死体狂躁曲|パミラ・ブランチ, 小林晋(翻訳), 山口雅也(監修 | 企画/原案)
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国書刊行会 2022年 奇想天外の本棚
ソフトカバー 356ページ
四六判
- 内容紹介 -
チェルシーに住む二組の芸術家夫婦が、初めての下宿人であるベンジャミン・カンを隣家から迎えることになった。だがしかし、その隣家とは、クリフォード・フラッシュによって設立された、法廷で無罪放免となった殺人犯たちが生活を営むアスタリスク・クラブの本部であった! ところが、カンが下宿を始めた翌朝、あちこちにネズミが出没する下宿の自身の部屋で息絶えたカンを、芸術家の妻ファンが発見する。カンとの連絡が途絶えたことを不審に思ったフラッシュは、リリー・クルージを新たな下宿人として送り込むが、リリーとも連絡がとれなくなってしまう。下宿人を迎え入れるたびに次々と死体になっていくことで疑心暗鬼となり恐慌をきたした夫婦たちが死体の処分を巡って右往左往の大騒ぎを繰り広げるいっぽう、二人が殺害されたことを知ったアスタリスク・クラブの面々は、秘密裡に死体を取り戻すべく芸術家宅への侵入を企てる……
熱烈なファンを生み出し、近年再評価の著しいパミラ・ブランチによる、ブラック・ユーモアをふんだんにちりばめたクライム・コメディの傑作!
目次
【炉辺談話】 『死体狂躁曲』(山口雅也)
死体狂躁曲
- 著者プロフィール -
パミラ・ブランチ (パミラブランチ) (著/文)
Pamela Branch (1920-1967)
イギリスのミステリ作家。セイロン(現スリランカ)で生まれる。イギリスで教育を受け、パリで芸術を学び、ロンドンの王立演劇アカデミーに通った。その後、弁護士のニュートン・ブランチと結婚し、二人はキプロスに引っ越した。1950年代後半にブランチと離婚し、1962年、ジェームズ・エドワード・スチュアート=リヨンと再婚。1967年、47歳の若さで亡くなった。生前のブランチは海外でも知名度が低かったが、熱烈なファンの支持もあって、今世紀に入ってから再評価の機運が高まり、2006年にA Rue Morgue Vintage Mysteryが彼女の全作(4作)を復刊、2009年には『死体狂躁曲』が、マーク・ガティス翻案、デヴィッド・テナント主演でBBCラジオ4にてドラマ化された。クリスチアナ・ブランドの親しい友人としても知られる。
小林晋 (コバヤシススム) (翻訳)
1957年、東京都生まれ。東京大学工学部卒業。訳書は、レオ・ブルース『三人の名探偵のための事件』(新樹社)、『ロープとリングの事件』(国書刊行会)、『骨と髪』(原書房)、『ビーフ巡査部長のための事件』、『レオ・ブルース短編全集』(扶桑社)、スタンリー・ハイランド『国会議事堂の死体』(国書刊行会)、マージェリー・アリンガム『屍衣の流行』、A・B・コックス『プリーストリー氏の問題』(晶文社)など多数。
山口雅也 (ヤマグチマサヤ) (監修 | 企画/原案)
早稲田大学法学部卒業。大学在学中の1970年代からミステリ関連書を多数上梓し、’89年に長編『生ける屍の死』で本格的な作家デビューを飾る。’94年に『ミステリーズ』が「このミステリーがすごい!’95年版」の国内編第1位に輝き、続いて同誌の2018年の30年間の国内第1位に『生ける屍の死』が選ばれKing of Kingsの称号を受ける。’95年には『日本殺人事件』で第48回日本推理作家協会賞(短編および連作短編集部門)を受賞。シリーズ物として《キッド・ピストルズ》や《垂里冴子》など。その他、第四の奇書『奇偶』、冒険小説『狩場最悪の航海記』、落語のミステリ化『落語魅捨理全集』などジャンルを超えた創作活動を続けている。近年はネットサイトのGolden Age Detectionに寄稿、『生ける屍の死』の英訳版Death of Living Deadの出版と同書のハリウッド映画化など、海外での評価も高まっている。
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