
モヤモヤする正義 感情と理性の公共哲学 | ベンジャミン・クリッツァー
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晶文社 2024年
ソフトカバー 560ページ
四六判
- 内容紹介 -
「表現の自由は大切だが、あまりに攻撃的な表現は許容すべきでない」「少数派や女性に対してより配慮すべきだが、多数派や男性のことが無視されるのもおかしい」
……意見が対立するさまざまな問題について、多くの人はどちらの「正義」にも同意や共感を示し揺れている。
こうしたに正義まつわるモヤモヤに対し、どの意見が正しいのか、社会の規範はどうあるべきなのか、その「答え」を提示する政治哲学的論考。キャンセル・カルチャー、マイクロアグレッション、トーン・ポリシング、弱者男性論など重要な概念・議論を題材に、感情に流されない「公共的理性」による問題解決を試みる画期的なテキスト。
「晶文社スクラップブック」の連載に大幅加筆・全面改稿した大ボリュームで!
■帯文/森本あんり、マライ・メントライン
理性を公共的に使用せよ――これは多数者と少数者双方への挑戦である
──森本あんり
時代を覆う「正義」と「権利」のインフレ、その核心を突く本書に刮目すべし!
──マライ・メントライン
“世の中で起きている問題に向き合うときに、良さや正しさなど、規範に関する思考や感情を避けることはできない。/本書は「規範」を堂々と取り扱う。現状目立っている、「正義」の問題をあげつらったりイヤだと拒否したりすることで済ませるのではなく、認めるべきところは認め肯定すべきところは肯定しながら、それに代わる別の「正義」を提示していく。/わたしの目的は、すこしでも物事を正しくして社会を良くすることだ。読者の方々にも、本書を通じて「規範」について考えをめぐらし、自分でも「正義」をきちんと主張できるようになっていただければ幸いである。(「まえがき」より)”
【目次】
まえがき
第一部 社会的批判と自由の問題
第一章 キャンセル・カルチャーの問題はどこにある?
第二章 「思想と討論の自由」が守られなければならない理由
第二部 マイノリティとレトリックの問題
第三章 「特権」について語ることに意味はあるのか?
第四章 トーン・ポリシングと「からかいの政治」
第五章 マイクロアグレッションと「被害者意識の文化」
第三部 男性学と弱者男性の問題
第六章 男性にも「ことば」が必要だ
第七章 弱者男性のための正義論
終章 これからの「公共性」のために
あとがき
- 著者プロフィール -
ベンジャミン・クリッツァー (ベンジャミンクリッツァー) (著/文)
1989年京都府生まれ。哲学者、書評家。哲学を中心に、進化論・心理学・社会学などの知見を取り入れながら、社会や政治と人生の問題について考えて執筆。著書に『21世紀の道徳 学問、功利主義、ジェンダー、幸福を考える(犀の教室)』(晶文社、2021年)、論考に「感情と理性:けっきょくどちらが大切なのか?」(『群像』2022年7月号、講談社)など。
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