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クィア・シネマ 世界と時間に別の仕方で存在するために | 菅野 優香

¥3,080 税込

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フォルムアート社 2023年
392ページ
四六判


- 内容紹介 -
クィア・シネマという「可能性の地平」に向かって

ジェンダーやセクシュアリティ、人種に対する規範や制度を問い直し、家族主義や都会主義に抗い、直線的な時間に逆らって歴史を書き直す。気鋭の研究者が照らし出すクィア・シネマの重層性。

アルフレッド・ヒッチコック、オードリー・ヘプバーン、ジュディ・ガーランド、グザヴィエ・ドラン、セリーヌ・シアマ、田中絹代、三池崇史、美輪明宏、原節子、高倉健……作家、スター、作品のみならず観客やコミュニティを縦横に論じる「雑種」で「不純」な映画論。

ジェンダーやセクシュアリティ、人種、コミュニティの規範や理想を強化し、教え込む教育的な役割も担ってきたシネマ(映画)。そこで生まれた「常識」や「当然」を疑うことによって、慣れ親しんできたアイデンティティやカテゴリーを問い直し、「異なる」欲望や「非規範」的な関係の可能性へと導くものこそがクィア・シネマである。直線的な時間に抗い歴史を書き直すその試みは、現在や現状を肯定することなく、可能性として存在し続ける「地平」だといえる。

4部構成による本書は、常識や当然に抗うクィア・シネマの「雑種」で「不純」なあり方を体現する。クィア・シネマの歴史や横断性、クィアの理論と歴史を俯瞰する第1部。ジュディ・ガーランドといった黄金期ハリウッドのスターから、グザヴィエ・ドランやセリーヌ・シアマといった近年の注目監督まで、アメリカおよびフランスのスターや映画作家、映画作品のわたしたちが知っているあり方とは「別」のあり方を提示する第2部。美輪明宏や原節子、高倉健といった映画スターたちと、そのファンやファンたちのコミュニティを取り上げ、雑種性が強く表れた日本映画を扱う第3部。そして、1970年代のフェミニスト映画運動や日本で開催されるクィア・LGBT映画祭を深く掘り下げ、映画とコミュニティの関係を地域性を絡めつつ論じる第4部が最後を飾る。作家論やスター論、作品論のみならず、観客論やコミュニティ論も入り混じり、クィア・シネマの射影の広さが感じられる構成になっている。

第1部のうちの2章と、黒人レズビアンをテーマにした初めての長編劇映画とされる『ウォーターメロン・ウーマン』を論じた章の計3本の書き下ろし論考を収録。また英語で発表した美輪明宏論と原節子論の邦訳も収められている。

編著や共著、雑誌などでクィア・シネマの可能性を日本に紹介してきた気鋭の映画研究者による待望の単著デビュー作。

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わたしたちは、映画を通じてジェンダーやセクシュアリティ、人種の規範性や理想を「学び」、内面化してきた。映画はそれらを映し出すだけでなく、強化し、教え込む教育的な役割を担ってきたのである。クィア・シネマの役割のひとつは、そうした規範性や理想を学び捨てること、あるいは学び直すことである。わたしたちが知っているシネマのあり方とは別のシネマのあり方を想像させてくれる「可能性の地平」がクィア・シネマだと考えたい。(「クィア・シネマの場所」より)
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【目次】
はじめに

第1部 映画文化とクィア・スタディーズ
クィア・シネマの場所──歴史を変えるために
クィア・シネマを知るために──クィアの理論と歴史
クィア・シネマの可能性──映画の外側へ

第2部 クィア・シネマの再発見
ヒッチコック問題──『レベッカ』と『マーニー』をめぐるフェミニスト/クィア批評
ハイスミス映画のクィアと逸脱──冷戦下のホモセクシュアリティ
ヘプバーンの脆弱さと自由──『ローマの休日』から『噂の二人』へ
ジュディ・ガーランドを愛するということ──キャンプ、ドラァグ、フェミニズム
時間の映画──グザヴィエ・ドランのスローモーション
最愛の夫──ヴァルダの「ドゥミ映画」を読む
話者の遍在──『ニューヨーク、ジャクソンハイツへようこそ』における移民/クィアのコミュニティ
水平の美学──セリーヌ・シアマによる親密性の技法
『ウォーターメロン・ウーマン』とオルタナティヴ・ヒストリー──黒人女性映画とレズビアニズムの邂逅

第3部 クィア・シネマとスターたち
パンパン、レズビアン、女の共同体──女性映画としての『女ばかりの夜』
人種化される欲望──三池崇史と「沖縄」をめぐる映画的想像力の一考察
『女であること』と、川島雄三であること──川端康成と丸山明宏が出会う場所
クィアな共振──美輪明宏の映画スターダム
連累の観客論──原節子とクィアなジョーク
ゴシップ、あるいはラディカルな知──高倉健のスター・イメージ

第4部 クィア・シネマと上映空間
政治的なことは映画的なこと──一九七〇年代の「フェミニスト映画運動」
クィア・LGBT映画祭試論──映画文化とクィアの系譜
コミュニティを再考する──クィア・LGBT映画祭と情動の社会空間

あとがき
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