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月経と犯罪 “生理”はどう語られてきたか | 田中 ひかる

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平凡社 2020年
ハードカバー 192ページ
四六判


- 内容紹介 -
「女は生理の時、カッとして頭にきて何をするのかわからない」――。
女性は生理があるから罪を犯す、と信じられていた時代があった。
その言葉の根拠を確かめ、信じられてきた理由を歴史的資料からひもとく。

〈目次〉
第1章 犯罪における月経要因説と「新しい女」たち
アナーキスト大杉栄を刺した「新しい女」神近市子/「変態性慾」研究の先駆者クラフト=エビング/月経時の芝居見物は精神疾患を招くのか/「タブー」から「富国強兵の礎」へ/女優松井須磨子――自殺現場に残された「一滴の美しい血」/渡辺淳一『女優』に描かれた須磨子の月経/松井須磨子、自殺の真相/与謝野晶子も襲われた「ある時期」の猛烈なヒステリー

第2章 女性犯罪論の起源
ロンブローゾ――売春婦は生まれながらの犯罪者/現行犯逮捕の八割以上が月経中?/明治の女子教育論――女子は健康で鈍なのがよい/日本初の女性犯罪論『犯罪論及女性犯人』/女性犯罪論の古典『婦人と犯罪』/「幻の名著」はなぜ生まれたのか/婦人問題論争と『婦人と犯罪』

第3章 猟奇犯罪の時代
猟奇的事件が多発した1920年代
女性犯罪の三要素――ヒステリー・痛覚の鈍麻・月経/『近代犯罪研究』――犯罪の影には女あり/女は「詐欺顔」/経血の害悪――植物は枯れ、金属は錆び、犬は発狂/放火は女の犯罪か/女の取り調べの際には四週間待て?/「性的関係」――大逆事件から万引きまで/「虚偽の強姦」多発の真相/男の「幻想」、女の「内面化」「利用」

第4章 生理休暇と精神鑑定
女性教員の「生理的故障」/「女工」たちの深刻な「母性破壊」/「職業婦人に生理休暇を!」/のちの首相片山哲「月経要因説」を語る/「生理休暇」をめぐる攻防/「生理休暇」取得率0.9%の背景/初経教育の質が、女性の人生を左右する/月経が必ず問われた精神鑑定/「婦人犯罪」へのアンチテーゼ
    
第5章 月経要因説の精神医学的解釈
魔女、悪女、毒婦、狐/「レズビアンのサド・マゾ」はホルモンの影響か/女子受刑者たちの犯罪時月経状態/初潮・無月経が犯行を決定づけるのか/月経周期の矛盾/はじめに月経不順あり/「謎の注射」を無視した精神鑑定/月経は「性的葛藤」を想起するか/月経時の女の仕事を信用しない女

第6章 月経要因説の心理学的解釈
「迷信」が月経時の犯罪を招くのか/『旧約聖書』や『コーラン』も忌み嫌った「血の穢れ」/なぜ女だけが「血の池地獄」に堕ちるのか/日本初の女性検事は女をどう見ていたか/「ネガティブな気分」はなぜ起こるのか/偽薬効果が意味するもの

第7章 「犯罪におけるPMS要因説」 
「月経前症候群」が「月経前不快気分障害」に改められた理由/毛深い女は犯罪者予備軍?


- 著者プロフィール -
田中 ひかる (タナカ ヒカル) (著/文)
歴史社会学者

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