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民主主義とは何か|宇野 重規
¥1,034
講談社 2020年 講談社現代新書 ソフトカバー 280ページ 新書判 - 内容紹介 - トランプ大統領をはじめとする「ポピュリスト」の跋扈、旧社会主義諸国および中国など権威主義国家の台頭など、近年の世界の政治状況は、民主主義という制度の根幹を揺るがすかのような観を呈しています。日本の状況を見てみても、現行の政権が「民意」の正確な反映、すなわち「民主主義的な」政権だといわれると、頸をかしげる人も少なくないのではないでしょうか。はたして民主主義はもう時代遅れなのか? それとも、まだ活路はあるのか? それを議論するためには、まず何よりも、民主主義とは、そもそもどのような制度なのかを「正しく」知らなければならないでしょう。今では自明視されている「民主主義」という制度ですが、人が創ったものである限りそれもまた歴史的な制度として、さまざまな紆余曲折を経て現在のようなものになったのであって、決して「自然」にこのようなになったわけでではないのです。 そこで本書では、ギリシア・アテナイにおける民主主義思想の「誕生」から、現代まで、民主主義という制度・思想の誕生以来、起こった様々な矛盾、それを巡って交わされた様々な思想家達の議論の跡をたどってゆきます。その中で、民主主義という「制度」の利点と弱点が人々にどのように認識され、またどのようにその問題点を「改良」しようとしたのか、あるいはその「改革」はなぜ失敗してしまったのかを辿ることにより、民主主義の「本質」とは何なのか、そしてその未来への可能性を考えてゆきます。 またあわせて、日本の民主主義の特質、その問題点についても分析してゆきます。 民主主義という思想・制度を知るための、平易な政治思想史の教科書としても最適です。 目次 序 民主主義の危機 第1章 民主主義の「誕生」 第2章 ヨーロッパへの「継承」 第3章 自由主義との「結合」 第4章 民主主義の「実現」 終章 日本の民主主義 結び 民主主義の未来 あとがき - 著者プロフィール - 宇野 重規 (ウノ シゲキ) (著/文) 一九六七年、東京都生まれ。東京大学法学部卒業。同大学大学院法学政治学研究科博士課程修了。博士(法学)。現在、東京大学社会科学研究所教授。専攻は政治思想史、政治哲学。主な著書に『政治哲学へ 現代フランスとの対話』(二〇〇四年渋沢・クローデル賞LVJ特別賞受賞)、『未来をはじめる 「人と一緒にいること」の政治学』(以上、東京大学出版会)、『トクヴィル 平等と不平等の理論家』(講談社学術文庫、二〇〇七年サントリー学芸賞受賞)、『保守主義とは何か 反フランス革命から現代日本まで』(中公新書)などがある。
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あきらめない政治 ジャーナリズムからの政治入門 | 鮫島 浩
¥1,760
那須里山社 2024年 ソフトカバー 186ページ 四六判 縦188mm 横128mm 厚さ15mm - 内容紹介 - いま、もっとも注目される政治ジャーナリスト 鮫島浩の「政治入門書」 朝日新聞政治部記者時代から独立系政治メディアのSAMEJIMA TIMES設立まで、生々しい現場取材から得られた政治の世界を誰にでもわかる言葉で語るロングインタビュー。 豊富な政治家取材経験から導き出される「政局論」から「政治の未来像」まで。 ここに込められている思いは、左右イデオロギー対立から、上下対立(上級国民VS下級国民)へもちこむこと。政治をあきらめている有権者5割の人々が希望をもって生きられる社会をつくることができるように、あきらめない政治への転換を目指すこと。 【主な内容・目次から】 ジャーナリスト鮫島浩の原点とは/シングルマザー世帯が原点/アンチ東京というもうひとつの原点/ マスコミ志望ではなかった就活/「鮫島政治塾」とは政治のエンタメ化 /政治における「事実」とは/「事実」をめぐる政治取材現場/「3・11東日本大震災」とジャーナリズム/コロナパンデミック下での報道はどうなのか/政局について 民主主義と立憲主義/政局について 多数派工作ということ/政局について 人間性悪説に立つ /政局について 政治はどんくさくてかっこ悪いほうがいい/政局記者はいるが政治記者はいないか?/政局報道は当てないとダメ/政治家にだまされない力/「説明責任」という欺瞞/自由民主党とは何か/自由民主党とは何か 「国対政治」の本質と変遷/自由民主党とは何か/小選挙区制になって変わったところ/民主党とは何だったか/政権交代の意味はあるのか/民主党政権はなぜ失敗したか/二大政党制から多党制へ そして上級国民VS一般大衆へ/山本太郎、泉房穂そして政権交代へ/政治世界における「官僚」とは/日本の階級構造と政治/衆議院と参議院をどうする/日本政治における外交は「すべて!アメリカ寄り」/アメリカ目線で世界をみると誤る/竹中平蔵政策の功罪/財務省権力を脱するために/脱・東京一極集中から地方政治の可能性/新聞ジャーナリズムに未来はあるか/ フェイクニュースをどう考える/政治とは何? - 目次 - はじめに 第一章 ジャーナリスト鮫島浩の原点とは シングルマザー世帯が原点 エッセイ【尾野真千子主演の映画「茜色に焼かれる」から私に届いたコメント依頼】 アンチ東京というもうひとつの原点 マスコミ志望ではなかった就活 エッセイ【なぜ私は新聞記者になったのか~「記者は他人の人生を書く。主役になれない」と問われて】 「鮫島政治塾」とは政治のエンタメ化 エッセイ【政局の読み方を伝授する『鮫島政治塾』を開催します!現在進行中の政局を題材に学ぶ双方向型イベントを9月4日に渋谷で!オンライン参加も大歓迎】 第二章 政治における「事実」について 政治における「事実」とは 「事実」をめぐる政治取材現場 「3・11東日本大震災」とジャーナリズム コロナパンデミック下での報道はどうなのか エッセイ【「3月13日からマスク着用は個人に委ねる」という政府方針とマスコミ報道の根本的な「大間違い」】 エッセイ【『ワクチン「副反応死」にようやく補償第一号~ワクチン接種のリスクを黙殺して「国策」の旗を振ってきた政府・専門家・マスコミの共同正犯』】 第三章 政治における「政局」とは 政局について 民主主義と立憲主義 政局について 多数派工作ということ 政局について 人間性悪説に立つ 政局について 政治はどんくさくてかっこ悪いほうがいい 政局記者はいるが政治記者はいないか? 政局報道は当てないとダメ 政治家にだまされない力 「説明責任」という欺瞞 第四章 政党について考える 自由民主党とは何か 自由民主党とは何か 「国対政治」の本質と変遷 自由民主党とは何か 小選挙区制になって変わったところ 民主党とは何だったか 政権交代の意味はあるのか 民主党政権はなぜ失敗したか 二大政党制から多党制へ そして上級国民VS一般大衆へ エッセイ【新聞記者やめます。あと33日!『「野党全勝」で浮かれる事なかれ。肝心の投票率が上がってません!』サメジマタイムズより(多党制という提言)】 エッセイ【新聞記者やめます。あと56日!「左右対決」から「上下対決」へ転換せよ!~「なぜ野党の支持率はあがらない?」にお答えします】 山本太郎、泉房穂そして政権交代へ エッセイ【泉房穂コールは起きるか?「救民内閣構想・7つのステップ」の可能性と課題~決定的に重要なのは「圧倒的な総理大臣候補の登場」だ!】 政治世界における「官僚」とは 第五章 日本の上下対立・外交・地方政治そして政治ジャーナリズムの未来へ 日本の階級構造と政治 衆議院と参議院をどうする 日本政治における外交は「すべて!アメリカ寄り」 アメリカ目線で世界をみると誤る 竹中平蔵政策の功罪 財務省権力を脱するために 脱・東京一極集中から地方政治の可能性 新聞ジャーナリズムに未来はあるか フェイクニュースをどう考える 政治とは何? あとがき - 前書きなど - はじめに この本は、みんなで変えよう政治シリーズの第一巻となります。 その著者、鮫島浩さんは、本書に収録したエッセイの中で次のようにおっしゃっています。 政治に『「無関心」の人々は日々の生活に満足しているから「無関心」なのではない』 ここが、ひとつのポイントですよね。 多くの庶民は、毎日ためいきをつきながらようやく生きていて、暮らし、人生への不満をパンパンにためこんでいる。しかし、それが政治の世界につながらない、誰も政治がその不満を解消してくれるとは思っていない。 みんなあきらめているのです。 お釈迦様がおっしゃっていました。人間は「生(生きること)、老(老いること)、病(病気になること)、死(死んでしまうこと)」これって、人として逃れられない苦痛です。しかし、もしかしたら、政治の力で、その苦痛を取り除いたり、和らげたりできるかもしれない。 「個人的なことは、政治的なこと」というフェミニズムの言葉があります。フェミニズムなんて大嫌いという人も、ちょっと待ってください。 個人的なこととあきらめていた悩みが、政治の力でなんとかなるかもしれない。 そんなことないですか。 政治は、自分たちから縁遠い、雲の上の人々がやっていることではないはずです。だって、みんなが選んだ人たちがやっているのですから。 政治は、みんなの力でみんなの苦しみや悩みを解決する、知恵になるのではないでしょうか。 そう信じて、このシリーズ本をスタートさせます。ひとり出版の私からも何かができる、そんな、みなさんへの投げかけでもあります。 これからも、どうぞ、よろしくお願い申し上げます。 那須里山舎 白崎一裕 - 版元から一言 - はじめに この本は、みんなで変えよう政治シリーズの第一巻となります。 その著者、鮫島浩さんは、本書に収録したエッセイの中で次のようにおっしゃっています。 政治に『「無関心」の人々は日々の生活に満足しているから「無関心」なのではない』 ここが、ひとつのポイントですよね。 多くの庶民は、毎日ためいきをつきながらようやく生きていて、暮らし、人生への不満をパンパンにためこんでいる。しかし、それが政治の世界につながらない、誰も政治がその不満を解消してくれるとは思っていない。 みんなあきらめているのです。 お釈迦様がおっしゃっていました。人間は「生(生きること)、老(老いること)、病(病気になること)、死(死んでしまうこと)」これって、人として逃れられない苦痛です。しかし、もしかしたら、政治の力で、その苦痛を取り除いたり、和らげたりできるかもしれない。 「個人的なことは、政治的なこと」というフェミニズムの言葉があります。フェミニズムなんて大嫌いという人も、ちょっと待ってください。 個人的なこととあきらめていた悩みが、政治の力でなんとかなるかもしれない。 そんなことないですか。 政治は、自分たちから縁遠い、雲の上の人々がやっていることではないはずです。だって、みんなが選んだ人たちがやっているのですから。 政治は、みんなの力でみんなの苦しみや悩みを解決する、知恵になるのではないでしょうか。 そう信じて、このシリーズ本をスタートさせます。ひとり出版の私からも何かができる、そんな、みなさんへの投げかけでもあります。 これからも、どうぞ、よろしくお願い申し上げます。 那須里山舎 白崎一裕 - 著者プロフィール - 鮫島 浩 (サメジマ ヒロシ) (著) 政治ジャーナリスト サメジマタイムズ主宰 元朝日新聞記者 1971年生。京都大学法学部の佐藤幸治ゼミで憲法を学ぶ。94年に朝日新聞へ入社し、99年から政治部。菅直人、竹中平蔵、古賀誠、与謝野馨、町村信孝ら与野党政治家を幅広く担当し、39歳の若さで政治部デスクに異例の抜擢。2012年に「手抜き除染」報道で新聞協会賞受賞。14年に福島原発事故「吉田調書報道」を担当して ”失脚”。21年に退社し「SAMEJIMA TIMES」創刊。連日ウェブサイトで政治解説記事を無料公開し、ユーチューブでも政治解説を発信。サンデー毎日やプレジデントオンラインに寄稿。AbemaTV、ABCラジオなど多数出演。著書に『朝日新聞政治部』(講談社22年)、泉房穂・前明石市長との共著に『政治はケンカだ!』(同23年)
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マニフェスト 政治の詩学 | エドゥアール・グリッサン, パトリック・シャモワゾー, 中村隆之(翻訳)
¥2,970
以文社 2024年 ハードカバー 216ページ 四六判 - 内容紹介 - カリブ海マルティニック島の大作家で、数々の著名な仏文学賞を受賞してきたエドゥアール・グリッサンとパトリック・シャモワゾーによる(グリッサンの10周忌に編まれた)政治的評論集であり、同時に二人の作家による「文学的共犯」としてのマニフェスト集。フランスの旧植民地で、現在は同海外県となったマルティニックに降りかかってきた数々の試練のたび、二人の作家は声を上げてきた。直接的な政治ではなく、人々の感性に訴えかける「言葉の力」を通して、マルティニックやフランスひいては全地球を揺さぶらんとする、その詩人・文学者としての矜持がここに集約される。「予測不能」で豊穣な未来を、惨めな統治に売り渡してしまわないために── 目次 はじめに それでもなお(パトリック・シャモワゾー) グローバル・プロジェクト宣言 遠くから…… ディーンは通過した、再生しなくてはならない。いますぐ! 壁が崩れおちるとき 世界の妥協なき美しさ 高度必需「品」宣言 あとがき 政治の詩学(エドウィー・プレネル) 訳者あとがき - 著者プロフィール - エドゥアール・グリッサン (エドゥアール グリッサン) (著/文) エドゥアール・グリッサン(Édouard Glissant) カリブ海マルティニック島出身のフランス語作家・思想家(1928-2011)。 日本語訳に『レザルド川』(現代企画室)、『第四世紀』、『カリブ海序説』(近刊)、『〈関係〉の詩学』、『フォークナー,ミシシッピ』(以上,インスクリプト)、『憤死』、『痕跡』、『マホガニー』、『ラマンタンの入江』(以上,水声社)、『多様なるものの詩学序説』(以文社)、『全-世界論』(みすず書房)がある。 パトリック・シャモワゾー (パトリック シャモワゾー) (著/文) パトリック・シャモワゾー(Patrick Chamoiseau) カリブ海マルティニック島出身のフランス語作家(1953年生まれ)。日本語訳に『素晴らしきソリボ』(河出書房新社)、『クレオール礼賛』(共著)、『クレオールとは何か』(共著)、『テキサコ』(以上,平凡社)。『幼い頃のむかし』、『カリブ海偽典』(以上,紀伊國屋書店)、『クレオールの民話』(青土社)がある。 中村隆之 (ナカムラ タカユキ) (翻訳) 中村 隆之(なかむら たかゆき) 早稲田大学法学学術院教員。フランス語を中心とする環大西洋文化研究。著作に『カリブ-世界論』、『環大西洋政治詩学』(以上,人文書院)、『エドゥアール・グリッサン』(岩波書店)、『野蛮の言説』(春陽堂書店)など。訳書にル・クレジオ『氷山へ』(水声社)、『ダヴィッド・ジョップ詩集』(夜光社)などがある。
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なぜ男女の賃金に格差があるのか 女性の生き方の経済学 | クラウディア・ゴールディン, 鹿田昌美(翻訳)
¥3,740
慶應義塾大学出版会 2023年 ソフトカバー 400ページ 四六判 - 内容紹介 - 女性たちはどのように「家族」と「仕事」を選択してきたのか。 ウーマンリブ、「静かな革命」、リリー・レッドベター公平賃金法など、20世紀以降を振り返りながら、各職業のデータを経済分析し、女性の賃金の上昇を阻む原因を抉り出す。 アメリカのみならず世界の先進国の男女の「働き方」を見直すきっかけとなる一冊。 - 目次 - 第1章 キャリアと家庭の両立はなぜ難しいか─新しい「名前のない問題」 第2章 世代を越えてつなぐ「バトン」―─100年を5つに分ける 第3章 分岐点に立つ─―第1グループ 第4章 キャリアと家庭に橋をかける―─第2グループ 第5章 「新しい女性の時代」の予感─―第3グループ 第6章 静かな革命―─第4グループ 第7章 キャリアと家庭を両立させる―─第5グループ 第8章 それでも格差はなくならない―─出産による「ペナルティ」 第9章 職業別の格差の原因―─弁護士と薬剤師 第10章 仕事の時間と家族の時間 エピローグ 旅の終わり―─そしてこれから - 著者プロフィール - クラウディア・ゴールディン (クラウディア・ゴールディン) (著/文) ハーバード大学ヘンリー・リー経済学教授。経済史家であり労働経済学者。研究テーマは、女性の労働力、所得における男女格差、所得不平等、技術革新、教育、移民など多岐にわたる。2013 年にアメリカ経済学会会長、2000 年に経済史学会会長を務める。米国科学アカデミー会員。著書The Race between Education and Technology(L・カッツとの共著)で、2008 年R.R. ホーキンス賞を受賞。マサチューセッツ州ケンブリッジ在住。 鹿田昌美 (シカタマサミ) (翻訳) 国際基督教大学卒。翻訳書に、ドゥプケ&ジリボッティ『子育ての経済学─愛情・お金・育児スタイル』(慶應義塾大学出版会)、ドラッカーマン『フランスの子どもは夜泣きをしない』、アレキサンダー&サンダール『デンマークの親は子どもを褒めない』(集英社)、ドーナト『母親になって後悔してる』(新潮社)、など多数。翻訳経験と子育ての経験を生かした著書に『「自宅だけ」でここまでできる! 子ども英語超自習法』(飛鳥新社)がある。
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政治と政治学のあいだ 政治学者、衆議院選挙をかく闘えり | 大井 赤亥
¥2,420
青土社 2023年 240ページ 四六判 - 内容紹介 - 政治に知性を、政治学に実践知を! 学問としての政治学と、現実の選挙活動との乖離、そして接続――。「保守・旧革新・改革」の三極構造に迫り、衆議院選挙を捨て身で闘った政治学者だけに見えた「政治家だけが知りえること」とは。
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世界に学ぶミニ・パブリックス くじ引きと熟議による民主主義のつくりかた|OECD(経済協力開発機構), 日本ミニ・パブリックス研究フォーラム(翻訳)
¥2,970
学芸出版社 2023年 ソフトカバー 240ページ A5判 - 内容紹介 - 代議制民主主義の限界が露呈するなか、無作為抽出による少人数グループが十分な専門的情報を得て熟議を行い、提言を策定して公共政策の検討過程へ反映させるミニ・パブリックスと呼ばれる取組みが拡大している。世界289事例の分析をふまえ、成功のための原則、既存の制度に熟議を埋め込む方法をまとめた初の活用ガイドライン。 - 目次 - はじめに 謝辞 読者への手引き 本書の概要 ■Chapter 1 熟議とガバナンスの新しい形 1.1 なぜ現代の民主主義は危機にあるのか 1.2 本書が熟議とガバナンスの新たな形態を取り上げる理由 1.3 なぜ代表性と熟議なのか 1.4 抽選代表による熟議プロセスをいつ用いるべきか、用いるべきではないのか ■Chapter 2 熟議プロセスの様々なモデル 2.1 本章の対象 2.2 12のモデルの概要 2.3 政策課題に対する十分な情報に基づく市民提言 ・市民議会(Citizens’ Assembly) ・市民陪審/パネル(Citizens’ Jury/Panel) ・コンセンサス会議(Consensus Conference) ・計画細胞(Planning Cell) 2.4 政策課題に関する市民の意見を把握するためのモデル ・G1000 ・市民カウンシル(Citizens’ Council) ・市民ダイアローグ(Citizens’ Dialogues) ・討論型世論調査(Deliberative Poll/Survey) ・世界市民会議(World Wide Views) 2.5 住民投票にかけられる法案の評価モデル ・市民イニシアティブ・レビュー(Citizens’ Initiative Review) 2.6 常設型の抽選代表による熟議機関モデル ・東ベルギーモデル(Ostbelgien Model) ・市民監視委員会(City Observatory) 2.7 抽選代表による熟議のモデルをどう選択するか 2.8異なるモデルの機能を組み合わせる ■Chapter 3 熟議プロセスをめぐる世界のトレンド 3.1 世界のトレンドを概観するための7つの視点 3.2 調査結果の概要 3.3 OECD加盟国における熟議プロセスの導入状況 3.4 熟議プロセスの利用に対して繰り返し高まる関心の波を時系列で見る 3.5 政府・自治体のレベルごとに見た熟議プロセスの導入状況 3.6 多様な熟議モデルとその普及状況 3.7 熟議プロセスが導入された政策課題のタイプ 3.8 抽選代表による熟議プロセスの平均的なコスト 3.9 熟議プロセスの実施を委託された組織の種類 ■Chapter 4 成功する熟議プロセスとは?―エビデンスから考える 4.1 熟議の評価原則 4.2 主な調査結果の概要 4.3 公正な手続きと認められるための条件 101 ・検討課題の範囲 ・無作為選出の方法 ・さまざまな無作為選出の方法 ・参加への障壁を克服する ・熟議プロセスの重要性、参加者に求められるコミットメント、および期待される結果についての明確なコミュニケーション ・実施期間 ・意思決定者のコミットメント 4.4 適切な熟議と判断を可能にする要素 ・情報提供と学習 ・専門家とステークホルダーの選択 ・ファシリテーション ・熟議プロセスの中での意思決定 4.5 影響力のある提言とアクション ・抽選代表による熟議プロセスのアウトプット ・市民の提言への応答 ・市民提言に基いた政策の実行過程 ・モニタリングと評価 4.6 広く社会に影響を与える方法 ・公衆の学習ツールとしてのパブリックコミュニケーション ・参加型手法と抽選代表による熟議プロセスの組み合わせ ■Chapter 5 公共的意思決定のための熟議プロセス成功の原則 5.1 成功原則をまとめるにあたって 5.2 調査方法 5.3 公共的意思決定のための熟議プロセス成功の原則 ■Chapter 6 民主主義を再構築する―なぜ、どのように熟議を埋め込むか 6.1 熟議プロセスの制度化 6.2 制度化の定義 6.3 主な調査結果の概要 6.4 なぜ制度化するのか? 6.5 制度化に向けたさまざまなアプローチ ・常設または継続的な組織の創設 ・熟議プロセスを組織するための要件 ・市民が抽選代表による熟議プロセスを要求することを認める規則の制定 6.6 一時的な取り組みから制度化された実践への移行―その要件、障害、戦略 ・適切な制度設計 ・政治家による支援 ・行政職員による支援 ・一般市民やメディアからの支持 ・法的整備による支援 ・政府内外の十分なキャパシティ ・十分な資金 6.7 制度化の限界 ■Chapter7 その他の注目すべき熟議の実践 7.1 本章の対象 7.2 世界における熟議の動向 ・アフリカにおける討論型世論調査 ・中南米における熟議のさまざまな実践 ・インドの村落における民主主義 ・国際的・多国間熟議のプロセス 7.3 その他の創造的な熟議プロセスの活用例 ・社会運動への応答としての熟議 ・新たな民主主義の姿をデザインするための熟議 ・憲法起草プロセスにおける熟議と共創.アイスランドとチリ ・デモクラシーフェスティバル ・21世紀タウンミーティング ■Chapter 8 結論 8.1 本書の目的と得られた主な知見 8.2 データの限界 8.3 行動に向けた提案 8.4 今後の検討課題 付属資料A 熟議モデルの諸原則 付属資料B 調査方法 付属資料C 熟議プロセスに関する参考資料 - 著者プロフィール - OECD(経済協力開発機構) (ケイザイキョウリョクカイハツキコウ) (著/文) OECDパブリックガバナンス局にてパブリックセクターの透明性・アカウンタビリティ向上や市民参加などを所管する。本書に続き、政府・自治体の意思決定における熟議プロセスの実施、評価、そして制度化の各ガイドラインを発刊している。(https://www.oecd.org/governance/innovative-citizen-participation/) 日本ミニ・パブリックス研究フォーラム (ニホンミニパブリックスケンキュウフォーラム) (翻訳) [代表運営委員:坂野達郎(東京工業大学名誉教授)、篠藤明徳(別府大学名誉教授)、田村哲樹(名古屋大学大学院法学研究科教授)] ■翻訳ワーキンググループ(※は担当部分) 長野基(東京都立大学都市環境学部都市政策科学科准教授)*ワーキンググループ代表 ※本書の概要、Chapter1 三上直之(北海道大学高等教育推進機構高等教育研究部准教授) ※はじめに、謝辞、読者への手引き、Chapter7 前田洋枝(南山大学総合政策学部総合政策学科教授) ※Chapter3、5、付属資料A 坂井亮太(中央学院大学法学部法学科准教授) ※Chapter4、6、付属資料C 竹内彩乃(東邦大学理学部生命圏環境科学科准教授) ※Chapter2、8、付属資料B
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地域主権という希望 欧州から杉並へ、恐れぬ自治体の挑戦 | 岸本 聡子
¥1,760
大月書店 2023年 ソフトカバー 240ページ 四六判 - 内容紹介 - 推薦] 岡野八代さん(同志社大学教授、『フェミニズムの政治学』著者) 和田靜香さん(ライター、『時給はいつも最低賃金、これって私のせいですか? 国会議員に聞いてみた。』著者) 政治経験ゼロから杉並区長となった著者が、世界各地で起きている自治体からの変革=ミュニシパリズムの実例を紹介。新自由主義による地域経済と政治の劣化に歯止めをかけ、足元から公共と民主主義を再生する希望の指針を描く。 [目次] 序章 杉並区は「恐れぬ自治体」をめざす 第1章 ミュニシパリズムとは何か 第2章 新型コロナパンデミックと「公共」の役割 第3章 気候危機に自治体として立ち向かう 第4章 「もうひとつの世界」はもう始まっている おわりに - 著者プロフィール - 岸本 聡子 (キシモト サトコ) (著/文) 現杉並区長、公共政策研究者。1974年東京生まれ。20代で渡欧しアムステルダムを本拠地とする政策シンクタンク「トランスナショナル研究所(TNI)」に所属。新自由主義や市場原理主義に対抗する公共政策、水道政策のリサーチおよび世界の市民運動と自治体をつなぐコーディネイトに従事。著書に『水道、再び公営化!』(集英社新書)『私がつかんだコモンと民主主義』(晶文社)。2022年6月、杉並区長選挙に立候補し187票差で現職に勝利、初の女性区長となる。