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大地と人の物語 地質学でよみとく日本の伝承 | 日本地質学会(編)
¥2,860
創元社 2025年 ソフトカバー 168ページ A5判 縦210mm 横148mm 厚さ13mm - 内容紹介 - 神様が引っぱってきた土地、人が変身した岩、火山を噴火させた鬼、地震を起こすナマズ……。 日本各地に残る大地にまつわる神話や伝説を、地質学の観点で考察する文化×地質学の入門書! 一見、荒唐無稽なファンタジーに思われる神話や伝承は、成立した当時の人々なりの見方・考え方に基づいて、物事の由緒や現象を説明し、現代に伝えてきたものである。 人間の想像力を最大限に発揮した物語もあれば、なかには当時の知識では知りえなかったはずの事実が驚くほどうまくフィクションに落とし込まれている場合もある。 本書は、神話・伝承を非科学的だと否定し解体するものではなく、それらのストーリーが現代科学においてはどのように説明される(しうる)現象であるかを考察することで、地球科学のおもしろさと、神話・伝承をつくった人々の思考の豊かさとを味わうものである。 ■おもな目次 刊行によせて 〈第1部 総論〉 第1章 大地から生まれる物語――地球神話への誘い(野村律夫) 第2章 地球をよみとくストーリー――ジオパークの歴史と活動(山﨑由貴子) コラム1 ジオパークことはじめ(矢島道子) 〈第2部 各論〉 第1章 アイヌ民族の伝承とジオパーク――神々【カムイ】と人間【アイヌ】の交わる世界(大野徹人) 第2章 磐梯山の岩なだれが造りだした地形・奇岩――「宝の山」に伝わる伝説と昔話(竹谷陽二郞) 第3章 関東地方の大地震と鯰伝説――地震を起こした鯰の正体は?(天野一男) コラム2 災害教訓を伝える自然災害伝承碑(大塚孝泰) 第4章 大男が射抜いた穴 星穴伝説――奇岩の山・妙義山にまつわる伝説(関谷友彦) 第5章 浅間山と鬼伝説――火山の噴火は鬼のしわざ?(古川広樹) コラム3“さざれ石”と“たもと石”(先山徹) 第6章 糸魚川ジオパークの景観――奴奈川姫と大国主命の伝説からたどる(竹之内耕) 第7章 熊野の神話と火成岩――古事記・日本書紀からみる(此松昌彦) 第8章 豊岡盆地の成り立ちとアマノヒボコ伝説――日本海形成と玄武洞(松原典孝) コラム4 身近にもある? 化け物と化石の接点(荻野慎諧) 第9章 わら蛇の祭と伝説――大蛇が語りかける(先山徹) 第10章 「こし」のヤマタノオロチ 火山説の再考――洪水か、火山噴火か(荻野慎諧) 第11章 国引き神話と島根半島――神が土地を引っ張ってきた!(野村律夫) 第12章 阿蘇カルデラの歴史と神話――地形・地質の特徴からひもとく地震・地球の動き(永田紘樹) コラム5 自然災害と天然記念物(柴田伊廣) おわりに 用語集
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見たこともない宇宙 | キャロライン ハーパー, 中野 太郎(訳)
¥3,850
柏書房 ソフトカバー 224ぺージ B5変型判 - 内容紹介 - 2021年12月に打ち上げられたジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡。 ビッグバンの後、最初に誕生した恒星を観察するために開発された最新の宇宙望遠鏡。 30年前の1990年に打ち上げられたハッブル宇宙望遠鏡の後継機として、今まで見ることができなかった赤方偏移をした光を観測できるように設計されている。遠方からくるさらに波長の伸びた光を見ることができるわけだ。つまり、これまでよりも宇宙の始まりに近づくことができることになる。 また、口径も2.4mから6.5mと2.5倍以上となり、解像度と集光力が格段に高まり、さらに精密な観測が期待されている。 本書は、そのジェイムズ・ウェッブの開発の経緯から、各装置の説明、赤外線からの影響を防ぐための工夫、たとえば望遠鏡は-266℃に冷却されサンシールドに覆われ、微細な振動からも守られていることなど、その驚異の技術も紹介されている。 本書は、この望遠鏡による太陽系、恒星、深宇宙、銀河、系外惑星、ブラックホールなどの観測結果から、さらに将来へのミッションまでを観測写真、解説図などとともに展開していく。 まずはこれまで見ることのできなかった最新の宇宙の映像をご覧下さい。 - 目次 - 第1章 太陽系 第2章 恒星 第3章 深宇宙 第4章 銀河 第5章 系外惑星 第6章 ブラックホール 第7章 将来のミッション - 著者プロフィール - キャロライン ハーパー (キャロライン ハーパー) (著) 宇宙科学者。英国宇宙庁(UKSA)宇宙科学部門長、ESA科学プログラム委員、英国王立天文学会フェロー。 中野 太郎 (ナカノ タロウ) (訳) 東京大学大学院総合文化研究科修士課程修了。フリーライターとして天文・宇宙関連の記事を執筆。