「女の痛み」はなぜ無視されるのか? | アヌシェイ・フセイン, 堀越英美(翻訳)
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晶文社 2022年
ソフトカバー 352ページ
四六判 縦186mm 横130mm 厚さ23mm
- 内容紹介 -
臨床試験で女性が排除される、コロナ禍でマイノリティの人々が受ける影響、アメリカで中絶の権利が争点になる理由は
著者がアメリカで出産したとき、彼女は死にかけた。痛み止めが効いていないと訴えても無視された。痛みを証明するために手術台まで歩くように言われた。
彼女はこの医療トラウマ体験をきっかけに、女性の痛み、特に有色人種の訴えがまともに受け止められない事実を、
あらゆるデータ、記事、証言をもとに執筆した。
さらにコロナ禍で女性、マイノリティの人々が受けた甚大な影響も考察する。
初期設定が男性になっている現状は、医療ケアにおいても例外ではない。
「女の痛み」が軽視されている事実と、医療ケアにおける性差別・人種差別に切り込むノンフィクション。
「女性の痛みという概念が、世界中でどのように捉えられ、管理され、考えられているかを見れば、それは常に男性や『文化』によって定義されてきたことがわかる。多くの社会では男性による支配が続いていることから、女性の痛みや苦しみに対する世界の認識は、女性ではなく、男性によって確立されてきたのだ」(「日本の読者へ」より)
「困惑させられたのは、『女性は自分の健康や身体について決めることができない』と、いまだに世間が思い込んでいる点だ」(5章「知られざる女性の身体」より)
「私はできる限り、フェミニズムと平等主義を重んじる結婚生活を送っていた。そんな夫婦ですら、コロナは伝統的な男女の断層を露呈させた。ロックダウンで誰もが自宅で仕事をするようになれば、より稼ぎの多い人の仕事が優先されるようになる。気づけば夫は自宅のオフィスを占拠しており、私はやむをえず家庭という領域に追いやられた。まるで、1950年代の主婦みたいに」(5章「知られざる女性の身体」より)
(目次)
日本の読者へ
本書に寄せて――ジェシカ・ヴァレンティ
はじめに
第1章 私が出会った最初のフェミニスト
第2章 バングラデシュ女子、キャピトル・ヒルに立つ――アメリカでの中絶の権利をめぐる混沌
第3章 気のせいにされる有色人種の女性の痛み
第4章 見えない症状
第5章 知られざる女性の身体
第6章 コロナ禍で妊娠するということ
第7章 代替手段の模索
第8章 自分の体の声の一番の代弁者になるには
第9章 自分の声を届ける
おわりに
謝辞
訳者あとがき
出典
- 著者プロフィール -
アヌシェイ・フセイン (アヌシェイフセイン) (著/文)
著述家、女性の健康関連の法律に重点的に取り組むフェミニスト政策アナリスト。CNN、MSNBC、PBSにレギュラー出演し、Forbes、CNN.com、Daily Beast、Mediumに政治・ジェンダー・人種に関する寄稿を行う。また、ポッドキャスト「Spilling Chai」のホストも務める。本書が初の著書となる。
堀越英美 (ホリコシヒデミ) (翻訳)
1973年生まれ。文筆家。早稲田大学第一文学部卒。著書に『エモい古語辞典』(朝日出版社)、『女の子は本当にピンクが好きなのか』(河出文庫)、『不道徳お母さん講座』(河出書房新社)、『スゴ母列伝』(大和書房)など、訳書に『自閉スペクトラム症の女の子が出会う世界』(河出書房新社)、『だからわたしはここにいる』(フィルムアート社)、『ギタンジャリ・ラオ STEMで未来は変えられる』(くもん出版)、 『ガール・コード』(Pヴァイン) など。
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