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FtMトランスジェンダーのぼくのことを話そう | 江里 ユウキ
¥1,650
講談社 2025年 ソフトカバー 176ぺージ 四六判 - 内容紹介 - 著者は体が女性で心が男性のトランスジェンダー。 5歳のときに初めて性別に対して違和感を持ち、小学5年生で初潮を迎えると、あまりのショックにトイレで泣き崩れたこともあった。 男の子との初恋、両親へのカミングアウト、不登校、自殺未遂、そして就職し「胸オペ」を受けるまで……。 セクシュアルマイノリティとして波乱万丈な人生を歩んできた著者が、今、自分のことがよくわからなくて不安を抱えている全ての人たちに贈る「生きやすい社会」へのメッセージ! 小学上級・中学から - 著者プロフィール - 江里 ユウキ (エザト ユウキ) (著) 20代、FtM。 性別で迷うすべての人たちへ。 こういう人もいるんだと、安心したり、参考にしたりしてもらえたらと思い書きました。
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High Conflict よい対立 悪い対立 世界を二極化させないために | アマンダ・リプリー, 岩田佳代子(訳)
¥2,530
ディスカヴァー・トゥエンティワン 2024年 ソフトカバー 477ぺージ 縦190mm - 内容紹介 - ニューヨーク・タイムズ紙のベストセラー作家、受賞歴のあるジャーナリストのアマンダ・リプリー 待望の最新作 意見や価値観の違いをどう乗り越えるか? 膨大なインタビューと最新の研究から導き出された「対立の力学」 対立のその先へ。 対立の構造を理解し、乗り越えるために。 対立には「健全な対立」と「不健全な対立」がある。 健全な対立は、わたしたちがよりよい人間となれるよう背中を押してくれる。 自らを守り、互いを理解し合い、向上していくために欠かせない。 対して、「善と悪」「わたしたちと彼ら」といった、 相反する関係が明確になったときに起こるのが、 不健全な対立(ハイ・コンフリクト)だ。 ・論点と関係のない揚げ足取り ・思い込みによる偽りの正義 ・政党同士の足の引っ張り合い そして、こういった不健全な対立は、とても興味深い現象ではあるが、理解はされていない。 対立とはどのようなものなのだろうか? そして、不健全な対立を健全な対立に変える方法とは? 実際に成し遂げた人のエピソードから学んでいこう。 ◎こんな人におすすめ ・ニュースやSNSのコメント欄での(醜い)言い争いを目にしており、うんざりしている、心が痛む ・SNS等の炎上、組織における部署・チーム間での(感情的な)争い、組織の変容をもたらしたかったがうまく昇華できなかった経験があり、その背景や理由を知りたい ・コーチング等で、普段からコンフリクトを扱っており、理解を深めたい ・最新知見や豊富なエピソードから、対立が起こるメカニズムや解決策を知りたい ◎豊富なエピソードで、小説のように面白い! 本書では、著者インタビューをもとに、対立に巻き込まれる人々の過程がえがかれています ◎対立を紐解く、研究や実験の紹介 ストーリーの合間には、なぜそのような行動を起こしてしまったのかなど、人の本質に迫る研究や実験が多数紹介されています 例) ・魔の6秒…患者が症状を説明し始めてから、医者がその話を遮るまでの平均時間はわずか11秒。もし医者が遮らなければ、患者はその6秒後には話を終えていた。 ・カテゴリー分け…集団に分かれると、それだけで、本能的に自分のグループをひいきしてしまう。 ・サイバーボール…拒絶や無視をされると、人は身体と同様に「痛み」を感じる(脳で痛みを感じる部位が発火する)。 ・バカ運転手反射…ルールを無視したとき、他人の行動は人格のせいにするが、自分の行動には言い訳を並べて正当化する。 ・魔法の比率…肯定:否定=5:1のやりとりが、健全な関係をつくる。 ◎推薦多数! 「洞察力に富み、夢中にさせる」 ―ニューヨーク・タイムズ・ブック・レビュー 「熟練した取材、深いリサーチ、魅力的なストーリーを融合させた。多くの人が互いに苦しんでいるいま、まさに求められるテーマに関する素晴らしい作品だ!」 ―アダム・グラント(ベストセラー著者) 「非常に示唆に富んだ内容だ。政治やメディアに携わるすべての人、そして同僚とのいさかいや家族の集まりで喧嘩をしたことのあるすべての人の必読書になるべき」 ―ダニエル・H・ピンク(ベストセラー著者) 「COVIDワクチンは間もなく人類を生物学的パンデミックから解放するだろうが、 本書が広く読まれれば、同じく人類に致命的な災いをもたらしている不健全な対立から解放されるだろう」 ―ジョナサン・ハイト(ニューヨーク大学教授、社会心理学者) 「本書の忘れがたいエピソードは、意見が大きく異なる者同士でも、いかに心を通わせ、前進できるかを示している。未来への確信を与えてくれる本だ」 ―オマー・エップス(俳優、ミュージシャン)
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アンチ・アンチエイジングの思想 ボーヴォワール『老い』を読む | 上野 千鶴子
¥2,970
みすず書房 2025年 ハードカバー 328ぺージ 四六判 - 内容紹介 - 老いには誰も抗えない。それなのに、私たちはなぜ老いを恐れるのだろう。平均寿命が延び、老人としての生が長くなったことで、誰もが老いに直面すると同時に不安も高まっている。 自分が老いたことを認めたくないのは、社会が老いを認めないからだ。それを惨めにしているのは文明のほうなのだ。「老いは文明のスキャンダルである」――この言葉に導かれて、ボーヴォワール『老い』への探究がはじまる。 さらに日本の介護の現場を考察し、ボーヴォワールのみた景色の先へと進む。認知症への恐怖、ピンピンコロリという理想、安楽死という死の権利。その裏側にある老いへの否定から見えてくるのは、弱いまま尊厳をもって生ききるための思想がぜひとも必要だということだ。 ひとが最後の最後まで人間らしく生きるには、徹底的な社会の変革が必要なのだ。老いて弱くなることを否定する「アンチエイジング」にアンチをとなえ、老い衰え、自立を失った人間が生きる社会を構想する。 - 目次 - 第1章 老いは文明のスキャンダルである 第2章 文化の中の老い 第3章 歴史の中の老い 第4章 近代化の中の老い 第5章 「生きられた経験」としての老い 第6章 知識人の老い 第7章 老いと性 第8章 女性の老い 第9章 高齢者福祉の起源 第10章 ボケ老人へ向ける眼 第11章 アンチ・エイジズム 第12章 三つの死 第13章 「死の自己決定」はあるか 第14章 ボーヴォワールの「宿題」 第15章 「自立神話」を超えて 引用・参照文献 ボーヴォワール略年譜 あとがき - 著者プロフィール - 上野千鶴子 (ウエノチヅコ) (著) (うえの・ちづこ) 1948年生まれ。社会学者、東京大学名誉教授、認定NPO法人ウィメンズアクションネットワーク(WAN)理事長。著書に『家父長制と資本制』『近代家族の成立と終焉』『生き延びるための思想』(以上、岩波現代文庫)、『おひとりさまの老後』(法研/文春文庫)、『ケアの社会学』(太田出版)、『女の子はどう生きるか』(岩波書店)、『挑戦するフェミニズム』(江原由美子との共編著、有斐閣)、『当事者主権 増補新版』(中西正司と共著、岩波新書)などがある。
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【バーゲンブック】稲と米の民族誌 アジアの稲作景観を歩く | 佐藤 洋一郎
¥900
NHK出版 2016年 ソフトカバー 302ページ 縦190mm 定価1650円 バーゲンブック: 定価よりも値引して販売することのできる新古本です。 (定価のおよそ50%〜70%ほどの価格で販売しています) 新品とはいえ、経年による劣化などが見られる場合もございますので、ご理解の上ご購入くださいませ。 - 内容紹介 - 日本人は、稲作・米食を自国文化の基層をなすものとして誇りにしている。だが、イネの品種から栽培方法、米の調理法、食べ方、信仰まで、アジアの稲作文化には、私たちの想像を超えた多様性が存在する。約四〇〇〇年前より、アジア全域に広がった稲作と米食は、その後、各地域においてどのように展開し、現在どうなっているのか。本書は、稲の起源を追い求め、30年にわたって海外調査を続ける著者が、その成果を紀行文としてとりまとめた一冊。インド・ヒマラヤから、タイ、ラオス、ベトナム、カンボジア、中国まで-アジアの稲作文化の全容を臨場感豊かに描いていく。 - 目次 - 第1章 インド・ヒマラヤ圏の稲作景観 第2章 タイの稲作景観 第3章 ラオスの稲作景観 第4章 ベトナムの稲作景観 第5章 カンボジアの稲作景観 第6章 中国の稲作景観
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ふたり暮らしの「女性」史 | 伊藤 春奈
¥1,980
講談社 2025年 ソフトカバー 256ぺージ 四六判 - 内容紹介 - 彼女たちの涙の意味が、ふとわかる瞬間がある。 明治・大正・昭和――およそ100年前、結婚ではないパートナーシップを選びとった女性たちがいた。 残された数少ない資料と貴重な証言を手がかりに、その知られざる歩みをたどる。 ******************** 脚本家・吉田恵里香さん推薦! 女が「普通」の道から外れると、なぜか事細かな理由や背景を求められる。 誰かが縛った「普通」ではなく、人生の選択肢や彩りは自分で決めるべきだ。 この本には自らの道を進んできた愛と傷の歴史が詰まっている。 ******************** 「「女性」を歴史に残すこと、歴史のなかの生活が軽視されがちなこの社会で、ふたり暮らしを実践した人たちの、消えそうな足跡をたどってみたい。」 【目次】 序章 ふたりだけの部屋で生きる 第1章 語られなかったふたり暮らし――人見絹枝と藤村蝶 第2章 帝国日本とふたり暮らし――飛行士たち 第3章 主従関係とふたり暮らし――五代藍子と徳本うめ 第4章 語り継がれるふたり暮らし――斎藤すみと芳江 【装画】 大塚文香 【装幀】 脇田あすか+關根彩 - 著者プロフィール - 伊藤 春奈 (イトウ ハルナ) (著) 1978年生まれ。編集者・ライター。2020年より女性史を中心とした出版プロジェクト「花束書房」を主宰し、『ウィメン・ウォリアーズ はじめて読む女戦記』(パメラ・トーラー著、西川知佐訳)、『未来からきたフェミニスト 北村兼子と山川菊栄』、『帝国主義と闘った14人の朝鮮フェミニスト 独立運動を描きなおす』(尹錫男絵、金伊京著、宋連玉・金美恵訳)を刊行。フェミニズムマガジン『エトセトラ』VOL.9特集「NO MORE 女人禁制!」を編集。著書に『「姐御」の文化史 幕末から近代まで教科書が教えない女性史』(DU BOOKS)などがある。
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苦情はいつも聴かれない | サラ・アーメッド, 竹内 要江(翻訳), 飯田 麻結(翻訳)
¥3,190
筑摩書房 2025年 ソフトカバー 560ページ 四六判 - 内容紹介 - 原著への賛辞多数! 「美しく書かれ、すっかり惹きこまれた。まさに今、私たちに必要なテキスト。」――アンジェラ・Y・デイヴィス 「感動的であり、連帯の源でもある。抗議し、変化のために闘う勇気を与えてくれる。」- ジル・クロージャー、教育社会学 「強くお薦めする。上級学部生から教員、専門家まで。」――『チョイス』誌 「大学における権力とその濫用についての、慎重かつ洗練された分析。」- バハラク・ユセフィ、カレッジ&リサーチ・ライブラリー *** 組織内のハラスメント、性差別、人種差別に対して声を上げた人々は何を経験するか。本書では大学に苦情を訴えた学生や教授陣など60名以上への調査をもとに、組織・制度・権力が苦情を阻止し無力化するメカニズムを解き明かす。進まない手続き、見かけだおしのポリシー、同僚からの警告、孤立、加害者とのお茶会、暴力のエスカレーション、「あなたの空想でしょう」、罪悪感、自分を信じられなくなること、そして連帯。膨大で痛みをともなう苦情の物語が伝えるのは、繰り返される歴史であり、組織や権力のはたらきについての学びであり、変革に向けての「すりきれた希望」だ。つぶさに耳を傾けることで生まれた貴重な記録。 *** 本書の狙いは、苦情を聴き取り、苦情に場所を与え、その訴えに耳を貸してこの歴史に対抗することだ。ひとつの歴史は日常(ルーティン)になりうる。歴史とは、苦情を訴える者がいかに退けられ、胡散臭く思われるようになるかということ。 (・・・) 証言が私に託されたのは、私がそれをあなたに、読者に、聴衆に、苦情を訴える人たちに伝えるため。(…)本書が伝えるのは、数多くの証言から集めた断片だ。断片とは鋭利な破片。(…)それらがぴったり合わさる様子から学べるようにして、それらの破片を拾い集めている。(本文より) - 目次 - 謝辞 はじめに 苦情を聴き取る 第1部 組織の力学 第1章 隙間にご注意を!――ポリシー、手続き、その他のノンパフォーマティブ 第2章 止められることについて 第2部 苦情の内在性 第3章 真っ只中で 第4章 使用中 第3部 このドアが話せたら 第5章 閉ざされたドアの向こう側で――苦情と組織的暴力 第6章 ドアを押さえる――権力、昇進、前進 第4部 結論 第7章 集合的な結論 (レイラ・ウィットリー、ティファニー・ペイジ、アリス・コーブル、ハイディ・ハスブロック、クリッサ・エスディロリア他) 第8章 苦情のコレクティブ 訳者あとがき 訳者解説 原注 参考文献 - 著者プロフィール - サラ・アーメッド (サラ アーメッド) (本文) 1969年、イギリス生まれ。フェミニズム理論、クィア理論、人種理論などを専門とする独立研究者、ライター、アクティビスト。パキスタン人の父とイギリス人の母を持つ。アデレード大学で学士号を取得後、カーディフ大学批評文化理論センター博士課程修了。ロンドン大学ゴールドスミス校の教授を務めていたが、学内でのハラスメント対応に抗議して2016年に辞任。著書に『フェミニスト・キルジョイ』(邦訳2022)、Queer Phenomenology: Orientations, Objects, Others (2006), On Being Included: Racism and Diversity in Institutional Life (2012), What's the Use? On the Uses of Use(2019), The Feminist Killjoy Handbook: The Radical Potential of Getting in the Way(2023)などがある。 竹内 要江 (タケウチ トシエ) (翻訳) 翻訳家。東京大学大学院総合文化研究科比較文学比較文化分野修士課程修了。訳書にメアリ・ノリス『GREEK TO ME』、ジェニー・オデル『何もしない』、ナオミ・イシグロ『逃げ道』、コーリー・スタンパー『ウェブスター辞書あるいは英語をめぐる冒険』(共訳)などがある。 飯田 麻結 (イイダ マユ) (翻訳) 東京大学教養学部附属教養教育高度化機構Diversity & Inclusion部門特任講師。ロンドン大学ゴールドスミス校メディア・コミュニケーション学科博士後期課程修了。専門はフェミニズム理論、メディア論。論文に、「フェミニズムと科学技術 理論的背景とその展望」(『思想』2020年3月)、「感情/情動のポリティクス」(『現代思想』2020年3月)など。翻訳書に、サラ・アーメッド『フェミニスト・キルジョイ』がある。
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アメリカの未解決問題 | 竹田 ダニエル, 三牧 聖子
¥1,045
集英社 2025年 集英社新書 ソフトカバー 224ページ 新書判 縦173mm 横106mm 厚さ11mm - 内容紹介 - 今、もっとも注目されるZ世代ジャーナリストと、アメリカを語るうえで欠かせない研究者が緊急対談! 民主主義の真実〈リアル〉とは? メディアの偏見〈バイアス〉とは? ドナルド・トランプが再選された2024年の米大統領選挙と並走しながら、米国を見つめてきた論客が対話。 超大国のリアルと、山積する“未解決問題”について議論する。 「反ユダヤ主義」には過剰反応しつつイスラエルのジェノサイドを黙認する大手メディアの矛盾、中国やロシアの言論統制を糾弾しつつ米国内のデモ取り締まりは擁護する自国の民主主義への絶望――。 今、アメリカの価値観は一体どうなっているのか。 日本が影響を受けざるをえない国の分岐点と未来、そして新たな日米関係のあり方が見えてくる一冊。 【目次】 はじめに――カマラ・ハリスの敗北で「リベラルは終わった」のか? 第1章 日本から見えないアメリカ 第2章 バイデンはなぜ嫌われたのか? 第3章 世界の矛盾に気づいたZ世代の抵抗 第4章 ポスト・アメリカン・ドリームの時代に 第5章 日米関係の未解決問題 第6章 これからの「アメリカ観」 おわりに 【著者プロフィール】 竹田ダニエル (たけだ だにえる) ジャーナリスト、研究者。1997年生まれ。米国・カリフォルニア出身、在住。 カリフォルニア大学バークレー校研究員。著書に『世界と私のAtoZ』『ニューワード ニューワールド』ほか。 三牧聖子 (みまき せいこ) 同志社大学大学院准教授。1981年生まれ。専門は米国政治外交史。 著書に『Z世代のアメリカ』、共著に『私たちが声を上げるとき』『自壊する欧米』等がある。
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最後の講義 完全版 上野千鶴子 これからの時代を生きるあなたへ安心して弱者になれる社会をつくりたい | 上野千鶴子, NHKグローバルメディアサービス, テレビマンユニオン
¥1,496
主婦の友社 2022年 ソフトカバー 232ぺージ 四六判 - 内容紹介 - 「あなたは人生最後の日に何を語りますか」という問いに答えて各界の著名人が1度きりの特別講義をしてくれるNHKの人気番組「最後の講義」。本書は社会学者の上野千鶴子さんのテレビでは放送されなかった未放映部分を含む完全版をお届けします。上野さんの研究、実は「主婦」から始まりました。家事が不払い労働であること、家事、育児、介護、看護がすべて一人の女性の負担になっていること。お嫁さんがやっていた介護が仕事になっていったことなど、ずっと女性の幸せのために研究してこられた上野さんの女性学・ジェンダー学の問題点も歴史もわかります。時代の先頭を走り続け、私たちの生きやすい社会を作ってくれた先輩からのエールに胸が熱くなること間違いありません!
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戻れないけど、生きるのだ 男らしさのゆくえ | 清田 隆之
¥2,090
太田出版 2024年 ソフトカバー 304ぺージ 四六判 - 内容紹介 - ひとりの青年が、とまどい、ゆらぎ、つまずきながら、夫になり、父になる成長物語。その率直さに胸を衝かれる。男性が本書から学ぶことは多いだろう。──上野千鶴子 このひとの書くものはブレない。それはたぶん、自分の立ち位置と付与された力を厳しすぎるくらいに点検することを忘れないからだ。──信田さよ子 フェミニズムから受け取った重たい宿題。これからの〈俺たち〉へ。 男らしさや男性性にまつわる当事者研究として各メディアで話題となった『さよなら、俺たち』に続く最新ジェンダー・エッセイ集。ジェンダーの先にある人間の生き方、幸福を探求する。 人生の価値は、人生の豊かさは、どれだけ何かに心を揺さぶられたかでおそらく決まる。ジェンダーとは生き方や在り方に直結する問題で、私たちの言動や感受性のOS(オペレーション・システム)として機能しているものだ。そこに変化を加えようとすれば、当然ながらいろんなところがギリギリ軋む。そのストレスや不快感はバカにならず、反動的なエネルギーが生じたって不思議ではない。だからこそ思う。俺たちは頭で考えてるだけでは変われない。そのためには何かに圧倒され、言葉を失い、放心状態になるような体験を重ねることが重要で、内省も責任も、ケアも覚悟も、抵抗も希望も、きっとそういう時間から生まれるはずだ。もちろん本やドラマだけじゃない。恋愛にも、子育てにも、仕事にも、旅にも、生活にも、友達とのお茶にも、そんな感動は宿っている。「昔のほうがよかった」「ずいぶん息苦しい時代になった」「あの頃に帰りたい」って気持ちは誰の中にもあると思うけど、進んでしまった時間を、変化してしまったものを、元に戻すことはもうできない。それでも毎日は続くし、何かに心を震わせながら生きていくことは全然できる。さよならした時間に戻ることはできないけれど、男らしさの危機が叫ばれるこの時代を、俺たちはこれからも生きるのだ。 (「戻れないけど、生きるのだ」) 1 〈男〉とフェミニズム──シスターフッドの外側で 2 我は、おじさん──男性優位社会と中年世代の責任 3 被害と加害と恥と傷──泣いてる〈俺〉を抱きしめて 4 平成から遠く離れて──生産性の呪いと自己責任社会 5 家父長制への抵抗──結婚と家族、ジェンダーの呪縛 6 これからの〈俺たち〉へ──beingの肯定 - 著者プロフィール - 清田 隆之 (キヨタ タカユキ) (著/文) 1980年東京都生まれ。文筆業、「桃山商事」代表。早稲田大学第一文学部卒業。ジェンダー、恋愛、人間関係、カルチャーなどをテーマに様々な媒体で執筆。朝日新聞beの人生相談「悩みのるつぼ」では回答者を務める。桃山商事としての著書に『生き抜くための恋愛相談』『モテとか愛され以外の恋愛のすべて』(ともにイースト・プレス)、単著に『さよなら、俺たち』(スタンド・ブックス)『自慢話でも武勇伝でもない「一般男性」の話から見えた生きづらさと男らしさのこと』(扶桑社)『おしゃべりから始める私たちのジェンダー入門』(朝日出版社)、トミヤマユキコ氏との共著に『大学1年生の歩き方』(集英社文庫)、澁谷知美氏との共編著に『どうして男はそうなんだろうか会議』(筑摩書房)など。Podcast番組『桃山商事』『オトコの子育てよももやまばなし』も配信中。
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災害と性暴力 性被害をなかったことにしない、させないために。 | Nursing Todayブックレット編集部(編集)
¥990
日本看護協会出版会 2023年 ソフトカバー 64ぺージ A5判 縦210mm 横148mm 厚さ5mm - 内容紹介 - 過去の大震災時に起こった性暴力は、「それくらい」と軽くみられたり、「そんなことがあったはずはない」と否定されてきました。本書ではその実態を示すとともに、メディアでどのように伝えられたかや、支援者の視点、加害者の心理、ジェンダー視点の避難所づくりなど、災害と性暴力の問題を多面的に捉えました。近い将来起こると言われている大型自然災害時にまた同じことを繰り返さないために、我々は何をすべきか…考えるきっかけにしてください。 - 目次 - 東日本大震災における性暴力の実態──東日本大震災女性支援ネットワークの調査報告書より ──編集部 災害とメディア──なぜ阪神・淡路大震災で性暴力被害はデマとされたのか──小川たまか 災害・パンデミックにおける性暴力被害への対応──性暴力対応看護師(SANE)の立場から ──⾧江美代子 医療従事者だからできること、医療従事者に期待すること──災害時の性暴力を撲滅するために ──中野宏美 (column)スフィア基準を取り入れた避難所づくり── 原田奈穂子 被災状況下でも、なぜ人は性的加害を行うのか── 草柳和之 (column) 刑法性犯罪規定の改正──編集部
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学びのきほん フェミニズムがひらいた道 | 上野 千鶴子
¥737
NHK出版 2022年 ソフトカバー 124ぺージ A5判 - 内容紹介 - その歴史と意義が2時間でわかる、著者初の総合的な入門書。 学校で習った「男女雇用機会均等法」や「男女共同参画社会基本法」。これらは、真の男女平等を実現するものではなかった? フェミニズムはなぜ生まれ、何を変え、何を変えられなかったのか。その流れを「四つの波」に分けてコンパクトに解説する。女性参政権、性別役割の解放、#MeToo……。過去を知り、自分の経験を再定義する言葉を手に入れるために。日本におけるフェミニズムを切り開き続けてきた第一人者が、多くの経験知とともにフェミニズムがたどった道のりを語る。 - 著者プロフィール - 上野 千鶴子 (ウエノ チヅコ) (著/文) 1948年、富山県生まれ。社会学者、東京大学名誉教授。認定NPO法人ウィメンズアクションネットワーク(WAN)理事長。専門学校、短大、大学、大学院、社会人教育などの高等教育機関で、40年間教育と研究に従事。主な著書に『近代家族の成立と終焉』『家父長制と資本主義』(岩波現代文庫)、『おひとりさまの老後』(文春文庫)、『ひとりの午後に』(NHK出版/文春文庫)、『在宅ひとり死のススメ』(文春新書)、『おひとりさまの最期』『女ぎらい』(朝日文庫)、『ケアの社会学』(太田出版)など多数。
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さらば,男性政治 | 三浦 まり
¥1,078
岩波書店 2023年 岩波新書 ソフトカバー 298ぺージ 新書判 縦173mm 横107mm 厚さ12mm - 内容紹介 - 男性政治とは、男性だけで営まれ、男性だけが迎え入れられ、それを当然だと感じ、たまに女性の参入が認められても対等には扱われない政治である。ジェンダー平等な社会を目指す推進力が生まれているが、男性政治の最後の砦、永田町がその流れを阻んでいる。こうした日本の現実を超えて、女性も、男性も、マイノリティも、誰もが生きやすい社会への道を探る。 - 目次 - はじめに 第1章 男性ばかりの政治 第2章 二〇年の停滞がもたらしたもの――ジェンダー平等後進国が作り出した生きづらさ―― 第3章 女性を排除する日本の政治風土と選挙文化 第4章 女性に待ち受ける困難――障壁を乗り越える―― 第5章 ミソジニーとどう闘うか 第6章 なぜクオータが必要か 第7章 ジェンダー平等で多様性のある政治に向けて 謝辞 引用文献 - 著者プロフィール - 三浦 まり (ミウラ マリ) (著/文) 1967年東京都生まれ.慶應義塾大学卒業,カリフォルニア大学バークレー校大学院修了.Ph.D(. 政治学).2021年,フランス政府より国家功労勲章シュバリエ受章. 現在─上智大学法学部教授 専攻─現代日本政治論,ジェンダーと政治 著書─『 私たちの声を議会へ──代表制民主主義の再生』(岩波書店),『社会への投資〈個人〉を支える〈つながり〉を築く』(編集,同),『日本の女性議員──どうすれば増えるのか』(編集,朝日新聞出版),『女性の参画が政治を変える──候補者均等法の活かし方』(共編,信山社),『日本政治の第一歩』(共編,有斐閣),『ジェンダー・クオータ──世界の女性議員はなぜ増えたのか』(共編,明石書店)など.
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女性のいない民主主義 | 前田 健太郎
¥1,034
岩波書店 2019年 岩波新書 ソフトカバー 238ぺージ 新書判 縦173mm 横107mm 厚さ14mm - 内容紹介 - 日本では男性に政治権力が集中している。何が女性を政治から締め出してきたのか。そもそも女性が極端に少ない日本の政治は、民主主義と呼べるのか。客観性や中立性をうたってきた政治学は、実は男性にとって重要な問題を扱う「男性の政治学」に過ぎなかったのではないか。気鋭の政治学者が、男性支配からの脱却を模索する。 - 目次 - はじめに 第1章 「政治」とは何か 1 話し合いとしての政治 2 政治における権力 3 マンスプレイニングの罠 4 政治の争点 5 多数決と争点 第2章 「民主主義」の定義を考え直す 1 女性のいない民主主義 2 代表とは何か 3 民主化の歴史を振り返る 4 民主化の理論と女性 第3章 「政策」は誰のためのものか 1 男性のための福祉国家 2 政策は誰の利益を反映するのか 3 福祉国家が変わりにくいのはなぜか 4 政策の変化はどのようにして生じるか 第4章 誰が,どのように「政治家」になるのか 1 日本政治の二つの見方 2 有権者は誰に票を投じるか 3 政党と政治家の行動原理 4 選挙制度の影響 おわりに あとがき 主な参考文献・データベース - 著者プロフィール - 前田 健太郎 (マエダ ケンタロウ) (著/文) 1980年,東京都生まれ.2003年,東京大学文学部卒業.2011年,東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了,博士(法学).首都大学東京大学院社会科学研究科准教授を経て, 現在―東京大学大学院法学政治学研究科准教授 専攻―行政学・政治学 著書―『市民を雇わない国家――日本が公務員の少ない国へと至った道』(東京大学出版会,第37回サントリー学芸賞[政治・経済部門])
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ケアの倫理 フェミニズムの政治思想 | 岡野 八代
¥1,364
岩波書店 2024年 岩波新書 ソフトカバー 342ぺージ 新書判 縦173mm 横107mm 厚さ14mm - 内容紹介 - 身体性に結び付けられた「女らしさ」ゆえにケアを担わされてきた女性たちは、自身の経験を語る言葉を奪われ、言葉を発したとしても傾聴に値しないお喋りとして扱われてきた。男性の論理で構築された社会のなかで、女性たちが自らの言葉で、自らの経験から編み出したフェミニズムの政治思想、ケアの倫理を第一人者が詳説する。 - 目次 序 章 ケアの必要に溢れる社会で 第1章 ケアの倫理の原点へ 1 第二波フェミニズム運動の前史 2 第二波フェミニズムの二つの流れ――リベラルかラディカルか 3 家父長制の再発見と公私二元論批判 4 家父長制批判に対する反論 5 マルクス主義との対決 第2章 ケアの倫理とは何か――『もうひとつの声で』を読み直す 1 女性学の広がり 2 七〇年代のバックラッシュ 3 ギリガン『もうひとつの声で――心理学の理論とケアの倫理』を読む 第3章 ケアの倫理の確立――フェミニストたちの探求 1 『もうひとつの声で』はいかに読まれたのか 2 ケアの倫理研究へ 3 ケア「対」正義なのか? 第4章 ケアをするのは誰か――新しい人間像・社会観の模索 1 オルタナティヴな正義論/道徳理論へ 2 ケアとは何をすることなのか?――母性主義からの解放 3 性的家族からの解放 第5章 誰も取り残されない社会へ――ケアから始めるオルタナティヴな政治思想 1 新しい人間・社会・世界――依存と脆弱性/傷つけられやすさから始める倫理と政治 2 ケアする民主主義――自己責任論との対決 3 ケアする平和論――安全保障論との対決 4 気候正義とケア――生産中心主義との対決 終 章 コロナ・パンデミックの後を生きる――ケアから始める民主主義 1 コロナ・パンデミックという経験から――つながりあうケア 2 ケアに満ちた民主主義へ――〈わたしたち〉への呼びかけ あとがき 参考文献 - 著者プロフィール - 岡野 八代 (オカノ ヤヨ) (著/文) 1967年三重県生まれ.早稲田大学大学院政治学研究科修士課程修了.博士(政治学). 現在―同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科教授. 専攻―政治思想,フェミニズム理論. 著書―『シティズンシップの政治学――国民・国家主義批判 増補版』(白澤社),『フェミニズムの政治学――ケアの倫理をグローバル社会へ』(みすず書房),『戦争に抗する――ケアの倫理と平和の構想』(岩波書店),『ケアするのは誰か?――新しい民主主義のかたちへ』(共著・訳,白澤社),エヴァ・F.キテイ『愛の労働あるいは依存とケアの正義論』(共監訳,白澤社),アイリス・M.ヤング『正義への責任』(共訳,岩波書店)など.
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ジェンダー格差 実証経済学は何を語るか | 牧野 百恵
¥990
中央公論新社 2023年 中公新書 ソフトカバー 248ぺージ 新書判 - 内容紹介 - 第46回サントリー学芸賞作(政治・経済部門) 歴史・文化・社会的に形成される男女の差異=ジェンダー。その差別は近年強い批判の対象だ。 本書は、実証経済学の研究から就業・教育・政治・解消後の可能性について、国際的視点から描く。 議員の女性枠導入=クオータ制が、質の低下より無能な男性議員排除に繋がる、女性への規範が弱い国ほど高学歴女性が出産するエビデンスなどを提示。旧来の慣習や制度について考える。 【書評掲載案内】 ・毎日新聞(朝刊)12月16日/大竹文雄(大阪大特任教授・経済学) ・週刊現代 2023年12月23日号/石戸諭(ノンフィクションライター) ・朝日新聞(朝刊)11月25日/神林龍(武蔵大学教授・労働経済学) ・週刊文春 2023年11月23日号/吉川浩満(文筆家) ・週刊東洋経済 2023年11月11日号/原田泰(名古屋商科大学ビジネススクール教授) ・日本経済新聞(朝刊)2023年10月28日/児玉直美(明治学院大学教授) ・熊本日日新聞2023年9月14日 - 目次 - 【目 次】 はじめに 序 章 ジェンダー格差の実証とは 第1章 経済発展と女性の労働参加 第2章 女性の労働参加は何をもたらすか 第3章 歴史に根づいた格差―風土という地域差 第4章 助長する「思い込み」―典型的な女性像 第5章 女性を家庭に縛る規範とは 第6章 高学歴女性ほど結婚し出産するか 第7章 性・出産を決める権利をもつ意味 第8章 母親の育児負担―制度はトップランナーの日本 終 章 なぜ男女の所得格差が続くのか あとがき - 著者プロフィール - 牧野百恵 (マキノモモエ) (著/文) 1975年愛知県生まれ.99年東京大学法学部卒業,2002年タフツ大学フレッチャースクール国際関係修士課程修了,同年アジア経済研究所入所.11年ワシントン大学経済学部博士課程修了,Ph.D.(経済学).在ニューヨーク,ポピュレーション・カウンシル客員研究員を経て現在、アジア経済研究所開発研究センター主任研究員.専攻/開発ミクロ経済学,人口経済学,家族の経済学.共著に 『コロナ禍の途上国と世界の変容』(日経BP / 日本経済新聞出版,2021年).
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RITA MAGAZINE2 死者とテクノロジー | 中島 岳志(編集)
¥2,640
ミシマ社 2025年 ソフトカバー 232ぺージ B5変形判 縦245mm 横184mm 厚さ13mm - 内容紹介 - *** 3/13(木)リアル書店先行発売! *** AI時代、人類だけが行ってきた「弔い」はどうなる? 「死者」の問題を考えずして、 利他は語れず! 葬式、墓、仏壇、失われる弔いの伝統と、 台頭するAI故人ビジネス。 そのリスクと可能性を、 情報学、文学、宗教、政治学… 多方面から考察する。 中島岳志/高木良子/ドミニク・チェン/平野啓一郎/高橋康介/佐々風太/松尾公也/古田雄介/パトリック・ストークス/西出勇志/谷山昌子/池口龍法 - 目次 - 巻頭論考 利他的な死者 中島岳志 Chapter1 思いがけず死者 ・思いがけず死者 鼎談:ドミニク・チェン、中島岳志、高木良子 ・「死者が生きていく」ためのテクノロジーはいかにして可能か 論考:ドミニク・チェン ・弔いの知覚論 論考:高橋康介 ・「御先祖」と共に作る~―濱田庄司作品と死者の営みの引用 論考:佐々風太 Chapter2 テクノロジーで死者に「出会う」 ・AIが死者を再現するとき~小説『本心』をめぐって 鼎談:平野啓一郎、中島岳志、高木良子 ・亡き娘と再会する~韓国のドキュメンタリーを事例に 論考(インタビュー):高木良子 ・亡き妻の歌声から曲を紡ぐ 論考:松尾公也 ・デジタル故人が現代の追悼装置となるためには 論考:古田雄介 ・中国・AI故人ビジネスの今~超級頭脳 張澤偉代表に訊く 論考(インタビュー):高木良子 ・AI故人の倫理 論考:パトリック・ストークス Chapter3 弔いの現在と未来 ・消えゆく「彼岸」~弔いの半世紀を振り返る 鼎談:西出勇志、中島岳志、高木良子 ・遺骨アクセサリー・堆肥葬・自然循環型葬~弔いの多様化とその裏にひそむもの 論考:高木良子 ・墓友・手元供養・土葬~日本の葬送のいまを支える人たち 論考:谷山昌子 ・ドローン仏に夢を乗せて 論考:池口龍法 ・されど仏壇~廃棄とデジタル化のリアル 論考(インタビュー):高木良子 - 著者プロフィール - 中島岳志 (ナカジマ タケシ) (編集) 1975年大阪生まれ。北海道大学大学院准教授を経て、東京科学大学リベラルアーツ研究教育院教授。専攻は南アジア地域研究、近代日本政治思想。2005年、『中村屋のボース』で大佛次郎論壇賞、アジア・太平洋賞大賞受賞。著書に『思いがけず利他』『朝日平吾の鬱屈』『保守のヒント』『秋葉原事件』『岩波茂雄』、共著に『料理と利他』『ええかげん論』『現代の超克』、編著に『RITA MAGAZINE テクノロジーに利他はあるのか?』などがある。
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整体対話読本 ある | 川﨑 智子, 鶴崎 いづみ
¥2,198
土曜社 2019年 ソフトカバー 296ぺージ 18.2 x 12.3 x 1.6 cm - 内容紹介 - 「やりたい仕事は大事だけど、仕事は動作なんだから。」 整体指導者・川﨑智子からの呼びかけをもとに始まった二人の対話は、すっかり元気をなくしていた聞き手である鶴崎の目から鱗をボトボト落とし、身も心もグラグラとゆさぶり柔らかく解きほぐして行った。整体の元祖といわれる野口整体の方法をとおして世界の奥行きと元気になるヒントを模索する、三年間の対話の記録。 2017年に「観察と編集」から100部限定で自費出版され、読んでいるだけで効果があるという声が多数よせられた本書に後日談を加えて再編集。整体の入門書としても、どうぞ。
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整体対話読本 こどもと整体 | 川﨑 智子
¥2,198
土曜社 2023年 ソフトカバー 208ぺージ 19 x 12.9 x 2 cm - 内容紹介 - 「みんなこどもだったんだから」ここに立ち返ってものを見れば、わかってくることがあるはずじゃないか。 子育て支援活動をライフワークとして続けてきた、整体指導者・川﨑智子と保育士らによる、こどもにまつわる対話集。赤ちゃんからイヤイヤ期、こどもの終わりと思春期まで、こどもの発育過程と子育てを、整体の観察技術でやわらかくひもといてゆく。こどもたちへ、またかつてこどもだった大人たちへおくる、人気の整体対話読本シリーズ第三弾。
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フェミニスト・ファイブ 中国フェミニズムのはじまり | レタ・ホング・フィンチャー, 宮崎真紀(訳), 阿古智子(解説)
¥3,080
左右社 2024年 ソフトカバー 328ージ 四六判 - 内容紹介 - 「闘争することが日常だった。もし闘争をやめたら、私が私でなくなってしまう。」 2015年国際女性デー、中国で痴漢反対のステッカーを配布しようとし、逮捕された5人の女性がいた。 まったく無名だった彼女たちは、逮捕・拘束されたことにより世界的な注目を集める。「女権五姉妹(フェミニスト・ファイブ)」の誕生である。 家父長制的権威主義国家としての中国は、性暴力をゆるし、女性たちを「産む機械」に貶め、その自由を奪ってきた。 なぜ独裁者(習近平)は、武器を持たない彼女たちを恐れたのか? 逮捕、拘留、脅迫、検閲、暴力。政府による抑圧が強まるなか、フェミニストはどのように声をあげ、行動したのか。 その声はやがて、政治的表明を避けていた女性たちをも動かしてゆき……。 独裁者も恐れたフェミニストたちの姿を追う。 解説は、現代中国の政治・社会変動、人権問題などを研究する阿古智子氏。 「女権五姉妹」以前・以後の中国フェミニズム運動を概括できる一冊。
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地域が主役の自治体災害対策 参加・協働・連携の減災マネジメント | 阪本 真由美
¥2,750
学芸出版社 2025年 ソフトカバー 224ページ 四六判 縦188mm 横127mm 厚さ20mm - 内容紹介 - 想定外の災害を地域主体のボトムアップ型で乗り越えるには「連携」と「協働」、組織をつなぐ「コミュニケーション」が不可欠だ。自治体の業務マネジメント、応急対策、避難所運営を、阪神・淡路、熊本、能登半島の地震、西日本豪雨の経験から語る。今後、起こりうる南海トラフ地震を乗り越えるために求められることは何か。 - 目次 - はじめに 第1章 市町村の災害対策を機能させる 1. 日本の災害対策システムの特徴と課題 2. 災害対策システムができるまでの動き 3. 災害が起きた時の対応体制 4. 確立されていない災害対策本部の設置基準 5. 災害対策本部の設置から運営まで 6. 想定外の災害に備えるための組織マネジメント 7. 災害マネジメント人材を育成する 第2章 被災市町村の災害時業務マネジメント 1. 熊本地震(2016年)にみる益城町の対応 2. 住民の目線で考える業務継続計画 3. 阪神・淡路大震災(1995年)で被災した芦屋市の窓口業務再開 4. 東日本大震災(2011年)で被災した釜石市の窓口業務再開 5. 窓口業務再開の手順と工夫 6. ワンストップ窓口の設置と被災者支援の質の向上 7. 災害時の行政サービスの継続 第3章 大規模広域災害を乗り切る自治体間連携―2011年東日本大震災 1. 重要な役割を担う自治体間の応援協力 2. 宮城県にみる県域の受援情報把握の課題 3. 自治体の自主的な連携による支援 4. 被災地支援のためのロジスティクス 5. 大規模広域災害時の受援体制構築に向けて 第4章 避難所運営―災害関連死を防ぐ 1. 災害時の避難所運営をめぐる課題 2. 避難者数と避難理由を把握する 3. 避難所生活における災害関連死 4. 「動かない」と「動けない」 5. 避難所の衛生環境をめぐる課題 6. 優先されるべきなのは「公平性」よりも「必要性」 7. 多様な人との協働による避難所運営 第5章 避難情報と住民の避難行動 1. 市町村が発令する避難情報 2. どのタイミングでどの避難情報を出すのか 3. 西日本豪雨(2018年)における住民の避難行動 4. 避難スイッチをオンにするための取り組み 5. 避難情報を住民の身近な情報とするために 第6章 地域住民と自治体によるコミュニケーション型防災 1. 誰が主役となり防災を進めるのか 2. 災害時の地域コミュニティの役割 3. 地区防災計画により地域コミュニティを活性化する 4. 住民参加型の防災と市町村の役割 5. 共助により地域の災害対応力を高める おわりに - 著者プロフィール - 阪本 真由美 (サカモト マユミ) (著/文) 兵庫県立大学減災復興政策研究科教授。専門は、減災コミュニケーション、防災教育、地域防災。災害による被害を軽減するとともに、地区防災計画・個別避難計画等を通した災害に強い地域づくりに取り組んでいる。国際協力機構(JICA)で開発途上国への国際協力に携わった後に、京都大学大学院情報学研究科博士後期課程修了。博士(情報学)。人と防災未来センター、名古屋大学減災連携研究センターを経て現職。国土強靭化推進会議委員、兵庫県防災会議委員、内閣府個別避難計画作成モデル事業アドバイザリーボード委員など。令和6年防災功労者防災担当大臣表彰受賞。
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おしゃべりから始める私たちのジェンダー入門 | 清田 隆之
¥1,925
朝日出版社 2023年 ソフトカバー 264ページ 四六判 - 内容紹介 - あのとき悩んだあのことは、全部ジェンダーの問題だったのかも・・?! 非モテ男性たちのぼやき、仮性包茎に『うっせぇわ』、『おかあさんといっしょ』や母親からの過干渉、ぼる塾、阿佐ヶ谷姉妹のお笑い、ZARDに朝ドラの男性たち、パワハラ、新興宗教、ルッキズム…… ジェンダーを自分事として考えるために。 共同通信配信の好評エッセイ「清田隆之の恋バナ生活時評」を大幅加筆。より正直に、言葉の密度高く書籍化。 日々を暮らす中で感じたモヤモヤを、誰かと話しながら言語化していく営みこそ、ジェンダーという巨大にしてつかみどころがなく、それでいて根源的で影響力も計り知れない問題に向き合うためのきっかけになるのではないか。私というミクロの世界と、社会というマクロの世界は、どこかで確実につながっている。――「まえがき」 - 目次 - 第1章 〈男〉について考え続けた2年間のこと 恋バナは楽しい。でも、どんどんしづらいものになっていった/痴漢被害に憤る女、痴漢冤罪に怯える男/男たちは自分のことをわからないままでいいのか… 第2章 コロナと育児と生活の限界 子どもの成長はあっという間。でも、大人の1年だってそれなりに長い/自分を許してくれない〝リトル清田〞の厳しさ/子どもが風邪をひくと一瞬で詰む日々… 第3章 #stayhomeと令和のエンタメ 朝ドラの弱くて優しい男たち/阿佐ケ谷姉妹に感じた〝男性的〞ではない笑いの感覚/「ガッキーロス」に独禁法まで持ち出す〝ノリ〞の気持ち悪さ… 第4章 心を開いて、清田くん! 恋愛のモヤモヤに潜む政治意識のズレ/「暴力とコミュニケーションが紙一重」の領域で傷つく男性たち/「お茶する」ことの醍醐味、ガールズトークの文化に学んだこと… - 著者プロフィール - 清田隆之 (キヨタタカユキ) (著/文) 1980年東京都生まれ。文筆業。恋バナ収集ユニット「桃山商事」代表。早稲田大学第一文学部卒。これまで1200人以上の恋バナに耳を傾け、恋愛とジェンダーをテーマにコラムを執筆。朝日新聞be「悩みのるつぼ」では回答者を務める。 単書に『さよなら、俺たち』(スタンド・ブックス)、『自慢話でも武勇伝でもない「一般男性」の話から見えた生きづらさと男らしさのこと』(扶桑社)、桃山商事名義としての著書に『生き抜くための恋愛相談』『モテとか愛され以外の恋愛のすべて』(イースト・プレス)、澁谷知美氏との共編著に『どうして男はそうなんだろうか会議──いろいろ語り合って見えてきた「これからの男」のこと』(筑摩書房)、トミヤマユキコ氏との共著に『文庫版 大学1年生の歩き方』(集英社)などがある。
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若者の戦争と政治 20代50人に聞く実感、教育、アクション | 仕事文脈編集部(編)
¥1,870
タバブックス 2024年 ソフトカバー 232ページ B6変形判 縦137mm 横110mm 厚さ14mm - 内容紹介 - むしろ「学ばなかったこと」のほうが印象深いかも(26歳) 「先生だから政治的意見は言えない」と、"中立"であることにこだわっていたのが印象的(23歳) 「社会や政治に無関心な若者」は、こうして生まれたー 1994~2004年生まれ、20代50人に聞いた、戦争と政治。 「慰安婦」の文字が教科書から消され、戦争における加害の歴史を学ばなかった。 性教育がバッシングされ、激しいジェンダーバックラッシュが起こった。 生きづらさを自己責任で丸め込まれ、「ゆとり」や「さとり」と後ろ指をさされる。 第2次安倍政権下で義務教育期を過ごしたかれらは、当時の政治や教育にどう影響され、何を感じてきたのか。生まれ育った1994-2024年の政治、教育、文化、社会の動きを年表で振り返るとともに、若者たちの声を聞く1冊。 戦争を起こさないようにするのは誰か。問われなければいけないのは政治だ。(寄稿 武田砂鉄) - -前書きなど 弊社発行の雑誌『仕事文脈vol.24』(2024年5月)で、「〈戦争〉をどう捉えていますか? 20代に聞く実感、教育、アクション」という記事を掲載しました。終戦から80年近くが経ち、戦争が遠いものとなっている一方、SNSを開けばウクライナ侵攻やパレスチナでのジェノサイドの情報がリアルタイムで流れてくる、そんな状況で現在20代の若い世代は「戦争」にどんなイメージを抱いているのか。それを聞いてみるために、学校でどのように学んだか、どんな情報を持っているか、具体的に行動していることはあるか、などについて12名にアンケートをとりました。その回答は、どれも真摯にテーマに向き合い、具体的な体験を自分のことばで書いてくれたものでとても読み応えがありました。 若者は、社会に無関心と言われるが、それはなぜか。その背景が垣間見られるような回答の数々を受け、もう少しこのテーマを深めてみるために企画したのが、本書です。 今回、「戦争」とともに関心が薄いとみられている「政治」についての問いを立て、20代50人に調査を行いました。それぞれについて子ども時代に受けた教育や情報のことを聞くとともに、戦争、政治について考えていること、行動していることを自由に書いてもらいました。 平成の時代から令和の初期の頃、社会情勢や政治はどうだったか、どんな教育が行われていたのか、かれらの育ってきた過程と併せて、「若者」について考えるきっかけになればと思います。
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怒りZINE | げじま, 小沼理, 佐山聡子, 鄭優希, 渡辺愛知, 宮川真紀
¥1,100
タバブックス 2023年 ソフトカバー 52ページ B6判 - 内容紹介 - 社会にはびこる差別や偏見、理不尽なこと、許せないことに、怒っている。 なかったことにせず、我慢せず、怒りとして記憶する。 あらゆる「怒り」を発信し、その背景を可視化し、共有するためのZINE。 政府内の差別発言、過剰な自主規制、社内のハラスメント、トーンポリシング、カスタマーハラスメント、無理解、人種差別等々に怒った人たちの文章です。 普通に生きて、働いているなかで、なぜこんなに怒りを覚えることが起きるのか。怒りが生まれる過程、その要因を知ることが、この社会の課題を考えるきっかけになればと思い、この冊子を制作しました。 【目次】 書店のセルフ検閲に抗議した話。 げじま 火傷が治らないまま 小沼理 新しいトンポリに気をつけろ 佐山聡子 私を繋ぎ止める錨 鄭優希 あのときのこと 渡辺愛知 怒り10年史 宮川真紀
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「ほとんどない」ことにされている側から見た社会の話を。 | 小川 たまか
¥924
筑摩書房 2025年 ちくま文庫 ソフトカバー 256ページ 文庫判 - 内容紹介 - 「わたし」を奪われずに生きるために。 性暴力被害、ジェンダー格差、年齢差別、#MeToo…… 社会から軽く扱われてきた暴力に声を上げ続けた記録。 文庫版新章「自由のほうへ行くために」を増補! 社会から隠されてきた小さな声を丹念に取材し続ける著者が、わたしたちに降りかかる「らしさ」の呪いを断ち切り、生きづらさを理解するための新たな補助線を書き加えていく。性暴力被害やハラスメント、痴漢犯罪、#MeToo、2017年と2023年に行われた性犯罪刑法改正──。この不合理な世界で闘うあなたを決してひとりにしない、レジスタンス・エッセイ。新章「自由のほうへ行くために」を増補。 この社会を見る角度や場所を変えなければいけない。 その周辺で何が起きているか見つめなければいけない。 ――(本文より) カバー装画 Kwon Seoyong カバーデザイン 芥陽子 - 目次 - はじめに Ⅰ 「ほとんどない」ことにされている側から見た社会の話を。(二〇一六~二〇一八) プロローグ バザーとiPad 越しのお祈り 手を伸ばさなかった話(1) 手を伸ばさなかった話(2) 大海は近いか遠いのか 加害者が語ること 年齢の話 手伝ってくださいと言われてよかったと思った話 炎上ばかりの現代で覚えておきたい歴史 No means No 私の体は私のもの もう1 つの「死にたい」検索結果の話 外見をほめられたら必死で否定しなければいけないあの雰囲気について 警察行く行かないの話&行っても意味ないのかとかの話 死と型 子どもにとっての強者 取材と暴力 生まれてから十二年間だけ猶予期間 フィクションと実相 手を伸ばさなかった話(3) 半分だけわかる、でもいいと思う 男女平等の話 女の人の体が好き 美人とセクハラ 透明な痴漢常習者 前に進む おわりに Ⅱ 自由のほうへ行くために(二〇二二~二〇二四) 女性が幸福な国 遠ざけられてきたもの ネグレクト 令和のご不快構文 従順な最後の世代 大切な話だから声をひそめて Column 持続可能な生活 百円ショップのサンセベリア 猫の同意 文庫版 おわりに - 著者プロフィール - 小川 たまか (オガワ タマカ) (本文) 1980年東京生まれ。大学院卒業後、2008年に共同経営者と編集プロダクションを起ち上げ取締役を務めたのち、2018年からフリーライターに。Yahoo!ニュース個人「小川たまかのたまたま生きてる」などで、性暴力に関する問題を取材・執筆。著書に『告発と呼ばれるものの周辺で』(亜紀書房)、『たまたま生まれてフィメール』(平凡社)、共著に『わたしは黙らない──性暴力をなくす30の視点』(合同出版)がある。エトセトラ特集号「ジェンダーと刑法のささやかな七年」(etc.books)では責任編集をつとめる。