建築と触覚 空間と五感をめぐる哲学|ユハニ・パッラスマー, 百合田 香織(翻訳)
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草思社 2022年
ソフトカバー 208ページ 函入
四六判
- 内容紹介 -
すべてが視覚情報化され消費されていくかのような昨今、
建築が本来もつ「五感を統合する」という役割を今こそ見直すべきである。
メルロ=ポンティ、バシュラールらの議論を踏まえながら、
建築における触覚、聴覚、味覚、嗅覚の重要性を再考し、
あるべき本流の空間とは何かを問う。
ラスムッセン、クリスチャン・ノルベルグ=シュルツらの精神を継承する、
北欧の最重要建築理論家による著、待望の邦訳。
スティーヴン・ホール推奨。
「パッラスマーは単なる理論家ではない。
現象学的に洞察する力をもつすぐれた建築家だ。
分析不可能な諸感覚の建築を実践に移し、
その現象学的な性質でもって自身が建築哲学について著してきたものを具象化している。」
世界的建築情報サイトArchiDailyが選ぶ、名建築書ベスト150に選出。
<目次より>
前書き 「薄氷」スティーヴン・ホール
序論 世界に触れる
第一部
視覚と知識
視覚中心主義への批判
ナルシストの眼とニヒリストの眼
声の空間と視覚の空間
網膜の建築、立体感の喪失
視覚イメージとしての建築
物質性と時間
「アルベルティの窓」の拒絶
視覚と感覚の新たなバランス
第二部
身体中心
複数の感覚による経験
陰影の重要性
聴覚の親密さ
静寂、時間、孤独
匂いの空間
触覚の形状
石の味
筋肉と骨のイメージ
行為のイメージ
身体的同化
身体の模倣
記憶と想像の空間
多感覚の建築
建築の役割
- 著者プロフィール -
ユハニ・パッラスマー (ユハニ パッラスマー) (著/文)
現代のフィンランドを代表する建築家、建築思想家。ヘルシンキ工芸大学学長、フィンランド建築博物館館長、ヘルシンキ工科大学建築学部教授・学部長を歴任。著作にThe Thinking Hand: The Thinking Hand: Existential and Embodied Wisdom in Architecture (John Wiley & Sons, 2009)、The Embodied Image: The Embodied Image: The Imagination and Imagery in Architecture (John Wiley & Sons, 2011)などがある。
百合田 香織 (ユリタ カオリ) (翻訳)
神戸大学大学院自然科学研究科博士前期課程修了。専攻は建築/建築史研究室。公務員として公共プロジェクトに従事し英国赴任同行を機に退職。建築を巡りつつ翻訳スクールに通い翻訳者として活動を始める。訳書『名建築は体験が9割』『名建築の歴史図鑑』『世界の夢の動物園』(以上、エクスナレッジ)、『配色デザインカラーパレット』(ビー・エヌ・エヌ)など。
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