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ケアと編集 | 白石 正明

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岩波書店 2025年
ソフトカバー 254ぺージ
新書判 縦173mm 横107mm 厚さ11mm


- 内容紹介 -
もはやこれまでと諦めてうなだれたとき、足元にまったく違うモノサシが落ちている。与えられた問いの外に出てみれば、あらふしぎ、あなたの弱さは克服すべきものじゃなく、存在の「傾き」として不意に輝きだす──。〈ケアをひらく〉の名編集者が一人ひとりの弱さをグッと後押し。自分を変えずに生きやすくなる逆説の自他啓発書。


- 目次 -
Ⅰ いかにして編集の先生に出会ったか
 1 ケアとは
  刹那的なケア
  リハビリの昼と夜
  失禁と世界の回復
  太陽と空気と地面とケア
 2 べてるの家との出会い
  意外に遠い福祉と医療
  病院のにおい
  もうけている作業所
  網走での出会い
  自分自身で、共に
  「反」ではなく「非」
  戦わないでさっさと逃げる
 3 編集の先生
  試されている感じがしない
  肯定と否定の外側で
  「そこがいいね!」がなぜ通用するか
  〈図〉は変えないで〈地〉を変える
  「商業」という魔法
  医学的編集とソーシャルワーク的編集

Ⅱ ズレて離れて外へ
 1 問いの外に出ざるを得ない人たち
  問いの外に思考が流れてしまう人たち
  風変わりな言葉たち
  主語が患者と入れ替わる
  土管の中で話を聞く
  二つのことを同時に伝える
  因果沼から“かどわかし”へ
  問いの圏外に出るために
 2 分母を変えるのが編集
  強いロボットは歩けない
  依存症は依存が足りない
  「治す」「克服する」ではない物語へ
 3 吃音者は分母を変えて生きていく
  『どもる体』のはじまり
  吃音者の方法(1)~(4)諦める・準備しない・波に乗る・周囲を変える
  分母を変える一発逆転芸
 4 面と向かわない力
  架空の劇なのに言えない
  後ろから、波のような温かい圧が……
  「信」をめぐって――東大での体験
  内面の「信」から、対人の「信」へ
  「側聞」という方法
  「正対」から逃れて

Ⅲ ケアは現在に奉仕する
 1 ケアと社交
  ヘルパーへのアドバイスがなぜ役に立つ?
  社交するために社交する
  対話するために対話する
  過程に内在するための工夫
  二〇年以上前の潔さんの言葉
 2 消費と浪費と水中毒
  過食嘔吐の記憶
  「浪費」としての飲水へ
  十全な、今ここでの満足
 3 今ここわたし
  「惚れる」の謎
  人がもっとも充実しているとき
  すでに本番は、はじまっている
  リスクとワクワク
 4 ナイチンゲールを真に受ける
  生体は善き方向に進む
  本来治りやすい病気である
  ケアと痛み止め
  俺はすでにして完全

Ⅳ ケアが発見する
 1 原因に遡らない思考
  因果論から構成論へ
  幻視・幻聴を聞きまくってデータ収集
  幻覚妄想の社会モデル?
  前提を変えること
 2 手を動かすより口を動かせ
  依存症の回復モデル
  マイノリティの逆襲?
  「ケア論的転回」としてのハームリダクション
 3 同じと違う
  中井久夫と発達障害
  見ている世界が違う
  住む星が違うから体も違う
  量的な違いが無視される
  発達障害と「脳の多様性」
  言語化への努力
 4 いつも二つある
  輻輳する時間
  チキンカレーとラムカレー
  食べると逃げるが併走する
  一列に並べることの利点

Ⅴ 「受け」の豊かさに向けて
 1 蘭の花のように愛でる
  ALSとは
  身体への着目
  意図の推測から勝手な解釈へ
  蘭の花のように
  生を享受する人
 2 受ける人
  接続詞はドアを閉める
  世界は受け取ることで発生する
  「いる」のは忙しい
  受け身と可能がなぜ同じ言葉なのか
 3 いい「波」はどこから来るか
  よそに行ったら縛るから
  「内面」という無間地獄に落ちる前に
  べてるに来れば病気が出る
  なぜ、いい「波」が来るのか
  規範から遠く離れて
 4 受動性と偶然性
  蹴る前に受けるスポーツ
  受動性や偶然性が排除される
  中動態と能動的受動
  弱い編集

Ⅳ 弱い編集――ケアの本ができるまで
  1 山の上ホテルのペーパーナプキン
   ――中井久夫・山口直彦著『看護のための精神医学』
  地下の薄暗い書庫で
  病院のカビ臭い倉庫で
  ニワトリと卵と、拾う人
  生活の政治学
  普通への愛と憧れ
 2 魔法と技術のあいだ
   ――本田美和子、イヴ・ジネスト、ロゼット・マレスコッティ著『ユマニチュード入門』
  「好き」にさせる技術
  人間的というより動物的?
  属人化と標準化のあいだで
 3 弱いロボットの吸引力
   ――坂口恭平著『坂口恭平 躁鬱日記』、岡田美智男著『弱いロボット』
  ひとり音楽会と中二病
  閉じない人たち

 あとがき
 主な参考文献


- 著者プロフィール -
白石 正明 (シライシ マサアキ) (著)
1958年東京都生まれ.青山学院大学法学部卒業.中央法規出版を経て1996年に医学書院入社.1998年に雑誌『精神看護』を,2000年に〈ケアをひらく〉シリーズを創刊.同シリーズは現在50冊を数え,川口有美子『逝かない身体』が大宅壮一ノンフィクション賞(2010年),熊谷晋一郎『リハビリの夜』が新潮ドキュメント賞(2010年),六車由実『驚きの介護民俗学』が日本医学ジャーナリスト協会賞(2013年),國分功一郎『中動態の世界』が小林秀雄賞(2017年),東畑開人『居るのはつらいよ』が大佛次郎論壇賞(2019年),鈴木大介『「脳コワさん」支援ガイド』が日本医学ジャーナリスト協会賞(2020年)を受賞.シリーズ自体も2019年に毎日出版文化賞を受賞する.2024年3月に医学書院を定年退職.

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