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じぶんであるっていいかんじ きみとジェンダーについての本 | テレサ・ソーン, ノア・グリニ(イラスト), たかい ゆとり(翻訳)

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エトセトラブックス 2024年
ハードカバー 34ページ
A4変形判 縦229mm 横229mm 厚さ8mm


- 内容紹介 -
「きみは きみとして いきていけばいい。きみは たいせつな そんざいだよ」

男の子もいれば、女の子もいる。どちらでもある子もいれば、どちらでもない子もいる。男の子と女の子のあいだの子もいる――すべての子どもたちの、驚くべきジェンダーの多様性を喜ぼう。

やさしく温かいことばづかいと、楽しい絵で〈ジェンダーのアイデンティティ〉がわかる、世界じゅうでベストセラー絵本。かけがえのない、自分と誰かのために読むはじめの一冊。オールカラー、4歳~、ひらがな


- 前書きなど -
訳者あとがきーー高井ゆと里

この本はIt Feels Good To Be Yourself(ヘンリー・ホルト社、2019年)を日本語にしたものです。4歳以上の子どもが読めるように書かれているので、日本語版ではひらがなをつかいました。

あなたがこの本を「トランスジェンダーの子どもについての絵本」だと思っているなら、それはまちがいです。この本には、トランスジェンダーの子どもだけでなく、シスジェンダーの子どもも出てきます。子どもだけでなく、大人も出てきます。そう、トランスジェンダーの子どものまわりには、シスジェンダーの子どもたちがいて、子どもたちのまわりには、大人たちがいます。だから、この本と関係のない人はいません。あなたの子どもがトランスジェンダーでも、シスジェンダーでも、あなたの子どもはきっと、生きていくなかでトランスジェンダーの人と出会います。あなた自身も、きっとトランスジェンダーの子どもや大人と出会います。いいえ、失礼しました。あなた自身がそうかもしれません。

これは、もともとは英語の本ですが、でも、「外国の絵本」ではありません。今日も日本のどこかで、トランスジェンダーの子どもたちが生きています。たくさん。そうした子どものなかには、本に出てくるルーシーのように、親から受け入れられ、大切にされている子どももいます。でも、トランスジェンダーの子どもたちみんなが、ルーシーのように恵まれた家庭に育つわけではありません。私たちの社会には、トランスジェンダーのことをぜんぜん知らなかったり、トランスジェンダーのことをよく思わなかったりする人も、まだまだたくさんいるからです。

だからこそ、この本を日本語に翻訳しました。この社会にともに生きている、トランスジェンダーの子どもたちと、シスジェンダーの子どもたち。すべての子どもたちが、どんな性別のありかたをしているとしても、当たりまえのように受け入れられる世界をつくるという大きな夢を、わたしは持っています。

性のマイノリティやLGBTの子どもが出てくる絵本は、日本にもすでにいくつもあります。でも、この絵本のように、トランスジェンダーの子どもたちが主人公になるものは、ほとんどありませんでした。これからはきっと、すてきな絵本がふえていくと思います。

翻訳するときに、いくつか変えたところがあります。ひとつは、トランスジェンダーの子どもたちを助けてくれる英語の情報源です。これは、日本語のものに置きかえました。もうひとつは、英語の代名詞についての説明です。絵本のなかでも、ノンバイナリーであるJJにたいして、三人称単数の「they」を使っているところがあります。いま英語では、ノンバイナリーの人を指したり、あるいはその人の性別を決めつけないようにしたりするために、単数のtheyが使われるようになっています。ただ、代名詞の使いかたは日本語と英語で大きくちがうので、その説明は省略しました。

エトセトラブックスの松尾亜紀子さんから翻訳のお誘いがあったとき、あまりに美しいビジュアルと、おおらかで力づよいメッセージに感動して、わたしはすぐ引きうけました。日本語にするとき一番なやんだのは、タイトルにもなっているbe yourselfという表現です。自然な日本語にするなら、「あなたらしく/自分らしく」と訳すこともできますが、この本のメッセージを考えると、ぜんぜん物足りません。そうした悩みをエトセトラブックスの本屋さん(東京の新代田駅のすぐそばです)で松尾さんに打ち明けていたとき、お店ではちょうど『小山(こやま)さんノート』の展覧会が開かれていました。ホームレスの女性であった小山さんが書きのこした文章を本にした『小山さんノート』との出あいは、この絵本にとって運命的なものでした。「時間の許される限り、私は私自身でありたい」。その小山さんのことばが、悩んでいた私たちの背中を押しました。この絵本で祝福されているのは、子どもたちの自分らしさではない。そうではなく、子どもたちがまぎれもなく自分自身であること、自分自身として生きることが、祝福されているんだ。そうして私たちは、本のタイトルを「じぶんである って いいかんじ」 に決めました。

この絵本をつらぬくテーマに「道」があります。女性として生きる道、男性として生きる道、ノンバイナリーとして生きる道。いろいろな道があって、いまの自分の姿にたどりつくまでの道も、人それぞれです。わたしは、この本がすべての子どもたちにとっての新しい道しるべとなることをねがっています。そして、子どもたちと向き合う大人たちが、子どもたちの歩もうとする道を「とおせんぼう」することなく、その道のりをしんぼうづよく見守っていくことができますように。

*本のなかではすべての漢字に読み仮名がついています。


- 著者プロフィール -
テレサ・ソーン (テレサ・ソーン) (著/文)
育児ポッドキャスト「ある悪いママ」の共同司会者。共著に『あなたはよくやってるよ! 子育てで成功する100の方法』がある。カリフォルニア州ロサンゼルス在住。本書がはじめての子ども向け絵本。


ノア・グリニ (ノア・グリニ) (イラスト)
ノンバイナリー・トランスジェンダーのイラストレーター、作家、オーガナイザー。これまでイラストを描いた本に、『子どものためのジェンダー・アイデンティティ・ワークブック』『私たちはまだここにいる』など。現在、マサチューセッツ州ボストンに在住。本書がはじめての子ども向け絵本。


たかい ゆとり (タカイ ユトリ) (翻訳)
倫理学者。著書に『ハイデガー』(講談社)、訳書にショーン・フェイ『トランスジェンダー問題』(明石書店)、共著に『トランスジェンダー入門』(集英社)など。本書が子ども向け絵本のはじめての翻訳。

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