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「あの戦争」は何だったのか | 辻田 真佐憲
¥1,155
SOLD OUT
講談社 2025年 講談社新書 ソフトカバー 288ページ 新書判 - 内容紹介 - 日本はどこで間違えたのか? 掲げた理想はすべて誤りだったのか? 「大東亜」は日本をどう見ていたか? 戦後80年、今こそ問い直す「私たちにとっての戦争」とは。 『「戦前」の正体』の著者が、右でも左でもない「われわれの物語」を編みなおす 現代人のための新・日本近現代史! 「日本の過ちばかりを糾弾することでも、日本の過去を無条件に称賛することでもない。過ちを素直に認めながら、そこに潜んでいた“正しさの可能性”を掘り起こす、言い換えれば「小さく否定し、大きく肯定する」語りを試みることである。それこそが、われわれの未来につながる歴史叙述ではないだろうか。 本書は、そのようにしてあの戦争を現在につながる大きな流れへと接続し、「われわれ」の物語を創出するための試みである。」 ――「はじめに」より 【本書の構成】 はじめに 第一章 あの戦争はいつはじまったのか――幕末までさかのぼるべき? 第二章 日本はどこで間違ったのか――原因は「米英」か「護憲」か 第三章 日本に正義はなかったのか――八紘一宇を読み替える 第四章 現在の「大東亜」は日本をどう見るのか――忘れられた「東条外交」をたどる 第五章 あの戦争はいつ「終わる」のか――小さく否定し大きく肯定する おわりに 【本書の内容】 ●日中戦争を「支那事変」と呼んだ背景 ●「ペリーこそ戦犯」と主張した石原莞爾 ●「アジア・太平洋戦争」か、それとも「大東亜戦争」か ●米英との「協調外交」は可能だったのか ●南部仏印進駐という「大失敗」 ●近衛文麿の「知られざる慧眼」 ●東条英機による「史上初のアジア外遊」 ●「油田地帯」パレンバンの現状 ●ジオラマ化された「日本の強制労働」 ●南京大虐殺記念館の「意外な実態」 ●「大東亜共栄圏はプロパガンダ」か ……ほか - 目次 - はじめに 第一章 あの戦争はいつはじまったのか――幕末までさかのぼるべき? 第二章 日本はどこで間違ったのか――原因は「米英」か「護憲」か 第三章 日本に正義はなかったのか――八紘一宇を読み替える 第四章 現在の「大東亜」は日本をどう見るのか――忘れられた「東条外交」をたどる 第五章 あの戦争はいつ「終わる」のか――小さく否定し大きく肯定する おわりに - 著者プロフィール - 辻田 真佐憲 (ツジタ マサノリ) (著) 一九八四年、大阪府生まれ。評論家・近現代史研究者。慶應義塾大学文学部卒業。政治と文化芸術の関係を主なテーマに、著述、調査、評論、レビュー、インタビューなどを幅広く手がけている。単著に、『「戦前」の正体』(講談社現代新書)、『ルポ国威発揚』(中央公論新社)、『防衛省の研究』(朝日新書)、『超空気支配社会』(文春新書)、『大本営発表』(幻冬舎新書)、共著に『教養としての歴史問題』(東洋経済新報社)、監修書に『満洲帝国ビジュアル大全』(洋泉社)、共編書に『文藝春秋が見た戦争と日本人』(文藝春秋)などがある。
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イスラエルについて知っておきたい30のこと | 早尾 貴紀
¥2,090
平凡社 2025年 ソフトカバー 256ページ 四六判 - 内容紹介 - 2023年10月7日に起きたハマースの蜂起から約15カ月半後の2025年1月19日、イスラエルとハマースの間で6週間の「停戦」合意がなされた。 イスラエルの一方的な爆撃によりガザ地区の公共施設や主要インフラは壊滅的な状況に陥り4万人超が死亡、その大半は子どもや女性だったとされる。 だが、イスラエルによる暴力はいまに始まったことではない。 1948年のイスラエル建国前からシオニストたちはパレスチナの地の略奪を目標に、欧米や周辺諸国を巻き込み、暴力を繰り返してきた。 キリスト教福音派のシオニズムへの接近、ホロコーストの政治利用、ユダヤ教とシオニズムの対立、PLOの挫折、オスロ合意の欺瞞、〈10・7〉蜂起、そしてイスラエルが描く「ガザ2035」の未来図とは? いま私たちがパレスチナ問題を考えるための基本書。 「停戦」は、一般的な国家戦争の停戦とは全く異なり、イスラエルによる一方的なガザ地区でのジェノサイドの「一時停止」にすぎません。 ガザ地区の占領も封鎖も変わらず、またやはり占領下のヨルダン川西岸地区で続いているイスラエル軍の侵攻と入植者による襲撃・収奪も止まることがないのです。――「あとがき」より 【目次】 前史 ユダヤ人はなぜ差別されてきたのか 第1部 19世紀~1948年 イスラエルはどのようにしてつくられたのか 1.シオニズムはどのように誕生したのか/2.植民地主義とシオニズムの関係とは/3.シオニズムの物語とは/4.イスラエルはどのように建国されたのか(1)/5.イスラエルはどのように建国されたのか(2)/6.イスラエルはどのように建国されたのか(3)/7.国際社会の責任とは/8.イスラエル建国に対する世界の思想は 第2部 1948年~90年代 イスラエルはどんな国か――占領政策、オスロ合意まで 1.建国されたイスラエルはどんなところか/2.イスラエルの産業とは/3.イスラエルには誰が住んでいるのか/4.イスラエルはどのように国民統合を図ったのか/5.ホロコーストと宗教の利用/6.1967年以降の占領政策とは/7.パレスチナの抵抗運動とは/8.オスロ合意とはなにか(1)/9.オスロ合意とはなにか(2)/10.オスロ合意に対する世界の思想は 第3部 2000年代~ オスロ合意後のイスラエルはどうなっているか 1.第2次インティファーダ後の一方的政策とは/2.イスラエルはなぜハマースを敵視するのか/3.パレスチナの民意へのイスラエルの反応は/4.〈10・7〉蜂起とは/5.〈10・7〉とは何だったのか/6.ガザ侵攻でなにか起きているのか/7.ガザ侵攻でイスラエルが得る利益とは/8.イスラエル国内でのガザ侵攻の受けとめ方は/9.イスラエルはガザ侵攻後をどのように考えているのか/10.世界の反応は/11.ガザ侵攻に対する世界の思想は/12.私たちになにができるのか - 著者プロフィール - 早尾 貴紀 (ハヤオ タカノリ) (著) 1973年生まれ。東京経済大学教員。専門は社会思想史。2002~04年、ヘブライ大学客員研究員として東エルサレムに在住し、西岸地区、ガザ地区、イスラエル国内でフィールドワークを行う。著書に『国ってなんだろう?』『パレスチナ/イスラエル論』『ユダヤとイスラエルのあいだ』、訳書にイラン・パぺ『パレスチナの民族浄化』(田浪亜央江との共訳)、サラ・ロイ『ホロコーストからガザへ』(岡真理、小田切拓との共編訳)、ジョー・サッコ『ガザ 欄外の声を求めて』などがある。
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こだいのなぞとふしぎのずかん | 五十嵐 美和子
¥1,100
白泉社 2025年 コドモエのずかん ハードカバー 24ページ B5変型判 縦177mm 横177mm 厚さ10mm - 内容紹介 - 大ヒット「コドモエのずかん」シリーズ最新刊。 大昔の人たちは、電気や機械を使わずに、いろいろなものを造り、たくさんの不思議な遺跡をのこしてきました。 ピラミッドやモアイ像、ナスカの地上絵、埴輪に古墳…。 東京国立博物館監修の元、五十嵐美和子さんがあたたかく緻密なタッチで描き出す遺跡の数々は、圧巻の見ごたえ。 子ども&大人の好奇心を刺激する、ロマンあふれる古代文明の旅へ!
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雑草教室 図鑑が教えてくれない植物たちのひみつ | 稲垣 栄洋
¥1,100
中央公論新社 2025年 中公新書ラクレ ソフトカバー 256ページ 新書判 - 内容紹介 - 雑草について調べる「雑草サークル」を立ち上げた学生たちと植物学者の大学教授によるエッセイ風ミステリー。 本書で書かれている植物に関するデータは、実際の実験によるもの。研究などで解明されることのない“身近な疑問”について、学生たちが自ら試すことでたどり着いた「図鑑や論文では書かれることのない特性」を取り上げる。 ------ 植物図鑑に書かれていることは、 人間が限られた観察で書いているに過ぎない。 言わば、一方的な決めつけに過ぎないかもしれない。 図鑑に書かれた姿が、 「こうあるべき」と人間の勝手に過ぎないとしたら、 それに囚われることなく、自在に変化する雑草の、 何と自由なことだろう。(本文より) ------ 『生き物の死にざま』『はずれ者が進化をつくる』など数々のベストセラーで知られる人気生物学者が描く「雑草サークルミステリー」の世界へようこそ。 - 著者プロフィール - 稲垣栄洋 (イナガキヒデヒロ) (著) 静岡大学大学院農学研究科教授。静岡県出身。岡山大学大学院農学研究科修了。博士(農学)。農林水産省、静岡県農林技術研究所等での勤務を経て現職。『弱者の戦略』(新潮選書)、『生き物の死にざま』(草思社)、『はずれ者が進化をつくる』(ちくまプリマー新書)、『大事なことは植物が教えてくれる』(マガジンハウス)、『手を眺めると、生命の不思議が見えてくる』(家の光協会)、『命とこの世の倫理 「般若心経」を解く』(コスミック出版)ほか著書は150冊以上。
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島まみれ帳 | ミロコマチコ
¥1,870
ブロンズ新社 2025年 ソフトカバー 224ページ A5判 縦210mm 横148mm - 内容紹介 - ミロコマチコの奄美暮らしを「エッセイ+イラスト+写真」で綴る一冊 「はじめて空港に降り立った瞬間の空気が、もう好きだった」 2017年春、仕事で初めて訪れた奄美大島に魅せられて以来、 ミロコマチコさんはわずかな時間を見つけては奄美へ足を運ぶようになります。 都会暮らしに違和感を覚えはじめていた頃で、2年の助走期間を経て、 2019年、4匹の猫たちを連れて東京から奄美へ移住。 生命力あふれる南の島で、まったく新しい生活をスタートさせます。 当初は、人と触れあわず、自給自足に近い生活を求めていたそうですが、 ダイナミックな南国の自然と共生している島人(しまっちゅ)の暮らしに惹きつけられ、 集落の行事に積極的に参加するようになります。 ブロンズ新社ウェブサイトで、長年連載してきたイラスト&エッセイ「ミロコあたり」。 本書では、34篇の「イラスト&エッセイ」に加えて、描き下ろしイラストと53点の写真を収録。 「いのち」を描く画家として、絵本作家として、どんな体験をし、暮らしてきたのか、 「島にまみれていった」ミロコさんの克明にして鮮やかな6年間の生活記録。 地方移住の読み物としても大いに愉しめます。
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あしたやさしくなれますように | はしもと みお
¥3,300
小学館 2025年 ハードカバー 160ページ A5判 - 内容紹介 - 動物達の輝きを遺す彫刻家、初のペン画文集 はしもとみおさんは動物たちの姿を木彫で表現する彫刻家です。幼い頃から動物を愛し、獣医を夢見るようになったはしもとさんは、15歳のときに阪神・淡路大震災(1995年)と遭い、多くの動物たちの命が失われる光景に衝撃を受けます。この経験から、はしもとさんは動物たちの命を治療する獣医ではなく、動物たちの姿や手ざわり、思い出を作品として遺そうと彫刻の道を志します。まるで生きているかのような温もりや、息づかいまでも感じさせるはしもとさんの作品は評判と共感を呼び、各地で展覧会が開催され、海外からも製作の依頼が舞い込んでいます。本書は、はしもとさんが23歳のとき、ともに芸術家を目指した親友へ贈った手造りの画文集がもとになっています。はしもとさんは親友のためにさまざまな動物を描き、「人からどう思われてもいい」「いつか世界一になる」「昨日までの自分を捨てる勇気がほしい」といった手書きのメッセージを添えて1冊の本にして贈りました。思い通りにいかないときや、誰かと話したいとき、イヌやネコ、クマ、ゾウ、キリンといった動物たちが語りかけてくれるような数々の言葉に心が軽くなります。贈り物にも最適です。 【編集担当からのおすすめ情報】 テレビ番組や雑誌等で数多く紹介されている彫刻家・はしもとみおさんの初のペン画文集です。本書に掲載されている原画のほか、はしもとさんの作品を展示する展覧会 「はしもとみお木彫展 いきものたちとの旅」が2025年7月19日より群馬県立館林美術館を皮切りに、全国を巡回する予定です。各会場では、はしもとさんのトークショーやワークショップ、コンサート等が予定されていますので、ぜひ、お立ち寄りください。 「はしもとみお木彫展 いきものたちとの旅」の日程と会場 2025年7月19日~9月23日/群馬県立館林美術館 2025年10月18日~12月7日/丹波市立植野記念美術館
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ネコは(ほぼ)液体である ネコ研究最前線 | 服部 円, 子安 ひかり(監修)
¥1,760
KADOKAWA 2025年 ソフトカバー 224ページ 四六判 右開き - 内容紹介 - イグ・ノーベル賞受賞「ネコは液体」、遺伝子レベルでマグロ好き、障害物をスタスタ避けられる理由……「あるある」や「そうだったの」とネコを見る目が変わる。かわいいだけじゃない、おもしろ研究を一挙に紹介! - 目次 - 第1章 科学でネコの心を調べてみた 飼い主の声がわかるし、自分の名前を知っている こっちがご機嫌だと寄ってくる! 飼い主の感情を読むネコ ネコと仲良くなる魔法! ゆっくりまばたきの秘密 消えたはずの障害物をよける!? ネコの記憶力の謎 ネコがマグロを好きな理由、遺伝子に刻まれていた!? 第2章 ネコ好きほどネコが嫌がることをしている? ネコ好きほど要注意! やりがちな「こねくりNG行動」 ネコは意外と構われたい!? 注目されると近づく説を検証 飼い主の匂いで逆に不安に!? ネコを預ける時の落とし穴 食べもの vs. オモチャ vs. ヒト ネコが選ぶのはどれ!? ネコアレルギーでも一緒に暮らせる 対策と実情を調査 第3章 なぜ「液体」になるのか? ネコはなぜ狭い所が好き? 段ボール箱がストレス軽減 動物のブルブルは理にかなっていた 乾燥の最適回転数 ネコの舌はなぜザラザラ 空洞構造の驚きの機能 ネコがテープの円に入る「転送装置」を 市民科学で大調査 イグ・ノーベル賞を受賞 「ネコは液体」は本当 第4章 気分屋なネコの意外な法則 ネコにも利き手があった おうちでできる実験 ネコは留守番中さみしいのか 行動を観察してみた ネコが喜ぶなで方・怒るなで方を科学で検証してみた ネコはお皿の形を気にするのか 食事の選択を分析 一緒にいるのに仲間じゃない ネコの社会性の謎 コラム ネコの「かわいい」の仕組みに挑む ネコを多角的に知る10冊 ほか - 著者プロフィール - 服部 円 (ハットリ マドカ) (著) 編集者。武蔵野美術大学空間演出デザイン学科卒業後、ファッション誌の編集者として働く。ネコ研究に興味を持ち、2019年から社会人大学院生として大学院に進学。2021年麻布大学大学院獣医学研究科にて修士号(動物応用科学)を取得。2024年京都大学野生動物研究センター博士後期課程研究指導認定退学。2025年3月博士号(理学)取得。現在はWEBメディア『文化と生物学』の編集をしたり、ネコについて執筆したりしている。愛猫はスカイ(オス、16歳)。 子安 ひかり (コヤス ヒカリ) (監修) 麻布大学獣医学部動物応用科学科特任助教。2022年、麻布大学獣医学部動物応用科学科にて博士号(学術)を取得。実は元々イヌ派だったが、麻布大学でネコ研究に出会ってからネコの魅力にどっぷりハマる。なぜネコがヒトの伴侶動物になったのか、イヌやネコとの生活が互いに何をもたらすのかを、行動学、生理学、社会学的視点から研究している。愛猫は、るくた(オス、5歳)とむーちゃん(メス、4歳)、もっぷ(オス、9ヶ月)。
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学芸員しか知らない 美術館が楽しくなる話 | ちいさな美術館の学芸員
¥1,760
産業編集センター 2024年 ソフトカバー 216ページ 四六判 - 内容紹介 - 知れば美術館が10倍面白い! 展覧会はどうやって作っているの? 学芸員って何をしているの? アートは役に立たない? おすすめの鑑賞方法は? 現役学芸員が語る、美術館の舞台裏と美術鑑賞の楽しみ方。 noteの人気連載、待望の書籍化!著者おすすめの美術館も掲載。 目次 第1章 一つの展覧会ができるまで 第2章 学芸員という仕事の舞台裏 第3章 美術館をもっと楽しむためのヒント 第4章 美術館をささえる仲間たち - 著者プロフィール - ちいさな美術館の学芸員 (チイサナビジュツカンノガクゲイイン) (著/文) 東京都生まれ。都内のとある美術館で働く学芸員。ときおり大学非常勤講師。2022年からnoteにて美術館や学芸員に関する仕事コラムをスタート。すでに投稿した記事は200本以上。現在もコツコツと更新継続中。 https://note.com/gakugeiin
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学芸員が教える 日本美術が楽しくなる話 | ちいさな美術館の学芸員
¥1,980
産業編集センター 2025年 ソフトカバー 256ページ 四六変型判 縦188mm 横124mm - 内容紹介 - 知れば日本美術が10倍面白い! 日本に金ぴかの絵が多いのはなぜ? 超絶イケメンの仏像を造る仏師集団とは? 刀剣を鑑賞するコツはたったの3つ! そもそも日本美術って何?から、歴史、作家、名品、鑑賞のポイントまで、 知っていれば日本美術が楽しくなるポイントを厳選して紹介。 「わからない」が「面白い」に変わる! 現役学芸員がとことんわかりやすく教える日本美術超入門。 著者おすすめの日本美術が楽しめる美術館も掲載。 - 目次 - はじめに 第1章 日本美術って何? 第2章 超ざっくり日本美術史 第3章 一挙紹介! 日本美術のスター作家たち 第4章 これだけは知っておきたい名品、逸品 第5章 美術館へ日本美術を見に行ってみよう! おわりに - 著者プロフィール - ちいさな美術館の学芸員 (チイサナビジュツカンノガクゲイイン) (著) 東京都生まれ。都内のとある美術館で働く学芸員。複数の大学でも教鞭を執る。2022年からnoteにて美術館や学芸員に関する仕事コラムをスタート。すでに投稿した記事は300本以上。現在もコツコツと更新継続中。著書に『学芸員しか知らない 美術館が楽しくなる話』(産業編集センター)がある。 https://note.com/gakugeiin
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まちは暮らしでつくられる 神山に移り住んだ彼女たち | 杉本 恭子
¥2,200
晶文社 2025年 ソフトカバー 380ページ 四六判 - 内容紹介 - Life(活力、生命、生活、人生)の積み重ねによって風景が生まれている。それを再認識させてくれる本でした。 ──山崎亮(コミュニティ・デザイナー) 「この風景のなかに見えるほぼすべて、いつか誰かが手を使った仕事」──清流・鮎喰川が流れる山あいのまち・徳島県神山町。このまちに10年近く通う著者と移住・Uターンした女性たちによるインタビューで編まれた「神山の生活史」。神山で暮らす彼女たちは、自らの手で自然と人間の関係をしなやかに結び直していく。また、彼女たちの日常のささやかな言葉は、「地方創生」「まちづくり」という大きな言葉を解きほぐす力がある。「まちは一人ひとりの暮らしでつくられている」というシンプルな事実に気づいたとき、誰もが自分の人生と暮らしを慈しみたくなる。 “インタビューをした女性たちは、一人ひとりの人生のなりゆきで神山に辿り着いていて、移り住んだ理由は一通りではありません。でも、ここに引き寄せられた根っこの部分は、どこか通じ合うところがあるようにも感じていました。(…)彼女たちがそれぞれの言葉で語る神山に耳を傾けるうちに、また神山の人たちとのつきあいが増えるにつれて、自分自身のあり方や暮らしについても問い直されていきました。”(「はじめに」より) 【目次】 はじめに 第一章 川を背骨にしたまち 第二章 山と人の暮らしをつなぐ 第三章 関係性をかきまぜるアート 第四章 神山の人たちに受け入れられて 第五章 「食べる」を真ん中に暮らす 第六章 育てるではなく、育つ場をつくる 第七章 まちのコモンズとなる場所 おわりに──一人ひとりの人生がこのまちをつくっていく - 著者プロフィール - 杉本恭子 (スギモトキョウコ) (著) 大阪生まれ。同志社大学大学院文学研究科新聞学専攻修了。2009年より、京都を拠点にフリーランスのライターとして活動している。アジールになりうる空間、自治的な場に関心をもち、大学、寺院、NPO法人、中山間地域などをフィールドにインタビュー・取材を重ねている。著書に『京大的文化事典 自由とカオスの生態系』(フィルムアート社)がある。
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「わかってもらう」ということ 他人と、そして自分とうまくやっていくための言葉の使い方 | 川添 愛
¥1,925
KADOKAWA 2025年 ソフトカバー 216ページ B5変形判 - 内容紹介 - 「伝わらない」「わかり合えない」が蔓延し、どこかぎすぎすした世の中で、 私たちはもどかしい思いをしています。 思いが相手に「伝わる」先の、「わかってもらう」に至るために―― 気鋭の言語学者にして作家として活躍する著者が、 「たいしてわかってもらえない人間」から、 「そこそこわかってもらえる人間」になるまでに得た教訓。 【目次】 第一章 わかってもらうための大前提 第二章 聞いてもらう 第三章 質問をわかってもらう 第四章 連絡・依頼・指示をわかってもらう 第五章 説明をわかってもらう 第六章 意見をわかってもらう 第七章 感覚・感情をわかってもらう 第八章 言葉を選ぶ - 著者プロフィール - 川添 愛 (カワゾエ アイ) (著) 1973年生まれ。九州大学文学部卒業、同大学大学院にて博士(文学)取得。2008年、津田塾大学女性研究者支援センター特任准教授、12年から16年まで国立情報学研究所社会共有知研究センター特任准教授。専門は言語学、自然言語処理。現在は作家としても活動している。著書に『言語学バーリ・トゥード(〈Round 1〉〈Round 2〉)』『働きたくないイタチと言葉がわかるロボット』『ヒトの言葉 機械の言葉』『ふだん使いの言語学』など。
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図解 はじめて学ぶ みんなの政治 | 浜崎絵梨(訳), 国分良成(監修)
¥1,925
晶文社 2018年 ソフトカバー 128ページ B5変形判 - 内容紹介 - イギリス発、世界14ヵ国で人気の子どもから大人まで楽しめる政治入門書の決定版。 政治は、世界中どこにでもある。欧米では、政治は身近なもので、だれでもあたりまえのように政治についておしゃべりをする。ところが日本における政治のイメージは、「自分とは関係ない」「つまんない」など、ネガティブなものばかり。それでいいんだろうか? この本では、厳選されたテーマごとに、古今東西のさまざまな政治や社会のしくみ、それにまつわる面白いエピソードを、豊富なイラストでいきいきと解説。日本の教科書には載っていないトリビアもいっぱいで、子どもから大人まで楽しめる政治入門書の決定版だ。 この本を読めば、きっとだれかと政治について話したくなる。 ようこそ、「政治」の世界へ! 【目次】 序 章 政治ってなんだろう?/責任をもつのはだれ?/政府ってなんだろう? 第1章 政府のかたち 第2章 いろいろな政治システム 第3章 選挙と投票 第4章 政治を変えるには 第5章 政治イデオロギー 第6章 さまざまな問題 用語解説 さくいん - 著者プロフィール - 浜崎絵梨 (ハマザキエリ) (訳) 翻訳家。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。外資系証券会社勤務を経て、翻訳家に。訳書に『わすれないよいつまでも』(晶文社)、『おひめさまはねむりたくないけれど』(そうえん社)、『きみはりっぱなマジシャンだ!』(岩崎書店)、「ミオととなりのマーメイド」シリーズ(ポプラ社)など。 国分良成 (コクブンリョウセイ) (監修) 慶應義塾大学大学院修了。法学博士。同大学教授・法学部長を経て、現在は防衛大学校長。元・日本国際政治学会理事長。専門は国際政治。著書に『中国政治からみた日中関係』(岩波書店/樫山純三賞)、『現代中国の政治と官僚制』(慶應義塾大学出版会/サントリー学芸賞)など。
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SNS時代のメディアリテラシー ウソとホントは見分けられる? | 山脇 岳志
¥1,320
ちくま書房 2024年 ちくまQブックス ソフトカバー 128ページ 四六変形判 - 内容紹介 - ニュース、SNSの投稿、動画からAIまで。情報にあふれた現代で、デマに流されず信頼できるものを選びとり、自分の世界を広げるためにはどうしたらいい? よく考え、ちゃんと対話するための道具として情報を使いこなす、あたらしいメディアリテラシーの教科書。 === ●気がつけばネットばかり見ていた! 気を付けることは? ●誤情報はSNSよりも直接の会話で広まる? ●新聞記者はどうやって事実確認をしている? ●人間のバイアスにはどんなものがある? ●すべての情報は切り取られている…… 演習も交えつつ、メディアリテラシーの必須知識を網羅。子どもから大人まで役に立つ、学校の先生にもおすすめの本です。 === (・・・)総じて言えばアメリカ人全体で、マスメディアを信頼している人は3割程度にまで下がってしまっています。 私はアメリカのそうした姿をみて衝撃を受け、メディアとは何か、どういう問題がありどういう役割を果たすべきなのかについて、真剣に考えるようになりました。そして日本に戻ってきたときに、人々のメディア接触と価値観との関係を客観的に調べるための世論調査や、メディアに関する教育に携わりたいと思い、現在のスマートニュース メディア研究所に転職しました。 問題意識の根っこには、日本がアメリカのような分断社会になってほしくないという思いがあります。一人一人がマスメディアやソーシャルメディアの仕組み、それと人間の心理や社会との関係についての理解を深め、物事を多様な視点でみていくことが、暮らしやすい社会に結びつくと思うからです。 この本では、第4章まで、1つの章ごとにポイントを示します。そして最終章である第5章では、そのポイントに通底する「クリティカルシンキング」について解説し、「メディアや情報と上手につきあって自分の人生に活かせる人になること」、つまりメディアリテラシーを身につけてもらうことを目指したいと思います。(「はじめに」より) - 目次 - はじめに 情報におぼれてしまう? 第1章 友達のウワサ、聞いたらどうする? 第2章 事実はどうしたらわかる? 第3章 ニュースの見出しをつけてみよう 第4章 テクノロジーと人間のクセを理解しよう 第5章 クリティカルシンキングを身につけよう - 著者プロフィール - 山脇 岳志 (ヤマワキ タケシ) (本文) 山脇岳志(やまわき・たけし):1964年、兵庫県生まれ。京都大学法学部卒。1986年、朝日新聞社に入社。経済部記者、オックスフォード大客員研究員(Reuter Fellow)、ワシントン特派員、論説委員などを経て、「GLOBE」の創刊に携わり、編集長を務めた。2013年-17年までアメリカ総局長。帰国後、編集委員としてコラムを担当したのち退社。2020年、スマートニュース メディア研究所の研究主幹に就任。2022年より同研究所所長。2021-24年、京都大学経営管理大学院特命教授。現在は帝京大学経済学部客員教授を兼務。著書に『日本銀行の深層』、『郵政攻防』、編著に『現代アメリカ政治とメディア』、『メディアリテラシー 吟味思考を育む』などがある。
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となりの陰謀論 | 烏谷 昌幸
¥990
SOLD OUT
講談社 2025年 講談社新書 ソフトカバー 208ページ 新書判 - 内容紹介 - トランプは「闇の政府」と戦っている!? オバマもバイデンもすでに処刑された!? 陰謀論はどこで生まれるのか。 そして、なぜ信じてしまうのか。 現代世界を蝕む病の正体を、気鋭のメディア研究者が明かす! 「陰謀論を生み出し増殖させるのは、人間の中にある「この世界をシンプルに把握したい」という欲望と、何か大事なものが「奪われる」という感覚です。これらの欲望や感覚は一部特定の人間だけが持つというよりは、社会状況に応じて誰の中にも芽生えてくるものだからです。 本書を通じて、陰謀論が誰にでも関わりのある身近な問題であり、それゆえ現代社会の抱える根源的な諸課題と深いところでつながっていることへと思いを馳せてもらえるのであれば、筆者としては望外の喜びです。 陰謀論は非常識な「彼ら/彼女ら」の問題ではなく、現代を生きる「われわれ」自身の問題であることに気づくことが、「陰謀論が支配する社会」という最悪のシナリオを回避するための肝心な一歩だと思います。」 ――「はじめに」より 【本書の内容】 ・「パラレルワールド化」する世界 ・陰謀論は「誰もが持っている」 ・トランプとヒトラーの手法の共通点 ・陰謀論を拡散する「意外な犯人」 ・秘密結社「フリーメイソン」と陰謀論 ・アメリカの「不正選挙陰謀論」はなぜ拡散したか? ・自尊心を支える「陰謀論的思考」 ・トランプが惨敗した「屈辱の夜」 ・アメリカの病を映し出す「あるベストセラー」 ・日本に忍び寄る「陰謀論政治」のあやうさ ・「陰謀論による支配」を回避するために ・馬鹿げた陰謀論ほど恐ろしい効果を生む ……ほか - 目次 - はじめに 第一章 陰謀論とは何か 第二章 陰謀論が生む「パラレルワールド」 第三章 「陰謀論政治」はなぜ生まれるのか 第四章 陰謀論を過小評価してはならない おわりに - 著者プロフィール - 烏谷 昌幸 (カラスダニ マサユキ) (著) 一九七四年生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科教授。慶應義塾大学大学院法学研究科後期博士課程単位取得退学。博士(法学)。主な著書に 『シンボル化の政治学――政治コミュニケーション研究の構成主義的展開』(新曜社、二〇二二年)、『ソーシャルメディア時代の「大衆社会」論――「マス」概念の再検討』(共著、ミネルヴァ書房、二〇二四年)、訳書に『陰謀論はなぜ生まれるのか――Qアノンとソーシャルメディア』(共訳、慶應義塾大学出版会、二〇二四年)。
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なぜ社会は変わるのか はじめての社会運動論 | 富永 京子
¥1,100
講談社 2025年 講談社新書 ソフトカバー 272ページ 新書判 - 内容紹介 - 社会はひとりでに変わっていくわけではない。そこには必ず「変えた」人たちがいる。 デモにストライキ、不買運動…社会運動はどのようにして起きるのか。 気鋭の社会学者による、日本初となる社会運動論の入門書! 【目次】 第一章 社会運動とはなにか 第二章 集合行動論 人々は怒り・不平・不満から立ち上がる? 第三章 フリーライダー問題から資源動員論へ 資源と組織が運動を制する 第四章 政治過程論/動員構造論 既存のつながり、政治側の動向、「成功しそう」と思えるかどうか 第五章 政治的機会構造論 政治の側の「聞く耳」を計測する 第六章 フレーム分析 社会運動の「伝え方」と「受け取り方」 第七章 新しい社会運動論 マイノリティによる私的な領域を通じた運動 第八章 社会運動と文化論 資源でも組織でも政治的機会でもなく 第九章 2000年代の社会運動論 MTTの理論と経験運動論 第十章 社会は社会運動であふれている - 著者プロフィール - 富永 京子 (トミナガ キョウコ) (著) 1986年生まれ。立命館大学産業社会学部准教授。専攻は社会運動論。東京大学大学院人文社会系研究科修士課程・博士課程修了後、日本学術振興会特別研究員(PD)を経て、2015年より現職。著書に『社会運動のサブカルチャー化』(せりか書房)、『みんなの「わがまま」入門』(左右社)、『「ビックリハウス」と政治関心の戦後史』(晶文社)、論文に ”Social reproduction and the limitations of protest camps: openness and exclusion of social movements in Japan”, Social Movement Studies 16(3)がある。
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差別はたいてい悪意のない人がする 見えない排除に気づくための10章 | キム ジヘ, 尹 怡景(訳)
¥1,760
大月書店 2025年 ソフトカバー 256ページ 四六判 - 内容紹介 - あらゆる差別はマジョリティには「見えない」。日常の中にありふれた 排除の芽に気づき、真の多様性と平等を考える思索エッセイ。 - 目次 - プロローグ あなたには差別が見えますか? I 善良な差別主義者の誕生 1章 立ち位置が変われば風景も変わる 2章 私たちが立つ場所はひとつではない 3章 鳥には鳥かごが見えない II 差別はどうやって不可視化されるのか 4章 冗談を笑って済ませるべきではない理由 5章 差別に公正はあるのか? 6章 排除される人々 7章 「私の視界に入らないでほしい」 III 私たちは差別にどう向きあうか 8章 平等は変化への不安の先にある 9章 みんなのための平等 10章 差別禁止法について エピローグ わたしたち 訳者あとがき 解説 韓国における差別禁止の制度化とそのダイナミズム(金美珍)
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大学生がレイシズムに向き合って考えてみた【改訂版】 差別の「いま」を読み解くための入門書 | 貴堂 嘉之(監修), 一橋大学社会学部貴堂ゼミ生&院ゼミ生有志(著)
¥1,760
明石書店 2025年 ソフトカバー 172ページ A5判 - 内容紹介 - 身近なことからそもそもの概念、アメリカの奴隷制まで――レイシズムをめぐるさまざまな「問い」にアメリカ史ゼミの学生たちが歴史を紐解き、真摯に向き合った、レイシズムを学ぶための「超」入門書。読書案内をもさらに充実させた待望の改訂版。 - 目次 - はじめに 第1章 身近なこと編 Q1 日本にレイシズムってあるの? Q2 民族差別って人種差別となにが違うの? Q3 障がい者に対する差別事件はどうして起こるの? Q4 部落差別ってそもそもなに? Q5 なんで日本は移民・難民に優しくないの? Q6 日本における「日本人」って誰のこと? Q7 「日本語上手ですね」のなにがいけないの? Q8 「ハーフ」って呼んだらダメ? Q9 日本は人種差別を禁止しないの? コラム1 “美白”はレイシズムって本当? コラム2 日本は単一民族国家ってなぜ言われてきたの? 第2章 そもそも編 Q10 レイシズムはそもそもどんな考えなんだろう? Q11 いつレイシズムが生まれたの? Q12 レイシズムと優生思想って関係あるの? Q13 ステレオタイプと偏見、差別ってなに? Q14 レイシズムは奴隷貿易や奴隷制の歴史とどんな関係があるの? Q15 植民地支配とレイシズムってどう関係しているの? コラム3 奴隷制・植民地支配の賠償問題と人種資本主義 Q16 人種差別撤廃に向けて国際社会はどのように取り組んだの? Q17 白人って誰のこと? コラム4 アカデミー賞受賞者はなぜ白人が多いと批判されたの? コラム5 文化の盗用ってなに? 第3章 アメリカ編 Q18 アメリカは「自由」と「平等」の国と言われるのに、なぜこんなにレイシズムが激しいの? Q19 奴隷制下で黒人たちはどのように闘ってきたの? Q20 奴隷解放ってなんだったの? Q21 公民権運動で人種差別が終わらなかったのはどうして? Q22 BLMってなに? コラム6 インターセクショナリティ コラム7 アメリカの異人種間結婚 Q23 黒人は悪いことをするから差別されるんじゃないの? Q24 先住民はなにを奪われてきたの? Q25 移民の国なのにどうして「不法移民」が生まれるの? Q26 アメリカでのアジア系の人々への差別はコロナ禍をきっかけに始まったの? Q27 日系人はアメリカでどのように差別を乗り越えようとしてきたの? Q28 イスラム教徒はアメリカでどのように差別されてきたの? Q29 なぜトランプが支持されたの? 座談会 わたしたちはレイシズムにどのように向き合えばいいの? 読書案内/各Qの参考文献 あとがき 前書きなど はじめに (…前略…) (……)レイシズムはアメリカをはじめとする諸外国の課題のみならず、日本社会に生きるわたしたちとも深く関係している問題です。「日本は単一民族国家である」という見方や言説は、日本社会とレイシズムの関係を見えにくくさせており、政治家などによるこの言説を肯定する度重なる発言は、民族的マイノリティ性を持ち合わせる市民を想定せず、歴史に無理解であるとして度々問題視されています。アイヌ民族、琉球・沖縄民族、在日コリアン、華僑、「ハーフ」をはじめ、日本社会にはさまざまなルーツを持つ人々がともに暮らし、ますます社会は多様化を進行させています。そして、レイシズムは民族性のみならず、実は部落差別や障がい者差別とも関係しているのです。 アメリカ社会史を専門とする一橋大学・貴堂嘉之教授のゼミ生である学部生・院生のわたしたちにとって、昨今のレイシズムをめぐる諸課題は決して看過することができないものでした。2020年のBLM運動以降、アメリカに留学し、学びを深めた者。同運動を契機に、大学院に進学を決意した者。国内からでもアジアン・ヘイトを含めあらゆる差別に対して反対の意を示し、少しでも知ろうと文献を手に取る者。ゼミの授業内でもBLM運動、奴隷制の関連著書を輪読するなど、わたしたちは微力ながらもレイシズムに関心を示し、学びを紡いできました。だからこそこの学びをより広く社会に生きる一人ひとりに還元し、多くの方とレイシズムについてともに考えていく場をつくりたい――。そんな思いから、わたしたち学生の手でこの入門書を刊行するに至りました。 わたしたちはまだ学びを深めている最中であり、専門家ではありません。しかし、だからこそ読者のみなさん一人ひとりと「ともに」考え、レイシズムを根絶する社会をつくるための一助となりたいと考えています。この入門書を、手にしていただいたみなさんがレイシズムと向き合い、ともに考え、議論をつくり出すきっかけのひとつとなれるのであれば、大変嬉しく思います。 - 著者プロフィール - 貴堂 嘉之 (キドウ ヨシユキ) (監修) 1966年、東京生まれ。一橋大学大学院社会学研究科教授。博士(学術)。専門はアメリカ合衆国史、人種・エスニシティ・ジェンダー研究、移民研究。著書に『アメリカ合衆国史② 南北戦争の時代 19世紀』(岩波新書、2019年)、『移民国家アメリカの時代』(岩波新書、2018年)、『アメリカ合衆国と中国人移民――歴史のなかの「移民国家」アメリカ』(名古屋大学出版会、2012年)。共編著に『「ヘイト」の時代のアメリカ史――人種・民族・国籍を考える』(彩流社、2017年)、『「ヘイト」に抗するアメリカ史――マジョリティを問い直す』(彩流社、2022年)など。 一橋大学社会学部貴堂ゼミ生&院ゼミ生有志 (ヒトツバシダイガクシャカイガクブキドウゼミセイアンドインゼミセイユウシ) (著) アメリカ合衆国史・アメリカ研究のゼミナール。本書は、コロナ禍の2021年度・2022年度の学部ゼミに在籍していた学部生(学部3年生、4年生が所属)と、そこに参加していた院ゼミ生有志が中心になって作成されました。学部も大学院も、貴堂ゼミには、アメリカ合衆国の人種問題、移民問題、ジェンダー・イシューなどに関心を持つ学生が集い、ゼミでは毎週、文献輪読をし、卒論や修論に向けての研究発表などを行っています。
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大日本いじめ帝国 戦場・学校・銃後にはびこる暴力 | 荻上チキ, 栗原俊雄
¥1,870
中央公論新社 2025年 ソフトカバー 224ページ 四六判 - 内容紹介 - 戦時下、いじめは大量生産されていた。 全裸での身体検査、牢獄のごとき学童疎開、自殺率世界一位の日本軍…… 「女子と女子を向かい合わせて、往復ビンタを食らわせた」 「犬の鳴き声を出して班内を回るのだ」 「何が戦死なものか。彼は殴り殺されたのです」 最新のいじめ研究があぶりだす、戦時下の暴力と現代日本の課題。 数多くの証言と時代背景を整理し、陰惨さの実相に迫る。 - 著者プロフィール - 荻上チキ (オギウエチキ) (著) 1981年生れ。評論家。ラジオ番組「荻上チキ・Session」(TBSラジオ)パーソナリティ。NPO法人ストップいじめ!ナビ代表理事。社会調査支援機構チキラボ所長。「荻上チキ・Session-22」にて、2015年度、16年度とギャラクシー賞を受賞(DJパーソナリティ賞およびラジオ部門大賞)。著書に『いじめを生む教室』『もう一人、誰かを好きになったとき―ポリアモリーのリアル―』『社会問題のつくり方 困った世界を直すには?』など、共著に「みらいめがね」シリーズ、『不適切な関わりを予防する 教室「安全基地」化計画』などがある。 栗原俊雄 (クリハラトシオ) (著) 1967年生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒、同大学院修士課程修了。96年毎日新聞入社。2020年専門記者(日本近現代史、戦後補償史)。著書に『特攻―戦争と日本人』『東京大空襲の戦後史』『戦争の教訓 為政者は間違え、代償は庶民が払う』『硫黄島に眠る戦没者 見捨てられた兵士たちの戦後史』『戦後補償裁判 民間人たちの終わらない「戦争」』などがある。
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女たちの太平洋戦争 | 朝日新聞社(編)
¥1,199
朝日新聞出版社 2025年 朝日文庫 ソフトカバー 312ページ 文庫判 - 内容紹介 - 「十五歳の手記募ります」太平洋戦争勃発から50年、朝日新聞の読者投稿欄で女性の戦争体験記の募集が始まり、4千におよぶ手記が集まった。兄の名誉の戦死を望んでしまった――。風船爆弾に貼る補修紙の花びら形に癒やされ息抜きをしていた青春、引き揚げの途中で子を産み埋めた女性、子供を産めず「非国民」の声におびえたこと、「名誉の死」に涙を堪えるしかなかった日。朝日新聞に寄せられた女性たちが伝える戦争の真実、再編集のうえ復刊。 【目次】 一、 敵は日本人だった――戦時体制下の強圧 二、 地獄の劫火を見た――焼夷弾の雨の下で 三、 暗い青春――耐えるしかなかった日々 四、 温かい心――ささやかな自己主張 五、 沖縄で――国内戦を体験した少女たち 六、 別れ――夫・親子・兄弟、そして 七、 被害者そして加害者――国の内と外からあとがき連載を終えて
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敗戦日記 | 渡辺 一夫, 串田 孫一(編), 二宮 敬(編)
¥1,540
筑摩書房 2025年 ちくま学芸文庫 ソフトカバー 352ページ 文庫判 - 内容紹介 - 「この小さなノートを残さねばならない。あらゆる日本人に読んでもらわねばならない」。敗戦へと向かうなかで綴られた日記。分量は45頁ほど。1945年3月11日から始まり、大部分はフランス語で書かれている。そこには、国家への絶望と希望のはざまにあって、一人の文学者がいかに苦悩し、いかに正確な判断を下そうとしていたか、生々しい声が記されていた――。本書は、日記全文の翻訳に、串田孫一宛書簡と関連の文章15篇を加えたほか、戦後数カ月分の日記も収録。日記の原文は口絵に収めた。 - 目次 - Ⅰ 敗戦日記 続敗戦日記 Ⅱ 串田孫一宛書簡 Ⅲ 葦芽の歌 羈旅 素月を信ずる心 愛されない能力Unbeliebtheit 書痴愚痴 祈願 一九四六年の跋 東条元首相の写真 過激で愚劣な夢 銀杏によせて 『凱旋門』読後 非力について 『きけわだつみのこえ』の序 二十年後のめぐり会い 出隆先生のこと 解題 渡辺先生の『日記』について 二宮 敬 跋 串田孫一 戦争との闘い 『渡辺一夫 敗戦日記』 串田孫一 解説に代えて 宮下志朗 - 著者プロフィール - 渡辺 一夫 (ワタナベ カズオ) (著) 渡辺 一夫(わたなべ・かずお):1901-75年。東京生まれ。東京帝国大学文学部仏文学科卒業。東京大学名誉教授。フランソワ・ラブレー『ガルガンチュワとパンタグリュエル物語』全5巻の翻訳(岩波文庫)をはじめ、フランス文学に関する著訳書多数。『渡辺一夫著作集』全14巻(筑摩書房)がある。 串田 孫一 (クシダ マゴイチ) (編) 串田 孫一(くしだ・まごいち):1915-2005年。東京生まれ。東京帝国大学文学部哲学科卒業。詩人、哲学者、随筆家。 二宮 敬 (ニノミヤ タカシ) (編) 二宮 敬(にのみや・たかし):1928-2002年。東京生まれ。東京大学文学部仏語仏文学科卒業。東京大学名誉教授。
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戦争と漫画 銃後の物語 | 山田 英生
¥1,056
筑摩書房 2025年 ちくま文庫 ソフトカバー 400ページ 文庫判 - 内容紹介 - 出征、疎開、空襲……戦地とは異なる戦いがここにもあった。漫画家がつまびらかにする、蝕まれていく日常の平穏。戦後80周年の精選アンソロジー。 【収録作家】こうの史代/伊藤重夫/大島弓子/滝沢聖峰/古谷三敏/石坂啓/水木しげる/おざわゆき/巴里夫/近藤ようこ(原作:坂口安吾)/伊藤潤二/滝田ゆう 巻末エッセイ 中島京子 カバーイラスト 近藤ようこ「戦争と一人の女」より/カバーデザイン 重実生哉 - 目次 - Ⅰ こうの史代『この世界の片隅に』(第6回、第7回、第9回) 伊藤重夫『ゆきものがたり』 大島弓子『七月七日に』 滝沢聖峰『東京物語』(第14話 「靴音」) Ⅱ 古谷三敏『寄席芸人伝』(「棒手振り志ん弥」) 石坂啓『八月の友人』 水木しげる『村の朝鮮人』 おざわゆき『あとかたの街』(第18話「消せない灯り」) Ⅲ 巴里夫『疎開っ子数え唄』 坂口安吾・原作 近藤ようこ・画『戦争と一人の女』(抄) 伊藤潤二『脱走兵のいる家』 滝田ゆう『寺島町奇譚』(「蛍の光」) 編者解題 山田英生 巻末エッセイ 「銃後」を想像する、よすがに 中島京子 - 著者プロフィール - 山田 英生 (ヤマダ ヒデオ) (編) 1968年生まれ。「内外タイムス」「アサヒ芸能」記者などを経て、書籍・コミックの企画編集、雑誌記事の取材執筆に携わる。編書に『原水爆漫画コレクション』全4巻、『ビブリオ漫画文庫』『貧乏まんが』『老境まんが』『温泉まんが』『書痴まんが』『孤独まんが』『余生まんが』『現代マンガ選集 悪の愉しみ』『つげ義春賛江』などがある。また、共著書に『「暴力団壊滅」論』(「やくざコミック規制」などを分担執筆)がある。
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戦争と漫画 戦地の物語 | 山田 英生
¥1,034
筑摩書房 2025年 ちくま文庫 ソフトカバー 384ページ 文庫判 - 内容紹介 - 激戦地での死の行軍、軍隊の暴力や不条理、戦地の女性たちの苦難、ラーゲリの日々……巨匠から新進気鋭の作家まで、漫画家はどのように戦争を描いたのか? 戦地の兵士や女性、子どもたちの物語を収録した精選アンソロジー。【収録作家】武田一義/滝田ゆう(原作:野間宏)/水木しげる/わちさんぺい/山田参助/楳図かずお/石坂啓/今日マチ子/比嘉慂/村上もとか/河井克夫(原作:辺見じゅん)/ちばてつや 巻末エッセイ 吉田裕 カバーイラスト 比嘉慂「砂の落日」より/カバーデザイン 重実生哉 - 目次 - Ⅰ 武田一義『ペリリュー―楽園のゲルニカ―』(抄) 野間宏・原作 滝田ゆう・画「真空地帯」 水木しげる『カランコロン漂泊記』より「人間玉」「従軍慰安婦」 わちさんぺい「荒鷲ゴンちゃん」 Ⅱ 山田参助『あれよ星屑』(抄) 楳図かずお「死者の行進」 石坂啓「突撃一番」 今日マチ子『cocoon』(抄) 比嘉慂「砂の落日」 Ⅲ 村上もとか『フイチン再見!』(抄) 辺見じゅん・原作 河井克夫・画『ラーゲリ〈収容所から来た遺書〉』(抄) ちばてつや 「屋根うらの絵本かき」 編者解題 巻末エッセイ こんな戦争漫画を読んでいた――私の少年時代 吉田裕 - 著者プロフィール - 山田 英生 (ヤマダ ヒデオ) (編) 1968年生まれ。「内外タイムス」「アサヒ芸能」記者などを経て、書籍・コミックの企画編集、雑誌記事の取材執筆に携わる。編書に『原水爆漫画コレクション』全4巻、『ビブリオ漫画文庫』『貧乏まんが』『老境まんが』『温泉まんが』『書痴まんが』『孤独まんが』『余生まんが』『現代マンガ選集 悪の愉しみ』『つげ義春賛江』などがある。また、共著書に『「暴力団壊滅」論』(「やくざコミック規制」などを分担執筆)がある。
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検証 ナチスは「良いこと」もしたのか? | 小野寺 拓也, 田野 大輔
¥902
岩波書店 2023年 岩波ブックレット ソフトカバー 120ページ A5判 縦210mm 横148mm 厚さ8mm - 内容紹介 - 「ナチスは良いこともした」という言説は、国内外で定期的に議論の的になり続けている。アウトバーンを建設した、失業率を低下させた、福祉政策を行った――功績とされがちな事象をとりあげ、ナチズム研究の蓄積をもとに事実性や文脈を検証。歴史修正主義が影響力を持つなか、多角的な視点で歴史を考察することの大切さを訴える。 目次 はじめに 第一章 ナチズムとは? 第二章 ヒトラーはいかにして権力を握ったのか? 第三章 ドイツ人は熱狂的にナチ体制を支持していたのか? 第四章 経済回復はナチスのおかげ? 第五章 ナチスは労働者の味方だったのか? 第六章 手厚い家族支援? 第七章 先進的な環境保護政策? 第八章 健康帝国ナチス? おわりに ブックガイド - 著者プロフィール - 小野寺 拓也 (オノデラ タクヤ) (著/文) 小野寺拓也(オノデラ タクヤ) 1975年生まれ.東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了. 博士(文学).昭和女子大学人間文化学部専任講師を経て,現在,東京外国語大学大学院総合国際学研究院教授.専門はドイツ現代史. 著書に『野戦郵便から読み解く「ふつうのドイツ兵」――第二次世界大戦末期におけるイデオロギーと「主体性」』(山川出版社),訳書にウルリヒ・ヘルベルト『第三帝国――ある独裁の歴史』(KADOKAWA)などがある. 田野 大輔 (タノ ダイスケ) (著/文) 田野大輔(タノ ダイスケ) 1970年生まれ.京都大学大学院文学研究科博士後期課程研究指導認定退学.博士(文学).大阪経済大学人間科学部准教授等を経て,現在,甲南大学文学部教授.専門は歴史社会学,ドイツ現代史. 著書に『ファシズムの教室――なぜ集団は暴走するのか』(大月書店),『愛と欲望のナチズム』(講談社),『魅惑する帝国――政治の美学化とナチズム』(名古屋大学出版会)などがある.
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虫を描く女(ひと) 「昆虫学の先駆」マリア・メーリアンの生涯 | 中野 京子
¥1,320
NHK出版 2025年 NHK出版新書 ソフトカバー 256ページ 新書判 - 内容紹介 その画家はなぜ、強烈に「知」を求めたのか──? 近代の夜明け前、フンボルトやリンネ、ダーウィンよりはるか昔に、昆虫学という学問が存在しないなか独学で研究を行い、メタモルフォーゼ(変態)の概念を絵によって表現、さらに大西洋を渡って南米を調査旅行し、昆虫や植物の姿を生き生きと描写した破格の女性が17 世紀にいた。小さな虫の中に「神」を見たその女性、マリア・シビラ・メーリアンとは何者だったのか──。科学と芸術が混じり合った豊かな時代の輝かしい偉業を、中野京子が生き生きと蘇らせる。2002 年刊の幻の名著、『情熱の女流「昆虫画家」──メーリアン波乱万丈の生涯』が満を持して復刊! 第一章 フランクフルト時代(~18歳)──小さき虫に神が宿る 第二章 ニュルンベルク時代(~38歳)──科学と芸術の幸福な融合 第三章 オランダ時代(~51歳)──繭の中で変化は起こる 第四章 スリナム時代(~54歳)──悦びの出帆 第五章 アムステルダムでの晩年(~69歳)──不屈の魂は何度も蘇る - 著者プロフィール - 中野 京子 (ナカノ キョウコ) (著) 作家、独文学者。北海道生まれ。早稲田大学大学院修士課程修了。著書に『「怖い絵」で人間を読む』『印象派で「近代」を読む』『「絶筆」で人間を読む』『異形のものたち』(NHK出版新書)、『怖い絵』シリーズ(KADOKAWA)、『名画の謎』シリーズ(文藝春秋)、『美貌のひと』(PHP新書)、『西洋絵画のお約束』(中公新書ラクレ)など多数。