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ケアと編集 | 白石 正明
¥1,056
SOLD OUT
岩波書店 2025年 ソフトカバー 254ぺージ 新書判 縦173mm 横107mm 厚さ11mm - 内容紹介 - もはやこれまでと諦めてうなだれたとき、足元にまったく違うモノサシが落ちている。与えられた問いの外に出てみれば、あらふしぎ、あなたの弱さは克服すべきものじゃなく、存在の「傾き」として不意に輝きだす──。〈ケアをひらく〉の名編集者が一人ひとりの弱さをグッと後押し。自分を変えずに生きやすくなる逆説の自他啓発書。 - 目次 - Ⅰ いかにして編集の先生に出会ったか 1 ケアとは 刹那的なケア リハビリの昼と夜 失禁と世界の回復 太陽と空気と地面とケア 2 べてるの家との出会い 意外に遠い福祉と医療 病院のにおい もうけている作業所 網走での出会い 自分自身で、共に 「反」ではなく「非」 戦わないでさっさと逃げる 3 編集の先生 試されている感じがしない 肯定と否定の外側で 「そこがいいね!」がなぜ通用するか 〈図〉は変えないで〈地〉を変える 「商業」という魔法 医学的編集とソーシャルワーク的編集 Ⅱ ズレて離れて外へ 1 問いの外に出ざるを得ない人たち 問いの外に思考が流れてしまう人たち 風変わりな言葉たち 主語が患者と入れ替わる 土管の中で話を聞く 二つのことを同時に伝える 因果沼から“かどわかし”へ 問いの圏外に出るために 2 分母を変えるのが編集 強いロボットは歩けない 依存症は依存が足りない 「治す」「克服する」ではない物語へ 3 吃音者は分母を変えて生きていく 『どもる体』のはじまり 吃音者の方法(1)~(4)諦める・準備しない・波に乗る・周囲を変える 分母を変える一発逆転芸 4 面と向かわない力 架空の劇なのに言えない 後ろから、波のような温かい圧が…… 「信」をめぐって――東大での体験 内面の「信」から、対人の「信」へ 「側聞」という方法 「正対」から逃れて Ⅲ ケアは現在に奉仕する 1 ケアと社交 ヘルパーへのアドバイスがなぜ役に立つ? 社交するために社交する 対話するために対話する 過程に内在するための工夫 二〇年以上前の潔さんの言葉 2 消費と浪費と水中毒 過食嘔吐の記憶 「浪費」としての飲水へ 十全な、今ここでの満足 3 今ここわたし 「惚れる」の謎 人がもっとも充実しているとき すでに本番は、はじまっている リスクとワクワク 4 ナイチンゲールを真に受ける 生体は善き方向に進む 本来治りやすい病気である ケアと痛み止め 俺はすでにして完全 Ⅳ ケアが発見する 1 原因に遡らない思考 因果論から構成論へ 幻視・幻聴を聞きまくってデータ収集 幻覚妄想の社会モデル? 前提を変えること 2 手を動かすより口を動かせ 依存症の回復モデル マイノリティの逆襲? 「ケア論的転回」としてのハームリダクション 3 同じと違う 中井久夫と発達障害 見ている世界が違う 住む星が違うから体も違う 量的な違いが無視される 発達障害と「脳の多様性」 言語化への努力 4 いつも二つある 輻輳する時間 チキンカレーとラムカレー 食べると逃げるが併走する 一列に並べることの利点 Ⅴ 「受け」の豊かさに向けて 1 蘭の花のように愛でる ALSとは 身体への着目 意図の推測から勝手な解釈へ 蘭の花のように 生を享受する人 2 受ける人 接続詞はドアを閉める 世界は受け取ることで発生する 「いる」のは忙しい 受け身と可能がなぜ同じ言葉なのか 3 いい「波」はどこから来るか よそに行ったら縛るから 「内面」という無間地獄に落ちる前に べてるに来れば病気が出る なぜ、いい「波」が来るのか 規範から遠く離れて 4 受動性と偶然性 蹴る前に受けるスポーツ 受動性や偶然性が排除される 中動態と能動的受動 弱い編集 Ⅳ 弱い編集――ケアの本ができるまで 1 山の上ホテルのペーパーナプキン ――中井久夫・山口直彦著『看護のための精神医学』 地下の薄暗い書庫で 病院のカビ臭い倉庫で ニワトリと卵と、拾う人 生活の政治学 普通への愛と憧れ 2 魔法と技術のあいだ ――本田美和子、イヴ・ジネスト、ロゼット・マレスコッティ著『ユマニチュード入門』 「好き」にさせる技術 人間的というより動物的? 属人化と標準化のあいだで 3 弱いロボットの吸引力 ――坂口恭平著『坂口恭平 躁鬱日記』、岡田美智男著『弱いロボット』 ひとり音楽会と中二病 閉じない人たち あとがき 主な参考文献 - 著者プロフィール - 白石 正明 (シライシ マサアキ) (著) 1958年東京都生まれ.青山学院大学法学部卒業.中央法規出版を経て1996年に医学書院入社.1998年に雑誌『精神看護』を,2000年に〈ケアをひらく〉シリーズを創刊.同シリーズは現在50冊を数え,川口有美子『逝かない身体』が大宅壮一ノンフィクション賞(2010年),熊谷晋一郎『リハビリの夜』が新潮ドキュメント賞(2010年),六車由実『驚きの介護民俗学』が日本医学ジャーナリスト協会賞(2013年),國分功一郎『中動態の世界』が小林秀雄賞(2017年),東畑開人『居るのはつらいよ』が大佛次郎論壇賞(2019年),鈴木大介『「脳コワさん」支援ガイド』が日本医学ジャーナリスト協会賞(2020年)を受賞.シリーズ自体も2019年に毎日出版文化賞を受賞する.2024年3月に医学書院を定年退職.
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超人ナイチンゲール | 栗原 康
¥2,200
医学書院 2023年 ソフトカバー 272ぺージ A5判 - 内容紹介 - こんなナイチンゲール、聞いたことない!――鬼才文人アナキストが、かつてないナイチンゲールを語り出した。それは聖女でもなく合理主義者でもなく、「近代的個人」の設定をやすやすと超える人だった。「永遠の今」を生きる人だった。救うものが救われて、救われたものが救ってゆく。そんな新しい生の形式を日常生活につくりだせ。ケアの炎をまき散らせ。看護は集団的な生の表現だ。そう、看護は魂にふれる革命なのだ。
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医学問答 西洋と東洋から考えるからだと病気と健康のこと | 仲野 徹, 若林理砂
¥1,980
左右社 2024年 ソフトカバー 296ージ 四六判 - 内容紹介 - \西洋・東洋、どっちも使うたらええんやん!/ 西洋医学と東洋医学の専門家が、両方の視点から、私たちのからだ・病気・健康について徹底対談! 対談を繰り広げるのは、病理学の専門家で大阪大学大学院名誉教授・仲野徹さんと、『ペットボトル温灸』や『気のはなし』などの著書でも話題の鍼灸師・若林理砂さん。 「西洋医学は科学、東洋医学は哲学?!」 「気、丹田、三焦って何?」 「多臓器が連関しているという考え方がトレンド」 「鍼灸治療はまず何回受ければいい?」 東洋医学は怪しい…? 西洋医学ならなんでも解明できる? じつは似ているところ、歩み寄ってきた部分も? いまを楽しく生きるための医学雑学を、「漫才(!?)」のごとく楽しめる一冊。 - 目次 - まえがき 第1章 歴史篇 科学としての西洋医学、哲学としての東洋医学 第2章 からだ篇 見えないものは、ないのでは? 第3章 病気篇 健康神話はけっこう危ない 第4章 治療篇 効きゃあいい、治りゃあいい 第5章 くすり・前篇 摩訶不思議な漢方薬の世界 第6章 くすり・後篇 知ってるつもりの西洋薬の知らない話 第7章 未来篇 医学のこれからはどうなる? あとがき コラム ・冷え性の話 ・健康に生きるために ・漢方エキス剤というステキなモノ ・薬のお名前 - 前書きなど - 本書を手に取っていただいた皆様、ありがとうございます。この書籍は、「西洋医学の専門家と、東洋医学の専門家が対談し、両者の違いと似ているところを明らかにしていく医学本」というコンセプトです。西洋医学の専門家として生命科学者で元・大阪大学大学院教授の仲野徹先生、東洋医学の専門家として私、そこらへんの開業鍼灸師である若林理砂が登場いたします。 ということで本書の実態は、まったく出自の違う二人がワイワイと東西医学についてあれこれ話し、 仲野 うん、わからんな! 若林 はい! すんません! などと言い合った全記録、という内容です。 ……この本の企画をいただいた際、対談相手が仲野先生で、しかもすでに承諾いただいていると聞き、「え、本気ですか?」と仲野先生に確認をしてしまいました。そうしたら先生は、「若林さんが対談相手じゃなかったら断ってるわ」とおっしゃるので、本気なんだ……と思いました。えー、東洋医学だったら、もっとえらい先生いっぱいいるじゃないですか。仲野先生は「西洋医学の専門家」として文句なしでしょうけど。っていうか、仲野先生がお引き受けくださっているのに私が断れるわけないじゃないですか! 仲野先生とは、拙著『絶対に死ぬ私たちがこれだけは知っておきたい健康の話』(ミシマ社)の出版記念対談でご一緒させていただきました。その際は、先生から容赦ない千本ノックの如く質問が放たれるのを私は必死で打ち返していく状態。なんと言いますか、「アタックNO.1」の主題歌が頭のなかをよぎる感じです……古いっ! アレの何を気に入っていただいたのか私には皆目わかりませんが、おかげで本書ができあがったわけです。 本書に掲載されている対談は、一度として予定された内容どおりに進まなかったと記憶しています。あっちこっちへ飛び散る話題、医学用語もまじえ、編集さん、ライターさん置いてけぼり、すごいスピードで延々喋り続ける我ら。毎回、喋るほうは勝手だけども、まとめるほうは恐ろしく大変だろうな……と思っておりました。 東洋医学は現在、基礎研究が急速に結果を出しつつあります。私が鍼灸専門学校生だった二五年前とは比べものにならないほどたくさんのエビデンスが出てきておりますが、それでもまだ科学的な根拠が強固であるというには足らない状態です。本書でも、「効くのは効くんです」「これがどうして効いてるかはわかりません」「プラセボ以上なのは確かなんです」などなど、読者の皆様としては「おいおいおい、若林! これじゃなんにも答えてないじゃん!」と突っ込みたくなるところがたくさんあると思われます。 私はしがない鍼灸師ですが、長い長い医学の歴史の末席に座る身だと思っています。まだまだ微妙である研究結果を「こんな科学的エビデンスがあります!!」とは言いたくなかったのです。きちんと、理由がわからんもんはわからんと、正直に答えたい。これが私にとって、西洋医学と伝統医学の両方に対しての礼節だと思っています。 データを並べられて、「これが正しいのだからそれは絶対効かない」と言われても反発を招くだけです。それとは逆の、「数字やデータは噓だ、真実はこちらだ」とする姿勢も分断を広げるだけです。どちらも真に科学的姿勢とは言えないでしょうし、誰にも利益をもたらさないと思います。そんな状況が長年、東洋医学と西洋医学の間に横たわっていました。ですが最近、研究者の努力により、東洋医学に関するデータが集積され、ほんのわずかずつではありますが西洋医学と東洋医学の距離が近づいてきています。そんな状況も相まってでしょう、仲野先生と私という、まあ昔だったらまったく対談など成り立たないであろう二人が、会話を楽しめるまでになったのです。 これだけ長い歴史をもっている東洋医学です。まったく効果がないならとっくに消えてなくなっているでしょう。それが生き残ってきているということは、一定の効果があるからだと感じています。けれども、あらゆる病に効果があるわけではないことも、臨床で感じていることです。ですので、理由はわからない、実際効いている、プラセボだけではなさそうだ、科学的にはっきりしているのはこのあたりまで!という姿勢は崩さず、縦横無尽に対談させていただきました。結果、ものすごく楽しいものになったなあと思います。 本書で対談した内容も、数年経ったらもっと研究が進み、解明されているかもしれませんし、意外とそうでもないかもしれません。ですが、この本の面白さだけはいつになっても変わらないだろうと確信しています。わからんものを知ろうとして聞いて、わからんものはわからんものとして話し、それでいろいろな理解が深まるという。こういうやりとりが、分断が進む世の中には絶対に必要なことだろうなあと。 そして、「まあ、若林の言うことなら聞いてやろか」と、対談を快諾してくださった仲野先生の心の広さに感謝しつつ。 では、珍道中ならぬ珍対談のはじまり、はじまり。 (若林理砂) - 版元から一言 - ・西洋医学と東洋医学を比較した本は初! ・大阪大学大学院名誉教授の仲野徹さん、人気鍼灸医の若林理砂さんが徹底問答を繰り広げます。 イラストや写真も多数掲載。読みやすいのに、一級の医学雑学が得られます。 ・NHKスペシャルでも「東洋医学を科学する」という番組が放送され、東洋医学の秘密に関心が集まりはじめています。現時点でわかっている科学的なエビデンスもわかりやすく紹介。 - 著者プロフィール - 仲野 徹 (ナカノ トオル) (著/文) 1957 年大阪・千林生まれ。大阪大学医学部医学科卒業後、内科医から研究の道へ。ドイツ留学、京都大学医学部講師、大阪大学微生物病研究所教授を経て、2004 年から大阪大学大学院医学系研究科病理学の教授。2022 年に退官し、隠居の道へ。2012 年日本医師会医学賞を受賞。 著書に、『エピジェネティクス』(岩波新書)、『こわいもの知らずの病理学講義』(晶文社)、『考える、書く、伝える 生きぬくための科学的思考法』(講談社+α新書)、『仲野教授の 笑う門には病なし!』『仲野教授の この座右の銘が効きまっせ!』 (ともにミシマ社) など多数。 若林理砂 (ワカバヤシリサ) (著/文) 臨床家・鍼灸師。1976年生まれ。高校卒業後に鍼灸免許を取得。早稲田大学第二文学部卒(思想宗教系専修)。2004年にアシル治療室を開院。予約のとれない人気治療室となる。古武術を学び、現在の趣味はカポエイラとブラジリアン柔術。 著書に『絶対に死ぬ私たちがこれだけは知っておきたい健康の話』『気のはなし 科学と神秘のはざまを解く』『謎の症状 心身の不思議を東洋医学からみると?』(いずれもミシマ社)、『安心のペットボトル温灸』(夜間飛行)、『決定版 からだの教養12ヵ月―食とからだの養生訓』(晶文社)など多数。
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遺伝子が語る免疫学夜話 | 橋本 求
¥1,980
晶文社 2023年 ソフトカバー 272ページ 四六判 - 内容紹介 - 「人類はウイルス、細菌、寄生虫との戦いと共生の歴史。読むとやめられなくなる」──養老孟司 リウマチ・膠原病、クローン病、さらに花粉症、アトピー性皮膚炎などの疾患は、なぜ起きるようになったのか? その背景から、人類が何万年もかけて積み重ねてきた進化の物語を読む。 自己免疫疾患(体を守る免疫が逆に自分の体を攻撃する疾患)とは、清潔で快適な環境を求めてきた人類の代償というべき「宿業の病」。そのような病が生まれたのはなぜか? マラリアやインフルエンザなど感染症との戦いの歴史、寄生虫との共生、腸内細菌叢の知られざる力、爬虫類・昆虫などとの毒を介した生存競争、脊椎動物の「顎」の獲得、ネアンデルタール人との混交、農耕革命・産業革命などの生活様式の変化……数々の驚くべきトピックとともに語る、読み出すとやめられない「遺伝子と免疫」の秘密。 目次 序章 「免疫学」から学ぶこと ■第I部 免疫と遺伝子──時空を超えてつながる病 第1章 病原体なき病 第2章 ガラパゴス島の啓示 第3章 史上最悪のインフルエンザ 第4章 コウモリの不吉 第5章 シマウマのステルス戦略 第6章 進化医学の考え方 ■第II部 免疫と環境──運命を異にする双子の姉妹 第7章 「清潔」という病 第8章 昭和の子ども「青洟」のヒミツ 第9章 寄生虫という「古き友」 第10章 腸内細菌のチカラ ■第III部 免疫系の進化──自己免疫とアレルギーの起源 第11章 顎の出現とともに現れた病 第12章 哺乳類の勝利の代償 第13章 旧人類との邂逅と新型コロナ 第14章 農耕革命の光と影 終章 免疫進化のガラパゴス 前書きなど 本書がご紹介するのは、「自己を攻撃する病」がなぜ起きるようになったのかについての夜話です。ただし、その夜話は、できるだけ現代医学の最新のエビデンス(根拠)に基づいてお話ししたいと思っています。根拠として用いたのは、遺伝学やバイオインフォーマティクスの考え方。この最先端の学問を使って、自己免疫疾患やアレルギーといった病気がなぜ起きるようになったのか、その謎について迫りたいと思います。(序章より) - 著者プロフィール - 橋本求 (ハシモトモトム) (著・文・その他) 大阪公立大学医学部膠原病内科学教授。京都大学医学部卒業。京都大学大学院医学研究科・臨床免疫学、大阪大学免疫学フロンティア研究センター研究員、京都大学リウマチセンター講師、などを経て、現職。
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みんなの社会的処方 人のつながりで元気になれる地域をつくる | 西 智弘, 岩瀬 翔, 西上 ありさ, 守本 陽一, 稲庭 彩和子, 石井 麗子, 藤岡 聡子, 福島 沙紀
¥2,200
学芸出版社 2023年 ソフトカバー 256ページ 四六判 - 内容紹介 - 孤立という病に対し薬ではなく地域の人のつながりを処方する「社会的処方」。日本での実践はまだ始まったばかりだ。いま孤立しているかどうかや、病気や障がいの有無、年齢に関わらず、「誰もが暮らしているだけで自分の生き方を実現できるまち」をどうつくるか。世界と日本の取り組みに学び、これからのビジョンを示す一冊。 - 目次 - はじめに 社会的処方はもっと自由でいい ■Chapter1 社会的処方の「3つの理念」 人間中心性 エンパワメント 共創 「支援する」とはどういうことか 社会的処方の「型」 社会的格差と、広がる自己責任論 ■Chapter2 孤独・孤立の現状 若者を含めた「居場所」はどのように作れるのか REPORT│小杉湯│西 智弘 90年間建ち続けてきた「場」としての力 社会に必要な、インフラとしての銭湯 「開くのではなく、閉じない」からの相補う関係性 小杉湯「的な場」が持つ、社会的処方としての意義:社会的行方不明者をつくらない 社会的処方の進化 Green/Blue Social Prescribing REPORT│Nami-nications│西智弘 サーフィンを通じてつながる Nami-nications アダプティブ・サーフィンが変えていくもの Green/Blue Social Prescribingの広がり 働かざるもの食うべからず「ではない」 ■Chapter3 社会的処方と世界・日本の動き REPORT│イギリス・フルーム│岩瀬翔 イギリス・フルーム 誰もがリンクワーカーになれる町 MakeaSpark まずは何か動き出そう 「人間の道しるべ」作戦 おせっかい住民をエンパワメントする コロナ禍を経て本質を掴んだ市民リンクワーカー達 ヘリテージコネクター/グリーンコミュニティコネクター 世界の社会的処方の現在地 言葉が全てではない 日本における「モデル事業」 名張と養父 REPORT│名張市│西上ありさ 厚労省モデル事業:名張市/ステイホームダイアリーと社会的処方の展開 REPORT│養父市│守本陽一 厚労省モデル事業:養父市 様々なセクターがまずつながる 医療を起点とした社会的処方の実践 養父市におけるリンクワーカー養成講座 小規模多機能な公共空間「だいかい文庫」 「孤独・孤立対策推進法」とその意義 ■Chapter4 社会のなかで生きることが元気につながる EPISODE│オバケのタムタム&studio FLAT│西智弘 バリアを超えて才能を届ける StudioFLATの取り組み 障がいのある無しに関わらず、良いものは良い アートと障がいと社会的処方的な意義 アートを通じて、人と社会がつながっていく REPORT│アートと社会的処方│稲庭彩和子 アートはずっと存在している。それはなぜなのか? アートと文化でウェルビーイングを増進 「とびらプロジェクト」と社会的処方の共通項 私たちの目指すこと アートコミュニケータとソーシャルな鑑賞法 「きく力・みる力」がケアする力になる REPORT│Dance Well│西智弘 Happy! Dance Well 美術館の内外、そしてアート作品を利用して自らを表現する 身体表現を使って、他人と会話する ダンスレッスンではないのに、結果的にダンスになっている アートがもつ力で変わっていったAさん アートが持つ「ケアの力」 無意識の差別をこえていく REPORT│高齢者福祉施設 西院│西智弘 「要介護」? 関係なく夢は叶えられる 「はたらく」こと=生きるをつくること 「参加」からはじめる 就労とお金の問題 ■Chapter5 暮らしているだけで元気になれるまちをつくる おせっかいのエンパワメントは意外と効く REPORT│おせっかい会議│石井麗子 地域おせっかい会議の風景 コミュニティナースと健康おせっかい まちの身近な存在、郵便局がおせっかいのハブになる 「共感・挑戦・ネットワーク」の実践支援プロセス まちへ飛び出し声を拾い続ける事務局 社会的処方の視点からみた地域おせっかい会議 やればやるほど楽しいことが大きくなる おせっかいが育む優しい目 REPORT│ほっちのロッヂ│藤岡聡子 診療所とまちの居場所が複合された「ほっちのロッヂ」 発地(ほっち)にある森小屋を起点に 私たちは人の何を捉えているのか 自分の関心のあることに掛け合わせていく ケアする・される関係性の逆転は台所から 大切な人を亡くした人が、「あのね…」と話せる部屋があるといい─福島沙紀 おわりに この本で伝えたかったつのこと 暮らしの保健室・川崎/社会的処方研究所はどうなっているか/社会的処方の未来 - 著者プロフィール - 西 智弘 (ニシ トモヒロ) (著/文) 川崎市立井田病院医師/一般社団法人プラスケア代表理事 2005年北海道大学卒。室蘭日鋼記念病院で家庭医療を中心に初期研修後、川崎市立井田病院で総合内科/緩和ケアを研修。その後2009年から栃木県立がんセンターにて腫瘍内科を研修。2012年から現職。現在は抗がん剤治療を中心に、緩和ケアチームや在宅診療にも関わる。一方で、一般社団法人プラスケアを2017年に立ち上げ代表理事に就任。「暮らしの保健室」や「社会的処方研究所」の運営を中心に、「病気になっても安心して暮らせるまち」をつくるために活動。日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医。著書に『社会的処方 孤立という病を地域のつながりで治す方法』(学芸出版社)、『緩和ケアの壁にぶつかったら読む本』(中外医学社)、『がんになった人のそばで、わたしたちにできること』(中央法規出版)他多数。 岩瀬 翔 (イワセ カケル) (著/文) 式根島診療所所長 西上 ありさ (ニシガミ アリサ) (著/文) studio-L 守本 陽一 (モリモト ヨウイチ) (著/文) 一般社団法人ケアと暮らしの編集社代表理事/兵庫県豊岡保健所 稲庭 彩和子 (イナニワ サワコ) (著/文) 独立行政法人国立美術館国立アートリサーチセンター 石井 麗子 (イシイ レイコ) (著/文) 一般社団法人プラスケア 藤岡 聡子 (フジオカ サトコ) (著/文) 軽井沢町・大きな台所と診療所があるところ ほっちのロッヂ共同代表 福島 沙紀 (フクシマ サキ) (著/文) 一般社団法人プラスケア
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絶対に死ぬ私たちがこれだけは知っておきたい健康の話 「寝る・食う・動く」を整える | 若林 理砂
¥1,760
ミシマ社 2018年 ソフトカバー 192ページ 四六判 縦18mm 横12mm 厚さ1mm - 内容紹介 - 現代人よ、もっと、もっと、もっと寝よう! 体とのつき合い方がわかり、3カ月で不調が改善。 人気鍼灸師が実践する現代版・養生法 ・寝る時間は、3重の締め切りを設定して死守する ・寝室と布団内の温度と湿度が、睡眠の質を決める ・食事の半分は野菜を食べる ・野菜多めの食養生が、花粉症も軽減させる ・運動は、約7分のラジオ体操だけでいい ・初期のインフルエンザも葛根湯で治せる…etc. 具体的なアドバイスが満載。 (本書の現代版・養生を3カ月続けたら)おそらくは3カ月を待たずにだいぶいろいろな不調が改善してきていると思います。1年続けたら、季節ごとに出る不調の出方が軽減していることに気づくはずです。2年続けられたら、「自分はこんなに元気な人だったのだ」と思えるようになります。…そこまで続けられたら、みなさんの生活そのものが養生になっているはず。続けていけばいくほど、気力体力、それと無駄に使わなかった分の財力が増えていきますから、あとは、「ああ楽しかった」と息をひきとるその日まで養生と生きる楽しみを繰り返していくことです。 ――本文より - 目次 - はじめに 第1章 健康法の棚卸し 第2章 「ハレ」と「ラク」が招く不健康 第3章 「寝る・食う・動く」の時間を決める 第4章 「寝る・食う・動く」の質を高める 第5章 風邪は引き始めに東洋医学で治す 第6章 生活そのものが養生になる おわりに - 著者プロフィール - 若林理砂 (ワカバヤシリサ) (著/文) 臨床家・鍼灸師。1976年生まれ。高校卒業後に鍼灸免許を取得。早稲田大学第二文学部卒(思想宗教系専修)。2004年に東京・目黒にアシル治療室を開院。現在、新規患者の受け付けができないほどの人気治療室となっている。古武術を学び、現在の趣味はカポエイラ。著書に『東洋医学式 女性のカラダとココロの「不調」を治す44の養生訓』(原書房)、『安心のペットボトル温灸』『大人の女におやつはいらない』(夜間飛行)、『その痛みやめまい、お天気のせいです――自分で自律神経を整えて治すカンタン解消法』 (廣済堂出版健康人新書)、など多数。
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とまる、はずす、きえる ケアとトラウマと時間について | 宮地尚子, 村上靖彦
¥2,200
青土社 2023年 256ページ 四六判 - 内容紹介 - トラウマ研究と、医療・福祉の現象学の第一人者が、具体と抽象を行き来しながら紡ぎ出す、比類なき対談集。 「学問的な硬い概念では取りこぼされる人間の経験の微細なニュアンスについて、考察することへと宮地さんも私もいざなわれた(「まえがき」より)」――村上靖彦 「表面的な言葉の群れにとどまらない、なにか微かだけれども、底流に流れている大切なものを拾い続けられたらと思う(「あとがき」より)」――宮地尚子