新編 閑な老人|尾崎 一雄, 荻原 魚雷(編集)
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中央公論新社 2022年 中公文庫
ソフトカバー 296ページ
文庫判
- 内容紹介 -
放蕩と極貧生活を送った元破滅型文学青年。歳を重ねてからは、草木を愛で散歩を趣味とし、寒くなれば冬眠する。人はいつ死ぬかわからない、だからこそ生きているだけで面白い――生死の境を彷徨い「生存五ケ年計画」を経て辿り着いたこの境地。「暢気眼鏡」の作家が“閑な老人”になるまでをつづった、文庫オリジナル作品集。〈編集・解説〉荻原魚雷
目次
Ⅰ
五年
祖父
退職の願い
約束
狸の説
片づけごと
苔
閑な老人
歩きたい
上高地行
Ⅱ
相変らず
厭世・楽天
古本回顧談
気の弱さ、強さ
文学と家庭の幸福
運ということ
老後の問題
核兵器――素人の心配
明治は遠く――
わが家の男女同権
戦友上林暁
生きる
- 著者プロフィール -
尾崎 一雄 (オザキカズオ) (著/文)
一八九九(明治三十二)年、三重県に生まれ、小学生時代に神奈川県に移る。小説家。早稲田大学国文科卒業。在学中より志賀直哉に師事。プロレタリア文学の興隆に押されて行きづまり貧困と沈滞の時期を経て、結婚が再起の契機となり、一九三七(昭和十二)年ユーモア小説『暢気眼鏡』で芥川賞。戦争末期より大病を得、病中の死生観を吐露した『虫のいろいろ』を発表。『まぼろしの記』、自伝的回想『あの日この日』(ともに野間文芸賞)ほか著書多数。七八年文化勲章。八三年三月没。
荻原 魚雷 (オギハラギョライ) (編集)
一九六九年、尾崎一雄と同じ三重県生まれ。文筆家。著書に『中年の本棚』(紀伊國屋書店)、『古書古書話』『日常学事始』(以上、本の雑誌社)、『本と怠け者』(ちくま文庫)、『古本暮らし』(晶文社)ほか、編者をつとめた本に梅崎春生『怠惰の美徳』(中公文庫)『吉行淳之介ベスト・エッセイ』(ちくま文庫)などがある。
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