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ちょっと変わった環境の本 ミツバチがもたらす世界平和 | エリン・ケルシー, クレイトン・ハンマー(絵), 桑田 健(訳)
¥2,640
化学同人 2025年 ハードカバー 64ぺージ A4変型判 - 内容紹介 - この本のなかには、惑星(つまり地球)のいまの状態について、なんの希望ももてないようなメッセージがつまっているわけじゃない。気候変動は、みんなや、みんなの小さな妹や、アービングおじさんのせいだといっているわけでもない。あまりにも大きすぎてどうにもならないような困った問題を伝えるつもりもないよ。そうそう、「絶滅」なんて言葉はほとんど出てこないんだ。それどころか、この本を読めば、みんな希望がもてるようになるかもしれない。もしかすると、幸せだと思うかもしれない! みんなと地球上のすべてのものの、びっくりするようなつながりを探検する旅にしゅっぱーつ! - 目次 - 1章 ファストファッション そろそろスローで行こう! 2章 おなかをすかせた星 満腹にさせて! 3章 最新技術の星 サイバー革命だ! 4章 人間の力 みんなから出るエネルギー!
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イラストで見る都市伝説の歴史 | アダム・オールサッチ・ボードマン, ナカイサヤカ(訳)
¥2,200
マール社 2025年 ソフトカバー 128ぺージ A5変型判 縦202mm 横152mm 厚さ11mm - 内容紹介 - 森の中の足跡、迷い込んでしまう幻の場所、ベッドの下に潜む不気味な男の噂……。 人類は様々な文明を通じて、我々の間に潜んでいるかもしれない、人ならざるものに夢中になってきました。 本書では、世界中の奇妙で恐ろしく、時に珍妙な都市伝説の数々を収録。 各時代の恐怖のトレンドが好奇心を刺激する一冊です。 ネス湖の怪物や謎の猿人イエティ、未確認動物モスマンの目撃談。 月面着陸や家電にまつわる、ショッキングな噂から伺える未知への恐れ。 南極の秘密の入り口や地獄に通じる井戸など、人々の想像力を刺激する地下世界。 知らぬ間に家にいる犯人、飲み物への混入、毒のドレス……。身近なものに潜む噂。 恐怖の赤い部屋や怪人スレンダーマンなど、インターネットの発達によって生まれた恐怖。 都市伝説にインスピレーションを受け、恐怖を娯楽とした創作物の数々。 古代から現代までの都市伝説を、著者の俯瞰的な視点と軽快な語り口、ポップなイラストで図解します。 目次 ・はじめに 都市伝説とは何か? 懐疑的調査 都市伝説の広がり方 ・近代以前 ⽔の怪異 奇妙な⽝たち 失われた都市 吸⾎⻤ 幽霊 小さな光 ・近代 乱痴気騒ぎ チェックアウト 巨⽊伝説 海の惨劇 地球空洞説 戦時の伝説 謎の消失 ・20世紀中頃 未確認動物学(UMA学) イエティ 道の噂 UFO テーマパーク・アトラクションの怪談 メディアの伝説 現象 恐ろしい運命 ビッグフット 宇宙の物語 モスマン ・ポストモダン期 犯人は家に浸入ずみ 不気味な汚染 UMA図鑑 爆笑 傑作だ 見知らぬ人々 ゼロックス・ロア 動物のおふざけ 地下の秘密 悪魔の仕業 奇妙な場所 恐ろしい科学技術 都市伝説の品々 ・メタモダン期 テレビゲーム 映画の都市伝説 ピエロがやってきた 遠方からの来訪者 夢の世界 伝説の悪役・怪人図鑑 デバンク(謎解き)テレビ番組 インターネットの発明 儀式 幻の場所 メディアに登場する都市伝説 UMA写真 現代の都市伝説 都市伝説に関わる(現実の)人々 グロサリー(⽤語集) もっと詳しく知りたい⼈向けの参考⽂献 もっと詳しく知りたい⼈向けの映像作品 索引 - 著者プロフィール - アダム・オールサッチ・ボードマン (著) イギリス、リーズを拠点に、イラストレーター、アニメーター、ライターとして活動する。細部への興味に突き動かされ、明瞭さを追求する彼の作品は、規則的な線と大胆な色彩で構成されているのが特徴である。著書に、『イラストでわかる映画の歴史いちばんやさしい映画教室』(フィルムアート社)(原題『An Ilustrated History of Filmmaking』)、『イラストで見る UFOの歴史』(原題『An Ilustrated History of UFOs』)、『イラストで見る ゴーストの歴史』(マール社)(原題『An Ilustrated History of Ghosts』)がある。また、イギリス国立メディア博物館、ガナーズベリー・パーク博物館などでも彼のイラストが使われている。アズボーン、エコノミスト、スクリベリア、デロイトなど企業との仕事も多く、ダイレクトで分かりやすく情報を伝えるために、遊び心に溢れた作品を提供している。 ナカイサヤカ (訳) 翻訳家、ライター。ASIOS(超常現象の懐疑的調査のための会)運営委員。絵本翻訳者として出版翻訳をスタート。主な訳書に「『探し絵ツアー』シリーズ」(文渓堂)、『代替医療の光と闇』、『反ワクチン運動の真実』、『さらば健康食神話』(地人書館)、『イラストで見る UFOの歴史』、『イラストで見る ゴーストの歴史』(マール社)。共著『科学リテラシーを磨くための7つの話』(あけび書房)。『超能力事件クロニクル』(彩図社)など、ASIOS名義の本にもライターとして参加している。
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私たちの暮らしに生かせる 南極レシピ | 渡貫 淳子
¥1,760
家の光協会 2025年 ソフトカバー 112ぺージ A5判 - 内容紹介 - 食料価格の高騰が続くこの時代に、救世主のようなレシピ本! ごみに溢れる日本で、1人1人ができることはたくさんあります。 南極という極限の地で1年間、調理隊員として30人分の料理を作り続けた渡貫淳子さん。食材の追加調達はなし、ごみは一切捨てられない環境で、どのように食事を作っていたのでしょうか。その工夫やアイディアは、日本に暮らす私たちにも役立つことばかりです。 お金をかけずに上手に食材を使いきる方法、無駄なくごみを出さないリメイク料理、買い物に行かなくてもすむ食材の繰りまわし方、特別な材料は使わず、忙しい人でも簡単に作れるシンプルな家庭料理の数々。残りものをおいしく食べきれると心もスッキリ、気持ちよさにもつながります。 目次 第一章:毎日のごはん作りに役立つ南極レシピ 残りものカレー/煮ものの残りでちらしずし/炊き込みチャーハン/おさかなコロッケ/なんでも野菜のチヂミ/お総菜ケークサレ ほか 第二章:本当においしい冷凍野菜のレシピ 冷凍アボカド/冷凍揚げなす/冷凍枝豆/冷凍じゃがいも/冷凍かぼちゃ/冷凍とろろを使ったメニュー 第三章:缶詰と乾物のアイディアレシピ ツナ缶/さばの水煮缶/コーン缶/麩/ひじき/切り干し大根を使ったメニュー 第四章:捨てられがちな食材の活用レシピ 大根の皮、ブロッコリーの芯や葉/かぶの葉、大根の葉/長ねぎの青い部分/フルーツの皮や芯/かたくなったパン/しけったのり/天かすを使ったメニュー - 著者プロフィール - 渡貫 淳子 (ワタヌキ ジュンコ) (著) 第57次南極地域観測隊の調理隊員。30代後半に南極地域観測隊の調理隊員への夢を抱き、3度目のチャレンジで合格。昭和基地史上2人目の女性調理隊員(民間人では初)。南極でよく作っていた「悪魔のおにぎり」をモデルに、某コンビニチェーンが商品化したことでも注目される。
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みえないもの | イリナ・グレコ
¥1,980
柏書房 2025年 ソフトカバー 240ぺージ 四六判 - 内容紹介 - 「最初に『何かすごい』と思い、それがずーーーーーっと止まらず、一冊全部がそうだった。」 ――斎藤真理子(翻訳家) デビュー作『優しい地獄』で読書界に衝撃を与えた、ルーマニア出身の文化人類学者イリナ・グリゴレ、最新作。 娘たちと過ごす青森の日々。ふとよみがえる故郷ルーマニアの記憶。そして、語られてこなかった女たちの物語――。 「彼女の人生をスクリーンのようなものでイメージとして見せられたら、彼女の語らなかったことが見えて、あの夜ニュースを見た人たちも彼女を理解できたかもしれない」(本書より) 虚実を超えて、新たな地平を切り開く渾身のエッセイ。 今までに書かれたどんな日本語よりも、鮮烈なことばをあなたに。 - 目次 - ■コロナくんと星の埃 ■鬼は来ない日も来る ■蛍が光る場所 ■逃げたパン ■天王星でルビーの雨が降っている ■団地ラボラトリー ■ダンゴムシに似ている ■ナメクジの世界 ■野良犬 ■ドリームタイム ■綿飴、いちご飴とお化け屋敷 ■きのこ雲 ■狼が死んでいた ■死んでも生きる ■葡萄の味 ■結婚式と葬式の間 ■ゴダールが死んだ年に ■みえないもの ■何も意味しないとき、静かに朝を待つ ■何も意味しないとき、燃えている森の中を裸足で歩いて、静かに朝を待つ ■卵を食べる女 ■蜘蛛を頭に乗せる日 ■初恋と結婚した女 ■Ghosted ■果実の身代わり ■あとがき 著者プロフィール イリナ グリゴレ (イリナ グリゴレ) (著) 文化人類学者。1984年ルーマニア生まれ。2006年に日本に留学し、一時帰国後、2009年に国費留学生として来日。弘前大学大学院修士課程修了後、2013年に東京大学大学院博士課程入学。青森県内を主なフィールドに、獅子舞や女性の信仰を研究する。2023年にはバヌアツで女性を対象としたフィールドワークを始めている。キーワードはイメージ、自然観、死生観、有用植物、霊魂。著書に『優しい地獄』(亜紀書房、2022年)。
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優しい地獄 | イリナ・グリゴレ
¥1,980
亜紀書房 2022年 ソフトカバー 256ぺージ 四六判 縦188mm 横130mm 厚さ20mm - 内容紹介 - 『雪国』を読んだ時「これだ」と思った。 私がしゃべりたい言葉はこれだ。 何か、何千年も探していたものを見つけた気がする。 自分の身体に合う言葉を。 -------------------------------------- 社会主義政権下のルーマニアに生まれたイリナ。 祖父母との村での暮らしは民話の世界そのもので、町では父母が労働者として暮らす。 川端康成『雪国』や中村勘三郎の歌舞伎などに魅せられ、留学生として来日。 いまは人類学者として、弘前に暮らす。 日々の暮らし、子どもの頃の出来事、映画の断片、詩、アート、人類学……。 時間や場所、記憶や夢を行ったり来たりしながらつづる自伝的なエッセイ。 《本書は、社会にうまく適応できない孤独な少女の記録であり、社会主義から資本主義へ移っていくルーマニアの家族三代にわたる現代史でもある》 - 目次 - ■生き物としての本 上 ■生き物としての本 下 ■人間の尊厳 ■私の遺伝子の小さな物語 上 ■私の遺伝子の小さな物語 下 ■蛇苺 ■家 ■マザーツリー ■無関心ではない身体 ■自転車に乗っていた女の子 ■天道虫の赤ちゃんは天道を見ることができなかった 上 ■天道虫の赤ちゃんは天道を見ることができなかった 下 ■なんで日本に来たの? ■シーグラス ■ちあう、ちあう ■透明袋に入っていた金魚 ■社会主義に奪われた暮らし ■トマトの汁が残した跡 ■冬至 ■リボンちゃんはじめて死んだ ■毎日の魚 ■山菜の苦味 ■優しい地獄 上 ■優しい地獄 下 ■パジャマでしかピカソは描けない ■紫式部 ■あとがき 五歳の娘は寝る前にダンテ『神曲』の地獄の話を聞いてこう言った。 「でも、今は優しい地獄もある、好きなものを買えるし好きなものも食べられる」。 彼女が資本主義の皮肉を五歳という年齢で口にしたことにびっくりした。 - 著者プロフィール - イリナ・グリゴレ (イリナ グリゴレ) (著) 1984年ルーマニア生まれ。2006年に日本に留学し2007年に獅子舞の調査をはじめる。一時帰国後2009年に国費留学生として来日。弘前大学大学院修士課程修了後、東京大学大学院博士課程に入学。主な研究テーマ北東北の獅子舞、日本で生活して女性の身体とジェンダーに関する映像人類学的研究。現在はオートエスノグラフィー、日本における移民の研究を始めている。
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台所探検家、地球の食卓を歩く | 岡根谷 実里
¥1,980
WAVE出版 2025年 ソフトカバー 287ぺージ 四六判 縦188mm 横130mm 厚さ20mm - 内容紹介 - 野菜、卵、ミルク、肉、魚、穀物……。 わたしたちの食卓は様々な食材に支えられています。 しかし、他の国々では、それらの食材がどんな料理になり、どのように食卓に並び、人々の暮らしの風景を作り出しているのか、案外知られていないものです。 本書では、世界の台所探検家として世界各地の数多くの家庭を訪れてきた著者が、食材と人との関わりという身近な視点から、その土地のくらしをつぶさに伝えます。 台所にある身近な食べものが、世界の未知なるくらしを知るきっかけとなるような一冊です。 --------------------------------------- もくじ はじめに この本で紹介する国と地域 1章 多彩な野菜たちと出会う台所 【じゃがいも】 アンデス高地の寒さで作る保存食 3種のじゃがいもが織りなすやさしいスープ 徹底した合理主義 じゃがいもの美学 【トマト】 ふるさとの味はジュースのようなトマト カラカラの砂漠で作る絶品トマト料理 【なす】 ぴりりと辛くふわりと甘い揚げなすの変身 巨大焼きなすはつぶしてレモンで 【かぼちゃ】 かぼちゃがまるでキャンディ 洗面器いっぱいズッキーニの肉詰め 【にんじん】 クリスマスディナーの主役級にんじんボックス にんじん色に染まる山盛りご飯 【唐辛子】 独立記念日は甘くて巨大な唐辛子料理 幸せの国の食卓を彩る唐辛子料理 「粉唐辛子」に要注意 COLUMN(1)たかがポテサラ、されどポテサラ ─世界ポテサラ探訪記─ 2章 変幻自在な卵とミルク 【卵】 世界一の卵大国 目玉焼きには何をかけるか ティーポットで作る卵餃子 変幻自在な卵とミルク 【牛乳】 新鮮な牛乳は二度おいしい 世界各地の文化を映す「いつもの牛乳」 【ヨーグルト】 夏を乗り切るひんやりスープ 草原のカチカチヨーグルト 塩の欠乏が生んだ乳と肉の酸っぱい食卓 【チーズ】 インドに豆腐の兄さんがいた キャラメルのごとくブラウンチーズ さけるチーズ 本物との遭遇 COLUMN(2)「乳」とは何か? 3章 肉と魚の命をいただく 【牛肉】 牛肉大国らしい日曜朝のホームセンター 叩くとふわふわ乾燥牛肉 【豚肉】 丸焼きを超える豚のごちそう料理 ココナッツで育つ豚は脂身がとける 【鶏肉】 からあげ屋になる夢が叶った一日 鶏は魚か? 【ソーセージ】 朝限定フレッシュな白いソーセージ ソーセージとプリンの意外な関係 夜市の屋台ソーセージ 【魚】 新鮮な魚は醤油ではなくココナッツミルクで 現代の魚は陸で育つ 氷の国の寒風が作る干し鱈 COLUMN(3)大豆は本当に畑の「肉」だった 4章 穀物が支える毎日の食卓 【米】 葉っぱに包まれ脇役に徹する米 「白いご飯」の思い込み お米大国の限りなく広いお米の世界 【小麦(パン)】 共同窯のパン職人 パンはオーブンでできるのみにあらず 【小麦(麺)】 子ども大好きなやわらかパスタ 麺の引っ張りが命 ラーメンの親戚 【とうもろこし】 とうもろこし加工は4000年前からの知恵 練り粥づくりは力仕事 【豆】 インドの台所は豆天国 アジアの納豆は調味料? COLUMN(4)「主食」とは何か 5章 笑顔が咲くおやつタイム お米が甘いデザートに パリパリとろりの特大チーズケーキ キラキラ輝く工芸品のようなひとくち菓子 昆布も肉もスイーツに 屋台パフェ 家族の時間を作るクリスマスクッキー おわりに - 著者プロフィール - 岡根谷 実里 (オカネヤミサト) (著) 世界の台所探検家。1989年長野県生まれ。 東京大学大学院工学系研究科修士修了後、クックパッド株式会社に勤務し、独立。 世界各地の家庭の台所を訪れて一緒に料理をし、料理を通して見える暮らしや社会の様子を発信している。 30以上の国と地域、170以上の家庭を訪問。講演、執筆、研究などを行う。 京都芸術大学客員講師、立命館大学BKC社系研究機構客員協力研究員、大阪大学感染症総合教育研究拠点(CiDER)連携研究員。 著書に『世界の台所探検 料理から暮らしと社会がみえる』(青幻舎)、『世界の食卓から社会が見える』(大和書房)『世界ひと皿紀行 料理が映す24の物語』(山と渓谷社)など。
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映画夜話 | 蓮實 重彦
¥2,750
リトルモア 2025年 ハードカバー 340ぺージ 四六判 縦188mm 横130mm 厚さ25mm - 内容紹介 - 「映画館」という神聖な空間で語られる扇情的な映画論。 世界に誇る例外的な名画座=シネマヴェーラ渋谷で 約20年にわたり登壇してきた 20の大人気トークイベントを収録。 今すぐ映画館に駆けつけたくなる、甘く危険な語りの数々。 「ことによると、 人びとを映画館に向かわせるには、 悪意を秘めた何ごとかの方が 遙かに有意義であるかもしれません。 だとするなら、いかなる悪意とも 深く戯れる覚悟があると、 ここで秘かに告白しておきます。」 ─ 序文より ロバート・アルドリッチ、ドン・シーゲル、ジョン・フォード、ダグラス・サーク、吉田喜重、加藤泰、フィルム・ノワール、B級映画……。 トーク関連特集上映の詳細なデータ、あらすじも収録。 往年のファンはもちろん、“蓮實入門”としても最高の1冊。 〈 映画ファン垂涎、ゲストとのトークも収録! 〉 大九明子(映画監督)、久保田智子(兵庫県姫路市教育長/元TBSアナウンサー)、瀬川昌久(ジャズ評論家)、岡田茉莉子(俳優) 倍賞美津子(俳優)、鈴木則文(映画監督) / 聞き手・山根貞男(映画評論家) 内藤由美子(シネマヴェーラ渋谷支配人) - 著者プロフィール - 蓮實 重彦 (ハスミ シゲヒコ) (著) 1936年東京生まれ。東京大学文学部フランス文学科卒業。1965年パリ大学にて博士号取得。東京大学教養学部教授を経て、1997年から2001年まで東京大学総長をつとめる。文芸批評、映画批評、小説など執筆活動は多岐にわたる。1978年、『反=日本語論』で読売文学賞、89年、『凡庸な芸術家の肖像 マクシム・デュ・カン論』で芸術選奨文部大臣賞、2016年、『伯爵夫人』で三島由紀夫賞を受賞。1999年にはフランス芸術文化勲章コマンドールを受章する。映画雑誌「リュミエール」創刊編集長。著書は他に『反=日本語論』、『フーコー・ドゥルーズ・デリダ』、『表層批評宣言』、『映像の詩学』、『シネマの記憶装置』、『映画の神話学』、『映画 誘惑のエクリチュール』、『監督 小津安二郎』(同書の仏訳はフランス映画批評家連盟文芸賞を受賞)、『ハリウッド映画史講義』、『映画狂人』シリーズ、『「ボヴァリー夫人」論』、『ショットとは何か』3部作、『ジョン・フォード論』、共著に『映画千夜一夜』(淀川長治、山田宏一)、『誰が映画を畏れているか』(山根貞男)、『映画長話』(黒沢清、青山真治)など多数。
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【サイン本】踊れ、愛より痛いほうへ | 向坂 くじら
¥1,870
河出書房新社 2025年 ソフトカバー 136ぺージ 四六判 - 内容紹介 - 初小説にして芥川賞候補作となった『いなくなくならなくならないで』に続く、向坂くじらの小説第二弾! 幼い頃から納得できないことがあると「割れる」アンノは、愛に疑念を抱いていて――
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よくわからないまま輝き続ける世界と 気づくための日記集 | 古賀 及子
¥1,870
大和書房 2025年 ソフトカバー 304ぺージ 四六判 縦188mm 横130mm 厚さ18mm - 内容紹介 - 岸政彦さん・花田菜々子さん推薦! ZINE発!日記文学の新星が綴る小さな試み“やってみた” いつもの日常に小さな試みを取り入れてみたら――? *** 2024年の6月から10月のあいだ、週に3日から4日、“暇をふせぐ”ための簡単なトピックを生活に組み入れてみることにした。その日々の日記をまとめたのがこの本だ。 ポリシーを破ってめぐりめぐって日記を書くために何かし続けた。そこには非日常ではない、日常がかすかにふるえるような手応えがあった。 *** 23年ごしでハーゲンダッツのクリスピーサンドを食べる / 喫茶店で回数券を買う / 朝のラジオを外で聴く / かつてのバイト先に行く / 小学生の頃に読んでいた少女漫画雑誌を買う / 資格を取ろうと思い立つ / 駅にあるワーキングブースを使う 等々…! やったことないけど、ちょっと気になる…日常にあふれている小さな試み。 よくわからないまま輝き続ける世界に飛び込んで、得た気づきを集めた日記本です。 - 目次 - はじめに 1章 身近な未体験にふれる 2章 過去を振り返って思い出すように気づく 3章 アナログの質感に気づく 4章 あたらしい暮らしに気づく 5章 自分がやってこなかったことをやる 6章 家事に気づく 7章 身近な未体験にふれる おかわり おわりに
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暮しのヒント集 今日はなにを | 暮しの手帖編集部
¥1,980
暮しの手帖社 2025年 ハードカバー 240ぺージ 文庫判 - 内容紹介 - 本誌連載「暮らしのヒント集」を書籍化した大人気シリーズ、待望の第4集です。 日々の暮らしを豊かにする315のヒントと、俳優・市川実日子さんの巻末インタビューを収録。飾っておきたくなるような美しい装釘で、贈りものにもぴったりです。
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なつやすみ | 麻生 知子
¥1,650
SOLD OUT
福音館書店 2023年 ハードカバー 40ぺージ 26×26cm 読んであげるなら:5・6才から 自分で読むなら:小学低学年から - 内容紹介 - 夏休みのなかで、いちばん楽しい一日 こうたくんの家に、いとこの家族が遊びにきました。みんなでプールで遊んだ後は、家でそうめんの昼食をかこみます。昼寝から覚めたらスイカを食べて、夜は神社のお祭りへ。夜店の金魚すくいに夢中になったこうたくん、気がつくと「あれ、みんなどこいっちゃったの?」……。ユニークな構図でえがく絵の中では、朝顔が咲き、セミが鳴き、祭りばやしの笛の音が聞こえるかのようです。かがやく夏の一日を、どうぞおたのしみください。
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りょこう | 麻生 知子
¥1,650
SOLD OUT
福音館書店 ハードカバー 40ぺージ 26×26cm 読んであげるなら:5・6才から 自分で読むなら:小学低学年から - 内容紹介 - 孫とおじいちゃん、ふたりで旅館に泊まる こうたくんとおじいちゃんは、ふたりで旅行にいきます。駅弁をもって電車に乗りこみ、着いたところは、山あいの旅館。湖でボートに乗ったあとは、大浴場で背中を流しあい、卓球で真剣勝負。夕食では、ジュースとビールで「かんぱーい!」。ところが夜、こうたくんは、ホームシックになってしまいます。すると、おじいちゃんは…… 産経児童出版文化賞美術賞受賞作家がユニークな構図でえがく、孫と祖父、はじめての「冒険」旅行。
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ウーマン・トーキング ある教団の事件と彼女たちの選択 | ミリアム・テイヴズ, 鴻巣 友季子(訳)
¥1,518
KADOKAWA 2025年 角川文庫 ソフトカバー 288ページ 文庫判 右開き - 内容紹介 - WOMEN TALKING by Miriam Toews,2018 「これは必読!『侍女の物語』から抜けだしてきたよう」マーガレット・アトウッド(←NHK Eテレ「100分de名著」で話題) 「私たちは子どもを守りたい」 教団で起きた大量レイプ事件。「悪魔の仕業(しわざ)」「作り話」とされてきたが、実は身内による犯行だった。実話にもとづくサスペンス! あるキリスト教系団体の村(コロニー)で起きた大量レイプ事件。最年少の被害者は3歳の少女。それは「悪魔の仕業(しわざ)」「作り話」とされたが、実は身内の8人の男による犯行だった。彼らを保釈させようと村の男たちが外出する2日間。女たちは子どもを守るために未来を選ばねばならない。何もしないか、闘うか、村を出ていくか。文字の読めない女たちの会議(ウーマン・トーキング)が始まる。実話にもとづくサスペンス。マーガレット・アトウッドが「必読」と絶賛。第95回アカデミー賞脚色賞映画、原作! 「これは必読! この驚異的で、悲しく、衝撃的にして心を打つ小説は現実の事件を元にしており、まるで『侍女の物語』から抜けだしてきたようだ」M・アトウッド 「痛烈……悪の本質、自由意志の問題、集団的責任、文化決定論、そして何よりも赦しについてふれる」ニューヨーク・タイムズ カバーイラスト/千海博美 カバーデザイン/鈴木成一デザイン室 - 目次 - 六月六日 オーガスト・エップ、会議前に記す 六月六日 女性たちの話し合いの議事録 六月六日 オーガスト・エップ 夜、会議と会議の間に記す 六月七日 女性会議の議事録 六月七日 会議の後にオーガスト・エップ記す 謝辞 訳者あとがき - 著者プロフィール - ミリアム・テイヴズ (ミリアム テイヴズ) (著) カナダのマニトバ州出身の作家。祖先はウクライナからの移住者で、メノナイト信徒の両親のもとに生まれる。代表作は本作の他、『Fight Night』『All My Puny Sorrows』『A Complicated Kindness』など(すべて未邦訳)。著作はアトウッド・ギブスン・トラスト・ライターズ小説賞を二度も授与され、本作はアトウッドから「これは必読! 『侍女の物語』から抜けだしてきたよう」と評された。また、本作は2022年に映画化され、第95回アカデミー賞脚色賞を受賞した。 鴻巣 友季子 (コウノス ユキコ) (訳) 1963年、東京生まれ。翻訳家、文芸評論家。英語圏の現代文学の紹介と共に古典新訳にも力を注ぐ。『風と共に去りぬ』『嵐が丘』『灯台へ』(すべて新潮文庫)の新訳を手がける。他訳書に、マーガレット・アトウッド『誓願』(ハヤカワepi文庫)、同『ペネロピアド』(角川文庫)、クレア・キーガン『ほんのささやかなこと』(早川書房)など多数。『文学は予言する』(新潮選書)、『ギンガムチェックと塩漬けライム』(NHK出版)など評論書も多い。
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ペネロピアド 女たちのオデュッセイア | マーガレット・アトウッド, 鴻巣 友季子(訳)
¥1,078
KADOKAWA 2025年 角川文庫 ソフトカバー 224ページ 文庫判 右開き - 内容紹介 - ホメロスによるギリシア英雄譚『オデュッセイア』。男性的な叙事詩の中で、女たちの声は語られてこなかった。 オデュッセウスの帰還を待つ20年、妻ペネロペイアは国を守るため、噂話に耳をふさぎ、無鉄砲な息子を育て、財産狙いの求婚者らを追い払う。 その内心はいかなるものだったのか。12人の女中たちはなぜ殺されたのか――。 『侍女の物語』『誓願』の巨匠アトウッドが想像と語りの才を発揮した、新たなる傑作! 解説・小川公代 ★2025年6月 NHK Eテレ『100分de名著』(M・アトウッド『侍女の物語』『誓願』) 指南役:鴻巣友季子 - 著者プロフィール - マーガレット・アトウッド (マーガレットアトウッド) (著) 1939年カナダ・オタワ生。トロント大学、ハーヴァード大学で学んだ後、英文学の教鞭をとる。21歳で処女詩集を出版後、小説・評論など様々な著作物を発表。「侍女の物語」でカナダ総督文学賞、「昏き目の暗殺者」でブッカー賞を受賞。カナダで最も高名な作家の一人。 鴻巣 友季子 (コウノス ユキコ) (訳) 1963年、東京生まれ。翻訳家、文芸評論家。英語圏の現代文学の紹介と共に古典新訳にも力を注ぐ。『風と共に去りぬ』(全5巻、新潮文庫)の他、エミリー・ブロンテ『嵐が丘』(同)、ヴァージニア・ウルフ『灯台へ』(『世界文学全集2-01』河出書房新社)の新訳も手がける。他訳書に、J・M・クッツェー『恥辱』『イエスの幼子時代』(ともに早川書房)など多数。『熟成する物語たち』(新潮社)、『全身翻訳家』『翻訳ってなんだろう? あの名作を訳してみる』(ともに筑摩書房)など翻訳に関する著書も多い。
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夜、寝る前に読みたい宇宙の話 | 野田 祥代
¥990
草思社 2025年 草思社文庫 ソフトカバー 296ページ 文庫判 - 内容紹介 - 空を見上げる余裕もない夜がある。 小さなことで疲れたり、つまずいたり、心が曇ってしまうこともある。 そんなとき、宇宙に思いを向けると、不思議と悩みが遠ざかる気がする。 本書は、宇宙の生い立ちや星の一生、宇宙の構造といった科学的事実をやさしくひもときながら、 人間の存在を宇宙のスケールで見つめ直す視点を提供する。 人間の存在は小さい。だが、その小ささにこそきっと意味がある。 宇宙を知ることは、私たち自身を知ること、その扉を開く一冊。 - 目次 - はじめに――夜、寝る前に心の宇宙旅行をしてみませんか 宇宙に出て大地を思う 宇宙へ――星空に出かけてみたら 水と空気と命のあたりまえ 1――水 水と空気と命のあたりまえ 2――空気と生命 地上の星空 夜空に描くイラスト――星座は深い世界の手前で輝く 太陽と月のある世界 地球のこと――年齢は、太陽のまわりを旅した回数 月のこと 1 ――月の意外な生い立ち 月のこと 2 ――月の満ち欠けと月食 太陽のこと――日の昇る惑星(ホシ) 宇宙の時間割 遠くを見て、過去を知る――猛ダッシュ編 遠くを見て、自分を知る――宇宙カレンダー編 空からのおくりもの 流れ星にねがいを――暗闇で自分と出会う時間 空から岩が落ちてくる 1 宇宙をただよう巨大岩―― 空から岩が落ちてくる 2 ――あなたにできること 人生はあなたが主人公の物語 宇宙から見た自分――科学がくれた俯瞰術 星のふしぎ 地球のふしぎ 命のふしぎ 星のさだめ――ほどよい太陽、ほどよい地球、本を読む私 地球と人のさだめ――地球と人の未来 星と人の往還――星は死んで人になる? 縦方向への旅 現実と空想の月旅行――誰とどんな旅をしましょうか 心の宇宙旅行 広い世界へ(前編)――太陽系の外への旅 広い世界へ(中編)――銀河系への旅 広い世界へ(後編)――未知への旅 それでもまわる地球の上で 星の下でつなぐ知恵と工夫――知恵のリレー ひとつ空の下で―― Under One Sky おわりに 本書に寄せて―― 和歌山大学教授 富田晃彦 謝辞/文庫版のあとがき/主な参考文献 - 著者プロフィール - 野田 祥代 (ノダ サチヨ) (著) 愛知県春日井市出身。名古屋大学理学部物理学科卒、同大学院修了、博士(理学)。国立天文台天文データセンター勤務後、2018年より「あいプラネット」代表。理系文系の垣根をゆるやかにつなぐ「体験型リベラルアーツ® “はてなアカデミー”」エグゼクティブ。親子グループ「やとっこ天文あそび」、宇宙と地球を楽しむ「うちゅう・かがくあそび」などのプロジェクトを手掛ける。「つたえよう 宇宙のふしぎ 星のふしぎ 地球のふしぎ 命のふしぎ」を合言葉に宇宙イベントを各地へ届けている。
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なぜ人は自分を責めてしまうのか | 信田 さよ子
¥968
筑摩書房 2025年 ちくま新書 ソフトカバー 224ページ 文庫判 - 内容紹介 - 自責感とうまくつきあう。 当事者の言葉を辞書として、私たちを苦しめるものの正体に迫る。公開講座をもとにした、もっともやさしい信田さよ子の本。 - 目次 - まえがき 第1章 母はまだ重い 1 「母と娘」の時代の幕開け 精神分析のなかの女/フェミニスト・カウンセリング/アダルト・チルドレン/被害という概念の広がり/『母が重くてたまらない』へ 2 母と娘のいま 母娘問題のはじまり/毒母、毒親という言葉/母の老い/自分の限界は甘く見積もる/亡くなった親 3 母を俯瞰する 定義にこめたもの/母親の三大原因説/謝罪になっていない謝罪/母と娘は和解できない 4 グループの力 解釈を一切しない/母親研究/言いっぱなし・聞きっぱなし/生育歴が母親研究になる/母を俯瞰する/不均衡な力関係の表れ方/母が怖くなくなるような状態を目指す 第2章 共依存を読みとく 1 共依存とシステム家族論 当事者の言葉/アルコール依存症の治療現場から/システム家族論の登場/システム家族論の影響 2 支配としての共依存 共依存の発展/従来の共依存理解の限界/依存ではなく支配/「あなたのために」が不幸のはじまり/言葉が現実をつくる/母の愛のいかがわしさ/被害者権力/パターナリズム 3 母と娘の共依存 母のケアが力を奪う/あなたがいないと生きていけない/女性と共依存/共依存的な人にどう対処するか/共依存的になってしまうとき/被害者は無力化されているのではない/権力は状況の定義権/支配の根幹 4 複雑化したトラウマ 苦しみと鈍感さ/ありふれている共依存/支配性を自覚する 第3章 母への罪悪感と自責感 1 近代と母性愛 母と娘に関する3冊/罪悪感の正体/つくられた家族像/母性愛のふたつの柱 2 母のミソジニー 精神分析にとって女とは何か/阿闍世コンプレックス/受け継がれる母性信仰/ミソジニー 3 母性愛と罪悪感・自責感 反出生主義/虐待の影響としての自責感/母性愛なんてものはない 4 第三者の介入 最良の第三者は、父であるべき/キーワードの整理 第4章 逆算の育児 1 子どもとは何か アルコール依存症とフェミニズムの合流/年代のはじめの孤立/ACの親のように、じゃない育児/子どもという存在 2 親の言葉による支配 親の暴言/自立という言葉/人に迷惑をかけずに生きることはできない/家族と差別/加害と被害をひっくり返す/普遍的な価値を利用する支配 3 幸せでいる義務 抑圧移譲/強迫的なケア/子どもの前では幸せでいる義務がある/閉ざされた家族/幸せなふりをする 4 とりかえしはつく 子どもの恐怖/子ども以外の存在から支えられること/子どもが許せない気持ち/とりかえしがつかないことはない 第5章 なぜ人は自分を責めてしまうのか 1 自責感と規範の関係 規範を取り込む/規範の一貫性 2 「すべて自分が悪い」という合理性 感情を抱けない/子どもの文脈/たったひとつの合理性 3 根源的受動性 子どもは責任ゼロで生まれてくる/孤独感は高級な感覚/虐待の罪 4 自責感のあらわれ 自傷はサバイバル/アディクション/接触障害/性的な問題/反転する自責感/家族と正義/あなたは悪くない 5 これからの旅へ グループの意味/ヴィクティム・ジャーニー あとがき 索引 - 著者プロフィール - 信田 さよ子 (ノブタ サヨコ) (本文) 1946年、岐阜県生まれ。公認心理師・臨床心理士。原宿カウンセリングセンター顧問。お茶の水女子大学哲学科卒、同大学院修士課程児童学専攻修了。著作に『母が重くてたまらない』『家族と国家は共謀する』『暴力とアディクション』など多数。
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ユーモアの鎖国 新版 | 石垣 りん
¥990
筑摩書房 2025年 ちくま文庫 ソフトカバー 320ページ 文庫判 - 内容紹介 - 戦後日本を代表する詩人・石垣りん。実母を4歳で亡くし、その後3人の母を持った1920年生まれの少女は、自ら生きる糧を求めて銀行に就職。単身、定年まで勤めあげる。戦火をくぐり抜けながら、復興する都市に働きながら、あるいは暮らしの窓辺から、転換期にある国を見つめた。人ひとりの自由と時を重ねる日々の強さを真摯かつ鮮やかに綴った、自伝的エッセイ集。 解説 牟田都子 - 目次 - 待つ Ⅰ 新巻/花嫁/宿借り/夜叉/朝のあかり/はまぐり/甘栗/美味/ラーメン/バナナ/お茶/うわさ/季節/シジミ/おそば/まじめな魚 Ⅱ 夏の日暮れに/試験管に入れて/鍵/ユーモアの鎖国/炎える母の季節/お酒かかえて/お礼/日記/春の日に/けちん坊/絵の中の繭/花よ、空を突け Ⅲ 事務員として働きつづけて/五円が鳴いた/花とお金/目下工事中/よい顔と幸福/事務服/晴着/領分のない人たち/生活の中の詩 Ⅳ 詩を書くことと、生きること/女湯/立場のある詩/事実とふれ合ったとき/持続と詩/表札のうしろ/第一行はとび出してきます/あとがきのこと/清岡卓行『四季のスケッチ』感想/生活詩/出来ること出来ないこと/風信 Ⅴ 食扶持のこと/眠っているのは私たち/買えなかったもの/私の新しい空/仕事/個人の手・公の手/生活と詩/犯された空の下で 文庫版あとがき 解説 牟田都子 - 著者プロフィール - 石垣 りん (イシガキ リン) (著) 1920年、東京生まれ。詩人。2004年没。高等小学校時代から詩作を始め、少女雑誌に投稿。卒業後、14歳で日本興業銀行に就職し、25歳の時に敗戦を迎えた。1938年、同人誌「断層」創刊。福田正夫に師事する。1959年、第一詩集『私の前にある鍋とお釜と燃える火と』刊行。1969年に第二詩集『表札など』でH氏賞、1972年に『石垣りん詩集』で田村俊子賞、1979年に『略歴』で地球賞をそれぞれ受賞。エッセイに『ユーモアの鎖国』『焔に手をかざして』『夜の太鼓』などがある。
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沖縄戦記 鉄の暴風 | 沖縄タイムス社
¥1,760
筑摩書房 2024年 ちくま学芸文庫 ソフトカバー 528ページ 文庫判 - 内容紹介 - 第二次大戦末期二〇万人もの命が奪われた沖縄戦。本書はその惨状を従軍記者が克明に綴った記録だ。現代史第一級の史料を初文庫化。解説 石原昌家 === 第二次世界大戦における最激戦地の一つ沖縄。軍民合わせ20万人もの尊い命が犠牲となった。本書のタイトルの「鉄の暴風」とは、1945年3月26日から3カ月間にわたり途絶えることなく続いた艦砲射撃や空爆のすさまじさを表現した言葉だ。1950年の初版刊行以降、沖縄戦を象徴する言葉として定着した。地形が変わるまで打ち込まれた砲爆弾、壕に逃げ込んだ住民を炙り出す執拗な火炎放射、そして民間人にまで及んだ自死の強制。本書は行動を軍とともにした記者たちが自らも体験したその壮絶な戦場の実態を、生存者をたずね克明に記録したもの。現代史第一級の史料を初文庫化。 === 二度と戦争をしない・させないために生存者たちが語った真実を記録する 日本人必読の書 - 目次 - ちくま学芸文庫版『鉄の暴風』まえがき 重版に際して まえがき ひめゆり塔の歌 第一章 嵐の前夜 一、揺らぐ常夏の島 二、十・十空襲 三、死の道連れ 四、逃避者 第二章 悲劇の離島 一、集団自決 二、運命の刳舟 第三章 中・南部戦線 一、米軍上陸 二、北・中飛行場の潰滅 三、神山島斬込み 四、軍司令部の壕 五、南へ南へ 六、鉄火地獄 七、伊敷・轟の壕 八、月下の投降 九、防召兵の話 十、牛島・長の最期 十一、出て来い 第四章 姫百合之塔 一、女学生従軍 二、南風原陸軍病院 三、泥濘の道 第五章 死の彷徨 一、第三外科の最期 二、運命甘受 三、女学生の手記 四、草生す屍 五、壕の精 六、平和への希求(姫百合之塔由来記) 第六章 北山の悲風 一、北へ北へ 二、山岳戦 三、真部・八重潰ゆ 四、国頭分院の最期 五、さ迷う兵隊 六、護郷隊 七、敗残 八、武士道よさらば 第七章 住民の手記――板良敷朝基記 一、山 二、飢餓 附録 戦闘経過概要 沖縄戦日誌 日米損害比較 沖縄戦線要図 第1図 沖縄全島図 第2図 南部戦線(慶良間列島を含む) 第3図 中部戦線 第4図 北部戦線 あとがき 二十年後のあとがき 三十年後のあとがき 五十年後のあとがき 解説 新聞人が遺した警鐘を、いま再び打ち鳴らす――戦後八〇年を目前に(石原昌家) - 著者プロフィール - 沖縄タイムス社 (オキナワタイムスシャ) (編著) :沖縄本島で地上戦開始後も首里城地下の壕で発行を続けていた「沖縄新報」元社員らが立ち上げた新聞社。創刊は1948年7月1日。米軍政下で抑圧された日々から日本復帰を経て今日に至るまで、沖縄に軸足を置いた報道・論説、文化の継承・創造活動を続けている。
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戦争と漫画 戦地の物語 | 山田 英生
¥1,034
筑摩書房 2025年 ちくま文庫 ソフトカバー 384ページ 文庫判 - 内容紹介 - 激戦地での死の行軍、軍隊の暴力や不条理、戦地の女性たちの苦難、ラーゲリの日々……巨匠から新進気鋭の作家まで、漫画家はどのように戦争を描いたのか? 戦地の兵士や女性、子どもたちの物語を収録した精選アンソロジー。【収録作家】武田一義/滝田ゆう(原作:野間宏)/水木しげる/わちさんぺい/山田参助/楳図かずお/石坂啓/今日マチ子/比嘉慂/村上もとか/河井克夫(原作:辺見じゅん)/ちばてつや 巻末エッセイ 吉田裕 カバーイラスト 比嘉慂「砂の落日」より/カバーデザイン 重実生哉 - 目次 - Ⅰ 武田一義『ペリリュー―楽園のゲルニカ―』(抄) 野間宏・原作 滝田ゆう・画「真空地帯」 水木しげる『カランコロン漂泊記』より「人間玉」「従軍慰安婦」 わちさんぺい「荒鷲ゴンちゃん」 Ⅱ 山田参助『あれよ星屑』(抄) 楳図かずお「死者の行進」 石坂啓「突撃一番」 今日マチ子『cocoon』(抄) 比嘉慂「砂の落日」 Ⅲ 村上もとか『フイチン再見!』(抄) 辺見じゅん・原作 河井克夫・画『ラーゲリ〈収容所から来た遺書〉』(抄) ちばてつや 「屋根うらの絵本かき」 編者解題 巻末エッセイ こんな戦争漫画を読んでいた――私の少年時代 吉田裕 - 著者プロフィール - 山田 英生 (ヤマダ ヒデオ) (編) 1968年生まれ。「内外タイムス」「アサヒ芸能」記者などを経て、書籍・コミックの企画編集、雑誌記事の取材執筆に携わる。編書に『原水爆漫画コレクション』全4巻、『ビブリオ漫画文庫』『貧乏まんが』『老境まんが』『温泉まんが』『書痴まんが』『孤独まんが』『余生まんが』『現代マンガ選集 悪の愉しみ』『つげ義春賛江』などがある。また、共著書に『「暴力団壊滅」論』(「やくざコミック規制」などを分担執筆)がある。
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雪豹の大地 スピティ、冬に生きる | 山本 高樹
¥2,420
雷鳥社 2025年 ソフトカバー 256ページ A5変形判 縦188mm 横148mm 厚さ17mm - 内容紹介 - 巡り巡る命を、見つめ続けた日々。 ヒマラヤの山奥深くに棲まう幻の獣、雪豹。全世界での推定生息数は8000頭に満たず、険しい高山地帯に生息しているため、野生下では目撃することすら困難とされている動物だ。そんな雪豹たちのあるがままの姿を見届けるため、写真家はインド北部のチベット文化圏、スピティに旅立った。 標高4200メートルの極寒の高地。狩る者と狩られる者の命のやりとり。自然の摂理の中で儚い生を生きる、雪豹、狼、狐、アイベックスなどの動物たち。その傍で、大いなる存在への畏れと祈りとともに暮らす人々。ひと冬の間、彼らとともに過ごした日々の中で、写真家が巡り会ったのは……。 『冬の旅 ザンスカール、最果ての谷へ』で第6回「斎藤茂太賞」を受賞した気鋭の著者による、待望の書き下ろし長編紀行。雪豹や野生動物たちの躍動感のある姿、スピティの祭礼や高地の村の様子など、貴重な写真の数々も収録。 - 目次 - 夏の終わり 雪のない冬 母と子 村での日々 双子の兄妹 雪の到来 狩る者、狩られる者 矢と酒の祭 巡り巡る命 彼らの歌 - 版元から一言 - 雪豹の姿を捉える。その難しさは、様々な書籍や映画などで語られている通り。本書は、『冬の旅 ザンスカール、最果ての谷へ』で第6回「斎藤茂太賞」を受賞した山本高樹さんが、雪豹に会いに行った旅を記した全編書き下ろしの長編紀行です。 しかし、雪豹を撮影した、という一過性の話にとどまらず、雪豹と他の野生動物や現地に住む人々との関係を深く掘り下げた物語こそが、本書の魅力であり、真価だと思います。臨場感溢れる旅の記録を、ぜひお読みいただけると嬉しいです。 - 著者プロフィール - 山本高樹 (ヤマモトタカキ) (文・写真) 著述家・編集者・写真家。2007年から約1年半の間、インド北部のラダックを中心としたチベット文化圏に長期滞在して取材を敢行。以来、この地域での取材をライフワークとしながら、世界各地を飛び回る日々を送っている。本書のほか、主な著書に『ラダックの風息 空の果てで暮らした日々[新装版]』『ラダック旅遊大全』(雷鳥社)、『インドの奥のヒマラヤへ ラダックを旅した十年間』『旅は旨くて、時々苦い』(産業編集センター)など。『冬の旅 ザンスカール、最果ての谷へ』(雷鳥社)で第6回「斎藤茂太賞」を受賞。
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オーロラの下、北極で働く | 松下 隼士
¥1,870
雷鳥社 2025年 ソフトカバー 244ページ 四六判 縦188mm 横128mm 厚さ175mm - 内容紹介 - 世界最北のサイエンスの町・ニーオルスンへ! オーロラが一日中煌めき、町中をトナカイが闊歩するこの地に、世界中から研究者が集う。ニーオルスンには、基本的に許可を得た者しか滞在できず、Wi-Fiの使用禁止、ライフル携行、建物の施錠不可といった特殊な生活ルールが課される。 かつて極地探検家のロアール・アムンセンが北極点を目指す拠点として滞在したこの小さな町では、北緯78度55分、11ヵ国の観測施設が建つ世界最北の「国際観測拠点」として、大気、雪氷、生物、宇宙など様々な分野の観測が日々行われている。北極は温暖化の進行が早く、ここニーオルスンは地球の未来を知る研究の最前線・最重要の場所でもある。 国立極地研究所の元職員であり、元南極越冬隊員でもあった著者は、観測技術者(観測だけではなく除雪から広報までをこなす「何でも屋」のような仕事)としてニーオルスンに長期滞在した初めての日本人である。 時にホッキョクグマが現れる町で観測を続け、氷点下のマラソン大会や太陽のパーティーなど個性豊かなイベントを楽しむ。ニーオルスンの壮大な自然、多種多様な野生動物、世界各国の滞在員達とのユーモラスな交流、毎日のルーティンなどなど、約4年の滞在中に見たもの感じたことを、著者自ら撮影した美麗な写真とともに紹介。 誰もが知っている北極の、誰もが知らない一面を、つぶさに綴った滞在記。 ~カバーデザインについて~ カバーには、オーロラが煌めき、観測用のレーザー光線が夜空に飛ぶ、まるで映画のワンシーンのような写真を採用。見たことがない光景がこの地では日常の、ニーオルスンを象徴する一枚です。 透け感のある帯には、オーロラのようなグラデーションがかったコピー文が入り、カバーとの親和性の高いデザインになっています。 - 目次 - 1 北極へ向かう 2019.11.5-12.21 2 北極から逃げる 2020.1.18-3.24 3 北極に戻る 2021.9.10-12.7 4 北極に再び戻る 2022.6.12-9.11 5 北極から帰る 2022.9.12-12.1 - 前書きなど - 生命を寄せ付けない、過酷な環境と知られる「極地」。そんな場所で生活を送り、仕事を続けている人たちがいます。かつて、私もその一人でした。南極地域観測隊の隊員として第五十五次の夏隊へ参加し、日本に一時帰国の後、再び第五十六次の越冬隊として南極へ。そして、帰国して三年後に、私は北極へ向かうことになりました。 研究者の観測を支援するため何度も極地へ行きましたが、自然科学の研究業界では珍しい話ではありません。私の周りには極地へ行った経験のある人が多く、この業界は突き詰めると極地へ行きつくのかと思うほどです。 「極地という場所は私の仕事の延長線上に存在していた。」極地へ行くことになったきっかけを人に聞かれると、表向きにはそのように答えますが、果たして最初のきっかけは何だったのか、私自身、実は長らくわからないままでした。 ちょうど、この本の執筆を始めた頃、実家の片付けをしているとダンボール箱から古い本が出てきました。研究者であり科学作家でもあるアイザック・アシモフが一九七九年に出版した子ども向けの科学本シリーズで、私が小学生の頃に両親から買ってもらったものです。古本独特の甘い匂いを感じながら本の束を取り出すと、アデリーペンギンのイラストが描かれた『南極ってなに?』という一冊に目が留まりました。ページを開くと、見覚えのあるイラストや文章が並び、「極地」に対して初めて感じた憧憬が、当時からインプットされていたことに気付いたのです。「見たことがないものを見たい」というその感情は、社会人になって観測の仕事を始めるずっと前から、私の人生の線上にそっと置かれており、私を極地へ向かわせるきっかけになったのだと思います。 本書の舞台は、誰もが知る北極にも関わらず、あまり知られていない北極です。ノルウェーと北極点の間に位置する北極圏のスバールバル諸島に、ニーオルスンという小さな町があります。北極域の研究拠点とされるこの場所には、世界各国の観測施設があり、日本もニーオルスン基地と呼ばれる施設を持っています。南極の昭和基地は映画や書籍の題材にもなっているため有名ですが、ニーオルスン基地という名前は初めて聞く人も多いかもしれません。どちらも、極地を研究するための観測施設であり、私は観測を支援する技術職員として、現地に長期滞在することになりました。 両施設は南北の緯度以外に大きな違いがあり、また、昭和基地の滞在者が主に日本人の隊員で編成されているのに対し、ニーオルスン基地は、国際観測拠点である町の中に世界各国の人が滞在しています。観測という目的で、様々なバックグラウンドを持った人が同じ場所で暮らし集団生活を送り、そして、長い年月を経て世代交代が繰り返されると、地球の果ての極地といえども自ずと文化が生まれます。それは、外界から隔てられた環境のせいか、南極と北極で共通する特殊性があり、私が「極地カルチャー」と呼んでいるものです。そして、ニーオルスンでは、その土地が歩んできた歴史から、様々な要素が加わり、さらに独特の文化が生まれています。 本書は、私が現地で過ごした情景を綴ったものであり、仕事として携わったニーオルスンの観測についてはあまり書かれていません。というのも、原文は私が毎日書いていた日記をまとめたものだからです。職場宛に業務報告を中心とした日報を送っていたためか、この日記には、私が北極で実際に見たり聞いたりして感じたことが多く残されていました。徒然なるままに北極を描写した本書から、見たことのない「ニーオルスン」、そして、聞いたことのない「極地カルチャー」を感じ取って頂ければ幸いです。 - 版元から一言 - 北極といえば「冒険」のイメージがあるかもしれません。過酷を極める環境は、容易に行ける場所ではないからです。 そんな北極に、気候変動や宇宙分野などの研究・観測を行う、世界最北のサイエンスの町・ニーオルスンが存在します。この地に日本人として初めて長期滞在した、極地研の元職員であり元南極越冬隊員でもある著者が、現地での日々を豊富な写真とともに軽妙に綴った記録が本書です。 過酷な北極にあるニーオルスンとはどんなところなのか?どんな人が滞在しているのか?何をしているのか?4年間滞在した著者だからこそ書ける、現地で見た・感じたことを記した細かい描写は、まるで現地を旅しているかのよう。北極に対するイメージがガラッと変わるかもしれません。 - 著者プロフィール - 松下 隼士 (マツシタジュンジ) (著) 石川県金沢市生まれ。大学卒業後、海洋地球研究船の乗船技術者として世界各地の海洋観測に従事。その後、大気観測の技術者を経て、南極地域観測隊の夏隊、越冬隊、東京海洋大学の南大洋航海に参加。気候変動の研究観測に携わった経験を活かし環境NPOにて活動する。2019年より北極圏スバールバル諸島にあるニーオルスン国際観測拠点に長期滞在し、世界各国の滞在員と生活しながら研究観測に従事。2023年に富山へ移住。
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パキスタンの山旅を愉しむ フンザ&ナンガパルバット&カラコルムハイウェイ | 柳谷 杞一郎
¥1,760
雷鳥社 2024年 ソフトカバー 256ページ 四六変形判 - 内容紹介 - 海外の山登りを楽しみたい方へ パキスタンのガイド付き旅日記 パキスタン山岳部は、山の愛好家にとってもっともポテンシャルの高い目的地。 - 目次 - 第一部 パキスタンの基礎知識 魅力的で危険な山々/公用語、ウルドゥー語について/パキスタンでなにを食べるか/氷河について考える/テロ、危険回避のための注意事項など) 第二部 フンザ&ナンガパルバット周遊トレッキング(全18泊19日の旅日記) - 著者プロフィール - 柳谷杞一郎 (ヤナギタニキイチロウ) (著) 編集者・写真家。1957年広島生まれ。修道学園中・高等部、慶応義塾大学卒業。写真集に「RAPA NUIイースター島、モアイの祈り」(エスクァイア・マガジン・ジャパン)「X」(ぶんか社)。著書に「写真でわかる謎への旅・イースター島」、「写真でわかる謎への旅・マチュピチュ」、「星の辞典」、「進化するモチベーション戦略」、「65歳からのエベレスト街道トレッキング」(雷鳥社)、「大事なことはみんなリクルートから教わった」(ソフトバンク文庫)
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青の辞典 | 柳谷 杞一郎
¥1,760
雷鳥社 2025年 ハードカバー 288ページ A6変形判 縦120mm - 内容紹介 - 累計売上40万部超 辞典シリーズ第13弾 「青は漠を意味していた」 「青は鮮やかな赤を含んでいた」 意外な「青」が持つ意味合い、伝統色としての青、海外に衝撃を与えたジャパンブルー、青い文学・ことば・印刷上の青・国旗・鳥・虫などのいきもの。 青の世界の入口を、写真、イラスト等ビジュアルとともに紹介。 ●1890年に来日した小泉八雲の日本の印象は「小さい」「青い」だった! ●英語の色名辞典には「ジャパンブルー」「ジャパニーズブルー」が入っている。 ●日本の絵具メーカーは青系油水彩絵具を24種、青系透明水彩絵具を18種製造。 ●青い蝶は幸せの象徴。 ●美しい見た目の青い貝。実は悪臭を放つ! ●ソマリア連邦共和国の国旗は、青の面積が大きい。 ●VISA,AMERICAN EXPRESS,FACEBOOK,NOKIA,P&B……多くの企業がブランドカラーに青を採用。 ●地球は青かった。 - 目次 - はじめに 「靑」を再現する方法 「靑」の持つ意味 色の三原色/光の三原色 印刷物の網点 「靑」の漢字辞典 日本の伝統食「靑編」 日本の伝統色とはなにか 日本の伝統色索引 青にまつわる言葉辞典 前書きなど はじめに 古代の日本語で、色をあらわす言葉は「クロ」「アカ」「シロ」「アオ」の4語しかなかったとされる。この4語は他の色をあらわす言葉とは別格の存在である。「黒い」「赤い」「白い」「青い」。「い」を加えただけで形容詞になるのはこの4語だけだ。また「真」を冠して「真っ黒」「真っ赤」「真っ白」「真っ青」と表現できるのもこの4語のみである。純粋な混じりけのない絶対色といっていい。 「古事記」にも登場するこの4語、色をあらわす言葉というよりは、光の状態をあらわす言葉だったようだ。すなわち「暗」(暗い闇の状態)、「明」(夜明けとともに空が赤く色づいていく状態)、「顕」(すべてがハッキリと見えている状態)、「漠」(その中間の状態)を原義としている。 さて本書のテーマは、「漠」を意味する「アオ(青)」である。 「漠」を原義とする「アオ」のイメージは「シロ」(白昼)から「クロ」(闇夜)へとつながっていく中間の状態をさす。したがって、「アオ」が意味する色の範囲はきわめて広かったようだ。本来は灰色がかった白色を意味した。古代においては黄昏時の藍色や紫色だけでなく緑色はもちろんのこと灰色もアオなのである。 子どもの頃、どう見ても緑色をしている信号を青信号とよぶことに違和感を覚えた人は少なくないだろう。英語圏では青信号は「green」と認識されているのだ。「青田」「青葉」「青々とした山々」という言葉にも納得がいっていなかった。田んぼも、山も緑色ではないか。 理由は緑色という色の概念が定着するまで緑色は青の一種だったからに他ならない。若竹色も苔色も鶯色も、大きく分類するならすべてアオなのである。 その青は、ある意味日本を代表する色となっていく。 葛飾北斎の「富嶽三十六景」で使用された「ベロ藍」(プロシャンブルーという名の合成顔料は1704年、ベルリンとパリで同時期に発見される)とよばれるブルーは特に20世紀の西欧に鮮烈な衝撃を与えたようで北斎ブルーとして高く評価された。北斎だけでなく、歌川広重をはじめ多くの絵師が独特の青の色使いで人気を博し、ジャパンブルーは大いにその名声を広めたのである。英語の色名辞典には「ジャパニーズブルー」「ジャパンブルー」の色名が存在するのだ。 1890年に来日した小泉八雲(ラフカディオハーン)の著書「東洋の土を踏んだ日」には「青い屋根の下の家も小さく、青いのれんを下げた店も小さく、青いきものを着て笑っている人々も小さいのだった」とある。日本の第一印象は「小さい」と「青い」なのである。紀元前からエジプトや中国では藍染が始められており、紀元後は日本だけでなく世界中で藍染技術は普及していたにもかかわらず、日本の藍染が外国人の目にどれほど印象的だったのかが想像できる。 サッカー日本代表の愛称も「サムライブルー」。ユニフォームも基本はずっとブルーを基調につくられているのだ。 本書では、この面白くて魅力的な「青」「アオ」「ブルー」の世界を徹底検証していこうと思う。「青」の意味を紐解いていくことは、「日本」を知ることにもつながっていくに違いない。 - 著者プロフィール - 柳谷 杞一郎 (ヤナギタニ キイチロウ) (著) 編集者・写真家。1957年広島生まれ。 修道学園中・高等部、慶応義塾大学卒業。 写真集に「RAPA NUI」(エスクァイア・マガジン・ジャ パン)、「X」(ぶんか社) 著書に「65歳からのエベレスト街道トレッキング」「パ キスタンの山旅を愉しむ」「写真でわかる謎への旅・ イースター島」、「写真でわかる謎への旅・マチュピ チュ」、「星の辞典」、「進化するモチベーション戦略」「ぼ くたちの論語」(雷鳥社)、「大事なことはみんなリク ルートから教わった」(ソフトバンク文庫)など多数。 - 関連リンク - 雷鳥社辞典シリーズラインナップ https://www.raichosha.co.jp/book/tags/dictionary
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花の辞典 | 新井 光史
¥1,650
雷鳥社 2017年 ハードカバー 282ページ A6変形判 縦120mm - 内容紹介 - 大人気「辞典」シリーズ第5弾! さあ、お気に入りの花を見つけましょう! 五感を通して私たちを癒してくれる花は、生活必需品ではないけれども、日常を豊かにしてくれる大切な存在です。 本書では、春、夏、秋、冬と季節ごとに分類した206種類の花を美しい写真とともに掲載し、 さらにはすべての花に花言葉を添えています。 また、花をより知っていただくために巻末コラムを設け、花の買い方から飾り方、長持ちさせる方法、 簡単な花飾り・アレンジのコツなど幅広く網羅。素敵なイラスト入りなので楽しく学べます。 辞典として読むことはもちろん、ハウツー&ビジュアルブックとしても読み応え十分。 デザイン、そして紙質にもこだわりぬいた一冊です。