新装版 ペルーからきた私の娘 | 藤本 和子
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晶文社 2024年
ソフトカバー 224ページ
四六判
- 内容紹介 -
それは「家族」と呼ばれるのだろうか。ユダヤ人の夫。日本人の妻。ペルーからきた赤ん坊。異なる三つの旅券をもった男と女が、子どもと大人が、アメリカの小さな町で一つの「チーム」を組んで暮らしはじめた──。著者が移り住んだアメリカのさまざまな町で書き綴られた、さりげなくも感動的な暮らしのスケッチ集。1984年刊行の名エッセイ集、待望の新装復刊。
「ヤエルはほっそりした長いからだをして、わたしたちのところへきた。生まれた三日目だった。/生まれたてのみどり児はまるまると肥ってはおらず、手や脚に多くの皺がある。見えないはずの目を大きく見開いて、じっとある一点に焦点を合わせているように見えたりする。それがひどく真剣なまなざしで、「これからはあなたもまじめに生きるんですよ」と、わたしに伝えようとしているのかしらと思ってしまう。」(本文より)
【目次】
■ペルーからきた私の娘
■ウィラード盲目病棟
白樺病棟の「高砂」
かげりもない、ペネイの夜ふけに
ボランティアたちの晩餐会
スパゲティかぼちゃ
夢
オムライス
ヘンリーの運勢判断せんべい
■鯨が生んだ鱒
『アメリカの鱒釣り』の表紙の町
『アメリカの鱒釣り』の表紙の男
はじまりとおわり
連続と不連続
一すじの黒髪と紙屑籠
ペンキ塗るひと
たましいの遺産
あとがき
解説 聞くことと聞けぬこと、その奇蹟について 榎本空
- 著者プロフィール -
藤本 和子 (フジモトカズコ) (著/文)
1939年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。リチャード・ブローティガン、トニ・モリスンの作品をはじめ多くの翻訳を手がけるほか、聞き書きをもとにしたエッセイの名手として知られる。著書に『砂漠の教室』(河出文庫)、『イリノイ遠景近景』『ブルースだってただの唄』(ちくま文庫)、『塩を食う女たち』(岩波現代文庫)など、訳書にブローティガン『アメリカの鱒釣り』『芝生の復讐』(新潮文庫)、トニ・モリスン『タール・ベイビー』(ハヤカワepi文庫)などがある。
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