 食べものは 大丈夫 流れ星 やばピ もう来ない友人 ケージ 安らぎがあってほしい てのひら メランコリア 少し暖かい曇りの日 夜のぬるい いつか 憶えていないものたち 版元から一言 「死」にどうしても惹かれてしまう人に読んでほしい歌集です。 徹底的に「死」を見つめ続けることで生まれた歌たちは、一見ネガティブですが、不思議な爽快感とほのかな明るさがあります。絶望とわずかな希望が混じりあった、待望の第一歌集です。 - 著者プロフィール - 鳥さんの瞼 (トリサンノマブタ) (著/文) 歌人。第八回氷川短歌賞大賞受賞。
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武蔵野詩抄 国木田独歩から忌野清志郎まで | 正津 勉
¥2,200
アーツアンドクラフツ 2023年 ソフトカバー 248ページ 縦188mm 横128mm 厚さ21mm - 内容紹介 - 約130年にわたる「武蔵野」の時空を詩47編で歩く 独歩の「武蔵野」=渋谷郊外を散策し、荒井由実「中央フリーウェイ」をクルマで飛ばし、忌野清志郎の国立「多摩蘭坂」をのぼる。 [解説付き] 目次 武蔵野旧景 中央線沿線 Ⅰ 西武線沿線 中央線沿線 Ⅱ 多摩川流域・多摩丘陵 秩父山地 関東山地 詩の湧く野、武蔵野/正津勉 - 著者プロフィール - 正津勉 (ショウヅベン) (編集 | 解説) 1945年、福井県生まれ。同志社大学文学部卒業。詩人・文筆家。おもな著書に詩集『惨事』(国文社)、『正津勉詩集』(思潮社)、『奥越奥話』(アーツアンドクラフツ)。小説『笑いかわせみ』『河童芋銭』(河出書房新社)。評伝『山水の飄客 前田普羅』(アーツアンドクラフツ)、『忘れられた俳人 河東碧梧桐』(平凡社新書)、『乞食路通』『つげ義春』『裏日本的』(作品社)など多数。
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二弐に2 (にににに)|らくだ舎出帆室
¥4,290
らくだ舎出帆室 2023年 ハードカバー 312ページ - 内容紹介 - 200年、をテーマに、詩、短歌、写真、エッセイ、小説など、多様な表現物を集めたらくだ舎出帆室のアンソロジー。 こわれたとけい/すいげん/未来 石原弦 ひなたぼっこ 大西文香 二〇〇年の射程を捉える 千葉貴子 いま、ここ、にいる責任ーー抱樸をたずねて 千葉智史 イマジンを聴きながら モリテツヤ 「これからの私たちの本」をつくる 髙松夕佳 「生きること」を問い直す三冊 青木真兵 夜を渡っていくために 柞刈湯葉 物語の重なり しいねはるか 辺境から考える「脱成長」 トンガ坂文庫/Youth Library えんがわ/らくだ舎 家庭内運動からSakumagというコレクティブへ 佐久間裕美子 西木根 石原弦 集う、信じる、生活を共有するーーゴーバルで見つけたこと 千葉智史 コミュニティと継承と 柳楽光隆 私の今日/わたしの今日 柴田葵 簡素と永遠 高村友也 山里思考 千葉智史 のんびり魂 畠中悠子 おわりに らくだ舎出帆室
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葛原妙子歌集|川野里子(編集), 葛原妙子(著/文)
¥2,200
書肆侃侃房 2021年 ハードカバー 296ページ 四六判 - 内容紹介 - 装幀:六月 栞:大森静佳、川野芽生、平岡直子 葛原妙子の全ての歌集から1500首を厳選。 葛原の壮大な短歌世界が見渡せる一冊。 【目次】 『橙黃』/『繩文』/『飛行』/『薔薇窓』/『原牛』/『葡萄木立』/『朱霊』(完本)/『鷹の井戶』/『をがたま』/『をがたま』補遺/異本『橙黃』/解説(川野里子)/葛原妙子年譜 【栞】 大森静佳「えぐる、えぐられる」 川野芽生「幻視者の瞼」 平岡直子「この世界で、電気仕掛けの身体で」 【収録歌より】 早春のレモンに深くナイフ立つるをとめよ素睛らしき人生を得よ(『橙黃』) わがうたにわれの紋章のいまだあらずたそがれのごとくかなしみきたる(『橙黃』) 黑峠とふ峠ありにし あるひは日本の地圖にはあらぬ(『原牛』) 他界より眺めてあらばしづかなる的となるべきゆふぐれの水(『朱靈』) 疾風はうたごゑを攫ふきれぎれに さんた、ま、りぁ、りぁ、りぁ(『朱靈』) - 著者プロフィール - 川野里子 (カワノサトコ) (編集) 1959年生まれ。千葉大学大学院修士課程修了。東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得退学。評論に『幻想の重量──葛原妙子の戦後短歌』『七十年の孤独──戦後短歌からの問い』(書肆侃侃房)、『コレクション日本歌人選 葛原妙子』(笠間書院)など。歌集に『太陽の壺』(第13回河野愛子賞)『王者の道』(第15回若山牧水賞)『硝子の島』(第10回小野市詩歌文学賞)『歓待』(第71回読売文学賞)など。
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左川ちか全集 | 左川ちか, 島田龍(編集)
¥3,080
書肆侃侃房 2022年 ハードカバー 416ページ 四六判 - 内容紹介 - 詩の極北に屹立する詩人・左川ちかの全貌がついに明らかになる──。 萩原朔太郎や西脇順三郎らに激賞された現代詩の先駆者、初の全集。 すべての詩・散文・書簡、翻訳を収録。編者による充実の年譜・解題・解説を付す。 装幀:名久井直子 - 著者プロフィール - 左川ちか (サガワチカ) (著/文) 詩人・翻訳家。本名川崎愛。1911年生まれ。北海道余市町出身、十勝地方の本別町で幼少期を過ごす。庁立小樽高等女学校卒業後に上京。10代で翻訳家としてデビュー。J・ジョイス、V・ウルフ、ミナ・ロイなど、詩・小説・評論の翻訳を残す。1930年に筆名を「左川ちか」と改め詩壇に登場する。同郷の伊藤整を始め、北園克衛・春山行夫・西脇順三郎・萩原朔太郎らに高く評価、詩誌『詩と詩論』『椎の木』『マダム・ブランシュ』などで活躍した。将来を嘱望されたが1936年に死去。享年24。J・ジョイス著/左川ちか訳『室楽』(椎の木社、1932年)、遺稿詩集『左川ちか詩集』(伊藤整編・昭森社、1936年)。本書は初の全集となる。 島田龍 (シマダリュウ) (編集) 東京都中野区出身。立命館大学文学研究科日本史専修博士後期課程単位取得退学。現・立命館大学人文科学研究所研究員。専門は中世~近現代における日本文化史・文学史。関連論考に「左川ちか研究史論―附左川ちか関連文献目録増補版」(『立命館大学人文科学研究所紀要』115号)、「左川ちか翻訳考:1930年代における詩人の翻訳と創作のあいだ―伊藤整、H・クロスビー、J・ジョイス、V・ウルフ、H・リード、ミナ・ロイを中心に」(『立命館文学』677号)など。
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対訳 厄除け詩集 | 井伏 鱒二, ウィリアム・I・エリオット(翻訳), 西原 克政(翻訳)
¥1,650
田畑書店 2023年 ハードカバー 184ページ 文庫判 - 内容紹介 - 「心をくすぐり、心に沁みる、まさにこの時代の厄を祓ってくれる名詩集。――谷川俊太郎」 〝ハナニアラシノタトヘモアルゾ「サヨナラ」ダケガ人生ダ〟の一節であまりにも有名な井伏鱒二の『厄除け詩集』を、没後30年を期して完全英訳。訳者は谷川俊太郎氏の詩訳で知られる名コンビ。詩魂を十全に汲み取った英訳と照らし合わせて読むと、ユーモアとペーソスに満ちた井伏鱒二の詩行が心に沁みわたる。 - 著者プロフィール - 井伏鱒二 (1898‐1993) 広島県深安郡加茂村(現、福山市加茂町)出身。小説家。本名は井伏満寿二(いぶしますじ)。中学時代より画家を志すが、大学入学時より文学に転向する。『山椒魚』『ジョン万次郎漂流記』(直木賞受賞)『本日休診』『黒い雨』(野間文芸賞)『荻窪風土記』などの小説・随筆で有名。 ウィリアム・I・エリオット(1931‐ ) アメリカ、カンザス州出身。詩人、批評家、翻訳家。谷川俊太郎の詩集64冊の英訳という現在までの膨大なライフワークは岩波書店の電子書籍で読める。1968年から関東ポエトリ・センターを創設し海外と日本の詩人の交流につとめてきた。最新詩集に『DOWSING』 がある。 西原克政(1954‐ ) 岡山県出身。翻訳家。著書に『アメリカのライト・ヴァース』。訳書に『THE SINGING HEART』『えいご・のはらうた』『定本 岩魚』『谷川俊太郎の詩を味わう』などがある。谷川俊太郎の詩集の英訳を現在までのところ7冊同じく岩波書店の電子書籍で刊行。R.H.ブライス『川柳』近刊予定。
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現代短歌パスポート1 シュガーしらしら号 | 榊原紘, 伊藤紺, 千種創一, 柴田葵 ほか
¥1,100
書肆侃侃房 2023年 ソフトカバー 112ページ 四六変型判 - 内容紹介 - 新シリーズ創刊! 最注目の歌人10名による書き下ろしの新作短歌アンソロジー歌集。 榊原紘 伊藤紺 千種創一 柴田葵 堂園昌彦 谷川電話 吉田恭大 菊竹胡乃美 宇都宮敦 初谷むい 【収録作品】 榊原紘「Classic」 伊藤紺「雪の匂い」 千種創一「White Train」 柴田葵「おさしみ」 堂園昌彦「春は水さえとろけさせる」 谷川電話「夢を縫う、たき火を保つ」 吉田恭大「フェイルセーフ」 菊竹胡乃美「火のぬいぐるみ」 宇都宮敦「羊毛期の到来(ウール、ウール、ウール)」 初谷むい「天国紀行」 - 著者プロフィール - 榊原紘 (サカキバラヒロ) (著/文) 1992年愛知県生まれ。奈良県在住。第2回笹井宏之賞大賞受賞。2020年、第一歌集『悪友』刊行。ゆにここオンラインカルチャースクールで「推しと短歌」の講師を務める。短詩集団「砕氷船」の一員。 伊藤紺 (イトウコン) (著/文) 歌人。1993年生まれ。横浜在住。著書に歌集『肌に流れる透明な気持ち』『満ちる腕』(いずれも短歌研究社)、ミニ歌集『hologram』(CPcenter)。 千種創一 (チグサソウイチ) (著/文) 1988年名古屋生まれ。2015年、『砂丘律』。2016年、日本歌人クラブ新人賞、日本一行詩大賞新人賞。2020年、『千夜曳獏』。2021年、現代詩「ユリイカの新人」に選出。2022年、『イギ』、ちくま文庫版『砂丘律』。 柴田葵 (シバタアオイ) (著/文) 歌人、ライター。第2回石井僚一短歌賞次席。第1回笹井宏之賞大賞受賞により、第一歌集『母の愛、僕のラブ』(書肆侃侃房)を出版。東京都在住。身長164センチ。 堂園昌彦 (ドウゾノマサヒコ) (著/文) 1983年東京都生まれ。早稲田短歌会を経て、現在、短歌同人誌「pool」所属。2013年、第一歌集『やがて秋茄子へと到る』(港の人)刊行。ブログに歌書紹介サイト「短歌のピーナツ」。 谷川電話 (タニカワデンワ) (著/文) 1986年愛知県生まれ。2014年、角川短歌賞を受賞。歌集に『恋人不死身説』(2017年、書肆侃侃房)、『深呼吸広場』(2022年、書肆侃侃房)。 吉田恭大 (ヨシダヤスヒロ) (著/文) 1989年鳥取県生まれ。「塔短歌会」「早稲田短歌会」で短歌を学ぶ。2019年第一歌集『光と私語』(いぬのせなか座)を刊行。同年より詩歌の一箱書店「うたとポルスカ」を運営。 菊竹胡乃美 (キクタケコノミ) (著/文) 1995年福岡県生まれ。2015年から短歌を始める。第一歌集『心は胸のふくらみの中』(書肆侃侃房、2023年)。 宇都宮敦 (ウツノミヤアツシ) (著/文) 1974年千葉県生まれ。歌集『ピクニック』(2018年、現代短歌社)。ブログ「Waiting for Tuesday」(https://blog.goo.ne.jp/utsuno)。 初谷むい (ハツタニムイ) (著/文) 1996年生まれ、札幌市在住。第一歌集『花は泡、そこにいたって会いたいよ』(書肆侃侃房、2018年)、第二歌集『わたしの嫌いな桃源郷』(書肆侃侃房、2022年)。
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ハダカだから|谷川 俊太郎, 下田昌克(イラスト)
¥2,420
スイッチ・パブリッシング 2023年 ハードカバー 80ページ 1 x 13.5 x 19.4 cm - 内容紹介 - 詩人・谷川俊太郎と画家・下田昌克によるジャムセッション。雑誌「Coyoye」の巻末連載が一冊に。2人の出会いは2009年の「Coyote」のアラスカ特集でのこと。その後、絵本や、下田の代名詞とも言えるキャンバス生地で作られた恐竜作品に、谷川が詩で応えた作品集『恐竜がいた』など、幾度もコラボレーション作品を生み出し続けた。その年来の知友である2人が、本作では「ハダカ」をテーマに生きることを時に熱く生々しく、時に静謐に表現する。連載時の作品に、書き下ろしを加えた20篇の詩を収録。谷川が紡いだ「性」と「詩」。下田が描いた「生」と「死」。ただ、ありのままのいのちのかたちをここに。 - 著者プロフィール - 谷川俊太郎 (タニカワシュンタロウ) (著/文) 詩人。1931 年東京生まれ。1952 年第一詩集『二十億光年の孤独』を刊行。詩作のほ か、絵本、エッセイ、翻訳、脚本、作詞など幅広く作品を発表。近著に『ベージュ』、『どこからか言葉が』、『虚空へ』、絵本『ぼく』 (絵・合田里美)などがある。 下田昌克 (シモダマサカツ) (イラスト) 画家。1967年兵庫県生まれ。著書に画文集『PRIVATE WORLD』(山と渓谷社)、絵本『死んだかいぞく』(ポプラ社)など。谷川俊太郎との共作として、ボブ・サム著『かぜがおうちをみつけるまで』『恐竜がいた』(スイッチ・パブリッシング刊)がある。
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無垢の歌|ウィリアム ・ブレイク, 池澤夏樹(翻訳), 池澤春菜(翻訳)
¥1,760
毎日新聞出版社 2021年 ハードカバー 112ページ 四六変型判 - 内容紹介 - 最強の本読み父娘がおくる〈ことばの薬〉。初邦訳から90年、名著が新たな輝きとともによみがえる! こころを癒やす愛の詩集。解説・池澤夏樹。
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百年後 嵐のように恋がしたいとあなたは言い 実際嵐になった すべてがこわれわたしたちはそれを見た|野村日魚子
¥1,870
ナナロク社 2022年 ハードカバー 160ページ B6判 - 内容紹介 - 57577の短歌の形式を「音数」で大きくはみ出す作品群が、 短歌のリズムをたしかに奏でてつくられる、物語世界。 野村日魚子の第一歌集 ●収録歌より8首 犬よ いくつもある墓碑に書かれている文字のどれ一つとして読めず震えている夜 遠くの人に届くのが手紙 つまりこれがそうなのとてもうれしいでしょう それはとても寂しいことだという あなたを知る天使はみな表面積の少なく 記憶の中の人間が好きだ 記憶の中の人間はわたしにさわれない ゆるさない絶対にゆるさないぞとびしょ濡れの犬が言いやわらかい布で拭いてやる 幽霊が出てくる映画 主人公は幽霊で 家族も友人もみな幽霊だった おれは席を立ち映画館を出た 愛はとても速く誰も見たことがないというそれをいまからあなたに見せる やわらかいものを食べようそのあとに寝ようねいくつもはない夜たち
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老人ホームで死ぬほどモテたい|上坂 あゆ美
¥1,870
書肆侃侃房 2022年 ソフトカバー 144ページ 四六判 - 内容紹介 - 思わぬ場所から矢が飛んでくる 自分の魂を守りながら生きていくための短歌は、パンチ力抜群。絶望を嚙みしめたあとの諦念とおおらかさが同居している。 (東 直子) 【5首】 母は鳥 姉には獅子と羽根がありわたしは刺青(タトゥー)がないという刺青(タトゥー) 風呂の水が凍らなくなり猫が啼き東京行きの切符を買った 故郷の母と重なりしメスライオン 深夜のナショナル・ジオグラフィック 沼津という街でxの値を求めていた頃会っていればな シロナガスクジラのお腹でわたしたち溶けるのを待つみたいに始発 - 著者プロフィール - 上坂あゆ美 (ウエサカアユミ) (著/文) 1991年8月2日、静岡県生まれ。東京都在住。 2017年から短歌をつくり始める。 銭湯、漫画、ファミレスが好きです。 Twitter:@aymusk
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歌集副読本『老人ホームで死ぬほどモテたい』と『水上バス浅草行き』を読む|上坂 あゆ美, 岡本 真帆
¥1,320
ナナロク社 2023年 ソフトカバー 160ページ B6変型判 - 内容紹介 - 2つの出版社(ナナロク社と書肆侃侃房)の2022年の話題の歌集2冊の著者が、 互いの本を語りぬいた一冊。 両方読んだ方、片方だけの方、まだ読んでいない方にも、 歌集を読む楽しさが愛情たっぷり伝わる「副読本」です! ▼構成▼ ・『老人ホームで死ぬほどモテたい』の上坂あゆ美が語る『水上バス浅草行き』評 ・『水上バス浅草行き』の岡本真帆が語る『老人ホームで死ぬほどモテたい』評 ・新作短歌と書き下ろしエッセイ 収録
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毎日のように手紙は来るけれどあなた以外の人からである 枡野浩一全短歌集 | 枡野 浩一
¥2,530
左右社 2022年 ソフトカバー 384ページ 四六変型判 - 内容紹介 - 短歌ブームは、ここからはじまった――。歌人・枡野浩一、デビュー25周年にして、待望の全短歌集刊行! 世の常として、他人に言えない孤独を歌にすると、他人に言えない孤独を抱えた、多くの人たちに愛される、のです。 そして、そのことは一切、誰の孤独も軽くはしないのです。 でも、歌は。 あぁ、歌は。 枡野さんのこの御本、とてもうれしい ――小沢健二 簡単な現代語だけでつくられているのに、読むと思わず感嘆してしまう「かんたん短歌」で若い世代の短歌ブームを牽引した歌人・枡野浩一。 デビュー25周年を記念して、入手困難になっていた短歌集『てのりくじら』『ドレミふぁんくしょんドロップ』『ますの。』『歌』全収録作に、『結婚失格』など、その他の著作からの拾遺、未収録作を加えた決定版! 特別栞として、俵万智と枡野浩一の往復書簡も収録。 【目次】 てのりくじら 1997 ドレミふぁんくしょんドロップ 1997 ますの。 1999 愛について 2006 夢について 2010 歌 2012 虹 2022 いつか 1989-2022 全著作一覧 特別栞:枡野浩一と俵万智の往復書簡 〈収録歌より〉 こんなにもふざけたきょうがある以上どんなあすでもありうるだろう 真夜中の電話に出ると「もうぼくをさがさないで」とウォーリーの声 殺したいやつがいるのでしばらくは目標のある人生である 神様はいると思うよ 冗談が好きなモテないやつだろうけど 好きだった雨、雨だったあのころの日々、あのころの日々だった君 わけもなく家出したくてたまらない 一人暮らしの部屋にいるのに 消しゴムでこすったせいで真っ黒になってしまったようなサヨナラ 君はそのとても苦しい言いわけで自分自身をだませるのかい? ツイッター「フォローさせる」は選べない 愛を強要できないなんて 終わったとみんな言うけどおしまいがあるってことは素敵なことだ 私には才能がある気がします それは勇気のようなものです さようなら さようなら また会いましょう また別れたら また会いましょう ニュースにはならない日にも虹は出て消えて私がおぼえています 目次 【目次】 てのりくじら 1997 ドレミふぁんくしょんドロップ 1997 ますの。 1999 愛について 2006 夢について 2010 歌 2012 虹 2022 いつか 1989-2022 全著作一覧 特別栞:枡野浩一と俵万智の往復書簡 - 著者プロフィール - 枡野 浩一 (マスノ コウイチ) (著/文) 1968年9月23日、東京うまれ。歌人。大学中退後、広告会社のコピーライター、フリーの雑誌ライター等を経て1997年9月23日、短歌絵本『てのりくじら』『ドレミふぁんくしょんドロップ』を2冊同時発売してデビュー。簡単な現代語だけで読者が感嘆してしまうような表現をめざす「かんたん短歌」を提唱。入門書『かんたん短歌の作り方』からは加藤千恵、佐藤真由美、天野慶らがデビューした。笹井宏之、宇都宮敦、仁尾智らの短歌をちりばめた小説『ショートソング』(佐々木あらら企画執筆協力)は約10万部のヒットとなり、若い世代の短歌ブームを牽引。高校国語教科書に《毎日のように手紙は来るけれどあなた以外の人からである》他掲載。受賞歴は2011年11月22日、明石家さんまが選ぶ「踊る!ヒット賞!!」および2022年3月19日、小沢健二とスチャダラパーが選ぶ「今夜も短歌で賞」。
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もう一人の吾行くごとし秋の風 村次郎 選詩集|管 啓次郎(編)
¥1,980
田畑書店 2022年 ポケットスタンダード ハードカバー 248ページ 文庫判 縦156mm 横113mm - 内容紹介 - 八戸・鮫に生まれた詩人・村次郎。伊東静雄、中村真一郎、芥川比呂志、白井浩司らと交遊し、堀田善衛の小説にも登場している。彼の『全詩集』から詩人・管啓次郎が心打たれた70篇をセレクション。 「彼の前にはいつも彼自身が歩いているようだった。彼が残した言葉が、今帰ってきた。」 - 著者紹介 - 村次郎(むら・じろう) 1916−1997年。本名・石田實。慶応義塾大学フランス文学科卒業。 生前刊行された詩集は『忘魚の歌』(1947年)『風の歌』(1948年)の二冊のみ。 1952年以後、家業である旅館石田家(八戸市鮫)の経営に専念するため発表を断ったが、 その後も未刊詩集のための創作を続けていた。 没後、「村 次郎の会」により『全詩集』が刊行された(2011年)。 管啓次郎(すが・けいじろう) 1958年生まれ。詩人、明治大学理工学研究科総合芸術系教授。 デビュー作『コロンブスの犬』(弘文堂、後に河出文庫)以来、旅と文学をめぐるエッセーを多数発表。 『斜線の旅』(インスクリプト)により読売文学賞受賞(2011年)。 『Agend'Ars』四部作および『数と夕方』などの詩集を発表(いずれも左右社)。 最新作は英語詩集 Transit Blues(キャンベラ大学)。
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鬼は逃げる | ウチダ ゴウ
¥2,420
三輪舎 2020年 ハードカバー 176ページ B6変型判 縦170mm 横125mm 厚さ17mm - 内容紹介 - 「鬼は逃げる 意味と想像の 追っ手から 愛と悲しみに 満ちながら ただ 生きようとして 町から町へ 駆け抜ける」(表題作「鬼は逃げる」より)。言葉を生業にしながらも、意味や想像、夢や希望によって拘束されまいと、町から町へと逃げていくおのれを鬼に喩える表題作「鬼は逃げる」。東京から松本、安曇野へと居を移し、またスコットランド・エディンバラでの定期的な詩作を経て、積み重ねてきた10年のしごとを〈朗読会〉として振り返る、ウチダゴウ自選詩集。 〈梨木香歩さん推薦〉 人生のいっとき 詩人になることはたやすい そういう人を何人も見てきた 心の叫びを 哀歓を 詩にしてきた若者たちが 就職し 家庭を持ち 生活のなかでいつしか 詩とは無縁の日々を送っている 詩人で在り続けることは かくも難しい 十年前 東京から松本へ移ったウチダさんに 詩人であることをやめないでください と私は 無責任にも いった たとえこの先 詩と無縁の生活を送ることになっても 詩人で在り続けることはできる そういう証が 欲しかったのだと思う ウチダさんは 生活も 仕事も 詩から遠ざけなかった 風から与えられ 自力でつかみとり 見い出したいくつものツールで 言葉の源流へと遡行する 長い長い 旅のために そういう詩人になった 目次 発表会 森の熊 雪男 きょうりゅう そのへん るすばん 孤独の一生 ひつよう ・ くじら ねつ 蜜壺の潜水士 いえ 七階の少女 しょうじきもの ・ うそ しょうねん いっそ ししゅんき 気分屋 夜話 ・ 公園のカフェ せみ 崖で こすもす 悲しむソルフェージュ やどのまど 野辺に死ぬ ・ ごご あきたつ ねっこ てがみ ・ かぞく ひかり イヌより はる ・ 空き地の総理 だれか 愛 天体少年 分かつ森 私の庭 ・ 道具屋の途方 栞日 しずくはつたう とこしえ monologue ・ 落葉 渡り ・ 告白 鬼は逃げる あとがき - 著者プロフィール - ウチダ ゴウ (ウチダ ゴウ) (著) 1983年生まれ。立教大学法学部卒。2010年、詩とデザインのアトリエ「してきなしごと」を開業。詩人としての活動と並行して、グラフィックデザイン、コピーライティング、ギャラリーの企画運営を行う。全国各地で、個展・朗読会を開催。近年では、英国・スコットランドを度々訪ね、現地での執筆・朗読・個展活動を行っている。詩集に『空き地の勝手』(してきなしごと)『、原野の返事』(同)ほか。shitekinashigoto.com
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【サイン本】空き地の勝手|ウチダゴウ
¥1,650
してきなしごと 2020年 ソフトカバー 52ページ 210mm x 135mm - 内容紹介 - 2012年にしてきなしごとから発行されたリトルプレス第1弾の詩集で、詩人・ウチダゴウの代表作。寓意性が高く、スリリングなユーモアで溢れた、独創的なショートストーリーのような詩16編を綴じた本作は、次第に好評を博し、ついに完売・絶版となった。長い沈黙ののち、続編となる詩集『原野の返事』の出版と同時に、再版を望む声に応え、用紙や印刷手法の変更や細かなデザイン改変を加えて、2020年、『空き地の勝手』第2版を発行する。 Message: 「再版は、ありません」ずっとずっと、そう言い続けてきた、詩集『空き地の勝手』。それでも途絶えることのない再版の要望や、ふたたび、そして改めてあの詩集を読みたいような時代の転換期の訪れを、続編『原野の返事』の出版にあたって、再考し、細かなデザインを修正・加工した上で、第2版として出版することにいたしました。夜な夜なラジオに悩みを投稿する鳩。別れを告げるヒーローたちの後ろ姿。今も夜空に瞬いているだろう星たち。あなたの街のどこかで、変わらずに、窓を拭くヨーホー。もう一度、彼らに、会うことができます。続編『原野の返事』には、この『空き地の勝手』収録詩の続編となる詩も多数あるので、合わせてお読みいただけたら、よりお楽しみいただけると思います。 Poems: 神様の旅 / 登山家と炭坑夫 / 窓ふきの海 / 痴呆老人の幸い / ウェイターの仕事 / うそ / 期待の新星 / スキーヤーはくだる / 空き地の総理 / 真魚板の上の鯉 / 孤独の一生 / 多様な鳩 / 気分屋 / ミスター・サカモト / さよならヒーロー / だれか(全16編) (版元紹介文より)
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【サイン本】原野の返事|ウチダゴウ
¥2,200
してきなしごと 2020年 ソフトカバー 72ページ 210mm x 135mm - 内容紹介 - 詩集『空き地の勝手』から、8年。その続編として出版される本作は、前作の高い寓意性とスリリングな笑いをベースに、さらに批判精神に富み、まるでファンタジー映画のような予測不能なストーリーが次から次へと登場する。8年の間、諷刺的な詩の創作から距離を置き、アーティストや異業種とのコラボレーションや、野外フェスでの朗読、雑誌「nice things.」の連載など、より読者に寄り添う姿勢で、日常や自然、人々のあえかな感情を題材に作品を書き続けてきた筆者が、ふたたびブラックユーモアと手をとり、「正しさ」に身を預けるのではなく「ありのままであること」から逃げない姿勢で、社会に、読者に、言葉に挑んだ詩集。 Poems: 雪男 / 知識の歴史 / 鷲と熊と獅子と / AIの出番 / 神様と少年〜神様の旅Ⅱ〜/ 野球場のグース / あの日の本棚 / 悔いのない人生 / 可能性の分配 / 悪酔いする言葉 / 病みがちなウイルス / 邪なカラス / 曲がり角の遺失係 / 拝啓アームストロング / 鬼は逃げる / 岸辺の死神 / 今日の手記 / 総理はそれから〜空き地の総理Ⅱ〜(全18編) Message: 2006年頃から、ずっと準備を進めてきた、『空き地の勝手』続編となる詩集『原野の返事』が、ついに、ついに、出版されます。「あのキャラクターたちは、今、どこで、どうしているだろう。」続編の執筆へ、その重い腰を持ち上げさせてくれたのは、そんな思いでした。詩集の冒頭を飾った「神様の旅」の主人公、神様。国会を抜け出し、数々の憶測が飛び交うなか、行方不明となった、総理大臣。彼らは、今、どこでどうしているのでしょう。当時、街では気分屋が気分を売りさばいていたけれど、いまは新たな商売が跋扈しているのでしょうか。街の空を舞う、あの鳥の影は。部屋の片隅で、遥か遠くの宇宙で、この世の裏側で、裏町の酒場で、どんな人々が、今、その命の火を燃やしているのでしょう。渾身の一作を、ぜひ受け取ってください。 1冊の売上から100円を、10代の子どもたちに寄付します。 一見裕福に思える日本にも、災害や貧困、過疎、家庭環境など、様々な要因によって、自らを開花させる機会さえ得られない子どもたちが多くいます。自分の可能性を自ら虐げ、投げやりな日々を過ごす、彼らの瞳や声や姿を、時代の端々に感じるとき、ぼくは、とても歯痒かった。なぜなら、ほんの少し踏み出しただけで、彼らの可能性は無限に広がることを、ぼく自身が、自分の人生で、感じてきたから。でも、いっぽうで、それは、ぼくに、踏み出す機会があったから、出会ってきた大人たちや育った環境が、ぼくの一歩を阻まなかった、だからできたのだとも言えます。 偶然にも遭遇した環境によって、その機会すら摘まれてしまうこと、そして、自ら諦めてしまうことは、彼らの人生にとっても、世界の未来にとっても、あまりに惜しい。してきなしごとの開業以来、詩を通じて、しかし、ただの表面的なエールではない、実効的な方法で、さらに、ぼく自身だけでなく、ぼくの詩を好いてくれる皆さんも巻き込んで、こうした子どもたちに寄与することはできないか、ずっと探していました。 2020年4月、してきなしごとは、開業10周年を迎えました。その記念すべき年に、詩集『原野の返事』の出版、また詩集『空き地の勝手』の再版を計画したとき、このチャンスを逃すまいと、ぼくは思ったのです。 詩集『原野の返事』、詩集『空き地の勝手』の売上から、1部につき100円を、“どんな環境に生まれ育った10代も、未来をつくりだす意欲と創造性を育める社会を目指す” 認定NPO法人カタリバ に寄付します。活動内容は多岐に渡るので、ぜひウェブサイトをご覧ください。 この二つの詩集は、ぼくが書籍化した本のなかで、社会に対するメッセージがとても強く表現された詩集です。ここ数年のぼくの作品だけを知る人は、驚くかもしれません。執筆したそれぞれの時代の下で、世の中に対し、ぼくが感じた違和感や問題意識、憤りや悲しみを、それでも愛することはできないかと、ブラックユーモアの手法で何とか表現しようと試みた詩が、綴じられています。 その営みは、まさに、それでも未来を愛そうとする「意欲」と、そのために今を生きよう、目の前の難局を打破しようとする「創造性」によるものです。支援に繋げる書籍として、相応しい2冊だと感じ、この詩集の出版を通じた寄付に思い至りました。 個人規模で活動するしてきなしごとにとって、毎月売上数を計算し寄付するのは事務作業が煩雑で困難なため、合計発行部数1000部×100円=10万円を、一括して、ぼくが、すでにあらかじめ寄付いたしました。今後、もし皆さんが、この2冊の詩集を購入してくださったなら、その代金のうち、100円が、今この国のどこかで暮らしている、可能性に満ちた10代の子どもたちの支援に繋がっていると、感じていただけると嬉しいです。 皆さんが詩を楽しむことで、子どもたちの可能性を守り、切り開くことができる。今回の2作品に限らず、この循環を、してきなしごとの作品を通じて、これからも創ってゆけたらと考えています。(2020年6月 ウチダゴウ) (版元紹介文より)
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ユー・メイド・ミー・ア・ポエット、ガール | エリザベト怜美 (詩・訳), モノ・ホーミー (絵)
¥1,650
ソフトカバー 30ページ 90mm×143mm 英日対訳仕様 - 内容紹介 - 書記 エリザベト怜美と図案家 モノ・ホーミーの探索ユニット"海の襟袖"の第一作。2022年3月26日から4月19日までに制作された詩(エリザベト怜美)と、図案・イラスト(モノ・ホーミー)を収録した詩画集です。
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歌仙 一滴の宇宙 | 岡野弘彦, 三浦雅士, 長谷川櫂
¥2,200
思潮社 2015年 ハードカバー 115ページ A5判 - 内容紹介 - 当代随一の歌人・俳人・評論家が、詩としての歌仙再生に挑む! 目次 春の雪 花筏 夏の彼方 台風 伊豆の冬 桜 楼蘭 - 著者プロフィール - 岡野弘彦 (オカノヒロヒコ) (著/文) 1924年、三重県生まれ。歌人。主な歌集に『冬の家族』『滄浪歌』『海のまほろば』『天の鶴群』『バクダッド燃ゆ』『美しく愛しき日本』など、評論集に『折口信夫の晩年』『折口信夫伝』など。 三浦雅士 (ミウラマサシ) (著/文) 1946年、青森県生まれ。文芸評論家。主な著書に、『私という現象』 『主体の変容』『メランコリーの水脈』『小説という植民地』『身体の零度』『青春の終焉』『出生の秘密』『孤独の発明』など。 長谷川櫂 (カセガワカイ) (著/文) 1954年、熊本県生まれ。俳人。主な句集に『古志』『蓬萊』『虚空』『初雁』『吉野』『沖縄』『九月』など、評論集に『俳句の宇宙』『古池に蛙は跳びこんだか』『俳句の誕生』など。
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歌仙 永遠の一瞬 | 岡野弘彦, 三浦雅士, 長谷川櫂
¥2,420
思潮社 2019年 ハードカバー 133ページ A5判 - 内容紹介 - 花見船 空に浮べん吉野かな 春の底なる われぞ さびしき かぎろひに 憂ひの瞳 けぶらせて 鬼の詞(ことば)のひらく 深淵 大岡信を送る 「この集には七つの歌仙が収められているが、(…)結果的に、大岡信を送るという主題が底流することになった」(跋・三浦雅士)。 当代随一の歌人・俳人・評論家が、詩としての歌仙再生に挑む、その第2集。客人に谷川俊太郎、三角みづ紀、蜂飼耳、小島ゆかりを迎え、大岡信の死と前後して進められた、7つの歌仙。 - 著者プロフィール - 岡野弘彦 (オカノヒロヒコ) (著/文) 1924年、三重県生まれ。歌人。主な歌集に『冬の家族』『滄浪歌』『海のまほろば』『天の鶴群』『バクダッド燃ゆ』『美しく愛しき日本』など、評論集に『折口信夫の晩年』『折口信夫伝』など。 三浦雅士 (ミウラマサシ) (著/文) 1946年、青森県生まれ。文芸評論家。主な著書に、『私という現象』 『主体の変容』『メランコリーの水脈』『小説という植民地』『身体の零度』『青春の終焉』『出生の秘密』『孤独の発明』など。 長谷川櫂 (カセガワカイ) (著/文) 1954年、熊本県生まれ。俳人。主な句集に『古志』『蓬萊』『虚空』『初雁』『吉野』『沖縄』『九月』など、評論集に『俳句の宇宙』『古池に蛙は跳びこんだか』『俳句の誕生』など。
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サークル・ゲーム | マーガレット・アトウッド / 出口 菜摘訳
¥2,420
彩流社 2020年 ハードカバー 182ページ 縦195mm 横135mm 厚さ18mm - 内容紹介 - 現代カナダ文学を代表する作家、 マーガレット・アトウッドの知られざるデビュー作、本邦初訳。 不穏な空気に包まれた28篇の詩集。 フェミニズム、環境問題等、アトウッドの全作品に共通するテーマがすでに現われている、注目作。 この恍惚とした回転が喜びだと 誤解していたのかもしれない でも、そこになんの喜びもない──(表題作「サークル・ゲーム」より)
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どこにでもあるケーキ | 三角 みづ紀, 塩川 いづみ(イラスト)
¥1,870
ナナロク社 2020年 ハードカバー 114ページ - 内容紹介 - 小口と天地がピンク色に染められ、カバーにはグラシン紙が巻かれた美しい本です。 13歳の気持ちを詠み、思春期のもどかしさ、窮屈さ、自由さが思い出される、それはもう触れたらすぐに壊れてしまいそうな、繊細さをも孕んだ33篇。